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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187803
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】医用情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20221213BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095988
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新道 渉
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療従事者の作業負担を軽減し、かつ、患者の食事の摂取割合を容易に把握することができる医用情報処理装置を提供する。
【解決手段】携帯端末と、医用情報処理装置と、ユーザ端末とが、ネットワークによって相互に接続される医用情報処理システムにおいて、医用情報処理装置2は、NWインタフェース210と、記憶回路220と、入力インタフェース230と、ディスプレイ240と、処理回路250とを有する。画像取得機能252は、患者IDとともに受信した食事状況画像を、当該患者IDで識別される患者の食事状況画像として取得する。解析機能253は、食事状況画像とともに取得された患者IDに対応する栄養摂取計画の中から、本日の日付で且つ解析対象の食帯の予定メニューを読み出す。算出機能254は、解析機能253が取得した各品目の摂取割合と献立情報DB221とに基づいて、栄養素の摂取量を示す栄養摂取量を算出する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に提供される食事メニューの食事後の状況を撮影した食事状況画像を取得する第1取得部と、
前記食事メニューの食事前の状況を表す基準画像と、前記第1取得部が取得した前記食事状況画像とに基づいて、前記食事メニューに含まれた各品目の摂取割合を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した各品目の前記摂取割合と、前記食事メニューに含まれた各品目の栄養量を表す献立情報とに基づいて、前記患者が摂取した栄養量を表す栄養摂取量を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記栄養摂取量を出力する出力部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記第2取得部は、前記基準画像と、前記食事状況画像とに表された同一の品目に対応する領域を特定し、当該領域の食事前後の変化量を前記摂取割合として取得する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記第1取得部は、前記食事メニューの食事前及び食事後の状況を撮影した食事状況画像をそれぞれ取得し、
前記第2取得部は、前記第1取得部が取得した前記食事前の前記食事状況画像を前記基準画像とし、前記食事後の前記食事状況画像と比較することで、前記食事メニューに含まれた各品目の摂取割合を取得する、
請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、患者毎に予め定めた1日の栄養摂取量の目標値と、前記算出部が算出した栄養摂取量とを比較可能な態様で表示装置に表示出力させる、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記食事状況画像と、前記患者と前記患者に与えることが禁忌となる禁忌食材とを対応付けた禁忌食材情報とに基づいて、前記禁忌食材が配膳されていないかを検知する検知部を更に備える、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記検知部が、前記禁忌食材が配膳されたことを検知した場合、前記禁忌食材が配膳された旨の警告を報知する警告部を更に備える、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記食事状況画像に含まれるシンボルから前記患者を識別する患者識別情報を読取る読取部を更に備える、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記第1取得部は、前記患者のリストバンドに付されたシンボルを撮影したリストバンド画像を取得し、
前記読取部は、前記リストバンド画像に含まれるシンボルから前記患者識別情報を読取り、
前記食事状況画像に含まれるシンボルから読取った前記患者識別情報と、前記リストバンド画像に含まれるシンボルから読取った前記患者識別情報と、が一致するかを確認する認証部を更に備える、
請求項7に記載の医用情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、看護師や栄養士等の医療従事者は、栄養状態の厳密な管理が必要な患者(例えば、糖尿病や、縟瘡・熱傷を負っている患者等)に対して、患者の状態把握や治療方針決定のため、栄養摂取の状況の確認を行っている。例えば、看護師や栄養士は、当該患者が調理された食事を経口摂取することによって栄養摂取している場合、食事の残食状況を目視確認して食事の摂取割合を判断し、栄養摂取量を確認している。
【0003】
しかしながら、目視確認は作業負担が大きく、さらに目視確認した栄養摂取量を電子カルテ等に手入力する作業も発生する。したがって、看護師や栄養士等の医療従事者の作業負担を軽減することができる技術が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-259162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、医療従事者の作業負担を軽減し、かつ、患者の栄養摂取量の管理を支援することができる医用情報処理装置を提供することである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本願明細書に開示の実施形態が解決する他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用情報処理装置は、第1取得部と、第2取得部と、算出部と、出力部とを備える。第1取得部は、患者に提供される食事メニューの食事後の状況を撮影した食事状況画像を取得する。第2取得部は、食事メニューの食事前の状況を表す基準画像と、第1取得部が取得した食事状況画像に基づいて、食事メニューに含まれた各品目の摂取割合を取得する。算出部は、第2取得部が取得した各品目の摂取割合と、食事メニューに含まれた各品目の栄養量を表す献立情報とに基づいて、患者が摂取した栄養摂取量を算出する。出力部は、解析部が取得した摂取割合に基づいて、患者が摂取した栄養摂取量を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る医用情報システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る携帯端末のメニュー画面の一例を示す説明図である。
図4図4は、実施形態に係る携帯端末の食事状況記録画面の一例を示す説明図である。
図5図5は、実施形態に係る食札の一例を示す説明図である。
図6図6は、実施形態に係る携帯端末の食事状況記録画面の一例を示す説明図である。
図7図7は、実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係る献立情報のデータ構成の一例を示す説明図である。
図9図9は、実施形態に係る栄養摂取実績データテーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
図10図10は、実施形態に係る栄養摂取計画データテーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
図11図11は、実施形態に係る栄養摂取目標データテーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
図12図12は、実施形態に係る禁忌食材データテーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
図13図13は、実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示すブロック図である。
図14図14は、実施形態に係るユーザ端末の栄養量シミュレーション画面の一例を示す説明図である。
図15図15は、実施形態に係るユーザ端末の栄養量シミュレーション画面の一例を示す説明図である。
