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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187321
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電源装置および冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/46 20060101AFI20221212BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20221212BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G05F1/46
H02M3/155 H
F25B49/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095298
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】岡本 修平
【テーマコード(参考)】
5H420
5H730
【Fターム(参考)】
5H420CC02
5H420CC04
5H420DD02
5H420EA02
5H420EA20
5H420EA37
5H420EA45
5H420EB01
5H420EB04
5H420EB26
5H420FF03
5H420FF22
5H420NB02
5H730AS04
5H730BB14
5H730DD03
5H730FG01
(57)【要約】
【課題】交流電圧と直流電圧との両方で高効率動作が可能な電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置(1)は、複数のダイオード(D1~D4)を有し、ダイオード(D1~D4)を含む交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替え可能に構成されたコンバータ回路(11)と、交流電圧または直流電圧のいずれか一方が入力されたとき、交流電圧と直流電圧とのどちらがコンバータ回路(11,21)に入力されたかを判別する電圧判別部(32)を有する制御装置(13)とを備える。制御装置(13)は、電圧判別部(32)が、直流電圧がコンバータに入力されたと判別すると、交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のダイオード(D1~D4)を有し、上記ダイオード(D1~D4)を含む交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替え可能に構成されたコンバータ回路(11,21)と、
交流電圧または直流電圧のいずれか一方が入力されたとき、交流電圧と直流電圧とのどちらが上記コンバータ回路(11,21)に入力されたかを判別する電圧判別部(32)を有する制御装置(13)と
を備え、
上記制御装置(13)は、上記電圧判別部(32)が、直流電圧が上記コンバータに入力されたと判別すると、上記交流電圧用回路構成から上記直流電圧用回路構成に切り替える、電源装置(1,201,301)。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置(1,201,301)において、
上記コンバータ回路(11,21)に入力される交流電圧のゼロクロスを示すゼロクロス信号を出力する信号出力部(15,25)を備え、
上記電圧判別部(32)は、上記ゼロクロス信号が検出されたとき、交流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別する一方、上記ゼロクロス信号が検出されないとき、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別する、電源装置(1,201,301)。
【請求項3】
請求項2に記載の電源装置(1,201,301)において、
上記電圧判別部(32)は、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別したとき、上記信号出力部の出力電圧に基づいて、上記コンバータ回路(11,21)に入力された直流電圧の極性を判別する、電源装置(1,201,301)。
【請求項4】
請求項1に記載の電源装置(1,201,301)において、
上記コンバータ回路(11,21)の出力端間に接続されたコンデンサ(C)と
上記コンデンサ(C)の充電電流を検出する電流検出部(16)と
を備え、
上記電圧判別部(32)は、上記電流検出部(16)により上記充電電流が検出されたとき、交流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別する一方、上記コンデンサ(C)の上記充電電流が検出されないとき、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別する、電源装置(1,201,301)。
【請求項5】
請求項4に記載の電源装置(1,201,301)において、
上記電圧判別部(32)は、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別したとき、上記電流検出部(16)の検出電流の極性に基づいて、上記コンバータ回路(11,21)に入力された直流電圧の極性を判別する、電源装置(1,201,301)。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の電源装置(201)において、
上記直流電圧用回路構成は、上記ダイオード(D1~D4)を短絡させる単数または複数の半導体スイッチ(SW21,SW22)を含み、
上記制御装置(13)は、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別されたとき、直流電流が流れる上記ダイオード(D1~D4)に並列に接続された上記半導体スイッチ(SW21,SW22)をオンにする、電源装置(201)。
【請求項7】
請求項6に記載の電源装置(201)において、
