(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018735
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/20 20120101AFI20220120BHJP
【FI】
B65B9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122065
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】浦岡 繁宣
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050BA11
3E050DC02
3E050DD03
3E050DF01
3E050FA01
3E050FB01
3E050FC01
3E050FC05
3E050FC06
3E050GB06
(57)【要約】
【課題】内部を物品が落下搬送される筒状部材の下端部に揺動部材が配置されている製袋包装機であって、筒状部材と揺動部材との連結部に物品が引っ掛かる不具合が発生しにくい製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機は、シート状のフィルムを筒状に成形する成形部、少なくとも部分的に成形部の下方に配置され、内部を物品が落下搬送される筒状部材20、ゲート部材、連結部60、及び、ゲート部材の下方に配置され、筒状に成形されたフィルムを上下方向に交差する横方向にシールする横シール機構を備える。ゲート部材は、筒状部材の下端部に配置される。連結部は、筒状部材の内部側に張り出すように配置され、ゲート部材を筒状部材に対して揺動可能に連結する。連結部は、第1面62aを含む上面62を有する。第1面は、平面視において、筒状部材の中心Oと上面の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って、水平面に対して傾斜する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のフィルムを筒状に成形する成形部と、
少なくとも部分的に前記成形部の下方に配置され、内部を物品が落下搬送される筒状部材と、
前記筒状部材の下端部に配置される揺動部材と、
前記筒状部材の内部側に張り出すように配置され、前記揺動部材を前記筒状部材に対して揺動可能に連結する連結部と、
前記揺動部材の下方に配置され、筒状に成形された前記フィルムを上下方向に交差する横方向にシールする横シール機構と、
を備え、
前記連結部は、上面を有し、
前記上面は、平面視において、前記筒状部材の中心と前記上面の重心とを結ぶ第1直線に交差する第1方向に沿って、水平面に対して傾斜する第1面を含む、
製袋包装機。
【請求項2】
前記筒状部材の前記中心側から前記第1面を水平方向に見た時に、前記第1面は、平面視において前記第1直線に直交する第2方向に沿って低くなるとともに、上下方向の幅が広くなる、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記第1面は、平面である、
請求項1又は2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記第1面は、前記第1直線に沿う方向において、前記筒状部材の中心側が低い、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記上面は、前記第1面と交差する、水平面に対して傾斜する第2面を含む、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記揺動部材は、前記筒状部材の周方向に、互いに離間して複数配置され、
複数の前記連結部の前記第1面は、前記周方向において同一方向に傾斜する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記第1面は、前記第1面上に落下してくる前記物品に対し、前記筒状部材の周方向の力を作用させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記第1面は、前記第1面上に落下してくる前記物品に対し、前記第1直線に沿う方向において、前記筒状部材の前記中心側に向かう力を作用させる、
請求項7に記載の製袋包装機。
【請求項9】
前記揺動部材は、前記筒状部材内を落下してくる前記物品を受け止めるゲート部材、及び、前記成形部により筒状に成形されて前記筒状部材の外面に沿って搬送されてくる前記フィルムを押し広げるスプレッダ、の少なくとも一方を含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関し、特には、落下供給される物品を内部に収容した袋を製造する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
落下供給される物品を内部に収容した袋を製造する製袋包装機において、内部を物品が落下搬送される筒状部材の下端部に、特許文献1(特開2013-035601号公報)に開示されているようなスプレッダと同様の機能の揺動部材や、特許文献2(国際公開第2007/063781号)に開示されているゲート部材と同様の機能の揺動部材が連結される場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
筒状部材にこのような揺動部材が取り付けられる場合、物品の形状・大きさ等によっては、筒状部材の内部側に張り出す、筒状部材と揺動部材との連結部に物品が引っ掛かり、物品が袋内に供給されない不具合等が発生するおそれがある。
【0004】
本発明の課題は、内部を物品が落下搬送される筒状部材の下端部に揺動部材が配置されている製袋包装機であって、筒状部材と揺動部材との連結部に物品が引っ掛かる不具合が発生しにくい製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、成形部と、筒状部材と、揺動部材と、連結部と、横シール機構と、を備える。成形部は、シート状のフィルムを筒状に成形する。筒状部材は、少なくとも部分的に成形部の下方に配置され、内部を物品が落下搬送される。揺動部材は、筒状部材の下端部に配置されている。連結部は、筒状部材の内部側に張り出すように配置され、揺動部材を筒状部材に対して揺動可能に連結する。横シール機構は、揺動部材の下方に配置され、筒状に成形されたフィルムを上下方向に交差する横方向にシールする。連結部は、上面を有する。上面は、第1面を含む。第1面は、平面視において、筒状部材の中心と上面の重心とを結ぶ第1直線に交差する第1方向に沿って、水平面に対して傾斜する。
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装機では、平面視において、筒状部材を落下してきて連結部の第1面に接触した物品に回転力が作用しやすい。そのため、物品が連結部に引っ掛かりにくく、物品が袋内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0007】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、筒状部材の中心側から第1面を水平方向に見た時に、第1面は、平面視において第1直線に直交する第2方向に沿って低くなるとともに、上下方向の幅が広くなる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装機では、第1面の上部側の幅が小さく形成されているため、物品は第1面の上部に引っ掛かりにくく、物品が袋内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0009】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第1観点又は第2観点に係る製袋包装機であって、第1面は平面である。
