IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中川 滋夫の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187750
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】組立てブロック
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/06 20060101AFI20221213BHJP
   A63H 33/08 20060101ALI20221213BHJP
   A47C 4/02 20060101ALI20221213BHJP
   A47B 55/06 20060101ALI20221213BHJP
   A47B 3/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A47B47/06
A63H33/08 B
A47C4/02 Z
A47B55/06
A47B3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095915
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】391004517
【氏名又は名称】中川 滋夫
(72)【発明者】
【氏名】中川 滋夫
【テーマコード(参考)】
2C150
3B067
【Fターム(参考)】
2C150DD04
2C150DD15
2C150EH09
2C150FB43
2C150FB45
2C150FD08
3B067AA00
3B067DA00
3B067EA06
(57)【要約】
【課題】 家具、什器、構築物など実用品にも利用可能な強度とデザイン性を有し、段ボールでも製作可能で平らに折り畳むこともできる、組み立て分解が自在なブロック部材を提供する。
【解決手段】
四角筒形状の外枠体と内枠体を嵌め合わせて形成され、外枠体から露出する内枠体は、幅と奥行きが等しいジョイントセルとして形成され、ジョイントセルは、外枠体の厚みの2倍の幅のスリットにより分割され、内枠体の縦辺の長さは外枠体の縦辺の長さと同じか又は短く、これらが固定された状態で、外枠体の底部は、内枠体上部のジョイントセルと嵌り合う凹部となることを特徴とする組立てブロック。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角筒形状の直方体となる外枠体と、その内側に固定される四角筒形状の直方体となる内枠体から形成され、外枠体から露出する内枠体は、幅と奥行きが等しいジョイントセルとして形成され、ジョイントセルは一つか又は、外枠体の厚みの2倍の幅のスリットにより分割された複数であり、内枠体の縦辺の長さは外枠体の縦辺の長さと同じか又は短く、これらが固定された状態で、外枠体の底部は、内枠体上部のジョイントセルと嵌り合う凹部となることを特徴とする組立てブロック。
【請求項2】
外枠体の長辺の側面には篏合溝が形成され、内枠体には底面から突出した篏合爪が形成され、これらの溝と突起が篏合することで、外枠体と内枠体が固定される構造であることを特徴とする請求項1記載の組立てブロック。
【請求項3】
複数の外枠体を貼り合わせて形状及び大きさの異なるブロック体に形成したことを特徴とする請求項1及び2記載の組立てブロック。
【請求項4】
外枠体の外周縁の短辺に、内側方向に折り込み可能な突出部分が形成されていることを特徴とする請求項1及び2及び3記載の組立てブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールやシート状素材を用いて、家具や什器やオブジェ等、構築物を自在に組み立て可能なブロック材の形成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば実登3219316に示された段ボール製ブロックは、段ボールを素材としたブロックパーツを連結して任意の形状に組立て可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3219316号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、段ボールや板紙、樹脂シートや複合素材シートを用いて製作可能な、組み立てブロック体に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本ブロックは、四角筒形状の直方体となる外枠体と、その内側に嵌まり込んで固定される四角筒形状の直方体となる内枠体から形成される。