図16図16は、実施形態に係る医用情報システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図17図17は、実施形態に係る医用情報システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図18図18は、実施形態に係る医用情報システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る医用情報処理システムSの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、医用情報処理システムSは、携帯端末1と、医用情報処理装置2と、ユーザ端末3とを備える。携帯端末1は、病院等の医療施設に勤める看護師や栄養士等の医療従事者によって携帯される。医用情報処理装置2と、ユーザ端末3とは、病院等に設置される。各装置は、院内LAN(Local Area Network)等のネットワークNによって相互に接続される。
【0010】
なお、図1では、携帯端末1と、医用情報処理装置2と、ユーザ端末3と、は夫々一台ずつであるが、夫々の装置の台数は上記に限定されるものではない。例えば、携帯端末1及びユーザ端末3が複数台であってもよい。
【0011】
携帯端末1は、看護師や栄養士等の医療従事者が業務に用いる端末である。携帯端末1は、例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯型端末である。携帯端末1についての詳細な説明は後述する。
【0012】
医用情報処理装置2は、例えば、電子カルテを管理するサーバ装置である。本実施形態では、医用情報処理装置2は、例えば、医療施設に入院する患者の栄養摂取量の管理等に用いられる。医用情報処理装置2についての詳細な説明は後述する。
【0013】
ユーザ端末3は、医師、看護師、及び栄養士等が、患者の栄養計画の作成等の業務に用いる装置である。ユーザ端末3は、例えば、PC(Personal Computer)等である。ユーザ端末3についての詳細な説明は後述する。
【0014】
次に、携帯端末1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る携帯端末1の構成の一例を示すブロック図である。携帯端末1は、NW(network)インタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、カメラ150と、処理回路160とを有する。
【0015】
NWインタフェース110は、処理回路160に接続されており、携帯端末1と医用情報処理装置2との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。NWインタフェース110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0016】
記憶回路120は、処理回路160で使用される各種の情報を予め記憶する。記憶回路120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
【0017】
入力インタフェース130は、例えば、タッチパネルや操作ボタン等であり、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路160に出力する。
【0018】
また、携帯端末1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路160へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。
【0019】
ディスプレイ140は、各種情報を表示する。ディスプレイ140は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。
【0020】
カメラ150は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサを備える装置である。カメラ150は、例えば、食事前又は食事後の配膳された食事の状態を示す食事状況画像を撮影する。
【0021】
処理回路160は、通信制御機能161と、撮影機能162と、シンボル読取機能163と、認証機能164と、表示制御機能165とを備える。撮影機能162は、撮影部の一例である。シンボル読取機能163は、読取部の一例である。認証機能164は、認証部の一例である。
【0022】
通信制御機能161は、NWインタフェース110を制御し、医用情報処理装置2との間で情報の送受信を行う。
【0023】
撮影機能162は、カメラ150を制御して画像の撮影を行う。例えば、撮影機能162は、医療従事者の操作入力に従い、カメラ150を制御して食事状況画像を撮影する。食事状況画像は、例えば、配膳された品目(例えば、ハンバーグ、煮物、みそ汁、ご飯等)を全て含むように撮影された画像である。
【0024】
なお、食事状況画像には、患者の氏名等の情報、食事の内容、患者を識別する患者IDを符号化したバーコード(シンボルの一例)等が印刷された食札の画像も含まれる。
【0025】
また、例えば、撮影機能162は、医療従事者の操作入力に従い、カメラ150を制御して患者が身に着けているリストバンドを含むリストバンド画像を撮影する。リストバンド画像には、リストバンドに付された患者IDを符号化したバーコードの画像が含まれる。
【0026】
ここで、図3乃至図5を用いて、食事状況画像の撮影方法について説明する。図3は、携帯端末1のメニュー画面U1の一例を示す説明図である。メニュー画面U1は、患者の栄養管理に関する業務を行うための画面である。メニュー画面U1は、医療スタッフ情報NJ、患者情報一覧KJ1、患者一覧ボタンT1、患者検索ボタンT2、注射照合ボタンT3、及び食事記録ボタンT4を含む。
【0027】
医療スタッフ情報NJは、携帯端末1の現在の操作者である医療スタッフ(例えば、看護師や栄養士等の医療従事者)に関する情報を表示する表示欄である。医療スタッフ情報NJには、例えば、看護師の氏名が表示される。
【0028】
患者情報一覧KJ1は、患者の基本的な情報を一覧表示する表示欄である。患者情報一覧KJ1には、例えば、複数の患者の、患者ID、患者の氏名、年齢、担当医の名称、病棟、及び病室等の基本的な情報が一覧表示される。
【0029】
患者一覧ボタンT1は、患者一覧を表示するためのボタンである。図3は、患者一覧ボタンT1が押された状態の一例である。患者検索ボタンT2は、条件を指定して患者検索を行う患者検索画面(図示しない)を表示するためのボタンである。注射照合ボタンT3は、患者に注射を行う前に、注射する薬剤等が正しいかを照合するための注射照合画面(図示しない)を表示するためのボタンである。
【0030】
食事記録ボタンT4は、食事状況画像記録画面を表示するためのボタンである。撮影機能162は、操作者から食事記録ボタンT4の入力を受付けると、例えば、携帯端末1のカメラアプリを起動させる。撮影機能162は、操作者の操作に従い、画像の撮影を行う。撮影機能162が画像を撮影すると、食事状況画像記録画面U2に遷移する。
【0031】
図4は、携帯端末1の食事状況画像記録画面U2の一例を示す説明図である。図4は、患者ID認証前に表示される食事状況画像記録画面U2の一例である。食事状況画像記録画面U2は、食事状況画像SG、食事帯ST、食事状況SJ、患者情報KJ2、撮影ボタンJS、連続撮影設定RS、撮り直しボタンTN、及びアップロードボタンULを含む。
【0032】
食事状況画像SGは、撮影機能162が、食事記録ボタンT4(図3参照)の入力を受付けた後に撮影した画像を表示する表示欄である。図4の例では、食事状況画像SGは、食札SFを含む。なお、食札SFは、例えば、ユーザ(看護師や栄養士等の医療従事者)が食事を配膳する際に、当該ユーザにより所定の位置にセットされる。
【0033】
ここで、図5は食札SFの一例を示す説明図である。食札SFは、患者情報や食事に関する指示等を記載した帳票である。食札SFは、食事の種類SS、患者情報KJ3、メニュー情報MJ、及びバーコードCSを含む。
【0034】
食事の種類SSは、提供日時、食事帯(朝食、昼食、夕食)を印刷した欄である。患者情報KJ3は、患者に関する基本的な情報を印刷した欄である。患者情報KJ3には、例えば、患者の氏名、年齢、担当医の名称、病棟、及び病室等の基本的な情報等が印刷される。
【0035】
メニュー情報MJは、提供されるメニューの名称、患者に与えることが禁忌となる禁忌食材、提供されるメニューに含まれる品目や提供量等の情報を印刷した欄である。バーコードCSは、患者IDを符号化したバーコードを印刷した欄である。
【0036】
図4に戻り説明を続ける。食事帯STは、撮影された食事状況画像が、朝食、昼食、夕食の何れにあたる画像かを表す情報である。図4では、撮影された食事状況画像が、朝食の画像であることを表している。食事状況SJは、撮影された食事状況画像が、食事前の画像なのか、食事後の画像なのかを表す情報である。図4では、撮影された食事状況画像が、食事前の画像であることを表している。
