(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187436
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】卵容器積込み装置および卵容器輸送台車へ卵容器を積込む方法
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20221212BHJP
B65B 23/02 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
B65G57/03 G
B65B23/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095480
(22)【出願日】2021-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明石 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 公一
(72)【発明者】
【氏名】岸川 舜
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一
【テーマコード(参考)】
3E043
3F029
【Fターム(参考)】
3E043AA01
3E043AA10
3E043BA10
3E043BA19
3E043CA02
3E043DA09
3E043DB04
3E043DB05
3E043EA02
3E043EA03
3E043FA01
3E043GA06
3F029AA03
3F029AA04
3F029BA11
3F029CA52
3F029CA57
3F029CA82
3F029DA02
(57)【要約】
【課題】移載回数を減らすことができ、かつ多種の積み付けパターンに対応できる、卵容器積込み装置を提供する。
【解決手段】卵容器積込み装置2は、多軸ロボットアーム21と、多軸ロボットアーム21の先端位置にあるハンド部211に設けられる吸着把持部212と、少なくとも2以上の積込みパターンおよび多軸ロボットアーム21の動作を予め設定する、積込み動作設定部22と、積込みパターンに対応して、吸着把持部212で卵容器Pを把持し、卵容器輸送台車3の少なくとも1つの棚に移載するように、多軸ロボットアーム21および吸着把持部221の動作を制御する積込制御部23を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸ロボットアームと、
前記多軸ロボットアームの先端位置にあるハンド部に設けられる吸着把持部と、
少なくとも1以上または2以上の積込みパターンおよび前記多軸ロボットアームの動作を予め設定する、積込み動作設定部と、
前記積み込み動作設定部で設定された積込みパターンに対応して、前記吸着把持部で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚に移載するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、積込制御部と、
を備える、卵容器積込み装置。
【請求項2】
前記積込制御部は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、請求項1に記載の卵容器積込み装置。
【請求項3】
前記積込制御部は、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、請求項1または2に記載の卵容器積込み装置。
【請求項4】
前記積込制御部は、
棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、請求項1から3のいずれか1項に記載の卵容器積込み装置。
【請求項5】
前記積込制御部は、
台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、請求項1から3のいずれか1項に記載の卵容器積込み装置。
【請求項6】
予め設定されている積込みパターンに対応して、多軸ロボットアームに設けられた吸着把持部で卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚に移載するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御する積込制御工程を含み、
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御し、および/または、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、
卵容器積込み方法。
【請求項7】
少なくとも1つ以上のプロセッサにより実行されると、請求項6に記載の卵容器積込み方法の各工程が実現される、卵容器積込みプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載の卵容器積込み方法を用いて卵入り卵容器収容台車を生産することを特徴とする、卵入り卵容器収容台車を生産する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵容器輸送台車への卵容器積込み装置および卵容器輸送台車へ卵容器を積込む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
卵を詰めた卵容器(「卵パック」ともいう。)を食品スーパーなどの小売り事業者へ輸送するために、搬送用ラックが使用されている。例えば、ヨシダエルシス株式会社製の鶏卵パック専用輸送ロールボックスや、株式会社三栄製作所製のロールラックがある。また、特許文献1は、鶏卵を収容する卵容器を搬送する搬送用ラックを記載している。上記搬送用ラックは、複数段の棚が折り畳み可能となっており、奥行方向でコンパクトに収納可能な設計である。
【0003】
特許文献2は、一時待機領域に集められた複数個の卵パックを収容空間に移載する卵パックの移載装置を開示している。具体的には、一の卵パックおよび他の卵パックを含む複数個の前記卵パックを保持し、保持した複数個の前記卵パックを前記収容空間まで移動する保持部と、前記卵パックを保持する動作、保持した前記卵パックおよび前記収容空間の少なくともいずれかを移動させる動作、および、前記卵パックを保持した状態を解除する動作を含む前記保持部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、複数個の前記卵パックを保持し、前記収容空間内における第1位置において、前記一の卵パックを保持した状態を解除した後、前記保持部を移動させて、前記収容空間内における前記第1位置とは異なる第2位置において、前記他の卵パックを保持した状態を解除する動作を制御する。
前記第2位置として、前記第1位置とは異なる高さ位置において、前記他の卵パックを保持した状態を解除する。前記第2位置として、前記一の卵パックの上に前記他の卵パックを積み重ねた位置において、前記他の卵パックを保持した状態を解除する。保持部の動作は、保持した前記卵パックの向きを変える。
【0004】
特許文献3は、上記特許文献2の分割出願である。
【0005】