上記制御装置(13)は、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別されたとき、直流電流が流れない上記ダイオード(D1~D4)に並列に接続された上記半導体スイッチ(SW21,SW22)をチョッピング動作させる、電源装置(201)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載に記載の電源装置(1,201,301)において、
上記直流電圧用回路構成は、上記ダイオード(D1~D4)を短絡させる単数または複数の第1メカニカルリレー(SW1~SW4)を含み、
上記制御装置(13)は、直流電圧が上記コンバータ回路(11,21)に入力されたと判別されたとき、直流電流が流れる上記ダイオード(D1~D4)に並列に接続された上記第1メカニカルリレー(SW1~SW4)をオンにする、電源装置(1,201,301)。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の電源装置(301)において、
上記コンバータ回路(11,21)の出力端に接続され、上記コンバータ回路(11,21)から出力される直流電圧を昇圧する昇圧回路(37)を備える、電源装置(301)。
【請求項10】
請求項9に記載の電源装置(301)において、
上記コンバータ回路(11,21)の出力端と上記昇圧回路(37)の出力端とを接続するバイパスライン(BL)に設けられた第2メカニカルリレー(SW30)を備え、
上記制御装置(13)は、上記昇圧回路(37)が直流電圧を昇圧しないとき、上記第2メカニカルリレー(SW30)をオンにする、電源装置(301)。
【請求項11】
請求項9または10に記載の電源装置(301)において、
上記昇圧回路(37)は、コイル(L31,L32)と、このコイル(L31,L32)を介して直流電流が供給されるダイオード(D31,D32)と、このダイオード(D31,D32)に並列に接続された第3メカニカルリレー(SW31,SW32)とを有し、
上記制御装置(13)は、上記昇圧回路(37)が直流電圧を昇圧するとき、上記第3メカニカルリレー(SW31,SW32)をオンにする、電源装置(301)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の電源装置(1,201,301)を備える、冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源装置および冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源装置としては、空気調和機に搭載されたものがある(例えば、特許文献1(特許第6537594号公報)を参照)。この電源装置は、直流電源または交流電源から供給される電力を負荷装置の駆動用電力に変換するインバータ回路と、その直流電源の直流電圧に応じて、直流電源または交流電源をインバータ回路に接続する電源接続部と、制御装置とを備える。
【0003】
上記構成の電源装置では、直流電源の直流電圧は、直流電源が正常な状態にあるか否かの判定基準である基準電圧と比較される。このとき、上記直流電圧が基準電圧未満であると、交流電源からの電力がインバータ回路へ供給されるように、制御装置が電源接続部を制御する。一方、上記直流電圧が基準電圧以上であると、直流電源からの電力がインバータ回路へ供給されるように、制御装置が電源接続部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6537594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の電源装置は、交流電源と電源接続部との間の回路は、直流電源と電源接続部との間の回路と別回路となっている。
【0006】
したがって、上記従来の電源装置には、直流電源に接続される回路と、交流電源に接続される回路とを共通化して、交流電圧の動作と直流電圧の動作との両方で効率を上げようとする観点はない。
【0007】
本開示の課題は、交流電圧と直流電圧との両方で高効率動作が可能な電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の電源装置は、
複数のダイオードを有し、上記ダイオードを含む交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替え可能に構成されたコンバータ回路と、
交流電圧または直流電圧のいずれか一方が入力されたとき、交流電圧と直流電圧とのどちらが上記コンバータ回路に入力されたかを判別する電圧判別部を有する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、上記電圧判別部が、直流電圧が上記コンバータに入力されたと判別すると、上記交流電圧用回路構成から上記直流電圧用回路構成に切り替える。
【0009】
上記構成によれば、上記電圧判別部の判別結果に基づいて、コンバータ回路の構成が交流電圧用回路構成または直流電圧用回路構成に切り替わるので、交流電圧と直流電圧との両方で高効率動作が可能となる。
【0010】
上記直流電圧用回路構成は、例えば、ダイオードと、他のダイオードを短絡させる短絡素子(例えば、半導体スイッチ、メカニカルリレーなど)とを含む。この短絡素子は、コンバータ回路が交流電圧用回路構成となっているとき、オフであるが、コンバータ回路が直流電圧用回路構成となっているとき、オンになる。
【0011】
上記短絡素子がコンバータ回路に単数設けられる場合、その短絡素子をオフからオンに切り替えることによって、コンバータ回路を交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替えてもよい。
【0012】
また、上記短絡素子がコンバータ回路に複数設けられる場合、複数の短絡素子の少なくとも一つをオフからオンに切り替えることによって、コンバータ回路を交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替えてもよい。
【0013】
また、上記コンバータ回路が交流電圧用回路構成になっている場合、直流電圧がコンバータ回路に入力されたと判別されたとき、交流電圧用回路構成を直流電圧用回路構成に切り替えてもよい。
【0014】
また、上記コンバータ回路が直流電圧用回路構成になっている場合、交流電圧がコンバータ回路に入力されたと判別されたとき、直流電圧用回路構成を交流電圧用回路構成に切り替えてもよい。
