(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187477
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】内部キャパシタを含むピクセルを含むイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/369 20110101AFI20221212BHJP
H04N 5/3745 20110101ALI20221212BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
H04N5/369
H04N5/3745 200
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089260
(22)【出願日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】10-2021-0073414
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 絃 溶
(72)【発明者】
【氏名】金 石 山
(72)【発明者】
【氏名】徐 ミン 雄
(72)【発明者】
【氏名】秋 明 來
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA02
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118DD04
4M118DD09
4M118FA06
4M118FA38
4M118GA09
4M118GD03
4M118GD13
5C024CX03
5C024CX43
5C024CY47
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY31
5C024GY39
5C024HX17
5C024HX23
5C024HX29
5C024HX35
5C024HX50
5C024HX51
(57)【要約】
【課題】内部キャパシタを含むピクセルを含むイメージセンサを提供する。
【解決手段】本発明のイメージセンサは、複数のピクセルを備え、複数のピクセルのそれぞれは、フォトダイオードを含んで検出信号を生成する光検出回路と、ランプ信号を用いて検出信号を変換するアナログ-デジタルコンバータと、を含み、光検出回路は、フォトダイオードで生成された光電荷を蓄積し、寄生キャパシタを有するフローティングディフュージョンノードと、フローティングディフュージョンノードとアナログ-デジタルコンバータの第1内部キャパシタとを電気的に連結するオーバーフロートランジスタと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクセルを備えるイメージセンサであって、
前記複数のピクセルのそれぞれは、
フォトダイオードを含んで検出信号を生成する光検出回路と、
ランプ信号を用いて前記検出信号を変換するアナログ-デジタルコンバータと、を含み、
前記光検出回路は、
前記フォトダイオードで生成された光電荷を蓄積し、寄生キャパシタを有するフローティングディフュージョンノードと、
前記フローティングディフュージョンノードと前記アナログ-デジタルコンバータの第1内部キャパシタとを電気的に連結するオーバーフロートランジスタと、を含むことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記光検出回路は、前記フローティングディフュージョンノードの電圧変化を増幅して出力ノードに出力するソースフォロワーを更に含み、
前記オーバーフロートランジスタは、前記フローティングディフュージョンノードと前記出力ノードとの間に連結されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記光検出回路は、
前記フローティングディフュージョンノードを電源電圧にリセットするリセットトランジスタと、
前記リセットトランジスタの一端に連結されるリセットノードと前記フローティングディフュージョンノードとの間に連結されるコンバージョンゲイントランジスタと、を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記光検出回路は、
前記フローティングディフュージョンノードの電圧変化を増幅して出力ノードに出力するソースフォロワーと、
前記フローティングディフュージョンノードを電源電圧にリセットするリセットトランジスタと、
前記リセットトランジスタの一端に連結されるリセットノードと前記フローティングディフュージョンノードとの間に連結されるコンバージョンゲイントランジスタと、を更に含み、
前記オーバーフロートランジスタは、前記リセットノードと前記出力ノードとの間に連結されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記アナログ-デジタルコンバータは、
前記ランプ信号が入力される第2内部キャパシタと、
前記第1内部キャパシタを介して受信された前記検出信号と前記第2内部キャパシタを介して受信された前記ランプ信号とを比較して比較結果信号を出力する比較器と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記オーバーフロートランジスタがオン状態である区間において、前記ランプ信号は、一定の傾度で増加するように生成されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記光検出回路は、前記検出信号が出力される出力ノードに連結される選択トランジスタを更に含み、
前記オーバーフロートランジスタがオン状態である区間で、前記選択トランジスタは、オフ状態であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
照度による複数のモードでそれぞれ動作するイメージセンサであって、
光検出回路と前記光検出回路によって検出された検出信号を変換するアナログ-デジタルコンバータとをそれぞれ含む複数のピクセルを含むピクセルアレイと、
前記ピクセルアレイにオーバーフロー制御信号を提供するピクセルドライバと、を備え、
前記オーバーフロー制御信号に応答して前記光検出回路で生成された光電荷は、前記アナログ-デジタルコンバータに含まれる内部キャパシタに保存されることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項9】
高照度環境によるオーバーフロー動作モードで、前記ピクセルドライバは、前記光検出回路で生成された光電荷が前記アナログ-デジタルコンバータに含まれる内部キャパシタに保存されるように前記オーバーフロー制御信号を生成することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
低照度環境によるHCG(high conversion gain)モードで、前記ピクセルドライバは、前記光電荷が蓄積される前記光検出回路のフローティングディフュージョンノードと前記アナログ-デジタルコンバータに含まれる内部キャパシタとを電気的に分離するように前記オーバーフロー制御信号を生成することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記光検出回路は、前記光電荷が蓄積される前記光検出回路のフローティングディフュージョンノードと前記検出信号が出力される前記光検出回路の出力ノードとの間に連結されて前記オーバーフロー制御信号によって制御されるオーバーフロートランジスタを含むことを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記光検出回路は、
前記光電荷を蓄積し、寄生キャパシタを有するフローティングディフュージョンノードと、
前記フローティングディフュージョンノードを電源電圧にリセットするリセットトランジスタと、
前記リセットトランジスタの一端に連結されるリセットノードと前記フローティングディフュージョンノードとの間に連結されるコンバージョンゲイントランジスタと、を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記光検出回路は、前記リセットノードと前記検出信号が出力される前記光検出回路の出力ノードとの間に連結されて前記オーバーフロー制御信号によって制御されるオーバーフロートランジスタを更に含むことを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記アナログ-デジタルコンバータは、ランプ信号を用いて前記検出信号をデジタル信号に変換し、
前記アナログ-デジタルコンバータは、前記内部キャパシタに保存された光電荷による前記検出信号をデジタル信号に変換した後、前記光検出回路がリセットされた状態による前記検出信号をデジタル信号に変換することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
複数のピクセルを備えるイメージセンサであって、
前記複数のピクセルのそれぞれは、
フォトダイオードを含んで検出信号を生成する光検出回路と、
前記検出信号に対応する電荷が保存される少なくとも1つのキャパシタを含んで前記検出信号に対応するピクセル信号を生成するピクセル信号生成回路と、を含み、
前記光検出回路は、
前記フォトダイオードで生成された光電荷を蓄積するフローティングディフュージョンノードと、
前記フローティングディフュージョンノードと前記ピクセル信号生成回路の前記少なくとも1つのキャパシタとを電気的に連結するオーバーフロートランジスタと、を含むことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項16】
前記光検出回路は、前記フローティングディフュージョンノードの電圧変化を増幅して出力ノードに出力するソースフォロワーを更に含み、
前記オーバーフロートランジスタは、前記フローティングディフュージョンノードと前記出力ノードとの間に連結されることを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
前記光検出回路は、
前記フローティングディフュージョンノードを電源電圧にリセットするリセットトランジスタと、
