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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187597
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 307
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095671
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】南雲 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和章
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 一郎
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA29
2C056EB20
2C056EB21
2C056EB55
2C056EC11
2C056EC35
2C056KB37
2C056KC02
2C056KC30
2C056KD10
(57)【要約】
【課題】液体貯留部がキャリッジに搭載される場合、液体貯留部内の液体を視認しにくい虞がある。
【解決手段】記録装置101は、液体貯留部46と、記録ヘッド22と、を搭載するキャリッジ21であって、前面43Fを透して液体貯留部46内の液体を視認可能な視認位置と、記録ヘッド22が前記液体を媒体に吐出する記録位置と、に移動可能なキャリッジ21と、少なくともキャリッジ21が前記視認位置に位置するとき、液体貯留部46内を照らすことが可能な発光部81,85を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留可能な液体貯留部であって、貯留する前記液体を外から視認可能な視認面を有する液体貯留部と、
前記液体貯留部から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッドと、
前記液体貯留部と、前記記録ヘッドと、を搭載するキャリッジであって、前記視認面を透して前記液体貯留部内の前記液体を視認可能な視認位置と、前記記録ヘッドが前記液体を前記媒体に吐出する記録位置と、に移動可能なキャリッジと、
少なくとも前記キャリッジが前記視認位置に位置するとき、前記液体貯留部内を照らすことが可能な発光部と、
を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記キャリッジを収容する装置本体と、
前記装置本体に設けられるカバー部と、
を備え、
前記カバー部は、前記装置本体を覆う閉状態と、前記装置本体の内部を露出させる開状態と、の間を移動可能であり、
前記発光部は、前記閉状態にある前記カバー部において、前記キャリッジが前記視認位置に位置するときの前記液体貯留部の鉛直上方となる位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記発光部は、前記キャリッジに搭載される、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記発光部は、前記キャリッジに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記発光部は、前記キャリッジと前記液体貯留部との間に位置する、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記キャリッジは、前記液体貯留部の上方を覆う閉状態と、前記上方を露出させる開状態と、の間を回動可能な蓋部を有し、
前記発光部は、前記蓋部に設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項7】
前記キャリッジは、複数の前記液体貯留部を搭載し、
前記発光部は、前記液体貯留部どうしの間に設けられる、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の記録装置。
【請求項8】
前記液体貯留部内に向けて前記発光部からの光を導く導光部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記導光部は、前記発光部と対向し、前記発光部からの前記光が進入する進入面を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記導光部は、前記発光部からの前記光を前記液体貯留部内に向けて照射する照射面を有し、
前記照射面の少なくとも一部は、前記発光部と比較して、前記視認面に近い位置にある、
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記導光部の少なくとも一部は、前記液体貯留部の側面と一体的に設けられる、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の記録装置。
【請求項12】
前記装置本体は、前記キャリッジが前記視認位置にあるとき、前記視認面と対向する位置に視認部材を有し、
前記視認部材は、半透明または透明である、
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項13】
前記発光部の点灯および消灯を制御する制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項14】
前記液体を前記液体貯留部内に注入可能な注入部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷用紙に液体の一例であるインクを吐出することで記録を行う記録装置の一例であるインクジェット式のプリンターが開示されている。このプリンターは、液体を吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給される液体を貯留する液体貯留部と、記録ヘッドと液体貯留部とを搭載するキャリッジと、を備える。また、液体貯留部の少なくとも一部分は、液体貯留部内の液体を視認可能とするように透明材料で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-6378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターでは、液体貯留部がキャリッジに搭載されており、液体貯留部内の液体を視認しにくい虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、液体を貯留可能な液体貯留部であって、貯留する前記液体を外から視認可能な視認面を有する液体貯留部と、前記液体貯留部から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッドと、前記液体貯留部と、前記記録ヘッドと、を搭載するキャリッジであって、前記視認面を透して前記液体貯留部内の前記液体を視認可能な視認位置と、前記記録ヘッドが前記液体を前記媒体に吐出する記録位置と、に移動可能なキャリッジと、少なくとも前記キャリッジが前記視認位置に位置するとき、前記液体貯留部内を照らすことが可能な発光部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の一実施形態としての記録装置の斜視図。
図2】スキャナー部が開かれた記録装置の斜視図。
図3】スキャナー部が開かれた記録装置の他の斜視図。
図4】開閉カバーが開かれた記録装置の斜視図。
図5】液体貯留部内を視認面に対面する方向から見た記録装置の側面図。
図6図5に示した記録装置においてスキャナー部が閉じられ、開閉カバーおよびキャップレバーが閉状態にある場合のd6-d6断面を示す要部断面図。
図7図5に示した記録装置においてスキャナー部が開かれ、開閉カバーおよびキャップレバーが開状態にある場合のd6-d6断面を示す要部断面図。
図8図6に示した記録装置のd8-d8断面を示す要部断面図。
図9】記録装置の電気的構成を示すブロック図。
図10】実施形態2に係る記録装置の要部断面図。
図11】実施形態3に係る記録装置の要部断面図。
図12】実施形態4に係る記録装置の要部断面図。
図13】実施形態4に係る記録装置においてスキャナー部が開かれ、開閉カバーおよびキャップレバーが開状態にある場合の要部断面図。
図14】実施形態5に係る記録装置の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。またZ軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0009】
1.実施形態1
実施形態1に係る記録装置101の概略構成について図1から図3を参照して説明する。本実施形態に係る記録装置101は、直方体状をなす装置本体102と、装置本体102の上部に取り付けられるスキャナー部10と、照明部80と、を有し、水平面に設置されている。なお、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向はX軸に沿う+X方向または-X方向であり、媒体が搬送される搬送方向はY軸に沿う+Y方向である。
