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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187749
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】工事管理支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20221213BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095914
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】大喜多 寛和
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】工事管理の効率化を効果的に実現する工事管理支援装置を提供する。
【解決手段】構造物の工事の管理を支援するための工事管理支援装置100は、記憶部110と、表示部120と、操作受付部130と、インターフェース部140と、制御部160と、を備える。制御部160は、工事管理支援プログラム111のWebブラウザ機能を用いて、ホーム画面を表示するための図面表示用HTMLファイル112の構文解析を行うことにより、ホーム画面を表示する。制御部160は、画像リンクマークが選択された場合、工事管理支援プログラム111のWebブラウザ機能を用いて該リンクをたどることにより、平面図画面を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の工事管理を支援する工事管理支援装置であって、
他のコンテンツへのリンクを設定可能なマークアップ言語文書ファイルであって、前記構造物の第1の図面を含む第1の画面を表示させるための第1のマークアップ言語文書ファイルと、前記第1の画面に含まれる前記第1の図面上の第1の位置にリンクされ、前記構造物の360度画像を含む第2の画面を表示させるための第2のマークアップ言語文書ファイルと、を記憶する記憶部と、
操作受付部と、
表示部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第1の画面を前記表示部に表示させ、
前記操作受付部を介して前記第1の画面に含まれる前記第1の図面上の前記第1の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記第2のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第2の画面を前記表示部に表示させ、
前記操作受付部を介して所定の操作が受け付けられたことに応じて、前記表示部に表示された前記第2の画面に含まれる前記360度画像の視線方向を切り替える、
工事管理支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の工事管理支援装置であって、
前記第2の画面は、前記構造物の第2の図面を含み、
前記制御部は、前記操作受付部を介して前記第2の画面に含まれる前記第2の図面上の第2の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記表示部に表示された前記第2の画面に含まれる前記360度画像の視点を前記第2の位置に対応する位置に切り替える、
工事管理支援装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の工事管理支援装置であって、
前記記憶部は、さらに、前記構造物の前記第1の図面より広範囲の領域を表す第3の図面を含む第3の画面を表示させるための第3のマークアップ言語文書ファイルを記憶し、
前記第1のマークアップ言語文書ファイルは、前記第3の画面に含まれる前記第3の図面上の第3の位置にリンクされており、
前記制御部は、
前記第3のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第3の画面を前記表示部に表示させ、
前記操作受付部を介して前記第3の画面に含まれる前記第3の図面上の前記第3の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記第1のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第1の画面を前記表示部に表示させ、
前記操作受付部を介して前記第3の画面に含まれる前記第3の図面上の前記第3の位置とは異なる第4の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記第4の位置に対応付けられたデータ格納用フォルダを前記表示部に表示させる、
