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特開2022-187709制御装置、移動体、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187709
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】制御装置、移動体、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221213BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095848
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 守哉
(72)【発明者】
【氏名】井上 茂
(72)【発明者】
【氏名】呉橋 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】坂川 祐太
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】適切な警報レベルで歩行者に通知することができる制御装置、移動体、制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、移動体から認識できない認識不可エリアを特定するエリア特定部と、エリア特定部によって特定された認識不可エリア内の位置に移動体が到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出部と、到達時間に基づいて、エリア特定部によって特定された認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定する領域設定部と、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する警報レベル設定部と、第1領域の位置情報及び第2領域の位置情報と、警報レベル設定部が第1領域及び第2領域に設定した警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行う送信制御部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体から認識できない認識不可エリアを特定するエリア特定部と、
前記エリア特定部によって特定された前記認識不可エリア内の位置に前記移動体が到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出部と、
前記到達時間に基づいて、前記エリア特定部によって特定された前記認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定する領域設定部と、
前記第1領域及び前記第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する警報レベル設定部と、
前記第1領域の位置情報及び前記第2領域の位置情報と、前記警報レベル設定部が前記第1領域及び前記第2領域に設定した警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行う送信制御部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記領域設定部は、前記エリア特定部が特定した前記認識不可エリアが予め定められた大きさを超えた場合に前記第1領域及び前記第2領域を設定し、
前記警報レベル設定部は、前記領域設定部が前記第1領域及び前記第2領域を設定しなかった場合に、前記認識不可エリアに一律の警報レベルを設定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記警報レベル設定部は、前記移動体が前記第1領域に到達するまでの到達時間、及び、前記移動体が前記第2領域に到達するまでの到達時間に基づいて、前記第1領域及び前記第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記送信制御部は、宛先を指定せずに前記警告情報を送信する制御を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記移動体に設置された撮像部によって撮像された画像を取得する画像取得部
をさらに備え、
前記エリア特定部は、前記画像に基づいて前記認識不可エリアを特定する
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記認識不可エリアの位置情報を外部装置から受信する制御を行う位置情報受信制御部
をさらに備え、
前記エリア特定部は、前記外部装置から受信した前記位置情報に基づいて、前記移動体の位置から認識できないエリアを特定する
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記外部装置は、前記認識不可エリアの位置情報を収集するサーバ又は他の移動体である
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記警告情報に対する外部装置からの応答情報を受信する制御を行う応答受信制御部と、
前記応答情報に基づいて前記移動体の制御を行う移動体制御部と
をさらに備える請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記移動体制御部は、前記移動体の運転支援又は前記移動体の乗員に対する警告の実行を制御する
請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記応答受信制御部は、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方の領域内に警告対象が存在することを示す前記応答情報を受信する制御を行う
