(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187343
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】微細気泡発生装置
(51)【国際特許分類】
B01F 25/40 20220101AFI20221212BHJP
B01F 23/20 20220101ALI20221212BHJP
B01F 25/10 20220101ALI20221212BHJP
【FI】
B01F5/06
B01F3/04 Z
B01F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095328
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
(72)【発明者】
【氏名】片岡 邦夫
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB04
4G035AC26
4G035AC44
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】微細気泡発生装置において、より多くの微細気泡を発生させることができる技術を提供する。
【解決手段】微細気泡発生装置は、流入部と、流出部と、第1の微細気泡生成部と、第2の微細気泡生成部と、を備えている。第1の微細気泡生成部は、縮径流路と、拡径流路と、を備えている。第2の微細気泡生成部は、第1の旋回流生成部と、第2の旋回流生成部と、を備えている。第1の旋回流生成部は、第1の外周部と、第2の微細気泡生成部の中心軸に対して第1の旋回方向に流れる第1の旋回流を生成する複数の第1の羽根部と、を備えている。第2の旋回流生成部は、第2の外周部と、中心軸に対して、第1の旋回方向とは逆方向の第2の旋回方向に流れる第2の旋回流を生成する複数の第2の羽根部と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡発生装置であって、
気体溶解水が流入する流入部と、
前記気体溶解水が流出する流出部と、
前記流入部と前記流出部との間に設けられている第1の微細気泡生成部と、
前記第1の微細気泡生成部と前記流出部との間に設けられている第2の微細気泡生成部と、を備えており、
前記第1の微細気泡生成部は、
上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、
前記縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えており、
前記第2の微細気泡生成部は、
第1の旋回流生成部と、
前記第1の旋回流生成部の下流に設けられている第2の旋回流生成部と、を備えており、
前記第1の旋回流生成部は、
第1の外周部と、
前記第1の外周部の内側に設けられており、前記第2の微細気泡生成部の中心軸に対して第1の旋回方向に流れる第1の旋回流を生成する複数の第1の羽根部と、を備え、
前記第2の旋回流生成部は、
第2の外周部と、
前記第2の外周部の内側に設けられており、前記中心軸に対して、第1の旋回方向とは逆方向の第2の旋回方向に流れる第2の旋回流を生成する複数の第2の羽根部と、を備えている、微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記第2の微細気泡生成部を前記中心軸方向に見た場合に、
前記第2の羽根部の第1の旋回方向側の端部は、前記第1の羽根部の第1の旋回方向側の端部よりも第1の旋回方向側に位置しており、
前記第2の羽根部の第2の旋回方向側の端部は、前記第1の羽根部の前記第1の旋回方向側の端部よりも第2の旋回方向側に位置している、請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記第1の羽根部、及び、前記第2の羽根部の上流側の面には、それぞれ、上流側に突出する上流側突出部が設けられている、請求項1又は2に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記第1の羽根部、及び、前記第2の羽根部の下流側の面には、それぞれ、下流側に突出する下流側突出部が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
【請求項5】
前記第1の羽根部、及び、前記第2の羽根部の上流側の面には、それぞれ、上流側に突出する上流側突出部が設けられており、
前記第1の羽根部、及び、前記第2の羽根部の下流側の面には、それぞれ、下流側に突出する下流側突出部が設けられており、
前記中心軸と前記上流側突出部との間の距離は、前記中心軸と前記下流側突出部との間の距離と異なっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気体溶解水が流入する流入部と、気体溶解水が流出する流出部と、流入部と流出部との間に設けられている微細気泡生成部と、を備える微細気泡発生装置が開示されている。微細気泡生成部は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の微細気泡発生装置では、気体が溶解している水(以下では、「気体溶解水」と記載することがある)が、流入部を経由して、微細気泡生成部の縮径流路に流入する。気体溶解水は、縮径流路を通過することによって、流速が上昇し、その結果減圧される。気体溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、気体溶解水は、拡径流路を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の気体溶解水が増圧されると、気体溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。このように、特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡生成部によって微細気泡が生成される。しかしながら、特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡発生装置によって生成される微細気泡の量が不十分な状況が発生する、
【0005】
本明細書では、微細気泡を大量に生成することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される微細気泡発生装置は、気体溶解水が流入する流入部と、前記気体溶解水が流出する流出部と、前記流入部と前記流出部との間に設けられている第1の微細気泡生成部と、前記第1の微細気泡生成部と前記流出部との間に設けられている第2の微細気泡生成部と、を備えており、前記第1の微細気泡生成部は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、前記縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えており、前記第2の微細気泡生成部は、第1の旋回流生成部と、前記第1の旋回流生成部の下流に設けられている第2の旋回流生成部と、を備えており、前記第1の旋回流生成部は、第1の外周部と、前記第1の外周部の内側に設けられており、前記第2の微細気泡生成部の中心軸に対して第1の旋回方向に流れる第1の旋回流を生成する複数の第1の羽根部と、を備え、前記第2の旋回流生成部は、第2の外周部と、前記第2の外周部の内側に設けられており、前記中心軸に対して、第1の旋回方向とは逆方向の第2の旋回方向に流れる第2の旋回流を生成する複数の第2の羽根部と、を備えている。
