(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187135
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】学習用玩具
(51)【国際特許分類】
G09B 5/04 20060101AFI20221212BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20221212BHJP
A63H 33/26 20060101ALI20221212BHJP
A63F 9/24 20060101ALI20221212BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20221212BHJP
A63F 9/18 20060101ALI20221212BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20221212BHJP
G09B 19/08 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G09B5/04
A63H5/00 A
A63H33/26 A
A63F9/24 Z
A63F9/00 503C
A63F9/18
A63H33/00 P
G09B19/08
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094988
(22)【出願日】2021-06-07
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】501048295
【氏名又は名称】株式会社くもん出版
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】志村 直人
【テーマコード(参考)】
2C028
2C150
【Fターム(参考)】
2C028AA02
2C028AA03
2C028AA07
2C028AA08
2C028BB06
2C028BC01
2C150BA13
2C150BA43
2C150BA52
2C150DF03
2C150DF33
2C150FA02
2C150FA42
(57)【要約】
【課題】言葉をゲーム感覚で楽しみながら効果的に学習することができる学習用玩具を提供すること。
【解決手段】学習用玩具1は、少なくとも言葉に関する情報と固有の識別子が表示された複数枚のカード2と、タッチされたカード2に表示された識別子を光学的に読み取り、読み取った識別子に対応する情報を音声で出力する音声ユニット10とを備えている。ここで、音声ユニット10は、カメラ(撮像手段)20と、画像データ処理部30と、識別子に対応する音声情報を記憶する記憶部41と画像データ処理部30から送信される信号を受信して識別子を判別する判別部42を備える音声情報制御部40と、音声情報制御部40から出力される音声情報を音声で出力するスピーカ(音声出力部)60と、電源70と、電源スイッチ18とを備えている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも言葉に関する情報と該情報に紐付けされた固有の識別子が表示された複数枚のカードと、
タッチされた前記カードに表示された前記識別子を読み取り、読み取った前記識別子に対応する情報を音声で出力する音声ユニットと、
を備えることを特徴とする学習用玩具。
【請求項2】
前記音声ユニットは、
タッチされた前記カードに表示された前記識別子を読み取る読取り手段と、
前記読取り手段によって読み取られたデータを処理する読取りデータ処理部と、
前記識別子に対応する音声情報を記憶する記憶部と、前記読取りデータ処理部から送信される信号を受信して前記識別子を判別する判別部を備え、前記判別部によって判別された前記識別子に対応する音声情報を前記記憶部から抽出して出力する音声情報制御部と、
前記音声情報制御部から出力される音声情報を音声で出力する音声出力部と、
電源と、
前記電源をON/OFFする電源スイッチと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の学習用玩具。
【請求項3】
前記音声ユニットは、複数の動作モードと、前記動作モードを切り替えるためのモード切替手段を備え、前記記憶部は、各動作モードを実行するためのブログラムを記憶していることを特徴とする請求項2に記載の学習用玩具。
【請求項4】