【0010】
図2に示すように、装置本体102は、装置本体102の内部を露出させる開口を有する。装置本体102の開口は、例えば、後述する記録部20のキャリッジ21の-Z方向側に設けられ、キャリッジ21の上方となる-Z方向側を露出させる。図1図2に示すように、スキャナー部10は、装置本体102の上部に配置され、装置本体102に対して回動可能に取り付けられている。スキャナー部10は、装置本体102の開口を覆う閉状態と、装置本体102の内部を露出させる開状態と、の間を移動可能である。スキャナー部10は、装置本体102の開口を蓋うカバー部の一例である。
【0011】
スキャナー部10では、原稿が載置され原稿を読み取るスキャナーハウジング11と原稿カバー12とが順に積層されている。原稿カバー12はスキャナーハウジング11を保護するカバーであり、スキャナーハウジング11に対して回動可能である。よって、スキャナー部10のうち少なくともスキャナーハウジング11は、装置本体102の開口を蓋うカバー部の一例と言える。さらに、原稿カバー12の+Y方向の端には前壁12Fが設けられる。また、図1から図3に示すように、スキャナーハウジング11の原稿が載置される面の反対面には、照明部80が有する発光部85が設けられる。発光部85は可視光を発することが可能である。発光部85は、X軸方向において、スキャナーハウジング11の中央より+X方向側に設けられる。より詳しくは、発光部85は、X軸方向において、後述する視認位置に位置する記録部20のキャリッジ21に対応する位置に設けられる。
【0012】
図3に示すように、スキャナー部10を開状態にすることで、液体を補充容器90から後述する液体収容容器40に補充することができる。また、このとき、発光部85が光を発することで、図3に実線の矢印で示すように、キャリッジ21の上方を照らすことができる。
【0013】
図1に示すように、記録装置101は、装置本体102の前面に、表示部15と、電源操作部16と、を有する。表示部15は、タッチパネル機能を有する液晶表示モジュールで構成される。表示部15は、記録装置101の操作の案内表示や記録装置101に関する情報を報知する報知部としての機能と、記録装置101に対する各種設定を行う操作部としての機能と、を有する。電源操作部16は、ユーザーが操作することにより、記録装置101の電源がオンとなる通電状態と、記録装置101の電源がオフとなる電源遮断状態と、を切り替えることができる。
【0014】
図1から図5に示すように、記録装置101は、装置本体102の前面に、視認部34と、壁部36と、を有する。視認部34は、壁部36に対して-Z方向側に配置される。視認部34には、後述する液体貯留部46の前面43Fを露出させる貫通孔35が設けられる。ユーザーは、視認部34の貫通孔35から、前面43Fを透して、液体貯留部46内に貯留される液体の貯留量を把握することができる。なお、液体貯留部46の前面43Fを露出させることが可能であれば、貫通孔35に代えて、視認部34に視認部34の一部を削除した切欠き形状を設けてもよい。
【0015】
なお、視認部34の貫通孔35に、図10から図14に示すように、半透明または透明な材料で構成される視認部材34aを設けてもよい。視認部材34aを構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が採用できる。
【0016】
図2図6に示すように、記録装置101は、装置本体102の内部に、媒体を搬送する搬送部25と、記録部20と、メンテナンス部75と、を有する。搬送部25は媒体を+Y方向となる搬送方向に搬送する。記録部20は、液体を用いて媒体に画像を記録可能に構成される。図2から図4図6から図8に示すように、記録部20は、キャリッジ21を有する。キャリッジ21には、媒体に液体を吐出する記録ヘッド22と、液体収容容器40と、上壁部61と、開閉カバー31と、キャップレバー50と、開閉検知部71と、ロック機構72と、照明部80と、が設けられる。記録ヘッド22に供給される液体は、液体収容容器40が有する液体貯留部46に収容されている。液体収容容器40は液体収容体の一例である。なお、図4では、キャップレバー50の図示が省略されている。
【0017】
キャリッジ21は、図6から図8に示すように、前壁21F、底壁21S、右側壁21R、左側壁21L、および不図示の後壁を有する。前壁21Fは、キャリッジ21の+Y方向側の側壁である。底壁21Sは、キャリッジ21の+Z方向側の側壁である。右側壁21Rは、キャリッジ21の+X方向側の側壁である。左側壁21Lは、キャリッジ21の-X方向側の側壁である。後壁は、キャリッジ21の-Y方向側の側壁である。
【0018】
キャリッジ21は、後壁をガイド軸によって支持され、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド22は、キャリッジ21と一緒に媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド22は、ノズルN、不図示の共通液室、個別液室、および吐出素子を有する。記録ヘッド22は、キャリッジ21の底壁21Sに設けられる貫通孔21hからノズルNが露出するように、キャリッジ21に搭載される。ノズルNは、底壁21Sより+Z方向側に位置する。記録ヘッド22は、搬送部25によって搬送方向に搬送される媒体の-Z方向に位置する記録位置において、媒体に対して液体を吐出する。本実施形態に係る記録装置101は、記録ヘッド22が媒体の幅方向に移動しながら液体を媒体に噴射する記録動作と、媒体が搬送部25によって搬送方向に搬送される搬送動作とを交互に繰り返すことによって、媒体に所望の画像を記録する。
【0019】
また、記録ヘッド22が記録動作を行わないとき、図1から図5に示すように、キャリッジ21は、X軸方向において、記録位置より+X方向に位置する待機位置に移動して待機する。なお、視認部34の貫通孔35は、キャリッジ21が待機位置にあるとき、液体貯留部46の前面43Fを、貫通孔35を介して、+Y方向側から視認できる位置に設けられる。このため、キャリッジ21の待機位置は、液体貯留部46の前面43Fを、+Y方向側から視認できる視認位置とも言える。換言すると、キャリッジ21は、前面43Fを透して液体貯留部46内の液体を視認可能な視認位置と、記録ヘッド22が液体を媒体に吐出する記録位置と、に移動可能である。
【0020】
メンテナンス部75は、記録ヘッド22のノズルNから液体を排出させることで、記録ヘッド22のメンテナンスを行う。図6図7に示すように、メンテナンス部75は、記録ヘッド22に接触することで、ノズルNを含むキャッピング空間を形成可能なキャップ76と、廃液チューブ78によってキャップ76と接続されてキャッピング空間を介してノズルNから液体を吸引可能なポンプ79と、廃液チューブ78と接続されてノズルNから排出される液体を収集する廃液タンク77と、を有する。メンテナンス部75は、Z軸方向において、キャリッジ21より+Z方向側に設けられる。メンテナンス部75は、X軸方向において、記録位置より+X方向側に設けられる。メンテナンス部75は、キャリッジ21が待機位置にあるときの記録ヘッド22に、キャップ76が接触可能な位置に設けられる。
【0021】
図4図8に示すように、キャリッジ21には、六つの液体収容容器40が収容されている。六つの液体収容容器40は、色材として黒色の顔料を含むブラックの液体が収容される液体収容容器40K1と、色材として黒色の染料を含むブラックの液体が収容される液体収容容器40K2と、色材として灰色の染料を含むグレーの液体が収容される液体収容容器40GRと、色材としてシアン色の顔料を含むシアンの液体が収容される液体収容容器40Cと、色材としてマゼンタ色の顔料を含むマゼンタの液体が収容される液体収容容器40Mと、色材として黄色の顔料を含むイエローの液体が収容される液体収容容器40Yとで構成される。液体収容容器40K1と、液体収容容器40K2と、液体収容容器40GRと、液体収容容器40Cと、液体収容容器40Mと、液体収容容器40Yとは、+X方向に順に配置される。
【0022】
なお、キャリッジ21に搭載される液体収容容器40の数は、六つに限定されず、六つよりも少なくてもよく、一つであってもよいし、六つよりも多くてもよい。液体収容容器40に収容される液体に含まれる色材は、顔料であってもよく、染料であってもよい。さらに、液体収容容器40に収容される液体は、色材が含まれない液体であってもよい。
【0023】
図4に示すように、液体収容容器40には、補充容器90から液体貯留部46に液体を注入可能な注入口41aが設けられている。図6図8に示すように、液体貯留部46は、前面43F、後面43B、底面43S、上面43U、右側面43R、および左側面43Lを有する。前面43Fは、液体貯留部46の+Y方向側の外形を規定する壁面である。後面43Bは、液体貯留部46の-Y方向側の外形を規定する壁面である。底面43Sは、液体貯留部46の+Z方向側の外形を規定する壁面である。上面43Uは、液体貯留部46の-Z方向側の外形を規定する壁面である。右側面43Rは、液体貯留部46の+X方向側の外形を規定する壁面である。左側面43Lは、液体貯留部46の-X方向側の外形を規定する壁面である。また、前面43F、後面43B、底面43S、上面43U、右側面43R、および左側面43Lは、液体貯留部46内を画定する側壁とも言える。
