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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187393
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】車両コントローラ
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/26 20060101AFI20221212BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20221212BHJP
   B60W 20/12 20160101ALI20221212BHJP
   B60W 20/13 20160101ALI20221212BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20221212BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20221212BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20221212BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20221212BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20221212BHJP
   B60L 9/18 20060101ALN20221212BHJP
【FI】
B60W10/26 900
B60K6/445 ZHV
B60W20/12
B60W20/13
B60L15/20 S
B60L50/16
B60L50/60
B60L58/12
B60H1/22 671
B60L9/18 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095410
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 優
【テーマコード(参考)】
3D202
3L211
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202BB00
3D202BB21
3D202CC59
3D202DD44
3D202DD45
3D202DD50
3D202EE00
3L211AA10
3L211BA32
3L211EA86
3L211FA10
3L211FA22
3L211FB05
3L211FB08
3L211GA93
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA04
5H125BB00
5H125BC05
5H125BC08
5H125BD17
5H125CA02
5H125CA18
5H125CD09
5H125EE27
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】ハイブリッド車両において、メインバッテリの劣化を抑制しつつ、エネルギ効率をより向上できる車両コントローラを提供する。
【解決手段】車両コントローラ50は、メインバッテリ12と、エンジン14と、回転電機ユニット13と、空調装置32と、を備えるハイブリッド車両を制御する。前記車両コントローラ50は、前記空調装置32が暖房運転する場合に、前記バッテリ12の入力電力許容値WImaxの範囲内で前記メインバッテリ12を充電するように、前記エンジン14および前記回転電機ユニット13を駆動して発電させており、前記車両コントローラ50は、前記暖房運転の実行中、前記車両10の今後の電力需要を電力需要推定値W*として推定し、前記電力需要推定値W*に応じて前記入力電力許容値WImaxを一時的に補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を充放電可能なメインバッテリと、
エンジンと、
1以上の回転電機を有し、前記メインバッテリからの電力供給で走行用動力を出力するとともに、前記エンジンからの動力供給で発電して前記メインバッテリを充電する回転電機ユニットと、
前記エンジンの排熱を暖房用熱源の一つとする空調装置と、
を備えるハイブリッド車両を制御する車両コントローラであって、
前記車両コントローラは、前記空調装置が暖房運転する場合に、前記バッテリの入力電力許容値の範囲内で前記メインバッテリを充電するように、前記エンジンおよび前記回転電機ユニットを駆動して発電させ、
前記車両コントローラは、前記暖房運転の実行中、前記車両の今後の電力需要を電力需要推定値として推定し、前記電力需要推定値に応じて前記入力電力許容値を一時的に補正する、
ことを特徴とする車両コントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両コントローラであって、
