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特開2022-187430電気二重層キャパシタ及び電気二重層キャパシタの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187430
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電気二重層キャパシタ及び電気二重層キャパシタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/80 20130101AFI20221212BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20221212BHJP
【FI】
H01G11/80
H01G11/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095465
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000190091
【氏名又は名称】ルビコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】石原 悠太
(72)【発明者】
【氏名】中川 光
(72)【発明者】
【氏名】海老名 貴人
(72)【発明者】
【氏名】野澤 隆
【テーマコード(参考)】
5E078
【Fターム(参考)】
5E078AA09
5E078AA10
5E078AA12
5E078AB02
5E078EA03
5E078EA06
5E078HA05
5E078LA07
(57)【要約】
【課題】高温多湿環境下においても電気二重層キャパシタが有する特性を長期間維持して信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】一端部に開口を有する有底筒状のキャパシタ素子収納ケース10と、キャパシタ素子収納ケース10に収納される電気二重層キャパシタ素子20と、各リード線21,22を外部に延出させた状態でキャパシタ素子収納ケース20の開口を封止する封口体30と備える電気二重層キャパシタであって、封口体30には凹部35が形成されていて、当該凹部35の底面にはリード線貫通孔31,32が各リード線に対応して設けられるとともに筒状突出部36が凹部35の開口面の側に向かって突出して設けられ、当該筒状突出部36の外周面と凹部35の内周面35bとによって囲まれる空間部及び各リード線21,22を外部に延出させるリード線延出口36aには、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が開口面となっている有底筒状のキャパシタ素子収納ケースと、
複数のリード線が前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面の側から延出するように前記キャパシタ素子収納ケースに収納される電気二重層キャパシタ素子と、
前記複数のリード線の各リード線に対応する複数のリード線貫通孔を有し、前記各リード線を前記複数のリード線貫通孔の各リード線貫通孔から外部に延出させた状態で前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面を封止する封口体と、
を備える電気二重層キャパシタであって、
前記封口体には、前記各リード線を外部に延出させる側の面に凹部が形成されていて、当該凹部の底面には、前記各リード線貫通孔が設けられるとともに、当該各リード線貫通孔の延長となる延長貫通孔を有する複数の筒状突出部が前記凹部の開口面の側に向かって突出するように前記凹部の底面と一体的に設けられており、
前記複数の筒状突出部の各筒状突出部の外周壁面と前記凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び前記各筒状突出部から前記各リード線を外部に延出させるリード線延出口には、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体が形成されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記凹部は、前記各リード線に対応して複数個の凹部として形成されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項3】
請求項1に記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記凹部は、前記各リード線に共通に1つの凹部として形成されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記筒状突出部は、当該筒状突出部の先端部が、前記凹部の内周壁面の高さよりも低く位置するように前記底面に突出して設けられており、
前記シーリング体は、前記凹部内において前記筒状突出部の高さを超えた位置まで形成されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記筒状突出部の外周壁面における先端部には、当該筒状突出部の外側に突出する鍔部が形成されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記流動性樹脂が硬化してなるシーリング体は、前記封口体の硬度よりも高い硬度を有することを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記封口体は、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム又はフッ素ゴムでなり、当該封口体の前記リード線の延出方向の厚みは、3mm~7mmであることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記流動性樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂又はウレタン樹脂であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタにおいて、
前記流動性樹脂は、200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有し、前記シーリング体は、当該200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有する流動性樹脂が硬化したものであることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項10】
一端部が開口面となっている有底筒状のキャパシタ素子収納ケースと、
