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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187047
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
A63H33/00 302Z
A63H33/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094844
(22)【出願日】2021-06-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】松原 大典
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BA05
2C150BA17
2C150CA02
2C150FB18
2C150FB32
2C150FB43
(57)【要約】
【課題】興趣性の高い玩具を提供する。
【解決手段】物品供給装置から供給可能な玩具1であって、転動可能な形状を成している玩具本体部1bと、玩具本体部1bの内部に収容されている遊戯物10と、を備え、遊戯物10は、玩具本体部1bの破壊を条件として、遊戯可能である。玩具本体部1bを破壊しないと遊戯物10を取り出すことができないことから、玩具本体部1bの破壊という行為と、遊戯物10を壊さないように取り出すという、破壊とは反対の操作(疑似発掘)をすることができる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置から供給可能な玩具であって、
転動可能な形状を成している玩具本体部と、
前記玩具本体部の内部に収容されている遊戯物と、を備え、
前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊を条件として、遊戯可能である、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、球状型の形状を成している、
玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、前記遊戯物を視認不可能に構成されている、
玩具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、その表面に溝部が形成されている、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記溝部は、前記玩具本体部の表面に不規則に形成されている、
玩具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、前記玩具本体部と密に接して収容されている、
玩具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊されるときに複数の部位に分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、複数の部位が異なる大きさとなるように分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、その表面の一部に平面部が形成されている、
玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具であって、
前記玩具本体部の破壊を補助する補助具をさらに備え、
前記補助具は、破壊前の状態において、前記玩具本体部の前記平面部に隣接して設けられている、
玩具。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具であって、
前記補助具は、前記玩具本体部の表面を覆う包装材により、前記平面部に隣接して設けられている、
玩具。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、前記遊戯物よりも弱い強度にて構成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、耐水性の無い材料で構成されていると共に、前記遊戯物は、耐水性のある材料で構成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項13に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、石膏で構成されていると共に、前記遊戯物は、成形樹脂で構成されている、
玩具。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、第1色で形成されていると共に、前記遊戯物は、第1色とは異なる第2色で形成されている、
玩具。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部と前記遊戯物とを合わせた重量は、100~700グラムである、
玩具。
【請求項17】
請求項1~16の何れか一項に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、主部品と副部品との複数から構成され、前記玩具本体部の破壊前の状態において、各々分離した状態で、前記玩具本体部の内部の異なる位置に収容されている、
玩具。
【請求項18】
請求項17に記載の玩具であって、
前記玩具本体部内には、前記副部品よりも大きい前記主部品が前記玩具本体部の内部の中央部に収容され、前記主部品の周辺部に前記副部品が収容されている、
