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特開2022-187755プリンタ、制御方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187755
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】プリンタ、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20221213BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B41J2/165 207
B41J2/01 127
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095922
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭博
(72)【発明者】
【氏名】温井 康介
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EB07
2C056EB30
2C056EB31
2C056EB58
2C056EC24
2C056EC39
2C056EC54
2C056FA10
2C056HA37
2C056HA44
2C056JC23
(57)【要約】
【課題】インクが不吐出となることを抑制できるプリンタ、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】プリンタは、ヘッド、ランプ、第一センサ、コントローラを備える。ヘッドは、プラテンに支持された印刷対象物に光硬化性のインクを吐出する。ランプは、インクが吐出された印刷対象物に光を照射する。第一センサは、プリンタ内に設けられ、プリンタ内の温度を検出する。コントローラは、第一センサにプリンタ内の温度を取得させる(S2)。コントローラは、印刷データに基づき、印刷対象物の吐出領域にインクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得する(S3)。コントローラは、取得したduty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ第一センサによる温度が基準となる所定の温度より高い場合、フラッシングの回数を基準となる所定の回数より増加させる(S9、S23、S29、S31)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の印刷データに基づき印刷対象物に対して印刷を実行するプリンタであって、
プラテンに支持された前記印刷対象物に光硬化性のインクを吐出するヘッドと、
前記インクが吐出された前記印刷対象物に光を照射するランプと、
プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の温度を検出する第一センサと、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記第一センサに前記プリンタ内の前記温度を取得させ、
前記印刷データに基づき、前記印刷対象物の吐出領域に前記インクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得し、
取得した前記duty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の基準温度よりも高い場合、所定の基準回数よりもフラッシングの回数を増加させる
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記コントローラは、取得した前記duty比が、前記基準duty比よりも低い前記低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の前記基準温度よりも高い場合、取得した前記duty比が、前記基準duty比よりも高い高duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の前記基準温度よりも低い場合よりも前記フラッシングの回数を増加させる
ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記第一センサは、前記ヘッドに設けられ、前記ヘッドの前記温度を検出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記ヘッドの下面には、前記インクを吐出するためのノズルが複数設けられ、
前記第一センサは、前記ヘッド側面の下方に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の湿度を検出する第二センサ
を備え、
前記コントローラは、
前記第二センサに前記プリンタ内の前記湿度を検出させ、
前記第一センサにより取得した前記温度、取得された前記duty比、及び前記第二センサにより取得した前記湿度に基づき、前記フラッシングの回数を設定する
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のプリンタ。
【請求項6】
前記第一センサと、前記第二センサは、一体型のセンサであること
