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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187289
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】遠心分離装置及び遠心分離方法
(51)【国際特許分類】
   B04B 7/06 20060101AFI20221212BHJP
   B04B 5/02 20060101ALI20221212BHJP
   B04B 11/00 20060101ALI20221212BHJP
   B04B 13/00 20060101ALI20221212BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20221212BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
B04B7/06 Z
B04B5/02 D
B04B11/00 A
B04B13/00
G01N35/00 F
G01N35/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095245
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】309007184
【氏名又は名称】あおい精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 照明
【テーマコード(参考)】
2G058
4D057
【Fターム(参考)】
2G058CB08
2G058GE10
4D057AA03
4D057AB01
4D057AC01
4D057AD01
4D057AE13
4D057BA22
4D057BC03
4D057BD00
4D057CA00
4D057CB04
(57)【要約】
【課題】 検体容器の遠心器への搬入エラーを高精度に検出できる遠心分離装置及び遠心分離方法を提供する。
【解決手段】 一形態にかかる遠心分離装置は、ワークを保持する保持部と前記保持部を回転させる回転体と、を備える遠心分離器と、画像センサを有し前記保持部を撮像する画像センサと、を備える遠心分離装置と、前記遠心分離器に前記ワークを搬入する搬入処理を行う移載機構と、前記保持部へ前記ワークを移載する搬入処理の後、前記回転体を回転させる回転処理の前に撮像した前記保持部の画像に基づき前記搬入処理後の前記ワークの状態を検出する、センサ処理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する保持部と前記保持部を回転させる回転体と、を備える遠心分離器と、前記保持部が配される搬入位置の画像を検出する撮像部と、を備える遠心分離装置と、
前記遠心分離器に前記ワークを搬入する搬入処理を行う移載機構と、
前記保持部へ前記ワークを移載する搬入処理の後、前記回転体を回転させる回転処理の前に、前記保持部を撮像した検出画像に基づき前記搬入処理後の前記ワークの状態を検出する、センサ処理部と、
を備える、遠心分離装置。
【請求項2】
前記センサ処理部は、前記検出画像と、基準データとの一致度に基づいて前記ワークの状態を検出する請求項1記載の遠心分離装置。
【請求項3】
前記基準データは事前に設定された登録画像に基づく基準画像であり、
前記センサ処理部は、色、輪郭、色面積、エッジ、の少なくともいずれかを含む判定項目に基づいて、前記一致度の判定基準または前記基準データを調整する
請求項1または2に記載の遠心分離装置。
【請求項4】
前記遠心分離器は前記保持部の上方に開口する開口部と、前記開口部を開閉可能な蓋体とを有する筐体と、を備え、
前記撮像部は、前記開口部の上部の撮像位置と、前記撮像位置から退避する退避位置とで移動可能に構成される、請求項2または3に記載の遠心分離装置。
【請求項5】
前記搬入処理後の搬入位置における前記ワークの状態から前記搬入処理におけるエラーの有無を検出し、前記エラーの有無に基づいて前記遠心分離装置を制御する、制御部を備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の遠心分離装置。
【請求項6】
遠心分離器の回転体に処理対象のワークを搬入し、
所定数の前記ワークを搬入した後、搬入位置の上方から撮像して画像を検出し、
検出した前記画像に基づいて前記ワークの状態を検出し、
前記ワークの状態に基づいて、前記回転体の動作を制御する、遠心分離方法。
【請求項7】
前記遠心分離器は前記保持部の上方に開口する開口部と、前記開口部を開閉可能な蓋体とを有する筐体と、を備え、
所定数の前記ワークの搬入処理後に、撮像部を前記開口部の上部の撮像位置に移動して撮像し、搬入処理中は前記撮像部を前記撮像位置から退避する待機位置に移動し、