複数のリード線が前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面の側から延出するように前記キャパシタ素子収納ケースに収納される電気二重層キャパシタ素子と、
前記複数のリード線の各リード線に対応する複数のリード線貫通孔を有し、前記各リード線を前記複数のリード線貫通孔の各リード線貫通孔から外部に延出させた状態で前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面を封止する封口体と、
を備え、
前記封口体には、前記各リード線を外部に延出させる側の面に凹部が形成されていて、当該凹部の底面には、前記各リード線貫通孔が設けられるとともに、当該各リード線貫通孔の延長となる延長貫通孔を有する複数の筒状突出部が前記凹部の開口面の側に向かって突出するように前記凹部の底面と一体的に設けられており、
前記複数の筒状突出部の各筒状突出部の外周壁面と前記凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び前記各筒状突出部から前記各リード線を外部に延出させるリード線延出口には、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体が形成されている電気二重層キャパシタを製造するための電気二重層キャパシタの製造方法であって、
前記キャパシタ素子収納ケースに前記電気二重層キャパシタ素子を収納する電気二重層キャパシタ素子収納工程と、
前記電気二重層キャパシタ素子の前記各リード線を前記封口体の前記各リード線貫通孔から外部に延出させた状態で当該封口体を前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面に取り付けることによって前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面を封止する封止工程と、
前記筒状突出部の外周壁面と前記凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び前記リード線延出口に、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体を形成するシーリング体形成工程と、
を有することを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の電気二重層キャパシタの製造方法において、
前記流動性樹脂は、200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有し、前記シーリング体は、当該200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有する流動性樹脂が硬化したものであることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気二重層キャパシタ及び電気二重層キャパシタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタ(EDLC:Electrical Double Layer Capacitor)は、アルミ電解コンデンサ等と比較して大容量でありながら急速充放電が可能であるなどの特徴を有しており、近年、特に注目されているデバイスである。電気二重層キャパシタは、キャパシタ素子と、キャパシタ素子に含浸された電解液と、キャパシタ素子を電解液とともに収容する有底筒状のキャパシタ素子収納ケースと、当該キャパシタ素子収納ケースの開口面を封止する封口体とを備えたものが一例として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図8は、特許文献1に記載の電気二重層キャパシタ900を説明するために示す図である。特許文献1に記載の電気二重層キャパシタ900は、リード線911,912 、キャパシタ素子920 、アルミニウムなどからなる有底円筒状のキャパシタ素子収納ケース930、キャパシタ素子収納ケース930の開口面を封止する封口体940などを備えている。キャパシタ素子920は、キャパシタ素子収納ケース930に収められており、電解液が含浸されている。
【0004】
リード線911,912は、リード線接続端子913,914の一端部に接続されており、当該リード線接続端子913,914の他端部がキャパシタ素子920の正極および負極に接続されている。また、封口体940には、リード線貫通孔941,942が設けられており、当該リード線貫通孔941,942内にはリード線接続端子913,914が存在している。
【0005】
また、リード線接続端子913,914とリード線貫通孔941,942の内周壁面との間には、エポキシ樹脂などによる絶縁層951.952が形成されており、リード線接続端子913,914とリード線貫通孔941,942との間の隙間が埋められている。それによって、リード線接続端子913,914と封口体30との間の密封性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-201110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電気二重層キャパシタは、アルミ電解コンデンサと比較すると、高温多湿環境下において本来の特性を長期間維持することが困難であるとされている。このため、上記した絶縁層951,952を形成することは、高温多湿環境下においても電気二重層キャパシタが有する特性を長期間維持して信頼性の高い電気二重層キャパシタとするために有効なものとなるが、より信頼性の高い電気二重層キャパシタとすることが要望されている。このためには、封口体940とリード線接続端子913,914との間の密封性をより高くすることが重要である。
【0008】
封口体940とリード線接続端子913,914との間の密封性をより高くするためには、封口体940の外部表面(リード線911,912が外部に延出する側の表面)の全体に、流動性樹脂を塗布してシーリング体を形成することが一例として挙げられる。封口体の外部表面の全体にシーリング体を形成することによって、密封性をより高くすることができ、水分の侵入を防ぐ効果をより高めることができる。
【0009】
