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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187738
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20221213BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20221213BHJP
【FI】
B62D25/20 F
B60K1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095897
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 心
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】向川 優貴
(72)【発明者】
【氏名】柴田 峻志
(72)【発明者】
【氏名】楢原 達也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 誠二
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203AA33
3D203AA34
3D203BB06
3D203BB12
3D203CA04
3D203CA25
3D203CA35
3D203CA40
3D203CB09
3D203CB19
3D203DB05
3D203DB07
3D203DB10
3D203DB11
3D235AA02
3D235BB07
3D235CC13
3D235CC15
3D235CC22
3D235DD13
3D235DD35
3D235EE64
3D235FF09
3D235FF12
3D235HH26
3D235HH42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フロアパネルの下方にバッテリパックが配置された電動車両において、EA材のエネルギー吸収性能を向上する。
【解決手段】電動車両は、車両前後方向に延びる一対のロッカ32と、一対のロッカの間を延びるフロアパネル30と、フロアパネルの下方に位置するバッテリパック24と、バッテリパックの車幅方向外側に配置されたエネルギー吸収材(EA材)40とを備える。エネルギー吸収材は、バッテリパックに固定された第1部品42と、第1部品の車幅方向外側に連結されているとともにロッカの下方まで延びる第2部品44とを有する。第1部品の肉厚は、第2部品の肉厚よりも大きい。そして、第1部品と第2部品との間の境界は、ロッカよりも車幅方向内側に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びる一対のロッカと、
前記一対のロッカの間を延びるフロアパネルと、
前記フロアパネルの下方に位置するバッテリパックと、
前記バッテリパックの車幅方向外側に配置されたエネルギー吸収材と、
を備え、
前記エネルギー吸収材は、前記バッテリパックに固定された第1部品と、前記第1部品の車幅方向外側に連結されているとともに前記ロッカの下方まで延びる第2部品と、を有し、
前記第1部品の肉厚は、前記第2部品の肉厚よりも大きく、
前記第1部品と前記第2部品との間の境界は、前記ロッカよりも車幅方向内側に位置する、
電動車両。
【請求項2】
前記第1部品は、前記バッテリパックの車幅方向外側に位置する側面に対向している、請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記エネルギー吸収材の前記第2部品は、前記ロッカに固定されている、請求項2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記第1部品は、前記バッテリパックに固定された状態で、前記ロッカに固定された前記第2部品に対して、下方から着脱可能に構成されている、請求項3に記載の電動車両。
【請求項5】
前記第1部品及び前記第2部品は、それぞれ、車両前後方向に延びる中空構造の長手材である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動車両。
【請求項6】
前記第1部品及び前記第2部品の各々は、車両前後方向に延びる複数の空洞を有し、
前記複数の空洞は、車幅方向に沿って配列されている、請求項5に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、電動車両に関する。
【0002】
特許文献1に、電動車両が開示されている。この電動車両は、車両前後方向に延びる一対のロッカと、一対のロッカの間を延びるフロアパネルと、フロアパネルの下方に位置するバッテリパックと、バッテリパックの車幅方向外側に配置されたエネルギー吸収材(以下、EA材と称することがある)とを備える。エネルギー吸収材は、車幅方向において複数に分割されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-227075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した構造では、電動車両に側面衝突が生じたときに、EA材が変形することによって、衝突エネルギーが吸収される。このとき、EA材の外側部分が先に変形し、次いで内側部分が変形するという変形モードであると、衝突エネルギーがより効果的に吸収される。このような変形モードを実現する上で、EA材を車幅方向において複数に分割することは有効であるが、さらなる改善が必要とされている。特に、フロアパネルの下方にバッテリパックが配置された電動車両では、側面衝突においてバッテリパックを保護する必要がある。そのために、EA材にはより優れたエネルギー吸収性能が求められている。
