(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186912
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ノード構築装置、ノード構築方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0895 20220101AFI20221208BHJP
H04L 41/122 20220101ALI20221208BHJP
【FI】
H04L41/0895
H04L41/122
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171137
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2021198210の分割
【原出願日】2017-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2017070503
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達哉
(57)【要約】
【課題】仮想ネットワークを構築するために必要な環境データを容易に収集すること。
【解決手段】ネットワーク構築装置は、ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、ネットワークの環境データを収集する収集部と、環境データに基づいて、ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計部と、仮想ネットワークの設計データを出力する出力部と、を備え、ノードの役割毎に、当該役割のノードを仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、収集部は、ネットワークの環境データとして、ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、設計部は、第1ルールに基づいて、ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた機器タイプを判別し、ネットワークに接続された各ノードを、判別した機器タイプの機器として、仮想ネットワークに配置する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計部と、
前記設計部により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力部と、
を備え、
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードを前記仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、
前記収集部は、
前記ネットワークの環境データとして、前記ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、
前記設計部は、
前記第1ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記機器タイプを判別し、
前記ネットワークに接続された各ノードを、前記判別した機器タイプの機器として、前記仮想ネットワークに配置する、
ネットワーク構築装置。
【請求項2】
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す第2ルールが第2データベースに格納されており、
前記出力部は、
前記第2ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記インストール手順を判別し、
前記仮想ネットワークの設計データを出力するときに、前記ネットワークに接続された各ノードにおける前記インストール手順の情報も出力する、
請求項1に記載のネットワーク構築装置。
【請求項3】
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計部と、
前記設計部により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力部と、
を備え、
前記仮想ネットワーク毎に、当該仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況を示す第3ルールが第3データベースに格納されており、
前記設計部は、
複数の前記仮想ネットワークを設計する場合、前記第3ルールに基づいて、複数の前記仮想ネットワーク間でリソースが重複しないように、複数の前記仮想ネットワークの各々にリソースを割り当てる、
ネットワーク構築装置。
【請求項4】
ネットワーク構築装置によるネットワーク構築方法であって、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計ステップと、
前記設計ステップにより設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力ステップと、
を含み、
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードを前記仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、
前記収集ステップでは、
前記ネットワークの環境データとして、前記ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、
前記設計ステップでは、
前記第1ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記機器タイプを判別し、
前記ネットワークに接続された各ノードを、前記判別した機器タイプの機器として、前記仮想ネットワークに配置する、
ネットワーク構築方法。
【請求項5】
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す第2ルールが第2データベースに格納されており、
前記出力ステップでは、
前記第2ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記インストール手順を判別し、
前記仮想ネットワークの設計データを出力するときに、前記ネットワークに接続された各ノードにおける前記インストール手順の情報も出力する、
請求項4に記載のネットワーク構築方法。
【請求項6】