工事管理支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、工事管理支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物や土木構造物といった構造物の工事管理を支援する工事管理支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。工事管理支援装置は、例えば、工事対象の構造物の図面データや該構造物を撮像した画像データを記憶し、図面データや画像データを用いて図面や画像を表示することにより、工事管理者による工事管理業務を支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-295543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工事管理の際には、構造物の各部の状況を容易に把握できない場合がある。例えば、既存建築物の改修工事において、内装材(例えば、天井材)の裏側の空間におけるダクトや配管の敷設状況を把握したい場合が挙げられる。そのような場合に、図面を参照して状況を把握することはできるが、実際の状況が図面とは異なることがある。また、内装材を取り外し、内装材の裏側の空間を目視したり写真を撮ったりすることにより、該空間内の状況を把握することはできるが、内装材を復旧した後、同じ場所を別の観点から調査したい場合に、記憶にも残っておらず、写真にも写っていないときには、再度内装材を取り外して調査を行う必要があり、作業が繁雑となる。特に、工事対象の構造物が店舗や事務所建築物である場合には、夜間等の非営業時間での作業が発生し、作業効率が大きく低下するおそれがある。従来の工事管理支援装置は、このような課題を効果的に解決できるものではなく、工事管理の効率化への寄与の点で向上の余地がある。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される工事管理支援装置は、構造物の工事管理を支援する工事管理支援装置であって、他のコンテンツへのリンクを設定可能なマークアップ言語文書ファイルであって、前記構造物の第1の図面を含む第1の画面を表示させるための第1のマークアップ言語文書ファイルと、前記第1の画面に含まれる前記第1の図面上の第1の位置にリンクされ、前記構造物の360度画像を含む第2の画面を表示させるための第2のマークアップ言語文書ファイルと、を記憶する記憶部と、操作受付部と、表示部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第1の画面を前記表示部に表示させ、前記操作受付部を介して前記第1の画面に含まれる前記第1の図面上の前記第1の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記第2のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第2の画面を前記表示部に表示させ、前記操作受付部を介して所定の操作が受け付けられたことに応じて、前記表示部に表示された前記第2の画面に含まれる前記360度画像の視線方向を切り替える。
【0008】
本工事管理支援装置によれば、工事管理者は、表示部に表示された第1の画面に含まれる構造物の第1の図面上の第1の位置を選択する操作を行うことにより、構造物の該位置における360度画像を含む第2の画面を表示部に表示させることができ、さらに、所定の操作を行うことにより、表示部に表示された360度画像の視線方向を切り替えることができる。そのため、本工事管理支援装置によれば、直感的な操作により、工事対象の構造物の特定の位置における360度画像を表示させたり、360度画像の視線方向を所望の方向に切り替えたりすることができ、該構造物の特定の位置の状況を全周にわたって詳細に把握することができる。従って、本工事管理支援装置によれば、工事管理の効率化を効果的に実現することができる。
【0009】
(2)上記工事管理支援装置において、前記第2の画面は、前記構造物の第2の図面を含み、前記制御部は、前記操作受付部を介して前記第2の画面に含まれる前記第2の図面上の第2の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記表示部に表示された前記第2の画面に含まれる前記360度画像の視点を前記第2の位置に対応する位置に切り替える構成としてもよい。本工事管理支援装置によれば、直感的な操作により、360度画像の視点を所望の位置に切り替えることができ、該構造物の特定のエリアの状況を全周にわたって詳細に把握することができる。従って、本工事管理支援装置によれば、工事管理の効率化を一層効果的に実現することができる。
【0010】
(3)上記工事管理支援装置において、前記記憶部は、さらに、前記構造物の前記第1の図面より広範囲の領域を表す第3の図面を含む第3の画面を表示させるための第3のマークアップ言語文書ファイルを記憶し、前記第1のマークアップ言語文書ファイルは、前記第3の画面に含まれる前記第3の図面上の第3の位置にリンクされており、前記制御部は、前記第3のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第3の画面を前記表示部に表示させ、前記操作受付部を介して前記第3の画面に含まれる前記第3の図面上の前記第3の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記第1のマークアップ言語文書ファイルに基づき前記第1の画面を前記表示部に表示させ、前記操作受付部を介して前記第3の画面に含まれる前記第3の図面上の前記第3の位置とは異なる第4の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、前記第4の位置に対応付けられたデータ格納用フォルダを前記表示部に表示させる構成としてもよい。本工事管理支援装置によれば、直感的な操作により、工事対象の構造物の特定のエリアに関連するデータを格納するためのデータ格納フォルダを表示させることができ、該データの閲覧・編集・検索等のデータ管理作業の効率化を実現することができる。