を特徴とする請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記ヘッドは、吐出される前記インクの液滴の寸法を変更可能であり、
前記コントローラは、
前記基準duty比よりも低い前記低duty比の場合、前記ヘッドから吐出される液滴の寸法が小さくなるにつれて、前記フラッシングの回数を増加させる
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一つに記載のプリンタ。
【請求項8】
前記ヘッドは、前記印刷対象物に対して紫外線硬化型の前記インクを吐出し、
前記ランプは、前記印刷対象物に紫外線を照射する
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載のプリンタ。
【請求項9】
プラテンに支持された印刷対象物に光硬化性のインクを吐出するヘッドと、
前記インクが吐出された前記印刷対象物に光を照射するランプと、
プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の温度を検出する第一センサと
を備えたプリンタの制御方法であって、
前記第一センサに前記プリンタ内の前記温度を取得させる第一取得ステップと、
印刷データに基づき、前記印刷対象物の吐出領域に前記インクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得する第二取得ステップと、
前記第二取得ステップにより取得した前記duty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の基準温度よりも高い場合、所定の基準回数よりもフラッシングの回数を増加させる設定ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
プラテンに支持された印刷対象物に光硬化性のインクを吐出するヘッドと、
前記インクが吐出された前記印刷対象物に光を照射するランプと、
プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の温度を検出する第一センサと
を備えたプリンタのコンピュータに、
前記第一センサに前記プリンタ内の前記温度を取得させる第一取得ステップと、
印刷データに基づき、前記印刷対象物の吐出領域に前記インクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得する第二取得ステップと、
前記第二取得ステップにより取得した前記duty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の基準温度よりも高い場合、所定の基準回数よりもフラッシングの回数を増加させる設定ステップと
を備えたことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のプリンタは、湿度センサを備える。湿度センサは、プラテン、又は、キャリッジの所定位置に配置される。湿度センサは、プリンタの周囲の湿度を検知する。プリンタは、湿度センサで検知された湿度に応じて、紫外線照射装置からインクに照射される紫外線の光量を制御する。
【0003】
特許文献2に記載のプリンタは、外気センサを備える。外気センサは、プリンタの外部に設けられる。外気センサは、プリンタ周辺の湿度及び温度を検知する。プリンタは、外気センサからの湿度及び温度の検知結果に応じて、紫外線照射装置からインクに照射される紫外線の光量を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-138460号公報
【特許文献2】特開2004-299232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記プリンタは、温度、及び湿度の少なくとも何れか一方に基づいて照度をコントロールしたが、温度及び印刷領域への印字率を示すduty比によってインクの硬化が不十分となることを回避するため、照度を変更した場合、印刷時に印刷媒体から反射される紫外線の反射光により、ノズル内のインクが硬化してしまう可能性があった。そのため、ノズルが詰まり、インクを吐出できなくなる可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、インクが不吐出となることを抑制できるプリンタ、制御方法、及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係るプリンタは、所定の印刷データに基づき印刷対象物に対して印刷を実行するプリンタであって、プラテンに支持された前記印刷対象物に光硬化性のインクを吐出するヘッドと、前記インクが吐出された前記印刷対象物に光を照射するランプと、プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の温度を検出する第一センサと、コントローラとを備え、前記コントローラは、前記第一センサに前記プリンタ内の前記温度を取得させ、前記印刷データに基づき、前記印刷対象物の吐出領域に前記インクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得し、取得した前記duty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の基準温度よりも高い場合、所定の基準回数よりもフラッシングの回数を増加させることを特徴とする。
【0008】
