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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186965
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】テーブルタップ
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/00 20060101AFI20221208BHJP
   H01R 13/70 20060101ALI20221208BHJP
   H01R 13/652 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01R25/00 A
H01R13/70
H01R13/652
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172010
(22)【出願日】2022-10-27
(62)【分割の表示】P 2018071859の分割
【原出願日】2018-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 秀和
(72)【発明者】
【氏名】矢島 孝志
(57)【要約】
【課題】筐体を構成するカバー及びボディの剛性及び強度の低下を抑制して、筐体に電線用孔を設けたテーブルタップを提供する。
【解決手段】テーブルタップ1は、複数組の差込孔21が設けられているカバー50と、電源ケーブルが通る電線用孔が設けられているボディ40と、を備える。カバー50の外周部50aは、ボディ40の開口部の内側に嵌まる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差込プラグの導体が差し込まれる差込孔を有する筐体と、
前記筐体に収容され、前記差込孔に差し込まれた前記導体と電気的に接続する受け部と、
前記筐体に収容され、前記受け部に連結されたリード部と、
前記リード部に電気的に接続された電線と、を備え、
前記筐体の側面には、前記電線を引き込むための電線用孔が設けられており、
前記筐体は、
前記差込孔を有するカバーと、
前記カバーによって閉じられる開口部、及び前記開口部と繋がった内部空間を有し、前記内部空間に前記受け部及び前記リード部が収容されたボディと、を有し、
前記カバーは、前記ボディの側面よりも内側に位置し前記リード部側に延びた壁部を有し、
前記ボディの内周面には、前記ボディの深さ方向に延びた縦リブが設けられ、前記縦リブにおける前記開口部側の端部には、前記カバーの前記壁部が嵌る部分が設けられている、
テーブルタップ。
【請求項2】
前記ボディの前記内周面は、前記内周面の下端に向かって前記ボディの内部側に傾斜し、
前記縦リブは、前記内周面に沿って前記ボディの内部側に傾斜している、
請求項1に記載のテーブルタップ。
【請求項3】
前記ボディは、前記開口部と対向する底部と、前記開口部及び前記底部を囲む周壁部とを有し、
前記底部は、前記開口部よりも一回り小さく、前記周壁部は、前記開口部側から前記底部側に向かって前記ボディの内側に傾斜している、
請求項1又は2に記載のテーブルタップ。
【請求項4】
前記ボディは、前記開口部を囲む周壁部を有し、
前記周壁部における前記開口部の長手方向の両端側の側壁は、前記長手方向の外側に半円状に湾曲している、
請求項1~3のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項5】
前記開口部は、一方向に長い形状を有し、
前記ボディにおける前記開口部の長手方向に平行な両側側面は、前記長手方向に延びた矩形状の平面である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項6】
前記筐体は、前記内部空間において、前記電線用孔を通った前記電線を挟む挟持部を有し、前記壁部は前記電線用孔側に向かって伸びている、
請求項1~5のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項7】
前記カバーには、前記壁部よりも内側に前記受け部を保持するコンセントブロックを位置決めする位置決め部が設けられている、
請求項1~6のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項8】
前記筐体は、前記内部空間において、前記電線用孔を通った前記電線を挟む挟持部を有し、
前記挟持部は、前記ボディに設けられた第1挟持壁部と、前記カバーに設けられた第2挟持壁部と、を有し、前記カバーが前記開口部に取り付けられた状態で、前記第1挟持壁部及び前記第2挟持壁部によって前記電線が挟まれる、
請求項1~7のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項9】
前記第1挟持壁部は、互いの厚さ方向に間隔を空けて並んだ複数の第1壁部を有し、
前記第2挟持壁部は、互いの厚さ方向に間隔を空けて並んだ複数の第2壁部を有する、請求項8に記載のテーブルタップ。
【請求項10】
前記ボディは、前記第1挟持壁部の両端部のうちの少なくとも一方に、前記第1挟持壁部と一体的に形成された第1ボス部を有し、
前記カバーは、前記第2挟持壁部の両端部のうちの少なくとも一方に、前記第2挟持壁部と一体的に形成された第2ボス部を有する、
請求項8又は9に記載のテーブルタップ。
【請求項11】
前記カバーが前記開口部に取り付けられた状態で、前記第1ボス部及び前記第2ボス部は、互いに締結される、
請求項10に記載のテーブルタップ。
【請求項12】
前記ボディには、第1挟持壁部設けられ、
前記カバーには、第2挟持壁部が設けられ、
前記カバーが前記開口部に取り付けられた状態で、前記第1挟持壁部及び前記第2挟持壁部によって前記電線が挟まれ、
前記壁部の両端部は、前記第2挟持壁部の両端部に繋がっている、
請求項11に記載のテーブルタップ。
【請求項13】
前記電線に所定の電流値以上の電流が流れると、前記電線を遮断する遮断部を更に備える、請求項1~12のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項14】
前記カバーには、前記電線を仮固定する仮固定部が設けられ、
前記仮固定部は、前記カバーの裏面に壁状に設けられており、前記カバーに設けられた部品との間で前記電線を挟むことで前記電線を仮固定する、
請求項1~13のいずれか1項に記載のテーブルタップ。
【請求項15】
前記リード部は、複数のリード部であり、前記電線は、前記複数のリード部に一対一に対応し、対応するリード部に電気的に接続された複数の電線であり、前記複数の電線は、外装で束ねられており、前記外装の端部から互いに同じ長さ引き出された引出電線部を有し、
前記仮固定部は、前記複数の電線のうち、アース用の電線の前記引出電線部が、他の電線の前記引出電線部よりも弛みが少なくなるように、前記アース用の電線の前記引出電線部を前記カバーに仮固定する、
請求項14に記載のテーブルタップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にテーブルタップに関し、より詳細には、差込プラグの導体が接続される受け部を備えたテーブルタップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のテーブルタップは、器体(筐体)と、刃受け部材(受け部)と、導電板(リード部)と、電源コード(電線)とを備えている。器体は、刃受け部材及び導電板を収容する。器体は、電極挿入口及び電線用孔を有する。刃受け部材は、器体の電極挿入口に差し込まれたプラグの栓刃(電極)と電気的に接続される。導電板は、刃受け部材と連結されている。電線コードの一端部は、導電板に接続され、電線コードの他端部は、筐体の電線用孔を通って筐体の内部から外部に引き出されている。
【0003】
器体は、電線用孔を直径に沿って二分割するように、ボディとカバーとに分割されている。したがって、ボディの周壁部の先端面(すなわちカバーとの連結面)には、二分割された電線用孔の片側を構成する凹溝部が設けられている。カバーの周壁部の先端面(すなわちボディとの連結面)には、二分割された電線用孔のもう片側を構成する凹溝部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-174503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のテーブルタップでは、上述のように、ボディの周壁部の先端面には、凹溝部が設けられている。この凹溝部は、ボディの周壁部の厚さ方向に貫通しており、更に、ボディの周壁部の先端面で開放している。このため、この凹溝部は、ボディの剛性及び強度を低下させる要因となる。同様に、カバーに設けられた上記の凹溝部も、カバーの剛性及び強度を低下させる要因となる。
【0006】
そこで、本開示は、上記事由に鑑み、筐体を構成するカバー及びボディの剛性及び強度の低下を抑制して、筐体に電線用孔が設けられたテーブルタップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るテーブルタップは、筐体と、受け部と、リード部と、電線と、を備えている。前記筐体は、差込プラグの導体が差し込まれる差込孔を有する。前記受け部は、前記筐体に収容され、前記差込孔に差し込まれた前記導体と電気的に接続する。前記リード部は、前記筐体に収容され、前記受け部に連結されている。前記電線は、前記リード部に電気的に接続されている。前記筐体の側面には、前記電線を引き込むための電線用孔が設けられている。前記筐体は、カバーと、ボディと、を有する。前記カバーは、前記差込孔を有する。前記ボディは、前記カバーによって閉じられる開口部、及び前記開口部と繋がった内部空間を有し、前記内部空間に前記受け部及び前記リード部を収容する。前記カバーは、前記ボディの側面よりも内側に位置し前記リード部側に延びた壁部を有する。前記ボディの内周面には、前記ボディの深さ方向に延びた縦リブが設けられ、前記縦リブにおける前記開口部側の端部には、前記カバーの前記壁部が嵌る部分が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、筐体を構成するカバー及びボディの剛性及び強度の低下を抑制して、筐体に電線用孔を設けることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るテーブルタップの斜視図である。
図2図2は、同上のテーブルタップの分解斜視図である。
図3図3は、図1のA-A線に沿った断面図である。
図4図4は、カバーの裏面及び各種部品を示す分解斜視図である。
図5図5は、カバーの裏面に各種部品を配置させた状態を示す斜視図である。
図6図6は、一対の電極部材を示す斜視図である。
図7図7は、図6のB-B線に沿った断面図である。
図8図8は、アース用の導電部材を示す斜視図である。
図9図9Aは、コンセントブロックを下側から見た斜視図である。図9Bは、コンセントブロックを上側から見た斜視図である。
図10図10は、図1のC-C線に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態に係るテーブルタップについて、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下に説明する構成は、本開示の一例に過ぎず、本開示は下記の実施形態に限定されない。したがって、この実施形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
