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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018691
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】シャッターユニット
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20220120BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20220120BHJP
   E06B 1/62 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B9/17 Z
E06B1/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121980
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松田 祐樹
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA00
2E011KC04
2E011KC08
2E011KE03
2E011KE05
2E011KH01
2E011LB02
2E011LB10
2E011LD04
2E011LD08
2E011LE03
2E011LF01
2E011LF05
(57)【要約】
【課題】シャッター枠と戸袋との間から屋内側に進入する光を容易に遮蔽することが可能なシャッターユニットを提供する。
【解決手段】雨戸枠が設けられている建物に取り付けられるシャッターユニットであって、前記建物に取り付けられるシャッター枠を有し、前記シャッター枠は、前記雨戸枠が形成する開口の上側に配置されるシャッター上枠と、前記開口の下側に配置されるシャッター下枠と、前記シャッター上枠の端部と前記シャッター下枠の端部とを上下に繋ぐ一対のシャッター縦枠と、を有し、前記一対のシャッター縦枠のうちの前記雨戸枠が備える戸袋側の前記シャッター縦枠は、前記戸袋の屋外側の端よりも前記建物側に延出された延出部を有している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨戸枠が設けられている建物に取り付けられるシャッターユニットであって、
前記建物に取り付けられるシャッター枠を有し、
前記シャッター枠は、
前記雨戸枠が形成する開口の上側に配置されるシャッター上枠と、前記開口の下側に配置されるシャッター下枠と、前記シャッター上枠の端部と前記シャッター下枠の端部とを上下に繋ぐ一対のシャッター縦枠と、を有し、
前記一対のシャッター縦枠のうちの前記雨戸枠が備える戸袋側の前記シャッター縦枠は、前記戸袋の屋外側の端よりも前記建物側に延出された延出部を有していることを特徴とするシャッターユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッターユニットであって、
前記延出部は、前記建物側への延出量を調節可能であることを特徴とするシャッターユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシャッターユニットであって、
前記延出部には、見込方向において互いに間隔を空けて、上下方向に沿う複数の脆弱部が設けられていることを特徴とするシャッターユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシャッターユニットであって、
前記延出部は、
前記戸袋の側面に設けられ前記雨戸の出し入れ口を形成する出入口形成部と対向していることを特徴とするシャッターユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシャッターユニットであって、
前記延出部の前記建物側の縁にカバー材が設けられていることを特徴とするシャッターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨戸枠が設けられている建物に取り付けられるシャッターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
