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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187596
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】記録装置、および液体収容体
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
B41J2/175 305
B41J2/175 151
B41J2/175 141
B41J2/175 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095670
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】南雲 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和章
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 一郎
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA29
2C056EB20
2C056EB55
2C056EB56
2C056EC19
2C056EC26
2C056EC28
2C056KC02
2C056KC04
2C056KC09
2C056KC10
(57)【要約】
【課題】発光部を液体貯留部の外に設ける場合、液体貯留部内を照らしにくい虞がある。
【解決手段】記録装置101は、液体を貯留可能な液体貯留部46と、液体貯留部46から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッド22と、液体貯留部46の外に設けられ、光を発する発光部81と、を備え、液体貯留部46は、液体貯留部46内の前記液体の液量を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、液体貯留部46内に設けられ、発光部81からの前記光を液体貯留部46内に導く導光部47と、を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留可能な液体貯留部と、
前記液体貯留部から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッドと、
前記液体貯留部の外に設けられ、光を発する発光部と、
を備え、
前記液体貯留部は、
前記液体貯留部内の前記液体の液量を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、
前記液体貯留部内に設けられ、前記発光部からの前記光を前記液体貯留部内に導く導光部と、
を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記導光部は、重力方向において、前記液体貯留部内における前記液体の前記液量が所定量になったときの液面に対応する位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記視認面に対面する方向から見える前記液体貯留部内の範囲を視認範囲としたとき、
前記導光部は、重力方向において、前記視認範囲にわたって設けられる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記導光部は、
前記発光部からの前記光が前記導光部内に入る進入面と、
前記視認面に沿う面であり、前記進入面から入った前記光を透すことで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面と、
前記発光面の反対の面であって、前記進入面から進入した前記光を前記発光面に向けて導く導光面と、
を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記導光面は、前記導光面における他の面より突き出る凸部を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記導光面は、重力方向に並ぶ複数の前記凸部を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記導光面の前記他の面より前記凸部が突き出る寸法を突出量としたとき、
前記導光面は、前記突出量が異なる複数の前記凸部を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項8】
複数の前記凸部は、重力方向において、一端側に位置する前記凸部の前記突出量が他端側に位置する前記凸部の前記突出量より多くなるように設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
複数の前記凸部は、重力方向において、一端側に位置する前記凸部と他端側に位置する前記凸部との間の中間位置に近い前記凸部ほど突出量が少なくなるように設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項10】
前記導光面は、前記複数の前記凸部の間をつなぐ接続面を含む、
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項11】
前記凸部は、前記発光面に沿う面を有する、
ことを特徴とする請求項5から請求項10のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項12】
前記凸部を形成する上面は、前記凸部の突端側ほど下方となるように傾斜している、
ことを特徴とする請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項13】
前記導光部は、前記光の透過率が異なる複数の材料で構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項14】
複数の前記液体貯留部と、
前記複数の前記液体貯留部における前記導光部に、一つの前記発光部からの前記光を導く共通導光部と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項15】
前記発光部の点灯および消灯を制御する制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項16】
前記液体を前記液体貯留部内に注入可能な注入部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項17】
液体を吐出する記録へッドと、光を発する発光部と、装着部と、を備える記録装置の前記装着部に装着可能な液体収容体であって、
前記液体を貯留可能な液体貯留部を備え、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態において、
前記液体貯留部の前記発光部と対向する領域は、透明または半透明であり、
前記液体貯留部は、
前記液体貯留部内の前記液体の液量を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、
前記液体貯留部内に設けられ、前記発光部からの前記光を前記液体貯留部内に導く導光部と、
を有する、
ことを特徴とする液体収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、および液体収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷用紙に液体の一例であるインクを吐出することで記録を行う記録装置の一例であるインクジェット式のプリンターが開示されている。このプリンターは、インクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給されるインクを貯留する液体貯留部を有する液体収容体と、を備える。また、このプリンターは、液体貯留部内を照らす発光部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-182834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターおよび液体収容体では、発光部が液体貯留部の外側に設けられており、液体貯留部内を照らしにくい虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、液体を貯留可能な液体貯留部と、前記液体貯留部から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッドと、前記液体貯留部の外に設けられ、光を発する発光部と、を備え、前記液体貯留部は、前記液体貯留部内の前記液体の液量を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、前記液体貯留部内に設けられ、前記発光部からの前記光を前記液体貯留部内に導く導光部と、を有する。
【0006】
液体収容体は、液体を吐出する記録へッドと、光を発する発光部と、装着部と、を備える記録装置の前記装着部に装着可能な液体収容体であって、前記液体を貯留可能な液体貯留部を備え、前記液体収容体が前記装着部に装着された状態において、前記液体貯留部の前記発光部と対向する領域は、透明または半透明であり、前記液体貯留部は、前記液体貯留部内の前記液体の液量を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、前記液体貯留部内に設けられ、前記発光部からの前記光を前記液体貯留部内に導く導光部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態としての記録装置の斜視図。
