(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187614
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 11/00 20200101AFI20221213BHJP
B62J 50/21 20200101ALI20221213BHJP
B62K 21/04 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B62J11/00
B62J50/21
B62K21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095695
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】川床 翔平
(72)【発明者】
【氏名】田中 友基
【テーマコード(参考)】
3D013
【Fターム(参考)】
3D013CC02
(57)【要約】
【課題】簡素な構造でメータの傾きを変えることができる鞍乗型車両を提供することを目的とする。
【解決手段】鞍乗型車両1はステアリング装置11と支持部40とメータ31を備える。支持部40はステアリング装置11に支持される。メータ31は支持部40に支持される。支持部40は第1ステー41と第2ステー51と結合部61を備える。第1ステー41は第1座部42と第2座部44を備える。支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第2ステー51と面接触し、かつ、結合部61は第1座部42と第2ステー51を締結する。支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第2ステー51と面接触し、かつ、結合部61は第2座部44と第2ステー51を締結する。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きと異なる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両であって、
ステアリング装置と、
前記ステアリング装置に支持され、第1形態および第2形態の間で変形可能な(convertible)支持部と、
前記支持部に支持されるメータと、
を備え、
前記支持部は、
前記ステアリング装置および前記メータの一方に固定される第1ステーと、
前記ステアリング装置および前記メータの他方に固定され、前記第1ステーと着脱可能な第2ステーと、
前記第1ステーと前記第2ステーを結合する結合部と、
を備え、
前記第1ステーは、
第1平面上に形成される第1座部と、
前記第1平面と異なる第2平面上に形成される第2座部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1座部は前記第2ステーと面接触し、かつ、前記結合部は前記第1座部と前記第2ステーを締結し、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2座部は前記第2ステーと面接触し、かつ、前記結合部は前記第2座部と前記第2ステーを締結し、
前記支持部が前記第2形態であるときの前記メータの傾きは、前記支持部が前記第1形態であるときの前記メータの傾きと異なる
鞍乗型車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鞍乗型車両において、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1平面は、前記鞍乗型車両の幅方向と平行であり、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2平面は、前記鞍乗型車両の前記幅方向と平行である
鞍乗型車両。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鞍乗型車両において、
前記結合部は、
前記第1ステーと前記第2ステーを貫通する第1軸部と、
前記第1ステーと前記第2ステーを貫通する第2軸部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1軸部と前記第2軸部は前記鞍乗型車両の幅方向に並び、かつ、前記第1軸部と前記第2軸部はそれぞれ、前記鞍乗型車両の前記幅方向と直交する第1方向に延び、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第1軸部と前記第2軸部は前記鞍乗型車両の前記幅方向に並び、かつ、前記第1軸部と前記第2軸部はそれぞれ、前記鞍乗型車両の前記幅方向と直交する第2方向に延びる
鞍乗型車両。
【請求項4】
請求項3に記載の鞍乗型車両において、
前記第1軸部と前記第2軸部がそれぞれ前記第1ステーと前記第2ステーから外れた(remove)とき、前記第1ステーと前記第2ステーの結合は解除され、前記第1ステーに対する前記第2ステーの自由な移動が許容される
鞍乗型車両。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、
前記第1座部に形成される第1孔と、
前記第2座部に形成される第2孔と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記結合部は前記第1孔に挿入され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記結合部は前記第2孔に挿入され、
前記第1孔と前記第2孔は、前記第1座部および前記第2座部によって、互いに隔てられている
鞍乗型車両。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両において、
前記第2ステーは、
第3座部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1座部は前記第3座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第1座部に前記第3座部を結合し、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2座部は前記第3座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第2座部に前記第3座部を結合する
鞍乗型車両。
【請求項7】
請求項6に記載の鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、前記ステアリング装置に常に取り付けられ、
前記第2ステーは、前記メータに固定される
鞍乗型車両。
【請求項8】
請求項6に記載の鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、前記メータに固定され、
前記第2ステーは、前記ステアリング装置に常に取り付けられる
鞍乗型車両。
【請求項9】
請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両において、
前記第2ステーは、
第3座部と、
第4座部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1座部は前記第3座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第1座部に前記第3座部を結合し、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2座部は前記第4座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第2座部に前記第4座部を結合する
鞍乗型車両。
【請求項10】
請求項9に記載の鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、前記ステアリング装置に固定され、
前記第2ステーは、前記メータに固定される
鞍乗型車両。
【請求項11】
請求項9または10に記載の鞍乗型車両において、
前記第2座部は前記第1座部と接しており、
前記第4座部は前記第3座部と接しており、
前記第1座部と前記第2座部のなす第1角度は、前記第3座部と前記第4座部のなす第2角度と異なる
鞍乗型車両。
【請求項12】
請求項11に記載の鞍乗型車両において、
前記第1座部は、前方に延び、
前記第2座部は、前記第1座部から下方に延び、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第3座部は前記第1座部の上面に接触し、前記第4座部は前記第2座部の前面よりも前方に配置され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第4座部は前記第2座部の前記前面に接触し、かつ、前記第3座部は前記第1座部の前記上面よりも上方に配置され、
前記第2角度は、前記第1角度よりも大きい
鞍乗型車両。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の鞍乗型車両において、
前記メータは上面を有し、
前記支持部が前記第2形態であるときの前記メータの前記上面の傾きは、前記支持部が前記第1形態であるときの前記メータの前記上面の傾きよりも水平に近い
鞍乗型車両。
【請求項14】
請求項13に記載の鞍乗型車両において、
前記ステアリング装置は、
右フロントサスペンションと、
左フロントサスペンションと、
前記右フロントサスペンションと前記左フロントサスペンションを連結するトップブリッジと、
を備え、
前記メータは、前記トップブリッジよりも前方に配置され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記鞍乗型車両の側面視において、前記メータの前記上面は、前記トップブリッジの上面と略平行である
鞍乗型車両。
【請求項15】
請求項14に記載の鞍乗型車両において、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記鞍乗型車両の前記側面視において、前記メータの前記上面は、実質的に、前記トップブリッジの前記上面の延長線上に配置される
鞍乗型車両。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の鞍乗型車両において、
前記鞍乗型車両の側面視において、前記ステアリング装置の後方に配置される燃料タンクを備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記鞍乗型車両の前記側面視において、前記メータの少なくとも一部は、前記燃料タンクの上端よりも上方に配置され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記鞍乗型車両の前記側面視において、前記メータの全部は、前記燃料タンクの前記上端よりも下方に配置される
鞍乗型車両。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の鞍乗型車両において、
前記メータよりも下方かつ前方に配置されるヘッドライトを備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記メータと前記ヘッドライトは、前記鞍乗型車両の正面視において、重なり、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記メータと前記ヘッドライトは、前記鞍乗型車両の前記正面視において、重なり、
前記支持部が前記第2形態であるときの前記鞍乗型車両の上下方向における前記メータおよび前記ヘッドライトの全体の長さは、前記支持部が前記第1形態であるときの前記鞍乗型車両の前記上下方向における前記メータおよび前記ヘッドライトの全体の長さよりも、小さい
鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータを備える鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は自動二輪車を開示する。自動二輪車はアッパブラケット2とヒンジ軸25とメータ13を備える。ヒンジ軸25は、アッパブラケット2に支持される。ヒンジ軸25は、自動二輪車の幅方向に延びる。メータ13は、ヒンジ軸25に回転可能に支持される。メータ13は、ヒンジ軸25を介して、アッパブラケット2に連結される。
【0003】
具体的には、自動二輪車はハンドルバーホルダー12とメータブラケット32を備える。ハンドルバーホルダー12は、アッパブラケット2に固定される。ハンドルバーホルダー12は、ヒンジ軸25を支持する。メータブラケット32は、メータ13に固定される。メータブラケット32は、ボス部34を備える。ボス部34は、ヒンジ軸25に接触する。ボス部34は、ヒンジ軸25回りに摺動可能である。ボス部34がヒンジ軸25回りに摺動するとき、メータ13およびメータブラケット32は、ヒンジ軸25回りに回転する。
【0004】
ヒンジ軸25に対するメータ13の回転を規制するために、自動二輪車は、さらに、ガイド板42と係止レバー41と板バネ45を備える。ガイド板42は、アッパブラケット2に固定される。ガイド板42は、複数の係合溝53を有する。複数の係合溝53は、ヒンジ軸25回りの周方向に並ぶように配置される。係止レバー41は、軸部43と係止爪46を備える。軸部43は、メータブラケット32に支持される。係止レバー41は、メータブラケット32に対して、軸部43回りに回転可能である。係止レバー41が軸部43回りの第1方向に回転するとき、係止レバー41はガイド板42と係合する。具体的には、係止レバー41が軸部43回りの第1方向に回転するとき、係止爪46はいずれかの係合溝53に挿入される。係止爪46がガイド板42と係合するとき、メータ13がヒンジ軸25回りに回転することを、係止レバー41とガイド板42は規制する。係止レバー41が軸部43回りの第2方向に回転するとき、係止レバー41はガイド板42から外れる。具体的には、係止レバー41が軸部43回りの第2方向に回転するとき、係止爪46は係合溝53から抜かれる。係止レバー41がガイド板42から外れるとき、メータ13がヒンジ軸25回りに回転することを、係止レバー41とガイド板42は許容する。板バネ45は、軸部43回りの第1方向の弾性力を、係止レバー41に付与する。
【0005】
メータ13の傾きを変えるとき、自動二輪車の運転者は、以下の作業をする。まず、運転者は、板バネ45の弾性力に抗って、係止レバー41を軸部43回りの第2方向に回転する。これにより、係止レバー41はガイド板42から外れる。係止レバー41がガイド板42から外れた状態で、運転者は、メータ13をヒンジ軸25回りに回転させ、メータ13の傾きを変える。運転者がメータ13の傾きを調整した後、運転者は、係止レバー41を離す。係止レバー41は、板バネ45の弾性力によって、軸部43回りの第1方向に回転する。係止レバー41は、再び、ガイド板42に係合する。これにより、ヒンジ軸25回りのメータ13の回転は規制される。すなわち、メータ13は位置決めされる。メータ13がアッパブラケット2に連結された状態で、メータ13の傾きを変更できる。メータ13の傾きを変更するとき、メータ13をアッパブラケット2から離脱させることを要しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
メータ13を回転可能に支持するために、鞍乗型車両はヒンジ軸25を備える。ヒンジ軸25に対するメータ13の回転を規制するために、鞍乗型車両は、ガイド板42と係止レバー41と板バネ45を備える。このため、メータ13の支持構造は、複雑である。メータ13の支持構造は、多数の部品を含む。
【0008】
