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特開2022-187037セルロース材料およびそれを作製および使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187037
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】セルロース材料およびそれを作製および使用する方法
(51)【国際特許分類】
   D21H 11/18 20060101AFI20221208BHJP
   D21H 15/02 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
D21H11/18
D21H15/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022173625
(22)【出願日】2022-10-28
(62)【分割の表示】P 2018545293の分割
【原出願日】2017-02-24
(31)【優先権主張番号】62/299,084
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518301338
【氏名又は名称】エコイノ (エイチ.ケー.) リミテッド
【住所又は居所原語表記】Unit 319, 3/F Biotech Centre Phase 2, 11W Science Park, Shatin, Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】コーン-ヤン リー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ビスマルク
(72)【発明者】
【氏名】リ ロバート
(57)【要約】
【課題】 セルロース材料を提供すること
【解決手段】 パルプおよびフィブリル化セルロースを含み、前記パルプおよび前記フィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維から誘導される、材料、複合材および消費者製品が開示される。前記材料を製造または使用する加工方法も開示される。多くの態様のうちの一部では、本明細書において提供されるのは、パルプおよびフィブリル化セルロースを含み、パルプおよびフィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料である。一部の実施形態では、植物繊維は、バガス、亜麻、大麻、ヤシおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2016年2月24日に出願された米国仮出願番号第62/299,084号の利益を主張しており、この仮出願は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
参照による引用
本明細書中のすべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願それぞれが、参照により組み込まれているように具体的かつ個別に示される場合と同程度に、参照により組み込まれる。本明細書中の用語と、組み込まれた参考文献中の用語との間に矛盾がある場合、本明細書における用語が優先する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡単な要旨
多くの態様のうちの一部では、本明細書において提供されるのは、パルプおよびフィブリル化セルロースを含み、パルプおよびフィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料である。一部の実施形態では、植物繊維は、バガス、亜麻、大麻、ヤシおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、植物繊維はバガスを含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースはミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースはナノフィブリル化セルロース(NFC)を含む。一部の実施形態では、パルプは、フィブリル化セルロースと混合されている。一部の実施形態では、パルプにフィブリル化セルロースが含浸されている。一部の実施形態では、材料は、パルプを含む層を含み、層は、フィブリル化セルロースでコーティングされている。一部の実施形態では、材料は、パルプを含む層を含み、層は、フィブリル化セルロースでラミネートされている。一部の実施形態では、材料は、フィブリル化セルロースを含む第1の層と、パルプを含む第2の層と、フィブリル化セルロースを含む第3の層とを含み、第2の層は、第1の層と第3の層との間に位置する。一部の実施形態では、材料は、パルプを含む第1の層と、フィブリル化セルロースを含む第2の層と、パルプを含む第3の層とを含み、第2の層は、第1の層と第3の層との間に位置する。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースおよびパルプは、約1:100~約1:1、例えば、約1:10~約1:1の重量比で存在する。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースは、100nm未満の平均径を有する。一部の実施形態では、材料は、約15μmまたはそれ未満、例えば、約5μmまたはそれ未満の平均径を有する。一部の実施形態では、材料は、約0.9g/cmまたはそれよりも高い、例えば、約1.2g/cmまたはそれよりも高いエンベロープ密度を有する。一部の実施形態では、材料は、約48%またはそれ未満、例えば、約30%またはそれ未満の空隙率を有する。一部の実施形態では、材料は、約260秒またはそれよりも長い、例えば、38,000秒よりも長いガーレー時間(Gurley time)を有する。一部の実施形態では、材料は、約5×10-7Pa-1-2-1またはそれ未満、例えば、0.03×10-7Pa-1-2-1またはそれ未満の透気度を有する。一部の実施形態では、材料は、約10000cm-2-1またはそれ未満、例えば、約4000cm-2-1またはそれ未満の酸素透過速度(OTR)を有する。一部の実施形態では、材料は、約200cm/(m 24h.atm)またはそれ未満のOTRを有する。一部の実施形態では、材料は、約1000gm-2-1またはそれ未満、例えば、約260gm-2-1またはそれ未満の水蒸気透過速度(WVTR)を有する
。一部の実施形態では、材料は、約5%またはそれ未満、例えば、約2%またはそれ未満の吸水率を有する。一部の実施形態では、材料は、ヒマシ油を用いて測定して、2%未満の吸油率を有する。一部の実施形態では、材料は、油を吸収しない。一部の実施形態では、材料は、3GPaよりも高い、例えば、約5GPaまたはそれよりも高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、約35MPaまたはそれよりも高い、例えば、約65MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約2%またはそれよりも高い、例えば、約4%またはそれよりも高い破断歪み率を有する。一部の実施形態では、材料は、50Nmg-1よりも高い、例えば、約88Nmg-1またはそれよりも高い比引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約1800mJm-2またはそれよりも高い、例えば、約5000mJm-2またはそれよりも高い引張エネルギー吸収量を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い貯蔵弾性率を有する。
【0004】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、材料(例えば、支持材料、プリフォーム)および別のポリマー(例えば、生分解性ポリマー)を含む複合材である。一部の実施形態では、別のポリマーは、ポリ乳酸(ポリラクチド)、キチン、キトサン、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸カリウム、アルギン酸ストロンチウム、アルギン酸バリウムまたはアルギン酸アンモニウム)、アルギン酸プロピレングリコール、リグニン、熱可塑性デンプン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(8-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリリシン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アセチル化カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、コラーゲン、これらの誘導体、これらの任意の組合せ、またはこれらのコポリマーである。一部の実施形態では、別のポリマーは、繊維の形態である。一部の実施形態では、別のポリマーは、粉末の形態である。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、材料よりも1~100倍高い貯蔵弾性率を有する。
【0005】
一部の実施形態では、本明細書に開示の材料または複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して半透過性である。一部の実施形態では、本明細書に開示の材料または複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して不透過性である。
【0006】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、本明細書に開示の材料または複合材によって製造された消費者製品である。一部の実施形態では、消費者製品は、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または子供用製品である。一部の実施形態では、消費者製品は小さい物体である。一部の実施形態では、消費者製品は、シート、袋、容器、プレートまたはトレイである。一部の実施形態では、消費者製品は、食品配膳手段または食品パッケージである。一部の実施形態では、消費者製品は即席麺用カップである。一部の実施形態では、消費者製品は容器である。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルである。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、カプセル本体(CMB)およびカプセル蓋(CL)を含む。一部の実施形態では、CMBおよび/またはCLは網状である。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、約0.5~約6mmの厚さを有する。一部の実施形態では、コーヒーカプセル
は、約1~約3mmの厚さを有する。一部の実施形態では、消費者製品は、ベース層、ポリマー層および/またはコーティング層を含む。一部の実施形態では、ベース層は、パルプ繊維、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、毛状(hairly)繊維またはこれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、パルプ繊維は塩素を含まない。一部の実施形態では、ベース層は、撥水剤および/または撥油剤をさらに含む。一部の実施形態では、ポリマー層は、石油由来ではない天然ポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマー層はナノコンポジットである。一部の実施形態では、ポリマー層は、ナノクレイをさらに含む。一部の実施形態では、ナノクレイは剥離モンモリロナイトである。一部の実施形態では、ナノクレイは、ポリマーマトリックスに取り込まれている。一部の実施形態では、コーティング層は、NFC、毛状繊維、パルプ繊維またはこれらの任意の組合せを含む。
【0007】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、消費者製品の製造のための本明細書に開示の材料または複合材の使用である。一部の実施形態では、消費者製品は、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または乳幼児(baby)または子供(kid)用製品である。一部の実施形態では、消費者製品は小さい物体である。一部の実施形態では、消費者製品は、シート、袋、容器、プレートまたはトレイである。一部の実施形態では、消費者製品は、食品配膳手段である。一部の実施形態では、消費者製品は、食品パッケージである。一部の実施形態では、消費者製品は即席麺用カップである。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルである。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、カプセル本体(CMB)およびカプセル蓋(CL)を含む。一部の実施形態では、CMBおよび/またはCLは網状である。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、約0.5~約6mmの厚さを有する。一部の実施形態では、コーヒーカプセルは、約1~約3mmの厚さを有する。一部の実施形態では、消費者製品は、ベース層、ポリマー層および/またはコーティング層を含む。一部の実施形態では、ベース層は、パルプ繊維、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、毛状(hairly)繊維またはこれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、パルプ繊維は塩素を含まない。一部の実施形態では、ベース層は、撥水剤および/または撥油剤をさらに含む。一部の実施形態では、ポリマー層は、石油由来ではない天然ポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマー層はナノコンポジットである。一部の実施形態では、ポリマー層は、ナノクレイをさらに含む。一部の実施形態では、ナノクレイは剥離モンモリロナイトである。一部の実施形態では、ナノクレイは、ポリマーマトリックスに取り込まれている。一部の実施形態では、コーティング層は、NFC、毛状繊維、パルプ繊維またはこれらの任意の組合せを含む。
