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特開2022-187692情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187692
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221213BHJP
【FI】
G06Q10/06 328
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095820
(22)【出願日】2021-06-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】521247870
【氏名又は名称】インフィルデザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100211719
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 和真
(72)【発明者】
【氏名】中山 勉
(72)【発明者】
【氏名】安崎 彩
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】所定のアイデアやプロジェクトを好適に保護しながら共創によって発展させる。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理装置である。この情報処理装置は、所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施する第1ユーザからの第1情報を取得することと、第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して第1情報を閲覧可能に提供することと、第1情報を閲覧した第3ユーザからのアイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、ブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、第1情報及び第3ユーザによる反応を記録することと、を実行する制御部を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理装置であって、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行する制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を行わないことが含まれる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第3ユーザが前記第1情報を編集することで生成された情報である第2情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2情報を含んだ前記第3ユーザからの所定の支援に基づいて、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンを分配することを、更に実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンの購入の申し出を取得することを、更に実行する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
所定の事業計画データの入力を受け付ける入力層と、入力された該事業計画データから想定される実施結果を表す特徴量を抽出する中間層と、該特徴量に基づく識別結果を出力する出力層と、を有するニューラルネットワークモデルであって、事業計画と実施結果とを含んだデータを用いて学習を行うことにより構築された事前学習モデルに、前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づいて生成された事業計画データを入力することで、該アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画をシミュレーションすることを、更に実行し、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画のシミュレーション結果に基づいて生成された所定の事業計画書を取得することで、前記第1情報を取得する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新規事業の創業・起業に対する社会的関心が高まっているが、起業に有利な機会が周囲に存在しない場合も多い。そして、例えば、タイミングよく事業戦略の策定を行うことができない場合には事業機会を逸してしまったり、資金調達を行うことができない場合には起業できなくなってしまったりして、起業を志す多くの人がその夢や希望を諦めざるを得ない事態が生じている。そこで、従来から新規事業の創業・起業を支援する技術が提案されている。
【0003】
戦略的な事業戦略を容易に見つけるための技術として、例えば、特許文献1には、市場要求抽出部によって抽出された所定の製品に対して、自社リソース情報及び競合他社リソース情報を比較し、自社の優位性に関する情報を算出することで戦略分析を行う技術が開示されている。また、発案した事業の立ち上げや運営のための資金が無くても、当該事業を遂行するために支援することを可能とする技術として、例えば、特許文献2には、事業者からの発案事業情報に対して、参加者からの資源情報と貨幣価値情報を取得し、事業に参加する各会員の貨幣価値情報に基づいて資源の提供率を算出するとともに、各会員へ分配する事業収益の配当を算出する技術が開示されている。また、活動資金を集めたい事業者のために出資を公募することを支援する技術として、例えば、特許文献3には、データベースに登録された事業者のプロジェクト情報を閲覧可能にし、出資金総額に相当する数の活動トークンを事業者に対して発行し、事業に必要な活動として出金した活動費に相当する活動トークンの数を発行された活動トークンの数から減算する技術が開示されている。そして、このようなトークンの処理には、ブロックチェーン技術が用いられることが開示されている。
【0004】
ここで、このようなブロックチェーン技術は、絵画や彫刻、デジタルアート等の作品の管理にも利用されている。作品の二次流通を管理するための技術として、例えば、特許文献4には、所定の作品に対する、作成者情報、取引規則情報、取引に用いられる仮想通貨に関する情報及び作品の譲渡履歴を格納する複数のブロックを連結したブロックチェーンを取得し、作品の譲渡価格に取引規則に定められた割合を乗じた作成者受取額を作品の作成者が指定した者に関連付けられた仮想通貨の残高に加算することを条件として、作品の所有権を作品の現所有者から譲渡人に譲渡させるとともに、作品の所有権の譲渡履歴を追加したブロックチェーンをブロードキャストする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4063701号公報
【特許文献2】特開2020-173489号公報
【特許文献3】特開2019-191744号公報
