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特開2022-187496広告マッチングシステムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187496
(43)【公開日】2022-12-19
(54)【発明の名称】広告マッチングシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221212BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221212BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092608
(22)【出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2021095502
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521249265
【氏名又は名称】株式会社アドミッション
(74)【代理人】
【識別番号】100126310
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】相澤 喜晃
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】広告活動に不慣れな当事者への利便性に優れ、取引実情に即して安定的な広告取引を継続できる広告マッチングシステムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物を設置する広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とする広告マッチングシステム1であって、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、広告単価設定部21にて設定された広告単価Pbを所定の変動パターンに基づいて最小取引期間tごとに増加させ、取引期間Tの総和を広告契約料Pとして算出する広告契約料算出部24を具備してなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物を設置する広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とする広告マッチングシステムであって、
広告枠に関する広告枠情報を記憶した広告枠情報管理手段と、
前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報に基づいて、広告枠ごとに予め設定された最小取引期間あたりの基本単価を広告枠の取引状態に応じて変動させて広告単価を設定する広告単価設定手段と、
前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、前記広告単価設定手段にて設定された広告単価を所定の変動パターンに基づいて最小取引期間ごとに増加させ、取引期間の総和を広告契約料として算出する広告契約料算出手段と、
前記広告契約料算出手段にて算出された広告契約料に基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行う広告取引処理手段と、
を具備してなることを特徴とする広告マッチングシステム。
【請求項2】
前記広告単価設定手段は、広告枠に広告物が設置されない期間は最小取引期間ごとに広告単価を漸次減少させて新たな広告単価として設定する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項3】
前記広告単価設定手段は、基本単価を最低の広告単価として設定する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項4】
前記広告単価設定手段は、前記広告契約料算出手段にて算出された広告契約料を取引期間で除した最小取引期間あたりの平均単価を新たな広告単価として設定する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項5】
前記広告単価設定手段は、広告枠の取引期間が終了した時の広告単価を新たな広告単価として設定する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項6】
前記広告契約料算出手段は、取引期間が所定の連続期間である場合に、更に所定の割引率で割り引いた値を広告契約料として算出する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項7】
前記広告契約料算出手段は、取引期間の内、広告単価の増加率が高い変動パターンから広告単価の増加率が低い変動パターンに切り替えて広告契約料を算出する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項8】
前記広告契約料算出手段は、広告枠ごとに広告単価の増加率が異なる変動パターンで広告契約料を算出する請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項9】
前記広告枠情報管理手段は、広告枠情報として一つの広告枠に複数の広告物を設置可能とし、対象となる広告主の業種及びジャンルをそれぞれ異ならせた広告物の設置条件を含む請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項10】
前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠を抽出する広告枠検索処理手段を具備してなる請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項11】
広告主にて予めポイント換算してデポジットされたポイント額の残高に応じて前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の閲覧範囲を制限する広告枠閲覧処理手段を具備してなる請求項1に記載の広告マッチングシステム。
【請求項12】
広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物を設置する広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とする広告マッチングシステムで読み取り可能なプログラムにおいて、
前記広告マッチングシステムを、
広告枠に関する広告枠情報を記憶した広告枠情報管理手段と、
前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報に基づいて、広告枠ごとに予め設定された最小取引期間あたりの基本単価を広告枠の取引状態に応じて変動させて広告単価を設定する広告単価設定手段と、
前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、前記広告単価設定手段にて設定された広告単価を所定の変動パターンに基づいて最小取引期間ごとに増加させ、取引期間の総和を広告契約料として算出する広告契約料算出手段と、
前記広告契約料算出手段にて算出された広告契約料に基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行う広告取引処理手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告マッチングシステムおよびプログラムの技術に関し、より詳細には、広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物の広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引をマッチングする広告マッチングシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等では商品やサービスを周知して新規顧客の獲得を図るためのセールスプロモーションや人材募集(求人)等のために、雑誌、チラシ、パンフレット、フライヤー、ビラ、ポスター、及び商品サンプル等の印刷広告物を用いた広告が行われている。印刷広告物を用いた広告は、店頭や街頭で印刷広告物を配布する広告方法の他、折込広告、ダイレクトメール(DM)、及びポスティング等の広告手段により広範な特定地域へ配布する広告方法等が採用されており、インターネット広告やウェブ広告と比べて、中高年以上の年代やファミリー層へのアピール力が高く、信用性・保存性・即効性の面で優れることから、地域密着のプロモーションに適した広告効果を獲得できるとされている。
【0003】
印刷広告物等の広告物を用いた広告としては、店舗や商業施設の他、公共施設や銀行、郵便局、駅、サービスエリア等の公益施設の各種施設に広告物を設置する方法がある。広告物を施設に設置する広告方法は、広告枠提供者において広告収入(広告設置料)を得ることができる機会となり得ることもあり、特定地域での広告方法の一つとして広告主と広告枠提供者の両当事者からの需要が見込まれる。しかしながら、広告物を用いた広告を希望する広告主にて、広告物を設置する広告枠や広告枠を提供する広告枠提供者を探し出して個別に取引を行う必要があったため、広告取引が煩雑であり、最適な広告枠を選定できず目的とする広告効果を得ることができない場合があった。
【0004】