特に、ボス部34は、ヒンジ軸25回りに摺動する。具体的には、ボス部34がヒンジ軸25に接触した状態で、ボス部34はヒンジ軸25に対して回転する。すなわち、ボス部34は、回転摺動部に相当する。このため、ボス部34は、高い耐久性を要求される。特に、ヒンジ軸25が、側面視において、メータ13と重ならない位置に配置される場合、ボス部34は、一層高い耐久性を要求される。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡素な構造でメータの傾きを変えることができる鞍乗型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、鞍乗型車両であって、
ステアリング装置と、
前記ステアリング装置に支持され、第1形態および第2形態の間で変形可能な(convertible)支持部と、
前記支持部に支持されるメータと、
を備え、
前記支持部は、
前記ステアリング装置および前記メータの一方に固定される第1ステーと、
前記ステアリング装置および前記メータの他方に固定され、前記第1ステーと着脱可能な第2ステーと、
前記第1ステーと前記第2ステーを結合する結合部と、
を備え、
前記第1ステーは、
第1平面上に形成される第1座部と、
前記第1平面と異なる第2平面上に形成される第2座部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1座部は前記第2ステーと面接触し、かつ、前記結合部は前記第1座部と前記第2ステーを締結し、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2座部は前記第2ステーと面接触し、かつ、前記結合部は前記第2座部と前記第2ステーを締結し、
前記支持部が前記第2形態であるときの前記メータの傾きは、前記支持部が前記第1形態であるときの前記メータの傾きと異なる
鞍乗型車両である。
【0011】
鞍乗型車両は、ステアリング装置と支持部とメータを備える。支持部は、ステアリング装置に支持される。メータは、支持部に支持される。
【0012】
支持部は、第1形態と第2形態の間で変形可能である。支持部が第2形態であるときのメータの傾きは、支持部が第1形態であるときのメータの傾きと異なる。
【0013】
具体的には、支持部は、第1ステーと第2ステーと結合部を備える。第1ステーは、ステアリング装置およびメータの一方に固定される。第2ステーは、ステアリング装置およびメータの他方に固定される。第2ステーは、第1ステーと着脱可能である。結合部は、第1ステーと第2ステーを結合する。
【0014】
第1ステーは、第1座部と第2座部を備える。支持部が第1形態であるとき、第1座部は第2ステーと面接触する。支持部が第1形態であるとき、結合部は第1座部と第2ステーを締結する。支持部が第2形態であるとき、第2座部は第2ステーと面接触する。支持部が第2形態であるとき、結合部は第2座部と第2ステーを締結する。このため、第1ステーの形状を簡素化できる。第2ステーの形状も簡素化できる。支持部が第1形態であるとき、結合部は、第1ステーと第2ステーを、簡素に結合できる。支持部が第2形態であるときも、結合部は、第1ステーと第2ステーを、簡素に結合できる。よって、支持部の構造を簡素化できる。
【0015】
第1座部は、第1平面上に形成される。すなわち、第1座部は平坦である。このため、支持部が第1形態であるとき、第2ステーは、第1ステーに対して回転摺動不能である。第2座部は、第2平面上に形成される。すなわち、第2座部は平坦である。このため、支持部が第2形態であるときも、第2ステーは、第1ステーに対して回転摺動不能である。よって、支持部は、回転摺動部を含まない。したがって、支持部の構造を一層簡素化できる。
【0016】
第2座部が形成される第2平面は、第1座部が形成される第1平面と異なる。このため、支持部は、支持部が第2形態であるときのメータの傾きを、支持部が第1形態であるときのメータの傾きから、好適に異ならせることができる。
【0017】
以上の通り、本鞍乗型車両によれば、簡素な構造でメータの傾きを変えることができる。
【0018】
上述した鞍乗型車両において、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1平面は、前記鞍乗型車両の幅方向と平行であり、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2平面は、前記鞍乗型車両の前記幅方向と平行であることが好ましい。
支持部が第1形態であるとき、第1平面は、鞍乗型車両の幅方向と平行である。このため、支持部が第1形態であるとき、第1座部と第2ステーの間の接触面は、鞍乗型車両の幅方向と平行である。支持部が第2形態であるとき、第2平面は、鞍乗型車両の幅方向と平行である。このため、支持部が第2形態であるとき、第2座部と第2ステーの間の接触面は、鞍乗型車両の幅方向と平行である。よって、支持部は、メータを堅牢に支持できる。例えば、メータが鞍乗型車両の幅方向と平行な軸線回りに回転することを、支持部は好適に禁止できる。
【0019】
上述した鞍乗型車両において、
前記結合部は、
前記第1ステーと前記第2ステーを貫通する第1軸部と、
前記第1ステーと前記第2ステーを貫通する第2軸部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1軸部と前記第2軸部は前記鞍乗型車両の幅方向に並び、かつ、前記第1軸部と前記第2軸部はそれぞれ、前記鞍乗型車両の前記幅方向と直交する第1方向に延び、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第1軸部と前記第2軸部は前記鞍乗型車両の前記幅方向に並び、かつ、前記第1軸部と前記第2軸部はそれぞれ、前記鞍乗型車両の前記幅方向と直交する第2方向に延びることが好ましい。
支持部が第1形態であるとき、第1軸部と第2軸部は鞍乗型車両の幅方向に並ぶ。支持部が第1形態であるとき、第1軸部と第2軸部はそれぞれ第1方向に延びる。すなわち、支持部が第1形態であるとき、第2軸部は第1軸部と平行である。さらに、第1方向は、鞍乗型車両の幅方向と直交する。このため、支持部が第1形態であるとき、第1軸部および第2軸部は、第1ステーと第2ステーを堅牢に締結できる。支持部が第2形態であるとき、第1軸部と第2軸部は鞍乗型車両の幅方向に並ぶ。支持部が第2形態であるとき、第1軸部と第2軸部はそれぞれ第2方向に延びる。すなわち、支持部が第2形態であるとき、第2軸部は第1軸部と平行である。さらに、第2方向は、鞍乗型車両の幅方向と直交する。このため、支持部が第2形態であるときも、第1軸部および第2軸部は、第1ステーと第2ステーを堅牢に締結できる。
【0020】
上述した鞍乗型車両において、
前記第1軸部と前記第2軸部がそれぞれ前記第1ステーと前記第2ステーから外れたとき、前記第1ステーと前記第2ステーの結合は解除され、前記第1ステーに対する前記第2ステーの自由な移動が許容されることが好ましい。
第1軸部と第2軸部がそれぞれ第1ステーと第2ステーから外れたとき、第1ステーと第2ステーは互いに非連結になる。第1軸部と第2軸部がそれぞれ第1ステーと第2ステーから外れたとき、第1ステーは、第2ステーの移動を規制しない。したがって、支持部の構造を一層簡素化できる。
【0021】
上述した鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、
前記第1座部に形成される第1孔と、
前記第2座部に形成される第2孔と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記結合部は前記第1孔に挿入され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記結合部は前記第2孔に挿入され、
前記第1孔と前記第2孔は、前記第1座部および前記第2座部によって、互いに隔てられていることが好ましい。
第1孔と第2孔は、互いにつながっていない。このため、第1ステーの構造を一層簡素化できる。
【0022】
上述した鞍乗型車両において、
前記第2ステーは、
第3座部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1座部は前記第3座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第1座部に前記第3座部を結合し、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2座部は前記第3座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第2座部に前記第3座部を結合することが好ましい。
第2ステーは第3座部を備える。このため、支持部が第1形態であるとき、第1座部は第2ステーと好適に面接触できる。支持部が第1形態であるとき、結合部は第1座部と第2ステーを好適に結合できる。さらに、支持部が第2形態であるとき、第2座部は第2ステーと好適に面接触できる。支持部が第2形態であるとき、結合部は第2座部と第2ステーを好適に結合できる。
【0023】
上述した鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、前記ステアリング装置に常に取り付けられ、
前記第2ステーは、前記メータに固定されることが好ましい。
第1ステーは、ステアリング装置に常に取り付けられる。このため、ステアリング装置は、支持部を好適に支持できる。第2ステーはメータに固定される。このため、支持部はメータを好適に支持できる。
【0024】
上述した鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、前記メータに固定され、
前記第2ステーは、前記ステアリング装置に常に取り付けられることが好ましい。
第2ステーは、ステアリング装置に常に取り付けられる。このため、ステアリング装置は、支持部を好適に支持できる。第1ステーはメータに固定される。このため、支持部はメータを好適に支持できる。
【0025】
上述した鞍乗型車両において、
前記第2ステーは、
第3座部と、
第4座部と、
を備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第1座部は前記第3座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第1座部に前記第3座部を結合し、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第2座部は前記第4座部と面接触し、かつ、前記結合部は前記第2座部に前記第4座部を結合する
ことが好ましい。
第2ステーは第3座部を備える。このため、支持部が第1形態であるとき、第1座部は第2ステーと好適に面接触できる。支持部が第1形態であるとき、結合部は第1座部と第2ステーを好適に結合できる。第2ステーは第4座部を備える。このため、支持部が第2形態であるとき、第2座部は第2ステーと好適に面接触できる。支持部が第2形態であるとき、結合部は第2座部と第2ステーを好適に結合できる。
【0026】
上述した鞍乗型車両において、
前記第1ステーは、前記ステアリング装置に固定され、
前記第2ステーは、前記メータに固定されることが好ましい。
第1ステーは、ステアリング装置に固定される。このため、ステアリング装置は、支持部を好適に支持できる。第2ステーは、メータに固定される。このため、支持部は、メータを好適に支持できる。
【0027】
上述した鞍乗型車両において、
前記第2座部は前記第1座部と接しており、
前記第4座部は前記第3座部と接しており、
前記第1座部と前記第2座部のなす第1角度は、前記第3座部と前記第4座部のなす第2角度と異なることが好ましい。
第1角度と第2角度の間の差は、支持部が第2形態であるときのメータの傾きと、支持部が第1形態であるときのメータの傾きとの間の差に相当する。第1角度は第2角度と異なる。このため、支持部が第1形態であるときのメータの傾きは、支持部が第2形態であるときのメータの傾きと異なる。よって、支持部は、支持部が第2形態であるときのメータの傾きを、支持部が第1形態であるときのメータの傾きから、好適に異ならせることができる。
【0028】
上述した鞍乗型車両において、
前記第1座部は、前方に延び、
前記第2座部は、前記第1座部から下方に延び、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記第3座部は前記第1座部の上面に接触し、前記第4座部は前記第2座部の前面よりも前方に配置され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記第4座部は前記第2座部の前記前面に接触し、かつ、前記第3座部は前記第1座部の前記上面よりも上方に配置され、
前記第2角度は、前記第1角度よりも大きいことが好ましい。
支持部が第1形態であるとき、第2座部が第4座部と干渉することを好適に防止できる。支持部が第2形態であるとき、第1座部が第3座部と干渉することを好適に防止できる。
【0029】
上述した鞍乗型車両において、
前記メータは上面を有し、
前記支持部が前記第2形態であるときの前記メータの前記上面の傾きは、前記支持部が前記第1形態であるときの前記メータの前記上面の傾きよりも水平に近いことが好ましい。
支持部は、支持部が第2形態であるときのメータの傾きを、支持部が第1形態であるときのメータの傾きから、好適に異ならせることができる。
【0030】
上述した鞍乗型車両において、
前記ステアリング装置は、
右フロントサスペンションと、
左フロントサスペンションと、
前記右フロントサスペンションと前記左フロントサスペンションを連結するトップブリッジと、
を備え、
前記メータは、前記トップブリッジよりも前方に配置され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記鞍乗型車両の側面視において、前記メータの前記上面は、前記トップブリッジの上面と略平行であることが好ましい。
支持部が第2形態であるとき、外観上においてメータとトップブリッジの一体感を向上できる。
【0031】
上述した鞍乗型車両において、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記鞍乗型車両の前記側面視において、前記メータの前記上面は、実質的に、前記トップブリッジの前記上面の延長線上に配置されることが好ましい。
支持部が第2形態であるとき、外観上においてメータとトップブリッジの一体感を一層向上できる。
【0032】
上述した鞍乗型車両において、
前記鞍乗型車両の側面視において、前記ステアリング装置の後方に配置される燃料タンクを備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記鞍乗型車両の前記側面視において、前記メータの少なくとも一部は、前記燃料タンクの上端よりも上方に配置され、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記鞍乗型車両の前記側面視において、前記メータの全部は、前記燃料タンクの前記上端よりも下方に配置されることが好ましい。
支持部が第2形態であるとき、燃料タンクからメータにわたって連続性のある輪郭(シルエット)を形成できる。
【0033】
上述した鞍乗型車両において、
前記メータよりも下方かつ前方に配置されるヘッドライトを備え、
前記支持部が前記第1形態であるとき、前記メータと前記ヘッドライトは、前記鞍乗型車両の正面視において、重なり、
前記支持部が前記第2形態であるとき、前記メータと前記ヘッドライトは、前記鞍乗型車両の前記正面視において、重なり、
前記支持部が前記第2形態であるときの前記鞍乗型車両の上下方向における前記メータおよび前記ヘッドライトの全体の長さは、前記支持部が前記第1形態であるときの前記鞍乗型車両の前記上下方向における前記メータおよび前記ヘッドライトの全体の長さよりも、小さいことが好ましい。
支持部が第2形態であるとき、外観上におけるメータとヘッドライトの一体感を向上できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の鞍乗型車両によれば、簡素な構造でメータの傾きを変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】実施形態に係る鞍乗型車両の左側面図である。
