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特開2022-187649情報処理装置、測位システムおよび移動体の測位方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187649
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、測位システムおよび移動体の測位方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221213BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095745
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小川 純平
(72)【発明者】
【氏名】鮫田 芳富
(72)【発明者】
【氏名】西川 浩行
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301AA10
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG17
(57)【要約】

【課題】 本発明は、高精度で移動体の位置を特定できる情報処理装置、測位システムおよび移動体の測位方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、情報処理装置は、複数のインターフェースと制御部と有する。複数のインターフェースは、特性が異なる移動体の移動量を示すセンサ情報を取得する複数のセンサからそれぞれセンサ情報を取得する。制御部は、個々のセンサごとにセンサ情報から算出する移動量と各移動量に対する信頼度とを算出し、複数のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量と各移動量に対する信頼度とを統合した移動体の移動量を算出し、移動体の移動量から移動体の位置を特定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動量に関するセンサ情報を取得する複数のセンサからそれぞれセンサ情報を取得する複数のインターフェースと、
個々のセンサごとにセンサ情報から算出する移動量と各移動量に対する信頼度とを算出し、個々のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量と各移動量に対する信頼度とに基づいて前記移動体の移動量を算出し、前記移動体の移動量から前記移動体の位置を特定する制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
基準位置を示す基準位置情報を受信する基準位置受信部を有し、
前記制御部は、前記基準位置受信部によって受信する基準位置情報が示す基準位置を起点として前記移動体の移動量から前記移動体の位置を測位する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記移動体が所定経路を移動した場合に前記各センサが取得するセンサ情報に含まれる評価用の誤差を基に初期信頼度を算出し、複数のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量と各移動量に対する信頼度と前記初期信頼度とを統合した前記移動体の移動量を算出する、
請求項1又は2の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、個々のセンサごとの信頼度を他のセンサが取得するセンサ情報を基に補正する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のインターフェースは、さらに、信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報を取得するインターフェースを含み、
前記制御部は、前記信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報に基づいてセンサごとの信頼度を補正する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記信頼度更新用のセンサは、光の照度を示す照度情報を取得する照度センサであり、
前記制御部は、光の照度によって取得するセンサ情報に影響を受けるセンサに対応する信頼度を前記照度センサが取得する照度情報を基に補正する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記信頼度更新用のセンサは、温度を示す温度情報を取得する温度センサであり、
前記制御部は、温度によって取得するセンサ情報に影響を受けるセンサに対応する信頼度を前記温度センサが取得する温度情報を基に補正する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、移動方向ごとに各センサが取得するセンサ情報から移動量と各移動量に対する信頼度と算出する、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記複数のセンサの1つは、移動量を算出するための慣性情報を取得する慣性センサである、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記複数のセンサの1つは、移動量を算出するための画像情報を取得するイメージセンサである、
請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記複数のセンサの1つは、移動量を算出するための距離情報を取得する距離センサである、
請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
複数のセンサと情報処理装置とを有する測位システムにおいて、
前記複数のセンサは、
他のセンサとは特性が異なる移動体の移動量を示すセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、
前記センサ情報取得部が取得したセンサ情報を前記情報処理装置へ出力する第1のインターフェースと、を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数のセンサからそれぞれセンサ情報を取得する複数の第2のインターフェースと、
個々のセンサごとにセンサ情報から算出する移動量と各移動量に対する信頼度とを算出し、個々のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量と各移動量に対する信頼度とに基づいて前記移動体の移動量を算出し、前記移動体の移動量から前記移動体の位置を特定する制御部と、を備える、
測位システム。
【請求項13】
移動体の移動量に関するセンサ情報を取得する複数のセンサからそれぞれセンサ情報を取得し、
個々のセンサごとにセンサ情報から算出する移動量を算出し、
個々のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を算出し、
個々のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量と各移動量に対する信頼度とに基づいて前記移動体の移動量を算出し、
前記移動体の移動量から前記移動体の位置を特定する、
移動体の測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、測位システムおよび移動体の測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場やプラント内の作業などにおいて業務効率を向上させるための搬送車又は台車などの移動体の移動分析に必要な測位技術が注目されている。工場やプラント内などの屋内では、屋外で利用可能な位置を測定するシステム(例えば、GPS:Global Positioning System)を使用できない。屋内における移動体の位置を測位する技術としては、加速度センサとイメージセンサとを併用して推定する移動量から位置を推定する方法がある。しかしながら、イメージセンサは、周辺の光源の影響によって移動量の検出に抜けが発生することがあるという問題がある。また、加速度センサは、移動以外の振動や床面の非定常な陥落などによって移動量の計測値に誤差が生じるという課題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-187798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明は、高精度に移動体の位置を特定できる情報処理装置、測位システムおよび移動体の測位方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、情報処理装置は、複数のインターフェースと制御部とを有する。複数のインターフェースは、特性が異なる移動体の移動量を示すセンサ情報を取得する複数のセンサからそれぞれセンサ情報を取得する。制御部は、個々のセンサごとにセンサ情報から算出する移動量と各移動量に対する信頼度とを算出し、複数のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量と各移動量に対する信頼度とを統合した移動体の移動量を算出し、移動体の移動量から移動体の位置を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置を含む測位システムによって位置が計測される移動体が屋内を移動する様子を説明するための図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置を含む測位システムを搭載した移動体の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置を含む測位システムにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置に接続される慣性センサの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置に接続されるイメージセンサの構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置に接続される距離センサの構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る測位システムに対して基準位置信号を送信する基準位置送信装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置を搭載する移動体が移動する床面に非定常な凹凸が存在する例を模式的に示す図である。