しかしながら、電気二重層キャパシタは、長期間の電圧印加による内部ガスの発生により、封口体が変形することがあり、それによって、シーリング体が剥離してしまうといった懸念がある。特に、内部ガスの発生によってリード線貫通孔941,942が広がるように変形すると、リード線接続端子913,914との境界部においてシーリング体が剥離して密封性が失われてしまい、電気二重層キャパシタの本来の特性を長期間維持できなくなり、信頼性が損なわれてしまうといった課題が生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温多湿環境下においても電気二重層キャパシタが有する特性を長期間維持して信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。また、このような電気二重層キャパシタを製造するに好適な電気二重層キャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]本発明の電気二重層キャパシタは、一端部が開口面となっている有底筒状のキャパシタ素子収納ケースと、複数のリード線が前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面の側から延出するように前記キャパシタ素子収納ケースに収納される電気二重層キャパシタ素子と、前記複数のリード線の各リード線に対応する複数のリード線貫通孔を有し、前記各リード線を前記複数のリード線貫通孔の各リード線貫通孔から外部に延出させた状態で前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面を封止する封口体と、を備える電気二重層キャパシタであって、前記封口体には、前記各リード線を外部に延出させる側の面に凹部が形成されていて、当該凹部の底面には、前記各リード線貫通孔が設けられるとともに、当該各リード線貫通孔の延長となる延長貫通孔を有する複数の筒状突出部が前記凹部の開口面の側に向かって突出するように前記凹部の底面と一体的に設けられており、前記複数の筒状突出部の各筒状突出部の外周壁面と前記凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び前記各筒状突出部から前記各リード線を外部に延出させるリード線延出口には、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体が形成されていることを特徴とする。
【0012】
[2]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記凹部は、前記各リード線に対応して複数個の凹部として形成されていることが好ましい。
【0013】
[3]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記凹部は、前記各リード線に共通に1つの凹部として形成されていることが好ましい。
【0014】
[4]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記筒状突出部は、当該筒状突出部の先端部が、前記凹部の内周壁面の高さよりも低く位置するように前記底面に突出して設けられており、前記シーリング体は、前記凹部内において前記筒状突出部の高さを超えた位置まで形成されていることが好ましい。
【0015】
[5]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記筒状突出部の外周壁面における先端部には、当該筒状突出部の外側に突出する鍔部が形成されていることが好ましい。
【0016】
[6]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記流動性樹脂が硬化してなるシーリング体は、前記封口体の硬度よりも高い硬度を有することが好ましい。
【0017】
[7]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記封口体は、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム又はフッ素ゴムでなり、当該封口体の前記リード線の延出方向の厚みは、3mm~7mmであることが好ましい。
【0018】
[8] 本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記流動性樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂又はウレタン樹脂であることが好ましい。
【0019】
[9]本発明の電気二重層キャパシタにおいては、前記流動性樹脂は、200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有し、前記シーリング体は、当該200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有する流動性樹脂が硬化したものであることが好ましい。
【0020】
[10]本発明の電気二重層キャパシタの製造方法は、一端部が開口面となっている有底筒状のキャパシタ素子収納ケースと、複数のリード線が前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面の側から延出するように前記キャパシタ素子収納ケースに収納される電気二重層キャパシタ素子と、前記複数のリード線の各リード線に対応する複数のリード線貫通孔を有し、前記各リード線を前記複数のリード線貫通孔の各リード線貫通孔から外部に延出させた状態で前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面を封止する封口体と、を備え、前記封口体には、前記各リード線を外部に延出させる側の面に凹部が形成されていて、当該凹部の底面には、前記各リード線貫通孔が設けられるとともに、当該各リード線貫通孔の延長となる延長貫通孔を有する複数の筒状突出部が前記凹部の開口面の側に向かって突出するように前記凹部の底面と一体的に設けられており、前記複数の筒状突出部の各筒状突出部の外周壁面と前記凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び前記各筒状突出部から前記各リード線を外部に延出させるリード線延出口には、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体が形成されている電気二重層キャパシタを製造するための電気二重層キャパシタの製造方法であって、前記キャパシタ素子収納ケースに前記電気二重層キャパシタ素子を収納する電気二重層キャパシタ素子収納工程と、前記電気二重層キャパシタ素子の前記各リード線を前記封口体の前記各リード線貫通孔から外部に延出させた状態で当該封口体を前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面に取り付けることによって前記キャパシタ素子収納ケースの前記開口面を封止する封止工程と、前記筒状突出部の外周壁面と前記凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び前記リード線延出口に、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体を形成するシーリング体形成工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
