(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187381
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20221212BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221212BHJP
【FI】
G06Q20/08
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095393
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】521245717
【氏名又は名称】さっとシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】亀山 虔一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB72
5L055AA21
(57)【要約】
【課題】決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末の提供。
【解決手段】本開示に係る情報処理端末は、サービスの提供者を識別する提供者情報とサービスの価格情報とを入力可能な入力部と、入力部によって入力された提供者情報および価格情報によって、決済用識別コードを生成する生成部と、入力部に入力された情報および決済用識別コードを表示可能な表示部とを備える。情報処理端末は、少なくとも情報処理端末の識別情報が予め記憶されている記憶部をさらに備え得、生成部における決済用識別コードの生成には、さらに記憶部に記憶されている情報処理端末の識別情報が含まれ得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末であって、前記情報処理端末は、
サービスの提供者を識別する提供者情報と、前記サービスの価格情報とを入力可能な入力部と、
前記入力部によって入力された前記提供者情報および前記価格情報によって、決済用識別コードを生成する生成部と、
前記入力部に入力された情報および前記決済用識別コードを表示可能な表示部と
を備える、情報処理端末。
【請求項2】
前記情報処理端末は、少なくとも前記情報処理端末の識別情報が予め記憶されている記憶部をさらに備え、前記生成部における前記決済用識別コードの生成には、さらに前記記憶部に記憶されている前記情報処理端末の識別情報が含まれる、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記決済用識別コードは、前記提供者情報および前記価格情報を格納している、請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記決済用識別コードは、QRコードである、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現金を用いることなく、識別コードを用いて商取引を行う識別コード決済が知られている。識別コード決済には、主に、顧客が自身の識別コードを提示し、サービス提供者が識別コードを読み取ることで決済を確定させるCPM(Consumer Presented Mode)方式と、サービス提供者が自身の識別コードを提示し、顧客が端末で識別コードを読み取ることで決済を確定させるMPM(Merchant Presented Mode)方式とがある。
【0003】
先行文献1には、顧客がQRコードをスマートフォンで読み取り、金額を入力して支払いを行う決済方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】TAXIJOB,タクシーの乗車料金の精算に使えるスマホ決済アプリ1PayPay(ペイペイ)[検索日 2021年6月2日] 〈URL:https://takicorporation.com/taxijob/971〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のMPM方式の識別コード決済では、決済事業者によって予め店舗に対して発行された識別コードが用いられるため、店舗の識別コードを読み取った後、提供者から伝えられた価格を顧客によって入力することが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究した結果、決済作業を簡単かつスムーズに行うことができる情報処理端末を開発した。具体的には、決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末を開発した。一つの側面において、本開示の情報処理端末は、サービスの提供者を識別する提供者情報とサービスの価格情報とを入力可能な入力部と、入力部によって入力された提供者情報および価格情報によって、決済用識別コードを生成する生成部と、入力部に入力された情報および決済用識別コードを表示可能な表示部とを備える。
【0007】
本開示は、例えば以下を提供する。
(項目1)
決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末であって、前記情報処理端末は、
サービスの提供者を識別する提供者情報と、前記サービスの価格情報とを入力可能な入力部と、
前記入力部によって入力された前記提供者情報および前記価格情報によって、決済用識別コードを生成する生成部と、
前記入力部に入力された情報および前記決済用識別コードを表示可能な表示部と
を備える、情報処理端末。
(項目2)
前記情報処理端末は、少なくとも前記情報処理端末の識別情報が予め記憶されている記憶部をさらに備え、前記生成部における前記決済用識別コードの生成には、さらに前記記憶部に記憶されている前記情報処理端末の識別情報が含まれる、上記項目に記載の情報処理端末。
(項目3)
前記決済用識別コードは、前記提供者情報および前記価格情報を格納している、上記項目のいずれかに記載の情報処理端末。
(項目4)