【0015】
一態様の電源装置は、
上記コンバータ回路に入力される交流電圧のゼロクロスを示すゼロクロス信号を出力する信号出力部を備え、
上記電圧判別部は、上記ゼロクロス信号が検出されたとき、交流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別する一方、上記ゼロクロス信号が検出されないとき、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別する。
【0016】
上記態様によれば、上記コンバータ回路に入力される交流電圧のゼロクロスを示すゼロクロス信号の有無に基づいて、コンバータ回路に入力された電圧が交流電圧または直流電圧であると判別するので、その判別の信頼性を高めることができる。
【0017】
一態様の電源装置では、
上記電圧判別部は、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別したとき、上記信号出力部の出力電圧に基づいて、上記コンバータ回路に入力された直流電圧の極性を判別する。
【0018】
上記態様によれば、上記信号出力部の出力電圧に基づいて、コンバータ回路に入力された直流電圧の極性を判別するので、その判別の信頼性を高めることができる。
【0019】
一態様の電源装置は、
上記コンバータ回路の出力端間に接続されたコンデンサと
上記コンデンサの充電電流を検出する電流検出部と
を備え、
上記電圧判別部は、上記電流検出部により上記充電電流が検出されたとき、交流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別する一方、上記コンデンサの上記充電電流が検出されないとき、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別する。
【0020】
上記態様によれば、上記コンデンサの充電電流の検出の有無に基づいて、コンバータ回路に入力された電圧が交流電圧または直流電圧であると判別するので、その判別の信頼性を高めることができる。
【0021】
一態様の電源装置では、
上記電圧判別部は、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別したとき、上記電流検出部の検出電流の極性に基づいて、上記コンバータ回路に入力された直流電圧の極性を判別する。
【0022】
上記態様によれば、上記電流検出部の検出電流の極性に基づいて、上記コンバータ回路に入力された直流電圧の極性を判別するので、その判別の信頼性を高めることができる。
【0023】
一態様の電源装置では、
上記直流電圧用回路構成は、上記ダイオードを短絡させる単数または複数の半導体スイッチを含み、
上記制御装置は、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別されたとき、直流電流が流れる上記ダイオードに並列に接続された上記半導体スイッチをオンにする。
【0024】
上記態様によれば、上記コンバータ回路の入力電圧が直流電圧と判別されたとき、直流電流が流れるダイオードに並列に接続された半導体スイッチをオンにするので、そのダイオードの電圧降下を迅速に抑制することができる。
【0025】
一態様の電源装置では、
上記制御装置は、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別されたとき、直流電流が流れない上記ダイオードに並列に接続された上記半導体スイッチをチョッピング動作させる。
【0026】
上記態様によれば、上記制御装置は、直流電圧がコンバータ回路の入力電圧が直流電圧と判別されたとき、直流電流が流れないダイオードに並列に接続された半導体スイッチをチョッピング動作させるので、コンバータ回路の出力電圧を昇圧することができる。
【0027】
一態様の電源装置では、
上記直流電圧用回路構成は、上記ダイオードを短絡させる単数または複数の第1メカニカルリレーを含み、
上記制御装置は、直流電圧が上記コンバータ回路に入力されたと判別されたとき、直流電流が流れる上記ダイオードに並列に接続された上記第1メカニカルリレーをオンにする。
【0028】
上記態様によれば、コンバータ回路の入力電圧が直流電圧であると判別されたとき、直流電流が流れるダイオードに並列に接続された第1メカニカルリレーをオンにするので、そのダイオードの電圧降下を確実に抑制することができる。
【0029】
一態様の電源装置では、
上記コンバータ回路の出力端に接続され、上記コンバータ回路から出力される直流電圧を昇圧する昇圧回路を備える。
【0030】
上記態様によれば、上記昇圧回路を備えるので、コンバータ回路から出力される直流電圧を確実に昇圧することができる。
【0031】
一態様の電源装置は、
上記コンバータ回路の出力端と上記昇圧回路の出力端とを接続するバイパスラインに設けられた第2メカニカルリレーを備え、
上記制御装置は、上記昇圧回路が直流電圧を昇圧しないとき、上記第2メカニカルリレーをオンにする。
【0032】
上記態様によれば、上記昇圧回路が直流電圧を昇圧しないとき、第2メカニカルリレーがオンされるので、昇圧回路の電圧降下を抑制することができる。
【0033】
一態様の電源装置は、
上記昇圧回路は、コイルと、このコイルを介して直流電流が供給されるダイオードと、このダイオードに並列に接続された第3メカニカルリレーとを有し、
上記制御装置は、上記昇圧回路が直流電圧を昇圧するとき、上記第3メカニカルリレーをオンにする。
【0034】
上記態様によれば、上記昇圧回路が直流電圧を昇圧するとき、第3メカニカルリレーをオンにするので、第3メカニカルリレーと並列関係にあるダイオードの電圧降下を抑制することができる。
【0035】
本開示の冷凍装置は、
上記態様のうちの一つの電源装置を備える。
【0036】
上記構成によれば、上記電源装置を備えるので、交流電圧と直流電圧とのどちらが供給されても、効率的に動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示の第1実施形態の電源装置の回路図である。
図2】上記電源装置の信号出力部の回路図である。
図3】交流電源の電圧信号とフォトトランジストの電圧信号とを示す。
