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  • 特開-ゲートアソートシステム 図1
  • 特開-ゲートアソートシステム 図2
  • 特開-ゲートアソートシステム 図3A
  • 特開-ゲートアソートシステム 図3B
  • 特開-ゲートアソートシステム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186903
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ゲートアソートシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022171011
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2021022893の分割
【原出願日】2020-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】509323680
【氏名又は名称】株式会社タクテック
(72)【発明者】
【氏名】山崎 整
(57)【要約】
【課題】各段の物品間口のゲートの俯仰位置を作業がし易い位置に設定することが可能となり、しかも従来のデジタル表示器に替わって、人間工学を利用した認知強化機能を付与することができるゲートアソートシステムを提供する。
【解決手段】直線駆動手段40によって円筒体13を回動可能とした回動手段11を、複数の物品間口5のそれぞれに装着し、前記直線駆動手段への駆動力の付与によって所定の物品間口のゲート7の俯仰動作をするもので、物品間口の中身が見える程度に物品間口上方の円筒体に板状のゲートが配されてなり、物品容器20から取り出した物品の物品識別情報23を読取手段24によって読み取って物品仕分け情報に対応した物品間口に装着した回動手段を作動する制御手段25を有するPC30を備え、人間工学を利用した認知強化機構を付与可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品もしくは前記物品が収容される物品容器が投入される物品間口を縦方向に少なくとも複数段備えて構成される物品投入棚の前記物品間口を開閉させるゲートと、
前記物品間口に取り付けられ、前記ゲートに俯仰動作をさせる回動手段と、
前記物品に付された物品識別情報及び/もしくは前記物品容器に付された物品容器識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた物品識別情報及び/もしくは物品容器識別情報に対応する物品仕分け情報を受信し該受信された物品仕分け情報に対応した前記物品間口に取り付けられた前記回動手段を作動させる制御手段と、
前記回動手段に対して、前記物品間口のうち、正面視低い位置にあるものはゲートが大きく開き、正面視高い位置にあるものは前記ゲートが小さく開くように個別に設定することが可能である俯仰角度個別設定可能化手段と
を備え、
前記俯仰角度個別設定可能化手段は、
円筒体に備えられ、ゲートの俯仰動作に係る俯仰角度の上限を制する第1の突起を備えた仰角ストッパーと、
円筒体に備えられ、ゲートの俯仰動作に係る俯仰角度の下限を規制する第2の突起を備えた俯角ストッパーと
を備えた俯仰角度個別設定手段であり、
前記俯仰角度個別設定手段により物品間口のうち、低い位置にあるものはゲートが大きく開き、正面視高い位置にあるものはゲートが小さく開くように個別に設定されることを特徴とするゲートアソートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種物品を集品した後に仕分けするゲートアソートシステムに関するものであり、特に、物品の最終的な配送先毎に仕分ける際の物品仕分け作業の誤作業を防止するゲートアソートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品仕分け作業において、各物品間口の近傍にデジタル表示器を配置させ、この表示器が点灯した際に、これの近傍の物品間口に物品を投入している。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、物品を投入する開閉扉を備えた複数の個別仕分け間口と、個別仕分け間口に仕分けた物品を収納した個別配送容器を投入する開閉扉を備えた複数の混載仕分け間口と、前記各開閉扉を独立して開閉可能な駆動手段と、前記物品および前記個別配送容器を識別する識別情報を入力する識別情報入力手段と、前記物品を識別する識別情報に関連づけた個別仕分け間口の開閉扉を開き、前記個別配送容器を識別する識別情報に関連づけた混載仕分け間口の開閉扉を開く機能とを備えた物品仕分けシステムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-162609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術では、物品仕分け作業において、各物品間口の上下近傍にデジタル表示器が配置してあると、物品を投入する際に、上側の物品間口か下側の物品間口かを間違ってしまう。
【0006】
また、特許文献1の場合、物品仕分け作業において、開閉扉は俯仰位置が上下方向に並ぶ各仕分け間口で変えられないため、人間工学を利用した認知強化機能が乏しい。
