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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187280
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】光加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
H01L21/26 T
H01L21/26 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095234
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 真司
(57)【要約】
【課題】加熱対象物の温度分布を精度良く自動的に調整することを可能にした光加熱装置を提供する。
【解決手段】光加熱装置は、光源体が配置されてなる面状の光源領域を複数有する加熱光源ユニットと、それぞれの光源領域内に存在する光源体の光出力を光源領域単位で制御可能な制御ユニットとを備える。制御ユニットは、平板状の試験体に向けて加熱光源ユニットからの光を照射したときの複数の光源領域間における光源体の光出力の相対比率と試験体の主面の温度分布との関係が記載された温度分布特性情報が記録された記憶部と、温度分布特性情報に基づいて、所定の分布計測用光出力の下で加熱光源ユニットからの光が照射されたときの加熱対象物の主面の温度分布を、所望する温度分布に近づけるように複数の光源領域間の光出力の比率を変化させる出力制御部とを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の加熱対象物を加熱する光加熱装置であって、
1個又は複数個の光源体が配置されてなる面状の光源領域を、前記光源領域によって構成される光源面に沿った方向に複数有する加熱光源ユニットと、
それぞれの前記光源領域内に存在する前記光源体の光出力を、前記光源領域単位で制御可能な制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、
前記光源面に直交する方向に関して前記光源領域から所定の離間距離を有して配置された平板状の試験体に向けて前記加熱光源ユニットからの光を照射したときの、複数の前記光源領域間における前記各光源体の光出力の相対比率と前記試験体の主面の面方向に係る温度分布との関係が記載された温度分布特性情報、及び前記加熱対象物の主面の面方向の所望温度分布が記載された所望温度分布情報が記録された記憶部と、
前記光源領域ごとに前記光源体の光出力を所定の分布計測用光出力に設定した状態で前記加熱光源ユニットからの光が前記加熱対象物に対して照射されたときに得られた、前記加熱対象物の主面の面方向の温度分布が記載された実測温度分布情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記温度分布特性情報に基づいて、前記実測温度分布情報に記載された温度分布を、前記所望温度分布情報に記載された温度分布に近づけるように、複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を変化させる出力制御部とを備えたことを特徴とする、光加熱装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記加熱光源ユニットに形成されたn個の前記光源領域のそれぞれに対して、最小出力と最大出力の間で光出力をm種類に変化させた場合に得られる、mn種類の前記温度分布特性情報を記録していることを特徴とする、請求項1に記載の光加熱装置。
(ただし、m,nは、いずれも2以上の自然数である。)
【請求項3】
前記光源領域は、前記光源面の中央の位置を含む第一領域と、前記第一領域の外側に位置する第二領域とを少なくとも有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光加熱装置。
【請求項4】
前記第二領域は、前記光源面の周方向に沿って複数の前記光源領域に更に分割されていることを特徴とする、請求項3に記載の光加熱装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を、前記実測温度分布情報に記載された温度分布と、前記所望温度分布情報に記載された温度分布との乖離が閾値以下になるように調整した後、当該比率を維持したまま複数の前記光源領域の光出力を前記分布計測用光出力から増加させる制御を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の光加熱装置。
【請求項6】
前記所望温度分布情報は、前記加熱対象物の主面が面方向に関して実質的に均一な温度分布を示す旨の情報であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光加熱装置。
【請求項7】
前記加熱対象物の主面の面方向の温度分布を計測する第一温度計を備え、