かかる観点から、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるように、広告枠に関する情報(広告枠情報)の閲覧や検索が可能なWebサイトを用いて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引を可能とした広告マッチングシステムが提案されている。このような従来の広告マッチングシステムによれば、広告取引に関する諸問題を一元的に処理できるため、広告主と広告枠提供者の両当事者にとって利点が多い広告取引手段の一つとして、今後の進展が期待されるところである。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2に開示されるような従来の広告マッチングシステムでは、広告枠提供者から提供される広告料(広告契約料)が必ずしも取引実情に即したものではないため、特に、広告活動に不慣れな中小企業・零細企業・個人事業等にとっては、所定の広告料(広告契約料)が設定された広告枠が広告主の希望を満たすものかどうかの判別が困難で、一定期間に渡って安定した広告取引を継続できず、広告主及び広告枠提供者の両当事者への利便性が劣るという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-157585号公報
【特許文献2】特開2006-127285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明では、広告マッチングシステムおよびプログラムに関し、前記従来の課題を解決するもので、広告活動に不慣れな当事者への利便性に優れ、取引実情に即して安定的な広告取引を継続できる広告マッチングシステムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
すなわち、請求項1においては、広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物を設置する広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とする広告マッチングシステムであって、広告枠に関する広告枠情報を記憶した広告枠情報管理手段と、前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報に基づいて、広告枠ごとに予め設定された最小取引期間あたりの基本単価を広告枠の取引状態に応じて変動させて広告単価を設定する広告単価設定手段と、前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、前記広告単価設定手段にて設定された広告単価を所定の変動パターンに基づいて最小取引期間ごとに増加させ、取引期間の総和を広告契約料として算出する広告契約料算出手段と、前記広告契約料算出手段にて算出された広告契約料に基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行う広告取引処理手段と、を具備してなるものである。
【0010】
請求項2においては、前記広告単価設定手段は、広告枠に広告物が設置されない期間は最小取引期間ごとに広告単価を漸次減少させて新たな広告単価として設定するものである。
【0011】
請求項3においては、前記広告単価設定手段は、基本単価を最低の広告単価として設定するものである。
【0012】
請求項4においては、前記広告単価設定手段は、前記広告契約料算出手段にて算出された広告契約料を取引期間で除した最小取引期間あたりの平均単価を新たな広告単価として設定するものである。
【0013】
請求項5においては、前記広告単価設定手段は、広告枠の取引期間が終了した時の広告単価を新たな広告単価として設定するものである。
【0014】
請求項6においては、前記広告契約料算出手段は、取引期間が所定の連続期間である場合に、更に所定の割引率で割り引いた値を広告契約料として算出するものである。
【0015】
請求項7においては、前記広告契約料算出手段は、取引期間の内、広告単価の増加率が高い変動パターンから広告単価の増加率が低い変動パターンに切り替えて広告契約料を算出するものである。
【0016】
請求項8においては、前記広告契約料算出手段は、広告枠ごとに広告単価の増加率が異なる変動パターンで広告契約料を算出するものである。
【0017】
請求項9においては、前記広告枠情報管理手段は、広告枠情報として一つの広告枠に複数の広告物を設置可能とし、対象となる広告主の業種及びジャンルをそれぞれ異ならせた広告物の設置条件を含むものである。
【0018】
請求項10においては、前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠を抽出する広告枠検索処理手段を具備してなるものである。
【0019】
請求項11においては、広告主にて予めポイント換算してデポジットされたポイント額の残高に応じて前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の閲覧範囲を制限する広告枠閲覧処理手段を具備してなるものである。
【0020】
請求項12においては、広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物を設置する広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とする広告マッチングシステムで読み取り可能なプログラムにおいて、前記広告マッチングシステムを、広告枠に関する広告枠情報を記憶した広告枠情報管理手段と、前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報に基づいて、広告枠ごとに予め設定された最小取引期間あたりの基本単価を広告枠の取引状態に応じて変動させて広告単価を設定する広告単価設定手段と、前記広告枠情報管理手段に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、前記広告単価設定手段にて設定された広告単価を所定の変動パターンに基づいて最小取引期間ごとに増加させ、取引期間の総和を広告契約料として算出する広告契約料算出手段と、前記広告契約料算出手段にて算出された広告契約料に基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行う広告取引処理手段と、して機能させるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、広告活動に不慣れな当事者への利便性に優れ、取引実情に即して安定的な広告取引を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係る広告マッチングシステムの全体的な構成を示した機能ブロック図である。
図2】広告主情報管理テーブルの一例を示した図である。
図3】広告枠提供者情報管理テーブルの一例を示した図である。
図4】広告枠情報管理テーブルの一例を示した図である。
図5】広告枠情報管理テーブルの一例を示した図である。
図6】広告枠情報管理テーブルの一例を示した図である。
図7】広告枠情報管理テーブルの一例を示した図である。
図8】広告枠検索処理部における検索条件の一例を示した図である。
図9】広告マッチング処理の一連の流れを示したシーケンス図である。
図10】広告単価設定処理を示すフローチャートである。
図11】広告枠閲覧処理を示すフローチャートである。
図12】広告枠検索処理及び広告契約料算出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、発明を実施するための形態を説明する。
【0024】
まず、本実施例の広告マッチングシステム1の全体構成について、以下に説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物の広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とするWebシステムとして構成されている。具体的には、広告マッチングシステム1は、通信ネットワーク2を介して広告主端末3及び広告枠提供者端末4と通信可能に接続された広告マッチング装置5を具備してなり、広告主端末3及び広告枠提供者端末4からのアクセスを受けることで、広告マッチング装置5にて提供される広告マッチングサイト(Webサイト)にて両者の広告取引が可能となるように構成されている。
【0026】
広告マッチングサイトとは、広告枠提供者により提供された広告枠(広告枠情報)の閲覧や、広告主が希望する広告条件での検索が可能であるとともに、所定の広告枠について広告主と広告枠提供者との間で広告取引を可能としたWebサイトのことをいう。広告マッチングサイトは、複数のWebページより構成され、例えば、広告マッチングサイトにログインする際のログイン用Webページ、広告枠に関する情報を入力して広告マッチングサイトに登録する際の登録用Webページ、広告マッチングサイトで使用するポイントをデポジットする際のデポジット用Webページ、広告枠を閲覧する閲覧用Webページ、広告主の希望する広告条件を入力して広告枠を検索する際の検索用Webページ、広告枠提供者に対して広告取引を申し込む際の広告取引用Webページ等が含まれている。
【0027】
広告マッチングサイトを構成する各Webページは、通常、ログイン用画面、広告枠の閲覧用画面、広告枠の検索用画面、広告取引用画面、ポイントのデポジット用画面、広告枠情報の登録用画面、及びポイントの換金用画面等として構成され、テキスト入力可能なボックス、プッシュボタン、プルダウン式メニューボタン、及びチェックボックス等の目的とする情報を入力し又は処理を実行するための複数の領域(入力領域)が設けられている。
【0028】
