(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187061
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】動態解析情報管理装置、動態解析システム、プログラム及びデータ構造
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20221212BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20221212BHJP
【FI】
G16H30/20
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094867
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角森 昭教
(72)【発明者】
【氏名】中村 一起
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】動態画像に対して動態解析を行う動態解析アプリケーションソフトウェアごとに、解析結果を管理する。
【解決手段】被写体の動態を撮影して得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行うAA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cを利用可能な動態解析情報管理装置10において、病院端末30X,30Y,30Z,・・・から、解析対象の動態画像、及び、利用する解析アプリを特定するための特定情報を受信し、特定情報に対応する解析アプリを選択し、解析対象の動態画像に対して選択された解析アプリによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、選択された解析アプリと関連付けて管理する。動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、所定の機能又は所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置であって、
外部端末から、解析対象の動態画像、及び、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアのうち利用する動態解析アプリケーションソフトウェアを特定するための特定情報を受信する受信部と、
前記特定情報に対応する動態解析アプリケーションソフトウェアを選択する選択部と、
前記解析対象の動態画像に対して前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理する管理部と、
を備え、
前記動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含むこと、
を特徴とする動態解析情報管理装置。
【請求項2】
前記動態解析結果を前記外部端末に送信する送信部を備え、
前記受信部が、前記外部端末から、前記所定の機能又は前記所定の疾患に関する医師による確定診断を示す確定診断情報を受信し、
前記管理部が、前記確定診断情報を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理すること、
を特徴とする請求項1に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項3】
前記確定診断情報は、医師の診断に基づく前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す情報を含むこと、
を特徴とする請求項2に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項4】
前記確定診断情報は、疾患名を示す情報を含むこと、
を特徴とする請求項2又は3に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項5】
前記所定の機能は、換気機能、血流機能又は整形機能を含むこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項6】
前記所定の疾患は、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、間質性肺炎又は喘息を含むこと、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項7】
前記特定情報は、動態解析アプリケーションソフトウェアの名称、前記所定の機能の名称、前記所定の疾患の名称、部位、病院名、診療科又は医師名であること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項8】
前記解析対象の動態画像を規格化し、当該規格化された動態画像を前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアに提供する規格化部を備えること、
を特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置。
【請求項9】
外部端末と、被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置と、を備える動態解析システムであって、
前記外部端末が、解析対象の動態画像、及び、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアのうち利用する動態解析アプリケーションソフトウェアを特定するための特定情報を前記動態解析情報管理装置に送信する送信部を備え、
前記動態解析情報管理装置が、前記特定情報に対応する動態解析アプリケーションソフトウェアを選択する選択部と、前記解析対象の動態画像に対して前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理する管理部と、を備え、
前記動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含むこと、
を特徴とする動態解析システム。
【請求項10】
前記動態解析情報管理装置が、前記動態解析結果を前記外部端末に送信する第2送信部を備え、
前記外部端末が、前記動態解析結果を表示する表示部と、前記所定の機能又は前記所定の疾患に関する医師による確定診断を示す確定診断情報を受け付ける受付部と、を備え、
前記送信部が、前記確定診断情報を前記動態解析情報管理装置に送信し、
前記管理部が、前記確定診断情報を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理すること、
を特徴とする請求項9に記載の動態解析システム。
【請求項11】
被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置のコンピューターに、
外部端末から、解析対象の動態画像、及び、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアのうち利用する動態解析アプリケーションソフトウェアを特定するための特定情報を受信する受信処理と、
前記特定情報に対応する動態解析アプリケーションソフトウェアを選択する選択処理と、
前記解析対象の動態画像に対して前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理する管理処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含むこと、
を特徴とするプログラム。
【請求項12】
被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置で用いられるデータ構造であって、
