(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187544
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】部品搭載装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095572
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】森 健二
(72)【発明者】
【氏名】松村 洋
(72)【発明者】
【氏名】大蘆 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】小沼 慎弥
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC08
5E353EE02
5E353EE33
5E353EE36
5E353EE54
5E353EE71
5E353GG02
5E353JJ01
5E353KK03
5E353LL02
5E353LL04
5E353LL06
5E353LL10
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】複数の作業ユニットに対する複数の操作部からの操作を適切に行うことができる部品搭載装置を提供する。
【解決手段】部品搭載装置M1~M4は、第1作業ユニットU1と、第2作業ユニットU2と、第1作業ユニットU1と第2作業ユニットU2に部品搭載作業と特定作業を実行させる制御部と、制御部と通信可能な複数の操作部P1,P2とを含む。制御部は、いずれの操作部P1,P2からの入力であるかを識別し、複数の操作部P1,P2からの操作情報に基づく命令を出力する入力処理部と、操作部P1,P2の識別結果を参照し、一の作業ユニットU1に特定作業を実行させるために一の操作部P1が一の作業ユニットU1に割り当てられているときは、一の作業ユニットU1のための操作を一の操作部P1には許可するが他の操作部P2には禁止し、他の作業ユニットU2のための操作は他の操作部P2に許可する排他処理部と、を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に伸びた一の軸に沿って基板を搬送する第1基板搬送レーンと、
前記第1基板搬送レーンから前記一の軸と水平面内で直交する他の軸に沿った方向に離れた位置に配置され、前記一の軸に沿って基板を搬送する第2基板搬送レーンと、
前記第1基板搬送レーンから前記他の軸に沿った方向であって前記第2基板搬送レーン側とは反対側に離れた位置に配置され、前記一の軸に沿って並列に配置された複数の部品供給ユニットを有する第1部品供給部と、
前記第2基板搬送レーンから前記他の軸に沿った方向であって前記第1基板搬送レーン側とは反対側に離れた位置に配置され、前記一の軸に沿って並列に配置された複数の部品供給ユニットを有する第2部品供給部と、
部品を保持して基板に搭載する第1作業ヘッドと、前記第1作業ヘッドを少なくとも前記第1部品供給部の上空から前記第2基板搬送レーンの上空の第1領域内で移動させる第1作業ヘッド移動機構と、前記第1作業ヘッド移動機構によって前記第1作業ヘッドとともに移動する第1撮像部と、を含む第1作業ユニットと、
部品を保持して基板に搭載する第2作業ヘッドと、前記第2作業ヘッドを少なくとも前記第2部品供給部の上空から前記第1基板搬送レーンの上空の第2領域内で移動させる第2作業ヘッド移動機構と、前記第2作業ヘッド移動機構によって前記第2作業ヘッドとともに移動する第2撮像部と、を含む第2作業ユニットと、
前記第1領域内に配置され、前記第1作業ヘッド移動機構の基準点となる少なくとも一つの第1基準点と、
前記第2領域内に配置され、前記第2作業ヘッド移動機構の基準点となる少なくとも一つの第2基準点と、
第1作業ユニットと第2作業ユニットに、部品を基板に搭載する部品搭載作業と特定作業を実行させる制御部と、
入力部と表示部を有し、前記制御部と通信可能な複数の操作部とを含み、
前記制御部は、
複数の前記操作部からの操作情報を受信するとともにいずれの操作部からの入力であるかを識別し、前記操作情報に基づく命令を出力する入力処理部と、
前記命令に基づいて処理を実行する処理部と、
前記入力処理部による前記操作部の識別結果を参照し、一の作業ユニットに特定作業を実行させるために一の操作部が前記一の作業ユニットに割り当てられているときは、前記一の作業ユニットのための操作を前記一の操作部には許可するが他の操作部には禁止し、他の作業ユニットのための操作は前記他の操作部に許可する排他処理部と、を備えた、部品搭載装置。
【請求項2】
複数の前記操作部は、前記制御部に設けた複数の接続ポートに個別に接続され、
前記入力処理部は、前記操作情報がいずれの接続ポートを経由したものかを検出して前記操作情報を出力した操作部を識別する、請求項1記載の部品搭載装置。
【請求項3】
複数の前記操作部には固有の操作部識別情報が設定されており、
前記入力処理部は、前記操作情報ともに受信した操作部識別情報に基づいて前記操作情報を出力した操作部を識別する、請求項1記載の部品搭載装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記識別結果で特定された操作部の表示部に前記命令の実行結果を表示させる出力処理部をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の部品搭載装置。
【請求項5】
前記特定作業は、前記第1作業ユニットの前記第1撮像部で前記第1基準点を撮像し、撮像した画像より特定された前記第1基準点の位置に基づいて前記第1作業ユニットを校正する第1のキャリブレーションと、前記第2作業ユニットの前記第2撮像部で前記第2基準点を撮像し、撮像した画像より特定された前記第2基準点の位置に基づいて前記第2作業ユニットを校正する第2のキャリブレーションを含む、請求項1から4のいずれかに記載の部品搭載装置。
【請求項6】
前記特定作業は、前記第1作業ユニットの前記第1撮像部で第1部品供給部の部品供給ユニットを撮像して部品供給位置を検出する第1の供給位置ティーチングと、前記第2作業ユニットの前記第2撮像部で第2部品供給部の部品供給ユニットを撮像して部品供給位置を検出する第2の供給位置ティーチングと、を含む、請求項1から5のいずれかに記載の部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を搭載する部品搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実装基板を生産する部品搭載装置などの作業装置には、基板に部品を搭載する部品搭載作業を行う作業ユニットと、作業ユニットを制御する制御部に接続された入力部と表示部を有するタッチパネルなどの操作部を複数備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、上位から入力される画像信号を表示部に表示すると共に下位の装置に出力する画像信号処理回路と、選択スイッチがオンとなると自装置のタッチパネルの位置信号をホスト側に伝達し、オフとなると下位からの位置信号をホスト側に伝達する位置信号処理回路を備える部品搭載装置が開示されている。