(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187119
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、血圧推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/021 20060101AFI20221212BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20221212BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A61B5/021
A61B5/0245 A
A61B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094963
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】樋口 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小川 莉絵子
(72)【発明者】
【氏名】足立 佳久
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬文
(72)【発明者】
【氏名】富澤 亮太
(72)【発明者】
【氏名】田中 怜
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA10
4C017AB05
4C017AC26
4C017BB12
4C017BC11
4C017BC16
4C117XA01
4C117XB01
4C117XE43
4C117XK18
(57)【要約】
【課題】血圧に影響を与える複数の要因を考慮して血圧を推定できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、被測定者の生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報から複数の特徴量を決定する特徴量決定部と、複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、被測定者が属する分類を選択する分類選択部と、分類に応じて選択された血圧推定モデルに、複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する血圧推定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報から複数の特徴量を決定する特徴量決定部と、
前記複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、前記被測定者が属する分類を選択する分類選択部と、
前記分類に応じて選択された血圧推定モデルに、前記複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する血圧推定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の特徴量は、前記複数の特徴量から前記分類に応じて選択された特徴量である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記血圧推定モデルは、前記分類に応じて選択された係数と前記第2の特徴量が入力される変数とを含む血圧推定式を含む、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分類選択部は、前記第1の特徴量と前記基準との関係に基づいて前記分類を選択する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生体情報は、前記被測定者の生理状態を示す生理状態情報を含み、
前記複数の特徴量は、前記生理状態情報から決定された特徴量を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生体情報は、前記被測定者の属性を示す属性情報を含み、
前記複数の特徴量は、前記属性情報から決定された特徴量を含む、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の特徴量は、血圧及び脈拍数からなる群より選択される少なくとも一種に関連する特徴量を含み、
前記基準は、血圧に関する血圧基準、及び脈拍数に関する脈拍数基準からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の特徴量は、前記血圧基準及び前記脈拍数基準からなる群より選択される少なくとも一種に関連する特徴量を含む、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1の特徴量から、前記第1の特徴量の特徴を示す指標を決定する評価指標決定部を更に備え、
前記基準は、前記指標に関連する基準を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記指標は、血圧に関する血圧指標、及び脈拍数に関する脈拍数指標からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
被測定者の生体情報を取得する工程と、
前記生体情報から複数の特徴量を決定する工程と、
前記複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、前記被測定者が属する分類を選択する工程と、
