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特開2022-187450レーザーを使用して細胞の外部層構造を破壊するための方法及びデバイス
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  • 特開-レーザーを使用して細胞の外部層構造を破壊するための方法及びデバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187450
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】レーザーを使用して細胞の外部層構造を破壊するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/02 20060101AFI20221212BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20221212BHJP
   C12M 1/33 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
C12Q1/02
C12M1/00 A
C12M1/33
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116611
(22)【出願日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】110120587
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516067494
【氏名又は名称】クレド ダイアグノスティックス バイオメディカル プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼ 盈達
(72)【発明者】
【氏名】歐 育誠
(72)【発明者】
【氏名】陳 依希
(72)【発明者】
【氏名】蔡 仲威
(72)【発明者】
【氏名】陳 冠穎
(72)【発明者】
【氏名】蔡 睿逸
(72)【発明者】
【氏名】陳 志垣
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA15
4B029BB01
4B029BB20
4B029CC02
4B029DG08
4B029DG10
4B029GA08
4B029GB10
4B063QA20
4B063QQ02
4B063QQ04
4B063QQ05
4B063QR90
4B063QS39
4B063QS40
(57)【要約】
【課題】 本開示の目的の1つは、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法を提供する。
【解決手段】 本開示は、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法及び装置に関する。ここで、レーザーダイオードから励起された短パルスレーザーは、光学レンズを介してコリメートされ、焦点に集束し、且つ、前記焦点に固定されているか、又は前記焦点を移動する生物学的サンプルは、集中短パルスレーザーで処理され、そのため、サンプル中の細胞の細胞膜又は細胞壁が破壊される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーを使用して細胞の外部層構造を開く方法であって、
マイクロコントローラに電気的に接続されたレーザーダイオードを提供すること、ここで、前記レーザーダイオードは、短パルスレーザーを放出するように構成されていること;
前記レーザーダイオードの前に光学レンズセットを提供すること、ここで、短パルスレーザーが前記光学レンズセットを通過すること;
生物学的サンプルを提供すること、ここで、前記マイクロコントローラは、前記生物学的サンプルの運動状態を制御するように構成され、且つ前記生物学的サンプルの前記運動状態は、静的状態又は流動状態を含むこと;及び
前記生物学的サンプル内の細胞膜又は細胞壁を破壊するために前記短パルスレーザーを使用して前記生物学的サンプルを処理すること、ここで、前記短パルスレーザーの繰り返し率とビームサイズは、前記生物学的サンプルの処理中に制御されること;
を含む方法。
【請求項2】
ここで、前記短パルスレーザーはナノ秒パルスレーザーを含み、且つ前記短パルスレーザーのパルス幅は1ナノ秒から500ナノ秒の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ここで、前記短パルスレーザーの波長は、800ナノメートル(nm)から1100ナノメートルの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ここで、前記短パルスレーザーのパルスエネルギーは、20ナノジュール(NJ)から2000ナノジュールの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ここで、前記短パルスレーザーの出力パワーは40ワット(W)から150ワットの間であり、且つ前記短パルスレーザーの前記繰り返し率は0.5メガヘルツ(MHz)から3メガヘルツの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ここで、前記生物学的サンプルの前記運動状態は前記静的状態であり、前記生物学的サンプルは、流路内の固定点に配