(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187482
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】閉鎖空間の各部を殺菌するための及び閉鎖空間にいて殺菌リソースを割り当てるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20221212BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022090878
(22)【出願日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】63/197,616
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マテウス・エス・ダチュコ
(72)【発明者】
【氏名】ニール・エヌ・シャー
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD13
4C058KK02
4C058KK23
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH11
4C180HH17
4C180KK04
4C180LL04
4C180MM07
(57)【要約】
【課題】UV発光体を効果的かつ効率的に動作させるためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】閉鎖空間(104)を殺菌するためのシステム(100)が、閉鎖空間内のセンサ(120)を含む。センサは、閉鎖空間内の1以上のアクションを検出し、アクションを表すアクション検出信号(130)を出力するように構成される。閉鎖空間内にUVランプ(110)が存在する。UVランプは、閉鎖空間の部分に対してUV光(112)を放射する。殺菌制御ユニット(116)が、センサ及びUVランプと通信する。殺菌制御ユニットは、アクション検出信号を受信する。殺菌制御ユニットは、アクションがトリガイベントであることに応答して、UVランプの動作を変更する。リソース割当制御ユニット(132)が、アクションのトリガイベントに基づいて、閉鎖空間のためのUVランプに関するリソース推奨を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖空間(104)を殺菌するためのシステム(100)であって、
前記閉鎖空間(104)内にある1以上のセンサ(120)であって、前記閉鎖空間(104)内の1以上のアクションを検出し、1以上の前記アクションを表す1以上のアクション検出信号(130)を出力するように構成された、センサと、
前記閉鎖空間(104)内にある1以上の紫外(UV)ランプ(110)であって、前記閉鎖空間(104)の1以上の部分に対してUV光(112)を放射するように構成された、紫外ランプと、
1以上の前記センサ(120)及び1以上の前記UVランプ(110)と通信する殺菌制御ユニット(116)であって、1以上の前記センサ(120)から1以上の前記アクション検出信号(130)を受信するように構成され、1以上の前記アクションがトリガイベントであることに応答して1以上の前記UVランプ(110)の動作を変更するように構成された、殺菌制御ユニットと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記閉鎖空間(104)は、ビークルの内部客室を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
1以上の前記センサ(120)は、前記内部客室内の1以上の座席に関連付けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記UVランプ(110)は、遠UVスペクトルの範囲内のUV光(112)を放射するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記トリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
1以上の前記センサ(120)は、少なくとも1つのマイクロフォン(122)、少なくとも1つのカメラ(124)、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
1以上の前記センサ(120)は、少なくとも1つのマイクロフォン(122)、少なくとも1つのカメラ(124)、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記殺菌制御ユニット(116)は、1以上の前記アクションがトリガイベントであることに応答して1以上の前記UVランプ(110)を作動させることによって、1以上の前記UVランプ(110)の動作を変更して1以上の表面(102)へと前記UV光(112)を放射するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記殺菌制御ユニット(116)は、1以上の前記アクションがトリガイベントであることに応答して前記UV光(112)の強度を増加させることによって、1以上の前記UVランプ(110)の動作を変更するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
1以上の前記センサ(120)及び1以上の前記UVランプ(110)は、共通のハウジング(150)に一体化される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
1以上の前記センサ(120)と通信し、前記トリガイベントのうちの1以上に基づいて、前記閉鎖空間(104)について1以上の前記UVランプ(110)に関する1以上のリソース推奨を生成するように構成されたリソース割当制御ユニット(132)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
閉鎖空間(104)を殺菌するための方法であって、
殺菌制御ユニット(116)によって、閉鎖空間(104)内の1以上のセンサ(120)から、前記閉鎖空間(104)内の1人以上の個人(108)の1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号(130)を受信するステップと、
前記殺菌制御ユニットによって、1以上の前記アクションがトリガイベントであることに応答して前記閉鎖空間(104)内の1以上の紫外(UV)ランプの動作を変更するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記閉鎖空間(104)は、ビークルの内部客室を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1以上の前記センサ(120)は、前記内部客室内の1以上の座席に関連付けられている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
1以上の前記センサ(120)は、少なくとも1つのマイクロフォン(122)、少なくとも1つのカメラ(124)、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記変更するステップは、1以上の前記UVランプ(110)を作動させて前記閉鎖空間(104)の1以上の部分に対してUV光(112)を放射することを含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記変更するステップは、1以上の前記UVランプ(110)から放射されるUV光(112)の強度を増加させることを含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
1以上の前記センサ(120)及び1以上の前記UVランプ(110)を共通のハウジング(150)に一体化させるステップをさらに含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
1以上の前記センサ(120)と通信するリソース割当制御ユニット(132)によって、前記トリガイベントのうちの1以上に基づいて、前記閉鎖空間(104)について1以上の前記UVランプ(110)に関する1以上のリソース推奨を生成するステップをさらに含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
閉鎖空間(104)において殺菌リソースを割り当てるためのシステム(100)であって、
前記閉鎖空間(104)内にある1以上のセンサ(120)であって、前記閉鎖空間(104)内の1以上のアクションを検出し、1以上の前記アクションを表す1以上のアクション検出信号(130)を出力するように構成された、センサと、
1以上の前記センサ(120)と通信するリソース割当制御ユニット(132)であって、1以上の前記アクションの1以上のトリガイベントに基づいて、前記閉鎖空間(104)について1以上の紫外(UV)ランプに関する1以上のリソース推奨を生成するように構成された、リソース割当制御ユニットと、
を備える、システム。
【請求項22】
前記リソース割当制御ユニット(132)は、1以上の前記センサ(120)から1以上の前記アクション検出信号(130)を受信するように構成され、前記リソース割当制御ユニット(132)は、1以上の前記アクション検出信号(130)から1以上の前記トリガイベントを決定するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記リソース割当制御ユニット(132)は、所定の時間にわたる前記トリガイベントに関するデータをメモリ(134)に記憶する、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