前記リセットトランジスタの一端に連結されるリセットノードと前記フローティングディフュージョンノードとの間に連結されるコンバージョンゲイントランジスタと、を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
前記光検出回路は、
前記フローティングディフュージョンノードの電圧変化を増幅して出力ノードに出力するソースフォロワーと、
前記フローティングディフュージョンノードを電源電圧にリセットするリセットトランジスタと、
前記リセットトランジスタの一端に連結されるリセットノードと前記フローティングディフュージョンノードとの間に連結されるコンバージョンゲイントランジスタと、を更に含み、
前記オーバーフロートランジスタは、前記リセットノードと前記出力ノードとの間に連結されることを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記ピクセル信号生成回路は、
前記光電荷が蓄積された前記フローティングディフュージョンノードの電圧に対応する電荷を保存する第1キャパシタと、
リセットされた前記フローティングディフュージョンノードの電圧に対応する電荷を保存する第2キャパシタと、を含み、
前記オーバーフロートランジスタは、前記フローティングディフュージョンノードと前記第1キャパシタとを電気的に連結することを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
前記イメージセンサは、照度による複数の動作モードでそれぞれ動作し、高照度環境で、前記フローティングディフュージョンノード及び前記第1キャパシタに前記光検出回路で生成された光電荷が保存されることを特徴とする請求項19に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに係り、より詳細には、内部キャパシタを含むピクセルを含むイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサ(image sensor)は、対象物の2次元的又は3次元的イメージをキャプチャ(capture)する装置である。イメージセンサは、対象物から反射される光の強度によって反応する光電変換素子を用いて対象物のイメージを生成する。最近、コンピュータ産業及び通信産業の発達によって、デジタルカメラ、カムコーダ、PCS(Personal Communication System)、ゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラ、携帯電話などの多様な電子機器で性能が向上したイメージセンサに対する需要が増加している。
【0003】
イメージセンサは、より多くのピクセルを配置することで解像度を高めることができる。ピクセルそれぞれの大きさが徐々に減少することにより、フローティングディフュージョンノードのキャパシタンスを効率的に増加させるためのピクセル構造が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、内部キャパシタを用いてフローティングディフュージョンノードのキャパシタンスを増加させるピクセルを含むイメージセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるイメージセンサは、複数のピクセルを備えるイメージセンサであって、前記複数のピクセルのそれぞれは、フォトダイオードを含んで検出信号を生成する光検出回路と、ランプ信号を用いて前記検出信号を変換するアナログ-デジタルコンバータと、を含み、前記光検出回路は、前記フォトダイオードで生成された光電荷を蓄積し、寄生キャパシタを有するフローティングディフュージョンノードと、前記フローティングディフュージョンノードと前記アナログ-デジタルコンバータの第1内部キャパシタとを電気的に連結するオーバーフロートランジスタと、を含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるイメージセンサは、照度による複数のモードでそれぞれ動作するイメージセンサであって、光検出回路と前記光検出回路によって検出された検出信号を変換するアナログ-デジタルコンバータとをそれぞれ含む複数のピクセルを含むピクセルアレイと、前記ピクセルアレイにオーバーフロー制御信号を提供するピクセルドライバと、を備え、前記オーバーフロー制御信号に応答して前記光検出回路で生成された光電荷は、前記アナログ-デジタルコンバータに含まれる内部キャパシタに保存される。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様によるイメージセンサは、複数のピクセルを備えるイメージセンサであって、前記複数のピクセルのそれぞれは、フォトダイオードを含んで検出信号を生成する光検出回路と、前記検出信号に対応する電荷が保存される少なくとも1つのキャパシタを含んで前記検出信号に対応するピクセル信号を生成するピクセル信号生成回路と、を含み、前記光検出回路は、前記フォトダイオードで生成された光電荷を蓄積するフローティングディフュージョンノードと、前記フローティングディフュージョンノードと前記ピクセル信号生成回路の前記少なくとも1つのキャパシタとを電気的に連結するオーバーフロートランジスタと、を含む。
【0009】
本発明の一態様によるイメージセンサは、複数のピクセルを備えるイメージセンサであって、前記複数のピクセルのそれぞれは、光信号を検出して検出信号を出力する光検出回路と、前記検出信号によるピクセル信号を出力するピクセル信号生成回路と、を含み、前記光検出回路は、前記光信号による光電荷を生成するフォトダイオードと、前記光電荷を蓄積し、寄生キャパシタを有するフローティングディフュージョンノードと、前記フローティングディフュージョンノードをリセットするリセットトランジスタと、前記フローティングディフュージョンノードの電圧による検出信号を生成するソースフォロワーと前記フローティングディフュージョンノード及び検出信号が出力される出力ノードとを電気的に連結するオーバーフロートランジスタと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明のイメージセンサによれば、オーバーフロートランジスタをオン/オフすることで、高照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを増加させるため、ピクセルPXの面積を増加させなくても高いダイナミックレンジ(HDR)を確保することができ、また、低照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを減少させることで、高いコンバージョンゲインを獲得することができ、広いダイナミックレンジ(WDR)を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンサの一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルの一部を示す第1例のブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルに提供される制御信号及びランプ信号を示すタイミング図である。
【
図4】オーバーフロー動作時のサンプリング区間におけるピクセルの電位レベルを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルの一部を示す第2例のブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルの一部を示す第3例のブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるイメージセンサの他の例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルを示す第4例のブロック図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルを示す第5例のブロック図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルを示す第6例の回路図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルを示す第7例の回路図である。
【
図12】マルチカメラモジュールを含む電子装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの一例を示すブロック図である。
図1で説明するピクセルPXは、内部にキャパシタを含むピクセルの一例を説明するためのものであり、デジタルピクセル(digital pixel)である。
【0014】
イメージセンサ10は、イメージ又は光センシング機能を有する電子機器に搭載される。例えば、イメージセンサ10は、カメラ、スマートフォン、ウェアラブル機器、事物インターネット(Internet of Things:IoT)、タブレットPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(portable Multimedia Player)、ナビゲーション(navigation)装置のような電子機器に搭載される。また、イメージセンサ10は、車両、家具、製造設備、ドア、各種計測機器などに部品として備えられる電子機器に搭載される。
【0015】
イメージセンサ10は、ピクセルアレイ100、ピクセルドライバ200、ランプ信号生成器(Ramp Signal Generator)300、コントローラ400、デジタル信号処理部500、及びインターフェース回路600を含む。ピクセルアレイ100は、複数のピクセルPXを含み、複数のピクセルPXのそれぞれは、外部からの光信号を感知し、感知された光信号に対応するデジタル出力信号DOUTを出力するように構成される。
【0016】
複数のピクセルPXは、光感知素子を用いて光信号を感知し、それを電気的信号であるデジタル出力信号DOUTに変換する。複数のピクセルPXのそれぞれは、特定スペクトル領域の光を感知する。例えば、複数のピクセルPXは、レッド(red)スペクトル領域の光を電気信号に変換するレッドピクセル、グリーン(green)スペクトル領域の光を電気信号に変換するグリーンピクセル、及びブルー(blue)スペクトル領域の光を電気信号に変換するブルーピクセルを含む。複数のピクセルPXのそれぞれの上部には、特定スペクトル領域の光を透過させるためのカラーフィルターが配置され、集光のためのマイクロレンズが配置される。