前記決済用識別コードは、QRコードである、上記項目のいずれかに記載の情報処理端末。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サービス提供者により、サービスの価格情報が格納された識別コードが生成されるため、識別コード決済における顧客の手間を低減させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示に係る決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末の正面図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末の構成を示す。
【
図3】
図3は、本開示に係る情報処理端末において実行される処理フローの一例を示す。
【
図4】
図4は、本開示に係る情報処理端末の表示部による情報の表示の例を示す。
【
図5】
図5は、本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システムの概念図である。
【
図6】
図6は、本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システム1000のシステム概略図である。
【
図7】
図7は、本開示に係る顧客端末の構成を示す。
【
図9A】
図9Aは、事業者管理データベースに格納されている情報の一例を示す。
【
図9B】
図9Bは、従業員管理データベースに格納されている情報の一例を示す。
【
図9C】
図9Cは、顧客管理データベースに格納されている情報の一例を示す。
【
図10】
図10は、本開示に係るサーバにおいて実行される処理フローの一例を示す。
【
図11】
図11は、本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システムにおいて実行される処理フローの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同様の意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0011】
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
【0012】
本明細書において、「識別コード」とは、任意のコンピューティングデバイスによって読み取り可能な、サービスを識別する情報が格納されたコードを指し、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、DataMatrix、VeriCode、PDF417、CODE49等を含む。また、本明細書において、「決済用識別コード」とは、サービスの決済に用いられる情報が格納された識別コードである。
【0013】
1.決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末の概要
本開示に係る情報処理端末は、サービスにおける決済のための識別コードを生成および表示可能な情報処理端末である。
図1に、本開示に係る情報処理端末100の正面図が示されている。情報処理端末100は、以下で説明される情報処理(情報の取得、ならびに決済用識別コードの生成および表示処理)を実行可能に構成されている。
【0014】
情報処理端末100は、サービス提供者を識別する提供者情報と、サービスの価格情報とを取得する。提供者情報は、サービス提供者に割り当てられた識別番号、および/またはサービス提供者の氏名、性別、年齢等のサービス提供者を識別可能な情報であり得る。価格情報は、商品の価格を識別可能な情報であり得、例えば、具体的な金額の情報であってもよいし、情報処理端末内に記憶されている情報を参照して価格を特定するための情報であってもよい。情報の取得は、任意の態様で行われ、例えば、情報処理端末100の入力部110からのサービス提供者の手による入力によって行われてもよいし、情報処理端末100と有線または無線で接続された外部機器からの信号の入力によって取得されてもよい。なお、提供者情報は、決済用識別コードの生成時にその都度情報処理端末100の入力部からサービス提供者の手によって入力されてもよいし、一度入力されると情報処理端末100の記憶部に記憶され、次の決済時に記憶部から読み出されるように構成されてもよい。
【0015】
情報処理端末100は、入力された提供者情報および価格情報によって、決済用識別コードを生成する。決済用識別コードは、少なくとも提供者情報および価格情報を格納した識別コードであり得、その少なくとも提供者情報および価格情報を格納した識別コードは、少なくとも提供者情報および価格情報が格納されていて、かつ、他の端末(例えば、後述される顧客端末)に読み取られた後に決済が可能なコードであれば、その具体的態様も生成方法も問わない。例えば公知の識別コードと同様のコードに対して、少なくとも提供者情報および価格情報も格納するようにしたコードであってもよく、公知の識別コード生成方法と同様の方法に対して、少なくとも提供者情報および価格情報も格納するような変更を加えた生成方法であってもよい。
【0016】
そして、情報処理端末100は、生成された識別コードを表示する。さらに、識別コードの表示と同時に、ならびに/または、識別コードを表示する前に、取得された提供者情報および/もしくは価格情報を表示してもよい。取得された提供者情報および/もしくは価格情報の表示は、これらの情報が正しく入力されているかを操作者が確認できるような、人間にとって解読可能な任意の形式であり得る。
【0017】
さらに、情報処理端末100には、予め端末識別情報が割り当てられ得る。端末識別情報は、1つの情報処理端末を他の情報処理端末から識別する情報であり得る。端末識別情報は、情報処理端末100内に予め記憶され得る。端末識別情報が割り当てられている場合、生成される識別コードには、提供者情報および価格情報に加えて端末識別情報も格納され得る。
【0018】
図2は、情報処理端末100の構成を示す。情報処理端末100は、入力部110と、記憶部120と、制御部130と、表示部140とを備え、それらは、バス等を介して相互に接続されている。
【0019】
入力部110は、情報処理端末100に外部から情報を入力することが可能な任意の構成であり得る。