【
図11】
図6におけるXI-XI線に沿う断面図である。
【
図12】
図7におけるXII-XII線に沿う断面図である。
【
図14】変形実施形態にかかる支持部を示す図である。
【
図15】変形実施形態にかかる支持部を示す図である。
【
図16】変形実施形態にかかる支持部を示す図である。
【
図17】変形実施形態にかかる支持部を示す図である。
【
図18】変形実施形態にかかる支持部を示す図である。
【
図19】変形実施形態にかかる支持部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明に係る鞍乗型車両1について説明する。
【0037】
<1.鞍乗型車両1の概略構成
図1は、実施形態に係る鞍乗型車両の左側面図である。鞍乗型車両1はストリート型車両である。運転者(ライダーともいう)は、鞍乗型車両1に乗車し、鞍乗型車両1を操縦する。
【0038】
図1は、鞍乗型車両1の前後方向X、幅方向Yおよび上下方向Zを示す。前後方向X、幅方向Yおよび上下方向Zは、鞍乗型車両1に乗車した運転者を基準として定義される。前後方向X、幅方向Yおよび上下方向Zは互いに直交する。前後方向Xおよび幅方向Yは、水平である。上下方向Zは、鉛直である。
【0039】
「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「右方」、「左方」はそれぞれ、鞍乗型車両1に乗車した運転者にとっての「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「右方」、「左方」を意味する。本明細書において特に断らない限り、「前方」および「後方」は、前後方向Xと平行な方向のみならず、前後方向Xに近い方向も含む。前後方向Xと近い方向は、例えば前後方向Xとのなす角度が45度以下の方向である。同様に、特に断らない限り、「右方」および「左方」は、幅方向Yと平行な方向のみならず、幅方向Yに近い方向も含む。特に断らない限り、「上方」および「下方」は、上下方向Zと平行な方向のみならず、上下方向Zに近い方向も含む。各図では、参考として、前、後、上、下、右、左を適宜に示す。
【0040】
本明細書において、配置を説明する各表現は、それぞれ、以下の意味を有するものとする。以下では、幅方向Yを例に採って説明するが、前後方向Xおよび上下方向Zについても同様である。
【0041】
「部材Maは部材Mbよりも右方/左方に配置される」との表現は、幅方向Yにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定し、前後方向Xおよび上下方向Zにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定しない。本表現の場合、部材Maが鞍乗型車両1の側面視において部材Mbと重なってもよいし、重ならなくてもよい。
【0042】
見る方向の言及を伴わない「部材Maは部材Mbの右方/左方に配置される」との表現は、幅方向Yにおける部材Mbに対する部材Maの位置と、前後方向Xにおける部材Mbに対する部材Maの位置と、上下方向Zにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定する。本表現は、部材Maは部材Mbよりも右方/左方に配置され、かつ、部材Maの少なくとも一部は、鞍乗型車両1の側面視において、部材Mbの少なくとも一部と重なることを意味する。
【0043】
「部材Maは、鞍乗型車両1の平面視において、部材Mbの右方/左方に配置される」との表現は、幅方向Yにおける部材Mbに対する部材Maの位置と、前後方向Xにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定し、上下方向Zにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定しない。本表現は、部材Maは部材Mbよりも右方/左方に配置され、部材Maの前端は部材Mbの後端よりも前方に位置し、かつ、部材Maの後端は部材Mbの前端よりも後方に位置することを意味する。
【0044】
「部材Maは、鞍乗型車両1の正面視において、部材Mbの右方/左方に配置される」との表現は、幅方向Yにおける部材Mbに対する部材Maの位置と、上下方向Zにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定し、前後方向Xにおける部材Mbに対する部材Maの位置を規定しない。本表現は、部材Maは部材Mbよりも右方/左方に配置され、部材Maの上端は部材Mbの下端よりも上方に位置し、かつ、部材Maの下端は部材Mbの上端よりも下方に位置することを意味する。
【0045】
本明細書では、「鞍乗型車両1の側面視において」を、適宜に「車両側面視において」という。同様に、「鞍乗型車両1の平面視において」を、適宜に「車両平面視において」という。「鞍乗型車両1の正面視において」を、適宜に「車両正面視において」という。
【0046】
鞍乗型車両1は車体フレーム3を備える。車体フレーム3はヘッドパイプ4とメインフレーム5を備える。ヘッドパイプ4は鞍乗型車両1の前部に配置される。メインフレーム5は、車両側面視において、ヘッドパイプ4から、後方かつ下方に延びる。
【0047】
鞍乗型車両1は、ステアリング装置11を備える。ステアリング装置11は、車体フレーム3に支持される。具体的には、ステアリング装置11は、ヘッドパイプ4に支持される。ステアリング装置11は、車体フレーム3に対して回転可能である。
【0048】
ステアリング装置11は、トップブリッジ12とボトムブリッジ13とフロントサスペンション14を備える。トップブリッジ12は、ヘッドパイプ4よりも上方に配置される。ボトムブリッジ13は、トップブリッジ12よりも下方に配置される。ボトムブリッジ13は、ヘッドパイプ4よりも下方に配置される。フロントサスペンション14は、トップブリッジ12およびボトムブリッジ13に支持される。フロントサスペンション14は、車両側面視において、トップブリッジ12から、前方かつ下方に延びる。フロントサスペンション14は、ボトムブリッジ13よりも低い位置まで、延びる。
【0049】
ステアリング装置11は、ハンドル16を備える。ハンドル16はトップブリッジ12に支持される。ハンドル16の全部は、例えば、トップブリッジ12よりも上方に配置される。運転者は、ハンドル16を握って、ステアリング装置11を操舵する。
【0050】
ステアリング装置11は、ハンドルホルダ17を備える。ハンドルホルダ17は、例えば、トップブリッジ12に支持される。ハンドルホルダ17は、ハンドル16を支持する。
【0051】
ステアリング装置11は、前車軸19を備える。前車軸19は、ボトムブリッジ13よりも下方に配置される。前車軸19は、フロントサスペンション14に支持される。
【0052】
鞍乗型車両1は、前輪21を備える。前輪21はステアリング装置11に支持される。具体的には、前輪21は前車軸19に支持される。前輪21は前車軸19回りに回転可能である。
【0053】
鞍乗型車両1はエンジン22を備える。エンジン22は車体フレーム3に支持される。具体的には、エンジン22はメインフレーム5に支持される。エンジン22は車体フレーム3に固定される。エンジン22は車体フレーム3に対して揺動しない。エンジン22は、鞍乗型車両1を走行させるための動力を発生する。
【0054】
エンジン22の少なくとも一部は、車両側面視において、メインフレーム5の下方に配置される。エンジン22は、車両側面視において、ステアリング装置11の後方に配置される。
【0055】
鞍乗型車両1は燃料タンク23を備える。燃料タンク23は車体フレーム3に支持される。具体的には、燃料タンク23はメインフレーム5に支持される。燃料タンク23は燃料を貯留する。
【0056】
燃料タンク23の少なくとも一部は、車両側面視において、メインフレーム5の上方に配置される。燃料タンク23は、車両側面視において、ステアリング装置11の後方に配置される。燃料タンク23は、車両側面視において、エンジン22の上方に配置される。
【0057】
鞍乗型車両1はシート24を備える。シート24は車体フレーム3に支持される。
【0058】
シート24はエンジン22よりも後方かつ上方に配置される。シート24は、車両側面視において、燃料タンク23の後方に配置される。シート24の少なくとも一部は、燃料タンク23と同じ高さ位置に配置される。燃料タンク23は、上端Tfを有する。シート24の全部は、例えば、燃料タンク23の上端Tfよりも下方に配置される。
【0059】
運転者は、シート24に跨がって着座し、ニーグリップを行う。ニーグリップは、鞍乗型車両1の一部を運転者の両脚で挟み込むことである。鞍乗型車両1の一部は、例えば、メインフレーム5および燃料タンク23の少なくとも一部である。
【0060】
鞍乗型車両1はピボット軸25とスイングアーム26と後車軸27と後輪28とチェーン29を備える。ピボット軸25は車体フレーム3に支持される。具体的には、ピボット軸25はメインフレーム5に支持される。スイングアーム26は、ピボット軸25に支持される。スイングアーム26は車体フレーム3に対してピボット軸25回りに揺動可能である。スイングアーム26は、車両側面視において、ピボット軸25から、後方に延びる。後車軸27はスイングアーム26の後部に支持される。後輪28は後車軸27に支持される。後輪28は後車軸27回りに回転可能である。スイングアーム26および後輪28は、車両側面視において、エンジン22の後方に配置される。スイングアーム26および後輪28は、燃料タンク23およびシート24よりも下方に配置される。チェーン29は後輪28に連結される。チェーン29は、エンジン22から後輪28に動力を伝達する。チェーン29から伝達された動力によって、後輪28は後車軸27回りに回転する。
【0061】
鞍乗型車両1はメータ31を備える。メータ31はステアリング装置11に支持される。メータ31は、車両側面視において、ステアリング装置11の前方に配置される。メータ31は、計器とも呼ばれる。メータ31は、鞍乗型車両1に関する情報を提示する。鞍乗型車両1に関する情報は、例えば、鞍乗型車両1の速度およびエンジン22の回転数の少なくともいずれかを含む。
【0062】
鞍乗型車両1は支持部40を備える。支持部40はステアリング装置11に支持される。支持部40はメータ31を支持する。
【0063】
鞍乗型車両1は、ヘッドライト33を備える。ヘッドライト33はステアリング装置11に支持される。ヘッドライト33は、車両側面視において、ステアリング装置11の前方に配置される。ヘッドライト33は、鞍乗型車両1の前方の路面を照らすための光を発する。
【0064】
鞍乗型車両1はヘッドライト保持部80を備える。ヘッドライト保持部80はステアリング装置11に支持される。ヘッドライト保持部80はヘッドライト33を支持する。
【0065】
<2.メータ31の位置>
図2は、鞍乗型車両1の前部の拡大左側面図である。
図3は、鞍乗型車両1の前部の拡大左側面図である。
図2、3はそれぞれ、車体フレーム3やヘッドライト保持部80の図示を省略する。
【0066】
図2に示す支持部40の形態を、第1形態F1と呼ぶ。
図3に示す支持部40の形態を、第2形態F2と呼ぶ。第2形態F2は、第1形態F1と異なる。支持部40は、第1形態F1と第2形態F2の間で、変形可能である。支持部40は、第1形態F1から第2形態F2に、変形可能である。支持部40は、第2形態F2から第1形態F1に、変形可能である。
【0067】
支持部40が変形可能な形態は、2つ(すなわち、第1形態F1と第2形態F2)のみである。支持部40は、第1形態F1および第2形態F2以外の形態に変形不能である。
【0068】
支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、ステアリング装置11に対するメータ31の位置は変更される。支持部40が第1形態F1であるときのステアリング装置11に対するメータ31の位置は、支持部40が第2形態F2であるときのステアリング装置11に対するメータ31の位置と異なる。
【0069】
支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、メータ31の傾きは変更される。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きと異なる。
【0070】
メータ31は、上面31aを有する。上面31aは、情報を表示する。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、上面31aは、車両側面視において、前方かつ上方に延びる。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の上面31aの傾きは、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の上面31aの傾きよりも水平に近い。言い換えれば、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の上面31aの傾きは、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の上面31aの傾きよりも鉛直に近い。
【0071】
図2は、角度θ1を示す。角度θ1は、支持部40が第1形態F1であるときの上面31aと水平面Phのなす角度である。角度θ1は、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きに相当する。
図3は、角度θ2を示す。角度θ2は、支持部40が第2形態F2であるときの上面31aと水平面Phのなす角度である。角度θ2は、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きに相当する。角度θ2は、角度θ1よりも小さい。ここで、水平面Phは、上下方向Zに垂直な仮想面である。
【0072】
図2は、メータ31の上端Tm1を示す。
図3は、メータ31の上端Tm2を示す。支持部40が第2形態F2であるときの上端Tm2は、支持部40が第1形態F1であるときの上端Tm1よりも低い。
【0073】
支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、ステアリング装置11の位置は変わらない。支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、トップブリッジ12の位置は変わらない。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、メータ31は、トップブリッジ12よりも前方に配置される。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、メータ31の全部は、トップブリッジ12よりも前方に配置される。
【0074】
トップブリッジ12は、上面12aを有する。上面12aは、車両側面視において、前方かつ上方に延びる。支持部40が第1形態F1であるとき、車両側面視において、メータ31の上面31aは、トップブリッジ12の上面12aよりも鉛直に近い。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の上面31aは、トップブリッジ12の上面12aと略平行である。
【0075】
図2,3は、車両側面視におけるトップブリッジ12の上面12aの延長線Eを示す。延長線Eは、仮想直線である。支持部40が第1形態F1であるとき、車両側面視において、メータ31の上面31aは、延長線Eよりも上方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、車両側面視において、上面31aの全部は、延長線Eよりも上方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、上面31aは、延長線Eの近傍に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、上面31aは、実質的に延長線E上に配置される。