特許文献4は、上方に開放された箱状の集成容器内に複数の卵パックを移載する移載装置を開示している。具体的には、3個の卵パックを保持する第一の態様と、2個の卵パックを保持する第二の態様とを選択的に取り得るように制御される。卵パックを上面側から吸着して保持する複数の吸着部を備えており、前記吸着部は、前記第一の態様及び第二の態様の際に使用されるメイン吸着部と、前記第一の態様の際にのみ使用され、前記第二の態様の際には使用されないサブ吸着部とを備えている。また、n個の卵パックを保持する態様と、m個(mはnとは異なる整数)の卵パックを保持する態様とを選択的に取り得るように制御される。
【0006】
特許文献5の図において、包装容器Pの段詰みの一例を開示している。
【0007】
特許文献6は、断続的に一時待機領域に送り込まれる卵パックを上方に開放された箱状の集成容器内に移載する移載装置を備えた卵パックの箱詰めシステムを開示している。前記移載装置は、前記集成容器内の一段分を形成するための移載を複数回に分けて行うもので、1回あたりの移載動作で移載される卵パックの個数は任意の個数に設定され、前記複数回のうち少なくとも1回は、前記任意の個数が他の回とは異なる数に設定されるものであり、設定された任意の個数の卵パックが前記一時待機領域に集まったときに、移載動作を開始する。一回の動作で移載される量を従来のものよりも減らして、集成容器内における卵パックの並べ方のバリエーションへの対応を簡易な方法で達成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3209255号公報
【特許文献2】国際特許出願WO2019/159793号公報、
【特許文献3】特開2021-50045号公報
【特許文献4】特開2018-193071号公報
【特許文献5】特開2015-196522号公報
【特許文献6】特開2019-43591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記各特許文献では解決できない課題として以下が挙げられる。
(1)搬送コンベアの待機位置から卵容器を台車へ移載する際に、卵容器を多く把持すればその分多く移送できるので、移載回数を減らせる。積み付けパターンに制約があると、一度に把持して移載できる個数に限りがある。この場合には、把持個数を減らし往復回数を増やす必要がある。さらに、移載能力を上げるためにはより多くの卵容器を把持しなければならないが、そのためには把持部の大型化が必要になる。
(2)卵容器には、バーコードや賞味期限ラベルが天面に貼付されたり容器内に挿入されたりする。それらの表示の向き、卵容器のフランジ(縁)部(蓋のヒンジ側のフランジ部、上蓋と下容器とを重ね合わせた部位のフランジ部)の方向の指定などが小売店ごとに異なっており、結果として卵容器の積み付けパターンが複数存在している。これらの要望に対応する必要がある。
(3)上面が平らなフラットパックの場合、その上面に上貼り(シール)が貼られることがある。上貼りの粘着力の状態によっては剥がれてしまうことがあり、吸着移送による処理速度に注意する必要があった。早く移動させると上貼りシールが剥がれることがある。
(4)台車に卵容器を積み付ける作業では、卵のサイズや搬送先の小売店の配置要望に応じて、積み付けパターンを切替える必要がある。この切替えは、日に何度も行われることがあり、1~数時間単位で切替えることも少なくない。このため、積み付けパターンの切替作業を素早く行いたいとの要求がある。
【0010】
そこで、本発明は、移載回数を減らすことができ、かつ多種の積み付けパターンに対応できる、卵容器積込み装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の卵容器積込み装置は、
多軸ロボットアームと、
前記多軸ロボットアームの先端位置にあるハンド部に設けられる吸着把持部と、
少なくとも2以上の積込みパターンおよび前記多軸ロボットアームの動作を予め設定する、積込み動作設定部と、
前記積み込み動作設定部で設定された積込みパターンに対応して、前記吸着把持部で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に移載するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、積込制御部と、
を備える。
【0012】
卵容器積込み装置は、
少なくとも2以上の積込みパターンから任意の積込みパターンを(オペレータが選択指示あるいは搬送コンベアに待機している卵容器に対応して自動的に)切り替える、積込みパターン切替制御部を備えていてもよい。
卵容器積込み装置は、
積込みパターンおよび/または多軸ロボットアームの動作を切り替える指示の入力を受け付ける切替入力部を備え、切替入力部の入力指示に対応して、積込みパターン切替制御部が切替制御してもよい。
卵容器積込み装置は、
積込み動作設定部で予め設定された積込みパターンにおいて、任意のタイミングかつ指定した数の卵容器輸送台車に対して、所定の棚(例えば、最下位棚のみ、下から第二位置の棚までなど任意に指定できる)のみに卵容器を載置することを指示する入力を受け付ける減数積込み指示入力部を備え、減数積込み指示入力部の入力指示に対応して、積込制御部が前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
【0013】
卵容器輸送台車の複数の棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)ごとに、同じ積込みパターンであってもよく、異なる積込みパターンであってもよい。1つの棚に対し、1種類または複数の積込みパターンであってもよい。これにより、台車の重心を安定させることができる。小売店の混載の要望に対応できる。複数種類の台車に対応する。卵容器の種類に対応できる。
例えば、卵のサイズ、出荷先、台車の種類、台車の棚ごとに異なる種類の卵容器や異なるサイズの卵容器を積み込む際に、複数種類の積込みパターンを予め設定しておくことで、切替指示を少ないステップででき、あるいは自動的に切り替えできるので、積込みパターンの設定時間、切替時間を短縮できる。
【0014】
また、第二の卵容器積込み装置は、
多軸ロボットアームと、
前記多軸ロボットアームの先端位置にあるハンド部に設けられる吸着把持部と、
少なくとも1以上の積込みパターンおよび前記多軸ロボットアームの動作を予め設定する、積込み動作設定部と、
前記積み込み動作設定部で設定された積込みパターンに対応して、前記吸着把持部で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に移載するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御する、積込制御部と、
を備える。
1つの積込みパターンのみが設定されている場合は、長時間同じ積込みで行うので半日や1日単位で同じ積込みパターンであるのに適している。
【0015】
以下で説明する積込制御部は、第一の卵容器積込み装置及び第二の卵容器積込み装置のいずれにも該当する。