ネットワーク構築装置によるネットワーク構築方法であって、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計ステップと、
前記設計ステップにより設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力ステップと、
を含み、
前記仮想ネットワーク毎に、当該仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況を示す第3ルールが第3データベースに格納されており、
前記設計ステップでは、
複数の前記仮想ネットワークを設計する場合、前記第3ルールに基づいて、複数の前記仮想ネットワーク間でリソースが重複しないように、複数の前記仮想ネットワークの各々にリソースを割り当てる、
ネットワーク構築方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集手順と、
前記収集手順により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計手順と、
前記設計手順により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力手順と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードを前記仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、
前記収集手順では、
前記ネットワークの環境データとして、前記ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、
前記設計手順では、
前記第1ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記機器タイプを判別し、
前記ネットワークに接続された各ノードを、前記判別した機器タイプの機器として、前記仮想ネットワークに配置する、
プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集手順と、
前記収集手順により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計手順と、
前記設計手順により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力手順と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記仮想ネットワーク毎に、当該仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況を示す第3ルールが第3データベースに格納されており、
前記設計手順では、
複数の前記仮想ネットワークを設計する場合、前記第3ルールに基づいて、複数の前記仮想ネットワーク間でリソースが重複しないように、複数の前記仮想ネットワークの各々にリソースを割り当てる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク構築装置、ネットワーク構築方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライアントのネットワーク環境を評価するためには、クライアントと同じネットワークを構築することが好適である。しかし、ネットワークを手作業で構築する場合、その構築手順は複雑でかつ膨大であるため、多大な時間が掛かってしまう。
【0003】
そのため、最近は、ネットワークの構築に関わる時間や費用を低減するために、そのネットワークを仮想化した仮想ネットワークを構築する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ただし、ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを構築するためには、そのネットワークの環境データを収集する必要がある。ネットワークの環境データを収集する技術としては、ネットワークに接続されたノードから伝送されてきたパケットを監視することで、そのネットワークの環境データを収集する技術が挙げられる(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1455483号明細書
【特許文献2】特開平07-287572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを構築するためには、そのネットワークの環境データとして、そのネットワークに接続された各ノードで使用されているOS(Operating System)のデータ等も必要になる。
【0007】
しかし、特許文献2のように、ネットワークに接続されたノードから伝送されてきたパケットを監視するだけでは、限られた環境データしか収集することができないという課題がある。例えば、特許文献2において、パケットを監視することで収集する環境データは、そのパケットに含まれるノード番号のみである。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、仮想ネットワークを構築するために必要な環境データを容易に収集することができるネットワーク構築装置、ネットワーク構築方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、ネットワーク構築装置は、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計部と、
前記設計部により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力部と、
を備える。
【0010】
一態様において、ネットワーク構築方法は、
ネットワーク構築装置によるネットワーク構築方法であって、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計ステップと、
前記設計ステップにより設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力ステップと、
を含む。
【0011】
一態様において、プログラムは、
コンピュータに、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集手順と、
前記収集手順により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計手順と、