[11]本発明の二重層キャパシタの製造方法においては、前記流動性樹脂は、200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有し、前記シーリング体は、当該200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有する流動性樹脂が硬化したものであることが好ましい。
【0022】
なお、本発明の電気二重層キャパシタの製造方法においても、上記本発明の電気二重層キャパシタにおいて示した[2]~[8] の特徴を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の電気二重層キャパシタは、封口体の表面(各リード線を外部に延出させる側の面)には凹部が形成されていて、当該凹部の底面には、リード線貫通孔が各リード線に対応して設けられるとともに当該リード線貫通孔の延長となる延長貫通孔を有する筒状突出部が凹部の開口面の側に向かって突出するように設けられている。この筒状突出体は凹部の底面と一体的に設けられている。
【0024】
そして、当該筒状突出部の外周壁面と凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び筒状突出部からリード線を外部に延出させるリード線延出口には、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体が形成されている。これにより、内部ガスの発生によって、リード線貫通孔が広がるように封口体が変形しようしても、筒状突出部は、硬化した状態のシーリング体によって動きが抑えられる。すなわち、リード線貫通孔が広がるように封口体が変形しようした場合には、筒状突出部の延長貫通孔も広がろうとするが、当該筒状突出部は、硬化した状態のシーリング体によって動きが抑えられる。このため、シーリング体が剥離することを確実に防止することができる。これにより、長期間、リード線延出口と各リード線との間の密封性が確保され、高温多湿環境下においても電気二重層キャパシタが有する特性を長期間維持して信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供することができる。
【0025】
また、本発明の電気二重層キャパシタの製造方法は、筒状突出部の外周壁面と凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び各リード線を外部に延出させるリード線延出口に、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体を形成するシーリング体形成工程を有している。このようなシーリング体形成工程を有する本発明の電気二重層キャパシタの製造方法によれば、筒状突出部の外周壁面と凹部の内周壁面とによって囲まれる空間部及び筒状突出部からリード線を外部に延出させるリード線延出口には、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体を形成することができる。これにより、上述した本発明の電気二重層キャパシタと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を説明するために示す図である。
図2図1(a)における要部(封口体30を含む周辺)を拡大して示す図である。
図3】実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を製造するための製造工程を示すフローチャートである。
図4】実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2を説明するために示す図である。
図5図4(a)における要部(封口体30を含む周辺)を拡大して示す図である。
図6】実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3を説明するために示す図である。
図7図6(a)における要部(封口体30を含む周辺)を拡大して示す図である。
図8】特許文献1に記載の電気二重層キャパシタ900を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0028】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を説明するために示す図である。図1(a)は実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1の縦断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す電気二重層キャパシタ1を図示の上方からz軸に沿って下方を見た平面図である。なお、図1は実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を模式的に示すものである。
図2は、図1(a)における要部(封口体30を含む周辺)を拡大して示す図である。
【0029】
以下、図1及び図2を参照して実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を説明する。
実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1は、図1及び図2に示すように、一端部11が開口面となっていて他端部12が有底となっている有底筒状(有底円筒状とする。)のキャパシタ素子収納ケース10と、複数(2本とする。)のリード線21,22がキャパシタ素子収納ケース10の一端部(開口面側の端部)11から延出するようにキャパシタ素子収納ケース10に収納される電気二重層キャパシタ素子20と、キャパシタ素子収納ケース10の一端部(開口面側の端部)11を封止する封口体30と、を備えている。
【0030】
封口体30は、各リード線21,22に対応して設けられているリード線貫通孔31,32を有し、各リード線21,22を各リード線貫通孔31,32から外方に延出させた状態でキャパシタ素子収納ケース10の一端部(開口面側の端部)11を封止する。
【0031】
なお、リード線21,22は、当該リード線21,22よりも大径のリード線接続端子23,24を介してキャパシタ素子20の正電極及び負電極に接続されており、リード線貫通孔31,32にはリード線接続端子23,24が挿入されている。このため、リード線貫通孔31、32の内径は、リード線接続端子23,24が挿通可能な径を有している。
【0032】
キャパシタ素子収納ケース10の一端部(開口面側の端部)11には、当該キャパシタ素子収納ケース10の内側に折れ曲がっているカール部13が形成されており、当該カール部13の先端部が封口体30に接触した状態となっている。
【0033】
