(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187272
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20221212BHJP
F16H 25/22 20060101ALI20221212BHJP
F16H 25/24 20060101ALI20221212BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20221212BHJP
F16D 65/18 20060101ALI20221212BHJP
F16D 121/24 20120101ALN20221212BHJP
F16D 125/40 20120101ALN20221212BHJP
F16D 125/50 20120101ALN20221212BHJP
【FI】
F16H25/20 B
F16H25/20 E
F16H25/22 Z
F16H25/24 B
B60T13/74 G
B60T13/74 D
F16D65/18
F16D121:24
F16D125:40
F16D125:50
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095216
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 諒
【テーマコード(参考)】
3D048
3J058
3J062
【Fターム(参考)】
3D048BB59
3D048CC41
3D048HH18
3D048HH58
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA63
3J058AA69
3J058AA78
3J058AA87
3J058BA67
3J058CC15
3J058CC63
3J058FA06
3J058FA07
3J062AA01
3J062AB06
3J062AB22
3J062AC07
3J062BA13
3J062CD04
3J062CD12
3J062CD23
3J062CD54
(57)【要約】
【課題】大型化を回避できる電動アクチュエータを提供する。
【解決手段】電動アクチュエータは、ねじ軸とナットを有するボールねじ装置と、遊星歯車機構と、第1ハウジングと、モータと、を備え、第1ハウジングは、開口部と、収容部と、シリンダと、を有し、モータは、第1ハウジングの外周側に配置されるステータ及びロータと、ロータが嵌合する円筒部と、第1ハウジングの開口部と対向する回転盤と、回転盤から延びるサンギヤ用軸と、を有し、遊星歯車機構は、サンギヤ用軸に固定されたサンギヤと、収容部に嵌合するリングギヤと、サンギヤとリングギヤとの間に配置された複数のプラネタリギヤと、収容部に回転自在に支持され、かつ複数のプラネタリギヤを回転自在に支持するキャリアと、を有し、ねじ軸は、第2方向の端部がキャリアに固定され、キャリアと供回りし、ナットは、収容部の内周側からシリンダの内部に入り込んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が第1方向に向き、他端が前記第1方向と逆方向の第2方向に向くねじ軸と、前記ねじ軸に貫通されるナットと、を有するボールねじ装置と、
前記ボールねじ装置の前記第2方向に配置された遊星歯車機構と、
前記ねじ軸を中心に環状を成し、内部にボールねじ装置及び遊星歯車機構を収容する第1ハウジングと、
前記ねじ軸を中心に環状を成すモータと、
を備え、
前記第1ハウジングは、
前記第2方向に開口する開口部と、
前記開口部よりも前記第1方向に配置された収容部と、
前記収容部よりも前記第1方向に配置されたシリンダと、
を有し、
前記モータは、
前記第1ハウジングの外周側に配置されるステータ及びロータと、
円筒状を成し、前記ロータが嵌合する円筒部と、
前記円筒部の前記第2方向の端部から径方向内側に延出し、中央部が前記第1ハウジングの前記開口部と対向する回転盤と、
前記回転盤の中心から前記第1方向に延びるサンギヤ用軸と、
を有し、
前記遊星歯車機構は、
前記サンギヤ用軸に固定されたサンギヤと、
前記収容部の内周面に嵌合するリングギヤと、
前記サンギヤと前記リングギヤとの間に配置された複数のプラネタリギヤと、
前記収容部の内周面に回転自在に支持され、かつ前記複数のプラネタリギヤを回転自在に支持するキャリアと、
を有し、
前記ねじ軸は、前記第2方向の端部が前記キャリアに固定され、前記キャリアと供回りし、
前記ナットは、前記収容部の内周側から前記シリンダの内部に入り込んでいる
電動アクチュエータ。
【請求項2】
前記ナットは、外周面が前記シリンダの内周面に摺動自在に嵌合している
請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記第1ハウジングの内周面に摺動自在に嵌合するピストンを備え、
前記ピストンは、外径が前記ナットの外径と同一であり、前記ナットの第1方向の端部に取り付けられている