【0005】
上記を鑑み、本明細書は、フロアパネルの下方にバッテリパックが配置された電動車両において、EA材のエネルギー吸収性能を向上し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する技術は、電動車両に具現化される。この電動車両は、車両前後方向に延びる一対のロッカと、前記一対のロッカの間を延びるフロアパネルと、前記フロアパネルの下方に位置するバッテリパックと、前記バッテリパックの車幅方向外側に配置されたエネルギー吸収材とを備える。前記エネルギー吸収材は、前記バッテリパックに固定された第1部品と、前記第1部品の車幅方向外側に連結されているとともに前記ロッカの下方まで延びる第2部品とを有する。前記第1部品の肉厚は、前記第2部品の肉厚よりも大きい。そして、前記第1部品と前記第2部品との間の境界は、前記ロッカよりも車幅方向内側に位置する。
【0007】
上記した構造によると、電動車両に側面衝突が生じたときに、ロッカとエネルギー吸収材とのそれぞれに衝突荷重が負荷される。ロッカに負荷された衝突荷重は、ロッカからフロアパネルへと伝達され、主にロッカが変形することによって、衝突エネルギーが吸収されていく。一方、エネルギー吸収材に負荷された衝突荷重は、第2部品から第1部品へと伝達され、さらに第1部品からバッテリパックへと伝達される。ここで、第1部品は第2部品よりも肉厚が大きく、第2部品よりも高い耐力を有する。従って、エネルギー吸収材では、車幅方向外側に位置する第2部品が先に変形し、次いでその内側に位置する第1部品が変形するという変形モードが実現される。加えて、第1部品と第2部品との間の境界が、ロッカよりも車幅方向内側に位置するように、第2部品は比較的に大きなサイズで設計されている。これにより、側面衝突の程度が比較的に軽いときは、第2部品のみが主に変形することによって、第1部品やバッテリパックへのダメージが回避又は抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例の電動車両10を模式的に示す。
図2図1中のII-II線における断面図。
図3図2に示す断面図において、バッテリパック24が着脱される様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の一実施形態において、前記第1部品は、前記バッテリパックの車幅方向外側に位置する側面に対向していてもよい。このような構成によると、側面衝突による衝突荷重に対して、エネルギー吸収材からバッテリパックへの直線的な荷重伝達経路が形成されることで、エネルギー吸収材をより効果的に変形させることができる。
【0010】
本技術の一実施形態において、エネルギー吸収材の第2部品は、ロッカに固定されていてもよい。但し、他の実施形態として、エネルギー吸収材の第2部品は、ロッカに代えて、又は加えて、電動車両のその他の部位に固定されていてもよい。
【0011】
上記の実施形態において、前記第1部品は、前記バッテリパックに固定された状態で、前記ロッカに固定された第2部品に対して、下方から着脱可能に構成されていてもよい。このような構成によると、バッテリパックの着脱を容易に行うことができ、電動車両の製造やメンテナンスにおける作業性を高めることができる。
【0012】
本技術の一実施形態において、前記第1部品及び前記第2部品は、それぞれ車両前後方向に延びる中空構造の長手材であってもよい。このような構成によると、比較的に簡素な構造によって、各部品に必要とされるエネルギー吸収性能を実現することができる。但し、他の実施形態として、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一方が、中空構造の長手材とは異なる構造を有してもよい。
【0013】
上記した実施形態において、前記第1部品及び前記第2部品の各々は、車両前後方向に延びる複数の空洞を有してもよい。この場合、前記複数の空洞は、車幅方向に沿って配列されていてもよい。このような構成によると、空洞の数(言い換えると隔壁の数)や各空洞のサイズを調整することによって、各部品に必要とされるエネルギー吸収性能を実現することができる。
【0014】
本明細書において単に前方、後方、前後方向といった記載は、電動車両における前方、後方、前後方向をそれぞれ意味するものとする。同様に、単に左方、右方、左右方向といった記載は、電動車両における左方、右方、左右方向をそれぞれ意味し、単に上方、下方、上下方向といった記載は、電動車両における上方、下方、上下方向を意味する。例えば、電動車両が水平面上に配置されたときに、電動車両の上下方向は、鉛直方向と一致する。また、電動車両の左右方向は、水平面に平行かつ電動車両の車軸に平行な方向となり、電動車両の前後方向は、水平面に平行かつ電動車両の車軸に垂直な方向となる。なお、電動車両における左右方向は、電動車両の幅方向でもあり、本明細書では車幅方向と表現することがある。