前記制御ユニットは、
前記加熱対象物が設置されると、前記出力制御部が前記光源体の光出力を前記分布計測用光出力に設定した状態で前記光源体を点灯する第一処理ステップと、
前記第一温度計が、前記第一処理ステップ実行時の前記加熱対象物の主面の面方向の温度分布を計測することで、前記実測温度分布情報を取得する第二処理ステップと、
前記出力制御部が、前記第二処理ステップの実行後に、前記記憶部から読み出した前記温度分布特性情報に基づいて、前記実測温度分布情報に記載された温度分布を、前記所望温度分布情報に記載された温度分布に近づけるように、複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を変化させる第三処理ステップと、を順次実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光加熱装置。
【請求項8】
前記加熱対象物の主面の特定箇所の温度を計測する第二温度計を備え、
前記入力受付部は、前記加熱対象物の主面の目標温度に関する情報の入力を受け付ける構成であり、
前記第三処理ステップは、前記実測温度分布情報に記載された温度分布と、前記所望温度分布情報に記載された温度分布との乖離が閾値以下になるように、前記出力制御部が複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を調整する処理ステップであり、
前記出力制御部は、前記第三処理ステップの実行後、前記第二温度計が示す温度情報が前記目標温度に達するように、前記第三処理ステップで調整された前記比率を維持したまま複数の前記光源領域の光出力を前記分布計測用光出力から増加させる第四処理ステップを実行することを特徴とする、請求項7に記載の光加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスでは、半導体ウェハ等の被処理基板に対して、成膜処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理といった種々の熱処理が行われる。これらの熱処理を行う方法として、一般的には、非接触での処理が可能な光加熱が採用される。例えば、下記特許文献1には、半導体ウェハの被処理面に対して加熱用の光を照射して、シリコンウェハを加熱処理するための熱処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-58722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造された半導体デバイスの特性及び外観は、加熱時の温度に左右される場合がある。特に、デバイス間での特性のバラツキを抑制する観点から、半導体ウェハの加熱処理に際しては、ウェハの面内を均一に加熱することが求められる。
【0005】
加熱用光源は、ハロゲンランプ又はLED素子からなる光源体が、加熱対象物(上記の例はウェハ)の主面に離間して対向した位置に複数配列されることで構成される。しかし、単に、各光源体を同一の光出力の下で点灯させただけでは、加熱対象物の主面の温度分布は均一とはならない。なぜなら、加熱対象物の主面の中心付近には加熱光が集中しやすい一方で、周縁部付近には中心付近と比べて照度が低下しやすいためである。
【0006】
このような傾向が生じることに鑑み、例えば加熱対象物の主面の中心付近に対向する箇所に位置する光源体の出力を、前記中心付近よりも外側の領域に対向する光源体の出力よりも低くする制御を行う方法が考えられる。しかし、加熱用光源を構成する複数の光源体のうち、最も中心に近い光源体の出力を単に低下させるだけで、均一な温度分布が得られるわけではない。なぜなら、各光源体からの光は、所定の発散角を有して加熱対象物の照射面に到達するためである。
【0007】
加熱対象物の主面は、複数の光源体からの光が重ね合わせられて加熱される。つまり、加熱対象物の主面上の各領域は、複数の光源体からの光同士及び熱同士が相互に影響を及ぼし合うことで実現された加熱条件の下で加熱され、その温度が確定する。つまり、加熱対象物の主面上の特定の領域R1の温度を、別の領域Rjの温度に近づけるべく低下させたい場合に、単にこの領域R1に対応する箇所に位置している光源体(群)Q1の出力を、領域Rjに対応する箇所に位置している光源体(群)Qjの出力よりも低下させればよいわけではない。なぜなら、光源体(群)Q1の出力を低下させると、加熱対象物の主面上の領域R1に隣接する領域R2の温度も低下してしまうためである。
【0008】
そして、この領域R2の温度を上げるために、光源体Q1に隣接する光源体Q2の出力を上げると、この出力上昇に伴って領域R1の温度も上がってしまう。
【0009】
また、温度分布は、加熱対象物の個々の特性の影響も受ける傾向にある。例えば、加熱対象物が半導体シリコンウェハである場合であっても、個々のシリコンウェハ間で、表面状態が微妙に異なることが考えられる。
【0010】
