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特開2022-187732フレークタイプのアルミニウム顔料とフレークタイプの黒色顔料とを含む、メイクアップ用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187732
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】フレークタイプのアルミニウム顔料とフレークタイプの黒色顔料とを含む、メイクアップ用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/26 20060101AFI20221213BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20221213BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20221213BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A61K8/26
A61K8/19
A61Q1/02
A61Q1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021095881
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】一階 文良
(72)【発明者】
【氏名】林 礼奈
(72)【発明者】
【氏名】堀 星子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB131
4C083AB152
4C083AB221
4C083AB222
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC112
4C083AC342
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD152
4C083BB23
4C083BB25
4C083CC11
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE07
4C083FF01
(57)【要約】
【課題】改善された美容効果を有する化粧料メイクアップ製品、特に、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に眼の周囲の顔面皮膚に対する、審美的効果、例えば、自然な仕上がりを提供するための効果及び立体感効果を提供する化粧料メイクアップ製品を提供すること。
【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と、(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料とを含む、組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と、
(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料と
を含む、組成物。
【請求項2】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料がアルミニウム単体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料の平均粒径が、1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、特に8μm以上であり、かつ80μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは40μm以下である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料の厚さが、0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上であり、かつ5μm以下、好ましくは3μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料が、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化クロム、及び酸化鉄から選択してもよい少なくとも1種の金属酸化物でコーティングされている、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料の量が、組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であり、かつ97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
(b)フレークタイプの黒色顔料が、黒色酸化鉄、グラファイト、及びマイカ又は黒色酸化鉄若しくはカーボンブラックでコーティングされている合成マイカから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
(b)フレークタイプの黒色顔料の平均粒径が、3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上であり、かつ70μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(b)フレークタイプの黒色顔料の厚さが0.01μm以上かつ5μm以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(b)フレークタイプの黒色顔料の量が、組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは(preferablt)5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であり、かつ97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
(a)組成物中のフレークタイプのアルミニウム顔料の(b)フレークタイプの黒色顔料に対する質量比が1:9から9:1、好ましくは1:7から7:1、より好ましくは1:5から5:1、更により好ましくは1:4から4:1の範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
メイクアップパウダー、例えば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、仕上げ用パウダー又は顔用パウダー、身体用メイクアップ製品、ブラッシャー、チーク、リップスティック、アイシャドウプライマー、顔用コントゥアリング、及びアイシャドウ、特にアイシャドウとして使用するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に眼の周囲の皮膚をメイクアップするための美容方法であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質上に適用する工程を含む、美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン物質、例えば皮膚をメイクアップするための、少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料とを含む組成物、及びそれを使用する美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン物質用の顔料及び着色剤を含む化粧料メイクアップ組成物は、例えば、パウダーファンデーション、仕上げ用パウダー、顔用パウダー、ブラッシャー、及びアイシャドウとして広範囲に使用されている。これらの組成物は、魅力的な外観を有するケラチン物質を提供するために使用される。したがって、メイクアップ化粧品として機能するための化粧用組成物に関しては、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に顔面皮膚に対する審美的効果、例えば、自然な仕上がりを提供するための効果及び立体感(three-dimensional appearance)効果が非常に重要である。化粧用組成物にそのような審美的効果を与えるために、組成物におけるいくつかの有効な顔料の使用が提案されている。
【0003】
例えば、JP-A-H7-228509では、機械的方法によってアルミニウムパウダーを用いてプレート状無機パウダーをコーティングすることによって製造されたアルミニウム処理パウダーを含むメイクアップ化粧用組成物が開示されている。
