(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187172
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】衛星制御システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 7/185 20060101AFI20221212BHJP
H04B 7/155 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
H04B7/185
H04B7/155
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095037
(22)【出願日】2021-06-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昭吾
【テーマコード(参考)】
5K072
【Fターム(参考)】
5K072AA04
5K072AA13
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB22
5K072BB26
5K072DD01
5K072DD16
5K072EE04
5K072GG02
5K072GG05
5K072GG12
5K072GG13
5K072GG26
(57)【要約】
【課題】他の衛星との電波干渉を事前に回避することが可能な衛星制御システム、制御方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示にかかる衛星制御システム10は、制御対象の移動衛星から送信されるダウンリンク信号の周波数を切り替える衛星制御システムである。衛星制御システム10は、移動衛星からダウンリンク信号を受信する第1アンテナ部11と、移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、移動衛星以外から送信された干渉信号を受信する第2アンテナ部12と、干渉信号に基づいて、ダウンリンク信号と干渉信号の干渉を予測することにより、ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する判定部13と、ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えるよう移動衛星を制御する衛星制御部14と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象の移動衛星から送信されるダウンリンク信号の周波数を切り替える衛星制御システムであって、
前記移動衛星から前記ダウンリンク信号を受信する第1アンテナ部と、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、前記移動衛星以外から送信された干渉信号を受信する第2アンテナ部と、
前記干渉信号に基づいて、前記ダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えるよう前記移動衛星を制御する衛星制御部と、を備える
衛星制御システム。
【請求項2】
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定する推定部を更に備え、
前記第2アンテナ部は、前記推定部において推定された前記存在予定位置を含む方向を指向して前記干渉信号を受信する
請求項1に記載の衛星制御システム。
【請求項3】
前記ダウンリンク信号の受信周波数を切り替える地上制御部を更に備え、
前記地上制御部は、前記衛星制御部において切り替えられた前記ダウンリンク信号の送信周波数に対応するように前記ダウンリンク信号の受信周波数を切り替える
請求項1又は2に記載の衛星制御システム。
【請求項4】
前記衛星制御部及び前記地上制御部は、
所定の切り替えタイミングに応じて、前記ダウンリンク信号の前記送信周波数及び前記受信周波数をそれぞれ切り替える
請求項3に記載の衛星制御システム。
【請求項5】
前記移動衛星は、静止軌道近傍を移動し、
前記干渉信号は、前記静止軌道上又は前記静止軌道近傍に位置する他の衛星から送信された信号である
請求項1~4のいずれか1項に記載の衛星制御システム。
【請求項6】
移動衛星を制御する制御方法であって、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、前記移動衛星以外から送信された干渉信号を取得するステップと、
前記干渉信号に基づいて、前記移動衛星から送信されるダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることを決定するステップと、を備える
制御方法。
【請求項7】
移動衛星の制御プログラムであって、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、前記移動衛星以外から送信された干渉信号を取得するステップと、
前記干渉信号に基づいて、前記移動衛星から送信されるダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることを決定するステップと、をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛星制御システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星及び地上システム間における電波の与干渉及び被干渉を回避する技術が知られている。関連する技術として、例えば特許文献1は、ジャミングによる通信妨害を防止することが可能な衛星通信サービスを開示する。