以下の説明では、特に断りがない限り、図1図10において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに、上、下、左、右、前、後の各方向を規定する。したがって、本実施形態では、筐体3の長手方向が前後方向、筐体3の短手方向(幅方向)が左右方向、筐体3の厚み方向が上下方向となる。ただし、これらの方向は、テーブルタップ1の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0012】
(概要)
図1を参照して、本実施形態のテーブルタップ1の概要について(外観を中心に)説明する。図1に示すように、テーブルタップ1は、差込プラグ200が差込可能であり、差し込まれた差込プラグ200に電力を供給する装置である。テーブルタップ1は、3つのコンセント2(アウトレットとも言う)を有する。3つのコンセント2に1つずつ差込プラグ200が差込可能である。すなわち、テーブルタップ1は、差込プラグ200を同時に最大3つまで差込可能である。なお、コンセント2の個数(すなわちテーブルタップ1に同時に差込可能な差込プラグ200の個数)は、3つに限定されない。差込プラグ200は、例えば電気機器から引き出された電線201の端部に接続されている。差込プラグ200は、複数の導体202(一対の電極202a,202b及び1つの接地端子202c)を有している。
【0013】
テーブルタップ1は、筐体3を備えている。筐体3は、テーブルタップ1の各種部品8(図2参照)を収容する外郭である。筐体3は、例えば、前後方向に延びた略直方体形の箱状であり、上面31、下面32、左側面33、右側面34、前側面35、及び後側面36を有する。本実施形態では、上面31及び下面32は、例えば、前後方向に延びた長円状である。左側面33及び右側面34は、前後方向に延びた略矩形状である。前側面35は、前方に凸の半筒(すなわち円筒を縦半分に割った形)状である。後側面36は、後方に凸の半筒状である。下面32は、例えば、上面31よりも一周り小さく形成されている。これに伴って、左側面33、右側面34、前側面35、及び後側面36は、上面31側から下面32側に向かって筐体3の内側に傾斜している。
【0014】
前側面35には、電線用孔4が設けられている。この電線用孔4を通じて、外部電源に接続された電源ケーブル5が、筐体3の外部から内部に引き込まれている。筐体3の内部に引き込まれた電源ケーブル5は、筐体3に収容された各種部品8(図2参照)のうちの電気部品に接続されている。
【0015】
電線用孔4と電源ケーブル5との間には、筒状のブッシュ部材B1が設けられている。すなわち、電線用孔4にブッシュ部材B1が挿入され、このブッシュ部材B1の中に電源ケーブル5が通されている。ブッシュ部材B1の一端部は筐体3の外に露出され、ブッシュ部材B1の他端部は筐体3内に挿入されている。ブッシュ部材B1は、一端部から他端部に向かって外径が拡径している。ブッシュ部材B1の他端部には、外周に突出したフランジ部B1aが設けられている(図2参照)。このブッシュ部材B1は無くてもよい。
【0016】
上面31には、3つのコンセント2と、遮断スイッチ6とが設けられている。すなわち筐体3は、3つのコンセント2を有する。3つのコンセント2は、一方向(例えば上面31の長手方向)に並んでいる。3つのコンセント2の各々は、一組の差込孔21を有する。この一組の差込孔21(すなわち1つのコンセント2)が1つの差込プラグ200に対応する。一組の差込孔21は、3つの差込孔21a,21b,21c(すなわち一対の差込孔21a,21b及び1つの差込孔21c)を有する。一組の3つの差込孔21a,21b,21cには、1つの差込プラグ200の3つの導体202(すなわち一対の電極202a,202b及び1つの接地端子202c)が差し込まれる。なお、一組の差込孔21の個数は、3つに限定されず、1つの差込プラグ200の有する導体202の個数に応じて決めることができる。
【0017】
一組の3つの差込孔21a,21b,21cのうち、一対の差込孔21a,21b(第1差込孔)の各々は、差込プラグ200の一対の電極202a,202bの各々が差し込まれる差込孔であり、上面31の長手方向に沿って並んでいる。したがって、一対の差込孔21a,21bの各々が並ぶ方向は、3つのコンセント2が並ぶ方向と一致する。残り1つの差込孔21c(第2差込孔)は、差込プラグ200の接地端子202cが差し込まれる差込孔であり、一対の差込孔21a,21bにおける左右方向の片側(例えば左側)に配置されている。
【0018】
このテーブルタップ1では、差込プラグ200の3つの導体202(202a,202b,202c)が一組の3つの差込孔21a,21b,21cに差し込まれることで、テーブルタップ1と差込プラグ200とが互いに電気的に接続される。この結果、テーブルタップ1から差込プラグ200に電力が供給される。
【0019】
遮断スイッチ6は、テーブルタップ1からテーブルタップ1に差し込まれた差込プラグ200への電力の供給及び停止を手動で切り替えるためのスイッチである。遮断スイッチ6がオンのときは、テーブルタップ1からテーブルタップ1に差し込まれた差込プラグ200に電力が供給される。遮断スイッチ6がオフのときは、テーブルタップ1からテーブルタップ1に差し込まれた差込プラグ200への電力供給が停止される。
【0020】
遮断スイッチ6は、過電流遮断機能を有する。すなわち、遮断スイッチ6は、テーブルタップ1の内部の電気部品に所定の電流値未満の電流が流れる場合は、手動でオン又はオフの切り替えが可能である。他方、遮断スイッチ6は、テーブルタップ1の内部の電気部品に所定の電流値以上の電流(すなわち過電流)が流れると、自動的にオンからオフに切り替わる。これにより、例えば、電源ケーブル5に過電流が流れた場合、その過電流が、テーブルタップ1に差し込まれた差込プラグ200に流れることを防止できる。
【0021】
上面31は、第1領域37と、第2領域38とに区分されている。第1領域37は、上面31の長手方向(すなわち前後方向)の長さのうち、上面31の後端から中央前寄りの所までの範囲(例えば上面31のうちの後側の3分の2の範囲)である。第2領域38は、上面31の長手方向の長さのうち、上面31の前端から中央前寄りの所までの範囲(例えば上面31のうちの前側の3分の1の範囲)である。第1領域37は、第2領域38よりも一段高くなっている。
【0022】
複数(3つ)のコンセント2(すなわち複数組(3組)の差込孔21)は、上面31の長手方向(すなわち前後方向)に並んでいる。本実施形態では、複数のコンセント2は、例えば、上面31の第1領域37に並べられている。遮断スイッチ6は、例えば、上面31の第2領域38に配置されている。
【0023】
このように、テーブルタップ1は、電源ケーブル5を介して外部電源から電力が入力される。そして、差込プラグ200がテーブルタップ1のコンセント2に差し込まれると、差込プラグ200とテーブルタップ1とが電気的に接続される。遮断スイッチ6がオンのときは、差込プラグ200がテーブルタップ1のコンセント2に差し込まれることで、テーブルタップ1から差込プラグ200に電力が供給される。その電力供給の際、遮断スイッチ6が手動でオンからオフに切り替えられると、テーブルタップ1から差込プラグ200への電力供給が止められる。また、テーブルタップ1に過電流が流れると、遮断スイッチ6が自動的にオンからオフに切り替わり、テーブルタップ1から差込プラグ200への電力供給が止められる。
【0024】
(詳細説明)
次に図2図10を参照して、テーブルタップ1の構成について説明する。
【0025】
図2に示すように、テーブルタップ1は、筐体3と、筐体3に収容される各種部品8と、を備えている。筐体3は、ボディ40と、カバー50と、を有する。ボディ40は、各種部品8を収容する内部空間40fを有する箱状(例えば底深の箱状)で、内部空間40fと繋がった開口部40aを有する。カバー50は、ボディ40の開口部40aを閉じる部材であり、例えば板状である。各種部品8は、一対の電極部材10A,10B、アース用の導電部材12、複数のコンセントブロック13、及び遮断スイッチ6を含む。
【0026】
(ボディ40)
図2及び図3を参照して、ボディ40について説明する。ボディ40は、例えばPCABS樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。図2に示すように、ボディ40は、前後方向に延びた略直方体形で、上面に開口部40aを有する箱状である。ボディ40は、底壁41と、左側壁42と、右側壁43と、前側壁44と、後側壁45と、を有する。
【0027】
底壁41、左側壁42、右側壁43、前側壁44、及び後側壁45の各々の外面(すなわち外側主面)が、筐体3の下面32、左側面33、右側面34、前側面35、及び後側面36になっている。左側壁42、右側壁43、前側壁44、及び後側壁45によって、ボディ40の周壁部46が構成されている。左側壁42、右側壁43、前側壁44、及び後側壁45の内面(すなわち内側主面)によって、周壁部46の内周面46bが構成されている。左側壁42、右側壁43、前側壁44、及び後側壁45の各々の上端部によって、開口部40aの周縁部40bが形成されている。底壁41、左側壁42、右側壁43、前側壁44、及び後側壁45で囲まれた空間が内部空間40fである。
【0028】
底壁41は、前後方向に長い略矩形板状(例えば長円板状)である。左側壁42及び右側壁43は、底壁41の短手方向(左右方向)における両端から上方に立ち上がっている。前側壁44及び後側壁45は、底壁41の長手方向(前後方向)における両端から上方に立ち上がっている。前側壁44は、例えば、底壁41の前端の円弧形状に沿って前方に凸の半円筒状に湾曲している。後側壁45は、例えば、底壁41の後端の円弧形状に沿って後方に凸の半円筒状に湾曲している。底壁41は、例えば、上面の開口部40aよりも一周り小さく形成されている。これに伴って、左側壁42、右側壁43、前側壁44、及び後側壁45は、開口部40a側から底壁41側に向かってボディ40の内側に傾斜している。
【0029】
底壁41の内面(上面)は、複数(例えば4つ)の区画領域15を有する。複数の区画領域15は、底壁41の内面における長手方向(前後方向)に並んでいる。複数の区画領域15のうち、前側の1つの区画領域15には、遮断スイッチ6が配置される。後側の3つの区画領域15は、カバー50の3つのコンセント2に一対一に対応し、対応するコンセント2に対応する部品(コンセントブロック13,一対の受け部70,受け部90など)が配置される。
【0030】
ボディ40の前側壁44には、電源ケーブル5が通る電線用孔4が設けられている。電線用孔4は、例えば前側壁44の中央に設けられており、前側壁44の厚さ方向に貫通している。電線用孔4の開口の輪郭は、例えば円形である。電線用孔4の開口の輪郭の全周は、閉じている。電線用孔の全周が閉じているため、ボディに電線用孔が設けられても、電線用孔によって、ボディの強度及び剛性が低下することを防止できる。
【0031】
図2及び図3に示すように、ボディ40の周縁部40bは、外周縁部40cと、内周縁部40dと、を有する。外周縁部40cは、周縁部40bの幅方向の外側半分であり、内周縁部40dは、周縁部40bの幅方向の内側半分である。内周縁部40dは、外周縁部40cよりも一段低くなっている。これにより、外周縁部40cと内周縁部40dとの間に段差部40eが形成される。カバー50によってボディ40の開口部40aが閉じられると、カバー50の後述の外側壁部51が内周縁部40dに引っ掛かる。この結果、ボディ40の深さ方向に対するカバー50の位置が、開口部40aの開口面の位置に位置決めされる。さらに、カバー50の後述の外側壁部51が段差部40eに接触して、開口部40aの開口面上の所定位置にカバー50が位置決めされる。