前記設計手順により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力手順と、
を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
上述の態様によれば、仮想ネットワークを構築するために必要な環境データを容易に収集することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係るネットワーク構築装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図1に示した収集部が収集する環境データの一例を示す図である
【
図3】
図1に示した設計ルールDBに登録された設計ルールの一例を示す図である。
【
図4】
図1に示した制約ルールDBに登録された制約ルールの一例を示す図である。
【
図5】
図1に示した設計部の一動作例を示す図である。
【
図6】
図1に示した設定ルールDBに登録された設定ルールの一例を示す図である。
【
図7】
図1に示したネットワーク構築装置の処理フローの一例を示すフロー図である。
【
図8】本発明に係るネットワーク構築装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、
図1を参照して、本実施の形態に係るネットワーク構築装置1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るネットワーク構築装置1の構成例を示す図である。ネットワーク構築装置1は、対象のネットワークを仮想化した仮想ネットワークを構築するために使用されるものであり、収集部10と、設計部20と、出力部30と、収集ルールDB(Database。以下、同じ)40と、設計ルールDB50と、制約ルールDB60と、設定ルールDB70と、を備えている。なお、収集ルールDB40、設計ルールDB50、制約ルールDB60、及び設定ルールDB70は、ネットワーク構築装置1の内部に設けることには限定されず、ネットワーク構築装置1の外部に設けても良い。
【0015】
収集部10は、収集ルールDB40に登録された収集ルールに従って、対象のネットワークに接続された各ノードをスキャンして、そのネットワークの環境データを収集する。具体的には、収集部10は、各ノードに対し、ポートスキャンを実行することで、環境データを収集する。ノードは、対象のネットワークに接続されているクライアントPC(Personal computer)、ハブ、スイッチ、ルータ等である。
【0016】
収集ルールは、例えば、収集する環境データの項目等を規定している。
図2は、収集部10が収集する環境データの一例を示す図である。
図2に示される環境データの項目は、ノードの役割(図中の「役割」)、そのノードで使用されているOS(図中の「OS」)、そのノードのバージョン(図中の「version」)、そのノードのIP(Internet Protocol)アドレス(図中の「IP Address」)となっている。収集部10は、例えば、対象のネットワークに接続された各ノードをスキャンして、そのネットワークの環境データとして、収集ルールで規定された項目のデータを収集する。
【0017】
設計部20は、設計ルールDB50に登録された設計ルール及び制約ルールDB60に登録された制約ルールに従って、収集部10により収集された環境データに基づいて、対象のネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する。なお、設計ルールDB50は、第1データベースの一例であり、設計ルールは、第1ルールの一例である。また、制約ルールDB60は、第3データベースの一例であり、制約ルールは、第3ルールの一例である。
【0018】
設計ルールは、ノードを仮想ネットワークに配置するときの順番や機器タイプ等を規定している。
図3は、設計ルールDB50に登録された設計ルールの一例を示す図である。
図3に示される設計ルールは、ノードの役割毎に、その役割のノードを仮想ネットワークに配置するときの順番(図中の「Order」)と機器タイプ(図中の「Type」)とを規定している。設計部20は、
図3に示される設計ルールに従い、例えば、役割「CISCO」のノードについては、仮想ネットワークに配置するときの機器タイプが仮想スイッチ(「SW」)と判別し、仮想ネットワークに仮想スイッチとして最初に配置する。
【0019】
制約ルールは、仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況等を規定している。リソースは、例えば、VLAN(Virtual Local Area Network)、メモリ等である。本実施の形態では、複数のVLANを用いることで、複数の仮想ネットワークを同時に運用することが可能となる。
図4は、制約ルールDB60に登録された制約ルールの一例を示す図である。
図4に示される制約ルールは、ある仮想ネットワーク(ここでは、仮想ネットワーク#1とする)におけるVLANの使用状況を規定している。設計部20は、2つの仮想ネットワーク#1,#2を設計する場合、
図4に示される制約ルールに従い、2つの仮想ネットワーク#1,#2間でVLANが重複しないように、仮想ネットワーク#2には、仮想ネットワーク#1で使用されていないVLANを割り当てる。なお、
図4に示される制約ルールは、仮想ネットワーク#1におけるVLANの使用状況を規定したものとなっているが、制約ルールは、仮想ネットワーク毎に、その仮想ネットワークにおけるリソースの種別(VLANやメモリ)毎の使用状況を規定したものとなる。例えば、2つの仮想ネットワーク#1,#2があり、管理するリソースが2種類(VLANとメモリ)である場合は、制約ルールは、仮想ネットワーク#1におけるVLANの使用状況、仮想ネットワーク#1におけるメモリの使用状況、仮想ネットワーク#2におけるVLANの使用状況、及び仮想ネットワーク#2におけるメモリの使用状況を規定したものとなる。
【0020】
ここで、
図5を参照して、本実施の形態に係る設計部20の動作について説明する。
図5は、設計部20の一動作例を示す図である。ここでは、
図3に示される設計ルールに従って、2つの仮想ネットワーク#1,#2を設計する例について説明する。また、管理するリソースはVLANの1種類であるとする。
【0021】
最初に、設計部20は、仮想ネットワーク#1を設計する。まず、設計部20は、