これにより、ホスト機器に接続された複数台のタッチパネルのうち選択された任意のタッチパネルから部品搭載装置を優先操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、複数の操作部の表示部には同じ画像が表示され、また、並行して作業を行うことができる複数の作業ユニットを備えた部品搭載装置であっても、一の操作部から優先操作されている作業ユニットとは異なる作業ユニットは、いずれの操作部からも操作をすることができないという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、複数の作業ユニットに対する複数の操作部からの操作を適切に行うことができる部品搭載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品搭載装置は、水平方向に伸びた一の軸に沿って基板を搬送する第1基板搬送レーンと、前記第1基板搬送レーンから前記一の軸と水平面内で直交する他の軸に沿った方向に離れた位置に配置され、前記一の軸に沿って基板を搬送する第2基板搬送レーンと、前記第1基板搬送レーンから前記他の軸に沿った方向であって前記第2基板搬送レーン側とは反対側に離れた位置に配置され、前記一の軸に沿って並列に配置された複数の部品供給ユニットを有する第1部品供給部と、前記第2基板搬送レーンから前記他の軸に沿った方向であって前記第1基板搬送レーン側とは反対側に離れた位置に配置され、前記一の軸に沿って並列に配置された複数の部品供給ユニットを有する第2部品供給部と、部品を保持して基板に搭載する第1作業ヘッドと、前記第1作業ヘッドを少なくとも前記第1部品供給部の上空から前記第2基板搬送レーンの上空の第1領域内で移動させる第1作業ヘッド移動機構と、前記第1作業ヘッド移動機構によって前記第1作業ヘッドとともに移動する第1撮像部と、を含む第1作業ユニットと、部品を保持して基板に搭載する第2作業ヘッドと、前記第2作業ヘッドを少なくとも前記第2部品供給部の上空から前記第1基板搬送レーンの上空の第2領域内で移動させる第2作業ヘッド移動機構と、前記第2作業ヘッド移動機構によって前記第2作業ヘッドとともに移動する第2撮像部と、を含む第2作業ユニットと、前記第1領域内に配置され、前記第1作業ヘッド移動機構の基準点となる少なくとも一つの第1基準点と、前記第2領域内に配置され、前記第2作業ヘッド移動機構の基準点となる少なくとも一つの第2基準点と、第1作業ユニットと第2作業ユニットに、部品を基板に搭載する部品搭載作業と特定作業を実行させる制御部と、入力部と表示部を有し、前記制御部と通信可能な複数の操作部とを含み、前記制御部は、複数の前記操作部からの操作情報を受信するとともにいずれの操作部からの入力であるかを識別し、前記操作情報に基づく命令を出力する入力処理部と、前記命令に基づいて処理を実行する処理部と、前記入力処理部による前記操作部の識別結果を参照し、一の作業ユニットに特定作業を実行させるために一の操作部が前記一の作業ユニットに割り当てられているときは、前記一の作業ユニットのための操作を前記一の操作部には許可するが他の操作部には禁止し、他の作業ユニットのための操作は前記他の操作部に許可する排他処理部と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の作業ユニットに対する複数の操作部からの操作を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインの要部平面図
【
図2】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインが備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の概略構造を示す平面図
【
図3】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインが備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の概略構造を示す側面図
【
図4】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインが備える4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置の概略構造を示す平面図
【
図5】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図6】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の入力処理部の処理を示すフロー図
【
図7】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置が備える操作部の表示部に表示される表示画面の例の説明図
【
図8】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置が備える操作部の表示部に表示される表示画面の例の説明図
【
図9】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置が備える操作部の表示部に表示される表示画面の例の説明図
【
図10】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の第1の変形例の(a)制御系の構成を示すブロック図(b)入力処理部の処理を示すフロー図
【
図11】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の第2の変形例の制御系の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、実装基板製造ライン、部品搭載装置などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図1における上下方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における左右方向)が示される。
図3、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図3における上下方向)が示される。
【0011】
まず
図1を参照して、実装基板製造ライン1の構成を説明する。
図1は、実装基板製造ライン1の要部を模式的に示している。実装基板製造ライン1は、複数の部品搭載装置M1~M6を直列に連結して構成されており、基板に部品を搭載した実装基板を製造する機能を有している。各々の部品搭載装置M1~M6には、上流(紙面上方)から下流(紙面下方)に向けて基板2をX軸に沿って搬送する第1基板搬送レーンL1と第2基板搬送レーンL2がY軸方向に離れて配置されている。以下、Y軸方向において、第1基板搬送レーンL1が配置された側を前(紙面左側)、第2基板搬送レーンL2が配置された側を後(紙面右側)と称する。
【0012】
各々の部品搭載装置M1~M6が備える第1基板搬送レーンL1と第2基板搬送レーンL2は、それぞれ隣接する装置と連結されており、上流から下流に向けて基板2をそれぞれ搬送して隣接する装置に受け渡しする。このように、部品搭載装置M1~M6は、水平方向に伸びたX軸(一の軸)に沿って基板2を搬送する第1基板搬送レーンL1と、第1基板搬送レーンL1からY軸(X軸と水平面内で直交する他の軸)に沿った方向に離れた位置に配置され、X軸に沿って基板2を搬送する第2基板搬送レーンL2と、を備えている。
【0013】
図1において、各々の部品搭載装置M1~M6には、第1基板搬送レーンL1の前に第1部品供給部S1が、第2基板搬送レーンL2の後に第2部品供給部S2が配置されている。さらに、部品搭載装置M5と部品搭載装置M6には、第1部品供給部S1の下流に第3部品供給部S3が、第2部品供給部S2の下流に第4部品供給部S4が配置されている。第1部品供給部S1、第2部品供給部S2、第3部品供給部S3、第4部品供給部S4には、それぞれ部品を供給する複数の部品供給ユニット3がX軸に沿って並列に配置されている。
【0014】
このように、部品搭載装置M1~M6は、第1基板搬送レーンL1からY軸に沿った方向であって第2基板搬送レーンL2側とは反対側(前)に離れた位置に配置され、X軸に沿って並列に配置された複数の部品供給ユニット3を有する第1部品供給部S1を備えている。また、部品搭載装置M1~M6は、第2基板搬送レーンL2からY軸に沿った方向であって第1基板搬送レーンL1側とは反対側(後)に離れた位置に配置され、X軸に沿って並列に配置された複数の部品供給ユニット3を有する第2部品供給部S2を備えている。
【0015】
図1において、各々の部品搭載装置M1~M6において、第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2、部品供給ユニット3の上方には、前に第1作業ユニットU1が、後に第2作業ユニットU2が配置されている。さらに、部品搭載装置M5と部品搭載装置M6には、第1作業ユニットU1の下流に第3作業ユニットU3が、第2作業ユニットU2の下流に第4作業ユニットU4が配置されている。