前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアの中から選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果データと、
前記動態解析結果データと関連付けられた、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアに関するデータと、
を含み、
前記動態解析結果データは、動態解析により得られた解析値データと、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果データと、を含むこと、
を特徴とするデータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動態解析情報管理装置、動態解析システム、プログラム及びデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像は、呼吸に伴う肺の動きや血流の動き等を観察できることから、病気の診断に役立つことが期待されている。
その一方で、動態画像は複数のフレーム画像から構成されているため、その情報は、静止画に比べて膨大であり、動態画像から診断に有効な情報を読み取ろうとすると、時間がかかってしまう。
【0003】
このような問題に対し、動態画像を解析するための様々なアプリケーションソフトウェア(解析アプリ)が開発されている。医用画像に対する解析処理としては、異常領域を検出する処理、正常であるか異常であるかを判定する処理、診断に用いる定量的な値を算出する処理等がある。
【0004】
例えば、診断対象画像に対し固有のアルゴリズムに従って第1の読影結果を出力する複数の診断支援手段(CAD)と、複数の第1の読影結果を取得し、所定の判定基準に従って、複合的な診断支援に基づく第2の読影結果を生成する判定処理手段と、を備える複合画像診断支援システムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムでは、第2の読影結果が有病であった診断対象画像を記憶する第1の画像データベースと、第2の読影結果が無病であった診断対象画像を記憶する第2の画像データベースにより、画像を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、複合的な有病/無病の判定結果に基づいて診断対象画像を管理しているが、複数の診断支援手段(解析アプリ)ごとに解析結果を管理するものではなく、解析アプリごとに正常例/異常例のデータを収集することは困難であった。また、特許文献1に記載の技術においては、複数の診断支援手段は同じ目的(病気αの有無判定等)で解析を行うものであり、異なる目的の解析アプリごとに情報を管理する仕組みにはなっていなかった。
【0007】
通常、医師は、正常な状態がどのようなものであるかを知った上で画像に異常がないかを判断している。そのため、動態画像の解析アプリの開発等においては、異常例のデータに加え、正常例のデータも収集する必要がある。
【0008】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、動態画像に対して動態解析を行う動態解析アプリケーションソフトウェアごとに、解析結果を管理することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置であって、外部端末から、解析対象の動態画像、及び、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアのうち利用する動態解析アプリケーションソフトウェアを特定するための特定情報を受信する受信部と、前記特定情報に対応する動態解析アプリケーションソフトウェアを選択する選択部と、前記解析対象の動態画像に対して前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理する管理部と、を備え、前記動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動態解析情報管理装置において、前記動態解析結果を前記外部端末に送信する送信部を備え、前記受信部が、前記外部端末から、前記所定の機能又は前記所定の疾患に関する医師による確定診断を示す確定診断情報を受信し、前記管理部が、前記確定診断情報を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理すること、を特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の動態解析情報管理装置において、前記確定診断情報は、医師の診断に基づく前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す情報を含むこと、を特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の動態解析情報管理装置において、前記確定診断情報は、疾患名を示す情報を含むこと、を特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置において、前記所定の機能は、換気機能、血流機能又は整形機能を含むこと、を特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置において、前記所定の疾患は、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、間質性肺炎又は喘息を含むこと、を特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置において、前記特定情報は、動態解析アプリケーションソフトウェアの名称、前記所定の機能の名称、前記所定の疾患の名称、部位、病院名、診療科又は医師名であること、を特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の動態解析情報管理装置において、前記解析対象の動態画像を規格化し、当該規格化された動態画像を前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアに提供する規格化部を備えること、を特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、外部端末と、被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置と、を備える動態解析システムであって、前記外部端末が、解析対象の動態画像、及び、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアのうち利用する動態解析アプリケーションソフトウェアを特定するための特定情報を前記動態解析情報管理装置に送信する送信部を備え、前記動態解析情報管理装置が、前記特定情報に対応する動態解析アプリケーションソフトウェアを選択する選択部と、前記解析対象の動態画像に対して前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理する管理部と、を備え、前記動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含むこと、を特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の動態解析システムにおいて、前記動態解析情報管理装置が、前記動態解析結果を前記外部端末に送信する第2送信部を備え、前記外部端末が、前記動態解析結果を表示する表示部と、前記所定の機能又は前記所定の疾患に関する医師による確定診断を示す確定診断情報を受け付ける受付部と、を備え、前記送信部が、前記確定診断情報を前記動態解析情報管理装置に送信し、前記管理部が、前記確定診断情報を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理すること、を特