【0003】
特許文献1が開示する衛星通信サービスでは、衛星搭載中継器が、地上局から通信衛星に向けて複数の周波数チャンネルにて送信されるアップリンク信号に対し、ジャミング信号が混入したか否かを監視する。ジャミング信号が混入した場合、衛星搭載中継器は、ジャミング信号が混入した周波数チャンネルを、他の周波数チャンネルに切り換えてアップリンク信号を送信する。そして、切り替えられた周波数チャンネルを、ジャミング信号の混入した周波数チャンネルに対応するダウンリンク信号に周波数変換し、通信衛星からユーザ受信端末にダウンリンクする。このようにすることで、一般ユーザの所持する地上受信端末に対して周波数切換え指示を行うことなく、通信衛星と一般ユーザの地上受信端末との通信妨害を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、宇宙空間における脅威が増加している。そのため、静止軌道上では、脅威衛星及び脅威衛星を監視する衛星を含め、非公開の衛星が増加している。このような非公開の衛星は、使用する周波数も非公開のため、他の衛星との間で周波数の与干渉や被干渉が問題となっている。通常の衛星及び地上システムは、国際調整された周波数帯域において電波を送受信することが前提となっているため、周波数が非公開の衛星との電波干渉を事前に検知する機能を具備していないことが多い。そのため、非公開の衛星との電波干渉を事前に回避するための手法の確立が望まれている。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、他の衛星との電波干渉を事前に回避することが可能な衛星制御システム、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる衛星制御システムは、
制御対象の移動衛星から送信されるダウンリンク信号の周波数を切り替える衛星制御システムであって、
前記移動衛星から前記ダウンリンク信号を受信する第1アンテナ部と、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、前記移動衛星以外から送信された干渉信号を受信する第2アンテナ部と、
前記干渉信号に基づいて、前記ダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えるよう前記移動衛星を制御する衛星制御部と、を備える。
【0008】
本開示にかかる制御方法は、
移動衛星を制御する制御方法であって、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、前記移動衛星以外から送信された干渉信号を取得するステップと、
前記干渉信号に基づいて、前記移動衛星から送信されるダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることを決定するステップと、を備える。
【0009】
本開示にかかるプログラムは、
移動衛星の制御プログラムであって、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、前記移動衛星以外から送信された干渉信号を取得するステップと、
前記干渉信号に基づいて、前記移動衛星から送信されるダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることを決定するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示にかかる衛星制御システム、制御方法、及びプログラムは、他の衛星との電波干渉を事前に回避することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1にかかる衛星制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態2にかかる衛星制御システムの説明図である。
【
図3】実施形態2にかかる衛星制御システムの処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態2にかかる衛星制御システムのハードウエア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる衛星制御システム10の構成を示すブロック図である。衛星制御システム10は、制御対象の移動衛星から送信されるダウンリンク信号の周波数を切り替える衛星制御システムである。衛星制御システム10は、第1アンテナ部11、第2アンテナ部12、判定部13、及び衛星制御部14を備えている。
【0013】
第1アンテナ部11は、移動衛星からダウンリンク信号を受信する。第2アンテナ部12は、移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から、移動衛星以外から送信された干渉信号を受信する。判定部13は、第2アンテナ部12において受信された干渉信号に基づいて、ダウンリンク信号と干渉信号の干渉を予測することにより、ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する。衛星制御部14は、判定部13においてダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えるよう、移動衛星を制御する。
【0014】