前記積込制御部は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し(ステップa)、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)する(ステップb)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。この再配置を「分割再配置」と呼ぶ。
「吸着を解除して載置」する動作は、吸着把持部の高さ方向の移動として下降動作がなくてもよい。吸着把持している卵容器の底部が、それよりも下方の棚または卵容器に接触する前に吸着把持を解除してもよい。
「再び吸着把持」する動作において、先に吸着していた位置と異なる位置で再吸着把持することであってもよい。
ステップaとステップbの間(分割再配置の途中の段階)に、別の複数の卵容器を待機位置(搬送コンベアの待機位置)から吸着把持し、第一、第二位置とは異なる位置に載置させてもよい。つまり、ステップaとステップbの間に別の載置動作を行ってもよい。
【0016】
前記積込制御部は、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置する(高さ方向で容器底から途中の高さまでその隙間に嵌め込む)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
隙間を卵容器で埋めることで、移送中の卵容器の移動を無くし、かつ収納個数を増加できる。
【0017】
前記積込制御部は、
棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
前記積込制御部は、
台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
同じ種類の卵容器または異なる種類の卵容器であって、同じまたは異なる積込みパターンとなるようにしてもよい。
【0018】
前記積込制御部は、
棚ごとの複数段積みにおいて、任意の段目の積込みパターンが完成する前に、次の段目の積込みパターンを開始するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。例えば、1段目の積込みパターンのうち半数を載置し(例えば、奥側載置領域)、その載置された卵容器の上に次の2段目の卵容器を載置し、さらに2段目の卵容器の上に次の3段目の卵容器を載置し、同様に4段目も同様に載置してもよい。1段目の積込みパターンのうち載置されていない残りの積込みパターンの位置(手前側載置領域)に卵容器を載置し、その載置された卵容器の上に次の2段目の卵容器を載置し、さらに2段目の卵容器の上に次の3段目の卵容器を載置し、同様に4段目も同様に載置してもよい。
1段の積込みパターンの内、奥側の積込みパターンと手前側の積込みパターンとが、同じでもよく、異なる積込みパターンであってもよい。
奥側の積込みパターンと手前側の積込みパターンにおいて、同じ種類の卵容器または異なる種類の卵容器を積込むことであってもよい。
【0019】
(積込みパターン)
台車の手前側と奥側の載置領域について規定する。
積込みパターンは、台車の奥側領域で、卵容器の長手方向と平行方向となるように横に載置(「横置き」ともいう。)する奥側横載置と、手前領域で、奥側横載置と直交する方向となるように縦に載置(「縦置き」ともいう。)する手前側縦載置と、を含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、台車の奥側領域で、卵容器の短手方向と平行方向となるように縦に載置する奥側縦載置と、手前領域で、奥側縦載置と直交する方向となるように横に載置する手前側横載置と、を含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、奥側縦載置と手前側縦載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、奥側横載置と手前側横載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、奥側の一部が縦載置で、残りが横載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、手前の一部が縦載置で、残りが横載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、左右の横載置の隙間に縦載置を配置することを含むパターンであってもよい。その逆に、左右の縦載置の隙間に横載置を配置することを含むパターンであってもよい。
【0020】
卵容器は、例えば、卵の外形状に合わせて凸状の卵を収容できる容器本体および凸状の卵に覆いかぶさる蓋部とで構成されるレギュラーパック、卵の外形状に合わせて凸状の卵を収容できる容器本体および天面フラットのフラット蓋とで構成されるフラットパックがある。
多軸ロボットアームは、3軸以上のロボットアームが好ましい。
多軸ロボットアームは、協働ロボットでもよい。
先端のハンド部は、アーム先端に取り付けられ、吸着把持部を固定する固定部を有する。
吸着把持部は、例えば、負圧吸着する吸着パットを複数有する。
真空ポンプ(あるいはブロワー)と負圧用管を介して吸着パッドが接続され、空気を吸引することで、吸着パッドに、それと接触する卵容器を把持できる吸引力を生じさせる。複数の吸着パッドの全て、それぞれまたは複数個単位で、「吸引、吸引停止(吸着状態)、吸引解除(大気圧に戻す)」の動作が可能に、配管、開閉弁などが構成され制御されてもよい。
【0021】
吸着把持部が複数の卵容器を吸着把持する「持上位置」は、特に制限されないが、吸着する容器数と、積込みパターンによる載置位置(奥側、左右側面、上方折畳棚の下方)、分割配置などで設定される。
吸着把持される、複数の卵容器の平面視の面積の重心位置(面積中心)に合わせて、吸着把持部の重心(面積中心)を合わせてよい。吸着把持部の重心(中心)が、複数の卵容器の平面視の面積の重心(中心)からずれていてもよい。
【0022】
他の本発明の第一の卵容器積込み方法は、
少なくとも2以上の積込みパターンおよび多軸ロボットアームの動作を予め設定する積込み動作設定工程と、
前記積み込み動作設定工程で設定された積込みパターンに対応して、多軸ロボットアームに設けられた吸着把持部で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に移載するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御する積込制御工程と、を含む。
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し(ステップa)、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)する(ステップb)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御し、および/または、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置する(高さ方向で容器底から途中の高さまでその隙間に嵌め込む)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御し、
台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御し、または、