【特許文献4】特許第6391128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新規事業を創業・起業しようとする際に、そのアイデアが無視され、活かされず、保護されないことが課題となっていることを、本開示人は新たに認識した。例えば、個人が優れた着想を得たとしても、他者に、その着想の分野における経験の少なさを指摘され、その実効性や実現性が無いものと決めつけられ、アイデアを諦めることを促されたり、そのようなアイデアが必要な場面が生じても、旧知のアイデアであるかのようにマージされたりし、その着想の本質を評価される機会を得ることが困難であった。
【0007】
また、構想の実現には、多くの人々の協力が不可欠である。しかしながら、新しい事業に専業として関わることのできる時間や資金を確保できない状況においては、優れたアイデアや、スキル・ノウハウを持っていても、社会に新しい事業として真価を問うことが困難になり易い。そうすると、例えば、事業戦略を策定する場面においては、コンサルタントによる支援を仰ぐか、単独で実行することになるが、継続的にコンサルタントに依頼するのではコストが高くなってしまう。一方で、単独で実行する場合には、例えば、特許文献1に記載の技術を用いることで、単独で事業戦略を見つけ易くなるようにも思われる。しかしながら、本開示人は、事業者が事業を実現していく力を体得するには、根気強いチャレンジの繰り返し、共に進む仲間、指針となる師の存在、成功の夢を見続けられる信念といった要素が、「場」として提供される環境の構築が不可欠であると考える。
【0008】
ここで、特許文献2に記載の技術によれば、資金や物資、労働といった資源を提供して事業へ参加する人材を効率良く集められるようにも思われる。しかしながら、そのアイデアが無視され、保護されない課題を解決することはできない。また、特許文献3に記載の技術によれば、出資金総額に相当する数の活動トークンが事業者に発行されることで、事業者は活動資金を集め易くなるように思われるが、事業者のアイデアやプロジェクトを保護することはできない。また、特許文献4に記載のブロックチェーン技術は、作品の二次流通を管理するためのものであって、アイデアやプロジェクトを「共創」によって発展させるものではない。
【0009】
本開示の目的は、所定のアイデアやプロジェクトを好適に保護しながら共創によって発展させることができ、以て、共創社会の実現に貢献し得る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の情報処理装置は、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理装置である。そして、この情報処理装置は、所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、を実行する制御部を備える。
【0011】
上記の情報処理装置では、第1ユーザが、自身のアイデア又は/及びプロジェクトを、所定のネットワークを介して第2ユーザに公開することができる。ここで、第1ユーザからの第1情報が、ブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに記録されることで、第1ユーザによる価値創造の萌芽が無かったことにされない。例えば、事業がアイデア段階である場合には、その発展性を予測することが困難であるため、価値の評価が過大に評価されたり、無視をされたりする虞があるが、上記によれば、ブロックチェーンの「時系列性」と「改ざん不可能性」といった利点を活用し、アイデアの真価が定まった時点から過去にさかのぼって、その価値の源泉を評価することができる。なお、上記の第1ユーザとは、所定のアイデアに基づいて新規事業を創業・起業しようとするユーザや、所定の価値を創造するプロジェクトを実施しようとするユーザである。また、上記のノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)とは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行されたトークンであって、スマートコントラクトを実行可能なブロックチェーンにより発行される。
【0012】
更に、第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応も上記の取引管理データに記録される。そうすると、アイデア又は/及びプロジェクトに対する全ての活動履歴を時間軸に記録することが可能となり、アイデアの登録・閲覧・支持の状況が、改ざん不可能なブロックチェーンのシステムによる、トレーサビリティを有することになる。これにより、アイデアやプロジェクトの源泉を好適に保護することができる。また、上記によれば、価値創造の成長にいかに有機的な「共創」と「貢献」が行われたかが可視化されることになり、アイデアやプロジェクトを共創によって好適に発展させることができる。なお、上述したような取引の管理が、スマートコントラクトによって自動的に実行されることで、中央集権的な管理が不在であっても、自律的に機能する組織が実現され得る。また、前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を実行しないことが含まれてもよい。このように、第3ユーザによる閲覧のみの反応も取引管理データに記録されることは、アイデアやプロジェクトの保護の観点のみならず、第3ユーザに対して第1ユーザへの支援の動機付けを行うことができ(例えば、第3ユーザには、第1情報を閲覧したのみで第1ユーザへの支援を無視した記録を残したくないという心情が働き)、以て、アイデアやプロジェクトを共創によって好適に発展させ易くなる。
【0013】
また、前記制御部は、前記第3ユーザが前記第1情報を編集することで生成された情報である第2情報を取得してもよい。ここで、第2情報とは、第1情報に対して、例えば、そのアイデアやプロジェクトに類似する既存の技術に関する情報や、知財戦略、実証実験、PoCに関する情報や、市場リサーチに関する情報等が追加された情報である。そして、このような情報処理装置において、前記制御部は、前記第2情報を含んだ前記第3ユーザからの所定の支援に基づいて、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンを分配することを、更に実行してもよい。従来、アイデアやプロジェクトの実施の初期段階で適切な支援が得られないことで、新規事業等が頓挫してしまう事態が生じていたが、上記によれば、第3ユーザからの「先用後利」の支援が自発的に発生するものとなり、専門性を発揮した第3ユーザによる支援が、ボランティアではない、実利あるリターンにつながるものとなる。これにより、アイデアやプロジェクトを共創によって加速度的に発展させることができる。また、人と人の貢献の中にある価値について、正当に評価することができる。
【0014】
以上に述べた情報処理装置において、前記制御部は、前記第2ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンの購入の申し出を取得することを、更に実行してもよい。これによれば、上述した共創の活動方針に価値を感じたユーザから資金調達を行うことができる。そして、このようなトークンの購入による資金調達は、たとえ投機的な期待が含まれるものであっても、未来の価値創造につながる創業や、研究の事業化に費やされるのであれば、投機的な上下動を越えて、社会に貢献する価値を発揮する、創造的な営みを支えるものになる。