前記データは、前記トリガイベントの位置を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記データは、前記トリガイベントの日付をさらに含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記リソース割当制御ユニット(132)は、所定の期間にわたる前記トリガイベントの領域を示すイベントマップ(136)を生成するようにさらに構成される、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項27】
前記リソース割当制御ユニット(132)と通信するユーザインターフェース(140)をさらに備え、
前記リソース割当制御ユニット(132)は、1以上のリソース推奨を含むリソース割当信号(138)を前記ユーザインターフェース(140)に出力し、
前記ユーザインターフェース(140)は、前記ユーザインターフェース(140)のディスプレイ(142)上に1以上の前記リソース推奨を示す、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項28】
前記閉鎖空間(104)は、ビークルの内部客室を備える、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項29】
1以上の前記センサ(120)は、前記内部客室内の1以上の座席に関連付けられている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
1以上の前記トリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項31】
1以上の前記センサ(120)は、少なくとも1つのマイクロフォン(122)、少なくとも1つのカメラ(124)、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える、請求項21または22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、民間航空機の内部客室などの閉鎖空間の各部(閉鎖空間の内部の流体及び表面など)の殺菌するための及び閉鎖空間において殺菌リソースを割り当てるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機などのビークルが、さまざまな場所の間で乗客を輸送するために使用される。例えば紫外(UV)光を使用するシステムが、航空機内の領域を消毒し、あるいは他のやり方で殺菌するために、現時点において開発されている。
【0003】
動作中に、UV発光体は、典型的には、電力を消費し、熱を発生させる。したがって、電力及びリソースが限られている環境において持続的なUV発光体を使用することは、持続的なUV発光体が望まれるよりも多くの電力を消費しかねないため、実用的でない可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
UV発光体を効果的かつ効率的に動作させるためのシステム及び方法に対するニーズが存在する。さらに、リソースが限られている環境においてUV発光体を動作させるためのシステム及び方法に対するニーズが存在する。さらに、環境内に殺菌リソースを割り当てるためのシステム及び方法に対するニーズが存在する。
【0005】
これらのニーズを念頭に、本開示の特定の実施形態は、閉鎖空間を殺菌するためのシステムを提供する。システムは、閉鎖空間内の1以上のセンサを含む。1以上のセンサは、閉鎖空間内の1以上のアクションを検出し、1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を出力するように構成される。閉鎖空間内に、1以上の紫外(UV)ランプも存在する。1以上のUVランプは、閉鎖空間の1以上の部分に対してUV光を放射するように構成される。殺菌制御ユニットが、1以上のセンサ及び1以上のUVランプと通信する。殺菌制御ユニットは、1以上のセンサから1以上のアクション検出信号を受信するように構成される。さらに、殺菌制御ユニットは、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して、1以上のUVランプの動作を変更するように構成される。
【0006】
少なくとも1つの例において、閉鎖空間は、ビークルの内部客室を含む。さらなる例として、1以上のセンサは、内部客室内の1以上の座席に関連付けられる。
【0007】
少なくとも1つの例において、UVランプは、遠UVスペクトルの範囲内のUV光を放射するように構成される。
【0008】
少なくとも1つの例において、トリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む。
【0009】
一例として、1以上のセンサは、少なくとも1つのマイクロフォン、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの微粒子センサまたは少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える。別の例として、1以上のセンサは、少なくとも1つのマイクロフォン、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサを含む。
【0010】
少なくとも1つの例において、殺菌制御ユニットは、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して、1以上の表面へとUV光を放射するように1以上のUVランプを作動させることによって、1以上のUVランプの動作を変更するように構成される。少なくとも1つの他の例において、殺菌制御ユニットは、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して、UV光の強度を増加させることによって、1以上のUVランプの動作を変更するように構成される。
【0011】
少なくとも1つの例において、1以上のセンサ及び1以上のUVランプは、共通のハウジングに一体化される。
【0012】
少なくとも1つの例において、システムは、1以上のセンサと通信するリソース割当制御ユニットをさらに含む。リソース割当制御ユニットは、トリガイベントのうちの1以上に基づいて、閉鎖空間のための1以上のUVランプに関する1以上のリソース推奨を生成するように構成される。
【0013】
本開示の特定の実施形態は、閉鎖空間を殺菌するための方法を提供する。本方法は、殺菌制御ユニットによって、閉鎖空間内の1以上のセンサから、閉鎖空間内の1人以上の個人の1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を受信するステップと、殺菌制御ユニットによって、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して、閉鎖空間内の1以上の紫外(UV)ランプの動作を変更するステップと、を含む。
【0014】
本開示の特定の実施形態は、閉鎖空間において殺菌リソースを割り当てるためのシステムを提供する。システムは、閉鎖空間内の1以上のセンサを含む。1以上のセンサは、閉鎖空間内の1以上のアクションを検出し、1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を出力するように構成される。リソース割当制御ユニットが、1以上のセンサと通信する。リソース割当制御ユニットは、1以上のアクションの1以上のトリガイベントに基づいて、閉鎖空間のための1以上の紫外(UV)ランプに関する1以上のリソース推奨を生成するように構成される。
【0015】
少なくとも1つの例において、リソース割当制御ユニットは、1以上のセンサから1以上のアクション検出信号を受信するように構成される。リソース割当制御ユニットは、1以上のアクション検出信号から1以上のトリガイベントを決定するようにさらに構成される。
【0016】
少なくとも1つの例において、リソース割当制御ユニットは、所定の時間にわたるトリガイベントに関するデータをメモリに記憶する。さらなる例として、データは、トリガイベントの位置を含む。さらなる例として、データは、トリガイベントの日付も含む。
【0017】
少なくとも1つの例において、リソース割当制御ユニットは、所定の期間にわたるトリガイベントの領域を示すイベントマップを生成するようにさらに構成される。
【0018】
少なくとも1つの例において、ユーザインターフェースが、リソース割当制御ユニットと通信する。リソース割当制御ユニットは、1以上のリソース推奨を含むリソース割当信号をユーザインターフェースに出力する。ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースのディスプレイに1以上のリソース推奨を表示する。
【0019】
本開示の特定の実施形態は、閉鎖空間において殺菌リソースを割り当てるための方法を提供する。本方法は、リソース割当制御ユニットによって、閉鎖空間内の1以上のセンサによって検出された1以上のアクションの1以上のトリガイベントに基づいて、閉鎖空間のための1以上の紫外(UV)ランプに関する1以上のリソース推奨を生成するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の一例による閉鎖空間の1以上の部分を殺菌するためのシステムの概略のブロック図を示している。
【
図2】本開示の一例による閉鎖空間の1以上の部分を殺菌するためのシステムの概略のブロック図を示している。
【
図3】本開示の一例による閉鎖空間内の表面を殺菌するための方法のフローチャートを示している。
【
図4】本開示の一例による閉鎖空間におけるリソース割り当てのための方法のフローチャートを示している。
【
図5】本開示の一例による制御ユニットの概略のブロック図を示している。
【
図6】本開示の一例による航空機の斜視正面図を示している。
【
図7A】本開示の一例による航空機の内部客室の平面図を示している。
【
図7B】本開示の一例による航空機の内部客室の平面図を示す。
【