前記ワークの状態が正常である場合に、前記遠心分離器の前記回転体を回転させて遠心分離を行い、前記ワークの状態が異常である場合に、報知処理及び停止処理の少なくともいずれかを行う、請求項6に記載の遠心分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離装置及び遠心分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液等の検体を遠心分離する遠心分離装置として、例えば筐体内にディスク状の回転体を収容し、回転体の周縁に複数のバケットを揺動可能に取付け、これら複数のバケットに処理対象の検体を入れた検体容器を収容し、上記回転体を高速で回転させることにより遠心分離処理を行うものが提供されている。
【0003】
例えば、検体の生化学分析や各種の前処理等の処理を行う処理ラインから、検体容器を複数の遠心分離器の回転体に順次搬入し、遠心分離器の回転体を回転させ遠心分離処理を開始する。そして所定時間遠心分離処理を行ってから複数の回転体の回転を停止して、検体容器を遠心分離器から順次搬出して処理ラインに戻している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-151024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の遠心分離装置において、検体容器が回転体に正しく搬入されない状態で回転処理を行うと、装置の故障や検体の破損等の原因となるため、検体容器の搬入状態を確認することが望ましい。しかしながら、遠心分離器は、内部において回転体が高速で回転するため、内部にセンサ設置することが困難である。このため、検体容器を確認する手段として、光電センサによる近距離検出手法では、例えば搬入用のアームに設けられた光電センサにより、搬入前に、アームに検体容器が保持されているかを検出している。したがって、搬入エラーを検出することは困難である。
【0006】
そこで本発明は、検体容器の搬入エラーを高精度に検出できる遠心分離装置及び遠心分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態にかかる遠心分離装置は、ワークを保持する保持部と前記保持部を回転させる回転体と、を備える遠心分離器と、前記保持部が配される搬入位置の画像を検出する撮像部と、を備える遠心分離装置と、前記遠心分離器に前記ワークを搬入する搬入処理を行う移載機構と、前記保持部へ前記ワークを移載する搬入処理の後、前記回転体を回転させる回転処理の前に、前記保持部を撮像した検出画像に基づき前記搬入処理後の前記ワークの状態を検出する、センサ処理部と、を備える。
【0008】
他の一形態にかかる遠心分離装置において、前記センサ処理部は、前記検出画像と、基準データとの一致度に基づいて前記ワークの状態を検出する。
【0009】
他の一形態に係る遠心分離装置において、前記基準データは事前に設定された登録画像に基づく基準画像であり、前記センサ処理部は、色、輪郭、色面積、エッジ、の少なくともいずれかを含む判定項目に基づいて、前記一致度の判定基準または前記基準データを調整する。
【0010】
他の一形態にかかる遠心分離装置において、前記遠心分離器は前記保持部の上方に開口する開口部と、前記開口部を開閉可能な蓋体とを有する筐体と、を備え、前記撮像部は、前記開口部の上部の撮像位置と、前記撮像位置から退避する退避位置とで移動可能に構成される。
【0011】
他の一形態にかかる遠心分離装置において、前記搬入処理後の搬入位置における前記ワークの状態から前記搬入処理におけるエラーの有無を検出し、前記エラーの有無に基づいて前記遠心分離装置を制御する、制御部を備える。
【0012】
他の一形態にかかる遠心分離方法は、遠心分離器の回転体に処理対象のワークを搬入し、所定数の前記ワークを搬入した後、搬入位置の上方から撮像して画像を検出し、検出した前記画像に基づいて前記ワークの状態を検出し、前記ワークの状態に基づいて、前記回転体の動作を制御する。
【0013】
他の一形態にかかる遠心分離方法において、前記遠心分離器は前記保持部の上方に開口する開口部と、前記開口部を開閉可能な蓋体とを有する筐体と、を備え、所定数の前記ワークの搬入処理後に、撮像部を前記開口部の上部の撮像位置に移動して撮像し、搬入処理中は前記撮像部を前記撮像位置から退避する待機位置に移動し、前記ワークの状態が正常である場合に、前記遠心分離器の前記回転体を回転させて遠心分離を行い、前記ワークの状態が異常である場合に、報知処理及び停止処理の少なくともいずれかを行う。
【発明の効果】
【0014】
実施形態によれば、検体容器の搬入エラーを高精度に検出できる遠心分離装置及び遠心分離方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る検体処理装置の平面図
図2】同検体処理装置の一部を示す斜視図。
図3】同検体処理装置の一部を示す斜視図。
図4】同検体処理装置の遠心分離器の一部を示す平面図。
図5】同実施形態に係る検体処理方法の搬入処理の説明図。
図6】同検体処理方法の搬入処理の説明図。
図7】同検体処理方法の撮像処理の説明図。
図8】同検体処理方法の撮像処理の説明図。
