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特開2022-187432マッサージ装置、及び、メンテナンス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187432
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】マッサージ装置、及び、メンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
A61H7/00 323G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095467
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 史郎
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD11
4C100CA03
4C100EB05
(57)【要約】
【課題】好ましい状態とすることとメンテナンス性との両立を図ることができるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】マッサージ装置100は、運動部(マッサージ用ユニット203)を備える本体(背凭れ部101、座部102)と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバー107と、カバーを本体に対して装着状態とする装着部(線ファスナー105A~105E)と、を備え、装着部は、装着状態の解除のために破壊される部分を有し、破壊される部分は、本体及びカバーを破壊することなく破壊可能な部分(結束バンド)である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動部を備える本体と、
前記本体に装着されて、少なくとも前記運動部を覆うカバーと、
前記カバーを前記本体に対して装着状態とする装着部と、を備え、
前記装着部は、前記装着状態の解除のために破壊される部分を有し、
前記破壊される部分は、前記本体及び前記カバーを破壊することなく破壊可能な部分である
マッサージ装置。
【請求項2】
前記装着部は、前記本体及び前記カバーに設けられた線ファスナーと、前記本体の前記線ファスナーの上止の近傍に設けられたループと、前記破壊される部分である結束バンドと、を含み、
前記結束バンドは、前記線ファスナーのスライダーを上止の位置にしたときの前記スライダーを前記ループに固定するように結束されることで前記装着状態とする
請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記装着部は、前記本体及び前記カバーのそれぞれに複数の通し孔を設けるための縁部と、前記破壊される部分である結束バンドと、を含み、
前記結束バンドは、前記本体及び前記カバーの対応する位置に設けられた前記通し孔の、複数の組み合わせそれぞれに通されて結束されることで前記装着状態とする
請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
運動部を備える本体と、
前記本体に装着されて、少なくとも前記運動部を覆うカバーと、
前記カバーを前記本体に対して装着状態とする締結具と、を備え、
前記締結具は、一般工具以外の、締結を解除する工具を用いて締結の解除が可能であり、
前記一般工具は、皿ボルト(すりわり付きが含まれる)、六角穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付きショルダボルト、六角穴付き皿ボルト、及び、ヘクサロビュラ穴付きボルトからなる群から選択されるいずれかの形状のネジ又はナットである一般締結具を解除する、プラス(十字)・マイナス・六角・へクスローブドライバー、スパナ、レンチ、及び、ペンチからなる群から選択されるいずれかの工具である
マッサージ装置。
【請求項5】
前記締結具は、頭部の形状が、四角穴付き、丸、丸平、なべ、平、チーズ、トラス、バインド、ブレジャ、ウエハ、皿、丸皿、アンダカット皿、アンダカット丸皿、角皿、小形皿、トランペットであるねじ又はナットからなる群から選択される少なくとも1つである
請求項4に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記締結具は、前記カバーを前記本体に前記装着状態とした後に工具穴の形状を変形させたものであって、
前記一般工具以外の工具は、前記工具穴の形状を変形させた前記締結具の解除可能な工具である
請求項4に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記装着状態の解除を検知するセンサをさらに有し、
前記センサでの検知に基づいて警告を出力するよう構成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
前記運動部の動作制御を行う制御部と、
前記装着状態の解除を検知するセンサと、をさらに有し、
前記制御部は、前記センサでの検知に基づいて前記運動部の駆動を回避動作とするよう構成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項9】
運動部を備える本体と、
前記本体に装着されて、少なくとも前記運動部を覆うカバーと、
前記カバーを前記本体に対して装着状態とする装着部と、を備えたマッサージ装置のメンテナンス方法であって、
前記本体及び前記カバーを破壊することなく、前記装着状態の解除のために前記装着部を破壊し、
前記本体のメンテナンスの後、前記破壊した前記装着部と異なる新しい装着部を用いて前記本体に前記カバーを装着とする
メンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージ装置、及び、メンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ装置は、施療部を有する。施療部は、圧迫機能、もみ機能、たたき機能、振動機能などの施療機能のため、人体と物理的に接触する部分を指す。施療部、又は、施療部を駆動させる回転部、及び、駆動部などの運動部分である運動部は、保護カバーによって覆われている。例えば、特開2020-277号公報(以下、特許文献1)も、保護カバーを有する電気マッサージ器を開示している。