図8】本開示の一例による航空機の内部客室の斜視内部図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述の概要、ならびに特定の実装形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて検討されたときに、よりよく理解されるであろう。本明細書において使用されるとき、単数形で記載され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語に続けられる要素またはステップは、それらの要素またはステップが複数であることを必ずしも排除するものではないと理解されるべきである。さらに、「一例」への言及は、そこで述べられる特徴をやはり備えるさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうでないことが明確に述べられていない限り、特定の条件を有する1以上の要素を「備える(comprising)」または「有する(having)」実施形態は、その条件を有していない追加の要素を含むことができる。
【0022】
本開示の特定の実施形態は、持続的な紫外(UV)光消毒システムのインテリジェントな動作及び割当のためのシステム及び方法を提供する。本システム及び方法は、1以上のセンサと、1以上のUVランプの制御及び電力管理システムに入力される検出アルゴリズムとを含む。センサの例として、マイクロフォン、カメラ、微粒子センサ、圧力センサなどが挙げられる。例えば、マイクロフォンを、咳またはくしゃみの範囲内に関連する周波数を有する音を検出するように構成することができる。そのような音が検出されると、UVランプを作動させ、かつ/または強めて、音が検出された領域及びその周囲の領域を殺菌することができる。
【0023】
本開示の特定の実施形態は、閉鎖空間内のさまざまな箇所に取り付けられた複数の紫外(UV)ランプを含む殺菌システムを提供する。UVランプは、電源から電力を受け取り、閉鎖空間内の表面へとUV光を放射するように構成される。1以上のプロセッサを含む制御ユニットが、UVランプに動作可能に接続される。1以上のセンサが、閉鎖空間内に配置され、制御ユニットに動作可能に接続される。センサは、閉鎖空間内の1人以上の個人に由来するアクション(音及び動き、例えば咳及びくしゃみなど)を検出するように構成される。少なくとも1つの例において、制御ユニットは、検出されたイベントに基づいて、環境内に配置されたUVランプのうちの1以上に供給される電力を変更するように構成される。
【0024】
図1が、本開示の一例による閉鎖空間104の1以上の部分を殺菌するためのシステム100の概略のブロック図を示している。それらの部分は、表面102及び/または領域106内の流体103(例えば、空気、エアロゾルなど)などのうちの1以上を含む。少なくとも1つの例において、閉鎖空間104は、民間航空機などのビークルの内部客室である。少なくとも1つの他の例において、閉鎖空間104は、住宅または商業用ビルの1以上の部屋である。一例として、閉鎖空間104は、病院内の手術室であってよい。少なくとも1つの他の例において、閉鎖空間104は、スタジアム及び/またはコンサート空間などの屋外会場である。
【0025】
閉鎖空間104は、1以上の領域106を含む。個人108が、領域106内に位置する。例えば、個人108は、ビークルの内部客室内の(例えば、領域106の)各区域に位置する乗客である。個人108は、民間航空機の客席など、領域106内に着席することができる。
【0026】
表面102は、閉鎖空間104内の任意の物理的表面であってよい。例えば、表面102は、閉鎖空間104内の壁、床、天井、テーブル、カウンタートップ、座席などを含む。閉鎖空間104がビークルの内部客室である例において、表面102は、例えば客室、調理室、トイレなどにおける床、壁、天井、客席、カウンター、引き出し、キャビネットなどを含む。
【0027】
閉鎖空間104内に、1以上の紫外(UV)ランプ110が配置される。例えば、複数のUVランプ110が、閉鎖空間104の至る所に配置される。UVランプ110は、閉鎖空間104内のさまざまな箇所に取り付けられた固定構造であってよい。例えば、UVランプ110を、閉鎖空間104内の壁、天井、床などに固定することができる。さらなる例として、閉鎖空間104内の構造に固定されたUVランプ110は、位置が固定されていても、あるいは随意により可動(例えば、回転可能、枢動可能、関節運動可能など)であってもよい。別の例として、UVランプ110は、閉鎖空間104の全体に移動することができる移動式システムであってよい。一例として、UVランプ110は、例えば、棒状アセンブリ内にあってよく、カートに組み合わせられてよく、あるいはロボット殺菌システムの一部であってよい。
【0028】
UVランプ110は、UV光112を流体103及び/または表面102などの1以上の部分へと放射するように構成される。UV光112は、表面102及び/または流体103などを殺菌する。少なくとも一例において、UVランプ110は、人間に危険を引き起こすことなく微生物(例えば、ウイルス及び細菌)を無効化する(例えば、殺す)222nmの波長などの遠UV光スペクトルのUV光112を放射する。UVランプ110を、閉鎖空間104内で、病原体を除染するため及び死滅させるために使用することができる。随意により、UVランプ110を、UVCスペクトルなどの他の波長(例えば、254nmの波長)でUV光112を放射するように構成することができる。
【0029】
UVランプ110は、UVランプ110に電力を供給する電源114に組み合わせられる。電源114は、閉鎖空間104内の交流(AC)電力の供給源などの主電源である。別の例として、電源114は、1以上の電池であってよい。別の例として、電源114は、UVランプ110の別個の電源であってよい。UVランプ110は、殺菌リソースの例である。
【0030】
少なくとも一例において、UVランプ110を、ビークルの内部客室内の1以上の座席に関連付けることができる。例えば、UVランプ110を、例えば1以上の旅客サービスユニット(PSU)内など、内部客室内の1以上の座席の上方に取り付けることができる。別の例として、UVランプ110を、内部客室内の座席の列に関連付けることができる。例えば、単一のUVランプ110を、座席の列の上方に配置することができる。別の例として、UVランプ110を、内部客室内の特定の領域に関連付けることができる。例えば、UVランプ110を、内部客室内の調理室、トイレ、座席の区域などにおける天井、壁などの一部分に取り付けることができる。
【0031】
殺菌制御ユニット116が、例えば1以上の有線または無線接続を介して、UVランプ110及び/または電源114と通信する。殺菌制御ユニット116は、データを記憶するメモリ118を含み、あるいはそのようなメモリ118と通信する。少なくとも一例において、殺菌制御ユニット116は、閉鎖空間104内にある。随意により、殺菌制御ユニット116は、閉鎖空間104から離れていてもよい。
【0032】
閉鎖空間104内に、1以上のセンサ120が配置される。センサ120は、例えば1以上の有線または無線接続を介して、殺菌制御ユニット116と通信する。センサ120は、閉鎖空間104内のアクションを検出するように構成される。特には、センサ120は、個人108の1以上のアクションを検出するように構成される。アクションは、音または動きを含む。例えば、アクションは、くしゃみまたは咳に関連した音であってよい。別の例として、アクションは、くしゃみまたは咳に関連した物理的な動きを含む。
【0033】
センサ120の一例は、マイクロフォン122を含む。マイクロフォン122は、音などのアクションを検出するように構成される。少なくとも一例において、マイクロフォン122は、咳またはくしゃみと相関する音の周波数など、咳またはくしゃみに関連した音を検出するように構成される。音に関連したデータが、例えばメモリ118に記憶される。
【0034】
センサ120の例は、写真カメラ、ビデオカメラ、赤外線カメラなどのカメラ124を含む。少なくとも一例において、カメラ124は、咳またはくしゃみと相関する個人108によって吐き出される空気及び/または液滴の雲、物理的な揺れ、頭部の動き、顔の動きなどの咳またはくしゃみに関連した視覚的インジケータを検出するように構成される。視覚的インジケータに関連したデータが、例えばメモリ118に記憶される。
【0035】
センサ120の一例は、空気中の粒子状物質を検出するように構成された化学センサなどの微粒子センサ126を含む。少なくとも一例において、微粒子センサ126は、個人108が吐き出す咳またはくしゃみに関連した微粒子を検出するように構成される。粒子状物質に関連したデータが、例えばメモリ118に記憶される。
【0036】
センサ120の一例は、咳またはくしゃみに関連した圧力変化を検出するように構成された圧力センサを含む。圧力変化に関連したデータが、例えばメモリ118に記憶される。
【0037】
センサ120の一例は、1以上の化学物質を検出するように構成された化学センサを含む。化学物質を、表面、エアロゾル、空気または他のそのような流体などにおいて検出することができる。
【0038】
センサ120は、閉鎖空間104内の所定の位置に固定された専用センサであってよい。別の例として、センサ120は、閉鎖空間104内で移動可能であってよい。少なくとも1つの例において、センサ120は、閉鎖空間104内の個人、係員などのスマートフォンまたはタブレットなどの手持型デバイスの一部であってよい。
【0039】
少なくとも一例において、センサ120は、閉鎖空間104などの環境内に分布したセンサ120(マイクロフォン122、カメラ124、微粒子センサ126及び/または圧力センサ128など)のアレイを含む。少なくとも一例において、センサ120を、ビークルの内部客室内の1以上の座席に関連付けることができる。例えば、センサ120を、例えば1以上の旅客サービスユニット(PSU)内など、内部客室内の1以上の座席の上方に取り付けることができる。別の例として、センサ120を、内部客室内のシート上またはシート内に取り付けることができる。別の例として、センサ120を、内部客室内の座席の列に関連付けることができる。例えば、単一のセンサ120を、座席の列の上方に配置することができる。別の例として、センサ120を、内部客室内の特定の領域に関連付けることができる。例えば、センサ120を、内部客室内の調理室、トイレ、座席の区域などにおける天井、壁などの一部分に取り付けることができる。
【0040】