【0011】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、工事管理支援装置、工事管理支援システム、工事管理支援方法、それらの装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における工事管理支援装置100の構成を概略的に示す説明図
図2】本実施形態における工事管理支援処理を示すフローチャート
図3】表示部120に表示されたホーム画面SC3の一例を示す説明図
図4】表示部120に表示された平面図画面SC1の一例を示す説明図
図5】表示部120に表示された360度画像画面SC2の一例を示す説明図
図6】表示部120に表示された360度画像画面SC2の一例を示す説明図
図7】表示部120に表示されたデータ格納用フォルダF1の一例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.実施形態:
A-1.装置構成:
図1は、本実施形態における工事管理支援装置100の構成を概略的に示す説明図である。工事管理支援装置100は、構造物(本実施形態では、地下街の建築物)の工事(本実施形態では、改修工事)の管理を支援するための装置であり、例えばパーソナルコンピュータやタブレット型端末、スマートフォン等の汎用コンピュータにより構成されている。工事管理支援装置100は、記憶部110と、表示部120と、操作受付部130と、インターフェース部140と、制御部160とを備える。これらの各部は、バス190を介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
表示部120は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、各種の画像や情報を表示する。操作受付部130は、例えばキーボードやマウス等により構成され、ユーザの操作による指示を受け付ける。なお、表示部120がタッチパネルを有し、操作受付部としても機能してもよい。インターフェース部140は、例えば、LANインターフェースやUSBインターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース等により構成され、有線または無線により他の装置(例えば、撮像装置200)との通信を行う。なお、撮像装置200は、360度のパノラマ画像(静止画像または動画像)を生成可能な360度カメラである。
【0015】
記憶部110は、例えばROMやRAM、ハードディスクドライブ(HDD)等により構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。なお、記憶部110は、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(不図示)に格納されたデータを読み取る装置(CD-ROMドライブ等)により構成されてもよい。
【0016】
記憶部110には、図面表示用HTMLファイル112と、図面データ113と、画像表示用HTMLファイル114と、画像データ115とが格納されている。図面データ113は、工事対象の構造物の図面(配置図、平面図、天伏図等)を表すイメージデータである。画像データ115は、工事対象の構造物の各位置の画像を表す画像データ(例えば、JPEGデータ)である。図面表示用HTMLファイル112および画像表示用HTMLファイル114は、他のコンテンツへのリンク(ハイパーリンク)を設定可能なマークアップ言語文書ファイルである。図面表示用HTMLファイル112は、図面データ113に基づき構造物の図面を含む画面を表示させるためのHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルである。画像表示用HTMLファイル114は、画像データ115に基づき構造物の360度画像を含む画面を表示させるためのHTMLファイルである。画像表示用HTMLファイル114および画像データ115は、撮像装置200による撮像を行うことにより生成された360度画像を表す画像データ(例えば、JPEGデータ)を対象として、画像処理ソフト(例えば、「Pano2VR」)を用いて所定の画像処理を実行することにより、作成されたものである。
【0017】