【0010】
本発明の第3観点に係る製袋包装機では、第1面が平面でシンプルな形状であるため、連結部を比較的シンプルな構造で実現できる。
【0011】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第1面は、第1直線に沿う方向において、筒状部材の中心側が低い。
【0012】
本発明の第4観点に係る製袋包装機では、第1面が第1直線に沿う方向において筒状部材の中心側ほど低くなるよう傾斜しているため、物品が連結部に引っ掛からずに落下しやすい。
【0013】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第4観点のいずれかに係る製袋包装機であって、連結部の上面は、第1面と交差する、水平面に対して傾斜する第2面を含む。
【0014】
本発明の第5観点に係る製袋包装機では、第1面に交差し、かつ、水平面に対して傾斜する第2面を有することで、物品の落下速度が遅くなることを抑制できる。
【0015】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第1観点から第5観点のいずれかに係る製袋包装機であって、揺動部材は、筒状部材の周方向に、互いに離間して複数配置される。複数の連結部の第1面は、周方向において同一方向に傾斜する。
【0016】
本発明の第6観点に係る製袋包装機では、複数の連結部の第1面が周方向において同一方向に傾斜しているため、物品が複数の連結部の第1面に跨るように落下した場合にも、物品を周方向に回転させて、連結部への物品の引っ掛かりを抑制できる。
【0017】
本発明の第7観点に係る製袋包装機は、第1観点から第6観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第1面は、第1面上に落下してくる物品に対し、筒状部材の周方向の力を作用させる。
【0018】
本発明の第7観点に係る製袋包装機では、連結部の第1面が、落下してきて第1面に接触した物品に筒状部材の周方向に回転させる力を与えるため、物品は連結部に引っ掛かりにくく、物品が袋内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0019】
本発明の第8観点に係る製袋包装機は、第7観点に係る製袋包装機であって、第1面は、第1面上に落下してくる物品に対し、第1直線に沿う方向において、筒状部材の中心側に向かう力を作用させる。
【0020】
本発明の第8観点に係る製袋包装機では、連結部の第1面が、落下してきて第1面に接触した物品に対し筒状部材の中心側に向かう力を与えるため、物品は連結部に引っ掛かりにくく、物品が袋内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0021】
本発明の第9観点に係る製袋包装機は、第1観点から第8観点のいずれかに係る製袋包装機であって、揺動部材は、ゲート部材及びスプレッダの少なくとも一方を含む。ゲート部材は、筒状部材内を落下してくる物品を受け止める。スプレッダは、成形部により筒状に成形されて筒状部材の外面に沿って搬送されてくるフィルムを押し広げる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る製袋包装機では、平面視において、筒状部材を落下してきて連結部の第1面に接触した物品に回転力が作用しやすい。そのため、物品が連結部に引っ掛かりにくく、物品が袋内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を含む計量包装システムの外観斜視図である。
【
図2】
図1に描画した製袋包装機の製袋包装ユニットの概略側面図である。
【
図3】
図1に描画した製袋包装機のブロック図である。
【
図4】
図1に描画した製袋包装機のゲート機構の概略側面図であり、ゲート機構がゲート部材を開いた状態を描画している。
【
図5】
図1に描画した製袋包装機のゲート機構の概略側面図であり、ゲート機構がゲート部材を閉じた状態を描画している。
【
図6】
図1に描画した製袋包装機のゲート機構の概略正面図であり、ゲート機構がゲート部材を開いた状態を描画している。
【
図7】
図1に描画した製袋包装機のゲート機構の連結部の概略斜視図である。
【
図8】
図6の楕円VIIIで囲んだ部分の拡大図である。
【
図9】
図1に描画した製袋包装機のゲート機構の連結部を上方から見た概略平面図であって、合わせて、筒状部材の中心側から各連結部を見た概略側面図を平面図の上下に描画している。
【
図10】変形例Bに係る製袋包装機のゲート機構の連結部を上方から見た概略平面図であって、合わせて、筒状部材の中心側から各連結部を見た概略側面図を平面図の上下に描画している。
【
図11】変形例Bに係る製袋包装機のゲート機構の他の例に係る連結部を上方から見た概略平面図であって、合わせて、筒状部材の中心側から各連結部を見た側面図を概略平面図の上下に描画している。
【
図12】変形例Cに係る製袋包装機のゲート機構の連結部を上方から見た概略平面図であって、合わせて、筒状部材の中心側から各連結部を見た概略側面図を平面図の上下に描画している。
【
図13】変形例Fに係る製袋包装機に設けられるスプレッダを説明するための図であり、(a)はスプレッダが閉じられている状態を、(b)はスプレッダが開かれている状態をそれぞれ描画している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照しながら、本発明の製袋包装機の実施形態について説明する。
【0025】
(1)全体構成
本発明の製袋包装機の一実施形態に係る製袋包装機100、及び製袋包装機100を含む計量包装システム1について概要を説明する。
【0026】
図1は、計量包装システム1の外観斜視図である。
図2は、製袋包装機100の製袋包装ユニット100aの概略側面図である。
図3は、製袋包装機100のブロック図である。
【0027】
計量包装システム1は、組合せ計量器2及び製袋包装機100を有する(
図1参照)。製袋包装機100は、主に、製袋包装ユニット100a、フィルム供給ユニット100b、及びコントローラ90を備える(
図1及び
図3参照)。
【0028】
組合せ計量器2は、物品C(被包装物)の重量を複数の計量ホッパで計量し、複数の計量値を所定の合計重量になるように組み合わせ、組み合わせた所定の合計重量の物品Cを組合せ計量器2の下方に配置される製袋包装機100に供給する。
【0029】
物品Cは、例えば、小袋に収容されている食品(例えばチョコレート菓子)である。ただしこれに限定されるものではなく、物品Cは、小袋に収容されていない食品(例えばポテトチップス)であってもよい。ただし、物品Cの種類は、例示した上述の物品に限定されない。例えば、物品Cは、食品以外であってもよい。
【0030】