【0076】
支持部40が第1形態F1であるとき、上端Tm1は、車両側面視において、延長線Eよりも上方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、上端Tm2は、車両側面視において、実質的に延長線E上に配置される。
【0077】
支持部40が第1形態F1であるとき、車両側面視において、メータ31の少なくとも一部は、燃料タンク23の上端Tfよりも上方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の全部は、燃料タンク23の上端Tfよりも下方に配置される。
【0078】
支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、ヘッドライト33の位置は変わらない。支持部40が第1形態F1であるときのヘッドライト33の位置は、支持部40が第2形態F2であるときのヘッドライト33の位置と同じである。
【0079】
支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、ヘッドライト33はメータ31よりも下方かつ前方に配置される。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、ヘッドライト33の少なくとも一部は、メータ31よりも下方かつ前方に配置される。
【0080】
支持部40が第1形態F1であるとき、ヘッドライト33の全部は、メータ31の上端Tm1よりも下方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、ヘッドライト33の全部は、メータ31の上端Tm2よりも下方に配置される。
【0081】
図2、
図3は、ヘッドライト33の上端Thを示す。上端Thはトップブリッジ12よりも上方に配置される。上端Thは上端Tm1よりも下方に配置される。上端Thは上端Tm2よりも下方に配置される。
【0082】
支持部40が第1形態F1であるときに比べて、支持部40が第2形態F2であるときには、メータ31はヘッドライト33に近接している。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31とヘッドライト33の間の離隔距離は、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31とヘッドライト33の間の離隔距離よりも小さい。
【0083】
図2は、長さG1を示す。長さG1は、上端Tm1と上端Thとの間の上下方向Zにおける距離である。
図3は、長さG2を示す。長さG2は、上端Tm2と上端Thとの間の上下方向Zにおける距離である。長さG2は、長さG1よりも小さい。
【0084】
図2、
図3は、ヘッドライト33の下端Bhを示す。下端Bhはボトムブリッジ13よりも上方に配置される。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、下端Bhはメータ31よりも下方に配置される。
【0085】
図2、
図3は、長さHを示す。長さHは、ヘッドライト33の上下方向Zにおける長さである。長さHは、上端Thと下端Bhとの間の上下方向Zにおける距離である。長さHは、長さG1よりも長い。長さHは、長さG2よりも長い。
【0086】
図2は、長さK1を示す。長さK1は、支持部40が第1形態F1であるときの上下方向Zにおけるメータ31およびヘッドライト33の全体の長さである。長さK1は、上端Tm1と下端Bhの間の上下方向Zにおける距離である。長さK1は長さH以上である。
図3は、長さK2を示す。長さK2は、支持部40が第2形態F2であるときの上下方向Zにおけるメータ31およびヘッドライト33の全体の長さである。長さK2は、上端Tm2と下端Bhの間の上下方向Zにおける距離である。長さK2は長さH以上である。長さK2は、長さK1よりも小さい。長さK1は、例えば、長さHの1.4倍以上である。長さK2は、例えば、長さHの1.25倍以下である。
【0087】
図4は、鞍乗型車両1の前部の拡大正面図である。
図4では、支持部40は第1形態F1である。支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31は、車両正面視において、ヘッドライト33の上方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31とヘッドライト33は、車両正面視において、重なる。
【0088】
図5は、鞍乗型車両1の前部の拡大正面図である。
図5では、支持部40は第2形態F2である。支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31は、車両正面視において、ヘッドライト33の上方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31とヘッドライト33は、車両正面視において、重なる。
【0089】
支持部40が第1形態F1であるときに車両正面視においてヘッドライト33と重なるメータ31の部分を、第1重複部分と呼ぶ。支持部40が第2形態F2であるときに車両正面視においてヘッドライト33と重なるメータ31の部分を、第2重複部分と呼ぶ。第2重複部分は、第1重複部分よりも広い。
【0090】
支持部40が第2形態F2であるとき、ハンドルホルダ17は、車両正面視において、メータ31の上方に表れる。これに対して、支持部40が第1形態F1であるとき、ハンドルホルダ17は、車両正面視において、メータ31に隠れており、表れない。
【0091】
図6は、鞍乗型車両1の前部の拡大平面図である。
図6では、支持部40は第1形態F1である。支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31は、車両平面視において、ヘッドライト33の後方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31は、車両平面視において、トップブリッジ12の前方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31とヘッドライト33は、車両正面視において、重なる。
【0092】
図7は、鞍乗型車両1の前部の拡大平面図である。
図7では、支持部40は第2形態F2である。支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31は、車両平面視において、ヘッドライト33の後方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31は、車両平面視において、トップブリッジ12の前方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31とヘッドライト33は、車両平面視において、重なる。
【0093】
支持部40が第1形態F1であるときに車両平面視においてヘッドライト33と重なるメータ31の部分を、第3重複部分と呼ぶ。支持部40が第2形態F2であるときに車両平面視においてヘッドライト33と重なるメータ31の部分を、第4重複部分と呼ぶ。第4重複部分は、第3重複部分よりも広い。
【0094】
<3.メータ31の支持構造>
図8は、鞍乗型車両1の前部の斜視図である。
図8では、支持部40は第1形態F1である。
図9は、鞍乗型車両1の前部の分解斜視図である。
図10は、鞍乗型車両1の前部の分解斜視図である。
【0095】
まず、ステアリング装置11の構成を説明する。
【0096】
フロントサスペンション14は、右フロントサスペンション14Rと左フロントサスペンション14Lを備える。右フロントサスペンション14Rは前方かつ下方に延びる。左フロントサスペンション14Lは前方かつ下方に延びる。左フロントサスペンション14Lは、右フロントサスペンション14Rの左方に配置される。
【0097】
トップブリッジ12は幅方向Yに延びる。トップブリッジ12は、右フロントサスペンション14Rと左フロントサスペンション14Lを連結する。
【0098】
トップブリッジ12の上面12aは、実質的に平坦である。上面12aは幅方向Yと平行である。
【0099】
ボトムブリッジ13は幅方向Yに延びる。ボトムブリッジ13は、右フロントサスペンション14Rと左フロントサスペンション14Lを連結する。
【0100】
図10を参照する。ステアリング装置11は、ステアリングシャフト15を備える。ステアリングシャフト15は、トップブリッジ12とボトムブリッジ13に連結される。ステアリングシャフト15は、トップブリッジ12からボトムブリッジ13に延びる。ステアリングシャフト15は、前方かつ下方に延びる。ステアリングシャフト15は、右フロントサスペンション14Rよりも左方に配置される。ステアリングシャフト15は、左フロントサスペンション14Lよりも右方に配置される。
【0101】
ステアリングシャフト15は、ヘッドパイプ4に支持される。ステアリング装置11は、ステアリングシャフト15を中心に、ヘッドパイプ4に対して回転する。
【0102】
支持部40の概要を説明する。
【0103】
図8-10を参照する。支持部40は、第1ステー41を備える。第1ステー41は、ステアリング装置11に固定される。第1ステー41は、ステアリング装置11に常に取り付けられる。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、第1ステー41はステアリング装置11に取り付けられる。
【0104】
支持部40は、第1ステー41を備える。第2ステー51は、メータ31に固定される。第2ステー51は、メータ31に常に取り付けられる。支持部40が第1形態F1および第2形態F2のいずれであっても、第2ステー51はメータ31に取り付けられる。
【0105】
支持部40は、結合部61を備える。結合部61は、第1ステー41と第2ステー51を結合する。結合部61が第1ステー41と第2ステー51を結合するとき、第2ステー51は第1ステー41に固定される。結合部61が第1ステー41と第2ステー51を結合するとき、第2ステー51は第1ステー41に対して移動不能である。
【0106】
第2ステー51は、第1ステー41に着脱可能である。結合部61が第1ステー41と第2ステー51を結合しないとき、第2ステー51は第1ステー41から離脱する。結合部61が第1ステー41と第2ステー51を結合しないとき、第2ステー51は第1ステー41に対して移動可能である。
【0107】
図9、10を参照する。第1ステー41は、第1座部42と第2座部44を備える。第1座部42と第2座部44は、同一面上に形成されていない。第1座部42と第2座部44は、互いに異なる平面上に形成される。
【0108】
支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第2ステー51と面接触する。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42と第2ステー51を締結する。
【0109】
支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第2ステー51と面接触する。支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44と第2ステー51を締結する。
【0110】
支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、第1ステー41と第2ステー51の相対的な位置は変更される。支持部40が第2形態F2であるときの第1ステー41と第2ステー51の相対的な位置は、支持部40が第1形態F1であるときの第1ステー41と第2ステー51の相対的な位置と異なる。
【0111】
さらに、支持部40は、第1取付部71と第2取付部75を備える。第1取付部71は、第1ステー41とステアリング装置11を結合する。第2取付部75は、第2ステー51とメータ31を結合する。
【0112】
第1ステーの構成を説明する。
【0113】
図9を参照する。第1座部42は平坦である。第1座部42は幅方向Yと平行な板形状を有する。第1座部42は、前方に延びる。
【0114】
第1ステー41は、第1孔43を有する。第1孔43は、第1座部42に形成される。第1孔43は第1座部42を貫通する。
【0115】
第1孔43は、右第1孔43Rと左第1孔43Lを有する。左第1孔43Lは、右第1孔43Rの左方に配置される。右第1孔43Rと左第1孔43Lは、互いにつながっていない。右第1孔43Rと左第1孔43Lは、第1座部42によって、互いに隔てられている。
【0116】
第2座部44は平坦である。第2座部44は幅方向Yと平行な板形状を有する。
【0117】
第2座部44は第1座部42に接続される。第2座部44は第1座部42と接している。具体的には、第2座部44は第1座部42の前部と接している。第2座部44は、第1座部42から、下方に延びる。このため、第2座部44は、第1座部42とは異なる平面上に形成される。
【0118】
第2座部44は、右第2座部44Rと左第2座部44Lに分離されている。右第2座部44Rと左第2座部44Lはそれぞれ、第1座部42から、下方に延びる。左第2座部44Lは、右第2座部44Rの左方に配置される。左第2座部44Lは、右第2座部44Rと接していない。
【0119】
第2座部44は、第1座部42と一体に成形される。第1座部42と第2座部44は、分離不能である。
【0120】
第1ステー41は、第2孔45を有する。第2孔45は、第2座部44に形成される。第2孔45は第2座部44を貫通する。
【0121】
第1孔43と第2孔45は、互いにつながっていない。第1孔43と第2孔45は、第1座部42および第2座部44によって、互いに隔てられている。第1孔43は、第2座部44まで延びない。第2孔45は、第1座部42まで延びない。
【0122】
第2孔45は、右第2孔45Rと左第2孔45Lを有する。左第2孔45Lは、右第2孔45Rの左方に配置される。右第2孔45Rは、右第2座部44Rに形成される。左第2孔45Lは、左第2座部44Lに形成される。
【0123】
第1ステー41は、さらに、ベース部46を備える。ベース部46は、ステアリング装置11に連結される。
【0124】
ベース部46は平坦である。ベース部46は幅方向Yと平行な板形状を有する。
【0125】
ベース部46は第1座部42に接続される。ベース部46は第1座部42と接している。ベース部46は第1座部42の後部と接している。ベース部46は、第1座部42から、下方に延びる。ベース部46は、第2座部44よりも後方に配置される。
【0126】
第1ステー41は、1つ以上(例えば2つ)の取付孔47を有する。取付孔47は、ベース部46に形成される。取付孔47はベース部46を貫通する。
【0127】
第1取付部71は、ベース部46とステアリング装置11を結合する。具体的には、第1取付部71は、ステアリング装置11に支持される。第1取付部71は第1ステー41を支持する。
【0128】
第1取付部71は、例えば、複数(例えば2つ)の弾性部材72と複数(例えば2つ)の締結部材73を備える。弾性部材72は、筒形状を有する。弾性部材72は、例えば、グロメットやブッシングである。弾性部材72の材質は、例えば、ゴムである。弾性部材72はトップブリッジ12の前方に配置される。締結部材73は弾性部材72をトップブリッジ12に締結する。例えば、締結部材73は、弾性部材72を貫通し、かつ、トップブリッジ12と結合する。弾性部材72は、締結部材73によって、トップブリッジ12に固定される。
【0129】