雨戸枠が設けられている建物に取り付けられるシャッターユニットとしては、たとえば、雨戸枠と、雨戸と、戸袋とを含む雨戸ユニットのリフォームとして、雨戸ユニットをそのままに、雨戸ユニットの上から取り付けられるシャッター装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このシャッター装置は、支持枠と、遮光部材(遮蔽部材)とを有している。遮光部材は、ゴム、スポンジなどの弾性体からなり、支持枠における戸袋側の側面に固定されるとともに、戸袋の妻板とに挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-119382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシャッター装置は、弾性体からなり支持枠が有する縦枠とは別部材である遮光部材が、縦枠の戸袋側の側面に固定されるとともに戸袋の妻板とに挟まれている。このため、遮光部材を支持枠の妻板との間の挟まれる位置に固定しなければならず、戸袋と妻板との間隔に合わせたサイズに形成しなければならない。雨戸枠はシャッター装置が取り付けられる現場ごとに相違しているので、施工する現場に合わせたサイズの遮光部材を用意し、施工する現場の雨戸枠に合わせた位置に取り付けなければならず作業が煩雑であるという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シャッター枠と戸袋との間から建物内側に進入する光等を抑制することが可能なシャッターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための主たる発明は、雨戸枠が設けられている建物に取り付けられるシャッターユニットであって、前記建物に取り付けられるシャッター枠を有し、前記シャッター枠は、前記雨戸枠が形成する開口の上側に配置されるシャッター上枠と、前記開口の下側に配置されるシャッター下枠と、前記シャッター上枠の端部と前記シャッター下枠の端部とを上下に繋ぐ一対のシャッター縦枠と、を有し、前記一対のシャッター縦枠のうちの前記雨戸枠が備える戸袋側の前記シャッター縦枠は、前記戸袋の屋外側の端よりも前記建物側に延出された延出部を有していることを特徴とするシャッターユニットである。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャッター枠と戸袋との間から建物内側に進入する光等を抑制することが可能なシャッターユニットを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るシャッターユニットが取り付けられている状態を示す外観図である。
図2】本実施形態に係るシャッターユニットの縦断面図である。
図3】本実施形態に係るシャッターユニットの横断面図である。
図4】シャッターユニットのシャッター下地枠が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図5】シャッター枠の構成を示す斜視図である。
図6】シャッター下地枠の構成および閉塞部材を示す斜視図である。
図7図3におけるA部にて遮蔽片を説明する図である。
図8】シャッター下地枠と戸袋との間に生じる隙間と遮蔽片およびカバー材を説明するための上方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係るシャッターユニットについて図面を参照して説明する。
本実施形態のシャッターユニット1は、図1に示すように、例えば雨戸ユニット2が既に設けられている建物10に新たに取り付けるシャッターユニット1である。
【0010】
以下の説明においては、建物10に取り付けられているシャッターユニット1を屋外側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、屋内外方向を見込み方向として示す。シャッターユニット1の各部位であっても、また、シャッターユニット1を構成する各部材については単体の状態であっても、シャッターユニット1が取り付けられている状態にて上下方向、左右方向、見込み方向にて方向を特定して説明する。
【0011】
本実施形態のシャッターユニット1が取り付けられる建物10に設けられている雨戸ユニット2は、図1図4に示すように、例えば引き戸障子(図示せず)が設けられているサッシ枠12の屋外側に設けられてサッシ枠12および建物10に取り付けられている。
【0012】
雨戸ユニット2は、雨戸20と、サッシ枠12よりも左側に配置される戸袋21を備え開口2aを形成する雨戸枠22と、を有している。
【0013】
雨戸枠22は、建物10に取り付けられる戸袋21と、雨戸20が案内されるレールをなす上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bと、上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bの戸袋21とは反対側の端部を繋ぐ縦雨戸枠22cと、を有している。戸袋21は、複数枚の雨戸20を見込み方向に重ねて収容可能であり、建物10に取り付けられた雨戸枠22よりも屋外側に張り出している。