【実施例0015】
図面を参照して、実施例の電動車両10について説明する。電動車両10は、いわゆる自動車であって、路面を走行する車両である。ここで、図面における方向FRは、電動車両10の前後方向における前方を示し、方向RRは電動車両10の前後方向における後方を示す。また、方向LHは電動車両10の左右方向(又は、幅方向)における左方を示し、方向RHは電動車両10の左右方向における右方を示す。また、方向UPは電動車両10の上下方向における上方を示し、方向DWは電動車両10の上下方向における下方を示す。
【0016】
図1に示すように、電動車両10は、ボディ12と、複数の車輪14f、14rと、複数のサイドドア16、18とを備える。ボディ12は、特に限定されないが、主に金属で構成されている。ボディ12の内部には、キャビン12cが設けられている。キャビン12cは、一又は複数のユーザが乗車可能に構成されている。キャビン12cの下方には、ボディ12のフロアパネル30が広がっている。なお、他の実施形態として、電動車両10は、キャビン12cを備えない無人車両であってもよい。この場合、電動車両10は、キャビン12cに代えて、フロアパネル30の上方に荷室を備えてもよい。
【0017】
複数の車輪14f、14rの各々は、ボディ12によって回転可能に支持されている。複数の車輪14f、14rには、ボディ12の前部に位置する一対の前車輪14fと、ボディ12の後部に位置する一対の後車輪14rとが含まれる。一対の前車輪14fは互いに同軸に配置されており、一対の後車輪14rも互いに同軸に配置されている。一対の前車輪14fは、ユーザの操作に応じて回転軸の向きが変化する操舵輪である。一対の後車輪14rは、モータ20によって駆動される駆動輪である。なお、車輪14f、14rの数は、四つに限定されない。
【0018】
電動車両10は、モータ20と、電力制御ユニット22と、バッテリパック24とをさらに備える。モータ20は、一対の後車輪14rを駆動する走行用モータであって、一対の後車輪14rと機械的に接続されている。バッテリパック24は、モータ20に電力を供給する電源装置であり、電力制御ユニット22を介してモータ20と電気的に接続されている。バッテリパック24は、複数の二次電池セルを内蔵しており、外部の電力やモータ20の回生電力によって、繰り返し充電可能に構成されている。バッテリパック24は、フロアパネル30の下方に位置しており、フロアパネル30に沿って配置されている。電力制御ユニット22は、DC-DCコンバータ及び/又はインバータを内蔵しており、例えばユーザによる運転操作に応じて、バッテリパック24からモータ20へ供給される駆動電力や、モータ20からバッテリパック24へ供給される回生電力を制御する。
【0019】
モータ20は、一対の後車輪14rに限られず、複数の車輪14f、14rの少なくとも一つを駆動するように構成されていればよい。電動車両10は、モータ20に代えて、又は加えて、エンジンといった他の原動機をさらに備えてもよい。また、電動車両10は、バッテリパック24に加えて、又は代えて、燃料電池ユニットや太陽電池パネルといった他の電源装置を備えてもよい。電動車両10は、ここで説明する電気自動車に限られず、ハイブリッド車両、燃料電池車両、ソーラーカー等であってもよい。また、本実施例の車両10には、ユーザによって運転されるものに限られず、外部の装置によって操作されるものや、電動車両10が自律走行するものも含まれる。
【0020】
図2に示すように、ボディ12は、フロアパネル30と、一対のロッカ32と、フロアクロスビーム34とを備える。フロアパネル30は、キャビン12cの底面を構成する板状の部材である。各々のロッカ32は、中空構造を有する長手材であって、ボディ12における骨格の一部を構成する。一対のロッカ32は、フロアパネル30の両側縁31に位置しており、フロアパネル30の車幅方向外側において、前後方向に延びている。一対のロッカ32は、車幅方向に関して互いに対称に設けられている。そのことから、図2では、電動車両10の左側部分に設けられたロッカ32のみを図示し、右側部分に設けられたロッカ32については図示を省略する。
【0021】
特に限定されないが、本実施例におけるロッカ32は、幅方向の内側に位置するロッカインナパネル32aと、幅方向の外側に位置するロッカアウタパネル32bとを有する。ロッカインナパネル32a及びロッカアウタパネル32bは、それぞれの上縁及び下縁において互いに接合されており、ロッカ32の内部には、前後方向に延びる閉空間が形成されている。フロアパネル30は、一対のロッカ32の間を延びており、両側縁31においてロッカインナパネル32aに接合されている。なお、ロッカ32は、ロッカインナパネル32a及びロッカアウタパネル32bだけに限られず、三以上のパネルによって構成されてもよい。
【0022】
フロアクロスビーム34は、中空構造を有する長手材であって、ボディ12における骨格の一部を構成する。フロアクロスビーム34は、フロアパネル30上に位置しており、一対のロッカ32の間を車幅方向に沿って延びている。図示省略するが、一対のロッカ32の間には、複数のフロアクロスビーム34が設けられている。
【0023】