【0032】
図2に示すように、ボディ40には、複数の縦リブ60と、第1挟持壁部61と、複数のボス部62と、複数の突起部63と、が設けられている。
【0033】
複数(例えば8つ)の縦リブ60は、ボディ40の剛性及び強度を補強する部分である。複数の縦リブ60は、ボディ40の内周面46bに設けられている。複数の縦リブ60は、ボディ40の内周面46bの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。本実施形態では、左側壁42の内面に3つ、右側壁43の内面に3つ、前側壁44の内面に2つ設けられている。左側壁42及び右側壁43の各々の3つの縦リブ60は、例えば、底壁41の区画領域15の境界に沿って配置されている。前側壁44の2つの縦リブ60は、電線用孔4の左右両側に配置されている。各縦リブ60は、平板状に形成されており、ボディ40の内周面46bから垂直にボディ40の内部に突出している。各縦リブ60は、ボディ40の深さ方向に沿ってボディ40の周縁部40bから底部まで延びている。
【0034】
第1挟持壁部61は、ボディ40の電線用孔4を通じてボディ40の外部から内部に引き込まれた電源ケーブル5を、カバー50の後述の第2挟持壁部53との間で挟持する部材である。本実施形態では、第1挟持壁部61と第2挟持壁部53とで、電線用孔4を通った電源ケーブル5を挟持する挟持部17が構成されている。すなわち、筐体3は、内部空間40fにおいて、電線用孔4を通った電源ケーブル5を挟持する挟持部17を有する。このように電源ケーブル5が挟持部17で挟持されることで、筐体3の外部で電源ケーブル5が引っ張られても、その際の張力を挟持部17で止めることができる。この結果、電源ケーブル5が引っ張られても、筐体3内の各種部品8と電源ケーブル5との接続が切れることを防止できる。以下、この効果を張力止めとも記載する。
【0035】
第1挟持壁部61は、ボディ40の底壁41において、ボディ40の電線用孔4の裏側(すなわち前側壁44の裏側)に設けられている。第1挟持壁部61は、ボディ40の底壁41から立ち上げるように壁状に設けられている。第1挟持壁部61の高さは、電線用孔4の開口の下端4aと上端4bとの間の高さである(図10参照)。第1挟持壁部61は、電源ケーブル5が配索される配索経路に交差(例えば直交)するように(すなわち底壁41の幅方向(左右方向)に延びるほうに)設けられている。
【0036】
第1挟持壁部61は、複数(例えば2つ)の第1壁部61aを有する。各第1壁部61aは、電源ケーブル5の配索経路と交差(例えば直交)し、かつ互いの厚さ方向に間隔を空けて、配置されている。第1挟持壁部61が複数の第1壁部61aで構成されることで、第1挟持壁部61と電源ケーブル5との間の摩擦抵抗を増やすことができる。この結果、上記の張力止めの効果を向上させることができる。また、第1挟持壁部61から電源ケーブル5に作用する圧力を分散でき、電源ケーブル5への負担を低減できる。
【0037】
複数(例えば4つ)のボス部62は、カバー50の後述のボス部54と締結して、ボディ40とカバー50とを互いに固定する部分である。複数のボス部62は、ボディ40の底壁41からボディ40の内部に突出するように、ボディ40の底壁41に設けられている。複数のボス部62は、底壁41全体に分散するように設けられている。例えば、4つのボス部62のうち、2つのボス部62は、底壁41の4つの区画領域15のうちの後側の3つの区画領域15を区画する2つの境界の中央に配置されている。残りの2つのボス部62a(62)(第1ボス部)は、第1挟持壁部61の両端部(すなわち第1挟持壁部61の横幅方向(左右方向)の両側の位置)に設けられており、第1挟持壁部61の両端部と一体的に形成されている。このように2つのボス部62aと第1挟持壁部61の両端部とが一体的に形成されることで、第1挟持壁部61の強度を向上でき、上記の張力止めの効果を更に向上させることができる。なお、第1挟持壁部61の両端部のうちの一方の端部だけにボス部62aが設けられてもよい。
【0038】
複数のボス部62の各々には、貫通孔62bが設けられている。貫通孔62bは、ねじN1が通る貫通孔である。ねじN1は、ボディ40とカバー50とを互いに固定するためのねじである。貫通孔62bは、ボス部62の中心軸方向(上下方向)に沿って設けられている。貫通孔62bは、ボス部62とボディ40の底壁41と貫通して、ボディ40の内部と外部とを繋げている。
【0039】
複数(例えば9つ)の突起部63は、カバー50がボディ40の開口部40aを閉じたときに、コンセントブロック13の下面を押して、ボディ40内でのコンセントブロック13の上下方向の位置を位置決めする部分である。各突起部63は、底壁41の内面から突出するように例えば筒状に設けられている。複数(9つ)の突起部63は、底壁41の4つの区画領域15のうちの後側の3つの区画領域(すなわちコンセントブロック13が配置される区画領域)15に複数個(例えば3個)ずつ配置されている。
【0040】
図3を参照して、縦リブ60について説明する。図3に示すように、各縦リブ60の上端部60aは、ボディ40の周縁部40bの外周縁部40cと内周縁部40dとの間の高さに形成されている。各縦リブ60の上端部60aには、カバー50の後述の外側壁部51が嵌る凹部60bが設けられている。凹部60bの底部は、ボディ40の内周縁部40dと平坦でかつ繋がっている。これにより、カバー50がボディ40の開口部40aを閉じると、カバー50の後述の外側壁部51の下端が縦リブ60の凹部60bの底部に接触する。この結果、ボディ40の深さ方向に対するカバー50の位置が、開口部40aの開口面の位置に位置決めされる。さらに、カバー50の後述の外側壁部51が凹部60bの内側側面に接触することで、開口部40aの開口面上でのカバー50の位置が所定位置に位置決めされる。
【0041】
ボディ40の内周面46bの上部G1は、ボディ40の底壁41に対して垂直であるが、ボディ40の内周面46bの下部G2は、ボディ40の周壁部46がボディ40の内部側に傾斜するのに伴って、ボディ40の内部側に傾斜している。すなわち、ボディ40の内周面46bの下部G2は、内周面46bの下端に向かってボディ40の内部側に傾斜している。これに伴って、縦リブ60の上部60eでは、底壁41に対して垂直に伸びているが、縦リブ60の下部60fは、ボディ40の内周面46bの下部G2に沿ってボディ40の内部側に傾斜している。これにより、ボディ40の内周面46bの下部G2がボディ40の内部側に傾斜していても、縦リブ60の下部60fの幅(すなわち左右方向の幅)を一定の幅に確保でき、縦リブ60の強度及び剛性を確保できる。
【0042】
(カバー50)
図2及び図3を参照して、カバー50について説明する。
【0043】
カバー50は、例えばポリカーボネイト樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。図2に示すように、カバー50は、前後方向に延びた略矩形(例えば長円形)の板状である。カバー50の外面(すなわち外側主面)が筐体3の上面31になっている。
【0044】
カバー50は、ボディ40の開口部40aと略同形同大(より詳細には、同形でかつ開口部40aよりも少し小さい大きさ)である。カバー50の外周部50aは、ボディ40の開口部40aの内側に嵌め合わせることが可能である(図1参照)。カバー50の外周部50aがボディ40の開口部40aの内側に嵌め合わされることで、カバー50によって開口部40aが閉じられる。このように、カバー50の外周部50aがボディ40の開口部40aの内側に嵌め合わされることで、ボディ40でカバー50の外周部50aが保護される。
【0045】
カバー50には、複数のコンセント2と、遮断スイッチ6を露出する露出窓18と、が設けられている。上述の通り、複数のコンセント2の各々は、一組の差込孔21(すなわち3つの差込孔21a,21b,21c)を有する。したがって、カバー50には、複数組(例えば3組)の差込孔21が設けられている。複数組の差込孔21及び露出窓18は、カバー50の厚さ方向に貫通している。複数組の差込孔21(すなわち複数のコンセント2)は、上述の通り、カバー50の外面の第1領域37に設けられ、カバー50の長手方向に沿って並んでいる。露出窓18は、例えば矩形状であり、カバー50の外面の第2領域38内の所定領域(例えば右半領域)に設けられている。
【0046】
図4に示すように、カバー50の裏面50bには、外側壁部51と、内側壁部52と、第2挟持壁部53と、複数のボス部54と、複数の位置決め部55と、複数の仮固定部56と、複数の載置壁部57と、が設けられている。
【0047】
カバー50の裏面50bは、複数(例えば4つ)の区画領域20を有する。複数の区画領域20は、カバー50の裏面50bにおける長手方向に並んでいる。複数(例えば4つ)の区画領域20のうち、前側の1つの区画領域20には、露出窓18が設けられており、遮断スイッチ6が配置される。後側の3つの区画領域20は、カバー50の3つのコンセント2に一対一に対応し、かつボディ40の底壁41の4つの区画領域15のうちの後側の3つの区画領域15とも一対一に対応する。後側の3つの区画領域20の各々には、一組の差込孔21(すなわち3つの差込孔21a,21b,21c)が設けられており、コンセントブロック13が配置される。
【0048】
第2挟持壁部53は、電源ケーブル5をボディ40の第1挟持壁部61との間で挟むための部材である。電源ケーブル5は、ボディ40の電線用孔4を通ってボディ40の外部から内部に引き込まれた電源ケーブルである。
【0049】
なお、電源ケーブル5は、複数(例えば3つ)の電線5a,5b,5cと、外装5dと、を有する。各電線5a,5b,5cは、被覆電線である。外装5dは、各電線5a,5b,5cを束ねて覆う部材である。電線5aは電極部材10Aに電気的に接続され、電線5bは電極部材10Bに電気的に接続され、電線5cは、導電部材12に電気的に接続される。電源ケーブル5の外装5dの端部からは、外装5dの内部の各電線5a,5b,5cが同じ長さ引き出されている。すなわち、各電線5a~5cは、電源ケーブル5の外装5dから同じ長さ引き出された部分(引出電線部5a1,5b1,5c1)を有する。
【0050】
第2挟持壁部53は、カバー50の裏面50bの前端の付近(すなわち前端から一定距離後方に後退した位置)に設けられている。第2挟持壁部53は、カバー50の裏面50bから立ち上げるように壁状に設けられている。第2挟持壁部53は、電源ケーブル5が配索される配索経路に交差(例えば直交)するように(換言すれば、カバー50の幅方向(左右方向)に沿って)設けられている。
【0051】
第2挟持壁部53は、所定の高さに形成されている。所定の高さとは、例えば、カバー50がボディ40の開口部40aを閉じたときに、第2挟持壁部53の先端部が電線用孔4の開口の上端4bと下端4aとの間に配置する、高さである。すなわち、第2挟持壁部53の高さは、カバー50がボディ40の開口部40aを閉じたとき、第1挟持壁部61と第2挟持壁部53との間で、電源ケーブル5を適度な圧力で挟持可能な高さである。
【0052】
第2挟持壁部53は、複数(例えば2つ)の第2壁部53aを有する。各第2壁部53aは、電源ケーブル5の配索経路と交差(例えば直交)し、かつ互いの厚さ方向に間隔を空けて配置されている。第2挟持壁部53が複数の第2壁部53aで構成されることで、第2挟持壁部53と電源ケーブル5との間の摩擦抵抗を増やすことができ、この結果、上記の張力止めの効果を向上できる。また、第2挟持壁部53から電源ケーブル5に作用する圧力を分散でき、電線への負担を低減できる。
【0053】