【0015】
更に、本開示の情報処理装置では、前記制御部は、所定の事業計画データの入力を受け付ける入力層と、入力された該事業計画データから想定される実施結果を表す特徴量を抽出する中間層と、該特徴量に基づく識別結果を出力する出力層と、を有するニューラルネットワークモデルであって、事業計画と実施結果とを含んだデータを用いて学習を行うことにより構築された事前学習モデルに、前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づいて生成された事業計画データを入力することで、該アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画をシミュレーションすることを、更に実行してもよい。この場合、前記制御部は、前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画のシミュレーション結果に基づいて生成された所定の事業計画書を取得することで、前記第1情報を取得してもよい。これによれば、第1ユーザは、比較的簡単に事業計画書を作成することができ、第1ユーザの利便性が向上する。また、このようなゲーミフィケーションの導入により、第1ユーザは、事業実践のシミュレーション体験を重ねることが可能となる。
【0016】
また、本開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理方法は、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理方法であって、コンピュータが、所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第3ユーザによる前記反応を追加することと、を実行する。
【0017】
また、本開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理プログラムは、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理プログラムであって、コンピュータに、所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第3ユーザによる前記反応を追加することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、所定のアイデアやプロジェクトを好適に保護しながら共創によって発展させることができ、以て、共創社会の実現に貢献し得る技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態における取引管理システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における、取引管理システムに含まれるサーバ及びユーザ端末の構成要素をより詳細に示した図である。
図3】第1実施形態における取引管理システムの動作の流れを例示する図である。
図4】第1実施形態における取引管理システムの中で事業計画書を生成する場合の動作の流れを例示する図である。
図5】サーバからの質問の表示とそれに対する回答の入力画面を例示する図である。
図6】第1実施形態における事前学習モデルに対する入力から得られる識別結果と、該事前学習モデルを構成するニューラルネットワークを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0021】
<第1実施形態>
第1実施形態における取引管理システムの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における取引管理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る取引管理システム100は、ネットワーク200と、サーバ300と、ユーザ端末400と、ブロックチェーンを用いて取引を管理する分散データベース500と、を含んで構成される。なお、本実施形態における取引管理システム100は、ユーザ間で行われる所定の取引を管理するためのシステムであって、該取引の管理は、サーバ300、ユーザ端末400、及び分散データベース500によって実現される。また、本実施形態における上記の取引とは、所定のアイデアを事業として共創により実施することに関する取引である。そして、上記のアイデアを発案して実施するユーザが第1ユーザであって、第1ユーザ以外のユーザが第2ユーザである。本実施形態では、所定のアイデアに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)を含んだ取引管理データとして、分散データベース500が管理される。
【0022】
ネットワーク200は、例えば、IPネットワークであって、サーバ300とユーザ端末400との間、及び複数のユーザ端末400間を通信可能に接続する。ネットワーク200は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、ユーザ端末400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ300及び他のユーザ端末400と通信してもよい。また、ネットワーク200は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網や、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0023】
サーバ300は、ネットワーク200を介して、ユーザ端末400と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、サーバ300は1台、ユーザ端末400は4台示してあるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0024】
サーバ300は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどのような電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。
【0025】
また、サーバ300は、本実施形態に係る取引管理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0026】
ユーザ端末400は、取引管理システム100を利用するユーザが保有する電子機器であって、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどのような電子機器でもよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0027】
ここで、図1に示すように、ユーザ端末400は分散データベース500に参加して、各端末がノードとして直接通信することで、分散型の管理台帳として取引管理データが管理される。