【0004】
JP-A-2010-83727でも、プレート表面方向の平均長さが5~30μm、厚さ方向の平均長さが0.05~0.5μmのマグネタイト構造を有する鱗片状酸化鉄粒子が開示されている。
【0005】
JP-A-2010-222295でも、平均粒子径が5~100μm、厚さが0.2~0.3μmのフレークタイプの黒色酸化鉄を含み、フレークタイプの黒色酸化鉄の表面が、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ等の含水又は無水無機酸化物のうちの少なくとも1種でコーティングされている化粧用組成物が開示されている。
【0006】
JP-T-2010-513619でも、狭い厚さ分布を有し、滑沢剤で少なくとも部分的にコーティングされた小板状アルミニウムの顔料であって、a)走査電子顕微鏡の厚さ計数によって判定した場合の平均厚さh50が15nmから75nmであり、b)走査電子顕微鏡の厚さ計数によって判定した場合、及び式Δh=100×(h90-h10)/h50に従って発生の相対頻度の対応する累積破過曲線に基づいて計算した場合の厚さ分布Δhの相対的な幅が30%から70%未満であり、c)顔料に対して実質的に平面と平行の方向で測定され、[111]反射と一致しない1つ又は2つの主要ピークを有するX線ディフラクトグラムを有する顔料が開示されている。
【0007】
JP-A-2005-307155でも、(A)Fe3O4のコーティング、(B)n≦1.8の屈折率をそれぞれ有する1つ以上の層からなる無色コーティング、(C)任意選択で、下層表面の一部のみを覆う吸収性の高屈折率材料を用いたコーティング、及び任意選択で(D)外側保護層を有する異なる物質の混合物を含む光沢のある黒色干渉顔料が開示されている。
【0008】
JP-T-2014-508211でも、a)基材上のSnO2及び/又は水和SnO2の少なくとも部分的な層、b)Fe3O4の少なくとも部分的な層、及びc)任意選択で、金属酸化物の更なる層を含む黒色エフェクト顔料であって、好ましくは金属酸化物層が透明であり、Fe3O4の少なくとも部分的な層が、水酸化第二鉄及びFe2O3を更に含んでいてもよい顔料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】JP-A-2010-83727
【特許文献2】JP-A-2010-222295
【特許文献3】JP-T-2010-513619
【特許文献4】JP-A-2005-307155
【特許文献5】JP-T-2014-508211
【0010】
【非特許文献1】「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」、1997年版、371~386頁及び524~528頁、The Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、改善された美容効果を有する化粧料メイクアップ製品の需要は依然として存在する。特に、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に眼の周囲の顔面皮膚に対する、審美的効果、例えば、自然な仕上がりを提供するための効果及び立体感効果を提供する化粧料メイクアップ製品の需要は依然として存在する。
【0012】
本発明の目的は、メイクアップ用途のための組成物であって、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に眼の周囲の顔面皮膚に対して改善された審美的効果、例えば、自然な仕上がりを提供するための効果及び立体感効果を提供することができる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記の目的は、
(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と、
(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料と
を含む、組成物によって達成することができる。
【0014】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、アルミニウム単体を含んでいてもよい。
【0015】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、平均粒径が1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、特に8μm以上であり、平均粒径が80μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは40μm以下であってもよい。
【0016】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、厚さが0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上であってもよく、厚さが5μm以下、好ましくは3μm以下であってもよい。
【0017】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化クロム、及び酸化鉄から選択してもよい少なくとも1種の金属酸化物を用いてコーティングされていてもよい。
【0018】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料の量は、組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であってもよく、97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0019】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、黒色酸化鉄、グラファイト、及びマイカ又は黒色(back)酸化鉄若しくはカーボンブラックでコーティングされていている合成マイカから選択してもよい。
【0020】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、平均粒径が3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上であってもよく、平均粒径は70μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下であってもよい。
【0021】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、厚さが0.01μm以上、5μm以下であってもよい。
【0022】
(b)フレークタイプの黒色顔料の量は、組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であってもよく、97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0023】
(a)組成物中のフレークタイプのアルミニウム顔料の(b)フレークタイプの黒色顔料に対する質量比は1:9から9:1、好ましくは1:7から7:1、より好ましくは1:5から5:1、更により好ましくは1:4から4:1の範囲であってもよい。
【0024】
本発明による組成物は、メイクアップパウダー、例えば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、仕上げ用パウダー又は顔用パウダー、身体用メイクアップ製品、ブラッシャー、チーク、リップスティック、アイシャドウプライマー、顔用コントゥアリング、及びアイシャドウ、特にアイシャドウとして使用するためのものであってもよい。
【0025】
本発明はまた、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に眼の周囲の皮膚をメイクアップするための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質上に適用する工程を含む、美容方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
鋭意検討の結果、本発明者らは、驚くことに、ケラチン物質、例えば、顔面皮膚、特に眼の周囲の皮膚に対して改善された立体感及び自然な仕上げを提供することができる、(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と、(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料との組合せを見出し、その結果、本発明を完成させた。
【0027】