第2挟持壁部53の両端部(すなわち第2挟持壁部53の横幅方向(左右方向)の両側の位置)には、後述のボス部54a(第2ボス部)が設けられている。第2挟持壁部53の両端部とボス部54aとは、一体的に形成されている。このように2つのボス部54aと第2挟持壁部53の両端部とが一体的に形成されることで、第2挟持壁部53の強度を向上でき、上記の張力止めの効果を更に向上できる。なお、第2挟持壁部53の両端部のうちの一方の端部だけにボス部54aが設けられてもよい。外側壁部51及び内側壁部52は、カバー50の剛性及び強度を補強する部分である。外側壁部51及び内側壁部52は、カバー50の裏面50bから立ち上がるように設けられている。外側壁部51は、カバー50の裏面50bの周縁の全周(すなわち周方向の全体)に亘って設けられている。内側壁部52は、外側壁部51の内側において、外側壁部51と間隔を空けて、カバー50の周方向に沿って設けられている。
【0054】
内側壁部52の両端部は、第2挟持壁部53の両端部に一体的に繋がっている。すなわち、第2挟持壁部53は、内側壁部52の一部として機能している。したがって、内側壁部52は、第2挟持壁部53を含めると、カバー50の裏面50bの周方向の全体に亘って設けられている。なお、内側壁部52と第2挟持壁部53は、互いに同じ高さであるが、互いに異なる高さでもよい。
【0055】
このように、外側壁部51及び内側壁部52がカバー50の周方向の全体に亘って形成されることで、カバー50の強度及び剛性が更に向上されている。
【0056】
内側壁部52の高さは、外側壁部51の高さよりも高い。これにより、外側壁部51及び内側壁部52がボディ40の内周面(すなわち内側に傾斜した内周面)46bに干渉すること無く、カバー50の強度及び剛性を向上できる。なお、内側壁部52の高さとは、カバー50の裏面50bに対する内側壁部52の高さであり、外側壁部51の高さとは、カバー50の裏面50bに対する内側壁部52の高さである。
【0057】
複数(例えば4つ)のボス部54は、ボディ40のボス部62と締結して、ボディ40とカバー50とを互いに固定する部分である。複数のボス部54は、カバー50の裏面50bから突出するように設けられている。複数のボス部54は、カバー50の裏面50b全体に分散するように設けられている。例えば、4つのボス部54のうち、2つのボス部54は、カバーの裏面50bの4つの区画領域20のうちの後側の3つの区画領域20を区画する2つの境界の中央に配置されている。残りの2つのボス部54a(54)は、第2挟持壁部53の両端部(すなわち第2挟持壁部53の横幅方向(左右方向)の両側の位置)に設けられており、第2挟持壁部53の両端部と一体的に形成されている。このように2つのボス部54aと第2挟持壁部53の両端部とが一体的に形成されることで、第2挟持壁部53の強度を向上でき、上記の張力止めの効果を更に向上させることができる。
【0058】
各ボス部54には、有底のねじ穴54bが設けられている。ねじ穴54bは、ねじN1がねじ込まれる穴である。ねじN1は、ボディ40とカバー50とを互いに固定するためのねじである。ねじ穴54bは、ボス部54の中心軸方向(上下方向)に沿って設けられている。
【0059】
複数(例えば9つ)の位置決め部55は、カバー50の裏面50bでのコンセントブロック13の位置を位置決めする部分である。なお、コンセントブロック13は、後述の受け部70A,70B,90を保持する部材である。
【0060】
複数(9つ)の位置決め部55は、カバー50の裏面50bの4つの区画領域20のうちの後側3つの区画領域(すなわちコンセントブロック13が配置される区画領域)20に複数個(例えば3個)ずつ配置されている。例えば、各区画領域20では、3つの位置決め部55は、区画領域20の4隅のうちの3隅の付近に1つずつ設けられている。
【0061】
各位置決め部55は、筒部(例えば円筒部)55aと、載置壁部55bと、を有する。筒部55aは、後述のコンセントブロック13の位置決め孔134に嵌る部分である。載置壁部55bは、後述のコンセントブロック13が載る部分である。載置壁部55bは、筒部55aの外周において、筒部55aの径方向に沿って設けられている。各載置壁部55bの高さは、筒部55aの下半部分と同じ高さに形成されている。
【0062】
複数(例えば3つ)の仮固定部56(56a,56b,56c)は、電源ケーブル5又は電線5a,5cをカバー50の裏面50bに仮固定する部分である。各仮固定部56は、カバー50の裏面50bから立ち上がるように壁状に設けられている。
【0063】
仮固定部56aは、第2挟持壁部53の後側でかつ露出窓18の横側において、露出窓18と間隔を空けて、カバー50の長手方向(前後方向)に沿って設けられている。これにより、仮固定部56aは、第2挟持壁部53を横切った電源ケーブル5を、第2挟持壁部53の後側で、遮断スイッチ6との間で挟んで、カバー50の裏面50bに仮固定する。
【0064】
仮固定部56bは、露出窓18の4つの角部のうちの1つの角部(後左側の角部)に沿って、露出窓18と間隔を空けて設けられている。これにより、仮固定部56bは、電線5aを、遮断スイッチ6の角部との間で挟んで、カバー50の裏面50bに仮固定する。
【0065】
仮固定部56cは、電線5a~5cのうち、アース用の導電部材12に接続される電線5cを、遠回りさせて導電部材12まで配索させることで、他の電線5a,5bよりも弛みが少なくなるようにして、カバー50の裏面50bに仮固定する。仮固定部56cは、例えば、仮固定部56aに交差する方向(左右方向)の一側(例えば左側)にずれた位置に設けられている。
【0066】
これにより、電源ケーブル5が引っ張られたときに、そのときの張力で、電源ケーブル5内の複数の電線5a~5cのうち、アース用の電線5cが最初に引っ張られるようにできる。これにより、上記の張力で、他の電線5a,5bが最初に切れることを防止できる。また、各電線5a~5cの引出電線部(電源ケーブル5から引き出された部分)の長さを同じにして、各電線5a~5cの引出電線部の仮固定部56による弛ませ方で、各電線5a~5cの切れる順番を設定できる。
【0067】
複数の載置壁部57は、コンセントブロック13が載る部分である。各載置壁部57は、カバー50の裏面50bから立ち上がるように壁状に設けられている。各載置壁部57は、カバー50の裏面50bにおけるコンセントブロック13と重なる適宜位置に設けられている。
【0068】
(電極部材10A,10B)
次に図4図6を参照して、一対の電極部材10A,10Bについて説明する。
【0069】
図4図6に示すように、一対の電極部材10A,10Bの各々は、差込プラグ200の一対の電極202a,202bの各々と一対一に対応する。そして、一対の電極部材10A,10Bの各々は、コンセント2に差し込まれた差込プラグ200の一対の電極202a,202bのうちの対応する電極と電気的に接続される。各電極部材10A,10Bは、導電性を有する部材(例えば金属、より詳細には、例えば銅合金)で形成されている。
【0070】
一対の電極部材10A,10Bは、複数対(例えば3対)の受け部70と、一対のリード部80A,80Bと、を有する。複数対の受け部70の各対内の2つの受け部70A,70B(第1受け部)は、一対の電極部材10A,10Bに一対一に対応する。以下、対内の2つの受け部70A,70Bを一対の受け部70A,70Bとも記載する。一対のリード部80A,80B(第1リード部)も、一対の電極部材10A,10Bに一対一に対応する。したがって、各対内の2つの受け部70A,70Bは、一対のリード部80A,80Bに一対一に対応する。
【0071】
電極部材10Aは、対応する複数の受け部70Aと、対応するリード部80Aとを有する。電極部材10Bは、対応する複数の受け部70Bと、対応するリード部80Bとを有する。なお、一対の受け部70A,70Bは、コンセント2毎に設けられている。
【0072】
電極部材10Aにおいて、対応する複数の受け部70Aと、対応するリード部80Aとは、別部材で形成されている。同様に、電極部材10Bにおいて、対応する複数の受け部70Bと、対応するリード部80Bとは、別部材で形成されている。対応する複数の受け部70A,70Bと、対応するリード部80A,80Bとは、周知の結合方法(例えばダボカシメ)で結合されている。
【0073】
複数対(3対)の受け部70は、複数(3つ)のコンセント2に一対一に対応し、対応するコンセント2に差し込まれた差込プラグ200の一対の電極202a,202bと電気的に接続される部材である。一対の受け部70A,70Bは、差込プラグ200の一対の電極202a,202bに一対一に対応し、差込プラグ200の一対の電極202a,202bのうちの対応する電極と電気的に接続する。複数対(3対)の受け部70は、カバー50の裏面50bの4つの区画領域20のうちの後側の3つの区画領域20にも一対一に対応し、対応する区画領域20に配置される。
【0074】
一対の受け部70A,70Bは、前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。すなわち、一対の受け部70A,70Bが並ぶ方向は、3つのコンセント2が並ぶ方向(前後方向)と一致する。換言すれば、一対の受け部70A,70Bが並ぶ方向と、3つのコンセント2が並ぶ方向とは、一方向である。
【0075】
各受け部70A,70Bは、互いに同形同大に形成されている。換言すれば、各受け部70A,70Bは、互いに共通の部品として形成されている。したがって、同じ対内の受け部70Aと受け部70Bは、勿論のこと、互いに異なる対に含まれる受け部70Aと受け部70Bも、互いに同形同大に形成されている。
【0076】
一対のリード部80A,80Bの各々は、複数対の受け部70のうちの対応する受け部70A,70Bと連結される。また、一対のリード部80A,80Bの各々には、対応する電線5a,5bが電気的に接続される。一対のリード部80A,80Bの各々は、互いに同形同大に形成されている。すなわち、一対のリード部80A,80Bの各々は、互いに共通の部品として形成されている。一対のリード部80A,80Bの各々の前端部には、電線5a,5eが接続される貫通孔80Aa,80Baが設けられている。電線5eは、遮断スイッチ6を介して電線5bと電気的に接続される電線である。
【0077】
図6に示すように、各リード部80A,80Bは、対応する複数の受け部70A,70Bが結合される複数の結合領域80Ab,80Bbを有する。複数の結合領域80Ab,80Bbは、各リード部80A,80Bにおいて長手方向に互いに間隔を空けて形成されている。上記の通り、各リード部80A,80Bは互いに同形同大に形成されているため、各リード部80A,80Bにおける各結合領域80Ab,80Bbの配置も、互いに同じ配置である。
【0078】
図5に示すように、各リード部80A,80Bは、カバー50の裏面50bに配置される。この配置状態では、各リード部80A,80Bは、カバー50の長手方向(前後方向)に沿って配置されている。また、各リード部80A,80Bは、カバー50の左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。また、各リード部80A,80Bは、互いの配置が長手方向にずれて配置されている。例えば、リード部80Bは、リード部80Aよりも前方にずれて配置されている。また、各リード部80A,80Bの形状の向きは、互いに同じ向きに揃えられている。なお、各リード部80A,80Bの形状の向きとは、例えば、各リード部80A,80Bが延びる方向、及び、各リード部80A,80Bの裏表などである。
【0079】
また、各リード部80A,80Bは、カバー50の裏面50bにおいて、左右方向の一方側(例えば右側)に偏って配置されている。これにより、カバー50の裏面50bにおいて、左右方向の他方側(例えば左側)に、アース用の導電部材12を配置するスペースが確保される。