図9】同検体処理方法の撮像処理の説明図。
図10】同検体処理方法の判定処理の説明図。
図11】同検体処理方法の判定処理の説明図。
図12】同検体処理方法の判定処理の説明図。
図13】同検体処理方法の判定処理の説明図。
図14】同検体処理方法の判定処理の説明図。
図15】同検体処理方法の判定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかる検体処理装置1及び検体処理方法について図1乃至図12を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る遠心分離装置10の平面図であり、図2及び図3は、同遠心分離装置10の一部を示す斜視図である。図4は遠心分離装置10の一部を示す平面図である。図5及び図6は本実施形態にかかる検体処理方法における搬入処理の説明図、図7及び図8は撮像処理の説明図である。図9は退避動作の説明図である。図10乃至図114は判定処理の説明図である。図15は検体処理方法の判定処理を示すフローチャートである。なお、各図では説明のため、適宜構成を拡大、縮小、省略して示している。図中矢印X,Y,Zは互いに直交する3方向をそれぞれ示している。例えばX方向は第1方向、Y方向は第2方向、Z方向は第3方向にそれぞれ沿っている。
【0017】
図1乃至図5に示すように、検体処理装置1は、遠心分離装置10と、搬送装置20と、制御装置50と、を備える。検体処理装置1は、搬送装置20により処理対象のワークを遠心分離装置10に搬送し、そして遠心分離装置10によりワークを遠心分離処理する。ここでワークは例えば検体容器25である。検体容器25は、例えば血液や血清などの検体を収容する真空採血管等の試験管であり有底円筒状の透明な容器である。検体容器25の上部開口には着脱可能なキャップ25aが装着され、検体容器25の側部には検体の識別情報等の各種データがバーコードや文字として印刷され、あるいは各種データが印刷されたたラベルが貼付されている。
【0018】
遠心分離装置10は、筐体11と、筐体11内に収容される遠心分離器12と、搬送装置20との間でワークを移動させる移載機構13と、撮像部としての画像センサ14と、表示部15と、操作部16と、を備える。遠心分離装置10は搬送装置20の側面の一部、例えばY方向の一方側の側部の中央に配置されている。
【0019】
筐体11は例えば矩形箱状である。筐体11は、内部に遠心分離器12を収容する。筐体11の上壁には、開口部11aが形成されている。筐体11は開口部11aを開閉する蓋体11bを備える。また、筐体11は上面部において、移載機構13及び画像センサ部14を支持する。また、例えば筐体11は、移載機構13や画像センサ14を上側から覆うカバー部材を備えていてもよい。
【0020】
開口部11aは例えば遠心分離器12に設けられた回転体としての回転フレーム22の一部とZ方向において対向する領域に配される。本実施形態において1例として開口部11aは、1つの揺動ホルダ23の上方に対向配置され、揺動ホルダ23と対応する領域を含む矩形状に構成されている。
【0021】
蓋体11bは、筐体11の上壁に沿って移動することで、開口部11aを開閉可能に構成される。
【0022】
筐体11は、開口部11aを通って、検体容器25を保持部としてのバケット24に挿入可能である。すなわち開口部11aは、搬入時に移載機構13のハンドアーム31が把持した検体容器25を筐体11内の遠心分離器12のバケット24に搬入でき、搬出時にはハンドアーム31がバケット24に挿入された検体容器25を把持して搬出可能に構成される。
【0023】
遠心分離器12は、モータ21と、モータ21の主軸に接続されて回転する回転体としての回転フレーム22と、回転フレーム22の周縁に揺動可能に取り付けられる揺動ホルダ23と、揺動ホルダ23に設けられる複数のバケット24と、を備える。
【0024】
モータ21は、筐体11内に設けられる。モータ21は、電源供給部に接続される。モータ21は制御部51の制御により回転することで、主軸に接続された回転フレーム22を回転させる。モータ21はZ軸方向に沿って上方に延びる主軸を備え、この主軸に回転フレーム22が接続される。
【0025】
回転フレーム22は、モータ21上に配置され、モータ21の主軸に回転可能に接続される。回転フレーム22は複数のバケット24を備える揺動ホルダ23を備える。例えば本実施形態においては、回転フレーム22の外周部の円形状の回転経路において、4箇所に揺動ホルダ23が回転フレーム22の回転方向の接線に沿った軸周りで揺動可能に支持される。
【0026】
揺動ホルダ23は、複数のバケット24を備える。一例として1つの揺動ホルダ23は縦2列横5列の計10個のバケット24を備える。なお、揺動ホルダ23やバケット24の配置や数はこれに限られるものではなく適宜変更可能である。
【0027】
揺動ホルダ23は回転フレーム22に揺動可能に取り付けられる。揺動ホルダ23は上部外周面において外側に突出する一対の軸ピン23dを有し、この軸ピン23dが回転フレーム22に軸支されることにより、回転フレーム22に揺動ホルダ23が揺動可能に保持される。