製袋包装機100の製袋包装ユニット100aは、組合せ計量器2の下方に配置される。製袋包装ユニット100aは、組合せ計量器2から供給される物品Cが収容された袋Bを製造する。製袋包装機100のフィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aに袋Bの素材である包装用のフィルム(シート状のフィルムF)を供給する。製袋包装機100のコントローラ90は、CPUや、ROM及びRAMを含む記憶装置等を構成機器として有する。コントローラ90は、
図3のように、製袋包装ユニット100aのプルダウンベルト機構30、縦シール機構40、アーム駆動機構56、及び横シール機構80や、フィルム供給ユニット100bや、操作スイッチ92や、タッチパネル式ディスプレイ94に接続されている。コントローラ90は、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、製袋包装ユニット100aやフィルム供給ユニット100bの各部の動作を制御する。
【0031】
計量包装システム1は、計量包装システム1を操作するための操作スイッチ92を更に有する(
図1参照)。また、計量包装システム1は、計量包装システム1の動作状態を表示し、計量包装システム1に対する様々な設定の入力等を受け付ける、タッチパネル式ディスプレイ94を更に有する(
図1参照)。操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、組合せ計量器2及び製袋包装機100に対する指示や、組合せ計量器2及び製袋包装機100に関する設定を受け付ける入力部として機能する。また、タッチパネル式ディスプレイ94は、組合せ計量器2及び製袋包装機100に関する情報を表示する出力部として機能する。なお、本実施例では、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、組合せ計量器2及び製袋包装機100で共用されるが、これに限定されず、組合せ計量器2及び製袋包装機100毎に操作スイッチやタッチパネル式ディスプレイが設けられてもよい。
【0032】
操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、製袋包装機100のコントローラ90に接続されている。コントローラ90は、操作スイッチ92やタッチパネル式ディスプレイ94に入力された操作及び設定に従い、製袋包装機100の各構成を制御する。また、コントローラ90は、製袋包装機100に設置されている各種センサ(図示せず)から必要な情報を取り込み、その情報に基づき製袋包装機100の動作を制御する。
【0033】
また、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、組合せ計量器2の図示しないコントローラにも接続されている。組合せ計量器2のコントローラは、操作スイッチ92やタッチパネル式ディスプレイ94から入力された操作及び設定や、組合せ計量器2に設置されている各種センサ(図示せず)の出力値に基づき、各種演算を実行したり、組合せ計量器2の各構成を制御したりする。
【0034】
(2)製袋包装機の詳細構成
以下に、製袋包装機100の詳細構成、特には、製袋包装ユニット100a及びフィルム供給ユニット100bの詳細構成について説明する。
【0035】
以下の説明では、方向や向きを表すために、便宜上、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合があるが、ここでは、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図中に矢印で示した方向に従う。また、以下の説明では、「上流」、「下流」という表現を使用する場合があるが、「上流」、「下流」はフィルム(シート状のフィルムFおよび筒状フィルムFt)の搬送方向における「上流」、「下流」を意味する。
【0036】
(2-1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aの後述する成形部10にシート状のフィルムFを供給するユニットである。
【0037】
フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aに隣接して配置される。本実施形態では、フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aの後方に配置される。フィルム供給ユニット100bには、フィルムFが巻かれたフィルムロール(図示せず)がセットされている。フィルム供給ユニット100bは、フィルムロールから繰り出されるフィルムFを、所定の経路に沿って搬送し、製袋包装ユニット100aの成形部10に供給する(
図2参照)。
【0038】
(2-2)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット100aは、
図1~
図3に示すように、成形部10と、筒状部材20と、プルダウンベルト機構30と、縦シール機構40と、ゲート機構50と、横シール機構80と、これらを支える支持フレーム4とを有する。
【0039】
成形部10、筒状部材20、プルダウンベルト機構30、縦シール機構40、ゲート機構50、及び横シール機構80について概説する。
【0040】
成形部10は、フィルム供給ユニット100bから搬送されてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。言い換えれば、成形部10は、フィルム供給ユニット100bから搬送されてくるシート状のフィルムFから、筒状フィルムFtを成形する。筒状部材20は、成形部10の上方から、成形部10の下方まで鉛直方向に延びるように配置される。筒状部材20の上端部の開口は、組合せ計量器2が排出する物品Cを受け入れる。筒状部材20の上端部の開口に投入された物品Cは、筒状部材20の内部を落下搬送される。プルダウンベルト機構30は、成形部10が成形した筒状フィルムFtを下方に搬送する。縦シール機構40は、筒状フィルムFtの重なり部分を縦方向にシールする。ゲート機構50は、筒状部材20の下端部に配置されている。ゲート機構50は、筒状フィルムFtの底部に物品Cが直接落下することを避けるため、筒状部材20の内部を落下してくる物品Cを受け止めて貯留し、所定のタイミングで物品Cを筒状フィルムFtの底部に落下させる。横シール機構80は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFtを横方向にシールすることで、袋Bの上下端を封止する。言い換えれば、横シール機構80は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向と交差する方向に沿ってシールすることで、袋Bの上下端を封止する。
【0041】
以下に、成形部10、筒状部材20、プルダウンベルト機構30、縦シール機構40、ゲート機構50、及び横シール機構80の詳細を説明する。
【0042】
(2-2-1)成形部
成形部10は、フォーマ12を主に含む。
【0043】
フォーマ12は、筒状部材20を取り囲むように配置されている。フォーマ12は、シート状のフィルムFを、左右方向に延びる幅方向に、フィルムFの左端部および右端部が重なるように曲げて、筒状フィルムFtを成形する。
【0044】
(2-2-2)筒状部材