【0003】
保護カバーは、運動部の人体に接触する部分を覆う、軟質素材のカバーを指す。これにより、頭髪、手指、衣服などを巻き込む、好ましくない状態となることが防がれている。
【0004】
このような保護カバーは、好ましくない状態を回避する観点からはマッサージ装置の利用者によって容易に付け外しができないようにされていることが望ましい。例えば、マッサージ装置内部の枠材にタッカーで固定する、などが考えられる。このようにすることで、利用者は、保護カバーやマッサージ装置を破壊することなく、保護カバーをマッサージ装置から容易に取り外しすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-277号公報
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、保護カバーがマッサージ装置に固定されてしまうと、メンテナンスの際に保護カバーを破壊してしまい、その保護カバーを再利用することができない。そこで、本開示は、保護カバーの取り扱いに関して、好ましい状態とすることとメンテナンス性との両立を図ることができるマッサージ装置及び固定方法とを提供することを目的の一つとする。
【0007】
ある実施の形態に従うと、マッサージ装置は、運動部を備える本体と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバーと、カバーを本体に対して装着状態とする装着部と、を備え、装着部は、装着状態の解除のために破壊される部分を有し、破壊される部分は、本体及びカバーを破壊することなく破壊可能な部分である。
【0008】
ある実施の形態に従うと、マッサージ装置は、運動部を備える本体と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバーと、カバーを本体に対して装着状態とする締結具と、を備え、締結具は、一般工具以外の、締結を解除する工具を用いて締結の解除が可能であり、一般工具は、皿ボルト(すりわり付きが含まれる)、六角穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付きショルダボルト、六角穴付き皿ボルト、及び、ヘクサロビュラ穴付きボルトからなる群から選択されるいずれかの形状のネジ又はナットである一般締結具を解除する、プラス(十字)・マイナス・六角・へクスローブドライバー、スパナ、レンチ、及び、ペンチからなる群から選択されるいずれかの工具である。
【0009】
ある実施の形態に従うと、メンテナンス方法は、運動部を備える本体と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバーと、カバーを本体に対して装着状態とする装着部と、を備えたマッサージ装置のメンテナンス方法であって、本体及びカバーを破壊することなく、装着状態の解除のために装着部を破壊し、本体のメンテナンスの後、破壊した前記装着部と異なる新しい装着部を用いて本体にカバーを装着とする。
【0010】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施の形態に係るマッサージ装置の概略図である。
図2図2は、図1のマッサージ装置の、上面のクッションを取り外した状態の概略図である。
図3図3は、図1のマッサージ装置の、線ファスナーの端部近傍の拡大図である。
図4図4は、第1の実施の形態に係るマッサージ装置のカバーの固定方法、及び、メンテナンス方法の一例を説明するための図である。
図5図5は、図1のマッサージ装置の、線ファスナーの端部近傍の拡大図である。
図6図6は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置の斜視図である。
図7図7は、図6のマッサージ装置の背凭れ部の前面側の分解斜視図である。
図8図8は、図6のマッサージ装置の背凭れ部の背面側の分解斜視図である。
図9図9は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置のカバーの固定方法、及び、メンテナンス方法の一例を説明するための図である。
図10図10は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置のカバーの固定方法、及び、メンテナンス方法の他の例を説明するための図である。
図11図11は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置のカバーの固定方法の他の例を説明するための図である。
図12図12は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置のカバーの固定方法の他の例を説明するための図である。
図13図13は、第3の実施の形態に係るマッサージ装置の、制御部の概略構成図である。
図14図14は、第3の実施の形態に係るマッサージ装置の制御部で実行される、回避動作制御の一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.マッサージ装置、及び、メンテナンス方法の概要>
【0013】
(1)実施の形態に係るマッサージ装置は、マッサージ装置は、運動部を備える本体と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバーと、カバーを本体に対して装着状態とする装着部と、を備え、装着部は、装着状態の解除のために破壊される部分を有し、破壊される部分は、本体及びカバーを破壊することなく破壊可能な部分である。
【0014】
運動部は、回転部や駆動部などの運動部分を指す。駆動部は、揉み玉などの施療部を駆動させる部分の1つであって、例えば、モータなどである。回転部は、駆動部の駆動による回転力を施療部に伝達して施療の動作をさせる部分の1つであって、例えば、減速器や、減速器の出力軸と一体回転可能である回転部材などである。
【0015】