外枠体から露出する内枠体は、幅と奥行きが等しいジョイントセルとして形成され、ジョイントセルは一つか又は、外枠体の厚みの2倍の幅のスリットにより分割された複数個形成されている。
【0006】
内枠体の高さである縦辺の長さは外枠体の縦辺の長さと同じか又は短く、本ブロックが嵌り合った状態で、外枠体の底部は、内枠体上部のジョイントセルが嵌まり込む凹部となる。
【0007】
外枠体の長辺の側面には篏合溝が形成され、内枠体には底面から側方向に突出した篏合爪が形成され、これらの溝と突起が篏合することで、外枠体と内枠体が着脱自在に連結する構造であってもよい。
【0008】
外枠体の外周縁の短辺に、内側方向に折り込み可能な突出部分が形成されていてもよい。
複数の外枠体を貼り合わせ、形状及び大きさの異なるブロック体を形成することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のブロック体は、ブロック上部のジョイントセルと、底面の凹部が嵌り合うことで様々な形状に組立て分解が可能であるが、ブロック体自身も内枠体と外枠体からなり、それぞれが平らに畳めるので、保管時 運搬時に省スペースとなる。
【0010】
ブロックを組み上げた構造体の表面は、外枠体の側面部分のみが露出するので平滑な表面となり、ブロック同士の連結時には、外枠体の側面及び上下端面が密着するので、がたつきが少ない。また、組み上げたブロック体は、上下の外枠体どうしが全周で密着した状態であり上下方向の圧縮強度が非常に高い。
【0011】
シート材を抜き加工するだけでも製作可能なため、安価な段ボールや発泡シート材を素材として利用可能であり、シート状態で重ねて保管できるので、在庫運搬時にも低コスト化が可能である。また、内枠体と外枠体を四角筒状に形成した後でも、夫々平らに畳むことができるので、スペースを取らずに済む。
【0012】
本ブロック体は、上部の山部分であるジョイントセルとその外周を一定の幅で囲む正方形のエリアを一つのユニットとしており、縦横方向に連結させたブロックは、常にこの正方形が繋がったグリッド上に配列されるため自在に拡張させることができる。
このため、複数のブロック体の外枠体をグリッドに沿って貼り合わせることで、所望する大きさ形状のブロック体を新たに製作することもできる。
【0013】
グリッドは水平面でのブロックの連結ピッチになるが、垂直方向は、外枠体の高さが基準の単位になる。このため 外装体の高さは統一されたものになるが、この高さは、基準になる高さの整数倍であってもよい。高いブロック体は、外枠体のシート幅を広げるだけで製作でき、内枠体は同一品を利用できるため、容易に高さの異なるブロック体のバリエーションを増やすこともできる。
【0014】
本ブロック体は、ジョイントセルの幅と奥行きが等しい為、縦と横の向きを変えての連結が可能で、組立てが直感的で分かりやすく、いくつものサイズのブロック体を縦横に組み合わせて連結することが可能になる。
素材を段ボールや樹脂等のシート材とした場合、抜き加工で製作することができるので、非常に軽量、安価に製作可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のブロックの斜視図
図2】本発明のブロックの斜視図
図3】本発明のブロックを構成する内枠体の斜視図
図4】本発明のブロックを積み重ねる斜視図
図5】積み重ねられるブロックの上面図
図6】外枠体の高さが整数倍異なるブロック体の側面透視図
図7】外枠体と端カバーの斜視図
図8】L字型に配置したブロックの上に外枠体と端カバーを重ねる斜視図
図9】底面板に固定された端カバーの斜視図
図10】L字型に繋がった底面板の斜視図
図11】底面板に固定された外枠体キャップにとブロックの斜視図
図12】複数の外枠体が連結されたブロック体の斜視図
図13】三角柱基枠体の側面にブロックの外枠体が固定された上面図
図14】傾斜カットされたジョイントセルを有するブロックの側面図
図15】外枠体の断面図
図16】外枠体に突出部分を有するブロックの斜視図
図17】外枠体及びジョイントセルに穴を有するブロックの斜視図
図18】穴を有する内枠体の斜視図
図19】天板を取り付けるブロックの斜視図
図20】外枠体キャップの斜視図
図21】L字型に接続された外枠体キャップの斜視図
図22】三角柱カバーを取り付けるブロックの斜視図
図23】折り返し板を取り付けるブロックの斜視図
図24】レールを有する外枠体キャップの斜視図
図25】発光部分を有する外枠体の斜視図
図26】嵌め込み穴を有する外枠体の斜視図
