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  • 特開-配管支持システム及び支持架台 図1
  • 特開-配管支持システム及び支持架台 図2
  • 特開-配管支持システム及び支持架台 図3
  • 特開-配管支持システム及び支持架台 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187122
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】配管支持システム及び支持架台
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/08 20060101AFI20221212BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
F16L3/08 D
F16L3/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094968
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】508181467
【氏名又は名称】株式会社キャナル技研
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】中谷 昇
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AC04
3H023AC73
(57)【要約】
【課題】 本発明は、配管を支持する支持架台において、流体が流れることにより発生する力による変形を防止することに適した配管支持システムなどを提供する。
【解決手段】 支持架台3は、架台固定部5において壁部2に固定され、配管支持部7において流体が流れる配管23を支持する。支持架台3は、架台連結固定部11を備える。架台連結固定部11は、支持架台3の横にあって、配管23の上又は下に位置する。壁連結固定部13は、支持架台3の横の位置で壁部23に固定される。連結部15は、架台連結固定部11と壁連結固定部13を連結する。連結部15の長さは、連結長調整部17によって調整することができ、支持架台3にかかる力を調整することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる配管を支持する配管支持システムであって、
支持架台を備え、
前記支持架台は、
前記配管を支持する配管支持部と、
壁部に前記支持架台を固定する架台固定部を備え、
前記支持架台は、さらに、前記配管の上又は下に位置して、前記配管の長手方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する一方側架台連結固定部及び他方側架台連結固定部を備え、
当該配管支持システムは、さらに、
前記支持架台よりも前記一方側の前記壁部に固定される一方側壁連結固定部と、
前記一方側架台連結固定部と前記一方側壁連結固定部を連結する一方側連結部と、
前記支持架台よりも前記他方側の前記壁部で固定される他方側壁連結固定部と、
前記他方側架台連結固定部と前記他方側壁連結固定部を連結する他方側連結部を備え、
前記一方側連結部は、連結長を調整する一方側連結長調整部を備え、
前記他方側連結部は、連結長を調整する他方側連結長調整部を備える、配管支持システム。
【請求項2】
前記一方側架台連結固定部及び前記他方側架台連結固定部は、前記配管において流体が流れる中心軸の上又は下に位置する、請求項1記載の配管支持システム。
【請求項3】
前記配管支持部は、前記配管を支持する配管挿入部において、前記配管の周方向に溝が形成された部分と、周方向とは異なる方向に溝が形成された部分を含む、請求項1又は2に記載の配管支持システム。
【請求項4】
壁部に固定されて、流体が流れる配管を支持する配管支持部を支持する支持架台であって、
前記配管の上又は下に位置する架台連結固定部を備え、
前記架台連結固定部は、連結長調整部を備える連結部により、当該支持架台の横の位置で前記壁部に固定された壁連結固定部と連結される、支持架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管支持システム及び支持架台に関し、特に、流体が流れる配管を支持する配管支持システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の配管支持システム71の構成の一例を示す図である(例えば特許文献1など参照)。図4(a)は、配管83がない状態での平面図である。図4(b)は、配管83がない状態での左側面図である。図4(c)は、配管83を支持する状態を示す。
【0003】
配管支持システム71は、支持架台73を備える。支持架台73は、架台固定部75と、配管支持部77を備える。架台固定部75は、壁部72に固定される。
【0004】