図4】直流電源の電圧信号とフォトトランジストの電圧信号とを示す。
図5】他の直流電源の電圧信号とフォトトランジストの電圧信号とを示す。
図6】上記第1実施形態の直流電圧構成を説明するための回路図である。
図7】上記第1実施形態の他の直流電圧構成を説明するための回路図である。
図8】他の信号出力部の回路図である。
図9】上記第1実施形態の一変形例の電源装置の回路図である。
図10】交流電源の電圧信号とコンデンサの充電信号とを示す。
図11】直流電源の電圧信号とコンデンサの充電信号とを示す。
図12】他の直流電源の電圧信号とコンデンサの充電信号とを示す。
図13】本開示の第2実施形態の電源装置の回路図である。
図14】上記第2実施形態の直流電圧構成を説明するための回路図である。
図15】上記第2実施形態の他の直流電圧構成を説明するための回路図である。
図16】本開示の第2実施形態の電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本開示の実施形態を説明する。なお、図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものである。
【0039】
〔第1実施形態〕
図1は、本開示の第1実施形態の電源装置1の回路図である。
【0040】
電源装置1は、冷凍装置(例えば、空気調和機、冷蔵庫、ヒートポンプ給湯機など)に搭載されるものであって、直流電源2に接続されたり、交流電源に接続されたりして、冷凍装置の三相誘導モータ3に電力を供給する。この電源装置1は、直流電源2からの直流電圧または交流電源からの交流電圧が入力されるコンバータ回路11と、コンデンサCと、インバータ回路12と、制御装置13と、第2電源14とを備えている。
【0041】
コンバータ回路11は、交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替え可能に構成されている。より具体的に説明すると、コンバータ回路11は、ダイオードD1~D4と、ダイオードD1~D4を短絡させる機械スイッチSW1~SW4~SW4~SW4とを有する。交流電圧がコンバータ回路11に入力されたとき、機械スイッチSW1~SW4~SW4の全てがオフとなり、コンバータ回路11は交流電圧用回路構成となる。一方、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたとき、機械スイッチSW1~SW4~SW4のうちの2つがオンになる一方、残りの2つがオフになり、直流電圧用回路構成となる。なお、機械スイッチSW1~SW4~SW4は、例えば有接点リレーなどから成り、第1メカニカルリレーの一例である。
【0042】
コンデンサCは、コンバータ回路11の第1出力端とコンバータ回路11の第2出力端との間を接続する。
【0043】
インバータ12は、コンバータ回路11の第1出力端に接続される第1入力端と、コンバータ回路11の第2出力端に接続される第2入力端とを有する。
【0044】
制御装置13は、マイクロコンピュータ、入出力回路などを有しており、入力判別部31および電圧判別部32を有する。入力判別部31は、交流電圧または直流電圧のいずれか一方がコンバータ回路11に入力された否かを判別する。この入力判別部31によって、交流電圧または直流電圧のいずれか一方がコンバータ回路11に入力されたと判別すると、電圧判別部32は、交流電圧と直流電圧とのどちらがコンバータ回路11に入力されたかを判別する。なお、入力判別部31および電圧判別部32の少なくとも一方は、例えばソフトウェアで構成される。
【0045】
また、制御装置13は、電圧判別部32の判別結果がコンバータ回路11への直流電圧の入力を示すとき、ダイオードD1~D4のオンオフ制御を行って、交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替える。
【0046】
また、制御装置13は、第2電源14を介して、コンバータ回路11の第1出力端に接続されている。この第2電源14は、コンバータ回路11に交流電圧または直流電圧がされたとき、制御装置13を駆動するための電圧を生成する。
【0047】
入力判別部31は、第2電源14から制御装置13へ電力の入力がないとき、交流電圧および直流電圧のどちらもコンバータ回路11に入力されていないと判別する。一方、入力判別部31は、第2電源14から制御装置13へ入力されたとき、交流電圧または直流電圧のいずれか一方がコンバータ回路11に入力されたと判別する。
【0048】
電圧判別部32は、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別したとき、その直電圧の極性も判別する。
【0049】
図2は、電源装置1の信号出力部15の回路図である。なお、図2において、電源4は、交流電源(図示せず)、直流電源2などに対応する。
【0050】
図1では図示を省略したが、電源装置1は、図2に示すように、コンバータ回路11に入力される交流電圧のゼロクロスを示すゼロクロス信号を出力する信号出力部15を備えている。
【0051】
信号出力部15は、抵抗R1と、このR1と直列に接続された抵抗R2と、フォトカプラ33と、抵抗R3とを有する。
【0052】
抵抗R1の一端は、電源4とダイオードD1(図1に示す)との間に接続されている。一方、抵抗R1の他端が抵抗R2の一端に接続されている。また、抵抗R2の他端は、電源4とダイオードD4(図1に示す)との間に接続されている。
【0053】
フォトカプラ33は、発光ダイオードD11と、この発光ダイオードD11の発光を受けるフォトトランジストT11とを含む。
【0054】
発光ダイオードD11は、抵抗R2に並列に接続されている。ここで、発光ダイオードD11のアノードは、抵抗R1と抵抗R2との間に接続されている。一方、発光ダイオードD11のカソードは、抵抗Rと電源4との間に接続されている。
【0055】
フォトトランジストT11は、抵抗R3と直列に接続されている。このフォトトランジストT11の入力端子と抵抗R3との間から、信号出力部15の出力電圧を示す電圧信号Vzc(以下、「フォトトランジストT11の電圧信号Vzc」という。)が制御装置13へ出力される。
【0056】