広告主及び広告枠提供者とは、広告マッチングサイトを利用して広告取引を行うユーザのことをいう。広告主及び広告枠提供者は、広告主及び広告枠提供者だけでなくその代理店を含む概念であり、後述する広告主端末3及び広告枠提供者端末4には代理店によって利用される代理店端末を含むものである。例えば、広告主は、広告主端末3を用いて広告マッチングサイトに掲載される広告枠の閲覧や検索をするだけでなく、代理店の代理店端末を用いて閲覧や検索をする場合もある。
【0029】
広告物とは、商品やサービスを周知して新規顧客の獲得を図るためのセールスプロモーションや人材募集(求人)等のために用いられる各種広告物のことをいう。広告物の種類としては、例えば、雑誌、チラシ、パンフレット、フライヤー、ビラ、ポスター、及び商品サンプル等の印刷広告物やこれを電子化した電子広告物等が挙げられる。
【0030】
広告枠とは、広告物を用いて広告するための場所のことをいい、広告物の設置場所、設置方法、及び設置条件を含む概念である。設置場所としては、例えば、店舗や商業施設の他、公共施設や銀行、郵便局、駅、及びサービスエリア等の公益施設の各種施設等が挙げられる。設置方法としては、例えば、施設内のカウンターや壁面等に平置き又は貼付する方法や、施設内外に設けられた看板状・立板状・ラック状・ボックス状等の広告用工作物に収容又は掲示する方法や、電子看板やモニタ等に掲載する方法等が挙げられる。また、設置設件としては、例えば、広告物の種類、広告物の広告分野(ジャンル)、広告主の業種、広告枠の数、広告物の設置期間、及び広告の単価等が挙げられる。
【0031】
通信ネットワーク2は、インターネット接続を含む有線回線、CATV(cable television)回線、その他の通信回線網をいう。通信ネットワーク2は、一部又は全部をVPN(Virtual Private Network)等の所定の専用通信回線としたり、通信データの暗号化技術等を用いたりすることで、セキュリティ性をより高めたものを用いてもよい。
【0032】
広告主端末3及び広告枠提供者端末4は、広告主や広告枠提供者が所有するパーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報通信端末として構成され、CPUやメモリ等からなる制御装置、表示装置、入力装置、及び記憶装置等を具備してなり、CPUにてプログラムが実行されることにより各制御部での機能が実現される。広告主端末3及び広告枠提供者端末4は、通信ネットワーク2を介して広告マッチング装置5と通信可能とされ、各種ブラウザ(閲覧用アプリケーションソフト)にて広告マッチングサイトの各Webページが出力表示される。
【0033】
広告主端末3は、広告主にて操作されることで、広告主識別情報(ユーザID・パスワード等)を入力して広告マッチングサイトにログインするログイン処理の他、広告マッチングサイトで使用するポイントをデポジットするデポジット処理、広告枠を閲覧する閲覧処理、広告主の希望する広告条件を入力して広告枠を検索する検索処理、及び広告枠提供者に対して広告取引を申し込む広告取引処理等に関する要求指示が入力される。
【0034】
広告枠提供者端末4は、広告枠提供者にて操作されることで、広告枠提供者識別情報(ユーザID・パスワード等)を入力して広告マッチングサイトにログインするログイン処理の他、広告枠に関する広告枠情報を入力して広告マッチングサイトに登録する登録処理、及び広告取引の成果として付与されたポイントを換金するための換金処理等に関する要求指示が入力される。
【0035】
図1乃至図7に示すように、広告マッチング装置5は、Webサーバ、アプリケーションサーバ及びデータベース等からなるサーバ装置として構成され、CPUや主メモリ等からなる制御装置、入力装置、及び記憶装置等を具備してなり、CPUにてプログラムが実行されて情報処理されることにより各処理部での機能が実現されるように構成される。具体的には、本実施例の広告マッチング装置5は、通信制御部10、表示部11、操作部12、管理部13、及び処理部14等とで構成され、Webサイト情報、広告主情報、広告枠提供者情報、広告枠情報、及び広告料情報等を一元管理して、広告マッチングシステム1の運営及び管理を行う機能を有している。
【0036】
通信制御部10は、通信ネットワーク2を介して広告主端末3及び広告枠提供者端末4と通信可能とされており、広告主端末3及び広告枠提供者端末4からのリクエストを受け付けて、広告マッチングサイトを構成する各WebページのHTMLファイル等を送信するものである。本実施例の広告マッチング装置5では、通信部10を介して広告主端末3及び/又は広告枠提供者端末4との間で、ログイン処理、広告枠情報の登録処理、デポジット処理、閲覧処理、検索処理、広告契約料算出処理、及び広告取引処理等に関する要求指示及び処理結果が送受信される。
【0037】
表示部11は、制御部14から入力された表示信号にしたがって、広告マッチングシステム1の管理画面や、広告マッチングサイトの管理用Webページ等を表示するものである。
【0038】
操作部12は、広告マッチングシステム1の管理者により操作されることで所定の操作信号を制御部14等に出力するものである。具体的には、広告枠情報を新規に登録理する場合や、広告マッチングサイトにて入力された広告枠情報を修正・変更・削除する場合等に入力操作される。
【0039】
管理部13は、広告マッチング装置5を構成するデータサーバやハードディスク・メモリ等より構成される記憶装置として構成され、具体的には、Webサイト情報管理部15、広告主情報管理部16、広告枠提供者情報管理部17、広告枠情報管理手段としての広告枠情報管理部18等とで構成されている。
【0040】
Webサイト情報管理部15は、広告マッチングサイトを構成する複数のWebページを記憶するものである。Webサイト情報管理部15には、上述した各Webページとして、例えば、ログイン用Webページ、登録用Webページ、デポジット用Webページ、閲覧用Webページ、検索用Webページ、及び広告取引用Webページ等がそれぞれHTMLファイル、CSSファイル、及び画像データ等の形式で格納される。
【0041】
広告主情報管理部16は、広告主に関する情報である広告主情報をデータベース化して記憶するものである。広告主情報には、広告主識別情報(広告主ID・パスワード等)の他、広告主の属性情報、及び広告主のポイント額に関する情報であるポイント情報等が含まれる。広告主情報管理部16では、これらの広告主情報が広告主ごとに付与される広告主IDに紐付けて記憶される。
【0042】
広告主の属性情報には、例えば、広告主の会社名、担当者名、住所、業種、及びクレジットカード情報等の情報が含まれる。
【0043】
広告主のポイント情報には、広告主のポイント残高の他、ポイント額の更新日やポイント額の増減額等の情報が含まれる。ポイント情報のポイント額は、後述するデポジット処理部20にて広告主のデポジットに基づくデポジット処理が行われた際や、後述する広告契約料処理部26にて広告契約料の支払い処理が行われた際等に更新(増減)される。
【0044】
図2に一例として示すように、本実施例の広告主情報管理部16には、広告主情報に関して、広告主識別情報としての「広告主ID」に紐づけて、広告主の属性情報として「会社名」、「住所」、「担当者名」、及び「業種」等の他に、広告主のポイント情報として「ポイント残高」、「デポジット履歴(デポジット日及びデポジット額)」、「広告契約料支払い履歴(支払い日及び支払い額)」等が登録された広告主情報管理テーブルM1が記憶されている。広告主情報管理テーブルM1では、例えば、広告主「A001」は、ポイント残高が「20,000ポイント」であり、「2020年5月1日」に「1,000,000ポイント」のデポジットを行い、「2020年8月1日」に広告契約料として「300,000ポイント」の支払いを行ったこと等を示している。
【0045】
広告枠提供者情報管理部17は、広告枠提供者に関する情報である広告枠提供者情報をデータベース化して記憶するものである。広告枠提供者情報には、広告枠提供者識別情報(広告枠提供者ID・パスワード等)の他、広告枠提供者の属性情報、及び広告枠提供者のポイント額に関する情報であるポイント情報等が含まれる。広告枠提供者情報管理部17では、これらの広告枠提供者情報が広告枠提供者ごとに付与される広告枠提供者IDに紐付けて記憶される。
【0046】
広告枠提供者の属性情報には、例えば、広告枠提供者の会社名、店舗名、担当者名、住所、業種及び取引金融機関情報等の情報が含まれる。
【0047】
広告枠提供者のポイント情報には、広告枠提供者のポイント残高の他、ポイント額の更新日やポイント額の増減額等の情報が含まれる。ポイント情報のポイント額は、後述する広告設置料処理部27にて広告設置料の支払い処理が行われた際や、広告枠提供者にて換金処理を行った際等に更新(増減)される。
【0048】
図3に一例として示すように、本実施例の広告枠提供者情報管理部17には、広告枠提供者情報に関して、広告枠提供者識別情報としての「広告枠提供者ID」に紐づけて、広告枠提供者の属性情報として「店舗名」、「住所」、「担当者名」、及び「業種」等の他、広告枠提供者のポイント情報として「ポイント残高」、「広告設置料受領履歴(受領日及び受領額)」、「換金履歴(換金日及び換金額)」等が登録された広告枠提供者情報管理テーブルM2が記憶されている。広告枠提供者情報管理テーブルM2では、例えば、広告枠提供者「B001」は、ポイント残高が「100,000ポイント」であり、「2020年8月1日」に広告設置料として「500,000ポイント」の支払いを受け、「2020年9月1日」に「300,000ポイント」の換金を行ったことを示している。
【0049】
