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特開2022-187248ネットワーク設定管理装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187248
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】ネットワーク設定管理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/00 20220101AFI20221212BHJP
【FI】
H04L12/70 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095175
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北脇 淳
(72)【発明者】
【氏名】爲重 貴志
(72)【発明者】
【氏名】村山 耕一
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀樹
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HA08
5K030HC01
5K030JA10
5K030JA11
5K030JT03
5K030LB05
5K030LC01
5K030MA04
5K030MB02
5K030MC09
(57)【要約】
【課題】ネットワーク内に複数の経路を確立し、アプリケーション毎に経路を選択する構成におけるネットワークの利用状態を管理する。
【解決手段】ネットワーク設定管理装置は、経路毎に該経路の帯域を含む通信品質を経路品質情報として管理し、アプリケーション毎に選択した経路を経路選択情報として管理する経路管理部と、アプリケーション毎のトラフィック量を予測し、経路選択情報に基づきアプリケーション毎の選択経路を予測し、予測されたトラフィック量と予測された選択経路とに基づき、前記経路毎のトラフィック量を予測するトラフィック予測部と、経路毎のトラフィック量と経路品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する設定評価部とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと記憶装置とを有し、前記プロセッサが前記記憶装置に格納されたソフトウェアプログラムを実行するネットワーク設定管理装置であって、
前記プロセッサが前記ソフトウェアプログラムを実行することにより実現される、
経路毎に該経路の帯域を含む通信品質を経路品質情報として管理し、アプリケーション毎に選択した経路を経路選択情報として管理する経路管理部と、
前記アプリケーション毎のトラフィック量を予測し、前記経路選択情報に基づき前記アプリケーション毎の選択経路を予測し、前記予測されたトラフィック量と前記予測された選択経路とに基づき、前記経路毎のトラフィック量を予測するトラフィック予測部と、
前記経路毎のトラフィック量と前記経路品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する設定評価部と、
を有するネットワーク設定管理装置。
【請求項2】
前記経路管理部は、前記アプリケーション毎の経路に対する要求条件を経路選択ポリシーとして更に管理し、
前記設定評価部は、
トラフィック量が帯域を超過する経路があれば、前記経路選択情報に基づき、当該経路を選択するアプリケーションを、経路変更対象アプリケーションとして特定し、
前記経路選択ポリシーと前記経路品質情報と前記経路毎の予測されたトラフィック量とに基づいて、前記経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを変更せずに前記経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路があるか否か判定する、
請求項1に記載のネットワーク設定管理装置。
【請求項3】
前記経路管理部は、前記アプリケーション毎に同じアプリケーションにより他の環境で実績のある経路選択ポリシーを実績ポリシーとして更に管理し、
前記設定評価部は、前記経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、前記経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、前記実績ポリシーのいずれかに変更することを提案する、
請求項2に記載のネットワーク設定管理装置。
【請求項4】
前記設定評価部は、前記経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、前記経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、前記実績ポリシーに含まれ、前記経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路が生じる経路選択ポリシーに変更することを提案する、
請求項3に記載のネットワーク設定管理装置。
【請求項5】
前記経路管理部は、前記実績ポリシーについて、選択された回数と、前記選択された回数のうち障害が発生した回数とを更に管理し、
前記設定評価部は、前記経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、前記経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、前記実績ポリシーに含まれ、前記経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路が生じる経路選択ポリシーについて、前記選択された回数と、前記選択された回数のうち障害が発生した回数とを提示して、変更を提案する、
請求項4に記載のネットワーク設定管理装置。
【請求項6】
前記設定評価部は、前記経路管理部にて管理される経路のうち未使用の経路が存在する場合、当該経路を未使用の経路として通知する、