【0017】
ピクセルPXは、光検出回路110、アナログ-デジタルコンバータ(Analog Digital Converter:ADC)120、及びメモリ130を含む。光検出回路110は、光感知素子を含み、外部から感知された光信号を電気的な信号、即ちアナログ信号である検出信号に変換する。例えば、光感知素子は、フォト(photo)ダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、又はPINフォトダイオード(pinned photo diode)などを含む。検出信号は、ピクセルPXのリセット動作による検出信号を含み、ピクセルPXの光検出動作による検出信号を含む。
【0018】
ADC120は光検出回路110から出力された検出信号をデジタル信号に変換し、メモリ130は変換されたデジタル信号を保存する。メモリ130は、ピクセルドライバ200の制御によってデジタル出力信号DOUTを出力する。ADC120は、検出信号をランプ信号RAMPと比較することにより、検出信号をデジタル信号に変換する。
【0019】
本発明によるイメージセンサ10は、照度によって複数の動作モードで動作する。ピクセルPXのそれぞれは、動作モードによって、光信号に対応する電荷が蓄積されるフローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスが異なる。例えば、イメージセンサ10は、高照度環境で、光検出回路110のフローティングディフュージョンノードとADC120に含まれる内部キャパシタとを電気的に連結することで、フローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスを相対的に増加させる。また、例えばイメージセンサ10は、低照度環境で、フローティングディフュージョンノードとADC120に含まれる内部キャパシタとを電気的に分離させることで、フローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスを相対的に減少させる。
【0020】
ピクセルドライバ200は、ピクセルアレイ100に含まれる複数のピクセルPXを制御するための制御信号CTRLを出力する。ピクセルドライバ200で生成された制御信号CTRLに応答して、複数のピクセルPXのそれぞれは、検出信号を生成し、ランプ信号RAMPを用いて検出信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を保存し、保存されたデジタル信号をデジタル出力信号DOUTとして出力する。また、ピクセルドライバ200で生成された制御信号CTRLに応答して、複数のピクセルPXのそれぞれの動作モードが異なり、フローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスが異なる。
【0021】
ランプ信号生成器300は、ランプ信号RAMPを生成してピクセルアレイ100に出力する。ランプ信号RAMPは、ピクセルPXのADC120に提供され、検出信号との比較対象になる基準信号として使用される。一実施形態において、ランプ信号RAMPは、一定に減少又は増加する信号(即ち、単一傾度を有する増加/減少信号)である。
【0022】
コントローラ400は、イメージセンサ10の全般的な動作を制御する。例えば、コントローラ400は、インターフェース回路600を通じて外部装置(例えば、イメージ信号処理器(ISP:Image Signal Processor)、アプリケーションプロセッサ(AP:Application Processor)など)から受信された制御情報に基づいてイメージセンサ10の動作タイミングを制御する。ピクセルドライバ200及びランプ信号生成器300は、コントローラ400から提供されたタイミング信号に基づいて制御信号CTRL及びランプ信号RAMPを生成する。
【0023】
デジタル信号処理部500は、ピクセルアレイ100から受信したデジタル出力信号DOUTに対するデジタル信号処理を遂行し、最終イメージデータIDを外部装置に提供する。デジタル出力信号DOUTは、ピクセルPXのリセット動作によるリセット値を含み、ピクセルPXの光検出動作によるイメージ信号値を含む。デジタル信号処理部500は、リセット値及びイメージ信号値に関する演算を遂行することで、1つのピクセルPXで感知された光信号に対応する最終デジタル値を決定する。複数のピクセルPXのそれぞれで決定された最終デジタル値が組み合わせられることで、最終イメージデータIDが生成される。即ち、ピクセルPXに含まれるADC120の動作によって生成されたデジタル出力信号DOUT及びデジタル信号処理部500のデジタル信号処理動作を通じて相関二重サンプリング動作が具現される。
【0024】
インターフェース回路600は、外部装置から制御情報が提供されるか又は最終イメージデータIDを出力するように構成される。一実施形態において、インターフェース回路600は、既設定のプロトコルに基づいて詳述した情報を外部装置と送受信する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルの一部を示す第1例のブロック図である。以下で、本発明の技術的思想を明確に説明するために例示的な回路図を基に
図1のピクセルPXの構造及び動作を説明するが、本発明の範囲はそれに限定されるものではなく、ピクセルPXは多様な形態に変形される。
図2で説明する光検出回路110は
図1の光検出回路110の一例であり、
図2で説明するADC120は
図1のADC120の一例である。また、
図2で説明するリセット制御信号RS、伝送制御信号TS、選択制御信号SEL、オーバーフロー制御信号OFS、及びスイッチング制御信号SSは、
図1の制御信号CTRLに含まれる。
【0026】
図2を参照すると、光検出回路110は、フォトダイオードPD、伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、及び選択トランジスタSXを含む。フォトダイオードPDは、他の光電変換素子で代替され得る。
【0027】
フォトダイオードPDは、入射する光の強度によって可変する光電荷を生成する。伝送トランジスタTXは、ピクセルドライバ(
図1の200)から出力される伝送制御信号TSによって光電荷をフローティングディフュージョンノードFDに伝送する。
【0028】
フローティングディフュージョンノードFDには、フォトダイオードPDで生成された光電荷が蓄積される。フローティングディフュージョンノードFDは、実質的に寄生キャパシタCFDを有し、寄生キャパシタCFDに光電荷が蓄積される。リセットトランジスタRXは、ピクセルドライバ200から提供されるリセット制御信号RSによってフローティングディフュージョンノードFDを電源電圧VDDレベルにリセットする。
【0029】
フローティングディフュージョンノードFDに蓄積された光電荷によるポテンシャルによって、ソースフォロワーSFは、出力ノードNOに検出信号DSを伝送する。ソースフォロワーSFは、出力ノードNOに連結され、ピクセルドライバ200から出力される選択制御信号SELによってソースフォロワーSFの電流が流れる電流パスを提供する。
【0030】
図2では、ピクセルPXの光検出回路110が1つのフォトダイオードPDを含み、伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、及び選択トランジスタSXを含む4T(4-transistor)構造で示すが、本発明によるイメージセンサに含まれる複数のピクセルPXのそれぞれは、
図2の構造に限定されない。伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、及び選択トランジスタSXのうちの少なくとも1つのトランジスタが省略され得る。
【0031】
本発明によるピクセルPXは、オーバーフロートランジスタSOFを含む。オーバーフロートランジスタSOFは、フローティングディフュージョンノードFDと出力ノードNOとの間に連結される。オーバーフロートランジスタSOFは、ピクセルドライバ200から出力されるオーバーフロー制御信号OFSに応答して、フローティングディフュージョンノードFDと出力ノードNOとを電気的に連結するか又は電気的に分離する。
【0032】
ADC120は、例えばシングルスロープ(single slope)ADCである。ADC120は、比較器121、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1キャパシタC1、及び第2キャパシタC2を含む。比較器121は差動増幅器を含み、比較器121の第1入力端には第1キャパシタC1を通じて第1入力信号INNとして検出信号DSが受信され、比較器121の第2入力端には第2キャパシタC2を通じて第2入力信号INPとしてランプ信号RAMPが受信される。比較器121は、キャパシタ対(C1、C2)を介して受信される検出信号DSとランプ信号RAMPとを比較し、比較結果信号COUTを出力する。
【0033】
第1キャパシタC1は、光検出回路110の出力ノードNOに連結される相対的に大きいキャパシタンスを有するキャパシタである。オーバーフロートランジスタSOFがオン状態になると、フローティングディフュージョンノードFDと出力ノードNOとが連結され、フローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDとADC120の第1キャパシタC1とが電気的に連結される。従って、オーバーフロートランジスタSOFがオン状態になると、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスが増加し、フォトダイオードPDで生成された更に多量の光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD及びADC120の第1キャパシタC1に蓄積される。即ち、ピクセルPXの最大電荷保存容量(full well capacity:FWC)が増加する。従って、本発明によるイメージセンサは、オーバーフロートランジスタSOFをオン/オフすることで、高照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを増加させるため、ピクセルPXの面積を増加させなくても、高いダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)を確保することができる。また、低照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを減少させることで、高いコンバージョンゲイン(conversion gain)を獲得することができる。即ち、広いダイナミックレンジ(Wide Dynamic Range:WDR)を確保することができる。