【0024】
液体貯留部46には、注入口41aを含む注入部41を介して液体を注入可能である。図6に示すように、注入部41は、注入口41a、第1流路41b、第2流路41c、第3流路41d、流出口41eにより構成される。第1流路41bは、Z軸方向に延び、注入口41aと第2流路41cとをつなぐ。第2流路41cはX軸方向に延び、第1流路41bと第3流路41dとをつなぐ。図6図8に示すように、第3流路41dは、液体貯留部46の左側面43Lに設けられ、液体貯留部46の左側面43Lに開口する流出口41eと、を有し、第2流路41cと液体貯留部46とを通じさせる。
【0025】
なお、流出口41eは、図6に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が、後述する下限量であるときの下限液面LLより、+Z方向となる位置に開口する。これにより、液体貯留部46に注入部41を介して液体を注入することで、前面43Fの内面において液面LSより-Z方向となる領域に液体が付着する頻度を低減できる。
【0026】
液体貯留部46の底面43Sには、記録ヘッド22と接続される導出口49が設けられる。液体貯留部46内の液体は、導出口49を介して、記録ヘッド22に供給される。記録ヘッド22は、液体貯留部46から供給される液体を媒体に吐出する。なお、液体収容容器40をキャリッジ21に対して着脱可能に搭載する場合、液体収容容器40がキャリッジ21から取り外されたときに、液体貯留部46内の液体が導出口49から漏れることを抑制するシール部材やフィルターを、導出口49に設けてもよい。
【0027】
図6図8に示すように、液体貯留部46の前面43Fには、窓部材43Faが設けられる。また、後面43Bには、窓部材43Baが設けられる。また、上面43Uには、窓部材43Uaが設けられる。窓部材43Fa,43Ba,43Uaは、半透明または透明な材料で構成される。窓部材43Faは、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを視認することができる。窓部材43Faは視認面の一例である。また、窓部材43Faの+Y方向側に位置するキャリッジ21の前壁21Fには、窓部材43Faを+Y方向側から視認できるように、六つの貫通孔21aが設けられる。貫通孔21aは、窓部材43Faを+Y方向側から見たとき、窓部材43Faの外形が見えるように、窓部材43Faの外形より大きく形成されている。なお、貫通孔21aを、六つの窓部材43Faを+Y方向側から視認できるように、一つ設けてもよい。窓部材43Fa,43Ba,43Uaを構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用できる。
【0028】
本実施形態における視認面は、X-Z面に沿う面である。窓部材43Faには、液体の液量が下限量であることを周知する目盛り44aや、液体の液量が上限量であることを周知する目盛り44bなどの目盛り部が設けられている。本実施形態の下限量は、液体貯留部46内の液体が僅少となったときの液量であり、液体収容容器40への液体の補充が望ましい液量である。本実施形態の上限量は、液体収容容器40への液体の補充が不要な液量であり、液体貯留部46内に大気が一部存在する。下限量、上限量は、所定量の一例である。図5から図7では、液体の液量が下限量であるときの液面LSである下限液面LLと、液体の液量が上限量であるときの液面LSである上限液面LHと、を二点鎖線で示している。
【0029】
また、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Faはなくてもよい。この場合も、ユーザーは、前面43Fを介して、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを確認することができる。よって、前面43Fは視認面の一例である。換言すると、液体貯留部46は、液体貯留部46内の液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fを有する。
【0030】
図4に示すように、上壁部61は、六つの液体収容容器40に対応する六つのキャップレバー取り付け部62と、開閉カバー取り付け部63と、第1凹部としてのガイド部64と、第2凹部65と、ロックピン突出穴66と、を有する。キャップレバー取り付け部62は、X軸に沿って延びる円柱状の軸である。開閉カバー取り付け部63は、X軸に沿って延びる円柱状の軸である。開閉カバー31は、開閉カバー31の一方の端が開閉カバー取り付け部63に係合されることによって、開閉カバー取り付け部63を軸中心として回動可能になる。
【0031】
図6図7に示すように、キャップレバー50は、端部53と、係合部51と、注入口41aを閉栓可能なキャップ54と、係合部51に設けられる突起55と、を有する。係合部51が、上壁部61のキャップレバー取り付け部62に係合されることによって、キャップレバー50は、キャップレバー取り付け部62を軸中心として回動可能になる。
【0032】
図2では、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40C,40Mの注入口41aが密閉される位置にキャップレバー50が配置され、液体収容容器40Yの注入口41aが開かれる位置にキャップレバー50が配置されている。図2図6図7に示すように、キャップレバー50は、液体収容容器40の注入口41aを密閉する閉状態と、液体収容容器40の注入口41aを開く開状態とに回動可能になる。この場合、キャップレバー50は、液体貯留部46の上方を覆う閉状態と、液体貯留部46の上方を露出させる開状態と、の間を回動可能にキャリッジ21に設けられるとも言える。キャップレバー50は蓋部の一例である。図3に示すように、キャップレバー50を開状態にすると、液体収容容器40の注入口41aが開かれ、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充することができる。
【0033】
図4図6に示すように、開閉カバー31は、キャップレバー50、上壁部61を保護する。開閉カバー31は、開閉カバー取り付け部63を軸中心として回動し、六つのキャップレバー50を蓋う閉状態と、六つのキャップレバー50を露出させる開状態と、を取り得る。換言すると、開閉カバー31は、六つの液体貯留部46の上方を覆う閉状態と、六つの液体貯留部46の上方を露出させる開状態と、の間を回動可能にキャリッジ21に設けられる。開閉カバー31は蓋部の一例である。図4に示すように、開閉カバー31は、被規制部31aを有する。また、図2図4図6に示すように、開閉カバー31は、貫通孔31bを有する。
【0034】
液体貯留部46に貯留される液体の貯留量が少なくなり、補充容器90から液体を液体収容容器40に補充する場合、ユーザーは、開閉カバー31を、図6に示す閉状態から図7に示す開状態にする。ユーザーは、次にキャップレバー50の端部53に指をかけ、キャップレバー50を閉状態から開状態にすることで、図7に示すように、液体収容容器40の注入口41aを密閉された状態から開かれた状態にする。そして、ユーザーは、補充容器90の先端を液体収容容器40の注入口41aの中に差し込み、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充する。
【0035】
図4図6図7に示すように、ガイド部64には、注入口41aが配置される。このため、図6に示すように、キャップレバー50の閉状態において、ガイド部64の凹部には、キャップ54が挿入される。また、図3に示すように、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充する場合、ガイド部64の凹部には、補充容器90の先端が挿入される。このとき、ガイド部64の凹部は、補充容器90の先端の位置をガイドする。
【0036】
図4図6図7に示すように、第2凹部65には、キャップレバー取り付け部62と、開閉検知部71と、が配置される。開閉検知部71は、キャップレバー50の閉状態および開状態のいずれかを検知可能に設けられる。開閉検知部71は、六つのキャップレバー50に対応して六つ設けられる。キャップレバー50の突起55は、キャップレバー50の閉状態および開状態のいずれかを検知するための被検出部として機能する。
【0037】
本実施形態における開閉検知部71は、可動式の検出子71aを有する接触式センサーである。検出子71aは、突出する方向へ片寄せされるとともに突出と後退との変位が可能である。なお、開閉検知部71は、接触式センサーに限らず、リミットスイッチでもよいし、圧力センサー、キャップレバー50の回動角度を検知する角度センサーでもよい。また、開閉検知部71は、キャップレバー50の閉状態および開状態のいずれかを検知できれば、接触式センサーに限らず、透過型フォトセンサー、超音波センサー等の非接触式センサーでもよい。
【0038】
本実施形態では、図6に示すように、検出子71aが突起55に押されてその突出量が小さくなる方向へ後退し、突起55を検出することで、開閉検知部71はキャップレバー50の閉状態を検知する状態となる。また、図7に示すように、検出子71aが突起55に押されずに突出し、突起55を検出しないことで、開閉検知部71はキャップレバー50の開状態を検知する状態となる。