前記車両コントローラは、前記暖房運転の実行中、前記入力電力許容値を、一時的に、補正量分だけ引き上げて補正しており、
前記補正量は、現在から一定期間経過するまでの電力需要推定値の平均値である電力需要平均値より小さい値である、
ことを特徴とする車両コントローラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両コントローラであって、
前記車両コントローラは、前記車両の今後の走行ルートを推定走行ルートとして推定し、前記推定走行ルートに基づいて、前記電力需要推定値を予測する、ことを特徴とする車両コントローラ。
【請求項4】
請求項3に記載の車両コントローラであって、
前記車両コントローラは、記憶装置を有し、
前記車両コントローラは、車外のコンピュータまたは前記記憶装置に記憶された過去の走行履歴、および、ナビゲーション装置で設定された予定走行ルート、の少なくとも一つに基づいて、前記推定走行ルートを推定する、ことを特徴とする車両コントローラ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両コントローラであって、
前記車両コントローラは、前記暖房運転中であっても、前記バッテリの充電率が、予め規定された充電基準値以下の場合、前記電力需要推定値の推定および前記入力電力許容値の一時的な補正を行わない、ことを含む、ことを特徴とする車両コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、メインバッテリ、エンジン、回転電機ユニット、および、空調装置を有するハイブリッド車両を制御する車両コントローラを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の動力源として、エンジンと回転電機とを有するハイブリッド車両が広く知られている。かかるハイブリッド車両では、空調装置を暖房運転する際、エンジンを積極的に駆動し、エンジンの排熱を暖房の熱源として利用するとともに、エンジンの動力で回転電機に発電を実行させ、メインバッテリを充電することが提案されている。例えば、特許文献1には、エンジンの排熱を暖房の熱源として利用する技術が開示されている。特許文献1では、暖房運転が要求され、かつ、メインバッテリのSOCが基準値以下の場合(すなわち充電余地がある場合)、SOC上限値を通常時よりも大きい値であるかさ上げ上限値に引き上げたうえで、エンジンを、当該エンジンの効率を優先するモードで駆動する技術が開示されている。また、SOCがかさ上げ上限値に達するまで、エンジンの動力で発電機を駆動し、発電電力をメインバッテリに充電する。一方、メインバッテリのSOCが基準値超過の場合(すなわち充電余地がない場合)、SOC上限値を通常時の値のままとしたうえで、エンジンを、当該エンジンの効率より排熱を優先するモードで駆動する技術が開示されている。かかる技術によれば、暖房にエンジンの排熱を利用できるため、車両全体としてのエネルギ効率をある程度向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-166204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、充電余地がない場合、すなわち、SOCが、規定の基準値超過の場合には、メインバッテリに充電できる電力が制限されるため、発電機を駆動できるケースが少なくなり、エンジンの動力を有効活用できない。結果として、車両全体でのエネルギ効率を十分に向上できない。また、特許文献1では、メインバッテリに充電余地がある場合には、SOC上限値を引き上げている。この場合、メインバッテリが、長時間、SOCが高い状態で保たれてしまい、メインバッテリの劣化を招くおそれがある。
【0005】
そこで、本明細書では、ハイブリッド車両において、メインバッテリの劣化を抑制しつつ、エネルギ効率をより向上できる車両コントローラを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する車両コントローラは、電力を充放電可能なメインバッテリと、エンジンと、1以上の回転電機を有し、前記メインバッテリからの電力供給で走行用動力を出力するとともに、前記エンジンからの動力供給で発電して前記メインバッテリを充電する回転電機ユニットと、前記エンジンの排熱を暖房用熱源の一つとする空調装置と、を備えるハイブリッド車両を制御する車両コントローラであって、前記車両コントローラは、前記空調装置が暖房運転する場合に、前記バッテリの入力電力許容値の範囲内で前記メインバッテリを充電するように、前記エンジンおよび前記回転電機ユニットを駆動して発電させ、前記車両コントローラは、前記暖房運転の実行中、前記車両の今後の電力需要を電力需要推定値として推定し、前記電力需要推定値に応じて前記入力電力許容値を一時的に補正する、ことを特徴とする。
【0007】
電力需要推定値に応じて入力電力許容値を補正することで、バッテリの充電率が高い場合でも、入力電力許容値を比較的高く保つことができる。その結果、充電率が高い場合でも、エンジンの動力を、充電に、エンジンの排熱を暖房に、それぞれ利用することができ、車両のエネルギ効率を向上できる。