封口体30はブチルゴム、エチレンプロピレンゴム又はフッ素ゴムでなり、当該封口体30の厚み(リード線21,22の延出方向の厚み)tは、3mm~7mmである。また、封口体30には、各リード線21,22を外部に延出させる側の面(以下、表面という。)に凹部35が形成されている。
【0034】
なお、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1においては、凹部35は、2本のリード線21,22に対応して2個形成されているが、リード線21側及びリード線22側にそれぞれ形成されている凹部35は、それぞれが同じ構成となっているため、凹部35に関する説明は、リード線21の側について行う。
【0035】
凹部35の底面35aには、上記したリード線貫通孔31が設けられている。また、当該凹部35の底面35aには、リード線貫通孔31の延長となる延長貫通孔31a(図2参照。)を有する筒状突出部36が、凹部35の開口面の側(z軸方向に沿った上方)に向かって突出して設けられている。なお、筒状突出部36は凹部35の底面35aと一体的に設けられている。また、当該筒状突出部36に設けられている延長貫通孔31aの内径は、リード線貫通孔31の内径と同じであり、リード線接続端子23が挿通可能となっている。
【0036】
また、筒状突出部36の高さh1(図2参照。)は、凹部35の周方向に沿った内周壁面35bの高さh2(図2参照。)よりも低いものとなっている。ここで、筒状突出部36の高さh1というのは、凹部35の底面35aから筒状突出部36のリード線延出口(リード線21を筒状突出部36から外部に延出させるための出口)36aまでの高さh1である。また、凹部35の内周壁面35bの高さh2は、凹部35の底面35aから開口面となっている端部までの高さである(図2参照。)。
【0037】
そして、当該筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aには、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40が形成されている。なお、シーリング体40は、凹部35内において筒状突出部36の高さh1を超えた位置まで形成されている。実施形態1に係る電気二重層キャパシタにおいては、シーリング体40は、封口体30の表面(凹部35の開口面)と同一平面又はほぼ同一平面となるように形成されている。これにより、結果的には、筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aには流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40が形成されることとなる。
【0038】
以上は、リード線21側の凹部35について説明したが、リード線22側においても同様に、筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aには流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40が形成されることとなる。図1及び図2において、薄い灰色で塗り潰した領域は、シーリング体40が形成されている領域を表している。
【0039】
ここで、流動性樹脂としては、200mPa・s(ミリパスカル秒)~1000mPa・sの粘度を有するエポキシ樹脂又はアクリル樹脂が好適である。このような粘度を有する流動性樹脂を、例えば、ディスペンサーなどによって注入して硬化させることによりシーリング体40を形成する。図1に示すように、シーリング体40は、筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aには流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40が形成される。なお、流動性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂以外にも、オレフィン樹脂又はウレタン樹脂なども用いることができる。
【0040】
また、このような流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40は、封口体30の硬度よりも高い硬度であることが望まれる。一例として、シーリング体40の硬度はロックウエル硬度Mスケール60~120であることが望ましい。
【0041】
シーリング体40がこのような領域に形成されることによって、図1及び図2に示すように、封口体30の表面にはシーリング体が形成されない領域、すなわち、封口体30の表面が露出する領域が存在する。
【0042】
ところで、流動性樹脂の粘度を200mPa・s~1000mPa・sとしたのは、次に示す理由からである。
すなわち、流動性樹脂の粘度を低くしすぎると、注入することによって塗布された樹脂が、塗布する必要のない部分にまで流れ込んでしまうといった課題(粘度が低すぎる場合の課題とする。)がある。逆に、流動性樹脂の粘度を高くしすぎると、樹脂の流動性が乏しくなり、流動性樹脂が満遍なく塗布されずに気泡が生じてしまうといった課題(粘度が高すぎる場合の課題とする。)がある。
【0043】
以上の点を考慮すると、封口体30に注入する流動性樹脂の粘度を最適化することが重要なものとなってくる。封口体30に注入する流動性樹脂の粘度を最適化することによって、前述した粘度が低すぎる場合の課題及び粘度が高すぎる場合の課題を解決することができる。そこで、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1においては、流動性樹脂の粘度を200mPa・s~1000mPa・sとしている。流動性樹脂の粘度をこのような範囲とすることで、前述した粘度が低すぎる場合の課題及び粘度が高すぎる場合の課題を解決することができる。
【0044】
なお、流動性樹脂としては、200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有することによって、粘度が低すぎる場合の課題及び粘度が高すぎる場合の課題を解決することができるが、さらに、300mPa・s~8000mPa・sの粘度としてもよい。これにより、粘度が低すぎる場合の課題及び粘度が高すぎる場合の課題を解決するために、より一層好ましいものとなる。このことは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0045】
実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1は、このような粘度を有する流動性樹脂を凹部35に注入して硬化させることによってシーリング体40が形成されたものとなる。シーリング体40は、前述したように、筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aに形成されることとなる。このように、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1においては、筒状突出部36が設けられていることにより、長期間、リード線延出口36aとリード線21,22との間の密封性が確保され、水分の侵入を確実に防ぐことができる。