前記分類に応じて選択された血圧推定モデルに、前記複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する工程と、
を含む血圧推定方法。
【請求項12】
コンピュータに、
被測定者の生体情報を取得する機能と、
前記生体情報から複数の特徴量を決定する機能と、
前記複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、前記被測定者が属する分類を選択する機能と、
前記分類に応じて選択された血圧推定モデルに、前記複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する機能と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、血圧推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、安静時の脈波伝搬時間と心拍数とを基準値として予め測定しておき、被測定者の当該基準値からの脈波伝搬時間の変動と心拍数の変動とに基づいて、血圧を算出するためのパラメータ係数を補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血管を圧迫して血圧を測定する場合、被測定者にとって不快感を与える。しかし、複数の要因が影響して血圧は変動するため、血管を圧迫せずに血圧を推定するためには、血圧に影響を与える複数の要因に関して考慮する必要がある。特許文献1に開示された技術では、血管を圧迫せずに血圧を推定するために、安静時の脈波伝搬時間と心拍数とを基準値として予め測定しておく必要がある。そのため、特許文献1に開示された技術は、安静時の脈波伝搬時間と心拍数とが測定されていない被測定者に関して、血圧を正確に算出できないおそれがある。そこで、本開示の一態様は、血圧に影響を与える複数の要因を考慮して血圧を推定できる情報処理装置、血圧推定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、被測定者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報から複数の特徴量を決定する特徴量決定部と、前記複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、前記被測定者が属する分類を選択する分類選択部と、前記分類に応じて選択された血圧推定モデルに、前記複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する血圧推定部と、を備える。
【0006】
本開示の一態様に係る血圧推定方法は、被測定者の生体情報を取得する工程と、前記生体情報から複数の特徴量を決定する工程と、前記複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、前記被測定者が属する分類を選択する工程と、前記分類に応じて選択された血圧推定モデルに、前記複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する工程と、を含む。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、被測定者の生体情報を取得する機能と、前記生体情報から複数の特徴量を決定する機能と、前記複数の特徴量に含まれる第1の特徴量に関連する基準によって分類された複数の分類から、前記被測定者が属する分類を選択する機能と、前記分類に応じて選択された血圧推定モデルに、前記複数の特徴量に含まれる第2の特徴量を入力して推定血圧を出力する機能と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3A】特徴量セットに含まれる特徴量の種別の一例を示す図である。
【
図3B】特徴量セットに含まれる特徴量の種別の一例を示す図である。
【
図3C】特徴量セットに含まれる特徴量の種別の一例を示す図である。
【
図5】第一実施形態に係る情報処理装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図5に続く処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に続く処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8A】各分類に対応する第2の特徴量に含まれる特徴量を示す図である。
【
図8B】各分類に対応する血圧推定式の係数と切片の一例を示す図である。
【
図9】第一実施形態の変形例に係る血圧推定式の係数と切片の一例を示す図である。
【
図10】第二実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図11】第二実施形態に係る情報処理装置が分類を選択する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一実施形態)
図1~
図9を参照して、第一実施形態について説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1~
図4Bを参照して、情報処理装置103の構成について説明する。
図1は、測定システム100の一例を示す図である。測定システム100は、撮像装置102と情報処理装置103とを含む。
【0011】