【0016】
第1作業ユニットU1は、部品を保持して基板2に搭載する第1部品搭載ヘッドH1(第1作業ヘッド)と、第1部品搭載ヘッドH1を少なくとも第1部品供給部S1の上空から第2基板搬送レーンL2の上空の第1領域A1内で移動させる第1作業ヘッド移動機構F1と、第1作業ヘッド移動機構F1によって第1部品搭載ヘッドH1とともに移動する第1ヘッドカメラC1(第1撮像部)と、を含んでいる。すなわち、第1作業ユニットU1は、第1基板搬送レーンL1に保持されている基板2の他、第2基板搬送レーンL2に保持されている基板2にも部品を搭載可能な構成になっている。
【0017】
図1において、第2作業ユニットU2は、部品を保持して基板に搭載する第2部品搭載ヘッドH2(第2作業ヘッド)と、第2部品搭載ヘッドH2を少なくとも第2部品供給部S2の上空から第1基板搬送レーンL1の上空の第2領域A2内で移動させる第2作業ヘッド移動機構F2と、第2作業ヘッド移動機構F2によって第2部品搭載ヘッドH2とともに移動する第2ヘッドカメラC2(第2撮像部)と、を含んでいる。すなわち、第2作業ユニットU2は、第2基板搬送レーンL2に保持されている基板2の他、第1基板搬送レーンL1に保持されている基板2にも部品を搭載可能な構成になっている。
【0018】
同様に、第3作業ユニットU3は、第3部品搭載ヘッドH3(第3作業ヘッド)と、第3部品搭載ヘッドH3を第3領域A3内で移動させる第3作業ヘッド移動機構F3と、第3ヘッドカメラC3(第3撮像部)と、を含んでいる。また、第4作業ユニットU4は、第4部品搭載ヘッドH4(第4作業ヘッド)と、第4部品搭載ヘッドH4を第4領域A4内で移動させる第4作業ヘッド移動機構F4と、第4ヘッドカメラC4(第4撮像部)と、を含んでいる。
【0019】
図1において、各々の部品搭載装置M1~M6は、前側にいる作業者が操作可能な位置に第1操作部P1が配置され、後側にいる作業者が操作可能な位置に第2操作部P2が配置されている。第1操作部P1と第2操作部P2は、各種情報や画面を表示するモニタ14(表示部)と、各種情報の入力を受け付けるタッチスクリーン13(入力部)を備えるタッチパネルなどの装置である(
図5参照)。
【0020】
このように、部品搭載装置M1~M4は、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)、作業ユニット(第1作業ユニットU1、第2作業ユニットU2)を2つずつ備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置である。また、部品搭載装置M5,M6は、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2、第3部品供給部S3、第4部品供給部S4)、作業ユニット(第1作業ユニットU1、第2作業ユニットU2、第3作業ユニットU3、第4作業ユニットU4)を4つずつ備える4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置である。
【0021】
図1に示す例では、実装基板製造ライン1は、4台の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4と2台の4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6を備えているが、実装基板製造ライン1は、この構成に限定されることはない。例えば、実装基板製造ライン1は、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4または4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6のいずれか1台を備える構成であってもよい。
【0022】
また、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4を2台、3台、5台以上、4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6を3台以上備える構成であってもよい。また、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4と4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6の配置順番は、任意に設定可能である。さらに、部品搭載装置M1~M6は物理的に連結されている必要もない。
【0023】
次に
図2、
図3を参照して、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の詳細な構成について説明する。基台4の上部中央には、前に第1基板搬送レーンL1が、後に第2基板搬送レーンL2が配置されている。第1基板搬送レーンL1は、基板2を搬送する一対の基板搬送コンベアK1を備えている。第2基板搬送レーンL2は、基板2を搬送する一対の基板搬送コンベアK2を備えている。
【0024】
第1基板搬送レーンL1の前には第1部品供給部S1が、第2基板搬送レーンL2の後には第2部品供給部S2が配置されている。第1部品供給部S1および第2部品供給部S2には、上部に予め複数の部品供給ユニット3(テープフィーダ)が装着された台車5がセットされている。台車5には、部品を保持したキャリアテープ6を巻回状態で収納するリール7が保持されている。リール7から引き出されたキャリアテープ6は部品供給ユニット3によってピッチ送りされ、キャリアテープ6が保持する部品が部品供給位置に供給される。
【0025】
図2、
図3において、基台4の上面のX軸における両端部には、上流にY軸テーブル8が配置され、下流にY軸支持部9が配置されている。Y軸テーブル8およびY軸支持部9には、対向する位置にY軸に沿って伸びたガイド部10がそれぞれ配置されている。また、Y軸テーブル8には、Y軸に沿って伸びたY軸リニアモータ11が配置されている。Y軸テーブル8とY軸支持部9の間には、前に第1ビームB1が配置され、後に第2ビームB2が配置されている。第1ビームB1および第2ビームB2は、Y軸リニアモータ11によって駆動されてガイド部10に沿って前後に移動する。
【0026】
第1ビームB1には、X軸に沿って伸びた第1リニアモータD1が配置されている。また、第1ビームB1には、第1リニアモータD1によって駆動され、X軸に沿って左右に移動する第1移動部材E1が結合されている。第1移動部材E1には、第1部品搭載ヘッドH1と第1ヘッドカメラC1が装着されている。第2ビームB2には、X軸に沿って伸びた第2リニアモータD2が配置されている。また、第2ビームB2には、第2リニアモータD2によって駆動され、X軸に沿って左右に移動する第2移動部材E2が結合されている。第2移動部材E2には、第2部品搭載ヘッドH2と第2ヘッドカメラC2が装着されている。
【0027】
図3において、第1部品搭載ヘッドH1および第2部品搭載ヘッドH2には、下端部に部品を保持する複数の部品保持ノズル12が装着されている。第1部品搭載ヘッドH1および第2部品搭載ヘッドH2は、部品保持ノズル12をZ軸に沿って昇降させ、Z軸回りに回転させる。
【0028】
図2、
図3において、第1部品搭載ヘッドH1は、Y軸リニアモータ11および第1リニアモータD1によって水平方向(X軸方向、Y軸方向)に移動する。すなわち、Y軸テーブル8並びに第1ビームB1は、第1部品搭載ヘッドH1と第1ヘッドカメラC1を第1領域A1内で移動させる第1作業ヘッド移動機構F1を構成する。第2部品搭載ヘッドH2は、Y軸リニアモータ11および第2リニアモータD2によって水平方向に移動する。すなわち、Y軸テーブル8並びに第2ビームB2は、第2部品搭載ヘッドH2と第2ヘッドカメラC2を第2領域A2内で移動させる第2作業ヘッド移動機構F2を構成する。
【0029】