【0039】
図4に示すように、ロック機構72は、上壁部61の+Z方向側となる位置に設けられる。また、ロック機構72は、X軸方向において、液体収容容器40K1の注入口41aが配置されるガイド部64と隣り合い、-X方向側となる位置に設けられる。ロック機構72は、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行できないロック状態と、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態と、を切り替え可能に設けられる。
【0040】
本実施形態のロック機構72は、電磁コイルに電流を流すことで発生する磁力により、ロックピン(不図示)を直線運動させるソレノイドである。ロックピンは、ソレノイドにおける可動鉄心である。ロックピンは、ロックピンの先端が、ロックピン突出穴66内に位置する退避位置と、退避位置から+Y方向に突き出る突出位置と、の間を移動可能に設けられる。
【0041】
本実施形態では、突出位置にあるロックピンは、閉状態にある開閉カバー31の被規制部31aの上方への移動を規制する。このとき、開閉カバー31は閉状態から開状態に移行できないロック状態になる。また、退避位置にあるロックピンは、閉状態にある開閉カバー31の上方への移動を規制しない。このとき、開閉カバー31は閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態にある。
【0042】
本実施形態におけるロック機構72は、ロック機構72に通電することで、ロックピンが、突出位置から退避位置に移動する。すなわち、開閉カバー31は、ロック機構72に通電することで、ロック解除状態になり、ロック機構72への通電が停止されることでロック状態になる。よって、本実施形態における開閉カバー31は、記録装置101の電源が遮断された状態ではロック状態になる。
【0043】
図6に示すように、本実施形態の照明部80は、液体貯留部46の外に設けられる。照明部80は、光を発する発光部81と、導光部82と、導光部86と、をキャリッジ21に有する。本実施形態の照明部80は、六つの液体貯留部46に対応するように、六つの発光部81、六つの導光部82、および一つの導光部86を有する。発光部81は可視光を発する。発光部81は、液体貯留部46の上面43Uに対して-Z方向側となる位置に設けられる。発光部81は、Y軸方向において、液体貯留部46の後面43Bとキャリッジ21の後壁との間となる位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のX軸方向の寸法が大きくなりにくい。また、発光部81は、発光部81の前面81aから発する光が+Z方向に向かうように設けられる。なお、本実施形態の発光部81と、導光部82と、は、キャリッジ21に取り付けられるが、液体貯留部46に取り付けてもよい。
【0044】
導光部82は、半透明または透明な材料で構成される。図6図7に示すように、導光部82は、液体貯留部46の後面43Bより-Y方向側に設けられる。導光部82は、進入面82bと、照射面82aと、後面82rと、を備える。本実施形態の導光部82は、進入面82bから進入する光を照射面82aに向けて導く導光部材である。例えば、導光部82を構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が採用できる。
【0045】
進入面82bは、導光部82における-Z方向側の側面であり、発光部81の前面81aと対面する位置に設けられる。進入面82bは、液体貯留部46の後面43Bより-Y方向側に位置する。
【0046】
照射面82aは、導光部82における+Y方向側の側面である。よって、照射面82aは、発光部81と比較して、前面43Fに近い位置にある。これによれば、発光部81からの光を液体貯留部46内の前面43F側に導きやすい。照射面82aは、上限液面LHより-Z方向となる位置から下限液面LLより+Z方向となる位置まで延びる。本実施形態の照射面82aは、Z軸方向において、液体貯留部46の上面43Uと同じ位置から窓部材43Baの+Z方向側の端より+Z方向となる位置まで延びる。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Baはなくてもよい。
【0047】
後面82rは、導光部82における-Y方向側の側面である。後面82rは、複数の反射部82tがZ軸方向に並ぶことによって形成され、Z軸方向に延びる鋸刃形状を有する。反射部82tは、Z軸方向に並ぶ反射面82dと反射面82eとにより形成される凸形状をしている。
【0048】
図7に示すように、発光部81の前面81aから発せられる光は、導光部82の進入面82bから導光部82内に進入する。図7では、発光部81から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。進入面82bから導光部82内に進入した発光部81からの光は、後面82rを構成する複数の反射部82t、導光部82の+X方向側の側面、-X方向側の側面、+Z方向側の側面により、導光部82内を照射面82aに向かうように導かれる。
【0049】
照射面82aに導かれた発光部81からの光は、窓部材43Baを透して、後面43Bの-Y方向側から液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。換言すると、発光部81は、液体貯留部46の外に設けられ、少なくともキャリッジ21が視認位置に位置する時、導光部82を介して、液体を含む液体貯留部46内を、後面43B側から照らすことが可能である。また、本実施形態の記録装置101は、六つの液体貯留部46内を、六つの導光部82を介して、六つの発光部81によって照らす。
【0050】
導光部86は、半透明または透明な材料で構成される。図6図7に示すように、導光部86は、液体貯留部46の上面43Uより-Z方向側に設けられる。導光部86は、Y軸方向において、液体貯留部46における前面43Fと注入口41aとの間に設けられる。導光部86は、進入面86bと、照射面86aと、を備える。本実施形態の導光部86は、進入面86bから進入する光を照射面86aに向けて導く導光部材である。導光部86を構成する材料は、樹脂材料であれば、導光部82と同じ樹脂材料が採用できる。
【0051】
進入面86bは、導光部86における-Z方向側の側面である。照射面86aは、導光部86における+Z方向側の側面である。照射面86aは、窓部材43Uaの-Z方向に位置し、窓部材43Uaと対向する。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Uaはなくてもよい。
【0052】
図6に示すように、キャリッジ21が視認位置にあり、スキャナー部10のうち少なくともスキャナーハウジング11が閉状態にあるとき、スキャナーハウジング11の発光部85の前面85aは、導光部86の進入面86bの-Z方向に位置する。換言すると、発光部85は、閉状態にあるスキャナーハウジング11において、液体貯留部46の-Z方向となる位置に設けられる。また、Z軸方向において、発光部85の前面85aと導光部86の進入面86bとの間に位置する開閉カバー31には貫通孔31bが設けられる。よって、発光部85の前面85aは、進入面86bと対向する。本実施形態の発光部85の前面85aは、六つの導光部86の進入面86bと対向する。
【0053】
このため、キャリッジ21が視認位置にあり、スキャナー部10のうち少なくともスキャナーハウジング11が閉状態にあるとき、発光部85の前面85aから発せられる光は、導光部86の進入面86bから導光部86内に進入する。図6では、発光部85から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。進入面86bから導光部86内に進入した発光部85からの光は、導光部86の+X方向側の側面、-X方向側の側面、+Y方向側の側面、-Y方向側の側面により、導光部86内を照射面86aに向かうように導かれる。
【0054】
照射面86aに導かれた発光部85からの光は、窓部材43Uaを透して、上面43Uの-Z方向側から液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。よって、発光部85は、キャリッジ21の外に設けられ、キャリッジ21が視認位置に位置する時、導光部86を介して、液体を含む液体貯留部46内を、上面43U側から照らすことが可能である。また、発光部85は、導光部86を介して、液体貯留部46内において中央より前面43F側の領域を、上面43U側から照らす。また、本実施形態の記録装置101は、六つの液体貯留部46内を、一つの導光部86を介して、一つの発光部85によって照らす。
【0055】
本実施形態において、発光部81と、発光部85と、は、可視光を発することで、液体を含む液体貯留部46内を照らす。これによれば、本実施形態の記録装置101は、照明部80を備えない場合と比較して、液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを確認しやすい。
【0056】