図2】スキャナー部が開かれた記録装置の斜視図。
図3】スキャナー部が開かれた記録装置の他の斜視図。
図4】液体収容装置の斜視図。
図5】液体収容容器の斜視図。
図6図4に示した液体収容装置において開閉カバーおよびキャップレバーが閉状態にある場合のd6-d6断面を示す要部断面図。
図7図4に示した液体収容装置において開閉カバーおよびキャップレバーが開状態にある場合のd6-d6断面を示す要部断面図。
図8】液体貯留部内を視認面に対面する方向から見た側面図。
図9図8に示した液体貯留部のd9-d9断面を示す要部断面図。
図10図9に示した液体貯留部のd10-d10断面を示す要部断面図。
図11】発光部が発光したときの液体貯留部の要部断面図。
図12】発光部が発光したときの液体貯留部内を視認面に対面する方向から見た側面図。
図13】他の実施例に係る導光部を有する液体貯留部内を視認面に対面する方向から見た側面図。
図14】他の実施例に係る導光部を有する液体貯留部の要部断面図。
図15】他の実施例に係る導光部の側面図。
図16】他の実施例に係る導光部の側面図。
図17】他の実施例に係る導光部の側面図。
図18】他の実施例に係る導光部の側面図。
図19】記録装置の電気的構成を示すブロック図。
図20】実施形態2に係る導光部を有する液体貯留部の要部断面図。
図21図20に示した液体貯留部のd21-d21断面を示す要部断面図。
図22】実施形態2に係る導光部を有する液体貯留部内を視認面に対面する方向から見た側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。またZ軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0010】
1.実施形態1
実施形態1に係る記録装置101の概略構成について図1から図3を参照して説明する。本実施形態に係る記録装置101は、直方体状をなす装置本体102と、装置本体102の上部に取り付けられるスキャナー部10と、液体収容装置103と、を有し、水平面に設置されている。なお、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向はX軸に沿う+X方向または-X方向であり、媒体が搬送される搬送方向はY軸に沿う+Y方向である。
【0011】
図1図2に示すように、スキャナー部10は、装置本体102の上部に配置され、装置本体102に対して回動可能に取り付けられている。スキャナー部10では、原稿が載置され原稿を読み取るスキャナーハウジング11と原稿カバー12とが順に積層されている。原稿カバー12はスキャナーハウジング11を保護するカバーであり、スキャナーハウジング11に対して回動可能である。さらに、原稿カバー12の+Y方向の端には表示部15が取り付けられている。
【0012】
図1に実線と二点鎖線とで示すように、表示部15は、原稿カバー12と一緒にスキャナーハウジング11に対して回動可能であり、かつ、原稿カバー12に対してチルト可能である。すなわち、表示部15は、スキャナー部10の端に取り付けられ、スキャナー部10と一緒に回動可能であり、かつ、チルト可能である。
【0013】
表示部15は、タッチパネル機能を有する液晶表示モジュールで構成される。表示部15は、記録装置101の操作の案内表示や記録装置101に関する情報を報知する報知部としての機能と、記録装置101に対する各種設定を行う操作部としての機能と、を有する。ユーザーは、視認しやすい位置に表示部15をチルトさせ、表示部15に表示される画像を参照しつつ記録装置101における各種操作を実施することができる。さらに、ユーザーは、タッチしやすい位置に表示部15をチルトさせ、表示部15を介して記録装置101の各種設定を行うことができる。
【0014】
さらに、図3に示すように、表示部15をスキャナー部10と一緒に回動させ、表示部15が取り付けられたスキャナー部10を装置本体102に対して開くことで、液体を補充容器90から液体収容装置103の液体収容容器40に補充することができる。
【0015】
図1に示すように、記録装置101は、装置本体102の前面に、電源操作部16を有する。ユーザーが電源操作部16を操作することにより、記録装置101の電源がオンとなる通電状態と、記録装置101の電源がオフとなる電源遮断状態と、を切り替えることができる。
【0016】
図1図2に示すように、記録装置101は、装置本体102の内部に、媒体を搬送する搬送部25と、記録部20と、を有する。搬送部25は媒体を+Y方向となる搬送方向に搬送する。記録部20は、液体を用いて媒体に画像を記録可能に構成されている。図1に示すように、記録部20は、キャリッジ21と、キャリッジ21に搭載され媒体に液体を吐出する記録ヘッド22と、記録ヘッド22に液体を供給するためのチューブ23とを有している。記録ヘッド22に供給される液体は、液体収容装置103の液体収容容器40に収容されている。記録ヘッド22と液体収容容器40とは、チューブ23によって接続されている。チューブ23は液体供給部の一例である。記録装置101は、液体を吐出する記録ヘッド22と、液体収容容器40と、を備える。液体収容容器40は液体収容体の一例である。
【0017】
キャリッジ21は、ガイド軸によって支持され、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド22は、キャリッジ21と一緒に媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド22は、不図示の共通液室、個別液室、吐出素子、およびノズルを有し、媒体に対して液体を吐出する。本実施形態に係る記録装置101は、記録ヘッド22が媒体の幅方向に移動しながら液体を媒体に噴射する動作と、媒体が搬送部25によって搬送方向に搬送される動作とを交互に繰り返すことによって、媒体に所望の画像を記録する。
【0018】
次に液体収容装置103について説明する。図2図4図5図8図9に示すように、液体収容装置103は、液体を収容可能な液体収容容器40と、液体収容容器40が収納される筐体30と、上壁部61と、開閉カバー31と、キャップレバー50と、開閉検知部71と、ロック機構72と、照明部80と、を有する。なお、図4では、液体収容装置103の構成要素であるキャップレバー50の図示が省略されている。図5では、キャップレバー50が二点鎖線で図示されている。
【0019】
図4図8に示すように、筐体30の中には、六つの液体収容容器40が収容されている。六つの液体収容容器40は、色材として黒色の顔料を含むブラックの液体が収容される液体収容容器40K1と、色材として黒色の染料を含むブラックの液体が収容される液体収容容器40K2と、色材として灰色の染料を含むグレーの液体が収容される液体収容容器40GRと、色材としてシアン色の顔料を含むシアンの液体が収容される液体収容容器40Cと、色材としてマゼンタ色の顔料を含むマゼンタの液体が収容される液体収容容器40Mと、色材として黄色の顔料を含むイエローの液体が収容される液体収容容器40Yとで構成される。液体収容容器40K1と、液体収容容器40K2と、液体収容容器40GRと、液体収容容器40Cと、液体収容容器40Mと、液体収容容器40Yとは、+X方向に順に配置される。
【0020】
なお、筐体30の中に収容される液体収容容器40の数は、六つに限定されず、六つよりも少なくてもよく、一つであってもよいし、六つよりも多くてもよい。液体収容容器40に収容される液体に含まれる色材は、顔料であってもよく、染料であってもよい。さらに、液体収容容器40に収容される液体は、色材が含まれない液体であってもよい。
【0021】
図5に示すように、液体収容容器40の天面42には、補充容器90から液体を注入可能な注入口41aと、大気導入口45とが設けられている。大気導入口45は、中間貯留部41bに通じており、中間貯留部41bに大気を導入可能である。さらに、図9に示すように、液体収容容器40は、天面42に対して+Z方向に位置し、液体を貯留可能な液体貯留部46を有する。
【0022】
図9図10に示すように、液体貯留部46は、前面43F、後面43B、底面43S、上面43U、右側面43R、および左側面43Lを有する。前面43Fは、液体貯留部46の+Y方向側の外形を規定する壁面である。後面43Bは、液体貯留部46の-Y方向側の外形を規定する壁面である。底面43Sは、液体貯留部46の+Z方向側の外形を規定する壁面である。上面43Uは、液体貯留部46の-Z方向側の外形を規定する壁面である。右側面43Rは、液体貯留部46の+X方向側の外形を規定する壁面である。左側面43Lは、液体貯留部46の-X方向側の外形を規定する壁面である。
【0023】
液体貯留部46には、注入口41aを含む注入部41を介して液体を注入可能である。図5図9に示すように、注入部41は、注入口41a、中間貯留部41b、流入口41c、中継流路41d、流出口41eにより構成される。中間貯留部41bは、Z軸方向において、注入口41aと液体貯留部46との間に位置し、注入口41aと通じている。図9図10に示すように、中継流路41dは、液体貯留部46の左側面43Lに設けられ、中間貯留部41bの-X方向側の側面に開口する流入口41cと、液体貯留部46の左側面43Lに開口する流出口41eと、を有し、中間貯留部41bと液体貯留部46とを通じさせる。