図1が、センサ120の例を示している。センサ120は、示されている例よりも多い数または少ない数を含むことができる。例えば、少なくとも一例において、センサ120は、マイクロフォン122などの音響センサのみを含む。別の例として、センサ120は、カメラ124のみを含むことができる。別の例として、センサ120は、マイクロフォン122、カメラ124、微粒子センサ126及び/または圧力センサ128のうちの少なくとも2つを含むことができる。
【0041】
動作時に、殺菌制御ユニット116は、センサ120による個人108の1以上のアクションの検出に応答して、UVランプ110を動作させて表面102を殺菌する。少なくとも一例において、殺菌制御ユニット116は、検出された個人108のアクションがトリガイベントであると1以上のセンサ120が検出すると、1以上のUVランプ110を作動させる。例えば、アクションは、くしゃみまたは咳に関連する周波数またはデシベルレベルである。別の例として、アクションは、吐き出された流体の雲など、くしゃみまたは咳に関連する視覚的指標を含む。センサ120のうちの1以上が、閉鎖空間の特定の領域106内の個人108から生じるアクションを検出する。例えば、マイクロフォン122、カメラ124、微粒子センサ126及び/または圧力センサ128が、アクション及びその場所を検出する。センサ120は、アクションを知らせる1以上のアクション検出信号130を殺菌制御ユニット116へと出力する。殺菌制御ユニット116は、アクション検出信号130をメモリ118に記憶されたデータで分析して、アクションがトリガイベントであるかどうか(例えば、くしゃみまたは咳に関連する周波数またはデシベルレベルであるかどうか、くしゃみまたは咳に関連する視覚的指標を含むかどうかなど)を判定する。トリガイベントは、殺菌制御ユニット116によるアクションの場所及び/またはその付近(20フィート以内など)のUVランプ110の動作状態の変更を生じさせるようなイベントである。例えば、メモリ118に記憶されたデータは、くしゃみ、咳または他のそのようなトリガイベントに関連する周波数、物理的な運き、微粒子含有量、圧力などに関するデータを含む。
【0042】
殺菌制御ユニット116が、個人のアクションがトリガイベント(咳またはくしゃみなど)であると判定した場合、殺菌制御ユニット116は、トリガイベントの位置及び/またはその付近のUVランプ110の動作を変更する。例えば、殺菌制御ユニット116は、トリガイベント及び/またはその周囲に位置する1以上の表面102を殺菌するために、UVランプ110を作動させて、トリガイベントに近接(10フィート以下の半径の内側など)する1以上の表面102へとUV光112を放射することができる。殺菌制御ユニット116は、5秒以下などの所定の殺菌期間にわたってUVランプ110を作動状態で動作させ、次いでUVランプ110を停止させることができる。別の例として、UVランプ110は、第1の強度でUV光112を放射する持続的なUVランプ110であってよい。トリガイベントに応答して、殺菌制御ユニット116は、UVランプ110が5秒以下などの所定の強度増加期間にわたって第1の強度よりも大きい第2の強度でUV光112を放射するように、電源114からUVランプ110への電力を変更する(例えば、電力を増加させる)ことができる。このように、トリガイベント(センサ120によって検出されるくしゃみまたは咳など)に応答して、殺菌制御ユニット116は、5秒以下などの所定の期間にわたって、例えばUVランプ110を作動させることまたは放射されるUV光112の強度を増加させることなどにより、UVランプ110の動作を変更する。随意により、所定の期間は5秒よりも長くてもよい。例えば、所定の期間は、10秒、20秒、30秒またはさらに長くてもよい。
【0043】
少なくとも一例において、UVランプ110は、持続的なUV殺菌システムの一部である。殺菌制御ユニット116は、センサ120によって検出される個人108のトリガイベントの検出に基づいてUVランプ110の動作を制御する。システム100は、咳またはくしゃみなどのトリガイベントの検出に基づいてUVランプ110の動作を(例えば、電力を制御することによって)変更することで、より安全でより効率的な殺菌を提供する。
【0044】
少なくとも一例において、殺菌制御ユニット116は、センサ120によって出力されたアクション検出信号130をメモリ118に記憶された複雑なニューラルネットワークに関して分析する。複雑なニューラルネットワークは、咳及びくしゃみなどのアクション、あるいは活性化関数及びフィードバックループに基づいてパターンを検出する他の深層学習技術を検出するように訓練される。アクション検出信号130は、アクション(咳、くしゃみなど)の位置を含む。アクション検出信号130が咳またはくしゃみなどのトリガイベントである場合、殺菌制御ユニット116は、それに応じてUVランプ110の動作を変更する。例えば、殺菌制御ユニット116は、閉鎖空間104内のトリガイベントの発生場所を決定し、例えばトリガイベントに関連して異なるパターンの光を作動させ、かつ/またはUVランプ110の電力及び強度を変化させる。
【0045】
少なくとも一例において、殺菌制御ユニット116は、トリガイベントの中心点を決定し、UV光112のうちのより多くの量が中心点に集中し、より少量が中心点からさらに遠ざかる(10フィート離れるなど)ように、UVランプ110の放射照度を制御する。少なくとも一例において、閉鎖空間104が民間航空機の内部客室である場合、UVランプ110への電力は、飛行段階によってさらに制御されてよく、あるいは乗客の移動またはセンサネットワークもしくは飛行乗務員による手動介入からもたらされる任意の他の種類の入力に応答してもよい。
【0046】
図示のように、UVランプ110は、センサ120及び殺菌制御ユニット116とは別個であってよい。随意により、UVランプ110は、センサ120及び/または殺菌制御ユニット116に一体化されてよい。例えば、UVランプ110のうちの1以上が、センサ120のうちの1以上及び/または殺菌制御ユニット116をさらに含むことができる。
【0047】
(UVランプ110からUV光を同じ強度で絶えず放出するのとは対照的に)センサ120によって検出されるトリガイベント(咳またはくしゃみなど)に応答してUVランプ110の動作を変更することにより、システム100は、全体的な電力消費を削減し、冷却要件を低減し、生じるオゾンを大幅に少なくし、閉鎖空間104の全体にわたってすべての咳及びくしゃみの発生源を追跡するように人々を監視する必要がない。さらに、システム100は、UVランプ110を作動させておく時間の自動変更、ならびに新たな領域構成の可能性を可能にすることによって、さまざまな感染に適応可能である。
【0048】
本明細書に記載されるように、少なくとも一例において、閉鎖空間104を殺菌するためのシステム100は、閉鎖空間104内の1以上のセンサ120を含む。1以上のセンサ120は、閉鎖空間104内の1以上のアクションを検出し、1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号130を出力するように構成される。閉鎖空間104内に、1以上の紫外(UV)ランプ110も存在する。1以上のUVランプ110は、閉鎖空間104内の1以上の表面102へとUV光112を放射するように構成される。殺菌制御ユニット116は、1以上のセンサ120及び1以上のUVランプ110と通信する。殺菌制御ユニット116は、1以上のセンサ120から1以上のアクション検出信号130を受信するように構成される。殺菌制御ユニット116は、トリガイベントである1以上のアクション(例えば、咳、くしゃみ、大声(例えば、所定のデシベルレベルを超える音声信号)など)に応答して、1以上のUVランプ110の動作を変更するようにさらに構成される。
【0049】
少なくとも1つの例においては、リソース割当制御ユニット132が、1以上の有線または無線接続を介してセンサ120と通信する。リソース割当制御ユニット132は、殺菌制御ユニット116とは別個であってよい。随意により、リソース割当制御ユニット132及び殺菌制御ユニット116は、例えば、共通の集積チップ内などの共通の制御ユニットの一部であってよい。
【0050】
動作時に、リソース割当制御ユニット132は、センサ120から出力されるアクション検出信号130を監視する。リソース割当制御ユニット132は、アクション検出信号130を分析して、センサ120によって検出されたアクションの位置を決定する。リソース割当制御ユニット132は、閉鎖空間104の種々の領域106に関するデータを記憶するメモリ134に結合し、あるいはそのようなメモリ134を含む。
【0051】
アクション検出信号130の受信に応答して、リソース割当制御ユニット132は、上述したように、アクション検出信号130によって示されるアクションがトリガイベントであるかどうか判定する。少なくとも1つの例において、リソース割当制御ユニット132は、例えば1以上の有線または無線接続を介して、殺菌制御ユニット116と通信する。アクションがトリガイベントであるかどうかをリソース割当制御ユニット132が別個に判定する代わりに、殺菌制御ユニット116が、アクションがトリガイベントであるかどうかを判定することができる。
【0052】
リソース割当制御ユニット132は、トリガイベントに関するデータをメモリ134に記憶する。トリガイベントに関するデータは、トリガイベントの位置を含み、トリガイベントの日時も含むことができる。リソース割当制御ユニット132は、所定の期間にわたってトリガイベントに関するデータを蓄積する。所定の期間は、1回の旅(飛行など)、複数回の旅(5回以上の旅など)、1日、複数日、1ヵ月、複数月、1年などであってよい。所定の時間が長いほど、データのロバスト性が高くなる。
【0053】
次いで、リソース割当制御ユニット132は、所定の期間にわたるトリガイベントの領域を示すイベントマップ136を作成することができる。例えば、イベントマップ136は、閉鎖空間内のさまざまな位置におけるトリガイベントの頻度を示す。イベントマップ136は、トリガイベントがより頻繁に発生する領域を示す。同様に、イベントマップ136は、トリガイベントがあまり頻繁には発生しない領域を示す。したがって、イベントマップ136を使用して、閉鎖空間104においてUVランプ110などの殺菌リソースをどこに配置するかを決定することができる。