【0037】
食事帯ST及び食事状況SJのチェックは、操作者が手動で入力してもよいし、操作時刻に応じて、処理回路160が自動入力してもよい。例えば、処理回路160は、8時までは朝・食事前、8時1分から11時までは朝・食事後、11時1分から12時までは昼・食事前等といったように自動的にチェックを入力する。
【0038】
患者情報KJ2は、患者IDの認証が完了した場合、患者ID及び患者名を表示する表示欄である。患者IDの認証完了前は、患者情報KJ2は空欄になっている。撮影ボタンJSは、患者情報KJ2が空欄になっている場合に表示される、患者のリストバンドを撮影する際に使用するボタンである。
【0039】
撮影機能162は、操作者から撮影ボタンJSの入力を受付けると、例えば、携帯端末1のカメラアプリを起動させる。撮影機能162は、操作者の操作に従い、画像の撮影を行う。
【0040】
連続撮影設定RSは、食事状況画像の連続撮影を行うか否かの設定を表す表示欄である。連続撮影設定RSにチェックが入っている場合、撮影機能162は、連続撮影設定を行う。
【0041】
具体的には、連続撮影設定RSにチェックが入っている場合、撮影機能162は、アップロードボタンULの入力を受付けた後、カメラアプリを起動させる処理を行う。一方、連続撮影設定RSにチェックが入っていない場合は、アップロードボタンULの入力を受付けた後、メニュー画面U1に遷移する。
【0042】
撮り直しボタンTNは、食事状況画像SGを再撮影するためのボタンである。撮影機能162は、撮り直しボタンTNの入力を受付けた場合、カメラアプリを起動させる処理を行う。このとき、食事状況画像SGとして先に取り込まれていた画像は消去される。
【0043】
アップロードボタンULは、食事状況画像SGを医用情報処理装置2に送信するためのボタンである。通信制御機能161は、アップロードボタンULの入力を受付けた場合、食事状況画像SGを患者IDと対応付けて医用情報処理装置2に送信する。なお、患者情報KJ2が空欄になっている場合、通信制御機能161は、アップロードボタンULの入力を受付けても食事状況画像SGを医用情報処理装置2に送信しない。
【0044】
図2に戻り説明を続ける。シンボル読取機能163は、バーコードから患者IDを読取る。例えば、シンボル読取機能163は、食事状況画像に含まれるバーコードから患者IDを読取る。また、例えば、シンボル読取機能163は、リストバンド画像に含まれるバーコードから患者IDを読取る。
【0045】
認証機能164は、食事状況画像に含まれるバーコードから読取った患者IDと、リストバンド画像に含まれるバーコードから読取った患者IDと、が一致するかを確認する。
【0046】
ここで、図3図4及び図6を用いて、バーコードの読取及び認証処理について詳しく説明する。図6は、携帯端末1の食事状況画像記録画面U2の一例を示す説明図である。図6は、患者ID認証後に表示される食事状況画像記録画面U2の一例である。
【0047】
例えば、図3のメニュー画面U1が表示されている状態で、撮影機能162が操作者から食事記録ボタンT4の入力を受付け、食札SFを含む食事状況画像を撮影した場合を考える。この場合、図4の食事状況画像記録画面U2の表示処理と並行して、シンボル読取機能163が食札SFに表されたバーコードCSから患者IDを読取る。
【0048】
そして、図4の食事状況画像記録画面U2が表示されている状態で、撮影機能162が操作者から撮影ボタンJSの入力を受付け、リストバンド画像を撮影した場合、シンボル読取機能163は、リストバンドに付されたバーコードから患者IDを読取る。その後、認証機能164は、食事状況画像SGのバーコードCSから読取った患者IDと、リストバンド画像のバーコードから読取った患者IDとが一致するかを確認する。
【0049】
認証機能164が、患者IDの一致を確認した場合、例えば、図6の食事状況画像記録画面U2が表示される。具体的には、患者情報KJ3に読取った患者IDと当該患者IDと対応付けられた患者の氏名が表示される。なお、患者IDと対応付けられた患者の氏名は、医用情報処理装置2等が記憶している電子カルテ等から取得する。
【0050】
また、認証機能164が、患者IDの不一致を確認した場合、例えば、操作者に食事状況画像SG又はリストバンド画像を撮影し直すよう促すメッセージを表示し、カメラアプリを起動する。
【0051】
なお、この例では、患者IDの認証処理を行っているが、シンボル読取機能163が、食事状況画像SGに含まれるバーコードから患者IDを読取った後、すぐに図6の食事状況画像記録画面U2を表示してもよい。
【0052】
また、食事状況画像SGからは患者IDの読取を行わず、まず、図4の食事状況画像記録画面U2を表示し、シンボル読取機能163がリストバンド画像から患者IDを読取った場合に、図6の食事状況画像記録画面U2を表示してもよい。
【0053】
表示制御機能165は、各種画面をディスプレイ140に表示する制御を行う。例えば、表示制御機能165は、メニュー画面U1及び食事状況画像記録画面U2等をディスプレイ140に表示する。また、例えば、表示制御機能165は、患者にとって禁忌となる禁忌食材が配膳されていることを警告する画面をディスプレイ140に表示する。
【0054】
ここで、例えば、処理回路160の構成要素である通信制御機能161、撮影機能162、シンボル読取機能163、認証機能164、及び、表示制御機能165は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶されている。処理回路160は、各プログラムを記憶回路120から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。
【0055】
換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路160は、図2の処理回路160内に示された各機能を有することとなる。なお、図2においては、単一の処理回路160にて、通信制御機能161、撮影機能162、シンボル読取機能163、認証機能164、及び、表示制御機能165の各処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路160を構成し、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても良い。
【0056】
なお、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0057】
次に、医用情報処理装置2の構成について説明する。図7は、本実施形態に係る医用情報処理装置2の構成の一例を示すブロック図である。医用情報処理装置2は、NWインタフェース210と、記憶回路220と、入力インタフェース230と、ディスプレイ240と、処理回路250とを有する。
【0058】
NWインタフェース210は、処理回路250に接続されており、携帯端末1、医用情報処理装置2、及びユーザ端末3の各装置間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。NWインタフェース210は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC等によって実現される。
【0059】
記憶回路220は、処理回路250で使用される各種の情報を予め記憶する。例えば、
記憶回路220は、各患者の電子カルテを記憶する。電子カルテには、患者ID、患者の氏名、年齢、担当医の名称、病棟、病室、検査データ、医用画像データ、及びレポート等の情報が含まれる。また、記憶回路220は、献立情報DB221及び栄養管理DB222を記憶する。
【0060】
献立情報DB221は、入院患者に提供される各種メニューに関する情報を記憶するデータベースである。献立情報DB221は、例えば、メニュー名、メニューに含まれる品目、品目の提供量、品目を全て摂取した場合に得られる栄養素等(エネルギー、水分、蛋白質、脂質、炭水化物、及び塩分等)の量を対応付けて記憶したものである。献立情報DB221は、献立情報の一例である。
【0061】
図8は、献立情報DB221のデータ構成の一例を示す説明図である。図8の献立情報DB221は、メニューコード、メニュー名、品目、提供量、エネルギー、水分、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等を対応付けて記憶している。
【0062】
メニューコードは、メニューを識別するための識別情報である。メニュー名は、提供するメニューの名称を表す情報である。品目は、メニューに含まれる品目を表す情報である。品目は、例えば、ハンバーグ、トマトサラダ、味噌汁、雑穀ご飯、フルーツゼリー等のメニューを構成する料理のことである。図8の例では、メニュー1は、品目1乃至品目5の5品目で構成されていることを表している。
【0063】