図1において、入力部110は、ボタンとして示されているが、入力部の構成はこれに限定されず、例えば、キーボード、タッチパネル、トラックパッド、マウス、ポインティングデバイスまたは音声受信器等の人間による入力を受け付ける機構であってもよいし、外部機器からの信号(電気信号、磁気信号、光信号等を含む)による入力を受け付ける端子等であってもよい。
【0020】
図1の例では、入力部110は、0~9までの数字ボタン111と、提供者情報登録ボタン112と、価格情報登録ボタン113と、QRコード生成ボタン114と、取消ボタン115、116とを備える。
【0021】
数字ボタン111は、ボタン上に記された数字を端末に入力可能に構成されており、例えばサービスの提供者情報(ID番号等)および価格情報の入力に用いられ得る。
【0022】
提供者情報登録ボタン112は、情報処理端末100に提供者情報を登録するために用いられ得、例えば、数字ボタン111による提供者情報の入力後に提供者情報登録ボタン112が押下されることにより、提供者情報が登録され得る。
【0023】
価格情報登録ボタン113は、情報処理端末100にサービスの価格情報を登録するために用いられ得、例えば、数字ボタン111による価格情報の入力後に価格情報登録ボタン113が押下されることにより、価格情報が登録され得る。
【0024】
QRコード生成ボタン114は、情報処理端末100において、決済用識別コードとしてQRコードを生成するために用いられ得、例えば、サービスの提供者情報および価格情報の登録後にQRコード生成ボタンが押下されることにより、QRコードの生成が開始され得る。
【0025】
取消ボタン115、116は、登録された情報および/または生成されたQRコードを取り消すために用いられ得る。取消ボタンは、一括取消および逐次取消の両方を行うことができるように構成され得、例えば、サービスの提供者情報および価格情報の登録後、取消ボタン115が押下されると、価格情報の登録のみが取り消され、取消ボタン116が押下されると、サービス提供者情報および価格情報の両方の登録が取り消され得る。取消ボタンによって取り消された情報および/またはQRコードは、表示部140から消えるように構成され得る。
【0026】
入力部110は、上記で説明されるボタン以外のボタンも備え得、例えば、提供者情報が英字で構成される場合には、英字ボタンを備えていてもよい。
【0027】
記憶部120は、本開示の処理を実行するために必要とされるプログラム、およびそのプログラムの実行に必要とされる情報等を格納し得る。記憶部120は、例えば、決済用識別コードを生成および表示するための処理(例えば、
図3を参照して説明される処理)を制御部130に行わせるためのプログラムを格納し得る。また、記憶部は、プログラムの実行に必要とされる情報として、情報処理端末の端末識別番号、および提供者情報を格納し得る。記憶部120は、任意の記憶手段によって実装され得、例えば、半導体メモリ素子(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、フラッシュメモリ等)、磁気ディスク、磁気テープ、または光ディスク等であり得る。
【0028】
制御部130は、情報処理端末100における処理を実行し、かつ、提供者端末100全体の動作を制御する。制御部130は、記憶部120に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行し得る。これにより、制御部130は、情報処理端末100における処理(例えば、情報の取得、識別コードの生成、および表示部への表示処理等)を実行するシステムとして情報処理端末を機能させることが可能である。制御部130は、任意の手段で実装され得、例えば、1または複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、浮動小数点プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ)、またはコントローラ等であり得る。
【0029】
制御部130は、機能構成として、取得部131と、識別コード生成部132と、出力処理部133とを備え得る。
【0030】
取得部131は、識別コードの生成に必要な情報を取得するように構成される。取得部131は、入力部110を介して入力された情報および/または記憶部120に記憶されている情報を取得し得、例えば、入力部110を介して入力されたサービス提供者情報およびサービスの価格情報を取得し得る。さらに、決済用識別コードに端末識別情報を格納させることが所望される場合には、記憶部120に記憶されている端末識別情報も取得し得る。取得された情報は、識別コード生成部132に渡される。
【0031】
識別コード生成部132は、取得部131によって取得された情報に基づいて、識別コードを生成するように構成される。識別コード生成部132は、サービスの提供者情報および価格情報によって、決済用識別コードを生成し得る。さらに、決済用識別コードに端末識別情報を格納させることが所望される場合には、サービス提供者情報と価格情報と端末識別情報とによって、決済用識別コードを生成し得る。生成される識別コードには、取得された情報が格納され得る。
【0032】
表示処理部133は、生成された識別コードおよび/または他の情報の表示処理を行うように構成される。表示処理部133は、例えば、生成された識別コードと、提供者情報および価格情報とを、表示部140に表示する処理を行う。
【0033】
表示部140は、表示処理部133の処理に従って、生成された識別コードおよび/または他の情報を表示する。表示部140は、文字、数字および図形等の情報を表示可能な任意の構成であり、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、陰極線管(CRT)等であり得る。
【0034】
図3は、本開示に係る提供者端末において実行される処理のフローの一例を示す。
図3に示される処理フロー300は、情報処理端末100の制御部130によって実行される。以下、
図3に示される各ステップを説明する。
【0035】
ステップS301:情報処理端末100は、サービスの提供者を識別する提供者情報を取得する。取得の態様は、任意であり、例えば、情報処理端末100の入力部110を介してサービス提供者自身の入力によって取得される。例えば、提供者情報は、