第1ヘッドカメラC1および第2ヘッドカメラC2は、第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置または第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置に保持された基板2の上方に移動し、基板2に設けられた基板マーク(図示省略)を撮像する。撮像結果は画像認識されて、基板2の位置が認識される。また、特定作業である第1の供給位置ティーチングでは、第1作業ユニットU1の第1ヘッドカメラC1(第1撮像部)で第1部品供給部S1の部品供給ユニット3が撮像されて部品供給位置が検出される。また、特定作業である第2の供給位置ティーチングでは、第2作業ユニットU2の第2ヘッドカメラC2(第2撮像部)で第2部品供給部S2の部品供給ユニット3が撮像されて部品供給位置が検出される。
【0030】
図2、
図3において、基台4の上面において、第1部品供給部S1と第1基板搬送レーンL1の間には、上方を撮像する第1部品カメラG1が配置されている。また、第2部品供給部S2と第2基板搬送レーンL2の間には、上方を撮像する第2部品カメラG2が配置されている。第1部品供給部S1から部品を取り出した第1部品搭載ヘッドH1が第1部品カメラG1の上方を移動する際に、第1部品カメラG1は部品保持ノズル12に保持された部品を撮像する。第2部品供給部S2から部品を取り出した第2部品搭載ヘッドH2が第2部品カメラG2の上方を移動する際に、第2部品カメラG2は部品保持ノズル12に保持された部品を撮像する。撮像結果は画像認識されて、部品保持ノズル12に保持された部品の姿勢が認識される。
【0031】
第1部品搭載ヘッドH1による基板2への部品搭載作業では、第1ヘッドカメラC1による基板位置の認識結果と、第1部品カメラG1による部品の認識結果を加味して部品の搭載位置の補正が行われる。同様に、第2部品搭載ヘッドH2による基板2への部品搭載作業では、第2ヘッドカメラC2による基板位置の認識結果と、第2部品カメラG2による部品の認識結果を加味して部品の搭載位置の補正が行われる。
【0032】
図2、
図3において、第1領域A1内であって部品が搭載される基板2が第1基板搬送レーンL1に保持される搭載作業位置の周囲には、複数の第1基準点J1が配置されている。ここでは、第1基板搬送レーンL1の後に1つ、第1部品カメラG1の横に1つ、合計2つの第1基準点J1が配置されている。このように、第1領域A1内には、第1作業ヘッド移動機構F1の基準点となる少なくとも一つの第1基準点J1が配置されている。特定作業である第1のキャリブレーションでは、第1ヘッドカメラC1(第1撮像部)で第1基準点J1を撮像し、撮像した画像より特定された第1基準点J1の位置に基づいて第1作業ユニットU1が校正される。
【0033】
第2領域A2内であって部品が搭載される基板2が第2基板搬送レーンL2に保持される搭載作業位置の周囲には、複数の第2基準点J2が配置されている。ここでは、第2基板搬送レーンL2の前に1つ、第2部品カメラG2の横に1つ、合計2つの第2基準点J2が配置されている。このように、第2領域A2内には、第2作業ヘッド移動機構F2の基準点となる少なくとも一つの第2基準点J2が配置されている。特定作業である第2のキャリブレーションでは、第2ヘッドカメラC2(第2撮像部)で第2基準点J2を撮像し、撮像された画像より特定された第2基準点J2の位置に基づいて第2作業ユニットU2が校正される。
【0034】
図2、
図3において、部品搭載装置M1~M4の前の上部には第1操作部P1が配置され、後の上部には第2操作部P2が配置されている。基台4には、制御部20が配置されている。制御部20には、第1操作部P1、第2操作部P2の他、部品搭載装置M1~M4の各部が接続されている(
図5参照)。これにより、入力部(タッチスクリーン13)と表示部(モニタ14)を有する複数の操作部(第1操作部P1および第2操作部P2)は、制御部20と通信可能である。
【0035】
制御部20は、第1作業ユニットU1、第1部品供給部S1の部品供給ユニット3を制御して、第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置または第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置に保持された基板2に部品を搭載する部品搭載作業を実行させる。また、制御部20は、第2作業ユニットU2、第2部品供給部S2の部品供給ユニット3を制御して、第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置または第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置に保持された基板2に部品を搭載する部品搭載作業を実行させる。
【0036】
また、制御部20は、第1作業ユニットU1を制御して、特定作業として第1のキャリブレーションまたは第1の供給位置ティーチングを実行させる。また、制御部20は、第2作業ユニットU2を制御して、特定作業として第2のキャリブレーションまたは第2の供給位置ティーチングを実行させる。
【0037】
上記のように、部品搭載装置M1~M4は、第1基板搬送レーンL1と、第2基板搬送レーンL2と、第1部品供給部S1と、第2部品供給部S2と、第1部品搭載ヘッドH1(第1作業ヘッド)と第1作業ヘッド移動機構F1と第1ヘッドカメラC1(第1撮像部)を含む第1作業ユニットU1と、第2部品搭載ヘッドH2(第2作業ヘッド)と第2作業ヘッド移動機構F2と第2ヘッドカメラC2(第2撮像部)を含む第2作業ユニットU2と、第1部品カメラG1と、第2部品カメラG2と、第1基準点J1と、第2基準点J2と、制御部20と、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)と、を含んでいる。
【0038】
第1基板搬送レーンL1と、第1部品供給部S1と、第1作業ユニットU1と、第1部品カメラG1と、第1基準点J1は、部品搭載作業と特定作業を行う第1作業部W1を構成する。また、第2基板搬送レーンL2と、第2部品供給部S2と、第2作業ユニットU2と、第2部品カメラG2と、第2基準点J2は、部品搭載作業と特定作業を行う第2作業部W2を構成する。また、部品搭載装置M1~M4は、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)と、作業部を制御する制御部20と、制御部に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)とを備えた作業装置である。
【0039】
次に
図4を参照して、4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6の詳細な構成について説明する。部品搭載装置M5,M6は、上流に第1作業部W1と第2作業部W2を備えるところは、上述した2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4と同様である。部品搭載装置M5,M6は、さらに下流の前に第3作業部W3を備え、下流の後に第4作業部W4を備えているところが部品搭載装置M1~M4と異なる。また、部品搭載装置M5,M6は、第1操作部P1が第1作業部W1と第3作業部W3の間に配置され、第2操作部P2が第2作業部W2と第4作業部W4の間に配置されているところが部品搭載装置M1~M4と異なる。以下、部品搭載装置M1~M4と同じ部分には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0040】
図4において、Y軸に沿って伸びたY軸支持部9は、基台4の上面の中央部に配置されている。基台4の上面の上流に配置されたY軸に沿って伸びたY軸テーブル8とは反対側(下流)の端部には、Y軸に沿って伸びた第2Y軸テーブル8Bが配置されている。第2Y軸テーブル8BおよびY軸支持部9には、対向する位置にY軸に沿って伸びたガイド部10がそれぞれ配置されている。また、第2Y軸テーブル8Bには、Y軸に沿って伸びた第2Y軸リニアモータ11Bが配置されている。以下、第2Y軸テーブル8Bと区別する場合は、Y軸テーブル8を第1Y軸テーブル8Aと称する。また、第2Y軸リニアモータ11Bと区別する場合は、Y軸リニアモータ11を第1Y軸リニアモータ11Aと称する。
【0041】