【0007】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、上下方向へ物品間口の段数が多くなった場合に、各段の物品間口のゲートの俯仰位置を作業がし易い位置に設定することが可能となり、しかも従来のデジタル表示器に替わって、人間工学を利用した認知強化機能を付与することができるゲートアソートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、直線駆動手段によって円筒体を回動可能とした回動手段を、複数の物品間口のそれぞれに装着し、前記直線駆動手段への駆動力の付与によって所定の物品間口のゲートの俯仰動作をするもので、ゲートは物品間口の中身が見える程度に物品間口上方の円筒体に板状となって配されてなり、物品容器から取り出した物品の物品識別情報を読取手段によって読み取って物品仕分け情報に対応した物品間口に装着した前記回動手段を作動して前記ゲートを開く制御手段を有するPCを備えたことで、人間工学を利用した認知強化機構を付与可能にすることを特徴とした。
【0009】
高い段位置にある物品間口に比較し、低い段位置にある物品間口はゲートをより大きく開くよう前記円筒体に俯仰角度調整機能を有するストッパーを備え、ストッパーは、少なくともどちらか一つに、仰角動作時の上限を規制する突起を備えた仰角ストッパーである。
【0010】
PCは、仕分け作業に関する情報等の表示機能と制御手段に情報を入力する機能を有する液晶パネルとタッチパッド等の入力手段を設けたタッチパネルを備えた制御画面を有する。
【0011】
PCは、物品容器から取り出した物品の物品識別情報を読取手段によって読み取った際に、物品仕分け情報に対応した物品間口に装着した回動手段を作動させ、前記電磁弁を開いてエアーを円筒体内部に送って自体を直線駆動して、該当の物品間口のゲートを開く。
【0012】
PCは、ゲートが開いた物品間口に対して物品を投入した際に、制御装置に対して回動手段を非作動状態とすることによって、現在の物品間口への投入完了の確認信号を送信する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上下方向へ物品間口の段数が多くなった場合に、各段の物品間口のゲートの俯仰位置を作業がし易い位置に設定することが可能となり、しかも従来のデジタル表示器に替わって、人間工学を利用した認知強化機能を付与することができるゲートアソートシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】 本発明を実施するための一形態を示すゲートアソートシステムの正面図である。
図2】 ゲートアソートシステムのゲートを示す拡大した正面図である。
図3A図3Aはゲートの回動手段のカムフォロア部の中心軸と垂直方向におけるカムフォロア取付環状体部分の断面図である。
図3B図3Bはゲートの回動手段のカムフォロア部の中心軸と垂直方向におけるストッパー部分の断面図である。
図4】 円筒カムの前後を中心軸を含む面で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態に係るゲートアソートシステム1を詳細に説明する。
本実施形態に係るゲートアソートシステム1は、図1に示すように、PC30(パーソナルコンピュータ)は、物品22を収納した物品容器20の物品容器識別情報21と物品容器20から取り出した物品22の物品識別情報23を読み取る読取手段24と、読み取った物品容器識別情報21に対応する物品仕分け情報を受信する制御手段25とを備える。また、物品仕分け情報を受信した際に、PC30の制御手段25は、物品仕分け情報に対応した物品間口5に装着した回動手段11を作動して、物品間口5の中身が見える程度に物品間口5上方の円筒体13に板状となって配されてなるゲート7を開くように構成される。
【0016】
またPC30は、仕分け作業に関する情報等の表示機能と制御手段25に情報を入力する機能を有する液晶パネルとタッチパッド等の入力手段27を設けたタッチパネルを備えた制御画面28を有する。例えば、仕分け作業に関する情報としては、画面に物品間口5の全てを表示し、このうち物品を入れるゲート7を開けた状態が画面に表示される。作業者はこの画面で表示された開いたゲート7の箇所に検討を付けて物品22を物品間口5に投入する。
【0017】
PC30は、ゲートが開いた物品間口に対して、作業者により物品が投入された際に、例えばフットスイッチ34が足で踏まれること等によって、制御手段25に対して回動手段11を非作動状態とし、現在の物品間口5への投入完了の確認信号を送信する。なお、この足踏みのフットスイッチ34以外に、受発光手段の光路を足で遮られることを利用しても良い。
【0018】
また、作業の完了信号の入力後に、ゲート7を閉じるとともにスピーカ26から音声で「サンキュー」等と作業者に伝える。これにより作業者は、物品仕分け作業の進行状態を充分に認識することができ、より作業の誤りが生じにくい物品仕分け作業を行うことができる。
【0019】
また、物品識別情報23の読取手段24として、手、指、あるいは身体の前面等に装着したウエラブル読取手段を用いることもできる。特に、物品が小さな場合には容器から物品22を片手で取り出して、もう一方の手、あるいは身体の前面に装着したウエラブル読取手段によって物品識別情報23を読み取ることで物品間口5の前面の任意の場所等において、物品仕分け作業の開始から完了までの作業が可能となるので、作業者が移動する距離も短くなり、作業効率を高めることも可能となる。