図1に示される入力部110の数字ボタン111(テンキーボタン)によって入力され得る。提供者情報は、情報処理端末100の記憶部120に記憶することが可能である。提供者情報を記憶部120に記憶させることで、決済処理の度に入力部を介して提供者情報を入力する手間を省くことが可能となる。
【0036】
ステップS302:情報処理端末100は、サービスの価格情報を取得する。取得の態様は、任意であり、好ましい実施形態において、価格情報が、情報処理端末100の入力部110を介してサービス提供者の入力によって取得される。
【0037】
情報処理端末100は、提供者情報および価格情報の取得後、それらの情報を表示部に表示され得る。情報処理端末100は、例えば、表示処理部133において表示処理を行い、提供者情報および価格情報を表示部140に表示し得る。
図4は、表示部140による提供者情報および価格情報の表示の一例を示す。
図4において、提供者情報は、提供者番号表示141として、価格情報は、価格表示142として、表示部140に表示されている。提供者番号表示141は、サービスの提供者に自己の番号が正しく入力されているか否かを確認させる役割を果たし得、価格表示は、サービスの提供者および顧客に、サービスの価格が正しく入力されているかを確認させる役割を果たし得る。
【0038】
ステップS303:情報処理端末100は、取得された提供者情報および価格情報によって、決済用識別コードを生成する。決済用識別コードは、提供者情報および価格情報を格納している識別コードであり得る。例えば、決済用識別コードは、
図1に示される入力部110のQRコード生成ボタン114が押下されることにより、生成が開始され得る。なお、決済用識別コードに、提供者情報および価格情報とともに、記憶部120に記憶されている端末識別情報を含ませてもよい。
【0039】
ステップS804:情報処理端末100は、取得された情報および決済用識別コードを表示する。情報処理端末100は、表示処理部133において表示処理を行い、決済用識別コードを表示部140に表示し得る。例えば、
図1に示されるように、決済用識別コード表示143が、表示部140の略中央に表示され得る。決済用識別コード表示143は、他の端末によって読み取るために十分な大きさを有し得る。
図1では、決済用識別コード143と共に、提供者番号表示141および価格情報表示142がさらに表示されている。
【0040】
情報処理端末100によって生成される決済用識別コードには、予め価格情報が格納されているため、従来のMPM方式の識別コード決済において必要であった顧客による価格入力の手間が省かれ、サービス提供者と顧客との間の決済を迅速に行うことが可能となる。また、情報処理端末100によって生成される決済用識別コードでは、提供者情報と価格情報とが関連付けられているため、生成された決済用識別コードをもとに、提供者毎に売上を管理することも容易となる。さらに、情報処理端末100によって生成される決済用識別コードには、端末毎に割り当てられた端末識別情報と、提供者毎に割り当てられた提供者情報とが格納され得るため、異なるサービス提供者間で同一の情報処理端末を共有する場合であっても、その都度提供者情報を入力して端末識別情報と提供者情報との対応を変更することで、端末の管理が可能である。これにより、サービス提供者全員にそれぞれ端末を用意する必要がなくなり、1日の最大出勤人数に合わせて最小限の端末を導入することで決済用識別コードの生成ができ、端末導入のコストを低減させることが可能となる。
【0041】
2.本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システム
図5は、本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システムを説明するための概念図である。本発明では、システムを利用するサービス提供者が、上記で説明された情報処理端末(以下、サービス提供者端末または提供者端末と呼ぶ)に提供者情報(
図5におけるID)および価格情報を入力することにより、これらの情報を格納した決済用識別コードが生成され、表示される。そして、顧客が、表示された決済用識別コードを自身の端末(顧客端末)で読み取り、顧客端末が、決済用識別コードからサービスの提供者情報および価格情報を取得する。これにより、MPM方式の識別コード決済において、顧客がサービスの価格を入力する操作が省略される。顧客は、読み取った情報に自身の支払い方法の情報を関連付けて、これらの情報をサーバに送信する。これにより、サーバ上で決済が完了する。
【0042】
また、本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システムによると、サービス提供者を従業員として雇用するサービス事業者にとって、サービス提供者(従業員)毎の売上管理が容易となる。また、サービス提供者は、自身の売上管理が容易となる。このシステムにおいて、サービス提供者が顧客にサービスを提供した際に決済する決済情報は、少なくともサービスの提供者情報と価格情報とが関連付けられている。そしてサーバは、決済時に受信した提供者情報と価格情報とに基づき、サービス提供者毎にサービスの価格を累積的に記憶され得るため、サービス事業者およびサービス提供者は、売上情報を管理しているサーバに売上情報を照会することで売上を確認でき、自ら売上を計算する手間が低減され得る。
【0043】
3.決済システム1000の概要
図6は、本開示に係る情報処理端末を用いて決済を行う決済システム1000のシステム概略図である。決済システム1000は、小売サービスにおける決済システムについて説明しているが、任意のサービスに適用可能ある。例えば、輸送サービス、教育サービス、または飲食サービス等において用いられ得る。
【0044】