【0007】
上記の構成によると、微細気泡発生装置に流入する気体溶解水は、第1の微細気泡生成部に流入する。第1の微細気泡生成部に流入する気体溶解水は、縮径流路を通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。気体溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、気体溶解水は、拡径流路を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の気体溶解水が増圧されると、気体溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。次いで、第1の微細気泡生成部を通過した気体溶解水は、第2の微細気泡生成部の第1の旋回流生成部に流入する。第1の旋回流生成部に流入した気体溶解水は、複数の第1の羽根部によって、第2の微細気泡生成部の中心軸に対して第1の旋回方向に流れる旋回流となる。次いで、第1の旋回流生成部から流出する気体溶解水は、第2の旋回流生成部に流入する。第2の旋回流生成部に流入した気体溶解水は、複数の第2の羽根部によって、第2の微細気泡生成部の中心軸に対して、第1の旋回方向とは逆方向の第2の旋回方向に流れる旋回流となる。気体溶解水が、第1の旋回方向に流れる旋回流から第2の旋回方向に流れる旋回流となることによって、乱流が促進される。乱流が促進されることによって、第2の羽根部を流れる気体溶解水同士が衝突しやすくなる。気体溶解水が衝突することによって、気体溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。従って、微細気泡を大量に生成することができる。
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第2の微細気泡生成部を中心軸方向に見た場合に、第2の羽根部の第1の旋回方向側の端部は、第1の羽根部の第1の旋回方向側の端部よりも第1の旋回方向側に位置しており、第2の羽根部の第2の旋回方向側の端部は、第1の羽根部の第1の旋回方向側の端部よりも第2の旋回方向側に位置していてもよい。
【0009】
仮に、第2の微細気泡生成部を中心軸方向に見た場合に、第1の羽根部と、第2の羽根部と、が完全に重なっている場合、第1の旋回流生成部から第2の旋回流生成部に流入する気体溶解水の多くが、第2の羽根部の第2の旋回方向側の端部近傍に流入しやすくなる。この場合、第2の旋回流生成部に流入した気体溶解水に対して、第2の旋回方向に流れる旋回流を生じさせる前に、気体溶解水が第2の旋回流生成部から流出しやすくなってしまう。一方、上記の構成によると、第2の微細気泡生成部を中心軸方向に見た場合に、第1の羽根部の第1の旋回方向側の端部は、第2の羽根部の第1旋回方向側の端部と第2旋回方向側の端部との間に位置している。この場合、第2の旋回流生成部に流入する気体溶解水の多くが、第2の羽根部の第1の旋回方向側の端部に流入しやすくなる。このため、第2の旋回流生成部において、気体溶解水の多くが第2の旋回方向に流れる旋回流となり、その結果、乱流がより促進される。従って、第2の羽根部を流れる気体溶解水同士がより衝突しやすくなる。この結果、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において第1の羽根部、及び、第2の羽根部の上流側の面には、それぞれ、上流側に突出する上流側突出部が設けられていてもよい。
【0011】
上記の構成によると、第1の旋回流生成部の第1の羽根部を第1の旋回方向に流れる気体溶解水が、第1の羽根部の上流側の面に設けられている上流側突出部に衝突し、気体溶解水の乱流が促進される。これにより、第1の羽根部を流れる気体溶解水同士が衝突しやすくなる。また、第2の旋回流生成部の第2の羽根部を第2の旋回方向に流れる気体溶解水が、第2の羽根部の上流側の面に設けられている上流側突出部に衝突し、気体溶解水の乱流が促進される。これにより、第2の羽根部を流れる気体溶解水同士がより衝突しやすくなる。従って、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1の羽根部、及び、第2の羽根部の下流側の面には、それぞれ、下流側に突出する下流側突出部が設けられていてもよい。
【0013】
上記の構成によると、第1の旋回流生成部の第1の羽根部から流出する気体溶解水が、第1の旋回方向において当該第1の羽根部に隣り合う別の第1の羽根部の下流側の面に設けられている下流側突出部に衝突し、気体溶解水の乱流が促進される。これにより、第1の羽根部から流出する気体溶解水同士が衝突しやすくなる。また、第2の旋回流生成部の第2の羽根部から流出する気体溶解水が、第2の旋回方向において当該第2の羽根部に隣り合う別の第2の羽根部の下流側の面に設けられている下流側突出部に衝突し、気体溶解水の乱流が促進される。これにより、第2の羽根部から流出する気体溶解水同士が衝突しやすくなる。従って、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1の羽根部、及び、第2の羽根部の上流側の面には、それぞれ、上流側に突出する上流側突出部が設けられており、第1の羽根部、及び、第2の羽根部の下流側の面には、それぞれ、下流側に突出する下流側突出部が設けられており、中心軸と上流側突出部との間の距離は、中心軸と下流側突出部との間の距離と異なっていてもよい。
【0015】
上記の構成によると、第1の旋回流生成部において、上流側突出部に衝突することなく、第1の羽根部から流出する気体溶解水を、第1の旋回方向において当該第1の羽根部に隣り合う別の第1の羽根部の下流側の面に設けられている下流側突出部に衝突させることができる。第2の旋回流生成部においても、上流側突出部に衝突することなく、第2の羽根部から流出する気体溶解水を、第2の旋回方向において当該第2の羽根部に隣り合う別の第2の羽根部の下流側の面に設けられている下流側突出部に衝突させることができる。即ち、第1の旋回流生成部において、気体溶解水が、上流側突出部及び下流側突出部のうちの少なくとも一方に衝突する可能性を高めることができ、かつ、第2の旋回流生成部において、気体溶解水が、上流側突出部及び下流側突出部のうちの少なくとも一方に衝突する可能性を高めることができる。従って、気体溶解水の乱流が促進させることができ、微細気泡をより大量に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例に係る給湯システム2の構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施例に係る微細気泡発生装置46の斜視図である。
【
図3】実施例に係る微細気泡発生装置46の断面図である。
【
図4】実施例に係る微細気泡発生装置46の本体ケース100を取外した状態の斜視図である。
【