弾性部材72は、ベース部46を支持する。弾性部材72は、ベース部46の取付孔47に挿入される。弾性部材72は、ベース部46と密着する。具体的には、弾性部材72は、外周面72aと溝部72bを有する。溝部72bは、外周面72aに形成される。溝部72bは、周方向に延びる。ベース部46は、溝部72bに嵌合する。ベース部46は、トップブリッジ12と接触しない。ベース部46は、締結部材73と接触しない。
【0130】
このように、第1ステー41は、弾性部材72を介して、ステアリング装置11に支持される。第1ステー41はトップブリッジ12の前方に配置される。支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、ステアリング装置11に対する第1ステー41の位置は変わらない。
【0131】
第1ステー41は、右壁部48Rと左壁部48Lを備える。左壁部48Lは、右壁部48Rの左方に配置される。右壁部48Rと左壁部48Lはそれぞれ、ベース部46に接続される。右壁部48Rと左壁部48Lはそれぞれ、ベース部46から、前方に延びる。右壁部48Rと左壁部48Lはそれぞれ、幅方向Yに垂直な板形状を有する。
【0132】
ベース部46と右壁部48Rと左壁部48Lは、第1座部42および第2座部44と一体に成形される。第1座部42と第2座部44とベース部46と右壁部48Rと左壁部48Lは、互いに分離不能である。
【0133】
第1ステー41は、例えば、金属製である。
【0134】
第2ステー51の構成を説明する。
【0135】
図9を参照する。第2ステー51は第3座部52を備える。第3座部52は平坦である。第3座部52は幅方向Yと平行な板形状を有する。第3座部52は、前方に延びる。
【0136】
第2ステー51は第3孔53を有する。第3孔53は第3座部52に形成される。第3孔53は第3座部52を貫通する。
【0137】
第3孔53は、右第3孔53Rと左第3孔53Lを有する。左第3孔53Lは、右第3孔53Rの左方に配置される。右第3孔53Rと左第3孔53Lは、互いにつながっていない。右第3孔53Rと左第3孔53Lは、第3座部52によって、互いに隔てられている。
【0138】
第2ステー51は、第4座部54を備える。第4座部54は平坦である。第4座部54は幅方向Yと平行な板形状を有する。
【0139】
第4座部54は第3座部52に接続される。第4座部54は第3座部52と接している。具体的は、第4座部54は第3座部52の前部と接している。第4座部54は、第3座部52から、下方に延びる。このため、第4座部54は、第3座部52とは異なる平面上に形成される。
【0140】
第4座部54は、第3座部52と一体に成形される。第3座部52と第4座部54は、分離不能である。
【0141】
第2ステー51は、第4孔55を有する。第4孔55は、第4座部54に形成される。第4孔55は第4座部54を貫通する。
【0142】
第3孔53と第4孔55は、互いにつながっていない。第3孔53と第4孔55は、第3座部52および第4座部54によって、互いに隔てられている。第3孔53は、第4座部54まで延びない。第4孔55は、第3座部52まで延びない。
【0143】
第4孔55は、右第4孔55Rと左第4孔55Lを有する。左第4孔55Lは、右第4孔55Rの左方に配置される。右第4孔55Rと左第4孔55Lは、互いにつながっていない。右第4孔55Rと左第4孔55Lは、第4座部54によって、互いに隔てられている。
【0144】
第2ステー51は、さらに、ベース部56を備える。ベース部56はメータ31に連結される。
【0145】
ベース部56は第4座部54に接続される。ベース部56は第4座部54と接している。ベース部56は第4座部54の下部と接している。ベース部56は、第4座部54から、前方に延びる。ベース部56は、第3座部52よりも前方に配置される。
【0146】
第1ステー41は、複数(例えば4つ)の取付孔57を有する。各取付孔57は、ベース部56に形成される。各取付孔57はベース部56を貫通する。
【0147】
第2取付部75は、ベース部56とメータ31を結合する。
【0148】
第2取付部75は、例えば、複数(例えば4つ)の弾性部材76と複数(例えば4つ)の締結部材77を備える。締結部材77は、
図4、5に示される。弾性部材76は、筒形状を有する。弾性部材76は、例えば、グロメットやブッシングである。弾性部材76の材質は、例えば、ゴムである。弾性部材76は、メータ31の下方に配置される。締結部材77は、弾性部材76をメータ31に締結する。例えば、締結部材77は、弾性部材76を貫通し、かつ、メータ31と結合する。弾性部材76は、締結部材77によって、メータ31に固定される。
【0149】
弾性部材76は、ベース部56と結合する。弾性部材76は、ベース部56の取付孔57に挿入される。弾性部材76は、ベース部56と密着する。具体的には、弾性部材76は、外周面76aと溝部76bを有する。溝部76bは、外周面76aに形成される。溝部76bは、周方向に延びる。ベース部56は、溝部76bに嵌合する。ベース部56は、メータ31と接触しない。ベース部56は、締結部材77と接触しない。
【0150】
このように、第2ステー51は、弾性部材76を介して、メータ31を支持する。第2ステー51(具体的にはベース部56)は、メータ31の下方に配置される。支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、メータ31に対する第2ステー51の位置は変わらない。
【0151】
ベース部56は、第3座部52および第4座部54と一体に成形される。第3座部52と第4座部54とベース部56は、分離不能である。
【0152】
第2ステー51は、例えば、合成樹脂製である。
【0153】
結合部61の構成を説明する。
【0154】
図9を参照する。結合部61は、第1結合部61Aと第2結合部61Bを備える。第1結合部61Aは、第1ボルト62Aと第1ナット65Aを備える。第1ナット65Aは、第1ボルト62Aと結合する。第1ボルト62Aは、第1頭部63Aと第1軸部64Aを備える。第1軸部64Aは第1ステー41と第2ステー51を貫通する。第1軸部64Aは第1ナット65Aと螺合する。同様に、第2結合部61Bは、第2ボルト62Bと第2ナット65Bを備える。第2ナット65Bは、第2ボルト62Bと結合する。第2ボルト62Bは、第2頭部63Bと第2軸部64Bを備える。第2軸部64Bは第1ステー41と第2ステー51を貫通する。第2軸部64Bは第2ナット65Bと螺合する。
【0155】
第1ステー41と第2ステー51の結合について説明する。
【0156】
図6を参照する。支持部40が第1形態F1であるとき、第1結合部61Aと第2結合部61Bは、車両平面視において、幅方向Yに並ぶ。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第4孔55に挿入されない。図示を省略するが、支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第2孔45に挿入されない。
【0157】
図11は、
図6におけるXI-XI線に沿う断面図である。支持部40は、トップブリッジ12の前方に配置される。第1ステー41は、トップブリッジ12から前方に延びる。第2ステー51は、第1ステー41から前方に延びる。メータ31は、第1ステー41の前方に配置される。
【0158】
第1座部42は、前方に延びる。厳密には、第1座部42は、前方かつ上方に延びる。第1座部42は、トップブリッジ12の上面12aと、実質的に平行である。
【0159】
支持部40が第1形態F1であるとき、第2ステー51は第1座部42と面接触する。支持部40が第1形態F1であるとき、第3座部52は第1座部42の上方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、第3座部52は第1座部42と面接触する。支持部40が第1形態F1であるとき、第3座部52は第1座部42の上面42aと面接触する。第1座部42の上面42aは、支持部40が第1形態F1であるときの、第1座部42と第2ステー51の間の接触面に相当する。
【0160】
第2座部44は、第1座部42から、下方に延びる。厳密には、第2座部44は、下方かつ前方に延びる。
【0161】
支持部40が第1形態F1であるとき、第2ステー51は第2座部44と面接触しない。支持部40が第1形態F1であるとき、第2ステー51は第2座部44から離れている。支持部40が第1形態F1であるとき、第4座部54は第2座部44よりも前方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、第4座部54は第2座部44の前面44aよりも前方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、第4座部54は第2座部44と面接触しない。支持部40が第1形態F1であるとき、第4座部54は第2座部44から離れている。
【0162】
図11は、第1平面P1と第2平面P2を示す。第1平面P1と第2平面P2はそれぞれ、仮想面である。第1座部42は第1平面P1上に形成される。第2座部44は第2平面P2上に形成される。第1平面P1は、第2平面P2と異なる。第1平面P1は、第2平面P2と平行でない。
【0163】
支持部40が第1形態F1であるとき、第1平面P1は幅方向Yと平行である。支持部40が第1形態F1であるとき、第2平面P2は幅方向Yと平行である。
【0164】
図11は、第3平面P3と第4平面P4を示す。第3平面P3と第4平面P4はそれぞれ、仮想面である。第3座部52は第3平面P3上に形成される。第4座部54は第4平面P4上に形成される。第4平面P4は、第3平面P3と異なる。第4平面P4は、第3平面P3と平行でない。
【0165】
支持部40が第1形態F1であるとき、第3平面P3は幅方向Yと平行である。支持部40が第1形態F1であるとき、第3平面P3は第1平面P1と平行である。支持部40が第1形態F1であるとき、第4平面P4は幅方向Yと平行である。
【0166】
図11は、角度θ3と角度θ4を示す。角度θ3は、第1平面P1と第2平面P2のなす角度である。角度θ3は、第1座部42と第2座部44のなす角度に相当する。角度θ4は、第3平面P3と第4平面P4のなす角度である。角度θ4は、第3座部52と第4座部54のなす角度に相当する。角度θ4は、角度θ3と異なる。角度θ4は、角度θ3よりも大きい。
【0167】
角度θ3は、本発明における第1角度の例である。角度θ4は、本発明における第2角度の例である。
【0168】
支持部40が第1形態F1であるとき、第3孔53は第1孔43と同軸上に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1孔43および第3孔53に挿入される。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42と第3座部52を締結する。
【0169】
支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aは右第1孔43Rおよび右第3孔53Rに配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aは第1座部42と第3座部52を貫通する。第1頭部63Aは第3座部52の上方に配置される。第1ナット65Aは第1座部42の下方に配置される。第1軸部64Aは、第1ナット65Aと螺合する。第1結合部61Aによって、第1座部42と第3座部52は固定される。
【0170】
図示を省略するが、支持部40が第1形態F1であるとき、第2軸部64Bは左第1孔43Lおよび左第3孔53Lに配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、第2軸部64Bは第1座部42と第3座部52を貫通する。第2頭部63Bは第3座部52の上方に配置される。第2ナット65Bは第1座部42の下方に配置される。第2軸部64Bは、第2ナット65Bと螺合する。第2結合部61Bによって、第1座部42と第3座部52は固定される。
【0171】
図11は、第1軸部64Aの軸線LA1を示す。軸線LA1は仮想直線である。支持部40が第1形態F1であるとき、軸線LA1は幅方向Yと直交する。ここで、軸線LA1の方向を、第1方向D1と呼ぶ。
【0172】
図8は、軸線LA1に加えて、第2軸部64BのLB1を示す。軸線LB1も、仮想直線である。支持部40が第1形態F1であるとき、軸線LB1は軸線LA1の左方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、軸線LB1は軸線LA1と平行である。軸線LB1も、第1方向D1に延びる。支持部40が第1形態F1であるとき、軸線LB1も幅方向Yと直交する。
【0173】
したがって、支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bは幅方向Yに並ぶ。支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bはそれぞれ第1方向D1に延びる。すなわち、支持部40が第1形態F1であるとき、第2軸部64Bは第1軸部64Aと平行である。第1方向D1は幅方向Yと直交する。
【0174】
なお、支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第2座部44と第2ステー51を結合しない。
【0175】
図7を参照する。支持部40が第2形態F2であるとき、第1結合部61Aと第2結合部61Bは、車両平面視において、幅方向Yに並ぶ。支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第3孔53に挿入されない。図示を省略するが、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第1孔43に挿入されない。
【0176】
図12は、
図7におけるXII-XII線に沿う断面図である。支持部40は、トップブリッジ12の前方に配置される。第1ステー41は、トップブリッジ12から前方に延びる。第2ステー51は、第1ステー41から前方に延びる。メータ31は、第1ステー41の前方に配置される。
【0177】
第1座部42は、前方に延びる。厳密には、第1座部42は、前方かつ上方に延びる。第1座部42は、トップブリッジ12の上面12aと、実質的に平行である。
【0178】
支持部40が第2形態F2であるとき、第2ステー51は第1座部42と面接触しない。支持部40が第2形態F2であるとき、第2ステー51は第1座部42から離れている。支持部40が第2形態F2であるとき、第3座部52は第1座部42よりも上方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、第3座部52は第1座部42の上面42aよりも上方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、第3座部52は第1座部42から離れている。支持部40が第2形態F2であるとき、第3座部52は第1座部42と面接触しない。
【0179】
第2座部44は、第1座部42から、下方に延びる。厳密には、第2座部44は、下方かつ前方に延びる。
【0180】
支持部40が第2形態F2であるとき、第2ステー51は第2座部44と面接触する。支持部40が第2形態F2であるとき、第4座部54は第2座部44の前方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、第4座部54は第2座部44と面接触する。支持部40が第2形態F2であるとき、第4座部54は第2座部44の前面44aと面接触する。第2座部44の前面44aは、支持部40が第2形態F2であるときの、第2座部44と第2ステー51の間の接触面に相当する。
【0181】
支持部40が第2形態F2であるとき、第1平面P1は幅方向Yと平行である。支持部40が第2形態F2であるとき、第2平面P2は幅方向Yと平行である。
【0182】