【0054】
少なくとも一例において、リソース割当制御ユニット132は、閉鎖空間104に関するリソース推奨を提供する。リソース推奨は、殺菌リソース(UVランプ110など)の数及び閉鎖空間104内の殺菌リソースの位置を含む。例えば、リソース推奨は、メモリ134に記憶された閾値に基づいてUVランプ110のための領域を示す。例えば、トリガイベントが所定の期間において領域106内で少なくとも特定の所定の回数(例えば、5回、10回、20回またはそれ以上)発生した場合、リソース割当制御ユニット132は、その領域に1以上のUVランプ110を配置するように推奨する。反対に、所定の期間における領域106内でのトリガイベントの発生の回数が特定の所定の回数よりも少ない場合、リソース割当制御ユニット132は、その領域に1以上のUVランプ110を配置しないことを推奨する。このようにして、リソース割当制御ユニット132は、閉鎖領域106内のUVランプ110の効率的かつ有効な位置を決定するように構成される。UVランプ110を、リソース割当制御ユニット132によって行われる解析に基づいて移動させ、変更することが可能である。
【0055】
リソース割当制御ユニット132は、決定されたトリガイベントの領域、イベントマップ136及び/またはリソース推奨に関するデータを含むリソース割当信号138を出力する。リソース割当信号138は、例えば1以上の有線または無線接続を介してリソース割当制御ユニット132と通信することができるユーザインターフェース140によって受信されてよい。ユーザインターフェース140は、閉鎖空間104内にあっても、閉鎖空間104から離れていてもよい。ユーザインターフェース140は、コンピューターワークステーション、ラップトップコンピューター、手持型スマートデバイスなどであってよい。ユーザインターフェース140は、モニタ、テレビ、タッチスクリーンインターフェースなどの電子ディスプレイ142を含む。リソース割当信号138に関する情報を、ディスプレイ142において提示することができる。
【0056】
少なくとも一例において、リソース割当制御ユニット132は、アクション検出信号130を分析してトリガイベントの位置を決定し、閉鎖空間104及び/または別の同様の閉鎖空間104に関するイベントマップ136を生成する。このようにして、リソース割当制御ユニット132を、将来の閉鎖空間(例えば、製造中または製造予定の民間航空機の内部客室)に関して、UVランプ110など殺菌リソースのための位置を決定するために使用することができる。したがって、リソース割当制御ユニット132を、UVランプ110及び/または殺菌制御ユニット116を含んでもよく、あるいは含まなくてもよいシステムにおいて使用することができる。少なくとも1つの他の例において、システム100は、リソース割当制御ユニット132を含まなくてよい。
【0057】
本明細書に記載されるように、少なくとも一例において、閉鎖空間104内に殺菌リソースを割り当てるためのシステム100は、閉鎖空間104内の1以上のセンサ120を含む。1以上のセンサ120は、閉鎖空間内の1以上のアクションを検出し、1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号130を出力するように構成される。リソース割当制御ユニット132は、1以上のセンサ120と通信する。リソース割当制御ユニット132は、1以上のセンサ120から1以上のアクション検出信号130を受信するように構成される。リソース割当制御ユニット132は、1以上のアクションの1以上のトリガイベントに基づいて、閉鎖空間104のための1以上の紫外(UV)ランプ110に関する1以上のリソース推奨を生成するようにさらに構成される。少なくとも一例において、UVランプ110を、リソース推奨に基づいて閉鎖空間104内に配置することができる。
【0058】
少なくとも一例において、UVランプ110は、センサ120のうちの1以上を含むことができる。さらに、殺菌制御ユニット116を、UVランプ110内に収容することができる。加えて、リソース割当制御ユニット132を、UVランプ110内に収容することができる。図示のように、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132は、別れた別個の制御ユニットであってよい。随意により、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132は、例えば集積チップ内などの統合された処理システムの一部であってよい。
【0059】
図2が、本開示の一例による閉鎖空間内の表面を殺菌するためのシステム100の概略のブロック図を示している。システム100は、共通のハウジング150に一体化された1以上の構成要素を含むことができる。例えば、ハウジング150は、UVランプ110、センサ120、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132を含む。
【0060】
少なくとも1つの他の例において、ハウジング150は、リソース割当制御ユニット132を含まない。代わりに、リソース割当制御ユニット132は、ハウジング150から離れて別個であってよい。
【0061】
少なくとも1つの他の例において、ハウジング150は、殺菌制御ユニット116を含まない。代わりに、殺菌制御ユニット116は、ハウジング150から離れて別個であってよい。
【0062】
少なくとも1つの例において、ハウジング150は、UVランプ110及びセンサ120を含むが、殺菌制御ユニット116またはリソース割当制御ユニット132を含まない。再び
図1を参照すると、少なくとも1つの例において、UVランプ110、センサ120、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132はすべて、互いに離れて別個であってよい(すなわち、共通のハウジングに一体化されていない)。
【0063】
図3が、本開示の一例による閉鎖空間内の表面を殺菌するための方法のフローチャートを示している。
図1及び
図3を参照すると、方法はステップ200で始まり、ステップ200において、殺菌制御ユニット116が、1以上のセンサ120から1以上のアクション検出信号130を受信する。ステップ202において、殺菌制御ユニット116は、アクション検出信号130がトリガイベントを表すか否かを判定する。否である場合、方法はステップ204に進み、ステップ204において、殺菌制御ユニット116は、1以上のUVランプ110の現在の動作状態(例えば、停止または第1の強度で作動)を維持する。
【0064】
しかしながら、ステップ202において、殺菌制御ユニット116が、アクション検出信号130がトリガイベントを表していると判定した場合、方法はステップ206に進み、ステップ206において、殺菌制御ユニット116は、1以上のUVランプ110の動作状態を変更する(例えば、作動させ、あるいは第1の強度よりも大きい第2の強度で動作させる)。
【0065】
ステップ208において、殺菌制御ユニット116は、変更された動作状態のための時間が満了したか否かを判定する。例えば、変更された動作状態のための時間は、変更された動作によってトリガイベントに近接した表面102が効果的に殺菌されると判断される時間(より高い強度のUV光を3秒~5秒など)である。時間が満了していない場合、方法はステップ210に進み、ステップ210において、殺菌制御ユニット116は、UVランプ110の変更された動作状態を継続する。次いで、方法はステップ208に戻る。
【0066】
ステップ208において、時間満了した場合、方法はステップ212に進み、ステップ212において、殺菌制御ユニット116は、UVランプ110の変更された動作状態を終了する。次いで、方法はステップ200に戻る。
【0067】
図4が、本開示の一例による閉鎖空間においてリソースを割り当てるための方法のフローチャートを示している。
図1及び
図4を参照すると、本方法はステップ220で始まり、ステップ220において、リソース割当制御ユニット132が、1以上のセンサ120から1以上のアクション検出信号130を受信する。ステップ222において、リソース割当制御ユニット132は、アクション検出信号130がトリガイベントを表すか否かを判定する。否である場合、プロセスはステップ220に戻る。
【0068】
しかしながら、アクション検出信号130のうちの1以上がトリガイベントを表す場合、リソース割当制御ユニット132は、トリガイベントをメモリ134に記憶する。ステップ226において、リソース割当制御ユニット132は、所定の時間(例えば、飛行または他のそのような旅、複数回の飛行/旅、1日、複数日、1ヵ月、複数月並びに/あるいは1年またはさらに長期)にわたってトリガイベントを蓄積する。ステップ228において、リソース割当制御ユニット132は、メモリ134に記憶されたトリガイベントに基づいて、閉鎖空間104に関するリソース推奨を生成する。ステップ230において、リソース割当制御ユニット132は、リソース推奨を表すデータを含むリソース割当信号138をユーザインターフェース140に出力する。
【0069】
図5が、本開示の一例による制御ユニット300の概略のブロック図を示している。
図1に示した殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132を、
図5に示されるように構成することができる。少なくとも一例において、制御ユニット300は、メモリ304と通信する少なくとも1つのプロセッサ302を含む。メモリ304は、命令306、受信データ308及び生成データ310を格納する。
図5に示される制御ユニット300は、単なる例示であり、非限定的である。
【0070】