【0008】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、パルプをフィブリル化セルロースと混合するステップを含み、パルプおよびフィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料の製造方法である。一部の実施形態では、方法は、植物繊維をホモジナイザーに通過させることによってフィブリル化セルロースを製造するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ホモジナイザーは、約1~100MPaの圧力を発生させる。一部の実施形態では、通過の回数は約2~100である。一部の実施形態では、混合するステップは、水中で実施される。一部の実施形態では、方法は、共濾過をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、多層濾過をさらに含み、パルプまたはフィブリル化セルロースの層は、フィブリル化セルロースまたはパルプの層の上で濾過される。一部の実施形態では、方法は、材料を圧密(consolidate)するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、材料を乾燥するステップをさらに含む。一部の実施形態では、乾燥するステップは、材料を吸収材の間に配置するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、30~50℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、50~70℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、70~90℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。
【0009】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、本明細書に開示の材料に液体樹脂を含浸させるステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、液体樹脂は、大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATである。一部の実施形態では、方法は、含浸材料を硬化するステップをさらに含む。
【0010】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、植物セルロース、フィブリル化セルロースおよび別のポリマーを懸濁液中で混合するステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、別のポリマーは、ポリ乳酸、熱可塑性デンプン、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンである。一部の実施形態では、方法は、複合材を圧密するために熱を加えるステップを含む。一部の実施形態では、方法は、複合材を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、別のポリマーは、繊維の形態である。一部の実施形態では、別のポリマーは、粉末の形態である。
【0011】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、先行する請求項のいずれかに記載の材料、ラミネーションおよびポリマーフィルムを重層するステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、ラミネーションはポリシロキサンを含む。一部の実施形態では、ラミネーションは石油由来ワックスを含む。一部の実施形態では、ポリマーフィルムは、ポリ乳酸、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンを含む。一部の実施形態では、ポリマーフィルムは、スリットダイを備えたマイクロコンパウンダーによって生成される。一部の実施形態では、重層するステップは、複合材を圧密するステップを含む。一部の実施形態では、圧密するステップは、約50~200℃の温度で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約120℃の温度で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約1~5t重の圧力で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約1.5t重の圧力で実施される。
【0012】
本開示はまた、パルプ成形機を用いて物品を製造するステップを含む、消費者製品を製造するための方法も提供する。一部の実施形態では、方法は、減圧成形によって物品をカプセル化するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、減圧成形、赤外線加熱および/または超音波加熱によって物品の表面にポリマー層をコーティングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、赤外加熱または超音波加熱によってポリマー層を加熱することによって物品を互いに接着するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、NFC、毛状繊維、天然パルプ繊維またはこれらの任意の組合せの層で物品をディップコーティングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルであり、物品は、カプセル本体および/またはカプセル蓋である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1a~図1fは、微細化時間に応じたバガス繊維を示す走査電子顕微鏡(SEM)像である。
【0014】
図2図2は、微細化されたバガス繊維およびそのプリフォームの特性評価結果を示す表である。
【0015】
図3図3は、バガスのナノフィブリル化セルロース(NFC)を示す1組のSEM像である。左の画像:倍率10,000倍;右の画像:倍率20,000倍。
【0016】
図4図4a~図4eは、異なる構造を持つNFC強化紙プリフォームを製造するプロセスを示す概略図である。
【0017】
図5図5は、ベースラインのバガス、NFC、および異なる構造を持つNFC強化紙プリフォームの比較を示す表である。
【0018】
図6図6は、コーヒーカプセルの製造を示すフローチャートである。
【0019】
図7図7は、異なる材料でできたコーヒーカプセルの比較を示す1組の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
1つまたは複数の本発明の実施形態の詳細が、添付図面、特許請求の範囲、および本明細書の説明に記載されている。本明細書において開示および意図される本発明の実施形態の他の特徴、目的および利点は、明示的に除外されない限り、その他の任意の実施形態と組み合わせることができる。他に定義されていない限り、本明細書において用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解されるような同じ意味を有する。材料、方法および例は単なる例示であり、限定するものではない。
【0021】
特に記載のない限り、オープンな語、例えば「を含む(contain)」、「を含む(containing)」、「を含む(include)」、「を含む(including)」などは、を含む(comprising)を意味する。
【0022】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈により特に明確に定められていない限り、複数の指示対象を含むために本明細書において用いられる。したがって、そうではないことが示されていない限り、本出願に記載の数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0023】
用語「約」は、参照される数値の±15%以内の数値を指す。特に記載のない限り、本明細書の一部の実施形態は数値的範囲を意図する。数値的範囲が記載されているとき、特に記載のない限り、この範囲は、範囲の終点を含む。特に記載のない限り、数値的範囲は、明示的に記載されている場合と同様に、その範囲内のすべての値および部分範囲を含む。
【0024】
用語「毛状繊維」は、フィブリル化プロセスの後に、2つまたはそれよりも多い異なる繊維径を含む複数の植物繊維を指す。例えば、毛状繊維は、マイクロメートルサイズとナノメートルサイズの繊維など、異なるスケールの直径を持つ2種またはそれよりも多い繊維を含む。一部の実施形態では、毛状繊維は、マイクロメートルサイズのパルプ繊維の表面に付着した複数のナノサイズのセルロース繊維を含む。
【0025】
多くの態様の一部では、本開示は、環境に優しく、持続可能で、費用効果の高い機能性材料、その配合物、およびその製造方法を提供する。一部の実施形態では、材料は紙ベースである。一部の実施形態では、材料は、食品包装業界における使用に適している。一部の実施形態では、材料は複合材料である。一部の実施形態では、材料は、(i)バガス繊維由来のミクロもしくはナノフィブリル化セルロースおよび/または(ii)さまざまな米国FDA承認済み再生可能ポリマーと組み合わせた、サトウキビ産業の副生成物であるバガス繊維の複合材である。一部の実施形態では、材料は、気体および/または液体に対して半透過性である。一部の実施形態では、材料は、気体および/または液体に対して不透過性である。一部の実施形態では、製造方法は規模を拡大できる(例えば、製造規模)。一部の実施形態では、製造方法は、環境に優しいグリーンテクノロジーを使用する。一部の実施形態では、材料は、食品貯蔵、輸送、料理容器および食品配膳における使用に適している。一部の実施形態では、材料は、熱、油、油脂、水またはこれらの任意の組合せ
に対して耐性がある。一部の実施形態では、材料は、従来の繊維紙または繊維由来の紙と比べて、低い透過性を有する。一部の実施形態では、材料は、生分解性の、耐熱性、耐水性および耐油性の紙ベースのカップ麺用容器に使用される。一部の実施形態では、材料は、空気および水分に対して不透過性である。一部の実施形態では、材料は、空気および水分を通さないコーヒーカプセルに使用される。一部の実施形態では、材料は、電子レンジ対応の長期食品貯蔵用複合材食品容器に使用される。一部の実施形態では、材料は、その内容物(例えば、食品)の品質および安全を維持する。一部の実施形態では、材料は、即席麺用カップ、食品トレイおよびコーヒーカプセルにおける使用に適している。再生可能性に加えて、紙の原料(例えば、セルロース)は、バイオ起源であるため、上昇し続ける大気中の二酸化炭素レベルにとって、天然のカーボンシンクとしての役目も果たす。
【0026】
一部の態様では、本明細書に開示されているのは、紙ベースの材料(例えば、プリフォーム、複合材)の配合物、およびその製造方法である。一部の実施形態では、材料は、半透過性または不透過性である。一部の実施形態では、材料は、必要な耐熱性、耐油性および/または耐水性を持つ。一部の実施形態では、紙ベースの材料は、熱特性、機械特性および粘弾性特性に特徴がある。一部の実施形態では、セルロース繊維(例えば、ミクロフィブリル、ナノフィブリル)は、植物パルプ(例えば、バガス、サトウキビ、亜麻、木材または綿)から抽出することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示の材料および方法は、食品容器または包装用途(例えば、即席麺用カップおよびコーヒーカプセル)の製造に有用である。一部の実施形態では、材料および製造プロセスは、大量のこれらの食品容器/パッケージを製造するためにスケールアップすることができる。
【0027】
一部の態様では、本明細書に開示の材料の製造方法は、ミクロまたはナノフィブリル化繊維(例えば、バガス繊維)を製造するステップを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供されるのは、熱、気体および/または液体に対して半透過性または不透過性の複合材料を製造するための方法である。一部の実施形態では、ミクロまたはナノフィブリル化繊維は、繊維を粉砕機および/またはホモジナイザーに通過させることによって調製される。一部の実施形態では、ミクロまたはナノフィブリル化繊維は、従来の繊維ベースの紙構造内に存在する空隙を塞ぎ、これによって「階層的」繊維プリフォームとして公知である。
【0028】
一部の態様では、本明細書において同様に提供されるのは、製品の用途に応じて、上述の製造された「階層的」プリフォームを熱可塑性または熱硬化性樹脂と組み合わせることによって複合材(例えば、不透過性の紙ベースの材料)を製造するための方法である。このような複合構造を形成するために、3つの手法をとることができる:(i)プリフォームを熱可塑性フィルムとラミネートし、それによってサンドイッチ構造を作り出す、(ii)プリフォームに低粘度熱硬化性樹脂を含浸させる、(iii)初期繊維懸濁液の湿式粉末含浸と、その後の熱圧密および乾燥。一部の実施形態では、ゆりかごから墓場までのライフサイクルアセスメントが、これらの製品のグリーン認定を定量化するために実施される。
【0029】
一部の態様では、本明細書に開示されているのは、製造プロセスおよび製品の経済的実現可能性およびグリーン認定(green credential)(ライフサイクルアセスメントLCA)を評価するための情報である。製造されたMFC/NFC強化繊維強化複合材食品包装材料のグリーン認定を確認するために、製造された複合材食品容器の包括的な初期段階のライフサイクルアセスメントを実施して、材料(例えば、複合材容器)に関連する潜在的な環境影響を評価することができる。LCAは、目的、システム境界およびモデルの入力パラメータを明確にするために、注意深い範囲と目標の定義を必要とする。ライフサイクル影響評価は、これらのデータを、選択された環境影響カテゴリーの値に変換することができる。
【0030】
セルロース繊維
【0031】