請求項2に記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記キャリアは、前記リングギヤの第1方向に配置されている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記キャリアは、環状を成し、内周側に前記ナットの前記第2方向の端部を収容可能となっている
請求項4に記載の電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記ナットの外周面と前記シリンダの内周面との間には、前記ナットが前記ねじ軸を中心に回転することを規制する回り止め部材が設けられている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
前記モータの外周側を覆う筒部と、前記筒部の前記第2方向の端部から径方向内側に延びて前記回転盤の前記第2方向を覆う底部と、を有する第2ハウジングを有している
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項8】
前記ステータは、前記第2ハウジングの前記筒部の内周面に固定され、
前記ロータは、前記ステータの内周側に配置され、かつ軸受を介して前記第2ハウジングの前記筒部の内周面に回転自在に支持されている
請求項7に記載の電動アクチュエータ。
【請求項9】
前記ステータは、前記第1ハウジングの外周面に固定され、
前記ロータは、前記ステータの外周側に配置され、かつ軸受を介して前記第1ハウジングの外周面に回転自在に支持されている
請求項7に記載の電動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献の電動アクチュエータは、モータと、遊星歯車機構と、ボールねじ装置と、ピストンと、を備えている。遊星歯車機構は、モータで生成された回転運動を減速している。ボールねじ装置は、遊星歯車機構から伝達された回転運動を直線運動に変換している。また、下記の特許文献の電動アクチュエータでは、遊星歯車機構から伝達される回転運動によりナットが回転し、ねじ軸が直線運動を行う。そして、ねじ軸と連結するピストンが軸方向に移動する。以下、ボールねじ装置において直線運動を行う部品を直動部品と呼ぶ場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献の電動アクチュエータにおいて、ピストンは、ハウジングに設けられたシリンダに挿入され、シリンダの内周面に嵌合している。また、ピストンは、ナットとの接触を回避するため、ナットよりも大径化している。このため、電動アクチュエータが径方向に拡大している。一方で、ピストンの外径をナットと同径としつつ、ナットとの接触を回避する場合、ピストンの摺動面積を確保するため、ピストンを軸方向(ナットから離隔する方向)に拡張させる、という方法が考えられる。しかし、これによれば電動アクチュエータが軸方向に拡大する。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、大型化を回避できる電動アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係る電動アクチュエータは、ボールねじ装置と、遊星歯車機構と、第1ハウジングと、モータと、を備える。ボールねじ装置は、一端が第1方向に向き、他端が前記第1方向と逆方向の第2方向に向くねじ軸と、前記ねじ軸に貫通されるナットと、を有する。遊星歯車機構は、前記ボールねじ装置の前記第2方向に配置されている。第1ハウジングは、前記ねじ軸を中心に環状を成し、内部にボールねじ装置及び遊星歯車機構を収容する。モータは、前記ねじ軸を中心に環状を成す。前記第1ハウジングは、前記第2方向に開口する開口部と、前記開口部よりも前記第1方向に配置された収容部と、前記収容部よりも前記第1方向に配置されたシリンダと、を有する。前記モータは、前記第1ハウジングの外周側に配置されるステータ及びロータと、円筒状を成し、前記ロータが嵌合する円筒部と、前記円筒部の前記第2方向の端部から径方向内側に延出し、中央部が前記第1ハウジングの前記開口部と対向する回転盤と、前記回転盤の中心から前記第1方向に延びるサンギヤ用軸と、を有する。前記遊星歯車機構は、前記サンギヤ用軸に固定されたサンギヤと、前記収容部の内周面に嵌合するリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとの間に配置された複数のプラネタリギヤと、前記収容部の内周面に回転自在に支持され、かつ前記複数のプラネタリギヤを回転自在に支持するキャリアと、を有する。前記ねじ軸は、前記第2方向の端部が前記キャリアに固定され、前記キャリアと供回りする。前記ナットは、前記収容部の内周側から前記シリンダの内部に入り込んでいる。
【0007】
