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特開2022-187742インシデント分類プログラム、インシデント分類方法、およびインシデント分類装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187742
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】インシデント分類プログラム、インシデント分類方法、およびインシデント分類装置
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20221213BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20221213BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20221213BHJP
【FI】
G06N20/00 130
G06Q10/00
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095904
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔦谷 雄一
(72)【発明者】
【氏名】笠井 悟志
(72)【発明者】
【氏名】若島 雄大
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優介
(72)【発明者】
【氏名】久保 洋人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】インシデント分類において、インシデントレポートの微妙な表現の違いを正しく機械学習できない場合がある。また、高いインシデントレベルを誤って低いレベルに分類することは避ける必要がある。
【解決手段】インシデント分類プログラムは、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、第1の分類をさらに細かく分類するための、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、重大度を示す、第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするインシデント分類プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記第1のモデルに前記第1のデータを入力して、前記第1の分類の各々である第1の確率を取得し、前記第1の確率が所定の閾値以上の前記第1の分類を、前記第1の分類結果として取得する処理を含み、
前記コンピュータによって実行される、前記第2の分類結果を取得する処理は、前記第2のモデルに前記第2のデータを入力して、前記第2の分類の各々である第2の確率を取得し、前記第2の確率が所定の閾値以上の前記第2の分類を、前記第2の分類結果として取得する処理を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のインシデント分類プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第1のモデルに、前記第1のデータを入力して、2値分類である前記第1の分類結果を取得する処理を含み、
前記第2の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第2のモデルに、前記第2のデータを入力して、2値分類である前記第2の分類結果を取得する処理を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載のインシデント分類プログラム。
【請求項4】
前記第2の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第2の分類より細かい粒度の第3の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第3のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第3のデータを入力して第3の分類結果を取得する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインシデント分類プログラム。
【請求項5】
インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習して第1のモデルを生成し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習して第2のモデルを生成する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするインシデント分類プログラム。
【請求項6】
インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理をコンピュータが実行することを特徴とするインシデント分類方法。
【請求項7】
インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理を実行する制御部を有することを特徴とするインシデント分類装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インシデント分類技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業などにおいてインシデントレポートの内容を確認し、重大な事象か否かを判断し、重大度であるインシデントレベルを判定する作業を行っている。しかしながら、インシデントレポートは一日で数千件に及ぶ場合もあり、人手による全件チェックが困難であるため、AI(Artificial Intelligence)を用いてインシデントレベルの判定を行うことが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-200524号公報
【特許文献2】特開2003-256441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インシデントレポートはあいまいな記述が多く、かつ、事象によっては十分なデータがあるわけではないため微妙な表現の違いを正しく機械学習できない場合がある。また、重大なトラブルに繋がる可能性があるため、機械学習によって、高いインシデントレベルの事象を誤って低いインシデントレベルに分類してしまうことはできる限り避ける必要がある。
【0005】