セルロースは、β(1-4)グリコシド結合によって結合された2つのD-アンヒドログルコース環を含む繰り返し単位からなる直鎖状巨大分子である。セルロースは、地球上で最も豊富な有機ホモポリマーである。セルロース繊維には、医薬品および化粧品業界、製紙業界、最近では、いわゆる「グリーン」(ナノ)複合材の製造のための複合材において多くの産業用途がある。バイオベースの包装に関して、セルロースはまた、紙の形態でフレキシブルな食品包装に使用されてきた。紙は、強くて剛性があり、印刷可能で、容易に製造できて、持続可能で費用効果が高いため、フレキシブル包装において使用されることが多い。紙ベースのフレキシブルな食品包装の顕著な例は、乾燥スープ用パウチである。しかし、独立した基材としての紙は、低バリア性を有する。その代わり、紙は、多くの場合、高バリア性を持つ材料を組み合わせるラミネートされた包装の一部として使用される。小麦粉袋/砂糖袋は、例えば、ポリエチレンラミネート紙からなる。さらに、あらゆる食品は、その安定性、食感および風味に関して最適な水分含量を有する。水分含量を適切なレベルに保持するために、紙は、多くの場合、ポリマー、ワックスおよびアルミニウム箔でラミネートして、水蒸気の損失または空気などの酸化剤の侵入を防がなくてはならない。しかし、長期食品貯蔵用の構造的な(乾燥した)食品容器としての紙ベースの製品の使用は、このラミネートされた構造(例えば、紙)の主要な構造部品が必要な強度/剛性を持たないため、まだ実現されていない。
【0032】
一部の実施形態では、繊維は、動物由来または植物由来である。一部の実施形態では、繊維は、アバカ、竹、バナナ、コイア、ヤシ殻、綿、亜麻、ヘネケン、大麻、ホップ、黄麻、ヤシ、ラミーまたはサイザルのうちの1つまたは複数などの植物から抽出される。天然繊維は、それらの世界的な利用可能性、高い比強度および比弾性率、低密度、生分解性および再生可能性を含むいくつかの利点を有する。一部の実施形態では、植物繊維などの天然繊維は、例えば、複合材料における補強ポリマーに使用される。一部の実施形態では、天然繊維にさらに疎水性を与える(それによって、親水性の天然繊維と疎水性のポリマーマトリックスとの間の親和性を改善する)方法には、シリル化(Mehta G, Drzal L T, Mohanty A K, Misra M. J Appl Polym Sci. 2006年;99巻(3号):1055~1068頁;Ganan
P, Garbizu S, Llano-Ponte R, Mondragon I. Polym Compos.2005年;26巻(2号):121~127頁;Pothan L A, Thomas S, Groeninckx G. Compos Pt A-Appl Sci Manuf.2006年;37巻(9号):1260~1269頁;およびValadez-Gonzalez A, Cervantes-Uc J M, Olayo R, Herrera-Franco PJ. Compos Pt B-Eng.1999年;30巻(3号):321~331頁)、アセチル化(Tserki V、Zafeiropoulos N E、Simon F、Panayiotou C、Compos Pt A-Appl Sci Manuf.、2005年;36巻(8号):1110~1118頁)、ベンゾイル化(Nair KCM、Thomas S、Groeninckx G、Compos Sci Technol、2001年;61巻(16号):2519~2529頁)、マレエート化カップリング剤(Mishra S、Naik J B、Patil Y P、Compos Sci
Technol、2000年;60巻(9号):1729~1735頁)、イソシアネート処理(George J、Janardhan R、Anand J S、Bhagawan S S、Thomas S、Polymer、1996年;37巻(24号):5421~5431頁)および天然繊維のポリマーグラフト化(Kaith B S、Kalia S、Express Polym Lett、2008年;2巻(2号):93~100頁)が含まれていた。
【0033】
一部の実施形態では、マイクロメートルスケールおよびナノメートルスケールのセルロース繊維(それぞれミクロフィブリル化セルロース(MFC)およびナノフィブリル化セルロース(NFC)と呼ばれる)は、パルプ溶液を高圧ホモジナイザーまたは粉砕機のいずれかに通過させることによって、マイクロメートルサイズのセルロース繊維のフィブリル化により製造することができる。これらのMFCおよびNFCは、その紙の形態で優れた機械特性を有し、測定される引張弾性率および引張強さは、それぞれ最大15GPaおよび232MPa(通常の紙の5倍の引張強さ)で、高いガスバリア性を持つ。これは、普通ならアクセスできないセルロース繊維内のヒドロキシル基を遊離させるフィブリル化プロセスの結果であり得る。その結果、ヒドロキシル基は、水素結合の形成によって同様の繊維とより強く結合することができる。一部の実施形態では、NFCは、パルプ繊維と結合して、ナノセルロース強化されたパルプ繊維強化全セルロース(ナノ)複合材を製造することができる。一部の実施形態では、繊維(例えば、バガス繊維)の充填効率は、形成されたシートの気体透過性に影響を与え得る。繊維間の充填効率を高めるために、プリフォーム製造プロセスの間にパルプ繊維を結合するためだけではなく、パルプ繊維網内に存在する隙間を充填して、得られる紙ベースの製品のガスバリア性を改善するためにもNFCが使用され得ることが想定できる。一部の実施形態では、これらのより短く、より小さいセルロース系繊維は、繊維表面に天然に存在する空隙ならびに繊維間の隙間を塞ぐことができて、かつ/または形成される繊維シートの気体/液体透過性を低下させることができる。さらに大きなセルロース系繊維の多孔質性も、空気が天然の断熱材であるので、得られる最終製品の断熱を助けることができる。不透過性の紙ベースの材料をさらに製造するために、存在する階層的紙ベースの構造は、従来の樹脂トランスファー成形を使用してFDA承認済みポリマー樹脂が含浸される。ポリマーは、気体および液体に対して不透過性の全体構造を与えるはずである。
【0034】
一部の実施形態では、本明細書に開示のナノセルロースは、単離されたナノセルロースであり、例えば、ナノセルロースがバクテリアセルロースである場合、支持材料は、セルロース産生微生物がない状態でバクテリアセルロースの水性分散液と接触する。一部の実施形態では、ナノセルロースは、水性ナノセルロース分散液の生成前に抽出、単離および/または精製される。一部の実施形態では、ナノセルロースは、100nmより小さい少なくとも1つの寸法(例えば、高さ、長さまたは奥行き)を持つ結晶セルロースである。ナノセルロースの供給源は限定されない。一部の実施形態では、ナノセルロースは、木材パルプまたは綿などの植物から抽出され、または被嚢類などの動物から抽出することができる。あるいは、セルロースは、バクテリアによって産生することができる。ナノセルロースは、ナノフィブリル化セルロース、セルロースナノウィスカーまたはバクテリアセルロースとして提供することができる。一部の実施形態では、本明細書のナノセルロースは、支持材料とのその接触の前に精製することができる。ナノセルロースがバクテリアセルロースである場合、バクテリアセルロースは、すべての微生物を除去する塩基性条件を使用する処理によって精製することができる。あるいは、セルロースは、遠心分離によって精製することができる。一部の実施形態では、本明細書のナノセルロースは、その供給源(例えばナタデココなどの食料品)から抽出することができ、またはセルロース産生微生物の細菌培養物から単離することができる。このようなセルロース産生微生物の例には、Acetobacter属、Rhizobium属、Alcaligenes属、Agrobacterium属、Sarcina属および/またはPseudomonas属に属する微生物が含まれる。微生物は、Acetobacter xylinum BPR2001など、撹拌条件の培養物に適合させた菌株にすることができる。ツニシンと呼ばれるセルロースウィスカーは、海洋動物である被嚢類から抽出することもできる。一部の実施形態では、バクテリアセルロースまたはナノセルロースは、特定の細菌株によって産生することができ、最も効率的な産生株はAcetobacter xylinumである。
【0035】
一部の態様では、本明細書に開示されているのは、ミクロおよび/またはナノフィブリル化(または任意のセルロース系)繊維(例えば、バガス繊維)を製造する方法である。一部の実施形態では、繊維(例えば、バガス繊維)は、例えば、コロイドミルによって微細化される。一部の実施形態では、微細化された繊維プリフォームを製造するために、繊維由来の市販の溶解パルプが出発材料として使用される。一部の実施形態では、溶解パルプは、例えば、炭水化物分析において示される約90~99重量%(例えば、97.7重量%)のセルロースおよび約1~10重量%(例えば、2.3重量%)のヘミセルロースからなる。一部の実施形態では、繊維由来溶解パルプは、再循環コロイドミル(例えば、JM-60、Bean Product Machinery、Tiangang Machine Manufacture Co.Ltd.、WHERE、China)を使用して微細化される。一部の実施形態では、コロイドミルは、最大出力(例えば、1.5kW)で運転する。一部の実施形態では、ミル粉砕の前に、繊維由来溶解パルプが水に一晩浸漬され、(例えば、7gL-1の濃度で)ブレンドされて、均質な繊維懸濁液が生成される。一部の実施形態では、繊維懸濁液は、微細化のために、約6分、約12分、約18分、約30分、約45分、約60分、約90分、約120分、約150分、約180分、約240分、約300分または約360分でコロイドミルに供給される。
【0036】
一部の実施形態では、繊維プリフォームは、製紙プロセスを使用して製造され、それによって、(例えば、7gL-1の濃度の)あらかじめ(微細化された)繊維懸濁液が濾紙(例えば、直径18cm)上で減圧濾過され、過剰な水が除去される。一部の実施形態では、湿潤濾過ケークを圧密および乾燥するために、湿潤濾過ケークが、ある荷重および温度(例えば、それぞれ1.5tおよび120℃)で1~5時間(例えば、2時間)熱プレスされ、硬い繊維プリフォームが製造される。一部の実施形態では、繊維プリフォームは、約400~800gm-2(例えば、600gm-2)の坪量および約1~5mm(例えば、2mm)の厚さを有する。
【0037】
一部の実施形態では、本明細書のナノセルロースは、約0.1~100nm、約0.5~50nm、約1~20nmもしくは約1~10nm、例えば、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100nmの平均径を有する。一部の実施形態では、セルロースは、約0.5~50nm、約1~20nmもしくは約1~10nm、例えば、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10nmの平均厚さを有するナノ繊維として提供される。一部の実施形態では、セルロース繊維は、約:0.5~100nm、1~50nmもしくは5~20nmの平均幅を有する。一部の実施形態では、セルロース繊維は、約:0.5~1000マイクロメートル、1~500マイクロメートル、1~100マイクロメートル、1~50マイクロメートル、1~20マイクロメートル、1~10マイクロメートル、1~5マイクロメートル、0.1~10マイクロメートルもしくは0.1~5マイクロメートルの平均長を有する。一部の実施形態では、セルロースは、リボン形のナノフィブリルなどのナノファイバーとして製造される。
【0038】
一部の実施形態では、本明細書のナノセルロースは、水性分散液、懸濁液またはスラリーの形態で提供される。一部の実施形態では、ナノセルロースの大部分は水溶液に溶解しない。分散液は、ナノセルロースを水溶液(例えば水)と混合することによって調製することができる。ナノセルロースは、かき混ぜることによって(例えば、撹拌、超音波処理、コロイドミル粉砕、摩砕または均質化によって)水と混合することができる。一部の実施形態では、本明細書の支持体は、ナノセルロースの水性分散液と接触し、例えば、支持体は、(例えば、スラリーディッピングによって)ナノセルロースの水性分散液に浸漬またはディッピングされる。支持体は、ナノセルロースの水性分散液と室温で、1~2時間から7日まで(例えば、2~5日、または3日などの1~7日)の期間接触させる。支持
体のコーティングを可能にするのに必要な時間は、支持体の親水性および/または吸水率に依存する。一部の実施形態では、最低限必要な時間は、水に浸漬されたときに支持体の最大水分飽和度を得るのに必要な時間である。
【0039】
一部の実施形態では、本明細書の支持体は、ポリマーとして提供される。一部の実施形態では、支持体は、ペレット、粉末、緩い繊維、織繊維もしくは不織繊維マット、紐またはトウとして提供することができる。一部の実施形態では、ポリマーは、例えば、複合材料の製造のための補強成分またはマトリックス成分である。例えば、支持体は、親水性の支持体である。一部の実施形態では、支持体は、繊維として以外にも、繊維、ペレットまたは粉末の形態で提供される。ポリマーは、合成ポリマーまたは天然由来のポリマーもしくは天然に存在するポリマーにすることができる。特に、ポリマーは、天然に存在する繊維または合成ポリマーベースの繊維であってもよい。一部の実施形態では、ポリマーは親水性ポリマーである(例えば、ポリマーは水素結合部位を与える)。一部の実施形態では、ポリマーは、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、バクテリアポリエステルなどの合成バイオ由来ポリマー、または酢酸酪酸セルロース(CAB)、酪酸セルロースなどの合成、半合成もしくは修飾セルロースポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmetharylate)(PMMA)、アクリル化エポキシ化大豆油(AESO)、エポキシ化亜麻仁油、リヨセルあるいはレーヨンにすることができる。一部の実施形態では、ポリマーは、小麦グルテン、トウモロコシのゼイン、羊毛、セルロースまたはデンプンなどの天然に存在するポリマーにすることができる。繊維は、植物または動物から誘導または得ることができる。特に、繊維は、アバカ、竹、バナナ、コイア、ヤシ殻、綿、亜麻、ヘネケン、大麻、ホップ、黄麻、ヤシ、ラミーまたはサイザルのうちの1つまたは複数などの植物から抽出される。
【0040】
材料