電圧判別部32は、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcに基づいて、交流電圧と直流電圧とのどちらがコンバータ回路11に入力されたのかを判別する。また、電圧判別部32は、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別したとき、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcに基づいて、コンバータ回路11に入力された直流電圧の極性を判別する。
【0057】
図3は、電源4が交流電源であるとき、電源4の電圧信号Vinと、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcとを示す。
【0058】
電源4が交流電源であると、電圧信号Vinは正弦波状に変動する。これにより、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcは、矩形波状に変動し、交流電圧のゼロクロスを示すゼロクロス信号を含む。
【0059】
電圧判別部32は、ゼロクロス信号が検出されたとき、交流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別する一方、ゼロクロス信号が検出されないとき、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別する。なお、ゼロクロス信号の検出は、例えば、電圧判別部32で行われるようにしてもよいし、制御装置13の電圧判別部32以外の部分で行われるようにしてもよい。
【0060】
図4図5は、直流電圧がコンバータ回路11に入力される場合、電源4の電圧信号Vinと、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcとを示す。
【0061】
電源4が直流電源である場合、図4図5に示すように、電源4の電圧信号Vinが、一定の正電圧値を示すか、または、一定の負電圧値を示す。より詳しく言うと、電圧信号Vinが一定の正電圧値を示すとき、順方向の電圧が発光ダイオードD11にかかるので、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcは、一定の高電圧値を示す。一方、電圧信号Vinが一定の負電圧値を示すとき、逆方向の電圧が発光ダイオードD11にかかるので、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcは、一定の低電圧値を示す。
【0062】
このように、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcは、電源4の種類や極性に応じて変化する。
【0063】
フォトトランジストT11の電圧信号Vzcを参照することにより、交流電圧と直流電圧とのどちらがコンバータ回路11に入力されたのかの判別と、順方向と逆方向とのどちらの方向の電圧が発光ダイオードD11にかかっているかの判別とが可能となる。
【0064】
なお、順方向の電圧が発光ダイオードD11にかかるときは、ダイオードD1とダイオードD3との間に直流電源の正極が接続される。また、逆方向の電圧が発光ダイオードD11にかかるときは、ダイオードD1とダイオードD3との間に直流電源の負極が接続される。
【0065】
上記構成の電源装置1が交流電源(図示せず)に接続された場合、入力判別部31の判別後、電圧判別部32は、交流電圧がコンバータ回路11に入力されていると判別する。これにより、制御装置13は、機械スイッチSW1~SW4~SW4の全てをオフにして、コンバータ回路11を交流電圧構成のままとする。
【0066】
一方、図6に示すように、電源装置1が直流電源2に接続され、直流電流がダイオードD1,D4を流れる場合、入力判別部31の判別後、電圧判別部32は、直流電圧がコンバータ回路11に入力されていると判別すると共に、直流電源2の正極がダイオードD1とダイオードD3との間に接続されていると判別する。これにより、制御装置13は、直流電流が流れるダイオードD1,D4に並列に接続された機械スイッチSW1,SW4をオンにする一方、機械スイッチSW2,SW3をオフにして、コンバータ回路11を交流電圧構成から直流電圧構成に切り替える。その結果、直流電流は、ダイオードD1,D4を経由せずに、点線矢印に沿って流れる。
【0067】
また、図7に示すように、電源装置1が直流電源22に接続され、直流電流がダイオードD2,D3を流れる場合、入力判別部31の判別後、電圧判別部32は、直流電圧がコンバータ回路11に入力されていると判別すると共に、直流電源22の負極がダイオードD1とダイオードD3との間に接続されていると判別する。これにより、制御装置13は、直流電流が流れるダイオードD2,D3に並列に接続された機械スイッチSW2,SW3をオンにする一方、機械スイッチSW1,SW4をオフにして、コンバータ回路11を交流電圧構成から直流電圧構成に切り替える。その結果、直流電流は、ダイオードD2,D3を経由せずに、点線矢印に沿って流れる。
【0068】
このように、電圧判別部32の判別結果に基づいて、コンバータ回路11の構成が交流電圧用回路構成または直流電圧用回路構成に切り替わるので、交流電圧と直流電圧との両方で高効率動作が可能となる。
【0069】
また、コンバータ回路11に入力される交流電圧のゼロクロスを示すゼロクロス信号の有無に基づいて、コンバータ回路11に入力された電圧が交流電圧または直流電圧であると判別するので、その判別の信頼性を高めることができる。
【0070】
また、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと電圧判別部32で判別されたとき、電圧判別部32は、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcに基づいて、コンバータ回路11に入力された直流電圧の極性を判別するので、その判別の信頼性を高めることができる。
【0071】
また、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと電圧判別部32で判別されたとき、直流電流が流れるダイオードD1~D4に並列に接続された機械スイッチSW2,SW3をオンにするので、直流電圧の高効率動作を確実に行える。