1つの側面では、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度を向上させることができるインシデント分類プログラム、インシデント分類方法、およびインシデント分類装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、インシデント分類プログラムは、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、第1の分類をさらに細かく分類するための、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、重大度を示す、第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、機械学習によるインシデント分類処理の一例を示す図である。
図2図2は、自然言語処理の一例を示す図である。
図3図3は、重み付け処理の一例を示す図である。
図4図4は、インシデント分類の一例を示す図である。
図5図5は、実施例1にかかるインシデント分類装置10の構成例を示す図である。
図6図6は、実施例1にかかるインシデント分類の一例を示す図である。
図7図7は、実施例1にかかるインシデント分類処理の一例を示す図である。
図8図8は、ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本実施形態にかかるインシデント分類プログラム、インシデント分類方法、およびインシデント分類装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本実施形態が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【実施例0010】
まず、図1を用いて、本実施形態によって解決しようとする課題を具体的に説明する。図1は、機械学習によるインシデント分類処理の一例を示す図である。図1において上段は機械学習における訓練フェーズ、下段は予測フェーズを示す。
【0011】
訓練フェーズでは、インシデントレポート100を機械学習に利用できる形式に変換するため、前処理として自然言語処理および重み付け処理が実行される。各処理について、それぞれ、図2および図3を用いて説明する。
【0012】
図2は、自然言語処理の一例を示す図である。図2の例では、インシデントレポート100は、例えば、インシデントを一意に示す識別子であるインシデント番号、インシデントの重大度を示すインシデントレベル、インシデント内容を示す本文を対応付けて記憶されたデータである。ここで、インシデントレベルは、例えば、インシデントの重大度を、Aを最も重大なインシデントとしてA~Dの4段階によって示すものである。
【0013】
まず、図2に示すように、インシデントレポート100の本文が、既存技術によって形態素に分解される。そして、各形態素に基づいて、Bag of Words(BOW:単語文書行列)による変換処理によってBOWデータ101が生成される。BOWデータ101は、例えば、図2に示すように、インシデントごとに、単語の出現回数や、単語間の係り受けの有無を集計したデータである。この際、助詞など一部の形態素は除外されて集計されてよい。また、単語間の係り受けの有無とは、例えば、インシデントの本文において、“異常”に続いて“発見”が出現する場合は、図2に示すように、“異常→発見”の係り受けに対し、出現有りを示す“1”が設定される。また、例えば、“異常”に続いて“発見”が出現するが、さらに続いて否定表現が出現する場合は、図2に示すように、“異常→発見(否定)”の係り受けに対し、出現有りを示す“1”が設定される。
【0014】
次に、自然言語処理によって生成されたBOWデータ101に対して重み付け処理が実行される。図3は、重み付け処理の一例を示す図である。重み付け処理は、例えば、BOWデータ101に対してTF-IDF(Term Frequency - Inverse Document Frequency)値を算出して掛け合わせることにより行われ、レベル分類用訓練データ102が生成される。これにより、どのインシデントにも出現する単語や係り受けは相対的に価値が下げられる。
【0015】
そして、図1に戻り、レベル分類用訓練データ102を用いて機械学習を行い、訓練済モデル110が生成される。訓練済モデル110は、例えば、レベル分類用訓練データ102を特徴量とし、インシデントレベルを正解ラベルとして機械学習されるモデルである。
【0016】
次に、訓練フェーズにおいて生成された訓練済モデル110を用いて、予測フェーズが実行される。予測フェーズでも訓練フェーズ同様、予測対象であるインシデントレポート200を機械学習に利用できる形式に変換するため、前処理として自然言語処理および重み付け処理が実行され、レベル分類用予測データ201が生成される。
【0017】
そして、レベル分類用予測データ201を訓練済モデル110に入力することにより出力される分類結果300が取得される。図1の例では、分類結果300は、インシデントごとに、各インシデントレベルである確率が記憶されたデータである。分類結果300に基づいて、インシデントごとに、最も高い、または40%や50%など所定の閾値以上のインシデントレベルを、そのインシデントのインシデントレベルと予測できる。
【0018】
図4は、インシデント分類の一例を示す図である。図1および図4に示すように、インシデントレポート200における各インシデントは、1つの訓練済モデル110を用いて同時に複数ランクの判定が行われ、例えば、A~Dの4段階のインシデントレベルに分類される。
【0019】
しかしながら、インシデントレポートはあいまいな記述が多く、かつ、事象によっては十分なデータがあるわけではないため、訓練フェーズでは、インシデント内容の微妙な表現の違いを正しく機械学習できない場合がある。また、予測フェーズでは、訓練済モデル110を用いた予測ではすべてのインシデントレベルを均等に判断してしまうため、重大度の高いインシデントレベルAやBが、CやDと判定され、見逃されてしまう場合がある。そこで、本実施形態では、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度を向上させることができるインシデント分類プログラム、インシデント分類方法、およびインシデント分類装置を提供することを目的とする。
【0020】
[インシデント分類装置10の機能構成]
次に、本実施形態の実行主体となるインシデント分類装置10の機能構成について説明する。図5は、実施例1にかかるインシデント分類装置10の構成例を示す図である。図5に示すように、インシデント分類装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0021】
通信部20は、例えば、インシデントレポートなどのデータや分類結果の送受信先である他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、ネットワークインタフェースカードなどの通信インタフェースである。
【0022】