次に記録装置101の電気的構成について説明する。図9に示すように、記録装置101は、制御部111を備える。制御部111には、スキャナー部10、電源操作部16、表示部15、開閉検知部71が、不図示の入力インターフェイスを介して接続される。また、制御部111には、表示部15、搬送部25、記録部20、ロック機構72、メンテナンス部75、および照明部80の発光部81,85が、不図示の出力インターフェイスを介して接続される。報知部としての表示部15、表示部215は、表示の指示と共に受け付けた情報を指示に従って表示して報知する機能を有する。
【0057】
ここで、制御部111は、外部装置であるホスト装置210の表示部215とは、装置本体102内の不図示の通信インターフェイス、通信ケーブルまたは無線通信回線等を通じて接続される。制御部111は、データと共にそのデータに基づく情報の表示を要求する信号を表示部15とホスト装置210とのうち少なくとも一方に送信し、表示部15、表示部215にデータに基づく情報を表示させて報知する報知処理を行う。ホスト装置210としては、パーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末などが挙げられる。
【0058】
制御部111は、例えば不図示のCPUおよびメモリーを内蔵し、CPUがメモリーに記憶されたプログラムを実行することにより各種の制御を行う。CPUは演算処理装置である。制御部111は、表示部15および表示部215のいずれかに情報を表示させることにより、その情報を表示によって報知させる機能を有する。
【0059】
制御部111は、開閉検知部71がキャップレバー50の閉状態および開状態のいずれかを検知している検知結果に基づき、キャップレバー50の閉状態および開状態のいずれかに関する情報を、表示部15および表示部215のいずれかに報知させる。また、制御部111は、記録装置101の電源を遮断する操作があったときに開閉検知部71がキャップレバー50の開状態を検知している場合、キャップレバー50を閉状態にするように要求する情報を、表示部15および表示部215のいずれかに報知させる。
【0060】
制御部111は、各液体収容容器40における液体貯留部46内の液量を管理している。ユーザーは液体収容容器40の液体貯留部46に液体を注入し終えると、液体貯留部46内の液量に関する情報を表示部15またはホスト装置210の操作により記録装置101に入力する。制御部111は、入力された液量に関する情報に基づき液体注入後の液体貯留部46内の現在の液量を取得する。また、制御部111は、記録部20が排出した液体の消費量を計測し、液体収容容器40ごとに前回の液量から今回の消費量を減算することにより、液体収容容器40ごとに液体貯留部46内の現在の液量を管理する。
【0061】
制御部111は、記録部20を制御し、搬送部25により搬送される媒体に向かって液体を噴射させる記録動作および記録とは関係のない液体を噴射させるフラッシングを行わせる。また、制御部111は、メンテナンス部75を制御し、記録ヘッド22のノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を行わせる。記録装置101はキャリッジ21を媒体の幅方向に移動させる駆動源として不図示のキャリッジモーターを備え、制御部111は、記録ヘッド22の液体噴射制御とキャリッジモーターの駆動制御とによって、キャリッジ21に搭載されて移動中の記録ヘッド22に液体を噴射させる記録動作を行わせる。
【0062】
制御部111は、搬送部25を制御し、不図示の媒体収容カセットから媒体を給送させるとともにその給送した媒体を所定の搬送経路に沿って搬送させる。搬送部25は、例えばローラー方式またはベルト方式の搬送機構と、その駆動源である不図示の搬送モーターとを備える。制御部111は搬送モーターの制御によって媒体の搬送制御を行う。
【0063】
制御部111は、ロック機構72への通電を制御することにより、ロック機構72を制御し、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行できないロック状態と、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態と、を切り替えさせる。例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量になった液体収容容器40があると、ロック機構72をロック状態からロック解除状態に移行させる。
【0064】
制御部111は、発光部81,85の発光状態を制御することで、記録装置101の動作状態をユーザーに報知する。また、制御部111は、発光部81,85の発光状態を制御することで、記録装置101の消費電力を低減する。例えば、制御部111は、発光部81を、キャリッジ21が記録位置にあるときには消灯させ、キャリッジ21が視認位置にあるときには点灯させる。また、例えば、制御部111は、発光部81を、一連の記録動作が終わるごとに点灯させ、記録動作を開始するときに消灯させてもよい。また、例えば、制御部111は、ユーザーが電源操作部16を操作し、記録装置101の電源がオンになると、発光部81を点灯させ、キャリッジ21が記録位置にあるときには発光部81を消灯させる。また、例えば、制御部111は、電源操作部16、表示部15、スキャナー部10、開閉カバー31等の操作が行われると、発光部81を点灯させ、一定時間操作が行われない場合に、発光部81を消灯させる。
【0065】
また、例えば、制御部111は、開閉カバー31が開状態になると、発光部81を点灯させ、閉状態になった後一定時間経過すると、発光部81を消灯させる。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量に近くなると、発光部81を点灯または点滅させる。これにより、液体収容容器40に液体の補充が必要であることをユーザーに報知することができる。また、例えば、制御部111は、ロック機構72がロック解除状態のとき、発光部81を点灯または点滅させる。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量となった液体収容容器40があると、表示部15および表示部215のいずれかにその旨を表示し、開閉カバー31が開状態から閉状態になるまで、液量が下限量となった液体貯留部46に対応する発光部81を、点灯または点滅させる。
【0066】
また、例えば、制御部111は、スキャナー部10のうち少なくともスキャナーハウジング11が開状態にあるとき、発光部85を点灯させてもよい。これによれば、ユーザーが補充容器90から液体収容容器40に液体を補充するときに、キャリッジ21の上方を照らすことができる。また、例えば、制御部111は、キャリッジ21が視認位置にあり、スキャナー部10のうち少なくともスキャナーハウジング11が閉状態にあるとき、発光部85を点灯させることで、液体を含む液体貯留部46内を照らしてもよい。
【0067】
以上述べたように、実施形態1に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0068】
記録装置101は、液体を貯留可能な液体貯留部46であって、貯留する前記液体を外から視認可能な前面43Fを有する液体貯留部46と、液体貯留部46から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッド22と、液体貯留部46と、記録ヘッド22と、を搭載するキャリッジ21であって、前面43Fを透して液体貯留部46内の前記液体を視認可能な視認位置と、記録ヘッド22が前記液体を前記媒体に吐出する記録位置と、に移動可能なキャリッジ21と、少なくともキャリッジ21が前記視認位置に位置するとき、液体貯留部46内を照らすことが可能な発光部81,85を備える。これによれば、液体貯留部46がキャリッジ21に搭載される場合も、液体貯留部46内の液体を視認しやすい。
【0069】
記録装置101は、キャリッジ21を収容する装置本体102と、装置本体102に設けられるスキャナーハウジング11と、を備え、スキャナーハウジング11は、装置本体102を覆う閉状態と、装置本体102の内部を露出させる開状態と、の間を移動可能であり、発光部85は、前記閉状態にあるスキャナーハウジング11において、キャリッジ21が前記視認位置に位置するときの液体貯留部46の-Z方向側となる位置に設けられる。これによれば、キャリッジ21の外に設けられる発光部85が発する光によって、液体貯留部46内を上方から照らすことができる。また、発光部85をキャリッジ21に設ける場合と比較して、キャリッジ21の寸法が大きくなりにくい。
【0070】
発光部81は、キャリッジ21に搭載される。これによれば、例えば、スキャナー部10に設けられる発光部85と比較して、スキャナー部10が開状態にある場合も、発光部81が発する光によって、液体貯留部46内を照らすことができる。
【0071】
発光部81は、キャリッジ21に取り付けられる。これによれば、液体収容容器40を着脱可能なカートリッジとしてキャリッジ21に搭載しやすい。
【0072】
記録装置101は、液体貯留部46内に向けて発光部85からの光を導く導光部86をさらに備える。これによれば、発光部85を設ける位置の制約を少なくすることができる。
【0073】