【0008】
この場合、前記車両コントローラは、前記暖房運転の実行中、前記入力電力許容値を、一時的に、補正量分だけ引き上げて補正しており、前記補正量は、現在から一定期間経過するまでの電力需要推定値の平均値である電力需要平均値より小さい値であってもよい。
【0009】
補正量を、電力需要平均値より小さい値とすることで、引き上げた分の電力は、将来の電力需要で相殺される。その結果、充電率が過度に高くなることを防止できる。
【0010】
また、前記車両コントローラは、前記車両の今後の走行ルートを推定走行ルートとして推定し、前記推定走行ルートに基づいて、前記電力需要推定値を推定してもよい。
【0011】
推定走行ルートに基づいて電力需要推定値を推定することで、電力需要推定値の推定精度を向上できる。
【0012】
また、前記車両コントローラは、記憶装置を有し、前記車両コントローラは、車外のコンピュータまたは前記記憶装置に記憶された過去の走行履歴、および、ナビゲーション装置で設定された予定走行ルート、の少なくとも一つに基づいて、前記推定走行ルートを推定してもよい。
【0013】
かかる構成とすることで、推定走行ルートの推定精度を向上できる。
【0014】
また、前記車両コントローラは、前記暖房運転中であっても、前記バッテリの充電率が、予め規定された充電基準値未満の場合、前記電力需要推定値の推定および前記入力電力許容値の一時的な補正を行わない、ことを含んでもよい。
【0015】
かかる構成とすることで、充電率が充電率基準値未満の場合には、電力需要の推定が行われないため、演算リソースを有効活用できる。
【発明の効果】
【0016】
本明細書で開示する車両コントローラによれば、車両全体のエネルギ効率をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】車両コントローラ50が搭載されたハイブリッド車両10の構成を示す図である。
図2】力電力許容値マップの一例を示す図である。
図3】推定された電力需要推定値の一例を示すグラフである。
図4】補正量マップの一例を示す図である。
図5】補正後の入力電力許容値の一例を示す図である。
図6】エンジン回転数マップの一例を示す図である。
図7】エンジン動作マップの一例を示す図である。
図8】暖房補助充電処理の流れを示すフローチャートである。
図9】他の例の暖房補助充電処理の流れを示すフローチャートである。
図10】充電率基準値を示す図である。
図11】総パワーに基づいて動力源の動作点を設定する場合の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、車両コントローラ50の構成について図面を参照して説明する。図1は、車両コントローラ50が搭載されたハイブリッド車両10の構成を示す図である。なお、図1において、破線は電気的な接続を、二重線は動力を伝達するための機械的な接続を、それぞれ示している。
【0019】
ハイブリッド車両10は、動力源として、二つの回転電機MG1,MG2と一つのエンジン14とを備えている。エンジン14および回転電機MG1,MG2は、遊星歯車等からなる動力分割機構16に接続されている。遊星歯車は、エンジン14の動力を、駆動輪20と第一回転電機MG1とに分割して伝達する。回転電機ユニット13は、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を有する。二つの回転電機MG1,MG2は、いずれも、電動機として機能するとともに発電機としても機能する。第二回転電機MG2の出力軸は、トランスミッション18を介して駆動輪20に連結されている。第二回転電機MG2は、主に、電動機として機能するもので、車両走行時には、駆動輪20に駆動トルクを供給する。また、第二回転電機MG2は、車両制動時には、制動力により発電する発電機としても機能する。第一回転電機MG1は、主に、発電機として機能するもので、動力分割機構16に連結されており、エンジン14の余剰動力を受けて、発電する。また、第一回転電機MG1は、エンジン14を始動させるスタータモータとしても機能する。
【0020】
インバータ24は、直流電力を交流電力に、また、交流電力を直流電力に変換する。具体的には、インバータ24は、後述するメインバッテリ12から供給された直流電力を交流電力に変換して、電動機として駆動する第一、第二回転電機MG1,MG2に出力する。また、インバータ24は、発電機として駆動する第一、第二回転電機MG1,MG2で発電された交流電力を直流電力に変換してメインバッテリ12に供給する。なお、インバータ24とメインバッテリ12との間には、電力を、昇圧または降圧させる変圧器が設けられてもよい。
【0021】