記憶部30は、各種データや、制御部40が実行するプログラムを記憶する記憶装置の一例であり、例えば、メモリやハードディスクなどである。記憶部30は、機械学習モデルDB(データベース)31、インシデントデータ32、および分類結果33、などを記憶する。
【0023】
機械学習モデルDB31は、例えば、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す分類を正解ラベルとして機械学習により生成された機械学習モデルを構築するためのパラメータや当該モデルのための訓練データを記憶する。当該訓練データは、例えば、図3に示したようなレベル分類用訓練データ102である。
【0024】
インシデントデータ32は、インシデントに関するデータを記憶する。当該データは、例えば、図2に示したようなインシデントレポート100である。
【0025】
分類結果33は、機械学習によるインシデント分類の結果に関するデータを記憶する。当該データは、例えば、図1に示したような分類結果300である。
【0026】
なお、記憶部30に記憶される上記情報はあくまでも一例であり、記憶部30は、上記情報以外にも様々な情報を記憶できる。
【0027】
制御部40は、インシデント分類装置10全体を司る処理部であり、例えば、プロセッサなどである。制御部40は、分類部41および機械学習部42を備える。なお、各処理部は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0028】
分類部41は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、インシデントに関連付けられたデータを入力して第1の分類結果を取得する。また、分類部41は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、インシデントに関連付けられたデータを入力して第2の分類結果を取得する。
【0029】
このように、分類部41は、第1のモデルによって分類されたインシデントレベルを、第2のモデルによってさらに細かい粒度で分類する。なお、各モデルによる分類は2値分類であってよく、より具体的には、分類部41は、例えば、A~Dの4段階のインシデントレベルを、まず、第1のモデルによってABかCDに分類した後、第2のモデルによってAかB、またはCかDに分類する。そのため、この場合、第2のモデルは、AまたはBに分類するためのモデルと、CまたはDに分類するためのモデルの2種類が存在することになる。
【0030】
このように、2値分類によって多段階でインシデントレベルを分類することにより、図4に示したような、一回でA~Dの4段階に分類する方法と比較すると、分類精度を向上させることができる。
【0031】
また、分類部41によって取得される分類結果は、インシデントレベルそのものでなく、各インシデントレベルである確率であってよい。この場合、分類部41は、最も高い、または40%や50%など所定の閾値以上のインシデントレベルを、分類結果として取得できる。また、多段階分類は2段階のみならず、3段階以上であってよい。
【0032】
機械学習部42は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習して第1のモデルを生成する。また、機械学習部42は、第1の分類をさらに細かく分類するための、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す、第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習して第2のモデルを生成する。なお、第2のモデルは、上述したように、例えば、AまたはBに分類するためのモデルと、CまたはDに分類するためのモデルの複数種類が存在し得る。
【0033】
なお、インシデント分類装置10は、分類部41および機械学習部42を備え、機械学習の訓練フェーズおよび推定フェーズの両方を実行するように説明したが、訓練フェーズおよび推定フェーズを別々の装置で実行してもよい。
【0034】
[機能詳細]
次に、実施例1にかかるインシデント分類方法を図6および図7を用いて詳細に説明する。図6は、実施例1にかかるインシデント分類の一例を示す図である。図6の例では、インシデントをA~Dの4段階のインシデントレベルに分類するものとして説明する。
【0035】
まず、インシデント分類装置10は、インシデントレポート200を機械学習に利用できる形式に変換するため、前処理として、図2および図3を用いて説明したような自然言語処理および重み付け処理を実行する。
【0036】
次に、インシデント分類装置10は、自然言語処理および重み付け処理を実行して変換した予測用のデータを、インシデントレベルABかCDに分類するための訓練済モデル111に入力する。訓練済モデル111は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントレベルABまたはCDの2値の分類を正解ラベルとして機械学習により生成されたモデルである。
【0037】
訓練済モデル111に予測用のデータを入力することにより、予測対象のインシデントは、まず、ABかCDに分類される。ABかCDへの分類について、インシデント分類装置10は、例えば、図6に示すように、ABである確率が40%以上である場合はABに分類し、40%未満である場合はCDに分類する。なお、40%など分類のための閾値は分類結果を参照して調整されてよい。
【0038】
次に、訓練済モデル111によってインシデントレベルABに分類された場合を説明する。インシデントレベルABに分類された場合、インシデント分類装置10は、予測用のデータを、インシデントレベルAかBに分類するための訓練済モデル112に入力する。訓練済モデル112は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントレベルAまたはBの2値の分類を正解ラベルとして機械学習により生成されたモデルである。
【0039】
訓練済モデル112に予測用のデータを入力することにより、予測対象のインシデントは、AかBに分類される。AかBへの分類についても、インシデント分類装置10は、例えば、図6に示すように、Aである確率が40%以上である場合はAに分類し、40%未満である場合はBに分類する。
【0040】
一方、訓練済モデル111によってインシデントレベルCDに分類された場合、インシデント分類装置10は、予測用のデータを、インシデントレベルCかDに分類するための訓練済モデル113に入力し、AB同様、CまたはDに分類する。訓練済モデル113は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントレベルCまたはDの2値の分類を正解ラベルとして機械学習により生成されたモデルである。
【0041】