【0072】
上記第1実施形態では、電源装置1は、冷凍装置に搭載されていたが、例えば電磁調理器に搭載されるようにしてもよい。
【0073】
上記第1実施形態では、コンバータ回路11の直流電圧用回路構成は、機械スイッチSW1~SW4~SW4のうちの2つを含むようにしていたが、機械スイッチSW1~SW4~SW4のうちの1つだけ含むようにしてもよい。
【0074】
上記第1実施形態では、電源装置1は、コンバータ回路11への交流電圧または直流電圧の入力を判別するために、信号出力部15を備えていたが、信号出力部15に換えて、図8に示すように、信号出力部25を備えるようにしてもよい。
【0075】
信号出力部25は、抵抗R11,R12と、コンパレータCOMと、抵抗R15とを有する。
【0076】
抵抗R11は、一端が電源4とダイオードD1(図1に示す)との間に接続されている一方、他端がコンパレータCOMの負極側入力端に接続されている。また、抵抗R11の他端とコンパレータCOMの負極側入力端の間には、抵抗R13の一端が接続されている。
【0077】
抵抗R12は、一端が電源4とダイオードD4(図1に示す)との間に接続されている一方、他端がコンパレータCOMの正極側入力端に接続されている。また、抵抗R12の他端とコンパレータCOMの正極側入力端の間には、抵抗R13の一端が接続されている。
【0078】
コンパレータCOMは、電圧信号Vzc’を出力端から制御装置13へ出力する。また、コンパレータCOMの出力端と制御装置13との間には、抵抗R15の一端が接続されている。
【0079】
電圧信号Vzc’は、コンパレータCOMの負極側入力端への入力信号の電圧よりも、コンパレータCOMの正極側入力端への入力信号の電圧が高いとき、比較的高電圧を示す。また、電圧信号Vzc’は、コンパレータCOMの負極側入力端への入力信号の電圧よりも、コンパレータCOMの正極側入力端への入力信号の電圧が低いとき、比較的低電圧を示す。
【0080】
したがって、電圧信号Vzc’は、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcと同様に、ゼロクロス信号を含むことができるので、フォトトランジストT11の電圧信号Vzcの換わりに用いることができる。
【0081】
上記第1実施形態では、電源装置1は、コンバータ回路11への交流電圧または直流電圧の入力を判別するために、信号出力部15を備えていたが、信号出力部15に換えて、図9に示すように、電流検出部16を備えるようにしてもよい。この電流検出部16は、シャント抵抗およびオペアンプ回路を含み、コンデンサCの充電電流を検出する。
【0082】
電流検出部16を用いる場合、電圧判別部32は、電流検出部16により充電電流が検出されたとき、交流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別する一方、コンデンサCの充電電流が検出されないとき、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別するようにしてもよい。
【0083】
また、その場合、電圧判別部32は、直流電圧がコンバータ回路11に入力されたと判別したとき、電流検出部16の検出電流の極性に基づいて、コンバータ回路11に入力された直流電圧の極性を判別するようにしてもよい。
【0084】
図10は、電源4が交流電源であるとき、電源4の電圧信号Vinと、コンデンサCの充電電流に対応する充電信号lin(以下、「コンデンサCの充電信号lin」という。)とを示す。
【0085】
電源4が交流電源であると、電圧信号Vinは正弦波状に変動すると、コンデンサCの充電信号linも変動する。
【0086】
したがって、電圧判別部32は、コンデンサCの充電信号linが変動しているとき、電源4が交流電源である判別するようにしてもよい。なお、コンデンサCの充電信号linの変動の検出は、例えば、電圧判別部32で行われるようにしてもよいし、制御装置13の電圧判別部32以外の部分で行われるようにしてもよい。
【0087】
図11図12は、直流電圧がコンバータ回路11に入力される場合、電源4の電圧信号Vinと、コンデンサCの充電信号linとを示す。
【0088】
電源4が直流電源である場合、図11図12に示すように、電源4の電圧信号Vinが、一定の正電圧値を示すか、または、一定の負電圧値を示す。より詳しく言うと、
電源4が直流電源である場合、直流電源の極性により、直流電流がダイオードD1,D4に流れるとき、電圧信号Vinが一定の正電圧値を示し、かつ、コンデンサCの充電信号linが一定の正電流値を示す。一方、直流電源の極性により、直流電流がダイオードD2,D3に流れる場合、電圧信号Vinが一定の負電流値を示し、かつ、コンデンサCの充電信号linも一定の負電流値を示す。
【0089】
このような充電信号linを参照することにより、交流電圧と直流電圧とのどちらがコンバータ回路11に入力されたかの判別と、コンバータ回路11に入力された直流電圧の極性の判別とが可能となる。
【0090】
〔第2実施形態〕
図13は、本開示の第2実施形態の電源装置201の回路図である。
【0091】
電源装置201は、ブリッジレスコンバータ回路21と、コイルL11,L21とを備えている点が、上記第1実施形態の電源装置1と異なる。なお、電源装置201は、上記第1実施形態の電源装置1と同様に、制御装置13などを備えている。また、ブリッジレスコンバータ回路21は、コンバータ回路の一例である。
【0092】
ブリッジレスコンバータ回路21は、上記第1実施形態のコンバータ回路11と同様に、交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替え可能に構成されている。より具体的に説明すると、ブリッジレスコンバータ回路21は、ダイオードD1~D4と、ダイオードD3,D4を短絡させる半導体スイッチSW21,SW22とを有する。交流電圧がブリッジレスコンバータ回路21に入力されたとき、半導体スイッチSW21,SW22の両方がオフになり、ブリッジレスコンバータ回路21は交流電圧用回路構成をとる。一方、直流電圧がブリッジレスコンバータ回路21に入力されたとき、半導体スイッチSW21,SW22のうちの一方がオンになる一方、半導体スイッチSW21,SW22の他方がオフになり、直流電圧用回路構成となる。なお、半導体スイッチSW21,SW22としては、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどが使用される。