【0080】
一方のリード部80Aには、複数の受け部70Aが結合され、他方のリード部80Bには、複数の受け部70Bが結合されている。一方のリード部80Aでは、受け部70Aは、リード部80Aの結合領域80Abに結合されるため、リード部80Aの長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。また、一方のリード部80Aでは、各受け部70Aは、他方のリード部80B側に突出しかつ両方のリード部80A,80Bよりも上側に突出するように、配置されている。同様に、他方のリード部80Bでは、各受け部70Bは、リード部80Bの長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。また、他方のリード部80Bでは、各受け部70Bは、一方のリード部80A側に突出しかつ両方のリード部80A,80Bよりも上側に突出すように、配置されている。
【0081】
そして、複数対の受け部70は、一対のリード部80A,80Bの長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。一対の受け部70A,70Bの各々も、一対のリード部80A,80Bの長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。また、複数対の受け部70は、一対のリード部80A,80Bの各々の間で、かつ一対のリード部80A,80Bの上側に突出して配置されている。そして、各対の受け部70は、カバー50の裏面50bにおいて、対応する区画領域20の裏側に配置されている。また、各対内の2つの受け部70A,70Bは、対応する区画領域20に設けられた一対の差込孔21a,21bの各々の裏側(下側)に配置されている。
【0082】
図6を参照して、各リード部80A,80Bの形状、及び各受け部70A,70Bの形状について説明する。
【0083】
図6に示すように、各リード部80A,80Bは、例えば、前後方向に延びた帯板状に形成されている。各リード部80A,80Bの厚さ方向は、上下方向(すなわち差込プラグ200の差抜方向)に一致する。すなわち、各リード部80A,80Bの両側の主面は、前後左右方向に広がっている。
【0084】
各リード部80A,80Bには、複数の凹部81が設けられている。各凹部81は、各リード部80A,80Bにおいて、各対内の2つ受け部70A,70Bのうち、連結していない方の受け部と隣り合う部分に設けられている。この凹部81により、リード部80Aと、このリード部80Aに連結していない受け部70Bとの間の絶縁距離を一層確保できる。同様に、この凹部81により、リード部80Bと、このリード部80Bに連結していない受け部70Aとの間の絶縁距離を一層確保できる。
【0085】
より詳細には、各凹部81は、リード部80Aの長手方向に沿って、リード部80Aの左右両側の側面に交互に設けられている。すなわち、リード部80Aの左側面には、複数の凹部81が、リード部80Aの長手方向に沿って互いに間隔を空けて設けられている。また、リード部80Aの右側面には、複数の凹部81が、リード部80Aの長手方向に沿って互いに間隔を空け、かつ、リード部80Aの左側面の凹部81間の間隔に隣り合うように、設けられている。リード部80Bの各凹部81についても同様である。
【0086】
リード部80Aの上面には、複数の結合領域82が形成されている。各結合領域82は、リード部80Aの上面における長手方向に間隔を空けて形成されている。より詳細には、各結合領域82は、リード部80Aの上面において、各凹部81に重ならないように、互いに一定間隔空けて形成されている。本実施形態では、各結合領域82は、リード部80Aの前後方向に沿ってリード部80Aの左右両側に交互に並ぶ凹部81に対して2つ置きに、左右両側に交互に並ぶ凹部81の間に形成されている。リード部80Bの各結合領域82についても同様である。
【0087】
一方のリード部80Aの各結合領域82に結合された受け部70Aは、他方のリード部80B側に突出し、かつ両方のリード部80A,80Bの上面よりも上側に配置されている。一方のリード部80Aの各結合領域82は、他方のリード部80Bに設けられた複数の凹部81のうちの一の凹部81に正面に配置されている。したがって、一方のリード部80Aの各結合領域82に結合された受け部70Aは、他方のリード部80Bに設けられた複数の凹部81のうちの一の凹部81の正面の付近に配置されている。このように、リード部80A,80Bに設けられた凹部81によって、リード部80A,80Bと、そのリード部80A,80Bに連結していない受け部70B,70Aとの間の絶縁距離が一層確保される。
【0088】
リード部80Aの各結合領域82には、2つの突起部82aが設けられている。2つの突起部82aは、結合領域82に結合される受け部70Aの後述の結合部74の2つの結合孔74aに嵌る。2つの突起部82aが2つの結合孔74aに嵌った状態で、2つの突起部82aが潰されることで、結合部74と結合領域82とが結合される。すなわち、受け部70Aとリード部80Aとが結合される。同様に、リード部80Bの各結合領域82にも、2つの突起部82aが設けられている。
【0089】
各リード部80A,80Bには、補強リブ83が設けられている。補強リブ83は、各リード部80A,80Bの両側の主面のうちの一方の主面(例えば上面)から突出し、かつ、各リード部80A,80Bの長手方向に沿って形成されている。補強リブ83は、各リード部80A,80Bの各結合領域82には、形成されていない。補強リブ83は、例えば、各リード部80A,80Bの両側の主面のうちの他方の主面(例えば下面)から一方の主面(例えば上面)の側に押し出されることで(例えばプレス加工で)、設けられる。
【0090】
各リード部80A,80Bの前端部には、電線5a,5eが電気的に接続される接続孔84が設けられている。各リード部80A,80Bの前端部は、段差状に上がっている。このように各リード部80A,80Bの前端部が段差状に上げられることで、各リード部80A,80Bの前端部は、電線5a,5eを接続するのに適した高さに形成されている。
【0091】
図6及び図7に示すように、各受け部70A,70Bは、複数(例えば3つ)の弾性片部71と、複数の弾性片部71を支持する支持部72と、連結部73と、結合部74とを有する。
【0092】
各受け部70A,70Bは、例えば3つの弾性片部71で、差込プラグ200の対応する電極202a,202bを挟むことで、対応する電極202a,202bと電気的に接続する。3つの弾性片部71のうち、例えば左右両側の2つの弾性片部71aは、例えば、互いの主面を向かい合わせ、かつ互いに間隔を空けて、配置されている。3つの弾性片部71のうち、残り1つ弾性片部71bは、例えば、その主面を2つの弾性片部71aの側辺に向い合わせ、かつ2つの弾性片部71aと間隔を空けて、配置されている。
【0093】
各受け部70A,70Bは、3つの弾性片部71の先端(上部)が、カバー50側(すなわち上側)に向くように、配置されている。このように3つの弾性片部71が形成されることで、2つの弾性片部71aの間、又は2つの弾性片部71aと残り1つの弾性片部71bとの間に、対応する電極202a,202bを弾性的に挟み込むことができる。各受け部70A,70Bは、例えば、受け部70A,70Bの展開図を形取った金属板を曲げ加工することで、一体的に形成可能である。
【0094】
支持部72は、例えば、4方のうち3方を囲み残り一方を開放した略U字の周壁状に形成されている。支持部72は、略U字の先端辺(上辺)における長手方向の3カ所で3つの弾性片部71の基端と一体的に連結している。
【0095】
連結部73は、支持部72と結合部74とを連結する部分である。連結部73は、支持部72の略U字の基端辺(下辺)のうち、対応するリード部80A,80Bに隣り合う部分から下方に延びて、対応するリード部80A,80Bの側に屈曲して、結合部74に連結している。すなわち、連結部73は、リード部80A,80Bの長手方向(前後方向)から見ると、略L字形に屈曲して形成されている。
【0096】
結合部74は、各リード部80A,80Bの結合領域82と結合する部分である。各受け部70A,70Bの結合部74は、各リード部80A、80Bのうちの対応するリード部の結合領域82と結合する。結合部74は、リード部80A,80Bの各結合領域82と略同形同大の板状に形成されている。結合部74には、複数(例えば2つ)の結合孔74a(図6参照)が設けられている。結合部74の複数の結合孔74aは、リード部80A,80Bの結合領域82の複数の突起部82aが嵌められる孔である。結合孔74aに突起部82aが嵌った状態で突起部82aが潰されることで、結合部74と結合領域82とが結合される。すなわち、受け部70A,70Bとリード部80A,80Bとが結合される。
【0097】
図7に示すように、上述のように、各受け部70A,70Bの連結部73が略L字形に形成されることで、各受け部70A,70Bを各リード部80A,80Bの上面80aよりも上側に間隔K1空けて配置させることができる。これにより、各受け部70A,70Bを、各受け部70A,70Bと結合されないリード部80B,80Aの上面80aよりも上側に間隔K1空けて配置させることができる。この結果、間隔K1によって、各リード部80A,80Bと、各リード部80A,80Bに結合されない受け部70B,70Aとの間の絶縁距離を一層確保できる。間隔K1は、各リード部80A,80Bと、各リード部80A,80Bに結合されない受け部70B,70Aとの間の上下方向(差込プラグ200の差抜方向)に空けられた間隔である。
【0098】
(アース用の導電部材12)
次に図8を参照してアース用の導電部材12について説明する。
【0099】
導電部材12は、コンセント2に差し込まれた差込プラグ200の接地端子202cと電気的に接続される部材である。導電部材12は、導電性を有する部材(例えば金属、より詳細には例えば黄銅)で形成されている。
【0100】
導電部材12は、複数の受け部90と、リード部91と、複数の連結部92と、1つ以上の接続部93と、を有する。導電部材12は、一体的に形成されている。導電部材12は、例えば、導電部材12の展開図を形取った金属板を曲げ加工することで、一体的に形成可能である。
【0101】
複数(例えば3つ)の受け部90は、複数(3つ)のコンセント2に一対一に対応し、対応するコンセント2に差し込まれた差込プラグ200の接地端子202cと電気的に接続される部材である。複数の受け部90は、カバー50の裏面50bの4つの区画領域20のうちの後側の3つの区画領域20に一対一に対応する。
【0102】
各受け部90は、複数(例えば2つ)の弾性片部90aを有する。各受け部90は、2つの弾性片部90aで差込プラグ200の接地端子202cを挟むことで、接地端子202cと電気的に接続する。2つの弾性片部90aは、互いの主面を向かい合わせ、かつ互いに間隔を空けて、配置されている。2つの弾性片部90aの基端(下端)は、互いの対向方向に曲げられて互いに連結されている。各受け部90は、2つの弾性片部90aの先端(上部)が、接地端子202cが差し込まれる側(上側)に向くように配置されている。
【0103】
リード部91は、複数の受け部90を支持し、かつ電線5cが電気的に接続される部分である。リード部91は、例えば前後方向に延びた帯板状に形成されている。導電部材12の厚さ方向は、左右方向に一致する。すなわち、導電部材12の両側の主面は、前後上下方向に広がっている。複数の連結部92は、複数の受け部90とリード部91とを連結する部分であり、複数の受け部90と一対一に対応する。
【0104】