【0028】
揺動ホルダ23は、回転フレーム22の回転による遠心力でバケット24の底部が外側に振り上げられ、バケット24の軸が水平に沿う姿勢となるように、揺動可能に構成されている。
【0029】
バケット24は、例えば上方に開口する円柱状の挿入空間24aを有する有底円筒状のアルミニウム管である。バケット24は内部に検体容器25が挿入可能に構成されている。バケット24は挿入空間に検体容器25を把持する保持機構を備える。
【0030】
図2乃至図8に示すように、移載機構13は、ハンドアーム31と、このハンドアーム31を昇降させるハンド昇降用のシリンダ機構33と、このハンドアーム31及びシリンダ機構33とで構成される複数のハンドユニットをY方向に所定の距離往復移動させる電動式のベルト搬送機構34と、を備える。移載機構13は、筐体11に支持され、ハンドアーム31をY方向,Z方向の2軸、あるいはX方向、Y方向、z方向の3軸方向に、移動させるとともに、ハンドアーム31を開閉させる。
【0031】
ハンドアーム31は、隣接する複数本(本実施態様の場合には5本)の検体入りの検体容器25を同時に掴むことができる複数の開閉爪31aと、開閉爪31aを開閉作動させるシリンダ機構32と、を備える。移載機構13は、搬送装置20の搬送経路上のピックアップ位置P0と遠心分離装置10の搬入位置P1のとの間で検体容器25を移動させる。また、ハンドアーム31は、搬送した複数の検体容器25を、搬入位置P1にある複数のバケット24に挿入して搬入する。なお搬入位置P1は、筐体11の開口部11aにおいて筐体11の上壁よりも下方に位置するバケット24の挿入空間である。撮像位置P2は搬入位置P1の上方である。本実施形態において、撮像位置P2から下方の搬入位置P1を撮像して、対象領域にあるバケット24及び検体容器25を撮像する。
【0032】
画像センサ14は、検体を撮像して画像情報を取得するセンサヘッド41と、センサヘッド41を移動可能に支持する移動部42と、を備える。画像センサ14として、例えばAI搭載 画像判別センサIV2-G300CA KEYENCE社を用いる。画像センサ14は制御装置50に設けられたセンサ処理部43に接続される。
【0033】
センサヘッド41(撮像部)は、例えば画像センサを有するカメラを備える。センサヘッド41は制御部51の制御に応じて動作し、搬入後回転前の所定のタイミングで撮像対象エリアの撮像を行う。
【0034】
移動部42は、支持台42aと、支持台42aを移動させる伸縮アーム42b、備える。伸縮アーム42bはY方向に沿って延び、伸縮アーム42bの伸縮動作により、センサヘッド41の位置がY方向に往復移動可能である。
【0035】
移動部42は、制御部51の制御により、支持台42aを移動させることにより、センサヘッド41を撮像位置P2と待機位置P3とで往復移動させる。例えば撮像位置P2は開口部11aの上方であり、上から撮像したときに1つの画像内に、搬入対象の複数のバケット24及びワーク(検体容器25)が全て収まるようにセンサヘッド41の焦点距離・画角が設定される。なお1回の測定数はユーザにより設定調整可能であるが、例えば本実施形態においては一列5本毎に、測定を行う例を示す。なお、例えば画像センサ14のプログラムを切り替えて1画像内にワークとしての検体容器25が10本収まる焦点距離・画角にすることにより、センサヘッド41を移動させずに測定対象を変更可能である。センサヘッド41の待機位置P3は、アームやワークと干渉しない位置に設定される。例えば本実施形態において、センサヘッド41の待機位置P3は、撮像位置P2からY方向に所定距離移動した位置であり、搬送装置20から離間する方向に、所定距離退避した位置に設置される。
【0036】
表示部15は例えば画像や判定結果の情報を表示するディスプレイ等の表示器である。図10乃至図13は表示部15の表示画面の一例を示す説明図である。例えば表示部15は表示画面に、一例として、取得した検出画像101と、複数の搬入対象のバケット24について設定されたウィンドウ毎に表示される個別判定結果102a~102e(個別状態判定結果)と、当該搬入処理における総合判定結果103と、装置の運転状態104と、操作コマンド105等の各種情報と、が表示される。なお、各ウィンドウは各バケット24に対応する個別領域に対応した識別番号が割り当てられている。一例として個別判定結果102a~102eとして、各ウィンドウに対して個別領域に対応して割り当てられた識別番号と、個別の一致度を示す数値やグラフと、個別の一致度に対応した状態の判定結果(OK/NG)とが、並べて表示される。
【0037】
操作部16は、電源や各種操作ボタン等の入力装置を備える。
【0038】
搬送装置20は、検体の生化学分析や前処理等を行う処理ラインに設けられる。搬送装置20は例えば検体の生化学分析や各種の前処理等の処理を行う処理ラインの所定箇所に組込まれて設置される。搬送装置20は、その上面に、所定の搬送経路に沿って検体容器25を搬送する搬送機構61を備える。