【0046】
前述したように、電気二重層キャパシタは、長期間の電圧印加による内部ガスの発生によって、封口体のリード線貫通孔が広がるように変形して、シーリング体が剥離してしまい、密封性が失われてしまうといった課題があるが、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1のように、封口体30のリード線貫通孔31に筒状突出部36が設けられていることによって、リード線貫通孔31の広がりを抑制できる。
【0047】
すなわち、内部ガスの発生によって、リード線貫通孔31が広がるように封口体30が変形しようとすると筒状突出部36も変形しようとするが、当該筒状突出部36は、硬化した状態のシーリング体40によって動きが抑えられる。なお、硬化した状態のシーリング体40は、封口体30よりも高い硬度を有しているため、筒状突出部36の動きはシーリング体40によって確実に抑えられる。このため、リード線貫通孔31,32の広がりを抑制でき、シーリング体40が剥離することを確実に防止することができる。これにより、長期間、リード線延出口36aと各リード線21,22との間の密封性が確保され、高温多湿環境下においても電気二重層キャパシタが有する特性を長期間維持して信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供することができる。
【0048】
図3は、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を製造するための製造工程を示すフローチャートである。実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1(図1及び図2参照。)を製造するための製造工程は、キャパシタ素子収納ケース10に電気二重層キャパシタ素子20を収納するキャパシタ素子収納工程(ステップS1)と、封口体30による封止工程(ステップS2)と、シーリング体形成工程(ステップS3)とを有している。
【0049】
封口体30による封止工程(ステップS2)は、電気二重層キャパシタ素子20の各リード線21,22を封口体30の各リード線貫通孔31,32から外部に延出させた状態で当該封口体30をキャパシタ素子収納ケース10の開口面に取り付けることによってキャパシタ素子収納ケース10の開口面を封止する工程である。
【0050】
また、シーリング体形成工程(ステップS3)は、封口体30の凹部35に形成されている筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aに流動性樹脂を注入し、注入した流動性樹脂を硬化させることによって、流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40を形成する工程である。
【0051】
ここで、記流動性樹脂の粘度は、前述したように、200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有しており、シーリング体40は、当該200mPa・s~1000mPa・sの粘度を有する流動性樹脂が硬化したものであるが、300mPa・s~8000mPa・sの粘度としてもよい。
【0052】
図3に示すような工程によって、図1及び図2に示す電気二重層キャパシタ1を製造することができる。このようにして製造された電気二重層キャパシタ1は、前述したような効果が得られる。すなわち、内部ガスの発生によって、リード線貫通孔31が広がるように封口体30が変形しようとすると筒状突出部36も変形しようとするが、当該筒状突出部36は、硬化した状態のシーリング体40によって動きが抑えられる。筒状突出部36の動きが抑えられることにより、リード線貫通孔31,32の広がりが抑制され、シーリング体40が剥離することを確実に防止することができる。これにより、長期間、リード線延出口36aと各リード線21,22との間の密封性が確保され、高温多湿環境下においても電気二重層キャパシタが有する特性を長期間維持して信頼性の高い電気二重層キャパシタを提供することができる。
【0053】
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2を説明するために示す図である。図2(a)は実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2の縦断面図であり、図2(b)は図2(a)に示す電気二重層キャパシタ2を図示の上方からz軸に沿って下方を見た平面図である。なお、図2図1と同様に、実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2を模式的に示すものである。
図5は、図4(a)における要部(封口体30を含む周辺)を拡大して示す図である。
【0054】
実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2が実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と異なるのは凹部35であり、その他の構成は実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と同様であるため、同一構成要素には同一符号が付されている。
【0055】
実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2は、図4に示すように、凹部35は各リード線21,22に共通に形成されている。すなわち、実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2においては、図4に示すように、リード線21、22に共通の1つの凹部35が形成されており、1つの凹部35内の離間した位置に2つの筒状突出部36が設けられている。なお、実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2においても、凹部35に関する説明は、リード線21の側について行う。
【0056】
そして、凹部35には流動性樹脂が硬化してなるシーリング体40が形成されている。この場合も、流動性樹脂の粘度は前述の実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と同様である。また、シーリング体40は、実施形態1にと同様に、筒状突出部36の外周壁面36bと凹部35の内周壁面35bとによって囲まれる空間部及び筒状突出部36のリード線延出口36aに形成されている。