複数の受け部90は、リード部91における長手方向に互いに間隔を空けて、対応する連結部92を介して連結されている。各受け部90は、リード部91の左右両側のうちの一方側(例えば右側)に配置されている。各連結部92は、リード部91の下辺部からリード部91の下方に延びて受け部90側に屈曲して、受け部90の下端に連結されている。
【0105】
1つ以上(例えば3つ)の接続部93は、電線5cが電気的に接続される部分である。各接続部93には、電線3cが接続される接続孔93aが設けられている。各接続部93は、リード部91における長手方向に沿って互いに間隔を空けて設けられている。各接続部93は、例えば、片状に形成され、リード部91の下辺部から、リード部91の左右両側のうちの一方側(例えば右側)に突出されている。本実施形態では、3つの接続部93のうち、例えば、一番前端の接続部93に電線5cが電気的に接続される。
【0106】
図5に示すように、導電部材12は、カバー50の裏面50bに配置される。導電部材12は、電極部材10Bの隣(すなわち電極部材10Aとは反対側の隣)に電極部材10Bと間隔を空けて配置される。したがって、電極部材10A、電極部材10B及び導電部材12は、前後方向に延びかつ左右方向に互いに間隔を空けて、配置される。
【0107】
この配置状態では、導電部材12のリード部91は、カバー50の長手方向(前後方向)に沿って配置される。リード部91は、カバー50の裏面50bにおいて、例えば、2つの電極部材10A、10Bの左側のスペースに配置される。導電部材12の各受け部90は、カバー50の裏面50bにおいて、対応する区画領域20に配置される。各受け部90は、対応する区画領域20の差込孔21cの裏側(下側)に配置される。差込孔21cは、差込プラグ200の接地端子202cが差し込まれる孔である。
【0108】
(コンセントブロック13)
次に図9A図9B及び図5を参照してコンセントブロック13について説明する。
【0109】
図9A及び図9Bに示すように、複数(例えば3つ)のコンセントブロック13は、複数(例えば3つ)のコンセント2に一対一に対応し、対応するコンセント2に対応する一対の受け部70(70A,70B)、及び受け部90を保持する部分である。換言すれば、複数のコンセントブロック13の各々は、複数のコンセント2の各々毎に設けられている。複数のコンセントブロック13は、カバー50の裏面50bの4つの区画領域20のうちの後側の3つの区画領域20に一対一に対応し、対応する区画領域20に配置される(図5参照)。
【0110】
各コンセントブロック13は、互いに同形同大に形成されている。すなわち、各コンセントブロック13は、互いに共通の部品として形成されている。各コンセントブロック13は、例えば、略直方体形に形成されている。各コンセントブロック13は、例えば、ユリヤ樹脂などの熱硬化性樹脂で形成されている。
【0111】
各コンセントブロック13には、3つの収容部100a,100b,100cが設けられている。3つの収容部100a~100cのうち、一対の収容部100a,100bは、一対の受け部70A,70Bの各々を収容する。残り1つの収容部100cは、受け部90を収容する。
【0112】
各収容部100a,100bは、例えば略直方体形の空洞状に形成されており、コンセントブロック13の上下方向に貫通し、コンセントブロック13の上面と下面との各々に開口部を有する。各収容部100a,100bは、コンセントブロック13において、前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。
【0113】
収容部100aの内周面には、複数(例えば3つ)の引掛部101が設けられている。各引掛部101は、収容部100aの内周面において、収容部100aの下側開口部の側の周縁部に設けられている。各引掛部101は、収容部100aの内部に向けて突出している。各引掛部101は、収容部100aに収容された受け部70Aが収容部100aから抜けることを防止する。同様に、収容部100bの内周面にも、複数(例えば3つ)の引掛部101が設けられている。
【0114】
収容部100cは、例えば略直方体状に形成されており、コンセントブロック13の上面(すなわちカバー50の側の面)において、下面に向かって凹状に形成されている。収容部100cの内周面には、複数の突起部103が設けられている。複数(例えば2つ)の突起部103は、収容部100cに受け部90が収容されたときに、受け部90の各弾性片部90aの側面の基端(下端)に接触することで、各弾性片部90aと収容部100cの内周面との間の間隔を確保するための突起部である。これにより、収容部100cに受け部90が収容されたときに、受け部90の各弾性片部90aの上部が、収容部100cの内周面に接触しなくなって、弾性的に可動可能になる。各突起部103は、後述の切欠部132の両側でかつ収容部100cの底面(下面)側に設けられている。
【0115】
コンセントブロック13の左側面(外側面)には、切欠部132と、複数の突起部133と、が設けられている。切欠部132は、収容部100cに受け部90が収容されたときに、受け部90に連結する連結部92が配置する部分である。切欠部132は、上下方向に延びた帯状であり、収容部100cの上側開口部の周縁部(開口縁部)で開放している。複数の突起部133は、コンセントブロック13の左側面にリード部91が配置されたときに、リード部91に引っ掛かることで、リード部91を位置決めする部分である。各突起部133は、コンセントブロック13の左側面において、切欠部132の両側に設けられている。また、各突起部133は、コンセントブロック13の左側面において、上下方向の中間位置に設けられている。
【0116】
コンセントブロック13には、複数(例えば3つ)の位置決め孔134が設けられている。複数の位置決め孔134は、カバー50の裏面50bの対応する区画領域20に設けられた複数の位置決め部55が嵌る孔である。複数の位置決め孔134は、コンセントブロック13の外周の適宜位置に設けられている。本実施形態では、コンセントブロック13の下面の2つの角部(例えば左前角部と左後角部)が段差状に低く形成されており、その2つの角部に1つずつ、位置決め孔134が設けられている。また、コンセントブロック13の上面の前辺右端から前方に突出するようにフランジ部135が形成され、そのフランジ部135に位置決め孔134が1つ設けられている。
【0117】
図5に示すように、このように形成されたコンセントブロック13に一対の受け部70及び受け部90は、下記のように収容(保持)される。
【0118】
一対の受け部70A,70Bの各々は、コンセントブロック13の下面から各収容部100a,100bに収容される。この収容状態では、各収容部100a,100bの引掛部101が各受け部70A,70Bの基端(下端)に引っ掛かる。これにより、各受け部70A,70Bが各収容部100a,100bの下側開口部から抜けることが防止される。また、各受け部70A,70Bに結合されたリード部80A,80Bがコンセントブロック13の下面に当接する。これにより、各受け部70A,70Bが各収容部100a,100bの上側開口部から抜けることが防止される。これにより、各受け部70A,70Bが収容部100a,100b内に固定され、各リード部80A,80Bがコンセントブロック13の下面に固定される。この結果、一対の電極部材10A,10Bが各コンセントブロック13の上面に固定される。
【0119】
受け部90は、コンセントブロック13の上面から収容部100cに収容される(図2参照)。この収容状態では、受け部90に連結された連結部92は、切欠部132に配置されて切欠部132の底(下端)に接触する(図5参照)。また、連結部92に連結されたリード部91は、コンセントブロック13の左側面において、突起部133を横切って突起部133の下側に配置される。これにより、リード部91は、突起部133によって上側への移動が規制される。また、リード部91は、連結部92が切欠部132の底に当接することで下方への移動が規制される。すなわち、リード部91は、コンセントブロック13の左側面に位置決めされて配置される。また、受け部90とリード部91とで、コンセントブロック13の左側面と収容部10cの内周面とを構成する壁部136が挟まれる。これにより、受け部90が収容部100cに固定され、リード部91がコンセントブロック13の左側面に固定される。この結果、アース用の導電部材12が各コンセントブロック13の左側面に固定される。
【0120】
また、このように形成された各コンセントブロック13は、カバー50の裏面50bの対応する区画領域20に配置される。この配置状態では、各コンセントブロック13は、対応する区画領域20に設けられた載置壁部57に乗せられる。また、各コンセントブロック13の各位置決め孔134に、対応する区画領域20に設けられた各位置決め部55が嵌る。これにより、カバー50の裏面50bでの各コンセントブロック13の位置が位置決めされる。
【0121】
(遮断スイッチ6)
次に図2及び図4を参照して遮断スイッチ6について説明する。
【0122】
遮断スイッチ6は、電極部材10Bに電気的に接続される電線5bを導通又は遮断する。本実施形態では、電極部材10Bと電線5bとの間には、電線5eが接続されており、遮断スイッチ6は、各電線5e,5eの間に接続されている。遮断スイッチ6は、各電線5b,5eの間を導通又は遮断することで、電極部材10Bに電気的に接続される電線5bを導通又は遮断する。
【0123】
なお、本実施形態では、遮断スイッチ6は、電極部材10Bに電気的に接続される電線5bを導通又は遮断するが、電極部材10Aに電気的に接続される電線5aを導通又は遮断してもよい。
【0124】
遮断スイッチ6は、電極部材10Bと、電極部材10Bに電気的に接続される電線5bとの間に接続されて、電極部材10Bと電線5bとの間を導通又は遮断する。本実施形態では、遮断スイッチ6は、電極部材10Bと電線5bとの間を導通又は遮断するが、電極部材10Aと、電極部材10Aに電気的に接続される電線5aとの間に接続されて、電極部材10Aと電線5aとの間を導通又は遮断してもよい。
【0125】
遮断スイッチ6は、スイッチケース6aと、スイッチ本体6bと、を有する。
【0126】
スイッチ本体6bは、電線5b,5eの間に接続され、手動でオン又はオフに切り替えられることで、各電線5b,5eの間を遮断又は導通する。また、スイッチ本体6bは、電線5bに所定の電流値以上の電流(すなわち過電流)が流れると、自動的にオンからオフに切り替わって、各電線5b,5eの間を遮断又は導通する(過電流防止機能)。スイッチ本体6bは、各電線5b,5eが接続される2つの接続端子6c,6dを有する。
【0127】
スイッチケース6aは、例えば略直方体形の箱状に形成されている。スイッチケース6aの上面は、カバー50の露出窓18よりも一回り大きい形状(例えば略矩形)に形成されている。スイッチケース6aの上面には、スイッチ本体6bが配置され(図2参照)、スイッチケース6aの下面には、2つの接続端子6c,6dが突出状に設けられている(図4参照)。
【0128】
このように構成された遮断スイッチ6は、スイッチケース6aの上面をカバー50の露出窓18に重ねるようにして、カバー50の裏面50bに配置される。この配置状態で、スイッチ本体6bが露出窓18から露出されている(図1参照)。
【0129】
(組立手順)
次にテーブルタップ1の組立手順(組立方法)を説明する。
【0130】
このテーブルタップ1では、各種部品8がカバー50の裏面50bに配置された後に、カバー50がボディ40の開口部40aに取り付けられる。まず図4及び図5を参照して、カバー50側の組立手順(すなわちカバー50に各種部品8を配置する手順)を説明する。
