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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187816
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】蓄電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/251 20210101AFI20221213BHJP
   H01M 50/209 20210101ALN20221213BHJP
【FI】
H01M50/251
H01M50/209
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096008
(22)【出願日】2021-06-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】森田 秀世
(72)【発明者】
【氏名】上原 雄司
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AY05
5H040CC13
5H040CC20
5H040CC34
5H040CC35
5H040JJ03
5H040LL01
(57)【要約】
【課題】バッテリケースにバッテリモジュールが収容された構造を有する改良された蓄電池システムを提供する。
【解決手段】蓄電池システム1は、下部ケース10と下部ケース10に収容されたバッテリモジュールB1,B2とを備える。下部ケース10は、バッテリモジュールB1,B2が載置される底板13と、側面S1,S2と、底板13に固定された固定部品71とを有する。バッテリモジュールB1,B2は、側面S3に固定され固定部品71と嵌合する固定部品81と、側面S4に固定され底板13にネジ止めされる固定部品82とを含む。これにより、固定部品71,81をネジ止めする必要がないことから、側面S1,S3間に作業スペースを確保する必要がない。一方、側面S2,S4間には電動工具などを挿入するための作業スペースが確保される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリケースと、
前記バッテリケースに収容されたバッテリモジュールと、を備える蓄電池システムであって、
前記バッテリケースは、前記バッテリモジュールが載置される底板と、前記底板に対して垂直であり、互いに平行な第1及び第2の側面と、前記底板に固定された第1の固定部品とを有し、
前記バッテリモジュールは、前記バッテリケースの前記第1の側面と向かい合う第3の側面と、前記バッテリケースの前記第2の側面と向かい合う第4の側面と、前記第3の側面に固定され、前記第1の固定部品と嵌合する第2の固定部品と、前記第4の側面に固定され、前記底板にネジ止めされる第3の固定部品とを含み、
前記第1の側面と前記第3の側面の距離よりも、前記第2の側面と前記第4の側面の距離の方が広いことを特徴とする蓄電池システム。
【請求項2】
前記バッテリケースは、前記第1及び第2の側面を含む筐体を有し、
前記筐体は、一枚の長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項3】
前記第1の固定部品は、前記第1の側面と平行に延在し、一方の端部が前記底板に固定された垂直部と、前記垂直部の他方の端部から前記バッテリモジュールに向かって突出する水平部とを有するL字型構造を有し、
前記第2の固定部品は、前記第3の側面に固定された垂直部と、前記垂直部の端部から前記第1の側面に向かって突出する水平部とを有するL字型構造を有し、
前記第1の固定部品と前記第2の固定部品は、前記底板と前記第1の固定部品の前記水平部の間に前記第2の固定部品の前記水平部が挿入されるよう嵌合することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蓄電池システムに関し、特に、バッテリケースにバッテリモジュールが収容された構造を有する蓄電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2に示すように、蓄電池システムは、バッテリモジュールや制御ボックスなどの各種モジュールがバッテリケースに収容された構成を有している。バッテリモジュールは比較的重量が大きいことから、バッテリケースに対して強固に固定する必要がある。バッテリモジュールをバッテリケースに強固に固定するためには、バッテリモジュールを複数箇所でバッテリケースに固定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-105723号公報
【特許文献2】特開2015-225703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッテリモジュールを複数箇所でバッテリケースに固定するためには、バッテリケース内に電動工具などを挿入するための作業スペースが複数必要となり、バッテリケースが大型化するという問題があった。このような問題は、バッテリケースの筐体が一体構造を有する筒状体である場合には、筐体を分解できないことから特に問題となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリケースにバッテリモジュールが収容された構造を有する改良された蓄電池システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による蓄電池システムは、バッテリケースと、バッテリケースに収容されたバッテリモジュールとを備える蓄電池システムであって、バッテリケースは、バッテリモジュールが載置される底板と、底板に対して垂直であり、互いに平行な第1及び第2の側面と、底板に固定された第1の固定部品とを有し、バッテリモジュールは、バッテリケースの第1の側面と向かい合う第3の側面と、バッテリケースの第2の側面と向かい合う第4の側面と、第3の側面に固定され、第1の固定部品と嵌合する第2の固定部品と、第4の側面に固定され、底板にネジ止めされる第3の固定部品とを含み、第1の側面と第3の側面の距離よりも、第2の側面と第4の側面の距離の方が広いことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1の固定部品と第2の固定部品をネジ止めする必要がないことから、第1の側面と第3の側面の間に電動工具などを挿入するための作業スペースを確保する必要がない。一方、第2の側面と第4の側面の間には電動工具などを挿入するための作業スペースが確保されていることから、第3の固定部品を底板に容易にネジ止めすることが可能となる。
【0008】