玩具。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊後の状態において、前記主部品に対し前記副部品を連結可能に構成されている、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1においては、化石発見の面白さを疑似体験できる化石模型玩具がある。この特許文献1には、動植物の化石形状を有し、クレイと赤土の混合物、白色セメントと石英砂の混合物、不飽和樹脂、炭酸カルシウムと顔料の混合物、のいずれかで組成されている化石フレーム、海砂、クレイと赤土の混合物、灰色セメントと黒河砂の混合物、不飽和樹脂と黒河砂の混合物のいずれかで組成され、化石フレームと相互に結合し並びにその上面より化石フレームを浮き出させているベース手段、黒河砂、石膏及び赤土の混合物で組成され、適当な厚さを以てベース手段上に浮き出た化石フレームを被覆している被覆手段、の構成、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案第3060212号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、化石発見の疑似体験をするとは云うものの、遊戯者本人が予め化石を埋め込む手法を採用しているために、どのような化石であるかが最初から明らかになってしまっている。また、発掘の構造については、予め分離するように製作されていることから、発掘の疑似体験とはいうものの実際の発掘手法とはかけ離れた方法であり、その興趣性に課題があると云わざるを得ない。また、その形状については、球形状ではなく自動販売機で販売には向かない外観形状である。
【0005】
本発明は、興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る玩具は、物品供給装置から供給可能な玩具であって、転動可能な形状を成している玩具本体部と、前記玩具本体部の内部に収容されている遊戯物と、を備え、前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊を条件として、遊戯可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の玩具の一例を示す正面図である。
図2図1に示す玩具本体部内に収容された遊戯物の概略図である。
図3図1に示す玩具本体部内の遊戯物の配置状態の一例を示す概略正面図である。
図4】玩具本体部に補助具を取り付ける一例を示す斜視図であって、(a)は、取付け前の状態を示す斜視図であり、(b)は、取付状態を示す斜視図である。
図5】補助具の取り付け状態の他の例を示す斜視図である。
図6】補助具の使用例を示す概略図である。
図7】玩具本体部の分解状態の一例を示す斜視図である。
図8】遊戯物の連結の一例を示す要部拡大図である。
図9】遊戯物を組み立てた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、玩具1の一例を示す正面図である。
玩具1は、図1に示すような玩具本体部1bが転動可能な球形の第1形態1Fと、玩具本体部1b内の収容された遊戯物10の組み立て状態の第2形態2F(図9参照)と、がある。すなわち、当初においては第1形態1Fであり、遊戯状態の最終段階の状態においては第2形態2Fとなり、後述するように、第1形態1Fは、壊されるために戻ることのできない不可逆の形態である。
【0010】
図1に示すように、玩具1は、第1形態1Fとして、略球状型の形状を成している玩具本体部1bと、この玩具本体部1bの内部に収容された遊戯物10(図2参照)と、を備えており、玩具本体部1bの表面1bsが包装材20にて覆われている。遊戯物10は、後述するように、玩具本体部1b内に収容された状態は、遊戯物10の最終的な形態ではなく、複数の部分に分解され且つ離れた位置(図3参照)に収容されている。
遊戯物10は、例えば、恐竜の化石を模した、恐竜化石部位(図2参照)として、各部分に分かれた構造となっている。そして、最終的に、一体の完成体として、例えば、恐竜のティラノサウルス(図9参照)のように、玩具1は、遊戯物10の最終的な組み立て状態の第2形態2Fとなる。
【0011】
玩具本体部1bは、例えば、石膏で構成されている。一方、遊戯物10は、合成樹脂にて構成されている。そして、玩具本体部1b内に遊戯物10が埋め込まれている。玩具本体部1bは、化石を含む岩石を模した例えば白色系の色で構成されている。一方、遊戯物10は、玩具本体部1bとは異なる色にて成形されている。したがって、遊戯物10は、例えば、玩具本体部1bを破壊するとき(発掘疑似体験時)において、玩具本体部1bと遊戯物10とは区別することができるが、第1形態1Fにおいては、遊戯物10は外側から視認することはできない。
【0012】
玩具本体部1bは、その表面1bsに溝部1gが形成されて、デコボコした表面となっている。なお、この溝部1gは、表面1bsに不規則に多数形成されており、また、凹凸も適宜形成されており、岩石の形状となっている。なお、表面1bsに形成されている溝部1gは、物品供給装置からの供給を可能とする程度のものとなっている。
【0013】
石膏を素材とする玩具本体部1bは、合成樹脂にて成形された遊戯物10よりも弱い強度となっている。また、玩具本体部1bは、水が浸透しやすく耐水性の無い材料であるのに対して、遊戯物10は、耐水性を有している。
【0014】
図2は、遊戯物10の分解状態を示す概略図である。
図2に示すように、遊戯物10は、恐竜の胴体部分(前足部分も一体構成となっている)であり最も大きく構成された主部品11と、この主要部11よりも小さく構成された、例えば4つの副部品12,13,14,15と、を備えている。副部品は、例えば、頭部の副部品12、顎部の副部品13、後足部の副部品14、及び尾部の副部品15から構成されている。