図9図9は、移動体に設けた慣性センサが取得するセンサ情報から算出する移動量に対する信頼度の例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置を搭載する移動体が移動する経路に画素の濃度が読み取り難い領域が存在する例を模式的に示す図である。
図11図11は、移動体に設けたイメージセンサが取得するセンサ情報から算出する移動量に対する信頼度の例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る情報処理装置を搭載する移動体に設ける距離センサの検知方向に障害物が存在する例を模式的に示す図である。
図13図13は、移動体に設けた距離センサが取得するセンサ情報から算出する移動量に対する信頼度の例を示す図である。
図14図14は、第1実施形態に係る情報処理装置が移動体の位置を測位する処理の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
図15図15は、第1実施形態に係る情報処理装置が移動体の位置を測位する処理の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
図16図16は、第1実施形態に係る情報処理装置が移動体の位置を測位する処理の第3の動作例を説明するためのフローチャートである。
図17図17は、第2実施形態の第1構成例としての情報処理装置を含む測位システムの構成例を示す図である。
図18図18は、第2実施形態の第1構成例に係る情報処理装置および照度センサにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図19図19は、第2実施形態の第2構成例としての情報処理装置を含む測位システムの構成例を示す図である。
図20図20は、第2実施形態の第2構成例に係る情報処理装置および温度センサにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図21図21は、第2実施形態に係る情報処理装置が移動体の位置を測位する処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る情報処理装置10を含む測位システム3について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置10を含む測位システム3の構成例を示す図である。図2は、実施形態に係る測位システム3によって位置が計測される移動体1が屋内を移動する様子を説明するための図である。
【0008】
第1実施形態において、移動体1は、床面を走行する車両であるものとする。例えば、移動体1は、図1に示すような壁で仕切られる屋内空間において床面を走行する。移動体1が移動する屋内には、基準位置を示す情報(基準位置情報)を出力する基準位置送信装置2が設けられる。
【0009】
基準位置送信装置2は、所定の位置(基準位置)において受信可能な位置情報(基準位置情報)を送信する。基準位置送信装置2が送信する基準位置情報を含む信号は、無線通信などによって受信される。例えば、基準位置送信装置2は、Bluetooth(登録商標)の拡張仕様の1つであるBLE(登録商標)(Bluetooth Low Energy)などの通信機能によって、基準位置で受信できる基準位置情報を送信する。
【0010】
測位システム3は、情報処理装置10と複数のセンサ11~13とを含むシステムである。情報処理装置10は、種々の情報処理を行うコンピュータである。複数のセンサ11~13は、それぞれ異なる方式で移動量を算出するための情報(センサ情報)を取得するセンサ(移動量算出用のセンサ)である。情報処理装置10は、各センサ11~13が接続される。なお、情報処理装置10は、複数のセンサ11~13から選択する2つのセンサからセンサ情報を取得するようにしても良い。また、情報処理装置10は、3つのセンサ11~13以外に、他のセンサからもセンサ情報を取得するようにしても良い。
【0011】
図1に示す構成例において、情報処理装置10と複数のセンサ11~13とは、移動体1に搭載されるものとする。センサ11は、第1の移動量算出用のセンサとしての慣性センサであるものとする。センサ12は、第2の移動量算出用のセンサとしてのイメージセンサであるものとする。センサ13は、第3の移動量算出用のセンサとしての距離センサであるものとする。なお、情報処理装置10は、他の移動量算出用のセンサとして、地磁気、Wi-Fi(登録商標)、BLE、あるいは、画像などの移動量を算出可能なセンサ情報を取得するセンサに接続するようにしても良い。
【0012】
慣性センサ11は、移動体1の動きを示す慣性情報を取得する。慣性センサ11は、加速度センサあるいはジャイロセンサなどである。また、慣性センサ11は、複数のセンサを組み合わせたものであっても良い。慣性センサ11は、移動量を示すセンサ情報として、移動体1に移動に伴って生じる角速度などの慣性情報を出力する。
【0013】
イメージセンサ12は、床面の情報を画像情報として取得する。イメージセンサ12は、移動体1の床面に対向する位置に画像センサを設ける。イメージセンサ12は、画像センサによって取得する複数の画素情報から構成される画像情報を取得する。イメージセンサ12は、移動量を示すセンサ情報として、移動体1に移動に伴って変化する画像情報を出力する。
【0014】
距離センサ13は、移動体1と測定方向(検知方向)にある物体(例えば、壁)との間の距離を取得する。距離センサ13は、移動量を示すセンサ情報として、移動体1に移動に伴って変化する距離情報を出力する。例えば、距離センサ13は、移動体1に設置したレーザ距離センサであり、移動体1における設置位置から壁(障害物)までの距離を計測する。また、距離センサ13は、レーザ以外に、超音波、画像などを用いて距離を測定するものであっても良い。また、距離センサ13は、接触式の距離センサであっても良い。なお、移動体1には、複数の方向に対する距離を測定するために複数の方向に向けて複数の距離センサ13を設置しても良い。
【0015】
また、情報処理装置10は、基準位置送信装置2が出力する基準位置情報を受信する基準位置受信部23(図3参照)を有する。情報処理装置10は、基準位置受信部23が受信する基準位置送信装置2からの基準位置情報に基づいて基準位置を特定する。情報処理装置10は、基準位置を元に、各センサ11~13のセンサ情報から算出する移動量などから移動体1の位置を特定する。
【0016】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10における制御系の構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係る情報処理装置10における制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示す構成例において、情報処理装置10は、制御部21、データメモリ22、基準位置受信部23およびインターフェース群24を有する。制御部21は、プロセッサ31、ROM32およびRAM33を備える。また、インターフェース群24は、インターフェース24a~24cを含む。
【0017】
プロセッサ31は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ31は、システムバスを介して情報処理装置10内の各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0018】
ROM(Read Only Memory)32は、情報処理装置10の基本的な動作を実現するためのプログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM(Random Access Memory)33は、データを一時的に記憶するメモリである。RAMは、プロセッサがプログラムを実行する場合にワーキングメモリとして機能する。
制御部21は、プロセッサ31がROM32およびRAM33と協働して情報処理装置10における各部の制御およびデータ処理などの動作を実行するものである。制御部21において、プロセッサ31は、RAM33を使用して、ROM32又はデータメモリ22が記憶するプログラムを実行することにより後述する各種の処理を実現する。
【0019】
データメモリ22は、各種のデータを記憶する記憶部である。データメモリ22は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。例えば、データメモリ22は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種の設定情報などを記憶する。また、データメモリ22は、後述する処理によって算出する移動体1の位置を示す位置情報などの情報も記憶する。
【0020】
基準位置受信部23は、基準位置送信装置2が送信する基準位置情報を受信する通信インターフェースである。制御部21は、基準位置受信部23が基準位置送信装置2からの基準位置情報を受信することにより移動体1の位置が基準位置にあることを特定する。例えば、基準位置受信部23は、基準位置送信装置2が送信する基準位置情報を所定の基準位置で受信するように構成する。
【0021】
インターフェース群24は、各センサ11~13と通信接続するための複数のインターフェース24a~24cを含む。各インターフェース24a~24cは、無線通信によって各センサ11~13と通信接続するものであっても良いし、通信ケーブル等を介して各センサに接続されるものであっても良い。また、インターフェース24a~24cは、1つのインターフェースが複数のセンサと通信接続するようにしても良い。
【0022】
図3に示す構成例において、インターフェース(第2のインターフェース)24aは、慣性センサ11に接続する。インターフェース24aは、慣性センサ11が取得するセンサ情報としての慣性情報又は慣性情報から算出された移動量を示す情報を取得する。インターフェース(第2のインターフェース)24bは、イメージセンサ12に接続する。インターフェース24bは、イメージセンサ12が取得するセンサ情報としての画像情報又は画像情報から算出された移動量を示す情報を取得する。インターフェース(第2のインターフェース)24cは、距離センサ13に接続する。インターフェース24cは、距離センサ13が取得するセンサ情報としての距離情報又は距離情報から算出された移動量を示す情報を取得する。
【0023】
外部通信部25は、外部装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、外部通信部25は、制御部21が算出した移動体1の位置情報などの情報を無線通信よって外部装置へ送信する。外部通信部25は、有線で通信するものであっても良い。例えば、外部通信部25は、ローカル接続する外部装置へデータメモリ34に記憶した位置情報を出力するインターフェースであっても良い。なお、外部通信部25は、何れかのインターフェース24a~24cと共通化しても良い。