請求項8又は9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記応答受信制御部は、前記認識不可エリア外に存在する他の移動体から前記応答情報を受信する制御を行う
請求項8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記応答受信制御部は、前記認識不可エリア内に存在する他の移動体から前記応答情報を受信する制御を行う
請求項8から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記第1領域の位置情報は前記第1領域の座標情報を含み、前記第2領域の位置情報は前記第2領域の座標情報を含む
請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記移動体は車両である
請求項1から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の制御装置を備える移動体。
【請求項16】
移動体から認識できない認識不可エリアを特定する段階と、
前記特定された前記認識不可エリア内の位置に前記移動体が到達するまでの到達時間を算出する段階と、
前記到達時間に基づいて、前記特定された前記認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定する段階と、
前記第1領域及び前記第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する段階と、
前記第1領域の位置情報及び前記第2領域の位置情報と、前記第1領域及び前記第2領域に設定された前記警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行う段階と
を備える制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、
移動体から認識できない認識不可エリアを特定するステップと、
前記特定された前記認識不可エリア内の位置に前記移動体が到達するまでの到達時間を算出するステップと、
前記到達時間に基づいて、前記特定された前記認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定するステップと、
前記第1領域及び前記第2領域に互いに異なる警報レベルを設定するステップと、
前記第1領域の位置情報及び前記第2領域の位置情報と、前記第1領域及び前記第2領域に設定された前記警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行うステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、移動体、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物体が交通手段の運転安全を危険にさらす可能性を示す危険度が閾値程度を超えたことに応答して、交通手段に対する危険早期警告指示を提供する危険早期警告方法が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-109655号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、制御装置が提供される。制御装置は、移動体から認識できない認識不可エリアを特定するエリア特定部を備える。制御装置は、エリア特定部によって特定された認識不可エリア内の位置に移動体が到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出部を備える。制御装置は、到達時間に基づいて、エリア特定部によって特定された認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定する領域設定部を備える。制御装置は、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する警報レベル設定部を備える。制御装置は、第1領域の位置情報及び第2領域の位置情報と、警報レベル設定部が第1領域及び第2領域に設定した警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行う送信制御部を備える。
【0004】
領域設定部は、エリア特定部が特定した認識不可エリアが予め定められた大きさを超えた場合に第1領域及び第2領域を設定してよい。警報レベル設定部は、領域設定部が第1領域及び第2領域を設定しなかった場合に、認識不可エリアに一律の警報レベルを設定してよい。
【0005】
警報レベル設定部は、移動体が第1領域に到達するまでの到達時間、及び、移動体が第2領域に到達するまでの到達時間に基づいて、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定してよい。
【0006】
送信制御部は、宛先を指定せずに警告情報を送信する制御を行ってよい。
【0007】
制御装置は、移動体に設置された撮像部によって撮像された画像を取得する画像取得部を備えてよい。エリア特定部は、画像に基づいて認識不可エリアを特定してよい。
【0008】
制御装置は、認識不可エリアの位置情報を外部装置から受信する制御を行う位置情報受信制御部を備えてよい。エリア特定部は、外部装置から受信した位置情報に基づいて、移動体の位置から認識できないエリアを特定してよい。
【0009】
外部装置は、認識不可エリアの位置情報を収集するサーバ又は他の移動体であってよい。
【0010】
制御装置は、警告情報に対する外部装置からの応答情報を受信する制御を行う応答受信制御部を備えてよい。制御装置は、応答情報に基づいて移動体の制御を行う移動体制御部を備えてよい。
【0011】
移動体制御部は、移動体の運転支援又は移動体の乗員に対する警告の実行を制御してよい。
【0012】
応答受信制御部は、第1領域及び第2領域の少なくとも一方の領域内に警告対象が存在することを示す応答情報を受信する制御を行ってよい。