【0028】
次に、図2に基づいて、主にサーバ300とユーザ端末400の構成要素の詳細な説明を行う。図2は、第1実施形態における、取引管理システム100に含まれるサーバ300及びユーザ端末400の構成要素をより詳細に示した図である。
【0029】
サーバ300は、機能部として通信部301、記憶部302、制御部303を有しており、補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各機能部等が制御されることによって、各機能部における所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部又は全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0030】
ここで、通信部301は、サーバ300をネットワーク200に接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。サーバ300は、通信部301を介して、ユーザ端末400やその他の外部装置と通信可能に接続される。
【0031】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部303によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部303において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。また、記憶部302は、ユーザ端末400等から送信されたデータを記憶する。なお、サーバ300は、通信部301を介してユーザ端末400等から送信されたデータを取得する。
【0032】
制御部303は、サーバ300が行う制御を司る機能部である。制御部303は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。制御部303は、更に、取得部3031と、提供部3032と、の2つの機能部を有して構成される。各機能部は、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0033】
取得部3031は、所定のアイデアを発案して実施する第1ユーザからの該アイデアに関する情報である第1情報を取得する。ここで、第1ユーザは、ユーザ端末400を用いて第1情報をサーバ300に送信することができる。そうすると、取得部3031は、第1ユーザのユーザ端末400から送信された第1情報を取得し、これをサーバ300の記憶部302に記憶させる。
【0034】
提供部3032は、第2ユーザに対して、ネットワーク200を介して上記の第1情報を閲覧可能に提供する。ここで、提供部3032は、取引管理データに第1情報を記録し、該取引管理データを第2ユーザのユーザ端末400に送信することで、第1情報を第2ユーザに閲覧可能に提供することができる。
【0035】
詳しくは、サーバ300は、取得部3031によって第1情報を取得し、提供部3032によって該第1情報が記録されたブロックチェーンを生成する。そして、このブロックチェーンを、ネットワーク200を介して第2ユーザのユーザ端末400に送信することで、第1情報を第2ユーザに閲覧可能に提供する。なお、本実施形態で用いられるブロックチェーンは、コントラクト機能を実装するブロックチェーンであって、例えば、イーサリアム(Ethereum)である。これによれば、中央集権的な管理が不在であっても、ユーザ端末400によって、第1情報が記録されたブロックチェーンが分散管理されるため、第1ユーザによる価値創造の萌芽が無かったことにされない。例えば、事業がアイデア段階である場合には、その発展性を予測することが困難であるため、価値の評価が過大に評価されたり、無視をされたりする虞があるが、上記によれば、ブロックチェーンの「時系列性」と「改ざん不可能性」といった利点を活用し、アイデアの真価が定まった時点から過去にさかのぼって、その価値の源泉を評価することが可能となる。
【0036】
また、ユーザ端末400は、機能部として通信部401、記憶部402、制御部403、入出力部404を有している。通信部401は、ユーザ端末400をネットワーク200に接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。記憶部402は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。制御部403は、ユーザ端末400が行う制御を司る機能部であって、更に、取得部4031と、更新処理部4032と、の2つの機能部を有して構成される。入出力部404は、通信部401を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、通信部401を介して外部に情報を送信する際に当該情報を入力したりするための機能部である。入出力部404は、更に、表示部4041、操作入力部4042を有している。表示部4041は、各種情報を表示する機能を有し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。操作入力部4042は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有し、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。
【0037】
取得部4031は、第1情報が記録されたブロックチェーンをサーバ300から取得する。そして、取得部4031は、取得したブロックチェーンをユーザ端末400の記憶部402に記憶させる。そして、このようにして、上記のブロックチェーンが複数のユーザ端末400によって分散管理されることで、取引管理データが分散データベース500で管理されることになる。
【0038】
更に、取得部4031は、上記の第2ユーザのうちの第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの上記第1ユーザのアイデアに対する所定の反応を取得する。ここで、第2ユーザは、自身のユーザ端末400の表示部4041に第1情報を表示させることで、第1情報を閲覧することができる。そして、このような閲覧に係る処理は、取得部4031によって取得される。つまり、取得部4031は、このような閲覧処理も上記の反応として取得する。なお、ユーザ端末400を介して第1情報を取得した第2ユーザのうち、そのユーザ端末400で閲覧処理がされたユーザが第3ユーザとして定義される。そして、取得部4031は、上記の反応として、第3ユーザが第1情報を編集することで生成された情報である第2情報を取得してもよい。ここで、第2情報とは、第1情報に対して、例えば、そのアイデアやプロジェクトに類似する既存の技術に関する情報や、知財戦略、実証実験、PoCに関する情報や、市場リサーチに関する情報等が追加された情報である。
【0039】