置され、且つ振動ミラーは、前記レーザーダイオードと前記光学レンズセットの間に、二次元又は三次元スキャンモードで前記生物学的サンプルに前記短パルスレーザーを放射するため、配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ここで、前記生物学的サンプルの前記運動状態は前記流動状態であり、前記生物学的サンプルは流路内を流れ、且つ前記短パルスレーザーは、前記生物学的サンプルの流れとともに前記生物学的サンプル上に放射される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ここで、前記生物学的サンプルの流速は、毎分0.01ミリリットルから毎分1ミリリットルの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ここで、前記流路の深さは0.01ミリメートルから3ミリメートルの間であり、且つ前記流路の幅は0.01ミリメートルから3ミリメートルの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ここで、前記短パルスレーザーは、半導体レーザー、固体レーザー、及びファイバーレーザーからなる群から選択され、且つ前記レーザーダイオードの材料は、ネオジムイットリウムアルミニウムガーネット(Nd YAG)、インジウムガリウムヒ化物/アルミニウムガリウムヒ化物((In)Ga(Al)As/AlGaAs)、アルミニウムガリウムインジウムヒ化物(InGaAlAs)、及びインジウムガリウムホスフィドヒ化物(InGaAsP)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ここで、前記光学レンズセットが、前記短パルスレーザーをコリメートするように及び集束するように構成され、且つ前記短パルスレーザーの焦点が1ミリメートル平方から9ミリメートル平方のサイズである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ここで、前記生物学的サンプルは、動物もしくは植物の組織、動物もしくは植物の細胞、微生物細胞、又は生物学的組織もしくは細胞を含有すると疑われるサンプルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための装置であって、:
マイクロコントローラ;
光学レンズセット及び短パルスレーザーを放出するためのレーザーダイオードを含むレーザーデバイス;
前記マイクロコントローラと前記レーザーダイオードとの間に電気的に接続された信号発生器、ここで、前記信号発生器は、前記短パルスレーザーの繰り返し率を調整する前記マイクロコントローラから第1の信号を受信するように構成される、信号発生器;
前記マイクロコントローラと前記レーザーダイオードとの間に電気的に接続された電源、ここで、前記電源は、前記レーザーダイオードに電圧を出力する、及び前記短パルスレーザーの出力パワーを制御する前記マイクロコントローラから第2の信号を受信するように構成される、電源;及び
前記マイクロコントローラに電気的に接続された流量及び体積流量コントローラ、ここで、前記流量及び体積流量コントローラは、細胞を含む、又は細胞を含有すると疑われる生物学的サンプルの運動状態を制御する、前記マイクロコントローラから第3の信号を受信するように構成される、ここで、前記短パルスレーザーは、前記光学レンズセットを通過するときに収集及びコリメートされ、次に焦点に焦点を合わせ、且つ前記生物学的サンプルは、前記焦点で前記短パルスレーザーにさらされ、そのため、前記生物学的サンプル中の細胞膜又は細胞壁が破壊される、流量及び体積流量コントローラ;
を含む装置。
【請求項14】
ここで、前記短パルスレーザーはナノ秒パルスレーザーを含み、且つ前記短パルスレーザーのパルス幅は1ナノ秒から500ナノ秒の間である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ここで、前記短パルスレーザーの波長は、800ナノメートルから1100ナノメートルの範囲である、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
ここで、前記短パルスレーザーのパルスエネルギーは、20ナノジュール(NJ)から2000ナノジュールの範囲である、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
ここで、前記短パルスレーザーの出力パワーは40ワットから150ワットの間であり、且つ前記短パルスレーザーの前記繰り返し率は0.5メガヘルツから3メガヘルツの間である、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
ここで、前記レーザーデバイスは、前記レーザーダイオードと前記光学レンズセットとの間に配置された振動ミラーをさらに含み、前記生物学的サンプルは、前記運動状態が静的状態にあるとき、流路内の固定点に配置され、且つ前記振動ミラーは、二次元又は三次元走査モードで前記光学レンズセットを介して前記生物学的サンプルに前記短パルスレーザーを放射するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
