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  • 特開-電池パック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187311
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20221212BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20221212BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20221212BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20221212BHJP
   H01M 50/242 20210101ALN20221212BHJP
   H01M 50/249 20210101ALN20221212BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/583
H01M50/588
H01M50/591
H01M50/242
H01M50/249
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095285
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 豊
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】小寺 敬三
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AA20
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040DD08
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA05
5H043AA13
5H043AA17
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA05
5H043CA21
5H043DA06
5H043FA22
5H043FA33
5H043GA03
5H043GA23
5H043GA25
5H043LA21
5H043LA22
(57)【要約】
【課題】車両衝突時に短絡が発生した場合であってもヒューズを介して大電流を遮断することができ、且つ、電池パックの体格の増加を抑制することができるようにすること。
【解決手段】電池パックは、電池スタックと、ヒューズを含む高圧系機器部品と、電池スタックの第1接続部と高圧系機器部品とを接続する第1ケーブルと、電池スタックの第2接続部と高圧系機器部品とを接続する第2ケーブルと、高圧系機器部品をカバーする機器カバーと、低圧系機器部品とを備え、第1ケーブルおよび第2ケーブルは、電池スタックと機器カバーとの間で、互いに異なる方向に向かうように配設され、低圧系機器部品は、電池スタックの第1接続部が設けられている面と対向して配置されるとともに、第1接続部に対し、オフセット配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池スタックと、
ヒューズを含む高圧系機器部品と、
前記電池スタックの第1接続部と前記高圧系機器部品とを接続する第1ケーブルと、
前記電池スタックの第2接続部と前記高圧系機器部品とを接続する第2ケーブルと、
前記高圧系機器部品をカバーする機器カバーと、
低圧系機器部品と
を備え、
前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルは、
前記電池スタックと前記機器カバーとの間で、互いに異なる方向に向かうように配設され、
前記低圧系機器部品は、
前記電池スタックの前記第1接続部が設けられている面と対向して配置されるとともに、前記第1接続部に対し、オフセット配置される
ことを特徴とする電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、複数のリチウムイオン二次電池を有する組電池と、複数のリチウムイオン二次電池の各々に設けられた複数のヒューズとを備える、リチウムイオン二次電池システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-212166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、例えば、電池スタックにおける車両の前側となる位置に、ヒューズを含む高圧系機器部品を配置した場合、高圧系機器部品と電池スタックとを接続する2本のケーブル(正極用のケーブルと負極用のケーブル)が並走する。このため、従来技術は、車両衝突時に2本のケーブルが高圧系機器部品のカバーに挟まれて、2本のケーブル同士が直接的に短絡してしまい、ヒューズを介さない回路による短絡が発生し、電流を遮断できなくなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る電池パックは、電池スタックと、ヒューズを含む高圧系機器部品と、電池スタックの第1接続部と高圧系機器部品とを接続する第1ケーブルと、電池スタックの第2接続部と高圧系機器部品とを接続する第2ケーブルと、高圧系機器部品をカバーする機器カバーと、低圧系機器部品とを備え、第1ケーブルおよび第2ケーブルは、電池スタックと機器カバーとの間で、互いに異なる方向に向かうように配設され、低圧系機器部品は、電池スタックの第1接続部が設けられている面と対向して配置されるとともに、第1接続部に対し、オフセット配置される。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る電池パックによれば、車両衝突時に短絡が発生した場合であってもヒューズを介して大電流を遮断することができ、且つ、電池パックの体格の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る電池パックが備える電池スタックの外観斜視図
図2】一実施形態に係る電池パックの平面図
図3】一実施形態に係る電池パックの側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0009】
図1は、一実施形態に係る電池パック100が備える電池スタック110の外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る電池パック100の平面図である。図3は、一実施形態に係る電池パック100の側面図である。
【0010】
図2および図3に示す電池パック100は、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車等の駆動用モータを備えた車両に搭載され、駆動用モータのための電力を供給する電力供給源として用いられる。
【0011】
(電池パック100の構成)