【0014】
戸袋21は、上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bとそれぞれ繋がった上戸袋枠21aおよび下戸袋枠21bと、上戸袋枠21aおよび下戸袋枠21bの左側の端部を繋ぐ縦戸袋枠21cと、上戸袋枠21aおよび下戸袋枠21bの右側の端部において雨戸枠22よりも張り出している部位を繋ぐ屋外側縦枠21dと、を有している。ここで、屋外側縦枠21dが、戸袋21の側面に設けられ雨戸20の出し入れ口を形成し、後述する遮蔽片と対向する出入口形成部に相当する。
【0015】
シャッターユニット1は、雨戸枠22が形成する開口2aを閉塞可能なシャッター装置3および雨戸枠22が備える戸袋21とシャッター装置3が備えるシャッター枠31との間に生じる隙間Sを閉塞する閉塞部材32a、32bを有している。
【0016】
シャッター装置3は、シャッター枠31と、シャッターボックス33と、シャッターボックス33内にて回動軸34に巻回されて収容されるシャッターカーテン35と、を有している。シャッターカーテン35はモーター(図示せず)等により回動軸34が回動されてシャッターボックス33から繰り出される、或いは、シャッターボックス33内に巻き取られるように構成されている。
【0017】
シャッター枠31は、図5に示すように、シャッター本体枠36と、シャッター下地枠37と、シャッター枠31を固定するビスを隠すためのビス隠しカバー43と、を有している。シャッター本体枠36は、シャッターボックス33を支持し、シャッターカーテン35を案内するガイドレール36a(図3)を有しており、シャッター下地枠37は、シャッター本体枠36を建物10との間に介在されている。図5においては、ガイドレール36aを省略している。尚、ビス隠しカバー43は、必ずしも設けられていなくとも構わない。
【0018】
シャッター本体枠36は、ガイドレール36aを備え、雨戸枠22が形成する開口2aの上側に配置される本体上枠36dおよび本体中枠36eと、開口2aの下側に配置される本体下枠36cと、本体上枠36dおよび本体中枠36eの端部と本体下枠36cの端部とを上下に繋ぎ左右に配置される一対の本体縦枠36bと、を有している。本体上枠36dと本体中枠36eとは、一対の本体縦枠36b間に、上下方向に間隔を空けて配置され、シャッターボックス33を収納する空間を形成している。シャッターボックス33は、ブラケット(図示せず)を介して左右の本体縦枠36bに支持されている。
【0019】
シャッター下地枠37は、シャッター本体枠36を、建物10に取り付けられている雨戸ユニット2の上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bよりも屋外側に配置するために、シャッター本体枠36と建物10との間に介在される。シャッター下地枠37は、本体下枠36cと建物10との間に介在される下地下枠37aと、本体上枠36dおよび本体中枠36eと建物10との間に各々介在される一対の下地上枠37b、37cと、下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cの戸袋21とは反対側の端部を連結する下地縦枠38と、下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cの戸袋21側の端部において上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bよりも屋外側に位置する部位を連結する下地縦屋外枠39と、を有している。ここで、本体上枠36d、本体中枠36eおよび一対の下地上枠37b、37cがシャッター上枠31aに相当し、本体下枠36cと下地下枠37aとがシャッター下枠31bに相当し、左右の本体縦枠36b、下地縦枠38及び下地縦屋外枠39がシャッター縦枠31cに相当する。
【0020】
また、シャッター下地枠37には、下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cの戸袋21側の端部における、下地縦屋外枠39よりも建物10側の部位に2枚の端部プレート40、41が取り付けられている。下地下枠37a、一対の下地上枠37b、37c、下地縦枠38および下地縦屋外枠39は、いずれもアルミニウム製の押し出し成形部材である。下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cには、下地縦枠38、下地縦屋外枠39および端部プレート40、41を固定する為のビス5が螺合されるビス螺合部37dが長手方向に沿って設けられている。
