(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187814
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】サーバ、及び給電システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221213BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096004
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 慶幸
(72)【発明者】
【氏名】久保 和樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】地下式給電設備をユーザが利用しやすくする。
【解決手段】駐車枠ごとに設けられた給電設備の各々が、地面下に収納可能に構成されるとともに、給電設備が地面上に突出した状態において、対応する駐車枠に駐車された車両に対して給電を行なうように構成される。そして、各駐車枠及び各給電設備を管理するサーバが、駐車枠の予約開始時刻を指定する予約要求を受け付けるように構成される。サーバは、予約要求を受けた場合に、複数の駐車枠のうち予約開始時刻において予約されていない空き枠の中から、予約開始時刻において隣合う駐車枠の両方が予約されている駐車枠よりも、予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠を優先して予約するように構成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車枠と、前記駐車枠ごとに設けられた給電設備とを管理するサーバであって、
前記駐車枠ごとに設けられた前記給電設備の各々は、地面下に収納可能に構成されるとともに、前記給電設備が地面上に突出した状態において、対応する前記駐車枠に駐車された車両に対して給電を行なうように構成され、
前記サーバは、前記駐車枠の予約開始時刻を指定する予約要求を受け付けるように構成され、
前記サーバは、前記予約要求を受けた場合に、前記複数の駐車枠のうち前記予約開始時刻において予約されていない空き枠の中から、前記予約開始時刻において隣合う駐車枠の両方が予約されている駐車枠よりも、前記予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠を優先して予約するように構成される、サーバ。
【請求項2】
前記サーバは、前記予約要求を受けた場合に、前記空き枠のうち、前記予約開始時刻において両隣が予約されている両隣予約枠よりも、前記予約開始時刻において片隣が予約されていない片隣空き枠を優先して予約し、かつ、前記片隣空き枠よりも、両隣が予約されていない両隣空き枠を優先して予約するように構成される、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記サーバは、前記予約要求を受けた場合に、前記予約要求に基づいて前記予約開始時刻に対応する予約終了時刻を取得し、
前記空き枠は、前記複数の駐車枠のうち、前記予約開始時刻から前記予約終了時刻までの予約期間において予約されていない駐車枠であり、
前記サーバは、予約されていない前記駐車枠に対応する前記給電設備を地面下に収納された状態に維持するように構成され、
前記サーバは、前記予約要求に基づいて前記駐車枠が予約された場合には、前記予約期間における、当該予約された駐車枠に対応する前記給電設備の利用を、前記予約要求を行なったユーザに対してのみ許可する、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記サーバは、前記予約要求を受けたときに前記予約期間について前記空き枠が存在する場合には、前記予約期間について1つの前記空き枠を予約し、前記予約要求を受けたときに前記予約期間について前記空き枠が存在しない場合には、前記予約期間について前記空き枠が存在しないことを、前記予約要求を行なったユーザに通知するように構成される、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記サーバは、前記予約要求に応じて1つの駐車枠を予約した場合に、予約された駐車枠の識別情報及びその両隣の予約状況を、前記予約要求を行なったユーザに通知するように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サーバは、予約キャンセル要求に応じて前記駐車枠の予約をキャンセルするように構成され、
前記サーバは、前記複数の駐車枠のいずれかである第1駐車枠の予約がキャンセルされた場合に、前記第1駐車枠の隣に位置する第2駐車枠を予約しているユーザに対して、前記第1駐車枠の予約がキャンセルされたことを通知するように構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記サーバは、駐車されていない前記駐車枠に対応する前記給電設備を地面下に収納された状態に維持するように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記複数の駐車枠と、前記駐車枠ごとに設けられた前記給電設備と、請求項1~7のいずれか1項に記載のサーバとを備える給電システムであって、
前記複数の駐車枠は一列に連なり、
前記駐車枠ごとに設けられた前記給電設備の各々は、
当該給電設備の給電口を有する可動部と、
前記可動部を動かすアクチュエータと、
前記給電口に電力を供給する電源回路と、
前記アクチュエータ及び前記電源回路を制御する制御装置とを備え、
前記可動部は、前記給電口が地面下に収納されて前記給電設備の頂面が地面とともに路面を形成する第1位置と、前記給電設備の前記頂面が地面上に突出して前記給電口が地面上に露出した第2位置とを含む可動範囲内を変位するように構成され、
前記制御装置は、前記サーバと無線通信して、前記サーバからの指示に従い、前記アクチュエータを制御するように構成される、給電システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記複数の駐車枠のいずれかが駐車されたときに所定の条件が成立する場合に、当該駐車された駐車枠に対応する前記給電設備の前記可動部を前記第1位置から前記第2位置に変位させるように構成される、請求項8に記載の給電システム。
【請求項10】
複数のステーションを備える給電システムであって、
前記複数のステーションの各々は、複数の駐車枠と、前記駐車枠ごとに設けられた給電設備とを含み、
前記駐車枠ごとに設けられた前記給電設備の各々は、地面下に収納可能に構成されるとともに、プラグを備え、前記給電設備が地面上に突出した状態において、対応する前記駐車枠に駐車された車両のインレットに接続された前記プラグに電力を供給するように構成され、
前記給電システムは、前記駐車枠の予約開始時刻を指定する予約要求を受け付けるサーバをさらに備え、
前記サーバは、ユーザから前記予約要求を受けた場合に、前記予約要求を行なったユーザに帰属する車両の位置と、当該車両が備える前記インレットの位置とを用いて、前記複数のステーションの中から1つのステーションを選択し、前記選択された1つのステーションに含まれる前記複数の駐車枠のうち前記予約開始時刻において予約されていない空き枠の中から、前記予約開始時刻において隣合う駐車枠の両方が予約されている駐車枠よりも、前記予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠を優先して予約するように構成される、給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及び給電システムに関し、特に、地面下に収納可能な給電設備(以下、「地下式給電設備」とも称する)を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第5475407号公報(特許文献1)には地下式給電設備が開示されている。特許文献1に開示される地下式給電設備は、ベースポール(固定部)と充電用ポール(可動部)とを備える。ユーザは、地面下に収納された充電用ポールの頂面(天面部)に設けられた取っ手を持ち、充電用ポールを上に引っ張ることで、充電用ポールを地面上に引き出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地下式給電設備は、利便性の観点で改善の余地が残されている。たとえば、複数の駐車枠と、駐車枠ごとに設けられた地下式給電設備とを含むステーションをユーザが利用する場合には、次のような課題が生じ得る。ステーションに含まれる各地下式給電設備は、たとえば上記特許文献1に開示される地下式給電設備である。
【0005】
上記ステーションに含まれる1つの駐車枠にユーザが駐車しようとするときに、当該駐車枠の隣の駐車枠に設けられた充電用ポールが地面上に引き出された状態になっていると、充電用ポールが障害物になるため、充電用ポールが地面下に収納されている場合よりもユーザは駐車しにくくなる。このように、各地下式給電設備の状態によって、ユーザの利便性が低下し得る。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、地下式給電設備をユーザが利用しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の観点に係るサーバは、複数の駐車枠と、駐車枠ごとに設けられた給電設備とを管理するように構成される。駐車枠ごとに設けられた給電設備の各々は、地面下に収納可能に構成されるとともに、給電設備が地面上に突出した状態において、対応する駐車枠に駐車された車両に対して給電を行なうように構成される。サーバは、駐車枠の予約開始時刻を指定する予約要求を受け付けるように構成される。サーバは、予約要求を受けた場合に、複数の駐車枠のうち予約開始時刻において予約されていない空き枠の中から、予約開始時刻において隣合う駐車枠の両方が予約されている駐車枠よりも、予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠を優先して予約するように構成される。
【0008】