図5】実施例に係る第1の微細気泡生成部110を上流側から見た図である。
【
図6】実施例に係る第1の微細気泡生成部110を下流側から見た図である。
【
図7】実施例に係る第2の微細気泡生成部112のセルユニット130を上流側から見た分解図である。
【
図8】実施例に係る第2の微細気泡生成部112のセルユニット130を下流側から見た分解図である。
【
図9】実施例に係る第1の旋回流生成部140を上流側から見た図である。
【
図10】実施例に係る第2の旋回流生成部142を上流側から見た図である。
【
図11】
図3のXI-XI線に沿った断面図である。
【
図12】
図3のXII-XII線に沿った断面図である。
【
図13】
図3のXIII-XIII線に沿った断面図である。
【
図14】
図3のXIV-XIV線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例)
(給湯システム2の構成;
図1)
図1に示す給湯システム2は、上水道などの給水源4から供給される水を加熱して、所望の温度まで加熱された水を、台所等に設置されたカラン6や、浴室に配置された浴槽8に供給することができる。また、給湯システム2は、浴槽8の水の追い焚きを行うことができる。
【0018】
給湯システム2は、第1の熱源機10と、第2の熱源機12と、燃焼室14と、を備えている。第1の熱源機10は、カラン6への給湯や浴槽8への湯はりのために使用される熱源機である。第2の熱源機12は、浴槽8の追い焚きのために使用される熱源機である。燃焼室14の内部は、仕切り壁部16によって、第1の燃焼室18と第2の燃焼室20に区画されている。第1の燃焼室18には、第1の熱源機10が収容されており、第2の燃焼室20には、第2の熱源機12が収容されている。
【0019】
第1の熱源機10は、第1のバーナ22と、第1の熱交換器24と、を備えている。第2の熱源機12は、第2のバーナ26と、第2の熱交換器28と、を備えている。
【0020】
第1の熱源機10の第1の熱交換器24の上流端は、給水路30の下流端に接続している。給水路30の上流端には、給水源4から水が供給される。第1の熱交換器24の下流端は、給湯路32の上流端に接続している。給水路30と給湯路32は、バイパス路34によって接続されている。給水路30とバイパス路34の接続箇所には、バイパスサーボ36が設けられている。バイパスサーボ36は、給水路30から第1の熱源機10に送られる水の流量と、給水路30からバイパス路34へ送られる水の流量の割合を調整する。バイパス路34と給湯路32の接続箇所において、給水路30、及び、バイパス路34を経由する低温水と、給水路30、第1の熱源機10、及び、給湯路32を経由する高温水とが混合される。バイパスサーボ36よりも上流側の給水路30には、水量センサ38と、水量サーボ40が設けられている。水量センサ38は、給水路30を流れる水の流量を検出する。水量サーボ40は、給水路30を流れる水の流量を調整する。バイパス路34との接続箇所よりも上流側の給湯路32には、熱交換器出口サーミスタ42が設けられている。
【0021】
バイパス路34の接続箇所よりも下流側の給湯路32には、湯はり路50の上流端が接続している。給湯路32と湯はり路50との接続箇所には、給湯サーミスタ44が設けられている。給湯路32とバイパス路34との接続箇所と、給湯路32と湯はり路50との接続箇所と、の間には、微細気泡発生装置46が設けられている。微細気泡発生装置46については、後で詳しく説明する。なお、以下では、給湯路32のうち微細気泡発生装置46よりも上流側の水路を第1の給湯路32aと記載し、給湯路32のうち微細気泡発生装置46よりも下流側の水路を第2の給湯路32bと記載することがある。
【0022】
湯はり路50の下流端は、追い焚き往路60の上流端、及び、第1の浴槽循環路62の下流端に接続している。追い焚き往路60の下流端は、第2の熱交換器28の上流端に接続している。第1の浴槽循環路62の上流端は、浴槽8に接続している。湯はり路50には、湯はり制御弁52と、逆止弁54と、が設けられている。湯はり制御弁52は、湯はり路50を開閉する。逆止弁54は、湯はり路50の上流側から下流側へ向かう水の流れを許容し、湯はり路50の下流側から上流側へ向かう水の流れを禁止する。湯はり路50、追い焚き往路60、及び、第1の浴槽循環路62の接続箇所には、浴槽戻りサーミスタ64が設けられている。追い焚き往路60には、循環ポンプ66が設けられている。
【0023】
第2の熱源機12の第2の熱交換器28の下流端は、第2の浴槽循環路68の上流端に接続している。第2の浴槽循環路68の下流端は、浴槽8に接続している。第2の浴槽循環路68には、浴槽往きサーミスタ70が設けられている。
【0024】
給湯システム2がカラン6への給湯を行う際には、湯はり制御弁52が閉じている状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。この場合、給水源4から給水路30に供給される水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、給湯路32からカラン6へ供給される。第1の熱源機10の第1のバーナ22の燃焼量や、バイパスサーボ36の開度を調整することで、給湯路32を流れる水の温度を所望の温度に調整することができる。
【0025】
給湯システム2が浴槽8への湯はりを行う際には、湯はり制御弁52が開いた状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。この場合、給水源4から給水路30に供給される水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、給湯路32から湯はり路50に流入する。この際に、第1の熱源機10の第1のバーナ22の燃焼量の調整や、バイパスサーボ36の開度の調整によって、水の温度は所望の温度に調整される。湯はり路50へ流入した水は、第1の浴槽循環路62を経由して、浴槽8へ流入するとともに、追い焚き往路60、第2の浴槽循環路68を経由して、浴槽8へ流入する。
【0026】
給湯システム2が浴槽8の追い焚きを行う際には、湯はり制御弁52が閉じている状態で、循環ポンプ66が駆動し、第2の熱源機12の第2のバーナ26が燃焼する。この場合、浴槽8の水は、第1の浴槽循環路62に流入し、追い焚き往路60を経由して、第2の熱源機12へ送られる。第2の熱源機12へ送られた水は、第2の熱交換器28での熱交換によって加熱された後、第2の浴槽循環路68へ流入する。この際に、第2の熱源機12の第2のバーナ26の燃焼量の調整によって、水の温度は所望の温度に調整される。第2の浴槽循環路68へ流入した水は、浴槽8へ戻される。
【0027】
(微細気泡発生装置46の構成;
図2~
図14)
続いて、
図2~
図14を参照して、給湯路32に設けられている微細気泡発生装置46について説明する。
図2に示すように、微細気泡発生装置46は、本体ケース100と、流入部102と、流出部104と、を備えている。本体ケース100の外壁100aは、四角柱形状を有している。
図11に示すように、微細気泡発生装置46を微細気泡発生装置46の中心軸A方向に見た場合に、本体ケース100の内壁部100bは、円形状を有している。以下では、微細気泡発生装置46の中心軸Aを、単に「中心軸A」と記載することがある。
