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特開2022-187236販売データ処理装置、防犯装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187236
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】販売データ処理装置、防犯装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20221212BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20221212BHJP
   G07G 3/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G07G1/12 331D
G07G1/00 311D
G07G1/12 301E
G07G1/12 321Q
G07G3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095148
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂晃
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA20
3E142DA07
3E142DA11
3E142DA20
3E142EA02
3E142EA13
3E142GA04
3E142GA35
3E142JA02
3E142KA08
3E142KA20
(57)【要約】
【課題】無線タグの情報を利用した商品登録に際して、除外すべき商品の誤登録を防ぐ。
【解決手段】販売データ処理装置は、無線タグが記憶する個品単位の識別情報を取得する取得部と、自店舗および自店舗の同系列に属する他の店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する在庫情報記憶部に、取得部が取得した識別情報をキーにして問合せを行う問合せ部と、取得部が取得した識別情報で識別される物品が、自店舗で在庫中であるかを、問合せ部による問合せ結果に基づいて判断する判断部と、判断部により、取得部が取得した識別情報で識別される物品が自店舗で在庫中と判断された場合に、当該物品の情報を販売データとして登録する登録部と、登録部が販売データを登録すると、当該販売データにかかる物品の識別情報が関連付けられた在庫情報記憶部の情報に対し、在庫していないとする更新を行う更新部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグが記憶する個品単位の識別情報を取得する取得部と、
自店舗および自店舗の同系列に属する他の店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する在庫情報記憶部に、前記取得部が取得した識別情報をキーにして問合せを行う問合せ部と、
前記取得部が取得した識別情報で識別される物品が、自店舗で在庫中であるかを、前記問合せ部による問合せ結果に基づいて判断する判断部と、
前記判断部により、前記取得部が取得した識別情報で識別される物品が自店舗で在庫中と判断された場合に、当該物品の情報を販売データとして登録する登録部と、
前記登録部が販売データを登録すると、当該販売データにかかる物品の識別情報が関連付けられた前記在庫情報記憶部の情報に対し、在庫していないとする更新を行う更新部と、
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記取得部が取得した識別情報で識別される物品が、前記他の店舗で在庫中であるかを、前記問合せ部による問合せ結果に基づいてさらに判断し、
前記判断部により、前記取得部が取得した識別情報で識別される物品が前記他の店舗で在庫中と判断された場合に、アラート情報を報知する報知部をさらに備える
請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記問合せ部は、前記在庫情報記憶部への問合せに先立ち、自店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する自店在庫記憶部に、前記取得部が取得した識別情報をキーにした問合せを行い、当該識別情報が前記自店在庫記憶部に存在しない場合に、前記在庫情報記憶部への問合せを行う
請求項1または2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
店舗の境界近傍に設置され、無線タグが記憶する個品単位の識別情報を取得する第2取得部と、
自店舗および自店舗の同系列に属する他の店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する在庫情報記憶部に、前記第2取得部が取得した識別情報をキーにして問合せを行う第2問合せ部と、
前記第2取得部が取得した識別情報で識別される物品が、自店舗で在庫中であるかを、前記第2問合せ部による問合せ結果に基づいて判断する第2判断部と、
前記第2判断部により、前記第2取得部が取得した識別情報で識別される物品が自店舗で在庫中と判断された場合に、アラート情報を報知する第2報知部と、