筒状部材20は、上下方向に延び、上下端に開口を有する筒状の部材である。具体的には、筒状部材20は、成形部10のフォーマ12の上方から、成形部10のフォーマ12の下方まで、鉛直方向に延びる。筒状部材20は、少なくとも部分的に成形部10の下方に配置される。限定するものではないが、成形部10のフォーマ12は、図示しないブラケットを介して、筒状部材20に固定されている。
【0045】
筒状部材20は、単一の部材で形成されてもよいし、複数の部材で形成されてもよい。
【0046】
筒状部材20の断面形状は、例えば円形である。添付した図面では、筒状部材20の断面形状が円形であるとして描画している。ただし、筒状部材の断面形状は、円形に限定されるものではなく、他の形状、例えば楕円形状等であってもよい。筒状部材20の断面形状は、例えば製袋包装機100が製袋する袋Bの形状等に応じ、適宜設計されればよい。
【0047】
なお、以下の説明では、筒状部材20の周方向という語を用いる場合がある。筒状部材20の断面形状が円形である場合には、筒状部材20の周方向は、筒状部材20の円周方向である。一方、筒状部材20の断面形状が円形でない場合には、平面視において筒状部材20の内周面に沿う方向を、筒状部材20の周方向と呼ぶ。
【0048】
また、以下で、筒状部材20の中心という語を用いる場合がある。筒状部材20の断面形状が円形である場合には、筒状部材20の中心は、平面視における筒状部材20の円の中心を意味する。一方、筒状部材20の断面形状が円形でない場合には、平面視における筒状部材20の重心を筒状部材20の中心と呼ぶ。
【0049】
筒状部材20の上端の開口は、漏斗形状になっている。組合せ計量器2が製袋包装機100に供給する物品Cは、
図2に示すように、筒状部材20の漏斗形状の上部の開口から投入され、筒状部材20の内部を通過して落下する。つまり、物品Cは、筒状部材20の内部を落下搬送される。
【0050】
(2-2-3)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構30は、筒状部材20に巻き付いた筒状フィルムFtを吸着して下方に搬送する。プルダウンベルト機構30は、筒状部材20の左右両側に筒状部材20を挟むように配置された一対のベルト32を有する(
図1参照)。ベルト32は、吸着機能を有する。ベルト32が、図示しないモータにより駆動される駆動ローラ34と、従動ローラ36とによって回転駆動されることで、ベルト32によって吸着された筒状フィルムFtは下方に搬送される(
図2参照)。
【0051】
(2-2-4)縦シール機構
縦シール機構40は、筒状部材20に巻き付いた筒状フィルムFtの重なりあう部分を縦方向(ここでは鉛直方向)に沿ってシールする。
【0052】
縦シール機構40は、筒状部材20の正面側に配置されている(
図2参照)。縦シール機構40は、図示されないヒータと、筒状フィルムFtの重なり部分に接触するヒータベルト42と、ヒータベルト42を駆動する駆動機構(図示せず)と、を有する。ヒータは、ヒータベルト42を加熱する。駆動機構は、ヒータベルト42を筒状部材20に近づくように、あるいは、筒状部材20から遠ざかるように前後方向に駆動する。ヒータベルト42が、駆動機構により筒状部材20に近づくように駆動されることで、筒状部材20に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分が、ヒータベルト42と筒状部材20との間に挟まれる。縦シール機構40は、加熱されたヒータベルト42で、筒状フィルムFtの重なり部分を一定の圧力で筒状部材20に押しつけることで、筒状フィルムFtの重なり部分を熱シールする。
【0053】
(2-2-5)ゲート機構
ゲート機構50について、
図4~
図9を更に参照して説明する。
図4は、ゲート部材52を開いた状態のゲート機構50の概略側面図である。
図5は、ゲート部材52を閉じた状態のゲート機構50の概略側面図である。
図6は、ゲート部材52を開いた状態のゲート機構50の概略正面図である。
図7は、ゲート機構50の連結部60の概略斜視図である。
図8は、
図6中の楕円VIIIで囲んだ部分の拡大図である。
図9は、ゲート機構50の連結部60を上方から見た概略平面図である。
図9では、平面図に合わせて、筒状部材20の中心O側から各連結部60を見た概略側面図を、概略平面図の上下に描画している。
図9では、第1面62a及び第2面62bの場所が分かりやすいよう、第1面62a及び第2面62bにハッチングを付している。
【0054】
ゲート機構50は、
図2のように、筒状部材20の下端部に設けられている。ゲート機構50は、所定のタイミングで物品Cの落下経路を塞ぎ、筒状部材20の内部を落下してくる物品Cを受け止めて一旦貯留する。ゲート機構50は、その後、所定のタイミングで、貯留した物品Cを筒状フィルムFtの底部に落下させる。要するに、ゲート機構50は、物品Cが組合せ計量器2から、筒状フィルムFtの底部に物品Cが直接落下することを防止する。ゲート機構50は、筒状フィルムFt上に物品Cが直接落下し、筒状フィルムFtを傷付ける等の不具合を避けることができる。
【0055】
ゲート機構50は、一対のゲート部材52と、各ゲート部材52と筒状部材20とを連結する連結部60と、一対のアーム54と、アーム54を駆動するアーム駆動機構56と、を備える(
図2~
図4参照)。一対のアーム54のそれぞれは、一対のゲート部材52の一方と対応して設けられている(
図2参照)。各アーム54は、筒状フィルムFtを介して対応するゲート部材52に当接し、ゲート部材52を揺動させる部材である。
【0056】
ゲート部材52は、揺動部材の一例である。一対のゲート部材52は、筒状部材20の周方向に、互いに離間して配置されている。具体的には、ゲート部材52は、筒状部材20の中心Oを挟むように、互いに対向して配置されている。ゲート部材52は、筒状部材20の下端部に配置されている。ゲート部材52は、連結部60により、筒状部材20に揺動可能に連結されている。一対のゲート部材52は、その内面が互いに対向するように配置されている。本実施形態では、一対のゲート部材52の一方は前方に配置され、一対のゲート部材52の他方は後方に配置されている。
【0057】
ゲート機構50は、ゲート部材52を筒状部材20に対して揺動させることで、ゲート部材52が開いた第1状態(
図4参照)と、ゲート部材52が閉じた第2状態(
図5参照)と、を取ることが可能に構成されている。言い換えれば、ゲート部材52は、筒状部材20に対して揺動し、
図4に示すような第1位置と、
図5に示すような第2位置と、の間を移動可能に構成されている。第1位置に配置されているゲート部材52は、物品Cの落下経路に張り出さない。具体的には、平面視において、第1位置に配置されているゲート部材52は、筒状部材20の内側には配置されない。または、平面視において、第1位置に配置されているゲート部材52は、筒状部材20の内側にはほとんど配置されない。一方、第2位置に配置されているゲート部材52は、物品Cの落下経路に張り出している。具体的には、平面視において、第2位置に配置されているゲート部材52は、筒状部材20の内側に配置される。そして、一対のゲート部材52は、第2位置に配置されている時に、落下してくる物品Cを下方に落下させずに受け止めるような形状・構造に形成されている。具体的には、本実施形態のゲート部材52は、円筒形の筒状部材20の内面形状と曲率が一致するような曲面状の部材である。また、本実施形態のゲート部材52の下部は、