請求項1に記載のネットワーク設定管理装置。
【請求項7】
プロセッサおよび記憶装置を備えるコンピュータが、前記プロセッサにより前記記憶装置に格納されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより実現されるネットワーク設定管理方法であって、
経路毎に該経路の帯域を含む通信品質を経路品質情報として管理し、アプリケーション毎に選択した経路を経路選択情報として管理し、
前記アプリケーション毎のトラフィック量を予測し、前記経路選択情報に基づき前記アプリケーション毎の選択経路を予測し、前記予測されたトラフィック量と前記予測された選択経路とに基づき、前記経路毎のトラフィック量を予測し、
前記経路毎のトラフィック量と前記経路品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する、
ネットワーク設定管理方法。
【請求項8】
前記アプリケーション毎の経路に対する要求条件を経路選択ポリシーとして更に管理し、
トラフィック量が帯域を超過する経路があれば、前記経路選択情報に基づき、該経路を選択するアプリケーションを、経路変更対象アプリケーションとして特定し、
前記経路選択ポリシーと前記経路品質情報と前記経路毎の予測されたトラフィック量とに基づいて、前記経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを変更せずに前記経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路があるか否か判定する、
請求項7に記載のネットワーク設定管理方法。
【請求項9】
前記アプリケーション毎に同じアプリケーションにより他の環境で実績のある経路選択ポリシーを実績ポリシーとして更に管理し、
前記経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、前記経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、前記実績ポリシーのいずれかに変更することを提案する、
請求項8に記載のネットワーク設定管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アプリケーションによるネットワークの利用を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DX(デジタルトランスフォーメーション)によりIT(Information Technology)サービスは、単一拠点内に閉じた利用から、WAN(Wide Area Network)を介した複数拠点での利用や、クラウドにより場所を選ばない利用へと広がっている。それに伴い、アプリケーションに利用する経路をSDN(Software-Defined Networking)により柔軟な設定が行われている。
【0003】
そして、アプリケーションによるネットワークの利用が適切な状態となっているかを管理することが求められている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、企業ネットワークのエッジルータからトラフィック量など品質管理に必要な情報を収集し、将来のトラフィック推移および今後の運用状況の動向を予測し、予測結果通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-69644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、SDN技術によりWANのネットワーク内に複数の経路を確立し、アプリケーション毎に経路を選択する構成(SD-WAN)におけるネットワークの利用状態を管理することについて考慮されていない。
【0007】
本開示のひとつの目的は、ネットワーク内に複数の経路を確立し、アプリケーション毎に経路を選択する構成におけるネットワークの利用状態を管理することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のひとつの態様に従うネットワーク設定管理装置は、プロセッサと記憶装置とを有し、前記プロセッサが前記記憶装置に格納されたソフトウェアプログラムを実行するネットワーク設定管理装置であって、前記プロセッサが前記ソフトウェアプログラムを実行することにより実現される、経路毎に該経路の帯域を含む通信品質を経路品質情報として管理し、アプリケーション毎に選択した経路を経路選択情報として管理する経路管理部と、前記アプリケーション毎のトラフィック量を予測し、前記経路選択情報に基づき前記アプリケーション毎の選択経路を予測し、前記予測されたトラフィック量と前記予測された選択経路とに基づき、前記経路毎のトラフィック量を予測するトラフィック予測部と、前記経路毎のトラフィック量と前記経路品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する設定評価部と、を有する。
【0009】
本開示のひとつの態様に従うネットワーク設定管理方法は、プロセッサおよび記憶装置を備えるコンピュータが、前記プロセッサにより前記記憶装置に格納されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより実現されるネットワーク設定管理方法であって、経路毎に該経路の帯域を含む通信品質を経路品質情報として管理し、アプリケーション毎に選択した経路を経路選択情報として管理し、前記アプリケーション毎のトラフィック量を予測し、前記経路選択情報に基づき前記アプリケーション毎の選択経路を予測し、前記予測されたトラフィック量と前記予測された選択経路とに基づき、前記経路毎のトラフィック量を予測し、前記経路毎のトラフィック量と前記経路品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する。
【発明の効果】
【0010】