広告枠情報管理部18は、広告枠提供者より提供される広告枠に関する情報である広告枠情報をデータベース化して記憶するものである。広告枠情報には、広告枠識別情報(広告枠ID等)の他、広告枠の設置場所に関する情報、広告枠の設置方法に関する情報、広告物の設置条件に関する情報、広告枠の取引状態に関する情報、広告枠の取引履歴に関する情報、及び広告料に関する情報等が含まれる。広告枠情報管理部18では、これらの広告枠情報が上述した広告枠提供者IDとともに広告枠ごとに付与される広告枠IDに紐付けて記憶される。
【0050】
広告枠の設置場所に関する情報には、例えば、設置場所の施設・店舗名、地域、住所地、ホームページのURL、最寄り駅、月間来場者数、施設・店舗利用者の平均年齢、施設・店舗の平均客単価、設置場所の特徴を示すPR文章、及び外観・内装・周辺地図等の画像データ等の情報が含まれる。
【0051】
広告枠の設置方法に関する情報には、例えば、設置の仕方、及び広告用工作物の種類等の情報が含まれる。
【0052】
広告物の設置条件に関する情報には、例えば、広告数、広告枠に設置可能な広告物の種類、広告主の業種及びジャンル、広告物の設置期間等の情報が含まれる。広告物の設置条件には、広告枠に設置可能な広告物の広告主の業種及びジャンルを限定する条件が含まれてもよく、例えば、一つの広告枠を更に複数の広告エリアに区分して、各広告エリアに異なる広告物をそれぞれ設置可能とし、広告エリアごとに対象となる広告主の業種及びジャンルを異ならせた条件が設定されてもよい。
【0053】
図4に一例として示すように、本実施例の広告枠情報管理部18に記憶される広告枠情報管理テーブルM3には、広告枠情報に関して、広告枠識別情報としての「広告枠ID」に紐づけて、広告枠提供者IDの他に、広告物の設置条件に関する情報として広告エリアA~Dのそれぞれについて「対象業種」及び「対象ジャンル」等が登録されている。図4の広告枠情報管理テーブルM3では、例えば、広告枠ID「C001」の広告エリア「A」の広告枠は、対象業種が「法律事務所」でその対象ジャンルが「遺産相続」であることを示しており、広告エリアA~Dで広告主の対象業種及び対象ジャンルが異なっている。
【0054】
広告枠の取引状態に関する情報には、主に現在の広告枠の取引状態に関するものとして例えば、広告取引を募集中の状態(広告募集中)、広告契約が締結された状態(広告契約中)、広告主が広告の使用を予約した状態(予約中)等の取引状態の他に、広告枠の取引者、現在の広告枠の取引期間等の情報が含まれる。
【0055】
図5に一例として示すように、本実施例の広告枠情報管理部18に記憶される広告枠情報管理テーブルM3には、広告枠情報に関して、広告枠識別情報としての「広告枠ID」に紐づけて、広告枠の取引状態に関する情報として「取引状態(広告募集中・広告契約中・予約中)」、「取引者(広告主ID)」、「取引期間」が登録されている。図5の広告枠情報管理テーブルM3では、例えば、広告枠ID「C001」の広告エリア「A」の広告枠は、取引者「A640」にて取引期間「2021年2月1日~2022年1月31日」で「広告契約中」の状態であることを示している。同じく広告エリア「B」の広告枠は、「広告契約中」であるが、同時に取引者「A299」にて「予約中」の状態であることを示している。また、広告エリア「C」は取引期間「2020年7月1日」から、広告エリア「C」は取引期間「2019年4月1日」からそれぞれ「広告募集中」の状態である。
【0056】
広告枠の取引履歴に関する情報には、主に広告枠の広告契約の履歴に関するものとして、例えば、過去の広告契約期間、広告契約者、広告契約料(ポイント)、及び広告契約の内容等の情報が含まれる。
【0057】
図6に一例として示すように、本実施例の広告枠情報管理部18に記憶される広告枠情報管理テーブルM3には、広告枠情報に関して、広告枠識別情報としての「広告枠ID」に紐づけて、広告枠の取引履歴に関する情報として「広告契約期間」、「広告契約者(広告主ID)」、「広告契約料(ポイント)」、及び「広告契約内容」等が登録されている。図6の広告枠情報管理テーブルM3では、例えば、広告枠ID「C001」の広告エリア「A」の広告枠は、広告契約期間「2019年4月1日~2019年9月30日」の間、広告契約者「A277」にて広告契約料「154,312ポイント」で「チラシ:200枚」を設置する広告契約がなされていたことを示している。
【0058】
広告料に関する情報は、広告枠ごとの広告料(単価)に関する情報のことであり、広告枠ごとに設定された最小取引期間tあたりの基本単価Paに関する情報、及び基本単価Paを広告枠の取引状態に応じて変動させた広告枠ごとの広告単価Pbに関する情報が含まれる。なお、なお、以下の実施例では、広告料に関する情報のうち、基本単価Pa及び広告単価Pbが、広告枠の広告エリアごとにそれぞれ設定される場合について説明するが、後述するように、広告枠全体として全ての広告エリアで一律に設定されてもよい。
【0059】
基本単価Paとは、広告マッチング装置5の管理者にて予め設定される所定の最小取引期間t(本実施例では月間単位)あたりの広告枠の単価(ポイント)のことをいう。基本単価Paは、広告マッチング装置5の管理者にて、広告枠の設置場所(例えば、ホームページのURLや外観等の画像データの有無等)、設置方法及び設置条件に応じて広告枠ごとに予め設定される他、変数やその一部等を利用して、一以上の関数や、メソッド名や、制御構文やアルゴリズム等の予め用意された情報を用いて自走的に生成されてもよい。
【0060】
広告単価Pbとは、広告契約料Pを算出する際の基礎として基本単価Paに対して広告枠の取引状態(広告枠に広告物が設置されない「広告募集状態」又は広告枠に広告物が設置される「広告契約状態」)に応じて変動させた広告枠の単価(ポイント)のことをいう。広告単価Pbは、後述する広告単価設定部21にて設定される。
【0061】
広告契約料Pとは、広告主より広告マッチング装置5の管理者に支払われる広告料(ポイント)のことをいう。広告契約料Pは、後述する広告契約料算出部24にて算出される。
【0062】
図7に一例として示すように、本実施例の広告枠情報管理部18に記憶される広告枠情報管理テーブルM3には、広告枠情報に関して、広告枠識別情報としての「広告枠ID」に紐づけて、広告料に関する情報として「基本単価」及び「広告単価」等が登録されている。図7の広告枠情報管理テーブルM3では、広告枠の広告エリアごとに異なる基本単価が設定されており、例えば、広告枠ID「C001」の広告エリア「A」の広告枠は、基本単価が「20,000」で広告単価が「41,248ポイント」であり、これに対して広告エリア「B」の広告枠は、基本単価が広告エリア「A」と異なる「25,000」で広告単価が「44,351ポイント」であることを示している。
【0063】
図1及び図8に示すように、処理部14は、広告マッチング装置5を構成する各部を制御して所定の機能を実現する各種プログラムにより構成され、具体的には、デポジット処理部20、広告単価設定手段としての広告単価設定部21、広告枠閲覧処理手段としての広告閲覧処理部22、広告枠検索処理手段としての広告枠検索処理部23、広告取引処理手段としての広告取引処理部24、広告契約料算出手段としての広告契約料算出部25、広告契約料処理手段としての広告契約料処理部26、及び広告設置料処理手段としての広告設置料処理部27等の各処理部を備えている。
【0064】
デポジット処理部20は、広告主の要求指示に応じて、予めポイント換算して広告マッチングサイト1で使用するポイントをデポジットするデポジット処理を行うものである。デポジット処理部20では、広告主端末3からのデポジット要求を受けて、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告主のポイント情報)を更新してポイント額(ポイント残高)が増加される。
【0065】
広告単価設定部21は、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)に基づいて、広告枠(本実施例では、広告枠の広告エリア)ごとに予め設定された基本単価Paに対して広告枠の取引状態に応じて変動させて広告単価Pbを設定する広告単価設定処理を行うものである。広告単価設定部21では、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)に基づいて新たな広告単価Pb′が設定され、広告枠情報(広告料に関する情報)を更新して広告単価Pbの値が増減される。
【0066】
具体的には、本実施例の広告単価設定部21では、式(1)で表される関係式に従って新たな広告単価Pb′が算出される。式中において、Pb′:新たな広告単価、P:広告契約料、T:取引期間(広告契約期間)である。
【0067】
【数1】
【0068】
このように本実施例の広告単価設定部21では、後述する広告契約料算出部24にて算出された広告契約料Pを取引期間Tで除した最小取引期間t(本実施例では月間単位)あたりの平均単価が広告単価Pb′として設定される。この場合、広告単価設定部21は、広告枠の取引期間Tが終了した後に、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告料に関する情報)の広告単価Pbの値を変更する(図7参照)。
【0069】
例えば、広告契約期間(取引期間T)が「12ヶ月」で、広告契約料Pが「427,686ポイント」の広告契約が終了した時には、広告単価設定部21にて上記の式(1)から新たな広告単価Pb′が「35,640ポイント」に設定され、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告料に関する情報)の広告単価Pbが変更される。したがって、当該広告枠について引き続いて広告契約する際は、広告単価Pbの「35,640ポイント」を基礎として、後述する広告契約料算出部24にて広告契約料Pが算出されることになる。