【0039】
搬送機構61は、所定の搬送経路に沿って検体容器25を保持するホルダ26を搬送する。搬送機構61は、ベルトコンベア62と、一対のレール部材を有するガイドレール63と、ベルトコンベア62を駆動する駆動機構と、を備えている。搬送機構61に検体容器25を立位状態で保持する検体ホルダ26がセットされ、順次送られる。検体ホルダ26は、例えば検体容器25を挿入可能な円柱状の挿入空間を有するホルダベース26aと、検体容器25を把持する保持機構と、を備える。保持機構は例えば弾性変形可能な複数の保持ピンが円形に並んで立設することで形成され、複数の保持ピンの変形による弾性力で採血管の外面を把持するように構成されている。
【0040】
搬送機構61は例えば複数の搬送経路を備える。例えばX方向に一端から他端に延びる複数のメインラインA1、メインラインA1から分岐してピックアップ位置P0に至る供給ラインA2、ピックアップ位置P0からメインラインA1に至る排出ラインA3、ピックアップ位置P0の供給側の位置から分岐するバッファラインA4を備える。メインラインA1を流れる検体容器25は、供給ラインA2に振り分けられ、ピックアップ位置P0に至ると、移載装置によって把持され、遠心分離装置10へ搬入される。また遠心分離処理を行った後の検体容器はピックアップ位置P0に戻され、ピックアップ位置P0の下流側から分岐する排出ラインA3に沿って下流側に送られ、メインラインA1の下流側の端部から排出される。またバッファラインA4には遠心分離処理待ちの検体容器が配置される。
【0041】
制御装置50は、センサ処理部43と、制御部51(データ処理部)と、記憶部52と、を備える。
【0042】
センサ処理部43は例えばセンサアンプであり、各種データ処理を行う処理回路を有する。センサ処理部43は、例えば制御装置50に搭載される。センサ処理部43は画像センサ14に接続され、画像センサ14の画像データについて演算・判別などの各種データ処理を行う。センサ処理部43は、検出画像と、基準データとの一致度に基づいてワークの状態を検出する。例えばセンサ処理部43は、ユーザが事前に登録した1または複数の登録画像に基づく基準データと、画像センサ14により撮像した検出画像との一致度から、搬入処理後のワーク(検体容器25)の状態を判定し、判定結果を含む処理データを制御部51に送る。なお基準データは登録画像自体であってもよく、登録画像を自動調整した画像、複数の登録画像を組み合わせて生成された画像等の基準画像、あるいは登録画像に基づいて調整または生成されたデータであってもよい。本実施形態においては一例として対象のバケット24全てに正常に検体容器25が搬入された状態の登録画像を基準データとする。検出画像は、例えば撮像位置である搬入位置P1に立位状態に保持された検体容器25の上方から撮像対象エリアを撮像した画像である。なお、センサ処理部43は、例えばセンサヘッド41に搭載される等、画像センサ14が備える構成であってもよい。
【0043】
例えばセンサ処理部43には学習済みのAIが搭載される。センサ処理部43は、AIによる自動認識機能、自動設定機能、自動調整機能、及び自動判別機能を備える。センサ処理部43は、色、輪郭、色面積、エッジ、の少なくともいずれかを含む判定項目に基づいて、一致度の判定基準または基準データを調整する。
【0044】
例えばセンサ処理部43は、登録画像や検出画像の画像処理及びデータ処理により、ワークの特徴を抽出し、ワークを自動認識する。またセンサ処理部43は、登録画像や検出画像の画像処理及びデータ処理により、一致度の判定基準となるパラメータや数値を自動設定、自動調整する。センサ処理部43は、個別状態判定結果を含むデータを制御部51に送る。例えば状態判定の一例として、登録画像と検出画像の一致度が高い場合には、検体容器25が所定の姿勢で配置されている正常状態であるとしてOK判定とする、一致度が低い場合には、検体容器25が所定の姿勢で配置されていない異常状態であるとしてNG判定とする。なお異常状態の一例としては、検体容器25が配置されていない(検体容器25無し)状態の他、傾きやはみ出し等、所定の姿勢から外れている場合等がある。
【0045】
制御部51は、遠心分離装置10、及び搬送装置20の各種機構の駆動部に接続されている。制御部51は例えばプロセッサを含む処理回路を有し、オペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムに従って検体処理装置1の各種の機能を実現するべく各部を制御する。制御部51は例えばPLC(programable logic contoroller)である。例えば制御部51は、遠心分離装置10の各部に設けられた画像センサ14や位置センサ等の各種検出器に接続されるとともに、各部のモータやシリンダ機構等の駆動機構に接続される。制御部51は、センサ処理部43からの状態判別の結果や、各種検出器で検出された検出データや記憶部52に記憶された各種データや所定のプログラムに従って、演算処理やデータ処理を行い、遠心分離装置10や搬送装置20のモータやシリンダ等の駆動機構を駆動することで、検体処理装置1の動作を制御可能に形成されている。