【0015】
図3は、玩具1の第1形態1Fにおいて玩具本体部1b内の遊戯物10を示す概略図である。
図3に示すように、遊戯物10の主部品11及副部品12,13,14,15は、それぞれが分離された状態で、玩具本体部1b内にバラバラな状態で埋め込まれている。すなわち、遊戯物10は、その部品毎に石膏に密に接した状態で包まれるように収容されている。したがって、玩具本体部1bを破壊(疑似発掘操作)することで、複数の位置に埋められている恐竜の化石を模した各部品を取り出す。その後、取り出した各部品は、最終的な組み立て状態(第2形態2F)とする。
【0016】
玩具本体部1bは、石膏を主材料とした構成である。なお、玩具本体部1bは、例えば、繊維を混ぜ込んだり、石膏とは異なる粒子を混ぜたりすることでその強度を調整することができる。また、玩具本体部1bを形成するときに、その部位によって互いに異なる強度(部分的な素材調整)の石膏素材を複数使用することで、玩具本体部1bは、後述の如く破壊するときに、破壊されやすい部分を形成したり、破壊される部位、数、破片のサイズなどを予め設定可能である。
【0017】
玩具本体部1bの外径サイズは、例えば、5~10センチメートルに構成されており、玩具本体部1bと遊戯物10とを合わせてた重量は、例えば100~700グラムに構成されている。物品供給装置からの供給を可能とするため、玩具本体部1bは上述の外径サイズ、及び質量とすることが好ましい。
【0018】
ここで、玩具1は、上述のとおり、店頭において供給(販売)されるものではなく、物品供給装置から供給されるものである。物品供給装置は、玩具1をランダムな配置で複数収容可能な収容部と、代価の支払いを条件として収容部から一つずつ玩具1を供給可能に制御する制御部と、収容部から供給口へと通ずる通路部とを備えている。玩具1の玩具本体部1bは、石膏を主材料として構成されていることから、破損し易いという特徴を有しているため、物品供給装置は、玩具1の玩具本体部1bの破損を回避しつつ、ユーザの手元に供給可能な構成となっている。
【0019】
図4は、補助具30a(30)を玩具本体部1bの取り付け状態の一例を示す斜視図である。図5は、補助具30の取り付け状態の他の例を示す斜視図である。
図4に示すように、玩具本体部1bは、表面1bsの一部に平面部1fが形成されている。この補助具30a(30)を玩具本体部1bに取付けるときには、例えば、図4(a)に示すように、補助具30aを平面部1fに接するように配置し、その上から、包装材20により、平面部1fに補助具30aを押し付けるようにして固定(図4(b)参照)する。なお、包装材20は、例えば透明或いは光透過性で、ラッピング後に収縮するシュリンクフィルム等により構成することが望ましい。なお、補助具30aは、例えば、比較的硬い樹脂にて構成されたもので、図示の如く、一端側が鋭利な形状で他端側が平坦な面を有する形状となっており、玩具本体部1bの破壊を補助する。
【0020】
また、平面部1fには、例えば、図5に示すように、凹部1hが形成された構成である。凹部1hが形成された構造においては、補助具30aの他にはけ部材のような機能を有する補助具30bを含めて複数の補助具を収容することが容易である。この補助具30bの使い方としては、玩具本体部1bの破壊途中において、遊戯物10の一部が露出した玩具本体部1bの露出面を掃くようにして露出面を綺麗にしたり、或いは、散らばった玩具本体部1bの破片を掃き集めるなどに使用する。
【0021】
以下、球形状の第1形態1Fから遊戯物10の組立て状体の第2形態2Fに変化するときの玩具1の取り扱いや遊び方について、図6図9を参照して説明する。
図6は、補助具30aの使用例を示す概略図である。図7は、玩具本体部1bの分解状態の一例を示す斜視図である。
第1形態1Fの玩具1は、包装材20を取り外す。これにより、玩具本体部1bの平面部1fに取り付けられていた補助具30aを取り出す。図6に示すように、玩具本体部1bは、平面部1fを下にして載置台40上に置く。この状態から、内部に埋められている化石を発掘する疑似発掘作業となる。先ず、取り出した補助具30aを使って、例えば、補助具30aの鋭利な先端部を溝部1gに当て、例えば、木槌や金槌のような叩く道具にて補助具30aの上端部分を適度の力で叩く。これにより、溝部1gの部位或いはその付近から割れ1cが生じ、玩具本体部1bが割れ始める。
【0022】
玩具本体部1bの一部が破壊されと、図7に示すように、例えば、後足部の副部品14の一部が露出した状態の破壊片1kが取り出される。一方、玩具本体部1b側は、例えば、頭部の副部品12の一部が見えるように割れる。次に、破壊片1kの適所(副部品14が見えている境目或いはその近傍)に補助具30aの先端を当て、同様な殴打を繰り返すことで副部品14の周囲を砕いて副部品14を取り出す。このようにして玩具本体部1bの破壊を繰り返して、他の副部品12,13,15、及び主部品11を取り出す。
【0023】
ここで、副部品12,13,14,15が概ね先に出てくるが、これは、玩具本体部1b内には、副部品12,13,14,15よりも大きい主部品11が玩具本体部1bの内部の中央部に収容(図2を参照)されているためであり、表面1bsに近いところに埋め込まれている副部品12,13,14,15が先に掘り出される。そして、最終的に全ての副部品12,13,14,15、及び主部品11が玩具本体部1bから分離・取り出される(図2参照)。
【0024】