【0024】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10に接続する各センサ11~13の構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係る情報処理装置10に接続する慣性センサ11の構成例を示すブロック図である。
図4に示す構成例において、慣性センサ11は、制御部41、慣性情報取得部(センサ)42およびインターフェース43を有する。
制御部41は、各部の制御およびデータ処理などを行う。制御部41は、プロセッサ、ROMおよびRAMなどを備える。制御部41は、プロセッサがROMおよびRAMと協働して動作する。
【0025】
慣性情報取得部(センサ)42は、センサ情報としての慣性情報を検知(取得)するセンサ情報取得部である。慣性情報取得部42は、例えば、角速度を検知するセンサ(ジャイロセンサ)又は加速度を検知するセンサ(加速度センサ)などのセンサ部で構成する。慣性情報取得部42は、ジャイロセンサと加速度センサとを含むものであって良い。
【0026】
インターフェース43は、情報処理装置10と通信するための第1のインターフェースである。インターフェース43は、センサ42が取得したセンサ情報を含む情報を情報処理装置10へ送信する。インターフェース43は、情報処理装置10が備えるインターフェース24aの通信方式に対応するものであれば良い。
【0027】
制御部41において、プロセッサは、ROMなどのメモリが記憶するプログラムを実行することによりセンサ42が検知する慣性情報を含むセンサ情報をインターフェース43を介して情報処理装置10へ出力する。また、制御部41は、センサ42が検知する慣性情報から移動量を算出し、算出した移動量を示す情報をインターフェース43を介して情報処理装置10へ出力するようにしても良い。
【0028】
図5は、第1実施形態に係る情報処理装置10に接続するイメージセンサ12の構成例を示すブロック図である。
図5に示す構成例において、イメージセンサ12は、制御部51、イメージ情報取得部(センサ)52およびインターフェース53を有する。
制御部51は、イメージセンサ12内の各部の制御およびデータ処理などを行う。制御部51は、プロセッサ、ROMおよびRAMなどを備え、プロセッサがROMおよびRAMと協働して動作する。
【0029】
イメージ情報取得部(センサ)52は、センサ情報としての画像(イメージ)情報を検知(取得)するセンサ情報取得部である。イメージ情報取得部52は、光学的に画素情報を取得するイメージセンサなどのセンサ部で構成する。図1に示すような設置形態において、イメージ情報取得部52は、移動体1に対向する床面を焦点位置として床面の画像情報を取得する。
【0030】
インターフェース53は、情報処理装置10と通信するための第1のインターフェースである。インターフェース53は、センサ52が取得したセンサ情報を含む情報を情報処理装置10へ送信する。インターフェース53は、情報処理装置10が備えるインターフェース24bの通信方式に対応するものであれば良い。
【0031】
制御部51において、プロセッサは、ROMなどのメモリが記憶するプログラムを実行することによりセンサ52が検知する画像情報を含むセンサ情報をインターフェース53を介して情報処理装置10へ出力する。また、制御部51は、センサ52が検知する画像情報の変化から移動量を算出し、算出した移動量を示す情報をインターフェース53を介して情報処理装置10へ出力するようにしても良い。
【0032】
図6は、第1実施形態に係る情報処理装置10に接続する距離センサ13の構成例を示すブロック図である。
図6に示す構成例において、距離センサ13は、制御部61、距離情報取得部(センサ)62およびインターフェース63を有する。
制御部61は、距離センサ13内の各部の制御およびデータ処理などを行う。制御部61は、プロセッサ、ROMおよびRAMなどを備え、プロセッサがROMおよびRAMと協働して動作する。
【0033】
距離情報取得部(センサ)62は、センサ情報としての距離情報を検知(取得)するセンサ情報取得部である。距離情報取得部62は、物体までの距離を検知するセンサで構成する。距離情報取得部62は、例えば、光学、電波、あるいは、超音波などを用いて距離を計測するセンサである。図1に示すような設置形態において、移動体1に設置された距離センサ13の距離情報取得部62は、自身から壁までの距離を示すセンサ情報を出力する。ただし、距離情報取得部62と壁との間に人物などの物体が存在する場合、距離情報取得部62は、物体までの距離を示すセンサ情報を出力する。
【0034】
インターフェース63は、情報処理装置10と通信するための第1のインターフェースである。インターフェース63は、センサ62が取得したセンサ情報を含む情報を情報処理装置10へ送信する。インターフェース63は、情報処理装置10が備えるインターフェース24cの通信方式に対応するものであれば良い。
【0035】
制御部61において、プロセッサは、ROMなどのメモリが記憶するプログラムを実行することによりセンサ62が検知する距離情報を含むセンサ情報をインターフェース63を介して情報処理装置10へ出力する。また、制御部61は、センサ62が検知する距離情報の変化から移動量を算出し、算出した移動量を示す情報をインターフェース63を介して情報処理装置10へ出力するようにしても良い。
【0036】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10に対して基準位置情報を送信する基準位置送信装置2の構成について説明する。
図7は、第1実施形態に係る情報処理装置10に接続する基準位置送信装置2の構成例を示すブロック図である。
図7に示す構成例において、基準位置送信装置2は、制御部71、記憶部72および通信部73を有する。
制御部71は、各部の制御およびデータ処理などを行う。制御部71は、プロセッサ、ROMおよびRAMなどを備える。制御部71は、プロセッサがROMおよびRAMと協働して動作する。
【0037】
記憶部72は、プログラムや設定情報などを記憶する。例えば、記憶部72は、基準位置情報として通信部73が送信する情報を記憶する。通信部73は、基準位置情報を送信する。通信部73は、所定の基準位置において受信器が基準位置情報を受信するように基準位置情報を送信する。制御部71は、記憶部72に記憶した基準位置情報を通信部73から送信する。
【0038】
次に、慣性センサ11が取得するセンサ情報から移動量を算出する算出方法について説明する。
慣性センサ11は、移動量の検出対象とする移動体(車両)1に搭載される。慣性センサ11は、取得する角速度を含む慣性情報を情報処理装置10へ供給する。情報処理装置10は、慣性センサ11が取得したセンサ情報としての慣性情報から移動体1の移動量を算出(推定)する。
【0039】
情報処理装置10の制御部21は、インターフェース24aを介して慣性センサ11が検出した角速度を示す角速度情報を慣性情報(センサ情報)として取得する。情報処理装置10の制御部21は、角速度情報が示す角速度に対してオフセットの補正を行って積分することにより、移動体1の方向を算出する。また、情報処理装置10は、所定の関数を用いて慣性センサ11が取得する角速度情報(慣性情報)から慣性センサ11を設置した移動体1の移動速度を算出する。
【0040】
例えば、角速度情報は、床面と平行の軸の角速度センサ(図8に示すx、y軸を参照)から取得した値の指定した時間(例えば1秒)の標準偏差を用いる。軸の指定に関しては、移動体(車両)1に対して設置方向を規定しても良いし、床面に対する傾きを検出するセンサを併用して軸を特定(推定)しても良い。なお、移動速度の算出に使用する情報として、角速度センサの代わりに加速度センサを用いて、加速度情報を使用してもよい。
【0041】
以下の式(1)は、慣性センサ11が取得する慣性情報としての角速度情報から移動体1の速度を算出する関数の例である。式(1)において、vは速度とし、a1およびa2は関数情報として与える係数とし、gは角速度情報を表すものとする。
v=a1×g+a2…(1)
情報処理装置10の制御部21は、式(1)によって慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動速度と方向とにより移動体1のxy平面(床面)上での移動量を算出することができる。
【0042】
なお、上述したような慣性センサ11が取得するセンサ情報から算出する移動量は、慣性センサ11の制御部51が算出するようにしても良い。この場合、情報処理装置10は、慣性センサ11から慣性情報に基づく移動量を示す情報を取得する。これにより、情報処理装置10は、慣性情報から移動量を算出するための計算処理を省略することができ、処理量を削減することができる。
【0043】
次に、イメージセンサ12が検知するセンサ情報から移動量を算出する算出方法について説明する。
イメージセンサ12は、移動量の検出対象とする移動体(車両)1に搭載される。イメージセンサ12は、取得するセンサ情報としての画像情報を情報処理装置10へ供給する。情報処理装置10の制御部21は、イメージセンサ12が取得するセンサ情報としての画像情報から移動体1の移動量を算出(推定)する。
【0044】
イメージセンサ12は、移動体1に設置され、移動体1が対向する床面の画像情報を取得する。移動体1が移動すると、イメージセンサ12が画像情報として読み取る床面の位置が移動する。情報処理装置10は、イメージセンサ12が時系列で取得する床面のイメージ情報に対して、画素の濃淡変化からxy平面(床面)上における移動体1の移動量を算出(推定)する。
【0045】
イメージセンサ12が取得する画像情報の変化から移動量を推定する手法としては、例えば、Lucas-Kanade法がある。Lucas-Kanade法は、ある1点の画素とその近傍の画素に注目して移動量を算出する方法である。Lucas-Kanade法を適用すれば、情報処理装置10は、イメージセンサ12が時系列で取得する画像情報に含まれる各画素の変化からイメージセンサ12を設けた移動体1の移動量を算出(推定)できる。
【0046】
なお、イメージセンサ12が取得するセンサ情報から算出する移動量は、イメージセンサ12の制御部61が算出するようにしても良い。この場合、情報処理装置10は、イメージセンサ12から画像情報に基づく移動量を示す情報を取得する。これにより、情報処理装置10は、画像情報から移動量を算出するための計算処理を省略することができ、処理量を削減することができる。
【0047】
次に、距離センサ13が検知するセンサ情報から移動量を算出する算出方法について説明する。