このように、本実施形態にかかる衛星制御システム10では、第2アンテナ部12において移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向から送信された干渉信号を受信する。また、判定部13において当該干渉信号が移動衛星からのダウンリンク信号と干渉するか否かを予測し、双方が干渉すると予測された場合はダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定する。ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、衛星制御部14は、ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えるよう、移動衛星を制御する。
【0015】
このように、移動衛星からのダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることで、当該ダウンリンク信号と、移動衛星以外から送信される信号とは、異なる送信周波数を使用することとなる。したがって、衛星制御システム10は、移動衛星と他の衛星との電波干渉を事前に回避することができる。
【0016】
<実施形態2>
実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。以下、図面を参照して本開示の実施形態2について説明する。
図2は、本実施形態にかかる衛星制御システム100の説明図である。衛星制御システム100は、宇宙空間に存在する衛星と地上との間で通信を行うことが可能な通信システムである。衛星制御システム100は、制御対象の移動衛星から送信されるダウンリンク信号の周波数を切り替えるよう、制御対象の移動衛星を制御する。
【0017】
移動衛星200及び201は、静止軌道bの近傍を移動する人工衛星である。移動衛星200及び201は、静止軌道帯の物体を監視する衛星であってよい。ここでは、移動衛星200及び201は、静止衛星300及び非公開衛星400を監視するものとして説明を行う。移動衛星200及び201は、静止軌道bの近傍の軌道a及びc上をそれぞれ航行する。軌道a及びcは、静止軌道bの高度から、それぞれ-100km及び+100kmの位置に存在している。これに限らず、軌道a及びcは、静止軌道bと更に離れていてもよいし、より近い距離にあってもよい。またここでは、移動衛星200は、ダウンリンク信号200DLを地上に向けて送信するものとする。
【0018】
静止衛星300及び非公開衛星400は、高度約36,000kmの静止軌道b上に存在する静止衛星である。静止衛星300及び非公開衛星400は、地上から見て静止した状態にある。これに対し、移動衛星200は相対的に東側(
図2の左方向)に進み、移動衛星201は相対的に西側(
図2の右方向)に進行する。
【0019】
静止衛星300は、使用する電波の周波数帯域が公開されている人工衛星である。移動衛星201が軌道c上を進行すると、静止軌道b上の静止衛星300と接近するため、移動衛星201及び静止衛星300の電波が干渉するおそれがある。しかし、静止衛星300が使用する周波数は事前に公開されているため、移動衛星201で使用する周波数を変更することで、双方の電波干渉を回避することができる。
【0020】
一方、非公開衛星400は、使用する電波の周波数帯域が公開されていない人工衛星である。ここでは、非公開衛星400が地上に向けて送信する信号をダウンリンク信号400DLとする。移動衛星200が軌道a上を進行すると、非公開衛星400と接近し、ダウンリンク信号200DLとダウンリンク信号400DLとの電波干渉が生じるおそれがある。しかし、ダウンリンク信号400DLの送信周波数は非公開のため、通常、電波干渉を予め回避することはできない。
【0021】
本実施形態にかかる衛星制御システム100は、通常の地上システムが備える第1アンテナ部101及び関連する通信機能に加え、第2アンテナ部102及び受信機能を1式追加することで、上記の問題を解決することができる。以下では、衛星制御システム100の構成について詳細に説明する。
【0022】
図2に示すブロック図を用いて、衛星制御システム100の構成を説明する。
図2に示すように、衛星制御システム100は、推定部120、第2アンテナ部102、第1アンテナ部101、及びその他の機能部を備えている。以下では、衛星制御システム100が備える各機能部について説明する。尚、衛星制御システム100における各機能部は、同図に示される構成に限らず、複数の装置などを用いて分散処理されてもよい。
【0023】
推定部120は、移動衛星200の将来の存在予定位置を推定する。推定部120は、例えばレンジング又はGPS(Global Positioning System)のデータなどを用いて、移動衛星200の軌道を推定することで移動衛星200の将来の存在予定位置を推定してよい。
【0024】
推定部120は、移動衛星200の軌道を伝搬し、移動衛星200の将来の所定の時刻における軌道要素を求める。所定の時刻は、例えば現在から1時間後、1日後などであってよい。推定部120は、所定の時刻における移動衛星200の軌道要素に基づいて、移動衛星200の将来の存在予定位置を含む方向を第2アンテナ部102が指向するように、第2アンテナ部102の仰角及び方位角を求める。同様の処理を繰り返すことにより、推定部120は、将来の所定期間における第2アンテナ部102の仰角、方位角、及びその時刻情報を求めることができる。
【0025】
また、推定部120は、推定された将来の存在予定位置を含む方向を第2アンテナ部102が指向するように、第2アンテナ部102を制御する。例えば、推定部120は、第2アンテナ部102のアンテナ駆動機構(不図示)に制御信号を出力することで、第2アンテナ部102の動作を制御する。これにより、第2アンテナ部102は、推定部120で求められた仰角、方位角、及び時刻情報に従って、移動衛星200が所定の時刻に通過する予定の軌道の方向を指向し続けることができる。