前記動作モードとして、前記カードに表示された単語を読み上げる「おしゃべりモード」と、前記音声ユニットが読み上げた単語が表示されたカードを取ってタッチする「かるたモード」と、前記音声ユニットが出題したクイズに該当するカードを選んでタッチする「クイズモード」を備えることを特徴とする請求項3に記載の学習用玩具。
【請求項5】
前記カードには、前記音声ユニットにタッチすることによって前記動作モードを切り替えるためのモード設定用カードが含まれていることを特徴とする請求項3または4に記載の学習用玩具。
【請求項6】
前記音声ユニットは、前記音声出力部から出力される音声の音量を調整するための音量調整手段を備えることを特徴とする請求項2~5の何れかに記載の学習用玩具。
【請求項7】
前記カードには、前記音声ユニットにタッチすることによって前記音声出力部から出力される音声の音量を調整するための音量設定用カードが含まれていることを特徴とする請求項6に記載の学習用玩具。
【請求項8】
前記音声ユニットは、前記音声出力部からの音声の出力を繰り返すリピート手段を備えることを特徴とする請求項2~7の何れかに記載の学習用玩具。
【請求項9】
前記カードには、前記音声ユニットにタッチすることによって前記音声出力部から出力される音声の出力を繰り返すためのリピート設定用カードが含まれていることを特徴とする請求項8に記載の学習用玩具。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載の学習用玩具は、情報が日本語または英語に関するものである学習用玩具。
【請求項11】
請求項1~9の何れかに記載の学習用玩具は、情報が算数、理科、社会科のいずれかに関するものである学習用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、言葉等の学習に関連する情報が印刷等で記録されたカードをタッチすると、該カードに対応する英語等の外国語を含む言葉や算数などを学習するための情報が音声で出力される学習用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
日本語の言葉を幼児などがゲーム感覚で楽しく学ぶための有効な手段の1つに「かるた」がある。例えば、特許文献1には、「連想カルタ」と称されるものが提案されている。この連想カルタは、一方のカードの表面に英単語とこれに対応する絵とを有する札と、他方のカードの表面に英単語に該当する和文の呼び名と前記絵と同種の絵とを有する札とによる1組から成り、一方の札の裏面に前記英単語を連想させる和文によるヒントを与える文章を記載し、他方の裏面に英文による前記ヒントの文章を記載し、これらそれぞれ同様のカード群をもって構成されるものである。このような連想カルタによれば、一方のカードをヒントに他方のカードを捜すことによって、遊びながらにして思考力と単語力を深めることができる。
【0003】
また、特許文献2には、遊戯性を取り入れることによって社会科の学習効果を高めることができる社会科学習カードが提案されている。この社会科学習カードは、一面に1つの地域(都道府県名)が表示され、他面にその地域の特色が記載されたものである。このような社会科学習カードによれば、同一のカードを2組用意し、そのうちの1組は取り札として都道府県名が記載された一面を上にして並べ、残りの1組は読み札として特定の人が他面を読み上げ、他の複数の人が取り札として並べられたカードを取り合うといったカルタ形式での学習を行うことができる。
【0004】
しかしながら、引用文献1において提案された連想カルタや特許文献2において提案された社会科学習カードは、音声を伴わないため、特に視聴覚教育には向かず、日本語や外国語の発音などを正しく学習することができないという問題がある。
【0005】
そこで、特許文献3には、読み札の文句を音声として発する「ボイスカルタ」なるものが提案されている。このボイスカルタは、主に百人一首カルタとしての用途に供され、読み札として音声カードに一首ずつ各々独立して録音されたものを使用し、それを専用のカードレコーダーで再生して読吟させるものである。なお上記特許文献1~3は、言葉(国語)や社会科を主題にした学習用玩具であって音声を用いた例えば算数の学習用の玩具は見当らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4-085362号公報
【特許文献2】実用新案登録第3005126号公報