更新処理部4032は、取得部4031によって取得された閲覧処理や第2情報を、取引管理データに記録する。詳しくは、更新処理部4032は、複数のユーザ端末400によって分散管理されている上記のブロックチェーンに、閲覧処理が行われたという情報や第2情報を追加する。ここで、分散データベース500に参加しているユーザ端末400は、何れもブロックチェーンの更新権限を有する端末となり得る。そして、分散データベース500に参加しているユーザ端末400のうちの或る端末が、閲覧処理が行われたという情報や第2情報をブロックチェーンに追加する更新を行ったときには、その更新情報が他のユーザ端末400にブロードキャストされる。つまり、ユーザによる取引情報が、分散データベース500に参加している全てのユーザ端末400にブロードキャストされる。そうすると、第1ユーザのアイデアに対する全ての活動履歴を時間軸に記録することが可能となり、アイデアの登録・閲覧・支持の状況が、改ざん不可能なブロックチェーンのシステムによる、トレーサビリティを有することになる。
【0040】
なお、サーバ300の制御部303が、取得部3031及び提供部3032の処理を実行し、ユーザ端末400の制御部403が、取得部4031及び更新処理部4032の処理を実行することで、本開示に係る制御部として機能する。このとき、サーバ300及びユーザ端末400は、取引管理システム100の中で好適に協働可能に構成される。
【0041】
ここで、本実施形態における取引管理システム100の動作の流れについて説明する。図3は、本実施形態における取引管理システム100の動作の流れを例示する図である。図3では、本実施形態における取引管理システム100における各構成要素間の動作の流れ、及び各構成要素が実行する処理を説明する。
【0042】
本実施形態では、先ず、第1ユーザによって、ユーザ端末400に第1情報が入力される(S101)。そして、入力された情報は、ユーザ端末400からサーバ300に送信され、サーバ300が該情報を取得する(S102)。ここで、上述したように、第1情報は、第1ユーザによって発案された所定のアイデアに関する情報である。本実施形態では、第1ユーザは、取引管理システム100の中で上記のアイデアに対する事業計画書を生成して、第1情報として入力することができる。これについて、図4に基づいて説明する。
【0043】
図4は、本実施形態における取引管理システム100の中で事業計画書を生成する場合の動作の流れを例示する図である。図4に示す例では、先ず、第1ユーザによって、ユーザ端末400に基本情報が入力される(S1011)。ここで、基本情報とは、第1ユーザに関するユーザ情報や、アイデアに関する基本的な情報(アイデア名やアイデアが属する業種等)である。そして、入力された情報は、ユーザ端末400からサーバ300に送信され、サーバ300が該情報を取得する(S1012)。
【0044】
そして、サーバ300は、第1ユーザへの質問を生成し(S1013)、それをユーザ端末400に送信することで、ユーザ端末400がその情報を取得する(S1014)。第1ユーザは、取得した質問への回答をユーザ端末400に入力し(S1015)、それがサーバ300に送信されることで、サーバ300がその情報を取得する(S1016)。ここで、上記の質問とは、アイデアに基づいて実施され得る事業についての所定の質問である。そして、このような処理には、例えば、周知のAIチャットボットの技術を用いることができる。これについて、図5に基づいて説明する。
【0045】
図5は、サーバ300からの質問の表示とそれに対する回答の入力画面を例示する図である。図5に例示する画面SC1には、サーバ300からの質問の表示フィールドSC11と、回答入力フィールドSC12とが示される。第1ユーザは、図5に例示する画面SC1を介して、サーバ300からの質問に対する回答を入力するためのインタフェースをユーザ端末400の表示部4021に表示させ、操作入力部4022を用いて回答を入力することができる。図5に示す例では、サーバ300からの質問として、商品やサービスに対する質問、売価と原価に対する質問、売上目標と必要経費に対する質問、顧客ターゲットと競合に対する質問が表示されている。
【0046】
そして、図4に戻って、サーバ300は、取得した第1ユーザからの回答に基づいて、事業計画をシミュレーションする(S1017)。このとき、サーバ300は、第1ユーザからの回答に基づいて生成した事業計画を事前学習モデルに入力することで、事業計画をシミュレーションすることができる。そして、事前学習モデルは、事業計画と実施結果とを含んだデータを用いて学習を行うことにより構築される。
【0047】
ここで、図6は、本実施形態における事前学習モデルに対する入力から得られる識別結果と、該事前学習モデルを構成するニューラルネットワークを説明するための図である。本実施形態では、事前学習モデルとして、ディープラーニングにより生成されるニューラルネットワークモデルを用いる。本実施形態における事前学習モデル30は、所定の事業計画データの入力を受け付ける入力層31と、入力層31に入力された該事業計画データから想定される実施結果を表す特徴量を抽出する中間層(隠れ層)32と、特徴量に基づく識別結果を出力する出力層33とを有する。なお、図6の例では、事前学習モデル30は、1層の中間層32を有しており、入力層31の出力が中間層32に入力され、中間層32の出力が出力層33に入力されている。ただし、中間層32の数は、1層に限られなくてもよく、事前学習モデル30は、2層以上の中間層32を有してもよい。
【0048】
また、図6によると、各層31~33は、1又は複数のニューロンを備えている。例えば、入力層31のニューロンの数は、入力される事業計画データに応じて設定することができる。また、出力層33のニューロンの数は、識別結果である想定される実施結果に応じて設定することができる。
【0049】
そして、隣接する層のニューロン同士は適宜結合され、各結合には重み(結合荷重)が機械学習の結果に基づいて設定される。図6の例では、各ニューロンは、隣接する層の全てのニューロンと結合されているが、ニューロンの結合は、このような例に限定されなくてもよく、適宜設定することができる。
【0050】
このような事前学習モデル30は、例えば、実施結果を含んだ事業計画データと、実施結果のラベルと、の組みである教師データを用いて教師あり学習を行うことで構築される。具体的には、特徴量とラベルとの組みをニューラルネットワークに与え、ニューラルネットワークの出力がラベルと同じとなるように、ニューロン同士の結合の重みがチューニングされる。このようにして、教師データの特徴を学習し、入力から結果を推定するための事前学習モデルが帰納的に獲得される。
【0051】
なお、事前学習モデル30は、教師なし学習を行うことで構築されてもよい。教師なし学習には、例えば、転移学習の一種であるドメイン適応を用いることができる。これによれば、ラベルが付された教師データを大量に用意すること無く、事前学習モデルを獲得することができる。
【0052】
また、上記の教師データには、本開示の取引管理システムによって実施された過去の事業に関するデータを利用することができる。この場合、過去の事業の実施結果は、共創の度合い、社会貢献性、環境への貢献、事業規模、収益性などを考慮した総合評価によりラベル付けされ得る。
【0053】