決済システム1000は、販売員(サービス提供者)と顧客との間で決済を行うこと、および、複数の小売店における販売員毎の売上を管理することが可能なシステムである。本例において、小売店とは、販売員を1人以上雇用している店舗(サービス事業者)である。決済システム1000は、サービス提供者端末100A、100A’、100B、100B’(以下、総称してサービス提供者端末100と称し得る)と、サーバ300とを備える。もっとも、決済システムはこのような構成に限定されず、顧客端末200および小売店端末400が、決済システム内に含まれていてもよい。本例では、サービス提供者端末100Aおよび100A’が、小売店Aに所持されており、サービス提供者端末100Bおよび100B’が、小売店Bに所持されている。また、サーバ300は、決済システムの事業者によって管理されていてもよいし、小売店によって管理されてもよい。また、
図8の決済システム1000では、1つのサーバ300が示されているが、決済システム1000は、複数のサーバを備えていてもよく、例えば、決済実行サーバおよび情報管理サーバの2つのサーバを備え得る。サーバ300は、ネットワーク500に接続されている。
【0045】
サービス提供者端末100は、サービス提供者である販売員が使用する情報処理端末である。サービス提供者端末100は、
図3を参照して説明される情報処理(情報の取得、ならびに決済用識別コードの生成および表示処理)を実行可能な任意の端末であり、例えば、
図1を参照して上記で説明された情報処理端末であってもよいし、汎用的なスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、携帯電話、またはPDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。サービス提供者端末100は、それぞれの小売店によって管理され得る。サービス提供者端末100は、例えば、小売店から販売員に配布されるモバイル端末であり、各々の販売員に関連付けられ得る。別の例では、サービス提供者端末100は、複数の販売員によって共有され得る。各々のサービス提供者端末100には、予め端末識別情報が割り当てられている。端末識別情報は、1つのサービス提供者端末を他のサービス提供者端末から識別する情報であり得る。端末識別情報は、サービス提供者端末内に予め記憶され得る。端末識別情報と、販売員との関連付けは、サーバ300または小売店端末400において記憶され得る。例えば、サービス提供者端末100Aを使用する販売員が変更された場合、サーバ300または小売店端末400に記憶されている関連付け情報を変更することで、サービス提供者端末100Aの所持者が更新され得る。
【0046】
サービス提供者端末100は、販売員を識別するサービス提供者情報と、商品の価格情報とを取得する。サービス提供者情報は、販売員に割り当てられた識別番号、および/または販売員の氏名、性別、年齢等のサービス提供者を識別可能な情報であり得る。価格情報は、商品の価格を識別可能な情報であり得、例えば、具体的な金額の情報であってもよいし、サーバに記憶されている情報を参照して価格を特定するための情報であってもよい。情報の取得は、任意の態様で行われ、例えば、サービス提供者端末100の入力部からのサービス提供者の手による入力によって行われてもよいし、サービス提供者端末100と有線または無線で接続された外部機器からの信号の入力によって取得されてもよい。
【0047】
サービス提供者端末100は、入力された提供者情報および価格情報によって、決済用識別コードを生成する。なお、サービス提供者情報は、決済用識別コードを生成時に、その都度サービス提供者端末100の入力部からサービス提供者の手によって入力されてもよいし、サービス提供者端末100の記憶部に記憶しておき、記憶部から読み出してもよい。決済用識別コードは、少なくとも提供者情報および価格情報を格納した識別コードであり得、その少なくとも提供者情報および価格情報を格納した識別コードは、少なくとも提供者情報および価格情報が格納されていて、かつ、顧客端末200により読み取られた後に決済が可能なコードであれば、その具体的態様も生成方法も問わない。例えば公知の識別コードと同様のコードに対して、少なくとも提供者情報および価格情報も格納するようにしたコードであってもよく、公知の識別コード生成方法と同様の方法に対して、少なくとも提供者情報および価格情報も格納するような変更を加えた生成方法であってもよい。そして、サービス提供者端末100は、生成された識別コードを、顧客端末200によって読み取られ得るように表示する。
【0048】
表示された識別コードは、顧客端末200によって読み取られる。顧客端末200は、本開示で説明される処理(決済用識別コードの読み取り、決済情報の生成、および決済情報の送信)を実行可能な任意の端末であり得、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ、携帯電話、またはPDA等であり得る。
【0049】
顧客端末200は、読み取った決済用識別コードに含まれる情報と、顧客金融情報とが関連付けられた決済情報を生成する。顧客金融情報は、顧客が決済を行うために必要な任意の情報であり、例えば、顧客の金融機関の口座情報、クレジットカード情報、電子マネーの情報、またはポイント情報を含み得る。顧客金融情報は、予め顧客端末200に記憶されているか、決済時に新たに入力されるか、またはサーバ等の他の機器から取得され得る。顧客端末200は、読み取った識別コード内に格納されている提供者情報および価格情報を顧客金融情報と関連付けて、決済情報を生成する。生成された決済情報は、ネットワーク500を介してサーバ300に送信される。
【0050】
サーバ300は、顧客端末200から決済情報を受信する。サーバ300は、サーバとしての一般的なハードウェア構成を有し得、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータであり得る。サーバ300は、受信された決済情報に基づいて、販売員と顧客との間の決済を実行する。決済は、公知の識別コード決済方法と同様であり、例えば、金融機関のAPIを活用することにより実行され得る。
【0051】
サーバ300は、顧客端末200から受信された決済情報をデータベースに保存する。データベースは、例えば、販売員の個人情報(氏名、年齢、住所等)および売上情報が格納されている販売員管理データベース、小売店ごとに所属する販売員およびサービス提供者端末の端末識別情報が格納されている小売店管理データベース、および/または、顧客の個人情報および顧客の商品購入履歴および/またはサービス利用履歴が格納されている顧客管理データベース等であり得る。