【0131】
まず、遮断スイッチ6が、カバー50の裏面50bにおいて、露出窓18に重なるように配置される。次に、アース用の導電部材12が、カバー50の裏面50bに配置される。この配置状態では、導電部材12のリード部91は、カバー50の裏面50bの左側において、カバー50の前後方向に延びて配置されている。導電部材12の各受け部90は、カバー50の裏面50bの対応する区画領域20の差込孔21cの下側に配置される。
【0132】
次に、複数のコンセントブロック13が、カバー50の裏面50bの対応する区画領域20に配置される。その際、各コンセントブロック13は、導電部材12の対応する受け部90をコンセントブロック13の上面側(すなわちカバー50側)から収容する。これにより、上述のように、対応する受け部90がコンセントブロック13の収容部100c内に収容される。また、受け部90に連結した連結部92がコンセントブロック13の切欠部132の底に配置される。また、導電部材12のリード部91(すなわち連結部92に連結したリード部91)がコンセントブロック13の左側面に固定される。この結果、各コンセントブロック13の左側面に導電部材12が固定される。
【0133】
また、各コンセントブロック13の各位置決め孔134に、対応する区画領域20の各位置決め部55が嵌まる。これにより、各コンセントブロック13が、対応する区画領域20の所定位置に位置決めされる。
【0134】
次に、一対の電極部材10A,10Bが、カバー50の裏面50bに配置される。その際、電極部材10Aの各受け部70Aが、対応する区画領域20に配置されたコンセントブロック13の収容部100aにコンセントブロック13の下面側から収容される。同様に、電極部材10Bの各受け部70Bが、対応する区画領域20に配置されたコンセントブロック13の収容部100bにコンセントブロック13の下面側から収容される。これにより、上述のように、各対内の2つの受け部70A,70Bが、対応するコンセントブロック13の各収容部100a,100bに収容される。また、各電極部材10A,10Bのリード部80A,80Bが各コンセントブロック13の下面に固定される。この結果、各コンセントブロック13の上面に各電極部材10A,10Bが固定される。
【0135】
次に、電源ケーブル5がボディ40の電線用孔4に通される。電線用孔4を通された電源ケーブル5は、仮固定部56aと遮断スイッチ6との間に挟み込まれることで、カバー50の裏面50bに仮固定される。電源ケーブル5の外装5dの端部からは、各電線5a,5b,5cが同じ長さ引き出されている。各電線5a,5b,5cのこの引き出された部分を引出電線部5a1,5b1,5c1と記載する。各電線5a,5b,5cの引出電線部5a1,5b1,5c1は同じ長さである。
【0136】
そして、各電線5a,5b,5cの引出電線部5a1,5b1,5c1が、対応する電極部材10A,10B又は導電部材12に電気的に接続される。すなわち、引出電線部5a1は、電極部材10Aのリード部80Aの接続孔84に通されて電気的に接続される。引出電線部5b1は、遮断スイッチ6の接続端子6cの接続孔に通されて電気的に接続される。また、遮断スイッチ6の接続端子6dと電極部材10Bのリード部80Bとが、電線5eで互いに電気的に接続される。よって、引出電線部5b1は、遮断スイッチ6及び電線5eを介して、リード部80Bに電気的に接続される。引出電線部5c1は、アース用の導電部材12のリード部91の接続孔93aに通されて電気的に接続される。
【0137】
そして、電極部材10Aに接続される引出電線部5a1は、仮固定部56bと遮断スイッチ6の角部との間に挟み込まれることで、カバー50の裏面50bに仮固定される。導電部材12に接続される引出電線部5c1は、仮固定部56cの外側を回るように配索されることで、カバー50の裏面50bに仮固定される。このように、各電線5a,5cがカバー50の裏面50bに仮固定されることで、カバー50をボディ40の開口部40aに取り付けるときに、電線5a,5cがカバー50とボディ40との間に挟み込まれることを防止できる。
【0138】
上記の仮固定の状態では、3つの引出電線部5a1,5b1,5c1のうち、アース用の電線5cの引出電線部5c1が、他の電線5a,5bの引出電線部5a1,5c1よりも弛みが少なくなっている。こうなるように、アース用の電線5cの引出電線部5c1は、仮固定部56でカバー50に仮固定されている。これにより、各電線5a,5b,5cに同じ張力が同時に作用したとき、その張力で、3本の電線5a,5b,5cのうちで、アース用の電線5cが最初に引っ張られるようにできる。これにより、上記の張力で、他の電線5a,5bが最初に切れることを抑制できる。また、各電線5a,5b,5cの引出電線部5a1,5b1,5c1の長さを同じにして、各電線5a,5b,5cの引出電線部5a1,5b1,5c1の仮固定部56による弛ませ方で、各電線5a,5b,5cの切れる順番を設定できる。
【0139】
このようにカバー50の裏面50bに各種部品8が配置される。そして、カバー50でボディ40の開口部40aが閉じられる。そして、各ねじN1が、ボディ40の外側からボディ40の各貫通孔62bを通ってカバー50の各ボス部54のねじ穴54bにねじ込まれる。これにより、カバー50がボディ40の開口部40aに固定されて、テーブルタップ1が組み立てられる(図1参照)。
【0140】
図1に示すように、この組立状態では、カバー50の外周部50aがボディ40の開口部40aの内側に嵌る。これにより、カバー50の外周部50aがボディ40で保護される。また、カバー50の外側壁部51がボディ40の縦リブ60の凹部60bに嵌る。これにより、カバー50における、ボディ40の開口部40aの開口面上での位置が位置決めされる。また、カバー50の裏面50bに配置された各コンセントブロック13の下面が、ボディ40の底壁41に設けられた複数の突起部63で押される。これにより、各コンセントブロック13の上下方向の位置が位置決めされる。これら突起部63と位置決め部55とで、筐体3内での各コンセントブロック13の位置が位置決めされる。
【0141】
また、図10に示すように、筐体3内で、第1挟持壁部61と第2挟持壁部53とで、電源ケーブル5が挟まれる。これにより、筐体3の外部で電源ケーブル5が引っ張られても、その際の張力を、第1挟持壁部61及び第2挟持壁部53で構成された挟持部17で止めることができる。この結果、筐体3の外部で電源ケーブル5が引っ張られても、電源ケーブル5内の電線5a,5b,5cが電気部品(10A,10B,12)から外れることを防止できる。
【0142】
なお、上記の組立手順は一例であり、各種部品がカバーに配置される順番は、適宜変更されてもよい。
【0143】
(まとめ)
第1の態様に係るテーブルタップ(1)は、筐体(3)と、受け部(70A,70B,90)と、リード部(80A,80B,91)と、電線(5a,5b,5c)と、を備えている。筐体(3)は、差込プラグ(200)の導体(202)が差し込まれる差込孔(21)を有する。受け部(70A,70B,90)は、筐体(3)に収容され、差込孔(21)に差し込まれた導体(202)と電気的に接続する。リード部(80A,80B,91)は、筐体(3)に収容され、受け部(70A,70B,90)に連結されている。電線(5a,5b,5c)は、リード部(80A,80B,91)に電気的に接続されている。筐体(3)は、カバー(50)と、ボディ(40)と、を有する。カバー(50)は、差込孔(21)を有する。ボディ(40)は、開口部(40a)及び内部空間(40f)を有する。開口部(40a)には、カバー(50)が取り付けられる。内部空間(40f)は、開口部(40a)と繋がっている。ボディ(40)は、内部空間(40f)に受け部(70A,70B,90)及びリード部(80A,80B,91)を収容する。ボディ(40)は、全周が閉じた電線用孔(4)を有する。電線(5a,5b,5c)は、電線用孔(4)を通じて配置されている。
【0144】
この構成によれば、ボディ(40)及びカバー(50)のうちのボディ(40)に、電線(5a,5b,5c)を筐体(3)の内部から外部に引き出すための電線用孔(4)が設けられている。電線用孔(4)の全周は閉じているため、ボディ(40)に電線用孔(4)が設けられても、電線用孔(4)によって、ボディ(40)の強度及び剛性が低下することを防止できる。
【0145】
第2の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1の態様において、筐体(3)は、挟持部(17)を有する。挟持部(17)は、内部空間(40f)において、電線用孔(4)を通った電線(5a,5b,5c)を挟む。
【0146】
この構成によれば、筐体(3)の外部で電線(5a,5b,5c)が引っ張られても、その際の張力を、挟持部(17)で止めてリード部(80A,80B,91)に伝達することを防止できる。この結果、筐体(3)の外部で電線(5a,5b,5c)が引っ張られても、電線(5a,5b,5c)がリード部(80A,80B,91)から外れることを防止できる。以下、この効果を張力止めとも記載する。
【0147】
第3の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1又は第2の態様において、挟持部(17)は、第1挟持壁部(61)と、第2挟持壁部(53)と、を有する。第1挟持壁部(61)は、ボディ(40)に設けられている。第2挟持壁部(53)は、カバー(50)に設けられている。カバー(50)が開口部(40a)に取り付けられた状態で、第1挟持壁部(61)及び第2挟持壁部(53)によって電線(5a,5b,5c)が挟まれている。
【0148】
この構成によれば、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付けることで、挟持部(17)で電線(5a,5b,5c)を挟むことができる。したがって、実質的に、電線(5a,5b,5c)を挟持部(17)で挟む作業を省略できる。この結果、テーブルタップ(1)の組立作業の効率を向上できる。
【0149】
第4の態様に係るテーブルタップ(1)では、第3の態様において、第1挟持壁部(61)は、複数の第1壁部(61a)を有する。複数の第1壁部(61a)は、互いの厚さ方向に間隔を空けて並んでいる。第2挟持壁部(53)は、複数の第2壁部(53a)を有する。複数の第2壁部(53a)は、互いの厚さ方向に間隔を空けて並んでいる。
【0150】
この構成によれば、第1挟持壁部(61)及び第2挟持壁部(53)と電線(5a,5b,5c)との間の摩擦抵抗を増やすことができ、この結果、張力止めの効果を向上できる。また、第1挟持壁部(61)及び第2挟持壁部(53)から電線(5a,5b,5c)に作用する圧力を分散でき、この結果、電線(5a,5b,5c)への負担を低減できる。
【0151】
第5の態様に係るテーブルタップ(1)では、第3又は第4の態様において、ボディ(40)は、第1挟持壁部(61)の両端部のうちの少なくとも一方に、第1挟持壁部(61)と一体的に形成された第1ボス部(62a)を有する。カバー(50)には、第2挟持壁部(53)の両端部のうちの少なくとも一方に、第2挟持壁部(53)と一体的に形成された第2ボス部(54a)を有する。
【0152】
この構成によれば、第1ボス部(62a)によって第1挟持壁部(61)の強度及び剛性を向上できる。また、第2ボス部(54a)によって第2挟持壁部(53)の強度及び剛性を向上できる。これらの結果、張力止めの効果を更に向上できる。
【0153】
第6の態様に係るテーブルタップ(1)では、第5の態様において、カバー(50)がボディ(40)の開口部(40a)に取り付けられた状態で、第1ボス部(62a)及び第2ボス部(54a)は、互いに締結される。