メインバッテリ12は、回転電機MG1,MG2を駆動するための電力を供給するとともに、回転電機MG1,MG2で発電された電力を蓄電する二次電池である。このメインバッテリ12には、当該メインバッテリ12の端子間電圧値および電流値を計測する電圧センサ46および電流センサ48が設けられている。後述する車両コントローラ50は、検知された電圧値および電流値に基づいて、メインバッテリ12のSOC(State of Charge)を算出する。ここで、SOCとは、メインバッテリ12の満充電容量に対する現在の充電容量の比率に100%を乗じた値(%)である。以下では、このSOCを、「充電率C」と呼ぶ。
【0022】
補機バッテリ28は、メインバッテリ12よりも出力電圧が低いバッテリである。補機バッテリ28は、DC/DCコンバータ26を介してメインバッテリ12と接続される。DC/DCコンバータ26は、メインバッテリ12の電力を降圧して補機バッテリ28に出力する。補機バッテリ28の電力は、低電圧で駆動される装置である各種の補機30やナビゲーション装置31、エアコン34、後述するポンプ42等に供給される。
【0023】
空調装置32は、エアコン34と排熱ヒータ36とを有している。エアコン34は、車室に冷気および暖気を供給することで、車室を冷房または暖房する。このエアコン34の構成は、従来からよく知られているため、ここでの詳説は省略する。排熱ヒータ36は、エンジン14の排熱を車室に送ることで、車室を暖房する。この排熱ヒータ36は、ヒータコア40、循環流路38、ポンプ42、および、ブロア44を有する。循環流路38は、エンジン14の冷却水が循環して流れる流路である。ポンプ42は、この冷却水を圧送する。ヒータコア40は、循環流路38の途中に設けられており、冷却水と熱交換する。ブロア44は、ヒータコア40により冷却水から取り出された暖房熱を車室に供給する。
【0024】
車両コントローラ50は、上述したエンジン14や第一、第二回転電機MG1,MG2、空調装置32等の駆動を制御する。特に、車両コントローラ50は、車両10から要求されるパワーや、メインバッテリ12の充電率C等に基づいて、エンジン14および第一、第二回転電機MG1,MG2の回転数およびトルクを算出し、この算出結果に従い、エンジン14および第一、第二回転電機MG1,MG2の駆動を制御する。また、車両コントローラ50は、ユーザからの指示に応じて、空調装置32や補機30等を駆動する。ここで、本明細書の車両コントローラ50は、空調装置32が暖房運転する際には、エンジン14を積極的に駆動し、その動力で発電するとともに、その排熱を排熱ヒータ36に供給する処理を行う。以下では、この処理を「暖房補助充電処理」と呼ぶ。この暖房補助充電処理の具体的な処理内容については後述する。
【0025】
車両コントローラ50は、物理的には、プロセッサ52とメモリ54と通信I/F56とを有したコンピュータである。この「コンピュータ」には、コンピュータシステムを一つの集積回路に組み込んだマイクロコントローラも含まれる。また、プロセッサ52とは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0026】
メモリ54は、各種プログラムやデータを記憶する。かかるメモリ54は、例えば、半導体メモリ(例えばRAM、ROM、ソリッドステートドライブ等)および磁気ディスク(例えば、ハードディスクドライブ等)の少なくとも一つを含んでもよい。
【0027】
通信I/F56は、車外の情報機器とデータ通信するためのインターフェースである。このデータ通信は、専用の通信回線を利用して行ってもよいし、携帯電話会社が提供する汎用的なモバイルデータ回線を利用して行ってもよい。
【0028】
以上のような車両コントローラ50は、物理的に、単一のコンピュータでもよいし、複数のコンピュータで構成されてもよい。すなわち車両コントローラ50は、複数のプロセッサ52と、複数のメモリ54と、を有してもよい。したがって、例えば、車両コントローラ50は、メインバッテリ12の充放電を制御するバッテリコントローラや、回転電機MG1,MG2の駆動制御するMGコントローラ、エンジン14の駆動を制御するエンジンコントローラ、補機30の駆動を制御する補機コントローラ、および、これら複数のコントローラを統括するメインコントローラと、を有してもよい。
【0029】
次に、この車両10で行われる暖房補助充電処理について説明する。暖房補助充電処理は、上述した通り、空調装置32が暖房を運転する際、エンジン14の排熱を暖房に利用するために、エンジン14を積極的に駆動し、当該駆動で得られた動力で第一回転電機MG1を発電させる処理である。かかる構成とすることで、暖房時におけるエネルギの収支を小さく抑えることができ、車両全体でのエネルギ効率を向上できる。しかしながら、暖房運転時においてメインバッテリ12の充電率Cが高いため、メインバッテリ12への入力電力WIが制限されてしまい、エンジン14の動力を有効利用できない場合があった。
【0030】