【0024】
なお、流出口41eは、図9に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が、後述する下限量であるときの下限液面LLより、+Z方向となる位置に開口する。これにより、液体貯留部46に注入部41を介して液体を注入することで、前面43Fの内面や後述する導光部47の液面LSより-Z方向となる領域に液体が付着する頻度を低減できる。
【0025】
図5に示すように、液体貯留部46の上面43Uには、チューブ23と接続される導出口49dが設けられる。液体貯留部46内の液体は、導出口49dを含む導出流路49とチューブ23を介して、記録ヘッド22に供給される。よって、記録ヘッド22は、液体貯留部46から供給される液体を媒体に吐出する。図5図9に示すように、導出流路49は、排出口49a、第1接続流路49b、第2接続流路49c、導出口49dにより構成される。第1接続流路49bは、図9図10に示すように、液体貯留部46の左側面43Lに設けられ、左側面43Lに開口する排出口49aを有する。排出口49aは、液体貯留部46から導出流路49に液体を排出する。第2接続流路49cは、液体貯留部46の上面43Uより+Z方向側に設けられ、第1接続流路49bと導出口49dとを接続する。
【0026】
なお、液体貯留部46は、中間貯留部41bを介して大気導入口45と通じている。排出口49aは、図9に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が、後述する下限量であるときの下限液面LLより、+Z方向となる位置に開口する。これにより、前面43Fの内面や後述する導光部47の液面LSより-Z方向となる領域に液体が付着する頻度を低減できる。
【0027】
図5図8図9に示すように、液体貯留部46の前面43Fには、窓部材43Faが設けられる。窓部材43Faは、半透明または透明な材料で構成され、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LS、後述する導光部47を視認することができる。窓部材43Faは視認面の一例である。窓部材43Faを構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用できる。
【0028】
本実施形態における視認面は、X-Z面に沿う面である。窓部材43Faには、液体の液量が下限量であることを周知する目盛り44aや、液体の液量が上限量であることを周知する目盛り44bなどの目盛り部44が設けられている。本実施形態の下限量は、液体貯留部46内の液体が僅少となったときの液量であり、液体収容容器40への液体の補充が望ましい液量である。本実施形態の上限量は、液体収容容器40への液体の補充が不要な液量であり、液体貯留部46内に大気が一部存在する。下限量、上限量は、所定量の一例である。図8図9では、液体の液量が下限量であるときの液面LSである下限液面LLと、液体の液量が上限量であるときの液面LSである上限液面LHと、を二点鎖線で示している。
【0029】
また、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Faはなくてもよい。この場合も、ユーザーは、前面43Fを介して、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LS、導光部47を確認することができる。よって、前面43Fは視認面の一例である。換言すると、液体貯留部46は、液体貯留部46内の液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fを有する。
【0030】
図8から図10に示すように、液体貯留部46は、導光部47を有する。導光部47は、後述する発光部81が発した光を液体貯留部46内に導く、所謂導光部材の機能を有する。本実施形態の導光部47は、Y軸方向から見たとき、Z軸方向を長手方向、X軸方向を短手方向とする矩形の柱状をしている。また、本実施形態の導光部47は、半透明または透明な材料で構成される。また、導光部47を構成する材料の屈折率は、大気の屈折率より大きく、かつ液体貯留部46が貯留する液体の屈折率より大きい。導光部47を構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用できる。
【0031】
本実施形態の導光部47は、例えば、導光部47の-Z方向側の側面である進入面47bから進入した光を、導光部47の+Y方向側の側面である前面47aに導くことが可能である。前面47aは、X-Z面に沿う面である。換言すると、前面47aは、液体貯留部46の前面43Fに沿う面である。前面47aは発光面の一例である。この場合、導光部47の外形を規定する+X方向側の側面、-X方向側の側面、+Z方向側の側面、および-Y方向側の側面である後面47dは、進入面47bから進入した光を前面47aに向けて導く導光面と言える。なお、導光部47を構成する材料の屈折率は、例えば、1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
【0032】
後面47dは、後面47dにおいて-Z方向側の端に位置する平面47eと、平面47eの+Z方向に位置し、Z軸方向に並ぶ複数の反射部47hと、を有する。その結果、後面47dは、複数の反射部47hによって形成され、Z軸方向に延びる鋸刃形状を有する。平面47eは前面47aに沿う平面であり、後面47dにおける他の面の一例である。反射部47hは、平面47eより-Y方向側に突き出る凸形状をしている。このため、反射部47hは、後面47dが有する凸部とも言える。
【0033】
図9図10に示すように、反射部47hは、進入面47bから進入した光を前面47aに向けて反射する上反射面47fと、下反射面47gと、を含む。上反射面47fは凸部を形成する上面の一例であり、下反射面47gは凸部を形成する下面の一例である。上反射面47fは、反射部47hの-Y方向側の端である突端側ほど+Z方向である下方となるように傾斜している。これによれば、後面47dに液体が付着した場合に、反射部47hの上反射面47fに液体が留まりにくい。下反射面47gは、反射部47hの-Y方向側の端である突端側ほど-Z方向である上方となるように傾斜している。これによれば、後面47dに液体が付着した場合に、反射部47hの下反射面47gに液体が留まりにくい。よって、後面47dに液体が付着した場合に、反射部47hに液体が留まりにくい。
【0034】
導光部47は、Y軸方向において、液体貯留部46の中央と比較して前面43Fに近い位置に設けられる。また、導光部47は、Y軸方向において、注入部41の流出口41eと比較して前面43Fに近い位置に設けられる。また、Z軸方向から見たとき、導光部47の側面と液体貯留部46の内面との間には隙間が確保されている。このため、液体貯留部46において、導光部47より+Y方向側の領域と、導光部47より-Y軸方向側の領域と、は、導光部47に遮断されることなく、連続している。よって、図9に示すように、Z軸方向において、液体貯留部46内における液体の液面LSの位置は、導光部47より+Y軸方向側の領域から導光部47より-Y軸方向側の領域にわたって同じである。
【0035】
また、図9に示すように、導光部47は、実質的に、液体貯留部46のZ軸方向となる高さ方向にわたって延びている。その結果、導光部47の進入面47bは窓部材43Faより-Z方向に位置し、導光部47の+Z方向側の側面は窓部材43Faより+Z方向に位置する。また、導光部47の前面47a、後面47d、+X方向側の側面、および-X方向側の側面における-Z方向の端は、窓部材43Faより-Z方向に位置し、+Z方向の端は、窓部材43Faより+Z方向に位置する。すなわち、導光部47の-Z方向の端は、窓部材43Faより-Z方向に位置し、導光部47の+Z方向の端は、窓部材43Faより+Z方向に位置する。
【0036】
換言すると、窓部材43Faを透して、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から見える液体貯留部46内の範囲を視認範囲としたとき、導光部47は、Z軸方向において、視認範囲にわたって設けられる。また、導光部47の前面47aも視認範囲にわたって設けられる。この場合、導光部47は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるときの液面LSである下限液面LLと、液体の液量が上限量であるときの液面LSである上限液面LHと、が導光部47を横切る位置に設けられるとも言える。また、導光部47の前面47aも、下限液面LLと、上限液面LHと、が前面47aを横切る位置に設けられるとも言える。換言すると、導光部47は、Z軸方向において、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるときの液面LSである下限液面LLと、液体の液量が上限量であるときの液面LSである上限液面LHと、に対応する位置に設けられる。また、導光部47の前面47aも、Z軸方向において、下限液面LLと、上限液面LHと、に対応する位置に設けられる。
【0037】