【0026】
尚、上記に限らず、移動衛星200の将来の存在予定位置の推定には、予め設定された移動衛星200の航行経路などに基づいて、移動衛星200の存在予定位置が決定されることを含んでよい。例えば、推定部120は、予め記憶装置(不図示)に格納された情報を読み出すことで、予め設定された移動衛星200の存在予定位置を取得することができる。
【0027】
また、推定部120は、移動衛星200の現在位置を把握する。推定部120は、移動衛星200の将来の存在予定位置と同様、移動衛星200の現在位置についても予め記憶装置に格納された情報の読み出しなどにより現在位置を取得してよい。推定部120は、取得された現在位置に応じて、第1アンテナ部101のアンテナ駆動機構(不図示)に制御信号を出力し、第1アンテナ部101の動作を制御する。これにより、第1アンテナ部101は、移動衛星200を常に指向することができる。
【0028】
第2アンテナ部102は、実施形態1の第2アンテナ部12に相当するものである。第2アンテナ部102は、移動衛星200の将来の存在予定位置を含む方向から、移動衛星200以外から送信された干渉信号を受信する。ここでは、第2アンテナ部102は、推定部120からの制御を受けて、推定部120で推定された存在予定位置を含む方向を指向し、非公開衛星400からのダウンリンク信号400DLを受信する。尚、干渉信号は、非公開衛星400などを含む静止軌道b上の衛星から送信された信号に限られない。干渉信号は、静止軌道bの近傍に位置する他の衛星などから送信された信号であってよい。
【0029】
第2アンテナ部102は、受信したダウンリンク信号400DLを低雑音増幅部103に出力する。低雑音増幅部103は、第2アンテナ部102において受信されたダウンリンク信号400DLを増幅する。受信周波数変換部104は、低雑音増幅部103において増幅された信号を周波数変換し、周波数解析部105に出力する。
【0030】
周波数解析部105は、実施形態1の判定部13に相当するものである。周波数解析部105は、第2アンテナ部102で受信されたダウンリンク信号400DLに基づいて、ダウンリンク信号200DLとダウンリンク信号400DLとの干渉を予測する。また、周波数解析部105は、干渉を予測した結果、ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する。
【0031】
具体的には、まず、周波数解析部105は、受信周波数変換部104で周波数変換された信号を受け付けて、FFT(Fast Fourier Transform)処理を行い、受け付けた信号を周波数軸に変換する。FFT処理されたスペクトラムにおいて、移動衛星200のダウンリンク周波数帯域に一定以上のレベルの信号がある場合、周波数解析部105は、ダウンリンク信号200DLの周波数を切り替える必要があると判定する。尚、周波数解析部105は、これ以外の方法を用いて電波の周波数解析を行い、上記の判定を行ってもよい。
【0032】
ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替える必要があると判定した場合、周波数解析部105は、ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替えることを決定する。周波数解析部105は、送信周波数の切り替えに対応するよう指示を行うための切替指示信号を、衛星制御部107及び地上制御部106に対して出力する。
【0033】
尚、周波数解析部105は、周波数を切り替えるか必要があるか否かの判定を、複数回行ってもよい。例えば、周波数解析部105は、ダウンリンク信号200DLの送信周波数切替を行ってから所定時間の経過後に、周波数を元の周波数に戻すか否かを判定してもよい。元の周波数に戻すと判定した場合、周波数解析部105は、周波数を元の周波数に切り替えるように衛星制御部107及び地上制御部106に対して切替指示信号を送信する。このようにすることで、移動衛星200が非公開衛星400付近を通過して電波干渉のおそれがなくなった場合には、移動衛星200及び衛星制御システム100を周波数切替前の状態に戻すことができる。
【0034】
また、周波数を元の状態に戻すのみに限らず、周波数解析部105は、更に異なる周波数に切り替えるか否かを判定してもよい。例えば、周波数解析部105は、将来の複数の時刻における存在予定位置を取得して、複数の存在予定位置のそれぞれで、異なる周波数への切り替えを行うよう判定してもよい。例えば、移動衛星200が、現在位置P1から将来の存在予定位置P2、P3、P4、P5、・・・と移動するような場合、送信周波数を現在の周波数f1から、周波数f2、f3、f4、f5、・・・と切り替えるように判定してもよい。
【0035】
また、この場合、周波数解析部105は、周波数の切り替え回数が少なくなるように、優先度を設けて切り替え後の送信周波数を決定してもよい。例えば、上記の例において、存在予定位置P2の通過前に、周波数f1を周波数f2でなく周波数f5に切り替えると存在予定位置P2~P5における周波数切替が不要になるものとする。この場合、存在予定位置P2の通過前においては、周波数f5への切り替えを優先するよう判定してよい。このように優先度を設けることで、周波数の切り替え回数を抑えることができる。
【0036】
衛星制御部107は、実施形態1の衛星制御部14に相当するものである。衛星制御部107は、周波数解析部105の切替指示信号に応じて、ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替えるよう、移動衛星200を制御する。具体的には、衛星制御部107は、移動衛星200に対する制御指示信号を生成し、変調部108、送信周波数変換部109、高出力増幅部110、及び第1アンテナ部101を介して移動衛星200に当該制御指示信号を送信する。