カバーは、マッサージ装置の内部と外部とを区分する部材を指す。装着部が、装着状態の解除のために破壊される部分として、本体及びカバーを破壊することなく破壊可能な部分を有することによって、その部分を破壊せずに、カバーの本体に対する装着状態を解除することができない。そのため、ユーザは、保護カバーやマッサージ装置を破壊することなく、保護カバーをマッサージ装置から容易に取り外しすることができない。また、上記部分を破壊することによって、本体及びカバーを破壊することなくカバーの本体に対する装着状態を解除することができる。そのため、メンテナンスの際に保護カバーを破壊することなくマッサージ装置から取り外すことができ、その保護カバーを再利用することができる。これにより、好ましい状態とすることとメンテナンス性との両立を図ることができる。
【0016】
(2)好ましくは、装着部は、本体及びカバーに設けられた線ファスナーと、本体の線ファスナーの上止の近傍に設けられたループと、破壊される部分である結束バンドと、を含み、結束バンドは、線ファスナーのスライダーを上止の位置にしたときのスライダーをループに固定するように結束されることで装着状態とする。スライダーをループに固定することは、例えば、スライダーに取り付けられている持ち手をループに固定することであってよい。また例えば、スライダー自体をループに固定することであってよい。これにより、ユーザは結束バンドを破壊することなくカバーを本体から取り外すことができない。一方、メンテナンスの際には結束バンドを破壊することでカバーも本体も損なうことなくカバーを本体から取り外すことができる。
【0017】
(3)好ましくは、装着部は、本体及びカバーのそれぞれに複数の通し孔を設けるための縁部と、破壊される部分である結束バンドと、を含み、結束バンドは、本体及びカバーの対応する位置に設けられた通し孔の、複数の組み合わせそれぞれに通されて結束されることで装着状態とする。これにより、ユーザは結束バンドを破壊することなくカバーを本体から取り外すことができない。一方、メンテナンスの際には結束バンドを破壊することでカバーも本体も損なうことなくカバーを本体から取り外すことができる。
【0018】
(4)実施の形態に係るマッサージ装置は、運動部を備える本体と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバーと、カバーを本体に対して装着状態とする締結具と、を備え、締結具は、一般工具以外の、締結を解除する工具を用いて締結の解除が可能であり、一般工具は、皿ボルト(すりわり付きが含まれる)、六角穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付きショルダボルト、六角穴付き皿ボルト、及び、ヘクサロビュラ穴付きボルトからなる群から選択されるいずれかの形状のネジ又はナットである一般締結具を解除する、プラス(十字)・マイナス・六角・へクスローブドライバー、スパナ、レンチ、及び、ペンチからなる群から選択されるいずれかの工具である。
【0019】
締結具は、例えば、一般ねじではない、いわゆる特殊ねじを有する。一般ねじは、一例として、日本工業規格(略称JIS)に規定された、皿ボルト(すりわり付きが含まれる)、六角穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付きショルダボルト、六角穴付き皿ボルト、及び、ヘクサロビュラ穴付きボルトなどのボルトを指す。
【0020】
このような締結具を用いて締結されてカバーが本体に対して装着状態されていることで、ユーザは、締結具を破壊することなくカバーを本体から容易に取り外しすることができない。また、メンテナンスの際には、一般工具以外の、いわゆる特殊工具などの締結を解除する工具を用いて、締結具を破壊することなくカバーを本体から容易に取り外しすることができる。これにより、好ましい状態とすることとメンテナンス性との両立を図ることができる。
【0021】
(5)好ましくは、締結具は、頭部の形状が、四角穴付き、丸、丸平、なべ、平、チーズ、トラス、バインド、ブレジャ、ウエハ、皿、丸皿、アンダカット皿、アンダカット丸皿、角皿、小形皿、トランペットであるねじ又はナットからなる群から選択される少なくとも1つである。これにより、メンテナンスの際には、一般工具以外の、いわゆる特殊工具などの締結を解除する工具を用いて、締結具を破壊することなくカバーを本体から容易に取り外しすることができる。
【0022】
(6)好ましくは、締結具は、カバーを本体に装着状態とした後に工具穴の形状を変形させたものであって、一般工具以外の工具は、工具穴の形状を変形させた締結具の解除可能な工具である。これにより、ユーザは、締結具を破壊しない状態でカバーを本体から取り外しすることができない。また、メンテナンスの際には、一般工具以外の、いわゆる特殊工具などの締結を解除する工具を用いて、カバーも本体も損なうことなくカバーを本体から容易に取り外しすることができる。これにより、好ましい状態とすることとメンテナンス性との両立を図ることができる。
【0023】
(7)好ましくは、マッサージ装置は、装着状態の解除を検知するセンサをさらに有し、センサでの検知に基づいて警告を出力するよう構成されている。これにより、カバーが本体から取り除かれた状態でユーザが使用するのを防ぐため、ユーザに警告することができる。その結果、ユーザはマッサージ装置を使用しないようにでき、好ましくない状態となることが防がれる。
【0024】
(8)好ましくは、マッサージ装置は、運動部の動作制御を行う制御部と、装着状態の解除を検知するセンサと、をさらに有し、制御部は、センサでの検知に基づいて運動部の駆動を回避動作とするよう構成されている。回避動作は、マッサージ装置の本体からカバーが取り外されたことによって、頭髪、手指、衣服などを巻き込む、好ましくない状態となることを回避するための動作を指す。これにより、カバーが本体から取り除かれたことが検知されると、好ましくない状態となることが回避される。
【0025】