また、この場合、図8に示すように、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aにおいて液面LSより-Z方向となる領域が見える。これによれば、本実施形態の記録装置101は、例えば、液体貯留部46内の液体の液面LSが見えにくい場合であっても、導光部47の前面47aを見ることで、液体の液面LSの位置を認識できるので、液体貯留部46内に導光部47を設けない場合と比較して、液体貯留部46内の液体の液量を認識しやすい。なお、導光部47は、導光部47の+Z方向側の側面が液体貯留部46の底面43Sに接触する位置まで延びていてもよい。このとき、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合も、前面43Fを透して、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から見える液体貯留部46内の範囲を視認範囲としたとき、導光部47は、Z軸方向において、視認範囲にわたって設けられると言える。
【0038】
図9に示すように、本実施形態の照明部80は、液体貯留部46の外に設けられる。照明部80は、光を発する発光部81を有する。発光部81は可視光を発する。発光部81は、液体貯留部46の上面43Uに対して-Z方向側となる位置に設けられる。また、発光部81は、発光部81の前面81aが、導光部47の進入面47bと対向する位置に設けられる。なお、本実施形態の発光部81は、筐体30に取り付けられるが、液体貯留部46の上面43Uに取り付けられてもよい。
【0039】
本実施形態の液体貯留部46の上面43Uにおいて、発光部81の前面81aと対向する領域には、窓部材43Uaが設けられる。本実施形態の窓部材43Uaは、導光部47が取り付けられる取付け部としての機能も有する。窓部材43Uaは、半透明または透明な材料で構成され、発光部81が発する可視光は、窓部材43Uaを透して液体貯留部46内に進入する。本実施形態の照明部80は、六つの液体収容容器40が有する各液体貯留部46に対応して、X軸方向に並んで設けられる六つの発光部81を有する。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合、あるいは、窓部材43Uaと導光部47とを一体形成する場合には、窓部材43Uaはなくてもよい。
【0040】
発光部81は、可視光を発することで、液体および導光部47を含む液体貯留部46内を、窓部材43Uaを透して、液体貯留部46の外から照らす。これによれば、本実施形態の記録装置101は、照明部80を備えない場合と比較して、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを確認しやすい。
【0041】
また、発光部81の前面81aから発せられる光は、導光部47の進入面47bから導光部47内に進入する。例えば、導光部47の進入面47bから導光部47内に進入した発光部81からの光のうち後面47dにおける反射部47hに入射した光は、反射部47hに反射され、前面47aに向かって導かれる。
【0042】
例えば、液体貯留部46内に液体が貯留されていない場合、導光部47の前面47aに導かれた光は、前面47aを透り、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aは光って見える。換言すると、導光部47は、進入面47bから入った発光部81からの光を透すことで、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、光って見える前面47aを有する。導光部47の前面47aは発光面の一例である。
【0043】
また、図11に示すように、液体貯留部46内に液体が貯留されている場合、Z軸方向において、液体貯留部46における液体の液面LSと同じ位置か、液面LSより-Z方向側となる領域では、導光部47内に進入した発光部81からの光のうち後面47dにおける反射部47hに入射した光は、反射部47hに反射され、前面47aに向かって導かれる。なお、図11では、進入面47bから導光部47内に進入した発光部81からの光の経路を破線の矢印で示している。
【0044】
導光部47の前面47aに導かれた光は、前面47aを透り、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aのうち、図12にベタ塗りで示すように、Z軸方向において、液体貯留部46における液体の液面LSと同じ位置か、液面LSより-Z方向側となる領域は光って見える。
【0045】
一方、図11に示すように、Z軸方向において、液体貯留部46における液体の液面LSより+Z方向側となる領域では、導光部47内に進入した発光部81からの光のうち後面47dにおける反射部47hに入射した光の多くは、反射部47hに反射されず、反射部47hを透って、Y軸方向において-Y方向側となる方向に液体中を進む。また、Z軸方向において、液体貯留部46における液体の液面LSより+Z方向側となる領域では、導光部47内に進入した発光部81からの光のうち、導光部47における後面47d以外の側面に入射した光の多くは、側面に反射されず、側面を透って、前面43Fに向かう方向とは異なる方向に向かって液体中を進む。
【0046】
これは、液体の屈折率が、大気の屈折率と比較して、導光部47の屈折率に近く、臨界角が非常に小さいか、液体の屈折率が導光部47の屈折率より大きいことによる。その結果、図12に示すように、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aにおいて、Z軸方向において、液体貯留部46における液体の液面LSより+Z方向側となる領域は光って見えない。この場合、例えば、液体貯留部46における液体が透明な液体であっても、Z軸方向において、液体貯留部46における液体の液面LSより+Z方向側となる領域は光って見えない。
【0047】
これによれば、本実施形態の記録装置101は、液体の液面LSが見えにくい場合であっても、導光部47の前面47aのうち光って見える領域を見ることで、液体の液面LSの位置を認識できるので、液体貯留部46内に導光部47を設けない場合と比較して、液体貯留部46内の液体の液量を認識しやすい。
【0048】
なお、上述の導光部47における反射部47hは、前面47aが均一に光って見えるように、各上反射面47fの傾斜、各下反射面47gの傾斜、各反射部47hの突出量、反射部47hどうしのZ軸方向における間隔を調整している。一方、導光部47において、進入面47bから入った発光部81からの光を受けて光る前面47aの見え方は、後面47dの反射部47hを変更することで変更可能である。例えば、図12に示した前面47aの均一な光り方を、上反射面47fの傾斜、下反射面47gの傾斜、複数の反射部47hのZ軸方向における間隔等を変更することで、図13に示すように、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方に変更してもよい。これによれば、目盛のように見える導光部47を視認することで、液体貯留部46内の液体量を把握しやすい。
【0049】
また、例えば、図14に示すように、後面47dの平面47eより凸部としての反射部47hが-Y方向に突き出る寸法を突出量としたとき、後面47dに、突出量の異なる複数の反射部47h,47k,47mを設けてもよい。反射部47kは、反射部47hより突出量が多く、突端のZ軸方向における位置が、上限液面LHに対応するように設けられる。反射部47mは、反射部47hより突出量が多く、突端のZ軸方向における位置が、下限液面LLに対応するように設けられる。これによれば、反射部47hと突出量の異なる反射部47k、反射部47mを設けることで、光って見える前面47aにおいて、他の領域と明るさの異なる領域であって、上限液面LH、下限液面LLに対応する領域を設けることができる。これによれば、導光部47において他の領域と異なる明るさの領域とを視認することで、液体貯留部46内の液体量を把握しやすい。
【0050】
また、導光部47の後面47dに設けられる複数の反射部47hの突出量を、連続的に変化させてもよい。例えば、図15に示す導光部47では、複数の反射部47hは、Z軸方向において、+Z方向側に位置する反射部47hの突出量が-Z方向側に位置する反射部47hの突出量より多くなるように設けられる。あるいは、複数の反射部47hは、Z軸方向において、-Z方向側に位置する反射部47hの突出量が+Z方向側に位置する反射部47hの突出量より多くなるように設けられてもよい。
【0051】
換言すると、複数の反射部47hは、Z軸方向において、一端側に位置する反射部47hの突出量が他端側に位置する反射部47hの突出量より多くなるように設けられる。これによれば、光って見える前面47aの明るさをZ軸方向に連続的に変化させることができる。あるいは、複数の反射部47hは、Z軸方向において、一端側に位置する反射部47hと他端側に位置する反射部47hとの間の中間位置に近い反射部47hほど突出量が少なくなるように設けられてもよい。中間位置は、Z軸方向において、一端側に位置する反射部47hまでの距離より他端側に位置する反射部47hまでの距離の方が短い位置であってもよいし、Z軸方向において、一端側に位置する反射部47hまでの距離より他端側に位置する反射部47hまでの距離の方が長い位置であってもよい。また、中間位置は、Z軸方向において前面47aの中央となる位置であってもよい。例えば、中間位置がZ軸方向において前面47aの中央となる位置である場合、光って見える前面47aの明るさを前面47aの中央からZ軸方向に連続的に変化させることができる。
【0052】
また、例えば、図16に示すように、反射部47hは、前面47aに沿う面と、前面47aに沿う面から+Y方向に向かう傾斜面47pと、を有してもよい。これにより、図13に示すように、光って見える前面47aを、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方にすることができる。