【0041】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、パルプおよびフィブリル化セルロースを含む材料であり、パルプおよび/またはフィブリル化セルロースは、植物繊維から誘導される。一部の実施形態では、植物繊維は、バガス、亜麻、大麻、ヤシおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、植物繊維はバガスを含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースはミクロフィブリル化セルロースを含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースはナノフィブリル化セルロースを含む。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースおよびパルプは、(1:100~1:1)、(1:90~1:50)、(1:80~1:60)、(1:70~1:50)、(1:60~1:40)、(1:50~1:30)、(1:50~1:5)、(1:40~1:5)、(1:30~1:1)、(1:20~1:1)もしくは(1:10~1:1)、例えば、約1対(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)の重量比で存在する。一部の実施形態では、パルプおよびフィブリル化セルロースは、約1対(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20)の重量比で存在する。一部の実施形態では、フィブリル化セルロースは、約100nm未満、例えば、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、
28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100nm未満の平均径を有する。一部の実施形態では、材料は、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10μm、あるいは約15μmまたはそれ未満、例えば、約5μmまたはそれ未満の平均径を有する。一部の実施形態では、材料は、約:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.55.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9もしくは10g/cm以上のエンベロープ密度を有する。一部の実施形態では、材料は、約0.9g/cmまたはそれよりも高い、例えば、約1.2g/cmまたはそれよりも高いエンベロープ密度を有する。一部の実施形態では、材料は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100パーセント(%)以下の空隙率を有する。一部の実施形態では、材料は、約:1~50%、1~40%、1~30%、1~25%、1~20%、1~15%、1~10%、1~5%、1~2.5%もしくは約48%またはそれ未満、例えば、約30%またはそれ未満の空隙率を有する。一部の実施形態では、材料は、約:100、200、300、400、500、750、1000、1250、1500、2000、2500、3000、5000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000もしくは50000秒のガーレー時間を有する。一部の実施形態では、材料は、約260秒またはそれよりも長い、例えば、38,000秒より長いガーレー時間を有する。一部の実施形態では、材料は、約:(0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10)x10-7Pa-1-2-1以下の透気度を有する。一部の実施形態では、材料は、約5x10-7Pa-1-2-1またはそれ未満、例えば、0.03x10-7Pa-1-2-1未満またはそれ未満の透気度を有する。一部の実施形態では、材料は、約:20000、15000、10000、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、4
00、300、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20もしくは10cm-2-1(またはcm/(m24h・atm)もしくはcm/(m24h・Mpa))以下の酸素透過速度(OTR)を有する。一部の実施形態では、材料は、約10000cm-2-1またはそれ未満、例えば、約4000cm-2-1またはそれ未満のOTRを有する。一部の実施形態では、材料は、約:10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、320、340、360、380、400、450、500、600、700、800、900もしくは1000gm-2-1(またはg/(m24h))以下の水蒸気透過速度(WVTR)を有する。一部の実施形態では、材料は、約260gm-2-1またはそれ未満、例えば、約215gm-2-1またはそれ未満のWVTRを有する。一部の実施形態では、材料は、約:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.55.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9もしくは10パーセント(%)以下の吸水率を有する。一部の実施形態では、材料は、約5%またはそれ未満、例えば、約2%またはそれ未満の吸水率を有する。一部の実施形態では、材料は、例えば、ヒマシ油を用いて測定して、約:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.55.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9もしくは10パーセント(%)未満の吸油率を有する。一部の実施形態では、材料は、例えば、ヒマシ油を用いて測定して、2%未満の吸油率を有する。一部の実施形態では、材料は、油を吸収しない。一部の実施形態では、材料は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100GPa以上の引張弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、4GPaよりも高い、例えば、約8GPaまたはそれよりも高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、3

2、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、320、340、360、380、400、450もしくは500MPa以上の引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約42MPaまたはそれよりも高い、例えば、約100MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20)パーセントまたはそれよりも高い破断歪み率を有する。一部の実施形態では、材料は、約4%またはそれよりも高い、例えば、約6%またはそれよりも高い破断歪み率を有する。一部の実施形態では、材料は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、320、340、360、380、400、450もしくは500Nmg-1よりも高い比引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、50Nmg-1よりも高い、例えば、約88Nmg-1またはそれよりも高い比引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、約(100、200、300、400、500、750、1000、1250、1500、2000、2500、3000、4000、5000、600、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000もしくは50000)mJm-2またはそれよりも高い引張エネルギー吸収量を有する。一部の実施形態では、材料は、約1800mJm-2またはそれよりも高い、例えば、約5000mJm-2またはそれよりも高い引張エネルギー吸収量を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い引張強さを有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い貯蔵弾性率を有する。一部の実施形態では、材料は、植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い貯蔵弾性率を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示の材料は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して半透過性である。一部の実施形態では、本明細書に開示の材料は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して不透過性である。
【0042】
一部の態様では、本明細書に開示されているのは、ナノセルロースでコーティングされた支持材料表面である。一部の実施形態では、コーティングのナノセルロースは、支持体表面に対して垂直に配向している。一部の実施形態では、ナノセルロースは、高密度ナノセルロースコーティングとして提供される。一部の実施形態では、支持材料は、ナノセルロースによって一緒に結合される。一部の実施形態では、ナノセルロースは、高密度ナノセルロースコーティングとして提供される。一部の実施形態では、ナノセルロースは、毛状繊維コーティングとして提供される。一部の実施形態では、ナノセルロースが支持材料の表面に対して垂直に配向している、支持材料の表面の高密度ナノセルロースコーティン
グ層またはナノセルロースコーティング毛状繊維のいずれかの製造は、非修飾支持材料と比較したとき、支持材料の表面積の増加につながる。一部の実施形態では、表面コーティング支持材料は、一部または実質的にすべての表面がナノセルロースでコーティングされた支持材料である。これは、高密度の毛状支持体でコーティングされた支持材料を包含する。この用語はまた、ナノセルロースが支持材料をコーティングし、また、支持材料を一緒に結合するバインダーとして働く支持材料を包含するものとする。一部の実施形態では、表面コーティング支持材料は、ナノセルロースによって一緒に結合された支持材料を含む本体を包含する。一部の実施形態では、支持材料の表面モフォロジー(例えば、毛状繊維内または高密度層内でコーティングされているかどうか)は、支持材料の表面を視覚的に検査することによって、例えば、走査型電子顕微鏡法(SEM)によって確認される。
【0043】
一部の実施形態では、ナノセルロースの高密度層は、ナノセルロースでコーティングされた支持材料であり、ナノセルロース繊維は、支持材料の表面に沿って十分に配向して、実質的に連続した層を形成している。一部の実施形態では、高密度層は、互いの上に積層または重層されたナノセルロース繊維から構成することができて、支持体に最も近い繊維は、繊維の長軸の少なくとも一部が支持体と接触している。一部の実施形態では、支持体の上の高密度層の厚さを増すために、ナノセルロース繊維が、繊維と接触している支持体の上に積層または重層される。一部の実施形態では、ナノセルロース繊維は、支持材料と接触していない。一部の実施形態では、本明細書に開示の支持材料はナノセルロースでコーティングされ、コーティングの一部は、支持体表面と接触しており、支持体表面と接触したコーティングの部分の繊維は、その長軸の少なくとも一部または部分が支持体表面と接触している。一部の実施形態では、高密度層内の繊維と接触している支持体は、繊維の長軸の少なくとも一部が支持体の表面と接触するように配向している。繊維は、表面と完全に揃う(例えば、接触する)ことができる。この場合、実質的に繊維の長軸は、支持体の表面と接触している。あるいは、繊維は、支持体と接触することができるが、完全に揃うことはできない。この場合、繊維の長軸の一部が表面と接触している。繊維は、支持体と接触しており、連続層が形成されるように互いに接触している。高密度層は、伸びた形態の繊維の提供、および/または繊維が折り畳まれた場合を包含する。
【0044】
一部の実施形態では、毛状繊維または毛状支持体は、ナノセルロースの少なくとも一部が支持材料の表面に対して垂直に配向している、ナノセルロースでコーティングされた支持材料である。コーティングのナノセルロースが「垂直に配向」している場合、本開示の文脈において、一部または実質的にすべてのナノセルロースは、支持材料の表面と揃っておらず、そこからある角度で延びる(これは、支持材料の表面に対して90度の角度で延びるナノセルロースを包含するだけでなく、表面と完全に揃っておらず、そこから任意の角度で延びるナノセルロースも包含する)。
【0045】
一部の態様では、本開示は、本明細書に開示のプロセスによって得ることができる表面コーティング支持材料を提供する。一部の実施形態では、支持体は、ナノセルロースと接触させる前に、大気圧もしくは低圧プラズマ処理またはコロナ処理、溶剤洗浄または抽出、漂白、煮沸、あるいは、例えば水酸化ナトリウム溶液などの塩基性溶液中の洗浄などの物理的または化学的処理によって改質することができる。特に、支持体は、ナノセルロースの水性懸濁液またはスラリーに支持体を曝す前に、有機溶剤(例えば、アセトン、酢酸エチルなど、または、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール)などの溶剤で洗浄することができる。
【0046】
複合材
【0047】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、材料(例えば、支持材料、プリフォーム)および別のポリマー(例えば、生分解性ポリマー)を含む複合材である。一部の