プリンタは、低duty比、且つ温度が高い場合、ノズル内のインクが固まりやすい。そのため、ノズルが詰まり、インクを吐出できなくなる可能性がある。しかし、本発明の第一態様に係るプリンタは、フラッシングの回数を増加させ、インクを吐出させる。故に、プリンタは、ノズル詰まりによるインク不吐出を抑制できる。
【0009】
前記コントローラは、取得した前記duty比が、前記基準duty比よりも低い前記低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の前記基準温度よりも高い場合、取得した前記duty比が、前記基準duty比よりも高い高duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の前記基準温度よりも低い場合よりも前記フラッシングの回数を増加させてもよい。プリンタは、低duty比、且つ温度が高い場合、ノズル内のインクが固まりやすい。そのため、ノズルが詰まり、インクを吐出できなくなる可能性がある。しかし、プリンタは、フラッシングの回数を増加させ、インクを吐出させる。故に、プリンタは、ノズル詰まりによるインク不吐出を抑制できる。
【0010】
前記第一センサは、前記ヘッドに設けられ、前記ヘッドの前記温度を検出してもよい。プリンタは、ヘッドの温度とduty比とに基づき、フラッシングの回数を決定する。故に、プリンタは、さらに、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0011】
前記ヘッドの下面には、前記インクを吐出するためのノズルが複数設けられ、前記第一センサは、前記ヘッド側面の下方に設けられてもよい。プリンタは、ヘッドの側面に設けられ、ヘッドのノズル近辺の温度を検出する。故に、プリンタは、ノズルの温度に基づきフラッシングの回数を設定できる。故に、プリンタは、さらに、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0012】
プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の湿度を検出する第二センサを備え、前記コントローラは、前記第二センサに前記プリンタ内の前記湿度を検出させ、前記第一センサにより取得した前記温度、取得された前記duty比、及び前記第二センサにより取得した前記湿度に基づき、前記フラッシングの回数を設定してもよい。プリンタは、温度、duty比、及び湿度に基づきより詳細にフラッシングの回数を設定できる。この場合、プリンタは、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0013】
前記第一センサと、前記第二センサは、一体型のセンサであってもよい。プリンタは、省スペース化できる。
【0014】
前記ヘッドは、吐出される前記インクの液滴の寸法を変更可能であり、前記コントローラは、前記基準duty比よりも低い前記低duty比の場合、前記ヘッドから吐出される液滴の寸法が小さくなるにつれて、前記フラッシングの回数を増加させてもよい。プリンタは、ヘッドから吐出される液滴の寸法が小さくなるにつれて、より多くのフラッシングを必要とする。この場合、プリンタは、フラッシングの回数を増やす。故に、プリンタは、さらに、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0015】
前記ヘッドは、前記印刷対象物に対して紫外線硬化型の前記インクを吐出し、前記ランプは、前記印刷対象物に紫外線を照射してもよい。プリンタは、紫外線硬化型のインクを硬化させる為に紫外線を照射するランプを備えた場合にも、第一態様のプリンタと同様の効果を得る。
【0016】
本発明の第二態様に係る制御方法は、プラテンに支持された印刷対象物に光硬化性のインクを吐出するヘッドと、前記インクが吐出された前記印刷対象物に光を照射するランプと、プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の温度を検出する第一センサとを備えたプリンタの制御方法であって、前記第一センサに前記プリンタ内の前記温度を取得させる第一取得ステップと、印刷データに基づき、前記印刷対象物の吐出領域に前記インクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得する第二取得ステップと、前記第二取得ステップにより取得した前記duty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の基準温度よりも高い場合、所定の基準回数よりもフラッシングの回数を増加させる設定ステップとを備えたことを特徴とする。
【0017】
プリンタは、上記制御方法を用いることで、第一態様のプリンタと同様の効果を得る。
【0018】
本発明の第三態様に係る制御プログラムは、プラテンに支持された印刷対象物に光硬化性のインクを吐出するヘッドと、前記インクが吐出された前記印刷対象物に光を照射するランプと、プリンタ内に設けられ、前記プリンタ内の温度を検出する第一センサとを備えたプリンタのコンピュータに、前記第一センサに前記プリンタ内の前記温度を取得させる第一取得ステップと、印刷データに基づき、前記印刷対象物の吐出領域に前記インクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得する第二取得ステップと、前記第二取得ステップにより取得した前記duty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ前記第一センサにより検出された前記温度が所定の基準温度よりも高い場合、所定の基準回数よりもフラッシングの回数を増加させる設定ステップとを備えたことを特徴とする。