そして、図4に戻って、ユーザ端末400は、サーバ300から送信されたシミュレーションに関する情報を取得する(S1018)。第1ユーザは、取得した情報への評価をユーザ端末400に入力し(S1019)、それがサーバ300に送信されることで、サーバ300がその情報を取得する(S1020)。これによれば、第1ユーザは、ゲーム感覚で事業を体験することができる。つまり、このようなゲーミフィケーションの導入により、第1ユーザは、事業実践のシミュレーション体験を重ねることが可能となる。
【0054】
更に、サーバ300は、事業計画書を生成し(S1021)、それをユーザ端末400に送信することで、ユーザ端末400が該事業計画書を取得する(S1022)。このような処理によれば、第1ユーザは、比較的簡単に事業計画書を作成することができ、第1ユーザの利便性が向上する。
【0055】
そして、図3に戻って、サーバ300は、以上のようにして生成された事業計画書を取得することで、第1情報を取得することができる。
【0056】
次に、サーバ300は、取得した第1情報が記録されたブロックチェーンを生成する(S103)。そして、このブロックチェーンを、ネットワーク200を介して第2ユーザのユーザ端末400に送信することで、第1情報を第2ユーザに閲覧可能に提供する。なお、このブロックチェーンは、ネットワーク200を介して第1ユーザのユーザ端末400にも送信される。そうすると、送信されたブロックチェーンが、ユーザのユーザ端末400に記憶される(S104、S105)。
【0057】
そして、第2ユーザのユーザ端末400では、該ユーザ端末400で第1情報を閲覧する処理が実行されると、その閲覧処理が第2ユーザによる反応として、ブロックチェーンに記録される(S106)。つまり、上記の反応には、第1情報を閲覧したのみで第1ユーザのアイデアに対して所定の行動を実行しないことも含まれる。このように、閲覧のみの反応もブロックチェーンに記録されることは、アイデアの保護の観点のみならず、第1ユーザへの支援の動機付けを行うことができ(例えば、第1情報を閲覧したのみで第1ユーザへの支援を無視した記録を残したくないという心情が働き)、以て、アイデアを共創によって好適に発展させ易くなる。
【0058】
また、ブロックチェーンには、ユーザ端末400で閲覧処理がされた第3ユーザによる第1情報の編集処理も、第3ユーザによる反応として記録される(S106)。詳しくは、第3ユーザが第1情報を編集することで生成された情報である第2情報がブロックチェーンに記録される。つまり、第1ユーザのアイデアに対する第3ユーザによる貢献がブロックチェーンに記録される。これは、例えば、既存リサーチによる貢献であって、既存のサービスがあることを伝える貢献や、先行アイデア者との橋渡しをする貢献や、文献や情報の提供などアイデアの更なる高度化のために必要となる貢献などである。
【0059】
なお、このような第3ユーザからの貢献によって生成された第2情報に基づいて、再度、事業計画書が生成されてもよい。この場合、上記の図4に示したS1021の処理で生成された事業計画書と第2情報とを事前学習モデルに入力することで、再度事業計画をシミュレーションすることができ、上記の図4に示したS1017~S1022の処理によって事業計画書が生成される。そして、サーバ300は、このようにして生成された事業計画書を更新された第1情報として取得し、ブロックチェーンに記録することができる。
【0060】
また、第3ユーザによる反応には、第1ユーザのアイデアを共創事業として実践していく際に編成される所定の組織への加入オファーに対する第3ユーザからの返答も含まれ得る。ここで、構想の実現には、多くの人々の協力が不可欠である。そこで、本実施形態の取引管理システム100は、第1ユーザのアイデアを共創事業として実践していくための「場」を提供することができる。詳しくは、サーバ300は、社会的な貢献の実績や、上述した既存リサーチによる共創貢献の実績などに基づいて、第1ユーザのユーザ端末400に上記組織の候補者情報を送信する。そうすると、第1ユーザは、ユーザ端末400に表示された候補者情報に基づいて、組織への加入を希望する候補者を選択することができる。第1ユーザによる選択は、ユーザ端末400からサーバ300に送信され、サーバ300は、第1ユーザによって選択された候補者のユーザ端末400に組織への加入オファーを送信することができる。
【0061】
このようにして、組織が編成された場合には、該組織に所属するユーザの活動が第3ユーザによる反応としてブロックチェーンに記録される。
【0062】
そして、以上に述べたようなブロックチェーンへの記録が行われると、その更新情報が他のユーザ端末400にブロードキャストされる(S107)。これにより、第1ユーザのアイデアに対する全ての活動履歴を時間軸に記録することが可能となり、アイデアの登録・閲覧・支持の状況が、改ざん不可能なブロックチェーンのシステムによる、トレーサビリティを有することになる。
【0063】
以上に述べた取引管理システム100において、第3ユーザには、その支援に基づいて、第1ユーザのアイデアに付与されたノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)が分配されてもよい。ここで、上記のNFTとは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行されたトークンであって、スマートコントラクトを実行可能なブロックチェーンにより発行される。なお、NFTは、イーサリアムネットワークにおいて取引される暗号通貨であるイーサ(Ether)と同様に、イーサリアムネットワークにおいて取引可能である。イーサリアムは、Peer to Peer(P2P)ネットワーク上のブロックチェーンネットワークである。
【0064】
ここで、上記のNFTの所有者は第1ユーザである。そして、サーバ300は、イーサリアムネットワーク上に構築されたスマートコントラクトを呼び出す機能を有する。サーバ300は、スマートコントラクトの呼び出しに用いられるネットワークアクセスを受け付けると、NFTに対する操作を実行させるために、スマートコントラクトを呼び出す処理を実行する。呼び出されたスマートコントラクトは、NFTに対する操作を実行する。
【0065】
詳しくは、サーバ300は、第1ユーザのユーザ端末400からネットワークアクセスを受け付けると、スマートコントラクトを呼び出す処理を実行し、スマートコントラクトは、NFTが第1ユーザからスマートコントラクトへ送信されるよう操作を行う。これにより、第1ユーザのNFTがスマートコントラクトへ預けられる。そして、上記のNFTをスマートコントラクトが有しているときに、サーバ300が、第3ユーザのユーザ端末400からネットワークアクセスを受け付けた場合、スマートコントラクトによるNFTの操作は、スマートコントラクトから第3ユーザへのNFTの送信となる。これにより、第1ユーザのアイデアに付与されたNFTが第3ユーザに分配される。ここで、第1ユーザは、NFTの持分を設定することができる。例えば、第1ユーザは、自身のNFTの持分を50%に設定し、第3ユーザのNFTの持分を50%に設定する。この場合、第3ユーザのNFTの持分において、各第3ユーザによる支援に応じてNFTが更に分配される。
【0066】