図27】アングルが差し込まれるブロックの斜視図
図28】棚板の斜視図
図29】差し込み式屈曲取り付け部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1はこの出願に係るブロックの実施の形態を示す斜視図である。
外枠体1の中に内枠体2を差し込み、篏合溝4に篏合爪5が嵌まり込み連結されている。
上部に露出している内枠体2はスリット3により、本例では四つの山のジョイントセル6に分割している。
【0017】
図2は、図1を底面側から見た斜視図である。外枠体の凹部8の深さは、上部に露出しているジョイントセル6の高さと同じかまたは、より深く形成されていて、凹部8にジョイントセル6を貫入させることが可能となる。
篏合溝4は、外枠体の内側面に形成された凹みであってもよく、その場合外枠体の表面に溝が露出せずブロックの美粧性が高まる。
尚、本発明による外枠体と内枠体の連結は、上記の篏合溝と篏合爪による嵌め合わせに限ったものではなく、接着、ピン止め、や或いは最初から一体に成形されたものであってもよい。
【0018】
図3は、内枠体2の斜視図である。上部に形成されたスリット3は、外枠体の厚みの2倍の幅となっている。外枠体と内枠体は、共に四角筒形状なので、平行四辺形に折り畳むことができ保管時にコンパクトな形状になる。両者を連結する際には、外枠体の中に畳んだ内枠体を差し込み、中で広げることで、容易に篏合溝に篏合爪を嵌め込むことができる。
【0019】
四角筒形状を平行四辺形に畳む際に折れ曲がる角の部分は、シート材に弱め線を入れてもよいが、シート材がベニヤ板等剛性の高い素材や厚肉のシート材の場合、折れ線の形成が難しかったり、折り畳んだ際に歪が生じたりする恐れがある。それを防ぐ為に、外枠体または内枠体の外側にハーフカット部分を形成して折れ線を形成したり、屈曲が容易で破れにくいシート素材の外側に剛性の高い板状素材を貼り合わせた構成にして、容易に屈曲する上に、畳んでも歪を生じない四角筒を形成することも可能である。厚肉シート材の片面に屈曲が容易で破れにくいシート材を貼り付け、反対の面からハーフカットで折れ線を形成してもよい。
【0020】
図4は、本ブロック体を連結する例を示した斜視図である。
2点のブロック体にまたがる様に、もう一つのブロック体を上から差し込んで連結するところを示している。
【0021】
図5は、図4の状態のブロック体を上から見た上面図であり、内枠体のジョイントセルが縦横に等間隔で並んだグリッド状に繋がるため、外枠体の底面凹部を任意のジョイントセルに合わせて差し込むことが可能である。
図5の点線は、スリットの中間位置を示した仮想線であり、各正方形部分の外周が外枠体と同じ厚みの枠で囲まれた正方形となっている。一方、外枠体の底面の凹部は、図中の斜線で示したエリアとなり、外枠体の底面の凹部にぴったり篏合する位置関係となる。差し込まれた外枠体と隣接するジョイントセルとの間には、外枠体の厚みと等しい間隙ができるので、隣に別のブロックを差し込んだ際にピッタリと密着してがたつきが無くなる。
【0022】
図6は、外枠体の高さが、規格寸法の整数倍のサイズの例であり、本図では2倍の高さに形成されている。本例のように高さが整数倍であれば、異なる高さのブロックを用いても上部を等しい高さで揃えることができる。2倍や3倍の高さの外枠体に、1倍の高さ用の内枠体を取り付けることも可能で、モデルを取り付け可能である。その場合、おなじ内枠体を流用できるので、外枠体のみ種類を増やせば、多様な高さのブロックを製作することが可能となる。
【0023】
図7は、外枠体1と、その上面をカバーする端カバー21を示している。
これらのパーツを、ブロックの最上部分に使用することで、上面が平滑なブロック体を形成することが可能となる。
端カバーは、平らな面に、内枠体のジョイントセルと同様の突起部分及びスリットが形成されたものであり、外枠体の凹部に対して縦横に貫入可能となっている。
端カバーは、本ブロックを組み上げる際の底面部分としてもよく、隣接するブロックをまたいで差し込むことで、強固にブロックどうしを連結させることができる。
【0024】
図8は、L字型に組み上げられたブロックの上面に外枠体のみを取り付け、その上からL字型端カバー21bを取り付けた例である。端カバーの平滑面が剛性の高い素材で形成されている場合、組み上げられたブロックの直角形状がしっかり保持される効果がある。
本L字型端カバーは、組み上げられたブロック体の底面に取り付けられても良く、上下面で角度が固定されると更に直角形状が強く保持される。
【0025】
図9は、組み上げるブロックの土台となる底面板22を用いた例であり、底面板の所定の位置に端カバーを取り付けることで、組み上げるブロックの土台部分が定まり、組立て作業がスムーズ行える。