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置のコンピューターに、外部端末から、解析対象の動態画像、及び、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアのうち利用する動態解析アプリケーションソフトウェアを特定するための特定情報を受信する受信処理と、前記特定情報に対応する動態解析アプリケーションソフトウェアを選択する選択処理と、前記解析対象の動態画像に対して前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアと関連付けて管理する管理処理と、を実行させるためのプログラムであって、前記動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含むこと、を特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアを利用可能な動態解析情報管理装置で用いられるデータ構造であって、前記一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェアの中から選択された動態解析アプリケーションソフトウェアによる動態解析が行われることで得られた動態解析結果データと、前記動態解析結果データと関連付けられた、前記選択された動態解析アプリケーションソフトウェアに関するデータと、を含み、前記動態解析結果データは、動態解析により得られた解析値データと、前記所定の機能又は前記所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果データと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、動態画像に対して動態解析を行う動態解析アプリケーションソフトウェアごとに、解析結果を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における動態解析システムのシステム構成図である。
【
図2】動態解析情報管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】マスターDBのデータ構成例を示す図である。
【
図4】(a)は、AA解析アプリに対応するアプリごとDBのデータ構成例を示す図である。(b)は、BB解析アプリに対応するアプリごとDBのデータ構成例を示す図である。
【
図5】病院端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】動態解析情報管理処理を示すラダーチャートである。
【
図7】動態解析情報管理処理を示すラダーチャートである。
【
図8】動態解析情報管理処理を示すラダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る動態解析システムの実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0024】
[第1の実施の形態]
<動態解析システムの構成>
図1に、第1の実施の形態における動態解析システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、動態解析システム100は、動態解析情報管理装置10と、各病院(X病院、Y病院、Z病院、・・・)に所属する医師が使用する外部端末としての病院端末30X,30Y,30Z,・・・と、を備えて構成されている。動態解析情報管理装置10と病院端末30X,30Y,30Z,・・・とは、インターネット等の通信ネットワークNTを介してデータ通信可能に接続されている。
【0025】
動態解析情報管理装置10は、病院端末30X,30Y,30Z,・・・から送信された動態画像に対して動態解析を行う一つ以上の動態解析アプリケーションソフトウェア(以下、「解析アプリ」という。)としてのAA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cを利用可能となっている。
【0026】
動態を撮影する際には、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、又は、低線量にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得する。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。動態撮影では、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動、血流、四肢関節の動き等が撮影対象となる。
【0027】
AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cは、それぞれ、被写体(患者)の動態を撮影することにより得られた動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行うものである。
所定の機能は、換気機能、血流機能、整形機能等を含む。例えば、換気機能に関する動態解析では、換気機能を評価するための定量的な解析値を算出する処理や、換気機能が正常であるか異常であるかを判定する処理等が行われる。
所定の疾患は、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)、肺塞栓症、間質性肺炎、喘息等を含む。例えば、COPDに関する動態解析では、COPDを診断するための定量的な解析値を算出する処理や、COPD(異常)であるか正常であるかを判定する処理等が行われる。
【0028】
AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cは、動態解析情報管理装置10にインストールされることで利用可能となっている。例えば、AA解析アプリ20AはCOPD用の解析アプリであり、BB解析アプリ20Bは整形用の解析アプリであり、CC解析アプリ20Cは肺塞栓症用の解析アプリである等、各解析アプリの目的は異なるものであってもよいし、同じであってもよい。以下、AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cを特に区別しない場合には、解析アプリ20と記す。ここでは、動態解析情報管理装置10が三つの解析アプリ20を利用可能であることとしたが、動態解析情報管理装置10が利用可能な解析アプリ20の数は、これに限定されるものではない。
【0029】
動態解析情報管理装置10の制御部11は、病院端末30X,30Y,30Z,・・・から指定された解析アプリ20に動態画像の解析を依頼し、当該解析アプリ20により得られた動態解析結果を管理する。また、動態解析情報管理装置10は、病院端末30X,30Y,30Z,・・・において、医師が動態解析結果を参照しながら診断した確定診断を示す確定診断情報を管理する。
【0030】
病院端末30X,30Y,30Z,・・・は、各病院内で使用されるPC(Personal Computer)、タブレット端末等のコンピューター装置である。病院端末30X,30Y,30Z,・・・は、被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像を動態解析情報管理装置10に送信する。以下、病院端末30X,30Y,30Z,・・・を特に区別しない場合には、病院端末30と記す。
【0031】
<動態解析情報管理装置の構成>
図2に、動態解析情報管理装置10の機能的構成を示す。
図2に示すように、動態解析情報管理装置10は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15、AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20C等を備えて構成されている。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、動態解析情報管理装置10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部15に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0033】