【0057】
このような構成となっている実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2おいても、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と同様に、封口体30のリード線貫通孔31,32それぞれに筒状突出部36が設けられていることによって、リード線貫通孔31,32の広がりを抑制できる。
【0058】
これにより、実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2おいても実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と同様の効果が得られる。
【0059】
また、実施形態2に係る電気二重層キャパシタは、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を製造するための製造工程(図3参照。)と同様の製造工程によって製造できる。なお、実施形態2に係る電気二重層キャパシタにおいては、凹部は1つであるため、流動性樹脂の注入は1箇所で済むが、複数個所から注入してもよい。
【0060】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3を説明するために示す図である。図6(a)は実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3の縦断面図であり、図6(b)は図6(a)に示す電気二重層キャパシタ3を図示の上方からz軸に沿って下方を見た平面図である。なお、図6図1と同様に、実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3を模式的に示すものである。
図7は、図6(a)における要部(封口体30を含む周辺)を拡大して示す図である。
【0061】
図6及び図7に示す実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3は、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と同様に、凹部35が各リード線21,22に対応して2個設けられている場合が示されている。実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3が実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と異なるのは、筒状突出部36の外周壁面36bにおける先端部(リード線延出口36a)に鍔部37が形成されている点であり、その他の構成は実施形態1に係る電気二重層キャパシタと同じであるため、同一構成要素には同一符号が付されている。
【0062】
実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3は、図6及び図7に示すように、筒状突出部36の外周壁面36bにおける先端部(リード線延出口36a)には、鍔部37が筒状突出部36の外側に突出して形成されている。具体的には、鍔部37は、筒状突出部36の中心軸に直交する方向に当該筒状突出部36の周方向に沿って一周に渡って連続的に形成されている。
【0063】
筒状突出部36がこのような構成となっている実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3においても、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1と同様の効果が得られる。また、実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3においては、筒状突出部36に鍔部37が存在することにより、注入する流動性樹脂の量を実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1に比べて少なくすることができる。
【0064】
なお、図6においては、鍔部37は筒状突出部36の周方向に沿って一周に渡って連続的に形成されている場合を例示したが、所定間隔を置いて断続的に形成されていてもよい。
【0065】
なお、このような構成となっている実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3は、実施形態1に係る電気二重層キャパシタ1を製造するための製造工程(図3参照。)と同様の製造工程によって製造できる。
【0066】
上述した実施形態3に係る電気二重層キャパシタ3においては、各リード線21,22に対応して2個の凹部35が設けられている場合を例示したが、実施形態2に係る電気二重層キャパシタ2と同様に、各リード線に共通に1つの凹部35を設けた場合においても適用できる。
【0067】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0068】
(1)上記実施形態1及び3においては、凹部35の平面形状は円形である場合を例示したが、円形であることに限定されるものではなく、例えば、楕円形であってもよく、また、四角形などの角型であってもよい。また、上記実施形態2においては、凹部35は楕円形(長円形)である場合を例示したが、楕円形(長円形)であることに限定されるものではなく、長方形などの角型であってもよい。
【0069】
(2)上記各実施形態においては、キャパシタ素子収納ケース10には1つのキャパシタ素子が収納されている電気二重層キャパシタを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、1つのキャパシタ素子収納ケース10に複数のキャパシタ素子が収納されなる電気二重層キャパシタを構成した場合には、このような電気二重層キャパシタにおいても上記各実施形態を適用できる。
【符号の説明】
【0070】
1,2,3・・・電気二重層キャパシタ、10・・・キャパシタ素子収納ケース、11・・・キャパシタ素子収納ケースの一端部(開口面側の端部)、12・・・キャパシタ素子収納ケース10の他端部。20・・・電気二重層キャパシタ素子(キャパシタ素子)、23,24・・・リード線接続端子、30・・・封口体、31、32・・・リード線貫通孔、31a・・・延長貫通孔、35・・・凹部、35a・・・凹部35の底面、35b・・・凹部35の周方向に沿った内周壁面(凹部35の内周壁面)、36・・・筒状突出部、36a・・・リード線延出口、36b・・・筒状突出部36の外周壁面、37・・・鍔部、40・・・シーリング体、h1・・・筒状突出部36の高さ、h2・・・内周壁面35aの高さ、t・・・封口体30の厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8