撮像装置102は、撮像装置102に対向する被測定者101を撮影し、被測定者101の体表の像を含む画像を取得する。具体的には、撮像装置102は、予め定められたフレームレートで、予め定められた時間、被測定者101を撮影し、測定対象110の体表の像を含む画像を取得する。例えば、撮像装置102は、15~300fps(frames per second)で、0.1~120秒間、被測定者101を撮影し、被測定者101の体表の像を含む画像を取得する。例えば、撮像装置102は、RGBカメラである。
【0012】
情報処理装置103は、撮像装置102によって取得された画像等に基づいて、被測定者101の血圧を推定する。例えば、情報処理装置103は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、血圧推定専用端末等である。
【0013】
図2は、情報処理装置103の構成の一例を示す図である。情報処理装置103は、記憶部201と、制御部202とを備える。
【0014】
記憶部201は、各種データ、プログラム等を記録可能な記録媒体であり、例えば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等により構成される。記憶部201には、血圧推定モデルデータベース220と、基準情報221とが記憶される。血圧推定モデルデータベース220は、複数の血圧推定モデル222を格納する。血圧推定モデル222は、生体に関する特徴量と、当該生体の血圧との関係を示す。
【0015】
基準情報221は、生体の特徴に関連する複数の分類を分類する基準を示す。基準情報221が複数の基準を示す場合、複数の基準は、互いに異なる種別の情報に関連する基準を示す。具体的には、基準情報221によって示される基準は、生体の生理状態に関連する情報に関する基準を含む。例えば、基準情報221によって示される基準は、血圧に関する血圧基準、及び脈拍数に関する脈拍数基準からなる群より選択される少なくとも一種を含む。血圧基準は、最高血圧、最低血圧、脈圧、平均血圧等に関する基準である。また、例えば、基準情報221によって示される基準は、血圧及び脈拍数とは異なる情報に関する基準を含んでもよい。
【0016】
また、例えば、基準情報221によって示される基準は、生体の属性に関連する情報に関する基準を含んでもよい。例えば、生体の属性に関連する情報に関する基準は、性別、年齢、身長、体重等に関する基準である。
【0017】
制御部202は、記憶部201に格納されるプログラム及びデータに従って、各種処理を実行する。制御部202は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって実現される。
【0018】
制御部202は、光源調整部203と、体表領域抽出部204と、脈波算出部205と、生体情報取得部206と、特徴量決定部207と、分類選択部208と、特徴量選択部209と、血圧推定部210とを含む。
【0019】
光源調整部203は、撮像装置102が被測定者101を撮影する撮影環境における光源の強度を調整する。
【0020】
体表領域抽出部204は、撮像装置102によって取得された画像231から、体表領域を抽出する。体表領域は、画像231に含まれる被測定者101の体表の像の領域であって、複数の画素を含んで構成される。体表領域は、被測定者101の顔領域の像を分割した領域であってもよい。例えば、体表領域は、被測定者101の額の領域、頬の領域、指先の領域、手首の領域、手のひらの領域等であってもよい。または、体表領域は、被測定者101の額の領域、頬の領域、指先の領域、手首の領域、手のひらの領域等を分割した領域であってもよい。
【0021】
脈波算出部205は、体表の同一の位置に対応する体表領域の画素値を示す時系列の信号から、脈波232を算出する。本開示において、脈波232とは、体表の同一の位置に関して、血管の容積の変化を示す時系列の信号である。
【0022】
生体情報取得部206は、被測定者101の生体情報233を取得する。生体情報233は、生理状態情報234を含んでもよい。生理状態情報234は、被測定者101の生理状態を示す。生理状態情報234は、心電信号、体表面温度等を示す情報を含んでもよい。さらに、生体情報233は、属性情報235を含む。属性情報235は、被測定者101の属性を示す。例えば、属性情報235は、被測定者101の年齢、性別、身長、体重等を示す。
【0023】
特徴量決定部207は、生体情報233から複数の特徴量を決定する。具体的には、特徴量決定部207は、生体情報233から複数の特徴量を示す特徴量セット236を決定する。特徴量セット236によって示される複数の特徴量は、互いに異なる種別の特徴を示す。各特徴量の種別は、予め決定されているものとする。特徴量セット236によって示される複数の特徴量は、血圧及び脈拍数からなる群より選択される少なくとも一種に関連する特徴量を含む。
【0024】
分類選択部208は、複数の分類から被測定者101が属する分類238を選択する。複数の分類は、特徴量セット236によって示される複数の特徴量に含まれる、第1の特徴量237に関連する基準によって分類される。基準情報221によって示される基準は、第1の特徴量237に関連する。
【0025】
特徴量選択部209は、特徴量セット236によって示される複数の特徴量から第2の特徴量239を選択する。血圧推定部210は、分類238に応じて血圧推定モデルデータベース220から血圧推定モデル222を選択する。具体的には、血圧推定部210は、分類238に応じて選択された血圧推定モデル222に、第2の特徴量239を入力して推定血圧240を出力する。推定血圧240は、被測定者101の血圧の推定値である。