上記給電設備は、地面下に収納可能に構成される地下式給電設備である。上記サーバでは、予約開始時刻において隣合う駐車枠の両方が予約されている駐車枠よりも、予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠が優先して予約される。予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠は駐車しやすい状態になっている可能性が高い。上記サーバでは、ユーザが駐車しやすい駐車枠を予約しやすくなる。これにより、ユーザが地下式給電設備を利用しやすくなる。
【0009】
上記サーバは、予約要求を受けた場合に、空き枠のうち、予約開始時刻において両隣が予約されている両隣予約枠よりも、予約開始時刻において片方の隣が予約されていない片隣空き枠を優先して予約し、かつ、片隣空き枠よりも、両隣が予約されていない両隣空き枠を優先して予約するように構成されてもよい。
【0010】
両隣予約枠よりも片隣空き枠のほうが駐車しやすく、片隣空き枠よりも両隣空き枠のほうが駐車しやすいと考えられる。上記構成を有するサーバは、ユーザから予約要求を受けた場合に、駐車しやすい空き枠から順に予約する。このため、ユーザが駐車しやすい駐車枠を予約しやすくなる。
【0011】
上記サーバは、予約要求を受けた場合に、予約要求に基づいて予約開始時刻に対応する予約終了時刻を取得するように構成されてもよい。空き枠は、複数の駐車枠のうち、予約開始時刻から予約終了時刻までの予約期間において予約されていない駐車枠であってもよい。サーバは、予約されていない駐車枠に対応する給電設備を地面下に収納された状態に維持するように構成されてもよい。サーバは、予約要求に基づいて駐車枠が予約された場合には、予約期間における、当該予約された駐車枠に対応する給電設備の利用を、予約要求を行なったユーザに対してのみ許可するように構成されてもよい。
【0012】
上記構成を有するサーバによれば、予約されていない駐車枠に対応する給電設備が地面下に収納された状態に維持される。すなわち、予約された駐車枠が両隣空き枠であれば、その両隣の駐車枠に対応する各給電設備は地面下に収納された状態になっている。このため、両隣空き枠は、より確実に駐車しやすい状態になる。また、上記サーバによれば、ユーザは、駐車枠を予約することで、予約した駐車枠に対応する給電設備を予約期間において独占的に使用することができる。これにより、ユーザが地下式給電設備を利用しやすくなる。
【0013】
上記サーバは、予約要求が指定する予約開始時刻から所定時間経過した時刻を、上記予約終了時刻として決定してもよい。あるいは、ユーザによって決定された予約終了時刻が予約要求に含まれてもよい。
【0014】
上記サーバは、予約要求を受けたときに予約期間について空き枠が存在する場合には、予約期間について1つの空き枠を予約し、予約要求を受けたときに予約期間について空き枠が存在しない場合には、予約期間について空き枠が存在しないことを、予約要求を行なったユーザに通知するように構成されてもよい。
【0015】
上記構成を有するサーバによれば、ユーザは、予約要求に係る予約期間(すなわち、ユーザが指定した予約開始時刻に対応する予約期間)について空き枠が存在するか否かを把握することができる。これにより、ユーザが地下式給電設備を利用しやすくなる。
【0016】
上記サーバは、予約要求に応じて1つの駐車枠を予約した場合に、予約された駐車枠の識別情報及びその両隣の予約状況を、予約要求を行なったユーザに通知するように構成されてもよい。
【0017】
上記構成を有するサーバによれば、ユーザは、予約された駐車枠の識別情報を受け取ることができる。識別情報は、複数の駐車枠のうちのいずれが予約されたかを示す。ユーザは、この識別情報に基づいて、複数の駐車枠の中から、予約された駐車枠を特定することができる。また、ユーザは、予約された駐車枠の両隣の予約状況も把握することができる。ユーザは、周囲の状況を予め把握していることで、駐車枠に対する駐車を適切に行ないやすくなる。
【0018】
上記サーバは、予約キャンセル要求に応じて駐車枠の予約をキャンセルするように構成されてもよい。サーバは、複数の駐車枠のいずれかである第1駐車枠の予約がキャンセルされた場合に、第1駐車枠の隣に位置する第2駐車枠を予約しているユーザに対して、第1駐車枠の予約がキャンセルされたことを通知するように構成されてもよい。
【0019】
上記構成を有するサーバによれば、第2駐車枠を予約しているユーザが、第2駐車枠の両隣の予約状況を正確に把握しやすくなる。ユーザは、第2駐車枠に駐車するときに、周囲の状況を予め把握していることで、第2駐車枠に対する駐車を適切に行ないやすくなる。
【0020】
上記サーバは、ユーザ端末に対して上述したいずれかの通知を行なってもよい。ユーザ端末は、予め車両のユーザに紐付けて上記サーバに登録されてもよい。ユーザ端末は、ユーザが乗車する車両であってもよいし、ユーザが携帯する携帯端末であってもよい。
【0021】
上記サーバは、駐車されていない駐車枠に対応する給電設備を地面下に収納された状態に維持するように構成されてもよい。
【0022】
上記構成を有するサーバによれば、ユーザが駐車枠(より特定的には、駐車されていない駐車枠)に駐車するときに、当該駐車枠に対応する給電設備は地面下に収納された状態に維持される。地面下に収納された給電設備は障害物にならないため、ユーザが駐車枠に対する駐車を適切に行ないやすくなる。また、ユーザは、周囲の駐車枠の状態(駐車の有無)に基づいて、周囲の給電設備が地面上に突出し得るか否かを判断することができる。ユーザは、周囲の状況を予め把握していることで、駐車枠に対する駐車を適切に行ないやすくなる。
【0023】
本開示の第2の観点に係る給電システムは、複数の駐車枠と、駐車枠ごとに設けられた給電設備と、上述したいずれかのサーバとを備える。複数の駐車枠は一列に連なる。駐車枠ごとに設けられた給電設備の各々は、給電設備の給電口を有する可動部と、可動部を動かすアクチュエータと、給電口に電力を供給する電源回路と、アクチュエータ及び電源回路を制御する制御装置とを備える。可動部は、給電口が地面下に収納されて給電設備の頂面が地面とともに路面を形成する第1位置と、給電設備の頂面が地面上に突出して給電口が地面上に露出した第2位置とを含む可動範囲内を変位するように構成される。制御装置は、サーバと無線通信して、サーバからの指示に従い、アクチュエータを制御するように構成される。
【0024】
第1位置(収納位置)では、給電設備の頂面が地面とともに路面を形成する。このため、車両は、その給電設備の上を走行することが可能になり、その給電設備の周辺の駐車枠に駐車しやすくなる。また、上記給電設備は、可動部を動かすアクチュエータを備える。このため、ユーザが可動部を引っ張り上げなくても、アクチュエータによって給電設備の給電口を地面上に露出させることができる。また、制御装置は、前述のサーバとの無線通信により、サーバから送られてくる信号に従い、動作する。このため、前述のサーバは、たとえば各駐車枠の予約状況に基づいて、給電設備の制御装置を遠隔操作することができる。
【0025】
給電設備の給電口は、電力を出力する部分である。可動部は給電ケーブルを有してもよい。給電設備の給電口は、給電ケーブルの第1端(たとえば、車両のインレットに接続可能なコネクタ)であってもよい。給電ケーブルの第2端は、上記電源回路に接続されていてもよい。また、給電設備の給電口はコンセントであってもよい。
【0026】
上記サーバは、複数の駐車枠のいずれかが駐車されたときに所定の条件(以下、「上昇条件」とも称する)が成立する場合に、当該駐車された駐車枠に対応する給電設備の可動部を上記第1位置から上記第2位置に変位させるように構成されてもよい。
【0027】
上記のようにサーバが給電設備の可動部を第1位置(収納位置)から第2位置(給電位置)に変位させることで、ユーザが給電設備を利用するときに給電設備の可動部を操作する手間を省くことができる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0028】
上記サーバは、いずれかの駐車枠が駐車されたときに、当該駐車枠を予約したユーザに対して認証を要求してもよい。そして、上記サーバがユーザ認証に成功すると、上昇条件が成立してもよい。
【0029】
本開示の第3の観点に係る給電システムは、複数のステーションを備える。複数のステーションの各々は、複数の駐車枠と、駐車枠ごとに設けられた給電設備とを含む。駐車枠ごとに設けられた給電設備の各々は、地面下に収納可能に構成されるとともに、プラグを備え、給電設備が地面上に突出した状態において、対応する駐車枠に駐車された車両のインレットに接続されたプラグに電力を供給するように構成される。給電システムは、駐車枠の予約開始時刻を指定する予約要求を受け付けるサーバをさらに備える。サーバは、ユーザから予約要求を受けた場合に、予約要求を行なったユーザに帰属する車両の位置と、当該車両が備えるインレットの位置とを用いて、複数のステーションの中から1つのステーションを選択し、選択された1つのステーションに含まれる複数の駐車枠のうち予約開始時刻において予約されていない空き枠の中から、予約開始時刻において隣合う駐車枠の両方が予約されている駐車枠よりも、予約開始時刻において隣合う駐車枠の少なくとも一方が予約されていない駐車枠を優先して予約するように構成される。
【0030】
駐車枠と給電設備との位置関係によって、当該給電設備を利用できる車両が限定されることがある。車両が備えるインレットの位置によって、当該給電設備を利用できるか否かが決まることがある。給電システムが備える全てのステーションに、ユーザ(ひいては、ユーザに帰属する車両)が利用できる給電設備が存在するとは限らない。上記給電システムでは、サーバが、ユーザに帰属する車両の位置と、当該車両が備えるインレットの位置とを用いて、給電システムが備える複数のステーションの中から1つのステーションを選択する。こうした構成によれば、車両のユーザが、車両の位置に近くて車両が利用できる給電設備を予約しやすくなる。また、上記給電システムによっても、ユーザが駐車しやすい駐車枠を予約しやすくなる。このため、ユーザが地下式給電設備を利用しやすくなる。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、地下式給電設備をユーザが利用しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の実施の形態に係る給電システムの構成について説明するための図である。
【
図2】
図1に示した給電設備の可動部が上昇した状態を示す図である。
【
図3】
図1に示したサーバの構成について説明するための図である。
【
図4】本開示の実施の形態に係る給電システムが備えるステーションの第1の状態を示す平面図である。