本図の例では、底面板22に等間隔の穴が開けられていて、そのビッチはグリッドラインと等しい間隔であり、端カバー21の平滑面にも同じ間隔で穴が開けられていて、底面板の穴と端カバーの穴が重なり合うように配置可能であり、その状態でピンやネジ等のジョイント23で結合可能となっている。底面板はブロックを計画的に配置しやすくなり、また、組み上げられたブロック体を容易に移動させることができる。
【0026】
底面板は、図10のようにブロックが置かれる部分の形状に形成されていても良い。L字型の底面板と直線型の底面板を組み合わせて連結し、任意の形状の底面板を形成することも可能となり、図8のように組み上げられたブロックの直角形状がしっかり保持される。
【0027】
図11は、底面板22に、後述の外枠体キャップ34を取り付けた例である。本例の外枠体キャップの蓋の面にも所定のピッチで穴が形成されており、底面板の穴と重ねて固定することで、外枠体キャップを精密な位置に配置することができる。この上に嵌め込むブロックは、ジョイントセル側を下に向けて積み上げていき、必要に応じて端カバー21等でブロックの上面をカバーすることができる。
底面板は薄いシートで形成してもよく、穴が開いてなくてもよい。端カバーの平滑面や、後述のジョイントセルキャップ34の蓋面と、底面板を両面テープやマジックテープ(登録商標)等で固定すれば、同様の効果がある。その場合、上述のグリッドラインを底面シートに示しておけば、ブロックを正確な位置に配置することが可能になる。
【0028】
図12のaとbは、ジョイントセルのグリッドラインがずれない位置で複数のブロック体の外枠体の側面どうしを固定して、より大きなブロック体を形成した例である。こうして作られるブロックの形状は、四角筒形状の外枠体と内枠体の連結では製作が不可能だが、本例の方法では、新たに数多くのバリエーションのブロックパーツを簡単に用意することが可能になる。本図の例以外に、外枠体をL字型やコの字型に連結した状態に固定しておくことも可能である。
【0029】
図12のcは、外枠体の底面外周縁部分どうしを向かい合わせて接続した例である。本形状は、2倍の高さ以上の外枠体の両面開口部に夫々内枠体を取り付けた場合と同じ形状となる。
本図では、外枠体に内枠体を取り付けているが、分離させた状態では、連結させた状態の外枠体を平らに畳むことも可能である。
【0030】
図13は、正三角柱形状の基枠体27の3面に本ブロックの外枠体を固定したものである。三方向に伸びたブロック体は各方向で自由に拡張可能である。本例のほか、様々な多角柱形状の枠体を用いることも可能である。本図の例に限らず、基枠体27の側面にブロックの外枠体の底面を固定することも可能である。
本図のような基枠体を介することで、ブロックの積層方向や隣り合うブロックとのなす角を任意に変えることができる。
【0031】
図14の28は、ジョイントセルの傾斜カット部分を示している。ジョイントセルの先端を本形状にすることで、ブロックを組み立てる際に嵌まり込み易くなり、作業性が高まる。
【0032】
図15は、外枠体の断面図を示している。外枠体の厚みは、ジョイントセルが挿入される時の抵抗に差異が生まれないように、均等に近いことが望ましいが、シートを貼り合わせて形成した場合、貼り合わせ部分が肉厚となってしまう。
【0033】
図15のaでは、貼り合わせられるシート材の両端部分29が、半分の厚さに形成されていて、貼り合わせた後に、他と均等な厚みとなる。シート材が段ボール材や発泡素材の場合、圧縮や加熱圧縮することで、両端部分29の厚みをコントロールできる。
図15のbは、外枠体の断面図であり、素材となるシートを、図のように全周にわたって2重になるように、巻き付けた例である。本例の場合も図15のaと同様に、外枠体の厚みが均等なものになる。
【0034】
図15のcも外枠体の断面図であり、素材となるシートが2層のシートをずらして重ねた構造で、
両端に1層部分ができている。両端の一層部分を重ねて貼り合わせ外枠体を形成することで、上述の例と同様に外枠体の厚みが均等なものになる。
【0035】
図16は、外枠体の片面の外周縁の短辺に、内側方向に折り込み可能な突出部分25が形成されている。内枠体を取り付け後に、突出部分25を内側に折り込むと、内枠体のジョイントセルが横からの応力で湾曲しにくくなり、ブロックを積み重ねて、横から力を加えた際に、ブロック同士がずれにくくなる効果がある。
【0036】