ここで、前記流量及び体積流量コントローラは、分析カートリッジ、及び前記生物学的サンプルを前記分析カートリッジの流路に注入するための前記第3の信号を受信するように構成されているもの、に結合されており、且つ、流れとともに前記短パルスレーザーで処理される前記流路を流れる前記生物学的サンプルを駆動するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
ここで、前記生物学的サンプルの流速は、毎分0.01ミリリットルから毎分1ミリリットルの間である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ここで、前記流路の深さは0.01ミリメートルから3ミリメートルの間であり、且つ前記流路の幅は0.01ミリメートルから3ミリメートルの間である、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
ここで、前記短パルスレーザーの前記焦点が1ミリメートル平方から9ミリメートル平方の間である、請求項13に記載の装置。
【請求項23】
ここで、前記光学レンズセットは、受光レンズ及び集束レンズを含み、ここで、前記受光レンズの開口数は0.5であり、且つ前記集束レンズの開口数は0.55である、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
ここで、前記受光レンズは、短焦点レンズを含み、且つ前記集束レンズは、非球面レンズ、対物レンズ、球面レンズ、及び非曲面レンズからなる群から選択される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
ここで、前記流量及び体積流量コントローラは、シリンジポンプ、シリンダ型パワーポンプ、定量的液体ポンプ及びマイクロガスポンプからなる群から選択される、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本開示は、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法及び装置、より具体的には、短パルスレーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分子検出は、迅速なスクリーニングと高精度の利点があり、最近、関連分野で広く適用されている。分子検出の進歩に伴い、関連分野での核酸抽出の需要は着実に高まっている。一般に、核酸抽出は、核酸の放出及び核酸の精製を包含し、前者は、主に細胞を破壊すること、及び機械的方法、物理的方法、又は化学的方法によって核酸を放出することによって実行される。機械的方法とは、細胞から核酸を放出するため粉砕、圧力、超音波振動などの機械的力を使用する方法を指す。物理的方法とは、細胞を破壊するため、及び細胞の構造を破壊するため、液体窒素で細胞を繰り返し急速に凍結融解するなど、温度変化を使用する方法を指す。化学的方法とは、細胞を壊すため、試薬、化学的性質(chemistry)、又は浸透圧差を使用する方法を指す。しかしながら、前述の核酸放出方法のすべては、冗漫な操作、時間のかかる、高価な装置、不十分な利便性などの同様の欠点を有し、また、手動操作は汚染やエラーにつながる可能性が高く、大量テストや生産ラインモードテストでは効率が低下する。したがって、関連技術の実際的な要件を満たすために、関連技術には、新しい細胞破壊技術を提供することが依然として必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の目的の1つは、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法を提供する。ここでは、生物学的サンプルに衝撃波を発生させため、短パルスレーザーを適用し、それによって、細胞を開いたり壊したりするために、生物学的サンプル内の細胞内に瞬間的な圧力差が生じる。したがって、本開示の方法は、分析カートリッジ、ならびにレーザーデバイスを有する機器及び大量テスト又は生産ラインモードテストで有益であり得るもの、と組み合わせることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本開示における好ましい実施形態の1つは、以下のステップを包含する、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法を提供する。第1に、マイクロコントローラに電気的に接続されたレーザーダイオードが提供され、ここで、レーザーダイオードは、短パルスレーザーを放出するように構成される。次に、光学レンズセットがレーザーダイオードの前に提供され、ここで、短パルスレーザーが光学レンズセットを通過する。次に、生物学的サンプルが提供され、マイクロコントローラは、生物学的サンプルの運動状態を制御するように構成され、ここで、生物学的サンプルの運動状態は静止状態又は流動状態である。最後に、生物学的サンプル中の細胞膜又は細胞壁を破壊するため、生物学的サンプルは、その繰り返し率(repetition rate)とビームサイズを制御することにより、短パルスレーザーを使用して処理される。
【0005】