【0013】
応答受信制御部は、認識不可エリア外に存在する他の移動体から応答情報を受信する制御を行ってよい。
【0014】
応答受信制御部は、認識不可エリア内に存在する他の移動体から応答情報を受信する制御を行ってよい。
【0015】
第1領域の位置情報は第1領域の座標情報を含み、第2領域の位置情報は第2領域の座標情報を含んでよい。
【0016】
移動体は車両であってよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、移動体が提供される。移動体は、上記制御装置を備える。
【0018】
本発明の第3の態様においては、制御方法が提供される。制御方法は、移動体から認識できない認識不可エリアを特定する段階を備える。制御方法は、特定された認識不可エリア内の位置に移動体が到達するまでの到達時間を算出する段階を備える。制御方法は、到達時間に基づいて、特定された認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定する段階を備える。制御方法は、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する段階を備える。制御方法は、第1領域の位置情報及び第2領域の位置情報と、第1領域及び第2領域に設定された警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行う段階を備える。
【0019】
本発明の第4の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータに、移動体から認識できない認識不可エリアを特定するステップを実行させる。プログラムは、コンピュータに、特定された認識不可エリア内の位置に移動体が到達するまでの到達時間を算出するステップを実行させる。プログラムは、コンピュータに、到達時間に基づいて、特定された認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定するステップを実行させる。プログラムは、コンピュータに、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定するステップを実行させる。プログラムは、コンピュータに、第1領域の位置情報及び第2領域の位置情報と、第1領域及び第2領域に設定された警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行うステップを実行させる。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】警報システム10の利用場面を模式的に示す。
図2】車両20のシステム構成を示す。
図3】認識不可エリアを複数の領域に分割して警告レベルを設定する状況を説明するための図である。
図4】警告情報に含まれる第1領域及び第2領域の位置情報を概念的に示す。
図5】車両20a、端末82及び車両20dが実行する処理の流れを概略的に示す。
図6】車両20aにおいて制御装置24aが実行する制御方法に係るフローチャートを示す。
図7】コンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、警報システム10の利用場面を模式的に示す。警報システム10は、車両20a、車両20b、車両20c、車両20d、車両20e、及び車両20fと、端末82a及び端末82bとを備える。
【0024】
本実施形態において、車両20a、車両20b、車両20c、車両20d、車両20e及び車両20fを「車両20」と総称する場合がある。車両20は移動体の一例である。また、端末82a及び端末82bは、それぞれ歩行者80a及び歩行者80bが所持する端末である。本実施形態において、歩行者80a及び歩行者80bを「歩行者80」と総称する場合がある。また、端末82a及び82bを「端末82」と総称する場合がある。
【0025】
車両20aは、センサ29a及び制御装置24aを備える。センサ29aは、カメラを含んで構成される。制御装置24aは、センサ29aが取得した情報の処理機能と、通信機能とを備える。なお、本実施形態において、車両20が備える構成要素(例えば、センサ29及び制御装置24)の符号の末尾に、車両20の符号の末尾(「a」、「e」、「f」等)のいずれかを付すことにより、いずれの車両20が備える構成要素であるかを区別するものとする。
【0026】
図1において、車両20aは、道路70に沿って走行している車両である。車両20bは道路70上に駐車している車両である。車両20aにとって、駐車中の車両20bより車両20aの進行方向側のエリア110は、車両20aの位置からは視認しにくいエリアである。また、車両20cは、車両20aから見た場合に道路70の対向車線に沿って走行している車両である。車両20cより車両20aの進行方向側のエリア120は、車両20aの位置からは視認しにくいエリアである。したがって、制御装置24aは、センサ29aで取得された進行方向の画像から、車両20aから見通せないエリア110及びエリア120を認識不可エリアとして検出する。制御装置24aは、エリア110及び120の位置情報を含む警告情報を無線通信で送信する。
【0027】
図1において、車両20dは、車両20aの対向車であり、エリア110及びエリア120を視認可能な位置を走行している車両である。車両20dの制御装置24dは、車両20aから送信されたを受信すると、センサ29dで取得した画像から、エリア110及びエリア120にそれぞれ歩行者が存在するか否かを判断する。制御装置24dは、センサ29dで取得した画像からエリア110に歩行者80aが存在することを検出すると、エリア110に歩行者が存在することを示す応答情報を、無線通信で車両20aに送信する。また、制御装置24dは、センサ29dで取得した画像からエリア120に歩行者が存在しないことを検出すると、エリア120に歩行者が存在しないことを示す応答情報を、無線通信で車両20aに送信する。