これによれば、第3ユーザからの「先用後利」の支援が自発的に発生するものとなり、専門性を発揮した第3ユーザによる支援が、ボランティアではない、実利あるリターンにつながるものとなる。これにより、アイデアを共創によって加速度的に発展させることができる。また、人と人の貢献の中にある価値について、正当に評価することができる。
【0067】
更に、上記の取引管理システム100において、サーバ300は、第2ユーザからのNFTの購入の申し出を取得してもよい。例えば、分散データベース500で管理される取引管理データには、第2ユーザからのNFTの購入の申し出を取得するためのインタフェースが付随していて、サーバ300は、例えば、該インタフェースを介して第2ユーザからのNFTの購入の申し出を取得することができる。そして、NFTの購入の申し出を取得したサーバ300は、その情報を第1ユーザのユーザ端末400に送信することができる。第1ユーザは、ユーザ端末400に表示されたNFTの購入の申し出に関する情報に基づいて、その承諾の可否を選択することができる。第1ユーザによる選択は、ユーザ端末400からサーバ300に送信され、サーバ300は、上述したスマートコントラクトを呼び出す処理を実行することができる。これによれば、上述した共創の活動方針に価値を感じたユーザから資金調達を行うことができる。そして、このようなトークンの購入による資金調達は、たとえ投機的な期待が含まれるものであっても、未来の価値創造につながる創業や、研究の事業化に費やされるのであれば、投機的な上下動を越えて、社会に貢献する価値を発揮する、創造的な営みを支えるものになる。
【0068】
以上に述べた取引管理システム100によれば、所定のアイデアを好適に保護しながら共創によって発展させることができる。
【0069】
<第2実施形態>
上記の第1実施形態では、所定のアイデアを事業として共創により実施することに関する取引を例にして説明した。これに対して、本実施形態では、所定のプロジェクトを共創により実施することに関する取引が、取引管理システム100によって管理される。この場合、上記のプロジェクトを企画して実施するユーザが第1ユーザとなる。なお、本実施形態におけるプロジェクトは、例えば、所定の建築工事についてのプロジェクトである。
【0070】
本実施形態では、第1ユーザが、建築工事プロジェクトの企画に関する第1情報をユーザ端末400に入力すると、サーバ300は、第1情報が記録されたブロックチェーンを生成し、ネットワーク200を介して第2ユーザのユーザ端末400に送信する。ここで、サーバ300は、社会的な貢献の実績や、職人としての行動履歴、過去の共創貢献の実績などに基づいて選定した第2ユーザのユーザ端末400に、上記のブロックチェーンを送信してもよい。
【0071】
そして、第2ユーザのユーザ端末400では、該ユーザ端末400で第1情報を閲覧する処理が実行されると、その閲覧処理が第2ユーザによる反応として、ブロックチェーンに記録される。更に、ユーザ端末400で閲覧処理がされた第3ユーザによる第1情報の編集処理も、第3ユーザによる反応として記録される。詳しくは、第3ユーザが第1情報を編集することで生成された情報である第2情報がブロックチェーンに記録される。ここで、第2情報とは、第1情報に対して、工事の手配や予約に関する情報や、AIチャットボットへの応答によって自動生成された見積りに関する情報などが追加されたものである。
【0072】
また、上記の建築工事プロジェクトの建築設計においては、工事の積算とともにその過程がブロックチェーンに記録され得る。これによれば、建築工事プロジェクトを共創により実施する全ての活動履歴を時間軸に記録することが可能となり、プロジェクトの登録・閲覧・支持の状況が、改ざん不可能なブロックチェーンのシステムによる、トレーサビリティを有することになる。
【0073】
以上に述べた取引管理システム100によれば、所定のプロジェクトを好適に保護しながら共創によって発展させることができる。
【0074】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0075】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、取得部3031と提供部3032とを別々の演算処理装置に形成してもよい。このとき当該別々の演算処理装置は好適に協働可能に構成される。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0076】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0077】
100・・・取引管理システム
200・・・ネットワーク
300・・・サーバ
301・・・通信部
302・・・記憶部
303・・・制御部
400・・・ユーザ端末
401・・・通信部
402・・・記憶部
403・・・制御部
500・・・分散データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理装置であって、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行する制御部を備え
前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を行わないことと、前記第1情報を編集して前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の第2情報を生成することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトを実施する際に編成される所定の組織への加入オファーであって前記第2情報の生成による貢献に基づいて行われる加入オファーに対して返答することと、が含まれる、
情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理装置であって、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
所定の事業計画データの入力を受け付ける入力層と、入力された該事業計画データから想定される実施結果を表す特徴量を抽出する中間層と、該特徴量に基づく識別結果を出力する出力層と、を有するニューラルネットワークモデルであって、事業計画と実施結果とを含んだデータを用いて学習を行うことにより構築された事前学習モデルに、前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づいて生成された事業計画データを入力することで、該アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画をシミュレーションすることを、更に実行し、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画のシミュレーション結果に基づいて生成された所定の事業計画書を取得することで、前記第1情報を取得する、
情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画をシミュレーションすることを、更に実行し、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに基づく事業計画のシミュレーション結果に基づいて生成された所定の事業計画書を取得することで、更新された前記第1情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2情報を含んだ前記第3ユーザからの所定の支援に基づいて、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンを分配することを、更に実行する、