導光部86は、発光部85と対向し、発光部85からの前記光が進入する進入面86bを有する。これによれば、発光部85からの光を導光部86内に効率よく進入させることができ、導光部86を介して、発光部85からの光によって、液体貯留部46内を照らすことができる。
【0074】
導光部82は、発光部81からの光を液体貯留部46内に向けて照射する照射面82aを有し、照射面82aの少なくとも一部は、発光部81と比較して、前面43Fに近い位置にある。これによれば、発光部81からの光を液体貯留部46内の前面43F側に導きやすい。
【0075】
装置本体102は、キャリッジ21が前記視認位置にあるとき、前面43Fと対向する位置に視認部材34aを有し、視認部材34aは、半透明または透明である。これによれば、液体貯留部46内の液体を視認しやすいことに加え、装置本体102内に塵埃等の異物が進入することを抑制できる。
【0076】
記録装置101は、発光部81および発光部85のいずれかの点灯および消灯を制御する制御部111をさらに備える。これによれば、制御部111が発光部81および発光部85のいずれかの点灯および消灯を制御することで、記録装置101の動作状態をユーザーに報知することができる。
【0077】
記録装置101は、前記液体を液体貯留部46内に注入可能な注入部41をさらに備える。これによれば、液体貯留部46は、液体を補充して使用する継ぎ足しタイプの記録装置101にも採用することができる。
【0078】
2.実施形態2
次に、本開示の一実施形態としての実施形態2の記録装置101について説明する。なお、実施形態1の記録装置101と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0079】
実施形態2の記録装置101は、キャリッジ21の構成を除いて、実施形態1の記録装置101と同じである。図10に示すように、実施形態2のキャリッジ21は、キャリッジ21に設けられる照明部80が導光部82および導光部86を備えない点、発光部81の配置が異なる点、液体収容容器40の液体貯留部46が窓部材43Baを備えない点、において、実施形態1のキャリッジ21と異なる。
【0080】
本実施形態において、キャリッジ21に設けられる照明部80は、六つの液体貯留部46に対応するように、六つの発光部81を有する。図10に示すように、発光部81は、液体貯留部46の上面43Uに対して+Z方向側となる位置に設けられる。また、発光部81は、キャリッジ21の貫通孔21aに対して-Z方向となる位置に設けられる。また、発光部81は、視認部34の視認部材34aに対して-Z方向となる位置に設けられる。また、発光部81は、Y軸方向において、液体貯留部46の前面43Fとキャリッジ21の前壁21Fとの間となる位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のX軸方向の寸法が大きくなりにくい。また、発光部81は、発光部81の前面81aから発する光が-Y方向に向かうように設けられる。なお、本実施形態の発光部81は、キャリッジ21に取り付けられるが、液体貯留部46に取り付けてもよい。
【0081】
本実施形態の液体貯留部46に設けられる窓部材43Faの-Z方向側の端は、Z軸方向において、発光部81の前面81aより-Z方向側に位置する。よって、発光部81の前面81aは、窓部材43Faと対向する位置に設けられる。また、本実施形態の液体貯留部46に設けられる窓部材43Uaの-Y方向側の端には、-Y方向に向かうにつれて+Z方向となる方向に傾斜する反射面43hが設けられる。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合、反射面43hを含む窓部材43Uaはなくてもよい。この場合、反射面43hを含む窓部材43Uaは、上面43Uと一体的に設けられる。
【0082】
図10では、発光部81から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。発光部81の前面81aから発せられる光は、窓部材43Faを透して、前面43Fの+Y方向側から液体貯留部46内に進入し、液体貯留部46内を-Y方向に向かって進む。液体貯留部46内を-Y方向に進む光は、窓部材43Uaの反射面43hに反射され、+Z方向に位置する液体の液面LSに向かって進む。この場合、窓部材43Uaの反射面43hは、液体貯留部46内に設けられる導光部とも言える。
【0083】
発光部81からの光は、窓部材43Faを透して、前面43Fの+Y方向側から液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。また、発光部81は、液体貯留部46内において中央より前面43F側の領域を、上面43U側から照らす。また、本実施形態の記録装置101は、六つの液体貯留部46内を、六つの発光部81によって照らす。
【0084】
以上述べたように、実施形態2に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0085】
発光部81は、キャリッジ21と液体貯留部46との間に位置する。これによれば、キャリッジ21に設ける発光部81を、液体貯留部46の外に配置することができる。
【0086】
3.実施形態3
次に、本開示の一実施形態としての実施形態3の記録装置101について説明する。なお、実施形態1の記録装置101と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0087】
実施形態3の記録装置101は、キャリッジ21の構成を除いて、実施形態1の記録装置101と同じである。図11に示すように、実施形態3のキャリッジ21は、キャリッジ21に設けられる照明部80が導光部82を備えない点、発光部81が開閉カバー31に設けられる点、液体収容容器40の液体貯留部46が窓部材43Baを備えない点、開閉カバー31が貫通孔31bを備えない点、において、実施形態1のキャリッジ21と異なる。
【0088】
本実施形態において、キャリッジ21に設けられる照明部80は、六つの液体貯留部46に対応するように、六つの発光部81と、一つの導光部86と、有する。なお、導光部86は実施形態1と同じである。図11に示すように、本実施形態の発光部81は、開閉カバー31に設けられる。よって、発光部81は、液体貯留部46の上面43Uに対して-Z方向に位置する。また、発光部81は、閉状態の開閉カバー31において、導光部86の進入面86bの-Z方向となる位置であって、進入面86bと対向する位置に設けられる。よって、発光部81は、閉状態の開閉カバー31において、発光部81の前面81aから発する光が+Z方向に向かうように設けられる。
【0089】
また、発光部81は、閉状態の開閉カバー31において、Y軸方向において、液体貯留部46の前面43Fとキャップレバー50との間となる位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のY軸方向の寸法が大きくなりにくい。また、発光部81は、閉状態の開閉カバー31において、Y軸方向において、液体貯留部46の前面43Fと注入部41との間となる位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のX軸方向の寸法が大きくなりにくい。また、各発光部81は、X軸方向において、対応する液体貯留部46の中央となる位置に設けられる。
【0090】
図11では、発光部81から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。開閉カバー31が閉状態にあるとき、発光部81の前面81aから発せられる光は、導光部86の進入面86bから導光部86内に進入する。進入面86bから導光部86内に進入した発光部81からの光は、導光部86の+X方向側の側面、-X方向側の側面、+Y方向側の側面、-Y方向側の側面により、導光部86内を照射面86aに向かうように導かれる。
【0091】
照射面86aに導かれた発光部81からの光は、窓部材43Uaを透して、上面43Uの-Z方向側から液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。よって、発光部81は、開閉カバー31が閉状態にあるとき、導光部86を介して、液体を含む液体貯留部46内を照らすことが可能である。また、発光部81は、液体貯留部46内において中央より前面43F側の領域を、上面43U側から照らす。また、本実施形態の記録装置101は、六つの液体貯留部46内を、一つの導光部86を介して、六つの発光部81によって照らす。
【0092】
また、本実施形態の制御部111は、発光部81を、キャリッジ21が記録位置にあるときには消灯させ、キャリッジ21が視認位置にあり、かつ開閉カバー31が閉状態にあるときには点灯させる。また、本実施形態の開閉カバー31は貫通孔31bを備えないため、制御部111は、発光部85を、キャリッジ21が記録位置にあるときには消灯させ、キャリッジ21が視認位置にあり、かつスキャナー部10が開状態にあるときには点灯させる。
【0093】
以上述べたように、実施形態3に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0094】
