(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187663
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】表面検査装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
G01N21/88 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095768
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】相川 清史
(72)【発明者】
【氏名】平松 崇
(72)【発明者】
【氏名】田崎 海渡
(72)【発明者】
【氏名】宇野 美穂
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕一
(72)【発明者】
【氏名】大貫 宏子
(72)【発明者】
【氏名】桑田 良隆
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB07
2G051AC04
2G051BA08
2G051BB01
2G051CA03
2G051CA04
2G051CA06
2G051CB01
2G051EC01
2G051ED21
2G051FA02
(57)【要約】
【課題】検出の感度に異方性を有する表面検査装置による撮像の向きを考慮せずに異方性を有するパターンを検査する場合に比して、検査の精度を高める。
【解決手段】表面検査装置は、検査の対象とする物体の表面を撮像する撮像デバイスと、撮像デバイスで撮像された画像を処理して表面の品質を表す数値を算出するプロセッサと、を有し、プロセッサは、画像から検出される表面上のパターンの第1の向きと、撮像デバイスによる検出の感度が高くなる撮像の方向を与える第2の向きとの関係を示す情報をユーザに通知する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査の対象とする物体の表面を撮像する撮像デバイスと、
前記撮像デバイスで撮像された画像を処理して前記表面の品質を表す数値を算出するプロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、前記画像から検出される前記表面上のパターンの第1の向きと、前記撮像デバイスによる検出の感度が高くなる撮像の方向を与える第2の向きとの関係を示す情報をユーザに通知する、
表面検査装置。
【請求項2】
前記検出の感度が高い方向は、照明系の光軸と撮像系の光軸とで規定される面と直交する方向である、
請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項3】
前記パターンは、一次元的なパターンである、
請求項2に記載の表面検査装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1の向きと前記第2の向きのなす角の大きさを複数の段階で通知する、
請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記なす角の大きさと前記複数の段階の関係を表示する、
請求項4に記載の表面検査装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1の向きと前記第2の向きのなす角の大きさを通知する、
請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記なす角が閾値を超える場合、現在の位置に対して装置本体を移動すべき方向を通知する、
請求項4~6のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記表面を撮像した前記画像と関連付けて前記情報を通知する、
請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記関係を色の変化で通知する、
請求項8に記載の表面検査装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記画像から検出された前記パターンの方向を示す図形を、当該画像に合成して表示する、
請求項8に記載の表面検査装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記第1の向きと前記第2の向きのなす角の大きさに応じ、前記図形の表示の形態を変更する、
請求項10に記載の表面検査装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記第2の向きを抽出するフィルタによって、前記画像から抽出した部分画像を、前記物体を撮像した当該画像に合成して表示する、
請求項8に記載の表面検査装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、予め定めた条件を満たす周波数成分を前記画像から抽出し、抽出された周波数成分の逆変換により生成される強調成分を、前記部分画像として、前記物体を撮像した当該画像に合成して表示する、
請求項12に記載の表面検査装置。
【請求項14】
前記強調成分を合成した第2の画像は、前記物体を撮像した前記画像とは別に表示される、
請求項13に記載の表面検査装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記第1の向きが検出されない場合、前記表面に前記パターンが存在しない旨を通知する、
請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、特定のモードでの動作中に、前記第1の向きが検出されないとき、前記表面を撮像する向きが正しくない旨を通知する、
請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項17】
装置本体の携帯が可能であることを特徴とする、
請求項1~16のいずれか1項に記載の表面検査装置。
【請求項18】
撮像デバイスにより撮像された画像を処理するコンピュータに、
検査の対象とする物体の表面を撮像した前記画像から検出される表面上のパターンの第1の向きを取得する機能と、
前記撮像デバイスによる検出の感度が高くなる撮像の方向を与える第2の向きと、前記第1の向きとの関係を示す情報をユーザに通知する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面検査装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、様々な製品において、合成樹脂を成形した部品(以下「成形品」という)が用いられている。一方で、成形品の表面には、視覚的に観察が可能な不良が現れることがある。この種の不良には、意図せず形成される凹みである「ヒケ」、溶融した樹脂が合流する部分に形成される「ウェルド」等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物体の表面の品質を検査する装置(以下「表面検査装置」ともいう)は、検査の対象とする物体の表面で正反射された光成分を主に撮像し、撮像された画像の解析により不良の有無等を検査する。