【0070】
また、広告単価設定部21は、広告枠に広告物が設置されない広告募集期間は最小取引期間tごとに広告単価Pbを漸次減少させて新たな広告単価Pb′を設定する。広告枠の広告募集期間は、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)に基づいて、広告枠の取引状態や取引履歴に照らして求められる。この場合、例えば、広告単価設定部21は、最小取引期間tが経過するごとに、新たな広告単価Pb′を設定し、所定により広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告料に関する情報)の広告単価Pbの値を変更する。
【0071】
広告単価Pbの減少割合は、広告マッチング装置5の管理者にて、広告枠の設置場所、設置方法及び設置条件に応じて広告枠ごとに予め設定される他、変数やその一部等を利用して、一以上の関数や、メソッド名や、制御構文やアルゴリズム等の予め用意された情報を用いて自走的に生成されてもよい。
【0072】
また、広告単価設定部21は、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)に基づいて、基本単価Paを最低の広告単価Pbとして設定する。すなわち、広告単価設定部21では、例えば、取引実績がない新たな広告枠の場合や、上述したように広告単価Pbを漸次減少させた結果、基本単価Paより広告単価Pbが低くなってしまう場合等には、新たな広告単価Pb′ではなく、基本単価Paが広告単価Pbの最低値として設定される。
【0073】
広告枠閲覧処理部22は、広告主の要求指示に応じて、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報に基づいて広告枠情報の一覧を閲覧可能に出力する閲覧処理を行うものである。広告枠閲覧処理部22では、広告主端末3からの広告枠閲覧要求を受けて、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の設置場所に関する情報、広告枠の設置方法に関する情報、及び広告物の設置条件に関する情報)が広告枠ごとに一覧で出力される。
【0074】
広告枠閲覧処理部22は、一般ユーザやログイン処理を行っていない広告主の要求指示があった場合には、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の閲覧範囲(広告枠の数や情報量)を制限する。すなわち、広告枠閲覧処理部22では、ログイン処理を行っていない広告主の広告主端末3から広告枠閲覧要求を受けると、例えば、広告枠の設置場所に関する情報としてホームページがない等の一部の広告枠の広告枠情報や、広告枠数が限定されたもの等のみが閲覧可能とされる。
【0075】
また、広告枠閲覧処理部22は、ログイン処理を行った広告主から要求指示があった場合であっても、広告主にて予めポイント換算してデポジットされたポイント額の残高(ポイント残高)に応じて広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の閲覧範囲を制限する。かかる場合には、例えば、ポイント残高が多くなる程に段階的に閲覧可能な地域範囲を広げ、広告枠の種類(ホームページの有無等)を増加させて、ポイント残高が最大の場合には日本全国の広告枠情報を閲覧できるように処理される。
【0076】
広告枠検索処理部23は、広告主の要求指示に応じて、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠を抽出する検索処理を行うものである。広告枠検索処理部23では、広告主端末3からの広告枠検索要求を受けて、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠の有無を判断し、広告条件を満たす広告枠がある場合に、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(告枠の設置場所に関する情報、広告枠の設置方法に関する情報、及び広告物の設置条件に関する情報)が広告枠ごとに抽出される。
【0077】
図8に示すように、広告枠検索処理部23における検索条件としては、例えば、「広告枠の地域」、「業種」、「広告単価の価格帯(ポイント)」、「月間来場者数(人)」、「施設・店舗利用者の平均年齢(歳)」、「施設・店舗の平均客単価(円)」、「設置可能期間(年月日)」、「予約待ちの可否」等の条件が挙げられる。
【0078】
広告枠検索処理部23では、広告枠情報管理部18に記憶される広告枠情報には、広告枠の設置場所に関する情報、広告枠の設置方法に関する情報、及び広告物の設置条件に関する情報の他に、広告枠の取引状態に関する情報や広告料に関する情報が含まれるため、広告主の希望する広告条件を満たすか否かについて、例えば、「設置可能期間」や「予約待ちの可否」については広告枠の取引状態に関する情報に基づいて判断され、「広告単価の価格帯」については広告料に関する情報に基づいて判断される。
【0079】
広告契約料算出部24は、広告枠検索処理部23にて抽出された広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、所定の取引期間Tにおける広告契約料Pを算出する広告契約料算出処理を行うものである。広告契約料算出部24では、広告単価設定部21にて設定された広告単価Pbを所定の変動パターンに基づいて最小取引期間tごとに増加させて取引期間Tの総和が広告契約料Pとして算出される。
【0080】
具体的には、本実施例の広告契約料算出部24では、式(2)で表される関係式に従って広告契約料Pが算出される。式中において、Pb:広告単価、T:取引期間、R:利率、n:最小取引期間tごとの変数である。
【0081】
【数2】
【0082】
このように広告契約料算出部24では、広告単価Pbを最小取引期間t(本実施例では1ヶ月)ごとに利率Rだけ増加させるとともに、増加分(Pb×R)を次期の広告単価Pbに組み入れ、広告単価Pbだけでなく増加分も利率Rだけ増加するようにした変動パターン(複利法)にて取引期間Tの間の総和が算出されることで最終的な広告契約料Pが算出される。
【0083】
なお、利率Rは、広告マッチング装置5の管理者にて、広告枠の設置場所、設置方法及び設置条件に応じて広告枠ごとに予め設定される他、変数やその一部等を利用して、一以上の関数や、メソッド名や、制御構文やアルゴリズム等の予め用意された情報を用いて自走的に生成されてもよい。特に、本実施例では、広告枠ごとに広告単価Pbの増加率が異なるように、好ましくは広告枠ごとに異なる利率Rが設定される。
【0084】
例えば、最小取引期間tが「月単位」及び利率Rが「10%」として設定されている場合に、広告単価Pbが「20,000ポイント」の広告枠について取引期間Tを「12ヶ月」とした広告契約となる場合は、広告契約料算出部24にて、上記の式(2)から広告契約料Pが「427,686ポイント」と算出される。なお、この場合、広告契約料算出部24にて算出される広告枠の取引期間Tが終了した時の広告単価は「57,062ポイント」である。
【0085】
広告取引処理部25は、広告枠検索処理部23による抽出結果と広告契約料算出部24にて算出された広告契約料Pに基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行うものである。広告取引処理部25では、広告枠検索部処理部23にて抽出された広告枠の広告契約料P等に基づいて広告主端末3からの広告取引要求を受けて、広告主が広告取引を希望する広告枠の広告枠提供者の広告枠提供者端末4に向けて広告取引要求を受理した旨が送信されることで、広告主と広告枠提供者との間の広告取引を成立させる。なお、広告主端末3からの広告取引要求としては、広告枠の使用を予約する要求等が含まれる。
【0086】
広告取引処理部25では、広告主にて広告取引(広告の申し込みや広告枠の予約)がされた場合に、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の取引状態に関する情報、及び広告枠の取引履歴に関する情報)が更新される。この内、広告枠の取引状態に関する情報としては、「広告契約中」又は「予約中」等のように更新される(図5参照)。
【0087】
広告契約料処理部26は、広告主による広告契約料Pの支払い処理として、広告主情報管理部16に記憶された広告主情報のポイント額から広告契約料Pに相当するポイント額を差し引いて、広告主情報管理部16に記憶された広告主のポイント額を変更(減額)する広告契約料処理を行うものである。広告契約料処理部26では、上述した広告取引処理部25による広告取引処理に連続して、広告主情報管理部16に記憶された広告主のポイントの残高が広告契約料Pの支払いに足りる場合に、広告契約料Pに相当するポイント分だけ広告主のポイント額を減額させる。
【0088】
広告設置料処理部27は、広告枠提供者への広告設置料Pcの支払い処理として、広告主が支払う広告契約料Pに相当するポイント額から手数料に相当するポイント額を差し引いた残り分だけ、広告枠提供者情報管理部17に記憶された広告枠提供者のポイント額を変更(増額)する広告設置料処理を行うものである。広告設置料処理部27では、上述した広告取引処理部25による広告取引処理に連続して、広告契約料処理部26での広告契約料処理を受けて、広告契約料Pから手数料を差し引いた残りに相当するポイント分だけ広告枠提供者のポイント額を増額させる。
【0089】