棚ごとの複数段積みにおいて、任意の段目の積込みパターンが完成する前に、次の段目の積込みパターンを開始するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御してもよい。
第一の卵容器積込み方法は、
少なくとも2以上の積込みパターンから任意の積込みパターンを(オペレータが選択指示あるいは搬送コンベアに待機している卵容器に対応して自動的に)切り替える、積込みパターン切替制御工程を含んでいてもよい。
第一の卵容器積込み方法は、
積込みパターンおよび/または多軸ロボットアームの動作を切り替える指示の入力を受け付ける切替入力工程を含んでいてもよい。積込みパターン切替制御工程は、切替入力工程の入力指示に対応して、積込みパターン切替制御をしてもよい。
第一の卵容器積込み方法は、
予め設定された積込みパターンにおいて、任意のタイミングかつ指定した数の卵容器輸送台車に対して、所定の棚(例えば、最下位棚のみ、下から第二位置に棚までなど任意に指定できる)のみに卵容器を載置することを指示する入力を受け付ける減数積込み指示入力工程を含んでいてもよい。
積込制御工程は、減数積込み指示入力工程の入力指示に対応して、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
【0023】
他の本発明の第二の卵容器積込み方法は、
予め設定されている積込みパターンに対応して、多軸ロボットアームに設けられた吸着把持部で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に移載するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御する積込制御工程を含む。
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し(ステップa)、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)する(ステップb)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御し、および/または、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置する(高さ方向で容器底から途中の高さまでその隙間に嵌め込む)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御し、
台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御し、または、
棚ごとの複数段積みにおいて、任意の段目の積込みパターンが完成する前に、次の段目の積込みパターンを開始するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御してもよい。
第二の卵容器積込み方法は、
積込みパターンおよび/または多軸ロボットアームの動作を切り替える指示の入力を受け付ける切替入力工程を含んでいてもよい。積込みパターン切替制御工程は、切替入力工程の入力指示に対応して、積込みパターン切替制御をしてもよい。
第二の卵容器積込み方法は、
予め設定された積込みパターンにおいて、任意のタイミングかつ指定した数の卵容器輸送台車に対して、所定の棚(例えば、最下位棚のみ、下から第二位置に棚までなど任意に指定できる)のみに卵容器を載置することを指示する入力を受け付ける減数積込み指示入力工程を含んでいてもよい。
積込制御工程は、減数積込み指示入力工程の入力指示に対応して、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
【0024】
情報処理装置は、
少なくとも1つ以上のプロセッサと、
上記第一の卵容器積込み方法または第二の卵容器積込み方法を実現するプログラムを保存するメモリとを備え、
上記プロセッサが、上記メモリから読み出したプログラムを実行し、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御する、情報処理装置である。
【0025】
卵入り卵容器収容台車を生産する方法は、
上記第一の卵容器積込み方法または第二の卵容器積込み方法を用いて卵入り卵容器収容台車を生産する。
【0026】
以上の構成によれば以下の作用効果がある。
(1)より多くの卵パックを同時に吸着搬送できる。例えば、ロボットアーム(5つの卵容器を吸着できる吸着把持部)にて、搬送コンベアで待機している5つの卵容器をまとめて吸着把持し、棚へ移送する。待機位置で、積付けパターンに対応した吸着方向(吸着位置)で卵容器を吸着するなどの制約を減らしつつ、かつ移送処理能力を向上できる。多軸ロボットアームであれば、回転機構により、移送時に回転させて積付けパターンに対応し易いが、回転軸が少ないロボットハンドやスカラーロボットの場合には制約があったが、多軸ロボットアームを採用することで、移送処理能力を向上できる。
(2)オペレータは、管理上の理由で、卵容器の長手方向の単純な組合せだけでなく、卵容器上面に貼りつけた製品ラベルやバーコードの確認が出来るように、卵容器の向きを一定方向に統一したいとの要望がある。この対応として、一旦、全ての卵容器を置き、別の吸着位置(例えば、端の吸着位置)で再吸着することで、卵パックの向きを所定の方向に統一することが出来る。
(3)吸着把持の際に、把持位置をずらし(吸着把持部の平面視の中心と把持する複数の卵容器の平面視中心が一致していない)、多軸ロボットアームのハンドを回転させる(例えば、卵容器の待機位置と台車の棚との両者が卵容器長手方向と平行であっても、180度回転させて吸着し載置させる)ことで、多様な積みつけパターンに対応できる。
(4)卵容器の短手方向に吸着位置をずらして、上貼り(シール)と卵容器の中間を吸着することで、上貼り(シール)剥がれを抑制することができる。また、卵容器の長手方向に吸着位置をずらして吸着することで、一部の吸着パッドが上貼り(シール)のない位置を吸着させることができ、剥がれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】卵パック自動載置システムの全体構成を示す図である。
【
図2A】第一積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
【
図2B】第一積付けパターンの載置ステップの一例である。
【
図2C】第一積付けパターンの分割再配置ステップの一例である。
【
図2D】第一積付けパターンの分割再配置ステップの一例である。
【
図3A】第二積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
【
図3B】第二積付けパターンの載置ステップの一例である。
【
図4A】第三積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
【
図4B】第三積付けパターンの分割再配置ステップの一例である。
【
図5A】第四積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
【
図5B】第四積付けパターンの分割再配置ステップの一例である。