【0037】
変調部108は、衛星制御部107で生成された制御指示信号を受け付けて、制御指示信号を変調する。送信周波数変換部109は、変調部108で変調された制御指示信号に対して周波数変換を行う。高出力増幅部110は、送信周波数変換部109で周波数変換された制御指示信号を増幅し、第1アンテナ部101に出力する。
【0038】
地上制御部106は、周波数解析部105の切替指示信号に応じて、地上側におけるダウンリンク信号200DLの受信周波数を切り替えるよう、地上側システム(衛星制御システム100)を制御する。具体的には、地上制御部106は、切替後の送信周波数に対応するように、ダウンリンク信号200DLの受信周波数を切り替えるよう、受信周波数変換部104に指示信号を出力する。これにより、衛星制御システム100は、切替後の周波数を用いてダウンリンク信号200DLを受信することが可能となる。
【0039】
尚、ダウンリンク信号200DLの送信周波数の切り替えと、これに対応する地上側の受信周波数の切り替えとは、同じタイミングで行うことが望ましい。そのため、周波数解析部105から衛星制御部107及び地上制御部106への切替指示信号には、切り替えのタイミングを指定する切替タイミング情報を含んでよい。切り替えのタイミングは、例えば、所定の日時であってもよいし、現在から所定の時間(例えば、1時間)経過後などであってもよい。
【0040】
その場合、衛星制御部107及び地上制御部106は、切替タイミング情報で指定された所定の切り替えタイミングに応じて、ダウンリンク信号200DLの送信周波数及び受信周波数をそれぞれ切り替える。このようにすることで、衛星側と地上側とでタイミングを合わせて周波数切替を行うことができる。尚、切り替えのタイミングは、所定の時刻や経過時間が予め設定されなくともよい。例えば、任意のタイミングにおいて、ユーザが手動で切り替えを行うように設定されてもよい。
【0041】
第1アンテナ部101は、実施形態1の第1アンテナ部11に相当するものである。第1アンテナ部101は、移動衛星200からダウンリンク信号200DLを受信する。第1アンテナ部101は、推定部120の制御に基づいて、移動衛星200を常に指向している。尚、第1アンテナ部101は、移動衛星200を指向しない期間があってもよい。
【0042】
また、第1アンテナ部101は、移動衛星200に対する制御指示信号を高出力増幅部110から受け付けて、移動衛星200に送信する。
図2では、第1アンテナ部101から移動衛星200に向かうアップリンク信号200ULの矢印を用いて、移動衛星200に対する制御指示信号を示している。
【0043】
低雑音増幅部113、受信周波数変換部114、復調部115、及び衛星監視部116は、移動衛星200においてダウンリンク信号200DLの送信周波数の切り替えが行われると、切り替えられた後の送信周波数でダウンリンク信号200DLを受信し、所定の処理を行う。
【0044】
具体的には、低雑音増幅部113は、第1アンテナ部101において受信されたダウンリンク信号200DLを増幅する。受信周波数変換部114は、低雑音増幅部113で増幅されたダウンリンク信号200DLの周波数を変換する。復調部115は、受信周波数変換部114で周波数を変換されたダウンリンク信号200DLを復調する。衛星監視部116は、復調部115で復調されたダウンリンク信号200DLのデータ抽出を行う。衛星監視部116は、抽出したデータを衛星制御部107へ出力してもよい。
【0045】
続いて、
図3に示すフローチャートを用いて、衛星制御システム100が行う処理について説明する。まず、推定部120は、移動衛星200の将来の存在予定位置を推定する(S101)。推定部120は、例えばレンジング又はGPSデータなどを用いて、移動衛星200の将来の存在予定位置を推定する。また、推定部120は、予め記憶装置に格納されたデータを読み出すことで、移動衛星200の将来の存在予定位置を取得してもよい。
【0046】
推定部120は、推定した存在予定位置を含む方向を指向するよう、第2アンテナ部102を制御する(S103)。第2アンテナ部102は、ダウンリンク信号400DLを受信する。周波数解析部105は、第2アンテナ部102で受信されたダウンリンク信号400DLを取得し、周波数解析を行う(S105)。具体的には、第2アンテナ部102は、ダウンリンク信号400DLを、低雑音増幅部103及び受信周波数変換部104を介して周波数解析部105に出力する。周波数解析部105は、FFT処理を行い、信号を周波数軸に変換する。
【0047】
周波数解析部105は、ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する(S107)。具体的には、FFT処理されたスペクトラムにおいて、ダウンリンク信号200DLの周波数帯域に一定以上のレベルの信号がある場合、送信周波数を切り替える必要があると判定する。
【0048】
周波数解析部105において、周波数を切り替える必要がないと判定された場合(S107のNO)は処理を終了する。周波数解析部105において周波数を切り替える必要があると判定された場合(S107のYES)、周波数解析部105は、周波数を切り替えることを決定する(S109)。周波数解析部105は、地上制御部106及び衛星制御部107に対し、周波数を切り替えるための切替指示信号を出力する(S111)。周波数解析部105は、切替指示信号に切替タイミング情報を含めることで、切り替えのタイミングを指定してもよい。また、周波数解析部105は、ユーザの指示を受け付けて、任意のタイミングで切り替えを指示してもよい。このようにすることで、衛星側と地上側とで切り替えのタイミングを合わせることができる。