【0093】
コイルL11,L21の一端は、交流電源(図示せず)または直流電源2に接続される一方、コイルL11の他端は、ダイオードD1とダイオードD3との間に接続されている。また、コイルL21の他端は、ダイオードD2とダイオードD4との間に接続されている。
【0094】
制御装置13は、直流電圧がブリッジレスコンバータ回路21に入力されたと判別されたとき、直流電流がダイオードD3に流れていなければ、そのダイオードD3に並列に接続された半導体スイッチSW21をチョッピング動作させる。また、そのとき、直流電流がダイオードD4に流れていなければ、そのダイオードD4に並列に接続された半導体スイッチSW22をチョッピング動作させる。
【0095】
上記構成の電源装置201が交流電源(図示せず)に接続された場合、上記第1実施形態の電源装置1と同様に、半導体スイッチSW21,SW22の全てをオフにして、ブリッジレスコンバータ回路21を交流電圧構成のままとする。
【0096】
一方、図14に示すように、電源装置201が直流電源2に接続され、直流電流がダイオードD1,D4を流れる場合、制御装置13は、直流電流が流れるダイオードD4に並列に接続された半導体スイッチSW22をオンにする一方、半導体スイッチSW21をオフにして、ブリッジレスコンバータ回路21を交流電圧構成から直流構成に切り替える。その結果、直流電流は、ダイオードD1を経由するが、ダイオードD4を経由することなく、点線矢印に沿って流れる。
【0097】
また、図15に示すように、電源装置201が直流電源22に接続され、直流電流がダイオードD2,D3を流れる場合、制御装置13は、直流電流が流れるダイオードD3に並列に接続された半導体スイッチSW21をオンにする一方、半導体スイッチSW22をオフにして、ブリッジレスコンバータ回路21を交流電圧構成から直流電圧構成に切り替える。その結果、直流電流は、ダイオードD2を経由するが、ダイオードD3を経由することなく、点線矢印に沿って流れる。
【0098】
したがって、上記電源装置201も、上記第1実施形態の電源装置1と同様に、交流電圧と直流電圧との両方で高効率動作が可能となる。
【0099】
また、ダイオードD3に並列に接続された半導体スイッチSW21をオンにすることにより、そのダイオードD3の電圧降下を迅速に抑制することができる。
【0100】
電源装置201が直流電源2,22に接続されたとき、直流電流が流れないダイオードD3,D4に並列に接続された半導体スイッチSW21,SW22がチョッピング動作するので、ブリッジレスコンバータ回路21の出力電圧を昇圧することができる。
【0101】
上記第2実施形態では、ダイオードD1に半導体スイッチを並列に接続していなかったが、ダイオードD1に半導体スイッチ(例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を並列に接続してもよい。このようにする場合、上記半導体スイッチは、直流電流がダイオードD1を流れるときにオンにし、直流電流がダイオードD1を流れないときにチョッピング動作させればよい。また、その場合、ダイオードD4に半導体スイッチSW22に並列に接続しないようにしてもよい。
【0102】
上記第2実施形態では、ダイオードD1,D2に半導体スイッチを並列に接続していなかったが、ダイオードD1,D2に半導体スイッチ(例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を並列に接続してもよい。このようにする場合、上記半導体スイッチは、直流電流がダイオードD1,D2を流れるときにオンにし、直流電流がダイオードD1,D2を流れないときにチョッピング動作させればよい。このようにする場合、ダイオードD4に半導体スイッチSW22に並列に接続しないようにしてもよい。
【0103】
上記第2実施形態では、ダイオードD1~D4に機械スイッチを並列に接続していなかったが、ダイオードD1~D4に機械スイッチを並列に接続してもよい。このようにする場合、ダイオードD1に半導体スイッチを並列に接続したり、ダイオードD1,D2に半導体スイッチを並列に接続したりしてもよい。
【0104】
〔第3実施形態〕
図16は、本開示の第3実施形態の電源装置201の一部の回路図である。
【0105】
電源装置301は、昇圧回路37と、機械スイッチSW30とを備えている点が、上記第1実施形態の電源装置1と異なる。なお、電源装置301は、上記第1実施形態の電源装置1と同様に、制御装置13などを備えている。また、機械スイッチSW30は、例えば有接点リレーなどから成り、第2メカニカルリレーの一例である。
【0106】
昇圧回路37は、コンバータ回路11の第1,第2出力端に接続され、コンバータ回路11から出力される直流電圧を昇圧する。より詳しく説明すると、昇圧回路37は、コイルL31,L32と、このコイルL31,L32を介して直流電流が供給されるダイオードD31,D32と、このダイオードD31,D32に並列に接続された機械スイッチSW31,SW32とを有している。なお、機械スイッチSW31,SW32は、例えば有接点リレーなどから成り、第3メカニカルリレーの一例である。
【0107】
コイルL31は、ダイオードD31と直列に接続されている。コイルL31とダイオードD31との間には、半導体スイッチSW33の一端が接続されている。この半導体スイッチSW33の他端はコンバータ回路11の第2出力端に接続されている。なお、半導体スイッチSW33としては、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどが使用される。
【0108】
コイルL32は、ダイオードD32と直列に接続されている。コイルL32とダイオードD32との間には、半導体スイッチSW34の一端が接続されている。この半導体スイッチSW34の他端はコンバータ回路11の第2出力端に接続されている。なお、半導体スイッチSW34としては、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどが使用される。
【0109】