【
図6A】第五積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
【
図6B】第五積付けパターンの載置ステップの一例である。
【
図7A】第六積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
【
図7B】第六積付けパターンの分割再配置ステップの一例である。
【
図8A】積付けパターン(奥側縦載置および手前側横載置)の平面図の例である。
【
図8B】
図3A、5Bの他の積付けパターンの平面図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態1)
図1Aは、卵パック自動載置システムの全体構成を示す。1は搬送コンベア、Pは卵パック、Wは待機領域、2は卵容器積込み装置、3は卵容器輸送台車である。211は吸着把持部である。長手方向と並行に並列に卵パックPが待機領域Wに滞留している。
卵容器積込み装置2は、上流から搬送コンベア1で送られる卵容器Pが複数個待機されている待機領域Wにある複数の卵容器Pを、卵容器輸送台車3の棚に移送し載置する。
211は吸着把持部である。本実施形態では、5個の卵容器Pを吸着把持できる。
図1Aでは4個の卵パックを吸着把持する様子を示す。
【0029】
卵容器輸送台車3は、一般的に流通されている鶏卵容器輸送台車は、例えば、従来技術で示したヨシダエルシス株式会社製の鶏卵パック専用輸送ロールボックス、株式会社三栄製作所製のロールラック、特許文献1の搬送する搬送用ラックである。これらに共通する構成は、底面フレームと背面フレームと両側面フレームと複数の中折れ式の折畳棚(棚板と称することもある。)を有する。
本実施形態では、一番下の折畳棚が展開されており、その棚に卵容器が載置され、所定段数の積込み後に、その上の折畳棚が展開され、その棚に卵容器が載置されというように、下から上へ順次載置される。
【0030】
図1Bにハンド部(吸着把持部)の位置の例を示す。
図1B(a)は、卵パックPの短手方向の中心線、長手方向の中心線、ハンド部(吸着把持部)の中心を示す。
図1B(b)~(d)では、2つまたは4つの卵パックの配列配置とハンド部(吸着把持部)との平面中心の位置について示す。
図1B(b)の上段では、縦に並列の卵パックの配列配置P1の平面視中心と、卵パックの長手方向と直交する方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器短手方向では図面で左側にずれており、容器長手方向ではずれていないことを示す。その下段では、縦横に並列の2つずつの卵パックの配列配置P11の平面視中心と、卵パックの長手方向に沿って平行方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器短手方向と長手方向のいずれでもずれている。横に並列の卵パックの配列配置P12の平面視中心と、卵パックの長手方向に沿って平行方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器短手方向と長手方向のいずれでもずれている。
図1B(c)の上段では、縦に並列の卵パックの配列配置P2の平面視中心と、卵パックの長手方向と直交する方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器短手方向も容器長手方向でもずれていないことを示す。その下段では、縦横に並列の2つずつの卵パックの配列配置P21の平面視中心と、卵パックの長手方向に沿って平行方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器短手方向と長手方向のいずれでもずれている。横に並列の卵パックの配列配置P22の平面視中心と、卵パックの長手方向に沿って平行方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器短手方向ではずれており、長手方向ではずれていない。
図1B(d)は、縦に並列の卵パックの配列配置P3の平面視中心と、卵パックの長手方向と直交する方向に横になっているハンド部(吸着把持部)の平面視中心とが、容器長手方向では図面で下側にずれており、容器短手方向ではずれていないことを示す。
本実施形態では、4つの卵容器に限定されず、1つ、2つ、3つ、5つの卵容器を吸着把持できる。他の個数でも同様にハンド部(吸着把持部)の位置を設定できる。
台車3の背面フレームと両側面フレーム、上方の折畳棚との干渉を避けるように、吸着把持部211のはみだし部(平面視で複数の卵容器の外周からはみだしている領域)の長さ、方向(前後左右位置)、回転方向、多軸ロボットアーム21の全体の動作、ハンド部(吸着把持部)の動作が、後述する積込制御部23で制御される。
【0031】
図1Cに卵容器の種類の一例を示す。
図1C(a)は10個用天面フラットパックを示す。天面フラットパックPは、天面フラット蓋Pa、凸状下容器Pb、フランジ部Pc(周側面側)を有し、天面に上張りシールr1、賞味期限あるいはバーコードシールr2が貼付されている。
図1C(b)は12個用天面フラットパックを示し、
図1C(c)は10個用レギュラーパックを示す。レギュラーパックは、凸状下容器と凸状蓋で構成されている。
パックに収容される卵の個数は10個、12個に限定されず、6個、8個用のフラットパック、レギュラーパックもある。
【0032】
(卵容器積込み装置)
本実施形態の卵容器積込み装置2は、多軸ロボットアーム21を備える。多軸ロボットアーム21は、その先端位置にハンド部211を有し、そのハンド部211に吸着把持部212が設けられる。
卵容器積込み装置2は、少なくとも1以上または2以上の積込みパターンおよび多軸ロボットアーム21の動作を予め設定する、積込み動作設定部22を備える。
積込み動作設定部22は、手動入力による設定または通信手段でそれら設定データを受信しメモリに保存する構成であってもよい。
【0033】
卵容器積込み装置2は、少なくとも2以上の積込みパターンから任意の積込みパターンを切り替える、積込みパターン切替制御部24を備える。
積込みパターン切替制御部24による切替制御は、種々の方法を採用できる。
(1)例えば、数時間や1日単位の積込み作業スケジュールに対応して自動的に切り替える。
(2)上流側の任意の装置から卵容器の識別情報あるいは卵容器切替を示す情報を受信したことに対応して切り替える。
(3)卵容器を搬送する搬送コンベアあるいはロボットアームに設置された画像解析装置(CCDセンサ、CMOSセンサ、ラインセンサなどとその解析装置)で検知して卵容器を判別した結果に対応して切り替える。
(4)オペレータが積込みパターンを切替指示入力する。
本実施形態では、卵容器積込み装置2は、積込みパターンおよび/または多軸ロボットアームの動作を切り替える切替入力部241を備える。切替入力部241による切替命令に応じた積込みパターンに対応して、積込制御部23が多軸ロボットアーム21および吸着把持部212の動作を制御してもよい。