【0021】
下地縦枠38および下地縦屋外枠39は、下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cのビス螺合部37dに螺合されるビス5により固定され、2枚の端部プレート40、41は、図6に示すように、一方が下側の下地上枠37cのビス螺合部37dに螺合されるビス5により固定され、他方が下地下枠37aのビス螺合部37dに螺合されるビス5により固定される。このため、シャッター下地枠37の戸袋21側は、屋外側が下地縦屋外枠39により繋がっており、下地縦屋外枠39よりも建物10側は、上端部側と下端部側とに各々端部プレート40、41が取り付けられている。
【0022】
下地縦枠38は、図3に示すように、上下方向に貫通する中空部38aを形成しほぼ矩形状をなす縦枠本体部38bと、縦枠本体部38bの建物10側の縁から右方向に延出されて建物10の躯体に固定される縦枠固定部38cと、を有している。下地縦枠38は、縦枠本体部38bの建物10側の部位が建物10に当接されて縦枠固定部38cが躯体に固定された状態で、縦枠本体部38bの屋外側の面が、上雨戸枠22a、下雨戸枠22bおよび縦雨戸枠22cよりも屋外側に位置している。縦枠本体部の屋外側の面には、右側の本体縦枠36bが固定されている。
【0023】
戸袋21側に位置する下地縦屋外枠39は、図7に示すように、上下方向に貫通する中空部39aを形成しほぼ矩形状をなす縦枠屋外本体部39bと、縦枠屋外本体部39bの戸袋21側の縁から見込方向における建物10側に延出され見込面を有する板状の延出部としての遮蔽片39cと、を有している。遮蔽片39cには、見込方向において互いに間隔を空けて、上下方向に沿う線状に板厚が薄い脆弱部としての複数の折り取り部39dが設けられている。遮蔽片39cは、折り取り部39dに沿って折り、遮蔽片39cの先端側の部位39eを削除する、所謂折り取ることが可能であり、折り取ることにより遮蔽片39cの縦枠屋外本体部39bからの延出量を調節可能である。尚、遮蔽片39cは、カッターなどの刃物により折り取り部39dに沿って切断してもよい。
【0024】
シャッター下地枠37は、建物10に設けられている雨戸ユニット2の上雨戸枠22aの上方に下側の下地上枠37cが配置され、下雨戸枠22bの下方に下地下枠37aが配置され、下地縦枠38が縦雨戸枠22cよりも右側に配置されて建物10に取り付けられる。このとき、図7に示すように、下地縦屋外枠39の遮蔽片39cと、雨戸枠22の屋外側縦枠21dとは、左右方向に間隔を空けて対向している。
【0025】
下地縦屋外枠39は、上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bと見込方向において屋外側に間隔を空けて設けられ、遮蔽片39cは、対向する屋外側縦枠21dよりも建物10側に突出しないように、適宜位置に設けられている折り取り部39dにより先端側の部位39eが折り取られている。先端側の部位39eが折り取られた後の遮蔽片39cの先端部には、当該先端の縁を覆うカバー材42が全長に亘って取り付けられている。カバー材42は、例えば断面がL字状をなし先端の縁を覆う図示するようなエッジ材や、断面がU字状をなし先端部が差し込まれるエッジ材やテープなど、屋内側から遮蔽片39cの先端の縁を覆う部材であれば構わない。
【0026】
シャッター下地枠37が建物10に設けられた状態では、シャッター枠31の戸袋21側は、戸袋21側から見たときに、下地縦屋外枠39と建物10との間において、戸袋21の上面と上側の端部プレート40との間および戸袋21の下面と下側の端部プレート41との間に隙間が生じている。また、図8に示すように、シャッター枠31と戸袋21との間には、上方から見たときに、下地縦屋外枠39と屋外側縦枠21dとの間に、見込み方向に沿って隙間Sが生じている。また、下地縦屋外枠39と屋外側縦枠21dとの間の隙間Sは、下から見た場合も同様である。
【0027】
このため、この隙間Sを閉塞するための閉塞部材32a、32bが設けられている。閉塞部材32a、32bは、図6に示すように、戸袋21の屋外側縦枠21dと対向する対向板部320a、320bと、対向板部320a、320bの戸袋21側に設けられ発泡ウレタン等の弾性部材321と、対向板部320a、320bと繋がって、シャッター枠31の端部プレート40、41とともに下地下枠37a、下側の下地上枠37cのビス螺合部37dに螺合されるビス5により固定される固定板部322a、322bと、を有している。