実施形態では、別のポリマーは、ポリ乳酸(ポリラクチド)、キチン、キトサン、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸カリウム、アルギン酸ストロンチウム、アルギン酸バリウムまたはアルギン酸アンモニウム)、アルギン酸プロピレングリコール、リグニン、熱可塑性デンプン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(8-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリリシン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アセチル化カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、コラーゲン、これらの誘導体、これらの任意の組合せ、またはこれらのコポリマーである。一部の実施形態では、別のポリマーは、繊維の形態である。一部の実施形態では、別のポリマーは、粉末の形態である。ポリマーは、合成ポリマーまたは天然由来のポリマーもしくは天然に存在するポリマーにすることができる。特に、ポリマーは、天然に存在する繊維または合成ポリマーベースの繊維であってもよい。一部の実施形態では、ポリマーは親水性ポリマーである(例えば、ポリマーは水素結合部位を与える)。一部の実施形態では、ポリマーは、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、バクテリアポリエステルなどの合成バイオ由来ポリマー、または酢酸酪酸セルロース(CAB)、酪酸セルロースなどの合成、半合成もしくは修飾セルロースポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmetharylate)(PMMA)、アクリル化エポキシ化大豆油(AESO)、エポキシ化亜麻仁油、リヨセルあるいはレーヨンにすることができる。一部の実施形態では、ポリマーは、小麦グルテン、トウモロコシのゼイン、羊毛、セルロースまたはデンプンなどの天然に存在するポリマーにすることができる。繊維は、植物または動物から誘導または得ることができる。特に、繊維は、アバカ、竹、バナナ、コイア、ヤシ殻、綿、亜麻、ヘネケン、大麻、ホップ、黄麻、ヤシ、ラミーまたはサイザルのうちの1つまたは複数などの植物から抽出される。
【0048】
一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
1、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い曲げ弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い曲げ強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも1~100倍高い、例えば、約:1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~25、1~20もしくは1~10倍高い貯蔵弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、前記材料または植物繊維よりも約(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100)倍高い貯蔵弾性率を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示される複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して半透過性である。一部の実施形態では、本明細書に開示される複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して不透過性である。
【0049】
一部の実施形態では、複合材は、約:20000、15000、10000、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、190、180、170、160、150、145、140、135、130、125、120、115、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5もしくは1cm-2-1(またはcm/(m24h・atm)もしくはcm/(m24h・Mpa))以下の酸素透過速度(OTR)を有する。一部の実施形態では、複合材は、約500cm-2-1またはそれ未満、例えば、約200cm-2-1またはそれ未満のOTRを有する。一部の実施形態では、複合材は、約:10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、320、340、360、380、400、450、500、600、700、800、900もしくは1000gm-2-1(またはg/(m24h))以下の水蒸気透過速度(WVTR)を有する。一部の実施形態では、複合材は、約200gm-2-1またはそれ未満、例えば、約100gm
-1またはそれ未満のWVTRを有する。一部の実施形態では、複合材は、約:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.55.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9もしくは10パーセント(%)以下の吸水率を有する。一部の実施形態では、複合材は、約5%またはそれ未満、例えば、約2%またはそれ未満の吸水率を有する。一部の実施形態では、複合材は、例えば、ヒマシ油を用いて測定して、約:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.55.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9もしくは10パーセント(%)未満の吸油率を有する。一部の実施形態では、複合材は、例えば、ヒマシ油を用いて測定して、2%未満の吸油率を有する。一部の実施形態では、複合材は、油を吸収しない。一部の実施形態では、複合材は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100GPa以上の引張弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、4GPaよりも高い、例えば、約6GPaまたはそれよりも高い引張弾性率を有する。一部の実施形態では、複合材は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、320、340、360、380、400、450もしくは500MPa以上の引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、約50MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、約(1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20)パーセントまたはそれよりも高い破断歪み率を有す
る。一部の実施形態では、複合材は、約1%またはそれよりも高い、例えば、約1.5%またはそれよりも高い破断歪み率を有する。一部の実施形態では、複合材は、約:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、320、340、360、380、400、450もしくは500Nmg-1よりも高い比引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、50Nmg-1よりも高い、例えば、約88Nmg-1またはそれよりも高い比引張強さを有する。一部の実施形態では、複合材は、約(100、200、300、400、500、750、1000、1250、1500、2000、2500、3000、4000、5000、600、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000もしくは50000)mJm-2またはそれよりも高い引張エネルギー吸収量を有する。一部の実施形態では、複合材は、約1800mJm-2またはそれよりも高い、例えば、約5000mJm-2またはそれよりも高い引張エネルギー吸収量を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示の複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して半透過性である。一部の実施形態では、本明細書に開示の複合材は、気体(例えば、加熱空気)および液体(例えば、水、油)に対して不透過性である。
【0050】
複合材は、2つまたはそれよりも多い異なる成分でできた構造製品である。一部の実施形態では、成分のそれぞれは物理的に異なったままであるが、複合材料は、各成分の特性の相乗的な組合せを示し、極めて有利かつ有用な特性を持つ材料が得られる。一部の実施形態では、複合材は、マトリックス成分および補強成分から構成される。補強材は、材料の特別な機械的および/または物理的特性を実現し、材料の繊維または断片として提供される。マトリックスは、繊維または断片を取り囲んで一緒に結合して、耐久性があり、熱に対して安定であり、腐食に対して安定であり、柔軟で、強く、剛性があり、軽い材料を与える。ガラス繊維または炭素繊維などの合成フィラーを用いて製造された複合材は、異なる成分間の強い相互作用および大きな安定性に基づくそれらの特異な特性のために、スポーツ、自動車および航空宇宙などの多くの用途で広く使用することができる。一部の実施形態では、複合材料の強度および剛性は、補強成分の強度および剛性ならびにマトリックス成分とのその相互作用に依存する。補強材およびマトリックス成分の相互作用を改善すると、より強く、より耐久性があり、応力および摩耗の影響をより受けにくい複合材料が得られる。一部の実施形態では、本明細書の複合材は、熱、気体(例えば、空気)および/または水に対して不透過性である。
【0051】
一部の実施形態では、本明細書に開示のプロセスによって得ることができる材料は、複合材を製造するための補強剤として使用される。一部の実施形態では、材料は、当業者に公知の任意の従来のマトリックスと組み合わせることができる。材料が生分解性である場合、材料の再生可能性および生分解性を維持するために、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA、バクテリアポリエステル)、ポリカーボネートなどのバイオ由来ポリマー、または修飾セルロースポリマー(酢酸酪酸セルロース(CAB)または酪酸セルロース)またはセルロースパルプ、ならびに植物ベースの樹脂(例えばアクリル化エポキシ化大豆油(AESO)またはエポキシ化亜麻仁油)などのエポキシ樹脂
をマトリックスとして使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示の表面コーティング支持材料は、グリーンな階層的複合材を生み出すために、ポリラクチド、例えばポリ-L-ラクチド(PLLA)の補強材として使用される。表面コーティング支持材料の表面積が増加すると、表面コーティング支持材料の表面粗さが大きくなり、繊維とマトリックスとの間の機械的なかみ合わせが向上する。得られる複合材は、ニートのPLLAと比較して、階層的複合材の改善された機械特性、引張特性、粘弾性特性および曲げ特性を示す。
【0052】
一部の実施形態では、本明細書に開示の複合材料は、補強材およびマトリックスを含み、補強材は、本明細書に開示のプロセスによって得ることができる、または得られた支持材料を含む。一部の実施形態では、複合材料はセルロースナノコンポジットである。一部の実施形態では、マトリックスはセルロースを含む。一部の実施形態では、セルロースは、マトリックス内に分散している。一部の実施形態では、本明細書に開示の複合材料は、補強材およびマトリックスを含み、マトリックスは、本明細書に開示のプロセスによって得ることができる、または得られた表面コーティング支持材料を含む。本明細書のプロセスによって製造された材料を含むマトリックスは、当業者に公知の任意の従来の補強材と組み合わせることができる。マトリックスが生分解性である場合、補強材もまた生分解性である。
【0053】
一部の態様では、本開示は、本明細書に開示の複合材料、または本明細書に開示のプロセスによって製造された複合材料から製造された物品に関する。複合材料は特に、包装を含むが、これに限定されない低荷重用途における使用、あるいは自動車、家庭用、スポーツおよび/または建設の業界における使用のために提供される。本明細書に開示の物品は、完全に生分解性の複合材料から製造される。
【0054】
支持材料の製造方法
【0055】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、植物繊維からフィブリル化セルロースを製造するステップを含む、材料の製造方法である。一部の実施形態では、製造するステップは、植物繊維をホモジナイザーに通過させるステップを含む。一部の実施形態では、ホモジナイザーは、約1~100MPaの圧力を発生させる。一部の実施形態では、通過の回数は約2~100である。一部の実施形態では、植物繊維をフィブリル化セルロースと混合するステップをさらに含む。一部の実施形態では、混合するステップは、水中で実施される。一部の実施形態では、方法は、共濾過をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、材料を圧密するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、材料を乾燥するステップをさらに含む。一部の実施形態では、乾燥するステップは、材料を吸収材の間に配置するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、30~50℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、50~70℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、70~90℃の温度で材料を乾燥するステップを含む。
【0056】
一部の実施形態では、本開示は、ミクロセルロースまたはナノセルロースで補強された材料を製造するためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、材料は、複合材を製造するための支持体、または支持体プリフォームとして使用される。一部の実施形態では、材料は、熱、気体(例えば、空気)および/または水に対して半透過性である。例えば、MFCおよび/またはNFC強化繊維プリフォームは、所望の機械的性能、低酸素透過性、水および/または油脂に対する耐性を有する。
【0057】
一部の実施形態では、MFCおよび/またはNFC繊維(例えば、バガス由来)は、従来の繊維プリフォームのバリア性を向上させる非常に幅広い繊維径分布を伴って製造する
