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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187451
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】ねじ込み式滑り止め装置
(51)【国際特許分類】
   B60C 27/20 20060101AFI20221212BHJP
   B60C 27/02 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
B60C27/20 C
B60C27/02
B60C27/20 D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021116731
(22)【出願日】2021-06-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】515240887
【氏名又は名称】神田 久一
(72)【発明者】
【氏名】神田 久一
(72)【発明者】
【氏名】神田 孝子
(72)【発明者】
【氏名】神田 晶彦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワンタッチ同様に装着できるタイヤ滑り止め装置を提供する。
【解決手段】タイヤのトレッド外周上に配する滑り止め部1のタイヤ幅方向の両端にタイヤの表裏を挟む表側脚部2と裏側脚部3を対向して設けて成る滑り止め装置であって、表側脚部2の下部に設けた通し孔4と、裏側脚部3の下部に設けた通し孔4と対向したねじ込み孔5と、通し孔4より大径の頭部を有するねじ込み棒6を備えつつ、ねじ込み棒6を通し孔4からタイヤホイール孔に挿通してねじ込み孔5にねじ込むことで表側脚部2と裏側脚部3が狭められて滑り止め装置がタイヤに密着固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのトレッド外周上に配する滑り止め部(1)のタイヤ幅方向の両端に前記タイヤの表裏を挟む表側脚部(2)と裏側脚部(3)を対向して設けて成る滑り止め装置であって、
前記表側脚部(2)の下部に設けた通し孔(4)と、前記裏側脚部(3)の下部に設けた前記通し孔(4)と対向したねじ込み孔(5)と、前記通し孔(4)より大径の頭部を有するねじ込み棒(6)を備えつつ、該ねじ込み棒(6)を前記通し孔(4)からタイヤホイール孔に挿通して前記ねじ込み孔(5)にねじ込むことで前記表側脚部(2)と前記裏側脚部(3)が狭められて前記滑り止め装置が前記タイヤに密着固定されることを特徴とするねじ込み式滑り止め装置。
【請求項2】
前記通し孔(4)は、前記表側脚部(2)の下部に設けた表側脚孔(9)内に固定した長筒ガイドアッシー(7)の管孔で構成し、前記ねじ込み孔(5)は、前記裏側脚部(3)の下部に設けた裏側脚孔(10)内に固定した漏斗状ガイドアッシー(8)の管孔で構成したことを特徴とする請求項1に記載のねじ込み式滑り止め装置。
【請求項3】
前記表側脚孔(9)及び前記裏側脚孔(10)は丸孔又は、長孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のねじ込み式滑り止め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はジャッキアップも自動車の移動もなく、容易に着脱できるタイヤの滑り止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都会のドライバーは冬でも殆んど積雪しない為に本格的な滑り止め装置をもたない。又、突発的な雪に対しては簡易的な滑り止め装置がある。
この様な簡単に着脱できる滑り止め装置として、もっとも簡易的なものではタイヤの裏側からタイヤホイールの透孔に滑り止め装置のバンドを表側に挿通させてタイヤに鉢巻させるように装着するものがある。
しかし、その際、昼間でもタイヤの裏側は暗く、ライトを当てながら垂れ下がったバンドを引っ掛けてタイヤの裏側から表側に挿通する道具が必要であった。
それを解決する為に以前から下記の特許文献が出願されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-178732号
【特許文献2】実開平-7021405号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のタイヤに鉢巻させるように装着する滑り止め装置は、タイヤの裏側から表側にバンドに引っ掛けて挿通する為の道具が必要であり、又、複数の装置でのタイヤ下部への装着は横向きのベルトが下に垂れ下がるので表側のタイヤホイール孔からは見え辛く、道具を使用しても引っ掛け辛かった。
更に、引き出したベルトをバックルに挿入する作業や、滑り止め装置を密着固定する為にベルトを締めあげてから留めて固定しなければならず、身を屈めて複数の滑り止め装置をタイヤに装着する作業は、特に力のない女性や老人等には容易ではなかった。
それらの全ての作業を無くしてワンタッチ同様に装着する滑り止め装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明に係るねじ込み式滑り止め装置は、タイヤのトレッド外周上に配する滑り止め部(1)のタイヤ幅方向の両端に前記タイヤの表裏を挟む表側脚部(2)と裏側脚部(3)を対向して設けて成る滑り止め装置であって、
前記表側脚部(2)の下部に設けた通し孔(4)と、前記裏側脚部(3)の下部に設けた前記通し孔(4)と対向したねじ込み孔(5)と、前記通し孔(4)より大径の頭部を有するねじ込み棒(6)を備えつつ、該ねじ込み棒(6)を前記通し孔(4)からタイヤホイール孔に挿通して前記ねじ込み孔(5)にねじ込むことで前記表側脚部(2)と前記裏側脚部(3)が狭められて前記滑り止め装置が前記タイヤに密着固定されることを特徴とするねじ込み式滑り止め装置。
【0006】
[2]前記通し孔(4)は、前記表側脚部(2)の下部に設けた表側脚孔(9)内に固定した長筒ガイドアッシー(7)の管孔で構成し、前記ねじ込み孔(5)は、前記裏側脚部(3)の下部に設けた裏側脚孔(10)内に固定した漏斗状ガイドアッシー(8)の管孔で構成したことを特徴とする請求項1に記載のねじ込み式滑り止め装置。
【0007】