また、記憶部110には、工事管理支援プログラム111が格納されている。工事管理支援プログラム111は、後述の工事管理支援処理を実行するためのコンピュータプログラムである。工事管理支援プログラム111は、URIに基づきコンテンツを取得したり、取得したコンテンツの構文解析を行って画面を表示したり、ハイパーリンクをたどったりするなどのWebブラウザとしての機能を含んでいる。
【0018】
制御部160は、例えばCPU等により構成され、記憶部110から読み出したコンピュータプログラムを実行することにより、工事管理支援装置100の動作を制御する。例えば、制御部160は、工事管理支援プログラム111を読み出して実行することにより、後述の工事管理支援処理を実行する。
【0019】
A-2.工事管理支援処理:
次に、工事管理支援装置100により実行される工事管理支援処理について説明する。図2は、本実施形態における工事管理支援処理を示すフローチャートである。工事管理支援処理は、図面や画像を表示することによって工事管理者による工事管理業務を支援するための処理である。工事管理支援処理は、例えば工事管理者による操作受付部130を介した開始指示があったときに開始される。
【0020】
はじめに、工事管理支援装置100の制御部160は、表示部120にホーム画面SC3を表示する(S110)。具体的には、制御部160は、工事管理支援プログラム111のWebブラウザ機能を用いて、ホーム画面SC3を表示するための図面表示用HTMLファイル112の構文解析を行うことにより、ホーム画面SC3を表示する。
【0021】
図3は、表示部120に表示されたホーム画面SC3の一例を示す説明図である。本実施形態では、ホーム画面SC3に、工事対象の構造物(地下街の建築物)の配置図DR3が含まれている。なお、配置図DR3は、後述する平面図画面SC1に含まれる平面図DR1より広範囲の領域を表す図面に該当する。また、配置図DR3において、各エリアの通路部分は着色領域C4となっていると共に、各エリアに1つの円形のマーク(以下、「画像リンクマークM3」という。)が配置されている。なお、本実施形態では、ホーム画面SC3に、最新ニュースを表示するための最新ニュース欄が含まれており、この欄を操作することによってニュースの更新が可能となっている。ホーム画面SC3は、特許請求の範囲における第3の画面の一例であり、ホーム画面SC3を表示するための図面表示用HTMLファイル112は、特許請求の範囲における第3のマークアップ言語文書ファイルの一例であり、配置図DR3は、特許請求の範囲における第3の図面の一例である。
【0022】
表示部120にホーム画面SC3が表示された状態において、工事管理支援装置100の制御部160は、操作受付部130を介して、配置図DR3上の画像リンクマークM3が選択されたか否かを監視する(S120)と共に、配置図DR3上の着色領域C4が選択されたか否かを監視する(S180)。制御部160は、画像リンクマークM3が選択された場合(S120:YES)、表示部120に平面図画面SC1を表示する(S130)。本実施形態では、ホーム画面SC3を表示するための図面表示用HTMLファイル112において、配置図DR3上の画像リンクマークM3の位置に、平面図画面SC1を表示するための図面表示用HTMLファイル112のリンクが設定されている。制御部160は、工事管理支援プログラム111のWebブラウザ機能を用いて該リンクをたどることにより、平面図画面SC1を表示する。ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の画像リンクマークM3の位置は、特許請求の範囲における第3の位置の一例である。
【0023】
図4は、表示部120に表示された平面図画面SC1の一例を示す説明図である。平面図画面SC1には、S120において選択された画像リンクマークM3に対応するエリア(図4の例では「エリアA」)の平面図DR1が含まれている。平面図DR1には、地下街の1つのエリア(エリアA)における区画分けが示されている。また、平面図DR1において、通路部分は着色領域C1となっている。本実施形態では、平面図画面SC1に、各区画(A1~32)の店舗名を示す店舗名表示欄が含まれており、この欄を操作することによって店舗名の編集が可能となっている。平面図画面SC1は、特許請求の範囲における第1の画面の一例であり、平面図画面SC1を表示するための図面表示用HTMLファイル112は、特許請求の範囲における第1のマークアップ言語文書ファイルの一例であり、平面図DR1は、特許請求の範囲における第1の図面の一例である。
【0024】
表示部120に平面図画面SC1が表示された状態において、工事管理支援装置100の制御部160は、操作受付部130を介して着色領域C1が選択されたか否かを監視する(S140)。制御部160は、着色領域C1が選択された場合(S140:YES)、表示部120に360度画像画面SC2を表示する(S150)。本実施形態では、平面図画面SC1を表示するための図面表示用HTMLファイル112において、平面図DR1上の着色領域C1の位置に、360度画像画面SC2を表示するための図面表示用HTMLファイル112のリンクが設定されている。制御部160は、工事管理支援プログラム111のWebブラウザ機能を用いて該リンクをたどることにより、360度画像画面SC2を表示する。平面図画面SC1に含まれる平面図DR1上の着色領域C1の位置は、特許請求の範囲における第1の位置の一例である。