【0020】
次に、本システムに係るゲート7の回動手段11の詳細について説明する。
本実施形態では、縦方向フレーム3a、横方向フレーム、および横方向フレームの前面に設けた回動手段保持フレーム3c、および棚板で形成した、縦4段、横4列の物品間口5を備え、各物品間口5の上部に、回動手段保持フレーム3cに取り付けた回動手段11を装着している。
【0021】
また、物品間口5の中身が見える程度に物品間口5上方に配した円筒体13に板状のゲート7が配されている。前記回動手段11は、PC30の前記制御手段25により駆動される直線駆動手段40によって円筒体13を回動可能とし、複数の物品間口5のそれぞれに装着し、前記直線駆動手段40への駆動力の付与によって所定の物品間口5のゲート7の俯仰動作をする。
【0022】
図3(a)及び図4に示すように、円筒体13にはカムフォロア取付環状体17が設けられ、これにはカムフォロア18を装着し、前記PC30の制御手段25に連繋した電磁弁(図示せず)を通して供給されるエアーにより、前記円筒体13内に設けた円筒体13の軸方向への直線運動を行う円筒カム50から、前記円筒体13を回転する駆動力をカムフォロア18によって与えている。
【0023】
円筒体13には円筒カム50が配され、これの後端部に直線駆動手段40の駆動軸42を結合し、回動可能に保持した円筒体13内に、円筒カム50の中心軸を前記円筒体13の中心軸とを一致させて配置している。そして、円筒カム50の軸方向の中心面との交点をとおり、先端部側に前記中心面と垂直な各区画面に垂直をなしたカム斜面52aと、前記カム斜面52aと円筒カム50の中心軸上の点を中心点とした点対称であるカム斜面52bを有している。また、前記直線駆動手段40には、前記円筒カム50の前記中心軸の周りの回転を防止する回転防止手段44を設けている。これらにより円筒カム50の直線駆動に伴い前記カムフォロア18がカム斜面52a、52bに沿って移動しながら円筒体13は回転する。
【0024】
直線駆動手段40は、空気ピストンを備えたエアアクチュエーター、リニアモータアクチュエーター等を用いることができるが、構造が簡単なエアアクチュエーターを用いることが好ましい。また、駆動軸の回転防止機構が備わったエアアクチュエーターを用いた場合には、上記した回転防止手段44を装着しなくてもよい。
【0025】
図2及び図3(b)に示すように、円筒体13には、ゲート7の俯仰動作範囲を規制すべく円筒体13に俯仰角度調整機能を有する二つのストッパー(31a,31b)を備え、ストッパー(31a,31b)のうちどちらか一つが、仰角時の上限を規制する突起32aを備えた仰角ストッパー31aであり、他の一つが俯角時の下限を規制する突起32bを備えた俯角ストッパー31bである。このストッパー(31a,31b)の各突起(32a,32b)は、円筒体13の両端部を保持する略コ字型の支持体14に突き当たって円筒体13の回動を停止させる。
【0026】
例えば、固定用環状体15に隣接して、俯仰位置を特定する二つのストッパー(31a,31b)を装着している。それぞれのストッパー(31a,31b)を仰角時および俯角時のゲートの位置を個別に設定することができる。したがって、上下方向へ物品間口5の段数が多くなった場合には、各段の物品間口5のゲート7の俯仰位置を作業がし易い位置に設定することが可能となる。例えば、低い位置にある物品間口5はゲート7を大きく開き、高い位置にある物品間口5はゲート7を小さく開くという、人間工学的な開度調整を可能にしている。
【0027】
次に、本実施形態において、PC30による各物品間口5への物品仕分け作業である場合を例にして説明する。
【0028】
図1において、物品22を収納した物品容器20が配送されて来ると、作業者は物品容器識別情報21を読取手段24によって読み取り、PC30の制御手段25は、読み取った物品容器識別情報21に対応する物品仕分け情報を受信して物品仕分け作業を開始する。
【0029】
次いで、物品容器20から取り出した物品22の物品識別情報23を読取手段24によって読み取ると、PC30の制御手段25は、物品仕分け情報に対応した物品間口5に装着した回動手段11を作動させ、前記電磁弁を開いてエアーを円筒カム50に送って自体を直線駆動して、該当の物品間口5のゲート7を開く。
【0030】
作業者は、ゲート7が開いた物品間口5に対して物品22を投入し、例えばフットスイッチ34を足で踏むこと等によって、制御装置25に対して回動手段11を非作動状態とし、現在の物品間口5への投入完了の確認信号を送信する。
【0031】
また、作業の完了信号の入力後に、ゲート7を閉じるとともにスピーカ26から音声で「サンキュー」等と作業者に伝える。
【符号の説明】
【0032】
1…ゲートアソートシステム
3a…縦方向フレーム
3c…回動手段保持フレーム
5…物品間口
7…ゲート
11…回動手段
13…円筒体
14…支持体
15…固定用環状体
17…カムフォロア取付環状体
18…カムフォロア
20…物品容器
21…物品容器識別情報
22…物品
23…物品識別情報
24…読取手段
25…制御手段
26…スピーカ
27…入力手段
28…制御画面
30…PC
31a,31b…ストッパー(仰角ストッパー、俯角ストッパー)
32a,32b…突起
40…直線駆動手段
42…駆動軸
44…回転防止手段
50…円筒カム
52a,52b…カム斜面
図1
図2
図3A
図3B
図4