【0028】
端末82aは、車両20aから送信された警告情報を受信すると、端末82aの現在位置がエリア110内にあるか否かを判断する。端末82aは、端末82aの現在位置がエリア110内にあると判断すると、エリア110に端末82aが存在することを示す応答情報を、無線通信で車両20aに送信する。また、端末82aは、歩行者80aに対する警報情報を出力する。
【0029】
車両20aにおいて、制御装置24aは、エリア110に歩行者が存在することを示す応答情報を車両20dから受信した場合に、警報表示を行う。また、制御装置24aは、端末82aから応答情報を受信すると、車両20aの乗員に対する警報表示を行う。
【0030】
なお、図1において、例えば道路72を走行している車両20eの位置からは、建物90が障害になるためにエリア130を視認しにくい。そのため、車両20eの制御装置24eは、エリア130の位置情報を含む警告情報を、無線通信で送信する。
【0031】
図1において、車両20fは、車両20eの対向車であり、エリア130を視認可能な位置で停車している車両である。車両20fの制御装置24fは、車両20eら送信された警告情報を受信すると、センサ29fで取得した画像から、エリア130に歩行者が存在するか否かを判断する。制御装置24fは、センサ29fで取得した画像からエリア110に歩行者80bが存在することを検出すると、エリア130に歩行者が存在することを示す応答情報を、無線通信で車両20eに送信する。また、端末82bは、警告情報を受信すると、端末82bの現在位置がエリア130内にあるか否かを判断し、現在位置がエリア130内にあると判断すると、エリア130に端末82bが存在することを示す応答情報を、無線通信で車両20eに送信する。また、端末82bは、歩行者80bに対する警報情報を出力する。
【0032】
車両20eにおいて、制御装置24eは、エリア130に歩行者が存在することを示す応答情報を車両20fから受信した場合に、警報表示を行う。また、制御装置24eは、端末82bから応答情報を受信すると、車両20eの乗員に対する警報表示を行う。
【0033】
このように、制御装置24は、自車から死角となるような認識不可エリアの位置情報を含む警告情報を、無線通信で他車に送信する。他車は、警告情報を受信すると、当該認識不可エリアに歩行者が存在するか否かを判断して、当該認識不可エリアに歩行者が存在する旨を示す応答情報を、無線通信で送信する。また、端末82は、自端末が当該認識不可エリア内に存在する場合に、応答情報を無線通信で送信する。歩行者の端末82又は他車からの応答情報を受信すると、制御装置24は、車両20の乗員に対して警報表示を行う。これにより、車両20や歩行者80が認識できない認識不可エリアを適切に報知することができる。認識不可エリアは、車両20又は制御装置24が認識した外部環境に関する状態の認識であるといえる。認識不可エリアは、例えば、歩行者80や車両20にとってリスクがあるエリアであるといえる。認識不可エリアは、例えば、歩行者80や車両20にとって安全確認を行う必要があるエリアであるといえる。
【0034】
なお、制御装置24と端末82及び他の車両20の制御装置24との間の通信は、直接通信により実行される。例えば、制御装置24は、Cellular-V2Xにおける近距離直接通信により、端末82及び他の車両20の制御装置24と直接通信を行う。Cellular-V2Xにおける近距離直接通信としては、LTE-V2X PC5や、5G-V2X PC5等(本実施形態において、「PC5」と略称する)の通信方式が含まれる。直接通信としてWi-Fi(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いる形態を採用してもよい。制御装置24は、基地局50を介して直接通信を行ってよい。直接通信として、Cellular-V2XやDSRC(登録商標)以外に、Bluetooth(登録商標)等の任意の直接通信方式を採用してもよい。制御装置24は、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)が備える通信インフラを用いて、端末82及び他の車両20の制御装置24との間で直接通信をしてもよい。
【0035】
なお、本実施形態では、分かり易く説明するために、認識不可エリア内に歩行者が存在するか否かを判断する場合を取り上げる。歩行者とは道路上を車両によらない方法で通行することができる人物のことをいう。歩行者は、車いす等によって道路を通行する人物を含む。しかし、歩行者に限らず、歩行者以外の人物や他の車両等、任意の移動体が認識不可エリア内に存在するか否かを判断してよい。歩行者以外の人物としては、停車中の車両に乗車している人物を含んでよい。
【0036】
図2は、車両20のシステム構成を示す。車両20は、センサ29と、運転支援制御装置30と、制御装置24と、通信装置48と、情報出力装置40とを備える。
【0037】
センサ29は、レーダー21と、カメラ22と、GNSS受信部25と、車速センサ26とを備える。レーダー21は、LiDARやミリ波レーダー等であってよい。GNSS受信部25は、GNSS衛星から発信された電波を受信する。GNSS受信部25は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両20の現在位置を示す情報を生成する。カメラ22は、車両20に搭載される撮像部の一例である。カメラ22は、車両20の周辺を撮像して画像情報を生成する。例えば、カメラ22は、車両20の進行方向の画像を撮像して画像情報を生成する。カメラ22は単眼カメラであってよい。カメラ22は複眼カメラであり、物体までの距離情報を取得できるカメラであってよい。なお、センサ29は、オドメータ等の位置センサや、加速度センサや姿勢センサ等のIMU(慣性計測ユニット)を備えてよい。
【0038】