を備える防犯装置。
【請求項5】
前記第2判断部は、前記第2問合せ部による問合せ結果に基づいて、前記第2取得部が取得した識別情報で識別される物品が、前記他の店舗で在庫中であるかを、さらに判断する
請求項4に記載の防犯装置。
【請求項6】
無線タグが記憶する個品単位の識別情報を取得する取得機能と、
自店舗および自店舗の同系列に属する他の店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する在庫情報記憶部に、前記取得機能が取得した識別情報をキーにして問合せを行う問合せ機能と、
前記取得機能が取得した識別情報で識別される物品が、自店舗で在庫中であるかを、前記問合せ機能による問合せ結果に基づいて判断する判断機能と、
前記判断機能により、前記取得機能が取得した識別情報で識別される物品が自店舗で在庫中と判断された場合に、当該物品の情報を販売データとして登録する登録機能と、
前記登録機能で販売データが登録されると、当該販売データにかかる物品の識別情報が関連付けられた前記在庫情報記憶部の情報に対し、在庫していないとする更新を行う更新機能と、
を販売データ処理装置が備えるコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置、防犯装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDタグなどの無線タグを用いた販売データ処理が行われている(例えば特許文献1)。このような販売データ処理においては、無線タグから情報を読み取るリーダ装置が、ユーザの意図しない無線タグの情報を読み取ることがある。これは、リーダ装置の読取可能範囲内に、購入する商品に付された無線タグ以外の無線タグがある場合に起こる。
【0003】
例えば、セルフチェックアウト端末が備えるリーダ装置にて商品を登録しようとしているユーザが、現在の店舗に来る前に、現在の店舗の同系列に属する他の店舗(系列他店)で買い物をしていた場合、系列他店で購入済みの商品に付された無線タグをもリーダ装置が読み取ってしまうことがある。この場合、現在購入しようとしている商品の総数よりも多くの商品が、販売データとして登録されることがあり、不都合である。
【0004】
また、会計前商品の持ち去りを検知するゲート装置が、自店舗の商品以外についてアラートしてしまう場合があり、不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、無線タグの情報を利用した商品登録に際して、除外すべき商品の誤登録を防ぐことである。また、本発明が解決しようとする他の課題は、無線タグの情報を利用した会計前商品の持ち去り検知に際して、誤報を防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売データ処理装置は、無線タグが記憶する個品単位の識別情報を取得する取得部と、自店舗および自店舗の同系列に属する他の店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する在庫情報記憶部に、前記取得部が取得した識別情報をキーにして問合せを行う問合せ部と、前記取得部が取得した識別情報で識別される物品が、自店舗で在庫中であるかを、前記問合せ部による問合せ結果に基づいて判断する判断部と、前記判断部により、前記取得部が取得した識別情報で識別される物品が自店舗で在庫中と判断された場合に、当該物品の情報を販売データとして登録する登録部と、前記登録部が販売データを登録すると、当該販売データにかかる物品の識別情報が関連付けられた前記在庫情報記憶部の情報に対し、在庫していないとする更新を行う更新部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態における在庫管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、POS端末装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、POS端末装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、店舗サーバが備える自店在庫記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図5図5は、店舗サーバが備える価格情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図6図6は、本部サーバが備える在庫情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図7図7は、POS端末の制御部が実行する販売データ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本部サーバおよび店舗サーバが実行する在庫管理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、ゲートRFIDリーダの構成の一例を示す図である。
図10図10は、ゲートRFIDリーダの制御部の機能構成の一例を示す図である。