(9)実施の形態に係るメンテナンス方法は、運動部を備える本体と、本体に装着されて、少なくとも運動部を覆うカバーと、カバーを本体に対して装着状態とする装着部と、を備えたマッサージ装置のメンテナンス方法であって、本体及びカバーを破壊することなく、装着状態の解除のために装着部を破壊し、本体のメンテナンスの後、破壊した装着部と異なる新しい装着部を用いて本体にカバーを装着とする。これにより、ユーザによってカバーやマッサージ装置を破壊することなくカバーをマッサージ装置から容易に取り外しすることができないものの、メンテナンスの際にはカバーを破壊せずに本体から取り外すことができる。これにより、その保護カバーを再利用することができる。その結果、好ましい状態とすることとメンテナンス性との両立を図ることができる。
【0026】
<2.マッサージ装置、及び、メンテナンス方法の例>
【0027】
[第1の実施の形態]
【0028】
図1及び図2は、第1の実施の形態に係るマッサージ装置100の概略図である。マッサージ装置100は、一例として、座部102を床面に置き、ユーザがその上に座してマッサージを受ける、座椅子タイプのマッサージ装置である。
【0029】
図1を参照して、マッサージ装置100は、主として、ユーザが着座する座部102と、座部102の後部に設けられたユーザが凭れる背凭れ部101と、背凭れ部101の上部前面に設けられたユーザの頭及び/又は首を支持する枕部106と、を有している。背凭れ部101及び座部102は、マッサージ装置100の本体を構成する。
【0030】
座部102は床面に置いて用いられ、背凭れ部101の、座部102との境界から延びる向きを上、その反対向きを下、背凭れ部101の、ユーザが着座する側の向きを前、その反対向きを後ろ、マッサージ装置100の前から見たときの左手側を左、及び、右手側を右とする。
【0031】
図2を参照して、背凭れ部101及び座部102の内部には、それぞれ、枠体201,202が設けられている。枠体201,202は、それぞれ、左右の側方枠を備え、その上端及び下端は上部枠及び下部枠によって連結されている。つまり、枠体201は下方が開いたコの字形状、枠体202は背凭れ部101側が開いたコの字形状である。そのため、枠体201,202は、それぞれ、中央部が開口している。
【0032】
背凭れ部101の内部には、マッサージ用ユニット203が配されている。マッサージ用ユニット203は、枠体201の開口部分に配置されている。マッサージ用ユニット203は、マッサージ動作を行う動作機構である。マッサージ用ユニット203は、揉み玉などの施療部と、運動部と、から構成されている。運動部は、施療部を駆動させる回転部、及び、駆動部などの運動部分である。なお、運動部には、施療部が含まれていてもよい。
【0033】
好ましくは、背凭れ部101の内部、つまり、枠体201の開口部分には、さらに、マッサージ用ユニット203の駆動を制御する制御部10が配されている。これにより、マッサージ用ユニット203によるマッサージ動作が制御される。なお、制御部10は、座部102の内部、つまり、枠体202の開口部分に配されていてもよい。
【0034】
背凭れ部101及び座部102の上面には、クッション104が配置されている。枕部106は、クッション104の上に配置されている。クッション104及び枕部106は、ウレタンフォーム等で形成されている。
【0035】
クッション104は、背凭れ部101及び座部102の上面と着座したユーザとの間に位置する。これにより、ユーザのマッサージ装置100の使い心地をよくすることができる。クッション104は、図2に示されたように本体からとり除くことができる。これにより、クッション104の洗濯などの手入れを行うことができ、マッサージ装置100を清潔に保つことができる。
【0036】
マッサージ装置100は、カバーを有する。カバーは、マッサージ装置100の内部と外部とを区分する部材を指す。カバーは、少なくともマッサージ用ユニット203に含まれている運動部を覆う。これにより、マッサージ用ユニット203に含まれている運動部の人体に接触する部分が覆われ、頭髪、手指、衣服などを運動部が巻き込む、好ましくない状態となることが防がれる。
【0037】
マッサージ装置100のカバーは、背凭れ部101及び座部102それぞれの、クッション104を取り除いた上面に装着された、カバー107,108を含む。カバー107,108は、少なくともマッサージ用ユニット203を覆っている。カバー107,108は、軟質素材により成形されている。軟質素材は、一例として布である。これにより、運動部による施療効果をユーザの身体に伝えつつ、好ましくない状態となることが防がれる。
【0038】
詳しくは、図2を参照して、カバー107は、背凭れ部101上面の上辺に設けられた線ファスナー105A、右側方に設けられた線ファスナー105B、及び、左側方に設けられた線ファスナー105Dによって背凭れ部101に装着されている。また、カバー108は、座部102上面の右側方に設けられた線ファスナー105C、及び、左側方に設けられた線ファスナー105Eによって座部102に装着されている。また、カバー108は、さらに、座部102の前方に設けられた線ファスナー105Fによって座部102に装着されていてもよい。
【0039】
これら線ファスナー105A~105Eは、それぞれ、本体及びカバー107,108に設けられて、閉じられることによって、カバー107,108を本体に対して装着状態とする。線ファスナー105A~105Eは、カバー107,108を本体に対して装着状態とするための装着部に含まれる。
【0040】
図3は、線ファスナー105Aの端部の近傍である位置P1の拡大図である。図4は、結束バンドIを用いたカバー107の固定方法、及び、メンテナンス方法を説明するための図である。図3及び図4での説明は、他の線ファスナー105B~105Eそれぞれの端部の近傍である位置P2~P5も同様である。
【0041】
図3を参照して、背凭れ部101の線ファスナー105Aの端部の近傍には、線ファスナー105AのスライダーF2を固定するための固定部が設けられている。固定部は、一例として、背凭れ部101の外面に取り付けられたループ110である。ループ110は、カバー107を背凭れ部101に対して装着状態とするための装着部に含まれる。固定部は、他の例として、孔であってもよい。
【0042】
装着部は、さらに、線ファスナー105Aを端部まで閉じたときの、スライダーF2をループ110に固定する固定具を有する。固定具は、破壊することによって固定状態が解除されるものであって、一例として、結束バンドIである。固定具は、他の例として、樹脂や金属製のリングや、取り外しが不可なクリップなどであってもよい。