このような事情から、実際には、加熱対象物の温度分布を計測した上で、作業者(ユーザ)が各自の経験と勘に基づいて各光源体の光出力を調整することで、加熱対象物の温度分布を均一化する処理が行われているのが実情であった。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑み、加熱対象物の温度分布を精度良く自動的に調整することを可能にした光加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る光加熱装置は、平板状の加熱対象物を加熱する光加熱装置であって、
1個又は複数個の光源体が配置されてなる面状の光源領域を、前記光源領域によって構成される光源面に沿った方向に複数有する加熱光源ユニットと、
それぞれの前記光源領域内に存在する前記光源体の光出力を、前記光源領域単位で制御可能な制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、
前記光源面に直交する方向に関して前記光源領域から所定の離間距離を有して配置された平板状の試験体に向けて前記加熱光源ユニットからの光を照射したときの、複数の前記光源領域間における前記各光源体の光出力の相対比率と前記試験体の主面の面方向に係る温度分布との関係が記載された温度分布特性情報、及び前記加熱対象物の主面の面方向の所望温度分布が記載された所望温度分布情報が記録された記憶部と、
前記光源領域ごとに前記光源体の光出力を所定の分布計測用光出力に設定した状態で前記加熱光源ユニットからの光が前記加熱対象物に対して照射されたときに得られた、前記加熱対象物の主面の面方向の温度分布が記載された実測温度分布情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記温度分布特性情報に基づいて、前記実測温度分布情報に記載された温度分布を、前記所望温度分布情報に記載された温度分布に近づけるように、複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を変化させる出力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の光加熱装置によれば、例えば以下の手順によって自動的に加熱対象物の温度分布を所望の温度分布とすることが可能となる。
【0014】
まず光源体の光出力を所定の分布計測用光出力に設定した状態で、加熱光源ユニットから加熱対象物に対して光を照射する。このときに得られた加熱対象物の主面の温度分布に関する情報(実測温度分布情報)が、入力受付部より制御ユニットに入力される。前記分布計測用光出力は、例えば全ての光源領域内の光源体の出力を同一値となるように設定される。より具体的な一例として、全ての光源領域内の光源体の出力が最大出力の10%に設定される。
【0015】
光加熱装置自身が、この加熱対象物の主面の温度分布を測定する機能、すなわち第一温度計を搭載していても構わない。一例として、このような第一温度計としては、熱電対、放射温度計、サーモカメラが好適に利用される。温度分布を精度良く測定する観点からは、熱電対が好適に用いられる。また、温度分布を簡易的に測定する観点からは、サーモカメラが好適に用いられる。
【0016】
制御ユニットが備える記憶部には、温度分布特性情報が記録されている。温度分布特性情報は、平板状の試験体を用いて事前に計測された情報である。温度分布特性情報は、光加熱装置が出荷される前に、事前に取得されて記憶部に記録されるものとして構わない。
【0017】
温度分布特性情報とは、光源領域に対向するように光源領域から所定の離間距離を有して平板状の試験体を配置した状態で、加熱光源ユニット(各光源領域)から光を照射したときの、各光源領域間における光源体の光出力の相対比率と、試験体の面方向の温度分布との関係が記載された情報である。より具体的には、以下の通りである。
【0018】
加熱光源ユニットが、n個の光源領域Xi(i=1,…,n)を有しているものとする。なお、上述したように、各光源領域Xiは、それぞれ1個又は複数個の光源体で構成されている。加熱光源ユニットは、各光源領域Xi単位で、それぞれの光源領域Xiに含まれる光源体の光出力の制御が可能な構成である。
【0019】
平板状の試験体を所定の位置に配置し、各光源領域Xi(i=1,…,n)に属する光源体の光出力Pi(i=1,…,n)をそれぞれ変更することで照射条件を異ならせた状態で、加熱用の光が照射される。そして、それぞれの条件下で光が照射されたときの試験体の主面上の温度分布が計測される。温度分布は、例えば、極座標形式又は直交座標形式で特定される試験体の主面上の複数の位置と、当該位置の温度とが関連付けられた情報である。なお、この温度分布は、座標形式で特定する以外に、試験体の主面を複数の領域に分割した上で、領域ごとに温度が関連付けられた情報としても構わない。
【0020】