[3]前記表側脚孔(9)及び前記裏側脚孔(10)は丸孔又は長孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のねじ込み式滑り止め装置。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成のねじ込み式滑り止め装置を表側からタイヤに被せて、タイヤホイールに挿通したねじ込み棒6を回してねじ込むだけで、表側脚部2と裏側脚部3が狭められて、滑り止め装置がタイヤに密着固定されるのでバンドを挿通する為の道具を不要にしたばかりか、引き出したベルトが戻らぬうちにバックルに挿入する作業や、滑り止め装置を密着固定する為にベルトを締めあげてバックルで留める作業等や、そのバックルの為にベルトの厚みや巾を増す事が出来ずに走行中に切断する問題もあったが、本発明は、従来の全ての課題を解決した。
特に自動車を常用している多くのドライバー達から切望されていた軽量で着脱が容易で滑り止め効果の大きい、ワンタッチ同様のねじ込み式滑り止め装置が提供されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図2】同、実施例1に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図3】同、実施例1に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図4】同、実施例1に係るねじ込み式滑り止め装置を示す断面図。
図5】同、実施例2に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図6】同、実施例3に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図7】同、実施例4に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図8】本発明に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
図9】本発明に係るねじ込み式滑り止め装置を示す形態図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図1から図9に基づき説明する。
【0011】
図1は本発明の滑り止め装置を示す実施例1に係る実施形態図であり、滑り止め部1のタイヤ幅方向の両端にタイヤの表裏を挟む表側脚部2と裏側脚部3をコの字状において対向して設けてある。
又、裏側脚部3の下部にはナット状のねじ込み孔5と、それに噛み合うボルト状のねじ込み棒6が備えてある。
更に、表側脚部2の下部には、そのねじ込み棒6の径よりやや大きめの通し穴として、通し孔4が、ねじ込み孔5と対向して設けてある。
そして、そのねじ込み棒6はストッパー及び、回し易くする為に通し孔4より大径の頭部を有している。
【0012】
図2は本発明の滑り止め装置全体を示す実施例1に係る実施形態図であり、ねじ込み棒6を通し孔4から対向したねじ込み孔5にねじ込み始めた図である。
【0013】
図3は本発明の滑り止め装置全体を示す実施例1に係る実施形態図であり、ねじ込み棒6を回して、ねじ込み孔5に徐々にねじ込むことで表側脚部2と裏側脚部3の間隔が狭められた滑り止め装置の図である。
【0014】
図4は本発明の滑り止め装置全体を示す実施例1に係る断面図であり、ねじ込み棒6をねじ込み孔5にねじ込んで表側脚部2と裏側脚部3の間隔が狭められて滑り止め装置がタイヤに密着固定された図である。
【0015】
又、図5は実施例2に係る実施形態図であり、ねじ込み棒6が通し孔4から対向したねじ込み孔5への命中率を上げる為に、通し孔4の内側孔縁に通し孔4を管内に設けた長筒ガイドアッシー7と、ねじ込み孔5の内側孔縁にねじ込み孔5を管内に設けた漏斗状ガイドアッシー8をガイドアッシーの付属ナットで固定して設けた図である。
この両ガイドアッシーを設けた実施例は管内に通し孔4やねじ込み孔5を設けたので、その分のガイドアッシーの管径や両脚部の孔径は大きくなる。
【0016】
又、図6は実施例3に係る実施形態図であり、実施例2に対して、ここでは各タイヤサイズの装着に対応する為に孔を長孔に変えた実施例である。
ねじ込み棒6を挿入する位置調整は長筒ガイドアッシー7と漏斗状ガイドアッシー8を上下にスライドさせながら各付属ナットで対向した適切な位置で締めて固定する。
【0017】
次の図7は本発明の滑り止め装置を示す実施例4に係る実施形態図である。この実施例4は、先端が尖ってないスクリュータイプのねじ込み棒6に変えたもので、ねじ込み孔5は小さな孔になるので命中率を上げる為に図7は実施例2と組み合わせた図である。
又、裏側脚部3の漏斗状ガイドアッシー8の孔内はネジ溝は有っても無くても良く、その孔径はねじ込み棒6のスクリューの線径になる。
そして、そのねじ込み棒6もストッパー及び、回し易くする為に通し孔4より大径の頭部を有している。
【0018】
図8は本発明の滑り止め装置の装着イメージを示す実施形態図である。
そして、装着はタイヤ下側の左右から各々、タイヤを挟むように被せて上方向にスライドさせて、なるべくタイヤの等間隔を保って固定する。
【0019】
又、図9は表側脚部2と裏側脚部3をコの字状において対向して設けて成る滑り止め装置であるので、平板状や折り畳み式であっても良く又、本発明では、表側脚部2と裏側脚部3の下部は、やや内側に狭いほうが、ねじ込み棒6の先端がねじ込み孔5に接した際に、後退しない強い反発力が有った方が噛み合い易い。
更に、ねじ込み棒6の螺旋やネジのピッチを荒く設ければ、締め込みの強度や引っ張っても抜け辛く、又、締め込みの回転数が減るので効果的である。
【0020】
本発明の滑り止め装置は雪道に限らず、砂地やぬかるみでスタックした自動車にも裏ケーブルが不要なので、タイヤの表側から装着し易いタイヤ位置に複数個でなくワンブロックの簡単な装着で効果が発揮出来る。
【0021】
又、本発明は路面の雪や凍結の有無によりワンタッチ同様に脱着できるので環境問題にも効果がある。
更に、本発明はタイヤ適合サイズが広いので滑り止め装置を家族や他の自動車にも使用出来ることは使用頻度の低い都会のドライバーの突発的な雪に対してはかなり便利な滑り止め装置となる。
【符号の説明】
【0022】
1:滑り止め部
2:表側脚部
3:裏側脚部
4:通し孔
5:ねじ込み孔
6:ねじ込み棒
7:長筒ガイドアッシー
8:漏斗状ガイドアッシー
9:表側脚孔
10:裏側脚孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9