本開示のひとつの態様によれば、ネットワーク内に複数の経路を確立し、アプリケーション毎に経路を選択する構成におけるネットワークの利用状態を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態のネットワーク設定管理装置が適用されるネットワーク構成の一例を示す図である。
図2図1に示したネットワーク設定管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図1に示したネットワーク設定管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図2に示した経路管理部にて入力テーブルとして管理されるアプリケーション情報の一例を示す図である。
図5図2に示した経路管理部にて入力テーブルとして管理される経路情報の一例を示す図であり、(a)は経路毎のトラフィックテーブルを示す図、(b)は経路品質テーブルを示す図、(c)は経路毎の品質監視テーブルを示す図である。
図6図2に示した経路管理部にて入力テーブルとして管理される実績ポリシー情報の一例を示す図である。
図7図1に示したネットワーク設定管理装置におけるネットワーク設定管理方法を説明するためのフローチャートである。
図8図2に示したトラフィック予測部にて作成された中間情報を示す図であり、(a)はアプリケーション毎のトラフィック予測テーブルを示す図、(b)は経路毎のトラフィック予測テーブルを示す図である。
図9図2に示した設定評価部における帯域判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図10図2に示した設定評価部にて判定された経路状態を示す情報からなるテーブルを示す図である。
図11図2に示した設定評価部における代替経路判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図12図2に示した設定評価部における切り替え後の経路判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図13図2に示した設定評価部における経路選択ポリシー変更方針探索処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図14図2に示した設定評価部における経路選択ポリシー変更方針探索処理にて作成される経路選択ポリシー評価テーブルを示す図である。
図15図2に示した設定評価部が、経路管理部にて管理される経路のうち未使用の経路が存在するか否かを判定する処理を説明するためのフローチャートである。
図16図2に示した設定評価部が作成する未使用経路判定テーブルを示す図である。
図17図3に示した表示装置にて表示出力される経路状態画面を示す図である。
図18図17に示した経路状態画面にて詳細確認ボタンが押下された場合に表示装置に表示される画面を示す図である。
図19図18に示した経路状態画面にて詳細確認ボタンが押下された場合に表示装置に表示される画面を示す図である。
図20図2に示した経路管理部にて管理される経路のうち使用されていない経路を通知する画面を示す図である。
図21】アプリケーションを変更した場合に表示装置に表示される画面を示す図である。
図22図1に示したネットワーク設定管理装置において、代替経路が生じる経路選択ポリシーについて、選択された回数と、選択された回数のうち障害が発生した回数とを提示して、変更を提案する処理を説明するためのフローチャートである。
図23図22に示した処理によって作成されたテーブルを示す図である。
図24図23に示した出力テーブルの内容を反映した経路選択ポリシー変更提案画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明のネットワーク設定管理装置が適用されるネットワーク構成の一例を示す図であり、アプリケーションの利用の様子を示す。
【0014】
本例のネットワーク構成は図1に示すように、拠点ネットワーク11から、WAN13を介してデータセンタもしくは他の拠点ネットワーク12に接続可能に構成されており、拠点ネットワーク11とデータセンタもしくは他の拠点ネットワーク12との間にて、ネットワーク装置16によりWAN13上に確立された経路14がネットワーク設定管理装置15により管理される。ネットワーク設定管理装置15は拠点ネットワークごとにあっても、特定の拠点ネットワークに存在し、全拠点ネットワークのネットワーク装置15間の経路14を管理してもよい。
【0015】
このように構成されたネットワーク構成において、拠点ネットワーク11内にいるユーザ(不図示)は、複数のアプリケーション(不図示)を利用するユーザであって、各アプリケーションの処理に、ネットワーク設定管理装置15により管理される経路14を介してデータセンタもしくは他の拠点ネットワーク12のデータを利用することになる。
【0016】
図2は、図1に示したネットワーク設定管理装置15の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示したネットワーク設定管理装置15は図2に示すように、その機能として、経路管理部21とトラフィック予測部22と設定評価部23とを有している。
【0018】
経路管理部21は、経路14毎にその経路の帯域を含む通信品質を経路品質情報として管理し、また、拠点ネットワーク11内から送信されるアプリケーション毎に選択した経路を経路選択情報として管理する。
【0019】
トラフィック予測部22は、拠点ネットワーク11内から送信されるアプリケーション毎のトラフィック量を予測し、経路管理部21にて管理される経路選択情報に基づきアプリケーション毎の選択経路を予測し、予測したトラフィック量と予測した選択経路とに基づき、経路毎のトラフィック量を予測する。
【0020】
設定評価部23は、トラフィック予測部22にて予測された経路毎のトラフィック量と、経路管理部21にて管理される経路品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する。
【0021】