【0046】
記憶部52は、例えばRAM,ROM等の記憶装置を備え、各種の設定値や演算式を記憶する。例えば記憶部52は、画像センサ14から送られた画像や一致度を含むワークの判定結果等の情報を記憶する。
【0047】
以上説明した検体処理装置1の各部に設けられたモータやシリンダ機構等の各種駆動手段は、それぞれ制御部51に接続され、制御部51の制御によって所定のタイミングで動作させられる。
【0048】
次に、本実施形態にかかる検体処理方法について、図5乃至図15を参照して説明する。
【0049】
本実施形態にかかる検体処理方法の一例としての遠心分離方法は、搬入処理と、撮像処理と、判定処理と、エラー報知処理と、回転処理と、を備える。一例として検体処理装置は、検体の生化学分析や各種の前処理等の処理を行う処理ラインに設けられた搬送装置20から、検体容器25を遠心分離器12の回転フレーム22に順次搬入し、所定時間遠心分離処理を行ってから、検体容器25を順次搬出して搬送装置20の処理ラインに戻す。
【0050】
ここでは、一例として回転フレーム22に設けられた4つの揺動ホルダ23のそれぞれに、横5列縦2列の10のバケット24が設けられており、そのうちの1列分、すなわち半数の5つのバケット24毎に1セットとして、搬入処理及び判定処理を行う例を示す。
【0051】
制御部51は、搬入処理として、移載装置30により搬送経路の待機位置にある検体容器25をピックアップ位置P0で保持し(ST1)、移動させ(ST2)、筐体11内の搬入位置P1にあるバケット24に挿入する(ST3)。
【0052】
例えば各検体容器25は、移載機構13によって搬送ライン上のピックアップ位置P0から、開口部11a介して撮像位置P2の直下の搬入位置P1にある遠心分離器12のバケット24に搬入される。
【0053】
具体的には、制御部51はベルト搬送機構34及びシリンダ機構32,33を駆動することによって、ハンドアーム31をピックアップ位置P0に移動した後、ハンドアーム31を下降して、ピックアップ位置P0に並ぶ5つの検体容器25をハンドアーム31で把持する。そして複数のハンドアーム31を上昇して搬入位置P1の直上に移動した後、ハンドアーム31を下降させることで、複数のバケット24のうち、対象となる半数、すなわち5つのバケット24に、それぞれ検体容器25を挿入する。
【0054】
1セットの搬入が完了すると、制御部51は、撮像処理として、移載機構13を退避位置に退避させ(ST4)、センサヘッド41を搬入位置P1の直上の撮像位置P2に配し(ST5)、撮像位置P2から下方の搬入位置P1を撮像して画像情報を取得する(ST6)。
【0055】
制御部51は撮像が終了すると、センサヘッド41を退避位置に戻す(ST7)。
【0056】
次に制御部51は、画像センサ14によって取得した検出画像に基づき、搬入処理の良否の判定を行い(ST8)、判定結果を表示する(ST9)。
【0057】
制御部51は、総合判定において搬入処理が正常と判断された場合(ST10のYes)、搬入処理が正常に行われたとして、さらに、次のセットの搬入処理を行う。そして、1つの揺動ホルダ23の搬入処理が完了すると、モータを駆動して回転フレーム22を90度回転させ、残りの揺動ホルダ23を順次搬入位置P1に配置させ、10本ずつ搬入を行う。同様の搬入処理を行うことで全周分の揺動ホルダ23に設けられたバケット24に検体容器25を搬入する。
【0058】
以上の、搬入処理、撮像処理、及び判定処理を繰り返し行い、搬入処理毎に状態判別及び総合判定を行う。そして、判定結果が正常である搬入処理が所定回数行われ、あるいは全周分の揺動ホルダ23への搬入、撮像及び判定処理が完了したら(ST111)、蓋を閉め、遠心分離処理を行う(ST11)。遠心分離処理として、制御部51は遠心分離器12の回転フレーム22を所定のタイミングで回転させて検体の遠心分離処理を行う。所定の回転時間経過後に、回転フレーム22の回転を停止して、検体容器25を順次搬出して処理ラインに戻す。上記の搬入処理、撮像処理、及び判定処理は2列ずつまとめておこなってもよい。あるいは、一定時間に搬入数が所定数に満たない場合にはタイムアウトとして遠心分離処理へ進んでもよい。
【0059】
一方、制御部51における判定処理において、搬入エラーを検出した場合には(ST10のNo)、報知処理や停止処理を行う(ST13)。報知処理の一例として、例えば筐体11に設けられた操作表示部15の表示画面へ表示し、あるいは別途設けられたブザー等でエラー警告を発する。また停止処理としては例えば一度装置全体を停止する。そして表示画面上へエラー表示を行うことでオペレータにエラー解除のための作業を促す。オペレータがこの警告によって、エラーとなる原因を除去し、エラー解除操作(操作パネル)を行うと、再度画像センサで確認し、正常と判断した場合に、装置が再稼働する。エラー要因が除去されていなかった場合は、再度エラーとなり、装置は稼働しない。
【0060】