電動車両10は、一対のエネルギー吸収材40(以下、EA材40と称することがある)をさらに備える。一対のEA材40は、車幅方向に関して互いに対称に設けられている。図2に示すように、一方のEA材40は、電動車両10の左側部分において、バッテリパック24の車幅方向外側に配置されている。他方のEA材40は、図示省略するが、電動車両10の右側部分において、バッテリパック24の車幅方向外側に配置されている。EA材40は、電動車両10に側面衝突が生じたときに、塑性変形することによって衝突エネルギーを吸収する。EA材40は、例えばアルミニウムといった金属で構成されている。但し、EA材40を構成する材料は特に限定されない。
【0024】
本実施例におけるEA材40は、車幅方向において分割されており、第1部品42と第2部品44とを有する。第1部品42は、バッテリパック24に固定されている。第2部品44は、第1部品42の車幅方向外側に連結されている。特に限定されないが、第1部品42と第2部品44とは、ボルト52を用いて互いに連結されている。従って、第1部品42と第2部品44との間の連結は、ボルト52を取り外すことによって解除することができる。第2部品44は、ロッカ32の下方まで延びており、ボルト54を用いてロッカ32に固定されている。但し、第2部品44は、ロッカ32に代えて、又は加えて、ボディ12の他の部分に固定されてもよい。
【0025】
第1部品42の具体的な構成、及び、第2部品44の具体的な構成については、特に限定されない。但し、本実施例の電動車両10では、第1部品42の肉厚T1が、第2部品44の肉厚T2よりも大きい。そして、第1部品42と第2部品44との間の境界が、ロッカ32よりも車幅方向内側に位置している。ここで、図2中の位置Xは、第1部品42と第2部品44との境界の位置を示し、図2中の位置Yは、ロッカ32の車幅方向内側の側面32sの位置を示す。
【0026】
上記した構造によると、電動車両10に側面衝突が生じたときに、ロッカ32とEA材40とそれぞれに、衝突荷重が負荷される。ロッカ32に負荷された衝突荷重は、ロッカ32からフロアパネル30やフロアクロスビーム34へと伝達され、主にロッカ32が変形することによって、衝突エネルギーが吸収されていく。一方、EA材40に負荷された衝突荷重は、EA材40の第2部品44から第1部品42へと伝達され、さらに第1部品42からバッテリパック24へと伝達される。
【0027】
前述したように、第1部品42の肉厚T1は第2部品44の肉厚T2よりも大きく、第1部品42は第2部品44よりも高い耐力を有する。従って、EA材40では、車幅方向外側に位置する第2部品44が先に変形し、次いでその内側に位置する第1部品42が変形するという変形モードが実現される。加えて、第1部品42と第2部品44との間の境界が、ロッカ32よりも車幅方向内側に位置するように、第2部品44は比較的に大きなサイズで設計されている。これにより、側面衝突の程度が比較的に軽いときは、第2部品44のみが主に変形することによって、第1部品42やバッテリパック24へのダメージが回避又は抑制される。このように、本実施例におけるEA材40は、優れたエネルギー吸収性能を有しており、側面衝突における衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0028】
第1部品42とバッテリパック24との位置関係は、特に限定されない。但し、本実施例の電動車両10では、第1部品42が、バッテリパック24の車幅方向外側に位置する側面24sに対向している。このような構成であると、側面衝突による衝突荷重に対して、EA材40からバッテリパック24への直線的な荷重伝達経路が形成されることで、EA材40をより効果的に変形させることができる。
【0029】
図3に示すように、第1部品42は、バッテリパック24に固定された状態で、ロッカ32に固定された第2部品44に対して、下方から着脱可能に構成されている。このような構成によると、バッテリパック24の着脱を容易に行うことができ、電動車両10の製造やメンテナンスにおける作業性を高めることができる。特に、EA材40の第2部品44が、図示省略するロッカモールによって下方から覆われている場合でも、ロッカモールを取り外すことなく、ボディ12に対してバッテリパック24を着脱する作業を行うことができる。
【0030】
前述したように、第1部品42及び第2部品44の具体的な構成については、特に限定されない。一例であるが、本実施例における第1部品42及び第2部品44は、それぞれ前後方向に延びる中空構造の長手材である。特に、第1部品42及び第2部品44の各々は、前後方向に延びる複数の空洞42h、44hを有しており、複数の空洞42h、44hは、それぞれ車幅方向に沿って配列されている。このような構成によると、空洞42h、44hの数(言い換えると、隔壁42p、44pの数)や各空洞42h、44hのサイズを調整することによって、第1部品42及び第2部品44に必要とされるエネルギー吸収性能を実現することができる。
【0031】
以上、本技術の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0032】
10:車両
12:ボディ
14f、14r:車輪
20:モータ
22:電力制御ユニット
24:バッテリパック
30:フロアパネル
32:ロッカ
32s:ロッカの車幅方向内側に位置する側面
40:エネルギー吸収材(EA材)
42:エネルギー吸収材(EA材)の第1部品
44:エネルギー吸収材(EA材)の第2部品
X:第1部品と第2部品との間の境界の位置
Y:ロッカの車幅方向内側に位置する側面の位置
図1
図2
図3