キャリッジ21は、液体貯留部46の上方を覆う閉状態と、前記上方を露出させる開状態と、の間を回動可能な開閉カバー31を有し、発光部81は、開閉カバー31に設けられる。これによれば、キャリッジ21に設ける発光部81を、液体貯留部46の外に配置することができる。
【0095】
4.実施形態4
次に、本開示の一実施形態としての実施形態4の記録装置101について説明する。なお、実施形態1の記録装置101と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0096】
実施形態4の記録装置101は、スキャナー部10、およびキャリッジ21の構成において、実施形態1の記録装置101と異なる。図12に示すように、本実施形態のスキャナー部10は、スキャナーハウジング11が、発光部85を備えない点、照明窓11bを備える点、において、実施形態1のスキャナー部10と異なる。なお、照明窓11bは、開閉カバー31の貫通孔31bの-Z方向となる位置に設けられる。
【0097】
図12図13に示すように、実施形態4のキャリッジ21は、キャリッジ21に設けられる照明部80が導光部82および導光部86を備えない点、発光部81がキャップレバー50に設けられる点、液体収容容器40の液体貯留部46が窓部材43Fa,43Ua,43Baを備えない点、液体貯留部46および上壁部61が半透明または透明の材料で構成される点、において、実施形態1のキャリッジ21と異なる。
【0098】
本実施形態において、キャリッジ21に設けられる照明部80は、六つの液体貯留部46に対応するように、六つの発光部81を有する。図12に示すように、本実施形態の発光部81は、キャップレバー50に設けられる。よって、発光部81は、液体貯留部46の上面43Uに対して-Z方向に位置する。また、キャップレバー50が閉状態にあるとき、発光部81は、上壁部61のガイド部64における上面64aの-Z方向となる位置であって、上面64aと対向する位置に設けられる。また、キャップレバー50が閉状態にあるとき、発光部81は、発光部81の前面81aから発する光が+Z方向に向かうように設けられる。
【0099】
また、キャップレバー50が閉状態にあるとき、発光部81は、Y軸方向において、液体貯留部46の後面43Bと注入口41aとの間となる位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のY軸方向の寸法が大きくなりにくい。また、図13に示すように、キャップレバー50が開状態にあるとき、発光部81は、Y軸方向において、液体貯留部46のガイド部64と後面43Bとの間となる位置に設けられる。また、キャップレバー50が開状態にあるとき、発光部81は、Z軸方向において、注入口41aと装置本体102の最上面との間となる位置に設けられる。また、キャップレバー50が開状態にあるとき、発光部81は、発光部81の前面81aから発する光が+Y方向に向かうように設けられる。
【0100】
図12図13では、発光部81から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。図12に示すように、キャップレバー50が閉状態にあるとき、発光部81の前面81aから発せられる光は、ガイド部64の上面64aからガイド部64内に進入する。なお、本実施形態のガイド部64は、上壁部61が半透明または透明の材料で構成されるため、半透明または透明である。上面64aからガイド部64内に進入した発光部81からの光は、ガイド部64内をガイド部64の底面64bに向かうように導かれる。
【0101】
底面64bに導かれた発光部81からの光は、上面43Uを透して、上面43Uの-Z方向側から液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。なお、本実施形態の上面43Uは、液体貯留部46が半透明または透明の材料で構成されるため、半透明または透明である。よって、発光部81は、キャップレバー50が閉状態にあるとき、ガイド部64を介して、液体を含む液体貯留部46内を照らすことが可能である。このとき、発光部81は、液体貯留部46内の中央となる領域を、上面43U側から照らす。また、本実施形態の記録装置101は、六つの液体貯留部46内を、六つの発光部81によって照らす。
【0102】
本実施形態の制御部111は、キャリッジ21が記録位置にあるときには発光部81を消灯させ、スキャナー部10が開状態にあり、キャリッジ21が視認位置にあり、かつキャップレバー50が閉状態にあるときには発光部81を点灯させる。これにより、ユーザーは、装置本体102の+Y方向側から、前面43Fを透して、発光部81に照らされる液体貯留部46内の前記液体を視認できる。また、制御部111は、スキャナー部10が閉状態にあり、キャリッジ21が視認位置にあり、かつキャップレバー50が閉状態にあるときに、スキャナーハウジング11の発光源11aを点灯させてもよい。これにより、ユーザーは、装置本体102の+Y方向側から、前面43Fを透して、発光源11aに照らされる液体貯留部46内の前記液体を視認できる。
【0103】
また、制御部111は、スキャナー部10が閉状態にあり、キャリッジ21が視認位置にあり、かつキャップレバー50が閉状態にあるときに、発光部81とスキャナーハウジング11の発光源11aとを点灯させてもよい。これにより、ユーザーは、装置本体102の+Y方向側から、前面43Fを透して、発光部81と発光源11aとに照らされる液体貯留部46内の前記液体を視認できる。
【0104】
また、制御部111は、スキャナー部10が開状態にあり、キャリッジ21が視認位置にあり、かつキャップレバー50が開状態にあるときに、発光部81を点灯させてもよい。これによれば、ユーザーが液体を補充容器90から液体収容容器40に補充するとき、発光部81が光を発することで、ガイド部64や注入口41aの近くを照らすことができる。また、このとき、制御部111は、スキャナーハウジング11の発光源11aを点灯させてもよい。これによれば、発光源11aから発せられる光が、照明窓11bを透して、キャリッジ21の上方を照らすことができる。
【0105】
以上述べたように、実施形態4に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0106】
キャリッジ21は、液体貯留部46の上方を覆う閉状態と、前記上方を露出させる開状態と、の間を回動可能なキャップレバー50を有し、発光部81は、キャップレバー50に設けられる。これによれば、キャリッジ21に設ける発光部81を、液体貯留部46の外に配置することができる。また、ユーザーがキャリッジ21の上方にアクセスするとき、発光部81が光を発することで、ガイド部64や注入口41aの近くを照らすことができる。
【0107】
5.実施形態5
次に、本開示の一実施形態としての実施形態5の記録装置101について説明する。なお、実施形態1の記録装置101と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0108】
実施形態5の記録装置101は、キャリッジ21の構成を除いて、実施形態1の記録装置101と同じである。図14に示すように、実施形態5のキャリッジ21は、キャリッジ21に設けられる照明部80において発光部81および導光部82の配置が異なる点、液体収容容器40の液体貯留部46が窓部材43Fa,43Ua,43Baを備えない点、液体貯留部46が半透明または透明の材料で構成される点、において、実施形態1のキャリッジ21と異なる。
【0109】
図14に示すように、本実施形態において、キャリッジ21に設けられる照明部80の発光部81は、X軸方向に並ぶ六つの液体貯留部46において、X軸方向において液体貯留部46どうしの間となる位置に設けられる。このため、本実施形態の照明部80は、五つの発光部81を有する。また、発光部81は、Y軸方向において液体貯留部46の前面43Fと後面43Bとの間となる位置であって、液体貯留部46の中央と比較して後面43Bに近い位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のY軸方向の寸法が大きくなりにくい。
【0110】
また、発光部81は、Z軸方向において液体貯留部46の上面43Uと底面43Sとの間となる位置に設けられる。これによれば、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のZ軸方向の寸法が大きくなりにくい。また、発光部81は、発光部81の前面81aから発する光が+Y方向に向かうように設けられる。なお、本実施形態の発光部81は、キャリッジ21に取り付けられるが、液体貯留部46に取り付けてもよい。
【0111】
本実施形態の導光部82は、X軸方向に並ぶ六つの液体貯留部46において、X軸方向において液体貯留部46どうしの間となる位置に二つ設けられる。このため、本実施形態の照明部80は、十個の導光部82を有する。また、導光部82は、進入面82bが発光部81の前面81aと対向する位置に設けられる。
【0112】
X軸方向において液体貯留部46どうしの間となる位置に設けられる二つの導光部82のうち、+X方向側に位置する一方の導光部82は、照射面82aが、+X方向側に位置する液体貯留部46の左側面43Lと対向するように設けられる。また、X軸方向において液体貯留部46どうしの間となる位置に設けられる二つの導光部82のうち、-X方向側に位置する他方の導光部82は、照射面82aが、-X方向側に位置する液体貯留部46の右側面43Rと対向するように設けられる。