【0019】
プリンタは、上記制御プログラムが実行されることで、第一態様のプリンタと同様の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】プリンタ1の右前上方から見た斜視図である。
図2】プリンタ1の右後上方から見た斜視図である。
図3】第一センサ38がヘッド10に取り付けられた状態を示す図である。
図4】フラッシングが実行される場合のヘッド10とボックス52の位置を示す図である。
図5】プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
図6】環境条件とフラッシングを実行する回数との関係を示す図表である。
図7】メイン処理を示すフローチャートである。
図8】メイン処理を示すフローチャートであって、図7の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係るプリンタ1を説明する。図1の上方、下方、左下方、右上方、右下方、及び左上方が、それぞれ、プリンタ1の上方、下方、前方、後方、右方、及び左方である。
【0022】
図1を参照し、プリンタ1の概略構成を説明する。図1に示すように、プリンタ1は搬送機構6と昇降機構9とプラテン5と一対のレール11とキャリッジ20を備える。搬送機構6はプリンタ1の下部に設けられる。搬送機構6は、一対のレール12を含む。一対のレール12は前後方向に延び、互いに左右方向に並ぶ。
【0023】
昇降機構9は搬送機構6の上側に設けられる。昇降機構9は、一対のレール12によって支持される。
【0024】
プラテン5は昇降機構9の上側に設けられる。プラテン5は板である。プラテン5は、昇降機構9によって支持される。プラテン5は昇降機構9の上下方向の伸縮により、上下方向に移動する。
【0025】
プラテン5は昇降機構9の前後方向の移動により、前後方向に移動する。プラテン5の上面には印刷対象物が載置される。印刷対象物は例えば板状、シート状であり、例えば布、紙、プラスチック、金属で構成される。
【0026】
一対のレール11はプラテン5よりも上方に設けられる。一対のレール11は左右方向に延び、互いに前後方向に並ぶ。キャリッジ20は一対のレール11の前後方向の間に設けられる。キャリッジ20は板である。キャリッジ20は、一対のレール11によって支持される。キャリッジ20は主走査モータ31の駆動によって、一対のレール11に沿って左右方向に移動する。
【0027】
キャリッジ20にはヘッド10が固定される。ヘッド10の個数は特定の個数に限定されないが、本実施形態では二つのヘッド10がキャリッジ20に搭載される。二つのヘッド10は直方体状であり、前後方向に並ぶ。
【0028】
ヘッド10の右側にはランプ50が設けられる。ランプ50の個数は特定の個数に限定されないが、本実施形態では二つのランプ50が設けられる。すなわち、本実施形態ではプリンタ1はヘッド10の個数分のランプ50を備える。ランプ50は直方体状であり、紫外線発光ダイオード51(Ultraviolet Light Emitting Diode)を含む。
【0029】
ランプ50の下面には図3にて示す紫外線発光ダイオード51が形成される。図1に示すように、ランプ50の下面はプラテン5よりも上方に位置し、プラテン5に対して上方から対向する。ランプ50は図3にて示す紫外線発光ダイオード51を発光させることで、印刷対象物に対して、紫外線をランプ50の下面から下方に照射する。
【0030】
図1に示すように、プリンタ1の右側には装着部8が設けられる。装着部8には、複数のカートリッジ3が装着される。各カートリッジ3は、それぞれ白インク、カラーインク等を収容する。一対のレール11のうち後側のレール11の後側には固定部材17が固定される。固定部材17はチューブ15を支持する。インクは各カートリッジ3からチューブ15の中を流れて各ヘッド10に供給される。
【0031】
図2に示すようにヘッド10の下面にはノズル面101が形成される。ノズル面101はプラテン5よりも上方に位置し、プラテン5に対して上方から対向する。ノズル面101には複数のノズル101aが形成される。ヘッド10は、印刷対象物に対して、ノズル面101の複数のノズル101aからインクを下方に吐出する。一例として、インクは紫外線が照射されることによって硬化する、いわゆる紫外線硬化型インクである。
【0032】
ヘッド10は、ノズル101aから吐出されるインクの寸法を変更可能である。本実施形態では、例えば、ヘッド10から吐出されるインクの液滴が大きい場合(以下、「L玉」ともいう。)と、液滴が小さい場合(以下、「S玉」ともいう。)との2つの寸法間で液滴の寸法を変更可能である。
【0033】
ヘッド10の前面の下方には、第一センサ38が設けられる(図3参照)。第一センサ38は、ヘッド10の温度を検出する。本実施形態では、第一センサ38は前側のヘッド10に設けられるが、後側のヘッド10に設けられてもよい。
【0034】