操作部12は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0034】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0035】
通信部14は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNTを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0036】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部15には、病院端末30に搭載されたWebブラウザーとHTTPプロトコルによる通信を行ってWebブラウザーに各種Web画面を提供するWebサーバーとしての機能を実現させるためのWebサーバープログラムや、Webサーバー上で動作し、Webブラウザーを介して病院端末30のユーザーに動態解析情報管理サービスを提供するためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。
【0037】
また、記憶部15には、AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cをそれぞれ実現させるための動態解析アプリケーションプログラムが記憶されている。
【0038】
また、記憶部15には、マスターDB(DataBase)151、アプリごとDB152が記憶されている。また、記憶部15は、画像格納領域153を有する。
【0039】
マスターDB151は、解析依頼があった動態画像ごとに、当該動態画像に対して行われる動態解析に係る解析アプリ20や動態解析結果、医師による確定診断情報等を管理するためのデータベースである。
【0040】
図3に、マスターDB151のデータ構成例を示す。
マスターDB151には、動態画像ごとに、病院ID、病院名、患者ID、患者氏名、撮影日、装置名、フレームレート、フレーム数、依頼医師名、依頼解析アプリ名_k、依頼解析アプリID_k、判定結果_k、レポート_k、確定診断情報、SOPインスタンスUID等が対応付けられて格納される。ここで、kは1~nの整数であり、nは動態画像に対して利用する解析アプリ20の数である。
【0041】
病院ID、病院名は、それぞれ、動態画像が撮影された病院の識別情報、名称である。
患者ID、患者氏名は、それぞれ、動態画像の撮影対象とされた患者の識別情報、氏名である。
撮影日は、動態画像が撮影された日付である。
装置名は、動態画像が撮影された装置(モダリティー)の名称である。
フレームレートは、動態画像の1秒あたりのフレーム画像の数である。
フレーム数は、動態画像を構成する一連のフレーム画像の数である。
依頼医師名は、動態画像の解析を依頼した医師の氏名である。
【0042】
依頼解析アプリ名_k、依頼解析アプリID_kは、それぞれ、動態画像に対する解析が依頼されたk番目の解析アプリ20の名称、識別情報である。
判定結果_kは、動態画像に対してk番目の解析アプリ20による動態解析が行われることで得られた判定結果である。
レポート_kは、動態画像に対してk番目の解析アプリ20により作成されたレポートである。ここでは、レポートのファイル名により、レポートを特定している。
【0043】
確定診断情報は、動態画像に対して医師により診断された確定診断を示す情報である。
SOPインスタンスUIDは、動態画像に付与された識別情報である。マスターDB151内のレコードは、SOPインスタンスUIDにより、画像格納領域153に保存された動態画像と関連付けられる。
【0044】
アプリごとDB152は、動態解析情報管理装置10が利用可能な解析アプリ20ごとに用意されている。アプリごとDB152のそれぞれは、当該アプリごとDB152に対応する解析アプリ20を利用する動態解析の依頼があった動態画像ごとに、当該解析アプリ20による動態解析に係る動態解析結果を管理するためのデータベースである。
【0045】
図4(a)及び(b)に、アプリごとDB152のデータ構成例を示す。
図4(a)は、AA解析アプリ20Aに対応するアプリごとDB152であり、
図4(b)は、BB解析アプリ20Bに対応するアプリごとDB152である。
アプリごとDB152には、当該アプリごとDB152に対応する解析アプリ20を利用する動態解析の依頼があった動態画像ごとに、解析アプリID、病院ID、患者ID、解析値、判定結果、レポート、SOPインスタンスUID等が対応付けられて格納される。
【0046】
解析アプリIDは、アプリごとDB152に対応する解析アプリ20の識別情報である。例えば、
図4(a)に示すアプリごとDB152では、「解析アプリID」フィールドに、AA解析アプリ20Aに対応する「1111」が格納される。
解析値は、動態画像に対してアプリごとDB152に対応する解析アプリ20による動態解析が行われることで得られた解析値である。解析値が複数ある場合には、解析値1、解析値2等として区別する。
判定結果は、動態画像に対してアプリごとDB152に対応する解析アプリ20による動態解析が行われることで得られた判定結果である。判定結果は、所定の機能又は所定の疾患についての正常又は異常を示す情報である。判定結果としては、「正常」又は「異常」でもよいし、「COPD疑い」等の疾患名を明示することで「異常」であることを示すものでもよい。
レポートは、動態画像に対してアプリごとDB152に対応する解析アプリ20により作成されたレポートである。ここでは、レポートのファイル名により、レポートを特定している。
アプリごとDB152内のレコードは、SOPインスタンスUIDにより、画像格納領域153に保存された動態画像と関連付けられる。
【0047】
画像格納領域153には、各病院の病院端末30から受信した動態画像のファイルが格納される。
動態画像には、付帯情報が付帯されている。付帯情報には、検査ID、撮影日、装置名、部位、患者ID、患者氏名、生年月日、性別、SOPインスタンスUID、フレームレート、フレーム数、病院ID、病院名等が含まれる。
検査IDは、動態画像に係る検査の識別情報である。
部位は、検査(撮影)の対象とされた部位である。
生年月日、性別は、それぞれ、動態画像の撮影対象とされた患者の生年月日、性別である。
【0048】
また、記憶部15には、ユーザー情報テーブル154が記憶されている。
ユーザー情報テーブル154は、動態解析システム100を利用するユーザー(医師)ごとに、ユーザーに関するユーザー情報を管理するためのテーブルである。ユーザー情報テーブル154には、ユーザーごとに、ユーザーID、パスワード、医師名、電話番号、メールアドレス、病院名、診療科等が対応付けられて格納される。
ユーザーIDは、ユーザーの識別情報である。
パスワードは、ユーザーがシステムにログインする際のユーザー認証に用いられる。
医師名、電話番号、メールアドレスは、それぞれ、ユーザー(医師)の氏名、電話番号、メールアドレスである。
病院名は、ユーザーが所属する病院の名称である。
診療科は、ユーザーが所属する診療科である。
【0049】
AA解析アプリ20Aは、動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う処理部であり、制御部11とAA解析アプリ20Aに対応する動態解析アプリケーションプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