【0053】
また、例えば、図17に示すように、反射部47hは、前面47aに沿う面と、前面47aに沿う面から+Y方向に向かう曲面47qと、を有してもよい。これにより、図13に示すように、光って見える前面47aを、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方にすることができる。
【0054】
また、例えば、図18に示すように、反射部47hは、前面47aに沿う面と、前面47aに沿う面から+Y方向に向かう水平面と、を有してもよい。この場合、導光部47の後面47dは、平面47eと、凸部としての複数の反射部47hと、Z軸方向に並ぶ複数の反射部47hの間をつなぐ複数の接続面47sと、有する。接続面47sは、前面47aに沿い、反射部47hの前面47aに沿う面より+Y方向側に位置する。これにより、図13に示すように、光って見える前面47aを、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方にすることができる。
【0055】
図4に示すように、筐体30は、視認部34と、壁部36と、を有する。視認部34には、液体貯留部46の前面43Fを露出させる貫通孔35が設けられる。壁部36は視認部34に対して-Z方向に配置される。ユーザーは、視認部34の貫通孔35から、前面43Fを透して、液体貯留部46内に貯留される液体の貯留量を把握することができる。なお、液体貯留部46の前面43Fを露出させることが可能であれば、貫通孔35に代えて、視認部34に視認部34の一部を削除した切欠き形状を設けてもよい。
【0056】
なお、視認部34の貫通孔35に、図20から図22に示すように、半透明または透明な材料で構成される視認部材34aを設けてもよい。視認部材34aを構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が採用できる。
【0057】
図4に示すように、上壁部61は、六つの液体収容容器40に対応する六つのキャップレバー取り付け部62と、開閉カバー取り付け部63と、第1凹部64と、第2凹部65と、ロックピン突出穴66と、を有する。キャップレバー取り付け部62は、X軸に沿って延びる円柱状の軸である。開閉カバー取り付け部63は、X軸に沿って延びる円柱状の軸である。開閉カバー31は、開閉カバー31の一方の端が開閉カバー取り付け部63に係合されることによって、開閉カバー取り付け部63を軸中心として回動可能になる。
【0058】
図6図7に示すように、キャップレバー50は、端部53と、係合部51と、注入口41aを閉栓可能なキャップ54と、係合部51に設けられる突起55と、を有する。係合部51が、上壁部61のキャップレバー取り付け部62に係合されることによって、キャップレバー50は、キャップレバー取り付け部62を軸中心として回動可能になる。
【0059】
図2では、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40C,40Mの注入口41aが密閉される位置にキャップレバー50が配置され、液体収容容器40Yの注入口41aが開かれる位置にキャップレバー50が配置されている。図2図6図7に示すように、キャップレバー50は、液体収容容器40の注入口41aを密閉する閉栓状態と、液体収容容器40の注入口41aを開く開栓状態とに回動可能になる。図3に示すように、キャップレバー50を開栓状態にすると、液体収容容器40の注入口41aが開かれ、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充することができる。
【0060】
図6に示すように、開閉カバー31はキャップレバー50および上壁部61を保護する。開閉カバー31は、開閉カバー取り付け部63を軸中心として回動し、図4に二点鎖線で示す不図示の六つのキャップレバー50を蓋う閉状態と、図4に実線で示す不図示の六つのキャップレバー50を露出させる開状態と、を取り得る。図4に示すように、開閉カバー31は、被規制部31aを有する。
【0061】
液体貯留部46に貯留される液体の貯留量が少なくなり、補充容器90から液体を液体収容容器40に補充する場合、ユーザーは、開閉カバー31を、図6に示す閉状態から図7に示す開状態にする。ユーザーは、次にキャップレバー50の端部53に指をかけ、キャップレバー50を閉栓状態から開栓状態にすることで、図7に示すように、液体収容容器40の注入口41aを密閉された状態から開かれた状態にする。そして、ユーザーは、補充容器90の先端を液体収容容器40の注入口41aの中に差し込み、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充する。
【0062】
図4図6図7に示すように、第1凹部64には、注入口41aが配置される。このため、図6に示すように、キャップレバー50の閉栓状態において、第1凹部64には、キャップ54が挿入される。また、図3に示すように、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充する場合、第1凹部64には、補充容器90の先端が挿入される。このとき、第1凹部64は、補充容器90の先端の位置をガイドするガイド部として機能する。
【0063】
図4図6図7に示すように、第2凹部65には、キャップレバー取り付け部62と、開閉検知部71と、が配置される。開閉検知部71は、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知可能に設けられる。開閉検知部71は、六つのキャップレバー50に対応して六つ設けられる。キャップレバー50の突起55は、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知するための被検出部として機能する。
【0064】
本実施形態における開閉検知部71は、可動式の検出子71aを有する接触式センサーである。検出子71aは、突出する方向へ片寄せされるとともに突出と後退との変位が可能である。なお、開閉検知部71は、接触式センサーに限らず、リミットスイッチでもよいし、圧力センサー、キャップレバー50の回動角度を検知する角度センサーでもよい。また、開閉検知部71は、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知できれば、接触式センサーに限らず、透過型フォトセンサー、超音波センサー等の非接触式センサーでもよい。
【0065】
本実施形態では、図6に示すように、検出子71aが突起55に押されてその突出量が小さくなる方向へ後退し、突起55を検出することで、開閉検知部71はキャップレバー50の閉栓状態を検知する状態となる。また、図7に示すように、検出子71aが突起55に押されずに突出し、突起55を検出しないことで、開閉検知部71はキャップレバー50の開栓状態を検知する状態となる。
【0066】
図4に示すように、ロック機構72は、上壁部61の+Z方向側となる位置に設けられる。また、ロック機構72は、X軸方向において、液体収容容器40K1の注入口41aが配置される第1凹部64と隣り合い、-X方向側となる位置に設けられる。ロック機構72は、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行できないロック状態と、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態と、を切り替え可能に設けられる。
【0067】
本実施形態のロック機構72は、電磁コイルに電流を流すことで発生する磁力により、ロックピン(不図示)を直線運動させるソレノイドである。ロックピンは、ソレノイドにおける可動鉄心である。ロックピンは、ロックピンの先端が、ロックピン突出穴66内に位置する退避位置と、退避位置から+Y方向に突き出る突出位置と、の間を移動可能に設けられる。
【0068】
本実施形態では、突出位置にあるロックピンは、閉状態にある開閉カバー31の被規制部31aの上方への移動を規制する。このとき、開閉カバー31は閉状態から開状態に移行できないロック状態になる。また、退避位置にあるロックピンは、閉状態にある開閉カバー31の上方への移動を規制しない。このとき、開閉カバー31は閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態にある。
【0069】
本実施形態におけるロック機構72は、ロック機構72に通電することで、ロックピンが、突出位置から退避位置に移動する。すなわち、開閉カバー31は、ロック機構72に通電することで、ロック解除状態になり、ロック機構72への通電が停止されることでロック状態になる。よって、本実施形態における開閉カバー31は、記録装置101の電源が遮断された状態ではロック状態になる。
【0070】
次に記録装置101の電気的構成について説明する。図19に示すように、記録装置101は、制御部111を備える。制御部111には、スキャナー部10、電源操作部16、表示部15、開閉検知部71が、不図示の入力インターフェイスを介して接続される。また、制御部111には、表示部15、搬送部25、記録部20、ロック機構72、および照明部80の発光部81が、不図示の出力インターフェイスを介して接続される。報知部としての表示部15、表示部215は、表示の指示と共に受け付けた情報を指示に従って表示して報知する機能を有する。
【0071】