図3は、図1に示したネットワーク設定管理装置15のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示したネットワーク設定管理装置15のハードウェア構成は図3に示すように、プロセッサ31とメインメモリ32と記憶増値33と通信装置34と入力装置35と表示装置36とがバス37を介して接続されたものとなっている。
【0023】
プロセッサ31は、記憶装置33からメインメモリ32に読み出されたソフトウェアプログラムを実行することにより、図2に示した各機能を実現する。
【0024】
通信装置34は、ネットワーク装置16に接続するためのものである。
【0025】
入力装置35は、記憶装置33に設定された様々なテーブルに情報を入力するためのものである。
【0026】
表示装置36は、プロセッサ31における実行結果を表示出力するものである。
【0027】
以下に、上記のように構成されたネットワーク設定管理装置15におけるネットワーク設定管理方法について説明する。
【0028】
まず、記憶装置33に記憶されて経路管理部21にて入力テーブルとして管理される情報について説明する。
【0029】
図4は、図2に示した経路管理部21にて入力テーブルとして管理されるアプリケーション情報の一例を示す図である。アプリケーション情報には、アプリケーションテーブルと、アプリケーション毎のトラフィックテーブルと、経路選択ポリシーテーブルと、アプリケーション毎の経路テーブルとが含まれている。
【0030】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル1となるアプリケーションテーブルとして管理されるアプリケーション情報は、図4に示すように、拠点ネットワーク11から送信されるアプリケーションのトラフィック毎に、利用元及び宛先のIPアドレスおよびポート番号の情報、並びに利用される通信プロトコルが管理されている。これらの情報は、図1に示したネットワーク装置16から取得する。
【0031】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル2となるアプリケーション毎のトラフィックテーブルとして管理されるアプリケーション情報は、図4に示すように、拠点ネットワーク11から送信されるアプリケーションのトラフィック毎に、過去の利用時刻とその際のトラフィック量の実測値が管理されている。なお、この実測値は、一定時間毎に図1に示したネットワーク装置16から測定されて記録される。
【0032】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル3となる経路選択ポリシーテーブルとして管理されるアプリケーション情報は、図4に示すように、拠点ネットワーク11から送信されるアプリケーションのトラフィック毎に、満たすべき転送時間の条件やパケットロス率の条件といった、経路に要求される条件を指定するポリシーが経路選択ポリシーとして管理されている。これらの情報は、図1に示したネットワーク装置16から取得する。
【0033】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル4となるアプリケーション毎の経路テーブルとして管理されるアプリケーション情報は、図4に示すように、拠点ネットワーク11から送信されるアプリケーションのトラフィック毎に、過去の利用時刻とその際に利用された経路が経路選択情報として管理されている。なお、この経路は、一定時間毎に図1に示したネットワーク装置16から測定されて記録される。
【0034】
図5は、図2に示した経路管理部21にて入力テーブルとして管理される経路情報の一例を示す図である。経路情報には、経路毎のトラフィックテーブルと、経路品質テーブルと、経路毎の品質監視テーブルとが含まれている。
【0035】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル5となる経路毎のトラフィックテーブルとして管理される経路情報は、図5に示すように、経路14毎に、過去の利用時刻とその際のトラフィック量の実測値が記録されている。なお、この実測値は、一定時間毎に図1に示したネットワーク装置16から測定されて記録される。
【0036】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル6となる経路品質テーブルとして管理される経路情報は、図5に示すように、経路14毎に、帯域、回線種別、転送時間及びパケットロス率が経路品質情報として管理されている。帯域及び回線種別は、契約時に決められたものである。転送時間及びパケットロス率は、一定時間毎に図1に示したネットワーク装置16から測定されて取得された実測値である。
【0037】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル7となる経路毎の品質監視テーブルとして管理される経路情報は、図5に示すように、経路14毎に、帯域使用率のしきい値とパケットロス率のしきい値が管理されている。これらのしきい値は、後述する経路判定においてトラフィック量が超過するかどうかを判定するためのものであって、例えば、ネットワーク管理者が予め設定する。
【0038】
図6は、図2に示した経路管理部21にて入力テーブルとして管理される実績ポリシー情報の一例を示す図である。実績ポリシー情報には他環境ポリシーテーブルが含まれる。
【0039】
図2に示した経路管理部21にて入力テーブル8となる他環境ポリシーテーブルは、図6に示すように、拠点ネットワーク11からデータセンタもしくは他の拠点ネットワーク12へ向けて送信されるアプリケーションのトラフィックについて、過去に実績がある転送時間及びパケットロス率が実績ポリシーとして管理されている。
【0040】
図7は、図1に示したネットワーク設定管理装置15におけるネットワーク設定管理方法を説明するためのフローチャートである。
【0041】
まず、トラフィック予測部22が、図4)に示した入力テーブル2を参照し、例えば、過去の履歴を基に生成した予測モデルを用いてアプリケーション毎のトラフィック量を予測する(ステップS101)。
【0042】
次に、トラフィック予測部22が、図4に示した入力テーブル4を参照し、アプリケーション毎の経路を取得する(ステップS102)。