図3に示される設計ルールに従って、仮想ネットワーク#1として設計するネットワークに接続されたノードのうち、順番(図中の「Order」)が「1」である役割「CISCO」のノードについて、機器タイプが仮想スイッチ(「SW」)であると判別し、仮想サーバ82に仮想スイッチ(#1)83-1として接続する。続いて、設計部20は、順番(図中の「Order」)が「2」である役割「Win2016-SC」のノードを、仮想スイッチ(#1)83-1に仮想マシン(VM:Virtual Machine)(#1)84-1として接続する。続いて、設計部20は、順番(図中の「Order」)が「3」である役割「Win7-PC1」のノードを、仮想スイッチ(#1)83-1に仮想マシン(#1)84-1として接続する。このようにして、設計部20は、仮想スイッチ(#1)83-1及び複数の仮想マシン(#1)84-1からなる仮想ネットワーク#1を設計する。また、設計部20は、仮想ネットワーク#1にVLANを割り当て、仮想ネットワーク#1におけるVLANの使用状況を規定する制約ルールを制約ルールDB60に登録する。ここで登録した制約ルールは、
図4に示される制約ルールであるとして、以下、説明を行う。
【0022】
続いて、設計部20は、仮想ネットワーク#1と同様の方法で、仮想スイッチ(#2)83-2及び複数の仮想マシン(#2)84-2からなる仮想ネットワーク#2を設計する。このとき、設計部20は、
図4に示される制約ルールに従って、2つの仮想ネットワーク#1,#2間でVLANが重複しないように、仮想ネットワーク#2には、仮想ネットワーク#1で使用されていないVLAN(「VLAN ID」が「101」、「102」、「105」のVLAN)を割り当てる。また、設計部20は、仮想ネットワーク#2におけるVLANの使用状況を規定する制約ルールを制約ルールDB60に登録する。
【0023】
なお、
図5には図示されていないが、設計部20は、仮想スイッチ(#1)83-1及び仮想スイッチ(#2)83-2を物理スイッチ/OpenFlowスイッチ81に接続している。
【0024】
出力部30は、設計部20により設計された仮想ネットワークの設計データを特定の出力先に出力する。設計データの出力先は、仮想ネットワークとして設計したネットワークを評価する評価装置(不図示)における評価環境である。
【0025】
また、出力部30は、仮想ネットワークの設計データを出力するときに、設定ルールDB70に登録された設定ルールに従って、仮想ネットワークとして設計したネットワークに接続されている各ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す情報も出力する。なお、設定ルールDB70は、第2データベースの一例であり、設定ルールは、第2ルールの一例である。
【0026】
設定ルールは、アプリケーションのインストール手順を規定している。
図6は、設定ルールDB70に登録された設定ルールの一例を示す図である。
図6に示される設定ルールは、ノードの役割(図中の「役割」)毎に、その役割のノードにおけるアプリケーションをインストールするためのインストールコマンド(図中の「install command」)、その役割のノードで使用されているOS(図中の「OS」)、その役割のノードのバージョン(図中の「version」)を規定している。なお、
図6は、アプリケーションのインストール手順の情報として、インストールコマンドを規定しているが、これには限定されず、インストールの手順が分かれば、その他の情報でも良い。出力部30は、
図6に示される設定ルールに従い、例えば、役割「Apache」のノードについては、インストールコマンドが「apt-get install apache2」と判別し、インストールコマンド「apt-get install apache2」を評価装置に出力する。なお、インストールコマンド「apt-get install apache2」を出力するときは、役割「Apache」のノードに対応する仮想マシンと対応付けされることを示す情報も出力するのが良い。
【0027】
そのため、評価装置(又は評価装置を操作する評価者)は、仮想ネットワークを構成する仮想マシンにインストールするアプリケーションや、そのアプリケーションのインストール手順を調査することなく、仮想マシンにアプリケーションをインストールすることができるようになる。
【0028】
続いて、
図7を参照して、本実施の形態に係るネットワーク構築装置1の処理フローについて説明する。
図7は、本実施の形態に係るネットワーク構築装置1の処理フローの一例を示すフロー図である。
【0029】
まず、収集部10は、収集ルールDB40に登録された収集ルールに従って、対象のネットワークに接続された各ノードをスキャンして、そのネットワークの環境データを収集する(ステップS1)。
【0030】
続いて、設計部20は、設計ルールDB50に登録された設計ルール及び制約ルールDB60に登録された制約ルールに従って、収集部10により収集された環境データに基づいて、対象のネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する(ステップS2)。
【0031】
その後、出力部30は、設定ルールDB70に登録された設定ルールに従って、設計部20により設計された仮想ネットワークの設計データを出力すると共に、仮想ネットワークとして設計したネットワークに接続されている各ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す情報を出力する(ステップS3)。
【0032】
上述したように、本実施の形態に係るネットワーク構築装置1によれば、収集部10は、対象のネットワークに接続された各ノードをスキャンして、そのネットワークの環境データを収集する。これにより、仮想ネットワークを構築するために必要な環境データ、例えば、各ノードの役割やOSのデータ等を、容易に収集することができる。
【0033】
また、設定ルールDB70は、ノードの役割毎に、その役割のノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す設定ルールを登録する。また、出力部30は、仮想ネットワークの設計データを出力するときに、設定ルールDB70に登録された設定ルールに従って、仮想ネットワークとして設計したネットワークに接続されている各ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す情報も出力する。これにより、出力先の評価装置(又は評価装置を操作する評価者)は、仮想ネットワークを構成する仮想マシンにインストールするアプリケーションや、そのアプリケーションのインストール手順を調査することなく、仮想マシンにアプリケーションをインストールすることができるようになる。
【0034】
以下、