本開示の電動アクチュエータは、ねじ軸が回転し、ナットが直線運動を行う直動部品となっている。つまり、ピストンは、ナットに取り付けられ、ナットと一体に作動する。よって、本開示によれば、従来技術で説明したようにピストンを径方向又は軸方向に拡大させる必要がなく、大型化が回避される。また、ボールねじ装置及び遊星歯車機構は、第1ハウジングを介してモータの内周側に配置されている。言い換えると、ボールねじ装置と遊星歯車機構とモータが軸方向に配列していない。よって、電動アクチュエータの軸方向の長さは短く、小型化を図れる。一方で、モータは、径が比較的大きく、十分なトルクを生成することができる。
【0008】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記ナットは、外周面が前記シリンダの内周面に摺動自在に嵌合している。
【0009】
前記構成によれば、ナットは、シリンダ内で傾き難く、軸方向の移動が円滑となる。
【0010】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記第1ハウジングの内周面に摺動自在に嵌合するピストンを備えている。前記ピストンは、外径が前記ナットの外径と同一であり、前記ナットの第1方向の端部に取り付けられている。
【0011】
前記構成によれば、ピストンとナットとが連結され、ピストンとナットとの外周面が第1ハウジングの内周面に摺動する。よって、ナットの外周面のみが第1ハウジングの内周面と摺動する場合や、ピストンの外周面のみが第1ハウジングの内周面と摺動する場合と比べ、摺動面積が軸方向に拡張している。よって、ナット及びピストンは、第1ハウジング内でさらに傾き難くなり、軸方向の移動が円滑である。
【0012】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記キャリアは、前記リングギヤの第1方向に配置されている。
【0013】
これによれば、キャリアをねじ軸に直接固定できる。よって、部品点数の削減を図れる。
【0014】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記キャリアは、環状を成し、内周側に前記ナットの前記第2方向の端部を収容可能となっている。
【0015】
前記構成によれば、キャリアとナットが占める空間を小さくできる。よって、電動アクチュエータの小型化を図れる。
【0016】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記ナットの外周面と前記シリンダの内周面との間には、前記ナットが前記ねじ軸を中心に回転することを規制する回り止め部材が設けられている。
【0017】
前記構成によれば、ナットの回転を規制できる。
【0018】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記モータの外周側を覆う筒部と、前記筒部の前記第2方向の端部から径方向内側に延びて前記回転盤の前記第2方向を覆う底部と、を有する第2ハウジングを有している。
【0019】
第2ハウジングにより、第1ハウジングの開口部が閉塞される。よって、第1ハウジング内に異物が侵入することを抑制できる。
【0020】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記ステータは、前記第2ハウジングの前記筒部の内周面に固定されている。前記ロータは、前記ステータの内周側に配置され、かつ軸受を介して前記第2ハウジングの前記筒部の内周面に回転自在に支持されていてもよい。
【0021】
また、電動アクチュエータの一態様として、前記ステータは、前記第1ハウジングの外周面に固定されている。前記ロータは、前記ステータの外周側に配置され、かつ軸受を介して前記第1ハウジングの外周面に回転自在に支持されている。
【0022】
前記構成によれば、モータの各部品が第1ハウジングに支持される。よって、第2ハウジングに要求される剛性が小さく、第2ハウジングの壁部の肉厚を薄くすることができる。このため、電動アクチュエータの小型化を図れる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の電動アクチュエータによれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、実施形態1の電動アクチュエータを軸方向に切った断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の電動アクチュエータのうちハウジング本体と、その近傍を拡大した拡大図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
【
図4】
図4は、
図1のIV-IV線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
【
図5】
図5は、
図1のV-V線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の電動アクチュエータを軸方向に切った断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態3の電動アクチュエータを軸方向に切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0026】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の電動アクチュエータを軸方向に切った断面図である。