すなわち、通常、メインバッテリ12は、充電率Cが過度に高くなると劣化が生じる。そのため、メインバッテリ12に入力される電力の許容値(以下「入力電力許容値WImax」という)は、充電率Cが高いほど小さくなるように設定されている。図2は、入力電力許容値マップ60の一例を示す図である。入力電力許容値マップ60は、入力電力許容値WImaxと充電率Cとの相関を示すマップであり、車両コントローラ50のメモリ54に予め記憶されているマップである。図2において、横軸は、メインバッテリ12の充電率Cを、縦軸は、入力電力許容値WImaxを示している。車両コントローラ50は、現在の充電率Cを、この入力電力許容値マップ60に照らし合わせ、現在の入力電力許容値WImaxを特定し、この入力電力許容値WImaxを越えない範囲で、第一回転電機MG1による発電を行う。そのため、暖房を補助する目的でエンジン14を駆動したとしても、充電率Cが高い場合には、入力電力許容値WImaxが小さいので、第一回転電機MG1による発電ができず、エンジン14の動力が有効に利用できない。
【0031】
なお、一部では、暖房時における充電電力を増やすために、充電率Cが基準値よりも低く、充電余地がある場合には、充電率Cの上限値(または充電の目標値)を一時的に引き上げる技術が提案されている。しかし、この技術では、充電の余地を、現在の充電率Cに基づいて判断しているため、現在の充電率Cが高く、充電余地がない場合には、エンジン14の動力を充電に利用することができず、エネルギ効率を充分に向上できない。
【0032】
そこで、本例の車両コントローラ50は、車両10のエネルギ効率をより向上するために、所定の補正条件を満たす場合には、車両10の今後一定期間の電力需要を推測し、その推測結果に応じて、入力電力許容値マップ60における入力電力許容値WImaxを一時的に引き上げている。以下、これについて詳説する。
【0033】
車両コントローラ50は、まず、所定の補正条件を満たすか否かを判断する。ここで、補正条件とは、入力電力許容値WImaxを補正する際の条件である。本例の場合、暖房運転中であることが補正条件となる。補正条件を満たす場合、すなわち、暖房運転中の場合、車両コントローラ50は、現在から一定期間経過するまでの電力需要を電力需要推定値W*として推定する。ここで、「一定期間」は、後述する図8のフローチャートの繰り返し周期T以上であれば特に限定されず、「一定期間」は、例えば、30秒から20分程度の時間でもよい。
【0034】
また、「電力需要」とは、車両10全体で消費する消費電力と、車両10全体で発電する発電電力と、の収支を意味している。車両コントローラ50は、例えば、車両10の今後の走行ルートを推定走行ルートとして推定し、得られた推定走行ルートに基づいて、電力需要の推定値、すなわち、電力需要推定値W*を推定してもよい。推定走行ルートは、例えば、車両10のナビゲーション装置に登録されている走行ルートに基づいて推定できる。そして、車両コントローラ50は、今後走行する道路の特性(例えば、道路の勾配、曲率、および、制限速度等)から車両の走行に必要な走行パワーおよび車両10の制動で生じる制動パワーを推定する。そして、車両コントローラ50は、この走行パワーの出力に必要な電力から、制動パワーで得られる発電電力を減算した値を電力需要推定値W*として算出してもよい。また、走行パワーおよび制動パワーは、道路の渋滞状況によっても大きく異なる。そのため、車両コントローラ50は、電力需要推定値W*の推定に、渋滞情報を活用してもよい。渋滞情報は、例えば、車外に設けられた道路交通センタから送信される。
【0035】
また、別の形態として、車両コントローラ50は、車両10の過去の走行履歴を車両10のメモリ54または車外の外部サーバ100に記録しておき、この走行履歴に基づいて電力需要推定値W*を推定してもよい。すなわち、通勤や通学など、一定の周期性をもって同様のルートを同様の時間に走行することがある。このような周期性をもって繰り返す走行の場合、過去の走行履歴から、将来の電力需要を推定できる。例えば、車両コントローラ50は、直近の走行パターンと類似する過去の走行パターンを走行履歴から探索し、類似する過去の走行パターンに基づいて、推定走行ルート、ひいては、電力需要推定値W*を推定してもよい。
【0036】
図3は、推定された電力需要推定値W*の一例を示すグラフである。車両コントローラ50は、今後一定期間の電力需要推定値W*が得られれば、この電力需要推定値W*の平均値を、電力需要平均値Wave*として算出する。
【0037】
電力需要平均値Wave*が算出できれば、車両コントローラ50は、この電力需要平均値Wave*に応じて、入力電力許容値WImaxを一時的に引き上げるように補正する。具体的には、車両コントローラ50は、図4の補正量マップ62に電力需要平均値Wave*を照らし合わせ、入力電力許容値WImaxの引き上げ量、すなわち補正量ΔWを特定する。補正量マップ62は、電力需要平均値Wave*と補正量ΔWとの相関を示すマップであり、車両コントローラ50のメモリ54に予め記憶されているマップである。図4に示すように、電力需要平均値Wave*が大きいほど補正量ΔWも大きくなる。車両コントローラ50は、算出された電力需要平均値Wave*を、この補正量マップ62に照らし合わせ、補正量ΔWを特定する。そして、特定された補正量ΔW分だけ、入力電力許容値WImaxを引き上げる。なお、補正量ΔWの値は、電力需要平均値Wave*以下である。ΔW<Wave*とすることで、引き上げ量であるΔW分の充電電力は、今後の電力需要で相殺される。結果として、メインバッテリ12への入力電力が過度に高くなることを防止できる。