【0043】
スライダーF2をループ110に固定することは、一例として、スライダーF2に取り付けられている持ち手Fをループ110に固定することであってよい。この場合、持ち手Fには、固定具である結束バンドIを通すための孔F1が設けられており、孔F1及びループ110に結束バンドIを連続して挿通し、締め付けることによってスライダーF2をループ110に固定する。
【0044】
スライダーF2をループ110に固定することは、他の例として、スライダーF2自体をループ110に固定することであってよい。この場合、スライダーF2の柱F3の持ち手Fを保持するための孔に結束バンドIを連続して挿通し、締め付けることによってスライダーF2をループ110に固定する。
【0045】
図4を参照して、ステップS11で、スライダーF2を端部であるループ110に向けてスライドさせ、線ファスナー105Aを閉じる。ステップS12で、線ファスナー105Aを端部まで閉じると、持ち手Fをループ110に近づける。一例として、持ち手Fをループ110に挿入する。
【0046】
ステップS13で、結束バンドIのバンド部I1を、線ファスナー105Aの持ち手Fの孔F1とループ110とに連続して挿通し、ヘッド部I2に設けられた孔に挿通する。その状態で締め付けることによって、線ファスナー105AのスライダーF2をループ110に固定する。
【0047】
他の例として、ステップS13-1で、結束バンドIのバンド部I1を、線ファスナー105Aの柱F3の孔とループ110とに連続して挿通し、ヘッド部I2に設けられた孔に挿通する。その状態で締め付けることによって、線ファスナー105AのスライダーF2をループ110に固定するようにしてもよい。
【0048】
結束バンドIは、背凭れ部101及びカバー107を破壊することなく破壊可能であって、破壊されることによってカバー107の背凭れ部101に対する装着状態が解除される。これにより、ユーザは、破壊することなくカバー107を背凭れ部101から取り外すことができないため、カバー107を背凭れ部101から容易に取り外しすることができない。
【0049】
一方で、メンテナンスの際には、ステップS14で結束バンドIを切断するなどして破壊することによって、線ファスナー105AのスライダーF2の、ループ110に対する固定が解消される。これにより、線ファスナー105Aを開けることが可能になる。線ファスナー105Aを開けることにより、カバー107も背凭れ部101も破損することなくカバー107を背凭れ部101から取り外し、本体のメンテナンスが可能になる。
【0050】
なお、本体のメンテナンスの後には、ステップS15において、破壊した結束バンドIと異なる新しい結束バンドI12を用いて線ファスナー105AのスライダーF2をループ110に対して固定する。ステップS14でカバー107も背凭れ部101も破損されていないため、新しい結束バンドI12に取り換えるだけでメンテナンスの後に再生が可能となる。
【0051】
装着部は、本体の固定部を含まず、固定具のみを含んでもよい。図2の例の場合、カバー107とカバー108とは線ファスナー109で接続されており、その端部の位置P6には固定部を配置することができない場合がある。
【0052】
図5は、線ファスナー109の端部の近傍である位置P6の拡大図である。この場合、図5に示されたように、線ファスナー109を端部まで閉じた後のスライダーより下の位置を、結束バンドIで締め付ける。これにより、線ファスナー109のスライダーは下に移動することができず、端部まで閉じた状態で固定される。
【0053】
この場合も、ユーザは、結束バンドIを破壊することなくカバー107とカバー108とを取り外すことができない。そのため、同様の方法でカバーを本体に装着すると、ユーザは、結束バンドIを破壊することなく、カバーを本体から容易に取り外しすることができない。一方で、メンテナンスの際には、結束バンドIを破壊することによって、カバーも本体も破損することなくカバーを本体から取り外すことができ、内部のメンテナンスが可能になる。
【0054】
[第2の実施の形態]
【0055】
図6図8は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置300の概略図であって、図6はマッサージ装置300の斜視図、図7は背凭れ部3の前面側の分解斜視図、図8は背凭れ部3の背面側の分解斜視図である。マッサージ装置300は、一例として、ユーザが着座して用いるチェア型、つまり、マッサージチェアである。
【0056】
図6を参照して、マッサージ装置300は、主として、背凭れ部3、座部5、及び、フットレスト7を有する、本体9を備えている。背凭れ部3内には、マッサージ用ユニット11が設けられている。マッサージ用ユニット11は、背凭れ部3の上下方向に移動自在に設けられている。これにより、マッサージ装置300は、ユーザの腰から肩にわたってマッサージを施すことができる。
【0057】
詳しくは、図7を参照して、背凭れ部3内には、マッサージ機構部12が内蔵されている。マッサージ機構部12は、マッサージ用ユニット11と、マッサージ用ユニット11の上下移動を案内するための左右一対のガイドフレーム13とから主構成されている。マッサージ用ユニット11は、ガイドフレーム13の間に上下移動自在に設けられている。
【0058】
マッサージ用ユニット11は、マッサージ動作を行う動作機構であって、揉み玉などの施療部と、施療部、又は、施療部を駆動させる回転部、及び、駆動部などの運動部分である運動部と、を含む。
【0059】
マッサージ用ユニット11の駆動部は、一例として、左右のガイドフレーム13間に上下方向に設けられたネジ軸15を有するネジ送り機構17を含む。ネジ送り機構17がモータ19によって駆動されることで、マッサージ用ユニット11は、上下移動する。
【0060】
好ましくは、座部5の内部には、マッサージ用ユニット11の駆動を制御する制御部10が配されている。これにより、マッサージ用ユニット11によるマッサージ動作や、マッサージ用ユニット11の上下の位置移動が制御される。
【0061】