取り出された主部品11、及び副部品12,13,14,15は組み立てることができる。この組立て構造としては、特定するものではないが、例えば、図8に示すような取り付け構造を採用することができる。
【0025】
図8に示すように、例えば、主部品11の所定位置に形成された球形の内広がりの嵌合凹部10aに対して、頭部の副部品12には、先端が球形状の嵌合凸部10bが形成されている。したがって、嵌合凹部10aに嵌合凸部10bを押し込むように嵌合することで、両部品は連結される。なお、嵌合部分が球形であると、主部品11に対する副部品12の向きを自在に変えることができる。言い換えると、胴部分に対する頭部の向きを自在に変更できる。なお、他の副部品13,14,15にも同じ嵌合凸部10bが設けられており、主部品11には、各副部品に対応する嵌合凹部10aが設けられている。このようにして、各部品を連結することで、図9に示すような、例えば、ティラノサウルス型の恐竜模型が完成される。
【0026】
以上述べたように、本実施形態の玩具1においては、第1形態1Fの玩具本体部1bを破壊しないと遊戯物10を取り出すことができないので、玩具本体部1bの破壊という非日常的な行為と、遊戯物10を壊さないように取り出すという、破壊とは反対の操作(疑似発掘)を楽しむことができる。
【0027】
また、本実施形態の玩具1は、その初期の形状が球形状(第1形態1F)であるので、転動でき物品供給装置による供給がし易い。
【0028】
また、本実施形態の玩具1においては、玩具本体部1bを見ても内部にある遊戯物10が何であるかを想像しながら破壊(疑似発掘)をする楽しみがある。
【0029】
本実施形態の玩具1は、玩具本体部1bの表面1bsに溝部1gが形成されているので、岩や土の感じを出すことができる。また、玩具本体部1bを破壊し始めるときに、溝部1gに補助具30の先端を引っ掛けることができて破壊し易い。
【0030】
また、溝部1gは、表面1bsに不規則に形成されているので、岩や土の感じをより一層出すことができる。
【0031】
本実施形態の玩具1は、玩具本体部1bが遊戯物10に隙間無く密に接していることで、遊戯物10と玩具本体部1bとを分離するのが難しくなる。この結果、遊戯物10を岩石内から取出す疑似体験を楽しむことができる。
【0032】
本実施形態の玩具1では、玩具本体部1bは、破砕されるときに複数の部位に分離されるので、発掘時の岩の破壊感を醸し出すことができる。また、玩具本体部1bは、複数の部位が異なる大きさとなるように分離可能に構成されているので、破壊に際して、自然の岩石などの質感をより正確に出すことができ、発掘の疑似体験を楽しむことができる。
【0033】
本実施形態の玩具1では、玩具本体部1bの表面1bsの一部に平面部1fが形成されているので、平面部1fによって、転動が回避されて載置し易くなる。また、破壊のとき安定し、破壊の力を加え易くできる。
【0034】
本実施形態の玩具1は、玩具本体部1bの破壊を補助する補助具30を予め備えることで、破壊のための道具を別途用意する必要がなく、遊び勝手を良くすることができる。
【0035】
また、本実施形態の玩具1においては、玩具本体部1bの表面1bsに平面部1fが設けられてることで、包装材20にて平面部1fに補助具30を固定し易くできる。また、包装材20にて玩具本体部1bが包まれることにより、表面1bsが削れるのを回避することができ、取扱い性の向上を図ることができる。
【0036】
本実施形態の玩具1は、玩具本体部1bが遊戯物10よりも弱い強度にて構成されているので、玩具本体部1bの破壊操作によって、遊戯物10を壊すことなく玩具本体部1bと分離することができる。
【0037】
本実施形態の玩具1では、玩具本体部1bは、耐水性の無い材料で構成され、遊戯物10は、耐水性のある材料で構成されているので、玩具本体部1bを水に濡らすことで破壊し易くできる。
【0038】
また、玩具本体部1bが石膏で構成されていると共に遊戯物10が成形樹脂で構成されているので、玩具本体部1bは破壊し易く、遊戯物10を玩具本体部1bから分離し易くできる。
【0039】
本実施形態の玩具1においては、玩具本体部1bと遊戯物10とは色が異なるので、玩具本体部1bを壊すときに遊戯物10を識別し易くでき、補助具30aを当てる位置が判り易い。
【0040】
本実施形態の玩具1によれば、遊戯物10が複数部品で分離した状態で玩具本体部1b内に離れた位置に収容されているので、各部品毎に個々に取り出す本物の発掘操作に近い状態にでき、遊戯物10の取出しを楽しむことができる。
【0041】
本実施形態の玩具1によれば、玩具本体部1b内に大きいサイズの主部品11を中央部に配置して収容することで、玩具本体部1b内に、より多くの部品を効率的に配置することができる。また、主部品11の周辺部に小さい副部品11,12,13等を配置したことで、副部品11,12,13を先に取り出すことになる。この結果、副部品11,12,13という一部のものから、この後、何が出てくるか遊戯物10の全体像の想像を掻き立てる演出ができる。
【0042】
本実施形態の玩具1によれば、遊戯物10は、主部品11に対し副部品12,13を連結可能に構成されているので、玩具本体部1bから取り出す楽しみの後に、組立てる楽しみができる。
【0043】
本実施形態の玩具1によれば、玩具本体部1bの外径サイズは、5~10センチメートルに構成され、玩具本体部1bと遊戯物10とを合わせた重量は、例えば100~700グラムに構成されているので、玩具本体部1bに補助具30a(図6参照)を当てて破壊するときに、扱いやすく不安定にならず安定させることができる。また、玩具1は、玩具本体部1bを転動可能な形状とすることで、物品供給装置からの供給時に、物品供給装置内の通路部を転動しながら移動することができ、供給時の玩具1の破損を回避することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、胴体部分を主要部としたが、必ずしも胴体部分が主要でなくてもよく、要は最も大きく構成された部分が主要部とするものである。