運転支援制御装置30は、センサ29で検出された情報を用いて、車両20の運転支援を行う。運転支援制御装置30は、先進運転支援システム(ADAS;Advanced Driver-Assistance Systems)の機能を有するECUにより実現されてよい。
【0039】
通信装置48は、端末82及び他の車両20との間の直接通信を担う。例えば、通信装置48は、PC5による無線通信を担う。
【0040】
制御装置24は、制御部200と、記憶部280とを備える。制御部200は、例えばプロセッサを含む演算処理装置等の回路により実現される。記憶部280は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。制御部200は、記憶部280に格納された情報を用いて処理を行う。制御部200は、CPU、ROM、RAM、I/O及びバス等を備えたマイクロコンピュータを備えるECU(Electronic Control Unit)によって実現されてよい。
【0041】
制御部200は、画像取得部210と、エリア特定部220と、到達時間算出部222と、領域設定部224と、警報レベル設定部226と、車両制御部208と、送信制御部250と、受信制御部260とを備える。なお、図2に示す機能ブロックのうちの一部の機能を制御部200が有しない形態を採用してよい。例えば、制御部200には領域設定部224の機能のみが実装され、高画像取得部210、エリア特定部220及び到達時間算出部222等の他の機能はセンサ29等の他の回路の機能として実装される形態を採用してよい。
【0042】
画像取得部210は、車両20の外部の画像の画像情報を取得する。画像取得部210は、車両20に設置されたカメラ22から画像を取得する。
【0043】
エリア特定部220は、車両20から認識できない認識不可エリアを特定する。例えば、エリア特定部220は、画像取得部210が取得した画像に基づいて、認識不可エリアを特定する。認識不可エリアは、例えば、車両20の位置から見通し外となるエリアである。見通し外となるエリアは、例えば、車両20の位置から見た場合に、建物や停車中の他の車両20等の立体物によって遮蔽されることによってオクルージョンが生じたエリアの位置情報である。エリア特定部220は、画像情報及び地図情報に基づいて、見通し外エリアを特定してよい。エリア特定部220は、他の車両20又は基地局50等の外部装置から送信された見通し外エリアの位置情報を受信し、受信した見通し外エリアの位置情報に基づいて、見通し外エリアを特定してよい。
【0044】
到達時間算出部222は、エリア特定部220によって特定された認識不可エリア内の位置に車両20が到達するまでの到達時間を算出する。領域設定部224は、到達時間に基づいて、特定部によって特定された認識不可エリアに第1領域及び第2領域を設定する。警報レベル設定部226は、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定する。送信制御部250は、第1領域の位置情報及び第2領域の位置情報と、警報レベル設定部226が第1領域及び第2領域に設定した警報レベルを示す情報とを含む警告情報を送信する制御を行う。
【0045】
領域設定部224は、エリア特定部220が特定した認識不可エリアが予め定められた大きさを超えた場合に第1領域及び第2領域を設定してよい。警報レベル設定部226は、領域設定部224が第1領域及び第2領域を設定しなかった場合に、認識不可エリアに一律の警報レベルを設定してよい。
【0046】
警報レベル設定部226は、車両20が第1領域に到達するまでの到達時間、及び、車両20が第2領域に到達するまでの到達時間に基づいて、第1領域及び第2領域に互いに異なる警報レベルを設定してよい。警報レベル設定部226は、車両20が第1領域に到達するまでの到達時間が、車両20が第2領域に到達するまでの到達時間より短い場合に、第1領域に第2領域より高い警報レベルを設定してよい。
【0047】
送信制御部250は、宛先を指定せずに警告情報を送信する制御を行ってよい。送信制御部250は、ブロードキャストにより警告情報を送信する制御を行ってよい。
【0048】
受信制御部260は、認識不可エリアの位置情報を外部装置から受信する制御を行ってよい。受信制御部260は、位置情報受信制御部の一例である。エリア特定部220は、外部装置から受信した位置情報に基づいて、車両20の位置から認識できないエリアを特定してよい。外部装置は、車両20の付近を通過する他の車両20、又は、認識不可エリアの位置情報を収集するサーバであってよい。認識不可エリアの位置情報を収集するサーバは、基地局50に接続されたMECサーバであってよい。MECサーバは、付近を通過する複数の車両から送信される認識不可エリアの位置情報を保持し、保持している認識不可エリアの位置情報を、付近を通過する車両20に送信してよい。
【0049】
受信制御部260は、警告情報に対する外部装置からの応答情報を受信する制御を行う。受信制御部260は、応答受信制御部の一例である。車両制御部208は、外部装置からの応答情報に基づいて車両20の制御を行ってよい。車両制御部208は、車両20の運転支援又は車両20の乗員に対する警告の実行を制御してよい。
【0050】
一例として、車両制御部208は、運転支援制御装置30を制御することにより、車両20の走行を制御してよい。情報出力装置40がヘッドアップディスプレイを備える場合において、車両制御部208は、第1領域又は第2領域内に歩行者が存在することを示す応答情報を受信すると、乗員に対する警告情報としてのマークを形成するための光を、車両20aのヘッドアップディプレイに出力させてよい。また、車両制御部208は、歩行者が存在する領域に対応する表示領域にマークを形成するための光を、ヘッドアップディプレイに出力させる。車両制御部208は、車両20のウインドシールドに設けられた反射部材に向けて、マークを形成するための光を投影してよい。なお、車両制御部208は、音声や文字によって警告してもよい。
【0051】