マッサージ機構部12は、枠体25によって覆われている。枠体25は、マッサージ機構部12の前面に取り付けられている。枠体25は、ユーザの身体が支持される程度の強度を有する部材であって、一例として、ブロー成形により製作される合成樹脂製である。
【0062】
枠体25は、左右の側方枠27を備えている。左右の側方枠27の上端及び下端は、上部枠29及び下部枠31によって連結されている。これにより、着座したユーザの背中は枠体25の左右の側方枠27で支持され、頭部は枠体25の上部枠29で支持される。
【0063】
枠体25の中央部には、上下方向に延びる開口部33が形成されている。開口部33が形成されていることにより、マッサージ装置300に着座したユーザに対して、開口部33を通じてマッサージ用ユニット11によるマッサージが与えられる。
【0064】
枠体25の前面には、クッション35が配置されている。クッション35は、ウレタンフォーム等で形成されている。クッション35は、全体が逆U字状に形成されている。逆U字状の内側は開口しており、開口の周囲に線ファスナー45が設けられている。
【0065】
マッサージ装置300は、カバーを有する。カバーは、マッサージ装置300の内部と外部とを区分する部材を指す。カバーは、少なくともマッサージ用ユニット11に含まれている運動部を覆う。これにより、マッサージ用ユニット11に含まれている運動部の人体に接触する部分が覆われ、頭髪、手指、衣服などを運動部が巻き込む、好ましくない状態となることが防がれる。
【0066】
マッサージ装置300のカバーは、クッション35の上面に装着された、カバー43を含む。カバー43は、少なくともマッサージ用ユニット11を覆っている。カバー43の周囲には線ファスナー49が設けられており、クッション35の線ファスナー45と合わせて閉じられることによって、クッション35の上面にカバー43が装着される。線ファスナー45,49は、カバー43を本体に対して装着状態とするための装着部に含まれる。
【0067】
カバー43は、軟質素材により成形されている。軟質素材は、一例として布である。これにより、運動部による施療効果をユーザの身体に伝えつつ、好ましくない状態となることが防がれる。
【0068】
線ファスナー45,49の端部も、第1の実施の形態に係るマッサージ装置100と同様に、固定具によって固定されている。一例として、線ファスナー45,49は、端部まで閉じた状態で、線ファスナー45,49の持ち手がクッション35に設けられたループに対して結束バンドで固定されている。また、他の例として、線ファスナー45,49を端部まで閉じた後のスライダーより下の位置が結束バンドで締め付けられている。
【0069】
この場合も、第1の実施の形態に係るマッサージ装置100と同様に、ユーザは、結束バンドを破壊することなくカバー43をクッション35(本体)から取り外すことができないため、カバー43を本体から容易に取り外しすることができない。一方で、メンテナンスの際には、結束バンドを破壊することによって、カバー43も本体も破損することなくカバー43を本体から取り外すことができる。
【0070】
図8を参照して、枠体25の背面には、カバー44が装着されている。マッサージ装置300のカバーは、枠体25の背面に装着されたカバー44を含む。カバー44は、外部の衝撃から内部を保護できる程度の強度を有する部材であって、一例として、ブロー成形により製作される合成樹脂製である。
【0071】
マッサージ装置300は、カバー44を枠体25に対して装着状態とする締結具を有する。締結具は、一例として、ボルトBである。ボルトBは、図示しないナットと組み合わせて用いられてもよい。図8に示されたように、カバー44の縁部と、枠体25の背面側の縁部とは、複数のボルトBによって複数個所、締結される。これにより、カバー44は枠体25に対して装着状態となり、外部の衝撃から内部が保護される。
【0072】
ボルトBは、一般ねじではない、いわゆる特殊ねじを有する。ナットを組み合わせて用いる場合、ナットも特殊ねじに対応した特殊ナットであってもよいし、通常のナットであってもよい。
【0073】
一般ねじは、一例として、日本工業規格(略称JIS)に規定された、皿ボルト(すりわり付きが含まれる)、六角穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付きショルダボルト、六角穴付き皿ボルト、及び、ヘクサロビュラ穴付きボルトなどのボルトを指す。ボルトBは、特殊工具によって取り付け、取り外しができるものであって、特殊工具以外の一般工具では締結が解除されない。特殊工具とは一般工具以外の工具を指し、日本工業規格(略称JIS)に規定されていない工具を指す。一般工具は、例えば、プラス(十字)・マイナス・六角・へクスローブドライバー、スパナ、レンチ、及び、ペンチといった一般の店舗等で購入できる工具を指す。
【0074】
図9は、ボルトBを用いた固定方法、及び、メンテナンス方法を説明するための図である。図9の例では、いわゆる特殊ねじであるボルトB1を用いてカバー44が枠体25に対して固定されている。ボルトB1は、工具穴301の形状が一般工具では取り付け、取り外しができない特殊形状である、特殊ねじである。
【0075】
ボルトB1は、例えば、頭部がJISに規定された、四角穴付き、丸、丸平、なべ、平、チーズ、トラス、バインド、ブレジャ、ウエハ、皿、丸皿、アンダカット皿、アンダカット丸皿、角皿、小形皿、トランペットの形状のねじ又はナットであってよい。
【0076】
この場合、図9を参照して、ボルトB1の工具穴301の形状に対応した先端部302Aを有する、特殊工具であるドライバ302を用意し、先端部302Aを工具穴301に嵌めてドライバ302を回転させる(ステップS21)。これにより、カバー44が枠体25に取り付けられる(ステップS22)。また、取り外しの際には、この逆に、ステップS22のカバー44が枠体25に取り付けられた状態でドライバ302でボルトB1を逆回りに回転させることで、カバー44を枠体25から取り外す。
【0077】
このようにすることで、ユーザは、ドライバ302を一般の店舗等で購入することができないため、ボルトB1を破壊することなく容易にカバー44や枠体25から取り外すことができない。そのため、カバー44を枠体25から容易に取り外しすることができない。