【0045】
また、上記実施形態においては、玩具本体部1bについて石膏を用いて構成する一方、遊戯物10については合成樹脂にて構成するようにしたが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。例えば、遊戯物10についても、玩具本体部1bよりも強度の高い石膏、他の素材を用いて構成してもよい。
【0046】
また、上記実施形態においては、岩石から発掘する恐竜の化石を発掘するする構成であったが、その他に、例えば日本の旧石器時代の石器、或いは縄文時代の火炎土器などのように、土から出土する遺跡物であってもよく、この場合、例えば玩具本体部1bを土を模した強度や色合いの構成であっても良い。
【0047】
また、上記実施形態においては、主部品11に対して全ての副部品12,13,14,15を連結するように構成したが、必ずしもこの構成に限るものではなく、副部品同士が連結する構造であっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 玩具
1bs 表面
1f 平面部
1g 溝部
10 玩具本体部
11 主部品
12,13,14,15 副部品
20 包装材
30a,30b 補助具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部から供給口へと通ずる通路部を備えている物品供給装置から供給可能な玩具であって、
卵状の形状を除く球状の形状を成し、前記通路部を転動可能な玩具本体部と、
前記玩具本体部の内部に収容されている遊戯物と、を備え、
前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊を条件として、遊戯可能である、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、球状型の形状を成している、
玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、前記遊戯物を視認不可能に構成されている、
玩具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、その表面に溝部が形成されている、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記溝部は、前記玩具本体部の表面に不規則に形成されている、
玩具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、前記玩具本体部と密に接して収容されている、
玩具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊されるときに複数の部位に分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、複数の部位が異なる大きさとなるように分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、その表面の一部に平面部が形成されている、
玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具であって、
前記玩具本体部の破壊を補助する補助具をさらに備え、
前記補助具は、破壊前の状態において、前記玩具本体部の前記平面部に隣接して設けられている、
玩具。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具であって、
前記補助具は、前記玩具本体部の表面を覆う包装材により、前記平面部に隣接して設けられている、
玩具。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、前記遊戯物よりも弱い強度にて構成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、耐水性の無い材料で構成されていると共に、前記遊戯物は、耐水性のある材料で構成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項13に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、石膏で構成されていると共に、前記遊戯物は、成形樹脂で構成されている、
玩具。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、第1色で形成されていると共に、前記遊戯物は、第1色とは異なる第2色で形成されている、
玩具。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部と前記遊戯物とを合わせた重量は、100~700グラムである、
玩具。
【請求項17】
請求項1~16の何れか一項に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、主部品と副部品との複数から構成され、前記玩具本体部の破壊前の状態において、各々分離した状態で、前記玩具本体部の内部の異なる位置に収容されている、
玩具。
【請求項18】
請求項17に記載の玩具であって、
前記玩具本体部内には、前記副部品よりも大きい前記主部品が前記玩具本体部の内部の中央部に収容され、前記主部品の周辺部に前記副部品が収容されている、