【
図5】本開示の実施の形態に係る給電システムが備えるステーションの第2の状態を示す平面図である。
【
図6】本開示の実施の形態に係る給電システムが備えるステーションの第3の状態を示す平面図である。
【
図7】本開示の実施の形態に係るサーバが駐車枠を予約する処理を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の実施の形態において、サーバから第1通知を受けたユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。
【
図9】本開示の実施の形態において、サーバから第2通知を受けたユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。
【
図10】本開示の実施の形態において、サーバから第3通知を受けた要求ユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。
【
図11】本開示の実施の形態において、サーバから隣予約通知信号を受信した隣ユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。
【
図12】本開示の実施の形態において、サーバから第4通知を受けた要求ユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。
【
図13】本開示の実施の形態において、サーバから隣予約通知信号を受信した第1及び第2隣ユーザ端末の各々が実行する報知処理について説明するための図である。
【
図14】本開示の実施の形態に係るサーバが駐車枠の予約をキャンセルする処理を示すフローチャートである。
【
図15】本開示の実施の形態に係るサーバが管理する給電設備の利用開始に係る処理を示すフローチャートである。
【
図16】本開示の実施の形態に係る給電システムが備えるステーションの第1変形例を示す図である。
【
図17】本開示の実施の形態に係る給電システムが備えるステーションの第2変形例を示す図である。
【
図18】本開示の実施の形態に係る給電システムが備えるステーションの第3変形例を示す図である。
【
図19】変形例に係るサーバが駐車枠を予約する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0034】
図1は、この実施の形態に係る給電システムの構成について説明するための図である。
図1を参照して、給電システム1は、充電スタンド300と、充電スタンド300に対応する駐車枠400(駐車スペース)とを備える。この実施の形態に係る充電スタンド300は、本開示に係る「給電設備」の一例に相当する。充電スタンド300は、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)である。充電スタンド300は、地面F1下に収納可能に構成される。充電スタンド300は、地下式給電設備(地面下に収納可能な給電設備)に相当する。
図1に示される充電スタンド300の状態は、充電スタンド300が地面F1下に収納された状態(以下、「収納状態」とも称する)である。
【0035】
充電スタンド300は、可動部301と、固定部302とを備える。可動部301及び固定部302の各々は、筒状(たとえば、円筒状)の筐体を有する。固定部302の筐体(筒体)は頂面及び底面を有する。固定部302の筐体は密閉されていてもよい。可動部301の筐体(筒体)は、上側に頂面301aを有し、下側は開放されている。また、可動部301の筐体には、後述するケーブル収納部が形成されている。可動部301の筐体は、固定部302の筐体よりも大きな直径を有し、各筐体の中心軸が一致するように固定部302の筐体の外側に配置される。可動部301は、固定部302の外周面に沿って鉛直方向(上下方向)に変位可能に設けられる。各筐体の材料は、金属であってもよいし、プラスチックであってもよい。各筐体の表面に防水処理が施されてもよい。
【0036】
充電スタンド300は、地面F1から下方へ延びる凹部R1に設置されている。収納状態では、凹部R1の内側に充電スタンド300の全体が収納される。固定部302は、凹部R1の底面に固定されている。固定部302は、筐体内に、電源回路310と、アクチュエータ320と、制御装置330とを有する。可動部301は、アクチュエータ320によって駆動され、固定部302に対して相対的に変位する。可動部301の筐体の外周面と凹部R1の内壁との隙間にシール部材が設けられてもよい。
【0037】
可動部301は、コネクタ311及び給電ケーブル312を収納するためのスペース(以下、「ケーブル収納部」と称する)を有する。ケーブル収納部は、たとえば、可動部301の筒状の筐体の一部が加工されることにより可動部301の側面に形成された凹部である。給電ケーブル312の第1端にはコネクタ311が設けられている。コネクタ311は、車両200のインレット211に接続可能なプラグに相当する。給電ケーブル312の第2端(第1端とは反対側の端)は、図示しない電線を介して、電源回路310に接続されている。収納状態においては、可動部301がケーブル収納部内にコネクタ311及び給電ケーブル312を有する。この実施の形態では、コネクタ311が、本開示に係る「給電口」の一例に相当する。なお、給電ケーブル312(コネクタ311を含む)は、可動部301に対して着脱可能に構成されてもよい。給電ケーブル312が取り外された状態の可動部301においては、給電ケーブル312のためのコネクタ(たとえば、給電ケーブル312のコンセントプラグが取り付けられるコンセント)が、充電スタンド300の給電口に相当する。
【0038】
電源回路310は、交流電源350から電力の供給を受けて、可動部301(より特定的には、給電ケーブル312)に電力を供給するように構成される。電源回路310は、電力変換回路を含み、EVSE側の充電器として機能する。交流電源350は、電源回路310に交流電力を供給する。交流電源350は、商用電源(たとえば、電力会社によって提供される電力系統)であってもよい。電源回路310は、制御装置330によって制御される。
【0039】
給電ケーブル312は、伸縮性及び可撓性を有する。ケーブル収納部には、給電ケーブル312を巻き付け可能に構成されるケーブルリールが設けられてもよい。ケーブルリールは、機械式の自動巻取り装置(たとえば、スプリング式ケーブルリール)であってもよい。また、ケーブル収納部を開閉するリッドが設けられてもよい。また、コネクタ311及び給電ケーブル312がケーブル収納部に収納されたか否かを検出するセンサが、ケーブル収納部に設けられてもよい。
【0040】
収納状態では、可動部301の頂面301aが地面F1と面一になり、頂面301aが地面F1とともに路面を形成する。この実施の形態に係る頂面301aは、本開示に係る「給電設備の頂面」の一例に相当する。アクチュエータ320は、可動部301に直接的又は間接的に動力を与えて、鉛直方向に可動部301を動かすように構成される(後述する
図2参照)。アクチュエータ320は、電源回路310から供給される電力を用いて動力を発生させる電動アクチュエータであってもよい。可動部301の変位機構はラックピニオン式であってもよい。たとえば、可動部301にラックギヤが固定され、ラックギヤに噛み合わされたピニオンギヤをアクチュエータ320が回転駆動するように構成されてもよい。あるいは、ピストンに接続されるロッドが可動部301に固定され、アクチュエータ320が油圧でピストンを動かすように構成されてもよい。あるいは、アクチュエータ320は、電力を用いて磁力を発生させて、磁力を利用して直接的に可動部301に動力を与えてもよい。アクチュエータ320は、制御装置330によって制御される。
【0041】
図2は、可動部301が上昇した状態を示す図である。
図2を参照して、可動部301は、頂面301aの位置を変えるように鉛直方向に変位(上昇及び下降)する。以下では、説明の便宜上、頂面301aの位置を、可動部301の位置とみなす。
【0042】
可動部301は可動範囲R2内を変位するように構成される。可動範囲R2の下限位置P1は、地面F1と同じ高さである。可動部301の位置が下限位置P1であるときには、可動部301の全体(ケーブル収納部を含む)が地面F1下に収納される(
図1参照)。可動部301の位置が下限位置P1である状態は、収納状態に相当する。収納状態では、充電スタンド300は給電を行なわない。収納状態では、コネクタ311を車両200のインレット211に接続できない。収納状態では、車両200が頂面301aの上を走行できる。
【0043】
一方、可動範囲R2の上限位置P2は、一般的な車両のインレットの高さに対して十分高い位置に設定される。可動部301の位置が上限位置P2であるときには、頂面301aが地面上に突出し、かつ、可動部301のケーブル収納部(コネクタ311及び給電ケーブル312)が地面F1上に露出する。また、可動部301の位置が上限位置P2よりも低い位置(たとえば、
図2に示す位置Px)であっても、ケーブル収納部は地面F1上に露出し得る。可動部301が位置Pxまで上昇すると、もはや頂面301aは路面を形成せず、車両200は頂面301aの上を走行できなくなる。充電スタンド300は、可動部301が位置Pxまで上昇した状態で、車両200に対して給電を行なうように構成される。可動部301が位置Pxまで上昇すると、充電スタンド300の近傍に設定された所定の駐車スペース(充電スタンド300に対応する駐車枠400)に駐車された車両200のインレット211にコネクタ311を接続できるようになる。
【0044】
駐車枠400内には駐車センサ410が設けられている。駐車センサ410は、駐車枠400に対する駐車の有無を検出するように構成される。駐車センサ410は、レーザ及びカメラの少なくとも一方を含んでもよい。駐車センサ410の検出結果はサーバ600(
図1)に出力される。サーバ600は、駐車センサ410の検出結果を用いて、駐車枠400が駐車されたか否かを判断することができる。
【0045】
可動範囲R2は、充電スタンド300の給電口が地面F1下に収納されて頂面301aが地面F1とともに路面を形成する第1位置(たとえば、下限位置P1)と、頂面301aが地面F1上に突出して充電スタンド300の給電口が地面F1上に露出した第2位置(たとえば、上限位置P2及び位置Px)とを含む。この実施の形態では、下限位置P1が地面F1と同じ位置であるが、下限位置P1は、地面F1よりも少し下又は地面F1よりも少し上の位置に設定されてもよい。