上記の目的を達成するために、本開示における好ましい実施形態の1つは、マイクロコントローラ、レーザーダイオード、信号発生器、電源、及び流量(flow rate)及び体積流量(flow volume)コントローラを包含する、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための装置を提供する。レーザーデバイスは、短パルスレーザーを放出するための光学レンズセット及びレーザーダイオードを包含する。信号発生器は、マイクロコントローラとレーザーダイオードとの間に電気的に接続され、ここで、信号発生器は、短パルスレーザーの繰り返し率を調整する、マイクロコントローラから第1の信号を受信するように構成される。電源はマイクロコントローラとレーザーダイオードとの間に電気的に接続され、ここで、電源は、レーザーダイオードに電圧を出力し、及び短パルスレーザーの出力パワーを制御する、マイクロコントローラから第2の信号を受信するように構成されている。流量及び体積流量コントローラは、マイクロコントローラに電気的に接続され、ここで、細胞を含有する、又は細胞を含有する疑いのある生物学的サンプルの運動状態を制御する、流量及び体積流量コントローラは、マイクロコントローラから第3の信号を受信するように構成され、ここで、短パルスレーザーは、光学レンズセットを通過するときに収集及びコリメートされ、次に焦点に焦点を合わせ、生物学的サンプルは、焦点で短パルスレーザーにさらされ、そのため、生物学的サンプル中の細胞膜又は細胞壁が破壊される。
【0006】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、当業者には間違いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示における好ましい実施形態による、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法を示す概略フローチャートである。
図2図2は、本開示における好ましい実施形態による、レーザーデバイスを使用して細胞の外部層構造を開くためのレーザーデバイスを示す概略図である。
図3図3は、本開示における好ましい実施形態による、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための装置を示す概略図である。
図4図4は、本開示における好ましい実施形態による、短パルスレーザーの出力パワーと細胞破壊率(cell rupture rate)との間の関係を示す概略図である。
図5図5は、本開示における好ましい実施形態による、短パルスレーザーの繰り返し率と細胞破壊率との関係を示す概略図である
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
提示された開示のより良い理解を提供するために、好ましい実施形態が詳細に説明される。本開示の好ましい実施形態は、番号が付けられた要素を備えた添付の図面に示されている。さらに、以下に記載される異なる実施形態の技術的特徴は、本開示の精神から逸脱することなく、別の実施形態を構成するために、互いに置き換えられ、再結合され、又は混合され得る。
【0009】
本明細書に開示されるように、「about」又は「substantial」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%、3%、2%、1%、又は0.5%以内を意味する。特に明記されていない限り、本書に開示されているすべての数値範囲、金額、値、及びパーセンテージは、すべての場合において「about」又は「substantial」という用語によって変更されていると理解されるべきである。したがって、特に断りのない限り、本開示及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、必要に応じて変化し得る近似値である。
【0010】
本開示の第1の実施形態において、レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法を示す、フローチャートを示す図1を参照。最初に、レーザーが提供され(ステップS1)、且つこれは、ナノ秒レーザー(nsレーザー)などの短パルスレーザーであってもよいが、これに限定されない。一実施形態では、短パルスレーザーの波長は約800ナノメートル(nm)から1100ナノメートルの範囲であり、短パルスレーザーのパルス幅は約1ナノ秒(ns)から500ナノ秒の間であり、短パルスレーザーのパルスエネルギーは、約20ナノジュール(nJ)から2000ナノジュールの範囲であるが、これに限定されない。好ましい実施形態では、図2から3に示されるようなレーザーダイオード100などのナノ秒レーザーダイオードを、短パルスレーザーを放出するため、オプションで使用することができるが、これに限定されない。別の実施形態では、レーザーのタイプは、固体レーザー、ファイバーレーザー、又はそれらの組み合わせなど、レーザーダイオードによって放出される半導体レーザー以外の様々なレーザーを包含し得る。レーザーの材料には、808ナノメートルと1064ナノメートルの二重波長を持つネオジムイットリウムアルミニウムガーネット(s YAG)、波長905ナノメートルのインジウムアルミニウムガリウムヒ化物(arsenide)/アルミニウムガリウムヒ化物((In)Ga(Al)As/AlGaAs)、波長980ナノメートルのアルミニウムガリウムインジウムヒ化物(InGaAlAs)、インジウムガリウムホスフィドヒ化物(InGaAsP)又はそれらの組み合わせ、ただし、これに限定されない、が含まれる場合がある。
【0011】