支持部40が第2形態F2であるとき、第3平面P3は幅方向Yと平行である。支持部40が第2形態F2であるとき、第4平面P4は幅方向Yと平行である。支持部40が第2形態F2であるとき、第4平面P4は第2平面P2と平行である。
【0183】
支持部40が第2形態F2であるとき、第4孔55は第2孔45と同軸上に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2孔45および第4孔55に挿入される。支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44と第4座部54を締結する。
【0184】
支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aは右第2孔45Rおよび右第4孔55Rに配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aは第2座部44と第4座部54を貫通する。第1頭部63Aは第4座部54の前方に配置される。第1ナット65Aは第2座部44の後方に配置される。第1軸部64Aは、第1ナット65Aと螺合する。第1結合部61Aにより、第2座部44と第4座部54は固定される。
【0185】
図示を省略するが、支持部40が第2形態F2であるとき、第2軸部64Bは左第2孔45Lおよび左第4孔55Lに配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、第2軸部64Bは第2座部44と第4座部54を貫通する。第2頭部63Bは第4座部54の前方に配置される。第2ナット65Bは第2座部44の後方に配置される。第2軸部64Bは、第2ナット65Bと螺合する。第2結合部61Bにより、第2座部44と第4座部54は固定される。
【0186】
図12は、第1軸部64Aの軸線LA2を示す。軸線LA2は仮想直線である。支持部40が第2形態F2であるとき、軸線LA2は幅方向Yと直交する。ここで、軸線LA2の方向を、第2方向D2と呼ぶ。第2方向D2は、上述した第1方向D1と異なる。第2方向D2は、第1方向D1と平行でない。
【0187】
図7は、軸線LA2に加えて、第2軸部64BのLB2を示す。軸線LB2も、仮想直線である。支持部40が第2形態F2であるとき、軸線LB2は軸線LA2の左方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、軸線LB2は軸線LA2と平行である。軸線LB2も、第2方向D2に延びる。支持部40が第2形態F2であるとき、軸線LB2も幅方向Yと直交する。
【0188】
したがって、支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bは幅方向Yに並ぶ。支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bはそれぞれ第2方向D2に延びる。すなわち、支持部40が第2形態F2であるとき、第2軸部64Bは第1軸部64Aと平行である。第2方向D2は幅方向Yと直交する。
【0189】
なお、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第1座部42と第2ステー51を結合しない。
【0190】
第1形態F1と第2形態F2の間で支持部40を切り替えるための切り替え作業を説明する。
【0191】
図8-10を参照する。切り替え作業は、鞍乗型車両1が停止している状態で、行われる。切り替え作業は、エンジン22が停止している状態で、行われる。切り替え作業は、第1-第3手順を含む。
【0192】
第1手順
鞍乗型車両1のユーザー(例えば運転者)は、結合部61を外す。具体的には、ユーザーは、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bを第1ステー41および第2ステー51から抜く。第1軸部64Aおよび第2軸部64Bがそれぞれ第1ステー41および第2ステー51から外れたとき、第1ステー41と第2ステー51の結合は解除される。第1軸部64Aおよび第2軸部64Bがそれぞれ第1ステー41および第2ステー51から外れたとき、第1ステー41に対する第2ステー51の自由な移動が許容される。メータ31はステアリング装置11から離脱する。
【0193】
第1手順では、さらに、ユーザーは、メータ31を第2ステー51から外してもよい。例えば、ユーザーは、第2ステー51を、第2取付部75(弾性部材76)から外してもよい。
【0194】
第2手順
ユーザーは、第1ステー41に対する第2ステー51の位置を変更する。例えば、第3座部52を第1座部42に面接触させる。あるいは、第4座部54を第2座部44に面接触させる。
【0195】
第3手順
ユーザーは、結合部61によって、第1ステー41と第2ステー51を結合する。第2ステー51は第1ステー41に固定される。これにより、支持部40は、第1形態F1および第2形態F2のいずれかに切り替わる。メータ31の傾きは、変更される。
【0196】
第1手順においてユーザーがメータ31を第2ステー51から外した場合、第3手順では、ユーザーは第2ステー51にメータ31を取り付ける。
【0197】
以上の通り、第1形態F1と第2形態F2の間で支持部40が変形するとき、第1ステー41と第2ステー51の結合を解除することを要する。結合部61が第1ステー41と第2ステー51を結合した状態では、支持部40は第1形態F1と第2形態F2の間で変形できない。言い換えれば、メータ31の傾きを変更するとき、メータ31をステアリング装置11から離脱させることを要する。メータ31がステアリング装置11に連結された状態では、メータ31の傾きを変更できない。
【0198】
第1形態F1と第2形態F2の間で支持部40を変形するとき、第1ステー41とステアリング装置11の結合を解除することを要しない。第1取付部71が第1ステー41とステアリング装置11を結合した状態で、第1形態F1と第2形態F2の間で支持部40を変形できる。
【0199】
<4.ヘッドライト33の支持構造>
ヘッドライト保持部80の構成を説明する。
【0200】
図4、5、10、13を参照する。
図13は、鞍乗型車両1の前部の拡大左側面図である。上述の通り、ヘッドライト保持部80は、ステアリング装置11に支持される。具体的には、ヘッドライト保持部80は、第1ステー41を介してトップブリッジ12に支持される。ヘッドライト保持部80は、さらに、ボトムブリッジ13に支持される。
【0201】
ヘッドライト保持部80は、右ステー81Rと左ステー81Lを備える。右ステー81Rおよび左ステー81Lはそれぞれ、棒形状を有する。右ステー81Rは、右壁部48Rに固定される。右ステー81Rは、右壁部48Rから下方に延びる。左ステー81Lは、右ステー81Rの左方に配置される。左ステー81Lは、左壁部48Lに固定される。左ステー81Lは、左壁部48Lから下方に延びる。
【0202】
ヘッドライト保持部80は、右アーム82Rと左アーム82Lを備える。右アーム82Rと左アーム82Lはそれぞれ、板形状を有する。右アーム82Rと左アーム82Lはそれぞれ、アングル形状を有する。右アーム82Rは、右ステー81Rに支持される。右アーム82Rは、右ステー81Rから右方に張り出す。左アーム82Lは、左ステー81Lに支持される。左アーム82Lは、左ステー81Lから左方に張り出す。
【0203】
ヘッドライト保持部80は、右ブラケット83Rと左ブラケット83Lを備える。右ブラケット83Rと左ブラケット83Rはそれぞれ、板形状を有する。右ブラケット83Rは、右アーム82Rに支持される。右ブラケット83Rは、右アーム82Rから前方に延びる。右ブラケット83Rは、ヘッドライト33の右部まで延びる。左ブラケット83Lは、左アーム82Lに支持される。左ブラケット83Lは、左アーム82Lから前方に延びる。左ブラケット83Lは、ヘッドライト33の左部まで延びる。
【0204】
ヘッドライト保持部80は、右締結部材84Rと左締結部材84Lを備える。右締結部材84Rは、ヘッドライト33と右ブラケット83Rを締結する。左締結部材84Lは、ヘッドライト33と左ブラケット83Lを締結する。ヘッドライト33は、右締結部材84Rおよび左締結部材84Lによって、右ブラケット83Rと左ブラケット83Lに固定される。
【0205】
ヘッドライト保持部80は、下ブラケット85を備える。下ブラケット85は、板形状を有する。下ブラケット85は、箱形状を有する。下ブラケット85は、右ブラケット83Rおよび左ブラケット83Lよりも下方に配置される。下ブラケット85は、右ブラケット83Rよりも左方、かつ、左ブラケット83Lよりも右方に配置される。下ブラケット85は、右ステー81Rおよび左ステー81Lに支持される。下ブラケット85は、右ステー81Rおよび左ステー81Lから前方に延びる。下ブラケット85は、ヘッドライト33の下部まで延びる。
【0206】
ヘッドライト保持部80は、下締結部材86を備える。下締結部材86は、ヘッドライト33と下ブラケット85を締結する。ヘッドライト33は、下締結部材86によって、下ブラケット85に固定される。
【0207】
ヘッドライト33は、下ステー87と2つの締結部材88を備える。下ステー87は、ボトムブリッジ13の前方に配置される。各締結部材88は、下ステー87とボトムブリッジ13を締結する。下ステー87は、締結部材88によって、ボトムブリッジ13に固定される。下ステー87は、ボトムブリッジ13から前方に延びる。
【0208】
ヘッドライト保持部80は、弾性部材89を備える。弾性部材89は、筒形状を有する。弾性部材89は、下ステー87に支持される。弾性部材89は、下ブラケット85を支持する。下ブラケット85は、弾性部材89を介して、下ステー87に支持される。
【0209】
第1形態F1と第2形態F2の間で支持部40が変形するとき、ヘッドライト33とステアリング装置11の結合を解除することを要しない。ヘッドライト保持部80がヘッドライト33とステアリング装置11を結合した状態で、支持部40は第1形態F1と第2形態F2の間で変形できる。
【0210】
<5.効果>
鞍乗型車両1は、ステアリング装置11と支持部40とメータ31を備える。支持部40は、ステアリング装置11に支持される。メータ31は、支持部40に支持される。
【0211】
支持部40は、第1形態F1と第2形態F2の間で変形可能である。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きと異なる。
【0212】
具体的には、支持部40は、第1ステー41と第2ステー51と結合部61を備える。第1ステー41は、ステアリング装置11に固定される。第2ステー51は、メータ31に固定される。第2ステー51は、第1ステー41と着脱可能である。結合部61は、第1ステー41と第2ステー51を結合する。
【0213】
第1ステー41は、第1座部42と第2座部44を備える。支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第2ステー51と面接触する。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42と第2ステー51を締結する。支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第2ステー51と面接触する。支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44と第2ステー51を締結する。このため、第1ステー41の形状を簡素化できる。第2ステー51の形状も簡素化できる。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は、第1ステー41と第2ステー51を、簡素に結合できる。支持部40が第2形態F2であるときも、結合部61は、第1ステー41と第2ステー51を、簡素に結合できる。このため、結合部61の構造を簡素化できる。よって、支持部40の構造を簡素化できる。
【0214】
第1座部42は、第1平面P1上に形成される。すなわち、第1座部42は平坦である。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第2ステー51は、第1ステー41に対して回転摺動不能である。第2座部44は、第2平面P2上に形成される。すなわち、第2座部44は平坦である。このため、支持部40が第2形態F2であるときも、第2ステー51は、第1ステー41に対して回転摺動不能である。よって、支持部40は、回転摺動部を含まない。言い換えれば、支持部40は、回転摺動部が排除された構成を有する。回転摺動部が排除された支持部40を実現できる。したがって、支持部40の構造を一層簡素化できる。
【0215】
第2座部44が形成される第2平面P2は、第1座部42が形成される第1平面P1と異なる。このため、支持部40は、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きを、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きから、好適に異ならせることができる。
【0216】
以上の通り、鞍乗型車両1によれば、簡素な構造でメータ31の傾きを変えることができる。
【0217】
支持部40が第1形態F1であるとき、第1平面P1は、幅方向Yと平行である。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42の上面42aは、幅方向Yと平行である。第1座部42の上面42aは、支持部40が第1形態F1であるときの、第1座部42と第2ステー51の間の接触面に相当する。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42と第2ステー51の間の接触面は、幅方向Yと平行である。よって、支持部40が第1形態F1であるとき、支持部40は、メータ31を堅牢に支持できる。例えば、支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31が幅方向Yと平行な軸線回りに回転することを、支持部40は好適に禁止できる。
【0218】
支持部40が第2形態F2であるとき、第2平面P2は、幅方向Yと平行である。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44の前面44aは、幅方向Yと平行である。第2座部44の前面42bは、支持部40が第2形態F2であるときの、第2座部44と第2ステー51の間の接触面に相当する。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44と第2ステー51の間の接触面は、幅方向Yと平行である。よって、支持部40が第2形態F2であるとき、支持部40は、メータ31を堅牢に支持できる。例えば、支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31が幅方向Yと平行な軸線回りに回転することを、支持部40は好適に禁止できる。
【0219】
結合部61は、第1軸部64Aと第2軸部64Bを備える。第1軸部64Aは、第1ステー41と第2ステー51を貫通する。第2軸部64Bは、第1ステー41と第2ステー51を貫通する。支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bは幅方向Yに並ぶ。支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bはそれぞれ第1方向D1に延びる。すなわち、支持部40が第1形態F1であるとき、第2軸部64Bは第1軸部64Aと平行である。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して第1軸部64A回りに回転することを、第2軸部64Bは好適に禁止できる。さらに、支持部40が第1形態F1であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して第2軸部64B回りに回転することを、第1軸部64Aは好適に禁止できる。よって、支持部40が第1形態F1であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して回転摺動することを、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは好適に禁止できる。したがって、支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは、第1ステー41と第2ステー51を堅牢に締結できる。