図3に示すように、流入部102は、ネジ(図示省略)によって、本体ケース100の上流端部100cに固定されている。流入部102には、流入口102aが形成されている。流入部102は、第1の給湯路32a(
図1参照)の下流端に接続している。流出部104は、ネジ(図示省略)によって、本体ケース100の下流端部100dに固定されている。流出部104には、流出口104aが形成されている。流出部104は、第2の給湯路32b(
図1参照)の上流端に接続している。
【0028】
本体ケース100には、第1の微細気泡生成部110と、第2の微細気泡生成部112と、が収容されている。第1の微細気泡生成部110、及び、第2の微細気泡生成部112は、中心軸Aに沿って設けられている。第1の微細気泡生成部110、及び、第2の微細気泡生成部112は、第1の微細気泡生成部110、第2の微細気泡生成部112の順に、上流側から下流側に設けられている。なお、以下で記載する「時計回り方向」、及び、「反時計回り方向」は、微細気泡発生装置46を中心軸A方向において上流側から見たときの方向を意味している。
【0029】
(第1の微細気泡生成部110の構成;
図3~
図6)
続いて、
図3~
図6を参照して、第1の微細気泡生成部110について説明する。
図3、
図4に示すように、第1の微細気泡生成部110は、円筒形状を有している。
図3に示すように、第1の微細気泡生成部110の外径と本体ケース100の内径とは同じである。第1の微細気泡生成部110の中心軸は、中心軸Aと一致する。
【0030】
図3、
図5、
図6に示すように、第1の微細気泡生成部110には、8個のベンチュリ部120a~120hが設けられている。ベンチュリ部120aは、第1の微細気泡生成部110の中心部に設けられている。ベンチュリ部120aは、中心軸A上に設けられている。
図3に示すように、ベンチュリ部120aの上流部には、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路122aが設けられている。縮径流路122aの上流端部の流路径は、流入部102の流入口102aの流路径よりも小さい。ベンチュリ部120aの縮径流路122aよりも下流側には、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路124aが設けられている。
【0031】
図5、
図6に示すように、ベンチュリ部120b~120hは、ベンチュリ部120aに対して中心軸Aの径方向外側に設けられている。ベンチュリ部120b~120hは、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。ベンチュリ部120b~120hには、ベンチュリ部120aと同様に、縮径流路122b~122h(
図5参照)及び拡径流路124b~124h(
図6参照)が設けられている。縮径流路122a~122h及び拡径流路124a~124hによって、第1の微細気泡生成部110内の上流側流路126が画定される。なお、第1の微細気泡生成部110に設けられるベンチュリ部120の数は、8個に限定されず、1~7個でもよいし、9個以上であってもよい。
図3に示すように、流入部102から第1の微細気泡生成部110に流入する水は、上流側流路126を経由して、第2の微細気泡生成部112に流入する。
【0032】
(第2の微細気泡生成部112の構成;
図3、
図4、
図7~
図14)
続いて、
図3、
図4、
図7~
図14を参照して、第2の微細気泡生成部112について説明する。
図3、
図4に示すように、第2の微細気泡生成部112の中心軸は、中心軸Aと一致する。第2の微細気泡生成部112は、3個のセルユニット130を備えている。3個のセルユニット130は、中心軸Aに沿って設けられている。
【0033】
図7、
図8に示すように、セルユニット130は、第1の旋回流生成部140と、第2の旋回流生成部142と、を備えている。
図3に示すように、第1の旋回流生成部140及び第2の旋回流生成部142は、第1の旋回流生成部140、第2の旋回流生成部142の順に上流側から下流側に設けられている。
【0034】
図7に示すように、第1の旋回流生成部140は、第1の円筒部150と、5枚の第1の羽根部152a~152eと、第1のシャフト部154と、を備えている。なお、以下では、5枚の第1の羽根部152a~152eを総称して、単に「第1の羽根部152」と記載することがある。
図3に示すように、第1の円筒部150の外径は、本体ケース100の内径と同じである。第1の円筒部150及び第1のシャフト部154は、中心軸Aに沿って設けられている。このため、第1の円筒部150の中心軸及び第1のシャフト部154の中心軸は、第2の微細気泡生成部112の中心軸と一致する。第1の羽根部152は、第1の円筒部150の内壁と第1のシャフト部154の外壁とを接続している。
図7に示すように、第1の羽根部152は、反時計回りの方向に向かうにつれて、下流側に傾斜している。第1の羽根部152の上流側の面には、上流側に突出する2個の第1の上流側突出部156a、156bが設けられている。
図9に示すように、径方向内側に設けられている第1の上流側突出部156bの時計回り方向側の端部は、中心軸Aと径方向外側に設けられている第1の上流側突出部156aの時計周り方向側の端部とを結んだ仮想線よりもわずかに時計回り方向側に設けられている。第1の上流側突出部156aは、半円柱部162と、反時計回り方向に向かうにつれて先細になる先細部164と、を有している。第1の上流側突出部156aは、いわゆる涙形の断面形状を有している。微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、第1の上流側突出部156bの断面形状は、第1の上流側突出部156aの断面形状と同じである。
【0035】
図8に示すように、第1の羽根部152の下流側の面には、下流側に突出する2個の第1の下流側突出部158a、158bが設けられている。
図9に示すように、径方向内側に設けられている第1の下流側突出部158bの時計回り方向側の端部は、中心軸Aと径方向外側に設けられている第1の下流側突出部158aの時計回り方向側の端部とを結んだ仮想線よりも反時計回り方向側に設けられている。微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、第1の下流側突出部158a、158bの断面形状は、第1の上流側突出部156aの断面形状と同じである。径方向において、第1の下流側突出部158aは、第1の上流側突出部156aよりも外側に設けられており、第1の下流側突出部158bは、第1の上流側突出部156aと第1の上流側突出部156bとの間に設けられている。即ち、第1の上流側突出部156aと中心軸Aとの距離、第1の上流側突出部156bと中心軸Aとの距離、第1の下流側突出部158aと中心軸Aとの距離、及び、第1の下流側突出部158bと中心軸Aとの距離は、異なっている。
【0036】
図7に示すように、第2の旋回流生成部142は、第2の円筒部170と、5枚の第2の羽根部172a~172eと、第2のシャフト部174と、を備えている。なお、以下では、5枚の第2の羽根部172a~172eを総称して、単に「第2の羽根部172」と記載することがある。