ところで、ヒケ等の不良は、基本的に線状のパターンになる。線状のパターンの場合、反射された光成分の分布は異方性をもつ。例えばパターンと直交する方向に正反射される光成分の強度は強く、パターンと平行な方向に正反射する光成分の強度は弱くなる。このため、検査の対象である表面に形成されたパターンの向きに対して表面検査装置が正しく位置決めすることが求められる。
【0005】
本発明は、検出の感度に異方性を有する表面検査装置による撮像の向きを考慮せずに異方性を有するパターンを検査する場合に比して、検査の精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、検査の対象とする物体の表面を撮像する撮像デバイスと、前記撮像デバイスで撮像された画像を処理して前記表面の品質を表す数値を算出するプロセッサと、を有し、前記プロセッサは、前記画像から検出される前記表面上のパターンの第1の向きと、前記撮像デバイスによる検出の感度が高くなる撮像の方向を与える第2の向きとの関係を示す情報をユーザに通知する、表面検査装置である。
請求項2に記載の発明は、前記検出の感度が高い方向は、照明系の光軸と撮像系の光軸とで規定される面と直交する方向である、請求項1に記載の表面検査装置である。
請求項3に記載の発明は、前記パターンは、一次元的なパターンである、請求項2に記載の表面検査装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の向きと前記第2の向きのなす角の大きさを複数の段階で通知する、請求項1に記載の表面検査装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記なす角の大きさと前記複数の段階の関係を表示する、請求項4に記載の表面検査装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の向きと前記第2の向きのなす角の大きさを通知する、請求項1に記載の表面検査装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記なす角が閾値を超える場合、現在の位置に対して装置本体を移動すべき方向を通知する、請求項4~6のうちいずれか1項に記載の表面検査装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記表面を撮像した前記画像と関連付けて前記情報を通知する、請求項1に記載の表面検査装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記関係を色の変化で通知する、請求項8に記載の表面検査装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記画像から検出された前記パターンの方向を示す図形を、当該画像に合成して表示する、請求項8に記載の表面検査装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の向きと前記第2の向きのなす角の大きさに応じ、前記図形の表示の形態を変更する、請求項10に記載の表面検査装置である。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第2の向きを抽出するフィルタによって、前記画像から抽出した部分画像を、前記物体を撮像した当該画像に合成して表示する、請求項8に記載の表面検査装置である。
請求項13に記載の発明は、前記プロセッサは、予め定めた条件を満たす周波数成分を前記画像から抽出し、抽出された周波数成分の逆変換により生成される強調成分を、前記部分画像として、前記物体を撮像した当該画像に合成して表示する、請求項12に記載の表面検査装置である。
請求項14に記載の発明は、前記強調成分を合成した第2の画像は、前記物体を撮像した前記画像とは別に表示される、請求項13に記載の表面検査装置である。
請求項15に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の向きが検出されない場合、前記表面に前記パターンが存在しない旨を通知する、請求項1に記載の表面検査装置である。
請求項16に記載の発明は、前記プロセッサは、特定のモードでの動作中に、前記第1の向きが検出されないとき、前記表面を撮像する向きが正しくない旨を通知する、請求項1に記載の表面検査装置である。
請求項17に記載の発明は、装置本体の携帯が可能であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の表面検査装置である。
請求項18に記載の発明は、撮像デバイスにより撮像された画像を処理するコンピュータに、検査の対象とする物体の表面を撮像した前記画像から検出される表面上のパターンの第1の向きを取得する機能と、前記撮像デバイスによる検出の感度が高くなる撮像の方向を与える第2の向きと、前記第1の向きとの関係を示す情報をユーザに通知する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、検出の感度に異方性を有する表面検査装置による撮像の向きを考慮せずに異方性を有するパターンを検査する場合に比して、検査の精度を高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、微細なパターンも検査できる。
請求項3記載の発明によれば、一次元的なパターンを高精度で検査できる。
請求項4記載の発明によれば、撮像方向の良否を簡便に通知できる。
請求項5記載の発明によれば、撮像方向の良否と実際のなす角の関係を簡便に通知できる。
請求項6記載の発明によれば、具体的な向きの関係を通知できる。
請求項7記載の発明によれば、検査の精度が向上する撮像の方向を通知できる。
請求項8記載の発明によれば、撮像方向の良否を視覚により伝達できる。
請求項9記載の発明によれば、撮像方向の良否を色により伝達できる。
請求項10記載の発明によれば、撮像されたパターンの向きを容易に確認できる。
請求項11記載の発明によれば、撮像方向の良否と実際のなす角の関係を簡便に通知できる。
請求項12記載の発明によれば、検査の対象とする部分のパターンの方向の観察を容易にできる。
請求項13記載の発明によれば、検査の対象とする部分のパターンの方向の観察を容易にできる。
請求項14記載の発明によれば、検査の対象とする部分のパターンの方向の観察を容易にできる。
請求項15記載の発明によれば、検査の対象とする部分を正しく撮像できていないことに気づかせることができる。
請求項16記載の発明によれば、検査の対象とする部分を正しく撮像できていないことに気づかせることができる。
請求項17記載の発明によれば、検査の対象とする物体の表面と表面検査装置が撮像する範囲が不定でも、表面の品質の検査の精度を高めることができる。
請求項18記載の発明によれば、検出の感度に異方性を有する表面検査装置による撮像の向きを考慮せずに異方性を有するパターンを検査する場合に比して、検査の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1で想定する表面検査装置の使用例を説明する図である。
【
図2】検査対象の表面に現れる欠陥の例を説明する図である。(A)はヒケの例を示し、(B)はウェルドの例を示す。
【