本明細書において使用されるとき、「制御ユニット」、「中央処理ユニット」、「ユニット」、「CPU」、「コンピューター」などの用語は、マイクロコントローラーを使用するシステムを含む任意のプロセッサベースまたはマイクロプロセッサベースのシステム、縮小命令セットコンピューター(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、ならびに本明細書に説明の機能を実行することができるハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせを含む任意の他の回路またはプロセッサを含むことができる。これらは例示にすぎず、したがって、このような用語の定義及び/または意味をいかなるやり方でも限定することを意図するものではない。例えば、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132は、本明細書に記載されるように、その動作を制御するように構成された1以上のプロセッサであってよく、そのような1以上のプロセッサを含んでよい。
【0071】
殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132などの制御ユニットは、データを処理するために、1以上のデータ記憶ユニットまた要素(1以上のメモリなど)に記憶された命令一式を実行するように構成される。例えば、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132は、1以上のメモリを含むことができ、あるいは1以上のメモリに接続されてよい。さらに、データ記憶ユニットは、所望または必要に応じて、データまたは他の情報を記憶することもできる。データ記憶ユニットは、処理マシン内の情報源または物理メモリ要素の形態であってよい。1以上のデータ記憶ユニットまたは要素は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリを備えることができ、あるいは揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含むことができる。一例として、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)及び/またはフラッシュメモリを備えることができ、揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能することができるランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。開示されたシステム及び方法のデータ記憶部は、これらの種類及び任意の他の適切な種類のメモリを備えるように意図されるが、これらに限られるわけではない。
【0072】
命令一式は、本明細書に記載される主題のさまざまな実施形態の方法及びプロセスなどの特定の動作を実行するように、処理機械としての殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132などの制御ユニットに命令するさまざまなコマンドを含むことができる。命令一式は、ソフトウェアプログラムの形態であってよい。ソフトウェアは、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアなどのさまざまな形態であってよい。さらに、ソフトウェアは、別個のプログラムの集合、より大きなプログラム内のプログラムサブセットまたはプログラムの一部分の形態であってよい。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュール式プログラミングを含むこともできる。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザコマンドに応答し、あるいは先行の処理の結果に応答し、あるいは別の処理マシンによって行われた要求に応答することができる。
【0073】
本明細書の実施形態の図は、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132などの1以上の制御または処理ユニットを示すことができる。処理または制御ユニットが、本明細書に記載の動作を実行する関連の命令(例えば、コンピューターハードドライブ、ROM、RAMなどの有形の非一時的なコンピューター読取可能な記憶媒体に記憶されたソフトウェア)を有するハードウェアとして実装することができる回路、電気回路またはその一部分を表すことができることを、理解すべきである。ハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するように配線された状態機械電気回路を含むことができる。随意により、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラーなどの1以上の論理ベースのデバイスを含み、かつ/またはそのようなデバイスに接続された電子回路を含むことができる。随意により、殺菌制御ユニット116及びリソース割当制御ユニット132などの制御ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサなどのうちの1以上などの処理電気回路を表すことができる。種々の実施形態における回路を、本明細書に記載の機能を実行するための1以上のアルゴリズムを実行するように構成することができる。1以上のアルゴリズムは、フローチャートまたは方法において明示的に特定されているか否かにかかわらず、本明細書に開示された実施形態の態様を含むことができる。
【0074】
本明細書において使用されるとき、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」という用語は互いに置き換え可能であり、コンピューターによる実行のためにRAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むデータ記憶ユニット(例えば、1以上のメモリ)に記憶されたあらゆるコンピュータープログラムを含む。前述のデータ記憶ユニットの種類は、あくまでも例示にすぎず、したがって、コンピュータープログラムを記憶するために使用することができるメモリの種類を限定するものではない。
【0075】
図6が、本開示の一例による航空機510の斜視正面図を示している。航空機510は、例えば、エンジン514を含む推進システム512を含む。随意により、推進システム512は、図示されているよりも多数のエンジン514を含んでよい。エンジン514は、航空機510の翼516によって保持される。他の実施形態において、エンジン514は、胴体518及び/または尾部520によって保持されてもよい。さらに、尾部520は、水平安定板522及び垂直安定板524を支持することができる。
【0076】
航空機510の胴体518は、フライトデッキまたはコックピット、1以上の作業セクション(例えば、調理室、乗員の機内持ち込み手荷物領域など)、1以上の乗客セクション(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス及びコーチの各セクション)、1以上のトイレなどを含む内部客室530を定める。内部客室530は、
図1に示される閉鎖空間104の一例である。
【0077】
あるいは、航空機の代わりに、本開示の実施形態は、自動車、バス、機関車及び列車車両、船舶などのさまざまな他のビークルにおいて使用されてよい。さらに、本開示の実施形態は、商業用及び住宅用の建物などの固定された構造物に関して使用されてもよい。一般に、本明細書に記載の殺菌システムは、閉鎖空間、屋外空間などのさまざまな構成要素を殺菌するために使用することが可能である。
【0078】
図7Aが、本開示の一例による航空機の内部客室530の平面図を示している。内部客室530は、
図6の胴体518などの航空機の胴体532内にあってよい。例えば、1以上の胴体壁が内部客室530を定めることができる。内部客室530は、前方セクション533、ファーストクラスセクション534、ビジネスクラスセクション536、前方調理室ステーション538、拡張エコノミーまたはコーチセクション540、標準エコノミーまたはコーチセクション542、ならびに複数のトイレ及び調理室ステーションを含むことができる後方セクション544などの複数の領域を含む。内部客室530が、図示されているよりも多数または少数の領域を含んでよいことを、理解すべきである。例えば、内部客室530は、ファーストクラスセクションを含まなくてもよく、図示よりも多数または少数の調理室ステーションを含むことができる。セクションの各々を、通路548の間にクラス仕切アセンブリを含むことができる客室移行領域546によって分離してもよい。
【0079】
図7Aに示されるように、内部客室530は、後方セクション544に通じる2つの通路550、552を含む。随意により、内部客室530は、図示よりも少数または多数の通路を有していてもよい。例えば、内部客室530は、内部客室530の中央を通って延び、後方セクション544に通じる単一の通路を含んでもよい。
【0080】
通路548、550、552は、出口経路またはドア通路560まで延びる。出口ドア562が、出口経路560の終わりに位置する。出口経路560は、通路548、550、552に対して垂直であってよい。内部客室530は、図示とは異なる箇所に、より多くの出口経路560を含んでもよい。
図1~
図5に関して図示及び説明した殺菌システムを、例えば、乗客の座席、モニュメント、収納棚アセンブリ、トイレ上及びトイレ内の構成要素、調理室の機器及び構成要素などの内部客室530内のさまざまな表面を殺菌するために使用することができる。
【0081】
図7Bが、本開示の一例による航空機の内部客室580の平面図を示している。内部客室580は、
図6に示した内部客室530の一例である。内部客室580は、航空機の胴体581内にあってよい。例えば、1以上の胴体壁が内部客室580を定めることができる。内部客室580は、乗客の座席583を有する主客室582及び主客室582の後方の後方セクション585などの複数の領域を含む。内部客室580が、図示されているよりも多数または少数の領域を含んでよいことを、理解すべきである。
【0082】
内部客室580は、後方セクション585に通じる単一の通路584を含むことができる。後方セクション585に通じる単一の通路584が、内部客室580の中央を通って延びてよい。例えば、単一の通路584を、内部客室580の中央長手方向平面に同軸に整列させることができる。
【0083】