距離センサ13は、移動量の検出対象とする移動体(車両)1に搭載される。距離センサ13は、取得するセンサ情報としての距離情報を情報処理装置10へ供給する。情報処理装置10は、距離センサ13が取得するセンサ情報としての距離情報から移動体1の移動量を算出(推定)する。
【0048】
距離センサ13は、移動体1において所定の検知方向に向けて設置される。距離センサ13は、所定の検知方向において物体までの距離を示す距離情報を取得する。例えば、壁に囲まれた屋内を移動する移動体1において、距離センサ13は、検知方向がxy平面(床面)に並行となるように設置する。この場合、距離センサ13は、検知方向において壁までの間に人物などの物体が存在しなければ、距離センサ13から壁までの距離を示す距離情報を取得する。
【0049】
距離センサ13が取得する距離情報から移動量を算出(推定)する手法としては、例えば、距離センサ13が取得する距離情報が示す距離の時間変化から移動量を算出する方法がある。距離センサ13は、距離を計測する方向(検知方向)に存在する対象物までの距離を示す情報を取得する。移動体1に設置した距離センサ13は、移動体1の移動に伴って変化する距離を示す情報を時間とともに取得する。
【0050】
このため、情報処理装置10は、移動体1に設置した距離センサ13が取得した距離を時間で割ることで時間あたりの移動量を算出することができる。また、距離センサ13を移動体1としての車両の前方向(図12に示すx軸)に向けて設置することで情報処理装置10は、移動体1の前後方向における移動量を算出できる。また、距離センサ13を移動体1としての車両の横方向(図12に示すy軸)に向けて設置することで、情報処理装置10は、移動体1の左右方向における移動量を算出できる。複数方向における移動量を検出するために、移動体1には、複数方向に向けて複数の距離センサ13を設けるようにしても良い。
【0051】
なお、距離センサ13が取得するセンサ情報から算出する移動量は、距離センサ13の制御部71が算出するようにしても良い。この場合、情報処理装置10は、距離センサ13から距離情報に基づく移動量を示す情報を取得する。これにより、情報処理装置10は、距離情報から移動量を算出するための計算処理を省略することができ、処理量を削減することができる。
【0052】
次に、各センサ11~13が取得するセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度について説明する。
情報処理装置10は、個々のセンサごとにセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を算出する。情報処理装置10は、センサ情報から算出した移動量に対する信頼度を算出する。本実施形態において、センサ情報から算出した移動量に対する信頼度は、0~1の値であるものとする。例えば、情報処理装置10は、センサ情報から算出した移動量が信頼できる値である場合には信頼度を「1」とし、センサ情報から算出した移動量が信頼できない場合には信頼度を「0」とする。
【0053】
まず、慣性センサ11が取得するセンサ情報としての慣性情報から算出する移動量に対する信頼度について説明する。
情報処理装置10は、時系列で慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量が突発的に大きく変動した場合に移動量に対する信頼度を低くする。例えば、情報処理装置10は、所定のタイミングで慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量の変動量に対する閾値をデータメモリ22に記憶する。慣性情報から算出する移動量の変動量に対する閾値としては、対象となる移動体1としての車両が通常状態の床面を移動する場合には発生しない変化量を設定する。
【0054】
情報処理装置10は、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量の変化量と閾値とを比較する。情報処理装置10は、変化量が閾値以下であれば信頼度を高く(例えば、信頼度を「1」とする)し、変化量が閾値より大きい場合には信頼度を低くする。信頼度を低くする方法としては、閾値を超えた場合に0としても良いし、閾値を超えた量に応じて0に近づくように徐々に減少させても良い。
【0055】
次に、移動体1に設けた慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量に対する信頼度の例について説明する。
図8は、移動体1としての車両が移動する床面に例を模式的に示す図である。
図8に示す例においては、移動体1としての車両が走行する床面に非定常的な凹凸Aが存在する。移動体1は、床面を走行する車両であるため、図8に示すような凹凸Aの上を走行する場合には非定常な動きとなる。
【0056】
すなわち、慣性センサ11は、図8に示すような非定常の凹凸がない通常の平坦な床面を移動体1が走行する場合、移動体1の定常的な動きを示す慣性情報を取得する。この結果、非定常の凹凸がない床面を走行する間、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量は定常的な変化量となる。例えば、通常の平坦な床面上を移動体1が一定速度又は一定の加速度で走行している場合、移動体1は一定の挙動となる。移動体1の挙動が一定であれば、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量の変化量は突発的に大きく変動することがない。従って、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量は、変化量が突発的に大きくならなければ、信頼性が高いと考えられる。
【0057】
これに対して、移動体1が床面に存在する非定常な凹凸Aの上を走行する場合、慣性センサ11は、移動体1の不規則な非定常的な動きを示す慣性情報を取得する。この結果、凹凸Aがある床面を走行する場合、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量は非定常的な変化量となる。例えば、一定速度で走行している移動体1が非定常な凹凸Aの上を走行する場合、移動体1は、突発的に不規則な挙動となる。移動体1が突発的に生じる不規則な挙動となると、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量の変化量が突発的に大きく変動する。従って、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量は、変化量が突発的に大きくなった場合には信頼性が低いと考えられる。
【0058】
ここで、移動体1が非定常の凹凸などがない床面を走行する場合に慣性センサ11が取得し得る慣性情報の変動を想定して、慣性情報から算出する移動量の変化量に対する閾値を設定するものとする。慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量については、変化量が閾値以下であれば信頼性を高くする(例えば、信頼度を1とする)。また、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量については、変化量が閾値を超えれば信頼性を低くする(例えば、信頼度を0とする)。
【0059】
図9は、図8に示すような非定常な凹凸Aを存在する床面を移動体1が走行した場合に慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量に対する信頼度の例を示す。
図9に示す例において、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量は、変化量が閾値以下であれば信頼性を「1」とし、変化量が閾値を超えれば信頼性を「0」としている。
【0060】
また、図9に示す例では、移動体1は、時間Taにおいて移動体1が床面に存在する非定常な凹凸Aを走行したものとする。移動体1が凹凸Aの上を走行する時間Taでは、慣性センサ11が取得する慣性情報が突発的に大きく変動する。このため、時間Taにおいて慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量の変化量が所定の閾値よりも大きくなる。移動量の変化量が閾値を超える時間Taでは、図9に示すように、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量に対する信頼度が「0」となる。
【0061】
また、時間Ta以外の期間では、慣性センサ11が取得する慣性情報は定常的な変動に留まる。このため、時間Ta以外の期間においては、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量の変化量が所定の閾値以下となり、図9に示すように、移動量に対する信頼度が「1」となる。
【0062】
次に、移動体1に設けたイメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量に対する信頼度について説明する。
図10は、イメージセンサ12を設けた移動体1としての車両が移動する床面を含む空間の例を模式的に示す図である。
図10に示す例において、移動体1が走行する床面を含む空間にはイメージセンサ12が床面における画素の濃度を読取難い領域Bが存在するものとする。ここで、領域Bは、例えば、イメージセンサ12が床面の画素の濃度を正確に取得できない暗所であるものとする。また、イメージセンサ12によっては、明るい場所についても床面における画素の濃度を正確に取得できない領域Bとなり得るものする。
【0063】
イメージセンサ12は、移動体1が画素の濃度を正確に読み取れる領域(領域B以外の領域)を走行する場合、移動体1の動きに応じて変化する床面における各画素の濃度情報を含む画像情報を取得する。この結果、移動体1が領域B以外の領域を走行する間、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量は定常的な変化量となる。例えば、移動体1が領域B以外の領域を走行する場合、イメージセンサ12が取得する画像情報は、床面における各画素の濃度を正常に読み取れる。このため、移動体1が領域B以外の領域を一定速度又は一定の加速度で走行している間、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量の変化量は大きく変動しない。従って、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量の変化量は、突発的に大きくならなければ信頼性が高いと考えられる。
【0064】