図2は、
図1の電動アクチュエータのうちハウジング本体と、その近傍を拡大した拡大図である。
図3は、
図1のIII-III線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
図4は、
図1のIV-IV線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
図5は、
図1のV-V線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
【0027】
実施形態1では、本開示の電動アクチュエータがブレーキシステムのブレーキブースタに適用された例を挙げて説明する。
図1に示すように、実施形態1の電動アクチュエータ100は、ハウジング1と、モータ3と、遊星歯車機構4と、ボールねじ装置5と、可動部品6と、を備える。なお、実施形態1において、電動アクチュエータ100が可動させる可動部品6はピストン60である。以下において、ボールねじ装置5のねじ軸50の中心軸Oと平行な方向を軸方向と称する。また、軸方向において、遊星歯車機構4から視てねじ軸50が配置される方向を第1方向X1と称し、第1方向の反対方向を第2方向X2と称する。
【0028】
ハウジング1は、第1ハウジング10と、第1ハウジング10の外側を覆う第2ハウジング20と、を備える。第1ハウジング10は、軸方向に延在する筒状のハウジング本体11と、ハウジング本体11の第1方向X1の端部から径方向外側に延出するフランジ12と、ハウジング本体11の第1方向X1の開口を閉塞する蓋部13と、を備える。
【0029】
図2に示すように、ハウジング本体11の内径は、ハウジング本体11の軸方向の中央部から第2方向X2の端部にかけて、第2方向X2に順に段階的に拡径し、階段状となっている。よって、ハウジング本体11の内周面は、第1方向X1から第2方向X2に順に、摺動面11a、第1拡径面15、第2拡径面16、及び第3拡径面17が設けられている。以下、ハウジング本体11の軸方向のうち、内周面に第1拡径面15、第2拡径面16、及び第3拡径面17が設けられている部分(ハウジング本体11の軸方向の中央部から第2方向X2の端部まで)を収容部9と称する。なお、摺動面11a、第1拡径面15、第2拡径面16、及び第3拡径面17は、それぞれ、軸方向から視て、軸方向から視て円形状を成している。
【0030】
図1に示すように、ハウジング本体11は、蓋部13と協同してシリンダ8を構成している。詳細には、ハウジング本体11の軸方向のうち内周面に摺動面11aが設けられている部分と、蓋部13と、が協同してシリンダ8を成している。以下、ハウジング本体11の軸方向の中央部から第1方向X1の部分と、蓋部13と、を併せてシリンダ8と称する。
【0031】
シリンダ8の内周側には、ピストン60及びナット51が挿入されている。シリンダ11の摺動面11aは、ピストン60及びナット51の外径と同径であり、ピストン60及びナット51を摺動自在に支持している。摺動面11aの第2方向X2の端部には、径方向外側に窪むガイド溝19が設けられている。ガイド溝19は、180°間隔で配置され、合計2つ設けられている(
図5参照)。ガイド溝19は、軸方向から視で円弧状を成している(
図5参照)。ガイド溝19には、回り止め部材であるピン55が挿入される。ガイド溝19は、ピン55よりも軸方向の長さが長く、ピン55が軸方向に移動可能となっている。
【0032】
シリンダ8の内部には、図示しない液体が封入される。よって、ピストン60が第1方向X1に移動すると、液体の液圧が上昇する。蓋部13には、軸方向に貫通する貫通孔13aが設けられている。液体の液圧は、貫通孔13aを介してブレーキシステムに伝達される。また、シリンダ8のシール性を確保するため、ハウジング本体11の摺動面11aには、ピストン60の外周面と摺接するシール部材62が設けられている。
【0033】
収容部9は、内周側にボールねじ装置5及び遊星歯車機構4を収容する部位である。第1拡径面15は、キャリア43の第1方向X1の端部との干渉を回避するために、摺動面11aよりも拡径している。第2拡径面16は、第1軸受18が嵌合する面である。また、第3拡径面17は、リングギヤ41が嵌合する面である。
【0034】
ハウジング本体11は、第2方向X2に開口している開口部14が設けられている。詳細には、ハウジング本体11の内周面のうち第3拡径面17よりも第2方向X2が開口し、開口部14となっている。よって、実施形態1の第1ハウジング10は、第2方向X2に開口する開口部14と、開口部14よりも第1方向X1に配置された収容部9と、収容部9よりも前記第1方向に配置されたシリンダ8と、を備える。開口部14は、ハウジング本体11の内部にピストン60やボールねじ装置7や遊星歯車機構4を組み込むための開口である。また、開口部14は、若しくはモータ3から遊星歯車機構4に動力を伝達する経路にもなっている。