【特許文献3】特開昭58-027572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献3において提案された音声を利用するボイスカルタは、用途が百人一首カルタなどに限定され、例えば、幼児の英語学習、日本語学習、或は算数学習など他の学科の学習用には供することができない。
【0008】
本発明は、カードと音声を利用する学習用玩具の現状に鑑みてなされたもので、その目的は、日本語や英語の言葉、或は算数の四則計算や九九などをゲーム感覚で楽しみながら効果的に学習することができる学習用玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る日本語や英語などの言葉(以下、単に「言葉」という)の学習や算数の学習に供することができる学習用玩具は、少なくとも言葉又は算数に関する情報と該情報に紐付けされた固有の識別子が表示された複数のカードと、タッチされた前記カードに表示された前記識別子を読み取り、読み取った前記識別子に対応する情報を音声で出力するように形成された音声ユニットとを備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記音声ユニットは、タッチされた前記カードに表示された前記識別子を読み取る読取り手段と、前記読取り手段によって読み取られたデータを処理する読取りデータ処理部と、前記識別子に対応する音声情報を記憶する記憶部と、前記読取りデータ処理部から送信される信号を受信して前記識別子を判別する判別部を備え、前記判別部によって判別された前記識別子に対応する音声情報を前記記憶部から抽出して出力する音声情報制御部と、前記音声情報制御部から出力される音声情報を音声で出力する音声出力部と、電源と、前記電源をON/OFFする電源スイッチと、を備えている。本発明において、前記識別子には光学的読取り可能な表示、又は磁気的読取りが可能な表示がある。従って、識別子の読取り手段にはカメラ等の光学的読取り手段、又は磁気リーダ等の読取り手段を選択できる。なお、本発明の音声情報には、日本語や英語等の外国語を含む言葉の学習要素に係る情報のほか、算数,理科,社会科などの各学習科目に係る学習要素の情報がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カードを音声ユニットにタッチすると、そのタッチされたカードに表示された固有の識別子が読み取られ、読み取られた識別子に対応する言葉などの学習要素に関する情報が音声で出力されるため、ユーザーは、カードに表示された言葉の発音などを聞くことによってゲーム感覚や遊び感覚で楽しみながら日本語等の言葉や算数をはじめとする諸科目を効果的に学習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明を言葉の学習用玩具に適用した一例の斜視図。
【
図2】
図1の言葉の学習用玩具に使用するカードを示す平面図であって、(a)は表面、(b)は裏面をそれぞれ示す図である。
【
図3】(a)~(j)は全10グループの単語カードの各一例を示す図。
【
図4】(a)~(e)は5種類のうたカードを示す図。
【
図5】(a)~(e)は5種類の設定用カードを示す図。
【
図9】
図1の学習用玩具の音声ユニットにユーザーがカードをタッチしている状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の学習用玩具を言葉の学習用玩具(以下、言葉学習用玩具ともいう。)に適用した実施の形態例を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
<言葉学習用玩具の構成>
図1は本発明に係る言葉学習用玩具の斜視図、
図2は同言葉学習用玩具のカード(単語カード)を示す平面図であって、(a)は表面、(b)は裏面をそれぞれ示す図である。
【0015】
本発明に係る言葉学習用玩具1は、主として言語教育、具体例としては英語教育に供せられるものであって、
図1に示すように、複数枚のカード(
図1には1枚のみ図示)2と、これらのカード2のうちのタッチされたものに表示された言葉(英語)に関する情報(単語の発音など)を音声で出力する音声ユニット10とで構成されている。
【0016】
上記カード2には、後述のように(
図3~
図5参照)、複数の種類のものがあるが、
図1及び
図2に示すものは単語カード2Aであって、この単語カード2Aは、薄い(厚さ0.5mm程度)の紙(厚紙)で小判形に成形されたものである。この単語カード2Aの表面には、
図2(a)に示すように、英単語の文字(例えば、「glasses」)2aと、この英単語が表す絵(例えば、「メガネ」の絵)2bと、当該単語カード2Aに固有の識別子を表示する識別子表示部2cが印刷によって表示され、裏面には、