プリンタ1の左側にはインクを収容するボックス52が設けられる(図2図4参照)。本実施形態では、ヘッド10の個数に対応して二つのボックス52が設けられる。ボックス52は、ヘッド10のフラッシングの実行時に使用される。フラッシングの実行時、プリンタ1は、ヘッド10を左方に移動させ、ノズル面101をボックス52の上面に対向させる(図4参照)。プリンタ1は、ノズル面101がボックス52に対向した状態で、ノズル101aからインクを吐出する。吐出されたインクは、ボックス52に収容される。
【0035】
図5を参照し、プリンタ1の電気的構成を説明する。プリンタ1は制御基板40を備える。制御基板40にはCPU41、ROM42、RAM43、及びフラッシュメモリ44が設けられる。CPU41はプリンタ1の制御を司り、ROM42、RAM43、及びフラッシュメモリ44と電気的に接続する。
【0036】
ROM42は、CPU41がプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にCPU41が必要な情報等を記憶する。RAM43は、制御プログラムで用いられる各種データ等を一時的に記憶する。
【0037】
フラッシュメモリ44は、不揮発性であり、印刷を行うための印刷データ等を記憶する。印刷データには、印刷対象物の吐出領域にインクが吐出される場合の印字率を示すduty比の情報等が含まれている。
【0038】
CPU41には主走査モータ31、副走査モータ32、ヘッド駆動部33、昇降モータ34、紫外線発光ダイオード51、操作部37、及び第一センサ38が電気的に接続される。主走査モータ31、副走査モータ32、ヘッド駆動部33、昇降モータ34、紫外線発光ダイオード51、及び駆動モータ71はCPU41による制御によって駆動する。図1において示した昇降機構9は副走査モータ32の駆動により、一対のレール12に沿って前後方向に移動する。図1において示した昇降機構9は昇降モータ34の駆動により、上下方向に伸縮する。図1及び図3において示したヘッド10は、圧力素子、発熱素子等で構成されるヘッド駆動部33により駆動される。図1及び図3において示したヘッド10は、ヘッド駆動部33の駆動により、印刷対象物に対して、ノズル面101のノズル101aからインクを下方に吐出する。
【0039】
操作部37はタッチパネル等であり、ユーザによる操作に応じた情報をCPU41に出力する。ユーザは操作部37を操作することで、プリンタ1による印刷を開始するための印刷指示等をプリンタ1に入力できる。第一センサ38は、ヘッド10の温度の検出結果をCPU41に送信する。
【0040】
上記プリンタ1の構成によれば、プラテン5に印刷対象物が載置され、プラテン5が後方に移動した状態から印刷が開始される。印刷が開始されると、ヘッド10がインクを吐出し、ランプ50が紫外線を照射した状態でキャリッジ20が左右方向に往復移動する。これにより、印刷対象物にインクが付着し、付着したインクに紫外線が当たる。インクが紫外線により硬化し、印刷対象物に定着する。キャリッジ20が往復した後、プラテン5が所定量前方へ移動する。プリンタ1はこれらの動作を繰り返すことで印刷対象物への印刷を行う。
【0041】
図6(a)(b)を参照して、フラッシングの回数について説明する。テーブルCに示すように、例えば、高duty比、L玉、且つ高温の条件では、フラッシングの回数が、2[回/h]に設定される。この場合、一時間に2回の頻度でフラッシングが実行される。
【0042】
ここで、温度が変化しても照度を一定とする場合、高温の場合の方が、低温の場合よりもノズル101a内のインクが硬化しやすくなる。従って、低duty比、L玉、且つ高温の条件では、フラッシングの回数が3[回/h]に設定される。つまり、フラッシングは、一時間に3回の頻度で実行される。よって、低duty比、且つ高温の条件では、フラッシング回数を増やすことができ、ノズル101a内のインクの硬化によるインクの不吐出を抑制することができる。なお、本実施形態において、低duty比、且つ高温の条件では、フラッシング回数は、L玉条件下における最多回数(3[回/h])に設定される。
【0043】
低duty比、L玉、且つ低温の条件では、フラッシングの回数が一時間に1[回/h]に設定される。つまり、フラッシングは、一時間に1回の頻度で実行される。
【0044】
高duty比、L玉、且つ低温の条件では、フラッシングの回数が一時間に1[回/h]に設定される。つまり、フラッシングは、一時間に1回の頻度で実行される。なお、本実施形態では、1[回/h]の頻度でのフラッシングを基準の回数とする。また、本実施形態において、低duty比、且つ低温の条件では、フラッシング回数は、L玉条件下における最少回数(1[回/h])に設定される。
【0045】
高duty比、S玉、且つ高温の場合、テーブルDに示すように、フラッシングの回数が、2[回/h]に設定される。また、高duty比、S玉、且つ低温の場合、高duty比、L玉、且つ低温の条件と同様に、フラッシングの回数が1[回/h]に設定される。
【0046】
低duty比、S玉、且つ高温の場合、フラッシングの回数が4[回/h]に設定される。つまり、フラッシングは、一時間に4回の頻度で実行される。また、低duty比、S玉、且つ低温の場合、フラッシングの回数が3[回/h]に設定される。つまり、フラッシングは、一時間に3回の頻度で実行される。
【0047】
テーブルCとテーブルDを比較した場合、高duty比且つ高温の条件では、フラッシングの回数は、L玉及びS玉共に、フラッシングの回数が2[回/h]に設定される。同様に、高duty比且つ低温の条件では、L玉S玉共に、フラッシングの回数が1[回/h]に設定される。従って、本実施形態におけるプリンタ1は、フラッシングの回数を決定するにあたり、高duty比の場合には、インクの液滴の大きさを考慮する必要性は小さい。