受信制御部260は、第1領域及び第2領域の少なくとも一方の領域内に警告対象が存在することを示す応答情報を受信する制御を行ってよい。受信制御部260は、認識不可エリア外に存在する他の車両20から応答情報を受信する制御を行ってよい。受信制御部260は、認識不可エリア内に存在する他の移動体から応答情報を受信する制御を行ってよい。認識不可エリア内に存在する他の移動体は、例えば端末82であってよい。
【0052】
なお、第1領域の位置情報は第1領域の座標情報を含んでよい。第2領域の位置情報は第2領域の座標情報を含んでよい。座標情報は、認識不可エリアの範囲を示す複数の座標情報を含んでよい。座標情報は、地理的な位置を表す座標情報であってよい。例えば第1領域が多角形の場合、第1領域の座標情報は多角形の頂点の座標情報であってよい。第1領域の位置情報は、座標情報と当該座標情報が示す位置からの距離情報を含んでよい。第2領域の位置情報は、座標情報と当該座標情報が示す位置からの距離情報を含んでよい。例えば、第1領域内の特定の地点の座標情報と、当該地点を基準とした第1領域の広さを表す距離情報を含んでよい。
【0053】
なお、情報出力装置40は、警報情報を出力する装置である。情報出力装置40は、HMI(Human Machine Interface)機能を有してよい。情報出力装置40は、ヘッドアップディスプレイやナビゲーションシステムを含んでよい。情報出力装置40は、車両20の乗員が所持する携帯端末であってもよい。情報出力装置40は、音声により警報情報を出力する音声出力装置であってよい。
【0054】
図3は、認識不可エリアを複数の領域に分割して警告レベルを設定する状況を説明するための図である。図3に示す状況は、図1に示す状況とは異なり、車両20b及び車両20gが縦列に駐車しているため、車両20aの位置からの認識不可エリアであるエリア300は、エリア100より車両20aの進行方向に沿って長くなる。
【0055】
この場合、領域設定部224は、車両20aの進行方向に沿う方向に、エリア300を第1領域310と第2領域320とに分割する。第1領域310は、第2領域320より車両20aに近い位置の領域である。警報レベル設定部226は、第2領域320に設定する第2警告レベルより、第1領域310に設定する第1警告レベルを高くする。
【0056】
端末82aは、警告情報を受信すると、端末82aが存在する第1領域310に設定されている第1警告レベルに応じて、第1警告レベルが設定されている場合より高い警告レベルで警告を行う。一方、端末82cは、警告情報を受信すると、端末82cが存在する第2領域320に設定されている第2警告レベルに応じて、第2警告レベルが設定されている場合より低い警告レベルで警告を行う。例えば、端末82aは、振動及び音声によって歩行者80aに警告し、端末82cは、振動のみによって歩行者80cに警告する。
【0057】
図4は、警告情報に含まれる第1領域及び第2領域の位置情報を概念的に示す。
【0058】
エリア特定部220は、第1領域310の外形を表す6つの地点301、地点302、地点305、地点306、地点307及び地点308のそれぞれの座標を算出する。第1領域310は、地点301、地点302、地点305、地点306、地点307及び地点308の座標を結んで形成される閉領域である。また、エリア特定部220は、第2領域320の外形を表す4つの地点302、地点303、地点304及び地点305のそれぞれの座標を算出する。第2領域320は、地点302、地点303、地点304及び地点305を結んで形成される閉領域である。
【0059】
エリア特定部220は、地点301、地点302、地点305、地点306、地点307及び地点308のそれぞれの座標を、第1領域310に付与した領域IDに対応づけて記憶部280に記憶させる。また、エリア特定部220は、地点302、地点303、地点304及び地点305のそれぞれの座標を、第2領域320に付与した領域IDに対応づけて記憶部280に記憶させる。そして、送信制御部250は、領域IDと、第1領域310を示す複数の座標、領域ID及び第1警告レベルと、第2領域320を示す複数の座標、領域ID及び第2警告レベルとを含む警告情報を送信する。
【0060】
車両20dが警告情報を受信した場合、制御装置24dは、車両20dに搭載されたカメラで取得した画像の中から、第1領域及び第2領域のそれぞれの領域について、それぞれの領域を示す座標で囲まれるエリアが写っている画像領域を解析して、当該エリア内の歩行者を検出する。制御装置24dは、第1領域310内の歩行者の検出結果を第1領域310の領域IDに対応づけるとともに、第2領域320内の歩行者の検出結果を第2領域320の領域IDに対応づける応答情報を生成し、生成した応答情報を、警告情報の送信元の車両20aに送信する。
【0061】
また、端末82が警告情報を受信した場合、端末82は、警告情報に含まれる第1領域及び第2領域のそれぞれの座標に基づいて、それぞれの領域を示す座標で囲まれる領域内に端末82の現在位置が含まれるか否かを判断する。端末82は、第1領域及び第2領域のいずれかの領域内に端末82の現在位置が含まれる場合に、端末82aが存在する領域の座標に対応づけられたエリアIDを含む応答情報を、警告情報の送信元の車両20aに送信する。
【0062】
なお、第1領域が多角形である場合、第1領域の位置情報は、多角形の基準となる地点の座標情報と、認識不可エリアの幅及び高さ等の辺の長さ情報を含んでよい。第1領域が楕円形である場合、第1領域の位置情報は、第1領域の中心地点の座標情報と、長径、短径及び方位角情報を含んでよい。
【0063】
図5は、車両20a、端末82及び車両20dが実行する処理の流れを概略的に示す。図5は、車両20aが端末82及び車両20dとPC5等によって直接通信する場合の処理の流れを示す。
【0064】