【0038】
図5は、補正後の入力電力許容値WImaxの一例を示す図である。図5において、実線のラインL1は、入力電力許容値WImaxの初期値である。また、破線のラインL2,L3は、補正後の入力電力許容値WImaxである。入力電力許容値WImaxは、図5においてラインL2で示すように、初期値のラインL1を、右側にシフトさせるように補正されてもよい。この場合、充電率Cのほぼ全ての範囲において、入力電力許容値WImaxが初期値に比べて大きくなる。また、別の形態として、入力電力許容値WImaxは、図5においてラインL3で示すように、その下限値が高くなるように補正してもよい。いずれにしても、車両コントローラ50は、補正後の入力電力許容値マップ60に、現在の充電率Cを照らし合わせて、入力電力許容値WImaxを特定する。例えば、初期値のラインL1をラインL2に補正した場合、充電率C=C1における入力電力許容値WImaxは、補正前のW1#から、W1に引き上げられることになる。なお、また、別の形態として、入力電力許容値マップ60を補正するのではなく、初期値の入力電力許容値マップ60に基づいて入力電力許容値WImaxを特定した後、特定された入力電力許容値WImaxに補正量ΔWを加算してもよい。
【0039】
入力電力許容値WImaxが得られれば、続いて、車両コントローラ50は、得られた入力電力許容値WImaxを、図6のエンジン回転数マップ64に照らし合わせ、エンジン14の回転数を特定する。エンジン回転数マップ64は、入力電力許容値WImaxとエンジン回転数Neとの相関を示すマップであり、車両コントローラ50のメモリ54に予め記憶されているマップである。図6に示すように、入力電力許容値WImaxが大きいほど、エンジン回転数Neも大きくなる。図6の例において、入力電力許容値WImaxが、W1の場合、エンジン回転数Neは、Ne1となる。
【0040】
エンジン回転数Neが求まれば、車両コントローラ50は、エンジン回転数Neを、図7のエンジン動作マップ66に照らし合わせて、エンジン14の動作点を特定する。エンジン動作マップ66は、エンジン14を効率よく動作させる際のエンジン回転数NeとエンジントルクTeとの相関を示すマップであり、車両コントローラ50のメモリ54に予め記憶されているマップである。図7において、ラインLeは、エンジン14が、効率よく動作できる動作点を繋げたラインである。車両コントローラ50は、特定されたエンジン回転数Neを、このラインLeに照らし合わせて、エンジントルクTeを特定する。例えば、エンジン回転数Neが、Ne1の場合、エンジントルクTeは、Te1となる。そして、この場合、車両コントローラ50は、エンジン14をトルクTe1、回転数Ne1で駆動し、その動力で第一回転電機MG1を発電させるとともに、その排熱を排熱ヒータ36に提供する。なお、エンジン14のパワーPeは、Pe=Ne×Teとなるが、このエンジンパワーPeで不足するパワーは、第二回転電機MG2を駆動して補う。
【0041】
次に、上述した暖房補助充電処理の流れについて、図8を参照して説明する。図8は、暖房補助充電処理の流れを示すフローチャートである。車両コントローラ50は、図8のフローを、所定の周期Tで繰り返し実行する。
【0042】
図8に示すように、車両コントローラ50は、暖房運転が実行されるまでは待機する。一方、暖房運転が実行された場合(S10でYes)、車両コントローラ50は、電力需要平均値Wave*を算出する(S12)。すなわち、車両コントローラ50は、ナビゲーション装置で設定された走行ルートや、過去の走行履歴に基づいて、現在から一定期間経過するまでの間の電力需要推定値W*を求め、その平均値を、電力需要平均値Wave*として算出する。
【0043】
続いて、車両コントローラ50は、算出された電力需要推定値W*に基づいて、入力電力許容値マップ60を補正する(S14)。すなわち、電力需要推定値W*を補正量マップ62に照らし合わせて、補正量ΔWを算出し、その補正量ΔW分だけ、入力電力許容値WImaxを一時的に引き上げる。
【0044】
次に車両コントローラ50は、現在の充電率Cを、補正後の入力電力許容値マップ60に照らし合わせて、入力電力許容値WImaxを特定する(S16)。車両コントローラ50は、この入力電力許容値WImaxに基づいて、メインバッテリ12の充電の可否を判断する(S18)。この判断は、例えば、入力電力許容値WImaxを、予め規定された下限値と比較し、入力電力許容値WImaxが下限値以下の場合、充電できないと判断してもよい。すなわち、今後の電力需要が低い場合、補正量ΔWは小さくなり、入力電力許容値WImaxも小さいままとなる。車両コントローラ50は、このような場合には、充電不可と判断する。
【0045】