したがって、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と、
(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料と
を含む。
【0028】
以下、本発明による組成物を詳細な方法で記載することになる。
【0029】
[組成物]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料と、(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料とを含む。各成分は、以下の通り詳細な方法で説明する。
【0030】
(フレークタイプのアルミニウム顔料)
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種のフレークタイプのアルミニウム顔料を含む。2種類以上の(a)フレークタイプのアルミニウム顔料を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのフレークタイプのアルミニウム顔料又は異なるタイプのフレークタイプのアルミニウム顔料の組合せを使用してもよい。
【0031】
「顔料」という用語は、本明細書において、組成物中の媒体中に不溶性である白色又は有色の無機又は有機の粒子を意味すると理解するべきである。
【0032】
「フレークタイプ」という用語は、本明細書において、当技術分野において十分に理解されるものとしてもよい。「フレークタイプ」という用語は、フレーク、フレーク様、プレート状、小板状、板状、及びフレーク状と区別せずに使用してもよい。
【0033】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料はアルミニウム単体を含む。「アルミニウム単体」という用語は、本明細書において、アルミニウム元素のみで構成される物質を意味していてもよい。(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、アルミニウム単体を部分的に又は全体的に含んでいてもよい。本発明の1つの実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料はアルミニウム単体のコアを含む。
【0034】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、アルミニウム合金、又はアルミニウム単体以外のアルミニウム化合物を含んでいてもよい。(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、アルミニウム単体、アルミニウム合金、及びアルミニウム化合物の混合物であってもよい。アルミニウム合金は、限定されるものではないが、例えば、鉄、マンガン、銅、バナジウム、クロム、ニッケル、コバルト、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、及び/又はチタンを含むアルミニウム合金を挙げることができる。アルミニウム化合物は、限定されるものではないが、例えば、アルミニウムの酸化物及び/又は水酸化物を挙げることができる。
【0035】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、(b)フレークタイプの黒色顔料とは異なる成分として組成物に存在していてもよい。本発明の1つの実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、(b)フレークタイプの黒色顔料に化学的に又は物理的に結合していない。
【0036】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、平均粒径が1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、特に8μm以上であってもよく、及び/又は平均粒径が80μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは40μm以下であってもよい。本明細書において使用される「平均粒径」という用語は、集団の半分に対して統計的粒径分布によって与えられる数平均サイズ平均直径を表し、D50と称される。例えば、数平均サイズ平均直径は、レーザー回折粒径分布アナライザー、例えば、Malvern Corp社製のMastersizerによって測定してもよい。
【0037】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料の厚さは、限定されるものではないが、一般的には、0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.05μm以上であってもよく、及び/又は5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下であってもよい。ここで、「厚さ」という用語は、平均厚さを意味していてもよい。本発明における顔料の平均厚さは、当技術分野において周知の技術によって、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)を使用することによって測定してもよい。
【0038】
(a)フレークタイプのアルミニウム顔料はコーティングしていてもしていなくてもよい。1つの好ましい実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、少なくとも1つのコーティングを有する。コーティングは、無機物質及び/又は有機物質であってもよい。
【0039】
無機コーティングは、金属酸化物、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化クロム、及び酸化鉄、並びに金属水酸化物、例えば、水酸化アルミニウムから選択してもよい。
【0040】
有機コーティングは、脂肪酸又はその塩(例えば、ナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄又はアルミニウム塩)、脂肪アルコール、レシチン、アミノ酸、多糖、タンパク質、アルカノールアミン、ワックス、例えば、ビーズワックス、(メタ)アクリルポリマー、及び(ペル)フルオロ化合物から選択してもよい。
【0041】
コーティングとしては、疎水性薬剤、例えば、シラン、好ましくはC1~C20-アルキルシラン、より優先的にはトリ(C1~C4)アルコキシ(C1~C12)アルキルシラン、例えば、トリエトキシカプリリルシラン、オルガノポリシロキサン、例えば、オルガノシリコーン、ジオルガノシリコーン、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、メチコン;ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタン、及びこれらのフルオロ-又はペルフルオロ-誘導体、脂肪酸石鹸、C9~15フルオロアルコールホスフェート、アクリレート/ジメチコンコポリマー、混合C9~C15フルオロアルコールホスフェート/シリコーンコポリマーもあり得る。他の疎水性薬剤としては、イソプロピルチタントリイソステアレート(ITT)、ITT及びジメチコン(ITT/ジメチコン)クロスポリマー、ITT及びアミノ酸、ITT/トリエトキシカプリリルシランクロスポリマー、脂肪酸(例えば、ステアレート)、HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、PEG-8メチルエーテルトリエトキシシラン、アロエ、ホホバエステル、及びミリスチン酸マグネシウム(MM)があり得る。
【0042】
本発明の1つの好ましい実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、少なくとも1種の金属酸化物、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化鉄、好ましくはシリカでコーティングされている。本発明の1つの実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は有機物質でコーティングされていない。本発明の別の実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料はポリマーでコーティングされていない。
【0043】
市販されている製品が(a)フレークタイプのアルミニウム顔料の場合、
- Velvet Silver(登録商標)の名称で販売されているシリカコーティングアルミニウムフレーク、TOYAL社製、