提供量は、品目毎の提供量を表す情報である。エネルギーは、品目を全て摂取した場合に得られるエネルギーを表す情報である。水分は、品目を全て摂取した場合に得られる水分量を表す情報である。また、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等も水分と同様に品目を全て摂取した場合に得られる栄養素量を表している。
【0064】
なお、献立情報DB221は、品目毎に使われている食材の量を記憶していてもよい。食材は、例えば、品目がハンバーグであれば、牛肉、豚肉、玉葱、卵、及びパン粉等である。この場合、食材毎の摂取割合を取得することが可能になり、より精度の高い栄養管理を行うことができる。
【0065】
栄養管理DB222は、患者の栄養管理に関係する情報を記憶するデータベースである。栄養管理DB222は、栄養摂取実績データテーブル222a、栄養摂取計画データテーブル222b、栄養摂取目標データテーブル222c、及び禁忌食材データテーブル222dを含む。
【0066】
栄養摂取実績データテーブル222aは、日付(食事帯)毎の患者の栄養摂取量を記憶したデータテーブルである。図9は、栄養摂取実績データテーブル222aのデータ構成の一例を示す説明図である。図9の栄養摂取実績データテーブル222aは、患者ID、患者名、日時、メニュー、品目、摂取割合、エネルギー、水分、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等を対応付けて記憶している。
【0067】
日時は、過去の日付(食事帯)を表す情報である。メニューは、当該日時に提供されたメニューを表す情報である。品目は、提供されたメニューに含まれる品目を表す情報である。摂取割合は、提供された品目を、全て摂取した場合を100%としてどの程度摂取したかを表す情報である。
【0068】
エネルギーは、当該日時に患者が摂取したエネルギーを表す情報である。水分は、当該日時に患者が摂取した水分量を表す情報である。また、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等も水分と同様に当該日時に患者が摂取した栄養素量を表す情報である。
【0069】
栄養摂取計画データテーブル222bは、将来における患者の栄養摂取の計画に関する情報を記憶したデータテーブルである。図10は、栄養摂取計画データテーブル222bのデータ構成の一例を示す説明図である。図10の栄養摂取計画データテーブル222bは、患者ID、患者名、日時、予定メニュー、品目、提供量、エネルギー、水分、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等を対応付けて記憶している。
【0070】
日時は、将来の日付(食事帯)を表す情報である。予定メニューは、当該日時に提供予定のメニューを表す情報である。品目は、提供予定のメニューに含まれる品目を表す情報である。提供量は、品目毎の提供予定量を表す情報である。
【0071】
エネルギーは、提供予定の品目を全て摂取した場合に得られるエネルギーを表す情報である。水分は、提供予定の品目を全て摂取した場合に得られる水分量を表す情報である。また、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等も水分と同様に提供予定の品目を全て摂取した場合に得られる栄養素量を表す情報である。
【0072】
なお、栄養摂取計画データテーブル222bは、提供予定の食事のメニューだけでなく、投与予定の栄養剤や注射予定の栄養剤等に関する情報を記憶していてもよい。
【0073】
栄養摂取目標データテーブル222cは、患者毎の1日の栄養摂取量の目標値を記憶するデータテーブルである。図11は、栄養摂取目標データテーブル222cのデータ構成の一例を示す説明図である。図11の栄養摂取目標データテーブル222cは、患者ID、患者名、エネルギー、水分、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等を対応付けて記憶している。
【0074】
エネルギーは、1日の摂取エネルギーの目標値を表す情報である。水分は、1日に摂取する水分量の目標値を表す情報である。また、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分等も水分と同様に1日に摂取する栄養素量の目標値を表す情報である。なお、この例では、栄養摂取目標データテーブル222cは、1日あたりの栄養素の摂取量の目標値を表しているが、食事帯毎の栄養素の摂取量の目標値を表してもよい。
【0075】
禁忌食材データテーブル222dは、患者毎の禁忌食材を記憶したデータテーブルである。
【0076】
図12は、禁忌食材データテーブル222dのデータ構成の一例を示す説明図である。図12の禁忌食材データテーブル222dは、患者ID、患者名、及び禁忌食材を対応付けて記憶している。禁忌食材は、患者のアレルギーにより摂取が禁忌となる食材や患者に処方されている薬剤との関係で禁忌となる食材等である。禁忌食材データテーブル222dは、禁忌食材情報の一例である。
【0077】
記憶回路220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
【0078】
図7に戻り説明を続ける。入力インタフェース230は、例えば、マウスやキーボード等であり、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路250に出力する。
【0079】
また、医用情報処理装置2とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路250へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース230の例に含まれる。
【0080】
ディスプレイ240は、各種情報を表示する。ディスプレイ240は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。
【0081】
処理回路250は、通信制御機能251と、画像取得機能252と、解析機能253と、算出機能254と、記憶機能255と、検知機能256と、警告機能257と、表示制御機能258と、撮影管理機能259とを備える。
【0082】
画像取得機能252は、第1取得部の一例である。解析機能253は、第2取得部の一例である。算出機能254は、算出部の一例である。検知機能256は、検知部の一例である。警告機能257は、警告部の一例である。
【0083】
通信制御機能251は、NWインタフェース210を制御し、携帯端末1及びユーザ端末3との間で情報の送受信を行う。例えば、通信制御機能251は、携帯端末1の通信制御機能161が送信した食事状況画像を受信する。
【0084】
画像取得機能252は、患者に提供される食事メニューの食事後の状況を撮影した食事状況画像を取得する。具体的には、画像取得機能252は、通信制御機能251が、患者IDとともに受信した食事状況画像を、当該患者IDで識別される患者の食事状況画像として取得する。
【0085】
また、画像取得機能252は、食事後の状況だけでなく、食事前の状況を撮影した食事状況画像を取得してもよい。なお、本実施形態では、食事前と食事後の食事状況画像を取得する形態について説明する。
【0086】
解析機能253は、食事状況画像に基づいて、食事メニューに含まれた各品目の摂取割合を取得する。例えば、解析機能253は、食事メニューの食事前の状況を表す基準画像と食事後の食事状況画像とを比較することで、食事メニューに含まれた各品目の摂取割合を取得する。この場合、画像取得機能252が取得した食事前の状況を撮影した食事状況画像は、基準画像の一例である。
【0087】
以下、解析機能253の動作例について説明する。以下では、食事メニューにハンバーグが品目として含まれる場合を例として、品目の摂取割合の取得処理について具体的に説明する。
【0088】
まず、解析機能253は、食事状況画像とともに送信された患者IDに対応する患者(以下、対象患者ともいう)に配膳された品目を特定する。例えば、解析機能253は、栄養摂取計画データテーブル222bを参照し、食事状況画像とともに取得された患者IDに対応する栄養摂取計画の中から、本日の日付で且つ解析対象の食帯の予定メニューを読み出す。
【0089】
そして、解析機能253は、予定メニューに含まれる各品目を確認する。予定メニューにハンバーグが含まれる場合、解析機能253は、対象患者の食事メニューにハンバーグが含まれることを認識する。
【0090】
なお、解析機能253は、食事前の食事状況画像を解析することで、対象患者に配膳された食事メニューを特定してもよい。この場合、例えば、解析機能253は、公知の画像認識技術を用いて食事前の食事状況画像を画像解析することで、対象患者に配膳された各品目を認識する。
【0091】