【0046】
再び
図1を参照して、可動部301は、通信装置341と、環境センサ342と、タッチパネルディスプレイ313とをさらに備える。
【0047】
通信装置341は、サーバ600と無線通信可能に構成される。通信装置341は、サーバ600以外の通信装置とも通信可能に構成されてもよい。通信装置341は、充電スタンド300の外部から受信した情報を制御装置330に伝達する。制御装置330は、通信装置341を通じて、充電スタンド300の状態をサーバ600へ逐次送信する。また、制御装置330は、サーバ600と無線通信して、サーバ600からの指示に従い、電源回路310及びアクチュエータ320を制御するように構成される。
【0048】
環境センサ342は、可動部301の頂面301aに設けられている。環境センサ342は、充電スタンド300の環境情報を取得するセンサである。この実施の形態に係る環境センサ342は、頂面301aの上方及び周囲に物体(車両を含む)及び生体(人を含む)の少なくとも一方が存在するか否かを示す情報を取得する。環境センサ342は、レーザ及びカメラの少なくとも一方を含んでもよい。環境センサ342の検出結果は制御装置330に出力される。
【0049】
タッチパネルディスプレイ313は、ユーザからの入力を受け付けたり、各種情報を表示したりする。タッチパネルディスプレイ313は、給電に関する指示(たとえば、給電開始及び給電停止の指示)を受け付けるように構成される。また、タッチパネルディスプレイ313は、充電スタンド300の給電状態(給電中/給電停止)を表示するように構成される。タッチパネルディスプレイ313は、制御装置330によって制御される。
【0050】
制御装置330はコンピュータであってもよい。制御装置330は、プロセッサ331、RAM(Random Access Memory)332、記憶装置333、及びタイマ334を含んで構成される。プロセッサ331としては、たとえばCPU(Central Processing Unit)を採用できる。記憶装置333は、格納された情報を保存可能に構成される。記憶装置333には、プログラムのほか、プログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、及び各種パラメータ)が記憶されている。この実施の形態では、記憶装置333に記憶されているプログラムをプロセッサ331が実行することで、充電スタンド300における各種制御が実行される。ただし、充電スタンド300における各種制御は、ソフトウェアによる実行に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。なお、制御装置330が備えるプロセッサの数は任意であり、所定の制御ごとにプロセッサが用意されてもよい。
【0051】
図1及び
図2に示す車両200は、バッテリ210と、バッテリ210に蓄えられた電力を用いて走行するための機器(たとえば、後述するモータジェネレータ221及びインバータ222)と、充電スタンド300を利用してバッテリ210を充電するための機器(たとえば、後述するインレット211及び充電器212)とを備える電動車両である。この実施の形態に係る車両200は、エンジン(内燃機関)を備えない電気自動車(EV)である。車両200は、基本的にはユーザによって運転されることにより走行する。
【0052】
図1に示す携帯端末100は、車両200のユーザが携帯する携帯端末に相当する。携帯端末100はコンピュータを内蔵する。この実施の形態では、携帯端末100として、タッチパネルディスプレイを具備するスマートフォンを採用する。ただしこれに限られず、携帯端末100としては、任意の携帯端末を採用可能であり、タブレット端末、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチ)、又は電子キーなども採用可能である。
【0053】
携帯端末100は、充電スタンド300及びサーバ600の各々と無線通信可能に構成される。携帯端末100には所定のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」と称する)がインストールされている。携帯端末100は、車両200のユーザによって携帯され、上記アプリを通じて充電スタンド300及びサーバ600の各々と情報のやり取りを行なうことができる。ユーザは、たとえば携帯端末100のタッチパネルディスプレイを通じて、上記アプリを操作できる。また、携帯端末100のタッチパネルディスプレイは、車両200のユーザに対して情報を報知可能に構成される。
【0054】
車両200は、電子制御装置(以下、「ECU(Electronic Control Unit)」と称する)230及び通信機器240をさらに備える。ECU230は、コンピュータであってもよい。ECU230は、プロセッサ、RAM、及び記憶装置(いずれも図示せず)を備える。記憶装置に記憶されているプログラムをプロセッサが実行することで、各種車両制御が実行される。ただし、車両制御は、ソフトウェアによる実行に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。
【0055】
ECU230は、通信機器240を通じて、車両200の外部と通信を行なうように構成される。通信機器240は、各種通信I/F(インターフェース)を含んで構成される。通信機器240は、後述するサーバ600(
図1)と無線通信するための通信I/Fを含んでもよい。また、車両200に搭載された通信機器240と携帯端末100とは相互に無線通信するように構成される。ECU230は、無線通信により携帯端末100を制御して、ユーザに対する報知を携帯端末100に行なわせることができる。通信機器240と携帯端末100との通信は、近距離通信(たとえば、車内及び車両周辺の範囲での直接通信)であってもよい。
【0056】
バッテリ210は、たとえばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池のような二次電池を含んで構成される。二次電池は、組電池であってもよいし、全固体電池であってもよい。なお、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタのような他の蓄電装置を採用してもよい。
【0057】
車両200は、バッテリ210の状態を監視する監視モジュール210aをさらに備える。監視モジュール210aは、バッテリ210の状態(たとえば、電圧、電流、及び温度)を検出する各種センサを含み、検出結果をECU230へ出力する。監視モジュール210aは、上記センサ機能に加えて、SOC(State Of Charge)推定機能、SOH(State of Health)推定機能、セル電圧の均等化機能、診断機能、及び通信機能をさらに有するBMS(Battery Management System)であってもよい。ECU230は、監視モジュール210aの出力に基づいてバッテリ210の状態(たとえば、温度、電流、電圧、SOC、及び内部抵抗)を取得することができる。
【0058】
車両200は、電動走行のためのモータジェネレータ(以下、「MG」と称する)221及びインバータ(以下、「INV」と称する)222を備える。MG221は、たとえば三相交流モータジェネレータである。MG221は、INV222によって駆動され、車両200の駆動輪Wを回転させるように構成される。INV222は、ECU230によって制御される。INV222は、バッテリ210から供給される電力を用いてMG221を駆動する。また、MG221は、回生発電を行ない、発電した電力をINV222を経由してバッテリ210に供給する。なお、車両200の駆動方式は、
図1及び
図2に示される前輪駆動に限られず、後輪駆動又は4輪駆動であってもよい。
【0059】
車両200は、接触充電のためのインレット211及び充電器212を備える。インレット211は、車両200の車体後部(より特定的には、車体後部の左側面)に位置する。インレット211は、充電スタンド300の給電ケーブル312のコネクタ311が接続可能に構成される。インレット211及びコネクタ311の双方には接点が内蔵されており、インレット211にコネクタ311が取り付けられると接点同士が接触して、インレット211とコネクタ311とが電気的に接続される。
【0060】
以下では、コネクタ311がインレット211に接続された状態(すなわち、充電スタンド300と車両200とが給電ケーブル312を介して電気的に接続された状態)を、「プラグイン状態」と称する。また、コネクタ311がインレット211に接続されていない状態(すなわち、充電スタンド300と車両200とが電気的に接続されていない状態)を、「プラグアウト状態」と称する。車両200及び充電スタンド300の各々は、接続状態(プラグイン状態/プラグアウト状態)を検出する回路(図示せず)を備える。
【0061】
充電器212は電力変換回路(図示せず)を備える。電力変換回路は、車両外部からインレット211に供給された電力を、バッテリ210の充電に適した電力に変換する。充電器212は、たとえばインレット211から交流電力が供給される場合に、供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ210に供給する。充電器212は、ECU230によって制御される。
【0062】
図3は、
図1に示したサーバ600の構成について説明するための図である。
図1及び
図2とともに
図3を参照して、サーバ600は、制御装置610と、記憶装置620と、通信装置630と、入力装置640と、表示装置650とを備える。制御装置610は、プロセッサ、RAM、及びタイマを含み、所定の情報処理を行なうように構成される。制御装置610はコンピュータであってもよい。記憶装置620は、格納された情報を保存可能に構成される。記憶装置620には、たとえば、プロセッサによって実行されるプログラム、及びプログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、及び各種パラメータ)が記憶されている。通信装置630は各種通信I/F(インターフェース)を含む。制御装置610は、通信装置630を通じてサーバ600の外部と通信するように構成される。サーバ600は、携帯端末100及び充電スタンド300の各々と通信可能に構成される。また、サーバ600は、バッテリ210の充電中に充電スタンド300を経由して車両200と通信するように構成されてもよい。ユーザは入力装置640を通じてサーバ600に情報(制御装置610に対する指令を含む)を入力できる。入力装置640は、キーボード又はタッチパネルであってもよいし、音声入力を受け付けるスマートスピーカであってもよい。表示装置650は、制御装置610からの指示に従い、ユーザに情報を表示する。