図3】実施の形態1で使用する表面検査装置のハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図4】実施の形態1における表面検査装置の光学系の構造例を説明する図である。(A)は表面検査装置の筐体の内部構造を概略的に示し、(B)は検査の際に検査対象の表面に押し当てられる開口部の構造を示す。
【
図5】表面検査装置による撮像の方向と検査対象に形成されたヒケの方向を説明する図である。
【
図6】撮像の方向と撮像された画像から生成される輝度プロファイルの関係を説明する図である。(A)は「方向A」で撮像する場合の輝度プロファイルを示し、(B)は「方向B」で撮像する場合の輝度プロファイルを示し、(C)は「方向C」で撮像する場合の輝度プロファイルを示す。
【
図7】実施の形態1で使用する表面検査装置による検査動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図8】ディスプレイに表示される操作画面の一例を説明する図である。
【
図10】位置関係を示す情報欄を用いた撮像方向の評価の結果の通知例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図11】検出されたエッジの方向を示す補助線を使用する評価の結果の通知例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図12】インジケータを使用して評価の結果を通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図13】推奨される撮像の方向を図形と文字等を用いて通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図14】評価の結果を効果音により通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図15】評価の結果を音声により通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図16】評価の結果を音声により通知する他の例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図17】実施の形態3で使用する表面検査装置による検査動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図18】ディスプレイに表示される操作画面の一例を説明する図である。
【
図19】強調表示欄を含む操作画面の表示例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【
図20】実施の形態4で使用する表面検査装置による検査動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図21】実施の形態5における表面検査装置の光学系の構造例を説明する図である。
【
図22】画角を有するラインカメラを用いる場合に求められる光学条件を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<表面検査装置の使用例>
図1は、実施の形態1で想定する表面検査装置1の使用例を説明する図である。
実施の形態1で使用する表面検査装置1の撮像部は、いわゆるエリアカメラであり、撮像する範囲(以下「撮像範囲」という)が面で規定される。不図示の照明は、撮像範囲全体に対して、正反射条件となる成分を含むように構成する。
【0010】
図1の場合、撮像範囲は、検査の対象とする物体(以下「検査対象」ともいう)10のうち注目する一部分のみを撮像する。本実施の形態における検査対象10には、成形品を想定する。
エリアカメラによる検査の場合、表面検査装置1と検査対象10による検査は、静止した状態で実行される。換言すると、表面検査装置1と検査対象10が相対的に移動しない状態で、検査対象10の表面の検査が実行される。
【0011】
図1の場合、検査対象10は板状であるが、検査対象10の形状は任意である。検査対象10は、例えば多面体の他、球体や円柱等の曲面を有する形状でもよい。
実際の検査対象10には、穴、切り欠き、突起、段差等が存在することがある。
また、検査対象10の表面の仕上げの種類には、無処理、鏡面仕上げ、準鏡面仕上げ、シボ加工等がある。
【0012】
表面検査装置1は、検査対象10の表面の欠陥や質感を検査する。
欠陥には、例えばヒケ、ウェルドがある。ヒケは、肉厚部分やリブ部に発生する表面の凹みであり、ウェルドは、溶融した樹脂の先端が金型内で合流する部分に発生する筋をいう。なお、欠陥には、物がぶつかることで生じる傷や打痕も含まれる。ヒケやウェルドは、一次元的なパターンの一例である。
質感は、視覚や触覚の印象であり、物体の表面の色、光沢、凹凸が影響する。表面の凹凸には、金型を切削する際に生じた筋も含まれる。この種の筋は、欠陥とは異なる。
【0013】
図2は、検査対象10の表面に現れる欠陥の例を説明する図である。(A)はヒケの例を示し、(B)はウェルドの例を示す。
図2(A)及び
図2(B)では、欠陥の箇所を破線で囲んで示している。
図2(A)には4つのヒケがある。
本実施の形態における表面検査装置1は、欠陥と質感の検査に限らず、表面の汚れの検査にも使用される。
【0014】
表面検査装置1は、検査対象10の表面の欠陥や質感を評価した結果を定量化して出力する。
ここでの欠陥は、本来は平坦であるべきに部分に出現している凹凸や筋、すなわちヒケやウェルドである。質感は、数値(以下「スコア」ともいう)により評価される。スコアは、検査対象10の表面の品質を表す数値の一例である。
【0015】
スコアの算出には、例えば多変量解析を使用する。多変量解析では、例えば輝度分布に現れる特徴が解析される。特徴の例には、例えばヒケの方向に沿って延びる筋状のパターンがある。
この他、スコアの算出には、人工知能を用いる方法もある。例えば欠陥を撮像した画像とスコアの関係を深層機械学習等した学習モデルにカメラで撮像された画像を与えることで、検査範囲内の部分領域のスコアが算出される。
【0016】
図1に示す検査対象10は、X軸とY軸で規定される面に対して平行に設置されている。この場合、検査対象10の表面の法線はZ軸と平行になる。
一方、表面検査装置1は、検査対象10の鉛直上方に配置される。換言すると、表面検査装置1が検査対象10の撮像に使用する光学系の光軸は、検査対象10の表面の法線に対して概略平行に設定される。以下、この光軸について要求される条件を「撮像条件」ともいう。
【0017】
このとき、表面検査装置1は、撮像条件を満たす位置に設置される。表面検査装置1の設置は、特定の部材への固定により行ってもよいし、特定の部材に対して取り外し可能に行われてもよい。
もっとも、表面検査装置1は、携帯型の装置でもよい。携帯が可能である場合、作業者は、例えば手に表面検査装置1を持ち、受光面を検査対象10に向けることで、任意の表面を検査する。
図1では、表面検査装置1と検査対象10の位置関係の説明を目的とするため、表面検査装置1の外観を簡略化して略直方体として表している。
【0018】
<表面検査装置の構成>
図3は、実施の形態1で使用する表面検査装置1のハードウェア構成の一例を説明する図である。