また、解析機能253は、基準画像から認識した各品目と、栄養摂取計画データテーブル222bに記憶された対象患者の予定メニューに含まれる各品目とを照合してもよい。照合の結果、品目の不一致を確認した場合には、解析機能253は、後述する警告機能257と協働することで報知を行ってもよい。これにより、医療従事者による配膳ミスを防止することができる。
【0092】
また、解析機能253は、食事前の食事状況画像を解析し、対象患者に配膳された品目の食事状況画像中での位置を特定する。ここで、位置の検出方法は特に問わないものとする。例えば、品目毎に載置される皿の形態(形状、模様、色彩、大きさ等)が異なる場合には、各品目が載置される皿の特徴量等を食事状況画像から検出し、当該特徴量を検出した位置を対応する品目の位置として検出する。
【0093】
また、解析機能253は、同様に、食事後の食事状況画像を解析し、特徴量等に基づいて、食事後の食事状況画像中における各品目の位置を検出する。
【0094】
次いで、解析機能253は、食事前後の食事状況画像に基づき、対象患者に配膳された各品目の摂取量を取得する。
【0095】
例えば、解析機能253は、先に特定した各品目の食事状況画像中での位置に基づいて、食事前後の食事状況画像に表された、同一の品目に対応する領域(例えば、皿や品目自体)を特定する。そして、解析機能253は、同一の品目に対応する領域の食事前後の画像の変化量を、摂取量として取得する。一例として、解析機能253は、対象患者に配膳されたハンバーグの食事前後の形状の変化量を、ハンバーグの摂取量として取得する。
【0096】
なお、摂取量は、食事前の状況を基準に算出するものとするが、摂取量を示す単位は特に問わないものとする。例えば、摂取量は、皿や品目の形状を表す領域において、変化の生じた画素や領域が占める割合(パーセント)で表してもよい。また、他の例として、栄養摂取計画データテーブル222bに記録された各品目の提供量(重量)に基づき、摂取量を重量等の単位で表してもよい。
【0097】
この場合、解析機能253は、栄養摂取計画データテーブル222bを参照し、対象患者に配膳された品目(例えばハンバーグ)の提供量を取得する。また、解析機能253は、該当する品目(例えばハンバーグ)の食事前後の変化量(パーセント)を提供量に乗算することで、当該変化量に応じた重量を摂取量として取得する。
【0098】
なお、解析機能253は、食事後の食事状況画像のみを用いて各品目の摂取割合を取得してもよい。この場合、解析機能253は、対象患者に提供された食事メニューのサンプル画像と食事後の食事状況画像とを比較して、各品目の摂取割合を取得する。この場合、サンプル画像は、食事メニューの食事前の状況を表す画像であり、基準画像の一例であると言える。
【0099】
算出機能254は、解析機能253が取得した各品目の摂取割合と献立情報DB221とに基づいて、栄養素の摂取量を示す栄養摂取量を算出する。
【0100】
例えば、献立情報DB221に、メニューX、品目Y、提供量100グラム、蛋白質30グラムが対応付けられて記憶されており、患者の品目Yの摂取割合が50パーセントだった場合を考える。この場合、算出機能254は、蛋白質30グラムに摂取割合0.5を乗じ、15グラムを蛋白質の摂取量として算出する。
【0101】
算出機能254が算出した栄養摂取量は、通信制御機能251によりユーザ端末3へ送信される。この場合の通信制御機能251は、出力部の一例である。
【0102】
記憶機能255は、患者の栄養管理に関する情報を記憶する。例えば、記憶機能255は、画像取得機能252が取得した食事状況画像を、所定のデータ名で記憶回路220に記憶する。
【0103】
ここで、所定のデータ名とは、例えば、「PXXX_YYYYMMDD_XX」のようなデータ名である。この場合、PXXXは患者ID(XXXは数値)を、YYYYMMDDは日(年月日)を、XXは食事帯を表す。例えば、XXは、朝食事前はBB、朝食事後はBA、昼食事前はLB、昼食事後はLA、夕食事前はDB、夕食事後はDA等となる。
【0104】
このように、データ名から、患者、日付、食事帯、及び食事状況(食事前又は食事後)を確認可能にしておくことで、食事状況画像のアップロード状況の管理を容易に行うことができる。
【0105】
また、例えば、記憶機能255は、解析機能253が解析により取得した摂取割合及び算出機能254が算出した栄養摂取量を、患者ID、患者名、日時(食事帯)、メニュー、品目と対応付けて、栄養管理DB222の栄養摂取実績データテーブル222aに記憶する。
【0106】
検知機能256は、記憶回路220に記憶された食事状況画像と、禁忌食材データテーブル222dと、に基づいて、禁忌食材が配膳されているか否かを検知する。具体的には、検知機能256は、まず、献立情報DB221等の品目に含まれる食材を表す情報を参照し、解析機能253による食事前の食事状況画像の画像解析で認識された品目に含まれる食材を検知する。
【0107】
次いで、検知機能256は、禁忌食材データテーブル222dを参照し、検知した食材の中に対象患者の禁忌食材と一致する食材が存在するか否かを確認する。禁忌食材と一致する食材が存在する場合、検知機能256は、禁忌食材が配膳されていることを検知する。一方、禁忌食材と一致する食材が存在しない場合、検知機能256は、禁忌食材が配膳されていないことを検知する。
【0108】
警告機能257は、検知機能256が、禁忌食材が配膳されたことを検知した場合、禁忌食材が配膳された旨の警告を報知する。具体的には、警告機能257は、検知機能256が、禁忌食材が配膳されたことを検知した場合、その旨の警告メッセージを生成する。そして、警告機能257は、通信制御機能251を制御し、生成した警告メッセージを携帯端末1へ送信する。
【0109】
警告機能257が生成した警告メッセージは、携帯端末1の通信制御機能161により、受信される。受信された警告メッセージは、携帯端末1の表示制御機能165により表示される。
【0110】
表示制御機能258は、各種情報をディスプレイ240に表示する制御を行う。なお、表示制御機能258は、携帯端末1のディスプレイ140に情報を表示する制御及びユーザ端末3のディスプレイ340に情報を表示する制御を行ってもよい。
【0111】
撮影管理機能259は、食事状況画像の撮影状況を管理する。例えば、撮影管理機能259は、食事状況画像の記憶状況に基づいて、食事状況画像の撮影状況を管理する。具体的には、撮影管理機能259は、患者ID、患者名、日付、食事帯、及び食事状況画像の撮影が完了したことを示す撮影済フラグの有無等を対応付けた撮影状況リストを管理する。
【0112】
撮影管理機能259は、例えば、月の初日に当該月分の撮影状況リストを生成する。生成されたリストには、患者ID、患者名、日付、食事帯、及び食事状況(食前又は食後)等の情報が、撮影済フラグ無しの情報と予め対応付けられて記憶されている。なお、撮影状況リストは、例えば、記憶回路220に記憶される。
【0113】
撮影管理機能259は、食事状況画像のアップロードがある度又は所定の時間間隔で、記憶回路220を確認し、「PXXX_YYYYMMDD_XX」のデータ名(データ形式)を有するデータが存在するか否かを判定する。データが存在した場合、撮影管理機能259は、撮影状況リストの当該データ(患者ID、日付、食事帯、食事状況)に対応するレコードの撮影済フラグを無から有に更新する。
【0114】
撮影管理機能259は、撮影状況リストの更新がある度又は所定の時間間隔で、通信制御機能251を制御し、撮影状況リストを携帯端末1又はユーザ端末3に送信する。これにより、例えば、携帯端末1の表示制御機能165は、日付(食事帯)毎に患者一覧を表示し、撮影済フラグが有となっている患者にはチェックを表示する等の処理を行うことが可能になる。
【0115】
なお、医用情報処理装置2が撮影状況リストを送信する代わりに、携帯端末1又はユーザ端末3が、所定の時間間隔で医用情報処理装置2の撮影状況リストを参照することとしてもよい。上記のような処理を行うことにより、携帯端末1の操作者である医療従事者は、食事状況画像の撮影状況を容易に確認することができる。
【0116】
なお、撮影管理機能259は、栄養摂取実績データテーブル222a等に撮影済フラグを付すことにより、食事状況画像の撮影状況を管理してもよい。
【0117】
なお、食事状況画像の撮影状況を表示する場合に、携帯端末1の表示制御機能165は、食事前の食事状況画像については、必要な患者のみ一覧表示を行ってもよい。必要な患者とは、例えば、禁忌食材が存在する患者である。このように、撮影が必要な患者のみ撮影状況を確認できるようにすることで、医療従事者は、食事前の食事状況画像の撮影が必須でない場合に撮影を省略することができる。
【0118】
ここで、例えば、処理回路250の構成要素である通信制御機能251、画像取得機能252、解析機能253、算出機能254、記憶機能255、検知機能256、警告機能257、表示制御機能258、及び撮影管理機能259とは、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路220に記憶されている。処理回路250は、各プログラムを記憶回路220から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。