図11図11は、ゲートRFIDリーダが実行する防犯処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、実施形態における在庫管理システムの構成の一例を示す図である。本実施形態の在庫管理システムは、POS(Point Of Sales)端末100,101、RFIDリーダ300,301、アンテナ310,311、ゲートRFIDリーダ400,401、ゲートアンテナ410,411、店舗サーバ600,601および本部サーバ700等を含む。
【0009】
なお、本実施形態では、RFIDタグを無線タグの一例として説明する。また、RFIDリーダ300,301は、無線タグが記憶する情報を読み取るリーダ装置の一例である。
【0010】
また、図1では、本部サーバ700以外の各装置を複数台として図示しているが、実施にあたって、各々が単数台であっても構わない。以下、複数台図示した装置については、各装置のうちの一つの符号を代表として記して説明する。例えばPOS端末100,101についてはPOS端末100についてのみ説明するが、POS端末101についての説明も同様である。
【0011】
RFIDリーダ300は、POS端末100に接続され、POS端末100の制御により動作する。アンテナ310は、RFIDリーダ300に接続され、RFIDリーダ300の制御により電波を送受信する。RFIDリーダ300は、アンテナ310による電波の送受信によりRFIDタグと通信し、RFIDタグが記憶する情報を取得する。RFIDタグは、自身が付された商品の、個品単位の識別情報を記憶する。RFIDリーダ300は、RFIDタグから取得した情報をPOS端末100に送信する。
【0012】
POS端末100は、本実施形態における販売データ処理装置の一例であって、取引にかかる商品の情報の登録や会計処理を行う。POS端末100はRFIDリーダ300に接続されており、RFIDリーダ300を経由して、RFIDタグが記憶する情報を取得する。また、POS端末100は店舗サーバ600に接続されており、店舗サーバ600が記憶する情報を適宜取得し、また、店舗サーバ600に情報を適宜送信する。
【0013】
店舗サーバ600は、ネットワーク800を介して本部サーバ700に接続されており、本部サーバ700が記憶する情報を適宜取得し、また、本部サーバ700に情報を適宜送信する。
【0014】
また、店舗サーバ600は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク(有線/無線を問わない)によりPOS端末100に接続されており、POS端末100と情報の送受信を行う。例えば、店舗サーバ600は、POS端末100に、店舗が在庫する商品の情報を提供する。また、店舗サーバ600は、POS端末100から、販売データを取得する。さらに、店舗サーバ600は、本部サーバ700から、自身が属する系列の全店舗が在庫する商品の情報などの提供を受ける。
【0015】
本部サーバ700は、ネットワーク800を介して店舗サーバ600に接続されており、店舗サーバ600と情報の送受信を行う。例えば、本部サーバ700は、店舗サーバ600に、商品に付された無線タグが記憶する個品単位の識別情報や、商品の価格や名称などの情報(商品情報)を提供する。また、本部サーバ700は、店舗サーバ600から、販売データ等を取得する。
【0016】
さらに、店舗サーバ600は、LAN等のネットワークによりゲートRFIDリーダ400に接続されており、ゲートRFIDリーダ400と情報の送受信を行う。
【0017】
ゲートアンテナ410は、ゲートRFIDリーダ400に接続され、ゲートRFIDリーダ400の制御により電波を送受信する。ゲートRFIDリーダ400は、ゲートアンテナ410による電波の送受信によりRFIDタグと通信し、RFIDタグが記憶する情報を取得する。
【0018】
また、ゲートRFIDリーダ400は、LAN等のネットワークにより店舗サーバ600と情報の送受信可能に接続されており、RFIDタグから取得した情報を店舗サーバ600に送信する。
【0019】
図2は、POS端末100の構成の一例を示す図である。POS端末100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM13(Random Access Memory)、記憶部14、表示部15、操作部16、スピーカー17、通信I/F(Interface)18等を備えている。
【0020】
表示部15は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであって、操作者に向けた情報を表示する。操作部16は、例えば表示部15に重ねられたタッチパネル等の操作デバイスであって、操作の受け付けに用いられる。なお、操作部16は、キーボードやマウス、或いはマイク等の集音デバイスから入力される操作者の発話内容に応じて操作を受け付けるものであっても構わない。
【0021】
スピーカー17は、CPU11の制御に従い、音声を発する。音声は、言葉でもよいし、発信音であってもよい。通信I/F18は、外部装置との通信を可能にする通信部の一例であって、店舗サーバ600やRFIDリーダ300等との通信を仲介する。
【0022】