【0025】
図5および図6は、表示部120に表示された360度画像画面SC2の一例を示す説明図である。360度画像画面SC2には、選択されたエリア(エリアA)の360度画像IMが含まれている。図5および図6の例では、360度画像IMとして、天井板が取り外された状態における地下街の建築物を示す画像が示されている。本実施形態では、現在表示されている360度画像IM上に、他の視点を示す視点マークVPが表示されている。また、本実施形態では、360度画像画面SC2に、当該エリアの天伏図DR2が含まれており、天伏図DR2上に、現在表示されている360度画像IMの視点を示す現視点マークVPcおよび視線方向を示す現視線方向マークVDcや、他の視点を示す視点マークVPが表示されている。また、本実施形態では、360度画像画面SC2に、構造物の各通り芯の符号により360度画像IMの視点を切り替えるための選択ボタンSBが含まれている。表示部120に360度画像画面SC2が表示された状態において、操作受付部130を介して所定の操作(例えば、マウスのドラッグ操作、天伏図DR2や360度画像IMにおける視点マークVPの選択、選択ボタンSBの選択等)が受け付けられると、表示される360度画像IMの視線方向や視点が切り替えられる。例えば、図5に示す360度画像画面SC2が表示されている状態において、マウスのドラッグ操作が受け付けられると、図6に示すように、360度画像画面SC2に含まれる360度画像IMの視線方向が、例えばより上向きの方向に切り替えられる。このように、表示される360度画像IMの視線方向や視点を切り替えることにより、工事対象の構造物(地下街の建築物)の所望の位置および向きにおける詳細な状況を把握することができる。このような視線方向および視点の切り替えは、画像表示用HTMLファイル114が有する機能を利用して実現される。360度画像画面SC2は、特許請求の範囲における第2の画面の一例であり、360度画像画面SC2を表示するための画像表示用HTMLファイル114は、特許請求の範囲における第2のマークアップ言語文書ファイルの一例であり、天伏図DR2は、特許請求の範囲における第2の図面の一例であり、天伏図DR2上の視点マークVPの位置は、特許請求の範囲における第2の位置の一例である。
【0026】
表示部120に360度画像画面SC2が表示された状態、または、上述したS140において着色領域C1が選択されない場合(S140:NO)において、工事管理支援装置100の制御部160は、操作受付部130を介して、「戻る」ボタン(不図示)等のような上位の画面に戻るための指示がなされたか否かを監視し(S160)、そのような指示がなされた場合(S160:YES)、S110に戻って表示部120にホーム画面SC3を表示する。また、S160において「戻る」ための指示がなされない場合(S160:NO)に、工事管理支援装置100の制御部160は、操作受付部130を介して、「終了」ボタン(不図示)等のような処理を終了するための指示がなされたか否かを監視し(S170)、そのような指示がなされた場合(S170:YES)、処理を終了する。S170において「終了」するための指示がなされない場合(S170:NO)には、S150に戻って360度画像画面SC2の表示を継続する。
【0027】
また、工事管理支援装置100の制御部160は、表示部120にホーム画面SC3が表示された状態において、ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の着色領域C4が選択された場合(S180:YES)、選択された着色領域C4に対応するエリア用のデータ格納用フォルダF1を表示部120に表示する(S190)。図7は、表示部120に表示されたデータ格納用フォルダF1の一例を示す説明図である。表示部120にデータ格納用フォルダF1が表示された状態では、工事管理者は、表示されたデータ格納用フォルダF1を用いて、データ(CADデータ、写真データ、文書データ等)の閲覧・編集・検索等のデータ管理作業を行うことができる。ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の着色領域C4の位置は、特許請求の範囲における第4の位置の一例である。
【0028】
表示部120にデータ格納用フォルダF1が表示された状態において、工事管理支援装置100の制御部160は、操作受付部130を介して、「戻る」ボタン(不図示)等のような上位の画面に戻るための指示がなされたか否かを監視し(S200)、そのような指示がなされた場合(S200:YES)、S110に戻って表示部120にホーム画面SC3を表示する。また、S200において「戻る」ための指示がなされない場合(S200:NO)に、工事管理支援装置100の制御部160は、操作受付部130を介して、「終了」ボタン(不図示)等のような処理を終了するための指示がなされたか否かを監視し(S210)、そのような指示がなされた場合(S210:YES)、処理を終了する。S210において「終了」するための指示がなされない場合(S210:NO)には、S190に戻ってデータ格納用フォルダF1の表示を継続する。