【0113】
また、照射面82aの+Y方向側の端は、Y軸方向において、液体貯留部46の内面における+Y方向側の端と実質同じ位置に位置する。よって、導光部82の照射面82aは、液体貯留部46の左側面43Lおよび右側面43Rのいずれかに沿って延び、Y軸方向において、液体貯留部46の内面に対応するように設けられる。換言すると、導光部82は、発光部81からの光を液体貯留部46内に向けて照射する照射面82aを有し、照射面82aの少なくとも一部は、Y軸方向において、発光部81と比較して、前面43Fに近い位置にある。
【0114】
図14に示すように、発光部81の前面81aから発せられる光は、導光部82の進入面82bから導光部82内に進入する。図14では、X軸方向において、液体収容容器40Yの液体貯留部46と液体収容容器40Mの液体貯留部46との間に設けられる発光部81から発せられる光の経路を破線の矢印で示している。進入面82bから導光部82内に進入した発光部81からの光は、後面82rを構成する複数の反射部82t、導光部82の+Z方向側の側面、-Z方向側の側面、+Y方向側の側面により、導光部82内を照射面82aに向かうように導かれる。
【0115】
二つの導光部82のうち、+X方向に位置する一方の導光部82において、照射面82aに導かれた発光部81からの光は、液体収容容器40Yの液体貯留部46における左側面43Lを透して、+X方向に向かって液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。二つの導光部82のうち、-X方向に位置する他方の導光部82において、照射面82aに導かれた発光部81からの光は、液体収容容器40Mの液体貯留部46における右側面43Rを透して、-X方向に向かって液体貯留部46内に進入し、液体を含む液体貯留部46内を照らす。換言すると、発光部81は、X軸方向に並ぶ複数の液体貯留部46において、液体貯留部46どうしの間に設けられ、導光部82を介して、液体を含む液体貯留部46内を照らす。また、発光部81は、左側面43Lおよび右側面43Rのいずれかの側面の外から、液体貯留部46内を、前面43F側から後面43B側にわたって照らす。また、本実施形態の記録装置101は、六つの液体貯留部46内を、十個の導光部82を介して、五つの発光部81によって照らす。
【0116】
以上述べたように、実施形態5に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0117】
キャリッジ21は、複数の液体貯留部46を搭載し、発光部81は、液体貯留部46どうしの間に設けられる。これによれば、キャリッジ21に設ける発光部81を、液体貯留部46の外に配置することができる。また、発光部81をキャリッジ21に設ける場合に、キャリッジ21のY軸方向の寸法が大きくなりにくい。
【0118】
導光部82は、発光部81からの光を液体貯留部46内に向けて照射する照射面82aを有し、照射面82aの少なくとも一部は、発光部81と比較して、前面43Fに近い位置にある。これによれば、発光部81からの光を液体貯留部46内の前面43F側に導きやすい。
【0119】
本発明の上記実施形態に係る記録装置101、および液体収容容器40は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0120】
上記実施形態において、液体収容容器40は、液体貯留部46に液体を注入可能な注入部41を備えなくてもよい。このとき、キャリッジ21は、上壁部61、開閉カバー31、およびキャップレバー50を備えなくてもよい。また、スキャナーハウジング11に設けられる発光部85は、Y軸方向において、液体貯留部46の後面43Bに対応する位置まで延びていてもよい。また、液体貯留部46は、半透明または透明の材料で構成されていてもよい。そして、制御部111は、キャリッジ21が視認位置にあるとき、発光部85を点灯させることで、液体貯留部46内を照らしてもよい。
【0121】
上記実施形態において、キャリッジ21の前壁21Fはなくてもよい。
【0122】
上記実施形態において、キャリッジ21は、液体収容容器40を着脱可能に搭載してもよい。
【0123】
上記実施形態において、装置本体102は、視認部34を備えなくてもよい。この場合、スキャナー部10は、原稿カバー12の前壁12Fが、視認位置にあるキャリッジ21の+Y方向側を覆うように+Z方向に延びていてもよい。また、この場合、前壁12Fに、液体貯留部46の前面43Fを露出させる貫通孔を設けてもよい。これによれば、ユーザーは、スキャナー部10が閉状態にある場合も、前壁12Fの貫通孔から、液体貯留部46内に貯留される液体の貯留量を把握することができる。
【0124】
上記実施形態1において、照明部80は、発光部81および発光部85のうち、いずれか一方を備えなくてもよい。
【0125】
上記実施形態5において、液体収容容器40の液体貯留部46と、導光部82と、を、一体的に形成してもよいし、少なくとも導光部82の一部を液体貯留部46と一体的に形成してもよい。この場合、例えば、X軸方向において、図14に示す液体収容容器40Yの液体貯留部46と液体収容容器40Mの液体貯留部46との間となる位置に設けられる二つの導光部82のうち、+X方向側に位置する一方の導光部82は、液体収容容器40Yの液体貯留部46における左側面43Lと一体的に設けられる。また、二つの導光部82のうち、-X方向側に位置する他方の導光部82は、液体収容容器40Mの液体貯留部46における右側面43Rと一体的に設けられる。換言すると、導光部82の少なくとも一部は、液体貯留部46における左側面43L、右側面43Rと一体的に設けられる。これによれば、発光部81からの光によって、液体貯留部46内を、液体貯留部46の側面から効率よく照らすことができる。
【0126】
上記実施形態において、発光部81が発する光の色を変更可能としておき、制御部111が発光部81を点灯または点滅させるときの色を変更してもよい。例えば、実施形態1において、制御部111は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量より多いときには、発光部81を緑色の光で点灯させ、液体貯留部46内の液体の液量が下限量となったときには、発光部81を黄色の光で点滅させてもよい。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量より少なくなったときには、発光部81を赤色の光で点灯させてもよい。
【0127】
上記実施形態において、キャリッジ21に設けられる各発光部81が発する可視光の色が、対応する液体収容容器40によって異なっていてもよい。
【0128】
上記実施形態において、キャリッジ21に設けられる導光部82および導光部86のいずれかの色が、対応する液体収容容器40によって異なっていてもよい。
【0129】
上記実施形態において、記録装置101は、スキャナー部10を備えなくてもよい。この場合、記録装置101は、装置本体102の開口を覆う閉状態と、装置本体102の開口を露出させる開状態と、の間を移動可能なカバー部材を備えてもよい。カバー部材は、装置本体102の開口を蓋うカバー部の一例である。また、この場合、カバー部材に発光部85を設けてもよい。
【符号の説明】
【0130】
10…スキャナー部、11…スキャナーハウジング、11a…発光源、11b…照明窓、12…原稿カバー、12F…前壁、15…表示部、16…電源操作部、20…記録部、21…キャリッジ、21F…前壁、21L…左側壁、21R…右側壁、21S…底壁、21a…貫通孔、21h…貫通孔、22…記録ヘッド、25…搬送部、31…開閉カバー、31a…被規制部、31b…貫通孔、34…視認部、34a…視認部材、35…貫通孔、36…壁部、40,40K1,40K2,40GR,40C,40M,40Y…液体収容容器、41…注入部、41a…注入口、41b…第1流路、41c…第2流路、41d…第3流路、41e…流出口、43B…後面、43Ba…窓部材、43F…前面、43Fa…窓部材、43h…反射面、43L…左側面、43R…右側面、43S…底面、43U…上面、43Ua…窓部材、44a,44b…目盛り、46…液体貯留部、49…導出口、50…キャップレバー、51…係合部、53…端部、54…キャップ、55…突起、61…上壁部、62…キャップレバー取り付け部、63…カバー取り付け部、64…ガイド部、64a…上面、64b…底面、65…第2凹部、66…ロックピン突出穴、71…開閉検知部、71a…検出子、72…ロック機構、75…メンテナンス部、76…キャップ、77…廃液タンク、78…廃液チューブ、79…ポンプ、80…照明部、81…発光部、81a…前面、82…導光部、82a…照射面、82b…進入面、82d…反射面、82e…反射面、82r…後面、82t…反射部、85…発光部、85a…前面、86…導光部、86a…照射面、86b…進入面、90…補充容器、101…記録装置、102…装置本体、111…制御部、210…ホスト装置、215…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14