以下、ST7における判定処理の例について説明する。ここでは、良否判定の一例として、センサ処理部43で、各バケット24に対応する個別エリア毎の検体容器の状態判定(OK/NG)を行い、センサ処理部43からの情報や搬入指令等の情報をもとに制御部51が搬入数との照合を行って総合判定として検体落下などの搬入処理の良否判定(OK/NG)を判断する例を示す。
【0061】
センサ処理部43は、事前に登録された登録画像に基づく基準データと、撮像された検出画像の一致度に基づいて、ワークが正常な位置に配置されているかどうか、の状態判定を行う。このとき、センサ処理部43は、AIの自動認識機能、自動設定機能及び自動調整機能により、判定基準となる項目(ツール)や閾値等の設定値の自動設定や自動調整を行う。
【0062】
登録画像は例えば対象の全てのバケット24に検体容器25が正常に搬入された状態の画像とする。なお、採血管が無い状態での登録としてもよい。例えばユーザは、運用仕様(使用される採血管)に合わせてワークを個別登録する。登録画像として複数の画像を登録してもよい。例えばOK画像とNG画像の両方を登録してもよい。
【0063】
一例として、5つのバケット24を含む領域を含む測定量域を1セットとして搬入及び測定を行う。測定領域は例えば2列に対応して2パターンあり、搬入に合わせて画像センサのプログラムを切り替えることも可能である。なお、2列分を1セットとして設定してもよい。また、1つの測定領域について、搬入対象である個々のバケット毎に対応する複数の領域に分割して、個別領域とし、個別搬入対象毎に、状態判定を行う。
【0064】
例えば状態判定において、センサ処理部43は、ワークの特徴をAIの画像処理アルゴリズムによって自動認識処理を行う。自動認識処理として、「色抽出」「輪郭検出」「色面積」「エッジ検出」を含む複数の項目のデータを検出し、複数の項目においてワークを認識する。
【0065】
また、センサ処理部43は、判定処理において、判定基準項目(ツール)の選択・パラメータの調整を行う。例えば、「色抽出」「輪郭検出」「色面積」「エッジ検出」を含む複数の項目から、判定基準項目を自動で選択、設定(オートチューニング)する。例えばワーク毎に、高さが異なり、あるいはキャップ形状や色が違うなど、形状が異なる場合があるが、センサ処理部43の自動調整機能によって、抽出したワークの特徴や数値を調整することにより、事前の登録に利用したワーク以外であっても、ワークとして認識することができる。
【0066】
なお、例えば、センサ処理部43は、ユーザによって登録されたOK画像やNG画像に基づいて、登録されたNGワークの一致度が高く、OKワークの一致度が低くなる判定基準項目(ツール)を自動選択して設定してもよい。
【0067】
各判定基準項目は一つ一つ独立した測定アルゴリズムであり、それぞれに設定される。また、センサ処理部43は、これら複数の判定基準項目の選択と数値調整を行う。すなわち、センサ処理部43において、AIが判定基準項目を組み合わせて選択し、その判定基準項目の設定値(閾値)を自動で最適に調整し、1つのワークを認識・判別する。
【0068】
なお、判定基準項目(ツール)やパラメータを自動調整する自動調整モードと、自動調整を行わない固定モードとの複数のモードを選択可能よしてもよく、この場合にはユーザの操作により、あるいは自動で、モード設定される。
【0069】
センサ処理部43は、自動で設定した項目やパラメータに従って、検出画像と登録画像またはその基準データとの一致度を検出する。ここで、一例としてセンサ処理部43は個別のバケット24毎に一致度を検出し、各バケット24に対して、ワークが所定箇所に正常に配置されているか、といったワークの有無を含む搬入後の保持部の状態を判定する。すなわち、図10乃至図12の表示画面に表示されるように、各バケット24毎に対応する個別領域と個別ウィンドウ及び識別番号を設定し、個別の状態判定を行う。
【0070】
例えば、図10に示すように、バケット24に正しい姿勢で検体容器25が配置されている状態では、登録画像の例えばOK画像との一致度が高くなり、OKと判定される。また、図11に示すようにバケット24に検体容器25が配置されていない状態では、登録画像の例えばOK画像との一致度が低くなるため、NGと判定される。また、例えば図12図13に示すように、検体容器25が傾き、あるいはバケット24からはみ出している場合にも、登録画像の例えばOK画像との一致度は低下するため、NGと判定される。
【0071】
そしてセンサ処理部43は、これらの個別判定結果を含むデータを制御部51へ送信する。なお、センサ処理部43は判定の根拠を一致度で数値化し、例えば表示部15に表示する。あるいはこれらのデータは記憶部に記憶してもよい。
【0072】
制御部51はセンサ処理部43からの情報に基づき、当該搬入処理についての総合判定を行う。例えば制御部51は、各バケット24についての検体の状態判定の結果と、搬入指令との照合により、総合判として、搬入エラーの判定を行う(総合判定処理)。また、制御部51は、判定結果を例えば画面に表示する。
【0073】