図3に示す表面検査装置1は、装置全体の動作を制御するプロセッサ101と、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)102と、プロセッサ101のワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)103と、プログラムや画像データを記憶する補助記憶装置104と、検査対象10の表面を撮像した画像や操作に関する情報が表示されるディスプレイ105と、作業者の操作を受け付ける操作受付装置106と、検査対象10の表面を撮像するカメラ107と、検査対象10の表面を照明する光源108と、外部との通信に用いられる通信IF(=InterFace)109と、を有している。なお、プロセッサ101と各部は、バス等の信号線110を通じて接続されている。
【0019】
プロセッサ101と、ROM102と、RAM103は、いわゆるコンピュータとして機能する。
プロセッサ101は、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現する。例えばプロセッサ101は、プログラムの実行を通じ、撮像された検査対象10の表面の質感を評価したスコアの算出等を実行する。
【0020】
検査対象10の表面を撮像した画像データは、補助記憶装置104に記憶される。補助記憶装置104には、例えば半導体メモリ、ハードディスク装置を使用する。補助記憶装置104には、ファームウェアやアプリケーションプログラムも記憶される。以下では、ファームウェアやアプリケーションプログラムを総称して「プログラム」という。
なお、本実施の形態及び後述する他の実施の形態等で説明する機能を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CDROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0021】
ディスプレイ105は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、検査対象10の全体や検査対象10の特定の部位の画像等を表示する。ディスプレイ105は、検査対象10に対する撮像範囲の位置決めにも使用される。
本実施の形態の場合、ディスプレイ105は、装置本体に一体的に設けられているが、通信IF109を通じて接続される外部の装置でもよいし、通信IF109を通じて接続される他の装置の一部でもよい。例えばディスプレイ105は、通信IF109を通じて接続された他のコンピュータのディスプレイでもよい。
【0022】
操作受付装置106は、ディスプレイ105に配置されるタッチセンサや筐体に配置される物理的なスイッチ、ボタン等で構成される。
本実施の形態の場合、物理的なボタンの一例として電源ボタンや撮像ボタンが設けられている。電源ボタンが操作されると、例えば光源108が点灯し、カメラ107による撮像が開始される。また、撮像ボタンが操作されると、操作時にカメラ107が撮像していた特定の画像が、検査用の画像として取得される。
【0023】
ディスプレイ105と操作受付装置106を一体化したデバイスは、タッチパネルと呼ばれる。タッチパネルは、ソフトウェア的に表示されたキー(以下「ソフトキー」とも呼ぶ)に対するユーザの操作の受け付けに使用される。
【0024】
本実施の形態の場合、カメラ107には、カラーカメラを使用する。カメラ107の撮像素子には、例えばCCD(=Charge Coupled Device)イメージングセンサ素子やCMOS(=Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージング素子を使用する。
カメラ107としてカラーカメラを使用するので、検査対象10の表面の輝度だけでなく色調の観察も原理的には可能である。カメラ107は、撮像デバイスの一例である。
【0025】
本実施の形態の場合、光源108には白色光源を使用する。白色光源は、可視光帯域の光が均等に混在された光を発生する。
本実施の形態の場合、光源108には平行光源を使用する。また、カメラ107の光軸上にテレセントリックレンズを配置する。
【0026】
本実施の形態における光源108は、検査対象10の表面で鏡面反射された光成分が主にカメラ107に入射する角度に配置される。
通信IF109は、有線や無線による通信規格に準拠したモジュールで構成される。通信IF109には、例えばイーサネット(登録商標)モジュール、USB(=Universal Serial Bus)、無線LANその他を使用する。
【0027】
<光学系の構造>
図4は、実施の形態1における表面検査装置1の光学系の構造例を説明する図である。(A)は表面検査装置1の筐体100の内部構造を概略的に示し、(B)は検査の際に検査対象10の表面に押し当てられる開口部111の構造を示す。
開口部111には、検査対象10の表面を照明する照明光と検査対象10の表面で反射した反射光が入出力される開口111Aと、その外縁を取り囲む鍔部111Bとが設けられている。
【0028】
図4の場合、開口111Aと鍔部111Bは、いずれも円形状である。もっとも、開口111Aと鍔部111Bは、他の形状でもよい。例えば矩形でもよい。
なお、開口111Aと鍔部111Bは相似形状である必要はなく、開口111Aは円形状で、鍔部111Bは矩形でもよい。
【0029】
鍔部111Bは、検査対象10の表面に対する表面検査装置1の撮像方向の位置決めに使用される。換言すると、鍔部111Bは、検査の対象である表面に対するカメラ107と光源108の位置決めに用いられる。鍔部111Bには、開口111Aへの外光又は環境光の入射を防止する又は低減する役割もある。
【0030】
図4(A)に示す筐体100は、概略筒状の2つの部材を結合した構造を有し、一方の部材側に光源108が取り付けられ、他方の部材側にカメラ107やプロセッサ101が取り付けられている。
また、カメラ107が取り付けられている側の筐体100の側面には、ディスプレイ105と操作受付装置106が取り付けられている。
なお、
図4(A)に示すカメラ107の光軸上には、不図示の結像レンズが配置されている。
【0031】
図4(A)の場合、平板状の検査対象10のうち検査対象10の表面の法線をN0で示す。また、
図4(A)では、光源108から出力される照明光の光軸をL1で示し、検査対象10の表面で鏡面反射された反射光の光軸をL2で示す。ここでの光軸L2は、カメラ107の光軸と一致する。
【0032】
なお、現実の検査対象10の表面は、構造上又はデザイン上の凹凸、曲面、段差、つなぎ目、成形の過程等で形成された微細な凹凸等を有している。
従って、検査対象10の法線N0として、検査対象10のうち注目する領域ARの法線N0の平均値や注目する特定の位置Pの法線N0を使用してもよい。
【0033】
また、検査対象10の法線N0として、検査対象10の平均的な仮想の表面や代表的な部分の法線N0を使用してもよい。
図4(A)の場合、光源108から出力される照明光の光軸L1とカメラ107の光軸L2は、いずれも法線N0に対して角度θで取り付けられる。角度θには、例えば概略30°や概略45°を使用する。
【0034】
本実施の形態で使用する表面検査装置1の検出の感度には異方性がある。
具体的には、表面検査装置1が