【0119】
換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路250は、図7の処理回路250内に示された各機能を有することとなる。なお、図7においては、単一の処理回路250にて、通信制御機能251、画像取得機能252、解析機能253、算出機能254、記憶機能255、検知機能256、警告機能257、表示制御機能258、及び撮影管理機能259の各処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路250を構成し、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても良い。
【0120】
なお、記憶回路220にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0121】
次に、ユーザ端末3の構成について説明する。図13は、本実施形態に係るユーザ端末3の構成の一例を示すブロック図である。ユーザ端末3は、NWインタフェース310と、記憶回路320と、入力インタフェース330と、ディスプレイ340と、処理回路350とを有する。
【0122】
NWインタフェース310は、処理回路350に接続されており、医用情報処理装置2との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。NWインタフェース310は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC等によって実現される。
【0123】
記憶回路320は、処理回路350で使用される各種の情報を予め記憶する。記憶回路320は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
【0124】
入力インタフェース330は、例えば、マウスやキーボード等であり、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路350に出力する。
【0125】
また、ユーザ端末3とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路350へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース330の例に含まれる。
【0126】
ディスプレイ340は、各種情報を表示する。ディスプレイ340は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。ディスプレイ340は、表示装置の一例である。
【0127】
処理回路350は、通信制御機能351と、オーダ追加機能352と、推定値表示機能353と、実績値表示機能354と、目標値表示機能355、表示制御機能356とを備える。
【0128】
通信制御機能351は、NWインタフェース310を制御し、医用情報処理装置2との間で情報の送受信を行う。
【0129】
オーダ追加機能352は、患者の栄養量に関係するオーダを追加する処理を行う。なお、この場合のオーダの追加には、食事メニューの追加だけでなく、栄養剤の追加処方や栄養注射のオーダの追加等も含まれてもよい。
【0130】
ここで、図14は、栄養量シミュレーション画面U3の一例を示す説明図である。栄養量シミュレーションは、栄養管理DB222の栄養摂取計画データテーブル222bに既に登録されている栄養摂取量に対して、オーダを追加、変更、又は追加及び変更した場合の栄養摂取量をシミュレーションする処理である。
【0131】
栄養量シミュレーション画面U3は、患者情報KJ4、計画名称PN、新規作成ボタンCR、表示日時DE、追加ボタンAD、削除ボタンDT、全削除ボタンAT、確定ボタンER、確定終了ボタンEE、計画一覧ボタンPI、集計情報ボタンSU、計画表示欄PL、追加予定オーダ表示欄OD、登録済オーダ表示欄TS、及びシミュレーション結果表示欄SL等で構成される。
【0132】
患者情報KJ4は、患者ID、患者名、性別、生年月日、年齢等の患者の基本情報を表示する表示欄である。計画名称PNは、展開中の栄養計画の名称又は新規作成する栄養計画の名称を表示する表示欄である。新規作成ボタンCRは、栄養摂取計画を新規に作成するためのボタンである。表示日時DEは、オーダを確認する日時を表す。図14の例では、表示日時DEには、栄養計画が作成されている未来の日付が表示されている。
【0133】
追加ボタンADは、操作者からオーダの登録を受付けるためのボタンである。オーダ追加機能352は、操作者から追加ボタンADのボタンの入力を受付けた場合、例えば、献立情報DB221等を参照し、追加可能なメニューのリストを表示する。次いで、オーダ追加機能352は、操作者から追加するメニューの入力を受付ける。
【0134】
オーダ追加機能352は、通信制御機能351と協働して、医用情報処理装置2の献立情報DB221を参照し、追加メニューに対応する情報を特定する。そして、オーダ追加機能352は、表示制御機能356と協働し、特定した追加メニューに対応する情報を追加予定オーダ表示欄ODに表示する制御を行う。以下、この処理を仮登録ともいう。
【0135】
削除ボタンDTは、仮登録された追加メニューのうち、選択されたメニューを削除するためのボタンである。全削除ボタンATは、仮登録された追加メニューを全て削除するためのボタンである。
【0136】
確定ボタンERは、仮登録された追加メニューを登録するためのボタンである。オーダ追加機能352は、操作者から確定ボタンERの入力を受付けると、通信制御機能351と協働し、医用情報処理装置2の栄養管理DB222の栄養摂取計画データテーブル222bに、仮登録された情報を記憶する処理を行う。
【0137】
確定終了ボタンEEは、仮登録された追加メニューを登録した後に、栄養量シミュレーションを終了するためのボタンである。計画一覧ボタンPIは、計画一覧タブを表示するためのボタンである。計画一覧タブには、計画表示欄PLが表示される。また、計画一覧タブでは、計画表示欄PLに一覧表示された栄養摂取計画の新規作成、コピー、編集等の処理を実行することが可能である。
【0138】
集計情報ボタンSUは、集計情報タブを表示するためのボタンである。集計情報には、指定された期間における対象患者の栄養摂取量の集計が表示される。計画表示欄PLは、作成済の栄養摂取計画の一覧を表示するための表示欄である。追加予定オーダ表示欄ODは、仮登録予定の追加メニューに関する情報を表示する表示欄である。
【0139】
登録済オーダ表示欄TSは、既に栄養摂取計画データテーブル222bに記憶されているメニューに関する情報を表示する表示欄である。シミュレーション結果表示欄SLは、仮登録された追加メニュー及び登録済のメニューにより摂取できると推定される栄養量と対象患者の栄養量の摂取量の目標値とを表示する表示欄である。
【0140】
図13に戻り説明を続ける。推定値表示機能353は、栄養摂取計画に従った場合に摂取できる栄養量を推定した数値を表す推定値を表示する処理を行う。具体的には、推定値表示機能353は、追加メニューが仮登録された場合、通信制御機能351と協働して推定値を要求する推定値要求を医用情報処理装置2に送信する。推定値要求には、追加メニューのメニューコード、対象患者の患者ID、対象となる日時の情報が含まれる。
【0141】
医用情報処理装置2の通信制御機能251は、推定値要求を受信する。記憶機能255は、推定値要求に含まれるメニューコードをキーとして、献立情報DB221を検索し、仮登録された追加メニューに対応する栄養量を特定する。次いで、記憶機能255は、推定値要求に含まれる対象患者の患者ID、対象となる日時をキーとして、栄養摂取計画データテーブル222bを検索し、対象となる日時に対象患者に提供予定のメニューの栄養量を特定する。
【0142】
通信制御機能251は、特定した追加メニューに対応する栄養量と、提供予定のメニューの栄養量とを推定値情報としてユーザ端末3へ送信する。ユーザ端末3の通信制御機能251は、推定値情報を受信する。推定値表示機能353は、表示制御機能356と協働し、受信した推定値情報に含まれる、追加メニューに対応する栄養量を「現在値」として、シミュレーション結果表示欄SLに表示する。
【0143】
また、推定値表示機能353は、受信した推定値情報に含まれる提供予定のメニューの栄養量を「登録済」として、シミュレーション結果表示欄SLに表示する。さらに、推定値表示機能353は、「現在値」と「登録済」との合計値を算出し、「合計値」として、シミュレーション結果表示欄SLに表示する。なお、推定値情報に含まれる提供予定のメニューの栄養量は、「登録済オーダ」として、表示制御機能356により、登録済オーダ表示欄TSにも表示される。
【0144】