【0154】
この構成によれば、第1ボス部(62a)と第2ボス部(54a)とを互いに締結することで、カバー(50)をボディ(40)に固定できる。そして、カバー(50)をボディ(40)に固定するときの締結力を利用して、挟持部(17)で電線(5a,5b,5c)を挟むことができる。その際、第1ボス部(62a)は第1挟持壁部(61)の端部に設けられ、第2ボス部(54a)は第2挟持壁部(53)の端部に設けられている。このため、カバー(50)をボディ(40)に固定するときの締結力を、効果的に、挟持部(17)で電線(5a,5b,5c)を挟む挟持力として利用できる。
【0155】
第7の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1~第6の態様の何れか1つの態様において、カバー(50)がボディ(40)の開口部(40a)に取り付けられた状態で、カバー(50)の外周部(50a)は、開口部(40a)の内側に嵌まる。
【0156】
この構成によれば、カバー(50)の外周部(50a)をボディ(40)で保護でき、この結果、カバー(50)の外周部(50a)が、テーブルタップ(1)の周辺に在る周辺物と接触して破損することを防止できる。また、カバー(50)とボディ(40)のうちのカバー(50)側に各種部品が配置されても、カバー(50)がボディ(40)で保護されるため、カバー(50)側に配置された各種部品を保護できる。
【0157】
第8の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1~第7の態様の何れか1つの態様において、カバー(50)は、外側壁部(51)と、内側壁部(52)と、を有する。外側壁部(51)は、カバー(50)の裏面(50b)の周縁部に設けられている。内側壁部(52)は、カバー(50)の裏面(50b)において外側壁部(51)よりも内側に設けられている。
【0158】
この構成によれば、外側壁部(51)及び内側壁部(52)によって、カバー(50)の強度及び剛性を向上できる。
【0159】
第9の態様に係るテーブルタップ(1)では、第8の態様において、ボディ(40)には、第1挟持壁部(61)が設けられている。カバー(50)には、第2挟持壁部(53)が設けられている。カバー(50)がボディ(40)の開口部(40a)に取り付けられた状態で、第1挟持壁部(61)及び第2挟持壁部(53)によって電線(5a,5b,5c)が挟まれる。内側壁部(52)の両端部は、第2挟持壁部(53)の両端部に繋がっている。
【0160】
この構成によれば、第2挟持壁部(53)を内側壁部(52)の一部として利用できる。この結果、カバー(50)の強度及び剛性を更に向上できる。
【0161】
第10の態様に係るテーブルタップ(1)では、第8の態様において、ボディ(40)の内周面(46b)には、縦リブ(60)が設けられている。縦リブ(60)は、ボディ(40)の深さ方向に延びている。縦リブ(60)における開口部(40a)の側の端部には、凹部(60b)が設けられている。凹部(60b)には、カバー(50)がボディ(40)の開口部(40a)に取り付けられた状態で、カバー(50)の外側壁部(51)が嵌る。
【0162】
この構成によれば、カバー(50)がボディ(40)の開口部(40a)に取り付けられた状態で、カバー(50)の外側壁部(51)が、縦リブ(60)における開口部(40a)の側の端部の凹部(60b)に嵌る。このため、カバー(50)を開口部(40a)の内側に位置決めできる。より詳細には、外側壁部(51)が凹部(60b)の底部に接触することで、ボディ(40)の深さ方向に対するカバー(50)の位置を開口部(40a)の開口面に位置決めできる。また、外側壁部(51)の側面が凹部(60b)の内側面に接触することで、開口部(40a)の開口面でのカバー(50)の位置を所定位置に位置決めできる。
【0163】
第11の態様に係るテーブルタップ(1)では、第10の態様において、ボディ(40)の内周面(46b)の下部(G2)は、内周面(46b)の下端に向かってボディ(40)の内部側に傾斜している。縦リブ(60)の下部(60d)は、内周面(46b)の下部(G2)に沿ってボディ(40)の内部側に傾斜している。
【0164】
この構成によれば、縦リブ(60)の下部(60d)は、ボディ(40)の内周面(46b)の傾斜に沿って傾斜しているため、縦リブ(60)の幅が下部(60d)ほど細くなることを防止できる。この結果、縦リブ(60)の下部(60d)の強度及び剛性を確保できる。
【0165】
第12の態様に係るテーブルタップ(1)では、第8~第11の態様の何れか1つの態様において、カバー(50)に対する内側壁部(52)の高さは、カバー(50)に対する外側壁部(51)の高さよりも高い。
【0166】
この構成によれば、内側壁部(52)が外側壁部(51)よりも高いため、カバー(50)の強度及び剛性を向上できる。また、内側壁部(52)が外側壁部(51)よりも高い。このため、ボディ(40)の内周面(46b)が下部(G2)ほどボディ(40)の内部側に傾斜していても、内側壁部(52)及び外側壁部(51)の両方がボディ(40)の内周面(46b)に干渉することを防止できる。
【0167】
第13の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1~第12の態様の何れか1つの態様において、遮断部(6)を更に備える。遮断部(6)は、電線(5a,5b)に所定の電流値以上の電流が流れると、電線(5a,5b)を遮断する。
【0168】
この構成によれば、テーブルタップ(1)を過電流から保護できる。
【0169】
第14の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1~第13の態様の何れか1つの態様において、カバー(50)には、位置決め部(55)が設けられている。位置決め部(55)は、受け部(70A,70B,90)を保持するコンセントブロック(13)を位置決めする。
【0170】
この構成によれば、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付ける前に、カバー(50)に、コンセントブロック(13)を位置決めして配置できる。これにより、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付ける前に各種部品(8)をカバー(50)に取り付け、その後に、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付けることができる。遮断部(6)がカバー(50)に固定される場合は、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付ける前に各種部品(8)をカバー(50)に取り付けることで、コンセントブロック(13)の組立作業の作業性を向上できる。
【0171】
第15の態様に係るテーブルタップ(1)では、第1~第14の態様の何れか1つの態様において、カバー(50)には、仮固定部(56)が設けられている。仮固定部(56)は、電線(5a,5c)を仮固定する。
【0172】
この構成によれば、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付ける前に、電線(5a,5c)をカバー(50)に仮固定できる。この結果、カバー(50)をボディ(40)の開口部(40a)に取り付けるときに、電線(5a,5c)をカバー(50)とボディ(40)との間に挟み込むことを防止できる。
【0173】
第16の態様に係るテーブルタップ(1)では、第15の態様の何れか1つの態様において、リード部(80A,80B,91)は、複数のリード部である。電線(5a,5b,5c)は、複数のリード部(80A,80B,91)に一対一に対応し、対応するリード部(80A,80B,91)に電気的に接続された複数の電線である。複数の電線(5a,5b,5c)は、外装(5d)で束ねられている。複数の電線(5a,5b,5c)は、外装(5d)の端部から互いに同じ長さ引き出された引出電線部(5a1,5b1,5c1)を有する。仮固定部(56)は、複数の電線(5a,5b,5c)のうち、アース用の電線(5c)の引出電線部(5c1)が、他の電線(5a,5b)の引出電線部(5a1,5b1)よりも弛みが少なくなるように、アース用の電線(5c)の引出電線部(5c1)をカバー(50)に仮固定する。
【0174】
この構成によれば、複数の電線(5a,5b,5c)に同じ張力が同時に作用したとき、その張力で、複数の電線(5a,5b,5c)のうち、アース用の電線(5c)が最初に引っ張られるようにできる。これにより、上記の張力で、他の電線(5a,5b)が切れることを抑制できる。また、複数の電線(5a,5b,5c)の引出電線部(5a1,5b1,5c1)の長さを同じにして、引出電線部(5a1,5b1,5c1)の仮固定部(56)による弛ませ方で、複数の電線(5a,5b,5c)の切れる順番を設定できる。
【符号の説明】
【0175】
1 テーブルタップ
3 筐体
4 電線用孔
5a,5b,5c 電線
5a1,5b1,5c1 引出電線部
6 遮断部
13 コンセントブロック
17 挟持部
21 差込孔
40 ボディ
40a 開口部
46b 内周面
46f 内部空間
50 カバー
50a 外周部
51 外側壁部
52 内側壁部
53 第2挟持壁部
53a 第2壁部
54a 第2ボス部
55 位置決め部
56 仮固定部
60 縦リブ
60b 凹部
60f 下部
61 第1挟持壁部
61a 第1壁部
62a 第1ボス部
70A,70B,90 受け部
80A,80B,91 リード部
200 差込プラグ
202 導体
G2 下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数組の差込孔が設けられているカバーと、
電源ケーブルが通る電線用孔が設けられているボディと、を備え、
前記カバーの外周部は、前記ボディの開口部の内側に嵌まる、
テーブルタップ。
【請求項2】
複数組の差込孔が設けられているカバーと、
電源ケーブルが通る電線用孔が設けられているボディと、を備え、
前記カバーの外周壁部は、前記ボディの開口部の内周縁部に引っ掛かる、
テーブルタップ。
【請求項3】
複数組の差込孔が設けられているカバーと、
電源ケーブルが通る電線用孔が設けられているボディと、を備え、
前記カバーは、前記ボディの開口部の内側に位置決めでき、前記ボディに取り付けられる、
テーブルタップ。
【請求項4】
前記ボディは、第1ボス部を有し、
前記カバーは、第2ボス部を有し、
前記第1ボス部及び前記第2ボス部は、互いに締結される、
請求項1~3のいずれか一項に記載のテーブルタップ。
【請求項5】
前記ボディは、底壁と、前記底壁の長手方向における両端から立ち上がっている前側壁および後側壁を有し、
前記前側壁および前記後側壁は、半円筒状に湾曲している、
請求項1~4のいずれか一項に記載のテーブルタップ。
【請求項6】
前記前側壁および前記後側壁は、前記開口部側から前記底壁側に向かって前記ボディの内側に傾斜している、
請求項1~5のいずれか一項に記載のテーブルタップ
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示の一態様に係るテーブルタップは、カバーと、ボディと、を備える。前記カバーは、複数組の差込孔が設けられている。前記ボディは、電源ケーブルが通る電線用孔が設けられている。前記カバーの外周部は、前記ボディの開口部の内側に嵌まる。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正3
【補正方法】削除
【補正の内容】