また、コイルL31のコンバータ回路11側には、コイルL31の一端が接続されている。一方、ダイオードD31のインバータ回路12側には、ダイオードD32のカソードが接続されている。要するに、コイルL31およびダイオードD31は、コイルL32およびダイオードD32と並列関係になっている。
【0110】
また、コンバータ回路11の第1出力端とインバータ回路12の第1入力端との間においてダイオードD32のカソードが接続された接続点は、コンバータ回路11の第1出力端とインバータ回路12の第1入力端との間においてコンデンサCが接続された接続点よりも、コンバータ回路11側に位置する。
【0111】
機械スイッチSW30は、コンバータ回路11の第1出力端と昇圧回路37の出力端とを接続するバイパスラインBLに設けられている。
【0112】
また、コンバータ回路11の第1出力端とインバータ回路12の第1入力端との間においてバイパスラインBLの一端が接続された接続点は、コンバータ回路11の第1出力端とインバータ回路12の第1入力端との間においてコイルL32の一端が接続された接続点よりも、コンバータ回路11側に位置する。
【0113】
また、コンバータ回路11の第1出力端とインバータ回路12の第1入力端との間においてバイパスラインBLの他端が接続された接続点は、コンバータ回路11の第1出力端とインバータ回路12の第1入力端との間においてコイルL32の一端が接続された接続点よりも、インバータ回路12側に位置する。
【0114】
制御装置13は、昇圧回路37が直流電圧を昇圧しないとき、機械スイッチSW30をオンにする。一方、制御装置13は、昇圧回路37が直流電圧を昇圧するとき、機械スイッチSW30をオフにし、機械スイッチSW31,SW32をオンにする。このとき、半導体スイッチSW33,SW34は交互にオンされる。
【0115】
上記構成の電源装置301は、上記第1実施形態の電源装置1と同様の作用効果を奏する。
【0116】
また、電源装置301は昇圧回路37を備えるので、コンバータ回路11から出力される直流電圧を確実に昇圧することができる。
【0117】
また、昇圧回路37が直流電圧を昇圧しないとき、機械スイッチSW30がオンされるので、昇圧回路37よって生じる電圧降下を抑制することができる。
【0118】
また、昇圧回路37が直流電圧を昇圧するとき、機械スイッチSW31,SW32をオンにするので、ダイオードD31,D32によって生じる電圧降下を抑制することができる。
【0119】
従来、空気調和機は、交流100Vまたは200Vの電源から電力供給を受けて、冷房運転、暖房運転などの空調運転を行っていた。すなわち、上記空気調和機は、交流コンセントに対応するが、直流コンセントに対応していない。
【0120】
現在、直流電源で駆動する空気調和機は普及しておらず、規格化された直流コンセントも存在しない。今後、直流電源で駆動する空気調和機(以下、「DC用空気調和機」という。)が普及すると、DC用空気調和機と、交流電源で駆動する空気調和機(以下、「AC用空気調和機」という。)とが、市場で混在し、その結果、次のような問題が生じると予想される。
【0121】
まず、AC用空気調和機に据え付ける場所に、DC用空気調和機を据え付けてしまったり、DC用空気調和機に据え付ける場所に、AC用空気調和機を据え付けてしまったりというような据え付けミスが生じる。
【0122】
また、AC用空気調和機とDC用空気調和機とが別々に開発されて、AC用空気調和機だけを開発していたときよりも、開発工数が増加する。
【0123】
本開示の冷凍装置の一例である空気調和機は、
複数のダイオードを有し、上記ダイオードを含む交流電圧用回路構成から直流電圧用回路構成に切り替え可能に構成されたコンバータ回路と、
交流電圧または直流電圧のいずれか一方が入力されたとき、交流電圧と直流電圧とのどちらが上記コンバータ回路に入力されたかを判別する電圧判別部を有する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、上記電圧判別部が、直流電圧が上記コンバータに入力されたと判別すると、上記交流電圧用回路構成から上記直流電圧用回路構成に切り替える。
【0124】
上記構成の空気調和機は、交流電源と直流電源とのどちらが供給されているか電圧判別部で判別することにより、交流給電時は、コンバータ回路の構成を交流電圧用回路構成とする一方、直流給電時は、コンバータ回路の構成を直流電圧用回路構成とすることができる。したがって、上記空気調和機は、上述したような据え付けミスがあっても、空調運転を行える。
【0125】
また、上記空気調和機は、交流電源と直流電源とのどちらでも動作可能であるので、AC用空気調和機とDC用空気調和機とが別々に開発される状況を減らせる。
【0126】
また、上記コンバータ回路の構成は、交流給電時に交流電圧用回路構成となる一方、直流給電時に直流電圧用回路構成となるので、空気調和機は直流給電時および交流給電時のそれぞれで高効率動作が可能となる。
【0127】
上記空気調和機では、例えば、上記交流電圧用回路構成ではコンバータ動作をする一方、直流電圧用回路構成ではコンバータ動作をさせないようにすることができる。
【0128】
本開示の具体的な実施の形態について説明したが、本開示は上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態で記載した内容の一部を削除または置換したものを、本開示の一実施形態としてもよい。また、上記第1~第3実施形態の記載内容を適宜組み合わせたものを、本開示の一実施形態としてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1,201,301 電源装置
2,22 直流電源
3 三相誘導モータ
4 電源
11 コンバータ回路
12 インバータ回路
13 制御装置
14 第2電源
15,25 信号出力部
16 電流検出部
21 ブリッジレスコンバータ回路
31 入力判別部
32 電圧判別部
37 昇圧回路
BL
C コンデンサ
D1~D4,D31,D32 ダイオード
L1,L2,L31,L32 コイル
SW1~SW4,SW30,SW31,SW32 機械スイッチ
SW21,SW22,SW33,SW34 半導体スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16