【0026】
図3Aから
図3Cは、特徴量セット236に含まれる特徴量x
1から特徴量x
nの一例を示す図である。nは自然数である。x
kは、特徴量セット236に含まれる各特徴量を示す。ここで、kは1以上且つn以下の自然数である。
【0027】
例えば、
図3Aに例示する特徴量セット236は、特徴量x
1から特徴量x
4を含む。
図3Aに例示する特徴量セット236においては、特徴量x
1から特徴量x
4が、それぞれ脈波1拍の時間、脈波の立ち上がり角度、脈波1拍の積分値、体重を示す。また、例えば、
図3Bに例示する特徴量セット236は、特徴量x
1から特徴量x
5を含む。
図3Bに例示する特徴量セット236においては、特徴量x
1から特徴量x
5が、それぞれ脈波の立ち上がり角度、心電信号のR波間隔、体表面温度、年齢、身長を示す。また、例えば、
図3Cに例示する特徴量セット236は、特徴量x
1から特徴量x
6を含む。
図3Cに例示する特徴量セット236においては、特徴量x
1から特徴量x
6が、それぞれ脈波のピーク間隔、脈波の立ち上がり角度、脈波1拍の積分値、身長、体重、性別を示す。なお、特徴量セット236に含まれる特徴量は上記の6種類に限らない。例えば、特徴量セット236に含まれる特徴量は、脈波の立下り時間、脈波の振幅等を示してもよい。
【0028】
図4Aは、基準情報221の一例を示す図である。
図4Bは、
図4Aに例示される基準情報221によって示される基準によって分類された分類401から分類404の一例を示す図である。分類401から分類404は、最高血圧が130mmHg以上であるか否かとの基準と、脈拍数が70bpm以上であるか否かとの基準とによって分類される。具体的には、
図4Aに例示する基準情報221は、最高血圧が130mmHg以上であり、且つ脈拍数70bpm以上を満たす場合、分類401に分類されることを示す。また、
図4Aに例示する基準情報221は、最高血圧が130mmHg以上であり、且つ脈拍数70bpm未満を満たす場合、分類402に分類されることを示す。また、
図4Aに例示する基準情報221は、最高血圧が130mmHg未満であり、且つ脈拍数70bpm未満が分類403に分類されることを示す。また、
図4Aに例示する基準情報221は、最高血圧が130mmHg未満であり、且つ脈拍数70bpm以上が分類403に分類されることを示す。
【0029】
図5から
図7は、情報処理装置103で実行される処理の一例を示すフローチャートである。本例では、撮像装置102が予め定められた時間、被測定者101を撮影後、制御部202は、
図5に例示するステップS501の処理を開始する。撮像装置102が撮影をする場合、光源調整部203は、撮像装置102が被測定者101の体表を撮像する撮影環境における光源の強度を調整する。ただし、撮影環境が被測定者101の体表を適切に撮影可能な照明環境である場合、光源調整部203は光源の強度を調整しなくてもよい。
【0030】
さらに、制御部202が
図5に例示するステップS501の処理を開始する時点において、記憶部201には、基準情報221が記憶されているものとする。さらに、制御部202がステップS501の処理を開始する時点において、血圧推定モデルデータベース220には、複数の血圧推定モデル222が格納されているものとする。例えば、情報処理装置103は、ステップS501の処理を開始する前に、回帰法、パターン認識、多変量解析、統計分析、機械学習等の手法を、一つ又は複数用いて学習し、血圧推定モデル222を生成する。例えば、情報処理装置103は、被測定者101の生理状態情報と属性情報とを含む生体情報を説明変数として、被測定者101の腕部を圧迫して測定された血圧を目的変数として、線形の回帰式の重み係数等を算出する。そして、情報処理装置103は、複数の被測定者101に関して算出された重み係数等を学習し、血圧推定モデル222を生成する。血圧推定モデル222は、複数の分類のうちの分類に応じた係数と第2の特徴量が入力される変数とを含む血圧推定式を含む。情報処理装置103は、生成した血圧推定モデル222を記憶部201に格納する。
【0031】
まず、
図5を参照しながら、情報処理装置103で実行される処理について説明する。
【0032】
ステップS501において体表領域抽出部204は、撮像装置102によって取得された画像231を取得し、取得した画像231を記憶部201に格納する。ステップS502において体表領域抽出部204は、記憶部201に格納された画像231から体表領域を抽出する。
【0033】
ステップS503において脈波算出部205は、脈波232を算出する。具体的には、脈波算出部205は、被測定者101の体表領域から画素値情報を抽出する。画素値情報は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)毎の体表領域の各画素の画素値の統計値である。例えば、画素値の統計値は、画素値の平均値、中央値または最頻値である。そして、脈波算出部205は、予め定められた時間にわたり、体表領域の動画像から、画素値情報の時間的な変化を示す信号を抽出する。そして、脈波算出部205は、独立成分分析、色素成分分離、バンドパスフィルタ等により、抽出された信号を処理し、処理された結果を脈波232として算出する。
【0034】