例えば、各光源領域Xiに含まれる光源体の光出力Piを、最小出力(出力0%)から最大出力(出力100%)までの間で10%刻みに変化させながら、すなわち光出力Piを11種類に変化させながら、温度分布を計測することができる。より具体的な例を挙げれば、光源領域Xiの数が7個である場合(n=7)、この計測によって711種類の温度分布特性に関するデータが得られる。言い換えれば、Xiの数がnであり、各光源領域Xiに含まれる光源体の光出力Piを、最小出力と最大出力の間でm種類に変化させた場合には、mn種類の温度分布特性情報が得られる。このような温度分布特性情報が、制御ユニットの記憶部に記録されている。
【0021】
制御ユニットが備える記憶部には、ユーザが希望する加熱対象物の主面の温度分布(所望温度分布)に関する情報(所望温度分布情報)が記録されている。上述したように、光加熱装置によって加熱される加熱対象物が半導体ウェハである場合には、通常は面方向の温度分布の均一性が求められることから、記憶部には予めその旨の所望温度分布情報が記録されているものとしても構わない。
【0022】
言い換えれば、前記所望温度分布情報は、前記加熱対象物の主面が面方向に関して実質的に均一な温度分布を示す旨の情報であるものとしても構わない。ここでいう「実質的に均一な温度分布」とは、加熱対象物の主面の位置ごとの温度のバラツキが殆ど存在していないと許容できることを意味しており、典型的には、加熱対象物の主面の各位置における温度の平均値を基準としたときに、各位置の温度が当該平均値の±10%の変動幅に抑制されていることを意味する。
【0023】
別の例として、ユーザ側の事情によっては、加熱対象物の主面全体にわたって完全に均一な温度を求めておらず、ある箇所の温度をその箇所の周囲よりも相対的に高くしたい場合が考えられる。このような場合、ユーザが入力した所望温度分布情報が、入力受付部を介して制御ユニット内に取り込まれ、記憶部に記録されるものとしても構わない。
【0024】
制御ユニットが備える出力制御部は、前記の分布計測用光出力に設定された状態で加熱光源ユニットから加熱対象物に対して光を照射したときに得られた加熱対象物の主面の温度分布に関する情報(実測温度分布情報)と、記憶部に記録されている所望温度分布情報とを比較する。そして、実測温度分布情報が示す温度分布を、所望温度分布情報が示す温度分布に近づけるために、各光源領域Xiに含まれる光源体の光出力Piの相対的な比率を変化させる。この相対的な比率を確定させる際に、記憶部に記録されている温度分布特性情報が利用される。
【0025】
上述したように、温度分布特性情報には、各光源領域Xi(i=1,…,n)に含まれる光源体の光出力を種々変化させたときに、試験体の主面の温度分布がどのように変化するかが記載されている。このため、分布計測用光出力の下で得られた温度分布(実測温度分布情報)と、所望温度分布情報に記載された温度分布とを対比して、両者の乖離を小さくするためには、各光源領域Xi(i=1,…,n)間における光出力の比率をどのように変更すべきかを認識できる。よって、出力制御部が、上記の演算を自動的に行って演算結果に基づいて各光源領域Xi(i=1,…,n)の光出力の相対比率を調整することにより、ユーザの経験や勘によることなく、加熱対象物の主面上の温度分布を、ユーザが所望する温度分布(例えば均一性の高い温度分布)に変更できる。
【0026】
加熱対象物の主面の温度分布が所望する温度分布に調整された後は、各光源領域Xi(i=1,…,n)の光出力の相対比率を維持したまま、各光源領域Xi(i=1,…,n)の光出力を高めるか、又は加熱時間を調整することにより、加熱対象物を目標とする温度にまで昇温することができる。
【0027】
すなわち、前記出力制御部は、複数の前記光源領域間における前記各光源体の光出力の比率を、前記実測温度分布情報に記載された温度分布と、前記所望温度分布情報に記載された温度分布との乖離が閾値以下になるように調整した後、当該比率を維持したまま、複数の前記光源領域の光出力を前記分布計測用光出力から増加させる制御を行うものとしても構わない。
【0028】
例えば、加熱対象物の特定の箇所の温度を測定しておき、この温度が、目標温度に到達するように、各光源領域Xi(i=1,…,n)に含まれる光源体の光出力の相対比率を維持したまま各光源領域Xi(i=1,…,n)の光出力を高めるものとしてもよい。
【0029】
前記光源領域は、前記光源面の中央の位置を含む第一領域と、前記第一領域の外側に位置する第二領域とを少なくとも有するものとしても構わない。
【0030】
この場合において、前記第二領域は、前記光源面の周方向に沿って複数の前記光源領域に更に分割されているものとしても構わない。
【0031】
特に、加熱対象物の周縁部は、中央部よりも低温になりやすい上、周縁部の方が中央部よりも領域が広くなる。上記の構成とすることで、周縁部に近い箇所の温度に対するより細かい制御が可能となる。
【0032】
前記制御ユニットは、
前記加熱対象物が設置されると、前記出力制御部が前記光源体の光出力を前記分布計測用光出力に設定した状態で前記光源体を点灯する第一処理ステップと、
前記第一温度計が、前記第一処理ステップ実行時の前記加熱対象物の主面の面方向の温度分布を計測することで、前記実測温度分布情報を取得する第二処理ステップと、