【0049】
周波数解析部105からの切替指示信号を受けて、衛星制御部107及び地上制御部106は、周波数を切り替える処理をそれぞれ行う。衛星制御部107は、移動衛星200に対してダウンリンク信号200DLの周波数切替制御を行う。具体的には、衛星制御部107で制御指示を生成し、変調部108で変調し、送信周波数変換部109で周波数変換を行い、高出力増幅部110で信号を増幅し、第1アンテナ部101から移動衛星200に制御信号を出力する。また、地上制御部106は、受信周波数変換部114における受信周波数を切り替えることで、地上側における受信周波数の切替制御を行う。
【0050】
このように、移動衛星200から送信されるダウンリンク信号200DLの周波数を切り替えることで、衛星制御システム100は、切り替え後の周波数において移動衛星200の電波を受信することが可能となる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態にかかる衛星制御システム100では、推定部120において、移動衛星200の将来の存在予定位置を推定し、第2アンテナ部102の指向方向を制御する。第2アンテナ部102では、移動衛星200の将来の存在予定位置を含む方向から送信されたダウンリンク信号400DLを受信する。周波数解析部105は、当該信号を解析することで、将来的にダウンリンク信号200DLとダウンリンク信号400DLとが干渉するか否かを予測する。
【0052】
周波数解析部105は、予測結果に基づいて、ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する。送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、周波数解析部105は、衛星制御部107及び地上制御部106に対して周波数切替のための切替指示信号を出力する。これを受けて、衛星制御部107は、移動衛星200を制御して送信周波数の切り替えを行う。また、この切り替えのタイミングに合わせて、地上制御部106は、地上側の受信周波数の切り替えを行う。
【0053】
このようにすることで、衛星制御システム100は、移動衛星200と非公開衛星400との間において、電波の与干渉及び被干渉を事前に回避することができる。そのため、衛星制御システム100によれば、非公開衛星400の運用を阻害することなく、移動衛星200の運用を継続することができる。
【0054】
尚、上述の説明では、与干渉又は被干渉の対象が静止衛星である場合を用いて説明したが、これに限られない。静止衛星ではないが、一時的に静止軌道上に静止している衛星を対象として本開示が適用されてもよい。また、対象の衛星は、必ずしも静止していなくともよく、地上から見て、相対的にほぼ静止している状態の衛星に対して本開示が適用されてもよい。
【0055】
また、上述の説明では、他の衛星等との干渉を回避するために、ダウンリンク信号200DLの送信周波数を切り替える方法を用いて説明したが、これに限られない。例えば、所定期間、移動衛星200における電波の送受信を停止するなどの制御と組み合わせて本開示が適用されてもよい。
【0056】
尚、上述の説明では、2つのアンテナ部を備えた衛星制御システム100を用いて本開示を説明したが、これに限られない。衛星制御システム100は、3つ以上のアンテナ部を備えていてもよい。また、1つのアンテナ部のみを備え、当該1つのアンテナ部が、例えば所定の時間間隔で第1アンテナ部101及び第2アンテナ部102の機能を切り替えるように構成されていてもよい。
【0057】
<ハードウエアの構成例>
衛星制御システム100等の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、衛星制御システム100等の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0058】
図4は、衛星制御システム100等を実現するコンピュータ900のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ900は、衛星制御システム100等を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ900は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよい。
【0059】
例えば、コンピュータ900に対して所定のアプリケーションをインストールすることにより、コンピュータ900で、衛星制御システム100等の各機能が実現される。上記アプリケーションは、衛星制御システム100等の機能構成部を実現するためのプログラムで構成される。
【0060】
コンピュータ900は、バス902、プロセッサ904、メモリ906、ストレージデバイス908、入出力インタフェース910、及びネットワークインタフェース912を有する。バス902は、プロセッサ904、メモリ906、ストレージデバイス908、入出力インタフェース910、及びネットワークインタフェース912が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ904などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0061】