ステップS504において生体情報取得部206は、生理状態情報234を取得する。例えば、生体情報取得部206は、心電信号、体表面温度を示す生理状態情報234を取得する。
【0035】
ステップS505において生体情報取得部206は、属性情報235を取得する。属性情報235は、被測定者101の年齢、性別、身長、体重等を示す。例えば、被測定者101は、キーボード、タッチパネル等を利用して、被測定者101の年齢、性別、身長、体重等を入力する。その場合、生体情報取得部206は、入力された被測定者101の年齢、性別、身長、体重等を属性情報235として取得する。
【0036】
例えば、情報処理装置103は、年齢に関して0歳から19歳、20歳から59歳、及び60歳以上等の範囲を被測定者101に提示してもよい。その場合、被測定者101は、提示された範囲から、自身の年齢が属する範囲を選択する。同様に、情報処理装置103は、身長、体重に関して、身長、体重の範囲を被測定者101に提示してもよい。その場合、被測定者101は、提示された範囲から、自身の身長、体重が属する範囲を選択する。
【0037】
ステップS506において生体情報取得部206は、ステップS503で取得された生理状態情報234と、ステップS504で取得された属性情報235とを含む生体情報233を生成する。そして、制御部202は、処理を
図6に例示するステップS601に移行する。
【0038】
次に、
図6を参照しながら、情報処理装置103で実行される処理について引き続き説明する。
【0039】
ステップS601において特徴量決定部207は、生体情報233から複数の特徴量を示す特徴量セット236を決定する。具体的には、特徴量決定部207は、生体情報233から、予め定められた複数の種別の特徴量を決定し、決定した複数の種別の特徴量を示す特徴量セット236を生成する。
【0040】
特徴量セット236によって示される複数の特徴量は、生理状態情報234から決定された特徴量を含む。例えば、生理状態情報234から決定された特徴量は、脈波232の特徴を示し、脈波1拍分の積分値、脈波1拍分の所要時間、脈波232の立ち上がり角度、脈波232の立下り時間、脈波232の振幅等である。特徴量として示される脈波1拍分の積分値は、脈波2拍分以上における脈波1拍分の積分値の平均値や中央値であってもよい。特徴量として示される脈波1拍分の所要時間は、脈波2拍分以上における脈波1拍分の所要時間の平均値や中央値であってもよい。また、特徴量として示される脈波232の立ち上がり角度は、脈波2拍分以上における脈波1拍分の立ち上がり角度の平均値や中央値であってもよい。特徴量として示される脈波232の立下り時間、脈波232の振幅についても、同様に、脈波2拍分以上における脈波1拍分の立下り時間又は振幅の平均値や中央値であってもよい。
【0041】
また、特徴量セット236によって示される複数の特徴量は、属性情報235から決定された特徴量を含んでもよい。例えば、属性情報235が性別を示す場合、属性情報235によって示される性別を示す特徴量として、男性=1、女性=2等の数値を決定する。
【0042】
また、例えば、属性情報235が年齢を示す場合、特徴量決定部207は、属性情報235によって示される年齢を示す特徴量として、0歳から19歳=1、20歳から59歳=2、60歳以上=3等の数値を決定する。同様に、例えば、属性情報235が身長、体重等を示す場合、特徴量決定部207は、属性情報235によって示される身長、体重等を示す特徴量として、身長、体重の範囲毎の数値を決定する。
【0043】
ステップS602において分類選択部208は、特徴量セット236によって示される複数の特徴量から、基準情報221によって示される基準に関連する第1の特徴量237を決定する。例えば、第1の特徴量237は、血圧基準及び脈拍数基準からなる群より選択される少なくとも一種に関連する特徴量を含んでもよい。
【0044】
例えば、基準情報221によって示される基準が血圧基準を含む場合、分類選択部208は、特徴量セット236によって示される脈波232の立ち上がり角度を、第1の特徴量237に含まれる特徴量として決定する。また、例えば、基準情報221によって示される基準が脈拍数基準を含む場合、分類選択部208は、特徴量セット236によって示される脈波232の1拍の所要時間を、第1の特徴量237に含まれる特徴量として決定する。
【0045】
ステップS603において分類選択部208は、基準情報221から判定対象の基準を選択する。ステップS604において分類選択部208は、第1の特徴量237のうちで、選択された判定対象の基準に関連する特徴量が、判定対象の基準を満たすか否かを判定する。
【0046】
例えば、判定対象の基準が最高血圧の閾値を含むとする。その場合、分類選択部208は、第1の特徴量237によって示される脈波232の立ち上がり角度に基づいて算出される最高血圧が、判定対象の基準によって示される閾値を超えるか否かを判定する。
【0047】
また、例えば、判定対象の脈拍数の閾値を含むとする。その場合、分類選択部208は、第1の特徴量237によって示される脈波232の1拍の所要時間に基づいて算出される脈拍数が、判定対象の基準によって示される閾値を超えるか否かを判定する。
【0048】
ステップS605において分類選択部208は、基準情報221によって示される全ての基準について判定したか否かを判定する。基準情報221によって示される全ての基準について、第1の特徴量237が判定対象の基準を満たすか否かを判定していない場合、制御部202は処理をステップS603に戻す。つまり、分類選択部208は、基準情報221によって示される全ての基準について判定するまで、ステップS603からステップS605までの処理を繰り返す。一方、基準情報221によって示される全ての基準について、第1の特徴量237が判定対象の基準を満たすか否かを判定した場合、制御部202は処理をステップS606に移行する。