前記出力制御部が、前記第二処理ステップの実行後に、前記記憶部から読み出した前記温度分布特性情報に基づいて、前記実測温度分布情報に記載された温度分布を、前記所望温度分布情報に記載された温度分布に近づけるように、複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を変化させる第三処理ステップと、を順次実行するものとしても構わない。
【0033】
また、前記光加熱装置は、前記加熱対象物の主面の特定箇所の温度を計測する第二温度計を備え、
前記入力受付部は、前記加熱対象物の主面の目標温度に関する情報の入力を受け付ける構成であり、
前記第三処理ステップは、前記実測温度分布情報に記載された温度分布と、前記所望温度分布情報に記載された温度分布との乖離が閾値以下になるように、前記出力制御部が複数の前記光源領域間の前記各光源体の光出力の比率を調整する処理ステップであり、
前記出力制御部は、前記第三処理ステップの実行後、前記第二温度計が示す温度情報が前記目標温度に達するように、前記第三処理ステップで調整された前記比率を維持したまま複数の前記光源領域の光出力を前記分布計測用光出力から増加させる第四処理ステップを実行する構成であるものとしても構わない。
【発明の効果】
【0034】
本発明の光加熱装置によれば、ユーザの経験や勘に頼ることなく、加熱対象物の温度分布を精度良く自動的に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の光加熱装置の一実施形態の構成を模式的に示す図面である。
図2図1内の加熱対象物3を+Z側から見た平面図である。
図3図1内の加熱光源ユニット10の構成を模式的に示す平面図である。
図4図3の図面を説明用に簡素化した上で、符号を付した図面である。
図5図1内の制御ユニット20の構成を模式的に示すブロック図である。
図6A】加熱光源ユニットのシミュレーションモデルの概念図である。
図6B】加熱光源ユニットのシミュレーションモデルの概念図であり、図6Aのハッチング部分に符号を付した図である。
図7】点灯モード#1~#12の下で各光源モデルを点灯させたときの照射面上における温度分布を示すシミュレーション結果である。
図8】光加熱装置1を利用して加熱対象物3を加熱する際の手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の光加熱装置について、図面を参照して説明する。なお、光加熱装置に関する以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や要素の個数は、実際の寸法比や要素の個数と必ずしも一致していない。
【0037】
図1は、光加熱装置の構成を模式的に示す図面である。図1に示す光加熱装置1は、複数の光源体を備えた加熱光源ユニット10と、加熱光源ユニット10に備えられた光源体の光出力を制御する制御ユニット20とを備える。
【0038】
本実施形態の光加熱装置1は、加熱対象物3を収容するチャンバ30を備える。光加熱装置1の利用時には、加熱対象物3がチャンバ30内の所定の箇所に設置された状態で、加熱光源ユニット10から加熱光L1が放射される。これにより、加熱対象物3の主面3aに対して加熱光L1が照射され、加熱対象物3が加熱される。
【0039】
以下の説明では、図1に示すように、加熱光源ユニット10と加熱対象物3とが離間する方向をZ方向とし、このZ方向に直交する平面をXY平面とする、X-Y-Z座標系が適宜参照される。なお、方向を表現する際に、正負の向きを区別する場合には、「+Z方向」、「-Z方向」のように、正負の符号を付して記載され、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「Z方向」と記載される。この表現を用いて説明すると、加熱光源ユニット10からの加熱光L1は、-Z方向に進行して加熱対象物3の主面3aに照射されて、加熱対象物3が加熱される。加熱対象物3の主面3aは、XY平面に平行な面である。
【0040】
加熱対象物3は、典型的にはシリコンウェハである。ただし、本実施形態の光加熱装置1は、シリコンウェハ以外の加熱対象物3に対する加熱処理にも適用が可能であり、一例として、ガラス基板、セラミックス基板、ALTIC(アルミナチタンカーバイド)基板、SiC(シリコンカーバイド)基板が例示される。
【0041】
加熱光源ユニット10は、複数の光源体を備える。より詳細には、加熱光源ユニット10は、XY平面に平行な面に沿って複数の光源体を配置して構成されている。これらの複数の光源体は、所定の単位(以下、「光源領域」と称する。)で光出力の制御が可能な構成である。この点については、図3図4を参照しながら後述される。
【0042】
本実施形態において、加熱光源ユニット10に搭載される光源体は、ハロゲンランプで構成される。ただし、光源体は、LED素子を初めとする固体光源であっても構わないし、ハロゲンランプ以外のランプであっても構わない。前者の場合、より具体的には、光源体は、ピーク波長が365nm~480nmのLED素子であってもよい。このLED素子のピーク波長は、典型的には395nmである。