【0034】
スイッチング制御信号SSによって、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がオンになると、比較器121の入力端と出力端とが互いに連結されて、比較器121がリセットされる。例えば、比較器121の比較動作が遂行される前のオートゼロ(Auto-Zero)区間で、スイッチング制御信号SSに応答して、比較器121は、リセットされる。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルに提供される制御信号及びランプ信号を示すタイミング図である。
図4は、オーバーフロー(over-flow)動作時のサンプリング区間Aにおけるピクセルの電位レベルを示す図である。
【0036】
図2及び
図3を参照すると、ピクセルPXは、照度によって複数の動作モードで動作する。例えば、高照度動作モードでは、オーバーフロー動作モード及びHCG(high conversion gain)モードを遂行し、一方、低照度動作モードでは、HCG(high conversion gain)モードのみを遂行する。
【0037】
オーバーフロー動作モードは、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷をセンシングするための動作モードを意味する。オーバーフロー動作モードは、以下で説明する動作を含む。オーバーフロー動作モードで、選択制御信号SELはローレベルを保持し、選択トランジスタSXはオフ状態を保持する。オーバーフロー動作モードが開始されると、リセット制御信号RS及び伝送制御信号TSが同時にハイレベルを有することで、フォトダイオードPD及びフローティングディフュージョンノードFDが共にリセットされる。
【0038】
伝送制御信号TSがハイレベルからローレベルに遷移すると、オーバーフロー制御信号OFSがローレベルからハイレベルに遷移する。オーバーフロー制御信号OFSに応答して、オーバーフロートランジスタSOFはオン状態になり、フローティングディフュージョンノードFDと出力ノードNOとが連結される。ピクセルPXの最大電荷保存容量(FWC)は、フローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDのキャパシタンスとADC120の第1キャパシタC1のキャパシタンスとを合わせた値を有する。即ち、フォトダイオードPDでオーバーフローした電荷がドレインされずに、拡張されたFWCに蓄積される。FWCが増加することで、電荷蓄積時間を増加させることが可能になる。
【0039】
スイッチング制御信号SSがローレベルからハイレベルに遷移し、比較器121で比較動作を遂行する前、即ちサンプリング動作を遂行する前まではスイッチング制御信号SSがハイレベルを保持する。従って、比較器121の第1入力信号INNが入力される入力端と比較結果信号COUTが出力される出力端とが連結されることで、入力端の電圧が安定化される。
【0040】
フローティングディフュージョンノードFDの電圧VFDは、リセット制御信号RSがハイレベルからローレベルに遷移してフローティングディフュージョンノードFDのリセット動作が完了し、フォトダイオードPDに蓄積された電荷がオーバーフローし始めると、徐々に減少する。フローティングディフュージョンノードFD及びADC120の第1キャパシタC1にオーバーフローした光電荷が蓄積されることにより、フローティングディフュージョンノードFDの電圧VFDは、徐々に減少する。
【0041】
図2~
図4を参照すると、サンプリング区間Aでサンプリングを遂行するために、スイッチング制御信号SSはハイレベルからローレベルに遷移する。この際、比較器121がリセットされた状態における第1入力信号INNの電圧レベルは、オートゼロ電圧AZVと称される。
【0042】
フォトダイオードPDでオーバーフローした電荷によってフローティングディフュージョンノードFD及び第1キャパシタC1に電荷が充電され、充電された電荷量Q2に対応する第1入力信号INNが第1イメージ信号S1としてサンプリングされる。
【0043】
アナログ信号である第1イメージ信号S1をデジタル変換するために、ランプ信号RAMPは、サンプリング区間Aでオフセットが加えられた後、漸増する。ランプ信号RAMPよりも第1イメージ信号S1の電圧レベルが低くなると、比較器121の比較結果、信号COUTの極性が変わる。比較結果信号COUTの極性が変わった時点T1に基づいて第1イメージ信号S1がデジタル信号に変換される。
【0044】
第1イメージ信号S1のデジタル変換が完了すると、リセット制御信号RSがローレベルからハイレベルに遷移し、フローティングディフュージョンノードFD及び第1キャパシタC1に保存された電荷がドレインされ、フローティングディフュージョンノードFDの電圧VFDは、電源電圧VDDにリセットされる。フローティングディフュージョンノードFDの電圧VFDの変化によって第1入力信号INNの電圧レベルが増加し、第1入力信号INNが第1リセット信号R1としてサンプリングされる。
【0045】
アナログ信号である第1リセット信号R1をデジタル変換するために、ランプ信号RAMPは、オフセットが加えられた後、漸増する。ランプ信号RAMPよりも第1リセット信号R1の電圧レベルが低くなると、比較器121の比較結果信号COUTの極性が変わる。比較結果信号COUTの極性が変わった時点T2に基づいて第1リセット信号R1がデジタル信号に変換される。
【0046】
再び
図2及び
図3を参照すると、HCGモードは、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローしていない光電荷をセンシングするためのモードを意味する。HCGモードは、以下で説明する動作を含む。HCGモードで、オーバーフロー制御信号OFSはローレベルを保持し、オーバーフロートランジスタSOFはオフ状態が保持され、フローティングディフュージョンノードFDと光検出回路110の出力ノードNOとは電気的に分離される。また、HCGモードで、選択制御信号SELはハイレベルを保持し、選択トランジスタSXはオン状態を保持する。
【0047】
HCGモードが開始されると、リセット制御信号RSがハイレベルを有し、フローティングディフュージョンノードFDがリセットされてフローティングディフュージョンノードFDの電圧VFDが電源電圧VDDにリセットされる。リセット制御信号RSがハイレベルからローレベルに遷移し、フローティングディフュージョンノードFDのリセット動作が完了すると、スイッチング制御信号SSがローレベルからハイレベルに遷移して比較器121がリセットされる。
【0048】
スイッチング制御信号SSがハイレベルからローレベルに再び遷移すると、第1入力信号INNとランプ信号RAMPとの比較動作が遂行される。第1入力信号INNが第2リセット信号R2としてサンプリングされる。
【0049】
アナログ信号である第2リセット信号R2をデジタル変換するために、ランプ信号RAMPは、オフセットが加えられた後、徐々に減少する。ランプ信号RAMPよりも第2リセット信号R2の電圧レベルが高くなると、比較器121の比較結果信号COUTの極性が変わる。比較結果信号COUTの極性が変わった時点に基づいて、第2リセット信号R2がデジタル信号に変換される。
【0050】
第2リセット信号R2のデジタル変換が完了すると、伝送制御信号TSがローレベルからハイレベルに遷移して、フォトダイオードPDに蓄積された電荷がフローティングディフュージョンノードFDに蓄積される。フォトダイオードPDに蓄積された電荷量(例えば、
図4のQ1)によってフローティングディフュージョンノードFDの電圧VFDが減少する。電荷量Q1に対応する第1入力信号INNが第2イメージ信号S2としてサンプリングされる。
【0051】
アナログ信号である第2イメージ信号S2をデジタル変換するために、ランプ信号RAMPは、オフセットが加えられた後、徐々に減少する。ランプ信号RAMPよりも第2イメージ信号S2の電圧レベルが高くなると、比較器121の比較結果信号COUTの極性が変わる。比較結果信号COUTの極性が変わった時点に基づいて、第2イメージ信号S2がデジタル信号に変換される。
【0052】
本発明によるイメージセンサは、高照度モードで、オーバーフロー動作モード及びHCGモードを遂行することで、オーバーフローする電荷が捨てられずに高照度の光を検出することが可能になる。また、HCGモードでは、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスをオーバーフロー動作モードで更に減少させることで、フローティングディフュージョンノードFDのポテンシャル(電位)変化が大きくなり、変換利得(Conversion Gain)が高くなる。一方、イメージセンサは、低照度モードでは、HCGモードのみを遂行することで、変換利得が高くなる。
【0053】
図5は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルの一部を示す第2例のブロック図である。
図5で説明する光検出回路110aは、
図1の光検出回路110の一例であり、
図5に関する説明で、
図2と同一の符号については重複説明を省略する。
【0054】
図5を参照すると、光検出回路110aは、フォトダイオードPD、伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、選択トランジスタSX、オーバーフロートランジスタSOF、及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXを含む。コンバージョンゲイントランジスタDCGXは、コンバージョンゲイン制御信号DCGSによってオン/オフが制御される。光検出回路110aに提供される制御信号(RS、DCGS、TS、OFS、SEL)は、ピクセルドライバ(