通路584は、出口経路またはドア通路590まで延びる。出口ドア592が、出口経路590の端部に位置する。出口経路590は、通路584に対して垂直であってよい。内部客室580は、図示よりも多数の出口経路を含んでもよい。
図1~
図5に関して図示及び説明した殺菌システムを、例えば、乗客の座席、モニュメント、収納棚アセンブリ、トイレ上及びトイレ内の構成要素、調理室の機器及び構成要素などの内部客室580内のさまざまな表面を殺菌するために使用することができる。
【0084】
図8が、本開示の一例による航空機の内部客室600の斜視内部図を示している。内部客室600は、天井604に接続された外側壁602を含む。窓606が、外側壁602に形成されてよい。床608が、座席610の列を支持する。
図8に示されるように、列612は、通路613の各側の2つの座席610を含むことができる。しかしながら、列612は、図示されているよりも多数または少数の座席610を含んでよい。さらに、内部客室600は、図示されているよりも多数の通路を含んでよい。
【0085】
旅客サービスユニット(PSU)614が、通路613の両側の外側壁602と天井604との間に固定される。PSU614は、内部客室600の前端と後端との間を延伸する。例えば、PSU614は、列612内の各々の座席610の上方に配置されてよい。各々のPSU614は、一般に通気孔、読書灯、酸素バッグ落下パネル、アテンダント呼出ボタン及び列612内の各々の座席610(または、座席群)の上方の他のこのような制御部を収容するハウジング616を含んでよい。
【0086】
頭上収納棚アセンブリ618が、通路613の両側においてPSU614の上方かつ内側で天井604及び/または外側壁602に固定される。頭上収納棚アセンブリ618は、座席610の上方に固定される。頭上収納棚アセンブリ618は、内部客室600の前端と後端との間に延伸する。各々の収納棚アセンブリ618は、ストロングバックに枢動可能に固定される枢動ビンまたはバケット620を含むことができる。頭上収納棚アセンブリ618は、PSU614の下面よりも上方かつ内側に配置されてよい。頭上収納棚アセンブリ618は、例えば、乗客の機内持ち込み手荷物及び個人的物品を受け入れるために、枢動にて開くように構成される。
【0087】
本明細書において使用されるとき、「外側」という用語は、他の構成要素と比べて、内部客室600の中央長手方向平面622からさらに離れた位置を意味する。「内側」という用語は、他の構成要素と比べて、内部客室600の中央長手方向平面622により近い位置を意味する。例えば、PSU614の下面は、収納棚アセンブリ618に対して外側にあってよい。
【0088】
図1~
図5に関して図示及び説明された殺菌システムを、内部客室600内に示されているさまざまな構造を殺菌するために使用することができる。図示のように、多数のUVランプ110及びセンサ120を内部客室600の全体に配置することができる。例として、UVランプ110を、PSU614、天井604、壁602などに固定することができる。さらに、センサ120を、PSU614、天井604、壁602、座席610などに固定することができる。
【0089】
図1~
図7を参照すると、本開示の実施形態は、大量のデータをコンピューティングデバイスによって迅速かつ効率的に分析することを可能にするシステム及び方法を提供する。例えば、本明細書で説明されるように、閉鎖空間104(航空機の内部客室など)内の多数の個人108の行動が監視される。したがって、大量のデータが追跡及び分析されている。本明細書で説明されるように、膨大な量のデータが、殺菌制御ユニット116及び/またはリソース割当制御ユニット132によって効率的に編成及び/または分析される。殺菌制御ユニット116及び/またはリソース割当制御ユニット132は、閉鎖空間104に関して、UVランプ110をどこでいつ変更すべきかを迅速かつ効率的に決定する、リソース割り当てについての推奨を決定するなどのために、比較的短時間でデータを分析する。人間は、そのような膨大な量のデータをそのような短時間で効率的に分析することはできないと考えられる。したがって、本開示の実施形態は、人間による膨大なデータの分析と比べて、機能の向上及び効率化ならびに極めて優れた性能を提供する。
【0090】
少なくとも一例において、殺菌制御ユニット116及び/またはリソース割当制御ユニット132などのシステム100の構成要素は、閉鎖空間内の表面を殺菌する、閉鎖空間104のためのリソース割り当ての推奨などを生成するなどのための特別なコンピューターシステムを提供し、かつ/またはコンピューターシステムをそのような特別なコンピューターシステムとして動作させることを可能にする。
【0091】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0092】
条項1.閉鎖空間を殺菌するためのシステムであって、
閉鎖空間内にある1以上のセンサであって、閉鎖空間内の1以上のアクションを検出し、1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を出力するように構成された、のセンサと、
閉鎖空間内にある1以上の紫外(UV)ランプであって、閉鎖空間の1以上の部分に対してUV光を放射するように構成された、紫外ランプと、
1以上のセンサ及び1以上のUVランプと通信する殺菌制御ユニットであって、1以上のセンサから1以上のアクション検出信号を受信するように構成され、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して1以上のUVランプの動作を変更するように構成された、殺菌制御ユニットと、
を備える、システム。
【0093】
条項2.閉鎖空間は、ビークルの内部客室を備える、条項1に記載のシステム。
【0094】
条項3.1以上のセンサは、内部客室内の1以上の座席に関連付けられている、条項2に記載のシステム。
【0095】
条項4.UVランプは、遠UVスペクトルの範囲内のUV光を放射するように構成される、条項1から3のいずれかに記載のシステム。
【0096】
条項5.トリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、条項1から4のいずれかに記載のシステム。
【0097】
条項6.1以上のセンサは、少なくとも1つのマイクロフォン、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える、条項1から5のいずれかに記載のシステム。
【0098】
条項7.1以上のセンサは、少なくとも1つのマイクロフォン、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサを備える、条項1から6のいずれかに記載のシステム。
【0099】
条項8.殺菌制御ユニットは、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して1以上のUVランプを作動させることによって、1以上のUVランプの動作を変更して1以上の表面へとUV光を放射するように構成される、条項1から7のいずれかに記載のシステム。
【0100】
条項9.殺菌制御ユニットは、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答してUV光の強度を増加させることによって、1以上のUVランプの動作を変更するように構成される、条項1から8のいずれかに記載のシステム。
【0101】
条項10.1以上のセンサ及び1以上のUVランプは、共通のハウジングに一体化される、条項1から9のいずれかに記載のシステム。
【0102】
条項11.1以上のセンサと通信するリソース割当制御ユニットをさらに備え、リソース割当制御ユニットは、トリガイベントのうちの1以上に基づいて、閉鎖空間について1以上のUVランプに関する1以上のリソース推奨を生成するように構成される、条項1から10のいずれかに記載のシステム。
【0103】
条項12.閉鎖空間を殺菌するための方法であって、
殺菌制御ユニットによって、閉鎖空間内の1以上のセンサから、閉鎖空間内の1人以上の個人の1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を受信するステップと、
殺菌制御ユニットによって、1以上のアクションがトリガイベントであることに応答して、閉鎖空間内の1以上の紫外(UV)ランプの動作を変更するステップと、
を含む、方法。
【0104】
条項13.閉鎖空間は、ビークルの内部客室を備える、条項12に記載の方法。
【0105】
条項14.1以上のセンサは、内部客室内の1以上の座席に関連付けられている、条項13に記載の方法。
【0106】
条項15.トリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、条項12から14のいずれかに記載の方法。
【0107】
条項16.1以上のセンサは、少なくとも1つのマイクロフォン、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの微粒子センサ及び少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える、条項12から15のいずれかに記載の方法。
【0108】
条項17.前記変更するステップは、閉鎖空間の1以上の部分に対してUV光を放射するように1以上のUVランプを作動させることを含む、条項12から16のいずれかに記載の方法。
【0109】
条項18.前記変更するステップは、1以上のUVランプから放射されるUV光の強度を増加させることを含む、条項12から17のいずれかに記載の方法。
【0110】
条項19.1以上のセンサ及び1以上のUVランプを共通のハウジングに一体化させるステップをさらに含む、条項12から18のいずれかに記載の方法。
【0111】
条項20.1以上のセンサと通信するリソース割当制御ユニットによって、トリガイベントのうちの1以上に基づいて、閉鎖空間について1以上のUVランプに関する1以上のリソース推奨を生成するステップをさらに含む、条項12から19のいずれかに記載の方法。
【0112】
条項21.閉鎖空間において殺菌リソースを割り当てるためのシステムであって、