切替入力部241は、手動入力による切替指示情報または通信手段で切替指示情報を受信しメモリに保存する構成であってもよい。切替指示情報は、予め設定されている積込みパターンの識別情報、積込みパターンに紐づいている卵容器の種別、積込みパターンに紐づいている台車の種別(登録サイズ)、積込みパターンに紐づいている出荷先情報などの内少なくとも一つを含んでいてもよい。切替指示情報が、卵容器積込み装置2のモニター(不図示)に表示され、それをもとにオペレータが指示入力してもよい。
例えば、作業開始の設定で、1日の積込みスケジュールが設定され、それに合わせて、第一出荷先で決まる台車、卵容器の種類、積込みパターンを入力指示し、第二出荷先で決まる台車、卵容器、積込みパーンを入力指示するなど、まとめて設定(切替指示)しておくこともできる。
【0034】
卵容器積込み装置2は、積込み動作設定部で予め設定された積込みパターンにおいて、任意のタイミングかつ指定した数の卵容器輸送台車に対して、所定の棚(例えば、最下位棚のみ、下から第二位置に棚までなど任意に指定できる)のみに卵容器を載置することを指示する入力を受け付ける減数積付指示入力部242を備える、減数積込み指示入力部242の入力指示に対応して、積込制御部23が多軸ロボットアーム21および吸着把持部212の動作を制御してもよい。
例えば、最初の数台では最下位棚にのみ積み込み、その後、すべての棚に積込むことができる。また、減数積込指示入力部242への入力は、積込み工程の前に、積込み途中でも可能である。積込み途中の場合に、減数積込み指示入力部242の入力指示された場合には、次の台車から棚を減らした積込みを指定した台数(あるいは予め設定した台数)のみ行うことができる。
図9(d)に一例を示す。
【0035】
卵容器積込み装置2は、オペレータの操作入力部25(手動入力設定、通信手段でデータ読み取りなどでもよい)を備え、積込み動作設定部22、切替入力部241、減数積込み指示入力部242の機能を兼用していてもよい。操作入力部25は、モニターと入力部を兼ねるタッチパネルであってもよい。
【0036】
卵容器積込み装置2は、積み込み動作設定部22で設定された積込みパターンに対応して、吸着把持部212で卵容器Pを把持し、卵容器輸送台車3の少なくとも1つの棚に移載するように、多軸ロボットアーム21および吸着把持部212の動作を制御する、積込制御部23を備える。
【0037】
積込制御部23は、棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し(ステップa)、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)する(ステップb)ように、多軸ロボットアーム21および吸着把持部212の動作を制御してもよい。
【0038】
積込制御部23は、複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置する(高さ方向で容器底から途中の高さまでその隙間に嵌め込む)ように、多軸ロボットアーム21および吸着把持部212の動作を制御してもよい。
【0039】
(積込みパターン)
本実施形態の多種類の積込みパターンについて説明する。
図2Aは、10個用の天面フラットパックの第一積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図を示す。
図2A(a)は、棚に載置した1段目の平面図である。「1-1」は1段目の積込みにおいて、待機領域Wから複数の卵容器Pを吸着して載置する1ステップ目を意味し、「1-1」が2つあるのは2つの卵容器Pをまとめて吸着把持し、奥側に横置きしていることを意味している。同様に2つの「1-2」は1段目の積込みにおいて、待機領域Wから2つの卵容器Pを吸着して奥側に横置きする2ステップ目を意味し、3つの「1-3」は1段目の積込みにおいて、待機領域Wから3つの卵容器Pを吸着して手前側に縦置きする3ステップ目を意味し、3つの「1-4」は1段目の積込みにおいて、待機領域Wから3つの卵容器Pを吸着して手前側に縦置きする4ステップ目を意味する。第一積付けパターンでは1段目から4段目まで同じ積込みパターンであり、
図2A(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
図2Bは、第一積付けパターンの載置ステップを示す。ステップS1とS2で左奥側と右奥側に2つ横置き(計4つ)し、次いで、ステップS3とS4で左手前側と右手前側に3つ縦置き(計6つ)する順番である。順番は、ステップS2→S1でもよく、ステップS3→S4でもよく、ステップS1→S3→S2→S4の順番でもよい。
【0040】
図2Cは、第一積付けパターンの分割再配置ステップの一例を示す。
ステップS11で、左奥側に2つ横置きする。次いで、ステップS12で右奥側に4つ横置きし、次いで、ステップS13で載置した手前の2つを再度吸着把持し、ステップS11で左奥側に2つ横置きした位置の左手前側に縦置きする(分割再配置する。)。分割再配置した卵容器は「1-2」のように下線を付している。次いで、ステップS14で右手前側に4つ縦置きする。ここで、賞味期限あるいはバーコードシールr2の方向をすべて手前側に統一している。別実施形態としてステップS14-1で示すように、バーコードシールr2の方向を奥側にするように載置してもよい。
1段目から4段目までの積込みパターンについては、
図2C(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
【0041】
図2Dは、第一積付けパターンの分割再配置ステップの別例を示す。
ステップS101で左奥側に4つ横置きし、次いで、ステップ102で、先に載置した手前2つを再度吸着把持し、右奥側に横置きする(分割再配置する。)。次いで、ステップS103で左手前側に2つ縦置きし、ステップS104で右手前側に4つ縦置きする。ここで、賞味期限あるいはバーコードシールr2の方向をすべて手前側に統一している。別実施形態としてステップS104-1で示すように、バーコードシールr2の方向を奥側にするように載置してもよい。
1段目から4段目までの積込みパターンについては、
図2D(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
【0042】
図3Aは、10個用の天面フラットパックの第二積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図を示す。
図3A(a1)は棚に載置した1段目の平面図である。
図3A(a2)は棚に載置した2、3、4段目の平面図である。
図3A(a3)は棚に載置した5段目の平面図である。1段目から5段目までの積込みパターンについては、
図3A(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
5段積みの別例として、(a2)の平面図、(b2)の前川側面視の図で確認できる。
図3Bは、第二積付けパターンの載置ステップを示す。1段目について、ステップS31とS32で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)し、次いで、ステップS33で左手前側に2つ縦置きし、間隔(d1)を空けてステップS34で右手前側に3つ縦置きする。左右両サイドのフレームとの隙間をなるべく設けず、棚の内部に隙間を作り、この隙間に卵パックを押し込めることで卵容器の不意な移動を抑止させる。