図8を参照して、本発明のネットワーク構築装置の概要を説明する。
図8は、本発明に係るネットワーク構築装置2の構成例を示す図である。ネットワーク構築装置2は、収集部11と、設計部21と、出力部31と、を備えている。
【0035】
収集部11は、対象のネットワークに接続された各ノードをスキャンして、そのネットワークの環境データを収集する。収集部11は、収集部10に対応する。
【0036】
設計部21は、収集部11により収集された環境データに基づいて、対象のネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する。設計部21は、設計部20に対応する。
【0037】
出力部31は、設計部20により設計された仮想ネットワークの設計データを出力する。出力部31は、出力部30に対応する。
【0038】
上述したように、本発明に係るネットワーク構築装置2によれば、収集部11は、対象のネットワークに接続された各ノードをスキャンして、そのネットワークの環境データを収集する。これにより、仮想ネットワークを構築するために必要な環境データを容易に収集することができる。
【0039】
以上、実施の形態を参照して本願発明における様々な観点を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の各観点における構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0040】
例えば、上記の実施の形態では、各機能ブロック(収集部、設計部、及び出力部)は、同じ装置内に設けられていたが、これには限定されない。これら機能ブロックは、別々の装置に設けられ、有線又は無線により相互に接続されていても良い。
【0041】
また、上記の実施の形態における各機能ブロックは、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成しても良いし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成しても良い。各装置の機能(処理)を、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有するコンピュータにより実現しても良い。例えば、メモリに実施の形態におけるネットワーク構築方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリに格納されたプログラムをCPUで実行することにより実現しても良い。
【0042】
また、上記のプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(compact disc read only memory)、CD-R(compact disc recordable)、CD-R/W(compact disc rewritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0043】
また、上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計部と、
前記設計部により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力部と、
を備える、ネットワーク構築装置。
(付記2)
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードを前記仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、
前記収集部は、
前記ネットワークの環境データとして、前記ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、
前記設計部は、
前記第1ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記機器タイプを判別し、
前記ネットワークに接続された各ノードを、前記判別した機器タイプの機器として、前記仮想ネットワークに配置する、
付記1に記載のネットワーク構築装置。
(付記3)
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す第2ルールが第2データベースに格納されており、
前記出力部は、
前記第2ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記インストール手順を判別し、
前記仮想ネットワークの設計データを出力するときに、前記ネットワークに接続された各ノードにおける前記インストール手順の情報も出力する、
付記2に記載のネットワーク構築装置。
(付記4)
前記仮想ネットワーク毎に、当該仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況を示す第3ルールが第3データベースに格納されており、
前記設計部は、
複数の前記仮想ネットワークを設計する場合、前記第3ルールに基づいて、複数の前記仮想ネットワーク間でリソースが重複しないように、複数の前記仮想ネットワークの各々にリソースを割り当てる、
付記1から3のいずれか1項に記載のネットワーク構築装置。
(付記5)
ネットワーク構築装置によるネットワーク構築方法であって、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計ステップと、
前記設計ステップにより設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力ステップと、
を含む、ネットワーク構築方法。
(付記6)
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードを前記仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、
前記収集ステップでは、
前記ネットワークの環境データとして、前記ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、
前記設計ステップでは、
前記第1ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記機器タイプを判別し、
前記ネットワークに接続された各ノードを、前記判別した機器タイプの機器として、前記仮想ネットワークに配置する、
付記5に記載のネットワーク構築方法。
(付記7)
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す第2ルールが第2データベースに格納されており、