レーザーダイオード100から生成される光は非常に指向性があり、そのエネルギーは制御しやすいことに留意されたい。しかしながら、短パルスレーザーの発散角が大きいため、複数のレンズを包含する光学レンズセット200は、光の収集、コリメート、及び集束を改善するために、レーザーダイオード100と組み合わせてさらに使用され得る。図2乃至3に示すように、光学レンズセット200は、受光レンズ210及び集束レンズ230を包含し、ここで、受光レンズ210は、迅速なコリメーションに有益であり、光をほぼ平行にすることができるように、焦点が約5ミリメートル(mm)で開口数(NA)が約0.5の短焦点レンズであり得る。集束レンズ230は、球面レンズ、対物レンズ、非曲面レンズ、非球面レンズ、又はそれらの組み合わせ(例えば、アプラナートレンズ)であり得、ここで、非曲面レンズ又は非球面レンズの焦点は約11ミリメートルであり、その開口数は約0.55であり、それによって光を集束させる。したがって、レーザーダイオード100から光101を生成している間、光101は、最初に、集光及び光コリメーションのために受光レンズ210を通過することができ、その結果、受光レンズ210を通過する光103は、互いに平行になり得る。次に、光103は、光集束のために集束レンズ230をさらに通過することができ、そのため、したがって、集束レンズ230を通過した光105、すなわち短パルスレーザーは、効率を改善するために、及びエネルギー損失を低減するために、焦点107に集中することができる。好ましくは、焦点107は、サイズが約1ミリメートル平方(mm)から9mmミリメートル平方であり得るが、それに限定されない。当業者は、受光レンズ210及び集束レンズ230の焦点及び開口数などの前述の条件はすべて、焦点107の所望のサイズに基づいてさらに調整することができること、これは、その後に処理される生物学的サンプルのタイプ及び供給源に応じて多様であり得、これらは、上記のものに限定されない、を完全に理解する必要がある。さらに、別の実施形態では、短パルスレーザーは、さまざまな方法で、例えば、包括的な走査方式で短パルスレーザーを放射する、レーザー振動レンズ又は走査ヘッドを使用して、放射することもできる。一例として、レーザー振動レンズは、レーザーダイオードと光学レンズセットとの間に配置することができる。生物学的サンプルが流路300の固定点(図には示されていない)に静的に配置される場合、二次元走査方式又は三次元走査方式で光学レンズセットを介して生物学的サンプルに短パルスレーザーを放射するため、レーザー振動レンズを使用することができ、ここで、固定点は焦点107と重なることができる。
【0012】
次に、サンプルが提供され(図1のステップS2に示されているように)、且つサンプルは、動物又は植物の組織、動物又は植物の細胞、微生物細胞などの、核酸を抽出するために適切に処理され得る、いずれの生物学的サンプル302、又は、血液サンプル又は体液サンプルなどの生体組織又は細胞を含有すると疑われるサンプル又は標本であり得る。ただし、これらに限定されない。好ましくは、サンプルは、最初に、緩衝液又は洗浄試薬のような中性溶媒などの液体(図面には示されていない)と混合され得、そのため、サンプルは、約0.01から1ミリリットル/分(mL/min)の流速(flowing rate)で、より好ましくは約0.0015から0.5ミリリットル/分の流速で、短パルスレーザーの焦点107を通過することができる。図2に示されるように、好ましい実施形態では、生物学的サンプル302及び液体は、流路300内の特定の方向「A」に沿って流れるように駆動され、そのため、生物学的サンプル302内の細胞(又は組織又は微生物)301もまた、それに応じて「A」方向に沿って流れることができる。流路300の深さ「D」は、約0.01ミリメートル(mm)から3ミリメートルであり得ること、且つその幅(図面には示されていないが、流路300の半径方向の長さを参照)も、約0.01ミリメートル(mm)から3ミリメートルであり得るが、これに限定されないこと、に留意されたい。上記の流路300用に設計されたサンプルの流動モードと同様に、流動モードは単なる例示であり、且つ、実際の動作要件を満たすように、短パルスレーザーの実際のパラメーター(波長又はパルスエネルギーなど)に従ってさらに調整することができることにも留意されたい。さらに、流路300の設定条件(深さ「D」又は幅など)もまた、選択された光学レンズセット200及び/又は焦点107のサイズに基づいて多様であり得、及びこれは、上記の数字に限定されない。
【0013】
次に、サンプルはレーザーを使用して処理される(図1のステップS3に示されているように)。例えば、レーザーは、約40ワット(W)から150ワットの出力パワー、及び約0.5メガヘルツ(MHz)から3メガヘルツの繰り返し率でサンプルに放射され、その結果、短パルスレーザーの瞬間パルスを介してサンプルに衝撃波が発生する可能性があり、それにより、生物学的サンプル302内の細胞301の細胞膜又は細胞壁に損傷を与えるため、生物学的サンプル302内の細胞301内の圧力差を引き起こす。一実施形態では、生物学的サンプル302は、固定点に配置され(図面には示されていない、例えば、焦点107と重なっている)、且つ短パルスレーザーは、固定点に配置された生物学的サンプル302に放射される。しかしながら、別の実施形態では、図2に示されるような流路300は、短パルスレーザーと組み合わせてさらに使用され得、これは、細胞301に損傷を与えるため、生物学的サンプル302内の細胞301(焦点107を通って流れる)に瞬間的な圧力差を引き起こす。次に、壊れた細胞301が連続的に通過する。したがって、大量テスト又は生産ラインモードテストを容易にするため、短パルスレーザーは、生物学的サンプル302の流れとともに生物学的サンプル302に適用するために利用可能である。