【0035】
第2ハウジング20は、軸方向に開口する筒部21と、筒部21の第2方向X2の端部から径方向内側に延びる底部22と、を備える。筒部21の内周側に、第1ハウジング10のハウジング本体11が配置されている。筒部21の内径は、ハウジング本体11の外径より大きい。よって、ハウジング本体11と筒部21との間は、モータ3の一部品を配置するための第1収容空間23となっている。また、筒部21の第1方向X1の端部21aは、第1ハウジング10のフランジ12に嵌合し、第1ハウジング10と第2ハウジング20とが一体化している。筒部21の内周面には、軸方向に互いに離隔した2つの第2軸受25が嵌合している。
【0036】
筒部21の第2方向X2の端部は、ハウジング本体11の第2方向X2の端部よりも第2方向X2の延出している。これにより、底部22は、ハウジング本体11の第2方向X2の端部に対し第2方向X2に離隔している。そして、底部22とハウジング本体11との間は、モータ3の一部品を配置するための第2収容空間24となっている。
【0037】
モータ3は、筒部21の内周側に配置されたステータ30と、ステータ30の内周側に配置されたロータ31と、ロータ31の内周側に嵌合する回転体32と、回転体32に固定されたサンギヤ用軸33と、を備えている。
【0038】
ステータ30及びロータ31は、第1収容空間23に配置され、中心軸Oを中心に同心円状となっている。ステータ30及びロータ31は、内周側にハウジング本体11が配置され、径が比較的大きい。よって、比較的大きなトルクを生成できるようになっている。ステータ30の外周面は、第2ハウジング20の筒部21の内周面に固定されている。
【0039】
回転体32は、第1方向X1に開口する有底筒状の部品である。詳細には、回転体32は、第1収容空間23に配置される円筒状の円筒部34と、第2収容空間24に配置される円盤状の回転盤35と、を備える。円筒部34は、軸方向の両端部が第2軸受25に支持されている。よって、回転体32は、回転自在に第2ハウジング20に支持されている。また、円筒部34の外周面に、ロータ31が固定されている。よって、ステータ30に電力が供給されて回転磁界が発生すると、ロータ31及び回転体32は、中心軸Oを中心に回転する。なお、円筒部34の内周面は、ハウジング本体11の外周面と離隔している。よって、円筒部34の回転時、ハウジング本体11の外周面に摺動しない。
【0040】
回転盤35は、ハウジング本体11の開口部14と対向している。サンギヤ用軸33は、回転盤35の中央に固定され、回転盤35から第1方向X1に延在している。また、サンギヤ用軸33は、ハウジング本体11の開口部14を通過してハウジング本体11の内部に進入している。
【0041】
図3に示すように、遊星歯車機構4は、サンギヤ40と、リングギヤ41と、複数のプラネタリギヤ42と、キャリア43(
図1参照)と、を備えている。サンギヤ40は、サンギヤ用軸33に貫通されており、サンギヤ用軸33に対し相対回転不能に支持されている。つまり、回転盤35が回転すると、サンギヤ40も回転する。また、サンギヤ40は、ハウジング本体11の第3拡径面17の内周側に位置している。
【0042】
図2に示すように、リングギヤ41は内歯車である。リングギヤ41は、外周面がハウジング本体11の第3拡径面17に嵌合し、第1ハウジング10に回転不能に支持されている。プラネタリギヤ42は、サンギヤ40とリングギヤ41の間に配置され、サンギヤ40及びリングギヤ41に歯合している。プラネタリギヤ42は、キャリア43のプラネタリ用軸44に回転自在に支持されている。よって、サンギヤ40の回転時、プラネタリギヤ42は、サンギヤ用軸33を中心に回転(公転)しつつ、プラネタリ用軸44を中心に回転(自転)する。よって、各プラネタリ用軸44は、サンギヤ用軸33を中心に周方向に移動し、キャリア43が回転する。
【0043】
図2に示すように、キャリア43は、リングギヤ41の第1方向に配置されている。キャリア43は、外周面が第1軸受18に嵌合する円筒部43aと、円筒部43aの第2方向X2の端部から径方向内側に延在する環状部43bと、を有している。円筒部43aの外周面には、第2方向X2の端部から径方向外側に突出するリブ45と、第1方向X1の端寄りに設けられたリング46と、が設けられている。これにより、キャリア43が軸方向に位置ずれが規制されている。円筒部43aの内径は、ナット51の外径よりも大径である。そして、円筒部43aの内周側には、ナット51の第2方向X2の端部が収容されるようになっている。環状部43bには、第2方向X2に突出するプラネタリ用軸44が3つ設けられている。環状部43bの中央部には、貫通孔47が設けられている。この貫通孔47の内周面には、スプライン溝(不図示)が設けられている。
【0044】
ボールねじ装置5は、ねじ軸50と、ナット51と、複数のボール52と、を備えている。ねじ軸50は、外周面に外周軌道面が設けられたねじ軸本体50aと、ねじ軸本体50aの第2方向X2の端面から第2方向X2に突出する突起50bと、を備えている。