制御部51は、図14に示すように、個別の状態判定結果と、搬入指令とを照らし合わせて、当該搬入処理にエラーがあったかどうかを判定する。例えば図10乃至図14に示すように、複数の個別領域毎の個別判定結果102a~102eのうち、NGとなったバケット24と搬入指令との照合を行い、搬入指令があるにもかかわらず検体無、となっていれば、総合判定結果はNGとなる。一方、個別判定において検体無(NG)判定であっても、当該バケット24への搬入指令がなければ、総合判定結果はOKとなる。そして各画像、すなわち各搬入処理において、1つ以上NGがある場合に、当該搬入処理は検体容器落下、傾き、等の搬入エラー有り、と判定する。
【0074】
本実施形態にかかる遠心分離装置10によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、遠心分離装置において、搬入直後に開口部から撮像する画像を用いて、検体容器の状態を検出することが可能である。したがって、筐体内部にセンサの設置スペースが無く、また高速回転体もある事から設置が困難である遠心分離装置においても、安定した検出を行うことができる。例えば、光電センサの検出距離が長いものを画像センサと同位置に設置したとしても採血管のキャップ等の違いなど(形状、色)検出不確定要素が多く、例えばキャップによってセンサ投光の反射率が下がり(バラツキ)、安定検出が困難となる。画像センサを用いることで、設置条件もクリアでき、また画像処理技術により安定した検出が可能となる。また、搬入処理のアームと干渉せずに撮像位置と退避位置とで撮像部を往復移動させることで、遠心分離の搬入処理の妨げにならないため、処理能力低下をせずに、画像取得を行うことができる。画像センサとしてセンサ学習機能(AI)機能を搭載した画像センサを用いることで種々のワークを自動調整により登録、認識及び判定可能である。例えば専門技術者がワーク毎に特徴を登録していく必要がなく、AIによって設定を行うことで、作業者の操作が容易となる。また、画像センサにより撮像データ内の複数ファクターから総合的に判断することができる。
【0075】
画像センサは、対象の個体差や環境変化の変動を調整できるため、検出の安定性を向上できる。また、AIによる自動特徴検出にて、ワーク(採血管)の登録が容易であり、ユーザ毎にワーク(採血管)が異なっても柔軟に対応が可能となる。したがって、個体差、環境要因、背景などに左右されずに、検出できる。自動設定、自動認識、自動判別、により、オペレータの知識や経験不足による誤判定を低減できる。
【0076】
本実施形態にかかる遠心分離装置によれば、センサ及び移動装置を備えることで、その他の処理装置の側部に配置して、既存の装置に後付けすることができる。例えば上面に、搬送経路が設けられてユニット化されていることで、既存の搬送経路の側部に横付けすることができ、汎用性が高い。
【0077】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0078】
例えば上記実施形態においてはAI機能を有するセンサ処理部43において、所定の搬入位置における判定結果を制御部51へ送信し、制御部51において当該判定結果に基づいた総合判定を行った例を示したが、これに限られるものではない。例えば制御部におい画像判断を含めて判定することも可能である。また、センサ処理部43が制御装置50側に配置された例を示したがこれに限られるものではなく、例えば画像センサ14側に搭載されていてもよい。また、登録画像は正常状態の画像であるOK画像に限らず、異常状態の画像であるNG画像を基準として登録してもよく、あるいはOK画像及びNG画像の両方の画像に基づいて基準データを設定してもよい。
【0079】
また、上記実施形態において、搬入処理後の状態の検出に加えて、例えば搬入前のピックアップ位置において、さらに検体容器の有無を検出してもよい。例えばハンドアーム31に設けられた光電センサなどにより、搬入前の検体容器の有無をさらに検出することで、移載処理の前後の状態を検出することができるため、より高精度にエラー検出ができる。
【0080】
この他、上記実施形態に例示された各構成要素を削除してもよく、各構成要素の形状、構造等を変更してもよい。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…検体処理装置、10…遠心分離装置、11…筐体、11a…開口部、11b…蓋体、12…遠心分離器、13…移載機構、14…画像センサ、20…搬送装置、21…モータ、22…回転フレーム、23…揺動ホルダ、24…バケット、25…検体容器、26…ホルダ、30…移載装置、31…ハンドアーム、31a…開閉爪、41…センサヘッド、42…移動部、42a…支持台、42b…伸縮アーム、43…センサ処理部、51…制御部、61…搬送機構、62…ベルトコンベア、63…ガイドレール、P0…ピクアップ位置、P1…搬入位置、P2…撮像位置、P3…待機位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15