【0052】
サーバ300は、さらに、小売店端末400の要求に応じて情報を提供する。小売店端末400は、小売店が所有している端末であり、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等であり得る。小売店端末400は、ネットワーク500を介してサーバ300と通信可能に構成される。サーバ300は、例えば、小売店端末400から、小売店が雇用している販売員の売上を照会する要求を受信し、データベースを参照して情報を抽出・集計し、小売店端末400に売上情報を提供し得る。サーバ300が複数の小売店の情報を管理している場合、サーバ300は、アクセス制御機能を備えることにより、小売店Aに雇用されている販売員の情報を小売店Bの小売店端末に送信することを防止し得る。なお、サービス提供者端末100がネットワークを通じてサーバ300と通信可能に構成されている場合、サービス提供者端末100によって売上を照会することも可能であり得る。
【0053】
決済システム1000では、顧客端末が読み取る決済用識別コード内に予め価格情報が格納されているため、従来のMPM方式の識別コード決済において必要であった顧客による価格入力の手間が省かれ、販売員および顧客は、決済を迅速に行うことが可能となる。また、決済システム1000では、サービス提供者情報と価格情報とが関連付けられた状態でデータベースに保存されるため、販売員毎に売上を管理することも容易となる。さらに、決済システム100において、サービス提供者端末に端末識別情報が割り当てられており、販売員に提供者情報が割り当てられており、端末識別情報と提供者情報との対応は、サーバ300または小売店端末400に記憶されている。よって、異なる販売員間で同一のサービス提供者端末を共有する場合であっても、端末識別情報と提供者情報との対応を変更することで、端末の管理が可能である。これにより、小売店は、雇用している販売員全員にそれぞれ端末を用意する必要がなくなり、1日の最大出勤人数に合わせて最小限の端末を導入することで本システムが利用でき、システム導入のコストが低減することが可能となる。
【0054】
4.顧客端末の構成
次に、
図7を参照しながら本開示に係る顧客端末の実施形態を説明する。
図7は、
図6に示される顧客端末200の構成を示す。顧客端末200は、本開示に係る顧客端末の一実施形態である。顧客端末200は、読取部210と、記憶部220と、制御部230と、入力部240と、表示部250と、通信部260とを備え、それらはバス等を通じて相互に接続されている。
【0055】
読取部210は、サービス提供者端末によって表示される識別コードを読み取り可能な任意の構成であり、例えば、カメラ、またはコードリーダ等であり得る。読取部210は、読み取った識別コードを取得部231に伝送し得る。また、読取部210は、読み取った識別コードをさらに記憶部220に保存し得る。
【0056】
記憶部220は、本開示の処理を実行するために必要とされるプログラム、およびそのプログラムの実行に必要とされる情報等を格納している。記憶部220は、例えば、読み取った決済用識別コードに格納された情報を抽出し、その情報を顧客金融情報と関連付けて決済情報を生成する処理を制御部230に行わせるためのプログラムを格納し得る。記憶部220は、顧客金融情報を格納し得る。記憶部220は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0057】
制御部230は、顧客端末200における処理を実行し、かつ、顧客端末200全体の動作を制御する。制御部230は、記憶部220に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行し得る。これにより、制御部230は、顧客端末200における処理(例えば、情報の取得、決済情報の生成、および表示処理等)を実行するシステムとして顧客端末200を機能させることが可能である。
【0058】
制御部230は、機能構成として、取得部231と、決済情報生成部232と、表示処理部233とを備え得る。
【0059】
取得部231は、決済情報の生成に必要な情報を取得するように構成される。取得部231は、読取部210によって読み取られた情報および/または記憶部220に記憶されている情報を取得し得、例えば、読取部210で読み取った識別コードから、サービス提供者情報およびサービスの価格情報を取得し、記憶部220から顧客金融情報を取得し得る。また、識別コードに提供者端末の端末識別情報が格納されている場合には、その端末識別情報も取得し得る。さらに、記憶部220に顧客金融情報が格納されていない場合、または顧客が新たな金融情報を用いて決済することを望む場合には、入力部240によって入力された顧客金融情報、または外部機器から受信された顧客金融情報を取得し得る。取得された情報は、決済情報生成部232に渡される。
【0060】
決済情報生成部232は、取得部231によって取得された情報に基づいて、決済情報を生成するように構成される。決済情報生成部232は、例えば、サービス提供者情報と価格情報と顧客金融情報とが関連付けられた決済情報を生成し得る。また、決済用識別コードに提供者端末の端末識別情報が格納されている場合、サービス提供者情報と価格情報と端末識別情報と顧客金融情報とが関連付けられた決済情報を生成し得る。決済情報は、コンピュータによって解読可能な任意の信号の形態であり得る。
【0061】
表示処理部233は、表示部250に表示される情報を処理するように構成される。表示処理部233は、例えば、生成された決済情報に基づく決済を確定させるか否かの確認を表示部250に表示する処理を行うように構成される。表示処理部233は、さらに、顧客によって決済確定コマンドが入力されると、さらに決済確定通知を表示し得る。
【0062】
通信部260は、ネットワークと有線または無線で接続され、ネットワークを介して他の機器との情報の送受信を行う。通信部260は、例えば、ネットワークインタフェースカードであり得る。
【0063】
5.サーバの構成