ここで、制御部111は、外部装置であるホスト装置210の表示部215とは、装置本体102内の不図示の通信インターフェイス、通信ケーブルまたは無線通信回線等を通じて接続される。制御部111は、データと共にそのデータに基づく情報の表示を要求する信号を表示部15とホスト装置210とのうち少なくとも一方に送信し、表示部15、表示部215にデータに基づく情報を表示させて報知する報知処理を行う。ホスト装置210としては、パーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末などが挙げられる。
【0072】
制御部111は、例えば不図示のCPUおよびメモリーを内蔵し、CPUがメモリーに記憶されたプログラムを実行することにより各種の制御を行う。CPUは演算処理装置である。制御部111は、表示部15および表示部215のいずれかに情報を表示させることにより、その情報を表示によって報知させる機能を有する。
【0073】
制御部111は、開閉検知部71がキャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知している検知結果に基づき、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかに関する情報を、表示部15および表示部215のいずれかに報知させる。また、制御部111は、記録装置101の電源を遮断する操作があったときに開閉検知部71がキャップレバー50の開栓状態を検知している場合、キャップレバー50を閉栓状態にするように要求する情報を、表示部15および表示部215のいずれかに報知させる。
【0074】
制御部111は、各液体収容容器40における液体貯留部46内の液量を管理している。ユーザーは液体収容容器40の液体貯留部46に液体を注入し終えると、液体貯留部46内の液量に関する情報を表示部15またはホスト装置210の操作により記録装置101に入力する。制御部111は、入力された液量に関する情報に基づき液体注入後の液体貯留部46内の現在の液量を取得する。また、制御部111は、記録部20が排出した液体の消費量を計測し、液体収容容器40ごとに前回の液量から今回の消費量を減算することにより、液体収容容器40ごとに液体貯留部46内の現在の液量を管理する。
【0075】
制御部111は、記録部20を制御し、搬送部25により搬送される媒体に向かって液体を噴射させる液体噴射動作および印刷とは関係のない液体を噴射させるフラッシングを行わせる。また、制御部111は、不図示のメンテナンス装置を制御し、記録ヘッド22のノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を行わせる。記録装置101はキャリッジ21を媒体の幅方向に移動させる駆動源として不図示のキャリッジモーターを備え、制御部111は、記録ヘッド22の液体噴射制御とキャリッジモーターの駆動制御とによって、キャリッジ21に搭載されて移動中の記録ヘッド22に液体を噴射させる液体噴射動作を行わせる。
【0076】
制御部111は、搬送部25を制御し、不図示の媒体収容カセットから媒体を給送させるとともにその給送した媒体を所定の搬送経路に沿って搬送させる。搬送部25は、例えばローラー方式またはベルト方式の搬送機構と、その駆動源である不図示の搬送モーターとを備える。制御部111は搬送モーターの制御によって媒体の搬送制御を行う。
【0077】
制御部111は、ロック機構72への通電を制御することにより、ロック機構72を制御し、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行できないロック状態と、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態と、を切り替えさせる。例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量になった液体収容容器40があると、ロック機構72をロック状態からロック解除状態に移行させる。
【0078】
制御部111は、発光部81の発光状態を制御することで、記録装置101の動作状態をユーザーに報知する。また、制御部111は、発光部81の発光状態を制御することで、記録装置101の消費電力を低減する。例えば、制御部111は、発光部81を、印刷中は消灯させ、印刷をしていないときには点灯させる。また、例えば、制御部111は、ユーザーが電源操作部16を操作し、記録装置101の電源がオンになると、発光部81を点灯させ、印刷中は発光部81を消灯させる。また、例えば、制御部111は、電源操作部16、表示部15、スキャナー部10、開閉カバー31等の操作が行われると、発光部81を点灯させ、一定時間操作が行われない場合に、発光部81を消灯させる。
【0079】
また、例えば、制御部111は、開閉カバー31が開状態になると、発光部81を点灯させ、閉状態になった後一定時間経過すると、発光部81を消灯させる。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量に近くなると、発光部81を点灯または点滅させる。これにより、液体収容容器40に液体の補充が必要であることをユーザーに報知することができる。また、例えば、制御部111は、ロック機構72がロック解除状態のとき、発光部81を点灯または点滅させる。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量となった液体収容容器40があると、表示部15および表示部215のいずれかにその旨を表示し、開閉カバー31が開状態から閉状態になるまで、液量が下限量となった液体貯留部46に対応する発光部81を、点灯または点滅させる。
【0080】
以上述べたように、実施形態1に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0081】
記録装置101は、液体を貯留可能な液体貯留部46と、液体貯留部46から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッド22と、液体貯留部46の外に設けられ、光を発する発光部81と、を備え、液体貯留部46は、液体貯留部46内の前記液体の液量を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、液体貯留部46内に設けられ、発光部81からの前記光を液体貯留部46内に導く導光部47と、を有する。これによれば、発光部81が液体貯留部46の外に設けられる場合も、液体貯留部46内に導光部47を有するので、液体貯留部46内を照らしやすい。
【0082】
導光部47は、Z軸方向において、液体貯留部46内における前記液体の前記液量が所定量になったときの液面LSに対応する位置に設けられる。これによれば、導光部47を視認することで、液体貯留部46内の液体が所定量になったことを把握しやすい。
【0083】
前面43Fに対面する方向から見える液体貯留部46内の範囲を視認範囲としたとき、導光部47は、Z軸方向において、前記視認範囲にわたって設けられる。これによれば、導光部47を視認することで、液体貯留部46内の液体量を把握しやすい。
【0084】
導光部47は、発光部81からの前記光が導光部47内に入る進入面47bと、前面43Fに沿う面であり、進入面47bから入った前記光を透すことで、前面43Fに対面する方向から見て、光って見える前面47aと、前面47aの反対の面であって、進入面47bから進入した前記光を前面47aに向けて導く後面47dと、を有する。これによれば、前面43Fから光って見える前面47aを視認することで、液体貯留部46内の液体量を把握しやすい。
【0085】
後面47dは、後面47dにおける平面47eより突き出る反射部47hを有する。これによれば、後面47dに凸凹を設けることで、導光部47による液体貯留部46内の照らし方を変更することができる。
【0086】
後面47dは、Z軸方向に並ぶ複数の反射部47hを有する。これによれば、前面47aを均一に光らせることができる。
【0087】
後面47dの平面47eより凸部としての反射部47hが突き出る寸法を突出量としたとき、後面47dは、前記突出量が異なる複数の反射部47h,47k,47mを有する。これによれば、光って見える前面47aにおいて、他の領域と明るさの異なる領域を設けることができる。また、導光部47において他の領域と異なる明るさの領域を視認することで、液体貯留部46内の液体量を把握しやすい。
【0088】
複数の反射部47hは、Z軸方向において、一端側に位置する反射部47hの突出量が他端側に位置する反射部47hの突出量より多くなるように設けられる。これによれば、光って見える前面47aの明るさをZ軸方向に連続的に変化させることができる。
【0089】
複数の反射部47hは、Z軸方向において、一端側に位置する反射部47hと他端側に位置する反射部47hとの間の中間位置に近い反射部47hほど突出量が少なくなるように設けられる。これによれば、例えば、中間位置がZ軸方向において前面47aの中央となる位置である場合、光って見える前面47aの明るさを前面47aの中央からZ軸方向に連続的に変化させることができる。
【0090】
後面47dは、Z軸方向に並ぶ複数の反射部47hの間をつなぐ複数の接続面47sを有する。これによれば、光って見える前面47aを、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方にすることができる。
【0091】
反射部47hは、前面47aに沿う面を有する。これによれば、光って見える前面47aを、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方にすることができる。