【0043】
次に、トラフィック予測部22が、ステップS101にて予測したアプリケーション毎のトラフィック量を、ステップS102にて取得した経路毎に集約する(ステップS103)。
【0044】
図8は、図2に示したトラフィック予測部22にて作成された中間情報を示す図である。中間情報には、アプリケーション毎のトラフィック予測テーブルと、経路毎のトラフィック予測テーブルとが含まれている。
【0045】
ステップS101にて予測されたトラフィック量に基づいて、図8に示すように、アプリケーション毎に所定時刻におけるトラフィック量が予測された中間テーブル1が作成される。
【0046】
また、ステップ103にて集約されたトラフィック量に基づいて、図8に示すように、経路毎に所定時刻におけるトラフィック量が予測された中間テーブル2が作成される。
【0047】
次に、設定評価部23が、経路毎のトラフィック量と、経路の品質情報とに基づいて、トラフィック量が帯域を超過する経路があるか否か判定する(ステップS104)。
【0048】
図9は、図2に示した設定評価部23における帯域判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0049】
まず、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル6から経路番号を1つ読み込む(ステップS201)。
【0050】
次に、設定評価部23が、当ステップS201にて読み込んだ経路番号に該当する経路について、入力テーブル6から帯域を取得し、また、図5に示した入力テーブル7からしきい値を取得し、また、図8に示した中間テーブル2から時刻とトラフィック量を取得する(ステップS202)。
【0051】
次に、設定評価部23が、帯域に対するトラフィック量の割合が帯域使用率しきい値を超過するかどうか判定する(ステップS203)。
【0052】
そして、帯域に対するトラフィック量の割合が帯域使用率しきい値を超過しない場合は、Falseフラグを設定し(ステップS204)、帯域に対するトラフィック量の割合が帯域使用率しきい値を超過する場合はTrueフラグを設定する(ステップS205)。
【0053】
その後、ステップS201における処理に戻り(ステップS206)、この一連の処理を、入力テーブル6にて管理される経路の全てについて行う。
【0054】
図10は、図2に示した設定評価部23にて判定された経路状態を示す情報からなるテーブルを示す図である。
【0055】
設定評価部23は、図9に示した処理によって経路状態を判定し、図10に示すように、経路毎に所定時刻の経路状態を上述したフラグとして示した出力テーブル1として作成して管理する。
【0056】
その結果、トラフィック量が帯域を超過する経路がある場合は、設定評価部23は、その経路を選択するアプリケーションを経路変更対象アプリケーションとして特定し(ステップS105)、代替経路がないアプリケーションがあるかどうかを判定する(ステップS106)。
【0057】
そして、代替経路がないアプリケーションがない場合は、アプリケーションの経路変更を通知し(ステップS107)、代替経路がないアプリケーションがある場合は、アプリケーションの経路選択ポリシーの緩和を提案する(ステップS108)。
【0058】
図11は、図2に示した設定評価部23における代替経路判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0059】
まず、設定評価部23が、図4に示した入力テーブル1からアプリケーション名を1つ読み込む(ステップS301)。
【0060】
次に、設定評価部23が、図4に示した入力テーブル1から、ステップS301にて読み込まれたアプリケーション名のアプリケーションが転送される経路を取得する(ステップS302)。
【0061】
次に、設定評価部23が、図10に示した出力テーブル1から、ステップS302にて取得された経路のしきい値超過フラグを参照する(ステップS303)。
【0062】
そして、設定評価部23が、しきい値超過フラグがTrueの時刻が存在するかどうかを判定し(ステップS304)、しきい値超過フラグがTrueの時刻が存在しない場合は、対応ノウハウ/緩和可能フラグをクリアする(ステップS305)。
【0063】
一方、しきい値超過フラグがTrueの時刻が存在する場合は、設定評価部23は、切り替え後の経路についての判定を行う(ステップS306)。
【0064】
図12は、図2に示した設定評価部23における切り替え後の経路判定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0065】
まず、設定評価部23が、図4に示した入力テーブル4から、ステップS302にて取得された経路と一致するアプリケーション名を1つ読み込む(ステップS401)。
【0066】
次に、設定評価部23が、図8に示した中間テーブル1から、ステップS401にてアプリケーション名が読み込まれたアプリケーションの予測トラフィックの最大値を取得する(ステップS402)。
【0067】
次に、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル6から、ステップS302にて取得された経路とは異なる経路候補の品質を取得する(ステップS403)。
【0068】
次に、設定評価部23が、図4に示した入力テーブル3を参照し、上記経路候補のうち、ステップS401にてアプリケーション名が読み込まれたアプリケーションについての経路選択ポリシーの転送時間条件とパケットロス率条件を満たす経路の残り帯域と、当該アプリケーションの予測トラフィックの最大値とを比較し(ステップS404)、転送時間条件とパケットロス率条件を満たし、トラフィックの最大値以上の残り帯域がある経路候補が存在するか否かを判定する(ステップS405)。
【0069】
そして、転送時間条件とパケットロス率条件を満たし、トラフィックの最大値以上の残り帯域がある経路候補が存在する場合は、代替経路なし予測フラグとしてFalseフラグを設定する(ステップS406)。
【0070】