【0043】
図1に示す例では、チャンバ30が加熱対象物3を支持するための支持部材31を備える。支持部材31は、加熱対象物3の主面3aを、加熱光源ユニット10に搭載される複数の光源体の配列面に対して実質的に平行な状態で支持できるものであれば、その構造は任意である。
【0044】
図1に示す例では、チャンバ30が窓32と窓33を備える。窓32は、チャンバ30の外側に位置している加熱光源ユニット10から放射される加熱光L1を、チャンバ30内部に進行させるための透光窓である。窓33は、サーモカメラ41によって加熱対象物3の温度分布を測定するための観測用の窓である。より詳細には、サーモカメラ41は、加熱対象物3から放射される赤外光L2を受光することで、加熱対象物3の主面3aの温度分布を測定する。この例では、サーモカメラ41が「第一温度計」に対応する。
【0045】
なお、後述するように、サーモカメラ41に代表される第一温度計は、所定の光出力条件で加熱光源ユニット10の各光源体を点灯させたときの、加熱対象物3の主面3aのXY平面に沿った方向に係る温度分布を計測することができればよい。かかる観点から、第一温度計としては、サーモカメラ41以外にも、熱電対や放射温度計を利用することも可能である。これらの場合には、加熱対象物3の主面3a上に分散した複数の位置における温度が計測されることで、加熱対象物3の主面3aの温度分布が得られる。
【0046】
制御ユニット20は、サーモカメラ41によって得られた、加熱対象物3の主面3aの温度分布に関する情報が入力される。制御ユニット20は、この温度分布の情報に基づいて、加熱光源ユニット10の各光源体の出力を制御する。制御ユニット20の構成及び処理内容については、図5及び図8を参照して後述される。
【0047】
後述されるように、本実施形態の光加熱装置1は、加熱対象物3の主面3aの温度分布の情報に基づいて、加熱光源ユニット10の各光源体の出力をフィードバック制御する構成ではない。このため、速い応答性が求められるものではないことから、加熱対象物3の主面3aの温度分布の測定手段としてサーモカメラ41の利用が可能である。
【0048】
図2は、加熱対象物3を+Z側から見た平面図である。図2に示す例では、加熱対象物3の主面3aが円形状を呈している。ただし、主面3aの形状は円形には限定されず、楕円形状や多角形状であっても構わない。
【0049】
図3及び図4は、加熱光源ユニット10の構成を模式的に示す平面図であり、いずれも、加熱対象物3側から加熱光源ユニット10を+Z方向に見たときの平面図である。図3に示す例では、光源体12がXY平面に沿って37個配列されている。そして、図4に示すように、加熱光源ユニット10が備えるこれらの光源体12が、7個の光源領域11(11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g)に分割されている。なお、光源体12の数や光源領域11の数は、任意である。
【0050】
光源領域11aは、加熱光源ユニット10の光源面(XY平面に沿った面)のほぼ中心に位置しており、ここでは1個の光源体12を含む。
光源領域11bは、光源領域11aを囲む領域に位置しており、ここでは6個の光源体12を含む。
光源領域11cは、光源領域11bを囲む領域に位置しており、ここでは12個の光源体12を含む。
【0051】
光源領域11d,11e,11f,11gの群は、光源領域11cを囲む領域に位置している。これらの群は、周方向に4つの光源領域(11d,11e,11f,11g)に分離されている。光源領域11d及び光源領域11fは5個の光源体12を含み、光源領域11e及び光源領域11gは4個の光源体12を含む。
【0052】
上述したように、制御ユニット20は、加熱光源ユニット10に搭載される各光源体12に対し、光源領域11単位で光出力の制御が可能な構成である。以下、制御ユニット20の構成と制御内容について説明する。
【0053】
図5は、制御ユニット20の構成を模式的に示すブロック図である。制御ユニット20は、出力制御部21と、記憶部22と、入力受付部23を備える。
【0054】
入力受付部23は、制御ユニット20の外側から情報の入力を受け付けるインタフェースである。より詳細には、入力受付部23は、サーモカメラ41で計測された加熱対象物3の主面の温度分布に関する情報(以下、「実測温度分布情報dT1」と称する。)の入力を受け付ける。
【0055】
記憶部22は、各種の情報を記録する記憶媒体であり、典型的にはハードディスク、フラッシュメモリ等である。記憶部22は、温度分布特性情報d1と所望温度分布情報d2を記録している。
【0056】
所望温度分布情報d2とは、光加熱装置1のユーザが実現したい、加熱対象物3の主面3aの温度分布に関する情報である。加熱対象物3がシリコンウェハである場合、典型的には、加熱対象物3の主面3aを均一的に加熱することが求められる。この場合、所望温度分布情報d2には、XY面上の座標位置によらず均一的な温度分布を示す旨の情報が記載されている。この場合、所望温度分布情報d2は、予め、ユーザが利用するよりも前の段階で記憶部22に記録されているものとして構わない。