図2および図3に示すように、電池パック100は、電池スタック110、高圧系機器部品120、低圧系機器部品130、第1ケーブル142、第2ケーブル144、ヒューズ126、第1機器カバー152、および第2機器カバー154を備える。
【0012】
電池スタック110は、充電可能ないわゆる二次電池である。電池スタック110は、高電圧の電力を供給することができる。電池スタック110は、電気的に直列に接続された複数の単電池(図示省略)を有して構成されている。単電池としては、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等が用いられる。電池スタック110は、複数の単電池が一方向に並べて配列された構成を有することにより、複数の単電池の配列方向を長手方向とする、概ね直方体形状を有するものとなっている。特に、本実施形態では、電池スタック110は、図2に示すように、上方からの平面視において、当該電池スタック110の短手方向が、車両の前後方向に対応し、当該電池スタック110の長手方向が、車両の左右方向に対応するように、車両に搭載される。電池スタック110は、プラス端子112およびマイナス端子114を備える。プラス端子112は、「第1接続部」の一例であり、電池スタック110の右側面の下端部から突出して設けられている。マイナス端子114は、「第2接続部」の一例であり、電池スタック110の左側面の上端部から突出して設けられている。すなわち、本実施形態の電池スタック110は、プラス端子112およびマイナス端子114が、互いに反対側となる一対の側面(左側面および右側面)に設けられている。
【0013】
高圧系機器部品120は、電池スタック110より供給される高電圧の電力を用いて動作する機器部品である。本実施形態では、高圧系機器部品120は、電池スタック110の前側の側面に設けられている。高圧系機器部品120は、プラス端子122およびマイナス端子124を有する。プラス端子122は、高圧系機器部品120の右側に設けられている。マイナス端子124は、高圧系機器部品120の左側に設けられている。
【0014】
第1ケーブル142は、高圧系機器部品120のプラス端子122と、電池スタック110のプラス端子112とに接続される、高電圧用のケーブルである。これにより、高圧系機器部品120のプラス端子122は、第1ケーブル142を介して、電池スタック110のプラス端子112に接続される。
【0015】
第2ケーブル144は、高圧系機器部品120のマイナス端子124と、電池スタック110のマイナス端子114とに接続される、高電圧用のケーブルである。これにより、高圧系機器部品120のマイナス端子124は、第2ケーブル144を介して、電池スタック110のマイナス端子114に接続される。
【0016】
低圧系機器部品130は、車両に搭載された電池スタック110以外の他のバッテリ(図示省略)より供給される低電圧の電力を用いて動作する機器部品である。本実施形態では、低圧系機器部品130は、電池スタック110の右側面に設けられている。
【0017】
ヒューズ126は、高圧系機器部品120に設けられている。ヒューズ126は、高圧系機器部品120に対して大電流が供給されたときに遮断状態となることにより、高圧系機器部品120に大電流が流れることを抑止し、高圧系機器部品120を保護する。なお、ヒューズ126は、第1ケーブル142または第2ケーブル144に設けられてもよい。
【0018】
第1機器カバー152は、金属製且つ開口部を有する箱状(中空構造の直方体形状)の部材である。第1機器カバー152は、電池スタック110の前側の側面に取り付けられ、高圧系機器部品120を覆う。
【0019】
第2機器カバー154は、金属製且つ開口部を有する箱状(中空構造の直方体形状)の部材である。第2機器カバー154は、電池スタック110の右側の側面に取り付けられ、低圧系機器部品130を覆う。
【0020】
(第1ケーブル142および第2ケーブル144の配置)
ここで、本実施形態の電池パック100は、図2に示すように、第1ケーブル142および第2ケーブル144が、電池スタック110と第1機器カバー152との間で、互いに異なる方向に向かうように配設されている。
【0021】
具体的には、第1ケーブル142は、高圧系機器部品120のプラス端子122から、第1機器カバー152の右側面と電池スタック110の前側の側面との間の隙間を介して、第1機器カバー152の右外側に引き出される。そして、第1ケーブル142は、電池スタック110の前側の側面および右側面に沿って配設され、電池スタック110の右側面に設けられているプラス端子112に接続される。
【0022】
一方、第2ケーブル144は、高圧系機器部品120のマイナス端子124から、第1機器カバー152の左側面と電池スタック110の前側の側面との間の隙間を介して、第1機器カバー152の左外側に引き出される。そして、第2ケーブル144は、電池スタック110の前側の側面および左側面に沿って配設され、電池スタック110の左側面に設けられているマイナス端子114に接続される。
【0023】
これにより、本実施形態の電池パック100は、第1ケーブル142および第2ケーブル144が、互いに並走しないように配設されている。このため、本実施形態の電池パック100は、車両衝突時に、第1機器カバー152に対して電池スタック110側(すなわち、後方)への外力が加わり、第1ケーブル142および第2ケーブル144が第1機器カバー152と電池パック100との間に挟まれて短絡が発生した場合であっても、第1ケーブル142および第2ケーブル144が互いに直接的に短絡してしまうことがなく、短絡回路上にヒューズ126が存在することとなるため、ヒューズ126が遮断状態となることにより、高圧系機器部品120に大電流が流れることを抑止し、高圧系機器部品120を保護することができる。
【0024】
(低圧系機器部品130の配置)
また、本実施形態の電池パック100は、図3に示すように、低圧系機器部品130が、電池スタック110のプラス端子112に対し、オフセット配置されている。具体的には、低圧系機器部品130は、電池スタック110の右側面に対向して配置され、且つ、第2機器カバー154によって覆われている。そして、図3に示すように、低圧系機器部品130は、電池スタック110を右側から平面視したときに、電池スタック110の右側面の下部に設けられているプラス端子112と重ならない領域(電池スタック110の右側面の中央)にオフセット配置されている。
【0025】
これにより、本実施形態の電池パック100は、電池スタック110の右側面の限られたスペース内に、低圧系機器部品130をプラス端子112と干渉しないように配置することができるため、電池パック100の体格の増加を抑制することができる。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
100 電池パック
110 電池スタック
112 プラス端子(第1接続部)
114 マイナス端子(第2接続部)
120 高圧系機器部品
122 プラス端子
124 マイナス端子
126 ヒューズ
130 低圧系機器部品
142 第1ケーブル
144 第2ケーブル
152 第1機器カバー
154 第2機器カバー
図1
図2
図3