【0029】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の構造物の工事管理を支援するための工事管理支援装置100は、記憶部110と、操作受付部130と、表示部120と、制御部160とを備える。記憶部110は、他のコンテンツへのリンクを設定可能なマークアップ言語文書ファイルとして、構造物の平面図DR1を含む平面図画面SC1を表示させるための図面表示用HTMLファイル112と、構造物の360度画像IMを含む360度画像画面SC2を表示させるための画像表示用HTMLファイル114とを記憶する。360度画像画面SC2を表示させるための画像表示用HTMLファイル114は、平面図画面SC1に含まれる平面図DR1上の着色領域C1の位置にリンクされている。制御部160は、平面図画面SC1を表示させるための図面表示用HTMLファイル112に基づき平面図画面SC1を表示部120に表示させる。また、制御部160は、操作受付部130を介して、平面図画面SC1に含まれる平面図DR1上の着色領域C1の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、360度画像画面SC2を表示させるための画像表示用HTMLファイル114に基づき360度画像画面SC2を表示部120に表示させる。また、制御部160は、操作受付部130を介して所定の操作が受け付けられたことに応じて、表示部120に表示された360度画像画面SC2に含まれる360度画像IMの視線方向を切り替える。
【0030】
このように、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、工事管理者は、表示部120に表示された平面図画面SC1に含まれる構造物の平面図DR1上の着色領域C1の位置を選択する操作を行うことにより、構造物の該位置における360度画像IMを含む360度画像画面SC2を表示部120に表示させることができ、さらに、所定の操作を行うことにより、表示部120に表示された360度画像画面SC2に含まれる360度画像IMの視線方向を切り替えることができる。そのため、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、直感的な操作により、工事対象の構造物の特定の位置における360度画像IMを表示させたり、360度画像IMの視線方向を所望の方向に切り替えたりすることができ、該構造物の特定の位置の状況を全周にわたって詳細に把握することができる。従って、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、工事管理の効率化を効果的に実現することができる。
【0031】
例えば、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、既存建築物の改修工事において、一度、内装材(例えば、天井材)を取り外して裏側の空間の状況を把握できる360度画像を撮像して記憶部110に格納すれば、内装材を復旧した後、いつでも、所望の視線方向で、当該場所の状況を確認することができる。そのため、再度内装材を取り外して調査を行う必要がない。このような利点は、工事対象の構造物が店舗や事務所建築物であり、調査可能な時間が夜間等の非営業時間に限られる場合に、特に有用である。
【0032】
また、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、工事管理支援のために必要なデータがすべて記憶部110に格納されており、ネットワークを介して接続された他の装置(例えば、クラウドサーバ)にアクセスしてデータを取得する必要がないため、情報セキュリティ確保のための開発コストを低減することができると共に、ネットワーク環境を要することなく使用することができる。
【0033】
また、本実施形態の工事管理支援装置100では、360度画像画面SC2は、構造物の天伏図DR2を含む。制御部160は、操作受付部130を介して、360度画像画面SC2に含まれる天伏図DR2上の視点マークVPの位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、表示部120に表示された360度画像画面SC2に含まれる360度画像IMの視点を視点マークVPに対応する位置に切り替える。そのため、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、直感的な操作により、360度画像IMの視点を所望の位置に切り替えることができ、該構造物の特定のエリアの状況を全周にわたって詳細に把握することができる。従って、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、工事管理の効率化を一層効果的に実現することができる。
【0034】