このように、2値分類によって多段階でインシデントレベルを分類することにより、分類精度を向上させることができる。特に、図4に示したような1段階の分類方法によって、例えば、重大度の高いインシデントレベルAである確率とDである確率が近似し、Dに誤分類してしまうようなインシデントであっても、まず、ABかCDに分類するため、誤分類を抑止できる。すなわち、多値に分類する機械学習モデルより、2値に分類する機械学習モデルの方が、判断パターンが少なくて済み、モデルパラメータなどの調整難度も下がるため、分類精度を向上させ易くなる。また、多値に分類する機械学習モデルでは、例えば、A~Dの4段階のインシデントレベルである場合、各レベル間の違い、すなわち、AとB、BとC、CとDの違いを一度に学習させる必要がある。さらに、微妙な表現の違いを正しく機械学習するためには、各レベル間の分、より多くの訓練データが必要になる。
【0042】
次に、図7を用いて、実施例1にかかるインシデント分類方法を訓練フェーズから流れに沿って、より具体的に説明する。図7は、実施例1にかかるインシデント分類処理の一例を示す図である。図7において上段は機械学習における訓練フェーズ、下段は予測フェーズを示す。また、図7の例では、インシデントをA~Dの4段階のインシデントレベルに分類するものとして説明する。
【0043】
訓練フェーズでは、インシデントレポート100を機械学習に利用できる形式に変換するため、インシデント分類装置10は、前処理として、図2および図3を用いて説明した自然言語処理および重み付け処理を実行する。これらの処理により、レベル分類用訓練データ102が生成される。
【0044】
次に、インシデント分類装置10は、レベル分類用訓練データ102を分割し、分類用データ103~105を生成する。分類用データ103は、インシデントをインシデントレベルABかCDに分類するための訓練データである。また、分類用データ104および105は、それぞれ、インシデントをインシデントレベルAかB、およびCかDに分類するための訓練データである。
【0045】
そして、インシデント分類装置10は、分類用データ103~105のそれぞれを用いて機械学習を行い、訓練済モデル111~113を生成する。訓練済モデル111は、例えば、分類用データ103を特徴量とし、インシデントレベルを正解ラベルとして機械学習され、インシデントをインシデントレベルABかCDに分類するためモデルである。また、訓練済モデル112および113は、訓練済モデル111によってインシデントレベルがABかCDに分類された後、それぞれ、さらにインシデントをインシデントレベルAかB、およびCかDに分類するためのモデルである。
【0046】
次に、訓練フェーズにおいて生成された訓練済モデル111~113を用いて、予測フェーズが実行される。予測フェーズでも訓練フェーズ同様、インシデント分類装置10は、前処理として自然言語処理および重み付け処理を実行し、レベル分類用予測データ201を生成する。
【0047】
次に、インシデント分類装置10は、レベル分類用予測データ201を訓練済モデル111に入力し、分類結果301を取得する。分類結果301は、インシデントレベルがAかBである確率、およびCかDである確率が記憶されたデータである。インシデント分類装置10は、分類結果301に基づいて、インシデントごとに、最も高い、または所定の閾値以上のインシデントレベルを、そのインシデントのインシデントレベルと予測する。
【0048】
図7の例では、訓練済モデル111によってインシデントレベルがABに分類されたインシデントを例として説明する。インシデントレベルがABに分類されたので、次に、インシデント分類装置10は、レベル分類用予測データ202を訓練済モデル112に入力し、分類結果302を取得する。分類結果302は、インシデントレベルがAである確率、およびBである確率が記憶されたデータである。そして、インシデント分類装置10は、分類結果302に基づいて、最も高い、または所定の閾値以上のインシデントレベルを、そのインシデントのインシデントレベルと予測し、インシデントレベルがAまたはBに分類される。
【0049】
なお、訓練済モデル111によってインシデントレベルがCDに分類されたインシデントは、インシデント分類装置10によって訓練済モデル113を用いてインシデントレベルがCまたはDに分類される。
【0050】
[効果]
上述したように、インシデント分類装置10は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、第1の分類をさらに細かく分類するための、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、インシデントの重大度を示し、第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する。
【0051】
一回で多値に分類する機械学習モデルより、段階的に細かく分類する機械学習モデルの方が、判断パターンが少なくて済み、モデルパラメータなどの調整難度も下がるため、分類精度を向上させ易くなる。このようにして、インシデント分類装置10は、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度を向上させることができる。
【0052】
また、インシデント分類装置10によって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記第1のモデルに前記第1のデータを入力して、前記第1の分類の各々である第1の確率を取得し、前記第1の確率が所定の閾値以上の前記第1の分類を、前記第1の分類結果として取得する処理を含み、前記コンピュータによって実行される、前記第2の分類結果を取得する処理は、前記第2のモデルに前記第2のデータを入力して、前記第2の分類の各々である第2の確率を取得し、前記第2の確率が所定の閾値以上の前記第2の分類を、前記第2の分類結果として取得する処理を含む。
【0053】
これにより、インシデント分類装置10は、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度をより向上させることができる。
【0054】
また、インシデント分類装置10によって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第1のモデルに、前記第1のデータを入力して、2値分類である前記第1の分類結果を取得する処理を含み、前記第2の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第2のモデルに、前記第2のデータを入力して、2値分類である前記第2の分類結果を取得する処理を含む。
【0055】
これにより、インシデント分類装置10は、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度をより向上させることができる。
【0056】