図2(b)に示すように英単語の文字(例えば、「glasses」)2aと、当該単語カード2Aに固有の識別子がそれを表示する識別子表示部2cに印刷等によって形成されている。識別子は、光学的なもの、磁気的なもの、その他の型式のいずれのものであってもよい。識別子は、肉眼で見えたり、判読できない方が好ましいが、見えたり判読できてもよい。実施例は光学的に判読できる識別子である。
【0017】
ここで、カード2の種類の例を
図3~
図5に示すが、このカード2には、
図3に示す単語カード2Aと、
図4に示すうたカード2Bと、
図5に示す設定用カード2Cとがある。以下、これらの単語カード2Aとうたカード2B及び設定用カード2Cについてそれぞれ説明する。
【0018】
単語カード2Aには、全10グループのそれぞれについて一例として各30枚が用意されており、
図3(a)~(j)は各グループに属する30枚の単語カード2Aのうちの一部を示している。具体的には、10グループとしては、
図3(a)に示す「動物」に属するグループと、
図3(b)に示す「果物、野菜」に属するグループと、
図3(c)に示す「食べ物、飲み物」に属するグループと、
図3(d)に示す「文具、持ち物、服」に属するものと、
図3(e)に示す「家にあるもの」に属するものと、
図3(f)に示す「外にあるもの」に属するものと、
図3(g)に示す「色、数」に属するものと、
図3(h)に示す「人、職業」に属するものと、
図3(i)に示す「体、スポーツ」に属するものと、
図3(j)に示す「学校に関するもの、季節」に属するものとがある。
【0019】
また、
図4に示すうたカード2Bは、後述の動作モードのうちの「おしゃべりモード」において使用されるものであって、英単語を歌形式で発音するためのものである。この歌カード2Bには、
図4(a)に示すように英語のアルファベットの「A,B,C…」を歌形式で発音するものと、
図4(b)に示すように曜日の「Sunday,Monday…」を歌形式で発音するものと、
図4(c)に示すように身体の一部である「Head,Shoulders…」を歌形式で発音するものと、
図4(d)に示すように月「January,February…」を歌形式で発音するものと、
図4(e)に示すように「one~seven」のSeven Stepsを歌形式で発音するものとがある。
【0020】
さらに、
図5に示す設定用カード2Cは、これを音声ユニット10にタッチすることによって動作モードを切り替えたり、音声ユニットから出力される音声の音量(ボリューム)を調整するためのものであって、単語カード2Aやうたカード2Bと同様に紙(厚紙)で円形に成形されている。具体的には、この設定用カード2Cには、
図5(a)に示す動作モードを「おしゃべりモード」に切り替えるものと、
図5(b)に示す動作モードを「かるたモード」に切り替えるものと、
図5(c)に示す動作モードを「クイスモード」に切り替えるものと、
図5(d)に示す音量(ボリューム)を上げるためのものと、
図5(e)に示す音量(ボリューム)を下げるためのものとがある。なお、動作モードである「おしゃべりモード」と「かるたモード」及び「クイズモード」についての詳細は後述する。
【0021】
次に、音声ユニット10の構成を
図1、
図6~
図8に基づいて以下に説明する。
【0022】
図6は音声ユニットの平面図、
図7は同音声ユニットの底面図、
図8は本発明に係る言葉学習用玩具の構成を示すブロック図である。
【0023】
本発明に係る言葉学習用玩具1をカード2と共に構成する音声ユニット10は、カード2に表示された識別子を光学的に読み取り、読み取った識別子に対応する情報を音声で出力するものであって、
図1に示すように、中空の円錐台状のケース11を備えている。このケース11は、下方が開口したケース本体11Aの下面開口部を皿状の着脱可能なカバー11Bによって覆うことによって構成されている。なお、ケース11(ケース本体11Aとカバー11B)は、合成樹脂によって構成されている。またケース11の形状は、上記例の円錐台状に限られるものではなく、例えば円柱体状、立方体状、直方体状、ピラミッド状等を選択できる。
【0024】
そして、ケース11の上面の中心部には、
図6に示すように、ケース11に内蔵された撮像手段としてのカメラ20(