配管支持部77は、配管挿入部81を備える。配管83は、配管挿入部81に挿入される。支持架台73は、配管挿入部81に挿入された配管83を支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3152607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配管83に流体(水など)が流れると、流体の重力などの鉛直方向の力が加わる。また、配管83には、流体が流れて横向きに力が加わる。
【0007】
配管83にかかる横向きの力は、通常小さい。そのため、従来の支持架台73は、配管83にかかる鉛直方向の力に着目して主として配管83を鉛直方向に支えた。横向きの力は、例えば配管挿入部81に形成された溝などにより摩擦を大きくして対応していた。しかしながら、横向きの力によって、支持架台73が変形することがあった。
【0008】
よって、本発明は、配管を支持する支持架台において、流体が流れることにより発生する力による変形を防止することに適した配管支持システムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の第1の側面は、流体が流れる配管を支持する配管支持システムであって、支持架台を備え、前記支持架台は、前記配管を支持する配管支持部と、壁部に前記支持架台を固定する架台固定部を備え、前記支持架台は、さらに、前記配管の上又は下に位置して、前記配管の長手方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する一方側架台連結固定部及び他方側架台連結固定部を備え、当該配管支持システムは、さらに、前記支持架台よりも前記一方側の前記壁部に固定される一方側壁連結固定部と、前記一方側架台連結固定部と前記一方側壁連結固定部を連結する一方側連結部と、前記支持架台よりも前記他方側の前記壁部で固定される他方側壁連結固定部と、前記他方側架台連結固定部と前記他方側壁連結固定部を連結する他方側連結部を備え、前記一方側連結部は、連結長を調整する一方側連結長調整部を備え、前記他方側連結部は、連結長を調整する他方側連結長調整部を備える。
【0010】
本願発明の第2の側面は、第1の側面の配管支持システムであって、前記一方側架台連結固定部及び前記他方側架台連結固定部は、前記配管において流体が流れる中心軸の上又は下に位置する。
【0011】
本願発明の第3の側面は、第1又は第2の側面の配管支持システムであって、前記配管支持部は、前記配管を支持する配管挿入部において、前記配管の周方向に溝が形成された部分と、周方向とは異なる方向に溝が形成された部分を含む。
【0012】
本願発明の第4の側面は、壁部に固定されて、流体が流れる配管を支持する配管支持部を支持する支持架台であって、前記配管の上又は下に位置する架台連結固定部を備え、前記架台連結固定部は、連結長調整部を備える連結部により、当該支持架台の横の位置で前記壁部に固定された壁連結固定部と連結される。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の各側面によれば、支持架台において配管支持部の上又は下に位置する架台連結固定部を壁部に連結することにより、流体の流れによる支持架台の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願発明の実施の形態に係る配管支持システム1の構成の一例を示す図である。
図2】本願発明の実施の形態に係る配管支持システム31の具体的な構成の一例を示す図である。
図3】配管支持部において配管挿入部に形成される溝の一例を説明するための図である。
図4】従来の配管支持システム71の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0016】
図1は、本願発明の実施の形態に係る配管支持システム1の構成の一例を示す図である。図1(a)は、配管23がない状態での平面図である。図1(b)は、支持架台3の構成の一例を示す。図1(c)は、配管23がない状態での左側面図である。図1(d)は、配管23を支持する状態を示す。
【0017】
配管支持システム1は、支持架台3を備える。支持架台3は、架台固定部5と、配管支持部7を備える。
【0018】
架台固定部5は、支持架台3を壁部2に固定する。架台固定部5は、通常、鉛直方向に長い形状で、重力などの支持架台3に鉛直方向にかかる力を支持する。
【0019】
配管支持部7は、配管挿入部21を備える。配管挿入部21には、複数の異なる方向に溝が形成されている。単一の方向にのみ溝が形成されている場合と比較して様々な方向の力に対応できる。配管23は、配管挿入部21に挿入されて支持される。流体(水など)は、配管23を図1の横向きに流れる。流体は、例えば、ある時間帯では右から左に流れて別の時間帯には左から右に流れてもよく、一方向に流れてもよい。
【0020】