プロセッサ904は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ906は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス908は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0062】
入出力インタフェース910は、コンピュータ900と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース910には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0063】
ネットワークインタフェース912は、コンピュータ900をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
【0064】
ストレージデバイス908は、衛星制御システム100等の各機能構成部を実現するプログラム(前述したアプリケーションを実現するプログラム)を記憶している。プロセッサ904は、このプログラムをメモリ906に読み出して実行することで、衛星制御システム100等の各機能構成部を実現する。
【0065】
プロセッサの各々は、アルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又はそれ以上のプログラムを実行する。このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0066】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
10、100 衛星制御システム
11、101 第1アンテナ部
12、102 第2アンテナ部
13 判定部
14、107 衛星制御部
103、113 低雑音増幅部
104、114 受信周波数変換部
105 周波数解析部
106 地上制御部
108 変調部
109 送信周波数変換部
110 高出力増幅部
115 復調部
116 衛星監視部
120 推定部
200、201 移動衛星
200DL、400DL ダウンリンク信号
200UL アップリンク信号
300 静止衛星
400 非公開衛星
900 コンピュータ
902 バス
904 プロセッサ
906 メモリ
908 ストレージデバイス
910 入出力インタフェース
912 ネットワークインタフェース
a、c 軌道
b 静止軌道
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象の移動衛星から送信されるダウンリンク信号の周波数を切り替える衛星制御システムであって、
前記移動衛星が位置する第1方向を指向して、前記移動衛星から前記ダウンリンク信号を受信する第1アンテナ部と、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向であって前記第1方向とは異なる第2方向を指向して、使用する電波の周波数帯域が公開されていない衛星から送信された干渉信号を受信する第2アンテナ部と、
前記干渉信号に基づいて、前記ダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えるよう前記移動衛星を制御する衛星制御部と、を備える
衛星制御システム。
【請求項2】
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定する推定部を更に備え、
前記第2アンテナ部は、前記推定部において推定された前記存在予定位置を含む前記第2方向を指向して前記干渉信号を受信する
請求項1に記載の衛星制御システム。
【請求項3】
前記ダウンリンク信号の受信周波数を切り替える地上制御部を更に備え、
前記地上制御部は、前記衛星制御部において切り替えられた前記ダウンリンク信号の送信周波数に対応するように前記ダウンリンク信号の受信周波数を切り替える
請求項1又は2に記載の衛星制御システム。
【請求項4】
前記衛星制御部及び前記地上制御部は、
所定の切り替えタイミングに応じて、前記ダウンリンク信号の前記送信周波数及び前記受信周波数をそれぞれ切り替える
請求項3に記載の衛星制御システム。
【請求項5】
前記移動衛星は、静止軌道近傍を移動し、
前記干渉信号は、前記静止軌道上又は前記静止軌道近傍に位置する他の衛星から送信された信号である
請求項1~4のいずれか1項に記載の衛星制御システム。
【請求項6】
第1方向に位置する移動衛星を制御する制御方法であって、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向であって前記第1方向とは異なる第2方向から、使用する電波の周波数帯域が公開されていない衛星から送信された干渉信号を取得するステップと、
前記干渉信号に基づいて、前記移動衛星から送信されるダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることを決定するステップと、を備える
制御方法。
【請求項7】
第1方向に位置する移動衛星の制御プログラムであって、
前記移動衛星の将来の存在予定位置を推定するステップと、
前記推定するステップにおいて推定された前記移動衛星の将来の存在予定位置を含む方向であって前記第1方向とは異なる第2方向から、使用する電波の周波数帯域が公開されていない衛星から送信された干渉信号を取得するステップと、
前記干渉信号に基づいて、前記移動衛星から送信されるダウンリンク信号と前記干渉信号の干渉を予測することにより、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替える必要があると判定された場合、前記ダウンリンク信号の送信周波数を切り替えることを決定するステップと、をコンピュータに実行させる
プログラム。