- Visionaire Bright Silver Sea(登録商標)の名称で販売されているシリカコーティングアルミニウムフレーク、Eckart社製、及び
- Visionaire Splendid Silver Sea(登録商標)の名称で販売されているシリカコーティングアルミニウムフレーク、Eckart社製
を挙げることができる。
【0044】
フレークタイプのアルミニウム顔料の量は、本発明による組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、及び/又は97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0045】
本発明の1つの実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、本発明による組成物中に含まれるフィラーを含むパウダー成分の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、及び/又は97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0046】
本発明の別の実施形態において、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、本発明による組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、及び/又は90質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更により好ましくは15質量%以下であってもよい。
【0047】
1つの特定の実施形態において、本発明による組成物がリップスティックの形態である場合、例えば、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、成分の総質量に対して、0.5質量%から20質量%の量で製剤化してもよい。別の特定の実施形態において、本発明による組成物がリキッドファンデーション組成物の形態である場合、例えば、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、成分の総質量に対して、0.5質量%から20質量%の量で製剤化してもよい。また、本発明による組成物がパウダーファンデーション組成物の形態である場合、例えば、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料は、成分の総質量に対して、2質量%から100質量%の量で製剤化してもよい。
【0048】
(フレークタイプの黒色顔料)
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種のフレークタイプの黒色顔料を含む。2種類以上の(b)フレークタイプの黒色顔料を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのフレークタイプの黒色顔料又は異なるタイプのフレークタイプの黒色顔料の組合せを使用してもよい。
【0049】
「黒色」という用語は、本明細書において、実質的な黒色を意味するために使用してもよい。「実質的に黒色」という用語は、本開示のために、黒色が十分な黒さ、すなわち低L*値によって識別され、「a*」及び「b*」値がおよそゼロ点であることを意味するために使用してもよい。黒色としては、他の色のオーバートーン(overtones)、例えば金、赤、緑等があり得る。定義された調整値の「a*」及び「b*」値は、金、緑、赤又は青の色合いを有する黒色干渉顔料を得ることを可能にする。
【0050】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料とは異なる成分として組成物に存在していてもよい。本発明の1つの実施形態において、(b)フレークタイプの黒色顔料は、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料に化学的に又は物理的に結合していない。
【0051】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、黒色を示す限りは特に限定されないが、金属酸化物、例えば、黒色酸化鉄、グラファイト、及びカーボンブラックから選択してもよい。
【0052】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、黒色顔料でコーティングされたフレーク様無機フィラー、例えば、黒色酸化鉄、グラファイト、及びカーボンブラックから選択してもよい。この実施形態において、フレーク様無機フィラーは、フレーク様形状を有する限りは特に限定されないが、例えば、タルク、マイカ、マグネシウムアルミニウムシリケート、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、ベントン、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、フルオロフロゴパイト、セリサイト、焼成タルク、焼成マイカ、焼成セリサイト、合成マイカ、ラウロイルリジン、金属石鹸、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0053】
優先的には、(b)フレークタイプの黒色顔料は、黒色酸化鉄、特にFe3O4、グラファイト、及びマイカ又は黒色酸化鉄若しくはカーボンブラックでコーティングされている合成マイカから選択される。
【0054】
(b)フレークタイプの黒色顔料はコーティングしていてもしていなくてもよい。コーティングは、無機物質及び/又は有機物質であってもよい。
【0055】
無機コーティングは、金属酸化物、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化クロム、及び酸化鉄、並びに金属水酸化物、例えば、水酸化アルミニウムから選択してもよい。
【0056】
有機コーティングは、脂肪酸又はその塩(例えば、ナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄又はアルミニウム塩)、脂肪アルコール、レシチン、アミノ酸、多糖、タンパク質、アルカノールアミン、ワックス、例えば、ビーズワックス、(メタ)アクリルポリマー、及び(ペル)フルオロ化合物から選択してもよい。
【0057】
コーティングとしては、疎水性薬剤、例えば、シラン、好ましくはC1~C20-アルキルシラン、より優先的にはトリ(C1~C4)アルコキシ(C1~C12)アルキルシラン、例えば、トリエトキシカプリリルシラン、オルガノポリシロキサン、例えば、オルガノシリコーン、ジオルガノシリコーン、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、メチコン;ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタン、及びこれらのフルオロ-又はペルフルオロ-誘導体、脂肪酸石鹸、C9~15フルオロアルコールホスフェート、アクリレート/ジメチコンコポリマー、混合C9~C15フルオロアルコールホスフェート/シリコーンコポリマーもあり得る。他の疎水性薬剤としては、イソプロピルチタントリイソステアレート(ITT)、ITT及びジメチコン(ITT/ジメチコン)クロスポリマー、ITT及びアミノ酸、ITT/トリエトキシカプリリルシランクロスポリマー、脂肪酸(例えば、ステアレート)、HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、PEG-8メチルエーテルトリエトキシシラン、アロエ、ホホバエステル、及びミリスチン酸マグネシウム(MM)があり得る。
【0058】
(b)フレークタイプの黒色顔料は、平均粒径が3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上であってもよく、及び/又は(b)フレークタイプの黒色顔料は、平均粒径が70μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下であってもよい。
【0059】
フレークタイプの黒色顔料の厚さは、限定されるものではないが、一般的には、0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.05μm以上であってもよく、及び/又は5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下であってもよい。
【0060】
(b)フレークタイプの黒色顔料の市販されている製品の場合、