これに対して、移動体1が領域Bを走行する場合、イメージセンサ12は、移動体1の下にある床面(イメージ取得部(センサ)52の読取位置)における各画素の濃度が正常に読み取れなくなる。この結果、移動体1が領域Bを走行する場合、イメージセンサ12が取得する画像情報からは、正確な移動量が算出できなくなる。例えば、領域Bにおいて床面の各画素の濃度変化が得られない場合、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量は0となることもあり得る。このような場合、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量は、突発的に0となったり、変化量が突発的に大きく変動したりする。従って、イメージセンサ12が取得するイメージ情報から算出する移動量は、変化量が急激に大きくなったり突発的に0になったりした場合には信頼性が低いと考えられる。
【0065】
ここで、イメージセンサ12が画素の濃度を正常に読み取れない領域を移動体1が走行する場合に起き得る画像情報の変動に応じて、画像情報から算出する移動量の変化量に対する閾値を設定する。イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量は、変化量が閾値以下であれば信頼性が高くする(例えば、信頼度を1とする)。また、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量は、変化量が閾値を超えれば信頼性を低くする(例えば、信頼度を0とする)。ただし、イメージセンサ12は徐々に画素の濃度変化が読み取り難くなることもあるため、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量に対する信頼度は、移動量の変化量が閾値を超えた後、徐々に0になるようにしても良い。
【0066】
図11は、図10に示すような領域Bを含む領域を移動体1が走行した場合にイメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量に対する信頼度の例を示す。
図11に示す例では、時間Tbにおいて移動体1が領域Bを走行したものとする。移動体1が領域B以外から領域Bへ走行する場合、イメージセンサ12が取得する画像情報にける各画素の濃度が突発的に大きく変動する。このため、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量の変化量が所定の閾値よりも大きくなる。また、移動体1が領域B内を移動中はイメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量が0となるものとすると、移動量の変化量が閾値よりも大きくなってから移動量が0となる時間Tbの期間において、移動量に対する信頼度は小さくする。
【0067】
図11に示す例において、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量に対する信頼度は、時間Tbの期間において「0」とし、時間Tb以外の期間において「1」とする。なお、移動量の変化量が所定の閾値よりも大きくなった時間Tbにおいて、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量に対する信頼度は徐々に0となるようにしても良い。
【0068】
次に、移動体1に設けた距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量に対する信頼度について説明する。
図12は、移動体1としての車両に設けた距離センサ13が距離を計測(検知)する方向(検知方向)において人物などの障害物Cが現れた状況を模式的に示す図である。
距離センサ13は、図12に示す検知方向に障害物Cがない状態において、移動体1における当該距離センサ13の設置位置から壁までの距離を示すセンサ情報を継続的に取得する。これに対して、図12に示すような検知方向に障害物Cが現れた場合、距離センサ13は、移動体1における当該距離センサ13の設置位置から障害物Cまでの距離を示すセンサ情報を取得する。
【0069】
特定の壁までの距離を検知していた距離センサ13は、検知方向に障害物Cが現れたときに検知する距離が障害物Cまでの距離に切り替わる。この結果、距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量は、距離センサ13の検知方向に障害物Cが現れたときに突発的に変化する。逆に言えば、距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量が急に大きく変化した場合、距離センサ13が距離を計測する対象とする対象物が別の物に変化した可能性が高い。従って、距離センサ13が取得するイメージ情報から算出する移動量は、変化量が急激に大きくなった場合には信頼性が低いと考えられる。
【0070】
ここで、距離センサ13が距離を計測する対象物が切り替わった場合に起き得る距離情報の変動に応じて、距離情報から算出する移動量の変化量に対する閾値を設定する。距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量については、変化量が閾値以下であれば信頼性を高くする(例えば、信頼度を「1」とする)。また、距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量については、変化量が閾値を超えれば信頼性を低くする(例えば、信頼度を「0」とする)。
【0071】
図13は、図12に示すように移動体1が走行中に距離センサ13の検知方向に障害物Cが現れた場合に距離情報から算出される移動量に対する信頼度の例を示す。
図13に示す例では、時間Tcにおいて距離センサ13の検知方向に障害物Cが現れたものとする。検知方向に障害物Cが現れた場合、距離センサ13が取得する距離情報を示す距離が突発的に大きく変動する。このため、距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量の変化量が所定の閾値よりも大きくなる。図13に示す例において、距離センサ13が取得する距離情報から算出する移動量に対する信頼度は、時間Tcの区間において「0」とし、時間Tc以外の期間において「1」としている。
【0072】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10が複数のセンサ11~13が取得したセンサ情報に基づいて移動体1の位置を測位する処理について説明する。
まず、第1実施形態に係る情報処理装置10が移動体1の位置を測位する処理の第1の動作例について説明する。
図14は、第1実施形態に係る情報処理装置10が移動体1の位置を測位する処理の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
情報処理装置10の制御部21は、各インターフェース24a~24cを介して複数のセンサ11~13からそれぞれセンサ情報を取得する(ST11)。制御部21は、移動体1の移動量を算出する所定のタイミングで各センサ11、12、13が取得するセンサ情報を取得する。例えば、制御部21は、所定の周期で、各センサ11、12、13が取得するセンサ情報を取得する。
【0073】
制御部21は、複数のセンサ11、12、13からセンサ情報を取得すると、個々のセンサ11、12、13ごとに各センサ11、12、13が取得したセンサ情報から移動体1の移動量を算出(推定)する(ST12)。制御部21は、センサ11、12、13ごとに算出した移動量を時系列でRAM33又はデータメモリ22に保持する。
【0074】
例えば、情報処理装置10の制御部21は、所定のタイミングで慣性センサ11が取得した慣性情報をインターフェース24aによって取得する。制御部21は、慣性センサ11が取得した慣性情報に基づいて移動体1の移動量(第1の移動量)を算出する。制御部21は、慣性センサ11が取得した慣性情報から算出した移動体1の移動量(第1の移動量)をRAM33に保持する。
【0075】
また、情報処理装置10の制御部21は、所定のタイミングでイメージセンサ12が取得した画像情報をインターフェース24bによって取得する。制御部21は、イメージセンサ12が取得した画像情報に基づいて移動体1の移動量(第2の移動量)を算出する。制御部21は、イメージセンサ12が取得したイメージ情報から算出した移動体1の移動量(第2の移動量)をRAM33に保持する。
【0076】
また、情報処理装置10の制御部21は、所定のタイミングで距離センサ13が取得した距離情報をインターフェース24cによって取得する。制御部21は、距離センサ13が取得した距離情報に基づいて移動体1の移動量(第3の移動量)を算出する。制御部21は、距離センサ13が取得した距離情報から算出した移動体1の移動量(第3の移動量)をRAM33に保持する。
【0077】
各センサ11、12、13のセンサ情報から移動量を算出すると、制御部21は、個々のセンサ11、12、13ごとにセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を算出(推定)する(ST13)。制御部21は、センサ11、12、13ごとに算出した移動量に対する信頼度をRAM33又はデータメモリ22に保持する。
【0078】
例えば、制御部21は、慣性センサ11が取得した慣性情報から算出した移動量と直前に算出した移動量との変化量(第1の変化量)を算出する。制御部21は、算出した第1の変化量(時間差で算出した移動量の変化量)が第1の変化量に対する所定の閾値(第1の閾値)を超えたか否かを判断する。制御部21は、第1の変化量が第1の閾値以下である場合、慣性センサ11が取得した慣性情報から算出した移動量に対する信頼度を1とする。また、第1の変化量が第1の閾値を超える場合、制御部21は、慣性センサ11が取得した慣性情報から算出した移動量に対する信頼度を0とする。
【0079】
なお、信頼度は、「1」又は「0」の何れかとするものに限定されず、1~0の値をとるものとしても良い。例えば、制御部21は、第1の変化量が第1の閾値を超えた場合、変化量と閾値との差分に応じて信頼度を算出するようにしても良い。この場合、慣性情報から算出した移動量に対する信頼度は、第1の変化量から第1の閾値を引いた値が大きくなればなるほど、0に近づくようにしても良い。
【0080】
また、制御部21は、イメージセンサ12が取得した画像情報から算出した移動量と直前に算出した移動量との変化量(第2の変化量)を算出する。制御部21は、算出した第2の変化量(時間差で算出した移動量の変化量)が第2の変化量に対応する所定の閾値(第2の閾値)を超えたか否かを判断する。制御部21は、第2の変化量が第2の閾値以下である場合、イメージセンサ12が取得した画像情報から算出した移動量に対する信頼度を1とする。制御部21は、第2の変化量が第2の閾値を超える場合、イメージセンサ12が取得した画像情報から算出した移動量に対する信頼度を0とする。
【0081】