S402において、エリア特定部220は、センサ29aから取得した画像から、車両20aの進行方向の認識不可エリアを認識する。S404において、領域設定部224は、S402で認識した認識不可エリアに1つ以上の領域を設定するとともに、警報レベル設定部226は1つ以上の領域に警告レベルを設定する。上述したように、領域設定部224は、認識不可エリアを、車両20aにより近い第1領域310と、より遠い第2領域320とに分割し、警報レベル設定部226は、第2領域320よりも第1領域310に高い警告レベルを設定してよい。
【0065】
S406において、エリア特定部220は、S404で選択した1つ以上の領域の座標情報を算出する。例えば、エリア特定部220は、車両20aの現在位置の座標情報と、車両20aを基準とした第1領域310の相対座標及び車両20aを基準とした第2領域320の相対座標に基づいて、第1領域310及び第2領域320のそれぞれの絶対的な座標情報を算出してよい。第1領域310及び第2領域320の絶対的な座標情報は地理的な座標であってよい。第1領域310及び第2領域320の絶対的な座標情報は第1領域310及び第2領域320のそれぞれの座標の緯度情報及び経度情報を含んでよい。
【0066】
S408において、送信制御部250は、警告情報を送信する。警告情報は、領域IDと、S404で設定した1つ以上の領域の座標情報と、1つ以上の領域の警告レベルと、警告情報の送信元情報とを含んでよい。領域IDは、S404で設定した1つ以上の領域を一意に特定するための識別情報である。領域IDは、制御装置24aが決定する識別情報であってよい。送信元情報は、警告情報の送信元である車両20aを一意に特定するための識別情報である。
【0067】
S412において、端末82aは、車両20aから送信された警告情報を受信すると、警告情報で通知された座標が示す1つ以上の領域内に端末82aが位置するか否かを判定する。例えば、端末82aは、端末82aの現在位置の座標が警告情報に含まれる1つ以上の領域の座標情報から定まる領域内にあるか否かを判断する。端末82aが当該領域内に位置する場合、S414において、領域内に歩行者が存在することを示す応答情報を車両20aに送信する。端末82aは、端末82aが受信した警告情報に含まれる領域IDと、端末82aを一意に識別する端末IDとを、応答情報に含めて送信する。また、S416において、端末82aは、端末82aのHMI(Human Machine Interface)機能によって、警報レベルに応じて歩行者80aへの警報を行う。なお、S412において端末82aが1つ以上の領域内に位置しないと判断した場合、端末82aは、受信した警告情報を破棄し、応答情報を送信せず、警報を行わない。
【0068】
S422において、車両20dの制御装置24dは、車両20aから送信された警告情報を受信すると、警告情報に含まれる1つ以上の領域の座標情報から定まる領域内に歩行者が存在するか否かを判定する。例えば、制御装置24dは、センサ29dで取得した画像及び距離情報に基づいて、当該座標情報から定まる領域内に歩行者が存在するか否かを判断する。S424において、制御装置24dは、歩行者が存在するか否かの判断結果を含む応答情報を、車両20aに送信する。制御装置24dは、受信した警告情報に含まれるエリアIDと、車両20dを一意に識別する端末IDと、領域内に歩行者が存在するか否かを示す存在情報を、応答情報に含めて送信する。
【0069】
S410において、制御装置24aは、端末82aから送信された応答情報を受信した場合に、情報出力装置40のHMI機能によって警報情報を出力させる。また、制御装置24aは、車両20dから受信した応答情報に、領域内に歩行者が存在することを示す存在情報が含まれる場合、情報出力装置40のHMI機能によって、車両20aの乗員に対する警報を、歩行者が存在する領域の警報レベルに応じて出力させる。
【0070】
図6は、車両20aにおいて制御装置24aが実行する制御方法に係るフローチャートを示す。本フローチャートの処理は、認識不可エリアを検出した場合に開始される。
【0071】
S602において、エリア特定部220は、認識不可エリアを特定する。例えばエリア特定部220は、カメラ22が撮像した画像情報、地図情報、他の車両や基地局50から受信した情報に基づいて、見通し外エリアを特定する。
【0072】
S604において、領域設定部224は、認識不可エリアが予め定められた大きさより大きいか否かを判断する。例えば、領域設定部224は、車両20aの進行方向に沿う方向における認識不可エリアの長さが予め定められた長さより長いか否かを判断する。領域設定部224は、車両20aの進行方向に直交する方向における認識不可エリアの長さが予め定められた長さより長いか否かを判断してよい。
【0073】
S604において、認識不可エリアが予め定められた大きさより大きいと判断された場合、領域設定部224は、S606において、認識不可エリアを複数の領域に分割する。例えば、車両20aの進行方向に沿う方向における認識不可エリアの長さが予め定められた長さより長い場合、車両20aの進行方向に沿う方向に認識不可エリアを複数の領域に分割する。領域設定部224は、車両20aの進行方向に直交する方向における認識不可エリアの長さが予め定められた長さより長い場合、領域設定部224は、車両20aの進行方向に直交する方向に認識不可エリアを複数の領域に分割してよい。
【0074】
S608において、警報レベル設定部226は、S606において分割された複数の領域のそれぞれに、異なる警報レベルを設定する。例えば、警報レベル設定部226は、車両20aの現在位置からの距離に応じて、S606において分割された複数の領域のそれぞれに、異なる警報レベルを設定する。また、警報レベル設定部226は、車両20aが現在位置から複数の領域のそれぞれに到達するまでの到達時間に応じて、S606において分割された複数の領域のそれぞれに、異なる警報レベルを設定してよい。警報レベル設定部226は、車両20aの現在速度と、現在位置から複数の領域のそれぞれまでの距離とに基づいて、到達時間を算出してよい。S612において、送信制御部250は、S606で分割された複数の領域の座標情報及びS608で設定された各領域の警報レベルを含む警告情報を送信し、本フローチャートの処理を終了する。