図17は、本ブロックに、穴30が開けられた例である。穴の形状や大きさは限定するものではないが、グリッドラインのピッチに合わせて形成されていることが望ましい。また、この穴は、内枠体と重なる場合、内枠体にも同じ位置に開けられていて、穴が貫通していてもよい。
【0037】
穴の利用例としては、ジョイントパーツを穴に固定することで、平滑なブロックの側面に突起部分を形成し、それを起点に別のパーツを取り付けたり、任意の物品を吊り下げるフックを形成することが容易になる。また、穴の位置に磁石をセットしておけば、ブロックを係着面として使用でき、同ピッチで磁石または、鉄片が穴部分に取り付けられたブロック体を、側方向に重ねて取り付けることができる。また組み上げられたブロック体を横方向貫くように、固定棒31を突き通したり、固定紐を通してテンションを加えることで、組み上げたブロックを強固に固定することも可能である。穴30は、弱め線が形成されたものでもよく、その場合、所望する位置の穴のみくり抜くことができて、ブロックの表面の美粧性が保たれる。
【0038】
図18は、内枠体のジョイントセルの上面、及び底面及び側面に穴30が形成された例である。
本例で穴は、垂直に突き通る位置に形成されていて、複数個積み重ねられたブロック体を、固定棒31により突き通した状態で固定して、ブロック全体が分離しないように、繋げることも可能となる。また、この穴を利用して、ブロックの上面又は底面に別のパーツを取り付けることも可能となる。
【0039】
図19は、ブロックの上面に、天板32を取り付ける例であるが、ジョイントセルが露出したままだと、横方向からの応力で変形しやすくなり著しく強度が低下する。このため本図の例では、ジョイントセルの高さと等しい高さの、四角筒形状の外枠体カバー33を嵌め込み、その上面に穴30が露出するように形成されている。この為垂直方向や、側方向からの圧力にたいする強度が飛躍的に上がる。またジョイントセル部分が、組み立てたブロックの外面に露出したままであると、平滑な表面デザインが損なわれるが、外枠体カバー33を取り付けることで平滑なデザインとなる。更に、隣接しているブロック上部のジョイントセルを繋げることでブロックどうしが強く連結される。天板とブロックとの固定方法は、ブロック上面の穴を利用する以外、例えばブロック上面にゲル等の再剥離可能な粘着性シートを貼り付ける等、様々あるが、本発明は特にこの方法を制約するものではない。
この粘着性部分は、端カバーの平滑面や外枠体キャップの上面に形成しておいても良く、上に乗せる物を固定するだけでなく、同面を下向きに使用すると、底面板に対してブロックの一段目を容易に固定することができる。
【0040】
図20は、図19の外枠体カバー33の上部を蓋で覆った外枠体キャップ34である。
本例でも、図19の例と同様の効果があり、更にブロック上部の美粧性を高めることができる。外枠体カバーも外枠体キャップも、その高さは、特に制約のあるものではない。
外枠体キャップの上面に特定のピッチの穴を形成しておくことも可能で、穴を利用して、テーブル等他の構成パーツを取り付けたり、前述の底面板22に固定することが可能になる。
特に、穴の位置がジョイントセルのスリットと重なる位置である場合、差し込まれたピンやボルトが、ジョイントセルと干渉するのを防ぐことができる。
【0041】
図21は、外枠体キャップ34の側面どうしを接続してL字型に形成した例である。本図のL字型外枠体キャップを、組み上げたブロックのL字コーナーのジョイントセル部分にかぶせると、直角を強固に保持することができる。また図11のように組み立てるブロックの底面に用いることも可能である。更に、外枠体キャップの蓋となる上面に特定ピッチの穴30が形成されていると、テーブルや他の構成パーツを取り付けたり、前述の底面板22に固定することも可能となる。
【0042】
図22は、本ブロック体に傾斜した部分を構成可能な三角柱カバー35である。デザイン的、機能的に傾斜面が必要なときに、有効に利用できる。また、L字型コーナー部分の内角に沿わせて直角三角柱のカバーを固定することで、コーナー部分の角度を増すことができる。本パーツは、両面テープや、側面穴を利用したピン止め、あるいは、組み上げられたブロックの外枠体の上下の外周縁部分に挟んで固定できるつば状部分を有する形状となっていても良い。
【0043】
図23は、外枠体の側面に取り付けられる屈折する機能を持つ折り返し板36を示している。
本図の例に限らず、外枠体上縁と平行に折れ曲がるように取り付けてもよく、その場合、ブロックで三角屋根のような傾斜部分を形成することが可能となる。尚、折り返し板は、外枠体以外に、外枠体キャップや外枠体カバー、端キャップ、あるいは底面板に取り付けても良い。