第2Y軸テーブル8BとY軸支持部9の間には、前に第3ビームB3が配置され、後に第4ビームB4が配置されている。第3ビームB3および第4ビームB4は、第2Y軸リニアモータ11Bによって駆動されてガイド部10に沿って前後に移動する。第3ビームB3には、X軸に沿って伸びた第3リニアモータD3が配置されている。第4ビームB4には、X軸に沿って伸びた第4リニアモータD4が配置されている。
【0042】
図4において、第2Y軸テーブル8B並びに第3ビームB3は、第3部品搭載ヘッドH3と第3ヘッドカメラC3を第3領域A3内で移動させる第3作業ヘッド移動機構F3を構成する。また、第2Y軸テーブル8B並びに第4ビームB4は、第4部品搭載ヘッドH4と第4ヘッドカメラC4を第4領域A4内で移動させる第4作業ヘッド移動機構F4を構成する。
【0043】
第3ヘッドカメラC3および第4ヘッドカメラC4は、第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置または第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置に保持された基板2の上方に移動し、基板2に設けられた基板マーク(図示省略)を撮像する。撮像結果は画像認識されて、基板2の位置が認識される。また、特定作業である第3の供給位置ティーチングでは、第3作業ユニットU3の第3ヘッドカメラC3(第3撮像部)で第3部品供給部S3の部品供給ユニット3が撮像されて部品供給位置が検出される。また、特定作業である第4の供給位置ティーチングでは、第4作業ユニットU4の第4ヘッドカメラC4(第4撮像部)で第4部品供給部S4の部品供給ユニット3が撮像されて部品供給位置が検出される。
【0044】
図4において、基台4の上面において、第3部品供給部S3と第1基板搬送レーンL1の間には、上方を撮像する第3部品カメラG3が配置されている。また、第4部品供給部S4と第2基板搬送レーンL2の間には、上方を撮像する第4部品カメラG4が配置されている。
【0045】
第3領域A3内には、第3作業ヘッド移動機構F3の基準点となる少なくとも一つの第3基準点J3が配置されている。特定作業である第3のキャリブレーションでは、第3ヘッドカメラC3(第3撮像部)で第3基準点J3を撮像し、撮像した画像より特定された第3基準点J3の位置に基づいて第3作業ユニットU3が校正される。また、第4領域A4内には、第4作業ヘッド移動機構F4の基準点となる少なくとも一つの第4基準点J4が配置されている。特定作業である第4のキャリブレーションでは、第4ヘッドカメラC4(第4撮像部)で第4基準点J4を撮像し、撮像した画像より特定された第4基準点J4の位置に基づいて第4作業ユニットU4が校正される。
【0046】
上記のように、部品搭載装置M5,M6は、第1基板搬送レーンL1と、第2基板搬送レーンL2と、第1部品供給部S1と、第2部品供給部S2と、第3部品供給部S3と、第4部品供給部S4と、第1作業ユニットU1と、第2作業ユニットU2と、第3部品搭載ヘッドH3(第3作業ヘッド)と第3作業ヘッド移動機構F3と第3ヘッドカメラC3(第3撮像部)を含む第3作業ユニットU3と、第4部品搭載ヘッドH4(第4作業ヘッド)と第4作業ヘッド移動機構F4と第4ヘッドカメラC4(第4撮像部)を含む第4作業ユニットU4と、第1部品カメラG1と、第2部品カメラG2と、第3部品カメラG3と、第4部品カメラG4と、第1基準点J1と、第2基準点J2と、第3基準点J3と、第4基準点J4と、制御部20と、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)と、を含んでいる。
【0047】
第1基板搬送レーンL1と、第3部品供給部S3と、第3作業ユニットU3と、第3部品カメラG3と、第3基準点J3は、部品搭載作業と特定作業を行う第3作業部W3を構成する。また、第2基板搬送レーンL2と、第4部品供給部S4と、第4作業ユニットU4と、第4部品カメラG4と、第4基準点J4は、部品搭載作業と特定作業を行う第4作業部W4を構成する。このように、部品搭載装置M5,M6は、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2、第3作業部W3、第4作業部W4)と、作業部を制御する制御部20と、制御部に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)とを備えた作業装置である。
【0048】
次に
図5を参照して、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の制御系の構成を複数の作業ユニット(第1作業ユニットU1、第2作業ユニットU2)または複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)に対する複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの操作を適切に処理する機能を中心に説明する。
【0049】
部品搭載装置M1~M4が備える制御部20は、入力処理部21、処理部22、排他処理部23、出力処理部24、記憶部25を備えている。入力処理部21は、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの操作情報を受信するとともにいずれの操作部からの入力であるかを識別し、操作情報に基づく命令を出力する。入力処理部21は内部処理部として、入力受信部26、操作部識別部27、出力部28を備えている。
【0050】
処理部22は、命令に基づいて後述する各種の処理を実行し、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)に所定の作業(部品搭載作業)と特定作業を行わせる。処理部22は内部処理部として、部品搭載処理部29、第1校正処理部30、第1教示処理部31、第2校正処理部32、第2教示処理部33を備えている。記憶部25は記憶装置であり、生産プログラム34、教示・校正データ35、稼働実績データ36、装置状態データ37などが記憶されている。
【0051】
図5において、第1校正処理部30は、第1作業部W1を制御し、第1基準点J1の位置に基づいて第1作業ユニットU1を校正する第1のキャリブレーションを実行させる。第2校正処理部32は、第2作業部W2を制御し、第2基準点J2の位置に基づいて第2作業ユニットU2を校正する第2のキャリブレーションを実行させる。第1のキャリブレーションまたは第2のキャリブレーションによって取得された情報(補正値など)は、教示・校正データ35として記憶部25に記憶される。
【0052】
第1教示処理部31は、第1作業部W1を制御し、第1部品供給部S1の部品供給位置を検出して第1部品搭載ヘッドH1の部品保持ノズル12が部品供給ユニット3から部品を取り出す位置を教示する第1の供給位置ティーチングを実行させる。第2教示処理部33は、第2作業部W2を制御し、第2部品供給部S2の部品供給位置を検出して第2部品搭載ヘッドH2の部品保持ノズル12が部品供給ユニット3から部品を取り出す位置を教示する第2の供給位置ティーチングを実行させる。第1の供給位置ティーチングまたは第2の供給位置ティーチングによって取得された情報(部品吸着位置データなど)は、教示・校正データ35として記憶部25に記憶される。
【0053】
図5において、生産プログラム34には、実装基板の種類毎に、基板2のサイズ、搭載される部品の種類と搭載位置(XY座標)など、部品搭載作業に必要な情報や制御プログラムが記憶されている。部品搭載処理部29は、生産プログラム34、教示・校正データ35に基づいて第1作業部W1および第2作業部W2を制御し、基板2の搬送作業、部品を基板に搭載する部品搭載作業を実行させる。部品搭載作業において部品搭載処理部29は、教示・校正データ35(各種補正値、部品吸着位置データ等)を参照して、第1部品搭載ヘッドH1および第2部品搭載ヘッドH2の位置を制御する。
【0054】