【0028】
固定板部322a、322bには、ビス螺合部37dに螺合されるビス5が挿通され、上下方向に長い長孔323a、323bが設けられている。このため、閉塞部材32a、32bは、対向板部320a、320bと戸袋21の上面との間隔を調節可能である。このため、閉塞部材32a、32bを端部プレート40、41とともに下地下枠37a、下地上枠37cに固定する際に、対向板部320a、320bに設けられている弾性部材321を戸袋21に押圧させて圧縮した状態で閉塞部材32a、32bを固定することにより、シャッター枠31と戸袋21との間に生じている隙間Sを閉塞することができる。
【0029】
シャッターユニット1の取り付け方法は、予め下地縦枠38および下地縦屋外枠39を、下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cと接合し、2枚の端部プレート40、41を、下地下枠37aおよび一対の下地上枠37b、37cに固定してシャッター下地枠37を形成しておく。このとき、下地縦屋外枠39の遮蔽片39cは、施工現場に設けられている戸袋21の屋外側縦枠21dに合わせて、屋内側から見たときに、屋外側縦枠21dが遮蔽片39cにより覆われるように、また、上雨戸枠22aおよび下雨戸枠22bに接触しないように遮蔽片39cを適宜な位置に設けられている折り取り部39dよりも先端側の部位39eを折り取っておく。
【0030】
このとき、2枚の端部プレート40、41とともに閉塞部材32a、32bを下地下枠37aまたは下側の下地上枠37cに仮固定しておく。また、上側の閉塞部材32aは、長孔323aの下側にビス5が位置するようにより上側に配置し、下側の閉塞部材32bは、長孔323bの上側にビス5が位置するようにより下側に配置して仮固定しておく。
【0031】
次に、シャッター下地枠37を建物10に取り付ける。このとき、下地縦屋外枠39と、戸袋21の屋外側縦枠21dとを、左右方向に間隔を空けて対向させて配置する。これによって、下地縦屋外枠39と屋外側縦枠21dとの間から開口2aの屋外側に繋がる空間に、遮蔽片39cが建物10側に向かって突出し、屋内側から見たときに、戸袋21の屋外側縦枠21dが下地縦屋外枠39の遮蔽片39cによって覆われた状態となる。
【0032】
次に、閉塞部材32a、32bをシャッター下地枠37に仮固定しているビス5を緩め、上側の閉塞部材32aを下方に移動することにより弾性部材321を戸袋21に押圧させて圧縮した状態で固定し、下側の閉塞部材32aを上方に移動することにより弾性部材321を戸袋21に押圧させて圧縮した状態で固定する。
【0033】
次に、シャッター下地枠37にシャッター本体枠36とともにシャッターボックス33を取り付けてシャッターユニット1の取り付けが完了する。
【0034】
本実施形態のシャッターユニット1によれば、雨戸20が備えられている建物10にシャッターユニット1を取り付けると、雨戸枠22が備える戸袋21側の下地縦屋外枠39が有する遮蔽片39cが、戸袋21と下地縦屋外枠39のとの間から開口2aの屋外側に繋がる空間において、建物10側に向かって突出する。このため、戸袋21と下地縦屋外枠39のとの間から建物10側に、光や風雨等が進入することを抑制することが可能である。すなわち、雨戸20が備えられている建物10にシャッターユニット1を取り付けるだけで、シャッター枠31と戸袋21との間から屋内側に進入する光や風雨等を容易に抑制することが可能である。また、下地縦屋外枠39が遮蔽片39cを有していることにより、屋内側に向けられる視線を遮ることも可能である。
【0035】
また、遮蔽片39cには、見込方向において互いに間隔を空けて、上下方向に沿う複数の折り取り部39dが設けられているので、折り取り部39dより先端側の部位39eを折り、切断することにより遮蔽片39cの見込方向の長さを調節することが可能である。このため、施工する現場に合わせて遮蔽片39cの長さを適宜変更することが可能である。このため、汎用性に優れたシャッターユニット1を提供することが可能である。
【0036】
また、遮蔽片39cは、戸袋21の側面に設けられて雨戸20の出し入れ口21eを形成する戸袋21の屋外側縦枠21dと対向しているので、遮蔽片39cにより既存の雨戸枠22の屋外側縦枠21dを覆うことが可能である。このため、残存する雨戸ユニット2の屋外側縦枠21dが遮蔽片39cにより覆われるので、意匠性を高めることが可能である。尚、遮蔽片39cは、戸袋21の屋外側縦枠21dと接触していても構わない。
【0037】