図1の200)で生成された制御信号CTRLの一部である。
【0055】
リセットトランジスタRXの第1端子には電源電圧VDDが印加され、第2端子はリセットノードNRに連結される。コンバージョンゲイントランジスタDCGTの第1端子はリセットノードNRに連結され、コンバージョンゲイントランジスタDCGTの第2端子はフローティングディフュージョンノードFDに連結される。
【0056】
リセットノードNRは、実質的に寄生キャパシタCDCGを有し、寄生キャパシタCDCGに光電荷が蓄積される。一実施形態において、イメージセンサは、LCG(Low Conversion Gain)モード及びHCGモードで動作することで、DCG(dual conversion gain)機能を支援する。LCGモードでは、フローティングディフュージョンノードFDにフォトダイオードPDで生成された光電荷を蓄積するために伝送制御信号TSがハイレベルを保持するとき、コンバージョンゲイン制御信号DCGSはハイレベルである。フローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDに光電荷が蓄積される間、コンバージョンゲイントランジスタDCGXがオン状態になり、コンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCGにも光電荷が蓄積される。従って、実質的にフローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスが増加する効果が発生し、変換効率(conversion gain)は減少する。
【0057】
一方、HCGモードでは、伝送制御信号TSがハイレベルを保持するとき、コンバージョンゲイン制御信号DCGSがローレベルを保持し、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスは、相対的に小さくなるが、変換効率は増加する。従って、本発明によるイメージセンサは、1つのフレーム内でオーバーフローモード、LCGモード、及びHCGモードをいずれも遂行することで、ダイナミックレンジの拡張が可能になる。
【0058】
本実施形態において、リセットノードNRに追加キャパシタが更に連結されることで、コンバージョンゲイントランジスタDCGTがオンになるとき、追加キャパシタとフローティングディフュージョンノードFDとが電気的に連結されて、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスが更に増加する。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルの一部を示す第3例のブロック図である。
図6で説明する光検出回路110bは、
図1の光検出回路110の一例であり、
図6に関する説明で、
図2及び
図5と同一の符号については重複説明を省略する。
【0060】
図6を参照すると、光検出回路110bは、フォトダイオードPD、伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、選択トランジスタSX、及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXを含む。光検出回路110bに提供される制御信号(RS、DCGS、TS、OFS、SEL)は、ピクセルドライバ(
図1の200)で生成された制御信号CTRLの一部である。
【0061】
光検出回路110bは、オーバーフロートランジスタSOFaを更に含む。オーバーフロートランジスタSOFaは、フローティングディフュージョンノードFDとリセットノードNRとの間に連結される。オーバーフロートランジスタSOFaは、ピクセルドライバ(
図1の200)から出力されるオーバーフロー制御信号OFSに応答して、フローティングディフュージョンノードFDとリセットノードNRとを電気的に連結するか又は電気的に分離する。
【0062】
本発明によるイメージセンサは、オーバーフロー動作モードで、オーバーフロートランジスタSOFa及びコンバージョンゲイントランジスタDCGTを同時にターンオンすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD、コンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCG、及びADC120の第1キャパシタC1に蓄積されるようにピクセルを制御する。また、イメージセンサは、LCGモードで、オーバーフロートランジスタSOFaをオフにし、コンバージョンゲイントランジスタDCGTをオンにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCGに蓄積されるようにピクセルを制御する。また、イメージセンサは、HCGモードで、オーバーフロートランジスタSOFa及びコンバージョンゲイントランジスタDCGTをいずれもオフにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDにのみ蓄積されるようにピクセルを制御する。
【0063】
図7は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの他の例を示すブロック図である。
図7で説明するピクセルPX’は、内部にキャパシタを含むピクセルの一例を説明するためのものであり、グローバルシャッタ(global shutter)動作が可能なピクセルである。
図1のイメージセンサ10と比較して、
図7のイメージセンサ10’は、ADC510をピクセルPX’の内部にそれぞれ含まず、ピクセルアレイ100’の外部にADC510を含む。
図7に関する説明で、
図1と同一符号については重複説明を省略する。
【0064】
図7を参照すると、イメージセンサ10’は、ピクセルアレイ100’、ピクセルドライバ200’、ランプ信号生成器300’、コントローラ400’、リードアウト回路500’、及びインターフェース回路600’を含む。ピクセルアレイ100’は、複数のピクセルPX’を含み、複数のピクセルPX’のそれぞれは、外部からの光信号を感知し、感知された光信号に対応するピクセル信号PXSを出力するように構成される。
【0065】
ピクセルアレイ100’で、複数のピクセルPX’は、複数のロウ及び複数のカラムに配置されるマトリックス(matrix)状に配列される。イメージセンサ10’は、グローバルシャッタモードで、それぞれ異なるロウに配置されたピクセルPX’の光電荷蓄積時点を同一に制御し、光電荷蓄積時間の差によるイメージの歪曲を除去する。
【0066】
ピクセルPX’は、光検出回路110’及びピクセル信号生成回路120’を含む。光検出回路110’は、光感知素子を含み、外部から感知された光信号を電気的な信号、即ちアナログ信号である検出信号に変換する。検出信号は、光検出回路110’のリセット動作による検出信号を含み、光検出回路110’の光検出動作による検出信号を含む。
【0067】
ピクセル信号生成回路120’は、検出信号を受信し、検出信号に対応するピクセル信号PXSを生成し、ピクセル信号PXSを、カラムラインを介して出力する。ピクセル信号生成回路120’は、内部にキャパシタを含み、検出信号に対応する電荷量を内部キャパシタに保存する。例えば、ピクセル信号生成回路120’は、光検出動作に対応する電荷が蓄積される第1キャパシタを含み、リセット動作に対応する電荷が蓄積される第2キャパシタを含む。ピクセルPX’が第1キャパシタ及び第2キャパシタを含むことで、それぞれ異なるロウに配置されたピクセルPX’の光電荷蓄積時点が同一に制御される。
【0068】
本発明によるイメージセンサ10’は、照度によって複数の動作モードで動作する。ピクセルPX’のそれぞれは、動作モードによって、光信号に対応する電荷が蓄積されるフローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスが異なる。例えば、イメージセンサ10’は、高照度環境で、光検出回路110’のフローティングディフュージョンノードとピクセル信号生成回路120’に含まれる内部キャパシタとを電気的に連結することで、フローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスを相対的に増加させる。また、例えばイメージセンサ10’は、低照度環境で、フローティングディフュージョンノードとピクセル信号生成回路120’に含まれる内部キャパシタとを電気的に分離することで、フローティングディフュージョンノードの等価キャパシタンスを相対的に減少させる。
【0069】
ピクセルドライバ200’は、ピクセルアレイ100’に含まれる複数のピクセルPX’を制御するための制御信号CTRL’を出力する。ピクセルドライバ200’から生成された制御信号CTRL’に応答して、複数のピクセルPX’のそれぞれは、照度による複数の動作モードで動作する。一実施形態において、ピクセルドライバ200’は、グローバルシャッタモードで動作するために、複数のピクセルPX’のそれぞれに制御信号CTRL’の活性化及び非活性化タイミングを決定する。
【0070】
ランプ信号生成器300’は、ランプ信号RAMP’を生成してランプ信号RAMP’をリードアウト回路500’、例えばADC510に提供する。ランプ信号RAMP’は、アナログ信号をデジタル信号に変換するための信号であり、三角波の形態を有するように生成される。
【0071】
リードアウト回路500’は、ADC510及びメモリ530を含む。ADC510は、ピクセルアレイ100’から提供されたピクセル信号PXSをサンプリング及び保持し、リセット信号とイメージ信号とを二重サンプリングし、その差に該当するレベルを出力する相関二重サンプリング動作を遂行する。ADC510は、ランプ信号RAMP’が提供され、リセット信号とイメージ信号とをそれぞれ比較し、比較結果信号を出力する。ADC510は、比較結果信号をデジタル信号に変換する。メモリ530は、デジタル信号をラッチ(latch)し、ラッチされたイメージデータIDを順次に出力する。
【0072】
図8及び
図9は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルを示す第4、第5例のブロック図である。
図8及び
図9で説明するピクセル(PX’、PXa’)はグローバルシャッタ動作が可能なピクセルの一例であって、本発明によるイメージセンサはピクセル(PX’、PXa’)の回路構成に限定されない。ピクセル(PX’、PXa’)のそれぞれに含まれるピクセル信号生成回路120’の回路構成は、多様に変形可能であるということは自明であろう。