処理部22は、各々の部品供給ユニット3が供給可能な部品の残数、実装基板の生産枚数、部品搭載ミスの回数、吸着ミスの回数などの稼働実績を逐次取得して、稼働実績データ36として記憶部25に記憶させる。また、処理部22は、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)の状態、部品搭載作業の進捗状況、キャリブレーションや供給位置ティーチングなどの特定作業の進捗状況、制御部20に対する操作を行った操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)の情報などを逐次取得して、装置状態データ37として記憶部25に記憶させる。
【0055】
図5において、第1操作部P1は制御部20に設けられた第1接続ポートT1に接続されている。第2操作部P2は制御部20に設けられた第2接続ポートT2に接続されている。作業者がタッチスクリーン13に対して行った操作の内容を意味する操作イベントと、操作が行われた位置を示す座標データを含む操作情報は、接続ポート(第1接続ポートT1、第2接続ポートT2)を経由して入力処理部21に伝達される。操作イベントとしては、タップ、ロングタップ、フリック、スライド、ペンアップ、ペンダウン、ピッチイン、ピッチアウト等が挙げられる。
【0056】
ここで
図6を参照して、入力受信部26の処理について説明する。入力受信部26は、タッチスクリーン13から出力された操作情報(操作イベント、座標データ)を受信する(ST1)。操作情報を受信すると(ST1においてYes)、入力処理部21は、入力受信部26が受信した操作情報に基づいて、作業者がタッチスクリーン13に入力した命令を判別する(ST2)。次いで操作部識別部27は、いずれの操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から操作情報が送信されたかを識別する(ST3)。この例では、いずれの接続ポート(第1接続ポートT1、第2接続ポートT2)を経由して操作情報が送信されたかに基づいて操作部を識別する。
【0057】
第1接続ポートT1と識別した場合(ST3において第1接続ポート)、出力部28は、第1接続ポートT1の操作部識別情報と命令を関連付けて出力する(ST4)。また、第2接続ポートT2と識別した場合(ST3において第2接続ポート)、出力部28は、第2接続ポートT2の操作部識別情報と命令を関連付けて出力する(ST5)。このように、出力部28は、入力処理部21によって判別された命令と、操作部識別部27によって認識されたいずれの操作部に対する操作であるかを特定する識別結果(操作部識別情報)とを関連付けて処理部22と出力処理部24に出力する。
【0058】
例えば、作業者が第1操作部P1のモニタ14に表示された停止ボタンをタップすると、操作イベント「タップ」とタッチスクリーン13における操作位置を示す座標データとを含む操作情報が、第1接続ポートT1を経由して制御部20に伝達される。入力処理部21は、入力受信部26が受信した操作情報に基づいて、タップされた位置がモニタ14に表示された停止ボタンの表示領域内と認識し(ST2)、停止命令と操作部識別部27が識別した第1操作部P1を示す識別結果とを関連付けて、処理部22と出力処理部24に出力する(ST4)。
【0059】
このように、入力処理部21は、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの操作情報を受信するとともにいずれの操作部からの入力であるかを識別し、操作情報に基づく命令を出力する。また、複数の操作部は、制御部20に設けた複数の接続ポート(第1接続ポートT1、第2接続ポートT2)に個別に接続され、入力処理部21は、操作情報がいずれの接続ポートを経由したものかを検出して操作情報を出力した操作部を識別する。
【0060】
図5において、排他処理部23は、入力処理部21から出力された操作部の識別結果と、装置状態データ37に含まれる作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)の状態に基づいて、作業部で特定作業が実行されている時に、その作業部での特定作業を指示した操作部からの操作は許可するが、他の操作部からの操作は禁止にする排他処理を実行する。これにより、特定作業が実行されている作業部に対して、他の操作部から抵触する操作がされることが防止できる。
【0061】
例えば、第1操作部P1から第1作業部W1(または、第1作業ユニットU1)に対して特定作業であるキャリブレーションを実行するように操作され、第1校正処理部30が第1作業部W1に第1のキャリブレーションを実行させている間は、排他処理部23は第1操作部P1から操作は許可するが、第2操作部P2からの操作は禁止にする。
【0062】
すなわち、排他処理部23は、入力処理部21による操作部の識別結果を参照し、一の作業部(第1作業部W1)または一の作業ユニット(第1作業ユニットU1)に特定作業(キャリブレーション)を実行させるために一の操作部(第1操作部P1)が一の作業部に割り当てられているときは、一の作業部のための操作を一の操作部には許可するが他の操作部(第2操作部P2)には禁止し、他の作業部(第2作業部W2)または他の作業ユニット(第2作業ユニットU2)のための操作は他の操作部に許可する。これによって、複数の作業部または作業ユニットに対して複数の操作部から操作が同時に行われた場合であっても、各々の操作部から操作を適切に行うことができる。
【0063】
図5において、出力処理部24は、入力処理部21によって特定された操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)の識別結果に基づいて、処理部22によって実行された命令の実行結果を特定された操作部のモニタ14に表示させる。例えば、第1操作部P1からの操作によって第1作業部W1がキャリブレーションを実行している場合は、出力処理部24は第1操作部P1のモニタ14に第1作業部W1におけるキャリブレーションの途中経過を含む実行結果を表示させる。すなわち、出力処理部24は、入力処理部21による識別によって特定された操作部の表示部(モニタ14)に命令の実行結果を表示させる。
【0064】
次に
図7~
図9を参照して、部品搭載装置M1~M4の第1操作部P1のモニタ14と第2操作部P2のモニタ14に表示されるモニタ画面の例について説明する。
【0065】
図7の状態Aは、部品搭載装置M1~M4の第1作業部W1と第2作業部W2のそれぞれで異なる種類の実装基板に対する部品搭載作業が実行中であり、かつ、所定時間(例えば、5分間)以上、第1操作部P1と第2操作部P2のいずれも操作されていない状態を示している。すなわち、出力処理部24は、装置状態データ37に基づいて、第1基板搬送レーンL1および第2基板搬送レーンL2において搬送される基板2の位置と、生産中の実装基板の基板種名、部品搭載作業済みの基板2の枚数、生産が計画されている基板2の枚数を、第1操作部P1のモニタ14と第2操作部P2のモニタ14にそれぞれ表示させる。
【0066】
また、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14には第1基板搬送レーンL1に関する情報を下側に表示させ、第2操作部P2のモニタ14には第2基板搬送レーンL2に関する情報を下側に表示させる。すなわち、各モニタ14には、モニタ14から見て手前側にある基板搬送レーンが下側に表示される。これにより、モニタ14を見た作業者が部品搭載装置M1~M4内の状態を容易に把握することができる。
【0067】
図7の状態Bは、状態Aにおける第1操作部P1のモニタ14を作業者がタッチ(画面のいずれかをタップ)した後の状態を示している。第1操作部P1のモニタ14に作業者がタッチすると第1操作部P1のタッチスクリーン13から操作情報(タップ、タップされた座標)が出力される。入力処理部21(操作部識別部27)は、操作情報が第1接続ポートT1を経由したものであることを検出して、操作情報を出力したのが第1操作部P1であることを識別する。出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14に命令を受け付けるためのメインメニューを表示させる。すなわち、出力処理部24は、入力処理部21による識別によって特定された第1操作部P1のモニタ14に命令(メインメニュー表示)の実行結果を表示させる。