図3に示すように、第2の円筒部170の外径は、本体ケース100の内径と同じである。第2の円筒部170及び第2のシャフト部174は、中心軸Aに沿って設けられている。このため、第2の円筒部170の中心軸及び第2のシャフト部174の中心軸は、第2の微細気泡生成部112の中心軸と一致する。第2の羽根部172は、第2の円筒部170の内壁と第2のシャフト部174の外壁とを接続している。
図7に示すように、第2の羽根部172は、時計回り方向に向かうにつれて、下流側に傾斜している。即ち、第2の羽根部172は、第1の旋回流生成部140の第1の羽根部152とは反対方向に向かって傾斜している。第2の羽根部172の上流側の面には、上流側に突出する2個の第2の上流側突出部176a、176bが設けられている。
図10に示すように、径方向内側に設けられている第2の上流側突出部176bの反時計回り方向側の端部は、中心軸Aと径方向外側に設けられている第2の上流側突出部176aの反時計回り方向側の端部とを結んだ仮想線よりもわずかに反時計回り方向側に設けられている。第2の上流側突出部176aは、半円柱部182と、時計回り方向に向かうにつれて先細になる先細部184と、を有している。第2の上流側突出部176aは、いわゆる涙形の断面形状を有している。微細気泡発生装置46を中心軸Aに沿って見た場合に、第2の上流側突出部176bの断面形状は、第2の上流側突出部176aの断面形状と同じである。
図12に示すように、微細気泡発生装置46を中心軸A方向において上流側から見た場合に、第2の羽根部172aの反時計回り方向側の第2の流入側端部180bは、第1の羽根部152aの反時計回り方向側の第1の流出側端部160aよりも反時計周り方向側に位置しており、第2の羽根部172の時計回り方向側の第2の流出側端部180aは、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aよりも時計回り方向側に位置している。また、
図14に示すように、微細気泡発生装置46を中心軸A方向において上流側から見た場合に、第1の羽根部152aの時計回り方向側の第1の流入側端部160bは、第2の羽根部172aの第2の流出側端部180aよりも時計周り方向側に位置しており、第1の羽根部152aの第1の流出側端部160aは、第2の羽根部172aの第2の流出側端部180aよりも反時計回り方向側に位置している。即ち、微細気泡発生装置46を中心軸A方向に上流側から見た場合に、第1の羽根部152a~152fは、第2の羽根部172a~172fと完全には重なっていない。
【0037】
図8に示すように、第2の羽根部172の下流側の面には、下流側に突出する2個の第2の下流側突出部178a、178bが設けられている。
図10に示すように、径方向内側に設けられている第2の下流側突出部178bの反時計回り方向側の端部は、中心軸Aと径方向外側に設けられている第2の下流側突出部178aの反時計回り方向側の端部、を結んだ仮想線よりも時計回り方向側に設けられている。微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、第2の下流側突出部178a、178bの断面形状は、第2の上流側突出部176aの断面形状と同じである。径方向において、第2の下流側突出部178aは、第2の上流側突出部176aよりも外側に設けられており、第2の下流側突出部178bは、第2の上流側突出部176aと第2の上流側突出部176bとの間に設けられている。即ち、第2の上流側突出部176aと中心軸Aとの距離、第2の上流側突出部176bと中心軸Aとの距離、第2の下流側突出部178aと中心軸Aとの距離、及び、第2の下流側突出部178bと中心軸Aとの距離は、異なっている。
【0038】
続いて、
図3、
図11~
図14を参照して、微細気泡発生装置46によって生成される微細気泡について説明する。なお、
図11~
図14の実線の矢印は、水の流れる方向を示している。本実施例の微細気泡発生装置46は、上水道等の給水源4から供給される水に含まれる空気を利用して、微細気泡を生成する。上水道から供給される水には空気(酸素、二酸化炭素、窒素等)が溶解している。以下では、空気が溶解している水を、「空気溶解水」と記載する。また、以下では、ユーザによってカラン6が操作される状況を想定して説明する。
図1に示すように、ユーザによってカラン6が操作されると、湯はり制御弁52が閉じている状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。給水源4から給水路30に供給される空気溶解水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、第1の給湯路32aを経由して、微細気泡発生装置46に流入する。
【0039】
微細気泡発生装置46によって生成される微細気泡について説明する前に、微細気泡発生装置46が第1の給湯路32aに設けられている理由について説明する。水に溶解可能な空気の量を示す溶存空気量は、水の温度が高いほど小さくなる。そして、水に溶解している空気の量が溶存空気量に近いほど、気泡が発生しやすい。後で詳しく説明するが、微細気泡発生装置46では、空気溶解水に気泡を発生させ、当該気泡を微細にすることによって、微細気泡を生成している。このため、空気溶解水に生成される気泡が多いほど、微細気泡の量を多くすることができる。このような理由により、本実施例では、第1の熱源機10によって加熱された水が流れる第1の給湯路32aに微細気泡発生装置46を設けている。
【0040】
図3に示すように、微細気泡発生装置46へ流入した空気溶解水は、流入部102の流入口102aを経由して、第1の微細気泡生成部110内の上流側流路126に流入する。上流側流路126へ流入した空気溶解水は、ベンチュリ部120a~120hに流入する。例えば、ベンチュリ部120aへ流入した空気溶解水は、縮径流路122aに流入する。縮径流路122aに流入した空気溶解水は、縮径流路122aを通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。空気溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。縮径流路122aを通過した空気溶解水は、拡径流路124aに流入する。拡径流路124aに流入した空気溶解水は、拡径流路124aを通過することによって、流速が減少し、その結果増圧される。減圧によって気泡が発生した後の空気溶解水が増圧されると、空気溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。拡径流路124aを通過した水は、第2の微細気泡生成部112に流入する。このように、空気溶解水がベンチュリ部120aを通過することによって、微細気泡が生成される。ベンチュリ部120b~120hを通過する空気溶解水についても、空気溶解水がベンチュリ部120b~120hを通過することによって微細気泡が生成される。第1の微細気泡生成部110内の上流側流路126を通過した空気溶解水は、第2の微細気泡生成部112に流入する。
【0041】
第1の微細気泡生成部110から流出する空気溶解水は、第2の微細気泡生成部112の3個のセルユニット130のうちの最も上流側のセルユニット130の第1の旋回流生成部140に流入する。