【0063】
この実施の形態では、記憶装置620に記憶されているプログラムを制御装置610(プロセッサ)が実行することで、サーバ600における各種処理が実行される。ただし、サーバ600における各種処理は、ソフトウェアによる実行に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。
【0064】
この実施の形態に係る給電システム1は、一列に連なる複数の駐車枠を備える。サーバ600は、駐車枠の予約開始時刻及び予約終了時刻を指定する予約要求を受け付けるように構成される。サーバ600は、予約要求を受けたときに、その予約要求が指定する予約期間(すなわち、予約開始時刻から予約終了時刻までの期間)について空き枠が存在する場合には、その予約期間について1つの空き枠を予約する。なお、この実施の形態に係る空き枠は、予約期間において予約されていない駐車枠である。
【0065】
図4は、この実施の形態に係る給電システム1が備えるステーションSt1の第1の状態を示す平面図である。
図4において、車両200a、200c、及び200gの各々は、
図1に示した車両200と同じ構成を有する。また、充電スタンド300a~300gの各々は、
図1に示した充電スタンド300と同じ構成を有する。駐車枠400a~400gの各々は、
図1に示した駐車枠400に対応する。
【0066】
図4を参照して、ステーションSt1は、電動車両用の充電ステーションに相当する。ステーションSt1は道路500に隣接する。ステーションSt1は、駐車枠400a~400gと、充電スタンド300a~300gとを含む。充電スタンド300a~300gは、それぞれ駐車枠400a~400gに対して設けられている。駐車枠400a~400gには、それぞれ駐車センサ410a~410gが設けられている。駐車枠400a~400gは複数の仕切り線L1によって横並び(横列)に区画されている。駐車枠400a~400gは、各駐車枠の短手方向(長手方向に直交する方向)に沿って設けられている。充電スタンドは駐車枠ごとに設けられている。駐車枠に対応する充電スタンドは、その駐車枠の長手方向に隣接する位置に設置されている。駐車枠400a~400gと充電スタンド300a~300gとの間には、仕切り線L2が引かれている。仕切り線L1及びL2は、ユーザが視認可能に設けられる。仕切り線L1及びL2の各々は、地面に描かれた線(たとえば、白線)であってもよい。また、駐車枠の識別情報(A~G)も、ユーザが視認可能に表示されている。
【0067】
ステーションSt1は、道路500からステーションSt1に入るための入り口510を充電スタンド300a~300g側に有し、ステーションSt1から道路500に出るための出口520を駐車枠400a~400g側に有する。駐車枠400a~400gの各々は、当該駐車枠内において車両の後面が充電スタンド側を向くように駐車される。充電スタンド300a~300gの各々は、車体後部にインレットが設けられた車両用のEVSEである。
【0068】
図4に示す状態では、車両200a、200c、200gがそれぞれ駐車枠400a、400c、400gに駐車され、駐車枠400b、400d、400e、及び400fの各々は駐車されていない。たとえば、ある期間について、ステーションSt1が備える複数の駐車枠のうち、駐車枠400a、400c、及び400gが予約された場合には、ステーションSt1は上記期間において
図4に示す状態になると考えられる。この場合、予約されていない駐車枠400b、400d、400e、及び400fの各々は空き枠に相当する。サーバ600は、空き枠(予約されていない駐車枠)に対応する充電スタンドを収納状態(充電スタンドが地面下に収納された状態)に維持するように構成される。このため、空き枠に対応する充電スタンド(たとえば、充電スタンド300b、300d、300e、及び300f)は収納状態になる。
【0069】
また、サーバ600は、駐車されていない駐車枠に対応する充電スタンドも、収納状態に維持するように構成される。たとえば、ステーションSt1が備える複数の駐車枠のうち、駐車枠400a、400c、400e、及び400gが予約され、駐車枠400a、400c、及び400gの各々に対する駐車は完了したが、駐車枠400eに対する駐車は行なわれていない場合、ステーションSt1は
図4に示す状態になる。この場合、駐車枠400b、400d、及び400fの各々が空き枠に相当する。サーバ600は、これらの空き枠に対応する充電スタンド300b、300d、及び300fに加えて、駐車されていない駐車枠400eに対応する充電スタンド300eを収納状態に維持する。以下、
図5を用いて、駐車枠400eが駐車されるまでの流れについて説明する。
【0070】
図5は、この実施の形態に係る給電システム1が備えるステーションSt1の第2の状態を示す平面図である。
図5において、車両200eは、
図1に示した車両200と同じ構成を有する。
図5を参照して、駐車された駐車枠に対応する充電スタンド300a、300c、300gの各々は、地面上に突出した状態(たとえば、
図2に示した可動部301が上昇した状態)になっている。一方、充電スタンド300eは、駐車枠400eが駐車されるまでは収納状態(
図1参照)になっている。車両200eは、道路500を走行してステーションSt1に近づき、入り口510からステーションSt1に入って、収納状態の充電スタンド300eの上を通って、駐車枠400eに駐車される。両隣の充電スタンド300d及び300fが収納状態になっているため、ユーザは車両200eを駐車枠400eに駐車しやすい。車両200eが駐車枠400eに駐車された後、充電スタンド300eの可動部301が上昇し、充電スタンド300eが地面上に突出した状態で車両200eのバッテリ210の充電が行なわれる(
図2参照)。充電はプラグイン状態で行なわれる。充電が完了すると、車両200e及び充電スタンド300eはプラグアウト状態にされる。その後、車両200eは、出口520からステーションSt1を出て道路500に戻る。一方、サーバ600は、充電スタンド300eを収納状態に戻す。車両200eは、駐車枠400eから充電スタンド300eの上を通らずに出口520に移動できるため、充電終了後に充電スタンド300eの下降を待たなくてよい。
【0071】
再び
図3を参照して、サーバ600は、ステーションSt1を管理するように構成される。サーバ600は、駐車枠400a~400g及び充電スタンド300a~300gを管理するための情報を記憶装置620に保有する。サーバ600には、複数の車両と、複数のユーザ(より特定的には、車両ユーザ)と、複数の駐車枠(たとえば、
図4に示した駐車枠400a~400g)とが登録されている。また、ユーザとともにユーザ端末(たとえば、
図1に示した携帯端末100)も、サーバ600に登録されている。サーバ600は、登録された各ユーザの情報(以下、「ユーザ情報」とも称する)と、登録された各車両の情報(以下、「車両情報」とも称する)と、登録された各駐車枠の情報(以下、「駐車枠情報」とも称する)とを管理するように構成される。ユーザ端末に関する情報は、ユーザ情報及び車両情報の少なくとも一方に含まれる。ユーザ情報、車両情報、及び駐車枠情報は、記憶装置620に記憶される。
【0072】
ユーザを識別するための識別情報(ユーザID)がユーザごとに付与されており、サーバ600はユーザ情報をユーザIDで区別して管理している。ユーザIDは、ユーザ端末を識別する情報(端末ID)としても機能する。ユーザ情報には、たとえば、ユーザが携帯する携帯端末の通信アドレス及び位置情報と、ユーザに帰属する車両を識別する情報(車両ID)とが含まれる。また、車両を識別するための識別情報(車両ID)が車両ごとに付与されており、サーバ600は車両情報を車両IDで区別して管理している。車両情報には、たとえば、車種と、車両の仕様(たとえば、インレットの位置)と、サーバ600がユーザ端末から受信した情報(たとえば、車両の走行計画)とが含まれる。
【0073】
さらに、駐車枠を識別するための識別情報(駐車枠ID)が駐車枠ごとに付与されており、サーバ600は駐車枠情報を駐車枠IDで区別して管理している。駐車枠IDは、駐車枠に対して設けられた充電スタンド(EVSE)を識別する情報としても機能する。駐車枠情報には、駐車枠の位置と、駐車枠の状態(たとえば、駐車の有無)と、駐車枠の予約に関する予約情報と、駐車枠に対して設けられた充電スタンドに関するEVSE情報とが含まれる。
図3に示すように、予約情報は、たとえば、駐車枠の予約の有無を示す情報を含み、予約された駐車枠に関しては、予約開始時刻、予約終了時刻、及び予約したユーザの識別情報(ユーザID)をさらに含む。EVSE情報は、充電スタンドの接続状態(プラグイン状態/プラグアウト状態)と、プラグイン状態の充電スタンドと車両との組合せ(車両ID及び駐車枠ID)と、充電スタンドの給電状態(給電中/給電停止)とが含まれる。
【0074】
サーバ600は、
図4に示すステーションSt1を監視するように構成される。サーバ600は、充電スタンド300a~300gの各々から逐次取得する情報と、駐車センサ410a~410gの各々から逐次取得する情報とに基づいて、上記駐車枠情報を更新する。また、サーバ600は、駐車枠が予約された場合と、駐車枠の予約がキャンセルされた場合との各々において、上記予約情報を更新する。
【0075】
サーバ600は、予約要求を受けた場合に、予約要求が指定する予約期間について、空き枠の中から両隣空き枠を優先して予約するように構成される。この実施の形態では、サーバ600が、予約要求を受けた場合に、空き枠のうち、両隣予約枠よりも片隣空き枠を優先して予約し、かつ、片隣空き枠よりも両隣空き枠を優先して予約するように構成される。両隣予約枠は、予約要求が指定する予約開始時刻において両隣が予約されている空き枠である。片隣空き枠は、予約要求が指定する予約開始時刻において片方の隣が予約されていない空き枠である。両隣空き枠は、予約要求が指定する予約開始時刻において両隣が予約されていない空き枠である。たとえば、
図4に示すステーションSt1で、予約要求が指定する予約開始時刻において駐車枠400a、400c、及び400gが予約され、他の駐車枠が予約されていない場合には、駐車枠400bが両隣予約枠に相当し、駐車枠400d及び400fの各々が片隣空き枠に相当し、駐車枠400eが両隣空き枠に相当する。