【0068】
また、出力処理部24は、第2操作部P2のモニタ14に第1操作部P1において操作が行われたことを示す通知を表示させる。この例では、モニタ14に表示させる画面の縁の色を変えて通知させている。なお、通知方法は画面の縁の色の変更に限定されることはなく、画面全体の色を変えても、画面に第1操作部P1において操作が行われた旨のコメントを表示するようにしてもよい。
【0069】
図7の状態Cは、状態Bで第1操作部P1のモニタ14に表示されているメインメニューの中から、作業者が「部品残数表示」ボタンを選択(「部品残数表示」ボタンの表示領域内をタップ)した後の状態を示している。作業者が「部品残数表示」ボタンを選択すると、第1操作部P1のタッチスクリーン13から操作情報(タップ、タップされた座標)が出力される。出力処理部24は、稼働実績データ36に含まれる各々の部品供給ユニット3が供給可能な部品の残数に基づいて、第1操作部P1のモニタ14に部品残数を示す画面を表示させる。なお、出力処理部24は、第2操作部P2のモニタ14の表示は変更しない。
【0070】
図7の状態Dは、状態Cにおける第2操作部P2のモニタ14を作業者がタッチして表示させたメインメニューの中から、「稼働実績データ(吸着ノズル)」ボタンを選択した後の状態を示している。すなわち、出力処理部24は、稼働実績データ36に含まれる部品保持ノズル12の稼働実績データに基づいて、第2操作部P2のモニタ14に稼働実績を示す画面を表示させている。さらに、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14に第2操作部P2において操作が行われたことを示す通知を表示させている。なお、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14の表示は変更しない。
【0071】
図8の状態Eは、第1作業部W1と第2作業部W2のいずれも特定作業が実行可能な状態で、第1操作部P1のモニタ14に表示されているメインメニューの中から、作業者が「キャリブレーション」ボタンを選択した後の状態を示している。すなわち、第1作業部W1と第2作業部W2のいずれも部品搭載作業を実行しておらず、第2操作部P2のモニタ14には、部品搭載作業に関する情報が表示されていない。
【0072】
「キャリブレーション」ボタンが選択されると、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14にキャリブレーション選択メニューを表示させる。キャリブレーション選択メニューには、キャリブレーションを実行させる作業部を選択するための「手前」ボタンと「奥」ボタン、および「開始」ボタンと部品搭載装置M1~M4の作業部を模式的に表示する図が表示されている。
【0073】
図8の状態Fは、状態Eで第1操作部P1のモニタ14に表示されているキャリブレーション選択メニューにおいて、作業者が「手前」ボタン(作業部選択ボタン)をタップして手前を選択した状態で、「開始」ボタンをタップした後の状態を示している。すなわち、第1操作部P1のタッチスクリーン13から出力された操作情報に基づいて、第1校正処理部30が第1作業部W1に第1のキャリブレーションを実行させている。出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14にキャリブレーション状況画面を表示させる。キャリブレーション状況画面には、第1作業部W1においてキャリブレーションが実行されている旨を模式的に表示する図と、キャリブレーションの進行状況(ここでは、5%)を示す文字およびグラフと、「停止」ボタンが表示されている。
【0074】
また、出力処理部24は、第2操作部P2のモニタ14に、第1作業部W1においてキャリブレーションが実行されている旨を表示させる。この例では、第1基板搬送レーンL1を示す位置に「キャリブレーション実行中」のテキスト情報を表示させている。排他処理部23は、第1操作部P1のタッチスクリーン13から出力された操作情報に基づいて、第1操作部P1を第1作業部W1に割り当てて、その後、第1のキャリブレーションが終了するまでその状態を維持する。
【0075】
すなわち、排他処理部23は、第1のキャリブレーションが終了するまで、第1作業部W1のための操作を第1操作部P1には許可するが、第2操作部P2には禁止する。そのため、第1操作部P1のモニタ14には第1作業部W1のキャリブレーションの停止を受け付ける「停止」ボタンが表示されるが、第2操作部P2のモニタ14には第1作業部W1を操作するためのボタン等は表示されない。第1操作部P1のモニタ14に表示されている「停止」ボタンが操作されると、第1作業部W1のキャリブレーションが停止される。
【0076】
図8の状態Gは、状態Fにおける第2操作部P2のモニタ14を作業者がタッチして表示させたメインメニューの中から、「ティーチング」ボタンを選択した後の状態を示している。すなわち、排他処理部23が第1操作部P1を第1作業部W1に割り当てている状態で、出力処理部24が、第2操作部P2のモニタ14にティーチング選択メニューを表示させている。ティーチング選択メニューには、キャリブレーションを実行する作業部を選択するための「手前」ボタンと「奥」ボタン、および「開始」ボタンと部品搭載装置M1~M4の作業部を模式的に表示する図が表示されている。
【0077】
第1作業部W1では第1のキャリブレーションが実行中であり、第1作業部W1のための操作を第2操作部P2は禁止されている。そのため、出力処理部24は、ティーチング選択メニューにおいて「奥」ボタンを操作不可能な状態で表示させる。また、模式図では第1作業部W1を点線で表示して選択できない旨を明示している。また、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14に表示されるキャリブレーションの進行状況(ここでは、10%)を最新の状況に更新させる。
【0078】
図8の状態Hは、状態Gで第2操作部P2のモニタ14に表示されているティーチング選択メニューにおいて、作業者が「手前」ボタンをタップして手前を選択した状態で、「開始」ボタンをタップした後の状態を示している。すなわち、第2操作部P2のタッチスクリーン13から出力された操作情報に基づいて、第2教示処理部33が第2作業部W2に第2の供給位置ティーチングを実行させている。出力処理部24は、第2操作部P2のモニタ14にティーチング状況画面を表示させる。ティーチング状況画面には、第2作業部W2において供給位置ティーチングが実行されている旨を模式的に表示する図と、ティーチングの進行状況(ここでは、0%)を示す文字およびグラフと、「停止」ボタンが表示されている。
【0079】
また、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14に表示されているキャリブレーションの進行状況(ここでは、20%)を最新の状況に更新させる。排他処理部23は、第2操作部P2のタッチスクリーン13から出力された操作情報に基づいて、第2操作部P2を第2作業部W2に割り当てて、第2の供給位置ティーチングが終了するまでその状態を維持する。すなわち、排他処理部23は、第2の供給位置ティーチングが終了するまで、第2作業部W2のための操作を第2操作部P2には許可するが、第1操作部P1には禁止する。
【0080】
そのため、第2操作部P2のモニタ14には第2作業部W2の供給位置ティーチングの停止を受け付ける「停止」ボタンが表示されるが、第1操作部P1のモニタ14には第2作業部W2を操作するためのボタン等は表示されない。第2操作部P2のモニタ14に表示されている「停止」ボタンが操作されると、第2作業部W2の部品供給位置ティーチングが停止される。
【0081】
図9の状態Kは、第1作業部W1と第2作業部W2のいずれも特定作業が実行可能な状態で、第1操作部P1のモニタ14に表示されたメインメニューの中から作業者が「キャリブレーション」ボタンを選択し、第2操作部P2のモニタ14に表示されたメインメニューの中から別の作業者が「キャリブレーション」ボタンを選択した後の状態を示している。すなわち、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14にキャリブレーション選択メニューを表示させ、第2操作部P2のモニタ14にもキャリブレーション選択メニューを表示させている。