2段目において、ステップS35とS36で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)する。次いで、ステップS37で1段目で形成された間隔(d1)に卵パックP「2-3」を載置する。卵容器の下部が間隔d1に挿入される。間隔d1のサイズにもよるが、お互いの容器フランジが上下で接触して停止し動きを抑制する構成であってもよく、容器外周面同士が接触して互いに動きを停止させるように構成されていてもよい。
次いでステップS38で卵パックP「2-3」の左側に2つ縦置きし、次いでステップS39で卵パックP「2-3」の右側に3つ縦置きする。3段目と4段目は2段目と同じステップである。
5段目において、ステップS40で、4段目で形成された間隔(d1)に卵パックP「5-1」を載置する。さらに別実施形態としてステップS40―1で、卵パックP「5-1」の右側に3つ縦置き(「5-2」)を載置する。
【0043】
図4Aは、12個用の天面フラットパックの第三積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
図4A(a1)は棚に載置した1段目の平面図である。
図4A(a2)は棚に載置した2、3、4段目の平面図である。
図4A(a3)は棚に載置した5段目の平面図である。1段目から5段目までの積込みパターンについては、
図4A(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
図4Bは、第三積付けパターンの分割再配置ステップを示す。
ステップS51で、左奥側に2つ横置きする。次いで、ステップS52で右奥側に4つ横置きし、次いで、ステップS52で載置した手前2つを再度吸着把持し、ステップS51で左奥側に2つ横置きした位置の手前側に卵パック「2-1」を縦置きする(分割再配置する。)。次いで、間隔(d1)を空けてステップS54で手前側に3つ縦置きする。
2段目において、ステップS55で左奥側に3つ縦置きし、次いで、ステップS56で、ステップS55で載置した手前1つを再度吸着把持し、ステップS55で載置した卵容器の手前側に縦置きする(分割再配置する。)「2-1」の左側から左フレームまでの間隔d2、その右側から右フレームまでの間隔d3を設ける。次いで、ステップS57で右奥側に4つ横置きし、次いで、ステップS58で、ステップS57で載置した手前2つを再度吸着把持し、ステップS56で形成された間隔d2に2つの卵パックP「2-2」を縦置きする(分割再配置する。)。次いでステップS59で卵パックP「2-1」の右側の間隔d3に3つの卵容器「2-3」を縦置きする。このとき、卵パックP「2-2」と卵容器「2-3」との間に間隔d4の凹部が形成される。
3段目と4段目は2段目と同じステップである。
5段目において、ステップS60で、4段目で形成された間隔d4の凹部に卵パックP「5-1」を載置する。さらにステップS61で、卵パックP「5-1」の右側に3つ縦置き(「5-2」)を載置する。
【0044】
図5Aは、10個用の天面フラットパックの第四積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図である。
図5A(a1)は棚に載置した1段目の平面図である。
図5A(a2)は棚に載置した2、3、4段目の平面図である。
図5A(a3)は棚に載置した5段目の平面図である。1段目から5段目までの積込みパターンについては、
図5A(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
図5Bは、第四積付けパターンの分割再配置ステップを示す。
ステップS71で、左奥側に3つ横置きする。次いで、ステップS72で右奥側に5つ横置きする。次いで、ステップS73で、ステップS72で載置した手前2つを再度吸着把持し、ステップS71で左奥側に3つ横置きした位置の手前側に卵パック「1-2」を縦置きする(分割再配置する。)。次いで、間隔(d1)を空けてステップS74で右手前側に3つ縦置きする。
2段目において、ステップS75で左奥側に4つ縦置きし、次いで、ステップS76で、ステップS75で載置した手前1つを再度吸着把持し、ステップS75で載置した卵容器の手前側の間隔(d1)の位置に縦置きする(「2-1」を分割再配置する。)。「2-1」の左側から左フレームまでの間隔d2、その右側から右フレームまでの間隔d3を設ける。次いで、ステップS77で右奥側に5つ横置きし、次いで、ステップS78で、ステップS77で載置した手前2つを再度吸着把持し、ステップS76で形成された間隔d2に2つの卵パックP「2-2」を縦置きする(分割再配置する。)。次いでステップS79で卵パックP「2-1」の右側の間隔d3に3つの卵容器「2-3」を縦置きする。このとき、卵パックP「2-2」と卵容器「2-3」との間に間隔d4の凹部が形成される。
5段目において、ステップS80で、4段目で形成された間隔d4の凹部に卵パックP「5-1」を載置する。
【0045】
図6Aは、10個用のレギュラーパックの第五積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図を示す。
図6A(a1)から(a5)は棚に載置した1段目から5段目のそれぞれの平面図である。1段目から5段目までの積込みパターンについては、
図6A(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
図6Bは、第五積付けパターンの載置ステップを示す。1段目において、ステップS81とS82で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)し、次いで、ステップS83とS84で左手前側と右手前側に3つ縦置き(計6つ)する。この順番は、ステップS82→S81でもよく、ステップ8S3→S84でもよく、ステップS81→S83→S82→S84の順番でもよい。
2段目において、ステップS85とS86で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)する。次いで、ステップS87で左手前側に2つ縦置きする。次いで、ステップS88で、間隔d6を空けて右手前側に3つ縦置きする。本実施形態では、間隔d6は、卵パックが挿入できるほどの隙間ではない。段積みにおいて、容器の凹凸形状に対応してずれて積込まれるため、平面視で左右前後方向でずれて載置される。
3段目において、ステップS89とS90で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)し、次いで、ステップS91とS92で左手前側と右手前側に3つ縦置き(計6つ)する。
4段目において、ステップS93とS94で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)する。次いで、ステップS95で手前側に5つ縦置きする。
5段目において、ステップS96で、略中央に4つ横置きする。
【0046】
図7Aは、10個用のレギュラーパックの第六積付けパターン(奥側横載置および手前側縦載置)の平面、側面の各図を示す。レギュラーパックの場合は、天面の凹部に底面の凸部を嵌めて積み上げる。
図7A(a1)から(a5)は棚に載置した1段目から5段目のそれぞれの平面図である。1段目から5段目までの積込みパターンについては、