玩具。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊後の状態において、前記主部品に対し前記副部品を連結可能に構成されている、
玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る玩具は、収容部から供給口へと通ずる通路部を備えている物品供給装置から供給可能な玩具であって、卵状の形状を除く球状の形状を成し、前記通路部を転動可能な玩具本体部と、前記玩具本体部の内部に収容されている遊戯物と、を備え、前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊を条件として、遊戯可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムな配置で物品を複数収容可能な収容部から供給口へと通ずる通路部を備えている物品供給装置から供給可能な玩具であって、
卵状の形状を除く球状の形状を成し、表面の一部に平面部が形成され、前記通路部を転動可能な玩具本体部と、
前記玩具本体部の内部に収容されている遊戯物と、
前記玩具本体部の破壊を補助する補助具と、を備え、
前記補助具は、破壊前の状態において、前記平面部に隣接して設けられ、前記玩具本体部とともに前記通路部を転動可能に構成され、
前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊を条件として、遊戯可能である、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、球状型の形状を成している、
玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、前記遊戯物を視認不可能に構成されている、
玩具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊前の状態において、その表面に溝部が形成されている、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記溝部は、前記玩具本体部の表面に不規則に形成されている、
玩具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、前記玩具本体部と密に接して収容されている、
玩具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、破壊されるときに複数の部位に分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、複数の部位が異なる大きさとなるように分離可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の玩具であって、
前記補助具は、前記玩具本体部の表面を覆う包装材により、前記平面部に隣接して設けられている、
玩具。
【請求項10】
請求項1~の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、前記遊戯物よりも弱い強度にて構成されている、
玩具。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、耐水性の無い材料で構成されていると共に、前記遊戯物は、耐水性のある材料で構成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項11に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、石膏で構成されていると共に、前記遊戯物は、成形樹脂で構成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部は、第1色で形成されていると共に、前記遊戯物は、第1色とは異なる第2色で形成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の玩具であって、
前記玩具本体部と前記遊戯物とを合わせた重量は、100~700グラムである、
玩具。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、主部品と副部品との複数から構成され、前記玩具本体部の破壊前の状態において、各々分離した状態で、前記玩具本体部の内部の異なる位置に収容されている、
玩具。
【請求項16】
請求項15に記載の玩具であって、
前記玩具本体部内には、前記副部品よりも大きい前記主部品が前記玩具本体部の内部の中央部に収容され、前記主部品の周辺部に前記副部品が収容されている、
玩具。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の玩具であって、
前記遊戯物は、前記玩具本体部の破壊後の状態において、前記主部品に対し前記副部品を連結可能に構成されている、
玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る玩具の一態様は、ランダムな配置で物品を複数収容可能な収容部から供給口へと通ずる通路部を備えている物品供給装置から供給可能な玩具であって、卵状の形状を除く球状の形状を成し、表面の一部に平面部が形成され、通路部を転動可能な玩具本体部と、玩具本体部の内部に収容されている遊戯物と、玩具本体部の破壊を補助する補助具と、を備え、補助具は、破壊前の状態において、平面部に隣接して設けられ、玩具本体部とともに通路部を転動可能に構成され、遊戯物は、玩具本体部の破壊を条件として、遊戯可能である。