- BM-200P(登録商標)の名称で販売されている、黒色フレークタイプの酸化鉄、Titan Kogyo社製、
- COLORONA MICA BLACK(登録商標)の名称で販売されている、黒色酸化鉄でコーティングされたマイカフレーク、Merck社製、
- TIMICA TERRA BLACK(登録商標)の名称で販売されている、黒色酸化鉄でコーティングされたマイカフレーク、BASF社製、
- NK-Black(登録商標)の名称で販売されている、黒色酸化鉄でコーティングされた合成マイカフレーク、Nihon Koken Kogyo社製
を挙げることができる。
【0061】
(b)フレークタイプの黒色顔料の量は、本発明による組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、好ましくは7質量%以上、及び/又は97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0062】
本発明の1つの実施形態において、(b)フレークタイプの黒色顔料の量は、本発明による組成物中に含まれるフィラーを含むパウダー成分の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、及び/又は97質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0063】
本発明の別の実施形態において、(b)フレークタイプの黒色顔料の量は、本発明による組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、及び/又は90質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更により好ましくは15質量%以下であってもよい。
【0064】
本発明の別の実施形態において、(a)組成物中のフレークタイプのアルミニウム顔料の(b)フレークタイプの黒色顔料に対する質量比は1:9から9:1、好ましくは1:7から7:1、より好ましくは1:5から5:1、更により好ましくは1:4から4:1であってもよい。
【0065】
(他の成分)
- 着色剤
本発明による組成物は、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料及び(b)フレークタイプの黒色顔料と異なる少なくとも1種の着色剤を含んでいてもよい。2種類以上の着色剤を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの着色剤又は異なるタイプの着色剤の組合せを使用してもよい。
【0066】
「着色剤」という用語は、顔料、真珠層、及び反射性粒子、並びにこれらの混合物を包含すると理解されるべきである。着色剤は、染料として表される場合がある。
【0067】
- 顔料
顔料は、白色又は有色の無機及び/又は有機であってもよい。
【0068】
挙げることができる無機顔料のうちの1つは、二酸化チタン、例えば、任意選択で表面処理されたルチルタイプの色素性二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、また、酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色又は赤色)又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルー、並びに金属パウダー、例えばアルミニウムパウダー及び銅パウダーである。
【0069】
有機顔料は、以下の材料及びこれらの混合物から選択してもよい:
- コチニールカルミン、
- アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、キサンテン染料、ピレン染料、キノリン染料、トリフェニルメタン染料及びフルオラン染料の有機顔料。
【0070】
有機顔料のうち、特に、以下の名称で知られるD&C認証顔料が挙げられてもよい:D&C Blue No. 4、D&C Brown No. 1、D&C Green No. 5、D&C Green No. 6、D&C Orange No. 4、D&C Orange No. 5、D&C Orange No. 10、D&C Orange No. 11、D&C Red No. 6、D&C Red No. 7、D&C Red No. 17、D&C Red No. 21、D&C Red No. 22、D&C Red No. 27、D&C Red No. 28、D&C Red No. 30、D&C Red No. 31、D&C Red No. 33、D&C Red No. 34、D&C Red No. 36、D&C Violet No. 2、D&C Yellow No. 7、D&C Yellow No. 8、D&C Yellow No. 10、D&C Yellow No. 11、FD&C Blue No. 1、FD&C Green No. 3、FD&C Red No. 40、FD&C Yellow No. 5、及びFD&C Yellow No. 6。
【0071】
前に挙げた有機染料のそれぞれに対応する化学材料は、「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」、1997年版、371~386頁及び524~528頁、The Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association発行の文献において言及されており、その内容は参照により本特許出願に組み込まれるものとする。
【0072】
- 真珠層
「真珠層」という用語は、真珠光沢のものであってもなくてもよく、特に、特定の軟体類によってその殻中で生成されるか或いは合成され、光学干渉を介した色効果を有する、任意の形態の有色粒子を意味すると理解するべきである。
【0073】
挙げることができる真珠層の例としては、真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄でコーティングされたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスでコーティングされたマイカ、酸化クロムでコーティングされたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスベースの真珠光沢顔料がある。これらはまた、金属酸化物及び/又は有機染料の少なくとも2つの連続層がその表面に存在するマイカ粒子であってもよい。
【0074】
組成物中に導入してもよい真珠層の実例として、Brilliant gold 212G (Timica)、Gold 222C (Cloisonne)、Sparkle gold (Timica)、Gold 4504 (Chromalite)及びMonarch gold 233X (Cloisonne)の名称でBASF社より特に販売される金色真珠層; Bronze fine (17384) (Colorona)及びBronze (17353) (Colorona)の名称でMerck社より、Super bronze (Cloisonne)の名称でBASF社より特に販売されるブロンズ真珠層; Orange 363C (Cloisonne)及びOrange MCR 101 (Cosmica)の名称でBASF社より、Passion orange (Colorona)及びMatte orange (17449) (Microna)の名称でMerck社より特に販売されるオレンジ色真珠層;Nu-antique copper 340XB (Cloisonne)及びBrown CL4509 (Chromalite)の名称でBASF社より特に販売される茶色真珠層;Copper 340A (Timica)の名称でBASF社より特に販売される銅の色合いを有する真珠層;Sienna fine (17386) (Colorona)の名称でMerck社より特に販売される赤の色合いを有する真珠層;Yellow (4502) (Chromalite)の名称でBASF社より特に販売される黄の色合いを有する真珠層;Sunstone G012 (Gemtone)の名称でBASF社より特に販売される金の色合いを有する赤真珠層;Tan opale G005 (Gemtone)の名称でBASF社より特に販売されるピンク色真珠層;Nu antique bronze 240 AB (Timica)の名称でBASF社より特に販売される金の色合いを有する黒真珠層、Matte blue (17433) (Microna)の名称でMerck社より特に販売される青色真珠層、Xirona Silverの名称でMerck社より特に販売される銀の色合いを有する白真珠層、及びIndian summer (Xirona)の名称でMerck社より特に販売される金-緑色、ピンク-オレンジ色真珠層、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0075】