図4(A)に示す配置の場合、Y軸方向に延びる線状のパターン(以下「線状パターン」という)を検出する感度が高く、X軸方向に延びる線状パターンを検出する感度が低い。換言すると、光源108の光軸L1とカメラ107の光軸L2とで規定される仮想面と直交する方向に延長する線状パターンを検出する感度が高く、仮想面と平行な方向に延長する線状パターンを検出する感度が低い。
【0035】
<検出の感度が高い方向と線状パターンの方向との関係>
ここでは、検出の感度が高い方向と検査の対象である線状パターンの方向との関係について説明する。
図5は、表面検査装置1による撮像の方向と検査対象10に形成されたヒケの方向を説明する図である。
図5においては、説明の都合上、ヒケを誇張して表している。
【0036】
図5の場合、ヒケの方向は、X軸に平行である。ヒケの方向は、第1の向きの一例である。
表面検査装置1による検出の感度が高い方向は、照明系の光軸L1と撮像系の光軸L2とで規定される面と直交する方向である。換言すると、表面検査装置1による検出の感度が高い方向は、撮像の方向と直交する方向である。検出の感度が高い方向は、第2の向きの一例である。
【0037】
図5の場合、検査対象10をY軸と平行に撮像する方向を「方向A」とする。
検査対象10をY軸に対して斜めに撮像する方向を「方向B」とする。
図5の場合、Y軸に対する撮像方向の角度は概略30°である。
検査対象10をX軸と平行に撮像する方向を「方向C」とする。「方向C」から見たヒケが延びる方向は、表面検査装置1による検出の感度が低い方向と一致する。
【0038】
図6は、撮像の方向と撮像された画像から生成される輝度プロファイルSの関係を説明する図である。(A)は「方向A」で撮像する場合の輝度プロファイルSを示し、(B)は「方向B」で撮像する場合の輝度プロファイルSを示し、(C)は「方向C」で撮像する場合の輝度プロファイルSを示す。
図6の場合、検出の感度が高い方向とヒケの方向とが一致する方向Aで撮像された画像からは、ヒケの部分に生じる輝度差を反映した波高の高い輝度プロファイルSが検出される。
【0039】
検出の感度が高い方向とヒケの方向に対して斜めである方向Bで撮像された画像からは、ヒケの部分に生じる輝度差を反映した波高の低い輝度プロファイルSが検出される。
方向Cから検査対象10を撮像する場合、ヒケの延びる方向は、検出の感度が低い方向である。このため、撮像された画像にも、ヒケによる輝度差はほとんど含まれない。そのため、輝度プロファイルSはほぼ平坦な波形になる。
【0040】
以上の理由により、検査対象10の表面の品質を正しく評価するには、ヒケの方向に対して方向Aから撮像することが望ましいことが分かる。
以下では、輝度プロファイルSからスコアを算出する場合について説明するが、画像を多変量解析してスコアを算出する場合や人工知能を用いてスコアを算出する場合にも、表面の凹凸が輝度差として撮像され易い「方向A」に近い位置からの撮像が好ましい。
【0041】
<検査動作>
図7は、実施の形態1で使用する表面検査装置1による検査動作の一例を説明するフローチャートである。図中に示す記号のSは、ステップを意味する。
図7に示す処理は、プロセッサ101(
図3参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
本実施の形態における表面検査装置1は、電源ボタンの操作により光源108(
図4参照)が点灯し、カメラ107(
図4参照)による撮像が開始される。撮像された画像はディスプレイ105(
図4参照)に表示される。
【0042】
図8は、ディスプレイ105に表示される操作画面120の一例を説明する図である。
図8に示す操作画面120には、カメラ107で撮像された画像の表示欄(以下「撮像画像欄」という)121と、スコア欄122と、凡例123と、線状パターンと撮像の方向(以下「撮像方向」という)の位置関係を示す情報欄124とが配置されている。
撮像画像欄121には、輝度値の分布、すなわちグレースケール画像が表示される。
図8の場合、スコアの計算に使用する検査範囲の外縁を与える基準線121Aが表示されている。
【0043】
図8の例では4本の基準線121Aで囲まれた範囲が検査範囲である。検査範囲内の画像について、表面の品質を表すスコアが算出される。
なお、撮像画像欄121の右隣には、凡例123が示されている。
図8の場合、撮像画像欄121の濃淡は、階調値の「206」から「255」に対応する。
図8に示す操作画面120の場合、スコアの算出前であるので、スコア欄122は空白である。同様に、情報欄124の表示色は灰色である。なお、灰色は一例である。
【0044】
図7の説明に戻る。
本実施の形態では、ディスプレイ105に表示されている画像を確認している作業者が撮像ボタンを操作すると、表面の品質の評価に使用する画像が確定される。
そこで、電源ボタンの操作により検査動作を開始したプロセッサ101は、撮像ボタンの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップ1)。操作ボタンの操作は、検査の開始を指示する操作の一例である。
ステップ1で否定結果が得られている間、プロセッサ101は、ステップ1の判定を繰り返す。
【0045】
ステップ1で肯定結果が得られると、プロセッサ101は、検査に使用する画像を取得する(ステップ2)。具体的には、撮像ボタンが操作された時点にディスプレイ105に表示されていた画像が取得される。
本実施の形態の場合、撮像ボタンが操作されると、カメラ107による撮像が継続していても、撮像画像欄121(
図8参照)に表示される画像の更新は停止される。
次に、プロセッサ101は、検査範囲内の輝度プロファイルSを用いてスコアを算出する(ステップ3)。すなわち、撮像画像欄121に表示された4本の基準線121Aで囲まれた範囲内の画像を対象に、スコアが算出される。
【0046】
図9は、スコアの算出の原理を説明する図である。
図9の撮像画像欄121に示す画像は、ヒケを「方向A」から撮像した場合を想定している。
この場合、輝度プロファイルSは、Y軸方向の各座標を代表する輝度値(以下「代表輝度値」という)の変化として与えられる。
ここでの代表輝度値は、Y座標が同じ各画素の輝度値の積分値で与えられる。輝度プロファイルSの凸波形は周囲に比べて明るい領域を示し、凹波形は周囲に比べて暗い領域を示す。
【0047】
スコアは、例えば輝度プロファイルSの最大値と最小値の差(すなわち波高)として算出される。
スコアは、表面に形成された凹凸の幅、高さ、深さ、数等に依存する。例えば凸部の高さや凹部の深さが同じでも、より長い幅を有する凸部や凹部が形成されている部分領域のスコアが高くなる。
【0048】
また、凸部や凹部の幅が同じでも、より高い凸部やより深い凹部が形成されている部分領域のスコアが高くなる。本実施の形態の場合、スコアが高いことは、品質が悪いことを意味する。
本実施の形態では、スコアの算出に寄与する部分領域を、輝度プロファイルSの凸波形の開始点と凹波形の終了点の間と規定する。
【0049】
図7の説明に戻る。
スコアが算出されると、プロセッサ101は、対応するスコアを操作画面120に表示する(ステップ4)。
次に、プロセッサ101は、スコアが高い部分領域の特徴からエッジ成分の主要な向きを検出する(ステップ5)。
【0050】