なお、イメージセンサ12が取得した画像情報から算出した移動量に対する信頼度は、「1」又は「0」の何れかとするものに限定されず、1~0の値をとるものとしても良い。例えば、制御部21は、第2の変化量が第2の閾値を超えた場合、変化量と閾値との差分に応じて信頼度を算出するようにしても良い。この場合、画像情報から算出した移動量に対する信頼度は、第2の変化量から第2の閾値を引いた値が大きくなければなるほど、0に近づくようにしても良い。
【0082】
また、制御部21は、距離センサ13が取得した距離情報から算出した移動量と直前に算出した移動量との変化量(第3の変化量)を算出する。制御部21は、算出した第3の変化量(時間差で算出した移動量の変化量)が第3の変化量に対応する所定の閾値(第3の閾値)を超えたか否かを判断する。制御部21は、第3の変化量が第3の閾値以下である場合、距離センサ13が取得した距離情報から算出した移動量に対する信頼度を1とする。第3の変化量が第3の閾値を超える場合、制御部21は、距離センサ13が取得した距離情報から算出した移動量に対する信頼度を0とする。
【0083】
なお、距離センサ13が取得した距離情報から算出した移動量に対する信頼度は、「1」又は「0」の何れかとするものに限定されず、1~0の値をとるものとしても良い。例えば、制御部21は、第3の変化量が第3の閾値を超えた場合、変化量と閾値との差分に応じて信頼度を算出するようにしても良い。この場合、距離情報から算出した移動量に対する信頼度は、第3の変化量から第3の閾値を引いた値が大きくなければなるほど0に近づくようにしても良い。
【0084】
各センサ11、12、13のセンサ情報から算出した移動量と信頼度とを算出すると、制御部21は、それらの移動量と信頼度とに基づいて移動体1の移動量を算出する(ST14)。例えば、制御部21は、各センサのセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を重みとして、各センサのセンサ情報から算出した移動量を統合することにより移動体1の移動量を算出する。
【0085】
慣性センサ11が取得した慣性情報から算出した第1の移動量(xy平面(床面)における移動量)を(Δx1,Δy1)とし、第1の移動量に対する信頼度をR1とする。イメージセンサ12が取得した画像情報から算出した第2の移動量(xy平面(床面)における移動量)を(Δx2,Δy2)とし、第2の移動量に対する信頼度をR2とする。また、距離センサ13が取得した画像情報から算出した第3の移動量(xy平面(床面)における移動量)を(Δx3,Δy3)とし、第3の移動量に対する信頼度をR3とする。この場合、移動体1の移動量(Δx,Δy)は、例えば、以下に示す式(2)および式(3)を用いて算出するようにしても良い。
【0086】
【数1】
【0087】
【数2】
【0088】
複数のセンサ情報から算出した移動量と信頼度とに基づいて移動体1の移動量を算出すると、制御部21は、算出した移動量から移動体1の位置(各センサがセンサ情報を取得した時点での位置)を特定する(ST15)。移動体1の位置を特定すると、制御部21は、RAM33又はデータメモリ22に移動体1の位置を示す位置情報を記憶する(ST16)。例えば、RAM33又はデータメモリ22には、各センサがセンサ情報を取得した時間とともに算出した移動量から特定した位置を示す位置情報を記憶する。
【0089】
例えば、制御部21は、RAM33又はデータメモリ22が記憶している位置情報を算出した移動量に応じて更新する。つまり、移動体1の移動量を算出したとき、RAM33又はデータメモリ22には直前に特定した位置を示す位置情報が記憶されている。制御部21は、移動体1の移動量を算出するごとに、RAM33又はデータメモリ22が記憶する位置情報を算出した移動量で更新する。これにより、RAM33又はデータメモリ22には、各センサがセンサ情報を取得した時間と算出した移動量から特定した位置とを示す位置情報が記憶されることとなる。
【0090】
また、制御部21は、基準位置受信部23が基準位置送信装置2から受信する基準位置情報に基づいて移動体1の位置を特定する機能を有する。基準位置受信部23が基準位置情報を受信した場合(ST17、YES)、制御部21は、受信した基準位置情報から移動体1の位置を特定する(ST18)。移動体1の位置を特定すると、制御部21は、RAM33又はデータメモリ22が記憶する現在位置を示す位置情報を基準位置情報から特定した基準位置によって更新する(ST19)。
これにより、情報処理装置10は、基準位置送信装置2が送信する基準位置情報によって移動体1の位置を示す位置情報を更新することができる。この結果、情報処理装置10は、基準位置を起点として算出した移動体1の移動量から移動体1の位置を特定でき、移動体1の位置を高精度で特定することができるものとなる。
【0091】
上述したように、第1の動作例によれば、第1実施形態に係る情報処理装置は、移動体に設けた特性の異なる複数のセンサが取得する各種のセンサ情報からそれぞれ移動量とその移動量に対する信頼度を算出する。情報処理装置は、センサごとに算出した移動量とその移動量に対する信頼度とを統合して移動体の移動量および移動体の位置を測位する。
【0092】
これにより、実施形態に係る情報処理装置は、各センサがそれぞれの特性によって生じる誤差を低減して精度良く移動体の位置を測位できる。この結果、移動体が移動する床面の状態の変化、移動経路における明るさの変化、あるいは、突発的に出現する障害物などによる影響を低減しながら移動体の移動量および移動量に基づく位置を高精度に特定することが可能となる。
【0093】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10が移動体1の移動量を特定する処理の第2の動作例について説明する。
図15は、第1実施形態に係る情報処理装置10が移動体1の移動量を特定する処理の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
第2の動作例では、上述した第1の動作例に対し、初期信頼度を制御部21内のRAM33又はデータメモリ22に記憶する動作を追加したものである。初期信頼度は、予め設定した正解値と既知の移動経路を移動して算出した移動量の推定量との誤差から算出し、制御部21内のRAM33又はデータメモリ22に記憶するものである。
【0094】
すなわち、第2の動作例において、制御部21は、まず、初期信頼度を算出するための評価用の誤差を取得する(ST201)。例えば、制御部21は、所定の移動経路を移動した場合における予め設定した正解値と当該所定の移動経路を実際に移動体1が移動した場合に各センサが取得するセンサ情報から算出した移動量(推定量)との誤差として評価用の誤差を算出する。
【0095】
評価用の誤差を取得すると、制御部21は、評価用の誤差を用いて初期信頼度を算出する(ST202)。制御部21は、評価用の誤差を用いて算出した初期信頼度をRAM33又はデータメモリ22に記憶する。ここで、初期信頼度は、移動体1に設けた各センサ11、12、13が取得するセンサ情報から移動量を算出する場合に含まれる誤差を想定して設定される値である。
【0096】
例えば、初期信頼度は、各センサ情報から算出する移動量に対する信頼度を更新するための重み係数Wn(nは移動量算出用のセンサの数)として算出される。初期信頼度としての重み係数Wnを設定する場合、移動体1の移動量は、上述した式(2)及び式(3)を変形した、以下の式(4)および式(5)によって算出される。
【0097】
【数3】
【0098】
【数4】
【0099】
また、上述の式(4)および式(5)において、重み係数Wnは、上述した式(2)よび式(3)における信頼度Rnを更新する値であるとも言える。
すなわち、R´n=Rn×Wnとすれば、式(4)および式(5)は、以下の式(6)および式(7)に書き換えることができる。
【0100】
【数5】
【0101】
【数6】
【0102】
また、上述の式(4)および式(5)において、重み係数Wnは、式(8)に示すように、すべての重み係数W1+W2+…+Wnを合計すると1になる値であり、各センサに対応する評価用の誤差Enを用いて以下の式(9)および(10)を用いて算出される。
【0103】
【数7】
【0104】
【数8】
【0105】
【数9】
【0106】
上記のような初期信頼度を算出すると、制御部21は、第1の動作例と同様に、ST11~13の処理を実行する。すなわち、制御部21は、各インターフェース24a~24cを介して複数のセンサ11~13からそれぞれセンサ情報を取得し(ST11)、取得した各センサ情報からそれぞれ移動体1の移動量を算出(推定)する(ST12)。各センサ11、12、13のセンサ情報から移動量を算出すると、制御部21は、個々のセンサ11、12、13ごとにセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を算出する(ST13)。
【0107】
各センサ11、12、13のセンサ情報から算出した移動量とそれらの移動量に対する信頼度とを算出すると、制御部21は、それらの移動量と信頼度とに初期信頼度を加味して総合的に移動体1の移動量を算出する(ST203)。すなわち、制御部21は、各センサのセンサ情報から算出した移動量とそれらの移動量に対する信頼度と初期信頼度とを用いて1つの移動体1の移動量を算出する。
【0108】
例えば、初期信頼度として重み係数を算出した場合、制御部21は、各センサのセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を初期信頼度としての重み係数によって更新し、各センサのセンサ情報から算出した移動量を統合することにより移動体1の移動量を算出する。上述したような重み係数を初期信頼度として算出した場合、制御部21は、上述の式(4)および式(5)(又は、式(6)および式(7))を用いて移動体1の移動量を算出する。
【0109】
複数のセンサ情報から算出した移動量と信頼度とを初期信頼度を加味して統合した1つの移動体1の移動量を算出すると、制御部21は、第1の動作例と同様に、ST15~19の処理を実行する。すなわち、制御部21は、算出した移動量から移動体1の位置(各センサがセンサ情報を取得した時点での位置)を特定し(ST15)、RAM33又はデータメモリ22に移動体1の位置を示す位置情報を記憶する(ST16)。
【0110】
また、制御部21は、基準位置受信部23が基準位置情報を受信した場合(ST17、YES)、受信した基準位置情報から移動体1の位置を特定し(ST18)、RAM33又はデータメモリ22が記憶する位置情報を基準位置情報から特定した基準位置によって更新する(ST19)。
以上の処理によって、情報処理装置10は、複数のセンサが取得するセンサ情報に基づく移動体1の位置情報を特定できる。
【0111】