一方、転送時間条件とパケットロス率条件を満たし、トラフィックの最大値以上の残り帯域がある経路候補が存在しない場合は、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグを設定する(ステップS407)。
【0071】
設定評価部23は、このステップS403~S407における処理を、経路候補の分だけ繰り返し行う。
【0072】
その後、ステップS401における処理に戻り(ステップS408)、この一連の処理を、入力テーブル4にて管理されるアプリケーションの全てについて行う。
【0073】
なお、上述した例では、ステップS401にてアプリケーション名が読み込まれたアプリケーションの予測トラフィックの最大値を用いて代替経路の有無を判定しているが、他の方法も可能である。例えば、ステップS401にてアプリケーション名が読み込まれたアプリケーションの予測トラフィックの分散を算出し、その分散が所定の閾値以下であれば、当該アプリのトラフィック量の最大値と経路の残り帯域と比較し、分散が閾値を超えていれば、当該アプリのトラフィック量の平均値を経路の残り帯域と比較することにしてもよい。
【0074】
そして、設定評価部23は、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグが設定されているか否かが判定され(ステップS307)、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグが設定されていない場合は、ステップS305における処理に移行し、対応ノウハウ/緩和可能フラグをクリアする。
【0075】
一方、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグが設定されている場合は、設定評価部23は、経路選択ポリシー変更方針探索処理を行う(ステップS308)。
【0076】
その後、ステップS301における処理に戻り(ステップS309)、この一連の処理を、入力テーブル1にて管理されるアプリケーションの全てについて行う。
【0077】
図13は、図2に示した設定評価部23における経路選択ポリシー変更方針探索処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0078】
まず、設定評価部23は、図6に示した入力テーブル8から、ステップS301にて読み込まれたアプリケーション名の行を検索する(ステップS501)。
【0079】
そして、図6に示した入力テーブル8にステップS301にて読み込まれたアプリケーション名の行が存在する場合(ステップS502)、そのうちの1行を取り出す(ステップS503)。
【0080】
次に、設定評価部23は、取り出した行の転送時間とパケットロス率を用いて、図12に示した切り替え後の経路判定処理を行う(ステップS504)。
【0081】
そして、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグが設定されている場合(ステップS505)、ステップS503における処理に戻り(ステップS506)、ステップS301にて読み込まれたアプリケーション名についての他の行を取り出す。
【0082】
一方、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグが設定されていない場合は、設定評価部23は、緩和可能フラグとしてTrueフラグを設定し(ステップS507)、対応ノウハウに、入力テーブル8にて該当するIDの値をセットする(ステップS508)。
【0083】
図14は、図2に示した設定評価部23における経路選択ポリシー変更方針探索処理にて作成される経路選択ポリシー評価テーブルを示す図である。
【0084】
上述した経路選択ポリシー変更方針探索処理によって、図14に示すように、拠点ネットワーク11から送信されるアプリケーションのトラフィック毎に、図4に示した入力テーブル3の転送時間条件及びパケットロス率条件に対して、代替経路があるか否かを示す代替経路なし予測フラグと、対応ノウハウIDと、ポリシーが緩和可能であるか否かを示す緩和可能フラグとが設定された経路選択ポリシー評価テーブルが出力テーブル2として作成される。
【0085】
また、図6に示した入力テーブル8にステップS301にて読み込まれたアプリケーション名の行が存在しない場合や、ステップS301にて読み込まれたアプリケーション名の全ての行についての処理が終了した場合は、対応ノウハウ及び緩和可能フラグをクリアする(ステップS509)。
【0086】
このように、経路管理部21においてアプリケーション毎の経路に対する要求条件が経路選択ポリシーとして更に管理されており、設定評価部23が、トラフィック量が帯域を超過する経路があれば、経路選択情報に基づき、その経路を選択するアプリケーションを、経路変更対象アプリケーションとして特定し、経路選択ポリシーと経路品質情報と経路毎の予測されたトラフィック量とに基づいて、経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを変更せずに経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路があるか否か判定する。これにより、経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを変更すべきか否かを知ることができる。
【0087】
上述したように本実施形態においては、ネットワーク内に複数の経路を設定し、アプリケーションごとに経路を選択する構成におけるネットワークの利用状態を管理することができる。
【0088】
ここで、設定評価部23が、経路管理部21にて管理される経路のうち未使用の経路が存在するか否かを判定し、未使用の経路が存在する場合、その経路を未使用の経路として通知することもできる。
【0089】
図15は、図2に示した設定評価部23が、経路管理部21にて管理される経路のうち未使用の経路が存在するか否かを判定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0090】