ことができ、例えば、それによって、半不透過性の階層的紙ベースの材料を製造することができる。一部の実施形態では、MFCおよび/またはNFCの直径および直径分布は、ホモジナイザーの通過の回数および固形分を最適化することによって決まる。一部の実施形態では、MFCおよび/またはNFCが使用される。幅広い繊維径(例えば、5~1000nm)を持つこのMFCおよび/またはNFC分散液は、共濾過の前に水中で繊維と混合され、続いて圧密されて繊維プリフォームを製造する。一部の実施形態では、プリフォーム内に存在する空隙は、さまざまな寸法のMFCおよび/またはNFCによって充填され、得られるMFCおよび/またはNFC強化繊維プリフォームの酸素バリア性、場合によっては水バリア性をさらに向上させる。酸素バリア性および水バリア性は、マイクロメートルサイズの繊維を取り囲む3次元のネットワークを形成するMFCおよび/またはNFCの直径分布の関数として調査される。一部の実施形態では、NFCの凝集をまず誘発するように、分散媒のイオン強度が変更される。一部の実施形態では、NFCの凝集は、ランダムかつ非特異的に起こり得る。一部の実施形態では、プリフォームは均一であり、より少ない濾過回数で製造される。一部の実施形態では、NFC強化繊維プリフォームの引張特性は、現実世界の用途をシミュレートするために、それぞれBS ISO1924およびBS ISO3781にしたがって、ベース繊維に対するNFCの比および相対湿度の関数として定量化される。繊維間の結合強度は、ゼロスパン試験(BS ISO15361:2000)を使用して測定される。このプロジェクトの主な目的のうちの1つは、低酸素透過性の複合材食品容器を製造することであるので、製造されたプリフォームの酸素に対する透過性が定量化され(ASTM D1434-82:2009または同等のもの)、ベース繊維に対するNFCの比の関数として最適化される。一部の実施形態では、所望の酸素透過性を有するMFCおよび/またはNFC繊維プリフォームは、不透過性の紙ベースの複合材料を製造するためにさらに精製される。
【0058】
一部の実施形態では、支持体が天然源から得られるとき、または誘導されるとき、支持体を生分解性にしたり、または補強したりすることができる。支持体の浸漬後、支持体がバクテリアセルロースの水性分散液から取り出されてもよく、乾燥されてもよい。一実施形態では、プロセスは、コーティング支持材料を分散液から取り出すステップ、および/または支持材料を任意選択で乾燥するステップをさらに含む。コーティング支持材料を分散液から取り出すステップは、支持体の機械的抽出によって、例えば、ピンセットを使用することによって実現されてもよい。支持材料は、当技術分野において公知の任意の方法、例えば、空気乾燥、オーブン乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、赤外線照射などにしたがって乾燥することができる。一部の実施形態では、支持材料が乾燥される方法は、支持材料上のバクテリアセルロースコーティングの配向および配列に影響を与えることができ、かつ/あるいは、本明細書に開示の材料または本明細書の方法によって製造される材料の形態を操作するために変更することができる。一部の実施形態では、表面コーティング支持材料は、加熱によって乾燥される。一部の実施形態では、支持材料は、室温を超えて、例えば、50℃~150℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃または140℃の温度で乾燥される。乾燥温度は、上述の別個の温度のいずれかから選択される温度の範囲(例えば、70℃~90℃)として設けることができる。乾燥は、空気中または減圧下で実施することができる。支持材料を乾燥すると、材料の表面に高密度ナノセルロース層が生じる。
【0059】
一部の態様では、本開示は、支持材料をナノセルロースの水性分散液と接触させるステップ、コーティング支持材料を分散液から取り出すステップ、および/または支持材料を70℃~90℃で、80℃で乾燥するステップを含む、表面コーティング支持材料の製造のためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、ナノセルロースは、支持材料の表面のバクテリアセルロース層として提供される。一部の実施形態では、バクテリアセルロース層は、バクテリアセルロースの高密度層である。高密度層内では、バクテリアセルロースが、支持材料を実質的に被覆する層を形成してもよい。一部の実施形態では、表面コー
ティング支持材料は、濾紙などの吸収材の2つの片の間に支持材料を重層することによって初めに部分的に乾燥される。支持材料からの液体の除去を増加させるために、例えば、荷重を加えることによって、上側および/または下側の吸収材の片に圧力を加えることができる。次いで、支持材料は、30~150℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃または140℃の温度でさらに乾燥することができる。乾燥温度は、上述の別個の温度のいずれかから選択される温度の範囲(例えば、30℃~50℃)として設けることができる。乾燥は、エアオーブン内で実施される。この2段階の乾燥方法は、ナノセルロースが支持材料の表面に対して垂直に配向している毛状「繊維」または毛状支持体の形成につながる。
【0060】
一部の態様では、本開示は、支持材料をナノセルロースの水性分散液と接触させるステップ、コーティング支持材料を分散液から取り出すステップ、および/または吸収材の2つの片の間に支持材料を重層することによって支持材料を乾燥し、その後、40℃など、30℃~50℃のエアオーブン内で乾燥するステップを含む、表面コーティング支持材料の製造のためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、コーティングのナノセルロースは、支持体表面に対して垂直に配向している。一部の実施形態では、除去する方法は、コーティング支持材料を分散液から取り出すステップ、および/または支持材料を任意選択で乾燥するステップを含み、取り出すステップは、分散液の濾過(例えば、減圧濾過)によって、または蒸発(例えば、減圧下(例えば、減圧下)および/または加熱下)によって実施される。
【0061】
一部の実施形態では、コーティング支持材料を分散液から取り出すステップおよびコーティング支持材料を乾燥するステップは、単一のステップで、例えば、蒸発によって(例えば、加熱によって、かつ/または減圧下で)実施されてもよい。例えば、蒸発によってコーティング支持材料を分散液から除去し、支持材料を乾燥するために、コーティング支持材料を含む分散液が加熱されてもよい。
【0062】
コーティング支持材料が濾過によって(例えば、減圧濾過によって)分散液から取り出されるとき、支持材料は、(例えば、ナノセルロースによって結合されたコーティング支持材料を含む本体を形成しながら)ナノセルロースによって一緒に結合されてもよい。コーティング支持材料が濾過によって分散液から取り出される実施形態では、支持材料は、濾紙などの吸収材の2つの片の間に支持材料を重層することによって初めに部分的に乾燥されてもよい。支持材料からの液体の除去を増加させるために、例えば、荷重を加えることによって、上側および/または下側の吸収材の片に圧力を加えることができる。支持材料は、30~150℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃または140℃の温度でさらに乾燥することができる。乾燥温度は、上述の別個の温度のいずれかから選択される温度の範囲(例えば、50℃~70℃)として設けることができる。
【0063】
一部の態様では、本開示は、支持材料をナノセルロースの水性分散液と接触させるステップ、分散液の濾過によってコーティング支持材料を分散液から取り出すステップ、吸収材の2つの片の間に支持材料を重層することによって支持材料を乾燥するステップ、および/または60℃など、50℃~70℃のエアオーブン内で任意選択で乾燥するステップを含む、表面コーティング支持材料の製造のためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、改質された材料は、室温および室内圧力で保管することができる。
【0064】
複合材の製造方法
再生可能ポリマーによるMFC/NFC強化繊維プリフォームの含浸
【0065】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、本明細書に開示の材料に液体樹脂
を含浸させるステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、液体樹脂は、大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATである。一部の実施形態では、方法は、含浸材料を硬化するステップをさらに含む。別の態様では、本明細書において提供されるのは、植物セルロース、フィブリル化セルロースおよび別のポリマーを懸濁液中で混合するステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、別のポリマーは、ポリ乳酸、熱可塑性デンプン、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンである。一部の実施形態では、方法は、複合材を圧密するために熱を加えるステップを含む。一部の実施形態では、方法は、複合材を乾燥するステップを含む。一部の実施形態では、別のポリマーは、繊維の形態である。一部の実施形態では、別のポリマーは、粉末の形態である。
【0066】
一部の実施形態では、MFCおよび/またはNFC強化繊維プリフォーム(例えば、バガス繊維プリフォーム)に再生可能供給源のポリマーが含浸され、それによって複合材を製造する。一部の実施形態では、得られる製品のグリーン認定を維持するために、再生可能ポリマー(ポリ乳酸、熱可塑性デンプン、およびまだ確認されていないその他)が使用される。他の代替には、バイオ由来ポリエチレン(バイオPE)およびバイオ由来ポリプロピレン(バイオPP)が含まれる。バイオPEおよびバイオPPは生分解性ではないが、これらのポリマーは、優れたバリア性を有することが公知であり、比較のためのモデル系として、または真にグリーンな食品貯蔵容器の実現に向けた最初のステップとしてのいずれかに使用され得る。
【0067】
2つの可能性のある経路は、製造されたNFC強化繊維プリフォームにポリマーを含浸させるものである。第1に、MFCおよび/またはNFC強化繊維プリフォームがまず製造され、その後、低粘度液体モノマー(大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATなど)による後含浸が続き、その後、硬化ステップが続く。第2の手法では、ポリマー(粉末状または繊維状)を、MFC/NFCおよび天然のベース繊維と共に分散させる。次いで、得られる懸濁液が、本明細書に開示の手順にしたがって濾過され、その後、圧密、および単一のステップで複合材を製造する乾燥が続く。次いで、加圧下で温度を上げて、さらに、含浸するポリマーマトリックスを溶融して複合材を圧密することによって、実際の複合材食品貯蔵容器が簡単に製造される。第1の手法は、プリフォーム製造の容易さの利点を有する。第2の手法は、単一のステップで複合材を製造する利点を有する。MFC/NFC強化繊維強化複合材は、(例えば、最低限の複雑さおよび製造ステップ数で)可能な限り効率的に製造される。製造された複合材の吸水率および酸素透過性が定量化される。必要なポリマー/モノマーの量を減らす一方、必要な機械的性能、低い吸水率(moisture update)および酸素透過性を維持するために、製造ステップにおけるポリマー/モノマーの量を最適化することができる。酸素透過性は、本明細書に開示の方法にしたがって、またはASTM D1434-82:2009もしくは同等のものにしたがって測定される。吸水率を定量するために、動的蒸気収着が使用される。水蒸気透過速度および耐油度は、それぞれASTM E96/E96M-12およびTAPPI 454にしたがって測定することができる。これに加えて、水分への曝露後は、複合材のどのような変形も望ましくない。一部の実施形態では、水分への曝露後の複合材容器の寸法安定性は、熱機械分析(TMA)を使用して調査される。一部の実施形態では、材料のモフォロジーと透水性との間に相関がある。結果は、相対湿度/水分含量の関数として機械的性能と相関し得る。
MFC/NFC強化繊維プリフォームポリマーラミネートの開発
【0068】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、先行する請求項のいずれかに記載の材料、ラミネーションおよびポリマーフィルムを重層するステップを含む、複合材の製造方法である。一部の実施形態では、ラミネーションはポリシロキサンを含む。一部の実施形態では、ラミネーションは石油由来ワックスを含む。一部の実施形態では、ポリマー
フィルムは、ポリ乳酸、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンを含む。一部の実施形態では、ポリマーフィルムは、スリットダイを備えたマイクロコンパウンダーによって生成される。一部の実施形態では、重層するステップは、複合材を圧密するステップを含む。一部の実施形態では、圧密するステップは、約50~200℃の温度で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約120℃の温度で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約1~5t重の圧力で実施される。一部の実施形態では、圧密するステップは、約1.5t重の圧力で実施される。
【0069】
一部の実施形態では、薄いポリマーフィルムをMFC/NFC強化繊維プリフォーム上にラミネートし、それによってサンドイッチ構造を作り出すことができる。一部の実施形態では、再生可能な熱可塑性プラスチックには、ポリ(乳酸)、バイオベースのポリプロピレンまたはポリエチレンが含まれる。熱可塑性ポリマーがラミネートされたMFC/NFC強化繊維プリフォームを製造するために、MFC/NFC強化繊維プリフォームがまず製造され、その後、プリフォーム上への適した熱可塑性フィルムのラミネーションが続く。これは、MFC/NFC強化繊維プリフォーム上への熱可塑性フィルムの熱圧密によって実現することができる。一部の実施形態では、薄いポリマーフィルムは、フィルムライン押出法によって生成することができる。一部の実施形態では、これらのフィルムを生成するために、スリットダイを備えたDSMマイクロコンパウンダーも使用することができる。圧密圧力および温度を含む最適な製造パラメータが確認される。一部の実施形態では、(水に安定な)疎水性部分を熱可塑性フィルム上に導入するために、熱可塑性フィルムのプラズマ処理が実施される。
表面コーティングプリフォームを用いた複合材
【0070】