上述したように、第2の動作例によれば、第1実施形態に係る情報処理装置は、移動体に設けた特性の異なる複数のセンサが取得する各種のセンサ情報から算出する移動量に対する評価用の誤差に応じて初期信頼度を設定する。情報処理装置は、個々のセンサごとに算出した移動量とその移動量に対する信頼度とを初期信頼度を加味して統合することにより移動体の移動量および移動体の位置を測位する。
【0112】
これにより、実施形態に係る情報処理装置は、移動体が所定経路を移動する場合に複数の各センサに生じる誤差を考慮しつつ、精度良く移動体の位置を測位できる。例えば、情報処理装置は、移動体が移動する床面の状態の変化、移動経路における明るさの変化、あるいは、突発的に出現する障害物などによる影響を低減しながら移動体の移動量および移動量に基づく位置を高精度に特定することが可能となる。
【0113】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10が移動体1の位置を測位する処理の第3の動作例について説明する。
図16は、第1実施形態に係る情報処理装置10が移動体1の位置を測位する処理の第3の動作例を説明するためのフローチャートである。
第3の動作例は、上述した第1の動作例又は第2の動作例に対して、センサごとの信頼度を他のセンサが取得するセンサ情報との特性上の相関関係に基づいて補正する処理を追加した処理となる。第3の動作例では、他のセンサ情報を使用して信頼度を補正することによって、各センサに対応する信頼度を各センサの特性を考慮して精度良く算出することが可能となる。
【0114】
例えば、移動体1が方向転換した場合、距離センサ13による検知方向が変わるため、距離センサ13が距離を計測する対象物が変化することがあると考えられる。また、移動体1が方向転換した場合、慣性センサ11が取得する慣性情報としての角速度も、移動体1の方向転換に追従して大きくなると考えられる。従って、距離センサ13に対応する信頼度は、移動量の変化量の大きさに関わらず、慣性センサ11が取得する角速度が大きい場合に信頼度を低くする(例えば信頼度を0とする)ように補正する。
【0115】
イメージセンサ12は、画像情報が正常に取得できない状況ではセンサ情報から取得する移動量が0となることがある。このため、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量が0で、他のセンサが取得するセンサ情報から算出する移動量が所定値以上であれば、イメージセンサ12に対応する信頼度は低くする(例えば信頼度を0とする)ように補正する。
【0116】
図16に示す第3の動作例は、上述した第2の動作例に対して、各センサに対応する信頼度を他のセンサが取得するセンサ情報に基づいて補正する処理を追加した処理例を示している。
すなわち、情報処理装置10の制御部21は、上記第2の動作例と同様に、ST201~202およびST11~13の処理を実行する。制御部21は、ST13までの処理によってセンサ11、12、13ごとの移動量とそれぞれの移動量に対する信頼度を算出する。
【0117】
各センサ11、12、13のセンサ情報から算出した移動量に対する信頼度を算出すると、制御部21は、センサごとの信頼度について他のセンサが取得するセンサ情報との特性上の相関関係から信頼度を補正する(ST301)。各センサに対応する信頼度を他のセンサが取得するセンサ情報に基づいて補正する方法は、予め設定しておくものとする。上述した例によれば、慣性センサ11が取得する角速度が所定値よりも大きい場合、距離センサ13に対応する信頼度は低くする(例えば信頼度を0とする)ように補正する。また、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量が0で、他のセンサが取得するセンサ情報から算出する移動量が所定値以上であれば、イメージセンサ12に対応する信頼度は低くする(例えば信頼度を0とする)ように補正する。
【0118】
センサ11、12、13ごとの信頼度を他のセンサが取得するセンサ情報によって補正した後、制御部21は、第2の動作例で説明したST203およびST15~19の処理を実行する。
なお、上述したST301の処理は、図14に示す第1の動作例に追加して実施するようにしても良い。この場合、情報処理装置10は、図14に示すST13の処理の後に上述したST301の処理を実行することにより第3の動作例を実現することができる。
【0119】
上述したように、第3の動作例によれば、第1実施形態に係る情報処理装置は、移動体に設けた特性の異なる複数のセンサごとに移動量と信頼度とを算出し、各センサに対応する信頼度を他のセンサが取得したセンサ情報に基づいて補正する。情報処理装置は、センサごとに算出した移動量と他のセンサ情報によって補正した信頼度とを統合して移動体の移動量および移動体の位置を測位する。
【0120】
これにより、実施形態に係る情報処理装置は、各センサが取得するセンサ情報から算出する移動量に対する信頼度を他のセンサ情報によって補正することができ、精度(信頼性)の高い信頼度を用いて精度良く移動体の位置を測位できる。この結果、移動体が移動する床面の状態の変化、移動経路における明るさの変化、あるいは、突発的に出現する障害物などによる影響を低減しながら移動体の移動量および移動量に基づく位置を高精度に特定することが可能となる。
【0121】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る情報処理装置110、210を含む測位システム103、203について説明する。
図17は、第2実施形態の第1構成例としての情報処理装置110を含む測位システム103の構成例を示す図である。
第2実施形態の第1構成例としての情報処理装置110を含む測位システム103は、第1実施形態で説明した情報処理装置10を含む測位システム3に照度センサ14を追加したものである。測位システム103において、情報処理装置110および照度センサ14以外の各構成は、第1実施形態で説明した測位システム3と同様な構成で実現できるため、詳細な説明を省略する。
【0122】
測位システム103は、情報処理装置110と複数のセンサ11~13と照度センサ14とを含む。複数のセンサ11~13は、第1実施形態で説明したように、それぞれ異なる方式で移動量を算出するための情報(センサ情報)を取得するセンサである。情報処理装置110には、複数の移動量算出用のセンサ11~13と照度センサ14とがそれぞれ接続される。
【0123】
照度センサ14は、光の照度を示す照度情報を取得する。照度センサ14は、イメージセンサ12が画像情報を取得する箇所(床面)を含む領域における照度を示す照度情報を取得する。照度センサ14は、イメージセンサ12が取得する画像情報から算出する移動量に対する信頼度を更新(補正)するために用いる照度情報を取得する。照度センサ14は、信頼度を更新するための信頼度更新用のセンサの一例である。
【0124】
図18は、第2実施形態の第1構成例に係る情報処理装置110における制御系の構成例および照度センサ14における制御系の構成例を示すブロック図である。
図18に示すように、情報処理装置110は、図3に示す情報処理装置10の構成に、照度センサ14を接続するためのインターフェース24dを追加した構成を備える。図18に示すインターフェース24d以外の情報処理装置110の各構成は、図3に示す各構成と同様なもので実現できるため、詳細な説明を省略する。
【0125】
また、図18に示す構成例において、照度センサ14は、制御部81、照度情報取得部(センサ)82およびインターフェース83を有する。
制御部81は、照度センサ14内の各部の制御およびデータ処理などを行う。制御部81は、プロセッサ、ROMおよびRAMなどを備え、プロセッサがROMおよびRAMと協働して動作する。
【0126】
照度情報取得部(センサ)82は、照度を検知するセンサ部である。照度情報取得部82は、イメージセンサ12のセンサ82が光学的に画素情報を取得する箇所を含む領域における照度を検知するように構成する。例えば、図18に示すような設置形態において、照度情報取得部82は、イメージセンサ12が画素情報を読み取る床面の位置を含む領域における照度を検知するように設置される。
【0127】
インターフェース83は、情報処理装置110と通信するためのインターフェースである。インターフェース83は、センサ82が取得したセンサ情報を含む情報を情報処理装置110へ送信する。インターフェース83は、情報処理装置110が備えるインターフェース24dの通信方式に対応するものであれば良い。
制御部81において、プロセッサは、ROMなどのメモリが記憶するプログラムを実行することによりセンサ82が検知する照度情報を含むセンサ情報をインターフェース83を介して情報処理装置110へ出力する。
【0128】
図19は、第2実施形態の第2構成例としての情報処理装置210を含む測位システム203の構成例を示す図である。
第2実施形態の第2構成例としての情報処理装置210を含む測位システム203は、第1実施形態で説明した情報処理装置10を含む測位システム3に温度センサ15を追加したものである。測位システム203において、情報処理装置210および温度センサ15以外の各構成は、第1実施形態で説明した測位システム3と同様な構成で実現できるため、詳細な説明を省略する。
【0129】
測位システム203は、情報処理装置210と複数のセンサ11~13と温度センサ15とを含む。複数のセンサ11~13は、第1実施形態で説明したように、それぞれ異なる方式でセンサ情報を取得する複数の移動量算出用のセンサ11~13である。情報処理装置210には、複数の移動量算出用のセンサ11~13と温度センサ15とがそれぞれ接続される。
【0130】
温度センサ15は、温度を示す温度情報を取得する。温度センサ15は、慣性センサ11又は慣性センサ11の周囲の温度を示す温度情報を取得する。温度センサ15は、慣性センサ11が取得する慣性情報から算出する移動量に対する信頼度を更新(補正)するために用いる温度情報を取得する。温度センサ15は、移動量算出用のセンサが取得するセンサ情報から算出する移動量に対する信頼度を更新するための信頼度更新用のセンサの一例である。
【0131】
図20は、第2実施形態の第2構成例に係る情報処理装置210における制御系の構成例および温度センサ15における制御系の構成例を示すブロック図である。
図20に示すように、情報処理装置210は、図3に示す情報処理装置10の構成に、温度センサ15を接続するためのインターフェース24eを追加した構成を備える。図20に示すインターフェース24e以外の情報処理装置210の各構成は、図3に示す各構成と同様なもので実現できるため、詳細な説明を省略する。
【0132】
また、図20に示す構成例において、温度センサ15は、制御部91、温度情報取得部(センサ)92およびインターフェース93を有する。