本実施の形態の場合、プロセッサ101は、部分領域内の特定の方向に現れる特定の周期成分をエッジ成分として抽出する。周期成分の抽出には、例えば2次元DCT(=Discrete Cosine Transform)、DST(=Discrete Sine Transform)、FFT(=Fast Fourier Transform)等を使用する。
また、プロセッサ101は、例えば抽出された複数のエッジ成分の方向の平均や最も長いエッジ成分の方向を、検査範囲から抽出されるエッジ成分の主要な向きとする。
【0051】
次に、プロセッサ101は、検出された向きと、カメラ107による検出の感度が高い向きとのなす角を算出する(ステップ6)。例えば
図9の例であれば、ヒケ等のエッジ成分の主な方向とX軸方向とのなす角が算出される。
この後、プロセッサ101は、算出されたなす角の大きさに応じ、現在の撮像の方向を評価した情報を作業者に通知して処理を終了する(ステップ7)。
例えばプロセッサ101は、3段階で撮像方向を評価する。3段階は一例であり、2段階でも、4段階以上でもよい。
【0052】
本実施の形態では、なす角が0°以上22.5°未満の場合、プロセッサ101は、撮像方向が「良好」であると判定し、位置関係を示す情報欄124の表示色を「緑」とする。
なす角が22.5°以上45°未満の場合、プロセッサ101は、撮像方向が「やや良好」であると判定し、位置関係を示す情報欄124の表示色を「黄」とする。
なす角が45°以上90°以下又はなす角の算出が不能である場合、プロセッサ101は、撮像方向が「要再撮像」と判定し、位置関係を示す情報欄124の表示色を「赤」とする。
これらの判定には、2つの閾値を使用する。この例の場合、「良好」と「やや良好」の判別用の閾値として22.5°を使用する。また、「やや良好」と「要再撮像」の判別用の閾値として45°を使用する。なお、これらの閾値を与える角度は一例である。
【0053】
<情報の通知例>
図10は、位置関係を示す情報欄124を用いた撮像方向の評価の結果の通知例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
撮像方向がヒケの方向に対して「良好」と判定される
図10(A)の場合、位置関係を示す情報欄124は緑色で表示される。
【0054】
撮像方向がヒケの方向に対して「やや良好」と判定される
図10(B)の場合、位置関係を示す情報欄124は黄色で表示される。
撮像方向がヒケの方向に対して「要再撮像」と判定される
図10(C)の場合、位置関係を示す情報欄124は赤色で表示される。実際、
図10(C)では、撮像画像欄121の輝度の分布はほぼ均一である。
【0055】
このことは、作業者には認識されているヒケが、表面検査装置1には認識されないことを意味する。
図10(C)の場合は、なす角を算出できないため、位置関係を表す情報欄124が赤色で表示される。
これらの表示を見た作業者は、現在の撮像方向が、注目するヒケ等の欠陥の撮像や評価に不向きであることに気づくことが可能になる。また、撮像方向を代えて注目するヒケ等を再度撮像することにより、より信頼度の高いスコアの算出が可能になる。
【0056】
<実施の形態2>
本実施の形態では、位置関係を示す情報欄124を用いずに、ステップ6(
図7参照)で算出されたなす角の大きさを評価した情報を作業者に通知する幾つかの通知方法を説明する。具体的には、なす角の数値をそのまま通知する方法やなす角を評価した結果を図形、音、文字等を用いて通知する方法を説明する。
なお、本実施の形態における表面検査装置1の外観構成等や処理動作は、実施の形態1で説明した表面検査装置1と基本的に同じである。
【0057】
<情報の通知例>
<通知例1>
図11は、検出されたエッジの方向を示す補助線125を使用する評価の結果の通知例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【0058】
撮像方向がヒケの方向に対して「良好」と判定される
図11(A)の場合、抽出された主要なエッジの方向を示す緑色の補助線125が、撮像画像欄121に合成して表示される。
なお、補助線125は、撮像画像欄121とは別に用意された画面に表示されてもよい。他の表示色についても同様である。
また、
図11(A)では、評価の結果を表す色付きの補助線125を表示しているが、補助線125は、評価の結果とは無関係に定めた特定の色、例えば白色や赤色の補助線125を使用してもよい。
【0059】
また、撮像方向がヒケの方向に対して「やや良好」と判定される
図11(B)の場合、抽出された主要なエッジの方向を示す黄色の補助線125が、撮像画像欄121に合成して表示される。
なお、撮像方向がヒケの方向に対して「要再撮像」と判定される
図11(C)の場合、撮像画像欄121の欄外には、「撮像の向きを変えて撮像し直してください」等の注意文126が表示される。評価の結果が文字により表示されることで、作業者は、撮像方向が注目するヒケ等の欠陥の撮像には不向きな方向であることに気づくことが可能になる。
【0060】
<通知例2>
図12は、インジケータ127を使用して評価の結果を通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
図12に示すインジケータ127は、棒グラフで与えられ、その表示の範囲は、0°から90°に対応する。なす角の大きさが針先の位置で表示される。
【0061】
図12の場合、インジケータ127は、「良好」、「やや良好」、「要再撮像」の3つの評価に対応する範囲が緑色、黄色、赤色の各色で表示されている。
図12(A)の場合も、「良好」な範囲は、0°以上22.5°未満で与えられ、「やや良好」の範囲は、22.5°以上45°未満で与えられ、「要再撮像」の範囲は45°以上90°以下で与えられる。
図12(A)の場合、なす角は11°程度である。このため、針先は、インジケータ127の緑色の範囲の中央付近を指し示している。
【0062】
図12(B)の場合、なす角は30°程度である。このため、針先は、インジケータ127の黄色の範囲の左寄りを指し示している。
図12(C)の場合、なす角は80°程度である。このため、針先は、インジケータ127の赤色の範囲の右端付近を指し示している。なお、「要再撮像」と判定される場合、エッジの主要な向きの検出の精度も低いと考えられる。このため、
図12(C)では、針先の右隣に「推定」との文字を表示し、針先の指し示す位置が正確ななす角とは限らないことを示している。
【0063】
なお、「要再撮像」との判定の場合には、通知例1の場合と同じく、インジケータ127とは別に又はインジケータ127と一緒に注意文126(
図11参照)を表示してもよい。
また、通知例2の場合、算出されたなす角をインジケータの針先の位置で示しているが、算出されたなす角の数値を文字だけで表示してもよい。その場合には、インジケータ127の表示は不要である。
また、
図12に例示したインジケータ127の場合には、なす角の評価の違いを色の違いで表現しているが、評価の違いの情報を含まない棒グラフでもよい。例えば単純な目盛りでもよい。
また、
図12の場合には、インジケータ127の表示に棒グラフを用いたが、半円型のグラフを用いてもよい。
【0064】
<通知例3>
図13は、推奨される撮像の方向を図形と文字等を用いて通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