一部の態様では、本開示は、複合材料の製造のためのプロセスに関し、本明細書の表面コーティング支持材料を含む補強材は、ポリマーもしくは樹脂などのマトリックスが含浸され、混合され、またはこれらと共に押し出される。ある特定の実施形態では、表面コーティング支持材料は、支持材料がナノセルロースによって一緒に結合される表面コーティング支持材料である。複合材は、樹脂トランスファー成形、シート成形、樹脂注入成形などの任意の適したプロセスを使用して、または粉末含浸、射出成形および圧縮成形によって製造することができる。例えば、表面コーティング支持材料は、アクリル化エポキシ化大豆油(AESO)またはエポキシ化亜麻仁油などの樹脂が含浸され、次いで、例えば、任意選択で開始種の存在下で、加熱することによって硬化されてもよい。別の例において、表面コーティング支持材料は、PLAなどのポリマーの溶液に分散されてもよく、この後に溶剤が除去されてもよい。あるいは、表面コーティング支持材料は、ポリマー粉末またはポリマー繊維、熱可塑性ポリマーが含浸され、混合され、またはこれらと共に押し出されて、複合材料を所望の形状に熱成形または熱圧密してもよい。
【0071】
一部の態様では、本開示は、補強材およびマトリックスを含む複合材料の製造のためのプロセスに関し、補強材は表面コーティング支持材料を含み、複合材料は、マトリックス材料をさらに含むナノセルロースの水性分散液と支持材料を接触させるステップ、濾過、減圧濾過によって複合材料を分散液から取り出すステップ、および/または複合材料を任意選択で乾燥するステップによって製造される。一部の実施形態では、マトリックス材料は、ナノセルロースの水性分散液に分散している。他の実施形態では、マトリックス材料は、ポリマー、熱可塑性ポリマーである。別の実施形態では、マトリックス材料は、ポリマー粉末またはポリマー繊維である。マトリックス材料は、本明細書に記載のマトリックスであってもよい。この方法によって製造された複合材料は、引き続き、例えば、圧縮成形またはホットプレスによって、所望の形状に成形されてもよい。支持材料および乾燥ステップは、本明細書に記載されている通りであってもよい。
【0072】
消費者製品
【0073】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、例えば、本明細書に開示の材料もしくは複合材によって製造された消費者製品、または消費者製品の製造方法である。一部の実施形態では、消費者製品は、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または子供用製品である。消費者製品としての「子供用製品」は、主として12歳またはそれ未満の子供用に設計または意図される。
【0074】
一部の実施形態では、本明細書に開示の消費者製品は固形状である。一部の実施形態では、消費者製品は小さい物体である。一部の実施形態では、消費者製品は、ごみ袋、食品ラップ、デンタルフロス、ワイプ、電子部品、壁紙、衣類、エプロン、窓覆い、プレースマットおよび本の表紙からなる群から選択される。一部の実施形態では、消費者製品は、シート、袋、容器、プレートまたはトレイである。一部の実施形態では、消費者製品は、食品配膳手段または食品パッケージである。一部の実施形態では、消費者製品は容器である。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルである。一部の実施形態では、消費者製品は即席麺用カップである。
【0075】
一部の態様では、本明細書において提供されるのは、消費者製品の製造のための本明細書に開示の材料または複合材の使用である。一部の実施形態では、消費者製品は、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または乳幼児または子供用製品である。一部の実施形態では、消費者製品は小さい物体である。一部の実施形態では、消費者製品は、シート、袋、容器、プレートまたはトレイである。一部の実施形態では、消費者製品は食品配膳手段である。一部の実施形態では、消費者製品は食品パッケージである。一部の実施形態では、消費者製品はコーヒーカプセルである。一部の実施形態では、消費者製品は即席麺用カップである。
【実施例0076】
(実施例1)
毛状繊維を製造するためのコロイドミルを使用したバガス繊維の微細化
バッチ1
微細化されたバガス繊維のプリフォームを製造するために、バガス繊維由来の市販の溶解パルプを出発材料として使用した。炭水化物分析は、この溶解パルプが97.7重量%のセルロースおよび2.3重量%のヘミセルロースからなることを示した。再循環コロイドミル(JM-60、Bean Product Machinery、Tiangang Machine Manufacture Co.Ltd.、WHERE、China)を使用して、バガス繊維由来溶解パルプを微細化した。コロイドミルは、最大出力1.5kWで運転した。ミル粉砕の前に、バガス繊維由来溶解パルプを水に一晩浸漬し、7g L-1の濃度でブレンドして、均質な繊維懸濁液を生成した。繊維懸濁液を、微細化のために、それぞれ6分、12分、18分および30分、コロイドミルに供給した。
【0077】
バガス繊維プリフォームを、製紙プロセスを使用して製造し、それによって、(7gL-1の濃度の)あらかじめ(微細化された)繊維懸濁液を濾紙(直径18cm)上に減圧濾過し、過剰な水を除去した。次いで、湿潤濾過ケークをそれぞれ1.5tおよび120℃の荷重および温度で2時間熱プレスして湿潤濾過ケークを圧密および乾燥し、硬いバガス繊維プリフォームを製造した。バガス繊維プリフォームは、600gm-2の坪量および約2mmの厚さを有する。0分、6分、12分、18分および30分で微細化されたバガス繊維から製造されたプリフォームは、本明細書において、それぞれP0、P6、P12、P18およびP30と呼ぶ。
【表1】
【表2】
【表3】
【0078】
図1e~図1fは、微細化時間に応じたバガス繊維のSEM像を示す。それぞれ、(1a)ニートのバガス、(1b)コロイドミル、(1c)6分微細化したバガス、(1d)12分微細化したバガス、(1e)18分微細化したバガス、(1f)30分微細化したバガス。
バッチ2
再循環コロイドミル(JM-60、Tiangang Machine Manufacture Co.Ltd.)を使用して、バガス繊維由来溶解パルプ(0.7重量%)を微細化した。繊維懸濁液を、微細化のため、6分、30分および60分、コロイドミルに供給した。水濾過ステップならびに2.5tおよび120℃の15分間のホットプレスを含む製紙プロセスを使用して、バガス繊維プリフォームを製造した。モフォロジーを、5kVで操作した電界放出型走査電子顕微鏡(FESEM JSM6335)によりキャラクタリゼーションした。Zwick Z030試験機を使用して、速度1mm/minで1KNロードセルを用いて引張試験を実施した。ガーレー法に基づいて設計されたTendring Pacific空気透過性試験機を使用して、透気度をキャラクタリゼーションした。水分管理試験機(MMT、SDLATLAS)を使用して、水蒸気透過速度(WVTR)を試験した。図2は、微細化されたバガス繊維およびそのプリフォームの特性評価結果を示す表である。
(実施例2)
MFCまたはNFC繊維の製造
【0079】
パルプ溶液を高圧ホモジナイザーまたは粉砕機のいずれかに通過させることによる、マイクロメートルサイズのセルロース繊維のフィブリル化により、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)およびナノフィブリル化セルロース(NFC)を製造する。
MFC
【0080】
バガス紙(3.5重量%)を切断し、水に約1時間浸漬し、次いで、ブレンダー内で約2分間ブレンドする。約24時間の浸漬および約2分のブレンドの後、次いで、パルプ懸濁液をスーパーマスコロイダー(MKCA6-2、増幸産業株式会社、川口市、日本)を使用して約1~5回通過させて機械的に粉砕する。
NFC
【0081】
バガス紙(3.5重量%)を切断し、水に1時間浸漬し、次いで、ブレンダー内で2分間ブレンドした。24時間の浸漬および2分のブレンドの後、次いで、パルプ懸濁液をスーパーマスコロイダー(MKCA6-2、増幸産業株式会社、川口市、日本)を使用して10回通過させて機械的に粉砕した。図3は、バガスの得られたNFCを示す1組のSEM像である。左の画像:倍率10,000倍;右の画像:倍率20,000倍。モフォロジーを、5kVで操作した電界放出型走査電子顕微鏡(FESEM JSM6335)によりキャラクタリゼーションした。
(実施例3)
MFCまたはNFC強化プリフォームの製造
3.1.共濾過
【0082】
幅広い繊維径(例えば、5~1000nm)を持つMFCおよび/またはNFC分散液を、共濾過の前に水中でバガス繊維と混合し、続いて圧密して繊維プリフォームを製造する。ブフナー漏斗を使用して、MFC/NFCバガス繊維分散液を直径125mmの濾紙(VWR、Lutterworth、UK)上に減圧下で濾過する。濾過ケークを、2分間の1tの荷重で2回ウェットプレスする。次いで、このウェットプレスした濾過ケークを、120℃のホットプレス内で、1tの荷重で一晩さらに乾燥する。
3.2.重層湿潤紙ベースの材料
【0083】
試料は、ナノセルロース(NFC)およびバガスパルプ繊維(パルプ)の異なる層を含んでいた。多層濾過プロセスを使用して紙ベースの複合材を製造した。パルプ/NFC/パルプ複合材については、バガス懸濁液(0.5重量%)の層を、ナノセルロース懸濁液(0.5重量%)およびパルプ懸濁液の層の上に濾過した。NFC/パルプ/NFC複合材については、順番を逆にした。すべての複合材の最終的な坪量は100gsmであった。
【表4】
【表5】
(バガスパルプ紙のOTRは、その高い空隙率のために測定できない)
ナノセルロース泡状物との比較
【0084】
ナノセルロースの濾過速度を速めるために、ナノセルロースの泡を生成し、濾過ステップで崩壊させた。ナノセルロース懸濁液(0.5重量%)は通常、ナノセルロースを水中でブレンドし、次いで、減圧を用いて漏斗内でこれを濾過することによって調製される。しかし、プロセスを速めるために、0.2gの石けんを5重量%ナノセルロース溶液に加え、台所用ハンドミキサーを使用して泡立てた。次いで、泡状物を濾過漏斗内に注ぎ、200gのエタノールを泡状物内に噴霧することによって崩壊させた。濾過ステップにかかったのは、2時間と比較して、わずか10分であった。
【表6】
【表7】
3.3.異なる構造を持つNFC強化紙プリフォーム。
【0085】
紙プリフォーム(performs)の製造プロセスは、2つのステップからなるものであった:1)繊維懸濁液(0.3重量%)の水濾過および湿潤紙プリフォームの形成;2)温度および圧力コントロール下での湿潤プリフォームの熱プレスならびに乾燥紙プリフォームの形成(図4a、図4b)。濾過ステップにおいて、バガス繊維(BG)/NFC混合懸濁液を適用することによって、BG/NFCが50/50の混合試料を調製した(図4c)。2つの方法を使用して重層試料を調製した:1)湿潤BGプリフォームの上にNFCを濾過して、NFCコーティングを形成する(図4d);2)湿潤BGおよびNFC紙プリフォームをラミネートして、2層を一緒に熱プレスする(図4e)。
【0086】
接触角測定を実施することによって紙プリフォームの濡れ性を調査した。水滴はBG紙にすぐに吸収されたため、接触角は測定できなかった。Zwick Z030試験機を使用して、速度1mm/minで1KNロードセルを用いて引張試験を実施した。気体透過
性試験機(VAC-VBS、Labthink Instruments)および水蒸気透過速度試験機(W3/031、Labthink Instruments)を使用して、バリア性を調査した。図5は、ベースラインのバガス、NFC、および異なる構造を持つNFC強化紙プリフォームの比較を示す。
(実施例4)
複合材の製造
1)後含浸
【0087】
MFCおよび/またはNFC強化バガス繊維プリフォームをまず製造する。次いで、繊維プリフォームに低粘度液体モノマー(大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATなど)を含浸させ、その後、硬化ステップが続く。
2)湿潤含浸
【0088】
ポリマー(粉末状または繊維状)を、MFC/NFCおよびバガス繊維と共に分散させる。次いで、得られた懸濁液を濾過し、その後、熱圧密および乾燥ステップが続き、単一のステップで複合材を製造する。
3)ポリマーラミネート
【0089】
ポリ乳酸、バイオベースのポリプロピレンまたはポリエチレンなどの再生可能な熱可塑性プラスチックの薄いポリマーフィルムを、NFC/MFCバガス繊維プリフォーム上に熱圧密によってラミネートし、それによってサンドイッチ構造を作り出す。薄いポリマーフィルムは、フィルムライン押出法またはスリットダイを備えたDSMマイクロコンパウンダーによって生成される。(水に安定な)疎水性部分を熱可塑性フィルム上に導入するために、熱可塑性フィルムのプラズマ処理が実施される。
PLA複合材
【0090】
バイオベースのポリマーの一例としてPLA(ポリ乳酸)を使用した。NFCがPLAに付着しなかったため、NFC/PLA複合材は試験できなかった。複合材を製造するために、NFC/パルプによる異なる混合物から調製したベース紙を使用して、PLA複合材をラミネートした。NFCおよびパルプ(重量%)の混合物を一緒にブレンドし、濾過し、200gsmのシートとして圧密した。各複合材について2枚のシートを生成し、5gのPLAフィルム(100gsm)を2枚のベース紙の間にラミネートした。
【表8】
【表9】
(実施例5)
コーヒーカプセルの製造
【0091】
1組のコーヒーカプセルの型を自社のパルプ成形機に採り入れて、紙のコーヒーカプセル見本品の製造に成功した。製造プロセスを図6に示した。図7に示した市販のNespressoコーヒーカプセルマシンにおける試験によって、紙のカプセルの機能性が実証された。
【0092】
一部の実施形態について本明細書に図示および説明したが、このような実施形態は、単なる例として提供されている。ここで、当業者なら、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更および置換に想到するであろう。本発明を実施する際、本明細書に説明した本発明の実施形態のさまざまな代替を使用することができるものと理解されるべきである。
【0093】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
パルプおよびフィブリル化セルロースを含み、前記パルプおよび前記フィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維から誘導される、材料。
(項2)