請求項1又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンの購入の申し出を取得することを、更に実行する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行し、
前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を行わないことと、前記第1情報を編集して前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の第2情報を生成することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトを実施する際に編成される所定の組織への加入オファーであって前記第2情報の生成による貢献に基づいて行われる加入オファーに対して返答することと、が含まれる、
情報処理方法。
【請求項7】
ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、
前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、
前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、
前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第1情報及び前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、
を実行させ
前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を行わないことと、前記第1情報を編集して前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の第2情報を生成することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトを実施する際に編成される所定の組織への加入オファーであって前記第2情報の生成による貢献に基づいて行われる加入オファーに対して返答することと、が含まれる、
情報処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、前記制御部は、前記第3ユーザが前記第1情報を編集することで生成された情報である第2情報を取得してもよい。ここで、第2情報とは、第1情報に対して、例えば、そのアイデアやプロジェクトに類似する既存の技術に関する情報や、知財戦略、実証実験、PoCに関する情報や、市場リサーチに関する情報等が追加された情報である。この場合、前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を編集して前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の第2情報を生成することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトを実施する際に編成される所定の組織への加入オファーであって前記第2情報の生成による貢献に基づいて行われる加入オファーに対して返答することと、が含まれてもよい。そして、このような情報処理装置において、前記制御部は、前記第2情報を含んだ前記第3ユーザからの所定の支援に基づいて、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたノンファンジブルトークンを分配することを、更に実行してもよい。従来、アイデアやプロジェクトの実施の初期段階で適切な支援が得られないことで、新規事業等が頓挫してしまう事態が生じていたが、上記によれば、第3ユーザからの「先用後利」の支援が自発的に発生するものとなり、専門性を発揮した第3ユーザによる支援が、ボランティアではない、実利あるリターンにつながるものとなる。これにより、アイデアやプロジェクトを共創によって加速度的に発展させることができる。また、人と人の貢献の中にある価値について、正当に評価することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理方法は、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理方法であって、コンピュータが、所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、を実行し、前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を行わないことと、前記第1情報を編集して前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の第2情報を生成することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトを実施する際に編成される所定の組織への加入オファーであって前記第2情報の生成による貢献に基づいて行われる加入オファーに対して返答することと、が含まれる
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、本開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理プログラムは、ユーザ間で行われる所定の取引を管理する情報処理プログラムであって、コンピュータに、所定のアイデア又は/及びプロジェクトを発案して実施するユーザである第1ユーザからの該アイデア又は/及びプロジェクトに関する情報である第1情報を取得することと、前記第1ユーザ以外のユーザである第2ユーザに対して、所定のネットワークを介して前記第1情報を閲覧可能に提供することと、前記第2ユーザのうちの前記第1情報を閲覧したユーザである第3ユーザからの前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の反応を取得することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトに付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンを含んだ取引管理データに、前記第3ユーザによる前記反応を記録することと、を実行させ、前記第3ユーザによる前記反応には、前記第1情報を閲覧したのみで前記アイデア又は/及びプロジェクトに対して所定の行動を行わないことと、前記第1情報を編集して前記アイデア又は/及びプロジェクトに対する所定の第2情報を生成することと、前記アイデア又は/及びプロジェクトを実施する際に編成される所定の組織への加入オファーであって前記第2情報の生成による貢献に基づいて行われる加入オファーに対して返答することと、が含まれる