図6のように、下方に向かって左右方向の幅が次第に小さくなるような形状を有する。そして、ゲート部材52は、互いに第2位置に配置された時に、
図5のように物品Cの落下経路を塞ぐように構成されている。ただし、ここで説明したゲート部材52の形状・構造は一例に過ぎず、ゲート部材の形状・構造は、第2位置に配置された時に物品Cの落下経路を塞ぐように構成されていれば適宜決定されればよい。
【0058】
アーム54は、アーム駆動機構56により駆動されて前後方向に移動する部材である。具体的には、アーム54は、アーム駆動機構56により駆動されて、対応するゲート部材52に近づいて、筒状フィルムFtを介してゲート部材52に接触するゲート部材閉鎖位置と、対応するゲート部材52から離れて、ゲート部材52に接触しないゲート部材開放位置との間を移動する。ゲート部材閉鎖位置に移動したアーム54は、例えば、対応するゲート部材52の下部(下端部の近傍)に接触する。
【0059】
一対のアーム54のそれぞれがゲート部材開放位置にあるとき、ゲート部材52は第1位置に配置され、ゲート機構50はゲート部材52が開いた第1状態になる。なお、一対のアーム54のそれぞれがゲート部材開放位置にあるとき、ゲート部材52が第1位置に確実に配置されやすくするため、ゲート機構50には、ゲート部材52を第1位置に付勢する弾性部材(例えばバネ、図示省略)が設けられてもよい。一対のアーム54のそれぞれがゲート部材閉鎖位置に移動するとき、一対のアーム54のそれぞれは、筒状フィルムFtを介して対応するゲート部材52に接触し、ゲート部材52は第2位置に移動し、ゲート機構50はゲート部材52が閉じた第2状態(
図5参照)なる。
【0060】
アーム54を駆動するアーム駆動機構56は、例えばエアシリンダである。ただし、アーム駆動機構56の種類は、エアシリンダに限定されるものではなく、モータ等、エアシリンダとは別の種類の駆動機構であってもよい。
【0061】
連結部60は、筒状部材20の下端部に、筒状部材20の内部側に張り出すように取り付けられている。言い換えれば、連結部60は、筒状部材20の内面よりも、筒状部材20の中心O側に配置されるよう、筒状部材20の下端部に取り付けられている。
【0062】
連結部60は、ゲート部材52を筒状部材20に対して揺動可能に連結している。具体的には、連結部60は、ヒンジ機構68を含む。ヒンジ機構68は、筒状部材20の下端部と、ゲート部材52の上端部に固定された連結部材66とを連結し、ゲート部材52を筒状部材20に対して前後方向に揺動可能に支持する。なお、連結部60は、ヒンジ機構68を覆うよう、ヒンジ機構68の上方を覆う上面62と、上面62から下方に延び、ヒンジ機構68の側方を覆う側面64と、を有する。側面64は、略鉛直面である。
【0063】
各連結部60の上面62の形状について説明する。
【0064】
本実施形態の連結部60の上面62は、第1面62aと、第1面62aと交差する第2面62bとを含む。本実施形態では、第1面62a及び第2面62bは平面である。第1面62a及び第2面62bは、いずれも水平面に対して傾斜している。
【0065】
第1面62aは、平面視において、筒状部材20の中心O(本実施形態では円筒状の筒状部材20の中心O)と上面62の重心G(上面62を水平面に投影した時の図形の重心)とを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って、水平面に対して傾斜する(
図9参照)。具体的には、第1面62aは、第1方向D1に沿って次第に低くなるように、水平面に対して傾斜する(
図9参照)。言い換えれば、第1面62aの高さは、筒状部材20の周方向に沿って変化する。また、第1面62aは、好ましくは、第1直線Lに沿う方向において、筒状部材20の中心O側が低くなる。つまり、本実施形態では、第1面62aは、筒状部材20の周方向に沿って高さが変化し、筒状部材20の中心O側ほど高さが低くなる。また、本実施形態では、第1面62aは、第1方向D1における下流側ほど幅が広くなる(
図7及び
図9参照)。そのため、筒状部材20の中心Oの側から第1面62aを水平方向に見た時に、第1面62aは、平面視において第1直線Lに直交する第2方向D2に沿って低くなるとともに、上下方向の幅が広くなる(
図8及び
図9参照)。
【0066】
第1面62aは、好ましくは、第1方向D1に沿って、水平面に対し10°以上85°未満の角度で傾斜している。より好ましくは、第1面62aは、第1方向D1に沿って、水平面に対し45°以上85°未満の角度で傾斜している。
【0067】
第2面62bは、第1直線Lに沿う方向において筒状部材20の中心O側が低くなる。限定するものではないが、本実施形態では、第2面62bの高さは、筒状部材20の周方向に沿って変化しない。本実施形態では、第2面62bは、下方側ほど幅が広くなる(
図7参照)。
【0068】
第2面62bは、好ましくは、水平面に対し10°以上85°未満の角度で傾斜している。より好ましくは、第2面62bは、水平面に対し45°以上85°未満の角度で傾斜している。
【0069】
次に、一対の連結部60の関係について説明する。
【0070】
本実施形態では、連結部60は、筒状部材20の中心Oを挟んで対向する位置に配置されている。そして、一対の連結部60の第1面62aは、筒状部材20の周方向において同一方向に傾斜している。具体的には、
図9の例では、後方側に配置される連結部60の第1面62aは、上面視において反時計方向に、次第に高さが低くなるように水平面に対して傾斜している。言い換えれば、第1面62aは、上面視における反時計方向に沿って下り勾配となっている。また、前方側に配置される連結部60の第1面62aも、上面視において反時計方向に、次第に高さが低くなるように水平面に対して傾斜している。言い換えれば、第1面62aは、上面視における反時計方向に沿って下り勾配となっている。本実施形態では、一対の連結部60は、筒状部材20の中心Oに対して互いに回転対称の関係にある。
【0071】
次に、連結部60の上面62が、上述のような形状の第1面62aを含む理由について説明する。
【0072】
まず、比較のため、連結部60の上面62の全体が水平面である場合を想定する。この場合、筒状部材20の内部を落下し、上面62に当たった物品Cや、(物品Cが小袋に包装された物品でない場合には)物品Cの欠片等は、上面62に引っ掛かる可能性がある。特に、物品Cの長さが比較的長い場合には、物品Cが対向する連結部60の2つの上面62にまたがって引っ掛かり、落下しないおそれがある。このような事態が発生した場合には、物品Cの一部が袋Bに落下供給されず、袋Bに目標量の物品Cが収容されない可能性がある。
【0073】
これに対し、本実施形態の製袋包装機100では、連結部60の上面62が、第1面62aを含んでいる。第1面62aは、筒状部材20の周方向に沿って高さが変化する面であるため、第1面62a上に落下してくる物品Cに対し、筒状部材20の周方向の力を作用させることができる。さらに、本実施形態では、第1面62aは、その連結部60が取り付けられている筒状部材20の内周面側よりも筒状部材20の中心側の高さが低くなる、水平面に対する傾斜面である。言い換えれば、第1面62aは、筒状部材20の内周面側よりも筒状部材20の中心側の高さが低くなる下り勾配となっている。さらに言い換えれば、第1面62aは、筒状部材20の径方向に沿って、筒状部材20の中心側の高さが次第に低くなる下り勾配となっている。そのため、本実施形態では、第1面62aは、第1面62a上に落下してくる物品Cに対し、前述の第1直線Lに沿う方向において、筒状部材20の中心O側に向かう力も作用させることができる。より詳しく説明する。