図7A(b)(c)(d)の前側側面視、左右側面視の各図で確認できる。
図7Bは、第六積付けパターンの分割再配置ステップを示す。
1段目において、ステップS101で、左奥側に3つ横置きする。次いで、ステップS102で右奥側に5つ横置きし、次いで、ステップS103で、S102で載置した手前2つを再度吸着把持し、ステップS101で左奥側に3つ横置きした位置の手前側に卵パック「1-2」を縦置きする(分割再配置する。)。次いで、ステップS104で手前側に4つ縦置きする。
2段目において、ステップS105で、左奥側に3つ横置きする。次いで、ステップS106で右奥側に5つ横置きし、次いで、ステップS107で、S106で載置した手前2つを再度吸着把持し、ステップS105で左奥側に3つ横置きした位置の手前側に卵パック「2-2」を縦置きする(分割再配置する。)。次いで、ステップS106で、間隔d7を空けて手前側に3つ縦置きする。本実施形態では、間隔d7は、卵パックが挿入できるほどの隙間ではない。3段目は1段目と同じである。
4段目において、ステップS109とS110で左奥側と右奥側に3つ横置き(計6つ)する。次いで、ステップS111で手前側に5つ縦置きする。
5段目において、ステップS112で、略中央に4つ横置きする。
【0047】
図8Aは、別例の積付けパターン(奥側縦載置および手前側横載置)の平面図の例である。
図2Aから
図7Aまでと異なり、奥側が縦置きで手前側が横置きなったパターンである。
図8Bは、
図3Aと
図5Aの積付けパターンの別例である。
図3A、5Aと比べて、中央奥側に縦置き1つを追加している(「1-3」、「2-3」、「4-3」など)。他の卵容器の配置は同じである。積み付け順番としては、左右の横置きの後に中央縦置きをしてもよく、その逆であってもよい。
【0048】
上記実施形態において、卵容器積込み装置2の各構成要素、例えば、積込み動作設定部22、積込制御部23、積込みパターン切替制御部24は、プロセッサやメモリなどのハードウエアと、制御内容を記述するプログラムとの協働で実現されていてもよく、専用回路、ファームウエアの組み合わせで実現されていてもよく、クラウド型、オンプレミス型のサーバや、汎用コンピュータで実現されていてもよい。
【0049】
(卵容器積込み方法)
卵容器積込み方法は、
少なくとも1つまたは2以上の積込みパターンおよび多軸ロボットアームの動作を予め設定する積込み動作設定工程と、
前記積み込み動作設定工程で設定された積込みパターンに対応して、多軸ロボットアームに設けられた吸着把持部で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚に移載するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御する積込制御工程と、
を含み、
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し(ステップa)、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)する(ステップb)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御し、および/または、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置する(高さ方向で容器底から途中の高さまでその隙間に嵌め込む)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。
前記積込制御工程は、
棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御し、
台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御し、または、
棚ごとの複数段積みにおいて、任意の段目の積込みパターンが完成する前に、次の段目の積込みパターンを開始するように、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御してもよい。
上記卵容器積込み方法は、
少なくとも2以上の積込みパターンから任意の積込みパターンを(オペレータが選択指示あるいは搬送コンベアに待機している卵容器に対応して自動的に)切り替える、積込みパターン切替制御工程を含んでいてもよい。
上記卵容器積込み方法は、
積込みパターンおよび/または多軸ロボットアームの動作を切り替える指示の入力を受け付ける切替入力工程を含んでいてもよい。積込みパターン切替制御工程は、切替入力工程の入力指示に対応して、積込みパターン切替制御をしてもよい。
上記卵容器積込み方法は、
予め設定された積込みパターンにおいて、任意のタイミングかつ指定した数の卵容器輸送台車に対して、所定の棚(例えば、最下位棚のみ、下から第二位置に棚までなど任意に指定できる)のみに卵容器を載置することを指示する入力を受け付ける減数積込み指示入力工程を含んでいてもよい。
積込制御工程は、減数積込み指示入力工程の入力指示に対応して、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御してもよい。
【0050】
卵容器積込みプログラムは、
少なくとも1つ以上のプロセッサにより実行されると、上記卵容器積込み方法の各工程が実現される、プログラムである。
【0051】
情報処理装置は、
少なくとも1つ以上のプロセッサと、
上記卵容器積込み方法を実現するプログラムを保存するメモリとを備え、
上記プロセッサが、上記メモリから読み出したプログラムを実行し、多軸ロボットアームおよび吸着把持部の動作を制御する、情報処理装置である。
【0052】
卵入り卵容器収容台車を生産する方法は、
上記卵容器積込み方法を用いて卵入り卵容器収容台車を生産する。
【0053】
(別実施形態)
図2Aから
図7Aの積込みパターンから、同じ台車の複数の棚ごとに、異なる積込みパターンが設定されていてもよい。また、同じ棚の複数の段ごとに、異なる積込みパターンが設定されていてもよい。つまり、棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御される。また、台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御される。
図9(a)に、台車のすべての棚(折畳棚)で同じ積込みパターンの一例を示し、
図9(b)に、棚ごとに異なる積込みパターンの一例を示し、
図9(c)に、棚のなかで異なる積込みパターンの一例を示す。台車のサイズ、卵容器のサイズによって選択され、そして多種容器での混載などにも対応できる。
図9(d)は、任意の棚にのみ積み込んで積込み完了し出荷する一例を示す。
図9(d)では最下棚であるが、最下棚以外の他の棚に積み込むことに対応できる。また、出荷先の小売店の要望で、少ない量での出荷に対応できる。
【符号の説明】
【0054】
1 搬送コンベア棚開放装置
2 卵容器積込み装置
21 多軸ロボットアーム
211 ハンド部
212 吸着把持部
22 積込み動作設定部
23 積込制御部
24 積込みパターン切替制御部
241 切替入力部
25 操作入力部
3 卵容器輸送台車