判断の結果、メインバッテリ12の充電ができない場合(S18でNo)、車両コントローラ50は、エンジン14を駆動することなく、ステップS10に戻る。一方、メインバッテリ12の充電が可能な場合(S18でYes)、車両コントローラ50は、エンジン14を駆動し、その動力で第一回転電機MG1を駆動して発電させ、メインバッテリ12の充電を行う(S20)。また、ブロア44およびポンプ42を駆動して、エンジン14の排熱を車室に供給する。
【0046】
以上の説明で明らかな通り、本例によれば、将来の電力需要を推定し、その電力需要に応じて、入力電力許容値WImaxを一時的に引き上げている。その結果、充電率Cが、高い場合であっても、エンジン14の動力を利用したメインバッテリ12の充電が可能となる。その結果、車両10のエネルギ効率をより向上できる。
【0047】
ところで、上述した説明では、充電率Cの高低に関わらず、暖房運転時には、常に、電力需要推定値W*を推定している。しかし、こうした電力需要推定値W*の推定は、演算リソースを大量に使用する。その一方、充電率Cが低い領域では、入力電力許容値WImaxは、一時的に引き上げなくても十分に高いため、メインバッテリ12の充電が可能となる。そこで、演算リソースをより有効に活用するために、充電率Cが所定の充電率基準値Cdef未満の場合、電力需要の推定および入力電力許容値WImaxの補正を省略してもよい。すなわち、暖房運転中であり、かつ、充電率Cが充電率基準値Cdef以上であることを、補正条件として設定してもよい。
【0048】
図9は、他の例の暖房補助充電処理の流れを示すフローチャートである。図9のフローは、電力需要平均値Wave*の算出に先立って、充電率Cと充電率基準値Cdefとの比較(S11)を行う点で、図8のフローと相違する。充電率Cが、充電率基準値Cdef以上の場合(S11でYes)、車両コントローラ50は、ステップS12に進み、図8のフローと同様の処理を進める。一方、充電率Cが、充電率基準値Cdef未満の場合(S11でNo)、車両コントローラ50は、電力需要平均値Wave*の算出(S12)および入力電力許容値WImaxの補正(S14)を行うことなく、ステップS16に進む。このように、充電率Cが低い場合に、電力需要の推定を省略することで、車両コントローラ50の演算リソースをより有効活用できる。なお、充電率基準値Cdefは、充電率Cの増減方向に応じて変えてもよい。例えば、図10に示すように、充電率Cが、増加している際は、Cdef_uを充電率基準値Cdefとして設定し、充電率Cが、減少している際は、Cdef_uより小さいCdef_dを充電率基準値Cdefとして設定してもよい。
【0049】
また、上述の説明では、電力需要平均値Wave*に応じて入力電力許容値WImaxを一時的に引き上げているが、電力需要平均値Wave*に応じて他のパラメータも補正してもよい。例えば、一般に、車両コントローラ50は、メインバッテリ12の充電率Cを、所定の充電率上限値Cmaxを越えないように、メインバッテリ12の充放電を制御する。そのため、充電率Cが、充電率上限値Cmax以上の場合、入力電力許容値WImaxを引き上げたとしても、メインバッテリ12を充電できない場合がある。そこで、暖房運転時には、電力需要平均値Wave*に応じて、入力電力許容値WImaxだけでなく、充電率上限値Cmaxも引き上げるようにしてもよい。
【0050】
また、上述の説明では、入力電力許容値WImaxに基づいてエンジン14の動作点を特定しているが、エンジン14の動作点は、車両から求められる総パワーPallから特定してもよい。この場合のエンジン14、および、回転電機MG1,MG2の動作点特定の流れを図11を参照して説明する。
【0051】
動力源の動作点を特定する際、車両コントローラ50は、最初に、入力電力許容値WImaxおよび出力電力許容値WOmaxを特定しておく。なお、暖房実行中の場合、車両コントローラ50は、入力電力許容値WImaxを、電力需要平均値Wave*に応じて一時的に引き上げておく(S30)。
【0052】
続いて、車両コントローラ50は、車両から求められる総パワーPallを算出する(S31)。総パワーPallは、車両の走行に必要な走行パワーPdrvと、メインバッテリ12の充放電要求Pbatと、若干のロスLossと、を加算することで求まる(Pall=Pdrv+Pbat+Loss)。また、走行パワーPdrvは、アクセル開度Accと車速Vに基づいて走行トルクTrを特定し、この走行トルクTrに、遊星歯車に設けられたリングギヤ軸の回転数Nrを乗算することで得られる(Pd=Tr×Nr)。また、充放電要求Pbatは、入力電力許容値WImax、出力電力許容値WOmax、および充電率C等に基づいて特定される。ここで、入力電力許容値WImaxが小さい場合、充放電要求Pbatも小さくなるため、総パワーPallの大部分は、走行にのみ利用され、充電は殆ど実行されないことになる。本例では、暖房実行中には、入力電力許容値WImaxが引き上げるため、充放電要求Pbatも上昇する。その結果、メインバッテリ12の充電を実行しつつ、エンジン14の排熱を暖房に有効活用できる。
【0053】