【0220】
第1方向D1は、幅方向Yと直交する。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1ステー41が、第2ステー51に対して、幅方向Yと平行な軸線回りに回転摺動することを、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは一層好適に禁止できる。よって、支持部40が第1形態F1であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して回転摺動することを、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは一層好適に禁止できる。したがって、支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは、第1ステー41と第2ステー51を一層堅牢に締結できる。
【0221】
支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bは幅方向Yに並ぶ。支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aと第2軸部64Bはそれぞれ第2方向D2に延びる。すなわち、支持部40が第2形態F2であるとき、第2軸部64Bは第1軸部64Aと平行である。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して第1軸部64A回りに回転することを、第2軸部64Bは好適に禁止できる。さらに、支持部40が第2形態F2であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して第2軸部64B回りに回転することを、第1軸部64Aは好適に禁止できる。よって、支持部40が第2形態F2であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して回転摺動することを、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは好適に禁止できる。したがって、支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは、第1ステー41と第2ステー51を堅牢に締結できる。
【0222】
第2方向D2は、幅方向Yと直交する。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第1ステー41が、第2ステー51に対して、幅方向Yと平行な軸線回りに回転摺動することを、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは一層好適に禁止できる。よって、支持部40が第2形態F2であるとき、第1ステー41が第2ステー51に対して回転摺動することを、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは一層好適に禁止できる。したがって、支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aおよび第2軸部64Bは、第1ステー41と第2ステー51を一層堅牢に締結できる。
【0223】
第1軸部64Aと第2軸部64Bがそれぞれ第1ステー41と第2ステー51から外れたとき、第1ステー41と第2ステー51の結合は解除される。すなわち、第1軸部64Aと第2軸部64Bがそれぞれ第1ステー41と第2ステー51から外れたとき、第1ステー41と第2ステー51は互いに非連結になる。第1軸部64Aと第2軸部64Bがそれぞれ第1ステー41と第2ステー51から外れたとき、第1ステー41に対する第2ステー51の自由な移動が許容される。すなわち、第1軸部64Aと第2軸部64Bがそれぞれ第1ステー41と第2ステー51から外れたとき、第1ステー41は、第2ステー51の移動を規制しない。したがって、支持部40の構造を一層簡素化できる。
【0224】
第1ステー41は、第1孔43と第2孔45を備える。第1孔43は第1座部42に形成される。第2孔45は、第2座部44に形成される。支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1孔43に挿入される。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42と第2ステー51を好適に結合できる。支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2孔45に挿入される。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44と第2ステー51を好適に結合できる。
【0225】
第1孔43と第2孔45は、第1座部42および第2座部44によって、互いに隔てられている。すなわち、第1孔43と第2孔45は、互いにつながっていない。このため、第1ステー41の構造を一層簡素化できる。
【0226】
第2ステー51は第3座部52を備える。支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第3座部52と面接触する。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第2ステー51と好適に面接触できる。
【0227】
支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42に第3座部52を結合する。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42と第2ステー51を好適に結合できる。
【0228】
第2ステー51は第4座部54を備える。支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第4座部54と面接触する。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第2ステー51と好適に面接触できる。
【0229】
支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44に第4座部54を結合する。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44と第2ステー51を好適に結合できる。
【0230】
第1ステー41は、ステアリング装置11に固定される。このため、ステアリング装置11は、支持部40を好適に支持できる。
【0231】
第1ステー41は、ステアリング装置11に常に取り付けられる。このため、ステアリング装置11は、支持部40を好適に支持できる。
【0232】
第2ステー51は、メータ31に固定される。このため、支持部40は、メータ31を好適に支持できる。
【0233】
第2座部44は第1座部42と接している。第4座部54は第3座部52と接している。角度θ3は、第1座部42と第2座部44のなす角度に相当する。角度θ4は、第3座部52と第4座部54のなす角度に相当する。角度θ3と角度θ4の間の差は、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きと、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きとの間の差に相当する。角度θ3は角度θ4と異なる。このため、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きと異なる。よって、支持部40は、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きを、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きから、好適に異ならせることができる。
【0234】
第1座部42は、前方に延びる。第2座部44は、第1座部42から下方に延びる。支持部40が第1形態F1であるとき、第3座部52は第1座部42の上面42aに接触する。支持部40が第1形態F1であるとき、第4座部54は第2座部44の前面44aよりも前方に配置される。他方、支持部40が第2形態F2であるとき、第4座部54は第2座部44の前面44aに接触する。支持部40が第2形態F2であるとき、第3座部52は第1座部42の上面42aよりも上方に配置される。角度θ4は、角度θ3よりも大きい。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第2座部44が第4座部54と干渉することを好適に防止できる。支持部40が第2形態F2であるとき、第1座部42が第3座部52と干渉することを好適に防止できる。
【0235】
上述した鞍乗型車両1において、メータ31は上面31aを有する。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の上面31aの傾きは、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の上面31aの傾きよりも水平に近い。このため、支持部40は、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きを、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きから、好適に異ならせることができる。
【0236】
上述した鞍乗型車両1において、ステアリング装置11は、右フロントサスペンション14Rと左フロントサスペンション14Lとトップブリッジ12を備える。トップブリッジ12は、右フロントサスペンション14Rと左フロントサスペンション14Lを連結する。メータ31は、トップブリッジ12よりも前方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の上面31aは、トップブリッジ12の上面12aと略平行である。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、外観上においてメータ31とトップブリッジ12の一体感を向上できる。
【0237】
支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の上面31aは、実質的に、上面12aの延長線E上に配置される。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、外観上においてメータ31とトップブリッジ12の一体感を一層向上できる。
【0238】
鞍乗型車両1は、燃料タンク23を備える。燃料タンク23は、車両側面視において、ステアリング装置11の後方に配置される。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の全部は、燃料タンク23の上端Tfよりも下方に配置される。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、燃料タンク23からメータ31にわたって連続性のある輪郭(シルエット)を形成できる。
【0239】
支持部40が第1形態F1であるとき、車両側面視において、メータ31の少なくとも一部は、燃料タンク23の上端Tfよりも上方に配置される。このため、支持部40は、支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の位置を、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の位置よりも、高くできる。
【0240】
鞍乗型車両1は、ヘッドライト33を備える。ヘッドライト33は、メータ31よりも下方かつ前方に配置される。支持部40が第1形態F1であるとき、メータ31とヘッドライト33は、車両正面視において、重なる。支持部40が第2形態F2であるとき、メータ31とヘッドライト33は、車両正面視において、重なる。長さK2は長さK1よりも小さい。ここで、長さK1は、支持部40が第1形態F1であるときの上下方向Zにおけるメータ31およびヘッドライト33の全体の長さである。長さK2は、支持部40が第2形態F2であるときの上下方向Zにおけるメータ31およびヘッドライト33の全体の長さである。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、外観上におけるメータ31とヘッドライト33の一体感を向上できる。
【0241】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0242】
(1)上述した実施形態では、支持部40が第1形態F1であるときに第1座部42と面接触する第2ステー51の部分は、第3座部52であった。支持部40が第2形態F2であるときに第2座部44と面接触する第2ステー51の部分は、第4座部54であった。このように、支持部40が第1形態F1であるときに第1座部42と面接触する第2ステー51の部分は、支持部40が第2形態F2であるときに第2座部44と面接触する第2ステー51の部分と異なる。但し、これに限られない。支持部40が第1形態F1であるときに第1座部42と面接触する第2ステー51の部分は、支持部40が第2形態F2であるときに第2座部44と面接触する第2ステー51の部分と同じであってもよい。
【0243】
図14、15、16は、変形実施形態にかかる支持部40を示す図である。
図14-16は、支持部40を簡略に図示する。なお、実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
図14に示す支持部40の形態を、第1形態F1と呼ぶ。
図15に示す支持部40の形態を、第2形態F2と呼ぶ。
図16に示す支持部40の形態を、第3形態F3と呼ぶ。支持部40は、第1形態F1と第2形態F2と第3形態F3の間で、変形可能である。支持部40は、第1形態F1と第2形態F2と第3形態F3に、変形可能である。支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きと異なる。支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第3形態F3であるときのメータ31の傾きと異なる。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第3形態F3であるときのメータ31の傾きと異なる。
【0244】
第1ステー41は、第1座部42および第2座部44に加えて、第5座部92を備える。第5座部92が形成される平面は、第1座部42が形成される平面と異なる。第5座部92が形成される平面は、第2座部44が形成される平面と異なる。第5座部92が形成される平面は、幅方向Yと平行である。
【0245】
第1ステー41は、第1孔43および第2孔45に加えて、第5孔93を有する。第5孔93は第5座部92に形成される。第5孔93と第1孔43は、第5座部92および第1座部42によって、互いに隔てられている。第5孔93と第2孔45は、第5座部92および第2座部44によって、互いに隔てられている。
【0246】
図14を参照する。支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第3座部52と面接触する。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部42は第2ステー51と好適に面接触できる。