図8を参照しながら、本開示に係るサーバ300の実施形態を説明する。
図8は、
図6に示されるサーバ300の構成を示す。サーバ300は、本開示に係るサーバの一実施形態である。サーバ300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備え、それらはバス等を介して相互に接続されている。
【0064】
通信部310は、ネットワークと有線または無線で接続され、ネットワークを介して他の機器との情報の送受信を行う。通信部310は、例えば、ネットワークインタフェースカードであり得る。
【0065】
記憶部320は、本開示の処理を実行するために必要とされるプログラム、およびそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納している。記憶部320は、例えば、受信された決済情報に基づいて決済を実行する処理、および/または、情報をデータベースに追加し、もしくはデータベースから情報を抽出する処理を制御部330に行わせるためのプログラムを格納し得る。記憶部320は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0066】
記憶部320は、事業者管理データベース321と、従業員管理データベース322と、顧客管理データベース323とを備え得る。
【0067】
事業者管理データベース321には、事業者に関する情報が格納されている。
図9Aは、事業者管理データベース321に格納されている情報の一例を示す。事業者に関する情報は、事業者を識別するための情報(事業者ID)によって識別されることが可能であり得る。事業者管理データベース321には、例えば、事業者の名称(社名等)、端末情報(小売店端末およびサービス提供者端末)、従業員情報、事業者金融情報等がさらに格納されている。
【0068】
従業員管理データベース322には、サービス提供者である従業員に関する情報が格納されている。
図9Bは、従業員管理データベース322に格納されている情報の一例を示す。従業員に関する情報は、従業員を識別するための情報(提供者ID)によって識別されることが可能であり得る。従業員管理データベース322には、例えば、従業員の氏名、所属、サービスを提供した日時、サービスの価格、従業員金融情報等がさらに格納されている。
【0069】
顧客管理データベース323には、サービスを受ける顧客に関する情報が格納されている。
図9Cは、顧客管理データベース323に格納されている情報の一例を示す。顧客に関する情報は、顧客を識別するための情報(顧客ID)によって識別されることが可能であり得る。顧客管理データベース323には、例えば、顧客の氏名、生年月日、サービス利用日時、サービスの利用価格、顧客金融情報等がさらに格納されている。
【0070】
制御部330は、サーバ300における処理を実行し、かつ、サーバ300全体の動作を制御し得る。制御部330は、記憶部320に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行し得る。これにより、制御部330は、サーバ300における処理(例えば、
図10を参照して説明される処理)を実行するシステムとしてサーバ300を機能させることが可能である。
【0071】
制御部230は、機能構成として、取得部331と、決済実行部332と、情報管理部333とを備え得る。
【0072】
取得部331は、決済の実行に必要な情報を取得するように構成される。取得部331は、通信部310によって顧客端末200から受信された情報および/または記憶部320に記憶されている情報を取得し得、例えば、顧客端末200から受信した決済情報の中からサービスの価格情報および顧客金融情報を取得し、記憶部320からサービス提供者が所属する事業者金融情報を取得し得る。取得された情報は、決済実行部332に渡される。
【0073】
決済実行部332は、取得部331によって取得された情報に基づいて、決済を実行するように構成される。決済実行部332は、例えば、取得したサービス価格情報、顧客金融情報、および事業者金融情報に基づいて、顧客と事業者との間でサービス価格分の金額を移動させ得る。
【0074】
情報管理部333は、記憶部内に格納されている情報を管理するように構成される。情報管理部333は、例えば、顧客端末200から取得したサービス提供者情報および価格情報を従業員管理データベース322に追加し、顧客端末200から取得した顧客金融情報を顧客管理データベース323に追加し得る。さらに、顧客端末200から受信された決済情報にサービス提供者端末の端末識別情報が含まれている場合、情報管理部333は、事業者管理データベース321に問い合わせ、事業者管理データベース321に記憶されているサービス提供者情報と端末識別情報との対応と、決済情報におけるサービス提供者情報と端末識別情報との対応とが異なっている場合には、対応関係を変更する処理を行い得る。情報管理部333は、小売店端末400から従業員の売上情報の提供要求があった場合、従業員管理データベース322から従業員のサービス価格情報を取得し、これを集計することにより、売上情報を作成し得る。この場合、作製された売上情報は、通信部310を介して小売店端末400に送信され得る。
【0075】
6.システムの処理
【0076】
図10は、本開示に係るサーバにおいて実行される処理フローの一例を示す。
図10に示される処理フロー600は、サーバ300の制御部330によって実行される。以下、
図10に示される各ステップを説明する。
【0077】
ステップS601:サーバ300は、顧客端末から決済情報を受信する。例えば、サーバ300の通信部310が、顧客端末200からネットワークを介して決済情報を受信し得る。
【0078】
ステップS602:サーバ300は、サービスの提供者と顧客との間の決済を実行する。例えば、サーバ300の決済実行部332が、受信された決済情報に基づいて決済を実行し得る。
【0079】
サーバ300は、さらに、決済情報を保存し得る。例えば、サーバ300の情報管理部333が、決済情報を記憶部320内の対応するデータベースに追加し得る。決済情報の保存は、決済を実行した後であってもよいし、決済の実行と同時であってもよい。