【0048】
低duty比且つ高温の条件では、L玉のインクの場合に比べて、S玉のインクの場合の方がより多くのフラッシング回数を必要とする。同様に、低duty比且つ低温の条件では、L玉のインクの場合に比べて、S玉のインクの場合の方がより多くのフラッシング回数を必要とする。従って、本実施形態におけるプリンタ1は、フラッシングの回数を決定するにあたり、低duty比の場合には、インクの液滴の大きさを考慮することが望ましい。
【0049】
図7図8を参照し、メイン処理を説明する。ユーザはプラテン5上に印刷対象物を載置する。ユーザは操作部37(図5参照)を操作し、プリンタ1に電源を投入する。電源が投入されると、CPU41は、ROM42から制御プログラムを読み出して動作することで、メイン処理を実行する。
【0050】
メイン処理が開始されると、CPU41は、印刷データを受け付けたか否か判断する(S1)。印刷データを受け付けていないと判断した場合(S1:NO)、CPU41は、処理をS15に進め、フラッシングを実行するか否か判断する(S15)。フラッシングを実行するか否かは、例えば、初期値では、フラッシングの回数が1[回/h]に設定されているものとする。
【0051】
フラッシングを実行しないと判断した場合(S15:NO)、CPU41は、処理をS1に戻す。一方、フラッシングを実行すると判断した場合(S15:YES)、CPU41は、図4に示すようにノズル面101がボックス52に対向する位置にヘッド10を移動させ、フラッシングを実行する(S17)。CPU41は、処理をS1に戻す。
【0052】
ユーザにより印刷指示がプリンタ1に入力され、印刷データを受け付けたと判断した場合(S1:YES)、CPU41は、第一センサ38によりヘッド10の温度を取得させる(S2)。CPU41は、印刷データに基づきduty比を取得する(S3)。CPU41は、印刷データに基づき、duty比が高duty比であるか否か判断する(S5)。例えば、duty比の高低は、基準となる基準duty比が50%である場合を基準として判断される。この場合、基準duty比よりも高いduty比が高duty比と定義され、基準duty比よりも低いduty比が低duty比と定義される。
【0053】
高duty比であると判断した場合(S5:YES)、CPU41は、第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が高温か否か判断する(S7)。高温であるか否かの判断は、例えば、所定の基準温度が25℃である場合を基準として判断する。基準温度よりも高い温度が高温と定義され、基準温度よりも低い温度が低温と定義される。
【0054】
第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が高温であると判断した場合(S7:YES)、CPU41は、高duty比且つ高温の条件で適切なフラッシングの回数に設定する(S9)。CPU41は、高Duty比の場合、液滴の寸法を考慮する必要性は小さい。この場合、CPU41は、例えばテーブルC又はテーブルDを参照して、フラッシングの回数を、2[回/h]に設定する。CPU41は、処理をS11に進める。
【0055】
一方、第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が低温であると判断した場合(S7:NO)、CPU41は、高duty比且つ低温の条件で最適なフラッシングの回数に設定する(S18)。この場合、例えば、CPU41は、テーブルC又はテーブルDを参照して、フラッシングの回数を、1[回/h]に設定する。CPU41は、処理をS11に進める。
【0056】
一方、低duty比であると判断した場合(S5:NO)、CPU41は、ヘッド10から吐出されるインクの液滴の寸法がL玉か否か判断する(S19)。低duty比の条件では、液滴の寸法に応じて、フラッシングの回数を変更する。
【0057】
インクの液滴の寸法が大きいL玉であると判断した場合(S19:YES)、CPU41は、第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が高温か否か判断する(S21)。第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が高温であると判断した場合(S21:YES)、CPU41は、低duty比、L玉、且つ高温の条件で最適なフラッシングの回数に設定する(S23)。この場合、例えば、CPU41は、テーブルCを参照して、フラッシングの回数を、3[回/h]に設定する。CPU41は、処理をS11に進める。
【0058】
一方、第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が低温であると判断した場合(S21:NO)、CPU41は、低duty比、L玉、且つ低温の条件で最適なフラッシングの回数に設定する(S25)。この場合、例えば、CPU41は、テーブルCを参照して、フラッシングの回数を、1[回/h]に設定する。CPU41は、処理をS11に進める。
【0059】