また、インシデント分類装置10は、第2の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第2の分類より細かい粒度の第3の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第3のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第3のデータを入力して第3の分類結果を取得する。
【0057】
これにより、インシデント分類装置10は、インシデントレポートに対するインシデントレベルのより細かい分類に対しても分類精度を向上させることができる。
【0058】
また、インシデント分類装置10は、インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習して第1のモデルを生成し、前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習して第2のモデルを生成する。
【0059】
これにより、インシデント分類装置10は、インシデントレポートに対するインシデントレベルの分類精度をより向上させることができる機械学習モデルを生成できる。
【0060】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更できる。また、実施例で説明した具体例、分布、数値などは、あくまで一例であり、任意に変更できる。
【0061】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0062】
[ハードウェア]
図8は、ハードウェア構成例を説明する図である。図8に示すように、インシデント分類装置10は、通信インタフェース10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図8に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
【0063】
通信インタフェース10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図5に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0064】
プロセッサ10dは、図5に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10bなどから読み出してメモリ10cに展開することで、図5などで説明した各機能を実行するプロセスを動作させるハードウェア回路である。すなわち、このプロセスは、インシデント分類装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、分類部41および機械学習部42などと同様の機能を有するプログラムをHDD10bなどから読み出す。そして、プロセッサ10dは、分類部41および機械学習部42などと同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0065】
このようにインシデント分類装置10は、図5に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムを読み出して実行することで動作制御処理を実行する情報処理装置として動作する。また、インシデント分類装置10は、媒体読取装置によって記録媒体からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することで上述した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、インシデント分類装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本実施形態を同様に適用できる。
【0066】
また、図5に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布できる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行できる。
【0067】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0068】
(付記1)インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするインシデント分類プログラム。
【0069】
(付記2)前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記第1のモデルに前記第1のデータを入力して、前記第1の分類の各々である第1の確率を取得し、前記第1の確率が所定の閾値以上の前記第1の分類を、前記第1の分類結果として取得する処理を含み、
前記コンピュータによって実行される、前記第2の分類結果を取得する処理は、前記第2のモデルに前記第2のデータを入力して、前記第2の分類の各々である第2の確率を取得し、前記第2の確率が所定の閾値以上の前記第2の分類を、前記第2の分類結果として取得する処理を含む
ことを特徴とする付記1に記載のインシデント分類プログラム。
【0070】
(付記3)前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第1のモデルに、前記第1のデータを入力して、2値分類である前記第1の分類結果を取得する処理を含み、
前記第2の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第2のモデルに、前記第2のデータを入力して、2値分類である前記第2の分類結果を取得する処理を含む
ことを特徴とする付記1または2に記載のインシデント分類プログラム。
【0071】
(付記4)前記第2の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第2の分類より細かい粒度の第3の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第3のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第3のデータを入力して第3の分類結果を取得する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載のインシデント分類プログラム。
【0072】
(付記5)インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習して第1のモデルを生成し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習して第2のモデルを生成する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするインシデント分類プログラム。
【0073】
(付記6)インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理をコンピュータが実行することを特徴とするインシデント分類方法。
【0074】