【0045】
突起50bの外周面には、スプライン軸(不図示)が設けられている。突起50bは、環状部43bの貫通孔47に挿入され、環状部43dとスプライン嵌合している。このため、ねじ軸50は、相対回転不能にキャリア43に支持されている。
【0046】
突起50bには、ストッパ54が設けられている。
図4に示すように、ストッパ54は、突起50bに貫通される環状の本体部54aと、本体部54aから径方向外側に突出する突出部54bと、を有している。本体部54aの内周面には、スプライン溝(不図示)が設けられている。よって、ストッパ54は突起50bにスプライン嵌合している。
【0047】
ナット51は、内周面に内周軌道面が設けられた円筒状の部品である。ナット51の軸方向の中央部から第2方向X2の端部は、収容部9の内周側に配置されている。また、ナット51の第2方向X2の端部は、キャリア41の円筒部43aの内周側に収容されている。よって、第1ハウジング10内で、キャリア43とナッ51トが占有する空間が狭小となっている。また、ナット51の第1方向X1の端部は、シリンダ8内に配置されている。よって、ナット51は、収容部9からシリンダ8の内部に入り込んでいる。また、
図5に示すように、ナット51の外径は、ハウジング本体11の摺動面11aの径と同一である。ナット51は、ハウジング本体11の摺動面11aに嵌合している。よって、ナット51は、外周面51aを摺動面11aに摺動させつつ、軸方向に移動可能に摺動面11aに支持されている。また、ナット51の外周面51aには、軸方向に延びる溝51cが設けられている。溝51cは、軸方向から視て円弧状となっている(
図5参照)。
【0048】
ナット51の外周面51aと、ハウジング本体11の摺動面11aと、の間には、ピン55が設けられている。ピン55は、円柱状の回り止め部材である。
図5に示すように、ピン55は、180°間隔で2つ設けられている。ピン55の一部は、ナット51の溝51cに収容され、残りの部分がナット51の外周面51aよりも径方向外側に突出している。ピン55のうちナット51の外周面51aから径方向外側に突出している部分は、ハウジング本体11のガイド溝19に入り込んでいる。これにより、ナット51は、ピン55を介して、ハウジング本体11に回転不能に支持されている。また、ナット51は、ピン55を介して軸方向に移動自在にハウジング本体11に支持されている。なお、本実施形態では、ナット51の回り止めするピン51を2つ用いているが、1つ又は3つ以上でもよい。
【0049】
図2に示すように、ナット51の第1方向X1の端部には、外周面にねじ溝が設けられた雄ねじ部51bが設けられている。この雄ねじ部51bには、ピストン60の雌ねじ部60aが螺合している。また、ピストン60の第2方向の端部は、ピン55の第1方向X1の端面と当接している。一方で、ピン55の第2方向の端面は、溝51cの第2方向X2の端部にある段差面51dと当接している。よって、ピン55は、ナット51及びピストン60と一体に軸方向に移動する。なお、本実施形態においてナット51とピストン60の結合がねじ結合となっているが、本開示は、ナット51の第1方向X1の端部に、ピストン60の第2方向X2の端部を圧入して結合したものであってもよい。
【0050】
なお、上記したガイド溝19は、摺動面11aと第1拡径面15との境界にある段差面15aを第1方向X1に切り欠いてなる。よって、ピン55をピストン60とナット51に組み付けた状態で、ハウジング本体11の開口部14の方からハウジング本体11の内部に挿入することで、ピン55をガイド溝19に挿入でき、組付け性が良い。
【0051】
なお、
図1、
図2に示す電動アクチュエータ100は、ナット51が原点(初期位置)にある状態を示している。なお、ナット51の原点とは、ナット51の可動範囲(軸方向に移動できる範囲)において最も第2方向X2寄りに位置している場合であり、シリンダ8内の液体の液圧が最も小さくなっている状態である。よって、モータ3が駆動し、遊星歯車機構4から回転運動がねじ軸50に伝達されると、ナット51は原点から第1方向X1に移動し、ピストン60を第1方向X1に押圧する。
【0052】
図4に示すように、ナット51の第2方向X2の端面には、規制部56が設けられている。この規制部56は、ナット51が原点にある場合、ストッパ54の突出部54bに対し周方向から当接している。よって、原点から第1方向X1に移動したナット51が第2方向X2に戻って原点に復帰する場合、ねじ軸50と供回りするストッパ54の突出部54bの軌跡上に規制部56が入り込み、突出部54bと規制部56が当接する。これにより、ねじ軸50の回転が確実に停止し、ナット51の第2方向X2への移動も停止する。言い換えると、ねじ軸50が慣性の法則により回転し続け、ナット51が原点に復帰した後にさらに第2方向X2に移動する、ということが回避される。
【0053】
ピストン60は、第2方向X2に開口する有底筒状の部品である。ピストン60は、ハウジング本体11の摺動面11aに嵌合している。ピストン60の外径は、摺動面11aと同一径である。つまり、ピストン60の外径は、ナット51の外径と同一である。よって、ピストン60は、摺動自在に摺動面11aに支持されている。