記憶部14は、プログラムや各種ファイルを記憶する。記憶部14は記憶装置であればよく、HDD(Hard Disk Drive)でもよいし、SSD(Solid State Drive)であってもよい。記憶部14に記憶されているプログラムは、POS端末100の起動時に、その全部または一部がCPU11により実行される。
【0023】
ROM12は、CPU11が実行するプログラムを記憶している。RAM13は、CPU11が実行するプログラムの展開や各種値の一時的な記憶に用いられる。CPU11は、ROM12や記憶部14に記憶されているプログラムを実行することにより、制御部20として機能する。制御部20は、次に説明する各種機能部(図3参照)を備える。
【0024】
図3は、POS端末100の制御部20の機能構成の一例を示す図である。制御部20は、コード取得部(取得部)21、問合せ部22、判断部23、登録部24、会計部25、更新部26、報知部27等の機能部を備える。
【0025】
コード取得部21は、RFIDリーダ300から送信される情報を受信することにより、RFIDタグが記憶する個品単位の識別情報(個品コード)を取得する。
【0026】
問合せ部22は、自店在庫記憶部61(図4参照、後述)に、コード取得部21が取得した識別情報(個品コード)をキーにして問合せを行う。自店在庫記憶部61は、店舗サーバ600が備え、自店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する。
【0027】
また、問合せ部22は、コード取得部21が取得した識別情報(個品コード)が自店在庫記憶部61に存在しない場合に、在庫情報記憶部71(図6参照、後述)に、個品コードをキーにした問合せを行う。在庫情報記憶部71は、本部サーバ700が備え、系列の全店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する。
【0028】
判断部23は、コード取得部21が取得した識別情報(個品コード)で識別される物品が、自店舗で在庫中の商品であるか、或いは系列他店で在庫中の商品であるか、問合せ部22による問合せ結果に基づいて判断する。なお、系列他店は、自店舗の同系列に属する他の店舗である。
【0029】
登録部24は、判断部23により、コード取得部21が取得した識別情報(個品コード)で識別される物品が自店舗で在庫中の商品であると判断された場合に、当該物品の情報を販売データとして登録する。会計部25は、販売データに基づいて会計処理を行う。
【0030】
更新部26は、登録部24が販売データを登録すると、当該販売データにかかる物品の個品単位の識別情報(個品コード)が関連付けられた自店在庫記憶部61および在庫情報記憶部71の情報に対し、在庫していないとする更新を行う。なお、本実施形態のシステム構成では、POS端末100と本部サーバ700とは直接通信するようになっていないため、在庫情報記憶部71の更新については、更新部26の更新要求が、店舗サーバ600を介して本部サーバ700に伝達される。
【0031】
報知部27は、判断部23により、コード取得部21が取得した識別情報(個品コード)で識別される物品が系列他店で在庫中と判断された場合に、アラート情報を報知する。ここで、アラート情報は、POS端末100や店舗サーバ600、本部サーバ700に伝達される。各端末(POS端末100や店舗サーバ600、本部サーバ700)では、画面表示やランプの点灯、或いは音声などによる情報の報知が行われる。
【0032】
次に、図4は、店舗サーバ600が備える自店在庫記憶部61が記憶する情報の一例を示す図である。図5は、店舗サーバ600が備える価格情報記憶部62が記憶する情報の一例を示す図である。店舗サーバ600は、例えば一般的なPC(Personal Computer)のような構成であって、CPUやROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備えており、記憶装置の一部領域が、自店在庫記憶部61や価格情報記憶部62として使用されている。
【0033】
価格情報記憶部62は、いわゆる商品マスタファイル或いはPLU(Price Look Up)テーブルと言われるもので、商品の識別情報に関連付けて価格や商品名などの商品情報を記憶している。価格や商品名については、SKU(Stock Keeping Unit)単位で商品が識別できれば足りるので、価格情報記憶部62での識別情報はSKUコードである。なお、SKUコードは、例えばJANコード(Japanese Article Number)である。
【0034】
自店在庫記憶部61は、自店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する。ここで、個品単位の識別情報は、商品に付されたRFIDタグが記憶している個品コードである。自店在庫記憶部61は、SKUコードと、個品コードと、在庫フラグとを、関連付けて記憶している。在庫フラグは、1は在庫中であることを示し、0は販売済み(或いは店間移動等により不在)であることを示す。
【0035】
図6は、本部サーバ700が備える在庫情報記憶部71が記憶する情報の一例を示す図である。本部サーバ700は、例えば一般的なPCのような構成であって、CPUやROM、RAM、HDD等の記憶装置を備えており、記憶装置の一部領域が、在庫情報記憶部71として使用されている。