【0057】
別の例として、ユーザ側の事情によっては、加熱対象物の主面全体にわたって完全に均一な温度を求めておらず、ある箇所の温度をその箇所の周囲よりも相対的に高くしたい場合が考えられる。このような場合、ユーザが端末等を用いて所望温度分布情報d2を制御ユニット20に入力し、この所望温度分布情報d2が入力受付部23を介して制御ユニット20内に取り込まれ、記憶部22に記録される。
【0058】
温度分布特性情報d1とは、光加熱装置1がユーザの手元に届くよりも前の時点、典型的には出荷前の時点で、平板状の試験体を用いて事前に取得された情報である。この温度分布特性情報d1は、加熱光源ユニット10からZ方向に所定の離間距離で平板状の試験体を設置して、加熱光源ユニット10に搭載されている光源体12の出力を変化させたときに、試験体の主面上の温度分布の変化の態様が記載されている。このとき、光源体12の出力は、光源領域11単位で変化される。
【0059】
図4の例を参照して具体的に説明すると、温度分布特性情報d1は、全ての光源領域11(11a,11b,…,11g)に含まれる光源体の光出力を、少しずつ変化させながら測定された試験体の主面の温度分布に関する情報に対応する。つまり、温度分布特性情報d1によれば、どの光源領域11をどの程度変化させると、試験体の主面の温度分布にどのような影響が及ぶかを読み取ることができる。
【0060】
図6A及び図6Bは、シミュレーションに利用された加熱光源ユニット10の光源モデル10Sの概念図である。図6Aでは、光源体12を模擬した模擬光源体12Sの位置にハッチングが施されている。図6Bは、各模擬光源体12Sに対して、それぞれ説明用の符号A1~A19を付した図面である。
【0061】
図6Bに示す各模擬光源体A1~A19を、以下の表1に記載の点灯モード#1~#12で点灯したときの、光源モデル10Sからの離間距離45mmの箇所における面方向の温度分布をシミュレーションにより算出した。この結果を、図7に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
図7によれば、各模擬光源体(A1~A19)間における光出力の相対値を異ならせることで、照射面の温度分布に影響が及ぶことが確認される。言い換えれば、模擬光源体A1~A19を、本実施形態の光加熱装置1における光源領域11に対応させると、各光源領域11間における光出力の相対値を変化させることで、加熱対象物3の主面3a(並びに試験体の主面)の温度分布に影響が及ぶことが分かる。
【0064】
つまり、本実施形態の光加熱装置1は、試験体を用いて光源領域11ごとに光源体12の光出力の相対値を変化させたときの、試験体の主面の温度分布への影響度合いが、予め測定されており、この測定結果を反映した情報としての温度分布特性情報d1が、記憶部22に記録されている。
【0065】
出力制御部21は、加熱光源ユニット10に搭載される各光源体12の光出力を、光源領域11単位で制御する。この出力制御部21は、各光源領域11に対して供給される電流量又は電圧量を算定する演算処理手段であり、例えばCPUやMPUで構成される。なお、図示しないが、光加熱装置1は電源回路を備えており、この電源回路は、出力制御部21によって算定された、光源領域11ごとの光出力dP1を実現するための電流又は電圧を、それぞれの光源領域11に対して供給する。これにより、各光源領域11は、それぞれ出力制御部21によって決定された出力比の下で点灯される。
【0066】
以下、光加熱装置1の利用時のフローについて、図8を参照しながら説明する。図8は、光加熱装置1を利用して加熱対象物3を加熱する際の手順を示すフローチャートの一例である。
【0067】
(ステップS1)
加熱対象物3がチャンバ30内に設置されると、制御ユニット20は、まず加熱光源ユニット10が搭載する各光源体12の光出力を、所定出力(以下、「分布計測用光出力」と称する。)に設定する。加熱光源ユニット10は、前記分布計測用光出力の下で、加熱対象物3に対して加熱光L1を照射する。これにより、加熱対象物3は、分布計測用光出力の下での加熱光L1によって、少し加熱される。なお、このステップS1は、次のステップS2において加熱対象物3の主面3aの温度分布を計測する目的で実行されるため、実際に目標とされる加熱温度よりも遥かに低い温度に加熱されるよう、分布計測用光出力が設定される。
【0068】
分布計測用光出力としては、例えば、全ての光源領域11に含まれる光源体12の相対出力が同一となるように設定されても構わない。具体的な一例として、全ての光源領域11内の光源体の出力が最大出力の10%に設定される。
【0069】
このステップS1が、「第一処理ステップ」に対応する。
【0070】
(ステップS2)