まず、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル6から経路番号を1つ読み込む(ステップS601)。
【0091】
次に、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル4から、ステップS601にて読み込んだ経路を使用するアプリケーションの個数を計算する(ステップS602)。
【0092】
そして、使用するアプリケーションの個数が“0”である場合(ステップS603)、未使用フラグとしてTrueフラグを設定する(ステップS604)。
【0093】
一方、使用するアプリケーションの個数が“0”を超えている場合は、未使用フラグとしてFalseフラグを設定する(ステップS605)。
【0094】
その後、ステップS601における処理に戻り(ステップS606)、この一連の処理を、入力テーブル6にて管理される経路の全てについて行う。
【0095】
図16は、図2に示した設定評価部23が作成する未使用経路判定テーブルを示す図である。
【0096】
図15に示した一連の処理によって、図16に示すように、経路管理部21にて管理される経路のそれぞれについて、未使用であるか否かを示す未使用フラグが設定された未使用経路判定テーブルが出力テーブル3として作成される。
【0097】
以下に、上述した処理結果の通知について説明する。上述した処理結果は、図3に示したネットワーク設定管理装置15の表示装置36にて表示出力される。
【0098】
図17は、図3に示した表示装置36にて表示出力される経路状態画面を示す図である。
【0099】
図17に示すように、設定評価部23は、経路管理部21にて管理される経路のそれぞれについて、図5に示した入力テーブル6の項目を表示し、図10に示した出力テーブル1を参照し、図9に示した処理において判定したしきい値超過フラグとしてTrueフラグが設定された経路について網掛け表示によって強調表示する。
【0100】
表示装置36にて表示される経路状態画面には、詳細確認ボタン41が表示されており、詳細確認ボタン41を押下することにより、網掛け票維持された経路の詳細が表示される。
【0101】
図18は、図17に示した経路状態画面にて詳細確認ボタン41が押下された場合に表示装置36に表示される画面を示す図である。
【0102】
図17に示した経路状態画面にて詳細確認ボタン41が押下されると、設定評価部23は、図4に示した入力テーブル4及び図8に示した中間テーブル1を参照し、図18に示すように、経路状態画面にて網掛け表示された経路と一致するアプリケーションについて、最大トラフィック予想として最大値を表示する。また、代替経路について、図14に示した出力テーブル2を参照し、代替経路なし予測フラグとしてTrueフラグが設定されていれば「なし」、Falseフラグが設定されていれば「あり」を表示する。また、代替経路がなしのアプリケーションについて網掛け表示によって強調表示する。
【0103】
表示装置36にて表示される画面には、詳細確認ボタン42が表示されており、詳細確認ボタン42を押下することにより、網掛け票維持されたアプリケーションについてポリシーの変更を提案する画面が表示される。
【0104】
図19は、図18に示した経路状態画面にて詳細確認ボタン42が押下された場合に表示装置36に表示される画面を示す図である。
【0105】
図18に示した画面にて詳細確認ボタン42が押下されると、設定評価部23は、図5に示した入力テーブル6から、図17に示した画面に表示された経路の品質と帯域を抽出し、また、図4に示した入力テーブル3から、図17に示した画面にて網掛け表示されたアプリケーションのポリシーを抽出し、また、図6に示した入力テーブル8から、図17に示した画面にて網掛け表示されたアプリケーションについて他の環境で実績があるポリシーを抽出し、現状の転送時間及びパケットロス率と、変更を提案する転送時間及びパケットロス率とを変更案として網掛け表示する。また、変更案の経路選択ポリシーを使って経路を探した結果を表示する。この際、変更案が複数ある場合はそのそれぞれについて表示する。また、ポリシーを変更する際に押下するポリシー変更ボタン43が表示されている。
【0106】
このように、経路管理部21が、アプリケーション毎に同じアプリケーションにより他の環境で実績のある経路選択ポリシーを実績ポリシーとして更に管理しており、設定評価部23が、経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、実績ポリシーのいずれかに変更することを提案する。これにより、経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを変更すべきか否かを知ることができる。
【0107】
また、そのような構成で、設定評価部23が、経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、実績ポリシーに含まれ、経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路が生じる経路選択ポリシーに変更することを提案する。これにより、現在の経路選択ポリシーでは代替経路の無い経路変更対象アプリケーションについて実績のある経路選択ポリシーへの変更を提案することとなり、実績のある経路選択ポリシーへの変更により安全にトラフィック量の帯域超過を抑制することが可能になる。
【0108】
図20は、図2に示した経路管理部21にて管理される経路のうち使用されていない経路を通知する画面を示す図である。
【0109】
上述したように、経路管理部21にて管理される経路のそれぞれについて、未使用であるか否かが判定されているため、設定評価部23は、図16に示した出力テーブル3を参照し、未使用フラグとしてTrueフラグが設定された経路について、その帯域と帯域種別と転送時間とロス率とを表示装置36にて表示する。
【0110】
このように、設定評価部23が、経路管理部21にて管理される経路のうち未使用の経路が存在する場合、その経路を未使用の経路として通知する。これにより、未使用の経路を選択可能とし、経路を有効活用することができる。