図11に示すように、第1の旋回流生成部140に流入した空気溶解水は、第1の旋回流生成部140の第1の羽根部152を通過することによって反時計回り方向に流れる旋回流となる。空気溶解水の一部は、第1の羽根部152の上流側の面に設けられている第1の上流側突出部156a、156bに衝突する。空気溶解水が、第1の上流側突出部156a、156bに衝突することによって、空気溶解水の乱流が促進される。特に、第1の上流側突出部156aと第1の上流側突出部156bとの間では、渦流が発生する。これにより、第1の羽根部152を流れる空気溶解水同士が衝突し、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。そして、空気溶解水は、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aから流出する。なお、第1の上流側突出部156a、156bが半円柱部162と先細部164とで構成されているために、第1の羽根部152に第1の上流側突出部156a、156bが設けられていない構成と比較して、乱流を促進させることできる。また、例えば、第1の上流側突出部156a、156bが円柱形状などである構成と比較して、圧力損失を少なくすることができる。このため、乱流を促進させつつ、圧力損失を少なくすることができる。
【0042】
図12に示すように、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aから流出する空気溶解水の一部は、反時計回り方向において当該第1の羽根部152に隣り合う別の第1の羽根部152の下流側の面に設けられている第1の下流側突出部158a、158bに衝突する。例えば、第1の羽根部152aの第1の流出側端部160aから流出する空気溶解水の一部は、反時計回り方向において第1の羽根部152aに隣り合う第1の羽根部152eの下流側の面に設けられている第1の下流側突出部158a、158bに衝突する。空気溶解水が、第1の下流側突出部158a、158bに衝突することによって、空気溶解水の乱流がより促進される。これにより、第1の羽根部152から流出する空気溶解水同士が衝突しやすくなり、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。そして、空気溶解水は、第2の旋回流生成部142に流入する。本実施例では、微細気泡発生装置46を中心軸A方向において上流側から見た場合に、第2の羽根部172の第2の流入側端部180bは、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aよりも反時計周り方向側に位置しており、第2の羽根部172の第2の流出側端部180aは、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aよりも時計回り方向側に位置している。即ち、微細気泡発生装置46を中心軸A方向に上流側から見た場合に、第1の羽根部152a~152fは、第2の羽根部172a~172fと完全には重なっていない。このため、第1の羽根部152aから流出する空気溶解水の多くは、第2の羽根部172aの第2の流入側端部180b近傍に流入する。なお、第1の羽根部152aから流出する空気溶解水の一部は、第2の羽根部172aの第2の流入側端部180bよりも時計回り方向側に流入する。
【0043】
図13に示すように、第2の旋回流生成部142に流入した空気溶解水は、第2の旋回流生成部142の第2の羽根部172を通過することによって時計回り方向に流れる旋回流となる。空気溶解水が、反時計回り方向に流れる旋回流から時計回り方向に流れる旋回流となることによって、乱流が促進される。そして、時計回り方向に流れる空気溶解水の一部が、第2の羽根部172の上流側の面に設けられている第2の上流側突出部176a、176bに衝突する。空気溶解水が、第2の上流側突出部176a、176bに衝突することによっても、空気溶解水の乱流が促進される。特に、第2の上流側突出部176aと第2の上流側突出部176bとの間では、渦流が発生する。これにより、第2の羽根部172を流れる空気溶解水同士が衝突しやすくなり、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。そして、空気溶解水は、第2の羽根部172の第2の流出側端部180aから流出する。
【0044】
図14に示すように、第2の羽根部172の第2の流出側端部180aから流出する空気溶解水の一部は、時計回り方向において当該第2の羽根部172に隣り合う別の第2の羽根部172の下流側の面に設けられている第2の下流側突出部178a、178bに衝突する。例えば、第2の羽根部172aの第2の流出側端部180aから流出する空気溶解水の一部は、時計回り方向において第2の羽根部172aに隣り合う第2の羽根部172bの下流側の面に設けられている第2の下流側突出部178a、178bに衝突する。空気溶解水が、第2の下流側突出部178a、178bに衝突することによって、空気溶解水の乱流がより促進される。これにより、第2の羽根部172から流出する空気溶解水同士が衝突しやすくなり、その結果、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になり、微細気泡の量がより多くなる。そして、空気溶解水は、下流側にあるセルユニット130の第1の旋回流生成部140に流入する。例えば、第2の羽根部172aから流出する空気溶解水の多くは、第1の羽根部152aの第1の流入側端部160b近傍に流入する。なお、第2の羽根部172aから流出する空気溶解水の一部は、第1の羽根部152aの第1の流入側端部160bよりも反時計回り方向側に流入する。
【0045】
上記のようにして、空気溶解水は、合計3個のセルユニット130を通過する。これにより、空気溶解水内の微細気泡が微細化され、大量の微細気泡が生成される。
【0046】
上記の構成によると、
図2~
図14に示すように、微細気泡発生装置46は、流入部102と、流出部104と、流入部102と流出部104との間に設けられている第1の微細気泡生成部110と、第1の微細気泡生成部110と流出部104との間に設けられている第2の微細気泡生成部112と、を備えている。
図5、
図6に示すように、第1の微細気泡生成部110は、縮径流路122a~122hと、拡径流路124a~124hと、を備えている。
図7、
図8に示すように、第2の微細気泡生成部112は、第1の旋回流生成部140と、第2の旋回流生成部142と、を備えている。
図7、
図8に示すように、第1の旋回流生成部140は、第1の円筒部150と、第2の微細気泡生成部112の中心軸に対して反時計回り方向に流れる旋回流を生成する複数の第1の羽根部152と、を備えている。第2の旋回流生成部142は、第2の円筒部170と、第2の微細気泡生成部112の中心軸に対して、反時計回り方向とは逆方向の時計回り方向に流れる旋回流を生成する複数の第2の羽根部172と、を備えている。