また、本実施形態の工事管理支援装置100では、記憶部110は、さらに、構造物の平面図DR1より広範囲の領域を表す配置図DR3を含むホーム画面SC3を表示させるための図面表示用HTMLファイル112を記憶する。平面図画面SC1を表示するための図面表示用HTMLファイル112は、ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の画像リンクマークM3の位置にリンクされている。制御部160は、ホーム画面SC3を表示させるための図面表示用HTMLファイル112に基づきホーム画面SC3を表示部120に表示させ、操作受付部130を介して、ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の画像リンクマークM3の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、図面表示用HTMLファイル112に基づき平面図DR1を表示部120に表示させる。また、制御部160は、操作受付部130を介して、ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の画像リンクマークM3とは異なる着色領域C4の位置の選択操作が受け付けられたことに応じて、着色領域C4の位置に対応付けられたデータ格納用フォルダF1を表示部120に表示させる。そのため、本実施形態の工事管理支援装置100によれば、直感的な操作により、工事対象の構造物の特定のエリアに関連するデータを格納するためのデータ格納用フォルダF1を表示させることができ、該データの閲覧・編集・検索等のデータ管理作業の効率化を実現することができる。
【0035】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0036】
上記実施形態における工事管理支援装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、他のコンテンツへのリンクを設定可能なマークアップ言語文書ファイルとして、HTMLファイルが用いられているが、他のマークアップ言語文書ファイルが用いられてもよい。
【0037】
上記実施形態では、360度カメラである撮像装置200による撮像により360度画像IMを得ているが、例えば、通常の撮像装置により生成された複数の画像をつなぎ合わせる方法のように、他の手段により360度画像IMを得てもよい。また、上記実施形態では、360度画像画面SC2に含まれる360度画像IMは静止画像であるが、360度画像画面SC2に含まれる360度画像IMが動画像であってもよい。
【0038】
上記実施形態における工事管理支援処理の内容は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、各画面(ホーム画面SC3、平面図画面SC1、360度画像画面SC2)の構成は、適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、360度画像画面SC2に天伏図DR2が含まれているが、360度画像画面SC2に平面図等の他の種類の図面が含まれていてもよい。また、360度画像画面SC2に図面が含まれないとしてもよい。また、各画面において他のコンテンツへのリンクが設定された位置やその表示形態(画像リンクマークM3、着色領域C1、着色領域C4)は、他の位置や表示形態に変更可能である。
【0039】
上記実施形態では、ホーム画面SC3に含まれる配置図DR3上の画像リンクマークM3が選択されると平面図画面SC1が表示され、平面図画面SC1に含まれる平面図DR1上の着色領域C1が選択されると360度画像画面SC2が表示されるが、ホーム画面SC3に含まれる図面上の所定の位置が選択されると、平面図画面SC1の表示を介さず、360度画像画面SC2が表示されるとしてもよい。このような形態においては、ホーム画面SC3は、特許請求の範囲における第1の画面の一例であり、ホーム画面SC3を表示するための図面表示用HTMLファイル112は、特許請求の範囲における第1のマークアップ言語文書ファイルの一例であり、ホーム画面SC3に含まれる図面は、特許請求の範囲における第1の図面の一例である。
【0040】
上記実施形態では、建築物の改修工事を例に用いて説明したが、本実施形態の工事管理支援装置100は、土木構造物を含む構造物を対象とした、新築工事を含む工事一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
100:工事管理支援装置 110:記憶部 111:工事管理支援プログラム 112:図面表示用HTMLファイル 113:図面データ 114:画像表示用HTMLファイル 115:画像データ 120:表示部 130:操作受付部 140:インターフェース部 160:制御部 190:バス 200:撮像装置 C1:着色領域 C4:着色領域 F1:データ格納フォルダ IM:360度画像 M3:画像リンクマーク SB:選択ボタン SC1:平面図画面 SC2:360度画像画面 SC3:ホーム画面 VDc:現視線方向マーク VP:視点マーク VPc:現視点マーク
図1
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図5
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図7