【0082】
図9の状態Lは、状態Kで第1操作部P1のモニタ14で作業者が「手前」ボタンをタップして手前(第1作業部W1)を選択し、第2操作部P2のモニタ14で別の作業者が「手前」ボタンをタップして手前(第2作業部W2)を選択した後の状態を示している。すなわち、排他処理部23は、第1操作部P1を第1作業部W1に割り当てて、第2操作部P2を第2作業部W2に割り当てている。
【0083】
そして、排他処理部23は、第1作業部W1のための操作を第1操作部P1には許可するが第2操作部P2には禁止し、第2作業部W2のための操作を第2操作部P2には許可するが第1操作部P1には禁止する。出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14の第2作業部W2を操作するための「奥」ボタンを操作不可能な状態で表示させ、第2操作部P2のモニタ14の第1作業部W1を操作するための「奥」ボタンを操作不可能な状態で表示させる。
【0084】
図9の状態Mは、状態Lで第1操作部P1のモニタ14で作業者が「開始」ボタンをタップし、第2操作部P2のモニタ14で別の作業者が「開始」ボタンをタップした後の状態を示している。すなわち、第1校正処理部30により第1のキャリブレーションが実行され、第2校正処理部32により第2のキャリブレーションが実行されている。そして、出力処理部24は、第1操作部P1のモニタ14に第1作業部W1のキャリブレーション状況画面を表示させ、第2操作部P2のモニタ14に第2作業部W2のキャリブレーション状況画面を表示させている。
【0085】
第1操作部P1のモニタ14には、第1作業部W1のキャリブレーションの停止を受け付ける「停止」ボタンが表示されている。また、第2操作部P2のモニタ14には、第2作業部W2のキャリブレーションの停止を受け付ける「停止」ボタンが表示されている。すなわち、第1操作部P1からは第1作業部W1のための操作は許可されているが、第2作業部W2のための操作は不可(禁止)である排他的な状態となっている。同様に、第2操作部P2からは第2作業部W2のための操作は許可されているが、第1作業部W1のための操作は不可(禁止)である排他的な状態となっている。
【0086】
次に
図10(a)、
図10(b)を参照して、部品搭載装置M1~M4の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、第1操作部P1および第2操作部P2に固有の操作部識別情報15がそれぞれ設定されているところが
図5に示す部品搭載装置M1~M4と異なる。以下、
図5に示す部品搭載装置M1~M4との差異点について説明する。第1操作部P1および第2操作部P2は、制御部20に操作情報を出力する際に、それぞれに設定された操作部識別情報15を出力する。入力受信部26は、操作情報と操作部識別情報15を受信する(ST11においてYes)。
【0087】
次いで入力処理部21は操作情報に基づいてタッチスクリーン13に入力された命令を判別する(ST12)。次いで出力部28は、判別された命令および受信された操作部識別情報15または操作部識別部27による識別結果を関連付けて出力する(ST13)。このように、複数の操作部には固有の操作部識別情報15が設定されており、入力処理部21は、操作情報ともに受信した操作部識別情報15に基づいて操作情報を出力した操作部を識別する。これによって、誤って第1操作部P1を第2接続ポートT2に接続した場合であっても、操作情報を出力した操作部を正しく識別することができる。
【0088】
次に
図11を参照して、部品搭載装置M1~M4の第2の変形例について説明する。第2の変形例は、第1操作部P1および第2操作部P2と制御部20が無線により情報の送受信を行うところが第1の変形例と異なる。以下、第1の実施例との差異点について説明する。第1操作部P1および第2操作部P2は、操作部側通信部16をそれぞれ備えている。制御部20は、制御部側通信部38を備えている。操作部側通信部16と制御部側通信部38は、無線により各種の情報を送受信する。すなわち、第1操作部P1から出力される操作情報と操作部識別情報15は、操作部側通信部16から無線で制御部側通信部38を経由して制御部20に送信される。
【0089】
また、出力処理部24から出力された操作部のモニタ14に表示させる実行結果は、制御部側通信部38から識別結果で特定された操作部(第1操作部P1または第2操作部P2)の操作部側通信部16に無線で送信される。これによって、第1操作部P1または第2操作部P2を携帯する作業者は、部品搭載装置M1~M4から離れた位置から部品搭載装置M1~M4の複数の作業ユニット(作業部)に対する操作を適切に行うことができる。なお、制御部側通信部38の代わりに部品搭載装置M1~M4が配置された工場内に操作部側通信部16と無線で通信可能なアクセスポイントを設置し、アクセスポイントと部品搭載装置M1~M4の制御部20を有線の通信ネットワークで接続する構成であってもよい。
【0090】
上記説明したように、本実施の形態の部品搭載装置M1~M4(作業装置)は、第1作業ユニットU1と第2作業ユニットU2(第1作業部W1、第2作業部W2)に部品を基板2に搭載する部品搭載作業(所定の作業)と特定作業を実行させる制御部20と、制御部20に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を備えている。そして、制御部20は、入力処理部21、処理部22、排他処理部23、出力処理部24を有している。これによって、複数の作業ユニットまたは作業部に対して複数の操作部から操作が同時に行われた場合であっても、各々の操作部から操作を適切に行うことができる。
【0091】
なお、上記は2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の制御系の構成について説明したが、4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6の制御系の構成も同様である。すなわち、部品搭載装置M5,M6(作業装置)は、第1作業ユニットU1(第1作業部W1)、第2作業ユニットU2(第2作業部W2)、第3作業ユニットU3(第3作業部W3)、および第4作業ユニットU4(第4作業部W4)に部品を基板2に搭載する部品搭載作業(所定の作業)と特定作業を実行させる制御部20と、制御部20に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を備えている。
【0092】
そして、制御部20は、入力処理部21、処理部22、排他処理部23、出力処理部24を有している。これによって、複数の作業ユニット(第1作業ユニットU1、第2作業ユニットU2、第3作業ユニットU3、第4作業ユニットU4)に対する複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの操作を適切に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の部品搭載装置は、複数の作業ユニットに対する複数の操作部からの操作を適切に行うことができるという効果を有し、部品を基板に搭載する分野において有用である。
【符号の説明】
【0094】
2 基板
3 部品供給ユニット
20 制御部
A1 第1領域
A2 第2領域
C1 第1ヘッドカメラ(第1撮像部)
C2 第2ヘッドカメラ(第2撮像部)
F1 第1作業ヘッド移動機構
F2 第2作業ヘッド移動機構
H1 第1部品搭載ヘッド(第1作業ヘッド)
H2 第2部品搭載ヘッド(第2作業ヘッド)
J1 第1基準点
J2 第2基準点
L1 第1基板搬送レーン
L2 第2基板搬送レーン
M1~M6 部品搭載装置
P1 第1操作部(操作部)
P2 第2操作部(操作部)
S1 第1部品供給部
S2 第2部品供給部
T1 第1接続ポート(接続ポート)
T2 第2接続ポート(接続ポート)
U1 第1作業ユニット
U2 第2作業ユニット