【0049】
ステップS606において分類選択部208は、基準情報221によって示される全ての基準についての判定結果から、被測定者101が属する分類238を決定する。具体的には、分類選択部208は、第1の特徴量237と基準情報221によって示される基準との関係に基づいて、分類238を選択する。制御部202は、ステップS603からステップS606の処理を実行することにより、第1の特徴量237と、基準情報221によって示される基準とに基づいて、複数の分類から被測定者101が属する分類238を選択する。そして、制御部202は、処理を
図7に例示するステップS701に移行する。
【0050】
次に、
図7を参照しながら、情報処理装置103で実行される処理について引き続き説明する。
【0051】
ステップS701において特徴量選択部209は、特徴量セット236によって示される複数の特徴量から第2の特徴量239を選択する。本例では、第2の特徴量239は分類238に応じて選択された特徴量である。第2の特徴量239は、第1の特徴量237と同一であってもよい。
【0052】
ステップS702において血圧推定部210は、分類238に応じて血圧推定モデルデータベース220から血圧推定モデル222を選択する。ステップS703において血圧推定部210は、選択された血圧推定モデル222に第2の特徴量239を入力して推定血圧240を算出する。血圧推定モデル222は、分類238に応じて選択された係数と第2の特徴量239が入力される変数とを含む血圧推定式を含む。ステップS704において血圧推定部210は、推定血圧240を出力する。例えば、血圧推定部210は、推定血圧240を示す文字を液晶ディスプレイ等に表示させる。または、例えば、血圧推定部210は、推定血圧240を示す音声をスピーカから出力してもよい。
【0053】
例えば、血圧推定部210は、分類238に応じて選択された係数Wと、分類238に応じた定数Cとを含む血圧推定式Y=W・X+Cに、分類238に応じた被測定者101の複数の種別の第2の特徴量Xを入力して、被測定者101の推定血圧Yを推定する。つまり、血圧推定部210は、被測定者101の生理状態及び身体的特徴等から選択された被測定者101の属する分類に応じた重みで、異なる種別の特徴量を複合的に考慮して、被測定者101の推定血圧を推定する。これにより、血圧推定部210は、被測定者101の生理状態及び身体的特徴等に応じて、被測定者101の血圧に影響を与える複数の要因を考慮して、被測定者101の血圧を推定できる。
【0054】
図8Aは、分類401から分類404のそれぞれに対応する、第2の特徴量Xa
401からXa
404に含まれる特徴量を示す。第2の特徴量Xa
401から第2の特徴量Xa
404は、分類401から分類404のそれぞれに対応する第2の特徴量239に含まれる特徴量を示す。
図8Aに例示するn1からn4は、第2の特徴量Xa
401からXa
404のそれぞれの特徴量の個数を示す。n1からn4は、1以上の自然数であり、且つ特徴量セット236によって示される特徴量の個数以下である。n1からn4は、それぞれ異なる値であっても、同一の値を含んでもよい。分類401から分類404に対応する第2の特徴量Xa
401からXa
404は、それぞれ異なる個数の特徴量を含んでもよいし、同一の個数の特徴量を含んで構成されてもよい。なお、分類401から分類404は一例であり、分類の個数は4個に限定されない。
【0055】
次に、
図8Bを参照しながら、血圧推定モデル222によって示されるYa=W
m・Xa
m+C
mとの血圧推定式を例示して説明する。Yaは推定血圧である。Xa
mは、分類mに応じた第2の特徴量239を示し、分類mに応じた次元のベクトルである。係数W
mは、分類mに応じた次元のベクトルである。また、切片C
mは分類mに応じた定数である。
【0056】
図8Bは、分類401から分類404のそれぞれに対応する血圧推定モデル222によって示される血圧推定式の係数W
mと切片C
mの一例を示す。
図8Bに例示する係数W
m
kは、分類mに対応する第2の特徴量239に含まれる特徴量x
m
kに対する重みを示す。本例では、mは、分類401から分類404のうちのいずれかを示す。例えば、
図8Bに例示する係数W
401は、係数w
401
1から係数w
401
n1を含む。係数w
401
1から係数w
401
n1は、それぞれ、
図8Aに例示する特徴量x
401
1から特徴量x
401
n1のうちのそれぞれの特徴量に対する重みを示す。
【0057】
例えば、特徴量x401
1が脈波1拍の所要時間を示す場合、係数w401
1は、特徴量x401
1により示される脈波1拍の所要時間に対する重みを示す。また、例えば、特徴量x401
2が脈波の立ち上がり角度を示す場合、係数w401
2は、特徴量x401
2により示される脈波の立ち上がり角度に対する重みを示す。また、例えば、特徴量x401
3が脈波1拍の積分値を示す場合、係数w401
3は、特徴量x401
3により示される脈波の脈波1拍の積分値に対する重みを示す。また、例えば、特徴量x401
4が体重を示す場合、係数w401
4は、特徴量x401
4により示される体重に対する重みを示す。
【0058】