一方、液滴の寸法が小さいS玉であると判断した場合(S19:NO)、CPU41は、第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が高温か否か判断する(図8に示すS27)。第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が高温であると判断した場合(S27:YES)、CPU41は、低duty比、S玉、且つ高温の条件で最適なフラッシングの回数に設定する(S29)。この場合、例えば、CPU41は、テーブルDを参照して、フラッシングの回数を、4[回/h]に設定する。CPU41は、処理をS11に進める。
【0060】
第一センサ38によるヘッド10の温度の検出結果が低温であると判断した場合(S27:NO)、CPU41は、低duty比、S玉、且つ低温の条件で最適なフラッシングの回数に設定する(S31)。この場合、例えば、CPU41は、テーブルDを参照して、フラッシングの回数を、3[回/h]に設定する。CPU41は、処理をS11に進める。
【0061】
フラッシングの回数が設定されると、CPU41は、印刷データに基づき、印刷処理を実行する(S11)。これにより、ヘッド10からインクが印刷対象物に吐出され、印刷対象物にインクの層が形成される。CPU41は、印刷対象物に吐出されたインクを硬化させるため、ランプ50に紫外線を照射させる(S13)。
【0062】
CPU41は、フラッシングを実行するか否か判断する(S15)。この場合、フラッシングを実行するか否かは、S9、S18、S23、S25、S29、S31の処理で設定した回数に基づき判断される。フラッシングを実行すると判断した場合(S15:YES)、CPU41は、図4に示すようにノズル面101がボックス52に対向する位置にヘッド10を移動させ、フラッシングを実行する(S17)。CPU41は、処理をS1に戻す。
【0063】
以上説明したように、CPU41は、第一センサ38にプリンタ1内の温度を取得させる。CPU41は、印刷データに基づき、印刷対象物の吐出領域にインクが吐出される場合の印字率を示すduty比を取得する。CPU41は、取得したduty比が、基準となる所定の基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ第一センサ38により検出された温度が基準となる所定の温度よりも高い場合に、フラッシングの回数を基準となる所定の回数よりも増加させる。
【0064】
プリンタ1は、低duty比、且つ温度が高い場合、ノズル101a内のインクが固まりやすい。そのため、ノズル101aが詰まり、インクを吐出できなくなる可能性がある。しかし、プリンタ1は、フラッシングの回数を増加させ、インクを吐出させる。故に、プリンタ1は、ノズル101aでインクが詰まることによるインク不吐出を抑制できる。
【0065】
CPU41は、取得したduty比が、基準duty比よりも低い低duty比であり、且つ第一センサ38により検出された温度が所定の基準温度よりも高い場合、取得したduty比が、基準duty比よりも高い高duty比であり、且つ第一センサ38により検出された温度が所定の基準温度よりも低い場合よりもフラッシングの回数を増加させる。プリンタ1は、低duty比、且つ温度が高い場合、ノズル101a内のインクが固まりやすい。そのため、ノズル101aが詰まり、インクを吐出できなくなる可能性がある。しかし、プリンタ1は、フラッシングの回数を増加させ、インクを吐出させる。故に、プリンタ1は、ノズル101aでインクが詰まることによるインク不吐出を抑制できる。
【0066】
第一センサ38は、ヘッド10に設けられ、ヘッド10の温度を検出する。プリンタ1は、ヘッド10の温度とduty比とに基づき、フラッシングの回数を決定する。故に、プリンタ1は、さらに、インクが不吐出となる可能性を抑制できる。
【0067】
ヘッド10は、印刷対象物に対して紫外線硬化型のインクを吐出する。ランプ50は、印刷対象物に紫外線を照射する。プリンタ1は、紫外線硬化型のインクを硬化させる為に紫外線を照射するランプ50を備えた場合にも、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0068】
本発明は上記実施形態から種々変更できる。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限りそれぞれ組み合わせ可能である。上記実施形態のプリンタ1は、紫外線硬化型インクを採用した。これに対し、プリンタ1は例えば可視光又は赤外線が照射されることによって硬化するインクを採用してもよい。この場合、duty比及び温度に応じて、ランプ50は可視光又は赤外線を発光すればよい。
【0069】
上記実施形態では、第一センサ38は、ヘッド10の前側に設けられ、ヘッド10の温度を検出した。これに対し、第一センサ38は、ヘッド10の任意の位置に設けられてもよい。また、第一センサ38は、ヘッド10の内部に設けられ、ヘッド10の内部の温度を検出してもよい。また、第一センサ38は、プリンタ1内の任意の場所に設けられ、プリンタ1内の温度を検出してもよい。この場合、プリンタ1内の温度との関係で、フラッシングの回数が設定されるとよい。また、第一センサ38は、ヘッド10のノズル面101に設けられ、ノズル101aの温度を検出してもよい。故に、プリンタ1は、ノズル101aの温度に基づき、フラッシングの回数を設定するとよい。故に、プリンタ1は、さらに、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0070】