【0111】
図21は、アプリケーションを変更した場合に表示装置36に表示される画面を示す図である。
【0112】
設定評価部23は、拠点ネットワーク11から送信されるアプリケーションのトラフィックそれぞれについて、その経路と図4に示した入力テーブル4に示される経路とを比較し、経路が変更されたアプリケーションがある場合、図21に示すように、図5に示した入力テーブル6から該当する経路の品質と帯域とを抽出して経路情報として表示する。また、設定評価部23は、図4に示した入力テーブル4から、同じ経路のアプリケーションを抽出し、図8に示した中間テーブル1からアプリケーションの予測トラフィックの最大値を抽出して結合して表示する。
【0113】
(他の実施の形態)
上述した実施形態において、代替経路が生じる経路選択ポリシーについて、選択された回数と、選択された回数のうち障害が発生した回数とを提示して、変更を提案することも考えられる。
【0114】
図22は、図1に示したネットワーク設定管理装置15において、代替経路が生じる経路選択ポリシーについて、選択された回数と、選択された回数のうち障害が発生した回数とを提示して、変更を提案する処理を説明するためのフローチャートである。
【0115】
まず、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル6から経路番号を1つ読み込む(ステップS701)。
【0116】
次に、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル4を参照し、経路のそれぞれについて最新時刻にて使用されたアプリケーションを取り出す(ステップS702)。
【0117】
次に、設定評価部23が、図5に示した入力テーブル4を参照し、ステップS702にて取り出したアプリケーションについて、前回も同じ経路であるか否かを判定する(ステップS703)。
【0118】
ステップS702にて取り出したアプリケーションについて、前回も同じ経路ではない場合、外部の障害ログを参照し、前回の経路にて障害が発生したか否かを判定する(ステップS704)。
【0119】
前回の経路にて障害が発生している場合は、その経路についてトラブルの回数を1つ加算する(ステップS705)。
【0120】
また、その経路について選択回数を1つ加算する(ステップS706)。
【0121】
次に、ステップS702における処理に戻り(ステップS707)、ステップS702~S706の処理をアプリケーション毎に行う。
【0122】
なお、ステップS702にて取り出したアプリケーションについて、前回も同じ経路である場合は、ステップS704,S705の処理が行わない。また、前回の経路にて障害が発生していない場合は、ステップs705の処理は行わない。
【0123】
その後、ステップS701における処理に戻り(ステップS708)、この一連の処理を、入力テーブル6にて管理される経路の全てについて行う。
【0124】
図23は、図22に示した処理によって作成されたテーブルを示す図である。
【0125】
図23に示すように、図22に示した処理によって、図6に示した入力テーブル8に、その経路が選択された選択回数と、トラブルが発生した回数とが付加された出力テーブル4が作成される。
【0126】
このように作成された出力テーブル4は、経路管理部21にて管理されることになる。これにより、経路管理部21は、図6に示した入力テーブル8による実績ポリシーについて、選択された回数と、選択された回数のうち障害が発生した回数とを管理することになる。
【0127】
図24は、図23に示した出力テーブル4の内容を反映した経路選択ポリシー変更提案画面を示す図である。
【0128】
設定評価部23は、図23に示した出力テーブル4の内容を反映する場合、図5に示した入力テーブル6から、図17に示した画面に表示された経路の品質と帯域を抽出し、また、図4に示した入力テーブル3から、図17に示した画面にて網掛け表示されたアプリケーションのポリシーを抽出し、また、図23に示した出力テーブル4から該当するアプリケーションのポリシーを抽出し、現状の転送時間及びパケットロス率と、変更を提案する転送時間及びパケットロス率と選択回数と過去のトラブル回数を変更案として網掛け表示する。また、変更案の経路選択ポリシーを使って経路を探した結果を表示する。この際、変更案が複数ある場合はそのそれぞれについて表示する。また、ポリシーを変更する際に押下するポリシー変更ボタン44が表示されている。
【0129】
このように、設定評価部23が、経路変更対象アプリケーションの代替経路がないとき、経路変更対象アプリケーションの経路選択ポリシーを、実績ポリシーに含まれ、経路変更対象アプリケーションの選択経路に対する代替となる代替経路が生じる経路選択ポリシーについて、選択された回数と、選択された回数のうち障害が発生した回数とを提示して、変更を提案することになる。それにより、実績のある経路選択ポリシーの選択された回数とその中で障害となった回数を確認して、安全にトラフィック量が帯域を超過することを抑制することが可能になる。
【0130】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0131】
11…拠点ネットワーク、12…データセンタもしくは他の拠点ネットワーク、13…WAN、14…経路、15…ネットワーク設定管理装置、16…ネットワーク装置、21…経路管理部、22…トラフィック予測部、23…設定評価部、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…記憶装置、34…通信装置、35…入力装置、36…表示装置、37…バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20
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図22
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図24