被測定者101の生理状態及び身体的特徴等は、被測定者101の血圧に影響を与える。そのため、血管を圧迫せずに血圧を推定する場合に、単一の血圧推定式によって血圧を推定した場合、生理状態及び身体的特徴等の影響により正確な血圧を推定できないおそれがある。しかし、本実施形態に係る情報処理装置103は、被測定者101の生理状態及び身体的特徴等に応じて、血圧に影響を与える複数の要因を考慮することで血圧を推定することが可能になる。
【0059】
(変形例1)
本実施形態に係る測定システム100の変形例1として、測定システム100は、撮像装置102は、RGBカメラに替えて、ドップラーセンサを備えてもよい。撮像装置102がドップラーセンサを備える場合、撮像装置102は、当該ドップラーセンサから被測定者101に向かって出射された出射波の周波数と、被測定者101の体表により反射した反射波の周波数との差分を、被測定者101の体表の振動として測定する。ドップラーセンサにより測定された体表の振動は、心臓の拍動に伴って末梢血管の血圧・容積が変化による体表の振動を含む。生体情報取得部206は、ドップラーセンサによって測定された信号から、心臓の拍動に伴って末梢血管の血圧・容積が変化による体表の振動を示す信号を抽出する。そして、生体情報取得部206は、被測定者101の体表の振動を示す信号を生理状態情報234として取得する。
【0060】
(変形例2)
本実施形態に係る測定システム100の変形例2として、推定血圧Ybを出力する血圧推定式が、血圧推定モデル222によって示されるYb=Wm・Xb+Cmとの式であってもよい。つまり、第2の特徴量Xbは、分類mに依存せず同一であってもよい。
【0061】
例えば、第2の特徴量Xbは、特徴量セット236によって示される複数の特徴量と同一であってもよい。つまり、第2の特徴量Xbは、特徴量セット236によって示される全ての特徴量と同一であってもよい。または、第2の特徴量Xbは、第1の特徴量237と同一であってもよい。
【0062】
図9は、本変形例に係る血圧推定式の係数W
mと切片C
mの一例を示す図である。本変形例における係数W
mは、分類401から分類404において同一の個数nの係数を含む。つまり、本変形例における係数W
mは、分類401から分類404において同一の次元のベクトルである。
【0063】
本変形例においては、第2の特徴量Xbに含まれる特徴量のうちで、血圧を推定するために使用しない特徴量xkに対して、係数wk=0とする。kは、1以上であり、且つn以下の自然数である。係数wk=0とすることによって、血圧推定部210は、第2の特徴量Xbのうちで、特徴量xkを除外して推定血圧240を算出できる。さらに、分類mに応じて、係数wk=0を含む係数Wmが異なることにより、血圧推定部210は、選択された分類238に応じた血圧推定式Ybを用いて、推定血圧240を算出できる。
【0064】
(変形例3)
本実施形態に係る測定システム100の変形例3として、情報処理装置103の記憶部201とは異なる記憶装置が、血圧推定モデルデータベース220を記憶してもよい。例えば、当該記憶装置を備えるサーバ装置(コンピュータ)と、情報処理装置103とがネットワークを介して接続する場合、情報処理装置103は、ネットワークを介して、当該記憶装置に記憶される血圧推定モデルデータベース220から、血圧推定モデル222を取得する。例えば、本変形例において、ネットワークは、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0065】
(変形例4)
本実施形態に係る測定システム100の変形例4として、情報処理装置103とは異なるサーバ装置(コンピュータ)が、機械学習等を用いて学習することで、血圧推定モデル222を生成してもよい。そして、情報処理装置103は、当該サーバ装置によって生成された血圧推定モデル222を利用して、上記で説明した処理により推定血圧240を推定してもよい。
【0066】
(第二実施形態)
図10~
図11を参照して、第二実施形態について説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第一実施形態と実質的に共通の機能を有する構成及び処理を共通の符号で参照して説明を省略し、第一実施形態と異なる点を説明する。
【0067】
図10は、本実施形態に係る情報処理装置103の構成の一例を示す図である。
図10に例示する情報処理装置103と、
図2に例示する情報処理装置103との相違点は、
図10に例示する情報処理装置103は、評価指標決定部1001を含む点にある。
【0068】
評価指標決定部1001は、第1の特徴量237から指標1011を決定する。指標1011は、第1の特徴量237の特徴を示す。指標1011は、血圧に関する血圧指標、及び脈拍数に関する脈拍数指標からなる群より選択される少なくとも一種を含む。
【0069】
本実施形態に係る分類選択部208は、指標1011に関連する基準によって分類された複数の分類から、分類238を選択する。本実施形態に係る基準情報221によって示される基準は、指標1011に関連する基準を含む。
【0070】
図11は、本実施形態に係る情報処理装置103が分類238を選択する処理の一例を示すフローチャートである。制御部202が、
図11に例示するステップS1101の処理を実行する時点において、
図5に例示するステップS501から
図6に例示するステップS601までの処理が実行されているものとする。
【0071】