【0014】
このように、本実施形態において、レーザーを用いて細胞の外部層構造を開く方法が完成した。ここで、短パルスレーザーは、生物学的サンプル302内の細胞301の圧力差をもたらすように、生物学的サンプル302において瞬間的な衝撃波を生成するために使用され、それにより、細胞301に損傷を与える。短パルスレーザーは、より良い発光性能を達成するために、好ましくはナノ秒レーザーである。短パルスレーザーのパルス幅が大きすぎる場合、短パルスレーザーは細胞301に圧力差を効果的に誘発しない可能性があり、これは、細胞301の損傷が不十分である可能性がある。他方、短パルスレーザーのパルス幅が小さすぎる場合、短パルスレーザーは、光学レンズセット200又は流路300などの動作要素に損傷を与える可能性がある。さらに、本実施形態の方法は、好ましくは、生物学的サンプル302を移送するため、流路300を使用すること、ここで、流路300の幅及び深さ「D」は、短パルスレーザーの焦点に基づいて調整可能である、を包含し、その結果、短パルスレーザーのパルスは、生物学的サンプル302内の細胞301に振動を効果的に生成し、それにより、細胞301に首尾よく損傷を与えることができる。したがって、生物学的サンプル302をレーザーで処理する際の圧力差が小さいことによって引き起こされる可能性のある故障を効果的に回避することができる。
【0015】
レーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための装置1を示す図3を参照されたい。且つ装置1は、レーザーデバイス3、マイクロコントローラ4、信号発生器5、流量及び体積流量コントローラ6、及び電源7を包含する。図2も参照されたい。図3に示されるようなレーザーデバイス3は、光学レンズセット200及び短パルスレーザーを放出するためのレーザーダイオード100をさらに包含する。細胞の外部層構造を開くための装置1のマイクロコントローラ4は、マイクロコントローラ4及びダイオードレーザー100に電気的に接続された信号発生器5に第1の信号を送信するように構成され、信号発生器5は、第1の信号に基づいて短パルスレーザーの繰り返し率を調整するように構成されている。次に、マイクロコントローラ4は、それに接続された電源7に第2の信号を送信するように構成され、電源7は、短パルスレーザーの出力パワーを制御するために、第2の信号に基づいてレーザーダイオード100に電圧を出力するように構成されている。さらに、マイクロコントローラ4は、それに接続された流量及び体積流量コントローラ6に第3の信号を送信するように構成され、且つ流量及び体積流量コントローラ6はオプションで分析カートリッジ2及び細胞301を包含する生物学的サンプル302を注入するように構成される(図2に示されるように)又は第3の信号に基づいて、分析カートリッジ2の流路300に細胞を含有することが疑われるもの、に結合されている。また、流量及び体積流量コントローラ6は、例えば、静的状態又は流動状態にある、流路300内の生物学的サンプル302の運動状態を制御するように構成される。次に、レーザーダイオード100から生成された短パルスレーザーが,光学レンズセット200によって収集され及びコリメートされ、及び焦点107に集束され、且つ生物学的サンプル302は、焦点107で短パルスレーザーによって直ちに処理され得、それにより、サンプル302内の細胞膜又は細胞301の細胞壁を破壊する。
【0016】
一実施形態では、レーザーデバイス3の受光レンズ210及び集束レンズ230は、0.2より大きいNA値を有し、これは、短パルスレーザーの収集と受信、及び光の損失の削減に役立つ。流量及び体積流量コントローラ6は、例えば、シリンジポンプ、シリンダ型パワーポンプ、定量的液体ポンプ、マイクロガスポンプ又はそれらの組み合わせなどのポンプを包含する。短パルスレーザーの出力パワー(約20ワットから45ワット)を変更し、及び短パルスレーザーの繰り返し率と生物学的サンプル302の流量(flow rate)をそれぞれ2MHzと0.41mL/minに固定した場合、細胞301の細胞破壊率の増加は、短パルスレーザーの出力パワーの増加によって正に調整される(図4に示されているように)。しかしながら、短パルスレーザーの出力パワーが30ワット未満である場合、細胞301の細胞破壊率は劇的に低下する。したがって、本開示の方法及び装置1は、生物学的サンプル302内の細胞301の細胞破壊率を効果的に約90%に増加させ、それにより、生物学的サンプル302内の細胞301の核酸を効果的に抽出し、続いて抽出した核酸を用いて、次の手順で核酸増幅反応を行う。
【0017】
別の実施形態では、繰り返し率が変更される場合(約0.5MHzから3MHz)、及び出力パワー及び流量がそれぞれ40W及び0.41mL/minに固定されている場合、流路300内に配置された細胞301は、生物学的サンプル302の固定された流量及び短パルスレーザーの低すぎる繰り返し率(図5に示されるように)では十分に損傷されない可能性がある。しかしながら、生物学的サンプル302の固定された流量及び短パルスレーザーの大きすぎる繰り返し率は、パルスエネルギーを減少させ、細胞301のより悪い損傷効果を引き起こす可能性がある。
【0018】