【0078】
一方で、メンテナンスの際には、ドライバ302を用いてボルトB1を破壊することなく容易にカバー44や枠体25から取り外すことができる。これにより、ボルトB1もカバー44も枠体25も破損することなくカバー44を枠体25からから取り外すことができる。
【0079】
ボルトBを用いた固定方法、及び、メンテナンス方法の他の例として、図10に示された方法が挙げられる。図10の例では、一般ねじであるボルトB2を用いてカバー44が枠体25に対して固定されている。ボルトB2は、例えばJISに規定された、皿ボルト(すりわり付きが含まれる)、六角穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付きショルダボルト、六角穴付き皿ボルト、及び、ヘクサロビュラ穴付きボルトなどのボルトである。
【0080】
この場合、図10を参照して、一般工具であるドライバ308をボルトB2に適用して、ドライバ308を回転させる(ステップS31)。カバー44が枠体25に取り付けられた後、ボルトB2の工具穴をドライバ308に適用されないように変形させる。図10の例では、ボルトB2の工具穴に傷304を与え、ドライバ308の先端部が適用できない形状とする(ステップS32)。
【0081】
これにより、ユーザは、ドライバ308を用いてもボルトB2をカバー44や枠体25から取り外すことができない。また、後述するような工具305を用いてボルトB2を取り外したとしても、ステップS32でボルトB2が破壊されているため、ボルトB2が破壊されないでカバー44を枠体25から取り外しすることができない。
【0082】
一方で、メンテナンスの際には、ペンチやプライヤーといったボルトB2の頭部を把持可能な工具305でボルトB2の頭部を把持し、回転させることによってボルトB2の固定を解除する(ステップS33)。工具305は、他の例として、ペンチなどのボルトB2の軸部を切断可能な工具であってもよい。この場合、工具305を用いてステップS33でボルトB2の軸部を切断する。これにより、カバー44も枠体25も破損することなくカバー44を枠体25から取り外すことができ、内部のメンテナンスが可能になる。
【0083】
枠体25の背面へのカバーの取り付けは、第1の実施の形態に係るマッサージ装置100と同様に、結束バンドIを用いた方法であってもよい。具体的には、図11を参照して、カバー44は、複数の通し孔43Hが設けられた縁部43Aを有する。また、枠体25は、複数の通し孔25Hが設けられた縁部25Aを有する。通し孔43H及び通し孔25Hは、それぞれ、結束バンドIを表面から裏面に通すための孔と裏面から表面に通すための孔との2つの孔の組み合わせである。通し孔43Hと通し孔25Hとは、カバー44を対応する位置で枠体25に重ねると一致する位置にそれぞれ設けられている。
【0084】
この場合、図12を参照して、カバー44を対応する位置で枠体25に重ね、重なった複数の通し孔43Hと通し孔25Hとをそれぞれ結束バンドIで結束する。これにより、カバー44が枠体25に固定される。
【0085】
結束バンドIは、カバー44及び枠体25を破壊することなく破壊可能であって、破壊されることによってカバー44の枠体25に対する装着状態が解除される。これにより、ユーザは、破壊することなくカバー44を枠体25から取り外すことができないため、カバー44を枠体25から容易に取り外しすることができない。
【0086】
一方で、メンテナンスの際には、結束バンドIを切断するなどして破壊することによって、カバー44の枠体25への固定が解消される。これにより、カバー44を枠体25から取り外すことが可能になる。これにより、カバー44及び枠体25を破損することなくカバー44を枠体25から取り外し、内部のメンテナンスが可能になる。
【0087】
[第3の実施の形態]
【0088】
第3の実施の形態においては、マッサージ装置において、制御部が、カバーの本体への装着状態の解除が検知されると、回避動作を実行するよう構成されている。マッサージ装置は、第1の実施の形態に係るマッサージ装置100でも、第2の実施の形態に係るマッサージ装置300でもよいし、異なるマッサージ装置であってもよい。
【0089】
マッサージ装置100である場合、図2に示されたように、マッサージ装置100は、センサSE1,SE2を有する。センサSE1,SE2は、カバーの本体への装着状態の解除を検知するセンサである。センサSE1は、背凭れ部101に配置されており、カバー107の背凭れ部101からの装着状態の解除を検知する。センサSE2は、座部102に配置されており、カバー108の座部102からの装着状態の解除を検知する。センサSE1,SE2は、センサ信号を制御部10に入力する。
【0090】
図13は、第3の実施の形態に係るマッサージ装置の、制御部10の概略構成図である。図13を参照して、本実施の形態に係るマッサージ装置100の制御部10は、プロセッサ61とメモリ62とを有するコンピュータで構成される。メモリ62は、施療用プログラム621を記憶している。施療用プログラム621は、マッサージ装置100でのマッサージ動作を制御するためのプログラムである。
【0091】
プロセッサ61は、開始ボタンなどの操作部59からの操作信号に従って施療用プログラム621を実行することで、施療制御611を実行する。施療制御611において、プロセッサ61はマッサージ用ユニット203の駆動を制御する。これにより、操作部59からの操作信号によって指定されたマッサージ動作をマッサージ用ユニット203に行わせることができる。
【0092】
メモリ62は、回避動作用プログラム622を記憶している。回避動作用プログラム622は、マッサージ装置100に回避動作を行わせるためのプログラムである。プロセッサ61は、センサSE1,SE2からのセンサ信号に従って回避動作用プログラム622を実行することで、回避動作制御612を実行する。
【0093】
回避動作は、マッサージ装置100の本体からカバー107が取り外されたことによって、頭髪、手指、衣服などを巻き込む、好ましくない状態となることを回避するための動作を指す。
【0094】