図8参照)のレンズが臨む円孔状の開口部(読み取り部)11aが形成されている。また、ケース11の上面の開口部11aの周囲には、動作モードを「おしゃべりモード」に切り替えるための丸い切替ボタン(数字の「1」が付されている)12と、動作モードを「かるたモード」に切り替えるための丸い切替ボタン(数字の「2」が付されている)13と、動作モードを「クイズモード」に切り替えるための丸い切替ボタン(数字の「3」が付されている)14が設けられている。さらに、ケース11の上面には、当該音声ユニット10からの音声の出力を繰り返すリピート手段を構成するリピートボタン15が設けられている。なお、切替ボタン12~14は、動作モードを切り替えるためのモード切替手段を構成している。
【0025】
他方、ケース11の底面には、
図7に示すように、音声の音量(ボリューム)を調整するための音量調整手段を構成する丸い2つのボリュームボタン16,17と電源スイッチ18が設けられている。ここで、一方のボリュームボタン(+)16は、音量を大きくするためのものであり、他方のボリュームボタン(-)17は、音量を小さくするためのものであって、これらのボリュームボタン16,17は、1回押すごとに1段階ずつ、最大5段階まで音量を調整することができる。
【0026】
また、ケース11の底面には、電源70(
図8参照)である3本の単4乾電池を出し入れするための矩形の開口部11bが形成されており、この開口部11bは、着脱可能な矩形プレート状の電池カバー19によって覆われている。なお、電源スイッチ18は、これを横方向にスライド操作することによって電源70をON/OFFするものである。
【0027】
ところで、ケース11内には、
図8に示すように、当該ケース11にタッチされたカード2(単語カード2A、うたカード2Bまたは設定用カード2Cの何れか)に表示された識別子を撮像する撮像手段であるカメラ20と、該カメラ20によって撮像された画像を処理する画像データ処理部30と、識別子に対応する音声情報を抽出して出力する音声情報制御部(ECU)40と、該音声情報制御部40から出力される音声情報を音声で出力する音声出力部を構成するアンプ50及びスピーカ60と、電源70と、該電源70をON/OFFする前記電源スイッチ18が内蔵されている。なお、識別子が光学的なもの以外の要素で形成されているときは、カメラ20に代えてその識別子を読取ることができる識別子リーダ等の検出器が設置される。
【0028】
ここで、前記音声情報制御部(ECU)40は、カード2から光学的に読み取った識別子に対応する音声情報を記憶する記憶部41と、画像データ処理部30から送信される信号を受信して識別子を判別する判別部42を備え、判別部42によって判別された識別子に対応する音声情報を記憶部41から抽出して出力する機能を果たすものである。また、前述のように、音声ユニット10の動作モードとしては、「おしゃべりモード」と「かるたモード」及び「クイズモード」が設定されているが、音声制御部(ECU)40の記憶部41には、各動作モードを実行するためのブログラムが記憶されている。
【0029】
なお、
図8に示すように、音声情報制御部(ECU)40には、切替ボタン12~14と、リピートボタン15及びボリュームボタン16,17がそれぞれ電気的に接続されている。
【0030】
<言葉学習用玩具の作用>
次に、以上のように構成された言葉学習用玩具1の作用(使用方法)を各動作モード(「おしゃべりモード」、「かるたモード」及び「クイズモード」)についてそれぞれ説明する。
【0031】
1)「おしゃべりモード」:
「おしゃべりモード」においては、
図9に示すように、音声ユニット10のケース11の上面に単語カード2A(
図3参照)をユーザーがタッチすると、そのタッチした単語カード2Aに表示された単語(例えば「apple」)が読み上げられる。この場合、単語カード2Aは、その表裏何れの面をタッチしても良い。なお、電源スイッチ18をONして学習を開始すると、動作モードは、自動的に「おしゃべりモード」に設定される。
【0032】
ここで、読み上げられる音量を調整する場合には、ケース11の上面に設けられたボリュームボタン(+)16またはボリュームボタン(-)17(
図6参照)を押すか、或いは
図5(d)または
図5(e)に示す設定用カード2Cをケース11の上面にタッチする。また、動作モードを「おしゃべりモード」から「かるたモード」に切り替える場合には、ケース11の上面に設けられた切替ボタン13(
図6参照)を押すか、
図5(b)に示す設定用カード2Cをケース11の上面にタッチする。同様に、動作モードを「おしゃべりモード」から「クイズモード」に切り替える場合には、ケース11の上面に設けられた切替ボタン14(
図6参照)を押すか、