広告設置料Pcとは、広告主より広告マッチング装置5の管理者に支払われる広告料(ポイント)のことであり、広告マッチング装置5の管理者にて広告枠(広告エリアを含む)ごとに所定の手数料(広告料に対する割合)が予め任意に設定されており、広告設置料処理部27では、例えば、手数料として広告契約料Pの20%~40%を割り引いた残り分が広告設置料Pcとして広告枠提供者に支払われる。
【0090】
次に、本実施例の広告マッチングシステム1の一連の動作について、以下に説明する。
【0091】
以下では、図9に示すように、広告マッチングシステム1を用いて、広告枠に関する情報(広告枠情報)の閲覧や検索が可能なWebサイトを介した広告主と広告枠提供者との間で行われる広告取引の場面を想定して、広告枠閲覧処理(S102)、広告枠検索処理(S105)、広告契約料算出処理(S106)、広告取引処理(S109)、広告契約料処理(S112)及び広告設置料処理(S114)が行われるまでの流れを説明する。
【0092】
<広告単価設定処理>
図10に示すように、本実施例の広告マッチングシステム1では、後述する各種処理と並行して、広告マッチング装置5の広告単価設定部21にて広告単価設定処理が行われ、所定の広告枠ごとに広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報に含まれる広告単価(広告料に関する情報)が適時に更新される。
【0093】
具体的には、所定の広告枠の広告契約終了時には(S201)、広告枠情報管理部18より当該広告枠の広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)を取得し(S203)、上述した式(1)に基づいて、(広告契約料Pを取引期間Tで除した最小取引期間tあたりの平均単価を)新たな広告単価Pb′として算出する(S204)。そして、得られた新たな広告単価Pb′と予め設定された基本単価Paと対比して(S205)、その値が大きい場合(Pb′>Pa)に新たな広告単価Pb′を広告単価Pbとして設定する(S206)。なお、広告契約終了時の場合は、広告単価Pb′は当然に基本単価Paより大きい(Pb′>Pa)。
【0094】
他方、所定の広告枠の広告契約終了時ではなく、広告枠の広告募集期間中の最小取引期間tの経過時には(S202)、最小取引期間tが経過するごとに、広告枠情報管理部18より当該広告枠の広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)を取得し(S203)、予め設定された減少割合にて広告単価Pbを漸次減少させて新たな広告単価Pb′を算出する(S204)。そして、得られた新たな広告単価Pb′と予め設定された基本単価Paと対比して(S205)、その値が大きい場合(Pb′>Pa)に新たな広告単価Pb′を広告単価Pbとして設定し(S206)、他方、その値が小さい場合(Pb′<Pa)には新たな広告単価Pb′の代わりに基本単価Paを採用し(S207)、基本単価Paを広告単価Pbとして設定する(S206)。
【0095】
なお、広告単価設定部21では、所定の広告枠に関し、広告契約終了時でない場合(S201)、最小取引期間tが経過していない場合(S202)、又は広告契約中の場合には、上述したような広告単価設定処理は行われず、広告枠情報管理部18に記憶された広告単価Pbは更新されない。また、取引実績(取引期間)がない広告枠については、基本単価Paを広告単価Pbとして設定する。
【0096】
広告単価設定部21にて広告単価設定処理が完了すると、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告料に関する情報)が更新される(図7参照)。
【0097】
<広告枠閲覧処理>
図9及び図11に示すように、広告主が広告マッチングサイトにて広告枠提供者により提供された広告枠(広告枠情報)を閲覧する際には、広告マッチング装置5の広告枠閲覧処理部22にて広告枠閲覧処理(S102)が行われ、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の内、条件に応じて閲覧範囲の一部を制限する等して、広告主端末3にて広告枠情報の一覧が閲覧可能となるように出力される。
【0098】
具体的には、広告主端末3よりネットワーク2を介して広告枠閲覧要求指示が送信されると(S101)、広告マッチング装置5の通信制御部10にてかかる広告枠閲覧要求を受信し(S301)、このとき、広告主にてログイン処理が行われていない場合には(S302)、広告枠閲覧処理部22にて広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の内、閲覧可能な広告枠情報の範囲が最大に制限された閲覧範囲(例えば、ランダムに抽出された〇○個以下の広告枠の広告枠情報のみ等)を設定する(S306)。そして、通信制御部10を介してかかる閲覧処理結果を出力し(S307)、ネットワーク2を介して広告主端末3に送信する(S103)。
【0099】
また、広告主にてログイン処理が行われている場合には(S302)、広告主情報管理部16より当該広告主の広告主情報を取得し(S303)、広告主情報管理部16に記憶された広告主情報に広告主のポイント情報があれば(S304)、ポイント額の残高(ポイント残高)を確認し(S305)、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の内、閲覧可能な広告枠情報の範囲がポイント残高に応じて段階的に制限された閲覧範囲(例えば、○○ポイント以下の場合は半径○○Km圏内の広告枠の広告枠情報のみ等)を設定する(S306)。そして、上記と同様に、通信制御部10を介してかかる閲覧処理結果を出力し(S307)、ネットワーク2を介して広告主端末3に送信する(S103)。
【0100】
他方、広告主にてログイン処理が行われている場合であっても(S302)、広告主情報管理部16より当該広告主の広告主情報を取得した結果(S303)、広告主情報管理部16に記憶された広告主情報に広告主のポイント情報がなければ(S304)、すなわち、ポイント額の残高(ポイント残高)がなければ、閲覧可能な広告枠情報の範囲が中程度に制限される閲覧範囲(例えば、ホームページがない等の広告効果の低い一部の広告枠の広告枠情報のみ等)を設定する(S306)。そして、上記と同様に、通信制御部10を介してかかる処理結果を出力し(S307)、ネットワーク2を介して広告主端末3に送信する(S103)。
【0101】
広告主端末3に出力された処理結果は、広告主が広告主端末3を操作することで、Webサイト情報管理部15に記憶された閲覧用Webページを介して広告枠ごとに広告枠情報の詳細を確認することができる。
【0102】
<広告枠検索処理及び広告契約料算出処理>
図9及び図12に示すように、広告主が広告マッチングサイトにて広告枠提供者により提供された広告枠(広告枠情報)を検索する際には、広告マッチング装置5の広告枠検索処理部23にて広告枠検索処理が行われるとともに(S105)、広告契約料算出部24にて広告契約料算出処理が行われ(S106)、広告主端末3にて広告枠情報及び広告契約料が閲覧可能となるように出力される。
【0103】
具体的には、広告主端末3よりネットワーク2を介して広告枠検索要求指示が送信されると(S104)、広告マッチング装置5の通信制御部10にてかかる広告検索要求を受信して(S401)、広告主の希望する広告条件を取得し(S402)、広告枠検索処理部23にて広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠の有無を判断する(S403)。その結果、広告主の希望する条件を満たす広告枠がない場合には、後述する広告契約料算出処理を行うことなく、通信制御部10を介してかかる処理結果(検索処理結果のみ)を出力し(S406)、ネットワーク2を介して広告主端末3に送信する(S107)。
【0104】
他方、広告主の希望する広告条件を満たす広告枠(予約待ちが可能なものも含む)が有る場合には(S403)、広告契約料算出部24にて広告枠情報管理部18より当該広告枠の広告枠情報(広告枠の取引履歴に関する情報及び広告料に関する情報)を広告枠ごとに抽出するとともに(S404)、上述した式(2)に基づいて、広告単価設定部21にて設定された広告単価Pbを最小取引期間tごとに増加させて取引期間Tの総和を広告契約料Pとして算出する(S405)。そして、通信制御部10を介してかかる処理結果(検索処理結果及び広告契約料算出処理結果)を出力し(S406)、ネットワーク2を介して広告主端末3に送信する(S107)。
【0105】
広告主端末3に出力された処理結果は、広告主が広告主端末3を操作することで、Webサイト情報管理部15に記憶された検索用Webページ等を介して広告枠ごとに広告枠情報の詳細や広告枠契約料を確認することができる。
【0106】
<広告取引処理等>
図9に戻って、広告主が広告マッチングサイトにて検索された広告枠(広告枠情報)について広告枠提供者との間で広告取引を行う際には、広告マッチング装置5の広告枠取引処理部25にて広告枠検索部処理部23で抽出された広告枠及び広告契約料算出部24にて算出された広告契約料P等に基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理が行われる(S109)。
【0107】
具体的には、広告主にて広告主端末3が操作されて、処理結果画面から所定の広告枠に対して広告契約料Pで広告を希望する旨の広告の申し込みがされることにより、ネットワーク2を介して広告取引要求指示が送信され(S108)、広告マッチング装置5の通信制御部10にてかかる広告取引要求を受信すると、広告枠取引処理部25にて広告枠情報管理部18に広告枠IDに紐付けて記憶される広告枠提供者IDに基づいて、広告枠提供者管理部17より所定の広告枠の広告枠提供者情報を抽出する(S109)。そして、通信制御部10よりネットワーク2を介してかかる広告枠提供者情報より特定される広告枠提供者端末4に広告主情報とともに広告取引要求を受信した旨を送信することで、取引処理を完了する(S110)。