【0054】
ピストン60の第2方向X2の端部には、内周面に雌ねじが設けられた雌ねじ部60aが設けられている。そして、雌ねじ部60aが雄ねじ部51bに螺合し、ピストン60とナット51とが一体となっている。よって、ナット51が第1方向X1に移動した場合、ピストン60も第1方向X1に移動する。そして、ピストン60の押圧面61は、蓋部13の方に近づき、例えばシリンダ8の内部に液体が封入されている場合、液体の液圧が上昇する。上昇した液圧は貫通孔13aを介して圧力発生装置(不図示)に伝達され、圧力発生装置が作動する。
【0055】
以上、実施形態1の電動アクチュエータ100は、ボールねじ装置5と、遊星歯車機構4と、第1ハウジング10と、モータ3と、を備えている。ボールねじ装置5は、一端が第1方向X1に向き、他端が第1方向X1と逆方向の第2方向X2に向くねじ軸50と、ねじ軸50に貫通されるナット51と、を有している。遊星歯車機構4は、ボールねじ装置5の第2方向X2に配置されている。第1ハウジング10は、第2方向X2に開口する開口部14と、開口部14よりも第1方向X1に配置された収容部9と、収容部9よりも第1方向X1に配置されたシリンダ8と、を備える。第1ハウジング10は、ねじ軸50を中心に環状を成し、内部にボールねじ装置5及び遊星歯車機構4を収容している。モータ3は、ねじ軸50を中心に環状を成している。第1ハウジング10は、第2方向X2に開口する開口部14を有している。モータ3は、第1ハウジング10の外周側に配置されるステータ30及びロータ31と、円筒状を成し、ロータ31が嵌合する円筒部34と、円筒部34の第2方向X2の端部から径方向内側に延出し、中央部が第1ハウジング10の開口部14と対向する回転盤35と、回転盤35の中心から第1方向X1に延びるサンギヤ用軸33と、を有している。遊星歯車機構4は、サンギヤ用軸33に固定されたサンギヤ40と、収容部9の内周面に嵌合するリングギヤ41と、サンギヤ40とリングギヤ41との間に配置された複数のプラネタリギヤ42と、収容部9に回転自在に支持され、かつリングギヤ41の第1方向X1に配置され、複数のプラネタリギヤ42を回転自在に支持するキャリア43と、を有している。ねじ軸50は、第2方向X2の端部がキャリア43に固定され、キャリア43と供回りする。ナット51は、収容部9の内周側からシリンダ8の内部に入り込んでいる。
【0056】
実施形態1の電動アクチュエータ100によれば、ナット51が直動部品であり、ナット51にピストン60を取り付けられる。このため、ピストン60とナット51が接触せず、ピストン6を径方向又は軸方向に拡大させる必要がない。よって、電動アクチュエータ100の大型化が回避される。また、遊星歯車機構4及びボールねじ装置5は、モータ3の内周側に配置されている。このため、電動アクチュエータ100は、軸方向の長さが短く、小型化している。また、モータ3は、遊星歯車機構4及びボールねじ装置5の外周側に配置され、径が比較的大きい。よって、十分なトルクを生成することができる。
【0057】
また、実施形態1のナット51は、外周面がシリンダ8の内周面11aに摺動自在に嵌合している。
【0058】
ナット51は、シリンダ8内で傾き難くなり、軸方向の移動が円滑となる。
【0059】
また、実施形態1の電動アクチュエータ100は、第1ハウジング10の摺動面11aに摺動自在に嵌合するピストン60を備えている。ピストン60は、外径がナット51の外径と同一であり、ナット51の第1方向X1の端部に取り付けられている。
【0060】
ナット51とピストン60とが連結し、ナット51の外周面51aとピストン60の外周面が第1ハウジング10の摺動面11aと摺動する。このため、ナット51とピストン60のうちいずれか一方のみが摺動する場合よりも、摺動面11aに対する摺動面積が軸方向に拡張している。よって、ナット51及びピストン60は、第1ハウジング10内でより傾き難くなっており、軸方向の移動が円滑となっている。
【0061】
また、実施形態1のキャリア43は、リングギヤ41の第1方向X1に配置されている。
【0062】
これによれば、キャリア43とねじ軸50を直接固定することができる。よって、部品点数の削減を図れる。
【0063】
また、実施形態1のキャリア43は、環状を成し、内周側にナット51の第2方向X2の端部を収容可能となっている。
【0064】
前記構成によれば、キャリアとナットが占める空間を小さくできる。よって、電動アクチュエータの小型化を図れる。
【0065】
また、実施形態1において、ナット51の外周面とシリンダ8の内周面との間には、ナット51がねじ軸50を中心に回転することを規制する回り止め部材(ピン55)が設けられている。
【0066】
これにより、ナット51の回転が規制される。
【0067】
また、実施形態1の電動アクチュエータ100は、モータ3の外周側を覆う筒部21と、筒部21の第2方向X2の端部から径方向内側に延びて回転盤35の第2方向X2を覆う底部22と、を有する第2ハウジング20を有している。