上記実施形態では、第一センサ38が設けられた。これに対し、第一センサ38は設けられなくてもよい。この場合、例えば、ヘッド10に内蔵される温度センサの検出結果に基づき、フラッシングの回数が設定されればよい。
【0071】
上記実施形態では、一つの第一センサ38が前側のヘッド10に設けられた。これに対し、第一センサ38は、前側のヘッド10に加えて、後側のヘッド10にも設けられてもよい。この場合、CPU41は、各ヘッド10の温度に応じて、それぞれ、フラッシングの回数を設定してもよい。つまり、前側のヘッド10と後側のヘッド10の温度に応じて、フラッシングの回数がそれぞれ設定される。
【0072】
上記実施形態では、プリンタ1は、第一センサ38による温度の検出結果に基づき、フラッシングの回数を設定した。これに対し、プリンタ1は、さらに、プリンタ内の湿度を検出する第二センサを備えてもよい。この場合、第二センサは、プリンタ内の任意の位置に設けられればよい。この場合、CPU41は、第一センサ38により取得した温度、取得されたduty比、及び第二センサにより取得した湿度に基づき、フラッシングの回数を設定してもよい。故に、プリンタ1は、温度、duty比、及び湿度に基づき、より詳細にフラッシングの回数を設定できる。この場合、プリンタ1は、さらに、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0073】
第二センサは、プリンタ内のうち、ヘッド10に設けられもよいし、ノズル面101に設けられてもよい。さらに、第一センサ38と、第二センサとは、一体型のセンサであってもよい。この場合、プリンタ1は、省スペース化できる。
【0074】
上記実施形態では、テーブルC、Dに基づき、フラッシング回数を決定した。ここでテーブルC、Dの各フラッシング回数は適宜変更しても良い。例えば、低duty比、L玉、且つ高温の場合、4[回/h]、低duty比、L玉、且つ低温の場合、3[回/h]、高duty比、L玉、且つ低温の場合、2[回/h]、高duty比、L玉、且つ高温の場合、1[回/h]としてもよい。すなわち、低duty比、L玉、且つ低温の場合のフラッシング回数が、高duty比、L玉、且つ高温の場合のフラッシング回数より多くてもよく、又は同程度であってもよい。基準となる所定のフラッシング回数は、例えば、2[回/h]であってもよい。
【0075】
上記実施形態では、テーブルC、Dは、duty比が33%の場合を低duty比と定義し、duty比が100%の場合を高duty比と定義した。これに対し、プリンタ1は、これ以外の他のduty比との関係においても、適切なフラッシング回数を詳細に設定できるよう、テーブルを備えるとよい。この場合、他のduty比に応じて、必要なフラッシング回数が適宜設定されるとよい。
【0076】
上記実施形態では、テーブルC、Dは、温度が25℃を基準として、25℃以下の場合を低温と定義し、25℃以上の場合を高温と定義した。これに対し、プリンタ1は、他の温度との関係においても、フラッシングの回数を詳細に設定できるよう、テーブルを備えるとよい。この場合、他の温度に応じて、フラッシングの回数を設定するとよい。
【0077】
上記実施形態では、ヘッド10は、吐出されるインクの液滴の寸法をL玉とS玉との間で変更可能であった。これに対し、ヘッド10は、吐出されるインクの液滴の寸法を連続的に可変可能であってもよい。この場合、CPU41は、吐出領域に対するインクの印字率が基準となる基準duty比よりも低い低duty比の場合、ヘッド10から吐出される液滴の寸法が小さくなるにつれて、フラッシングの回数を増やしてもよい。故に、プリンタ1は、さらに、インク不吐出となる可能性を抑制できる。
【0078】
上記実施形態では、基準duty比は、50%で設定された。これに対し、基準duty比は、適宜設定されればよい。上記実施形態では、基準温度は、25℃で設定された。これに対し、基準温度は、適宜設定されればよい。
【0079】
上記実施形態では、1[回/h]を基準として一時間当たりのフラッシングの回数が設定された。これに対して、フラッシングは、例えば、1時間ごとに実行されればよい。この場合、1時間ごとに実行されるフラッシングにおいて、duty比及び温度に応じて、液滴を吐出させる回数が増減されてもよい。
【0080】
上記実施形態において、紫外線、可視光、赤外線が本発明の「光」に相当する。ヘッド10が本発明の「ヘッド」に相当する。ランプ50が本発明の「ランプ」に相当する。プラテン5が本発明の「プラテン」に相当する。第一センサ38が本発明の「第一センサ」に相当する。1[回/h]が本発明の「基準回数」に相当する。CPU41が本発明の「コントローラ」に相当する。傾きα2が本発明の「第一割合」に相当する。傾きα1が本発明の「第二割合」に相当する。CPU41が実行するS2の処理が本発明の「第一取得ステップ」に相当する。CPU41が実行するS3の処理が本発明の「第二取得ステップ」に相当する。CPU41が実行するS9、S18、S23、S25、S29、S31の処理が本発明の「設定ステップ」に相当する。
【符号の説明】
【0081】
1 プリンタ
3 カートリッジ
5 プラテン
10 ヘッド
20 キャリッジ
38 第一センサ
41 CPU
50 ランプ
101 ノズル面
101a ノズル
α1、α2 傾き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8