BB解析アプリ20Bは、動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う処理部であり、制御部11とBB解析アプリ20Bに対応する動態解析アプリケーションプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
CC解析アプリ20Cは、動態画像に対して所定の機能又は所定の疾患に関する動態解析を行う処理部であり、制御部11とCC解析アプリ20Cに対応する動態解析アプリケーションプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0050】
通信部14(受信部)は、病院端末30から、解析対象の動態画像、及び、一つ以上の解析アプリ20のうち利用する解析アプリ20を特定するための特定情報を受信する。第1の実施の形態では、特定情報として、解析アプリ名(解析アプリ20の名称)を用いる。
【0051】
制御部11(選択部)は、動態解析情報管理装置10において利用可能な一つ以上の解析アプリ20の中から、病院端末30から受信した特定情報に対応する解析アプリ20を選択する。
【0052】
制御部11(規格化部)は、解析対象の動態画像を規格化し、当該規格化された動態画像を、選択された解析アプリ20に提供する。規格化とは、予め定められた規格に合わせて統一化することをいう。
【0053】
制御部11(管理部)は、解析対象の動態画像に対して選択された解析アプリ20による動態解析が行われることで得られた動態解析結果を、選択された解析アプリ20と関連付けて管理する。
動態解析結果は、動態解析により得られた解析値と、所定の機能又は所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果と、を含む。
【0054】
通信部14(送信部、第2送信部)は、動態解析結果を病院端末30に送信する。
通信部14(受信部)は、病院端末30から、所定の機能又は所定の疾患に関する医師による確定診断を示す確定診断情報を受信する。
確定診断情報は、医師の診断に基づく所定の機能又は所定の疾患についての正常又は異常を示す情報を含む。
確定診断情報は、疾患名(COPD、肺塞栓症、間質性肺炎、喘息等)を示す情報を含む。
【0055】
制御部11(管理部)は、病院端末30から受信した確定診断情報を、選択された解析アプリ20と関連付けて管理する。
【0056】
<病院端末の構成>
図5に、病院端末30の機能的構成を示す。
図5に示すように、病院端末30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35等を備えて構成されている。
【0057】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、病院端末30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部35に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0058】
操作部32は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。また、操作部32が、表示部33に積層されたタッチパネルを備え、ユーザーの指等によるタッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部31に出力することとしてもよい。
例えば、操作部32は、解析対象の動態画像に対して、動態解析情報管理装置10において利用可能な一つ以上の解析アプリ20のうち利用する解析アプリ20(解析を依頼する解析アプリ20)を指定する際、確定診断情報を入力する際に用いられる。
【0059】
表示部33は、LCD等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0060】
通信部34は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNT、LAN(Local Area Network)等を介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0061】
記憶部35は、HDD、SSD等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部35には、Webブラウザーを実現させるためのWebブラウザープログラム等が記憶されている。
【0062】
通信部34(送信部)は、解析対象の動態画像、及び、一つ以上の解析アプリ20のうち利用する解析アプリ20を特定するための特定情報を動態解析情報管理装置10に送信する。
【0063】
表示部33は、動態解析情報管理装置10から受信した動態解析結果を表示する。
操作部32(受付部)は、所定の機能又は所定の疾患に関する医師による確定診断を示す確定診断情報を受け付ける。
通信部34(送信部)は、確定診断情報を動態解析情報管理装置10に送信する。
【0064】
<動態解析システムの動作>
次に、動態解析システム100における動作について説明する。
以下の処理に先立ち、病院端末30から動態解析情報管理装置10にアクセスする際には、ログイン処理が行われる。
まず、病院端末30において、医師が、操作部32を操作して、動態解析情報管理装置10にアクセスすると、動態解析情報管理装置10の制御部11は、通信部14を介して、動態解析情報管理サービスのログイン画面を表示するための表示用データを病院端末30に送信する。
病院端末30の表示部33には、ログイン画面が表示され、医師は、操作部32を操作して、ユーザーID及びパスワードを入力する。
【0065】
動態解析情報管理装置10の制御部11は、病院端末30において入力されたユーザーID及びパスワードの組み合わせが、記憶部15のユーザー情報テーブル154に登録されている情報と一致した場合に、病院端末30からの動態解析情報管理装置10の利用を許可する(ユーザー認証)。
【0066】
図6、
図7及び
図8は、動態解析情報管理装置10と、或る病院に設置された病院端末30と、により実行される動態解析情報管理処理を示すラダーチャートである。動態解析情報管理装置10における処理は、制御部11と記憶部15に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現され、病院端末30における処理は、制御部31と記憶部35に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。なお、
図6、
図7及び
図8においては、分かりやすいように、AA解析アプリ20A及びBB解析アプリ20Bを、動態解析情報管理装置10とは独立して記載している。
【0067】
病院内のモダリティーにおいて、被写体(患者)の動態が撮影されると、病院端末30の制御部31は、通信部34を介して、モダリティーから動態画像を取得する(ステップS1)。動態画像には、検査ID、撮影日、装置名、部位、患者ID、患者氏名、生年月日、性別、SOPインスタンスUID、フレームレート、フレーム数、病院ID、病院名等の付帯情報が付帯されている。
【0068】
次に、制御部31は、医師の操作部32からの操作により、動態解析を依頼する解析アプリ20の指定を受け付ける(ステップS2)。例えば、病院端末30の表示部33に、動態解析情報管理装置10が利用可能な全ての解析アプリ20が候補として表示され、医師は、表示された解析アプリ20の中から解析に利用する解析アプリ20を指定する。
【0069】
次に、病院端末30の通信部34は、解析対象の動態画像と、指定された解析アプリ20を特定するための特定情報(以下、「アプリ特定情報」という。)と、を動態解析情報管理装置10に送信する(ステップS3)。ここでは、アプリ特定情報として、解析アプリ名を用いる。
【0070】
動態解析情報管理装置10では、通信部14が、解析対象の動態画像と、アプリ特定情報と、を受信する(ステップS4)。