【0036】
在庫情報記憶部71は、系列の全店舗の取扱い物品の情報と個品単位の識別情報とを関連付けて記憶する。在庫情報記憶部71は、SKUコードと、個品コードと、在庫フラグと、ロケーションとを、関連付けて記憶している。ロケーションは、個品コードの商品を在庫している店舗の識別情報(店舗名など)である。
【0037】
POS端末100は、個品コード(個品単位の識別情報)をキーに自店在庫記憶部61や在庫情報記憶部71に問合せを行うことにより、当該個品コードのRFIDタグが付された商品のSKUを知ることができる。SKUが分かると、POS端末100は、価格情報記憶部62を参照することで、商品の価格を知ることができる。
【0038】
図7は、POS端末100の制御部20が実行する販売データ処理の流れの一例を示すフローチャートである。コード取得部21としての制御部20が、RFIDリーダ300が読み取った個品コードを取得すると(ステップS1)、制御部20は、問合せ部22として、ステップS1で取得した個品コードをキーに自店在庫記憶部61に問合せを行い、判断部23として、問合せ結果に基づいて、当該個品コードの商品が自店舗で在庫中であるか判断する(ステップS2)。つまりステップS2においては、ステップS1で取得した個品コードが自店在庫記憶部61に存在し、且つ、当該個品コードに関連付けられた在庫フラグが「1」であるか判断する。
【0039】
ステップ2において、ステップS1で取得した個品コードの商品が自店舗で在庫中であると判断されると(ステップS2のYes)、制御部20は、登録部24として、当該個品コードの商品の情報(個品コード、SKUコード、価格、商品名など)を、販売データとして登録する(ステップS3)。また、制御部20は、会計部として、販売データに基づいて会計処理を行う、つまり購入者との金銭(現金もしくは金額情報)の授受を行う(ステップS4)。さらに制御部20は、更新部26として、自店在庫記憶部61および在庫情報記憶部71における、販売データにかかる物品の個品コードが関連付けられた在庫フラグを、「1」から「0」に更新する(ステップS5)。
【0040】
ステップS2において、ステップS1で取得した個品コードの商品が自店舗で在庫中ではないと判断されると(ステップS2のNo)、制御部20は、問合せ部22として、当該個品コードをキーに在庫情報記憶部71に問合せを行う(ステップS6)。次に制御部20は、判断部23として、ステップS6での問合せ結果に基づいて、ステップS1で取得した個品コードの商品のデータが在庫情報記憶部71に存在するか判断する(ステップS7)。
【0041】
ステップS7において、ステップS1で取得した個品コードの商品のデータが在庫情報記憶部71にないと判断された場合(ステップS7のNo)、その個品コードは系列全店の取扱商品に関わりのないものであるため、制御部20は本処理を終了する。
【0042】
ステップS7において、ステップS1で取得した個品コードの商品のデータが在庫情報記憶部71にあると判断された場合(ステップS7のYes)、制御部20は、判断部23として、当該個品コードの商品のステータスを判断する(ステップS8)。つまり、ステップS8においては、ステップS1で取得した個品コードの商品が系列他店で在庫中(在庫フラグが「1」)であるか或いは会計済み(在庫フラグが「0」)であるかを判断する。
【0043】
ステップS8において、ステップS1で取得した個品コードの商品のデータが系列他店で会計済みと判断された場合(ステップS8のNo)、制御部20は本処理を終了する。また、ステップS8において、ステップS1で取得した個品コードの商品が系列他店で在庫中とされていると判断された場合(ステップS8のYes)、制御部20は、報知部27として、アラート情報を報知し(ステップS9)、本処理を終了する。
【0044】
以上のような処理によれば、RFIDタグの情報を利用した商品登録に際し、会計すべき商品に付されたRFIDタグ以外のRFIDタグが記憶する情報を除外することができる。これにより、除外すべき商品(系列全店で取扱いなしの商品や系列他店で会計済みの商品)が誤登録されるような不都合の発生を防いで、会計すべき商品に付されたRFIDタグが記憶する情報に基づいた商品登録を行うことができる。
【0045】
また、以上のような処理によれば、RFIDタグの情報を利用した商品登録に際し、系列他店で在庫中とされた商品が未会計であることを知ることができる。
【0046】
次に、図8は、本部サーバ700および店舗サーバ600が実行する在庫管理の流れの一例を示すフローチャートである。本部サーバ700や店舗サーバ600の制御部(CPUがプログラムの実行により実現する機能部)は、在庫情報記憶部71および自店在庫記憶部61に対して在庫の変動の即時に反映させることにより、在庫管理を行う。
【0047】
すなわち、本部サーバ700や店舗サーバ600の制御部は、商品入荷に際して(ステップS11のYes)、在庫情報記憶部71や自店在庫記憶部61にレコードを追加し、在庫フラグを「1」にする(ステップS12)。
【0048】