また、遮蔽片39cの建物10側の縁にカバー材42が設けられているので、より意匠性を高めることが可能である。特に、遮蔽片39cの折り取り部39dより先端側の部位39eが折り取られている場合には、折り取り断面がカバー材42により覆われるので、更に意匠性が高められる。
【0038】
上記実施形態においては、戸袋21がサッシ枠12の左側に設けられている雨戸ユニット2が設けられている建物10に取り付けるシャッターユニット1を例に挙げて説明したが、戸袋はサッシ枠の右側に設けられていても構わない。この場合に用いるシャッターユニットは、上記実施形態のシャッターユニット1とは左右が反転している。また、図6に示した上側の閉塞部材32aは、戸袋が左右のいずれの側に配置されている場合であっても対応できるように長孔323aが形成されている。また、戸袋がサッシ枠の右側に設けられている場合に用いる下側の閉塞部材は、上記閉塞部材32bとは形状が反転している。
【0039】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0040】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
雨戸枠が設けられている建物に取り付けられるシャッターユニットであって、前記建物に取り付けられるシャッター枠を有し、前記シャッター枠は、前記雨戸枠が形成する開口の上側に配置されるシャッター上枠と、前記開口の下側に配置されるシャッター下枠と、前記シャッター上枠の端部と前記シャッター下枠の端部とを上下に繋ぐ一対のシャッター縦枠と、を有し、前記一対のシャッター縦枠のうちの前記雨戸枠が備える戸袋側の前記シャッター縦枠は、前記戸袋の屋外側の端よりも前記建物側に延出された延出部を有していることを特徴とするシャッターユニットである。
【0041】
このようなシャッターユニットによれば、雨戸枠が設けられている建物にシャッターユニットを取り付けると、雨戸枠が備える戸袋側のシャッター縦枠が有する延出部が、戸袋とシャッター枠のとの間から開口の屋外側に繋がる空間において、建物側に向かって突出する。このため、戸袋とシャッター枠のとの間から建物側に光や風雨等が進入することを抑制することが可能である。すなわち、雨戸が備えられている建物にシャッターユニットを取り付けるだけで、シャッター枠と戸袋との間から建物内側に進入する光等を容易に抑制することが可能である。また、シャッター縦枠が延出部を有していることにより、屋内側に向けられる視線を遮ることも可能である。
【0042】
かかるシャッターユニットであって、前記延出部は、前記建物側への延出量を調節可能であることを特徴とする。
このようなシャッターユニットによれば、延出部は、建物側への延出量を調節可能なので、汎用性に優れたシャッターユニットを提供することが可能である。
【0043】
かかるシャッターユニットであって、前記延出部には、見込方向において互いに間隔を空けて、上下方向に沿う複数の脆弱部が設けられていることを特徴とする。
このようなシャッターユニットによれば、延出部に設けられている複数の脆弱部で折り、切断することにより延出部の見込方向の長さを調節することが可能である。このため、施工する現場に合わせて延出部の長さを適宜変更することが可能である。
【0044】
かかるシャッターユニットであって、前記延出部は、前記戸袋の側面に設けられ前記雨戸の出し入れ口を形成する出入口形成部と対向していることを特徴とする。
【0045】
このようなシャッターユニットによれば、延出部は、戸袋の側面に設けられた出入口形成部と対向しているので、延出部により出入口形成部を覆うことが可能である。例えば既存の雨戸枠が設けられている建物にシャッターユニットを取り付ける場合などには、残存する雨戸の出入口形成部を覆うことにより、意匠性を高めることが可能である。
【0046】
かかるシャッターユニットであって、前記延出部の前記建物側の縁にカバー材が設けられていることを特徴とする。
【0047】
このようなシャッターユニットによれば、延出部の建物側の縁にカバー材が設けられているので、より意匠性を高めることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 シャッターユニット、2a 開口、10 建物、20 雨戸、21 戸袋、
21d 屋外側縦枠、21e 出し入れ口、22 雨戸枠、31 シャッター枠、
31a シャッター上枠、31b シャッター下枠、31c シャッター縦枠、
39c 遮蔽片、39d 折り取り部、42 カバー材、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8