図5(c)に示す設定用カード2Cをケース11の上面にタッチする。
【0033】
2)「かるたモード」:
「かるたモード」においては、音声ユニット10が読み上げた単語が表示された単語カード2Aを取ってタッチするモードである。具体的には、次の手順でゲームが進行する。
【0034】
(1)「遊びたい種類のカードをタッチしてね」の音声が流れる。
【0035】
(2)かるたをしたいグループのカードのどれか1枚をタッチする。
【0036】
(3)「タッチしたグループのカードからかるたスタート」の音声が流れる。
【0037】
(4)取り札に関するヒントが英語の音声で流れる。
【0038】
(5)ヒントに合ったカードをタッチすると「ピンポーン」の音声が流れ、英語の発音が流れる。間違ったカードをタッチすると「ブー」のブザー音が流れ、その間違ったカードに表示された単語の英語の発音が流れるとともに、正しい単語の英語の発音が流れる。
【0039】
(6)全ての問題が終わると終了の合図の音声が流れる。
【0040】
3)「クイズモード」:
「クイズモード」は、音声ユニット10が出題したクイズに該当するカード2を選んでタッチするモードであって、次の手順にしたがってゲームが進行する。
【0041】
(1)「遊びたい種類のカードをタッチしてね」の音声が流れる。
【0042】
(2)クイズをしたいグループのカードのどれか1枚をタッチする。
【0043】
(3)タッチしたグループの名前の音声が流れる。
【0044】
(4)「クイズスタート」の音声が流れる。
【0045】
(5)日本語で出題される。
【0046】
(6)出題に正解すると「ピンポーン」の音声が流れ、英語の発音が流れる。不正解である場合には、「ブー」のブザー音が流れ、再び同じ問題が出題される。
【0047】
(7)全ての問題が終わると終了の合図の音声が流れる。
【0048】
以上のように、本発明に係る言葉学習用玩具1によれば、カード2を音声ユニット10にタッチすると、そのタッチされたカード2に表示された固有の識別子が光学的に読み取られ、読み取られた識別子に対応する言葉に関する情報が音声で出力されるため、ユーザーは、カード2に表示された言葉(英語)の発音などを聞くことによってゲーム感覚で楽しみながら言葉(英語)を効果的に学習することができる。
【0049】
特に、本実施の形態では、動作モードとして「おしゃべりモード」と「かるたモード」及び「クイズモード」が設定されているため、遊びながら英単語に親しむことができ、1人でも複数人でも遊ぶことができ、知識の定着を促すことができるという効果が得られる。
【0050】
なお、以上の実施の形態では、本発明に係る学習用玩具を英語学習用として使用する例について説明したが、本発明に係る学習用玩具は、日本語を始めとして他の任意の外国語の言葉やことわざなどの言葉学習を、或は理科(動物や植物等)や社会科(地理、歴史等)などの知識や学習を、カードの表示とその表示に対応した音声ユニットの音声を利用したかるた遊びやしりとり遊び、或はクイズ遊びなどの知育遊びを通して習得する学習用玩具として展開し、利用することができる。
【0051】
また、上述した学習用玩具は、算数学習用玩具に展開することができる。例えば、カード2には、一例として複数の印刷された数字(例えば0~9)と各数字に紐付けされた識別子が印刷されたカード、或は簡単な四則計算の計算式(たし算、ひき算、かけ算、わり算)の表示と夫々の表示に紐付けされた識別子が印刷されたカード、或は、九九の各段の表示と各表示に紐付けされた識別子が印刷されたカードなどを作成して準備する。一方で、音声ユニット10が備える音声情報として、上記の各カードに印刷された夫々の情報に対応した音声情報と夫々の音声情報に紐付けされた識別子とを記録しておき、上述した言葉の学習用玩具と同様の操作によって、数字を、カードの表示とその表示を示す音声を通して学んだり、四則計算や九九を、カードの表示とその表示に対応した音声を通して学習することができる。
【0052】
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1 言葉学習用玩具
2 カード
2A 単語カード
2B うたカード
2C 設定用カード
10 音声ユニット
12~14 切替ボタン(モード切替手段)
15 リピートボタン(リピート手段)
16,17 ボリュームボタン(音量調整手段)
18 電源スイッチ
20 カメラ(撮像手段)
30 画像データ処理部
40 音声情報制御部(ECU)
41 記憶部
42 判別部
50 アンプ(音声出力部)
60 スピーカ(音声出力部)
70 電源