したがって、本開示のレーザーを使用して細胞の外部層構造を開くための方法は、本開示において、分析カートリッジを使用することによる抽出反応と同様に、装置1にさらに適用され得る。したがって、生物学的サンプル302は、分析カートリッジ内に配置され得、続いて特定の流量で分析カートリッジ内を流れ、且つ、短パルスレーザーが生成されて、生物学的サンプル302に波動ショック(wave shock)を引き起こし、生物学的サンプル302内の細胞301に損傷を与える。短パルスレーザーは、デバイス1のレーザーダイオード100及び光学レンズセット200を介して生成されるが、これらに限定されない。且つ、レーザーダイオード100はまた、短パルスレーザーのコリメーション及び集束を改善するために、分析カートリッジと統合され得る。これらの配置を通じて、本開示の方法は、関連技術分野で一般的に使用されている分析カートリッジ及びレーザーデバイス、及び大量テストや生産ラインモードテストに役立つもの、と組み合わせることができる。
【0019】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に観察するであろう。したがって、上記の開示は、添付の請求項の境界によってのみ制限されると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0020】
S1,S2,S3 ステップ
100 レーザーダイオード
101 光
103 光
105 光
107 焦点
200 光学レンズセット
210 受光レンズ
230 集束レンズ
300 流路
301 細胞
302 生物学的サンプル
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーを使用して細胞の外部層構造を破壊する方法であって、
マイクロコントローラに電気的に接続されたレーザーダイオードを提供すること、ここで、前記レーザーダイオードは、短パルスレーザーを放出するように構成されていること;
前記レーザーダイオードの前に光学レンズセットを提供すること、ここで、前記短パルスレーザーが前記光学レンズセットを通過すること;
流路内に配置される生物学的サンプルを提供すること
前記マイクロコントローラによって、前記生物学的サンプルの運動状態を制御すること、ここで、前記生物学的サンプルの前記運動状態は、静的状態又は流動状態を含むこと;及び
前記生物学的サンプル内の細胞膜又は細胞壁を破壊するために前記短パルスレーザーを使用して前記生物学的サンプルを処理すること、ここで、前記短パルスレーザーの繰り返し率とビームサイズは、前記生物学的サンプルの処理中に制御されること;
を含む方法。
【請求項2】
ここで、前記短パルスレーザーはナノ秒パルスレーザーを含み、且つ前記短パルスレーザーのパルス幅は1ナノ秒から500ナノ秒の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ここで、前記短パルスレーザーの波長は、800ナノメートル(nm)から1100ナノメートルの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ここで、前記短パルスレーザーのパルスエネルギーは、20ナノジュール(NJ)から2000ナノジュールの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ここで、前記短パルスレーザーの出力パワーは40ワット(W)から150ワットの間であり、且つ前記短パルスレーザーの前記繰り返し率は0.5メガヘルツ(MHz)から3メガヘルツの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ここで、前記生物学的サンプルの前記運動状態は前記静的状態であり、前記生物学的サンプルは、前記流路内の固定点に配置され、且つ振動ミラーは、前記レーザーダイオードと前記光学レンズセットの間に、二次元又は三次元スキャンモードで前記生物学的サンプルに前記短パルスレーザーを放射するため、配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ここで、前記生物学的サンプルの前記運動状態は前記流動状態であり、前記生物学的サンプルは前記流路内を流れ、且つ前記短パルスレーザーは、前記生物学的サンプルの流れとともに前記生物学的サンプル上に放射される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ここで、前記生物学的サンプルの流速は、毎分0.01ミリリットルから毎分1ミリリットルの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ここで、前記流路の深さは0.01ミリメートルから3ミリメートルの間であり、且つ前記流路の幅は0.01ミリメートルから3ミリメートルの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ここで、前記短パルスレーザーは、半導体レーザー、固体レーザー、及びファイバーレーザーからなる群から選択され、且つ前記レーザーダイオードの材料は、ネオジムイットリウムアルミニウムガーネット(Nd YAG)、インジウムガリウムヒ化物/アルミニウムガリウムヒ化物((In)Ga(Al)As/AlGaAs)、アルミニウムガリウムインジウムヒ化物(InGaAlAs)、及びインジウムガリウムホスフィドヒ化物(InGaAsP)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ここで、前記光学レンズセットが、前記短パルスレーザーをコリメートするように及び集束するように構成され、且つ前記短パルスレーザーの焦点が1ミリメートル平方から9ミリメートル平方のサイズである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ここで、前記生物学的サンプルは、動物もしくは植物の組織、動物もしくは植物の細胞、微生物細胞、又は生物学的組織もしくは細胞を含有すると疑われるサンプルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