【0076】
図6は、この実施の形態に係る給電システム1が備えるステーションSt1の第3の状態を示す平面図である。
図6を参照して、予約要求が指定する予約期間においてステーションSt1が
図6に示す状態になっていると予想される場合、すなわち予約要求が指定する予約開始時刻において駐車枠400a、400c、400d、及び400gが予約され、他の駐車枠が予約されていない場合には、駐車枠400bが両隣予約枠に相当し、駐車枠400e及び400fの各々が片隣空き枠に相当する。たとえば、駐車枠400a~400gの各々の予約開始時刻が同じであり、駐車枠400b、400e、及び400fの各々の予約終了時刻が他の駐車枠よりも早い場合に、上記のような予約状況になり得る。
【0077】
図7は、サーバ600が駐車枠を予約する処理を示すフローチャートである。サーバ600は、予約要求を受けると、
図7に示す一連の処理を実行する。たとえば、
図1に示した車両200のユーザは、携帯端末100(ユーザ端末)を操作して、サーバ600に予約要求を送信することができる。ユーザは、予約要求に予約開始時刻及び予約終了時刻を含めることができる。ユーザは、携帯端末100のアプリを通じて、所定間隔で任意の時刻を設定できる。たとえば、ユーザが、0時0分、0時30分、1時0分、・・・のように、30分間隔で予約開始時刻及び予約終了時刻の各々を設定できるように、上記アプリがプログラミングされていてもよい。以下、フローチャート中の各ステップを、単に「S」と表記する。
【0078】
図1~
図4とともに
図7を参照して、S11では、上記予約要求に基づいて、サーバ600が予約期間を取得する。この実施の形態では、予約要求が予約開始時刻及び予約終了時刻を指定するため、サーバ600は、予約開始時刻から予約終了時刻までの期間を、予約期間として決定する。ただし、予約要求が予約終了時刻を含むことは必須ではない。予約要求が予約終了時刻を含まない形態では、サーバ600は、予約要求が指定する予約開始時刻から所定時間経過した時刻を、予約終了時刻として決定してもよい。
【0079】
S12では、上記予約期間について空き枠がステーションSt1(
図4)に存在するか否かを、サーバ600が判断する。この実施の形態では、予約期間において予約されていない駐車枠(すなわち、予約開始時刻から予約終了時刻までにわたって予約が無い駐車枠)を、空き枠とする。ただし、予約要求が予約終了時刻を含まない形態では、サーバ600は、予約開始時刻において予約されていないか否かに基づいて、駐車枠が空き枠に該当するか否かを判断してもよい。
【0080】
ステーションSt1に含まれる駐車枠400a~400gがいずれも空き枠に該当しない場合には、S12においてNOと判断され、処理がS31に進む。S31では、サーバ600が、予約期間について空き枠が存在しないことを、予約要求を行なったユーザに通知する。具体的には、サーバ600は、予約要求を行なったユーザの端末(たとえば、携帯端末100)に対して、予約状況(予約期間について空き枠が存在しないことを含む)を示す信号(以下、「第1通知信号」とも称する)を送信する。サーバ600は、S31の処理を実行した後、駐車枠を予約することなく、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0081】
携帯端末100は、上記第1通知信号を受信すると、所定の報知処理を実行する。
図8は、第1通知信号を受信した携帯端末100(ユーザ端末)が実行する報知処理について説明するための図である。携帯端末100は、上記第1通知信号を受信すると、たとえば
図8に示す画面を表示する。この画面は、予約期間について空き枠が存在しないことをユーザに伝えるメッセージを含む。ユーザが、携帯端末100を操作して、別の予約期間を指定する予約要求をサーバ600に送信すると、サーバ600は、再び
図7に示す一連の処理を開始する。
【0082】
再び
図1~
図4とともに
図7を参照して、ステーションSt1に含まれる駐車枠400a~400gのいずれかが空き枠に該当する場合には、S12においてYESと判断され、処理がS13に進む。S13では、空き枠の中に両隣空き枠(すなわち、予約要求が指定する予約開始時刻において両隣が予約されていない空き枠)が含まれるか否かを、サーバ600が判断する。空き枠の中に両隣空き枠が含まれる場合には、S13においてYESと判断され、処理がS21に進む。S21では、サーバ600は、上記予約期間について両隣空き枠を予約する。たとえば、予約要求が指定する予約開始時刻において駐車枠400a、400c、及び400gが予約され、他の駐車枠が予約されていない場合(
図4参照)には、サーバ600は駐車枠400eを予約する。
【0083】
駐車枠400a~400gの全てが空き枠に該当する場合には、駐車枠400a~400gの各々が両隣空き枠に該当する。空き枠の中に複数の両隣空き枠が含まれる場合には、サーバ600は、S21において1つの両隣空き枠を選んで予約する。サーバ600は、ランダムに1つの両隣空き枠を選んでもよいし、所定の規則に従って1つの両隣空き枠を選んでもよい。サーバ600は、たとえば予約期間の長さに基づいて1つの両隣空き枠を選んでもよい。サーバ600は、予約期間が基準時間よりも長い場合には、複数の両隣空き枠のうち最も奥(駐車枠400g側)に位置する両隣空き枠を選び、予約期間が上記基準時間よりも短い場合には、複数の両隣空き枠のうち最も手前(駐車枠400a側)に位置する両隣空き枠を選んでもよい。手前の駐車枠に長時間駐車されると、車両がステーションSt1に出入りしにくくなる傾向がある。そこで、上記のように長時間の予約を要求するユーザに対して奥の駐車枠を割り当てることで、車両がステーションSt1に出入りしやすくなる。
【0084】
上記のように、サーバ600は、ユーザからの予約要求に応じて1つの駐車枠を予約する(S21)。そして、サーバ600は、記憶装置620に記憶されている駐車枠情報(より特定的には、予約情報)を更新する。その後、サーバ600は、S32において、予約された駐車枠の識別情報及びその両隣の予約状況を、予約要求を行なったユーザに通知する。具体的には、サーバ600は、予約要求を行なったユーザの端末(たとえば、携帯端末100)に対して、予約された駐車枠の識別情報(駐車枠ID)と、予約された駐車枠が両隣空き枠であること(すなわち、予約された駐車枠の両隣が予約されていないこと)とを示す信号(以下、「第2通知信号」とも称する)を送信する。
【0085】
携帯端末100は、上記第2通知信号を受信すると、所定の報知処理を実行する。
図9は、第2通知信号を受信した携帯端末100(ユーザ端末)が実行する報知処理について説明するための図である。携帯端末100は、上記第2通知信号を受信すると、たとえば
図9に示す画面を表示する。この画面は、駐車枠の予約が完了したことをユーザに伝えるメッセージと、予約期間と、その予約期間について予約された駐車枠(たとえば、駐車枠400e)の識別情報(たとえば、E)と、予約された駐車枠の両隣の予約状況(より特定的には、予約の有無)とを表示する。表示終了後も、ユーザは任意のタイミングで上記報知処理を携帯端末100に実行させることができる。
【0086】
再び
図1~
図4とともに
図7を参照して、空き枠の中に両隣空き枠が含まれない場合には、S13においてNOと判断され、処理がS14に進む。S14では、空き枠の中に片隣空き枠(すなわち、予約要求が指定する予約開始時刻において片方の隣が予約されていない空き枠)が含まれるか否かを、サーバ600が判断する。空き枠の中に片隣空き枠が含まれる場合には、S14においてYESと判断され、処理がS22に進む。S22では、サーバ600は、上記予約期間について片隣空き枠を予約する。空き枠の中に複数の片隣空き枠が含まれる場合には、サーバ600は、S22において1つの片隣空き枠を選んで予約する。サーバ600は、ランダムに1つの片隣空き枠を選んでもよいし、所定の規則に従って1つの片隣空き枠を選んでもよい。サーバ600は、たとえば両隣予約枠が生じないように1つの片隣空き枠を選んでもよい。たとえば、予約要求が指定する予約開始時刻において駐車枠400a、400c、400d、及び400gが予約され、他の駐車枠が予約されていない場合(
図6参照)において、駐車枠400e(片隣空き枠)が選ばれると、駐車枠400dが両隣予約枠になる。こうした予約状況では、サーバ600は、両隣予約枠が生じないように、駐車枠400f(片隣空き枠)を選んでもよい。
【0087】
上記のように、サーバ600は、ユーザからの予約要求に応じて1つの駐車枠を予約する(S22)。そして、サーバ600は、記憶装置620に記憶されている駐車枠情報(より特定的には、予約情報)を更新する。その後、サーバ600は、S33において、予約された駐車枠の識別情報及びその両隣の予約状況を、予約要求を行なったユーザに通知する。具体的には、サーバ600は、予約要求を行なったユーザの端末(以下、「要求ユーザ端末」とも称する)に対して、予約された駐車枠の識別情報(駐車枠ID)と、予約された駐車枠が片隣空き枠であること(すなわち、予約された駐車枠の片方の隣が予約されていること)とを示す信号(以下、「第3通知信号」とも称する)を送信する。また、サーバ600は、予約要求に応じて予約された駐車枠の隣の駐車枠を予約しているユーザの端末(以下、「隣ユーザ端末」とも称する)に対して、隣の駐車枠が予約されたことを示す信号(以下、「隣予約通知信号」とも称する)を送信する。要求ユーザ端末及び隣ユーザ端末の各々は、たとえば
図1に示した携帯端末100である。
【0088】
要求ユーザ端末は、上記第3通知信号を受信すると、所定の報知処理を実行する。
図10は、第3通知信号を受信した要求ユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。要求ユーザ端末は、上記第3通知信号を受信すると、たとえば
図10に示す画面を表示する。この画面は、駐車枠の予約が完了したことをユーザに伝えるメッセージと、予約期間と、その予約期間について予約された駐車枠(たとえば、駐車枠400f)の識別情報(たとえば、F)と、予約された駐車枠の両隣の予約状況(より特定的には、予約の有無)とを表示する。表示終了後も、ユーザは任意のタイミングで上記報知処理を要求ユーザ端末に実行させることができる。
【0089】
隣ユーザ端末は、上記隣予約通知信号を受信すると、所定の報知処理を実行する。