また、制御部は、商品入荷でなく(ステップS11のNo)、売り上げ(POS端末100の更新部26による更新)または店間移動があったとき(ステップS13のYes)、在庫情報記憶部71や自店在庫記憶部61の該当の個品コードに関連付けられた在庫フラグを「1」から「0」に更新する(ステップS14)。
【0049】
また、制御部は、売り上げ又は店間移動でなく(ステップS13のNo)、返品があったとき(ステップS15のYes)、在庫情報記憶部71や自店在庫記憶部61の該当の個品コードに関連付けられた在庫フラグを「0」から「1」に更新する(ステップS16)。なお、本部サーバ700や店舗サーバ600の制御部は、返品がないとき(ステップS15のNo)、本処理を終了する。
【0050】
このような処理によれば、在庫の変動を即時に反映することができる。
【0051】
次に、一旦図1に戻り、本実施形態における防犯装置の一例であるゲートRFIDリーダ400について説明する。ゲートRFIDリーダ400は、ゲートアンテナ410による電波の送受信によりRFIDタグと通信し、RFIDタグが記憶する情報を取得する。ゲートアンテナ410は、ゲートRFIDリーダ400に接続され、ゲートRFIDリーダ400の制御により電波を送受信する。
【0052】
また、ゲートRFIDリーダ400は店舗サーバ600に接続されており、店舗サーバ600が記憶する情報を適宜取得し、また、店舗サーバ600に情報を適宜送信する。ゲートRFIDリーダ400は、RFIDタグから取得した情報を、店舗サーバ600に送信する。
【0053】
図9は、ゲートRFIDリーダ400の構成の一例を示す図である。ゲートRFIDリーダ400は、CPU41、ROM42、RAM43、記憶部44、ランプ45、ブザー47、通信I/F48等を備えている。
【0054】
ランプ45は、CPU41の制御に従い、明滅等により、操作者に向けて情報を示す。ブザー47は、CPU41の制御に従い、音声を発する。通信I/F48は、外部装置との通信を可能にする通信部の一例であって、店舗サーバ600等との通信を仲介する。
【0055】
記憶部44は、プログラムや各種ファイルを記憶する。記憶部44に記憶されているプログラムは、ゲートRFIDリーダ400の起動時に、その全部または一部がCPU41により実行される。
【0056】
ROM42は、CPU41が実行するプログラムを記憶している。RAM43は、CPU41が実行するプログラムの展開や各種値の一時的な記憶に用いられる。CPU41は、ROM42や記憶部44に記憶されているプログラムを実行することにより、制御部50として機能する。制御部50は、次に説明する各種機能部(図10参照)を備える。
【0057】
図10は、ゲートRFIDリーダ400の制御部50の機能構成の一例を示す図である。制御部50は、コード取得部(第2取得部)51、問合せ部(第2問合せ部)52、判断部(第2判断部)53、報知部(第2報知部)54等の機能部を備える。
【0058】
コード取得部51は、店舗の境界近傍に設置され、RFIDタグが記憶する個品単位の識別情報(個品コード)を取得する。
【0059】
問合せ部52は、自店舗および自店舗の同系列に属する他の店舗である系列他店の取扱い物品の情報と個品コードとを関連付けて記憶する在庫情報記憶部71に、コード取得部51が取得した個品コードをキーにして問合せを行う。
【0060】
判断部53は、コード取得部51が取得した個品コードで識別される商品が、自店舗で在庫中であるかを、問合せ部52による問合せ結果に基づいて判断する。また、判断部53は、問合せ部52による問合せ結果に基づいて、コード取得部51が取得した個品コードで識別される商品が、系列他店で在庫中であるかを、判断する。
【0061】
報知部54は、判断部53により、コード取得部51が取得した個品コードで識別される商品が自店舗で在庫中と判断された場合に、アラート情報を報知する。
【0062】
図11は、ゲートRFIDリーダ400が実行する防犯処理の流れの一例を示すフローチャートである。コード取得部51としての制御部50が、個品コードを取得すると(ステップS21)、制御部50は、問合せ部52として、ステップS21で取得した個品コードをキーに自店在庫記憶部61に問合せを行い、判断部53として、問合せ結果に基づいて、当該個品コードの商品が自店舗で在庫中であるか判断する(ステップS22)。つまりステップS22においては、ステップS21で取得した個品コードが自店在庫記憶部61に存在し、且つ、当該個品コードに関連付けられた在庫フラグが「1」であるか判断する。
【0063】
ステップS22において、ステップS21で取得した個品コードの商品が自店舗で在庫中であると判断されると(ステップS22のYes)、制御部20は、報知部54として、アラート情報を報知し(ステップS23)、本処理を終了する。
【0064】
ステップS22において、ステップS21で取得した個品コードの商品が自店舗で在庫中ではないと判断されると(ステップS22のNo)、制御部50は、問合せ部52として、当該個品コードをキーに在庫情報記憶部71に問合せを行う(ステップS24)。次に制御部20は、判断部53として、ステップS24での問合せ結果に基づいて、ステップS21で取得した個品コードの商品のデータが在庫情報記憶部71に存在するか判断する(ステップS25)。
【0065】