閉鎖空間内にある1以上のセンサであって、閉鎖空間内の1以上のアクションを検出し、1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を出力するように構成された、センサと、
1以上のセンサと通信するリソース割当制御ユニットであって、1以上のアクションの1以上のトリガイベントに基づいて、閉鎖空間について1以上の紫外(UV)ランプに関する1以上のリソース推奨を生成するように構成された、リソース割当制御ユニットと、
を備える、システム。
【0113】
条項22.リソース割当制御ユニットは、1以上のセンサから1以上のアクション検出信号を受信するように構成され、
リソース割当制御ユニットは、1以上のアクション検出信号から1以上のトリガイベントを決定するように構成される、条項21に記載のシステム。
【0114】
条項23.リソース割当制御ユニットは、所定の時間にわたるトリガイベントに関するデータをメモリに記憶する、条項21または22に記載のシステム。
【0115】
条項24.データは、トリガイベントの位置を含む、条項23に記載のシステム。
【0116】
条項25.データは、トリガイベントの日付をさらに含む、条項24に記載のシステム。
【0117】
条項26.リソース割当制御ユニットは、所定の期間にわたるトリガイベントの領域を示すイベントマップを生成するようにさらに構成される、条項21から25のいずれかに記載のシステム。
【0118】
条項27.リソース割当制御ユニットと通信するユーザインターフェースをさらに備え、
リソース割当制御ユニットは、1以上のリソース推奨を含むリソース割当信号をユーザインターフェースに出力し、
ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースのディスプレイ上に1以上のリソース推奨を示す、条項21から26のいずれかに記載のシステム。
【0119】
条項28.閉鎖空間は、ビークルの内部客室を備える、条項21から27のいずれかに記載のシステム。
【0120】
条項29.1以上のセンサは、内部客室内の1以上の座席に関連付けられている、条項28に記載のシステム。
【0121】
条項30.1以上のトリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、条項21から29のいずれかに記載のシステム。
【0122】
条項31.1以上のセンサは、少なくとも1つのマイクロフォン、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの微粒子センサまたは少なくとも1つの圧力センサのうちの1以上を備える、条項21から30のいずれかに記載のシステム。
【0123】
条項32.閉鎖空間内に殺菌リソースを割り当てるための方法であって、
リソース割当制御ユニットによって、閉鎖空間内の1以上のセンサによって検出された1以上のアクションの1以上のトリガイベントに基づいて、閉鎖空間のための1以上の紫外(UV)ランプに関する1以上のリソース推奨を生成するステップ
を含む、方法。
【0124】
条項33.リソース割当制御ユニットによって、1以上のセンサから1以上のアクションを表す1以上のアクション検出信号を受信するステップと、
リソース割当制御ユニットによって、1以上のアクション検出信号から1以上のトリガイベントを決定するステップと、
をさらに含む、条項32に記載の方法。
【0125】
条項34.リソース割当制御ユニットによって、所定の時間にわたるトリガイベントに関するデータをメモリに記憶するステップをさらに含む、条項32または33に記載の方法。
【0126】
条項35.データは、トリガイベントの位置を含む、条項34に記載の方法。
【0127】
条項36.データは、トリガイベントの日付をさらに含む、条項35に記載の方法。
【0128】
条項37.リソース割当制御ユニットによって、所定の期間にわたるトリガイベントの領域を示すイベントマップを生成するステップをさらに含む、条項32から36のいずれかに記載の方法。
【0129】
条項38.リソース割当制御ユニットによって、1以上のリソース推奨を含むリソース割当信号をユーザインターフェースに出力するステップと、
ユーザインターフェースのディスプレイ上に1以上のリソース推奨を示すステップと、
をさらに含む、条項32から36のいずれかに記載の方法。
【0130】
条項39.閉鎖空間は、ビークルの内部客室を備える、条項32から38のいずれかに記載の方法。
【0131】
条項40.1以上のトリガイベントは、咳またはくしゃみの一方または両方を含む、条項32から39のいずれかに記載の方法。
【0132】
本明細書に記載のように、本開示の実施形態は、UV発光体を効果的かつ効率的に動作させるためのシステム及び方法を提供する。さらに、本開示の実施形態は、リソースが限られている環境においてでUV発光体を動作させるためのシステム及び方法を提供する。さらに、本開示の実施形態は、ビークルの内部客室などの環境内に殺菌リソースを割り当てるためのシステム及び方法を提供する。
【0133】
本開示の実施形態を説明するために、頂部、底部、下方、中央、横方向、水平方向、垂直方向、前方などのさまざまな空間及び方向に関する用語を使用することができるが、そのような用語は、図面に示された向きに関して使用されているにすぎないと理解される。向きを、上部が下部であったり、その反対であったり、水平が垂直になったりなどのように、反転させ、回転させ、あるいはその他のやり方で変更することが可能である。
【0134】
本明細書において使用されるとき、タスクまたは動作を実行する「ように構成された(configured to)」構造、限定事項または要素は、とりわけ、そのタスクまたは動作に対応するやり方で構造的に形成され、構築され、あるいは構成される。明確化及び疑問の回避の目的で、単にタスクまたは動作を実行するように変更することができるだけのオブジェクトは、本明細書において使用されるタスクまたは動作を実行する「ように構成された」に当たらない。
【0135】
上記の説明が例示を意図しており、限定を意図していないことを理解すべきである。例えば、上述の実施形態(及び/またはその態様)を、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、個々の状況または材料を本開示のさまざまな実施形態の教示に適合させるために、それらの範囲から逸脱することなく、多数の変更を行うことができる。本明細書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の種々の実施形態のパラメータを定義するように意図されているが、それらの実施形態は、決して限定ではなく、例示的な実施形態である。上記の説明を検討すれば、多くの他の実施形態が当業者にとって明らかであろう。したがって、本開示の種々の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲に与えられる均等物の全範囲と共に決定されるべきである。添付の特許請求の範囲及び本明細書の詳細な説明において、「・・・を含む(including)」及び「そこにおいて(in which)」という用語は、「・・・を備える(comprising)」及び「この場合に(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同義語として使用される。さらに、「第1の」、「第2の」及び「第3の」などの用語は、単にラベルとして用いられ、それらの対象物に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0136】
この書面による説明は、本開示の種々の実施形態を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの製作及び使用、ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本開示の種々の実施形態の実施を当業者にとって可能にするために、例を使用している。本開示の種々の実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者であれば想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが請求項の文言と相違しない構造要素を有する場合または請求項の文言から実質的には相違しない均等な構造要素を含む場合に、特許請求の範囲の技術的範囲に包含されるように意図される。
【符号の説明】
【0137】
100 システム、102 表面、103 流体、104 閉鎖空間、106 領域、108 個人、110 UVランプ、112 UV光、114 電源、116 殺菌制御ユニット、118 メモリ、120 センサ、122 マイクロフォン、124 カメラ、126 微粒子センサ、128 圧力センサ、130 アクション検出信号、132 リソース割当制御ユニット、134 メモリ、136 イベントマップ、138 リソース割当信号、140 ユーザインターフェース、142 ディスプレイ、150 ハウジング、300 制御ユニット、302 プロセッサ、304 メモリ、306 命令、308 受信データ、310 生成したデータ、510 航空機、512 推進システム、514 エンジン、516 翼、518 胴体、520 尾部、522 水平安定板、524 垂直安定板、530 内部客室、532 胴体、533 前方セクション、534 ファーストクラスセクション、536 ビジネスクラスセクション、538 前方調理室ステーション、540 拡張エコノミーまたはコーチセクション、542 標準エコノミーまたはコーチセクション、544 後方セクション、546 客室移行領域、548 通路、550 通路、552 通路、560 出口経路,ドア通路、562 出口ドア、580 内部客室、581 胴体、582 主客室、583 座席、584 通路、585 後方セクション、590 出口経路,ドア通路、592 出口ドア、600 内部客室、602 外側壁、604 点状、606 窓、608 床、610 座席、612 (座席の)列、613 通路、614 旅客サービスユニット(PSU)、616 ハウジング、618 収納棚アセンブリ、620 枢動ビンまたはバケット、622 中央長手方向平面
【外国語明細書】