【0074】
一般に、面に対し物品が衝突する場合、物品には面の法線方向(面に垂直な方向)に力が作用する。
【0075】
そのため、仮に連結部60の上面が水平面であるとすれば、連結部60の上面に落下してくる物品Cには、鉛直上向きの力が作用することとなる。つまり、仮に連結部60の上面が水平面であるとすれば、連結部60の上面に落下してくる物品Cには、水平方向の力が作用しない、又はほとんど作用しない。そのため、水平面である連結部60の上面に落下してくる物品Cは、水平方向には位置や姿勢が変化しない可能性があり、連結部60の上面に引っ掛かりやすい。
【0076】
一方で、本実施形態の第1面62aは、筒状部材20の周方向に沿って高さが変化する面である。そのため、第1面62a上に落下した物品Cには筒状部材20の周方向(水平方向)にも力が作用しやすい。また、本実施形態の第1面62aは、その連結部60が取り付けられている筒状部材20の内周面側よりも筒状部材20の中心側の高さが低くなる、水平面に対する傾斜面であるため、平面視において、物品Cには筒状部材20の中心Oに向かう向き(水平方向)にも力が作用しやすい。そのため、本実施形態の第1面62aは、物品Cを水平方向に移動させて、物品Cが連結部60の第1面62aに引っ掛かりにくくすることができる。
【0077】
なお、第2面62bも、その連結部60が取り付けられている筒状部材20の内周面側よりも筒状部材20の中心側の高さが低くなる、水平面に対する傾斜面であるため、第2面62bが水平面である場合に比べれば、物品Cを連結部60の第2面62bに引っ掛かりにくくすることができる。
【0078】
ただし、連結部60の上面62が、その連結部60が取り付けられている筒状部材20の内周面側よりも筒状部材20の中心側の高さが低くなる第2面62bだけしか有さないとすれば(第1面62aを有さないとすれば)、物品Cが比較的長さの長い物品である場合には、物品Cが一対の連結部60の上面62(第2面62b)上に同時に落下した場合には、連結部60の上面62(第2面62b)が物品Cに与える水平方向の力は互いに打ち消しあう。そのため、物品Cが連結部60の上面62(第2面62b)に引っ掛かるおそれがある。しかし、本製袋包装機100では、連結部60の上面62が筒状部材20の周方向に沿って高さが変化する第1面62aを有し、さらに、第1面62aは、筒状部材20の周方向において同一方向に傾斜しているため、連結部60の第1面62a上に物品Cが落下した場合には、物品Cには、平面視において回転する力が作用する。その結果、連結部60に物品Cが引っ掛かる不具合の発生が特に抑制される。
【0079】
(2-2-6)横シール機構
横シール機構80は、成形部10、プルダウンベルト機構30、縦シール機構40及びゲート機構50の下方に配置されている(
図2参照)。横シール機構80は、ヒータを内蔵する一対のシールジョー82を含む機構である(
図2参照)。
【0080】
一対のシールジョー82は、限定するものではないが、図示されないモータにより駆動され、例えば、互いに対称な軌跡を描きながら略D字状に旋回する。このような旋回移動の駆動機構としては、例えば特開平10-53206号公報に開示されているような機構が用いられる。略D字状に旋回する一対のシールジョー82は、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFtを挟持し、袋Bの上下の端部となる筒状フィルムFtの一部分に圧力および熱を加えてシールを施す。一対のシールジョー82は、縦シール機構40により縦シールされた筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向に交差する方向に横シールする。言い換えれば、横シール機構80の一対のシールジョー82は、筒状フィルムFtを、上下方向に交差する横方向に横シールする。特に本実施形態では、一対のシールジョー82は、縦シール機構40により縦シールされた筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向に直交する方向に横シールする。また、シールジョー82の片方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。カッターは、シールジョー82による横シール部分の高さ方向の中心位置において、袋Bと後続の筒状フィルムFtとを切り離す。
【0081】
(3)製袋包装機の動作
以下に、コントローラ90により制御される製袋包装機100の動作について概説する。
【0082】
製袋包装機100では、プルダウンベルト機構30が駆動されると、シート状のフィルムFがフィルム供給ユニット100bのフィルムロールから繰り出され、成形部10に送られる。成形部10では、シート状のフィルムFは、フォーマ12と筒状部材20との隙間を通り抜ける間に筒状部材20の外表面に巻き付けられ、筒状フィルムFtとなる。筒状フィルムFtは、プルダウンベルト機構30により、筒状部材20の外表面に沿って下方へと搬送される。シート状のフィルムFが筒状部材20に巻き付けられると、その横方向の両縁部が縦方向に重ね合わせられた状態となる。縦シール機構40では、筒状フィルムFtの重ね合わせ部分が、縦方向に熱シールされる。その後、筒状フィルムFtは、筒状部材20を抜けて横シール機構80へと降りていく。
【0083】
この際、組合せ計量器2から筒状部材20を通って落下し、ゲート機構50により一旦貯留されていた物品Cが、適切なタイミングで筒状フィルムFtの底部に対して供給される。具体的には、コントローラ90は、適切なタイミングで、アーム駆動機構56の動作を制御して、アーム54をゲート部材閉鎖位置からゲート部材開放位置に移動させ、ゲート部材52を第2位置から第1位置へと移動させ、ゲート機構50を、ゲート部材52を閉じた状態から、ゲート部材52を開いた状態に変化させる。その結果、ゲート機構50により一旦貯留されていた物品Cが、筒状フィルムFtの底部に対して供給される。
【0084】
なお、この後、コントローラ90は、適切なタイミングで、アーム駆動機構56の動作を制御して、アーム54をゲート部材開放位置からゲート部材閉鎖位置に移動させ、ゲート部材52を第1位置から第2位置へと移動させ、ゲート機構50を、ゲート部材52を開いた状態から、ゲート部材52を閉じた状態に変化させ、ゲート機構50に組合せ計量器2から筒状部材20を通って落下する物品Cを受け取らせる。ゲート機構50に落下してきた物品Cは、一対のゲート部材52により受け取られ、貯留される。ゲート機構50に貯留された物品Cは、次の袋Bが製袋される際に、上記のように、所定のタイミングで筒状フィルムFtの底部に対して供給される。
【0085】
物品Cの入った袋Bの製造についての説明に戻る。横シール機構80は、筒状フィルムFt内にゲート機構50が落下させた物品Cが存在する状態で、筒状フィルムFtを一対のシールジョー82で横方向に熱シールし、先行する袋Bの上シール部分と、後続の袋Bの下シール部分とを同時に形成する。この時、一対のシールジョー82の一方に内蔵されているカッター(図示省略)により、先行する袋Bと後続の袋B(筒状フィルムFt)とが切り離される。
【0086】