実績値表示機能354は、対象患者が過去に摂取した栄養量の実績値を表示する処理を行う。具体的には、実績値表示機能354は、栄養量シミュレーション画面U3で過去の日時が指定された場合、通信制御機能351と協働して実績値を要求する実績値要求を医用情報処理装置2に送信する。実績値要求には、対象患者の患者ID、対象となる日時の情報が含まれる。
【0145】
医用情報処理装置2の通信制御機能251は、実績値要求を受信する。記憶機能255は、実績値要求に含まれる対象患者の患者ID、対象となる日時をキーとして、栄養摂取実績データテーブル222aを検索し、対象となる日時における対象患者の栄養摂取量を特定する。
【0146】
なお、栄養量シミュレーション画面U3で過去の日時を指定した場合は、過去の一定期間を指定することも可能である。この場合、医用情報処理装置2の記憶機能255は、栄養摂取実績データテーブル222aに記憶されている日時のうち、対象となる期間に該当する日時を全て特定し、対応する栄養摂取量を合計することにより、実績値を特定する。
【0147】
通信制御機能251は、特定した上記栄養摂取量を実績値情報としてユーザ端末3へ送信する。ユーザ端末3の通信制御機能251は、実績値情報を受信する。次いで、実績値表示機能354は、表示制御機能356と協働し、受信した実績値情報に含まれる栄養摂取量を登録済オーダ表示欄TSに表示する。過去の日付が指定されている場合、登録済オーダ表示欄TSは、対象患者の栄養摂取実績に関する情報を表示する表示欄となる。
【0148】
また、実績値表示機能354は、受信した実績値情報に含まれる栄養摂取量をシミュレーション結果表示欄SLの「登録済」に表示する。
【0149】
目標値表示機能355は、対象患者の栄養摂取量の目標値を表示する処理を行う。具体的には、栄養量シミュレーション画面U3で日時が指定された場合、通信制御機能351と協働して目標値を要求する目標値要求を医用情報処理装置2に送信する。目標値要求には、対象患者の患者ID、対象となる日時の情報が含まれる。
【0150】
医用情報処理装置2の通信制御機能251は、目標値要求を受信する。記憶機能255は、目標値要求に含まれる対象患者の患者ID、対象となる日時をキーとして、栄養摂取目標データテーブル222cを検索し、対象となる日時における対象患者の目標栄養摂取量を特定する。
【0151】
通信制御機能251は、特定した上記目標栄養摂取量を目標値情報としてユーザ端末3へ送信する。ユーザ端末3の通信制御機能251は、目標値情報を受信する。次いで、実績値表示機能354は、表示制御機能356と協働し、目標値情報に含まれる目標栄養摂取量をシミュレーション結果表示欄SLの「目標値」に表示する。
【0152】
また、目標値表示機能355は、目標値と、合計値(推定値又は実績値)との差を算出し、算出した数値をシミュレーション結果表示欄SLの「過不足」に表示する。
【0153】
ここで、図15は、栄養量シミュレーション画面U4の一例を示す説明図である。栄養量シミュレーション画面U4は、栄養量シミュレーション画面U3において、表示日時DEに過去日付が入力された場合に表示される画面である。
【0154】
栄養量シミュレーション画面U4の構成は、栄養量シミュレーション画面U3と略同様である。ただし、図15の例では、新規作成ボタンCRの代わりに、参照ボタンYDが表示されている。参照ボタンYDは、作成済の栄養摂取計画を読み出すためのボタンである。また、図15の例では、患者一覧タブではなく、集計情報タブが表示されている。集計情報タブには、表示日時DEで指定された期間における栄養摂取実績の集計結果が表示される。
【0155】
表示日時DEに過去日付が入力された場合、追加予定オーダ表示欄ODは、実際に追加されたオーダに関する情報を表示する表示欄となる。この例では、栄養剤としてビタミンセット及び栄養剤1という栄養剤が追加で処方されたことを表している。
【0156】
表示日時DEに過去日付が入力された場合、登録済オーダ表示欄TSには、表示日時DEで指定された日時における対象患者の栄養摂取実績が表示される。
【0157】
表示日時DEに過去日付が入力された場合、シミュレーション結果表示欄SLは、目標値と実績値とを比較可能な態様で表示する表示欄となる。操作者は、「目標値」、「合計値」、「過不足」を確認することで、表示日時DEで指定された過去日付において、対象患者がどの程度栄養の摂取が必要で、実際にはどの程度栄養が摂取できたのかを容易に確認することができる。
【0158】
図13に戻り説明を続ける。表示制御機能366は、各種画面をディスプレイ340に表示する制御を行う。
【0159】
表示制御機能366は、医用情報処理装置2の算出機能254が算出した栄養摂取量をディスプレイ340に表示する。表示制御機能366は、出力部の一例である。また、表示制御機能366は、患者毎に予め定めた1日の栄養摂取量の目標値と、医用情報処理装置2の算出機能254が算出した栄養摂取量とを比較可能な態様でディスプレイ340に表示させる制御を行う。
【0160】
例えば、表示制御機能366は、オーダ追加機能352、推定値表示機能353、実績値表示機能354、及び目標値表示機能355と協働し、栄養摂取量や栄養摂取量の目標値等の患者の栄養管理に関係する情報を含む栄養量シミュレーション画面U3及びU4を表示する。
【0161】
ここで、例えば、処理回路350の構成要素である通信制御機能351、オーダ追加機能352、推定値表示機能353、実績値表示機能354、目標値表示機能355、及び表示制御機能356とは、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路320に記憶されている。処理回路350は、各プログラムを記憶回路320から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。
【0162】
換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路350は、図13の処理回路350内に示された各機能を有することとなる。なお、図13においては、単一の処理回路350にて、通信制御機能351、オーダ追加機能352、推定値表示機能353、実績値表示機能354、目標値表示機能355、及び表示制御機能356の各処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路350を構成し、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても良い。
【0163】
なお、記憶回路320にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0164】
次に、本実施形態に係る医用情報処理システムSで実行される処理について説明する。図16は、医用情報処理システムSで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図16は、食事前の食事状況画像の撮影に関わる処理を表している。
【0165】
まず、携帯端末1の撮影機能162は、操作者の指示に従い、食事前の食事状況画像の撮影を行う(ステップS1)。シンボル読取機能163は、食事状況画像に含まれる食札に付されたバーコードから患者IDを読取る(ステップS2)。
【0166】
撮影機能162は、操作者の指示に従い、患者のリストバンド画像の撮影を行う(ステップS3)。シンボル読取機能163は、リストバンド画像に含まれる、リストバンドに付されたバーコードから患者IDを読取る(ステップS4)。認証機能164は、ステップS2でシンボル読取機能163が読取った患者IDとステップS4でシンボル読取機能163が読取った患者IDとが一致するか否かを確認する(ステップS5)。
【0167】
患者IDが一致することが確認されなかった場合(ステップS5:No)、ステップS1の処理に移行する。患者IDが一致することが確認された場合(ステップS5:Yes)、通信制御機能161は、食事前の食事状況画像を患者IDと対応付けて医用情報処理装置2に送信する(ステップS6)。
【0168】
医用情報処理装置2の通信制御機能261は、食事前の食事状況画像を受信する。画像取得機能252は、食事前の食事状況画像を取得する(ステップS7)。解析機能253は、食事前の食事状況画像を解析し、配膳されたメニューに含まれる食材を認識する(ステップS8)。
【0169】
検知機能256は、禁忌食材が配膳されているか否かを検知する(ステップS9)。禁忌食材が配膳されていることを検知した場合(ステップS9:Yes)、警告機能257は、警告メッセージを生成する。警告機能257は、通信制御機能251を制御して生成した警告メッセージを携帯端末1に送信する(ステップS10)。携帯端末1の通信制御機能161は、警告メッセージを受信する。表示制御機能165は、受信した警告メッセージを表示し、本処理を終了する(ステップS11)。
【0170】