回避動作は、一例として、センサSE1,SE2での検知に基づいて警告を出力させる動作であってよい。警告を出力させることは、一例として、スピーカ60からエラー音を発声させることであってよい。他の例として、図示しないディスプレイに警告表示を行わせたり、バイブレータ機能を駆動させたり、それらの組み合わせであったりしてもよい。これにより、マッサージ装置100の本体からカバー107、108が取り外された状態において、マッサージ装置100の使用中のユーザは、使用を中止することができる。また、使用しようとしていたユーザは、使用を取りやめることができる。その結果、ユーザが好ましくない状態となることを防ぐことができる。
【0095】
回避動作は、一例として、マッサージ用ユニット203の駆動を停止させること、又は、稼働の指示に対して稼働させないことであってよい。この場合、回避動作制御612においてプロセッサ61は、マッサージ用ユニット203の駆動を停止させたり、操作信号を受信してもマッサージ用ユニット203を駆動させないようにしたりする。これにより、マッサージ装置100の本体からカバー107、108が取り外されると、マッサージ用ユニット203の駆動が停止する。そのため、使用中のユーザが好ましくない状態となることを防ぐことができる。
【0096】
回避動作は、一例として、センサSE1,SE2での検知に基づいてマッサージ用ユニット203に含まれている運動部を回避させる動作であってよい。回避させる動作とは、施療部やマッサージ用ユニット203そのものなど、可動する部分をマッサージ装置100に着座しているユーザから遠ざける方向に移動させる動作を含む。回避させる動作は、移動させた後に停止させる動作を含んでもよい。ユーザから遠ざける方向に移動させることは、一例として、背凭れ部101の中央付近にあったマッサージ用ユニット203を座部102まで移動させることであってよい。
【0097】
この場合、回避動作制御612においてプロセッサ61は、マッサージ用ユニット203の駆動を制御して、予め規定されている位置にマッサージ用ユニット203などの可動部分を移動させる。好ましくは、プロセッサ61は、移動後に停止させる。これにより、マッサージ装置100の本体からカバー107、108が取り外されると、マッサージ用ユニット203がユーザから遠い位置に移動する。そのため、使用中のユーザが好ましくない状態となることを防ぐことができる。
【0098】
図14は、回避動作制御612の一例を表したフローチャートである。回避動作制御612は、一例として、マッサージ装置100のプロセッサ61が施療制御611を実行しているときに、並行して行われる。回避動作制御612は、他の例として、マッサージ装置100に電源が投入されている状態において常に実行されていてもよい。
【0099】
図14を参照して、回避動作制御612において、プロセッサ61は、センサSE1及びセンサSE2からのセンサ信号の入力を待機している。センサSE1及びセンサSE2の少なくとも一方から、カバー107、108が取り外されたことが検知されたことを示す信号が入力されると(ステップS101でYES)、プロセッサ61は、回避動作を実行させる(ステップS103)。
【0100】
ステップS103でプロセッサ61は、一例として、マッサージ用ユニット203を予め規定されている位置に移動させるようにマッサージ用ユニット203の駆動部を制御する(ステップS105)。プロセッサ61は、マッサージ用ユニット203を移動させた後、回転などの動作を停止させるよう回転部などを制御する(ステップS107)。
【0101】
回避動作制御612は、第2の実施の形態に係るマッサージ装置300において行われてもよい。この場合、マッサージ装置300は、図7で示されたセンサSE3、及び、図8又は図12で示されたセンサSE4を有する。
【0102】
センサSE3は、枠体25の前面側に配置されており、カバー43の枠体25からの装着状態の解除を検知する。センサSE4は、枠体25の背面側に配置されており、カバー44の枠体25からの装着状態の解除を検知する。センサSE3,SE4は、センサ信号を制御部10に入力する。
【0103】
マッサージ装置300の制御部10も、図13の構成を有して、図14に示された回避動作制御612を実行する。マッサージ装置300の場合、プロセッサ61は、センサSE3,SE4の少なくとも一方から、カバー43,44が取り外されたことが検知されたことを示す信号が入力されると回避動作を実行させる。
【0104】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0105】
3 :背凭れ部
5 :座部
7 :フットレスト
8 :カバー
9 :本体
10 :制御部
11 :マッサージ用ユニット(運動部)
12 :マッサージ機構部
13 :ガイドフレーム
15 :ネジ軸
17 :ネジ送り機構
19 :モータ
25 :枠体
25A :縁部
25H :通し孔
27 :側方枠
29 :上部枠
31 :下部枠
33 :開口部
35 :クッション
43 :カバー
43A :縁部
43H :通し孔
44 :カバー
45 :線ファスナー
49 :線ファスナー
59 :操作部
60 :スピーカ
61 :プロセッサ
62 :メモリ
100 :マッサージ装置
101 :背凭れ部
102 :座部
104 :クッション
105A :線ファスナー
105B :線ファスナー
105C :線ファスナー
105D :線ファスナー
105E :線ファスナー
106 :枕部
107 :カバー
108 :カバー
109 :線ファスナー
110 :ループ
201 :枠体
202 :枠体
203 :マッサージ用ユニット(運動部)
300 :マッサージ装置
301 :工具穴
302 :ドライバ
302A :先端部
304 :傷
305 :工具
308 :ドライバ
611 :施療制御
612 :回避動作制御
621 :施療用プログラム
622 :回避動作用プログラム
B :ボルト
B1 :ボルト
B2 :ボルト
F :持ち手
F1 :孔
F2 :スライダー
F3 :柱
I :結束バンド
I1 :バンド部
I2 :ヘッド部
I12 :結束バンド
SE1 :センサ
SE2 :センサ
SE3 :センサ
SE4 :センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14