【0092】
反射部47hを形成する上反射面47fは、反射部47hの突端側ほど下方となるように傾斜している。これによれば、後面47dに液体が付着した場合に、反射部47hの上反射面47fに液体が留まりにくい。
【0093】
記録装置101は、発光部81の点灯および消灯を制御する制御部111をさらに備える。これによれば、制御部111が発光部81の点灯および消灯を制御することで、導光部47の発光状態を変更し、記録装置101の動作状態をユーザーに報知することができる。
【0094】
記録装置101は、前記液体を液体貯留部46内に注入可能な注入部41をさらに備える。これによれば、液体貯留部46は、液体を補充して使用する継ぎ足しタイプの記録装置101にも採用することができる。
【0095】
2.実施形態2
次に、本開示の一実施形態としての実施形態2の記録装置101における液体収容装置103について説明する。なお、実施形態1の液体収容装置103と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0096】
図20図21に示すように、実施形態2の液体収容装置103は、液体収容容器40の液体貯留部46が、導光部支持部46Hと、窓部材43Baと、を有する点、窓部材43Uaを備えない点、照明部80が、共通導光部82を備える点、発光部81が一つである点、において、実施形態1の液体収容装置103と異なる。発光部81は、六つの液体収容容器40に対して-Y方向側となる位置で、かつ液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側となる位置に設けられる。本実施形態の発光部81は、前面81aから発する光が+X方向に向かうように設けられる。
【0097】
図20から図22に示すように、本実施形態の導光部47は、Y軸方向から見て三角形状であり、Y軸方向に延びる柱状をしている。本実施形態の導光部47は、実施形態1の導光部47と同様の材料で構成される。導光部47は、X軸方向において、液体貯留部46の中央より-X方向側となる左側面43L側に設けられる。本実施形態の導光部47は、導光部47の外形を規定する-X方向側の側面が左側面43Lに沿うように、液体貯留部46内に設けられる。本実施形態の導光部47は、例えば、導光部47の-Y方向側の側面である進入面47bから進入した光を、導光部47の+Y方向側の側面である前面47aに導くことが可能である。前面47aは、X-Z面に沿う面である。換言すると、前面47aは、液体貯留部46の前面43Fに沿う面である。前面47aは発光面の一例である。
【0098】
この場合、導光部47の外形を規定する、Y軸方向に延びる三つの側面は、進入面47bから進入した光を前面47aに向けて導く導光面と言える。導光部47は、三角形状の前面47aおよび進入面47bが有する三つの頂点のうち+X方向の頂点が、Z軸方向において、液体の下限液面LLの位置にあるように、液体貯留部46が有する導光部支持部46Hに取り付けられる。すなわち、導光部47は、液体貯留部46内における液体の液量が下限量になったときの下限液面LLが導光部47を横切る位置に設けられる。換言すると、導光部47は、重力方向において、液体貯留部46内における液体の液量が下限量になったときの下限液面LLに対応する位置に設けられる。
【0099】
この場合、図22に示すように、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aにおいて下限液面LLより-Z方向となる領域が見える。これによれば、本実施形態の記録装置101は、例えば、液体貯留部46内の液体の下限液面LLが見えにくい場合であっても、導光部47の前面47aを視認することで、液体の下限液面LLの位置を認識できるので、液体貯留部46内に導光部47を設けない場合と比較して、液体貯留部46内の液体の下限量を認識しやすい。
【0100】
共通導光部82は、半透明または透明な材料で構成される。図20図21に示すように、共通導光部82は、進入面82bと、照射面82aと、後面82rと、を備える。本実施形態の共通導光部82は、進入面82bから進入する光を照射面82aに向けて導く導光部材である。例えば、共通導光部82を構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が採用できる。
【0101】
進入面82bは、共通導光部82における-X方向側の側面であり、発光部81の前面81aと対面する位置に設けられる。進入面82bは、液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側に位置する。
【0102】
照射面82aは、共通導光部82における+Y方向側の側面である。照射面82aは、液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側となる位置から液体収容容器40Yにおける液体貯留部46の後面43Bより+X方向側となる位置まで延びる。照射面82aは、導光部47の進入面47bと対向する位置に設けられる。
【0103】
その結果、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40C,40M,40Yにおける液体貯留部46の窓部材43Baは、Y軸方向において、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40C,40M,40Yにおける液体貯留部46の導光部47と照射面82aとの間に位置する。また、照射面82aは、Z軸方向において、液体貯留部46内の液体の下限液面LLの位置に対応するように設けられる。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合、あるいは、窓部材43Baと導光部47とを一体形成する場合には、窓部材43Baはなくてもよい。
【0104】
後面82rは、共通導光部82における-Y方向側の側面である。後面82rは、液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側となる位置から液体収容容器40Yにおける液体貯留部46の後面43Bより+X方向側となる位置まで延びる。後面82rは、複数の反射部82tがX軸方向に並ぶことによって形成され、X軸方向に延びる鋸刃形状を有する。反射部82tは、X軸方向に並ぶ反射面82dと反射面82eとにより形成される凸形状をしている。
【0105】
図21に示すように、発光部81の前面81aから発せられる光は、共通導光部82の進入面82bから共通導光部82内に進入する。図21では、発光部81から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。進入面82bから共通導光部82内に進入した発光部81からの光は、後面82rを構成する複数の反射部82t、共通導光部82の+Z方向側の側面、-Z方向側の側面、+X方向側の側面により、共通導光部82内を照射面82aに向かうように導かれる。
【0106】
照射面82aに導かれた発光部81からの光は、窓部材43Baを透して液体貯留部46内に進入し、液体および導光部47を含む六つの液体貯留部46内を照らす。換言すると、発光部81は、液体貯留部46の外に設けられ、共通導光部82を介して、液体および導光部47を含む六つの液体貯留部46内を照らす。また、本実施形態の記録装置101は、複数の液体貯留部46における導光部47を、共通導光部82を介して、一つの発光部81によって照らす。
【0107】
このとき、図22に示すように、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40Cのように、液体貯留部46内の液体の液面LSが、導光部47より-Z方向に位置し、導光部47の導光面としての側面が液体中にあるとする。この場合、図21に示すように、共通導光部82を介して、進入面47bから導光部47内に進入し、導光部47の側面に入射した光の多くは、側面に反射されず、側面を透って、液体中を、Y軸に沿う前面43Fに向かう方向とは異なる方向に進む。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aは光って見えない。
【0108】
一方、液体収容容器40M,40Yのように、液体貯留部46内の液体の液面LSが下限液面LL近辺であり、導光部47の最上部より+Z方向にあるとする。すなわち、導光部47の導光面としての側面の少なくとも一部が大気と接しているとする。この場合、図21に示すように、共通導光部82を介して、進入面47bから導光部47内に進入した光は、導光部47内を前面47aに向かうように導かれる。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、図22にベタ塗りで示すように、Z軸方向において、導光部47の前面47aのうち、液体の液面LSより-Z方向側となる領域は光って見える。
【0109】
これによれば、本実施形態の記録装置101は、例えば、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、液体の下限液面LLが見えにくい場合であっても、導光部47の前面47aのうち光って見える領域を見ることで、液体の液面LSの位置を認識できるので、液体貯留部46内に導光部47を設けない場合と比較して、液体貯留部46内の液体の液量を認識しやすい。
【0110】