制御部91は、温度センサ15内の各部の制御およびデータ処理などを行う。制御部91は、プロセッサ、ROMおよびRAMなどを備え、プロセッサがROMおよびRAMと協働して動作する。
【0133】
温度情報取得部(センサ)92は、温度を検知するセンサ部である。温度情報取得部92は、慣性センサ11のセンサ42部分又は慣性センサ11周辺における温度を検知するように構成する。例えば、図20に示すような設置形態において、温度情報取得部92は、慣性センサ11近傍の温度を検知するように設置される。
【0134】
インターフェース93は、情報処理装置210と通信するためのインターフェースである。インターフェース93は、センサ92が取得したセンサ情報を含む情報を情報処理装置210へ送信する。インターフェース93は、情報処理装置210が備えるインターフェース24eの通信方式に対応するものであれば良い。
制御部91において、プロセッサは、ROMなどのメモリが記憶するプログラムを実行することによりセンサ92が検知する温度情報を含むセンサ情報をインターフェース93を介して情報処理装置210へ出力する。
【0135】
次に、第2実施形態に係る情報処理装置110(210)が移動体1の位置を測位する処理について説明する。
図21は、第2実施形態に係る情報処理装置110(210)が移動体1の位置を測位する処理を説明するためのフローチャートである。
第2実施形態に係る情報処理装置110は、上述した第1実施形態における第1の動作例に対して、信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報を取得し、信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報によって特定の移動量算出用のセンサに対する信頼度を補正する処理を追加した処理を実行する。第2実施形態では、信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報によって移動量算出用のセンサに対する信頼度を補正することによって、移動体の位置を精度良く特定することが可能となる。
【0136】
図21に示す動作例において、第2実施形態に係る情報処理装置110は、上述した第1実施形態の第1の動作例に対して、ST401およびST402の処理を追加した処理を実行する。
【0137】
すなわち、第2実施形態に係る情報処理装置110(又は210)の制御部21は、信頼度更新用のセンサ(照度センサ14又は温度センサ15)が取得するセンサ情報(照度情報又は温度情報)を取得する(ST401)。例えば、第1構成例の情報処理装置110の制御部21は、信頼度更新用のセンサとしての照度センサ14が取得する照度情報を取得する。また、第2構成例の情報処理装置210の制御部21は、信頼度更新用のセンサとしての温度センサ15が取得する温度情報を取得する。
【0138】
また、情報処理装置110(又は210)の制御部21は、上述した第1実施形態の第2の動作例と同様に、ST11~13の処理を実行する。制御部21は、ST11~13の処理によって移動量算出用のセンサ11、12、13ごとの移動量とそれぞれの移動量に対する信頼度を算出する。
【0139】
移動量算出用の各センサ11、12、13ごとに移動量と信頼度とを算出すると、制御部21は、移動量算出用のセンサ11、12、13ごとの信頼度のうち特定のセンサに対応する信頼度を、信頼度更新用のセンサ14又は15が取得したセンサ情報によって補正する処理を実行する(ST402)。
【0140】
なお、第2実施形態の情報処理装置110(又は210)の制御部21は、移動方向ごとに各センサが取得するセンサ情報から移動量と各移動量に対する信頼度と算出してもよい。例えば、制御部21は、xy平面(床面)における移動体1の前後方向及び左右方向それぞれについて、センサ11、12、13ごとに移動量と信頼度とを算出する。これにより、制御部21は、移動体1の左右方向に沿った凹凸や移動体1の前後方向にのみ現れた障害物といった、所定の方向にのみ移動量の変化量に影響を与える要因があった場合でも、その他の方向においては高い精度で移動量を算出することが出来る。
【0141】
例えば、図18に示すように照度センサ14を設けた第1構成例では、情報処理装置110は、照度センサ14で取得した照度情報を基にイメージセンサ12に対応する信頼度を更新する。イメージセンサ12が取得する画像情報は周囲の照度の影響を受ける場合がある。イメージセンサ12が取得する画像情報が周囲の影響を受けている場合、画像情報から算出する移動量も周囲の照度の影響を受けることとなる。例えば、イメージセンサ12は、取得した画像情報から特徴点の位置を抽出し、次に取得した画像情報において当該特徴点の位置の変化量に基づいて移動量を算出するため、照度が大きい場合(明るすぎる場合)、又は、照度が小さい場合(暗すぎる場合)において、特徴点を抽出できない、又は違う特徴点を抽出してしまい、誤差を多く含んだ移動量を算出することがある。
【0142】
このため、情報処理装置は、照度センサ14が取得する照度情報が予め設定した上限の閾値より大きい場合(明るすぎる場合)、イメージセンサ12に対応する信頼度を低くなるように更新する。また、照度センサ14が取得する照度情報が予め設定した上限の閾値より小さい場合(暗すぎる場合)、イメージセンサ12に対応する信頼度を低くなるように更新する。これにより、情報処理装置は、周囲の照度によって生じる誤差を多く含んだ移動量の影響を低減させて移動体の移動量をより正確に算出することが可能となる。
【0143】
また、図20に示すように温度センサ15を設けた第2構成例では、情報処理装置210は、温度センサ15で取得した温度情報を基に慣性センサ11に対応する信頼度を更新する。慣性センサ11は、温度の影響を受けて取得する慣性情報が変動することが有り得る。例えば、慣性センサ11は、温度変化によってオフセットやゲインが変化して取得する慣性情報が変動する。
【0144】
慣性センサ11が取得する慣性情報が温度の影響を受けて変動する場合、慣性情報から算出する移動量も温度の影響を受けて変動することとなる。このため、温度センサ15が取得する温度の時間変化が大きい場合に慣性センサ11に対応する信頼度を低くなるように更新する。これにより、情報処理装置210は、慣性センサ11における温度変化の影響を考慮して移動体の移動量および位置を測位することが可能となる。
【0145】
センサ11、12、13ごとの信頼度を信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報によって補正する処理を実行した後、制御部21は、第1実施形態の第1の動作例で説明したST14~19の処理を実行する。
なお、上述したST401およびST402の処理は、図15に示す第1実施形態の第2の動作例に追加して実施するようにしても良いし、図16に示す第1実施形態の第3の動作例に追加して実施するようにしても良い。
【0146】
上述したように、第2実施形態に係る情報処理装置は、特性の異なる複数の移動量算出用のセンサと信頼度更新用のセンサとを位置の測位対象とする移動体に設置する。情報処理装置は、移動量算出用の複数のセンサごとに移動量と信頼度とを算出し、特定のセンサに対応する信頼度を信頼度更新用のセンサが取得したセンサ情報に基づいて補正する。情報処理装置は、移動量算出用のセンサごとに算出した移動量と信頼度更新用のセンサが取得したセンサ情報によって補正した信頼度とを統合して移動体の移動量および移動体の位置を測位する。
【0147】
これにより、第2実施形態に係る情報処理装置は、移動量算出用の複数のセンサが取得するセンサ情報から算出する移動量に対する信頼度を信頼度更新用のセンサが取得するセンサ情報によって補正することができ、精度(信頼性)の高い信頼度を用いて精度良く移動体の位置を測位できる。この結果、移動体が移動する床面の状態の変化、移動経路における明るさの変化、あるいは、突発的に出現する障害物などによる影響を低減しながら移動体の移動量および移動量に基づく位置を高精度に特定することが可能となる。
【0148】
なお、上述した第1および第2実施形態に係る情報処理装置は、信頼度の算出を移動体の移動距離と移動方向ごとに実施しても良い。このようにすることで、情報処理装置は、移動距離と移動方向の誤差の発生具合が異なる場合においても適切に信頼度を算出(設定)することができ、精度良く移動体の位置を測位することが可能となる。
【0149】
また、上述した第1および第2実施形態では、複数の移動量算出用のセンサとして、慣性センサ、イメージセンサ、および、距離センサを用いた場合について説明したが、複数の移動量算出用のセンサは、取得(検出)するセンサ情報の特性が異なるものであれば良く、上述した以外のセンサであっても良い。また、移動量算出用のセンサは、2つであっても良いし、4つ以上であっても良い。
【0150】
また、上述した第1および第2実施形態において、測位システムは、複数の移動量算出用のセンサとしては、慣性センサと慣性センサが取得する慣性情報の特性を補うようなセンサとを組み合わせて構成しても良い。移動体が定常状態の平面(床面)を走行する場合、慣性センサは、事前に予測し難い突発的な光や障害物などの影響を受けずに、移動方向および移動量(移動速度)を算出可能な角度速度などの慣性情報を取得できる。このため、慣性センサと他のセンサとを組み合わせることで、上述したような非定常な凹凸などの影響を低減しつつ精度良く移動体の移動量を特定できることが期待できる。
【0151】
また、第1および第2実施形態に係る測位システムは、複数の移動量算出用のセンサとして、慣性センサとイメージセンサとを含むように構成するようにして良い。イメージセンサは慣性センサに対応する信頼度が低下する床面の凹凸などの影響を受けにくく、慣性センサはイメージセンサに対する信頼度が低下する照度の影響を受け難いという特性がある。このため、測位システムは、複数の移動量算出用のセンサとして、慣性センサとイメージセンサとを組み合わせることで移動体の移動量が精度良く算出できる。
【0152】
上述の各実施形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0153】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0154】
2…基準位置送信装置、10、110、210…情報処理装置、3、103、203…測位システム、11…慣性センサ(移動量算出用のセンサ)、12…イメージセンサ(移動量算出用のセンサ)、13…距離センサ(移動量算出用のセンサ)、14…照度センサ(信頼度更新用のセンサ)、15…温度センサ(信頼度更新用のセンサ)、21…制御部、22…データメモリ、23…基準位置受信部、24…インターフェース群、24a~24c…インターフェース、24d、24e…インターフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21