次に、車両コントローラ50は、総パワーPallと、参照値Prefと、を比較する(S32)。参照値Prefは、エンジン14を効率的に作動できるパワーの下限値で、予めメモリ54に記憶されている。比較の結果、総パワーPallが参照値Pref未満の場合(S32でNo)、車両コントローラ50は、続いて、暖房運転中か否かを確認する(S34)。暖房運転中でない場合(S34でNo)、エンジン14を積極的に駆動する必要がないため、車両コントローラ50は、エンジン14および第一回転電機MG1を停止する(S38)。
【0054】
一方、Pall<Prefであり、かつ、暖房中の場合(S32でNoかつS34でYes)、車両コントローラ50は、参照値Prefを、エンジン14から出力すべきパワー、すなわち、エンジンパワーPeとして設定し、Pe=Prefとする(S36)。また、Pall≧Prefの場合(S32でYes)、車両コントローラ50は、総パワーPallを、エンジンパワーPeとして設定し、Pe=Pallとする(S40)。
【0055】
エンジン14を駆動する場合(S36またはS40の場合)、ステップS42に進む。ステップS42において、車両コントローラ50は、図7に示すエンジン動作マップ66を参照して、エンジン回転数NeおよびエンジントルクTeを特定する(S42)。すなわち、エンジン動作マップ66において、エンジン14が効率よく動作できる動作点を繋げたラインLeと、パワーが一定となるラインLcと、の交点をエンジン動作点として特定する。なお、エンジンパワーPe=Ne×Teであるため、パワーが一定のラインLcは、y=Pe/xの曲線である。図7の例では、エンジントルクはTe2、エンジン回転数はNe2として特定される。
【0056】
エンジン14の動作点が特定できれば、続いて、車両コントローラ50は、第一回転電機MG1の動作点を算出する(S44)。第一回転電機MG1の動作点は、動力分割機構16の回転要素に対する力学的な関係から求めることができる。具体的には、第一回転電機MG1の回転数Nm1およびトルクTm1は、次の式1,2から求めることができる。なお、式1および式2において、ρは、動力分割機構16のギヤ比であり、Nm2dは、第二回転電機MG2の現在の回転数であり、Grは、トランスミッション18のギヤ比であり、Nm1dは、第一回転電機MG1の現在の回転数である。
Nm1=Ne・(1+ρ)/ρ-Nm2d/(Gr・ρ) 式1
Tm1[t]=Tm1[t-1]+k1(Nm1-Nm1d)
+k2∫(Nm1-Nm1d)dt 式2
【0057】
エンジン14および第一回転電機MG1の動作点が求まれば、続いて、車両コントローラ50は、第二回転電機MG2のトルクTm2を算出する(S46)。第二回転電機MG2の動作点は、式3から算出できる。
Tm2=(Tr+Tm1/ρ)/Gr 式3
【0058】
以上の通り、この例では、エンジン14を動作させる際には、求められる総パワーPallに基づいて、エンジンパワーPeを設定する。また、総パワーPallは、入力電力許容値WImaxを考慮して設定されるため、暖房時に入力電力許容値WImaxを一時的に引き上げることで、エンジン14の出力も増加させることができる。そのため、暖房時において、充電率Cが高くても、エンジン14を高いパワーで駆動でき、エンジン14の排熱量およびエンジン14による発電量を高くできる。結果として、車両全体としてのエネルギ効率をより向上できる。
【0059】
また、これまでの説明で例示した入力電力許容値マップ60や補正量マップ62、エンジン回転数マップ64は、全て一例であり、それらのマップで規定されるラインの形態は、適宜、変更されてもよい。例えば、入力電力許容値マップ60は、比例的に変化するのではなく、曲線状、あるいは、非線形で変化するのでもよい。また、これまでの説明では、各種パラメータの相関関係をマップとして記憶しているが、マップに替えて、テーブルや数式の形態で、パラメータの相関系を記憶してもよい。また、これまでの説明では、主に発電機として機能する第一回転電機MG1と、主に電動機として機能する第二回転電機MG2と、を設けているが、回転電機の個数は、一つでもよいし、3つ以上でもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 車両、12 メインバッテリ、13 回転電機ユニット、14 エンジン、16 動力分割機構、18 トランスミッション、20 駆動輪、24 インバータ、26 DC/DCコンバータ、28 補機バッテリ、30 補機、31 ナビゲーション装置、32 空調装置、34 エアコン、36 排熱ヒータ、38 循環流路、40 ヒータコア、42 ポンプ、44 ブロア、46 電圧センサ、48 電流センサ、50 車両コントローラ、52 プロセッサ、54 メモリ、56 通信I/F、60 入力電力許容値マップ、62 補正量マップ、64 エンジン回転数マップ、66 エンジン動作マップ、100 外部サーバ、MG1 第一回転電機、MG2 第二回転電機、W* 電力需要推定値、Wave* 電力需要平均値、ΔW 補正量。
図1
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