図3に示すように、第1の微細気泡生成部110に流入する空気溶解水は、縮径流路122を通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。空気溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、空気溶解水は、拡径流路124を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の空気溶解水が増圧されると、空気溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。次いで、第1の微細気泡生成部110を通過した空気溶解水は、第2の微細気泡生成部112の第1の旋回流生成部140に流入する。第1の旋回流生成部140に流入した空気溶解水は、複数の第1の羽根部152によって、第2の微細気泡生成部112の中心軸に対して反時計回り方向に流れる旋回流となる。次いで、第1の旋回流生成部140から流出する空気溶解水は、第2の旋回流生成部142に流入する。第2の旋回流生成部142に流入した空気溶解水は、複数の第2の羽根部172によって、第2の微細気泡生成部112の中心軸に対して、反時計回り方向とは逆方向の時計回り方向に流れる旋回流となる。空気溶解水が、反時計回り方向に流れる旋回流から時計回り方向に流れる旋回流となることによって、乱流が促進される。乱流が促進されることによって、第2の羽根部172を流れる空気溶解水同士が衝突しやすくなる。空気溶解水が衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。このため、より微細な気泡を生成することができ、微細気泡の量が多くなる。従って、微細気泡を大量に生成することができる。
【0047】
また、
図12に示すように、第2の微細気泡生成部112を第2の微細気泡生成部112の中心軸方向に見た場合に、第2の羽根部172の反時計回り方向側の第2の流入側端部180bは、第1の羽根部152の反時計回り方向側の第1の流出側端部160aよりも反時計回り方向側に位置しており、第2の羽根部172の時計回り方向側の第2の流出側端部180aは、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aよりも時計回り方向側に位置している。上記の構成によると、第2の旋回流生成部142に流入する空気溶解水の多くが、第2の羽根部172の反時計回り方向側の第2の流入側端部180b近傍に流入しやすくなる。このため、第2の旋回流生成部142において、空気溶解水の多くが時計回り方向に流れる旋回流となり、その結果、乱流がより促進される。従って、第2の羽根部172を流れる空気溶解水同士がより衝突しやすくなる。この結果、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0048】
また、
図7に示すように、第1の羽根部152、及び、第2の羽根部172の上流側の面には、それぞれ、上流側に突出する第1の上流側突出部156a、156b、及び、第2の上流側突出部176a、176bが設けられている。上記の構成によると、第1の旋回流生成部140の第1の羽根部152を反時計回り方向に流れる空気溶解水が、第1の上流側突出部156a、156bに衝突し、空気溶解水の乱流が促進される。これにより、第1の羽根部152を流れる空気溶解水同士が衝突しやすくなる。また、第2の旋回流生成部142の第2の羽根部172を時計回り方向に流れる空気溶解水が、第2の上流側突出部176a、176bに衝突し、時計回り方向に流れる空気溶解水の乱流が促進される。これにより、第2の羽根部172を流れる空気溶解水同士がより衝突しやすくなる。従って、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0049】
また、
図8に示すように、第1の羽根部152、及び、第2の羽根部172の下流側の面には、それぞれ、下流側に突出する第1の下流側突出部158a、158b、及び、第2の下流側突出部178a、178bが設けられている。上記の構成によると、第1の旋回流生成部140の第1の羽根部152から流出する空気溶解水が、反時計回り方向において当該第1の羽根部152に隣り合う別の第1の羽根部152の下流側の面に設けられている第1の下流側突出部158a、158bに衝突し、空気溶解水の乱流が促進される。これにより、第1の羽根部152から流出する空気溶解水同士が衝突しやすくなる。また、第2の旋回流生成部142の第2の羽根部172から流出する空気溶解水が、時計回り方向において当該第2の羽根部172に隣り合う別の第2の羽根部172の下流側の面に設けられている第2の下流側突出部178a、178bに衝突し、空気溶解水の乱流が促進される。これにより、第2の羽根部172から流出する空気溶解水同士が衝突しやすくなる。従って、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0050】
また、
図7、
図8に示すように、第1の羽根部152、及び、第2の羽根部172の上流側の面には、それぞれ、上流側に突出する第1の上流側突出部156a、156b、及び、第2の上流側突出部176a、176b、が設けられており、第1の羽根部152、及び、第2の羽根部172の下流側の面には、それぞれ、下流側に突出する第1の下流側突出部158a、158b、及び、第2の下流側突出部178a、178bが設けられておいる。
図9に示すように、第2の微細気泡生成部112の中心軸と第1の上流側突出部156a、156bとの間の距離は、当該中心軸と第1の下流側突出部158a、158bとの間の距離と異なっている。上記の構成によると、第1の旋回流生成部140において、第1の上流側突出部156a、156bに衝突することなく、第1の羽根部152から流出する空気溶解水が、反時計回り方向において当該第1の羽根部152に隣り合う別の第1の羽根部152の下流側の面に設けられている第1の下流側突出部158a、158bに衝突させることができる。また、
図10に示すように、第2の微細気泡生成部112の中心軸と第2の上流側突出部176a、176bとの間の距離は、当該中心軸と第2の下流側突出部178a、178bとの間の距離と異なっている。上記の構成によると、第2の旋回流生成部142において、第2の上流側突出部176a、176bに衝突することなく、第2の羽根部172から流出する空気溶解水が、反時計回り方向において当該第2の羽根部172に隣り合う別の第2の羽根部172の下流側の面に設けられている第2の下流側突出部178a、178bに衝突させることができる。即ち、第1の旋回流生成部140において、空気溶解水が、第1の上流側突出部156a、156b及び第1の下流側突出部158a、158bのうちの少なくとも一方に衝突する可能性を高めることができ、かつ、第2の旋回流生成部142において、空気溶解水が、第2の上流側突出部176a、176b及び第2の下流側突出部178a、178bのうちの少なくとも一方に衝突する可能性を高めることができる。従って、空気溶解水の乱流が促進させることができ、微細気泡をより大量に生成することができる。
【0051】
(対応関係)
空気溶解水が、「気体溶解水」の一例である。第1の円筒部150、第2の円筒部170が、それぞれ、「第1の外周部」、「第2の外周部」の一例である。反時計回り方向、時計回り方向、が、それぞれ、「第1の旋回方向」、「第2の旋回方向」の一例である。