なお、液体収容容器40Mにおける液体貯留部46の導光部47では、導光部47の側面のうち、液面LSより+Z方向となる領域がある。この場合、進入面47bから導光部47内に進入し、この領域に入射した光の多くは、側面に反射されず、側面を透って、液体中を、Y軸に沿う前面43Fに向かう方向とは異なる方向に進む。このため、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、導光部47の前面47aは、液体収容容器40Yのように、液面LSが導光部47より+Z方向に位置する場合の導光部47の前面47aと比較して、暗く光って見える。
【0111】
以上述べたように、実施形態2に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0112】
記録装置101は、複数の液体貯留部46と、前記複数の液体貯留部46における導光部47に、一つの発光部81からの光を導く共通導光部82と、を備える。これによれば、複数の液体貯留部46内の各導光部47を一つの発光部で照らすことができる。
【0113】
本発明の上記実施形態に係る記録装置101、および液体収容容器40は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0114】
上記実施形態において、液体収容装置103における筐体30は、視認部34、および壁部36を有さなくてもよい。そして、例えば、液体収容装置103は、筐体30を、交換可能な液体収容容器40を着脱可能に収容する装着部として機能させてもよい。この場合、例えば、実施形態1における液体収容容器40は、液体を吐出する記録へッド22と、光を発する発光部81と、筐体30と、を備える記録装置101の筐体30に装着可能な液体収容容器40であって、前記液体を貯留可能な液体貯留部46を備え、液体収容容器40が筐体30に装着された状態において、液体貯留部46の発光部81と対向する領域は、透明または半透明であり、液体貯留部46は、液体貯留部46内の前記液体の液量を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、液体貯留部46内に設けられ、発光部81からの前記光を液体貯留部46内に導く導光部47と、を有する。これによれば、発光部81が液体貯留部46の外に設けられる場合も、液体貯留部46内に導光部47を有するので、液体貯留部46内を照らしやすい。なお、発光部81が液体貯留部46の上面43Uに設けられる場合、記録装置101は発光部81を備えなくてもよい。
【0115】
上記実施形態において、導光部47は、光の透過率が異なる複数の材料で構成されてもよい。また、導光部47は、色が異なる複数の材料で構成されてもよい。この場合、導光部47を、異なる複数の樹脂材料により一体成形してもよい。例えば、図18に示す導光部47の反射部47hにおいて、前面47aに沿う面を他の部分より光の透過率が低い材料で形成してもよい。この場合、前面47aに沿う面を形成する材料は樹脂材料でなくてもよく、例えばステンレス等の金属であってもよい。
【0116】
上記実施形態1において、導光部47は、図9図14から図18に示す異なる形状の反射部47hのうち、2種類以上の異なる形状の反射部47hを有してもよい。例えば、導光部47は、複数の図9に示す反射部47hと、一つの図16に示す反射部47hと、がZ軸方向に並ぶ後面47dを有してもよい。この場合、後面47dは、前面47aに沿う面を有する反射部47hを一つ有する。また、このとき、前面47aに沿う面を有する反射部47hのZ軸方向における位置を、下限液面LLに対応するように設けてもよい。あるいは、導光部47は、複数の図17に示す反射部47hと、二つの図18に示す反射部47hと、がZ軸方向に並ぶ後面47dを有してもよい。このとき、二つの図18に示す反射部47hをZ軸方向に連続するように設け、その間に接続面47sを設けてもよい。また、このとき、接続面47sのZ軸方向における位置を、下限液面LLに対応するように設けてもよい。この場合、後面47dは、前面47aに沿う面を有する反射部47hを複数有し、前面47aに沿う接続面47sを一つ有する。
【0117】
上記実施形態1において、導光部47は、後面47dに、突起状の反射部47hを有さなくてもよい。この場合、例えば、後面47dに、反射面として、ステンレス等の金属膜や、色材による塗膜を設けてもよい。導光部47を樹脂材料で形成する場合、導光部47は、光の透過率が異なる複数の材料で構成されるとも言える。さらに、後面47dに、X軸方向に延びる線状の金属膜や塗膜をZ軸方向に間隔を置いて複数形成してもよい。これにより、図13に示すように、光って見える前面47aを、X軸方向に線状に延びる明るい部分と暗い部分とがZ軸方向に交互に並んで目盛のように見える光り方にしてもよい。
【0118】
上記実施形態1において、導光部47は、後面47dに、上反射面47fと、下反射面47gと、を含む突起状の反射部47hを有さなくてもよい。この場合、例えば、図9に示す反射部47hに代えて、後面47dに、X軸方向に延び、X軸方向から見て半月状の突起をZ軸方向に複数設けてもよい。あるいは、導光部47の後面47dに撥液処理を施すことにより、後面47dに付着した液体を突起状に複数留まらせ、光の透過率が異なる領域を後面47dに形成してもよい。
【0119】
上記実施形態2において、導光部47は、三角形状の前面47aおよび進入面47bが有する三つの頂点のうち+X方向の頂点が、Z軸方向において、液体の上限液面LHの位置にあるように、液体貯留部46内に設けられてもよい。換言すると、導光部47は、液体貯留部46内における液体の液量が上限量になったときの上限液面LHが導光部47を横切る位置に設けられてもよい。これによれば、ユーザーが液体収容容器40に液体を補充する際に、制御部111が発光部81を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液量が上限量となったときの液面の位置を報知できる。
【0120】
上記実施形態において、導光部47の形状は、進入面47bと発光面を有していれば、特に限定されない。例えば、実施形態1の導光部47の+Z方向側の側面は、Z軸方向において、液体貯留部46内における液体の上限液面LHより-Z方向に位置してもよい。また、例えば、実施形態2の導光部47は、前面47aが円形を有する円柱形状であってもよいし、前面47aが四角形の角柱形状であってもよい。
【0121】
上記実施形態において、発光部81が発する光の色を変更可能としておき、制御部111が発光部81を点灯または点滅させるときの色を変更してもよい。例えば、実施形態1において、制御部111は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量より多いときには、発光部81を緑色の光で点灯させ、液体貯留部46内の液体の液量が下限量となったときには、発光部81を黄色の光で点滅させてもよい。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量より少なくなったときには、発光部81を赤色の光で点灯させてもよい。
【0122】
上記実施形態1において、照明部80が有する各発光部81が発する可視光の色が、対応する液体収容容器40によって異なっていてもよい。
【0123】
上記実施形態において、複数の液体貯留部46内の各導光部47の色が異なっていてもよい。
【0124】
上記実施形態2において、液体収容装置103は発光部81を備えなくてもよい。この場合、例えば、発光部81を、装置本体102において、液体収容装置103に対して-Y方向側となる位置に設けてもよいし、液体収容装置103に対して-X方向側となる位置に設けてもよい。
【0125】
上記実施形態において、記録ヘッド22と液体収容容器40とをチューブ23によって接続しなくてもよい。この場合、記録装置101は、キャリッジ21に記録ヘッド22と液体収容容器40を搭載し、キャリッジ21が媒体の幅方向に移動しながら、記録ヘッド22が液体を媒体に噴射する液体噴射動作と、媒体が搬送部25によって搬送方向に搬送される搬送動作とを交互に繰り返すことによって、媒体に所望の画像を記録してもよい。
【符号の説明】
【0126】
10…スキャナー部、11…スキャナーハウジング、12…原稿カバー、15…表示部、16…電源操作部、20…記録部、21…キャリッジ、22…記録ヘッド、23…チューブ、25…搬送部、30…筐体、34…視認部、34a…視認部材、35…貫通孔、36…壁部、40,40K1,40K2,40GR,40C,40M,40Y…液体収容容器、41…注入部、41a…注入口、41b…中間貯留部、41c…流入口、41d…中継流路、41e…流出口、43B…後面、43Ba…窓部材、43F…前面、43Fa…窓部材、43L…左側面、43R…右側面、43S…底面、43U…上面、43Ua…窓部材、44…目盛り部、45…大気導入口、46…液体貯留部、46H…導光部支持部、47…導光部、47a…前面、47b…進入面、47d…後面、47e…平面、47f…上反射面、47g…下反射面、47h,47k,47m…反射部、47p…傾斜面、47q…曲面、47s…接続面、49…導出流路、49a…排出口、49b…第1接続流路、49c…第2接続流路、49d…導出口、80…照明部、81…発光部、81a…前面、82…共通導光部、82a…照射面、82b…進入面、82d,82e…反射面、82r…後面、82t…反射部、90…補充容器、101…記録装置、102…装置本体、103…液体収容装置、111…制御部、210…ホスト装置、215…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図20
図21
図22