図13(A)の場合、撮像方向の評価は「良好」である。このため、推奨する撮像方向の情報欄128には、丸を表す図形と「良好です」との文が表示されている。また、
図13(A)の場合、図形は緑色で表示されている。
【0065】
図13(B)の場合、撮像方向の評価は「やや良好」である。このため、推奨する撮像方向の情報欄128には、現在の位置よりも左側から評価の対象とするヒケ等を撮像すべきことを示す矢印型の図形と「やや良好です」との文が表示されている。具体的には、右上を向く矢印により、推奨される撮像方向を示している。また、
図13(B)の場合、図形は黄色で表示されている。
【0066】
図13(C)の場合、撮像方向の評価は「要再撮像」である。このため、推奨する撮像方向の情報欄128には、現在の位置から時計回りに90°回転した位置から右方向に撮像すべきことを示す矢印型の図形と「要再撮像」との文が表示されている。また、
図13(C)の場合、図形は赤色で表示されている。
なお、「要再撮像」との判定の場合には、通知例2の場合と同じく、情報欄128とは別に又は情報欄128と一緒に注意文126(
図11参照)を表示してもよい。なお、図形の着色は必ずしも必要ではない。
【0067】
<通知例4>
図14は、評価の結果を効果音により通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【0068】
図14(A)の場合、撮像方向の評価は「良好」である。このため、表面検査装置1は例えば「ピン、ポン」等の効果音により通知している。
図14(B)の場合、撮像方向の評価は「やや良好」である。このため、表面検査装置1は例えば「ビビー」等の効果音により通知している。
図14(C)の場合、撮像方向の評価は「要再撮像」である。このため、表面検査装置1は例えば「ブブー」等の効果音により通知している。
【0069】
<通知例5>
図15は、評価の結果を音声により通知する例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【0070】
図15(A)の場合、撮像方向の評価は「良好」である。このため、表面検査装置1は例えば「撮像の向きは良好です」等の音声により通知している。
図15(B)の場合、撮像方向の評価は「やや良好」である。このため、表面検査装置1は例えば「撮像の向きがベストの方向に対して30°傾いています」等の音声により通知している。
図15(C)の場合、撮像方向の評価は「要再撮像」である。このため、表面検査装置1は例えば「撮像の向きがベストの方向に対して45°以上傾いています」等の効果音により通知している。
【0071】
<通知例6>
図16は、評価の結果を音声により通知する他の例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
【0072】
図16(A)の場合、撮像方向の評価は「良好」である。この場合、撮像方向の変更は不要である。このため、
図16(A)の場合、撮像方向の修正を指示する音声は出力されていない。
図16(B)の場合、撮像方向の評価は「やや良好」である。このため、表面検査装置1は、例えば「撮像する位置を時計回りに変更してみましょう」等の音声により通知している。
図16(C)の場合、撮像方向の評価は「要再撮像」である。このため、表面検査装置1は例えば「撮像方向が正しくないようです。向きを変えて撮像し直してください」等の音声により通知している。
【0073】
<実施の形態3>
本実施の形態の場合、スコアの算出に使用した部分領域の特徴を強調した画像の表示欄(以下「強調画像欄」という)を操作画面120に表示する場合について説明する。
なお、本実施の形態における表面検査装置1の外観構成等や処理動作は、実施の形態1で説明した表面検査装置1と同じである。
【0074】
図17は、実施の形態3で使用する表面検査装置1による検査動作の一例を説明するフローチャートである。
図17には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図17に示す処理も、プロセッサ101(
図3参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
本実施の形態における表面検査装置1は、電源ボタンの操作により光源108(
図4参照)が点灯し、カメラ107(
図4参照)による撮像が開始される。撮像された画像はディスプレイ105(
図4参照)に表示される。
【0075】
図18は、ディスプレイ105に表示される操作画面120の一例を説明する図である。
図18には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図18に示す操作画面120には、カメラ107で撮像された画像の撮像画像欄121と、スコア欄122と、凡例123と、位置関係を示す情報欄124に加え、スコアの算出に寄与した部分領域の特徴を強調した画像を表示する強調画像欄129が配置されている。
図18に示す操作画面120の場合、スコアの算出前であるので、強調画像欄129には画像が表示されていない。
【0076】
図17の説明に戻る。
本実施の形態では、ディスプレイ105に表示されている画像を確認している作業者が撮像ボタンを操作すると、表面の品質の評価に使用する画像が確定される。
そこで、電源ボタンの操作により検査動作を開始したプロセッサ101は、撮像ボタンの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップ1)。
ステップ1で否定結果が得られている間、プロセッサ101は、ステップ1の判定を繰り返す。
【0077】
ステップ1で肯定結果が得られると、プロセッサ101は、検査に使用する画像を取得する(ステップ2)。具体的には、撮像ボタンが操作された時点にディスプレイ105に表示されていた画像が取得される。
本実施の形態の場合、撮像ボタンが操作されると、カメラ107による撮像が継続していても、撮像画像欄121(
図18参照)に表示される画像の更新は停止される。
次に、プロセッサ101は、検査範囲内の輝度プロファイルを用いてスコアを算出する(ステップ3)。すなわち、撮像画像欄121に表示された4本の基準線121Aで囲まれた範囲内の画像を対象に、スコアが算出される。
【0078】
スコアが算出されると、プロセッサ101は、対応するスコアを操作画面120に表示する(ステップ4)。
スコアが算出されると、プロセッサ101は、スコアが高い部分領域の特徴を強調した画像(以下「強調画像」という)を生成して別表示する(ステップ11)。
本実施の形態では、プロセッサ101は、抽出された部分領域から特定の方向に現れる特定の周期成分を抽出し、抽出された周期成分の逆変換により特徴画像を元画像に重ねることで強調画像を生成する。
【0079】
特徴画像への逆変換の際には、各画素の強度成分(すなわち輝度値)を最大値で正規化し、特徴画像の階調の範囲を拡張する。また、特徴画像の強度成分には色成分をマッピングすることで、グレースケールで表現される元画像部分との区別を可能にする。
強調画像を表示することで、スコアが算出された部分領域の表面を撮像したグレースケール画像では微小な構造の目視が困難な場合でも、表面状態の確認が可能になる。
本実施の形態の場合、生成された強調画像は、カメラ107で撮像したグレースケール画像と同じ操作画面内に並べて表示される。