サーモカメラ41が加熱対象物3の主面3aの温度分布を計測する。この計測によって得られた実測温度分布情報dT1が、制御ユニット20に入力される。このステップS2が、「第二処理ステップ」に対応する。
【0071】
(ステップS3)
出力制御部21は、記憶部22から所望温度分布情報d2を読み出すと共に、ステップS2で得られた実測温度分布情報dT1と対比する。通常、両者が一致していることは極めて稀である。
【0072】
(ステップS4)
ステップS3における比較結果と、記憶部22から読み出した温度分布特性情報d1に基づいて、出力制御部21は、実測温度分布情報dT1を所望温度分布情報d2に近づけるために、各光源領域11の相対的な出力比(より詳細には、各光源領域11に含まれる光源体12の相対的な出力比)をどのように設定すべきかを演算で算定する。
【0073】
上述したように、温度分布特性情報d1によれば、各光源領域11間の相対的な出力比をどの程度変化させると、試験体の主面の温度分布にどのような影響が及ぶかが、記載されている。このため、ステップS3の比較結果と温度分布特性情報d1によって、各光源領域11の相対的な出力比をどのように設定すべきかが算定できる。
【0074】
そして、算定された各光源領域11の相対的な出力比の下で、各光源領域11内の光源体12が点灯される。
【0075】
ステップS3~S4が、「第三処理ステップ」に対応する。
【0076】
(ステップS5)
出力制御部21は、ステップS4で設定された相対比率を維持したまま、各光源体12の出力を上昇する。そして、加熱対象物3の主面3aの温度が、目標温度に達した段階で加熱処理が終了する。なお、目標温度に関する情報は、ステップS5の開始よりも前の時点で、予めユーザが端末等を利用して制御ユニット20に対して入力するものとしても構わない。この目標温度に関する情報は、入力受付部23を介して制御ユニット20内に取り込まれ、記憶部22に記録される。
【0077】
このとき、サーモカメラ41とは別に、加熱対象物3の主面3aの特定の箇所の温度を計測する第二温度計(不図示)を用いるものとしても構わない。この第二温度計としては、熱電対又は放射温度計が好適に用いられる。なお、第一温度計として熱電対又は放射温度計を用いる場合には、第一温度計と第二温度計は同一の温度計とすることができる。
【0078】
このステップS5が、「第四処理ステップ」に対応する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態の光加熱装置1によれば、加熱対象物3の主面3aの温度分布がユーザの所望する温度分布となるように、制御ユニット20が自動的に演算した上で各光源体12の出力調整が行われる。これにより、ユーザの経験や勘に頼ることなく、加熱対象物3の主面3aの温度分布を、精度良く自動的に調整することができる。
【0080】
なお、光加熱装置1を用いて多数の加熱対象物3を順次チャンバ30内に設置して加熱する場合には、既に計測された実測温度分布情報dT1に基づいて各光源領域11の出力比を設定するものとしても構わない。すなわち、ステップS1及びステップS2は、チャンバ30内に加熱対象物3を設置する都度行われる必要はない。この場合には、加熱対象物3をチャンバ30内に設置した後に、ステップS3~S5が順次実行される。
【0081】
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
【0082】
〈1〉記憶部22に記録される温度分布特性情報d1は、加熱光源ユニット10と試験体のZ方向に係る離間距離ごとの情報として記載されているものとしても構わない。この場合、光源領域11の数がn個、各光源領域11に含まれる光源体の光出力の種類数をmとすると、離間距離ごとに、mn種類の温度分布特性情報d1が記憶部22に記録される。
【0083】
この場合、ステップS1において加熱対象物3と加熱光源ユニット10とのZ方向に係る離間距離が測定される。そして、ステップS3では、出力制御部21によって、計測された離間距離に対応した所望温度分布情報d2が記憶部から読み出され、実測温度分布情報dT1と対比される。この方法によれば、記憶部22に記録される情報量は増えるものの、加熱対象物3の主面3aの温度分布をより精度良くユーザの所望する温度分布に近づけることができる。
【0084】
〈2〉各光源領域11に含まれる光源体12の数は、同一であっても構わないし、異なるものとしても構わない。前者の場合、各光源領域間における光源体12の光出力の相対比率とは、各光源領域11間における相対比率に一致する。
【符号の説明】
【0085】
1 :光加熱装置
3 :加熱対象物
3a :主面
10 :加熱光源ユニット
11 :光源領域
12 :光源体
20 :制御ユニット
21 :出力制御部
22 :記憶部
23 :入力受付部
30 :チャンバ
31 :支持部材
32 :窓
33 :窓
41 :サーモカメラ
d1 :温度分布特性情報
d2 :所望温度分布情報
dP1 :光出力
dT1 :実測温度分布情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8