【0108】
広告主端末3から送信される広告取引要求としては、上述したような広告の申し込みに関する要求の他、例えば、上述した広告枠検索部処理部23にて広告待ちが可能な広告枠が含まれる場合には、かかる広告枠への予約の申し込みに関する要求も含まれる。
【0109】
広告枠取引処理部25にて広告枠取引処理が完了すると、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告枠の取引状態に関する情報、及び広告枠の取引履歴に関する情報)が更新される(図5及び図6参照)。
【0110】
図9に示したように、上述したように広告主と広告枠提供者との間で広告取引が行われた後は、広告マッチング装置5の広告契約料処理部26にて広告主に関する広告契約料処理が行われるとともに(S111)、広告設置料処理部27にて広告枠提供者に関する広告契約料算出処理が行われ(S113)、広告主情報管理部16に記憶された広告主情報に含まれるポイント額(ポイント残高)、及び広告枠提供者情報管理部17に記憶された広告枠提供者情報に含まれるポイント額(ポイント残高)がそれぞれ更新される。
【0111】
具体的には、広告契約料処理部26にて広告主情報管理部16に記憶された広告主情報のポイント額から広告契約料Pに相当するポイント額を差し引いて、広告主のポイント額を減額し(S111)、通信制御部10を介してかかる処理結果を出力して、ネットワーク2を介して広告主端末3に送信する(S112)。また、同様に、広告設置料処理部27にて告主が支払う広告契約料Pに相当するポイント額から手数料に相当するポイント額を差し引いた残り分である広告設置料Pcだけ、広告枠提供者情報管理部17に記憶された広告枠提供者のポイント額を増額し(S113)、通信制御部10を介してかかる処理結果を出力して、ネットワーク2を介して広告枠提供者端末4に送信する(S114)。
【0112】
広告契約料処理部26にて広告契約料処理、及び広告設置料処理部27にて広告設置料処理がそれぞれ完了すると、広告主情報管理部16に記憶された広告主情報(広告主のポイント情報)、及び広告枠提供者情報管理部17に記憶された広告枠提供者情報(広告枠提供者のポイント情報)がそれぞれ更新される(図2及び図3参照)。
【0113】
次に、本実施例の広告マッチングシステム1の機能を実現させるプログラムについて、以下に説明する。
【0114】
本実施例のプログラムは、上述した図9乃至図12に示した処理をコンピュータが実行可能なプログラムであり、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上述した機能が実現されるだけでなく、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した機能が実現される場合も含まれる。
【0115】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-R、DVD-R等の記録媒体へ記録してシステム又は装置に供給し、コンピュータが記録媒体に格納されたプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。さらには、ネットワーク上のサーバやデータベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、システム又は装置にて上述した機能が実現されるようにしてもよい。
【0116】
以上のように、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告物を用いた広告を希望する広告主と広告物を設置する広告枠を提供する広告枠提供者との間での広告取引を可能とする広告マッチングシステム1であって、広告枠に関する広告枠情報を記憶した広告枠情報管理部18と、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報に基づいて、広告枠ごとに予め設定された最小取引期間tあたりの基本単価Paを広告枠の取引状態に応じて変動させて広告単価Pbを設定する広告単価設定部21と、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠について、広告単価設定部21にて設定された広告単価Pbを所定の変動パターンに基づいて最小取引期間tごとに増加させ、取引期間Tの総和を広告契約料Pとして算出する広告契約料算出部24と、広告契約料算出部24にて算出された広告契約料Pに基づいて、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行う広告取引処理部25と、を具備してなるため、広告活動に不慣れな当事者への利便性に優れ、取引実情に即して安定的な広告取引を継続できるのである。
【0117】
すなわち、本実施例の広告マッチングシステム1は、まず、広告主と広告枠提供者との間の広告取引処理を行う広告取引処理部25を有するため、広告物を用いた広告を希望する広告主にて、広告物を設置する広告枠や広告枠を提供する広告枠提供者を探し出して個別に取引を行う必要がなく、簡易な手続きでの広告取引が容易であるとともに、広告枠の取引期間Tに応じて広告単価Pbを変動させ、この広告単価Pbを所定の変動パターンに基づいて最小取引期間tごとに増加させて、取引期間Tの総和を広告契約料Pとするものであるため、各広告枠の広告料(広告単価Pb又は広告契約料P)が取引実情に即して適切に設定される。そのため、広告活動に不慣れな企業等にとっても、広告効果を反映した広告料(広告単価Pb又は広告契約料P)に基づいた広告枠の選定が容易となり、広告主及び広告枠提供者の両当事者の利便性に優れ、一定期間に渡って安定した広告取引を継続することができるのである。
【0118】
特に、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告物として雑誌、チラシ、パンフレット、フライヤー、ビラ、ポスター、及び商品サンプル等の印刷広告物を用いた広告に適用することで、新たな地域エコシステムとして好適に活用することができる。すなわち、本実施例の広告マッチングシステム1を活用することで、広告活動に不慣れな多くの地域企業等にとって、印刷広告物を用いた広告を希望する広告主としては、地域密着のプロモーションとして人の繋がりを介した高い広告効果を獲得できるとともに、当該地域で広告枠を提供する広告枠提供者にとっても、店舗等の余剰のスペースを広告枠として有効利用し、広告収入を通じた店舗等の収益体制を見直す契機とすることができるため、ひいては地域経済の成長や活性化に資することが期待できる。
【0119】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告単価設定部21にて広告枠に広告物が設置されない期間は最小取引期間tごとに広告単価Pbを漸次減少させるものであるため、広告枠の取引が少ないものは広告単価Pbを減少させることで、広告ニーズの低い広告枠に対して取引実情を反映した広告単価Pbを好適に設定することができる。
【0120】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告単価設定部21にて基本単価Paを最低の広告単価Pbとして設定するものであるため、任意に設定可能な基本単価Paを広告単価Pbの下限値としておくことで、広告料の値崩れを防止して安定した広告取引が可能となるとともに、最低価格を保証して広告枠提供者の利便性も向上できる。
【0121】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告単価設定部21にて広告契約料算出部24にて算出された広告契約料Pを取引期間Tで除した最小取引期間tあたりの平均単価を広告単価Pbとして設定するものであるため、広告枠の取引期間Tが増えるにつれて広告単価Pbを増加させることで、広告ニーズの高い広告枠に対して取引実情を反映した広告単価Pbを好適に設定することができる。
【0122】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告契約料算出部24にて、広告枠ごとに広告単価Pbの増加率(利率R)が異なる変動パターンで広告契約料Pを算出するものであるため、例えば、広告物の設置場所、設置方法又は設置条件がよく高い広告効果が期待できる広告枠や、実際の取引実績に優れた広告枠等、広告ニーズの高い広告枠に対しては広告単価Pbの増加率(利率R)を高くすることで、取引実情をより適切に反映した広告単価Pbを好適に設定することができる。
【0123】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告枠情報管理部18にて広告枠情報として一つの広告枠に複数の広告物を設置可能とし、対象となる広告主の業種及びジャンルをそれぞれ異ならせた広告物の設置条件を含むものであるため、一つの広告枠に同業種及び同ジャンルの広告主が集中することを回避して、より安定した広告取引が可能となる。
【0124】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の中から広告主の希望する広告条件を満たす広告枠を抽出する広告枠検索処理部23を具備してなるため、広告主にとって告効果の高い最適な広告枠をより簡便に選定することができる。
【0125】