(付記7)前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記第1のモデルに前記第1のデータを入力して、前記第1の分類の各々である第1の確率を取得し、前記第1の確率が所定の閾値以上の前記第1の分類を、前記第1の分類結果として取得する処理を含み、
前記コンピュータによって実行される、前記第2の分類結果を取得する処理は、前記第2のモデルに前記第2のデータを入力して、前記第2の分類の各々である第2の確率を取得し、前記第2の確率が所定の閾値以上の前記第2の分類を、前記第2の分類結果として取得する処理を含む
ことを特徴とする付記6に記載のインシデント分類方法。
【0075】
(付記8)前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第1のモデルに、前記第1のデータを入力して、2値分類である前記第1の分類結果を取得する処理を含み、
前記第2の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第2のモデルに、前記第2のデータを入力して、2値分類である前記第2の分類結果を取得する処理を含む
ことを特徴とする付記6または7に記載のインシデント分類方法。
【0076】
(付記9)前記第2の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第2の分類より細かい粒度の第3の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第3のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第3のデータを入力して第3の分類結果を取得する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記6乃至8のいずれか1つに記載のインシデント分類方法。
【0077】
(付記10)インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習して第1のモデルを生成し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習して第2のモデルを生成する
処理をコンピュータが実行することを特徴とするインシデント分類方法。
【0078】
(付記11)インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理を実行する制御部を有することを特徴とするインシデント分類装置。
【0079】
(付記12)前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記第1のモデルに前記第1のデータを入力して、前記第1の分類の各々である第1の確率を取得し、前記第1の確率が所定の閾値以上の前記第1の分類を、前記第1の分類結果として取得する処理を含み、
前記コンピュータによって実行される、前記第2の分類結果を取得する処理は、前記第2のモデルに前記第2のデータを入力して、前記第2の分類の各々である第2の確率を取得し、前記第2の確率が所定の閾値以上の前記第2の分類を、前記第2の分類結果として取得する処理を含む
ことを特徴とする付記11に記載のインシデント分類装置。
【0080】
(付記13)前記コンピュータによって実行される、前記第1の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第1のモデルに、前記第1のデータを入力して、2値分類である前記第1の分類結果を取得する処理を含み、
前記第2の分類結果を取得する処理は、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、2値分類である前記第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された前記第2のモデルに、前記第2のデータを入力して、2値分類である前記第2の分類結果を取得する処理を含む
ことを特徴とする付記11または12に記載のインシデント分類装置。
【0081】
(付記14)前記第2の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第2の分類より細かい粒度の第3の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第3のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第3のデータを入力して第3の分類結果を取得する
処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記11乃至13のいずれか1つに記載のインシデント分類装置。
【0082】
(付記15)インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習して第1のモデルを生成し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習して第2のモデルを生成する
処理を実行する制御部を有することを特徴とするインシデント分類装置。
【0083】
(付記16)プロセッサと、
プロセッサに動作可能に接続されたメモリと
を備えたインシデント分類装置であって、プロセッサは、
インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記インシデントの重大度を示す第1の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第1のモデルに、第1のインシデントに関連付けられた第1のデータを入力して第1の分類結果を取得し、
前記第1の分類をさらに細かく分類するための、前記インシデントに関連付けられたデータを特徴量とし、前記重大度を示し、前記第1の分類より細かい粒度の第2の分類を正解ラベルとして機械学習により生成された第2のモデルに、前記第1のインシデントに関連付けられた第2のデータを入力して第2の分類結果を取得する
処理を実行することを特徴とするインシデント分類装置。
【実施例0084】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【符号の説明】
【0085】
10 インシデント分類装置
20 通信部
30 記憶部
31 機械学習モデルDB
32 インシデントデータ
33 分類結果
40 制御部
41 分類部
42 機械学習部
100 インシデントレポート
101 BOWデータ
102 レベル分類用訓練データ
103、104、105 分類用データ
110、111、112、113 訓練済モデル
200 インシデントレポート
201、202 レベル分類用予測データ
300、301、302 分類結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8