ステップS1101において、評価指標決定部1001は、特徴量セット236によって示される複数の特徴量から指標1011を決定する。生理状態情報234には、被測定者101の生理状態を測定時のノイズが含まれるおそれがある。そのため、特徴量セット236によって示される複数の特徴量には、当該ノイズに起因するノイズが含まれるおそれがある。そこで、評価指標決定部1001は、特徴量セット236によって示される複数の特徴量に含まれるノイズを抑制するように、当該複数の特徴量の特徴を示す指標1011を決定する。
【0072】
例えば、特徴量セット236が、特徴量x1と、特徴量x2と、特徴量x3とを含むとする。そして、特徴量x1が脈波1拍の所要時間を示し、特徴量x2が脈波の立ち上がり角度を示し、特徴量x3が年齢を示すとする。ここで、特徴量x1及び特徴量x2は、脈波の複数の拍数に関して、それぞれ1拍の所要時間と立ち上がり角度とを示すものとする。その場合、例えば、評価指標決定部1001は、特徴量x1と、特徴量x2と、特徴量x3とを含む第1の特徴量237に対して主成分分析を行い、主成分分析によって算出された固有値z1と、固有値z2と、固有値z3とを含む指標1011を決定する。
【0073】
ステップS1102において分類選択部208は、基準情報221から判定対象の基準を選択する。ステップS1103において分類選択部208は、ステップS1101で決定された指標1011のうちで、ステップS1102で選択された判定対象の基準に関連する指標1011が、判定対象の基準を満たすか否かを判定する。
【0074】
例えば、判定対象の基準が血圧指標に関連する基準であり、指標1011が血圧指標を含む場合、分類選択部208は、指標1011に含まれる血圧指標が判定対象の基準を満たすか否かを判定する。また、例えば、判定対象の基準が脈拍数指標に関連する基準であり、指標1011が脈拍数指標を含む場合、分類選択部208は、指標1011に含まれる脈拍数指標が判定対象の基準を満たすか否かを判定する。
【0075】
被測定者101の生理状態を測定時の測定結果にノイズが含まれる場合、分類選択部208は、第1の特徴量237が、基準情報221によって示される基準を満たすか否かを適切に判定できないおそれがある。しかし、分類選択部208が、指標1011が判定対象の基準を満たすか否かを判定することで、生理状態を測定時の測定結果に含まれるノイズに起因した誤判定を抑制できる。
【0076】
ステップS1104において分類選択部208は、基準情報221によって示される全ての基準について判定したか否かを判定する。基準情報221によって示される全ての基準について、指標1011が判定対象の基準を満たすか否かを判定していない場合、制御部202は処理をステップS1102に戻す。つまり、分類選択部208は、基準情報221によって示される全ての基準について判定するまで、ステップS1102からステップS1103の処理を繰り返す。一方、基準情報221によって示される全ての基準について、指標1011が判定対象の基準を満たすか否かを判定した場合、制御部202は処理をステップ1105に移行する。
【0077】
ステップS1105において分類選択部208は、基準情報221によって示される全ての基準についての判定結果から、被測定者101が属する分類238を決定する。これにより、分類選択部208は、被測定者101の生体に関する情報の特徴を示す指標1011を利用して、基準情報221によって示される基準によって分類された複数の分類から、被測定者101が属する分類を選択できる。そして、制御部202は、処理を
図7に例示するステップS701に移行する。
【0078】
以上より、本実施形態に係る情報処理装置103は、生理状態を測定時の測定結果に含まれるノイズを抑制して、適切な分類238に応じた血圧推定モデル222によって血圧を推定できる。そのため、本実施形態に係る情報処理装置103は、より一層、被測定者101毎の血圧を推定できる。
【0079】
上記実施形態で実行される各処理は、各実施形態で例示した処理態様に限定されない。上述した機能ブロックは、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)、又はCPUを用いたソフトウェアの何れを用いて実現してもよい。上記実施形態で実行される各処理は、複数のコンピュータで実行されてもよい。例えば、情報処理装置103の制御部202の各機能ブロックで実行される処理は、他のコンピュータで一部の処理が実行されてもよいし、複数のコンピュータで全ての処理が分担して実行されてもよい。
【0080】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態に夫々開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態に夫々開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0081】
100 測定システム、101 被測定者、102 撮像装置、103 情報処理装置、201 記憶部、202 制御部、203 光源調整部、204 体表領域抽出部、205 脈波算出部、206 生体情報取得部、207 特徴量決定部、208 分類選択部、209 特徴量選択部、210 血圧推定部、220 血圧推定モデルデータベース、221 基準情報、222 血圧推定モデル、231 画像、232 脈波、233 生体情報、234 生理状態情報、235 属性情報、236 特徴量セット、237 第1の特徴量、238 分類、239 第2の特徴量、240 推定血圧、1001 評価指標決定部、1011 指標