【0073】
図8及び
図9で説明するリセット制御信号RS、コンバージョンゲイン制御信号DCGS、伝送制御信号TS、オーバーフロー制御信号OFS、プレチャージ制御信号PC、サンプリング制御信号(SAMPS1、SAMPS2)、及び選択制御信号(SEL1、SEL2)は、
図7の制御信号CTRL’に含まれる。
図8及び
図9に関する説明で、
図2、
図5、及び
図6の符号と同一の符号については重複説明を省略する。
【0074】
図8を参照すると、ピクセルPX’は、光検出回路110’と、光検出回路110’から出力される検出信号DSによる第1ピクセル信号PXS1及び第2ピクセル信号PXS2を出力するピクセル信号生成回路120’とを含む。光検出回路110’は、フォトダイオードPD、伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、プレチャージトランジスタPCX、オーバーフロートランジスタSOF、及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXを含む。光検出回路110’は、光信号に対応する検出信号DSを出力する。但し、
図8に示した光検出回路110’は、コンバージョンゲイントランジスタDCGXを含まない場合もある。
【0075】
オーバーフロートランジスタSOFは、フローティングディフュージョンノードFDと出力ノードNOとの間に連結される。オーバーフロートランジスタSOFは、ピクセルドライバ200から出力されるオーバーフロー制御信号OFSに応答して、フローティングディフュージョンノードFDと出力ノードNOとを電気的に連結するか又は電気的に分離する。
【0076】
プレチャージトランジスタPCXの第1端子は出力ノードNOに連結され、第2端子にはグラウンド電圧が印加される。プレチャージトランジスタPCXは、プレチャージ制御信号PCによって電流源として動作する。一実施形態において、ソースフォロワーSFとプレチャージトランジスタPCXとの間には、追加トランジスタが直列に連結される。
【0077】
ピクセル信号生成回路120’は、第1サンプリングトランジスタSAMP1、第2サンプリングトランジスタSAMP2、第1キャパシタC1’、第2キャパシタC2’、第1ソースフォロワーSF1、第2ソースフォロワーSF2、第1選択トランジスタSX1、及び第2選択トランジスタSX2を含む。
【0078】
第1サンプリングトランジスタSAMP1は、出力ノードNOと第1ノードN1との間に連結され、第1サンプリング制御信号SAMPS1によってオン/オフにされる。第2サンプリングトランジスタSAMP2は、出力ノードNOと第2ノードN2との間に連結され、第2サンプリング制御信号SAMPS2によってオン又はオフにされる。
【0079】
第1キャパシタC1’の第1端は第1ノードN1に連結され、第2端には電源電圧VDDが印加される。但し、それに限定されず、第1キャパシタC1’の第2端には、グラウンド電圧が印加され得る。第1サンプリングトランジスタSAMP1がオンになると、検出信号DSによる電荷が第1キャパシタC1’に蓄積される。例えば、第1キャパシタC1’には、光電荷蓄積動作による電荷が蓄積される。
【0080】
第2キャパシタC2’の第1端は第2ノードN2に連結され、第2端には電源電圧VDDが印加される。但し、それに限定されず、第2キャパシタC2’の第2端には、グラウンド電圧が印加され得る。第2サンプリングトランジスタSAMP2がオンになると、検出信号DSによる電荷が第2キャパシタC2’に蓄積される。例えば、第2キャパシタC2’には、フローティングディフュージョンノードFDのリセット動作による電荷が蓄積される。
【0081】
第1ソースフォロワーSF1の第1端には電源電圧VDDが印加され、第1ソースフォロワーSF1の第2端は第1選択トランジスタSX1に連結される。第1ソースフォロワーSF1は、第1キャパシタC1’に充電された電荷量による信号をバッファリングし、第1ノードN1におけるポテンシャル(電位)変化を増幅して第1ピクセル信号PXS1を出力する。
【0082】
第1選択トランジスタSX1の第1端は第1ソースフォロワーSF1に連結され、第1選択トランジスタSX1の第2端は第1カラムラインCL1に連結される。第1選択トランジスタSX1は、第1選択制御信号SEL1に応答して、第1カラムラインCL1に光電荷蓄積動作によるイメージ信号SIGを第1ピクセル信号PXS1として出力する。
【0083】
第2ソースフォロワーSF2の第1端には電源電圧VDDが印加され、第2ソースフォロワーSF2の第2端は第2選択トランジスタSX2に連結される。第2ソースフォロワーSF2は、第2キャパシタC2’に充電された電荷量による信号をバッファリングし、第2ノードN2における電位変化を増幅して第2ピクセル信号PXS2を出力する。
【0084】
第2選択トランジスタSX2の第1端は第2ソースフォロワーSF2に連結され、第2選択トランジスタSX2の第2端は第2カラムラインCL2に連結される。第2選択トランジスタSX2は、第2選択制御信号SEL2に応答して、第2カラムラインCL2にリセット動作によるリセット信号RSTを第2ピクセル信号PXS2として出力する。
【0085】
第1キャパシタC1’は、相対的に大きいキャパシタンスを有するキャパシタである。オーバーフロートランジスタSOF及び第1サンプリングトランジスタSAMP1がオン状態になり、プレチャージトランジスタPCXがオフ状態になると、フローティングディフュージョンノードFD、出力ノードNO、及び第1ノードN1が連結されて、フローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDとピクセル信号生成回路120’の第1キャパシタC1’とが電気的に連結される。従って、オーバーフロートランジスタSOFがオン状態になると、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスが増加し、フォトダイオードPDで生成された更に多量の光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD及び第1キャパシタC1’に蓄積される。ピクセルPX’の最大電荷保存容量(FWC)が増加する。
【0086】
本発明によるイメージセンサは、オーバーフロー動作モードで、コンバージョンゲイントランジスタDCGT、オーバーフロートランジスタSOF、及び第1サンプリングトランジスタSAMP1をターンオンしてプレチャージトランジスタPCXをターンオフすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD、コンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCG、及びピクセル信号生成回路120’の第1キャパシタC1’に蓄積されるようにピクセルを制御する。但し、それに限定されず、オーバーフロー動作モードで、コンバージョンゲイントランジスタDCGTは、オフ状態を保持することもできる。
【0087】
また、イメージセンサは、LCGモードで、オーバーフロートランジスタSOFをオフにし、コンバージョンゲイントランジスタDCGXをオンにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCGに蓄積されるようにピクセルを制御する。また、イメージセンサは、HCGモードで、オーバーフロートランジスタSOF及びコンバージョンゲイントランジスタDCGTをいずれもオフにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDにのみ蓄積されるようにピクセルを制御する。
【0088】
図9を参照すると、ピクセルPXa’は、光検出回路110a’と、光検出回路110a’から出力される検出信号DSによる第1ピクセル信号PXS1及び第2ピクセル信号PXS2を出力するピクセル信号生成回路120’とを含む。光検出回路110a’は、フォトダイオードPD、伝送トランジスタTX、リセットトランジスタRX、ソースフォロワーSF、プレチャージトランジスタPCX、オーバーフロートランジスタSOFa、及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXを含む。
【0089】
オーバーフロートランジスタSOFaは、ピクセルドライバ(
図1の200)から出力されるオーバーフロー制御信号OFSに応答して、フローティングディフュージョンノードFDとリセットノードNRとを電気的に連結するか又は電気的に分離する。
【0090】
イメージセンサは、オーバーフロー動作モードで、コンバージョンゲイントランジスタDCGT、オーバーフロートランジスタSOFa、及び第1サンプリングトランジスタSAMP1をターンオンし、プレチャージトランジスタPCXをターンオフすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD、コンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCG、及びピクセル信号生成回路120’の第1キャパシタC1’に蓄積されるようにピクセルを制御する。また、イメージセンサは、LCGモードで、オーバーフロートランジスタSOFaをオフにし、コンバージョンゲイントランジスタDCGTをオンにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCGに蓄積されるようにピクセルを制御する。また、イメージセンサは、HCGモードで、オーバーフロートランジスタSOFa及びコンバージョンゲイントランジスタDCGTをいずれもオフにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDにのみ蓄積されるようにピクセルを制御する。
【0091】
図8及び