【0080】
次に、プロセッサ101は、スコアが高い部分領域の特徴からエッジ成分の主要な向きを検出する(ステップ5)。
続いて、プロセッサ101は、検出された向きと、カメラ107による検出の感度が高い向きとのなす角を算出する(ステップ6)。
この後、プロセッサ101は、算出されたなす角の大きさに応じ、現在の撮像の方向を評価した情報を作業者に通知して処理を終了する(ステップ7)。
【0081】
<通知例>
図19は、強調画像欄129を含む操作画面120の表示例を説明する図である。(A)は検査の対象であるヒケを「方向A」から撮像する場合の通知例であり、(B)は検査の対象であるヒケを「方向B」から撮像する場合の通知例であり、(C)は検査の対象であるヒケを「方向C」から撮像する場合の通知例である。
図19には、
図10との対応部分に対応する符号を付して示している。
図19の場合、強調画像欄129に、検査範囲の画像を強調した画像が表示されている。このため、撮像方向が良好である場合は勿論、撮像方向が良好でない場合にも、撮像の対象である検査対象10の微細な状態の観察が可能になる。ここでの強調表示欄129は、第2の画像の一例である。
【0082】
<実施の形態4>
本実施の形態の場合、スコアの算出に際し、撮像ボタンの操作が不要な表面検査装置1(
図1参照)について説明する。
なお、本実施の形態における表面検査装置1の外観構成等は、実施の形態1で説明した表面検査装置1と同じである。
【0083】
図20は、実施の形態4で使用する表面検査装置1による検査動作の一例を説明するフローチャートである。
図20には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図20の場合、プロセッサ101(
図3参照)は、電源ボタンの操作により光源108(
図4参照)が点灯し、カメラ107(
図4参照)による撮像を開始すると同時にスコアの算出等が実行される。
【0084】
このため、プロセッサ101は、カメラ107による撮像中の画像を取得する(ステップ21)と、検査範囲内の輝度プロファイルを用いてスコアを算出する(ステップ3)。
以下、プロセッサ101は、対応するスコアを操作画面120に表示する(ステップ4)。
以下の処理動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0085】
<実施の形態5>
本実施の形態では、検査範囲の変更用の物理的な操作子を筐体100(
図4参照)に配置する例について説明する。
図21は、実施の形態5における表面検査装置1の光学系の構造例を説明する図である。
図21には、
図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態で使用する表面検査装置1Aの撮像部には、いわゆるラインカメラを使用する。このため、撮像範囲は線状である。
【0086】
本実施の形態の場合、検査の際、検査対象10は、1軸ステージ20の上に設置された状態で矢印の方向に移動される。1軸ステージ20が一方向に移動することにより、検査対象10の全体が撮像される。
なお、カメラ107(
図4参照)としてラインカメラを用いる以外、カメラ107(
図4参照)と光源108(
図4参照)の位置関係等は、実施の形態1と同じである。ただし、カメラ107としてラインカメラを用いる場合、各画角に対応する正反射成分を有する照明108を配置する必要がある。
図22は、ラインカメラ107Aを用いる場合に求められる光学条件を説明する図である。
図22の場合、発光部がライン状に配列された照明108Aの各位置から複数の方向に照明光が出力されているが、それらのうちのいずれかが、検査対象10の表面で正反射されてラインカメラ107に入射される。
前述したエリアカメラの場合には、面光源や点光源の配置等の工夫により、各画角に対応する正反射成分の入射が確保される。
【0087】
<他の実施の形態>
(1)以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0088】
(2)前述の実施の形態においては、カメラ107(
図4参照)としてカラーカメラを用いたが、モノクロカメラを用いてもよい。また、カラーカメラのうち緑(G)成分だけを使用して、検査対象10(
図1参照)の表面を検査してもよい。
【0089】
(3)前述の実施の形態においては、光源108(
図4参照)として白色光源を使用したが、照明光の色は任意でよい。
また、照明光は、可視光に限らず、赤外光や紫外光等でもよい。
【0090】
(4)前述の実施の形態では、光源108(
図4参照)を1つ使用する表面検査装置1(
図1参照)について説明したが、複数の光源を用いて検査対象10の表面を照明してもよい。
例えば2つの光源を使用してもよい。その場合、一方の光源は鏡面反射された光成分が主にカメラ107(
図4参照)に入射する角度に配置し、他方の光源は拡散反射された光成分が主にカメラ107に入射する角度に配置してもよい。この場合、2つの光源は、カメラ107の光軸を挟んで両側に配置してもよいし、カメラ107の光軸に対して一方の側に並べて配置してもよい。
【0091】
(5)前述の実施の形態では、光源108(
図4参照)として平行光源を使用したが、非平行光源である点光源や面光源を使用してもよい。また、カメラ107(
図4参照)の光軸上に非テレセントリックレンズを使用してもよい。テレセントリックレンズや平行光を使用しない場合、実施の形態で説明した表面検査装置1(
図1参照)に比して装置の小型化が可能になり、コストも安価に済む。テレセントリックレンズや平行光を使用しない場合、カメラの光学系の各画角に対応する正反射成分が存在するように照明を配置する。
【0092】
(6)前述の実施の形態では、検査対象10(
図1参照)を撮像する表面検査装置1(
図1参照)のプロセッサ101(
図3参照)が、検査対象10に存在する一次元的なパターンの方向とカメラ107(
図3参照)の検出感度が高い向きとのなす角を評価し、評価の結果を作業者に通知する機能を実現しているが、表面検査装置1から画像データを取得する外部のコンピュータやサーバのプロセッサにより同等の機能を実現してもよい。
【0093】
(7)前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(=Graphical Processing Unit)、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(=Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順番は、前述した各実施の形態に記載した順番のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1、1A…表面検査装置、10…検査対象、20…1軸ステージ、101…プロセッサ、102…ROM、103…RAM、104…補助記憶装置、105…ディスプレイ、106…操作受付装置、107…カメラ、108…光源、110…信号線、111…開口部、111A…開口、111B…鍔部、120…操作画面、121A…基準線、122…スコア欄、123…凡例、124、128…情報欄、125…補助線、126…注意文、127…インジケータ、129…強調画像欄