【0068】
第2ハウジング20によって、第1ハウジング10の開口部14が閉塞される。よって、第1ハウジング10内への異物の侵入を抑制できる。
【0069】
また、実施形態1のステータ30は、第2ハウジング20の筒部21の内周面に固定されている。ロータ31は、ステータ30の内周側に配置され、かつ軸受(第2軸受25)を介して第2ハウジング20の筒部21の内周面に回転自在に支持されていている。
【0070】
(実施形態2)
図6は、実施形態2の電動アクチュエータを軸方向に切った断面図である。次に実施形態2について説明する。実施形態2の電動アクチュエータ100Aは、モータ3に変えてモータ3Aを備えている点で実施形態1の電動アクチュエータ100と異なる。以下、相違点に絞って説明する。
【0071】
モータ3Aは、ステータ30Aと、ロータ31Aと、回転体32Aと、サンギヤ用軸33Aと、を備える。ステータ30Aの内周側には、ハウジング本体11が配置されている。ステータ30Aは、ハウジング本体11の外周面に取り付けられている。ロータ31Aの内周側には、ステータ30Aが配置されている。回転体32Aの円筒部34Aは、ハウジング本体11の外周面11bに嵌合する第2軸受25Aに支持されている。また、円筒部34Aの内周面には、ロータ31Aが取り付けられている。回転盤35Aは、実施形態1と同様に、底部22と第1ハウジング10の間の第2収容空間24に配置されている。サンギヤ用軸33Aは、実施形態1と同様に、回転盤35Aの中央部から第1方向X1に延出している。
【0072】
以上、実施形態2のステータ30Aは、第1ハウジング10の外周面に固定されている。ロータ31Aは、ステータ30Aの外周側に配置され、かつ軸受(第2軸受25A)を介して第1ハウジング10の外周面に回転自在に支持されている。
【0073】
このような実施形態2の電動アクチュエータ100Aであっても、ナット51が直動部品であり、電動アクチュエータ100の大型化が回避される。また、実施形態2によれば、モータ3Aの各部品が第1ハウジング10に支持される。よって、第2ハウジング20に要求される剛性が小さい。つまり、第2ハウジング20の壁部の肉厚を薄くして電動アクチュエータ100Aを小型化することができる。
【0074】
以上、実施形態1及び実施形態2では、ブレーキブースタに適用した例を挙げたが、本開示は、ブレーキブースタ以外にも適用することができる。
【0075】
(実施形態3)
図7は、実施形態3の電動アクチュエータを軸方向に切った断面図である。実施形態3の電動アクチュエータ100Bは、ブレーキディスク71とブレーキパッド72、72を備えている点で、実施形態1の電動アクチュエータ100と相違する。また、本実施形態の第1ハウジング10は、蓋部13(
図1参照)を備えていない点で、実施形態1の電動アクチュエータ100と相違する。
【0076】
第1ハウジング10は、ピストン60Bと対向する壁状の対向部70を有している。ピストン60Bと対向部70との間には、ブレーキディスク71と、ブレーキパッド72、72が配置されている。
【0077】
モータ3が駆動し、ナット51が第1方向X1に移動すると、ピストン60Bは、ブレーキディスク71と、ブレーキパッド72、72を第1方向X1に押圧する。よって、ブレーキディスク71とブレーキパッド72、72は、ピストン60Bと対向部70とに挟持され、ブレーキディスク71とブレーキパッド72、72の摩擦力が高まる。よって、図示しない車輪と供回りするブレーキディスク71は、ブレーキパッド72、72との摩擦力により回転が抑制されるようになる。
【0078】
以上、実施形態3の電動アクチュエータ100Bであっても、ナット51が直動部品であり、電動アクチュエータ100の大型化が回避される。
【0079】
以上、実施形態について説明したが、本開示は実施形態で示した例に限定されない。例えば、実施形態のナット51は、シリンダ8の摺動面11aに摺動しているが、摺動しなくてもよい。このような変形例であっても、直動部品であるナット51にピストン60が取り付けられ、ピストン60はナット51と一体に作動する。よって、従来技術で説明したようにピストン60を径方向又は軸方向に拡大させる必要がなく、電動アクチュエータ100の大型化が回避される。
【符号の説明】
【0080】
100、100A、100B 電動アクチュエータ
1 ハウジング
3、3A モータ
4 遊星歯車機構
5 ボールねじ装置
6 可動部品
8 シリンダ
9 収容部
10 第1ハウジング
11 ハウジング本体
11a 摺動面
19 ガイド溝
20 第2ハウジング
21 筒部
22 底部
23 第1収容空間
24 第2収容空間
30、30A ステータ
31、31A ロータ
32、32A 回転体
33、33A サンギヤ用軸
34、34A 円筒部
35、35A 回転盤
40 サンギヤ
41 リングギヤ
42 プラネタリギヤ
43 キャリア
50 ねじ軸
51 ナット
51c 溝
52 ボール
54 ストッパ
55 ピン
60、60B ピストン
71 ブレーキディスク
72 ブレーキパッド