本発明において使用される真珠層はまた、以下の表に挙げられる。これらの真珠層は、青、緑又はカラートラベルの反射色を示す。
【0076】
【表1】
【0077】
真珠層の更なる例として、酸化チタンでコーティングされたボロシリケート基材を含む粒子も挙げることができる。
【0078】
酸化チタンでコーティングされたガラス基材を有する粒子は、特に、NSG(Nippon Sheet Glass)社よりMetashine MT1080RYの名称で販売されている。
【0079】
最後にまた挙げることができる真珠層の例としては、ポリエチレンテレフタレートフレーク、特にSilver 1P0.004X0.004(銀色フレーク)の名称でMeadowbrook Inventions社により販売されているものがある。
【0080】
- 反射性粒子
「反射性粒子」という用語は、そのサイズ、構造、特に、それを作製する層の厚さ、並びにその物理的及び化学的性質、並びに表面の状態が、入射光を反射させる粒子を示す。この反射は適切な場合、それがメイクアップされることになる支持体へ適用されたときに、肉眼で視認可能な過度に明るい点、すなわちきらめきを放つことでその周囲との対比をなす発光の一層強い点を、組成物又は混合物の表面において生成するのに十分な強度を有することができる。
【0081】
これらの粒子は、多様な形態を有していてもよく、特に、小板状又は球状の形態、特に球状形態であってもよい。
【0082】
反射性粒子は、それがどのような形態であれ、多層構造を有していてもいなくてもよく、多層構造の場合、例えば、均一な厚さの、特に反射性材料の少なくとも1つの層を有していてもよい。
【0083】
反射性粒子が多層構造を有していない場合、それらは、例えば、金属酸化物、特に合成的に得られた酸化チタン又は酸化鉄から構成される場合がある。
【0084】
反射性粒子が多層構造を有する場合、それらは、例えば、天然又は合成の基材、特に反射性材料、特に少なくとも1種の金属又は金属材料の少なくとも1つの層で少なくとも部分的にコーティングされた合成基材を含んでいてもよい。基材は、1つ以上の有機及び/又は無機材料で作製してもよい。
【0085】
より詳細には、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート、及び合成マイカ、並びにこれらの混合物から選択してもよく、この列挙は限定するものではない。
【0086】
反射性材料は、金属又は金属材料の層を含んでいてもよい。
【0087】
再び、金属の層でコーティングされた無機基材を含む反射性粒子の例として、銀コーティングボロシリケート基材を含む粒子も挙げることができる。
【0088】
小板状の形態で銀コーティングガラス基材を有する粒子は、NSG社よりMicroglass Metashine REFSX 2025 PSの名称で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金でコーティングされたガラス基材を有する粒子は、TOYAL社よりCritstal Star GF 550及びGF 2525の名称で販売されている。
【0089】
金属基材、例えば、銀、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マンガン、鋼、ブロンズ又はチタンを含む粒子もまた使用してもよく、前記基材は少なくとも1種の金属酸化物、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム又は酸化ケイ素、及びこれらの混合物の少なくとも1つの層でコーティングされている。
【0090】
着色剤の量は、本発明による組成物中に含まれる顔料及び着色剤の総質量に対して、30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上、及び/又は95質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下であってもよい。
【0091】
本発明の1つの実施形態において、着色剤は、本発明による組成物中に含まれるフィラーを含むパウダー成分の総質量に対して、30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上、及び/又は95質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下であってもよい。
【0092】
本発明の別の実施形態において、着色剤の量は、本発明による組成物の総質量に対して、20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、及び/又は90質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更により好ましくは70質量%以下であってもよい。
【0093】
- フィラー
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種のフィラーを含んでいてもよい。好ましくは、本発明による組成物は、(a)フレークタイプのアルミニウム顔料と、(b)フレークタイプの黒色顔料に加えて1つ以上有機及び/又は無機フィラーとを含んでいてもよい。
2種以上のフィラーが使用される場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0094】
「フィラー」という用語は、組成物の媒体中で不溶性である任意の形状の無機又は合成の粒子を意味すると理解するべきである。
【0095】
フィラーは、結晶形(例えば、層状、立方晶、六方晶、斜方晶等)に関係なく、任意の形状:小板状形状、球状又は楕円形のものであってもよい。
【0096】
無機フィラーとして、任意選択で親水性又は疎水性処理された、タルク、マイカ、シリカ、マグネシウムアルミニウムシリケート、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、ベントン、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、フルオロフロゴパイト、合成フルオロフロゴパイト、セリサイト、焼成タルク、焼成マイカ、焼成セリサイト、合成マイカ、ラウロイルリジン、金属石鹸、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、及びこれらの混合物、を挙げることができる。
【0097】
有機フィラーとして、(メタ)アクリル又は(メタ)アクリレートパウダー、例えば、ポリメチルメタクリレートパウダー;ポリアクリロニトリルパウダー;オルガノポリシロキサンパウダー、ポリアミドパウダー、ポリ-β-アラニンパウダー及びポリエチレンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ラウロイルリシン、米又はトウモロコシデンプン、例えばトウモロコシデンプン:INCI名:Zea Mays (Corn) Starch、テトラフルオロエチレンポリマーパウダー、例えば、(アルキル)アクリレートを含む中空ポリマーマイクロスフェア、8から22個の炭素原子を含む有機カルボン酸由来の金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、シリコーンパウダー、例えば、シリコーン樹脂パウダー、ポリオルガノシルセスキオキサンパウダー、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーパウダー、及びポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、カルナウバマイクロワックス、合成マイクロワックス、ポリアミドパウダー、例えば、「ナイロン12」又は「ナイロン6」のCTFA名で挙げられるもの、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0098】
フィラーは、組成物の総質量に対して、1%から30質量%、好ましくは2%から20質量%、より好ましくは3%から10質量%の範囲の含有量で存在していてもよい。
【0099】
- 油
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種の油を含んでいてもよい。油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。好ましくは、油は不揮発性油である。2種類以上の油が使用される場合、これらは、同じであっても異なっていてもよい。