前記出力ステップでは、
前記第2ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記インストール手順を判別し、
前記仮想ネットワークの設計データを出力するときに、前記ネットワークに接続された各ノードにおける前記インストール手順の情報も出力する、
付記6に記載のネットワーク構築方法。
(付記8)
前記仮想ネットワーク毎に、当該仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況を示す第3ルールが第3データベースに格納されており、
前記設計ステップでは、
複数の前記仮想ネットワークを設計する場合、前記第3ルールに基づいて、複数の前記仮想ネットワーク間でリソースが重複しないように、複数の前記仮想ネットワークの各々にリソースを割り当てる、
付記5から7のいずれか1項に記載のネットワーク構築方法。
(付記9)
コンピュータに、
ネットワークに接続された各ノードをスキャンして、前記ネットワークの環境データを収集する収集手順と、
前記収集手順により収集された前記環境データに基づいて、前記ネットワークを仮想化した仮想ネットワークを設計する設計手順と、
前記設計手順により設計された前記仮想ネットワークの設計データを出力する出力手順と、
を実行させるためのプログラム。
(付記10)
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードを前記仮想ネットワークに配置するときの機器タイプを示す第1ルールが第1データベースに格納されており、
前記収集手順では、
前記ネットワークの環境データとして、前記ネットワークに接続された各ノードの役割を示すデータを少なくとも収集し、
前記設計手順では、
前記第1ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記機器タイプを判別し、
前記ネットワークに接続された各ノードを、前記判別した機器タイプの機器として、前記仮想ネットワークに配置する、
付記9に記載のプログラム。
(付記11)
前記ノードの役割毎に、当該役割の前記ノードにおけるアプリケーションのインストール手順を示す第2ルールが第2データベースに格納されており、
前記出力手順では、
前記第2ルールに基づいて、前記ネットワークに接続された各ノードの役割に応じた前記インストール手順を判別し、
前記仮想ネットワークの設計データを出力するときに、前記ネットワークに接続された各ノードにおける前記インストール手順の情報も出力する、
付記10に記載のプログラム。
(付記12)
前記仮想ネットワーク毎に、当該仮想ネットワークにおけるリソースの使用状況を示す第3ルールが第3データベースに格納されており、
前記設計手順では、
複数の前記仮想ネットワークを設計する場合、前記第3ルールに基づいて、複数の前記仮想ネットワーク間でリソースが重複しないように、複数の前記仮想ネットワークの各々にリソースを割り当てる、
付記9から11のいずれか1項に記載のプログラム。
【0044】
この出願は、2017年3月31日に出願された日本出願特願2017-070503を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0045】
1 ネットワーク構築装置
10 収集部
20 設計部
30 出力部
40 収集ルールDB
50 設計ルールDB
60 制約ルールDB
70 設定ルールDB
2 ネットワーク構築装置
11 収集部
21 設計部
31 出力部
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノード構築装置によるノード構築方法であって、
ノードの役割に応じたアプリケーションのインストールに関するインストール情報を記憶する記憶ステップと、
第1のノードから、前記第1のノードの第1の役割を含むノード情報を収集する収集ステップと、
前記ノード情報と前記インストール情報とに基づいて、前記第1の役割に応じたアプリケーションのインストールに関する第1のインストール情報を示すステップと、
を含む、ノード構築方法。
【請求項2】
前記第1のノードはネットワークに接続されている、
請求項1に記載のノード構築方法。
【請求項3】
前記アプリケーションのインストールに関する情報は、アプリケーションをインストールする手順である、
請求項1又は2に記載のノード構築方法。
【請求項4】
前記アプリケーションのインストールに関する情報は、第2のノードに対するアプリケーションのインストールに関する情報である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のノード構築方法。
【請求項5】
前記アプリケーションのインストールに関する情報は、アプリケーションのバージョンに関する情報を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載のノード構築方法。
【請求項6】
ノードの役割に応じたアプリケーションのインストールに関するインストール情報を記憶する記憶部と、
第1のノードから、前記第1のノードの第1の役割を含むノード情報を収集する収集部と、
前記ノード情報と前記インストール情報とに基づいて、前記第1の役割に応じたアプリケーションのインストールに関する第1のインストール情報を示す出力部と、
を含む、ノード構築装置。
【請求項7】
前記第1のノードはネットワークに接続されている、
請求項6に記載のノード構築装置。
【請求項8】
前記アプリケーションのインストールに関する情報は、アプリケーションをインストールする手順である、
請求項6又は7に記載のノード構築装置。
【請求項9】
前記アプリケーションのインストールに関する情報は、第2のノードに対するアプリケーションのインストールに関する情報である、
請求項6から8のいずれか1項に記載のノード構築装置。
【請求項10】
前記アプリケーションのインストールに関する情報は、アプリケーションのバージョンに関する情報を含む、
請求項6から9のいずれか1項に記載のノード構築装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ノードの役割に応じたアプリケーションのインストールに関するインストール情報を記憶する記憶手順と、
第1のノードから、前記第1のノードの第1の役割を含むノード情報を収集する収集手順と、
前記ノード情報と前記インストール情報とに基づいて、前記第1の役割に応じたアプリケーションのインストールに関する第1のインストール情報を示す手順と、
を実行させるためのプログラム。