動態解析情報管理装置10の制御部11は、病院端末30から受信した解析対象の動態画像を画像格納領域153に格納するとともに、マスターDB151において、病院端末30から受信した解析対象の動態画像のレコードを作成する(ステップS5)。具体的には、制御部11は、解析対象の動態画像の付帯情報から病院ID、病院名、患者ID、患者氏名、撮影日、装置名、フレームレート、フレーム数、SOPインスタンスUIDを取得し、これらの情報を、新規のレコードとして、マスターDB151に登録する。また、制御部11は、ユーザー情報テーブル154からログインユーザーのユーザーIDに対応する医師名を取得し、この医師名を、マスターDB151の該当するレコード(解析対象の動態画像のレコード)の「依頼医師名」フィールドに格納する。
【0071】
次に、制御部11は、病院端末30から受信したアプリ特定情報(解析アプリ名)に基づいて、アプリ特定情報に対応する解析アプリ20を選択する(ステップS6)。制御部11は、ステップS2において指定された数の解析アプリ20を選択する。
【0072】
次に、制御部11は、マスターDB151に、選択された解析アプリ20を登録する(ステップS7)。具体的には、制御部11は、マスターDB151の該当するレコードに対して、選択された解析アプリ20ごとに、k番目の解析アプリ20の解析アプリ名を「依頼解析アプリ名_k」フィールドに格納し、k番目の解析アプリ20の解析アプリIDを「依頼解析アプリID_k」フィールドに格納する。kは1~nの整数であり、nは選択された解析アプリ20の数である。
【0073】
また、制御部11は、選択された解析アプリ20に対応するアプリごとDB152において、解析対象の動態画像のレコードを作成する(ステップS8)。具体的には、制御部11は、選択された解析アプリ20に対応するアプリごとDB152に、新規のレコードとして、解析アプリID、病院ID、患者ID、SOPインスタンスUIDを登録する。より詳細には、制御部11は、マスターDB151の解析対象の動態画像のレコードに含まれる、選択された解析アプリ20に対応する「依頼解析アプリID_k」フィールドの値を、選択された解析アプリ20に対応するアプリごとDB152の「解析アプリID」フィールドに格納する。また、制御部11は、マスターDB151の解析対象の動態画像のレコードに含まれる「病院ID」、「患者ID」、「SOPインスタンスUID」フィールドの値を、選択された解析アプリ20に対応するアプリごとDB152の「病院ID」、「患者ID」、「SOPインスタンスUID」フィールドに格納する。
【0074】
次に、制御部11は、病院端末30から受信した解析対象の動態画像を規格化する(ステップS9)。例えば、制御部11は、病院端末30から受信したオリジナルの動態画像を、予め定められた動画仕様(フレームレート、解像度等)に合わせる。制御部11は、規格化された動態画像についても、画像格納領域153に格納する。
【0075】
次に、
図7に移行し、制御部11は、選択された解析アプリ20に、解析対象の動態画像(規格化後の動態画像)の解析を依頼する(ステップS10)。ここでは、AA解析アプリ20A及びBB解析アプリ20Bが選択されていることとする。制御部11は、AA解析アプリ20A及びBB解析アプリ20Bに、規格化後の動態画像を渡し、動態解析を依頼する。
【0076】
AA解析アプリ20Aは、規格化後の動態画像を取得し(ステップS11)、規格化後の動態画像に対してAA解析アプリ20Aに係る動態解析を行い、動態解析に関するレポートを作成する(ステップS12)。
AA解析アプリ20Aは、動態解析結果(解析値、判定結果)及びレポートを出力する(ステップS13)。
【0077】
図9に、胸部を撮影した動態画像に対してCOPD用の解析アプリ20により作成されたCOPD検査のレポート40の例を示す。レポート40には、患者情報領域41、解析値領域42,43、判定結果領域44,45,46等が含まれる。
患者情報領域41には、患者の氏名、性別、患者ID、生年月日、身長、体重、BMI等の患者情報が含まれる。
解析値領域42,43には、動態画像に対する動態解析により得られた解析値が含まれる。解析値領域42の値は肺野面積変化率であり、解析値領域43の値は横隔膜変位(右・左)である。
判定結果領域44には、肺野面積変化率に基づいて判定されたCOPDの可能性が、三角マーク44Aの位置により、示されている。
判定結果領域45には、横隔膜変位に基づいて判定されたCOPDの可能性が、三角マーク45Aの位置により、示されている。
判定結果領域46には、COPDであるか、正常であるかを示す総合的な判定結果が含まれる。ここでは、「COPD疑い」という判定結果が示されている。
【0078】
BB解析アプリ20Bも、同様に、規格化後の動態画像を取得し(ステップS14)、規格化後の動態画像に対してBB解析アプリ20Bに係る動態解析を行い、動態解析に関するレポートを作成し(ステップS15)、動態解析結果(解析値、判定結果)及びレポートを出力する(ステップS16)。
【0079】
動態解析情報管理装置10の制御部11は、解析を依頼した解析アプリ20(AA解析アプリ20A及びBB解析アプリ20B)のそれぞれから、動態解析結果及びレポートを取得する(ステップS17)。
【0080】
次に、制御部11は、各解析アプリ20から取得した動態解析結果及びレポートを、記憶部15のマスターDB151、アプリごとDB152に登録する(ステップS18)。
【0081】
具体的には、制御部11は、利用した解析アプリ20に対応するアプリごとDB152のそれぞれにおいて、該当するレコードの「解析値1,2,・・・」、「判定結果」フィールドに動態解析結果(解析値、判定結果)を格納し、「レポート」フィールドにレポートのファイル名を格納する。すなわち、制御部11は、ステップS6で選択された解析アプリ20ごとに、当該解析アプリ20による動態解析で得られた動態解析結果を、当該解析アプリ20に対応するアプリごとDB152に格納することで、動態解析結果を解析アプリ20と関連付ける。なお、レポートのファイル自体は、記憶部15に記憶される。
【0082】
また、制御部11は、マスターDB151の該当するレコードに対し、利用した解析アプリ20ごとに、当該解析アプリ20の判定結果を、当該解析アプリ20に対応する「判定結果_k」フィールドに格納し、当該解析アプリ20のレポートのファイル名を、当該解析アプリ20に対応する「レポート_k」フィールドに格納する。すなわち、制御部11は、ステップS6で選択された解析アプリ20ごとに、当該解析アプリ20による動態解析で得られた判定結果を、マスターDB151の該当するレコードに含まれる「依頼解析アプリ名_k」、「依頼解析アプリID_k」に対応する「判定結果_k」フィールドに格納することで、判定結果を解析アプリ20と関連付ける。
【0083】
次に、
図8に移行し、動態解析情報管理装置10の通信部14は、利用した解析アプリ20のそれぞれから取得した動態解析結果及びレポートを、病院端末30に送信する(ステップS19)。
【0084】
病院端末30では、通信部34が、各解析アプリ20の動態解析結果及びレポートを受信すると(ステップS20)、制御部31は、各解析アプリ20の動態解析結果及びレポートを表示部33に表示させる(ステップS21)。
医師は、表示部33に表示された動態解析結果及びレポートを確認する。
【0085】
次に、病院端末30において、制御部31は、医師の操作部32からの操作により、所定の機能又は所定の疾患に関する確定診断を示す確定診断情報の入力を受け付ける(ステップS22)。医師は、動態解析結果及びレポートを参考にしながら解析対象の動態画像を読影し、所定の機能又は所定の疾患についての正常又は異常を示す情報や、疾患名を示す情報を入力する。
通信部34は、確定診断情報を動態解析情報管理装置10に送信する(ステップS23)。
【0086】