【0100】
不揮発性炭化水素系油は、
- 動物起源の炭化水素系油、例えば、ペルヒドロスクアレン、
- 植物起源の炭化水素系油、例えば、フィトステアリルエステル、例えば、オレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリル及びグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリル、特に脂肪酸が、C4からC36、特にC18からC36の範囲の鎖長を有していてもよく、これらの油が、場合により、直鎖状又は分岐状、及び飽和又は不飽和であってもよく;これらの油が、特に、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ケシ油、ウインタースクワッシュ油、キビ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、シアバター、アロエベラ油、スイートアーモンド油、ピーチストーン油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリジサ油、ブロッコリー油、カレンデュラ油、カメリナ油、キャノーラ油、ニンジン油、ベニバナ油、亜麻油、菜種油、綿実油、ココナツ油酸、マローシード油、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、モノイ油、ヘーゼルナッツ油、キョウニン油、クルミ油、オリーブ油、マツヨイグサ油、パーム油、クロスグリシード油、キウイシード油、グレープシード油、ピスタチオ油、ウインタースクワッシュ油、パンプキン油、キノア油、ムスクローズ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油及びスイカ油、及びこれらの混合物であってもよい、グリセロールの脂肪酸エステルから形成されたトリグリセリド、或いはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、
- 無機又は合成起源の直鎖状又は分岐状炭化水素、例えば、液体パラフィン及びその誘導体、ワセリン、無機油、ポリデセン、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、例えばParleam、及びスクアラン、
- 10から40個の炭素原子を含む合成エーテル、
- 合成エステル、例えば、式R1COOR2(式中、R1は1から40個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状脂肪酸残基を表し、R2は、特に分岐状であり、1から40個の炭素原子を含む炭化水素系鎖を表し、ただし、R1+R2≧10である)の油。エステルは、特に、アルコールの脂肪酸エステル、例えば、セチルエステル、特に、オクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、2-エチルヘキシルパルミテート、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、特に、ヘプタン酸イソステアリル、アルコール又は多価アルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノエート、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、安息香酸アルキル、特に、安息香酸C12~C15アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエート、及びこれらの混合物、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えば、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリル及びリンゴ酸ジイソステアリルから選択してもよい、
- 任意選択で部分的に炭化水素系及び/又はシリコーン系のフルオロ油、例えばフルオロシリコーン油、フルオロポリエーテル及びフルオロシリコーン、
- 飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐状であり、6から30個の炭素原子、より詳細には8から30個の炭素原子を含む脂肪アルコール:セチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコールを挙げることができる、
- シリコーン油、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環式オルガノポリシロキサン、例えば、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン;及びフェニルシリコーン油、例えばフェニルトリメチコン、並びに
- これらの混合物
から選択してもよい。
【0101】
油は、組成物の総質量に対して、2%から40質量%、好ましくは5%から35質量%、より好ましくは10%から30質量%の範囲の含有量で存在していてもよい。
【0102】
- 結合剤ポリマー
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種の結合剤ポリマーを含んでいてもよい。2種類以上の結合剤ポリマーが使用される場合、それらは、同じであっても異なっていてもよい。
【0103】
本発明において使用してもよい結合剤ポリマーは、(メタ)アクリレート、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、オレフィン、テトラフルオロエチレン及びジビニルベンゼンから選択されるモノマー単位を有するホモポリマー又はコポリマー、より好ましくは、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ-2-アラニン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ナイロン、ポリオルガノシロキサン、多糖、例えばセルロース、スチレン及びCl~C16アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレン及びアクリルアミドのコポリマー、スチレン及びアクリロニトリルのコポリマー、スチレン及び酢酸ビニルのコポリマー、アクリルアミド及びC1~C16アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、アクリロニトリル及びC1~C16アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、アクリロニトリル及びアクリルアミドのコポリマー、スチレン、アクリロニトリル及びアクリルアミドのターポリマー、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリル酸、スチレン/ビニルピロリドン、塩化ビニリデン/アクリロニトリル、ブタジエン/アクリロニトリルのコポリマー、並びにこれらの組合せから選択される結合剤ポリマーであってもよい。
【0104】
結合剤ポリマーは、油溶性又は油分散性であることが好ましい。
【0105】
結合剤ポリマーはまた、好ましくはフィルム形成性であり、すなわち、皮膚等に適用した場合にフィルムを形成することができる。
【0106】
結合剤ポリマーは、特に、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、放射状若しくは星状コポリマー、又はこれらの混合物、好ましくはジブロックコポリマーであってもよい。
【0107】
挙げることができるオレフィンの例としては、特に、1つ又は2つのエチレン性不飽和を含み、2から5個の炭素原子を含むエチレン性カーバイドモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン又はペンタジエンがある。
【0108】
1つの好ましい実施形態によれば、結合剤ポリマーは、モノマーを重合した後、残ったエチレン性不飽和を減少させるために水素化される。
【0109】
特に、結合剤ポリマーは、任意選択で水素化され、スチレンブロック及びエチレン及び/又はC3~C4アルキレンブロックを含むコポリマーである。
【0110】
本発明の1つの実施形態によれば、結合剤ポリマーは、直鎖状スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロックコポリマー又は水素化スチレン/ブタジエンコポリマーであってもよい。例えば、このようなトリブロックコポリマーは、特にKraton Polymers社よりKraton(登録商標)G1657Mの名称で販売されている。