一方、ステップS9で、禁忌食材が配膳されていないことを検知した場合(ステップS9:No)、記憶機能255は、記憶回路220に、食事前の食事状況画像を記憶し、本処理を終了する(ステップS12)。
【0171】
図17は、医用情報処理システムSで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図17は、食事後の食事状況画像の撮影に関わる処理を表している。
【0172】
ステップS31乃至S37の処理は、図16のステップS1乃至S7の処理と同様のため、説明を省略する。記憶機能255は、記憶回路220に、食事後の食事状況画像を記憶する(ステップS38)。
【0173】
解析機能253は、食事後の食事状況画像を解析する(ステップS39)。解析機能253は、解析結果に基づいて、品目毎の摂取割合を取得する(ステップS40)。
【0174】
算出機能254は、献立情報DB221と、品目毎の摂取割合とに基づいて、品目毎の栄養摂取量を算出する(ステップS41)。記憶機能255は、栄養管理DB222の栄養摂取実績データテーブル222aに、品目毎の栄養摂取量を記憶し、本処理を終了する(ステップS42)。
【0175】
図18は、医用情報処理システムSで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。図18は、実績値の表示に関わる処理を表している。
【0176】
まず、ユーザ端末3の実績値表示機能354は、実績値の表示指示を受付ける(ステップS51)。具体的には、実績値表示機能354は、栄養量シミュレーション画面において、操作者から表示日付として過去の日付を受付けた場合に、実績値の表示指示を受付ける。
【0177】
実績値表示機能354は、通信制御機能351と協働し、対象患者の患者ID及び対象となる過去の日時を含む実績値要求を医用情報処理装置2に送信する(ステップS52)。
【0178】
医用情報処理装置2の通信制御機能251は、実績値要求を受信する。記憶機能255は、実績値要求に含まれる患者ID及び日時をキーとして、栄養管理DB222の栄養摂取実績データテーブル222aを検索し、対象となる日時における対象患者の栄養摂取量を特定する(ステップS53)。
【0179】
通信制御機能251は、特定した栄養摂取量を含む実績値情報を医用情報処理装置2へ送信する(ステップS54)。ユーザ端末3の通信制御機能351は、実績値情報を受信する。実績値表示機能354は、表示制御機能356と協働し、実績値情報に含まれる栄養摂取量を表示する(ステップS55)。
【0180】
目標値表示機能355は、目標値の表示指示を受付ける(ステップS56)。具体的には、目標値表示機能355は、栄養量シミュレーション画面において、操作者から表示日付として過去の日付を受付けた場合に、目標値の表示指示を受付ける。目標値表示機能355は、通信制御機能351と協働し、対象患者の患者ID及び対象となる過去の日時を含む目標値要求を医用情報処理装置2に送信する(ステップS57)。
【0181】
医用情報処理装置2の通信制御機能251は、目標値要求を受信する。記憶機能255は、目標値要求に含まれる患者ID及び日時をキーとして、栄養管理DB222の栄養摂取目標データテーブル222cを検索し、対象となる日時における対象患者の目標栄養摂取量を特定する(ステップS58)。
【0182】
通信制御機能251は、特定した目標栄養摂取量を含む目標値情報を医用情報処理装置2へ送信する(ステップS59)。ユーザ端末3の通信制御機能351は、目標値情報を受信する。目標値表示機能355は、表示制御機能356と協働し、実績値情報に含まれる栄養摂取量を表示し、本処理を終了する(ステップS60)。
【0183】
なお、ステップS56乃至S60の処理は、ステップS51乃至S55の処理の前に行われてもよいし、ステップS51乃至S55の処理と同時に行われてもよい。
【0184】
以上に述べた本実施形態に係る医用情報処理システムSは、携帯端末1で撮影された食事前又は食事後のうち少なくとも食事後の食事状況画像を取得する画像取得機能252と、食事状況画像に含まれるバーコードから患者IDを読取るシンボル読取機能163と、食事状況画像と患者IDとを対応付けて記憶する記憶機能255と、食事状況画像を解析し、患者の食事の品目単位の摂取割合を取得する解析機能253と、を備える。
【0185】
このように、医用情報処理システムSでは、解析機能253が、携帯端末1で撮影された食事状況画像を解析し、患者の食事の品目単位の摂取割合を取得する。これにより、医用情報処理システムSでは、医療従事者は自らの目で食事の摂取割合を判断し、手動で電子カルテに食事の摂取割合を入力する手間を省くことができる。また、シンボル読取機能163が、食事状況画像に含まれるバーコードから患者IDを読取ることにより、医療従事者は患者を指定する手間を省くことができる。
【0186】
したがって、本実施形態の医用情報処理システムSによれば、医療従事者の作業負担を軽減し、かつ、患者の食事の摂取割合を容易に把握することができる。
【0187】
また、本実施形態の医用情報処理装置2は、献立情報DB221と、解析により取得した摂取割合とに基づいて、患者毎の栄養摂取量を算出する算出機能254を備える。これにより、医療従事者は手動で栄養摂取量を算出する必要がなくなる。
【0188】
また、本実施形態の医用情報処理システムSは、食事状況画像と、禁忌食材データテーブル222dと、に基づいて、禁忌食材が配膳されているか否かを検知する検知機能256を備える。これにより、医療従事者が配膳の際、禁忌食材の有無を目視で確認する必要がなくなる。
【0189】
また、本実施形態の医用情報処理システムSは、栄養摂取量の目標値と、算出機能254が算出した栄養摂取量とを比較可能な態様で表示装置に表示する表示制御機能356を備える。これにより、医師や栄養士は、対象患者の栄養摂取の目標値がどれくらいで、対象患者がどの程度目標を達成できているかを容易に把握できる。つまり、医用情報処理システムSは、医師や栄養士による、対象患者の栄養摂取計画の立案作業を支援することができる。
【0190】
また、本実施形態に係る医用情報処理システムSは、食事状況画像に含まれるバーコードから読取った患者IDと、患者のリストバンドに付されたバーコードから読取った患者IDと、が一致するかを確認する認証機能164を備える。これにより、配膳ミスがあった場合は、患者IDが一致しないため、食事の配膳ミスを減らすことができる。
【0191】
なお、本実施形態では、医用情報処理装置2は、電子カルテを管理するサーバ装置としたが、医用情報処理装置2とは別に、電子カルテを管理するサーバ装置が設けられてもよい。
【0192】
また、本実施形態では、医師や栄養士等は、ユーザ端末3から医用情報処理装置2にアクセスしているが、医師や栄養士等が直接的に医用情報処理装置2を使用するものとしてもよい。
【0193】
また、本実施形態では、携帯端末1が、シンボル読取機能163及び認証機能164を備えているが、医用情報処理装置2が、シンボル読取機能163及び認証機能164を備えていてもよい。
【0194】
また、本実施形態では、ユーザ端末3が、オーダ追加機能352、推定値表示機能353、実績値表示機能354、目標値表示機能355、及び表示制御機能356を備えているが、医用情報処理装置2が、オーダ追加機能352、推定値表示機能353、実績値表示機能354、目標値表示機能355、及び表示制御機能356を備えていてもよい。
【0195】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医療従事者の作業負担を軽減し、かつ、患者の食事の摂取割合を容易に把握することができる。
【0196】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central preprocess unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0197】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0198】
1 携帯端末
2 医用情報処理装置
3 ユーザ端末
110、210、310 NWインタフェース
120、220、320 記憶回路
130、230、330 入力インタフェース
140、240、340 ディスプレイ
150 カメラ
160、250、350 処理回路
161、251、351 通信制御機能
162 撮影機能
163 シンボル読取機能
164 認証機能
165、258、356 表示制御機能
252 画像取得機能
253 解析機能
254 算出機能
255 記憶機能
256 検知機能
257 警告機能
259 撮影管理機能
352 オーダ追加機能
353 推定値表示機能
354 実績値表示機能
355 目標値表示機能
S 医用情報処理システム
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