(4)製袋包装機の特徴
(4-1)
本実施形態の製袋包装機100は、成形部10と、筒状部材20と、揺動部材の一例としてのゲート部材52と、連結部60と、横シール機構80と、を備える。成形部10は、シート状のフィルムFを筒状に成形する。筒状部材20は、少なくとも部分的に成形部10の下方に配置され、内部を物品Cが落下搬送される。ゲート部材52は、筒状部材20の下端部に配置されている。連結部60は、筒状部材20の内部側に張り出すように配置され、ゲート部材52を筒状部材20に対して揺動可能に連結する。横シール機構80は、ゲート部材52の下方に配置され、筒状に成形されたフィルムFtを上下方向に交差する横方向にシールする。連結部60は、上面62を有する。上面62は、第1面62aを含む。第1面62aは、平面視において、筒状部材20の中心Oと上面62の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って、水平面に対して傾斜する。
【0087】
本実施形態の製袋包装機100では、平面視において、筒状部材20を落下してきて連結部60の第1面62aに接触した物品Cに回転力が作用しやすい。そのため、物品Cが連結部60に引っ掛かりにくく、物品Cが袋B内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0088】
(4-2)
本実施形態の製袋包装機100では、筒状部材20の中心O側から第1面62aを水平方向に見た時に、第1面62aは、平面視において第1直線Lに直交する第2方向D2に沿って低くなるとともに、上下方向の幅が広くなる。
【0089】
本実施形態の製袋包装機100では、連結部60の第1面62aの上部側の幅が小さく形成されているため、物品Cは第1面62aの上部に引っ掛かりにくく、物品Cが袋B内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0090】
(4-3)
本実施形態の製袋包装機100では、第1面62aは平面である。
【0091】
本実施形態の製袋包装機100では、第1面62aが平面でシンプルな形状であるため、連結部60を比較的シンプルな構造で実現できる。
【0092】
(4-4)
本実施形態の製袋包装機100では、第1面62aは、第1直線Lに沿う方向において、筒状部材20の中心O側が低い。
【0093】
本実施形態の製袋包装機100では、第1面62aが第1直線Lに沿う方向において筒状部材20の中心O側ほど低くなるよう傾斜しているため、物品Cが連結部60に引っ掛からずに落下しやすい。
【0094】
(4-5)
本実施形態の製袋包装機100では、連結部60の上面62は、第1面62aと交差する、水平面に対して傾斜する第2面62bを含む。
【0095】
本実施形態の製袋包装機100では、水平面に対して傾斜する第2面62bを有することで、物品Cの落下速度が遅くなることを抑制できる。
【0096】
(4-6)
本実施形態の製袋包装機100では、ゲート部材52は、筒状部材20の周方向に、互いに離間して複数配置される。複数の連結部60の第1面62aは、周方向において同一方向に傾斜する。本実施形態では、複数の連結部60は、筒状部材20の中心Oに対して回転対称である。
【0097】
本実施形態の製袋包装機100では、複数の連結部60の第1面62aが周方向において同一方向に傾いているため、物品Cが複数の連結部60の第1面62aに跨るように落下した場合にも、物品Cを周方向に回転させて、連結部60への物品Cの引っ掛かりを抑制できる。
【0098】
(4-7)
本実施形態の製袋包装機100は、第1面62aは、第1面62a上に落下してくる物品Cに対し、筒状部材20の周方向の力を作用させる。
【0099】
本実施形態の製袋包装機100では、連結部60の第1面62aが、落下してきて第1面62aに接触した物品Cに筒状部材20の周方向に回転させる力を与える。そのため、物品Cは連結部60に引っ掛かりにくく、物品Cが袋B内に供給されない不具合が抑制されやすい。
【0100】
(4-8)
本実施形態の製袋包装機100では、第1面62aは、第1面62a上に落下してくる物品Cに対し、第1直線Lに沿う方向において、筒状部材20の中心O側に向かう力を作用させる。
【0101】
本実施形態の製袋包装機100では、連結部60の第1面62aが、落下してきて第1面62aに接触した物品Cに対し筒状部材20の中心O側に向かう力を与える。そのため、物品Cは連結部60に引っ掛かりにくく、物品Cが袋B内に供給されない不具合の発生が抑制されやすい。
【0102】
(5)変形例
上記の実施形態や、以下に説明する変形例は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0103】
以下に上記実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例のそれぞれは、矛盾の無い範囲で、他の各変形例の一部又は全部の特徴と適宜組み合わされてもよい。
【0104】
(5-1)変形例A
上記実施形態では、連結部60の上面62は、第1面62aと第2面62bとを含む。ただし、これに限定されるものではなく、後述する変形例Bのように、平面視において、連結部160,260の上面162,262は、筒状部材20の中心Oと上面162,262の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って水平面に対して傾斜する第1面162a,262aだけを有してもよい。また、連結部の上面は、筒状部材20の中心Oと連結部の上面の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って水平面に対して傾斜する第1面を含む、互いに交差する3つ以上の面を含んでいてもよい。
【0105】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、連結部60の上面62の第1面62aは、筒状部材20の中心Oと上面62の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って水平面に対して傾斜するとともに、第1直線Lに沿う方向において筒状部材20の中心O側が低くなっている。
【0106】
しかし、これに限定されるものではなく、
図10のように、連結部160の上面162は、筒状部材20の中心Oと上面162の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する(ここでは直交する)第1方向D1に沿って水平面に対して傾斜し、第1直線Lに沿う方向においては高さが変化しない第1面162aを有していてもよい。なお、連結部160の上面162が、上記実施形態のように互いに交差する複数の面を含む場合であっても、各面は、第1直線Lに沿う方向においては高さが変化していなくてもよい。
【0107】
ただし、物品Cを連結部の上面に引っ掛かりにくくするという観点からは、上記実施形態のように、連結部60の上面62は、筒状部材20の中心Oと上面62の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って水平面に対して傾斜するとともに、第1直線Lに沿う方向において筒状部材20の中心O側が低くなっていることが好ましい。例えば、