ステップS25において、ステップS21で取得した個品コードの商品のデータが在庫情報記憶部71にないと判断された場合(ステップS25のNo)、その個品コードは系列全店の取扱商品に関わりのないものであるため、制御部50は本処理を終了する。
【0066】
ステップS25において、ステップS21で取得した個品コードの商品のデータが在庫情報記憶部71にあると判断された場合(ステップS25のYes)、制御部50は、判断部53として、当該個品コードの商品のステータスを判断する(ステップS26)。つまり、ステップS26においては、ステップS21で取得した個品コードの商品が系列他店で在庫中(在庫フラグが「1」)であるか或いは会計済み(在庫フラグが「0」)であるかを判断する。
【0067】
ステップS26において、ステップS21で取得した個品コードの商品のデータが系列他店で会計済みと判断された場合(ステップS26のNo)、制御部50は本処理を終了する。また、ステップS26において、ステップS21で取得した個品コードの商品が系列他店で在庫中とされていると判断された場合(ステップS26のYes)、制御部50は、報知部54として、アラート情報を報知し(ステップS27)、本処理を終了する。
【0068】
以上のような処理によれば、RFIDタグの情報を利用した会計前商品の持ち去り検知に際して、系列全店で取扱いなしの商品や系列他店で会計済みの商品について警報が発報されてしまうような、誤報を防ぐことができる。
【0069】
また、以上のような処理によれば、RFIDタグの情報を利用した商品登録に際し、系列他店で在庫中とされた商品が未会計であることを検知することができる。
【0070】
なお、本実施形態では、問合せ部22は、ネットワーク800を介した情報の送受信速度に配慮し、自店在庫記憶部61に存在しなかった識別情報についてのみ在庫情報記憶部71への問合せを行うようにしたが、実施にあたっては、自店在庫記憶部61を用いず、全ての識別情報を在庫情報記憶部71に問合せるようにしても構わない。
【0071】
以上のような本実施形態の販売データ処理装置(POS端末100)および防犯装置(ゲートRFIDリーダ400)で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0072】
本実施形態の販売データ処理装置および防犯装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0073】
さらに、本実施形態の販売データ処理装置および防犯装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の販売データ処理装置および防犯装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0074】
本実施形態の販売データ処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(コード取得部21、問合せ部22、判断部23、登録部24、会計部25、更新部26、報知部27)を含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)は、上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、コード取得部21、問合せ部22、判断部23、登録部24、会計部25、更新部26、報知部27が、主記憶装置上に生成される。
【0075】
また、本実施形態の防犯装置で実行されるプログラムは、上述した各部(コード取得部51、問合せ部52、判断部53、報知部54)を含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)は、上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、コード取得部51、問合せ部52、判断部53、報知部54が、主記憶装置上に生成される。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
100、101…POS端末(販売データ処理装置)、
11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…記憶部、
15…表示部、16…操作部、17…スピーカー、18…通信I/F、
20…制御部、
21…コード取得部、22…問合せ部、23…判断部、
24…登録部、25…会計部、26…更新部、27…報知部、
300…RFIDリーダ、310…アンテナ、
400…ゲートRFIDリーダ(防犯装置)、
41…CPU、42…ROM、43…RAM、44…記憶部、
45…ランプ、47…ブザー、48…通信I/F、
410…ゲートアンテナ、
50…制御部、
51…コード取得部、52…問合せ部、53…判断部、54…報知部、
600…店舗サーバ、61…自店在庫記憶部、62…価格情報記憶部、
700…本部サーバ、71…在庫情報記憶部、
800…ネットワーク。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2019-101816号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11