【0075】
S604において、認識不可エリアが予め定められた大きさ以下と判断した場合、領域設定部224は、S610において、認識不可エリアを分割せずに、認識不可エリア全体に一律の警報レベルを設定する。そしてS612において、送信制御部250は、認識不可エリアの全体の座標情報及び設定された一律の警報レベルを含む警告情報を送信し、本フローチャートの処理を終了する。
【0076】
なお、警告情報の送信方式として、上述したように端末82や他の車両20に警告情報をPC5等によって直接送信する方式を採用できる他、基地局50又は基地局50に接続されたMECサーバをを介して警告情報を送信する方式を採用できる。例えば、基地局50は、警告情報を受信すると、警告情報に含まれる位置情報と、基地局50が管理している端末82の位置情報とに基づいて、警告情報の送信先となる端末82を選択してよい。基地局50は、端末82から応答情報を受信すると、警告情報の送信元の車両20に、当該応答情報を送信してよい。基地局50は、警告情報に含まれる位置情報と、基地局50が管理している端末82の位置情報とに基づいて、認識不可エリア内に端末82が存在していると判断した場合に、警告情報の送信元の車両20に応答情報を送信してもよい。また、基地局50は、警告情報を受信すると、警告情報に含まれる位置情報と、基地局50が管理している他の車両20の位置情報とに基づいて、警告情報に含まれる1つ以上の領域の近傍に存在する他の車両20を警告情報の送信先として選択してよい。基地局50は、警告情報の送信先の他の車両20から応答情報を受信すると、警告情報の送信元の車両20に、当該応答情報を送信してよい。基地局50を介して警告情報を送信する方式を採用する場合、基地局50は、端末82の位置及び車両20の位置を周期的に収集することによって、端末82の位置及び車両20の位置を管理してよい。
【0077】
以上に説明した警報システム10によれば、認識不可エリア内の複数の領域のそれぞれに危険度に応じた適切な警報レベルを設定して警告情報を送信することができる。これにより、端末82は適切なレベルで歩行者80に通知することができる。
【0078】
なお、車両20は、輸送機器の一例である。輸送機器は、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、自転車等を含む。また、移動体としては、人物以外に、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、自転車等の輸送機器を含む。
【0079】
図7は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000に、実施形態に係る制御装置24等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0080】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0081】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0082】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0083】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0084】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0085】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0086】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0087】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。コンピュータ可読媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0088】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を制御部200として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、制御部200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である制御部200の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御部200が構築される。
【0089】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0090】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0091】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0092】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 警報システム
20 車両
21 レーダー
22 カメラ
24 制御装置
25 GNSS受信部
26 車速センサ
29 センサ
30 運転支援制御装置
40 情報出力装置
48 通信装置
50 基地局
70、72 道路
80 歩行者
82 端末
80 歩行者
90 建物
300 エリア
310 第1領域
320 第2領域
301、302、303、304、305、306、307、308 地点
200 制御部
208 車両制御部
210 画像取得部
220 エリア特定部
222 到達時間算出部
224 領域設定部
226 警報レベル設定部
250 送信制御部
260 受信制御部
280 記憶部
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7