【0080】
ステップS603:サーバ300は、提供者情報および価格情報から、サービスの提供者ごとの売上情報を作成する。例えば、サーバ300の情報管理部333が、記憶部320内の従業員管理データベース322を参照して従業員(サービス提供者)ごとの売上情報を作成し得る。従業員管理データベース322には、決済情報から取得された価格情報がサービス提供日時に関連付けて格納されている。蓄積された価格情報を足し合わせて集計することにより、サービス提供者ごとの売上が導出され得る。売上情報は、定期的に作成されてもよいし、
図8に示される小売店端末400の要求に応じて作成されてもよい。さらに、作成された売上情報は、小売店端末400等の他の機器に送信可能であり得る。
【0081】
図11は、提供者端末と、顧客端末と、サーバとを含む決済システムにおいて実行される決済処理のフローの一例を示す。
図11に示される処理フロー700は、提供者端末100の制御部130、顧客端末200の制御部230、およびサーバ300の制御部330によって実行される。以下、
図11に示される各ステップを説明する。
【0082】
ステップS701~ステップS704までの内容は、
図3に示すステップS301~ステップS304までの内容と同一であるため、詳細な説明は割愛している。
【0083】
ステップS705:顧客端末200は、サービス提供者端末100に表示された決済用識別コードを読み取る。顧客端末200は、読取部210によって決済用識別コードを読み取り得る。
【0084】
ステップS706:顧客端末200は、読み取った決済用識別コードから、サービス提供者情報と、価格情報と、顧客金融情報とを取得する。顧客端末200は、例えば、取得部210において決済用識別コードを復号することによって、コード内に格納されたサービス提供者情報および価格情報を抽出し得る。顧客端末200は、例えば、記憶部220に記憶されている顧客金融情報を取得し得る。顧客金融情報が記憶部220に記憶されていない場合、顧客端末200は、入力部240を介した顧客からの入力によって、または顧客金融情報が記憶されている外部機器から有線または無線の通信によって、顧客金融情報を取得し得る。
【0085】
ステップS707:顧客端末200は、決済情報を生成する。例えば、顧客端末200の決済情報生成部232が、サービス提供者情報と、価格情報と、顧客金融情報とが関連付けられた決済情報を生成し得る。決済情報には、他の情報が含まれてもよく、例えば、決済用識別コードにサービス提供者端末100の端末識別情報が格納されている場合、決済情報は、端末識別情報も含み得る。
【0086】
ステップS708:顧客端末200は、決済情報の確認表示を表示する。確認表示は、決済する価格および/または決済において使用する顧客金融情報を顧客に確認させるための表示であり得る。確認表示は、顧客端末200の表示部250に表示され得る。
【0087】
ステップS709:顧客端末200は、決済情報を送信する。例えば、顧客端末200の通信部260が、ネットワークを介してサーバ300に決済情報を送信し得る。決済情報の送信後、顧客端末200は、さらに、表示部250に送信完了表示を表示し得る。顧客が送信完了表示をサービス提供者に提示することにより、サービス提供者は、顧客が決済情報を送信したことを確認することができる。
【0088】
ステップS710~ステップS712までの内容は、
図10のステップS601~ステップS603までの内容と同じであるため、詳細な説明を割愛している。
【0089】
本開示に係る決済システムの一例である決済システム1000は、サービス提供者端末100の制御部130およびサーバ300の制御部330、ならびに/または顧客端末200の制御部230の機能構成が連携することによって行われるものとして説明された。それぞれの制御部の機能構成は、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、任意に変更可能である。
以上の様に、本開示に係る発明の好ましい実施形態を例示してきたが、本開示は、これらの実施形態に限定して解釈されるべきではない。本発明は、上記で説明された端末およびシステムに限定されず、本開示の意図および範囲を逸脱しない範囲で、適宜、変更および代替可能である。また、例示される処理フローは、本開示の意図および範囲を逸脱することなく、いくつかのステップが省略されてもよいし、いくつかのステップの順序が入れ替えられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、識別コード決済における作業を簡単かつスムーズに行え、さらにサービス提供者の売上管理を容易にする決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0091】
100 情報処理端末
110 入力部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 識別コード生成部
133 表示処理部
140 表示部
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の携帯端末から決済用サーバに決済情報を送信することによって決済を実行する際に使用される決済用識別コードを生成および表示可能な情報処理端末であって、
前記情報処理端末は、
サービスの提供者を識別する提供者情報と、前記サービスの価格情報とを入力可能な入力部と、
前記入力部によって入力された前記提供者情報および前記価格情報によって、決済用識別コードを生成する生成部と、
前記入力部に入力された前記提供者情報と前記価格情報と前記決済用識別コードとを表示可能な表示部と、
前記情報処理端末の識別情報が予め記憶されている記憶部と
を備え、
前記生成部において生成される前記決済用識別コードには、前記記憶部に記憶されている前記情報処理端末の識別情報が含まれる、情報処理端末。
【請求項2】
前記決済用識別コードは、前記提供者情報および前記価格情報を格納している、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記決済用識別コードは、QRコード(登録商標)である、請求項1または2に記載の情報処理端末。