動態解析情報管理装置10では、通信部14が、病院端末30から送信された確定診断情報を受信すると(ステップS24)、制御部11は、マスターDB151の該当するレコードに対して、確定診断情報を登録する(ステップS25)。制御部11は、病院端末30から受信した確定診断情報を、マスターDB151の該当するレコードに含まれる「依頼解析アプリ名_k」、「依頼解析アプリID_k」と関連付けることで、確定診断情報を解析アプリ20(確定診断情報の診断対象とされた動態画像に対して解析を行った解析アプリ20)と関連付ける。
以上で、動態解析情報管理処理が終了する。
【0087】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、動態解析情報管理装置10は、病院端末30から受信したアプリ特定情報に対応する解析アプリ20を選択し、選択された解析アプリ20の動態解析結果を、選択された解析アプリ20と関連付けて管理するので、動態画像に対して動態解析を行う解析アプリ20ごとに、解析結果を管理することができる。特に、動態解析結果が、解析値と、正常又は異常を示す判定結果と、を含むことで、動態解析情報管理装置10は、解析アプリ20ごとに、正常例(解析値と、「正常」という判定結果が得られたデータ)及び異常例(解析値と、「異常」という判定結果が得られたデータ)を管理(蓄積)することができる。
蓄積された正常例及び異常例のデータは、解析アプリ20の開発、改良に伴う機械学習等に役立てることができる。
【0088】
アプリごとDB152においては、当該アプリごとDB152に対応する解析アプリ20による動態解析が行われることで得られた動態解析結果データと、当該アプリごとDB152に対応する解析アプリ20に関するデータ(解析アプリID)と、が関連付けられている。
動態解析結果データは、動態解析により得られた解析値データと、所定の機能又は所定の疾患についての正常又は異常を示す判定結果データと、を含む。
【0089】
例えば、AA解析アプリ20Aにより解析が行われた動態画像について、正常例(判定結果が正常)のデータを収集する場合には、AA解析アプリ20Aに対応するアプリごとDB152から、「判定結果」フィールドが「正常」であるレコードを抽出し、このレコードに含まれる「SOPインスタンスUID」により、画像格納領域153に格納されている動態画像を特定する。また、抽出されたレコードに含まれる「解析値」についても、動態画像とともに利用することができる。
【0090】
また、AA解析アプリ20Aにより解析が行われた動態画像について、異常例(判定結果が異常又は疾患名)のデータを収集する場合には、AA解析アプリ20Aに対応するアプリごとDB152から、「判定結果」フィールドが「異常」又は「疾患名」であるレコードを抽出し、このレコードに含まれる「SOPインスタンスUID」により、画像格納領域153に格納されている動態画像を特定する。また、抽出されたレコードに含まれる「解析値」についても、動態画像とともに利用することができる。
【0091】
また、動態解析情報管理装置10は、医師による確定診断を示す確定診断情報についても、解析に利用した解析アプリ20と関連付けて管理することで、動態画像に対する最終的な診断結果を動態解析結果とともに蓄積することができる。これにより、解析アプリ20により自動的に生成された動態解析結果だけでなく、医師の診断に係る確定診断情報を含む、質の良いデータベースを構築することができる。
【0092】
例えば、AA解析アプリ20Aにより解析が行われた動態画像について、正常例(確定診断情報が正常)のデータを収集する場合には、マスターDB151から、「依頼解析アプリ名_k」フィールドが「AA」、「確定診断情報」フィールドが「正常」であるレコードを抽出し、このレコードに含まれる「SOPインスタンスUID」により、画像格納領域153に格納されている動態画像を特定する。また、抽出されたレコードに含まれるAA解析アプリ20Aに対応する「判定結果_k」についても、動態画像とともに利用することができる。また、AA解析アプリ20Aによる動態解析の解析値については、AA解析アプリ20Aに対応するアプリごとDB152から、「SOPインスタンスUID」に基づいて、取得可能である。
なお、確定診断情報が正常のデータを、AA解析アプリ20Aによる判定結果(正常、異常、疾患名等)に応じて、分類してもよい。
【0093】
また、AA解析アプリ20Aにより解析が行われた動態画像について、異常例(確定診断情報が異常又は疾患名)のデータを収集する場合には、マスターDB151から、「依頼解析アプリ名_k」フィールドが「AA」、「確定診断情報」フィールドが「異常」又は「疾患名」であるレコードを抽出し、このレコードに含まれる「SOPインスタンスUID」により、画像格納領域153に格納されている動態画像を特定する。また、抽出されたレコードに含まれるAA解析アプリ20Aに対応する「判定結果_k」についても、動態画像とともに利用することができる。また、AA解析アプリ20Aによる動態解析の解析値については、AA解析アプリ20Aに対応するアプリごとDB152から、「SOPインスタンスUID」に基づいて、取得可能である。
なお、確定診断情報が異常又は疾患名のデータを、AA解析アプリ20Aによる判定結果(正常、異常、疾患名等)に応じて、分類してもよい。
【0094】
また、解析対象の動態画像に対して、動画仕様(フレームレート、解像度等)を合わせる等の規格化を施した後に解析アプリ20に提供するので、各病院で各種モダリティーにより生成された様々な動態画像を扱う状況(マルチベンダー)において、オリジナルの動態画像の動画仕様によらず、動態解析に対応可能となる。
【0095】
なお、第1の実施の形態では、アプリ特定情報として解析アプリ名を用いる場合について説明したが、アプリ特定情報として解析アプリIDを用いることとしてもよい。
また、アプリ特定情報は、解析アプリ20を直接指定する内容でなくてもよい。例えば、アプリ特定情報として、動態解析の目的である機能の名称又は疾患の名称を用いることとしてもよい。この場合、病院端末30を操作する医師が、ステップS2で機能の名称又は疾患の名称を指定することで、病院端末30から動態解析情報管理装置10に機能の名称又は疾患の名称が送信され、動態解析情報管理装置10では、ステップS6で機能の名称又は疾患の名称に対応する解析アプリ20が選択される。
【0096】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における動態解析システムは、第1の実施の形態に示した動態解析システム100と同様の構成であるため、
図1、
図2及び
図5を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。また、マスターDB151、アプリごとDB152についても、
図3及び
図4に示した構成と同様とする。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0097】
第2の実施の形態では、各病院が動態解析情報管理装置10の利用について動態解析情報管理装置10を管理する会社と契約した時に、当該病院が利用する解析アプリ20を設定しておくこととする。
例えば、X病院が、動態解析情報管理装置10が提供する動態解析情報管理サービスを利用するための契約において、AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cのうち、AA解析アプリ20A及びBB解析アプリ20Bを指定した場合、動態解析情報管理装置10の管理者は、X病院と、指定されたAA解析アプリ20A及びBB解析アプリ20Bと、の対応関係を登録する。
【0098】
動態解析情報管理装置10の記憶部15には、病院名と解析アプリ20との対応関係を示す解析アプリ設定テーブルが記憶されている。解析アプリ設定テーブルでは、設定対象となる病院名に対して、一つ以上の解析アプリ20が対応付けられている。
【0099】
動態解析情報管理装置10の管理者は、表示部13に表示される設定画面において、契約内容に従って、操作部12からの操作により、設定対象の病院名と、当該病院名に対して指定された解析アプリ20と、を選択する。そして、制御部11は、選択された病院名と解析アプリ20とを対応付けて解析アプリ設定テーブルに格納する。