図11は、隣予約通知信号を受信した隣ユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。隣ユーザ端末は、上記隣予約通知信号を受信すると、たとえば
図11に示す画面を表示する。この画面は、当該ユーザが予約した駐車枠の隣の駐車枠が予約されたことをユーザに伝えるメッセージと、当該ユーザの予約内容(たとえば、駐車枠ID及び予約期間)と、当該ユーザが予約した駐車枠の両隣の予約状況(より特定的には、予約の有無)とを表示する。表示終了後も、ユーザは任意のタイミングで上記報知処理を隣ユーザ端末に実行させることができる。
【0090】
再び
図1~
図4とともに
図7を参照して、空き枠の中に片隣空き枠が含まれない場合には、S14においてNOと判断され、処理がS23に進む。S23では、サーバ600は、上記予約期間について1つの空き枠を予約する。S14においてNOと判断されることは、全ての空き枠が両隣予約枠であることを意味する。このため、S23では両隣予約枠が予約される。複数の空き枠(両隣予約枠)が存在する場合には、サーバ600は、S23において1つの空き枠を選んで予約する。サーバ600は、ランダムに1つの空き枠を選んでもよいし、所定の規則に従って1つの空き枠を選んでもよい。たとえば、サーバ600は、隣り合う駐車枠の予約終了時刻がずれるように1つの空き枠を選んでもよい。サーバ600は、各予約済み駐車枠(他のユーザによって予約された各駐車枠)の予約終了時刻を確認して、予約済み駐車枠の中に、予約要求が指定する予約終了時刻とは異なる予約終了時刻の駐車枠が存在する場合には、その駐車枠の隣を優先的に選んでもよい。隣り合う駐車枠の予約終了時刻がずれることで、充電終了後の作業(たとえば、プラグアウト作業)をユーザが行ないやすくなる。
【0091】
上記のように、サーバ600は、ユーザからの予約要求に応じて1つの駐車枠を予約する(S23)。そして、サーバ600は、記憶装置620に記憶されている駐車枠情報(より特定的には、予約情報)を更新する。その後、サーバ600は、S34において、予約された駐車枠の識別情報及びその両隣の予約状況を、予約要求を行なったユーザに通知する。具体的には、サーバ600は、要求ユーザ端末(予約要求を行なったユーザの端末)に対して、予約された駐車枠の識別情報(駐車枠ID)と、予約された駐車枠が両隣予約枠であること(すなわち、予約された駐車枠の両隣が予約されていること)とを示す信号(以下、「第4通知信号」とも称する)を送信する。また、サーバ600は、第1隣ユーザ端末及び第2隣ユーザ端末の各々に対して、隣予約通知信号(隣の駐車枠が予約されたことを示す信号)を送信する。第1隣ユーザ端末及び第2隣ユーザ端末の各々は、予約要求に応じて予約された駐車枠の隣の駐車枠を予約しているユーザの端末である。要求ユーザ端末、第1隣ユーザ端末、及び第2隣ユーザ端末の各々は、たとえば
図1に示した携帯端末100である。
【0092】
図12は、第4通知信号を受信した要求ユーザ端末が実行する報知処理について説明するための図である。要求ユーザ端末は、上記第4通知信号を受信すると、たとえば
図12に示す画面を表示する。
図12に示す画面が表示する内容は、
図10に示した画面に準ずる。表示終了後も、ユーザは任意のタイミングで上記報知処理を要求ユーザ端末に実行させることができる。
図13は、隣予約通知信号を受信した隣ユーザ端末(第1隣ユーザ端末及び第2隣ユーザ端末)が実行する報知処理について説明するための図である。第1隣ユーザ端末及び第2隣ユーザ端末の各々は、上記隣予約通知信号を受信すると、たとえば
図13に示す画面を表示する。
図13に示す画面が表示する内容は、
図11に示した画面に準ずる。表示終了後も、ユーザは任意のタイミングで上記報知処理を各隣ユーザ端末に実行させることができる。
【0093】
サーバ600は、予約要求を受けた場合に、上記
図7に示した処理により駐車枠を予約するように構成される。上記
図7に示した処理では、サーバ600が、空き枠の中から両隣空き枠を優先して予約する。このため、ユーザは両隣空き枠(すなわち、駐車しやすい駐車枠)を予約しやすくなる。
【0094】
サーバ600は、予約キャンセル要求に応じて駐車枠の予約をキャンセルするように構成される。
図14は、サーバ600が駐車枠の予約をキャンセルする処理を示すフローチャートである。サーバ600は、予約キャンセル要求を受けると、
図14に示す一連の処理を実行する。たとえば、
図1に示した車両200のユーザは、携帯端末100(ユーザ端末)を操作して、キャンセル対象(たとえば、予約開始時刻及び駐車枠)を指定する予約キャンセル要求を、サーバ600に送信することができる。以下、キャンセル対象の駐車枠を「第1駐車枠」、キャンセル対象の駐車枠の隣に位置する駐車枠を「第2駐車枠」と称する。
【0095】
図1~
図4とともに
図14を参照して、S51では、キャンセル対象の予約開始時刻において第2駐車枠が予約されているか否かを、サーバ600が判断する。
【0096】
S51においてYES(予約あり)と判断された場合には、サーバ600は、S52において、第2駐車枠を予約しているユーザに対して、第1駐車枠の予約がキャンセルされたことを通知する。以下、この通知を「キャンセル通知」と称する。第1駐車枠の両隣が予約されている場合には、複数の第2駐車枠が存在するため、サーバ600は、第2駐車枠を予約している各ユーザに対してキャンセル通知を行なう。キャンセル通知を受けたユーザ端末(たとえば、携帯端末100)は所定の報知処理を実行する。ユーザ端末は、たとえば、当該ユーザが予約した駐車枠の隣の駐車枠の予約がキャンセルされたことをユーザに伝えるメッセージと、当該ユーザが予約した駐車枠の両隣の予約状況(より特定的には、予約の有無)とを表示する。
【0097】
S52でキャンセル通知が行なわれると、処理はS53に進む。また、S51においてNO(予約なし)と判断された場合にも、処理はS53に進む。S53では、予約キャンセル要求が指定するキャンセル対象(駐車枠の予約)を、サーバ600がキャンセルする。そして、サーバ600は、記憶装置620に記憶されている駐車枠情報(より特定的には、予約情報)を更新する。
【0098】
サーバ600は、予約要求に基づいて駐車枠が予約された場合には、予約期間における、当該予約された駐車枠に対応する充電スタンドの利用を、予約要求を行なったユーザに対してのみ許可する。具体的には、サーバ600は、予約要求を行なったユーザに、予約要求に応じて予約された駐車枠を予約期間において独占的に利用する権限(以下、「利用権限」とも称する)を付与する。ただし、予約がキャンセルされた場合には、利用権限もキャンセルされる。
【0099】
なお、上述した第1~第4通知信号、隣予約通知信号、及びキャンセル通知の各々を受けるユーザ端末は、携帯端末100に限られず、適宜変更可能である。ユーザに各通知を行なう信号は、たとえばユーザに帰属する車両へ送信されてもよい。そして、車両に搭載された報知装置(たとえば、ナビゲーションシステム、ヘッドアップディスプレイ、又はメータパネル)が報知処理を実行してもよい。ユーザ端末は、車両がステーションSt1に入ったとき(又は、予約された駐車枠に車両が近づいたとき)に、予約された駐車枠の位置をユーザに報知してもよい。
【0100】
図15は、サーバ600が管理する充電スタンド(EVSE)の利用開始に係る処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、ステーションSt1に含まれる複数の充電スタンド(充電スタンド300a~300g)のうち、収納状態の充電スタンドを対象として繰り返し実行される。収納状態の充電スタンドが複数存在する場合には、充電スタンドごとに処理が実行される。以下では、処理の対象となる充電スタンドを、「対象スタンド」と称する。
【0101】
図1~
図4とともに
図15を参照して、S61では、対象スタンドに対応する駐車枠が駐車されているか否かを、サーバ600が判断する。たとえば、
図1に示した車両200が上記駐車枠に駐車されると、S61においてYESと判断される。
【0102】
S61においてYESと判断された場合には、サーバ600は、S62において、対象スタンドの環境が利用開始に適しているか否かを判断する。たとえば、対象スタンドの可動部301(
図1)の上昇が妨げられる環境は、対象スタンドの利用開始に適していない。この実施の形態では、サーバ600が、対象スタンドから環境センサ342(
図1)の検出結果を取得する。そして、対象スタンドの近傍に物体及び生体がいずれも存在しない場合に、サーバ600は、S62においてYESと判断する。他方、対象スタンドの近傍に物体及び生体の少なくとも一方が存在する場合には、サーバ600は、S62においてNOと判断する。
【0103】
S62においてYESと判断された場合には、サーバ600は、S63において、対象スタンドについてユーザ認証を行ない、ユーザ認証が成功したか否かを判断する。具体的には、サーバ600は、現在時刻と、対象スタンドに対応する駐車枠の識別情報(駐車枠ID)とに基づき予約情報を検索して、対象スタンドの利用権限を有するユーザの識別情報(ユーザID)を取得する。続けて、サーバ600は、対象スタンドの利用権限を有するユーザに対して、認証コードを発行するとともに、認証コードの返信を要求する。たとえば、サーバ600は、ユーザIDに対応する携帯端末100(
図1)へ認証コードを送信する。ユーザは、携帯端末100を操作することにより、認証コードを返信できる。サーバ600は、上記要求に応じた返信を受けた場合に、ユーザ認証が成功した(S63にてYES)と判断する。他方、認証コードを発行してから所定時間が経過しても、上記要求に応じた返信がない場合には、サーバ600は、ユーザ認証が失敗した(S63にてNO)と判断する。
【0104】
S61~S63の全てでYESと判断されると、処理はS64に進む。S64では、サーバ600が、対象スタンドの可動部301(
図1)を第1位置(収納位置)から第2位置(給電位置)に上昇させる。具体的には、対象スタンドの制御装置330が、サーバ600と無線通信して、サーバ600からの指示に従い、アクチュエータ320(
図1)を制御する。サーバ600は、プラグイン可能な位置まで可動部301を上昇させる(
図2参照)。これにより、ユーザが対象スタンドを利用できるようになる。
【0105】
以下、
図2を用いて、対象スタンドの利用例について説明する。