また、本実施例の広告マッチングシステム1は、広告主にて予めポイント換算してデポジットされたポイント額の残高に応じて広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報の閲覧範囲を制限する広告枠閲覧処理部22を具備してなるため、例えば、広告を希望しない単なる閲覧者を排除することができ、真に広告を希望する広告主に対して公正な広告取引を実現することができる。
【0126】
なお、広告マッチングシステム1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0127】
すなわち、上述した実施例の広告マッチングシステム1では、広告契約料算出部24にて、広告単価設定部21にて設定された広告単価Pbを所定の変動パターンに基づいて最小取引期間tごとに増加させて取引期間Tの総和を広告契約料Pとして算出する構成について説明したが、例えば、取引期間Tが所定の連続期間である場合に、更に所定の割引率αで割り引いた値を広告契約料Pとして算出するように構成してもよい。このように構成することで、所定の連続期間のように纏まった期間の場合に広告契約料Pがディスカウントされるため、広告主による長期の広告取引を誘引して広告枠の空き期間を減らし、より安定した広告取引を継続することが可能となる。
【0128】
所定の連続期間としては、最小取引期間tを1ヶ月とした場合に年度単位の期間として、例えば、1年間又は2年間を区切りとして設定することができる。この場合、割引率αとしては、最小取引期間t(月単位)ごとに広告契約する場合は「0」、所定の連続期間(年間単位)で広告契約する場合は任意の値(例えば「20%」等)に設定される。
【0129】
具体的には、広告契約料算出部24では、式(3)で表される関係式に従って広告契約料Pが算出される。式中において、Pb:広告単価、T:取引期間、R:利率、n:最小取引期間tごとの変数、α:取引期間Tが所定の連続期間の場合に設定される割引率(%)である。
【0130】
【数3】
【0131】
例えば、最小取引期間tが「月単位」、所定の連続期間が「年間単位」、及び利率Rが「10%」として設定されている場合に、広告単価Pbが「20,000ポイント」の広告枠について取引期間Tを「12ヶ月」とした広告契約が締結される場合は、広告契約料算出部24にて、上記の式(3)から広告契約料Pが「342,149ポイント」と算出され、期間割引のない場合の広告契約料P(「427,686ポイント」)と比べて低くなる。
【0132】
また、上述した実施例の広告マッチングシステム1では、広告契約料算出部24にて、一つの変動パターンで広告単価Pbを増加させる場合について説明したが、例えば、取引期間Tの内、広告単価Pbの増加率(利率R)が高い変動パターンから広告単価Pbの増加率(利率R)が低い変動パターンに切り替えて広告契約料Pを算出するように構成してもよい。このように構成することで、纏まった期間継続した方が広告契約料Pの増加が抑えられるので、広告主による長期の広告取引を誘引して広告枠の空き期間を減らし、より安定した広告取引を継続することが可能となる。
【0133】
一例として、以下の別実施例の広告契約料算出部24では、取引期間Tの内、初めの取引期間Taは広告単価Pbの増加率が高い変動パターンで広告単価Pbを最小取引期間tごとに増加させ、取引期間Taの経過後は、残りの取引期間(T-Ta)は広告単価Pbの増加率が低い変動パターンに切り替えて、広告単価Pbを最小取引期間tごとに増加させて広告契約料Pを算出する構成について説明する。
【0134】
具体的には、本別実施例の広告契約料算出部24では、式(4)で表される関係式に従って広告契約料Pが算出される。式中において、P′:取引期間Taの広告契約料、P′:残りの取引期間T-Taの広告契約料である。
【0135】
【数4】
【0136】
式(4)で示したように、広告契約料Pは広告契約料P′及び広告契約料P′′の和として求められる。そして広告契約料P′及び広告契約料P′′は、それぞれ下記の式(5)及び式(6)で表される関係式に従って算出される。式中において、T:取引期間、Ta:増加率が高い変動パターンの取引期間、Tb:増加率が低い変動パターンの取引期間、Ra:増加率が高い変動パターンの利率、Rb:増加率が低い変動パターンの利率、n:最小取引期間tごとの変数である。なお、このときの利率Raは、利率Rbより小さな値である(Ra>Rb)。
【0137】
【数5】
【0138】
【数6】
【0139】
すなわち、本別実施例の広告契約料算出部24では、式(5)で示したように、広告主の希望する取引期間Tの前半は、利率Raを用いた変動パターン(複利法)にて広告単価Pbを最小取引期間tごとに増加させて取引期間Taの間の総和が算出され、式(6)で示したように、取引期間Tの後半は、利率Rbを用いた変動パターン(複利法)に切り替えて広告単価Pbを最小取引期間tごとに増加させて取引期間T-Taの間の総和が算出された広告契約料P′及び広告契約料P′′の和として、最終的な広告契約料Pが算出される。
【0140】
例えば、最小取引期間tが「月単位」、所定の連続期間が「年間単位」、利率Raが「10%」及び利率Rbが「2%」として設定されている場合に、広告単価Pbが「20,000ポイント」の広告枠について取引期間Tを「24ヶ月」とした広告契約が締結される場合は、広告契約料算出部24にて、上記の式(4)から取引期間Taの間は利率Raを用いた変動パターンにて広告契約料P′が「427,686ポイント」と算出され、上記の式(5)から取引期間T-Taの間は利率Rbを用いた変動パターンにて広告契約料P′′が「780,632ポイント」と算出され、その結果、上記の式(4)から広告契約料Pが「1,208,317ポイント」と算出される。
【0141】
また、上述した実施例の広告マッチングシステム1では、広告単価設定部21にて、広告契約料算出部24にて算出された広告契約料Pを取引期間Tで除した最小取引期間tあたりの平均単価を広告単価Pbとして設定する構成について説明したが、広告単価設定部21の構成はこれに限定されず、例えば、広告枠の取引期間Tが終了した時の広告単価を新たな広告単価Pb′として設定してもよい。かかる場合には、広告単価設定部21では、式(7)で表される関係式に従って新たな広告単価Pb′が設定され、広告枠の取引期間Tが終了した後に、広告枠情報管理部18に記憶された広告枠情報(広告料に関する情報)の広告単価Pbの値が変更される。なお、式中において、Pb:広告枠の取引期間開始時の広告単価、T:取引期間、R:利率、n:最小取引期間tごとの変数である。
【0142】
【数7】
【0143】
例えば、上述した実施例で説明したように、最小取引期間tが「月単位」及び利率Rが「10%」として設定されている場合に、広告枠の取引期間開始時の広告単価Pbが「20,000ポイント」の広告枠について取引期間Tを「12ヶ月」とした広告契約が終了した時は、式(7)から広告単価である「57,062ポイント」が新たな広告単価Pb′として設定されることになる。
【0144】
また、上述した実施例の広告マッチングシステム1は、広告枠の広告エリアごとに異なる基本単価Paが設定され(図7等参照)、広告枠の広告エリアごとに設定された基本単価Paに対して広告エリアの取引状態に応じて変動させて個別に広告単価Pbを設定する構成について説明したが、例えば、広告枠全体として一つの基本単価Paが設定されるか、又は一つの広告枠に含まれる広告エリアに全て同じ基本単価Paが設定されるかして、一つの広告エリアの取引状態と連動して広告枠全体の広告単価Pbが変動されるように構成されてもよい。このように構成することで、広告枠の内のいずれか一つの広告エリアの取引実情に基づいて、広告枠全体として広告ニーズを反映した広告単価Pbを好適に設定することができる。
【0145】
また、上述した実施例の広告マッチングシステム1では、広告契約料算出部24にて、広告単価Pbを最小取引期間tごとに利率Rだけ増加させるとともに、増加分を次期の広告単価Pbに組み入れ、広告単価Pbだけでなく増加分も利率Rだけ増加するようにした変動パターン(複利法)にて広告契約料Pを算出する構成について説明したが、複利法による変動パターンに限定されず、例えば、単利法による変動パターンや、広告枠の使用実績に応じて一以上の関数や、メソッド名や、制御構文やアルゴリズム等の予め用意された情報を用いて変動パターンが自走的に生成されるようにしてもよい。
【0146】
また、上述した実施例の広告マッチングシステム1では、広告マッチング装置5においてWebサーバ、アプリケーションサーバ及びデータベースサーバ等が1つの装置で構成されている場合について説明したが、それぞれ個別のサーバ装置で構成されてもよく、広告マッチング装置5を構成する管理部13や処理部14の配置構成についても、複数の装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 広告マッチングシステム
2 通信ネットワーク
3 広告主端末
4 広告枠提供者端末
5 広告マッチング装置
10 通信制御部
11 表示部
12 操作部
13 管理部
14 処理部
15 Webサイト情報管理部
16 広告主情報管理部
17 広告枠提供者情報管理部
18 広告枠情報管理部(広告枠情報管理手段)
20 デポジット処理部
21 広告単価設定部(広告単価設定手段)
22 広告枠閲覧処理部(広告枠閲覧処理手段)
23 広告枠検索処理部(広告枠検索処理手段)
24 広告契約料算出部(広告契約料算出手段)
25 広告取引処理部(広告取引処理手段)
26 広告契約料処理部
27 広告設置料処理部
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10
図11
図12