【0100】
次に、第2の実施の形態の動態解析システムにおける動作について説明する。ここでは、
図6、
図7及び
図8に示した動態解析情報管理処理において、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
【0101】
第2の実施の形態では、動態解析情報管理処理において、ステップS2が省略される。すなわち、病院端末30を操作する医師による意識的な解析アプリ20の指定は行われない。
【0102】
病院端末30では、ステップS3において、通信部34は、動態画像と、アプリ特定情報としての病院名と、を動態解析情報管理装置10に送信する(ステップS3)。具体的には、動態画像の付帯情報に病院名が含まれているため、病院端末30から動態解析情報管理装置10に動態画像を送信することで、病院名も送信することになる。
【0103】
動態解析情報管理装置10では、ステップS6において、制御部11は、病院端末30から受信したアプリ特定情報(病院名)に基づいて、アプリ特定情報に対応する解析アプリ20を選択する(ステップS6)。具体的には、制御部11は、記憶部15に記憶されている解析アプリ設定テーブルを参照して、病院端末30から受信した病院名に対応する解析アプリ20を特定し、この解析アプリ20を選択する(ステップS6)。
動態解析情報管理処理において、その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0104】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、予め病院名と解析アプリ20との対応関係を解析アプリ設定テーブルに設定しておくことにより、動態解析情報管理装置10は、病院端末30から動態解析情報管理装置10に送信される病院名に基づいて、解析に利用する解析アプリ20を選択することができる。また、第1の実施の形態と同様、選択された解析アプリ20の動態解析結果を、選択された解析アプリ20と関連付けて管理するので、動態画像に対して動態解析を行う解析アプリ20ごとに、解析結果を管理することができる。
【0105】
第2の実施の形態では、動態画像の付帯情報として、病院端末30から動態解析情報管理装置10にアプリ特定情報(病院名)を送信することとしたが、病院端末30から動態解析情報管理装置10にログインユーザーのユーザーIDを送信することで、動態解析情報管理装置10の制御部11が、ユーザー情報テーブル154からユーザーIDに対応する病院名(動態解析を依頼した医師が所属する病院)を特定することとしてもよい。
また、各病院端末30に割り当てられたIPアドレスと、各病院端末30の病院名と、を予め対応付けておくことで、動態解析情報管理装置10の制御部11が、病院端末30のIPアドレスから病院名を特定することとしてもよい。
動態解析情報管理装置10では、制御部11が、解析アプリ設定テーブルを参照して、特定した病院名に対応する解析アプリ20を選択する。
【0106】
また、第2の実施の形態では、病院端末30から動態解析情報管理装置10に送信されるアプリ特定情報として、病院名を用いる場合について説明したが、アプリ特定情報として、診療科又は医師名を用いることとしてもよい。具体的には、解析アプリ設定テーブルにおいて、診療科又は医師名に対して、一つ以上の解析アプリ20を設定しておく。また、動態画像の付帯情報に、診療科(動態画像が撮影された診療科、動態解析を依頼した医師が所属する診療科)又は医師名(動態解析を依頼した医師)が含まれることとし、病院端末30から動態解析情報管理装置10に動態画像を送信することで、アプリ特定情報(診療科又は医師名)を送信する。
動態解析情報管理装置10では、制御部11が、解析アプリ設定テーブルを参照して、病院端末30から受信したアプリ特定情報(診療科又は医師名)に基づいて、アプリ特定情報に対応する解析アプリ20を選択する。
また、アプリ特定情報として診療科又は医師名を用いる場合に、病院端末30から動態解析情報管理装置10にログインユーザーのユーザーIDを送信することで、動態解析情報管理装置10の制御部11が、ユーザー情報テーブル154からユーザーIDに対応する診療科又は医師名を特定することとしてもよい。
【0107】
また、アプリ特定情報として、部位(動態画像の撮影対象部位)を用いることとしてもよい。具体的には、解析アプリ設定テーブルにおいて、部位に対して、一つ以上の解析アプリ20を設定しておく。動態画像の付帯情報に部位が含まれているため、病院端末30から動態解析情報管理装置10に動態画像を送信することで、アプリ特定情報(部位)も送信することになる。
動態解析情報管理装置10では、制御部11が、解析アプリ設定テーブルを参照して、病院端末30から受信したアプリ特定情報(部位)に基づいて、アプリ特定情報に対応する解析アプリ20を選択する。
【0108】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る動態解析システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0109】
例えば、上記各実施の形態では、マスターDB151において、解析対象の動態画像のレコードに確定診断情報と解析アプリ20の情報(依頼解析アプリ名_k、依頼解析アプリID_k等)が含まれることで、確定診断情報を動態解析に利用した解析アプリ20と関連付けることとしたが、マスターDB151に「確定診断情報」フィールドを設けずに、解析対象の動態画像のレコード中の「判定結果_k」を確定診断情報の内容で更新することで、確定診断情報を動態解析に利用した解析アプリ20と関連付けることとしてもよい。
また、動態解析に利用した解析アプリ20に対応するアプリごとDB152において、解析対象の動態画像のレコード中の「判定結果」を確定診断情報の内容で更新することで、確定診断情報を動態解析に利用した解析アプリ20と関連付けることとしてもよい。
【0110】
また、上記各実施の形態では、AA解析アプリ20A、BB解析アプリ20B、CC解析アプリ20Cが、動態解析情報管理装置10の内部で動作する場合について説明したが、各解析アプリ20は、動態解析情報管理装置10が利用可能であればよく、動態解析情報管理装置10の外部で動作するものであってもよい。例えば、或る解析アプリ20が、当該解析アプリ20を提供するアプリ提供会社のサーバー装置等、動態解析情報管理装置10の外部で処理を実行するものである場合に、ステップS10において、動態解析情報管理装置10の通信部14は、動態画像及び解析依頼指示を解析アプリ20(アプリ提供会社のサーバー装置等)に送信し、ステップS17において、動態解析情報管理装置10の通信部14は、解析アプリ20から送信された動態解析結果及びレポートを受信する。
【0111】
また、上記各実施の形態では、動態解析情報管理装置10において、病院端末30から受信した状態のオリジナルの動態画像と、規格化された動態画像の両方を画像格納領域153に保存することとしたが、オリジナルの動態画像と、規格化された動態画像のいずれか一方を画像格納領域153に保存することとしてもよい。
【0112】
各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体としては、上記の例に限定されず、可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 動態解析情報管理装置
11 制御部
14 通信部
15 記憶部
20A AA解析アプリ
20B BB解析アプリ
20C CC解析アプリ
30 病院端末
30X,30Y,30Z,・・・ 病院端末
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
40 レポート
100 動態解析システム
151 マスターDB
152 アプリごとDB
NT 通信ネットワーク