図9を参照すると、本発明によるイメージセンサは、オーバーフロートランジスタ(SOF、SOFa)をオン/オフにすることで、高照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを増加させ、低照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを減少させ、ピクセルPXの面積を増加させずに広いダイナミックレンジを確保することができる。また、ピクセルPX’がコンバーションゲイントランジスタDCGXを更に含むため、イメージセンサは、オーバーフロートランジスタ(SOF、SOFa)及びコンバーションゲイントランジスタDCGXのオン/オフを制御することで、オーバーフロー動作モード、LCGモード、及びHCGモードとして動作する。
【0092】
図10及び
図11は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに含まれるピクセルを示す第6、第7例のブロック図である。
図10及び
図11で説明するピクセル(PXb’、PXc’)はグローバルシャッタ動作が可能なピクセルの一例であり、本発明によるイメージセンサはピクセル(PXb’、PXc’)の回路構成に限定されない。ピクセル(PXb’、PXc’)のそれぞれに含まれるピクセル信号生成回路120b’の回路構成は、多様に変形可能であるということは自明であろう。
【0093】
図10及び
図11で説明するリセット制御信号RS、コンバージョンゲイン制御信号DCGS、伝送制御信号TS、オーバーフロー制御信号OFS、プレチャージ制御信号PC、プレチャージ選択制御信号PSEL、サンプリング制御信号(SAMPS1、SAMPS2)、及び選択制御信号SEL’は、
図7の制御信号CTRL’に含まれる。
図10及び
図11に関する説明で、
図8及び
図9の符号と同一の符号については重複説明を省略する。
【0094】
図10を参照すると、ピクセルPXb’は、光検出回路110’と、光検出回路110’から出力される検出信号DSによるピクセル信号PXSを出力するピクセル信号生成回路120b’とを含む。ピクセル信号生成回路120b’は、プレチャージ選択トランジスタPSEL、第1サンプリングトランジスタSAMP1、第2サンプリングトランジスタSAMP2、第1キャパシタC1’、第2キャパシタC2’、ソースフォロワーSF’、及び選択トランジスタSX’を含む。
【0095】
プレチャージ選択トランジスタPSXは、光検出回路110’の出力ノードNOとピクセル信号生成回路120b’のセンシングノードNSとの間に連結され、プレチャージ選択制御信号PSELによってオン又はオフにされることで、センシングノードNSをリセットする。
【0096】
第1サンプリングトランジスタSAMP1は、センシングノードNSに連結される。第1サンプリングトランジスタSAMP1は、第1サンプリング制御信号SAMPS1によってオン/オフにされることで、検出信号DSによる電荷を第1キャパシタC1’に蓄積する。例えば、第1キャパシタC1’には、光電荷蓄積動作による電荷が蓄積される。
【0097】
第2サンプリングトランジスタSAMP2は、センシングノードNSに連結される。第2サンプリングトランジスタSAMP2は、第2サンプリング制御信号SAMPS2によってオン/オフにされることで、検出信号DSによる電荷を第2キャパシタC2’に蓄積する。例えば、第2キャパシタC2’には、光電荷蓄積動作による電荷が蓄積される。例えば、第2キャパシタC2’には、フローティングディフュージョンノードFDのリセット動作による電荷が蓄積される。
【0098】
ソースフォロワーSF’はセンシングノードNSにおける電位変化を増幅してピクセル信号PXSを出力し、選択トランジスタSX’は選択制御信号SEL’に応答してカラムラインCLにピクセル信号PXSを出力する。ピクセル信号PXSは、光電荷蓄積動作によるイメージ信号SIG及びフローティングディフュージョンノードFDに対するリセット動作によるリセット信号RSTを出力する。
【0099】
本発明によるイメージセンサは、オーバーフロー動作モードで、コンバージョンゲイントランジスタDCGT、オーバーフロートランジスタSOF、プレチャージ選択トランジスタPSX、及び第1サンプリングトランジスタSAMP1をターンオンし、プレチャージトランジスタPCXをターンオフすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD、コンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCG、及びピクセル信号生成回路120b’の第1キャパシタC1’に蓄積されるようにピクセルを制御する。但し、それに限定されず、オーバーフロー動作モードで、コンバージョンゲイントランジスタDCGTは、オフ状態を保持することもできる。
【0100】
また、イメージセンサは、LCGモードで、オーバーフロートランジスタSOFをオフにし、コンバージョンゲイントランジスタDCGTをオンにすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFD及びコンバージョンゲイントランジスタDCGXの寄生キャパシタCDCGに蓄積されるようにピクセルを制御する。また、イメージセンサは、HCGモードで、オーバーフロートランジスタSOF及びコンバージョンゲイントランジスタDCGTをいずれもオフすることで、フォトダイオードPDで生成されてオーバーフローした光電荷がフローティングディフュージョンノードFDの寄生キャパシタCFDにのみ蓄積されるようにピクセルを制御する。
【0101】
図10及び
図11を参照すると、ピクセル(PXb’、PXc’)は、光検出回路(110’、110a’)と、光検出回路(110’、110a’)から出力される検出信号DSによるピクセル信号PXSを出力するピクセル信号生成回路120b’を含む。本発明によるイメージセンサは、オーバーフロートランジスタ(SOF、SOFa)をオン/オフにすることで、高照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを増加させ、低照度では、フローティングディフュージョンノードFDの等価キャパシタンスを減少させて、ピクセルPXの面積を増加させずに高いダイナミックレンジを確保することができる。また、ピクセル(PXb’、PXc’)がコンバーションゲイントランジスタDCGXを更に含むため、イメージセンサは、オーバーフロートランジスタ(SOF、SOFa)及びコンバーションゲイントランジスタDCGXのオン/オフを制御することで、オーバーフロー動作モード、LCGモード、及びHCGモードで動作する。
【0102】
図12は、マルチカメラモジュールを含む電子装置のブロック図である。
図13は、
図12のカメラモジュールの詳細ブロック図である。
図13は、カメラモジュール1100bの詳細構成について説明するが、以下の説明は、実施形態によって他のカメラモジュール(1100a、1100c)についても同一に適用される。
【0103】
図12を参照すると、電子装置1000は、カメラモジュールグループ1100、アプリケーションプロセッサ1200、PMIC(power management integrated circuit)1300、及び外部メモリ1400を含む。カメラモジュールグループ1100は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)を含む。図面には、3個のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)が配置された実施形態を図示しているが、実施形態はそれに制限されるものではない。
【0104】
図12及び
図13を参照すると、カメラモジュール1100bは、プリズム1105、光学経路ホルディング要素(Optical Path Folding Element、以下、「OPFE」)1110、アクチュエータ1130、イメージセンシング装置1140、及びストレージ1150を含む。
【0105】
プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を含んで外部から入射する光Lの経路を変形させる。OPFE1110は、例えばm個(ここで、mは、自然数)のグループからなる光学レンズを含む。アクチュエータ1130は、OPFE1110又は光学レンズ(以下、光学レンズと指称)を特定位置に移動させる。
【0106】
イメージセンシング装置1140は、イメージセンサ1142、制御ロジック1144、及びメモリ1146を含む。イメージセンサ1142は、光学レンズを介して提供される光Lを用いてセンシング対象のイメージをセンシングする。イメージセンサ1142は、
図1で説明したイメージセンサ10であり、
図7で説明したイメージセンサ10’である。
【0107】
制御ロジック1144は、カメラモジュール1100bの全般的な動作を制御する。例えば、制御ロジック1144は、制御信号ラインCSLbを介して提供される制御信号によってカメラモジュール1100bの動作を制御する。
【0108】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの1つのカメラモジュール(例えば、1100b)は上述したプリズム1105及びOPFE1110を含むフォールデッドレンズ(folded lens)形態のカメラモジュールであり、残りのカメラモジュール(例えば、1100a、1100c)はプリズム1105及びOPFE1110を含まないバーティカル(vertical)形態のカメラモジュールであるが、実施形態はそれに制限されるものではない。
【0109】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの1つのカメラモジュール(例えば、1100c)は、例えばIR(Infrared Ray)を用いてデプス(depth)情報を抽出するバーティカル形態のデプスカメラ(depth camera)である。その場合、アプリケーションプロセッサ1200は、そのようなデプスカメラから提供されたイメージデータとは異なるカメラモジュール(例えば、1100a又は1100b)から提供されたイメージデータを併合(merge)して3次元デプスイメージ(3D depth image)を生成する。
【0110】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの少なくとも2つのカメラモジュール(例えば、1100a、1100b)は、それぞれ異なる観測視野(Field of View、視野角)を有する。その場合、例えば、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの少なくとも2つのカメラモジュール(例えば、1100a、1100b)の光学レンズがそれぞれ異なるが、それに制限されるものではない。