前記植物繊維が、バガス、亜麻、大麻、ヤシおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、上記項1に記載の材料。
(項3)
前記植物繊維がバガスを含む、上記項2に記載の材料。
(項4)
前記フィブリル化セルロースがミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含む、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項5)
前記フィブリル化セルロースがナノフィブリル化セルロース(NFC)を含む、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項6)
前記パルプが前記フィブリル化セルロースと混合されている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項7)
前記パルプに前記フィブリル化セルロースが含浸されている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項8)
前記パルプを含む層を含み、前記層が前記フィブリル化セルロースでコーティングされている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項9)
前記パルプを含む層を含み、前記層が前記フィブリル化セルロースでラミネートされている、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項10)
前記フィブリル化セルロースを含む第1の層と、
前記パルプを含む第2の層と、
前記フィブリル化セルロースを含む第3の層と
を含み、
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項11)
前記パルプを含む第1の層と、
前記フィブリル化セルロースを含む第2の層と、
前記パルプを含む第3の層と
を含み、
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項12)
前記フィブリル化セルロースおよび前記パルプが、約1:1~約1:100の範囲内の重量比で存在する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項13)
前記フィブリル化セルロースおよび前記パルプが、約1:1~約1:10の範囲内の重量比で存在する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項14)
前記フィブリル化セルロースが、100nm未満の平均径を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項15)
約15μmまたはそれ未満の平均径を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項16)
約5μmまたはそれ未満の平均径を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項17)
約10000cm -2 -1 またはそれ未満の酸素透過速度(OTR)を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項18)
約4000cm -2 -1 またはそれ未満のOTRを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項19)
約200cm /(m 24h.atm)またはそれ未満のOTRを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項20)
約1000gm -2 -1 またはそれ未満の水蒸気透過速度(WVTR)を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項21)
約260gm -2 -1 またはそれ未満のWVTRを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項22)
ヒマシ油を用いて測定して、2%未満の吸油率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項23)
3GPaよりも高い引張弾性率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項24)
約5GPaまたはそれよりも高い引張弾性率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項25)
約35MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項26)
約65MPaまたはそれよりも高い引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項27)
約2%またはそれよりも高い破断歪み率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項28)
約4%またはそれよりも高い破断歪み率を有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項29)
50Nmg -1 よりも高い比引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項30)
約88Nmg -1 またはそれよりも高い比引張強さを有する、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項31)
曲げ弾性率、曲げ強さまたは貯蔵弾性率が、前記植物繊維のそれよりも1~100倍高い、先行する上記項のいずれかに記載の材料。
(項32)
先行する上記項のいずれかに記載の材料および別のポリマーを含む、複合材。
(項33)
前記別のポリマーが、ポリ乳酸、キチン、アルギン酸ナトリウム、熱可塑性デンプン、ポリエチレンまたはポリプロピレンである、先行する上記項のいずれかに記載の複合材。
(項34)
前記別のポリマーが、繊維または粉末の形態である、先行する上記項のいずれかに記載の複合材。
(項35)
引張弾性率、引張強さ、曲げ弾性率、曲げ強さまたは貯蔵弾性率が、前記材料のそれよりも1~100倍高い、先行する上記項のいずれかに記載の複合材。
(項36)
気体および液体に対して半透過性または不透過性である、先行する上記項のいずれかに記載の材料または複合材。
(項37)
前記気体が加熱空気である、上記項36に記載の材料または複合材。
(項38)
前記液体が水または油である、上記項36または37に記載の材料または複合材。
(項39)
先行する上記項のいずれかに記載の材料または複合材によって製造された消費者製品。
(項40)
食品パッケージ、食品配膳手段、自動車輌、家庭用もしくはオフィス用器具、電子デバイス、家庭用もしくはオフィス用家具、または子供用製品である、上記項39に記載の消費者製品。
(項41)
シート、袋、容器、プレートまたはトレイである、上記項39または40に記載の消費者製品。
(項42)
即席麺用カップである、上記項39に記載の消費者製品。
(項43)
コーヒーカプセルである、上記項39に記載の消費者製品。
(項44)
前記コーヒーカプセルが、カプセル本体(CMB)およびカプセル蓋(CL)を含む、上記項43に記載の消費者製品。
(項45)
前記CMBおよび/またはCLが網状である、上記項44に記載の消費者製品。
(項46)
前記コーヒーカプセルが、約0.5~約6mmの厚さを有する、上記項44または45に記載の消費者製品。
(項47)
前記コーヒーカプセルが、約1~約3mmの厚さを有する、上記項46に記載の消費者製品。
(項48)
ベース層、ポリマー層および/またはコーティング層を含む、上記項39から47のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項49)
前記ベース層が、パルプ繊維、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、毛状繊維またはこれらの任意の組合せを含む、上記項48に記載の消費者製品。
(項50)
前記パルプ繊維が塩素を含まない、上記項49に記載の消費者製品。
(項51)
前記ベース層が、撥水剤および/または撥油剤をさらに含む、上記項48から50のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項52)
前記ポリマー層が、石油由来ではない天然ポリマーを含む、上記項48から51のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項53)
前記ポリマー層がナノコンポジットである、上記項48から52のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項54)
前記ポリマー層が、ナノクレイをさらに含む、上記項48から53のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項55)
前記ナノクレイが剥離モンモリロナイトである、上記項54に記載の消費者製品。
(項56)
前記ナノクレイがポリマーマトリックスに取り込まれている、上記項54または55に記載の消費者製品。
(項57)
前記コーティング層が、NFC、毛状繊維、パルプ繊維またはこれらの任意の組合せを含む、上記項48から56のいずれか一項に記載の消費者製品。
(項58)
消費者製品の製造のための、先行する上記項のいずれかに記載の材料または複合材の使用。
(項59)
パルプをフィブリル化セルロースと混合するステップを含み、前記パルプおよび前記フィブリル化セルロースは、独立して、植物繊維からのものである、材料の製造方法。
(項60)
前記植物繊維をホモジナイザーに通過させることによってフィブリル化セルロースを調製するステップをさらに含む、上記項59に記載の方法。
(項61)
前記ホモジナイザーが、約1~100MPaの圧力を発生させる、上記項60に記載の方法。
(項62)
前記通過の回数が約2~100である、上記項60または61に記載の方法。
(項63)
前記混合するステップが水中で実施される、上記項59から62のいずれか一項に記載の方法。
(項64)
共濾過をさらに含む、上記項59から63のいずれか一項に記載の方法。
(項65)
多層濾過をさらに含み、前記パルプまたは前記フィブリル化セルロースの層が、前記フィブリル化セルロースまたは前記パルプの層の上で濾過される、上記項59から63のいずれか一項に記載の方法。
(項66)
前記材料を圧密するステップをさらに含む、上記項59から65のいずれか一項に記載の方法。
(項67)
前記材料を乾燥するステップをさらに含む、上記項59から66のいずれか一項に記載の方法。
(項68)
前記乾燥するステップが、前記材料を吸収材の間に配置することを含む、上記項67に記載の方法。
(項69)
前記材料を、30~50℃の温度で乾燥するステップを含む、上記項67または68に記載の方法。
(項70)
前記材料を、50~70℃の温度で乾燥するステップを含む、上記項67または68に記載の方法。
(項71)
前記材料を、70~90℃の温度で乾燥するステップを含む、上記項67または68に記載の方法。
(項72)
先行する上記項のいずれかに記載の材料に液体樹脂を含浸させるステップを含む、複合材の製造方法。
(項73)
前記液体樹脂が、大豆油、亜麻仁油またはBIOCOATである、上記項72に記載の方法。
(項74)
含浸させた材料を硬化するステップをさらに含む、上記項72または73に記載の方法。
(項75)
植物セルロース、フィブリル化セルロースおよび別のポリマーを懸濁液中で混合するステップを含む、複合材の製造方法。
(項76)
前記別のポリマーが、ポリ乳酸、熱可塑性デンプン、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンである、上記項75に記載の方法。
(項77)
前記複合材を圧密するために熱を加えるステップをさらに含む、上記項75または76に記載の方法。
(項78)
前記複合材を乾燥するステップをさらに含む、上記項75から77のいずれか一項に記載の方法。
(項79)
前記別のポリマーが、繊維または粉末の形態である、上記項75から78のいずれか一項に記載の方法。
(項80)
先行する上記項のいずれかに記載の材料、ラミネーションおよびポリマーフィルムを重層するステップを含む、複合材の製造方法。
(項81)
前記ラミネーションがポリシロキサンを含む、上記項80に記載の方法。
(項82)
前記ラミネーションが石油由来ワックスを含む、上記項80に記載の方法。
(項83)
前記ポリマーフィルムが、ポリ乳酸、バイオ由来ポリエチレンまたはバイオ由来ポリプロピレンを含む、上記項80から82のいずれか一項に記載の方法。
(項84)
前記ポリマーフィルムが、スリットダイを備えたマイクロコンパウンダーによって生成される、上記項80から83のいずれか一項に記載の方法。
(項85)
前記重層するステップが、前記複合材を圧密することを含む、上記項80から84のいずれか一項に記載の方法。
(項86)
前記圧密することが、約50~200℃の温度で実施される、上記項66、77または85に記載の方法。
(項87)
前記圧密することが、約120℃の温度で実施される、上記項87に記載の方法。
(項88)
前記圧密することが、約1~5t重の圧力で実施される、上記項66、77または85に記載の方法。
(項89)
前記圧密することが、約1.5t重の圧力で実施される、上記項88に記載の方法。
(項90)
パルプ成形機を用いて物品を製造するステップを含む、消費者製品の製造方法。
(項91)
減圧成形によって前記物品をカプセル化するステップをさらに含む、上記項90に記載の方法。
(項92)
減圧成形、赤外線加熱および/または超音波加熱によって前記物品の表面にポリマー層をコーティングするステップをさらに含む、上記項90または91に記載の方法。
(項93)
赤外加熱または超音波加熱によって前記ポリマー層を加熱することによって前記物品を互いに接着するステップをさらに含む、上記項92に記載の方法。
(項94)
NFC、毛状繊維、天然パルプ繊維またはこれらの任意の組合せの層で前記物品をディップコーティングするステップをさらに含む、上記項90から93のいずれか一項に記載の方法。
(項95)
前記消費者製品がコーヒーカプセルであり、前記物品が、カプセル本体および/またはカプセル蓋である、上記項90から94のいずれか一項に記載の方法。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】