図11のように、連結部260の上面262が第1面262aのみを有する場合、連結部260の上面262の第1面262aは、筒状部材20の中心Oと上面262の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向D1に沿って水平面に対して傾斜するとともに、第1直線Lに沿う方向において筒状部材20の中心O側が低くなっていることが好ましい。
【0108】
なお、
図10、
図11では、第1面162a,262aの場所が分かりやすいよう、第1面162a,262aにハッチングを付している。
【0109】
(5-3)変形例C
上記実施形態では、連結部60の上面62の第1面62aは平面である。ただし、これに限定されるわけではない。例えば、
図12のように、連結部360の上面362の第1面362aは、筒状部材20の中心Oと上面62の重心Gとを結ぶ第1直線Lに交差する第1方向に沿って水平面に対して傾斜するとともに、第1直線Lに沿う方向において筒状部材20の中心O側が低くなっている曲面であってもよい。なお、曲面では、傾きの方向が場所により変化するため、
図12中には第1方向を描画していない。また、
図12では、第1面362aの場所が分かりやすいよう、第1面362aにハッチングを付している。
【0110】
ただし、第1面362aが曲面である場合、第1面362aは、筒状部材20の周方向に沿って、第1面362aが(傾斜の角度は変わっても)同一方向に傾斜していることが好ましい。例えば、
図12の例であれば、連結部360の上面362の第1面362aは、平面視における筒状部材20の中心Oに対する反時計方向に沿って、高さが次第に低くなることが好ましい。
【0111】
なお、連結部の製造のしやすさや、連結部に物品Cが引っ掛かりにくくするという目的からは、連結部の上面の第1面は、例えば上記実施形態の第1面62aのように平面であることが好ましい。
【0112】
(5-4)変形例D
上記実施形態では、連結部60の上面62の第1面62aは、第1方向における下流側ほど幅が広くなっている。そして、筒状部材20の中心側から第1面62aを水平方向に見た時に、第1面62aは、平面視において第1直線Lに直交する第2方向D2に沿って低くなるとともに、上下方向の幅が広くなっている。
【0113】
ただし、これに限定されるものではない。例えば、
図11の連結部260ように、筒状部材20の中心側から連結部260の上面262の第1面262aを水平方向に見た時に、第1面262aは、平面視において第1直線Lに直交する第2方向D2に沿って低くなるが、上下方向の幅は一定であってもよい。
【0114】
(5-5)変形例E
上記実施形態では、ゲート機構50のゲート部材52が2つである場合を例に説明したが、ゲート部材52の数は2つ限定されない。例えば、ゲート機構は、単一のゲート部材で物品Cの移動経路を閉鎖するものであってもよいし、3つ以上のゲート部材で物品Cの移動経路を閉鎖するものであってもよい。
【0115】
この場合にも、連結部60の上面62が上述したような形状を有することで、物品Cが連結部60に引っ掛かる不具合を抑制できる。なお、3つ以上のゲート部材を設ける場合には、複数の連結部60の第1面62aに当たった物品Cに平面視において物品Cに回転する力を与えるように、複数の連結部の第1面は、周方向において同一方向に傾斜していることが好ましい。
【0116】
(5-6)変形例F
上記実施形態では、揺動部材が、筒状部材内を落下してくる物品Cを受け止めるゲート部材52である場合を例に説明した。つまり、上記実施形態では、揺動部材が、平面視において筒状部材20の外側に入り込むように揺動する場合を例に説明した。
【0117】
ただし、これに限定されるものではなく、本発明の揺動部材は、
図13に示されるような、成形部10により筒状に成形されて筒状部材20の外面に沿って搬送されてくる筒状フィルムFtを押し広げるスプレッダ452であってもよい。つまり、本発明の揺動部材は、平面視において筒状部材20の外側に広がるように揺動する部材であってもよい。また、製袋包装機100は、ゲート部材52に加えて、スプレッダ452を有していてもよい。
【0118】
この場合にも、筒状部材20の内部側に張り出すように配置され、筒状部材20とスプレッダ452とを連結する連結部460の上面462が、
図6から
図9を用いて説明した上面62と同様の第1面62aを有する場合、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、筒状部材20とスプレッダ452とを連結する連結部460の上面462は、
図10~
図12を用いて説明したような第1面162a,262a,362aと同様の形状を有するものであってもよい。
【0119】
なお、スプレッダ452は、例えば特許文献1(特開2013-35601号公報)に記載された四角成形用スプレッダ41やシール用スプレッダ47と同様の部材であり、筒状フィルムFtの外側からプッシャ(図示せず)に押されることで
図13(a)のような閉じた状態から、
図13(b)のような開いた状態に変化する。スプレッダ452は、袋Bを所望の形状に成形すること等を目的として、筒状フィルムFtを内側から押し広げる部材である。
【0120】
なお、スプレッダ452を利用する場合、製袋包装機100に、上記実施形態で説明した以外の袋Bの成形用の機構が設けられる場合がある。しかし、スプレッダ452の機能や、スプレッダ452を利用した袋Bの成形については広く知られていること(例えば特許文献1(特開2013-035601号公報)参照)、本発明は、スプレッダ452の構造・機能や、スプレッダ452を利用した袋Bの成形方法よりも、筒状部材20とスプレッダ452とを連結する連結部460の形状に特徴があることから、ここではスプレッダ452の機能や、スプレッダ452を利用した袋Bの成形のための機構についての詳細な説明は省略する。
【0121】
(5-7)変形例G
上記実施形態では、第1面62aは、上面視において反時計方向に、次第に高さが低くなるように水平面に対して傾斜している。言い換えれば、第1面62aは、上面視における反時計方向に沿って下り勾配となっている。ただし、傾斜の方向は、上記実施形態に記載の内容に限定されない。
【0122】
例えば、第1面62aは、上面視において時計方向に、次第に高さが低くなるように水平面に対して傾斜していてもよい。言い換えれば、第1面62aは、上面視における時計方向に沿って下り勾配となっていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、内部を物品が落下搬送される筒状部材の下端部に揺動部材が配置される製袋包装機に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0124】
10 成形部
20 筒状部材
52 ゲート部材(揺動部材)
60 連結部
62 上面
62a 第1面
62b 第2面
80 横シール機構
100 製袋包装機
160 連結部
162 上面
162a 第1面
260 連結部
262 上面
262a 第1面
360 連結部
362 上面
362a 第1面
452 スプレッダ(揺動部材)
460 連結部
462 上面
D1 第1方向
D2 第2方向
F シート状のフィルム
Ft 筒状フィルム(筒状に成形されたフィルム)
G 上面の重心
L 第1直線
O 筒状部材の中心
【先行技術文献】
【特許文献】
【0125】
【特許文献1】特開2013-035601号公報
【特許文献2】国際公開第2007/063781号