支持架台3は、さらに、左側架台連結固定部111と、右側架台連結固定部112(左側架台連結固定部111、右側架台連結固定部112は、本願請求項の「架台連結固定部」の一例)を備える。左側架台連結固定部111及び右側架台連結固定部112は、配管23の上又は下に位置して、それぞれ、支持架台3の左側(本願請求項の「一方側」の一例)及び右側(本願請求項の「他方側」の一例)に位置する。左側架台連結固定部111及び右側架台連結固定部112は、支持架台3を挟んで存在するため、支持架台3を異なる側から支えることができる。左側架台連結固定部111及び右側架台連結固定部112は、望ましくは、配管23において流体が移動する中心軸の上又は下に位置する。
【0021】
配管支持システム1は、さらに、左側壁連結固定部131と、右側壁連結固定部132と、左側連結部151と、右側連結部152を備える(左側壁連結固定部131、右側壁連結固定部132は、本願請求項の「壁連結固定部」の一例であり、左側連結部151、右側連結部152は、本願請求項の「連結部」の一例である。)。
【0022】
左側連結部151及び右側連結部152は、それぞれ、左側連結長調整部171及び右側連結長調整部172を備える(左側連結長調整部171、右側連結長調整部172は、「連結長調整部」の一例である。)。
【0023】
左側壁連結固定部131は、図において支持架台3よりも左側において壁部2に固定される。左側連結部151は、例えばターンバックルを途中に有するワイヤや棒状部材であり、左側架台連結固定部111と左側壁連結固定部131を連結する。左側連結長調整部171は、例えばターンバックルであり、左側連結部151の長さを長くしたり短くしたりして、支持架台3にかかる力を調整することができる。
【0024】
配管23に流体が流れて支持架台3に左から右に力がかかるとき、左側連結部151はこの力に対して支持架台3を支えることができる。そのため、支持架台3の変形を防ぐことができる。
【0025】
右側壁連結固定部132は、図において支持架台3よりも右側において壁部2に固定される。右側連結部152は、例えばターンバックルを途中に有するワイヤや棒状部材であり、右側架台連結固定部112と右側壁連結固定部132を連結する。右側連結長調整部172は、例えばターンバックルであり、右側連結部152の長さを長くしたり短くしたりして、支持架台3にかかる力を調整することができる。
【0026】
配管23に流体が流れて支持架台3に右から左に力がかかるとき、右側連結部152はこの力に対して支持架台3を支えることができる。そのため、支持架台3の変形を防ぐことができる。
【0027】
図2は、本願発明の実施の形態に係る配管支持システム31の具体的な構成の一例を示す図である。
【0028】
配管支持システム31は、支持架台33を備える。支持架台33は、架台固定部35において、壁部32に固定されている。配管53を支持する配管支持部は、配管支持部固定部371及び372において支持架台33に固定されている。
【0029】
支持架台33は、さらに、左側架台連結固定部411と、右側架台連結固定部412を備える。左側架台連結固定部411及び右側架台連結固定部412は、配管53の上又は下に位置して、それぞれ、支持架台33の左側及び右側に位置する。
【0030】
配管支持システム31は、さらに、左側壁連結固定部431と、右側壁連結固定部432と、左側連結部451と、右側連結部452を備える。
【0031】
左側連結部451及び右側連結部452は、それぞれ、左側連結長調整部471及び右側連結長調整部472を備える。
【0032】
左側壁連結固定部431は、図において支持架台33よりも左側において壁部32に固定される。左側連結部451は、左側架台連結固定部411と左側壁連結固定部431を連結する。左側連結長調整部471は、ターンバックルであり、左側連結部451の長さを長くしたり短くしたりする。
【0033】
右側壁連結固定部432は、図において支持架台33よりも右側において壁部32に固定される。右側連結部452は、右側架台連結固定部412と右側壁連結固定部432を連結する。右側連結長調整部472は、ターンバックルであり、右側連結部452の長さを長くしたり短くしたりする。
【0034】
図3は、配管支持部において配管挿入部に形成される溝の一例を説明するための図である。この例では、配管支持部は、上部配管支持部材61と下部改版支持部材63を備える。上部配管支持部材61と下部改版支持部材63の配管挿入部には、図3(c)及び(d)にあるように、配管の円周方向(本願請求項の「周方向」の一例)に溝が形成された部分と、配管の長手方向に溝が形成された部分を有する。これにより、配管に様々な方向の力がかかっても支持状態を維持することができる。このように、配管支持部における配管挿入部には、異なる複数の方向に溝が形成された部分を含むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1,31 配管支持システム、2,32 壁部、3,33 支持架台、5,35 架台固定部、7 配管支持部、11、41 架台連結固定部、13,43 壁連結固定部、15,45 連結部、17,47 連結長調整部、21 配管挿入部、23,53 配管、37 配管支持部固定部、61 上部配管支持部材、63 下部改版支持部材
図1
図2
図3
図4