本付属品を利用することで、組み立てられたブロックの一部が可動するように形成したり、傾斜部分を形成することが可能になる。
【0044】
図24は、外枠体または端カバーあるいは外枠体キャップ34の側面又は蓋部分の向かい合う面にレール部分37が形成され、組み上げられたブロック体の一部がスライド可能となるものである。
【0045】
図25は、本ブロックに、発光部分38が形成されている例である。発光するブロックには、発光素子以外、電池あるいは、ソーラーパネル及びスイッチが取り付けられていてもよい。
【0046】
図26は、特定の形状のサブユニットが嵌め込み可能な大きさの穴39が、外枠体の側面部分に形成されているブロック体である。上述の発光ユニットの他にも、音響、通信、駆動、あるいは、水槽、ケージ、プランター、ミニラック、等、様々なユニットを、同一寸法に形成し、必要に応じて嵌め込み、ブロック面を活用することができる。
【0047】
図27は、L字型のアングル材40を、外枠体と内枠体の隙間に差し込む例を示している。この上から、別のブロックを積み重ねると、外枠体の底部の縁がアングル材の上に重なり、しっかり固定される。アングル材の突出部分を利用して棚板を固定したり、あるいは、図28のように棚板41の両端にアングル材40を固定しておき、所定の間隔に組み立てられたブロックの間に棚板を差し込み固定することも可能になる。
【0048】
図29は、薄い板材と別の板材を薄いシート材で連結した差込ガイドである。薄いシート部分42の屈曲する幅43の隙間が外枠体の厚み以上であり、薄い板材45を外枠体と内枠体の隙間に差し込み、上から別のブロックを積み重ねると、薄いシート部分が上下から挟まれて、引き抜き不能に固定される。本例のシート部分42は、アングル材40に比べて非常に薄くできる為、積み重ねられたブロックが微妙に傾いたり歪みが生じる恐れが少ない。
シートの他端に固定された板材44には、フックや穴が形成されたり、板材の上面をアングル材40と同様に棚板の固定に用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本ブロックは、何度も組立て、分解を繰り返しても劣化や損傷をしにくく、用途に合わせて様々な物品、構造物を何回も作り変えることができる。
また、本ブロックを利用中に一部分が損傷、汚損した場合でも、その部分のブロック体のみを交換すればよく、商品としのライフサイクルが伸びる。
更に、段ボールや板紙あるいは樹脂シートで本ブロック材を形成した場合、構成される部材が、単一の素材であるため、再生資源として容易に回収、再生しやすい。
この為、非常に再利用性が高く、長期間の利用が可能なブロック構造体となる。
【0050】
机や棚、椅子やベッド等では、利用者の体格の変化により利用が困難になる場合も多く、廃棄処分せざるを得ないことも有ったが、本ブロック体では、縦横方向をグリッドのピッチで、高さ方向は外枠体の積み上げで変更可能である。この為、利用者の体形や、設置場所の変更等に合わせて、最適な寸法形状にブロックを足したり外したり、または再組立てして利用が可能になる。
【0051】
本ブロック体は、2つのパーツに容易に分離、再組立てが可能であるが、分解した状態でそれぞれを平らに折り畳むことが可能であり、保管運搬が容易になる。
ブロックにより組み立てられる形状は様々で、また、ブロックのカラーを多色化することで、デザイン的なフレキシビリティも高くなり、棚、椅子、テーブル、パーテーション、壁、ベッド、家、玩具、オブジェ、等々、創造性を生かした創作物が構成可能になる。
製造者側としては、限定されたパーツの製作で、製作工程が集約化でき、コストダウンにつながる。
【符号の説明】
【0052】
1 外枠体
2 内枠体
3 内枠体のスリット
4 篏合溝
5 篏合爪
6 ジョイントセル
7 ジョイントセルの上面
8 外枠体底面の凹部
9 外枠体の高さが2倍のブロック
10 外枠体の高さが1倍のブロック
21 端カバー
22 底面板
23 ピンジョイント
25 折り込み可能な突出部分
27 多角形状の基枠体
28 ジョイントセル先端の傾斜カット
29 外枠体シート端部
30 外枠体及び内枠体の穴
31 固定棒
32 天板
33 外枠体カバー
34 外枠体キャップ
35 三角柱カバー
36 折り返し板
37 レール
38 発光部分
39 サブユニット嵌め込み穴
40 アングル
41 棚板
42 差し込みガイドのシート
43 差し込みガイドの屈曲幅
44 差し込みガイドシートに固定された厚い板材
45 差し込みガイドのシートに固定された薄い板材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29