【0111】
結合剤ポリマーは、組成物の総質量に対して、0.5%から20質量%、好ましくは1%から10質量%、より好ましくは1.5%から5質量%の範囲の含有量で存在していてもよい。
【0112】
- 添加剤
本発明による組成物は、本発明の効果を損なわず、化粧料用途において許容される限りは、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性ポリマー;天然又は合成の増粘剤;滑沢剤又は分散剤;ゲル化剤;動物又は野菜由来の天然抽出物;ワックス;化粧品的に許容される疎水性有機溶媒;防腐剤、例えば、カプリリルグリコール;防腐剤補助剤;殺菌剤;ビタミン又はプロビタミン;香料;安定化剤、及びこれらの混合物から選択してもよい。
【0113】
本発明による組成物中に含まれる添加剤の量は、限定されるものではないが、本発明による組成物の総質量に対して、0.01から30質量%であってもよい。
【0114】
組成物中の顔料、着色剤、及びフィラーを含むパウダー成分の量は、本発明による組成物の形式に依存する。パウダー成分の量は10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、又は70質量%以上であってもよく、99質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であってもよい。
【0115】
本発明の組成物は、例えば皮膚、例えば、顔、首及び身体、特に眼の周囲の皮膚のケラチン物質のための化粧料メイクアップ組成物、より好ましくは、皮膚用化粧料メイクアップ組成物であってもよい。本発明による組成物は、コンパクト又はプレスパウダー、ブラッシャー又はルースパウダーの形態で提供してもよい。本発明の組成物はまた、リップスティック、リキッドファンデーション、及びパウダーファンデーションの形態で提供してもよい。
【0116】
本発明による組成物は、ケラチン物質、特に眼の周囲の皮膚に改善された自然な立体感を提供することができ、同時に改善された適用特性、すなわち塗布性(spreadability)を示す。その結果、本発明による組成物は、自然な外観及びより明確な顔立ちを提供することができる。
【0117】
本発明による組成物の使用は、顔、特に眼の周囲の皮膚上に立体感を生成することができ、したがって、立体感を生成するのに慣例的に必要とされてきた異なるタイプのパウダー化粧料を使用することを必要としない点に留意するべきである。更に、本発明の使用は、顔、特に眼の周囲の皮膚上に立体感を生成するための高い技術レベルを消費者が必要としない。本発明は、シンプルで容易な方法で、顔、特に眼の周囲の皮膚上に立体感及び自然な仕上げを提供することができる。
【0118】
したがって、本発明による組成物は、メイクアップ化粧料、例えば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、仕上げ用パウダー又は顔用パウダー、身体用メイクアップ製品、ブラッシャー、チーク、リップスティック、アイシャドウプライマー、顔用コントゥアリング、及びアイシャドウ、特にアイシャドウとして使用するために非常に好適である。
【0119】
本発明の1つの実施形態において、本発明による組成物は、好ましくは無水であるか又は組成物の総質量に対して、水若しくは親水性溶媒の3質量%未満、好ましくは水若しくは親水性溶媒の1質量%未満を含む。「無水」という用語は、好ましくは、水が組成物に意図的に添加されていない、より好ましくは、組成物中に存在しないが、組成物中で使用されるさまざまな成分中に微量に存在していてもよいことを特に意味する。「親水性」という用語は、本明細書において、室温(25℃)及び大気圧(105Pa)の水中で少なくとも1g/L、好ましくは少なくとも10g/L、より好ましくは少なくとも100g/Lの溶解度を有する物質を意味する。
【0120】
[美容方法]
本発明はまた、本発明による組成物を、ケラチン物質、例えば皮膚、好ましくは顔面皮膚、特に眼の周囲の皮膚に塗布する工程を含む美容方法に関する。組成物は、塗布器、例えば、スポンジ、パフ、又はブラシを用いてパウダーを擦りとることによって取ることができる。組成物はまた、指を用いてパウダーを擦りとることによって単純に取ることができる。次いで、組成物は、皮膚上に塗布器を接触させることによって塗布器から皮膚に移動させてもよい。
【0121】
本発明に従って使用される組成物は、好ましくは、リーブオンタイプの化粧用組成物として使用されることを意図する。「リーブオン」という用語は、塗布直後に洗い落とされたり除去されたりすることを意図しない組成物を意味する。
【0122】
本発明による組成物は、ケラチン物質、例えば、顔、特に眼の周囲の皮膚に、改善された自然な立体感を提供することができ、同時に改善された適用特性、すなわち塗布性を示すため、本発明による美容方法は、自然な見た目の魅力的な外観及びより明確な特徴を有するケラチン物質、特に眼の周囲の皮膚を提供することができる。
【0123】
本発明はまた、化粧用組成物、例えば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、仕上げ用パウダー又は顔用パウダー、身体用メイクアップ製品、ブラッシャー、チーク、リップスティック、アイシャドウプライマー、顔用コントゥアリング、及びアイシャドウ、特にアイシャドウにおけるメイクアップ活性物としての(a)フレークタイプのアルミニウム顔料及び(b)フレークタイプの黒色顔料の組合せの使用に関する。
【実施例0124】
本発明は、例としてより詳細な様式で記載することになる。しかし、これらの例は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0125】
[組成物]
実施例及び比較例に従ってアイシャドウ組成物を、Table 1(表1)に挙げる成分を混合することによって調製し、次いで、プレス機を用いてプレスしてプレスパウダーフォーマットを得た。例において使用されたアルミニウムフレークは、TOYAL社から得られたVelvet Silver(登録商標)の名称で販売されているシリカコーティングアルミニウムフレークであった。この顔料の平均粒径は13μmである。例において使用されたフレークタイプの黒色酸化鉄は、Titan Kogyo社から得られたBM-200P(登録商標)の名称で販売されている黒色フレークタイプの酸化鉄であった。この顔料の平均粒径は10から20μmである。黒色酸化鉄でコーティングされたマイカは、Merck社から得られたCOLORONA MICA BLACK(登録商標)の名称で販売されている黒色酸化鉄でコーティングされたマイカフレークであった。この顔料の平均粒径は10から60μmである。
【0126】
組成をTable 1(表1)に示す。Table 1(表1)において、すべての成分は活性原材料として「質量%」に基づく。
【0127】
[評価]
実施例1から3及び比較例1から4による組成物を、10名のモニターによって塗布性、立体感効果、及び自然な仕上げの3つの鍵となる特性に関して評価した。実施例1から3及び比較例1から4による各組成物をモニター自身でブラシを用いてモニターの瞼上に適用した。モニターは、適用後に、良好な塗布性、立体感効果、及び自然な仕上げを認識することができたかどうかを評価した。Table 1(表1)は何名の人が各効果を認識したかを示す。
+++: 7名超の人が効果を認識した
++: 4~5名の人が効果を認識した
+: 3名未満の人が効果を認識した
【0128】
【表2】
【0129】
Table 1(表1)における評価結果から認められるように、フレークタイプのアルミニウム顔料とフレークタイプの黒色顔料との組合せを含む実施例1から3による組成物は、優れた立体感効果、自然な仕上げ、及び改善された塗布性を示した。
【0130】
一方、フレークタイプのアルミニウム顔料とフレークタイプの黒色顔料との組合せを含まない比較例1から4による組成物は、良好な立体感効果も、自然な仕上げも、改善された塗布性も提供することができなかった。
【0131】
したがって、本発明による組成物は、メイクアップパウダー、例えば、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、仕上げ用パウダー又は顔用パウダー、身体用メイクアップ製品、ブラッシャー、チーク、リップスティック、アイシャドウプライマー、顔用コントゥアリング、及びアイシャドウ、特にアイシャドウとして使用するのに非常に好ましいことを結論付けることができる。
【外国語明細書】