【0247】
支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42に第3座部52を締結する。具体的には、結合部61は、第1孔43および第3孔53に挿入される。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部42と第2ステー51を好適に結合できる。
【0248】
図15を参照する。支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第3座部52と面接触する。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部44は第2ステー51と好適に面接触できる。
【0249】
支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44に第3座部52を締結する。具合的には、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は、第2孔45および第3孔53に挿入される。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部44と第2ステー51を好適に結合できる。
【0250】
図16を参照する。支持部40が第3形態F3であるとき、第5座部92は第3座部52と面接触する。このため、支持部40が第3形態F3であるとき、第5座部92は第2ステー51と好適に面接触できる。
【0251】
支持部40が第3形態F3であるとき、結合部61は第5座部92に第3座部52を締結する。具体的には、支持部40が第3形態F3であるとき、結合部61は、第5孔93および第3孔53に挿入される。このため、支持部40が第3形態F3であるとき、結合部61は第5座部92と第2ステー51を好適に結合できる。
【0252】
以上の通り、本変形実施形態によっても、簡素な構造でメータ31の傾きを変えることができる。本変形実施形態では、第4座部54を省略できる。よって、第2ステー51の構造をさらに簡素化できる。
【0253】
(2)上述した実施形態では、第1ステー41はステアリング装置11に固定された。第1ステー41はステアリング装置11に常に取り付けられた。第2ステー51はメータ31に固定された。但し、これに限られない。第1ステー41はメータ31に固定されてもよい。第2ステー51は、ステアリング装置11に固定されてもよい。第2ステー51はステアリング装置11に常に取り付けられてもよい。
【0254】
図17、18、19は、変形実施形態にかかる支持部40を示す図である。
図17-19は、支持部40を簡略に図示する。なお、実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
図17に示す支持部40の形態を、第1形態F1と呼ぶ。
図18に示す支持部40の形態を、第2形態F2と呼ぶ。
図19に示す支持部40の形態を、第3形態F3と呼ぶ。支持部40は、第1形態F1と第2形態F2と第3形態F3の間で、変形可能である。支持部40は、第1形態F1と第2形態F2と第3形態F3に、変形可能である。支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きと異なる。支持部40が第1形態F1であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第3形態F3であるときのメータ31の傾きと異なる。支持部40が第2形態F2であるときのメータ31の傾きは、支持部40が第3形態F3であるときのメータ31の傾きと異なる。
【0255】
支持部40は、第1ステー101と第2ステー111を備える。第1ステー101は、メータ31に固定される。第1ステー101は、メータ31に常に取り付けられる。支持部40が第1-第3形態F1-F3のいずれであっても、第1ステー101はメータ31に取り付けられる。第2ステー111は、ステアリング装置11に固定される。第2ステー111は、ステアリング装置11に常に取り付けられる。支持部40が第1-第3形態F1-F3のいずれであっても、第2ステー111はステアリング装置11に取り付けられる。結合部61は、第1ステー101と第2ステー111を結合する。
【0256】
第1ステー101は、第1座部102と第2座部104と第5座部106を備える。第1座部102が形成される平面は、第2座部104が形成される平面と異なる。第1座部102が形成される平面は、第5座部106が形成される平面と異なる。第2座部104が形成される平面は、第5座部106が形成される平面と異なる。
【0257】
第1座部102が形成される平面は、幅方向Yと平行である。第2座部104が形成される平面は、幅方向Yと平行である。第5座部106が形成される平面は、幅方向Yと平行である。
【0258】
第1ステー101は、第1孔103と第2孔105と第5孔107を備える。第1孔103は、第1座部102に形成される。第2孔105は、第2座部104に形成される。第5孔107は、第5座部106に形成される。
【0259】
第1孔103と第2孔105は、第1座部102と第2座部104によって、互いに隔てられている。第1孔103と第5孔107は、第1座部102と第5座部106によって、互いに隔てられている。第2孔105と第5孔107は、第2座部104と第5座部106によって、互いに隔てられている。
【0260】
第1ステー101は、さらに、ベース部108を備える。ベース部108は、メータ31に連結される。
【0261】
第2ステー111は、第3座部112を備える。第3座部112は、幅方向Yと平行である。
【0262】
第2ステー111は、第3孔113を備える。第3孔113は、第3座部112に形成される。
【0263】
第2ステー111は、さらに、ベース部114を備える。ベース部114は、ステアリング装置11に連結される。例えば、ベース部114は、トップブリッジ12に連結される。
【0264】
図17を参照する。支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部102は第3座部112と面接触する。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、第1座部102は第2ステー111と好適に面接触できる。
【0265】
支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部102に第3座部112を締結する。具体的には、結合部61は、第1孔103および第3孔113に挿入される。このため、支持部40が第1形態F1であるとき、結合部61は第1座部102と第2ステー111を好適に結合できる。
【0266】
図18を参照する。支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部104は第3座部112と面接触する。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、第2座部104は第2ステー111と好適に面接触できる。
【0267】
支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部104に第3座部112を締結する。具合的には、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は、第2孔105および第3孔113に挿入される。このため、支持部40が第2形態F2であるとき、結合部61は第2座部104と第2ステー111を好適に結合できる。
【0268】
図19を参照する。支持部40が第3形態F3であるとき、第5座部106は第3座部112と面接触する。このため、支持部40が第3形態F3であるとき、第5座部106は第2ステー111と好適に面接触できる。
【0269】
支持部40が第3形態F3であるとき、結合部61は第5座部106に第3座部112を締結する。具体的には、支持部40が第3形態F3であるとき、結合部61は、第5孔107および第3孔113に挿入される。このため、支持部40が第3形態F3であるとき、結合部61は第5座部106と第2ステー111を好適に結合できる。
【0270】
以上の通り、本変形実施形態によっても、簡素な構造でメータ31の傾きを変えることができる。
【0271】
第2ステー111は、ステアリング装置11に固定される。第2ステー111は、ステアリング装置11に常に取り付けられる。このため、ステアリング装置11は支持部40を好適に支持できる。
【0272】
第1ステー101は、メータ31に固定される。第1ステー101は、メータ31に常に取り付けられる。このため、支持部40はメータ31を好適に支持できる。
【0273】
第2ステー111は、実施形態の第4座部54に相当する要素を有しない。よって、第2ステー111の構造をさらに簡素化できる。
【0274】
(3)上述した実施形態では、支持部40が変形可能な形態の数は、2つであった。但し、これに限られない。例えば、支持部40が変形可能な形態の数は、2つよりも多くてもよい。例えば、
図14-16に示す変形実施形態のように、支持部40が変形可能な形態の数は、3つであってもよい。例えば、
図17-19に示す変形実施形態のように、支持部40が変形可能な形態の数は、3つであってもよい。
【0275】
(4)上述した実施形態では、支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、第1軸部64Aが延びる方向は変更された。具体的には、第2方向D2は第1方向D1と異なった。第2方向D2は第1方向D1と平行でなかった。但し、これに限られない。例えば、支持部40が第1形態F1と第2形態F2の間で切り替わるとき、第1軸部64Aが延びる方向は変わらなくてもよい。具体的には、第2方向D2は第1方向D1と同じであってよい。第2方向D2は第1方向D1と平行であってもよい。
【0276】
便宜上、
図17-19を参照する。
図17は、第1軸部64Aの軸線LA1を示す。
図18は、第1軸部64Aの軸線LA2を示す。
図19は、第1軸部64Aの軸線LA3を示す。なお、
図17-19は、第1軸部64A自体の図示を省略する。軸線LA1の方向を、第1方向D1と呼ぶ。軸線LA2の方向を、第2方向D2と呼ぶ。軸線LA3の方向を、第3方向D3と呼ぶ。
【0277】
支持部40が第1形態F1であるとき、第1軸部64Aは第1方向D1に延びる。支持部40が第2形態F2であるとき、第1軸部64Aは第2方向D2に延びる。支持部40が第3形態F3であるとき、第1軸部64Aは第3方向D3に延びる。第2方向D2は、第1方向D1と同じである。第3方向D3も、第1方向D1と同じである。
【0278】
(5)上述した実施形態では、支持部40はトップブリッジ12に連結された。但しこれに限られない。支持部40は、トップブリッジ12以外のステアリング装置11の他の要素に連結されてもよい。例えば、支持部40は、トップブリッジ12、ボトムブリッジ13、フロントサスペンション14、ハンドル16およびハンドルホルダ17の少なくともいずれかに連結されてもよい。
【0279】
(6)上述した実施形態では、第2座部44は右第2座部44Rと左第2座部44Lに分離された。但し、これに限られない。第2座部44の形状を適宜に変更してもよい。第2座部44は右第2座部44Rと左第2座部44Lに分離されていなくてもよい。同様に、第2座部44以外の支持部40の要素の形状を適宜に変更してもよい。
【0280】
(7)上述した実施形態では、結合部61は、第1結合部61Aと第2結合部61Bを備えた。但し、これに限られない。例えば、第1結合部61Aおよび第2結合部61Bのいずれか1つを省略してもよい。あるいは、結合部61は、第1結合部61Aおよび第2結合部61Bに加えて、第3結合部を備えてもよい。
【0281】
(8)上述した実施形態では、第1孔43は、右第1孔43Rと左第1孔43Lを有した。但し、これに限られない。例えば、右第1孔43Rおよび第2結合部61Bのいずれか1つを省略してもよい。あるいは、第1孔43は、右第1孔43Rおよび左第1孔43Lに加えて、追加第1孔を有してもよい。第2孔45、第3孔53および第4孔55についても、同様に変更してもよい。
【0282】
(9)上述した実施形態では、支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の全部は、燃料タンク23の上端Tfよりも下方に配置された。但し、これに限られない。支持部40が第2形態F2であるとき、車両側面視において、メータ31の一部は、燃料タンク23の上端Tfよりも上方に配置されてもよい。
【0283】
(10)上述した実施形態では、ハンドル16の全部は、例えば、トップブリッジ12よりも上方に配置された。但し、これに限られない。ハンドル16の少なくとも一部は、トップブリッジ12よりも下方に配置されてもよい。
【0284】
(11)上述した実施形態では、ハンドルホルダ17は、トップブリッジ12に支持された。但し、これに限られない。ハンドルホルダ17は、フロントサスペンション14に支持されてもよい。
【0285】
(12)上述した実施形態では、鞍乗型車両1はストリート型車両に分類された。但し、これに限られない。鞍乗型車両1を、スポーツ型、不整地走行用車両(ALL-TERRAIN VEHICLE)など、他の種類の車両に変更してもよい。
【0286】
(13)上述した実施形態では、鞍乗型車両1が備える前輪21の数は1つである。但し、これに限られない。鞍乗型車両1が備える前輪21の数は2つであってもよい。上述した実施形態では、鞍乗型車両1が備える後輪28の数は1つである。但し、これに限られない。鞍乗型車両1が備える後輪28の数は2つであってもよい。
【0287】
(14)上述した実施形態では、鞍乗型車両1は、動力源としてエンジン(内燃機関)22を備える。ただし、これに限られない。例えば、鞍乗型車両1は、エンジン22に加えて、動力源として電動モータを備えてもよい。例えば、鞍乗型車両1は、エンジン22に代えて、動力源として電動モータを備えてもよい。
【0288】
(15)上述した実施形態および上記(1)から(14)で説明した各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0289】
1 :鞍乗型車両
3 :車体フレーム
11 :ステアリング装置
12 :トップブリッジ
12a:トップブリッジの上面
14 :フロントサスペンション
14R:右フロントサスペンション
14L:左フロントサスペンション
23 :燃料タンク
31 :メータ
31a:メータの上面
33 :ヘッドライト
40 :支持部
41、101 :第1ステー
42、102 :第1座部
42a :第1座部の上面
43、103 :第1孔
44、104 :第2座部
44a :第2座部の前面
45、105 :第2孔
51、111 :第2ステー
52、112 :第3座部
53、113 :第3孔
54 :第4座部
55 :第4孔
61 :結合部
61A :第1結合部
61B :第2結合部
62A :第1ボルト
62B :第2ボルト
64A :第1軸部
64B :第2軸部
D1 :第1方向
D2 :第2方向
F1 :第1形態
F2 :第2形態
F3 :第3形態
E :鞍乗型車両の側面視におけるトップブリッジの上面の延長線
K1 :支持部が第1形態であるときの鞍乗型車両の上下方向におけるメータおよびヘッドライトの全体の長さ
K2 :支持部が第2形態であるときの鞍乗型車両の上下方向におけるメータおよびヘッドライトの全体の長さ
P1 :第1平面
P2 :第2平面
Tf :燃料タンクの上端
X :鞍乗型車両の前後方向
Y :鞍乗型車両の幅方向
Z :鞍乗型車両の上下方向
θ1 :支持部が第1形態であるときのメータの傾き
θ2 :支持部が第2形態であるときのメータの傾き
θ3 :第1座部と第2座部のなす角度(第1角度)
θ4 :第3座部と第4座部のなす角度(第2角度)