図2を参照して、ユーザは、対象スタンド(充電スタンド300)のケーブル収納部からコネクタ311を取り出して、車両200(対象スタンドに対応する駐車枠に駐車された車両)のインレット211にコネクタ311を接続する。これにより、車両200及び対象スタンドがプラグイン状態になる。
【0106】
対象スタンドがプラグイン状態になると、サーバ600(
図3)は、対象スタンドに給電を開始させる。具体的には、対象スタンドの制御装置330が、サーバ600と無線通信して、サーバ600からの指示に従い、電源回路310を制御する。電源回路310は、交流電源350から供給される交流電力を、車両200に対する給電に適した交流電力に変換(たとえば、変圧)し、変換後の電力をコネクタ311(インレット211に接続されたプラグ)に供給する。そして、コネクタ311からインレット211に電力が入力される。インレット211に入力された電力は、充電器212を経てバッテリ210に供給される。バッテリ210の充電中は、制御装置330が給電電力を調整するように電源回路310を制御するとともに、ECU230が充電電力を調整するように充電器212を制御する。
【0107】
バッテリ210の充電が完了すると、ユーザは、対象スタンドのタッチパネルディスプレイ313を操作して、給電停止を指示する停止指示を対象スタンドに入力する。ただし、バッテリ210が満充電状態になったときには、ECU230から制御装置330へ自動的に停止指示が送られる。また、対象スタンドに対応する駐車枠の予約終了時刻が到来すると、サーバ600(
図3)が対象スタンドへ停止指示を送信する。対象スタンドは、停止指示に従い、給電を停止する。その後、ユーザは、車両200のインレット211からコネクタ311を引き抜いて、コネクタ311及び給電ケーブル312をケーブル収納部に収納する。これにより、車両200及び対象スタンドがプラグアウト状態になる。ユーザが給電ケーブル312をケーブル収納部に戻すと、制御装置330は、可動部301を可動範囲R2の下限位置P1まで下降させる。こうして、対象スタンドは再び収納状態になる。なお、対象スタンドの給電口がコンセントである形態では、コンセントから給電ケーブルが取り外されたときに、対象スタンドの制御装置330が可動部301を下降させてもよい。
【0108】
図15のS61~S63のいずれかにおいてNOと判断されると、サーバ600は、対象スタンドの可動部301(
図1)を上昇させない。これにより、対象スタンドは収納状態に維持される。上記実施の形態では、S62及びS63において所定の上昇条件が成立するか否かが判断され、S62及びS63の両方でYESと判断されると、上昇条件が成立する。しかしこれに限られず、上昇条件は適宜変更可能である。たとえば、S62の要件を割愛してもよい。
【0109】
車両の構成は、
図1及び
図2に示した構成に限られない。車両のインレットは、車体前面、車体側面、及び車体後面のいずれに設けられてもよい。また、車両のインレットは車体下面(床下)に設けられてもよい。給電システム1は、地下からせり上がって車体下面のインレットにプラグを接続する地下式給電設備を含んでもよい。
【0110】
給電システム1が備えるステーションの構成も、
図4に示した構成に限られない。ステーションに含まれる駐車枠の数及びレイアウトは適宜変更可能である。ステーションは、2列以上の駐車枠を備えてもよい。また、ステーションは、道路上に駐車枠を備えてもよい。道路上に設けられた駐車枠に対応する地下式給電設備が、路上駐車された車両に給電を行なうように構成されてもよい。さらに、ステーションに含まれる地下式給電設備の給電方式も適宜変更可能である。給電システム1は、
図4に示したステーションSt1に代えて又は加えて、以下に説明する
図16~
図18に示すステーションSt2~St4の少なくとも1つを備えてもよい。
【0111】
図16は、給電システム1が備えるステーションの第1変形例を示す図である。
図16を参照して、ステーションSt2は道路500Aに隣接する。ステーションSt2では、
図4に示した入り口510及び出口520がそれぞれ出入り口510A及び出入り口520Aに変更されている。ステーションSt2では、車体後部にインレットが設けられた車両だけでなく、車体前部にインレットが設けられた車両も、充電スタンド300e~300gを利用できる。
【0112】
図17は、給電システム1が備えるステーションの第2変形例を示す図である。
図17を参照して、ステーションSt3は道路500Bに隣接する。ステーションSt3における複数の駐車枠(駐車枠400a,400b,400c,400d,・・・)は、道路500Bに沿って一列に連なる。ステーションSt3における複数の駐車枠は複数の仕切り線L3によって縦並び(縦列)に区画されている。ステーションSt3における複数の駐車枠は、各駐車枠の長手方向に沿って設けられている。ステーションSt3における複数の充電スタンド(充電スタンド300a,300b,300c,300d,・・・)の各々は、車体左側面にインレットが設けられた車両用のEVSEである。
【0113】
図18は、給電システム1が備えるステーションの第3変形例を示す図である。
図18を参照して、ステーションSt4は道路500Cに隣接する。ステーションSt4における複数の駐車枠(駐車枠400a,400b,400c,400d,・・・)は、道路500Cに沿って一列に連なる。ステーションSt4における複数の駐車枠は複数の仕切り線L4によって縦並び(縦列)に区画されている。ステーションSt4における複数の駐車枠は、各駐車枠の長手方向に沿って設けられている。ステーションSt4における複数の充電スタンド(充電スタンド300a,300b,300c,300d,・・・)の各々は、車体右側面にインレットが設けられた車両用のEVSEである。
【0114】
サーバ600が様々なステーションを管理する場合に、サーバ600が、予約要求を行なったユーザに帰属する車両が備えるインレットの位置を考慮せずに駐車枠の予約を行なうと、予約された駐車枠に対応する充電スタンド(EVSE)をユーザが利用できない可能性がある。そこで、給電システム1が複数のステーション(たとえば、ステーションSt1~St4)を備える形態では、サーバ600が、ユーザに帰属する車両の位置と、当該車両が備えるインレットの位置とを用いて、上記複数のステーションの中から1つのステーションを選択してもよい。こうした構成では、ユーザが利用できる充電スタンドが予約されやすくなる。たとえば、サーバ600は、予約要求を受けたときに、
図7に示した処理の代わりに、以下に説明する
図19に示す処理を実行してもよい。
【0115】
図19は、変形例に係るサーバ600が駐車枠を予約する処理を示すフローチャートである。以下、サーバ600に対して予約要求を行なったユーザに帰属する車両を、「対象車両」と称する。
【0116】
図1~
図3とともに
図19を参照して、S71では、サーバ600が、所定タイミングにおける対象車両の位置を取得する。所定タイミングは、現在時刻であってもよいし、予約要求が指定する予約開始時刻近傍(たとえば、予約開始時刻から所定時間さかのぼったタイミング)であってもよい。所定タイミングが現在時刻である形態では、サーバ600は、対象車両の現在位置を示す情報(たとえば、GPS(Global Positioning System)に基づく位置情報)を対象車両から取得してもよい。所定タイミングが予約開始時刻近傍である形態では、サーバ600は、ユーザ端末から受信した対象車両の走行計画を用いて、所定タイミングにおける対象車両の位置を推定してもよい。
【0117】
続けて、サーバ600は、S72において、記憶装置620が保有する情報を検索して、対象車両が備えるインレットの位置を取得する。そして、サーバ600は、S73において、S71で取得した対象車両の位置と、S72で取得したインレットの位置とを用いて、給電システム1が備える複数のステーションの中から1つのステーションを選択する。具体的には、サーバ600は、対象車両が利用できる充電スタンドを有し、かつ、そのうちの少なくとも1つに対応する駐車枠が空き枠になっており、かつ、S71で取得した対象車両の位置から所定範囲内にあるステーションを選択する。サーバ600は、インレットの位置に加えてインレットの仕様(AC/DC、充電規格など)も考慮して、対象車両が利用できる充電スタンドを特定してもよい。
【0118】
S74では、サーバ600が、上記のように選択された1つのステーションに含まれる複数の駐車枠の中から、1つの駐車枠を予約する。具体的には、サーバ600は、
図7に示した処理により駐車枠の予約を行なう。ただし、S74では、対象車両が利用できる充電スタンドに対応する駐車枠のみを、予約の対象とする。上記
図19に示す処理によれば、対象車両のユーザが、所定タイミング(たとえば、現在時刻又は予約開始時刻近傍)における対象車両の位置に近くて、対象車両が利用できる充電スタンドを予約しやすくなる。これにより、ユーザが充電スタンド(地下式給電設備)を利用しやすくなる。
【0119】
車両は、EVに限られず、PHV(プラグインハイブリッド車両)であってもよい。車両は、DC(直流)充電可能に構成されてもよい。給電設備は、DC方式の地下式給電設備であってもよい。
図1に示した充電器212の電力変換回路は、車両ではなく給電設備に搭載されてもよい。車両は、乗用車に限られず、バス又はトラックであってもよい。車両は、自動運転可能に構成されてもよいし、飛行機能を備えてもよい。車両は、無人で走行可能な車両(たとえば、無人搬送車(AGV)又は農業機械)であってもよい。
【0120】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0121】
1 給電システム、100 携帯端末、200 車両、210 バッテリ、210a 監視モジュール、211 インレット、212 充電器、221 モータジェネレータ、222 インバータ、230 ECU、240 通信機器、300,300a~300g 充電スタンド、301 可動部、301a 頂面、302 固定部、310 電源回路、311 コネクタ、312 給電ケーブル、313 タッチパネルディスプレイ、320 アクチュエータ、330 制御装置、331 プロセッサ、332 RAM、333 記憶装置、334 タイマ、341 通信装置、342 環境センサ、350 交流電源、400,400a~400g 駐車枠、410,410a~410g 駐車センサ、600 サーバ、610 制御装置、620 記憶装置、630 通信装置、640 入力装置、650 表示装置、F1 地面、R1 凹部、St1~St4 ステーション。