第2の羽根部172の第2の流入側端部180b、第2の羽根部172の第2の流出側端部180a、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aが、それぞれ、「第2の羽根部の第1の旋回方向側の端部」、「第2の羽根部の第2の旋回方向側の端部」、「第1の羽根部の第1の旋回方向側の端部」の一例である。第1の上流側突出部156a、156b、及び、第2の上流側突出部176a、176bが、「上流側突出部」の一例である。第1の下流側突出部158a、158b、及び、第2の下流側突出部178a、178bが、「下流側突出部」の一例である。
【0052】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0053】
(第1変形例)微細気泡発生装置46が設けられている位置は第1の給湯路32aに限定されない。微細気泡発生装置46は、給水路30、湯はり路50、追い焚き往路60、第1の浴槽循環路62、第2の浴槽循環路68に設けられていてもよい。
【0054】
(第2変形例)上記の給湯システム2では、上水道等の給水源4から供給される水に含まれる空気を利用して、微細気泡を生成する。変形例では、給湯システム2は、外部から取り込んだ空気を水に溶解させる空気溶解水生成装置を備えていてもよい。そして、空気溶解水生成装置によって生成された空気溶解水が、微細気泡発生装置46に供給されてもよい。また、別の変形例では、第1の微細気泡生成部110の縮径流路122a~122fと拡径流路124a~124fとの接続部に、外部から空気を導入する空気導入通路が設けられていてもよい。また、空気に代えて、炭酸ガス、水素、酸素等の気体が水に溶解していてもよい。
【0055】
(第3変形例)第1の羽根部152が、時計回りの方向に向かうにつれて、下流側に傾斜しており、第2の羽根部172が、反時計回りの方向に向かうにつれて、下流側に傾斜していてもよい。即ち、第1の羽根部152を流れる空気溶解水が時計回り方向に流れ、第2の羽根部172を流れる空気溶解水が反時計回り方向に流れてもよい。
【0056】
(第4変形例)微細気泡発生装置46が有するセルユニット130の数は、1個、2個でもよいし、4個以上でもよい。
【0057】
(第5変形例)第2の微細気泡生成部112は、2個の第1の旋回流生成部140と、1個の第2の旋回流生成部142と、で構成されていてもよい。本変形例では、2個の第1の旋回流生成部140、及び、1個の第2の旋回流生成部142は、第1の旋回流生成部140、第2の旋回流生成部142、第1の旋回流生成部140の順に、上流側から下流側に設けられている。一般的に言うと、第1の旋回流生成部140の数と、第2の旋回流生成部142の数と、が異なっていてもよい。
【0058】
(第6変形例)微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、第1の羽根部152の第1の流出側端部160aと、第2の羽根部172の第2の流入側端部180bと、が重なっており、第1の羽根部152の第1の流入側端部160bと、第2の羽根部172の第2の流出側端部180aと、が重なっていてもよい。即ち、微細気泡発生装置46を中心軸A方向に見た場合に、第1の羽根部152と第2の羽根部172とが完全に重なっていてもよい。
【0059】
(第6変形例)第1の羽根部152が、第1の上流側突出部156a、156b及び第1の下流側突出部158a、158bを備えておらず、第2の羽根部172が、第2の上流側突出部176a、176b及び第2の下流側突出部178a、178bを備えていなくてもよい。また、別の変形例では、第1の羽根部152は、第1の上流側突出部156a、156b及び第1の下流側突出部158a、158bのうちの一方の突出部を備えておらず、第2の羽根部172は、第2の上流側突出部176a、176b及び第2の下流側突出部178a、178bのうちの一方の突出部を備えていなくてもよい。
【0060】
(第7変形例)第1の上流側突出部156a、156b、第1の下流側突出部158a、158b、第2の上流側突出部176a、176b、及び、第2の下流側突出部178a、178bの数は、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0061】
(第8変形例)中心軸Aと第1の上流側突出部156a、156bとの間の距離が、中心軸Aと第1の下流側突出部158a、158bとの間の距離と同じでもよい。また、中心軸Aと第2の上流側突出部176a、176bとの間の距離が、中心軸Aと第2の下流側突出部178a、178bとの間の距離と同じでもよい。
【0062】
(第9変形例)微細気泡発生装置46を中心軸A方向において上流側から見た場合における、第1の上流側突出部156a、156b、第1の下流側突出部158a、158b、第2の上流側突出部176a、176b、及び、第2の下流側突出部178a、178bの断面形状が、円形状、扇形状、三角形状などであってもよい。
【0063】
(第10変形例)「第1の外周部」、「第2の外周部」は、それぞれ、第1の円筒部150、第2の円筒部170に限定されず、中心軸Aに沿って延びる筒形状を有している部材であればよい。
【0064】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0065】
2 :給湯システム
4 :給水源
6 :カラン
8 :浴槽
10 :第1の熱源機
12 :第2の熱源機
14 :燃焼室
16 :仕切り壁部
18 :第1の燃焼室
20 :第2の燃焼室
22 :第1のバーナ
24 :第1の熱交換器
26 :第2のバーナ
28 :第2の熱交換器
30 :給水路
32 :給湯路
32a :第1の給湯路
32b :第2の給湯路
34 :バイパス路
36 :バイパスサーボ
38 :水量センサ
40 :水量サーボ
42 :熱交換器出口サーミスタ
44 :給湯サーミスタ
46 :微細気泡発生装置
50 :湯はり路
52 :湯はり制御弁
54 :逆止弁
60 :追い焚き往路
62 :第1の浴槽循環路
64 :浴槽戻りサーミスタ
66 :循環ポンプ
68 :第2の浴槽循環路
70 :浴槽往きサーミスタ
100 :本体ケース
100a :外壁
100b :内壁部
100c :上流端部
100d :下流端部
102 :流入部
102a :流入口
104 :流出部
104a :流出口
110 :第1の微細気泡生成部
112 :第2の微細気泡生成部
120a-120h:ベンチュリ部
122a-122h:縮径流路
124a-124h:拡径流路
126 :上流側流路
130 :セルユニット
140 :第1の旋回流生成部
142 :第2の旋回流生成部
150 :第1の円筒部
152a-152f:第1の羽根部
154 :第1のシャフト部
156a、156b:第1の上流側突出部
158a、158b:第1の下流側突出部
160a :第1の流出側端部
160b :第1の流入側端部
162 :半円柱部
164 :先細部
170 :第2の円筒部
172a-172f:第2の羽根部
174 :第2のシャフト部
176a、176b:第2の上流側突出部
178a、178b:第2の下流側突出部
180a :第2の流出側端部
180b :第2の流入側端部
182 :半円柱部
184 :先細部
A :中心軸