レーザーを使用して細胞の外部層構造を破壊するための装置であって:
生物学的サンプルが注入されることになる流路を含む分析カートリッジ;
マイクロコントローラ;
光学レンズセット及び短パルスレーザーを放出するためのレーザーダイオードを含むレーザーデバイス;
前記マイクロコントローラと前記レーザーダイオードとの間に電気的に接続された信号発生器、ここで、前記信号発生器は、前記短パルスレーザーの繰り返し率を調整する前記マイクロコントローラから第1の信号を受信するように構成される、信号発生器;
前記マイクロコントローラと前記レーザーダイオードとの間に電気的に接続された電源、ここで、前記電源は、前記レーザーダイオードに電圧を出力する、及び前記短パルスレーザーの出力パワーを制御する前記マイクロコントローラから第2の信号を受信するように構成される、電源;及び
前記マイクロコントローラに電気的に接続された流量及び体積流量コントローラ、ここで、前記流量及び体積流量コントローラは、細胞を含む前記生物学的サンプルの運動状態を制御する、前記マイクロコントローラから第3の信号を受信するように構成され、前記生物学的サンプルの前記運動状態は、静的状態又は流動状態を含み、ここで、前記短パルスレーザーは、前記光学レンズセットを通過するときに収集及びコリメートされ、次に焦点に焦点を合わせ、且つ前記生物学的サンプルは、前記焦点で前記短パルスレーザーにさらされ、そのため、前記生物学的サンプル中の細胞膜又は細胞壁が破壊される、流量及び体積流量コントローラ;
を含む装置。
【請求項14】
ここで、前記短パルスレーザーはナノ秒パルスレーザーを含み、且つ前記短パルスレーザーのパルス幅は1ナノ秒から500ナノ秒の間である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ここで、前記短パルスレーザーの波長は、800ナノメートルから1100ナノメートルの範囲である、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
ここで、前記短パルスレーザーのパルスエネルギーは、20ナノジュール(NJ)から2000ナノジュールの範囲である、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
ここで、前記短パルスレーザーの出力パワーは40ワットから150ワットの間であり、且つ前記短パルスレーザーの前記繰り返し率は0.5メガヘルツから3メガヘルツの間である、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
ここで、前記レーザーデバイスは、前記レーザーダイオードと前記光学レンズセットとの間に配置された振動ミラーをさらに含み、前記生物学的サンプルは、前記運動状態が前記静的状態にあるとき、前記流路内の固定点に配置され、且つ前記振動ミラーは、二次元又は三次元走査モードで前記光学レンズセットを介して前記生物学的サンプルに前記短パルスレーザーを放射するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
ここで、前記流量及び体積流量コントローラは、前記分析カートリッジ、及び前記生物学的サンプルを前記分析カートリッジの前記流路に注入するための前記第3の信号を受信するように構成されているもの、に結合されており、且つ、流れとともに前記短パルスレーザーで処理される前記流路を流れる前記生物学的サンプルを駆動するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
ここで、前記生物学的サンプルの流速は、毎分0.01ミリリットルから毎分1ミリリットルの間である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ここで、前記流路の深さは0.01ミリメートルから3ミリメートルの間であり、且つ前記流路の幅は0.01ミリメートルから3ミリメートルの間である、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
ここで、前記短パルスレーザーの前記焦点が1ミリメートル平方から9ミリメートル平方の間である、請求項13に記載の装置。
【請求項23】
ここで、前記光学レンズセットは、受光レンズ及び集束レンズを含み、ここで、前記受光レンズの開口数は0.5であり、且つ前記集束レンズの開口数は0.55である、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
ここで、前記受光レンズは、短焦点レンズを含み、且つ前記集束レンズは、非球面レンズ、対物レンズ、球面レンズ、及び非曲面レンズからなる群から選択される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
ここで、前記流量及び体積流量コントローラは、シリンジポンプ、シリンダ型パワーポンプ、定量的液体ポンプ及びマイクロガスポンプからなる群から選択される、請求項13に記載の装置。