【0111】
また、一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の各々の視野角はそれぞれ異なる。その場合、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の各々に含まれる光学レンズもそれぞれ異なるが、それに制限されるものではない。
【0112】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の各々はそれぞれ物理的に分離されて配置される。即ち、1つのイメージセンサ1142のセンシング領域を複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)が分割して使用するのではなく、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の各々の内部に独立したイメージセンサ1142が配置される。
【0113】
再び、
図12を参照すると、アプリケーションプロセッサ1200は、イメージ処理装置1210、メモリコントローラ1220、及び内部メモリ1230を含む。アプリケーションプロセッサ1200は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から分離されて具現される。例えば、アプリケーションプロセッサ1200と複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)とは別途の半導体チップにそれぞれ分離されて具現される。
【0114】
イメージ処理装置1210は、複数のサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)、イメージ生成器1214、及びカメラモジュールコントローラ1216を含む。
【0115】
イメージ処理装置1210は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の個数に対応する個数の複数のサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)を含む。
【0116】
各々のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から生成されたイメージデータは、それぞれ分離されたイメージ信号ライン(ISLa、ISLb、ISLc)を介して対応するサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)に提供される。例えば、カメラモジュール1100aから生成されたイメージデータはイメージ信号ラインISLaを介してサブイメージプロセッサ1212aに提供され、カメラモジュール1100bから生成されたイメージデータはイメージ信号ラインISLbを介してサブイメージプロセッサ1212bに提供され、カメラモジュール1100cから生成されたイメージデータはイメージ信号ラインISLcを介してサブイメージプロセッサ1212cに提供される。そのようなイメージデータの伝送は、例えばMIPI(Mobile Industry Processor Interface)に基づくカメラ直列インターフェース(CSI;Camera Serial Interface)を用いて遂行されるが、実施形態はそれに制限されるものではない。
【0117】
それぞれのサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)に提供されるイメージデータは、イメージ生成器1214に提供される。イメージ生成器1214は、イメージ生成情報(Generating Information)又はモード信号(Mode Signal)に応じて、それぞれのサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)から提供されたイメージデータを用いて出力イメージを生成する。
【0118】
具体的に、イメージ生成器1214は、イメージ生成情報又はモード信号に応じて、それぞれ異なる視野角を有するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から生成されたイメージデータのうちの少なくとも一部を併合(merge)して出力イメージを生成する。また、イメージ生成器1214は、イメージ生成情報又はモード信号に応じて、それぞれ異なる視野角を有するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から生成されたイメージデータのうちのいずれか1つを選択して出力イメージを生成する。
【0119】
カメラモジュールコントローラ1216は、それぞれのカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に制御信号を提供する。カメラモジュールコントローラ1216から生成された制御信号は、それぞれ分離された制御信号ライン(CSLa、CSLb、CSLc)を介して対応するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に提供される。
【0120】
アプリケーションプロセッサ1200は、受信されたイメージデータ、即ちエンコーディングドされたデータを内部に備えられる内部メモリ1230又はアプリケーションプロセッサ1200の外部の外部メモリ1400に保存し、その後、内部メモリ1230又は外部メモリ1400からエンコーディングドされたデータを読出してデコーディングし、デコーディングされたイメージデータに基づいて生成されたイメージをディスプレイする。例えば、イメージ処理装置1210の複数のサブプロセッサ(1212a、1212b、1212c)のうちの対応するサブプロセッサがデコーディングを遂行し、またデコーディングされたイメージデータに対してイメージ処理を遂行する。
【0121】
PMIC1300は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれに電力、例えば電源電圧を供給する。例えば、PMIC1300は、アプリケーションプロセッサ1200の制御下で、パワー信号ラインPSLaを介してカメラモジュール1100aに第1電力を供給し、パワー信号ラインPSLbを介してカメラモジュール1100bに第2電力を供給し、パワー信号ラインPSLcを介してカメラモジュール1100cに第3電力を供給する。
【0122】
イメージセンサは、内部に多数のピクセルを配置することで解像度が増加し、それによりピクセルのそれぞれの大きさが減少するため、フローティングディュージョンノードのキャパシタンスの大きさを効率的に増加させるためのピクセル構造が要求される。本発明は、内部キャパシタを用いてフローティングディフュージョンノードのキャパシタンスを増加させるピクセルを含むイメージセンサを提供することができる。
【0123】
以上、本発明の実施形態ついて図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0124】
10、10’ イメージセンサ
100、100’ ピクセルアレイ
110、110a、110b、110’、110a’ 光検出回路
120、120’、120b’、510 アナログ-デジタルコンバータ(ADC)
121 (COMP)
130、530 メモリ
200、200’ ピクセルドライバ
300、300’ ランプ信号生成器
400、400’ コントローラ
500 デジタル信号処理部
500’ リードアウト回路
600、600’ インターフェース回路
1000 電子装置
1100 カメラモジュールグループ
1100a~1100c カメラモジュール
1105 プリズム
1107 反射面
1110 光学経路ホルディング要素(OPFE)
1130 アクチュエータ
1140 イメージセンシング装置
1142 イメージセンサ
1144 制御ロジック
1146 メモリ
1147 キャリブレーションデータ
1150 ストレージ
1200 アプリケーションプロセッサ(AP)
1210 イメージ処理装置
1212a~1212C サブイメージプロセッサ
1214 イメージ生成器
1216 カメラモジュールコントローラ
1220 メモリコントローラ
1230 内部メモリ
1300 PMIC(power management integrated circuit)
1400 外部メモリ
C1、C1’ 第1キャパシタ
C2、C2’ 第2キャパシタ
CL カラムライン
CL1、CL2 第1、第2カラムライン
CDCG DCGXの寄生キャパシタ
CFD FDの寄生キャパシタ
COUT 比較結果信号
CSLa~CSLc 制御信号ライン
CTRL、CTRL’ 制御信号
DCGS コンバージョンゲイン制御信号
DCGX コンバージョンゲイントランジス
DOUT デジタル出力信号
DS 検出信号
FD フローティングディフュージョンノード
ID 最終イメージデータ
INN、INP 第1、第2入力信号
ISLa~ISLc イメージ信号ライン
N1、N2 第1、第2ノード
NO 出力ノード
NR リセットノード
NS センシングノード
OFS オーバーフロー制御信号
PC プレチャージ制御信号
PCX プレチャージトランジスタ
PD フォトダイオード
PSLa~PSLc パワー信号ライン
PX、PX’、PXa’、PXb’、PXc ピクセル
PXS ピクセル信号
PXS1 第1ピクセル信号(SIG)
PXS2 第2ピクセル信号(RST)
Q1、Q2 電荷量
R1、R2 第1、第2リセット信号
RAMP、RAMP’ ランプ信号
RS リセット制御信号
RX リセットトランジスタ
S1、S2 第1、第2イメージ信号
SAMP1、SAMP2 第1、第2サンプリングトランジスタ
SAMPS1、SAMPS2 第1、第2サンプリング制御信号
SEL、SEL’ 選択制御信号
SEL1、SEL2 第1、第2選択制御信号
SF、SF’ ソースフォロワー
SF1、SF2 第1、第2ソースフォロワー
SOF、SOFa オーバーフロートランジスタ
SS スイッチング制御信号
SX、SX’ 選択トランジスタ
SX1、SX2 第1、第2選択トランジスタ
SW1、SW2 第1、第2スイッチ
TS 伝送制御信号
TX 伝送トランジスタ
VDD 電源電圧
VFD FDの電圧