本発明において、バッテリケースは第1及び第2の側面を含む筐体を有し、筐体は、一枚の長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有していても構わない。このような構造を有する筐体は分解することができず、上部開口部から作業する必要があるところ、第1の側面と第3の側面の間の作業スペースが不要となることから、筐体を小型化することできる。
【0009】
本発明において、第1の固定部品は、第1の側面と平行に延在し、一方の端部が底板に固定された垂直部と、垂直部の他方の端部からバッテリモジュールに向かって突出する水平部とを有するL字型構造を有し、第2の固定部品は、第3の側面に固定された垂直部と、垂直部の端部から第1の側面に向かって突出する水平部とを有するL字型構造を有し、第1の固定部品と第2の固定部品は、底板と第1の固定部品の水平部の間に第2の固定部品の水平部が挿入されるよう嵌合するものであっても構わない。これによれば、バッテリモジュールを水平にスライドさせることによって、容易に嵌合させることができる。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明によれば、作業スペースを1箇所確保するだけでバッテリモジュールを確実に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態による蓄電池システム1の外観を示す略斜視図である。
図2図2は、蓄電池システム1の外観を示す略斜視図である。
図3図3は、蓄電池システム1の略透視斜視図である。
図4図4は、蓄電池システム1の略透視斜視図である。
図5図5は、蓄電池システム1に電線管カバー50を装着した状態を示す略透視側面図である。
図6図6は、下部ケース10に上部ケース20を積層する前の状態を示す略透視斜視図である。
図7図7は、連結部材60による下部ケース10と上部ケース20の連結方法を説明するための略斜視図である。
図8図8は、連結部材60による下部ケース10と上部ケース20の連結方法を説明するための略断面図である。
図9図9は、バッテリモジュールB1,B2を下部ケース10に固定する方法を説明するためのY方向から見た略透視正面図である。
図10図10は、バッテリモジュールB1,B2を下部ケース10に固定する方法を説明するためのX方向から見た略透視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は本発明の一実施形態による蓄電池システム1の外観を示す略斜視図である。また、図3及び図4は蓄電池システム1の略透視斜視図であり、図5は蓄電池システム1に電線管カバー50を装着した状態を示す略透視側面図である。
【0014】
図1図5に示すように、本発明の第1の実施形態による蓄電池システム1は、下部ケース10及び上部ケース20からなるバッテリケースと、下部ケース10に収容されたバッテリモジュールB1,B2と、上部ケース20に収容されたバッテリモジュールB3、制御ボックスH及びコンバータ回路Dとを有している。下部ケース10に2つのバッテリモジュールB1,B2を収容しているのは、バッテリモジュールB1,B2の重量が大きいからであり、上部ケース20に制御ボックスH及びコンバータ回路Dを収容しているのは、制御ボックスH及びコンバータ回路Dの発熱が大きいからである。下部ケース10は、土台に固定するための固定金具14を有している。上部ケース20は下部ケース10に積み重ねられるとともに、2つの連結部材60を用いて下部ケース10に固定されている。図3に示すように、バッテリモジュールB1~B3はX方向にオフセットして収容されており、これにより下部ケース10及び上部ケース20の内部には、スペースSが形成される。スペースSは、後述する作業スペースとして用いられるとともに、動力線や信号線などのケーブルを通す収容スペースとしても用いられる。
【0015】
下部ケース10は、上下(Z方向)に開口部を有する四角柱筒状の第1筐体11と、第1筐体11の上部開口部を閉塞する第1天板12と、第1筐体11の下部開口部を閉塞する第1底板13とを含む。同様に、上部ケース20は、上下(Z方向)に開口部を有する四角柱筒状の第2筐体21と、第2筐体21の上部開口部を閉塞する第2天板22と、第2筐体21の下部開口部を閉塞する第2底板23とを含む。第1筐体11及び第2筐体21はいずれも、一枚の長方形板状部材、例えばカラー鋼板と呼ばれる先塗装材が折り曲げ加工された部材であり、長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有し、Z方向に延在する巻締め部11a,21aにおいて巻締め加工されることにより、全体として上下に開口部を有し内部空洞で四面を有する四角柱筒状を有している。
【0016】
このように、本実施形態によるバッテリケースは、一枚の金属板が筒状に折り曲げ加工されてなる第1筐体11及び第2筐体21を用いていることから、巻締め部11a,21a以外につなぎ目が存在せず、高い防水性を得ることが可能となる。しかも、一枚の金属板が筒状に加工されていることから、比較的厚みの薄い金属板を用いた場合であっても、Z方向における十分な機械的強度を得ることが可能となる。ここで、第1筐体11及び第2筐体21の四面は、XZ面を構成する正面及び背面と、YZ面を構成する両側面からなる。XZ面を構成する正面及び背面は、YZ面を構成する両側面よりも面積が大きい。つまり、X方向が長辺、Y方向が短辺である。
【0017】
3つのバッテリモジュールB1~B3は、制御ボックスHを介してコンバータ回路Dに接続されている。コンバータ回路Dは、直流電圧を一定に保つためのDCDCコンバータであり、動作によって大きな熱を発生させる。コンバータ回路Dが発生する熱は、上部ケース20の背面に設けられたヒートシンク41によって放熱される。また、上部ケース20の内部においては、コンバータ回路Dを熱分離壁42で覆うことにより、バッテリモジュールB3や制御ボックスHへの熱伝導が抑制される。
【0018】
図5に示すように、下部ケース10を構成する第1筐体11の背面には、電線管51を通すためのグロメット31が設けられている。また、上部ケース20を構成する第2筐体21の背面には、電線管51~53を通すためのグロメット32~34が設けられている。電線管51の内部には、バッテリモジュールB1,B2と制御ボックスHを接続する動力線及び信号線が収容される。また、電線管52,53の内部には、コンバータ回路Dと外部のパワーコンディショナーを接続する動力線及び信号線がそれぞれ収容される。これらグロメット31~34及び電線管51~53は、第1及び第2筐体11,21の背面に設けられた電線管カバー50によって覆われる。これにより、下部ケース10と上部ケース20を積み重ねた後に、両者を配線によって接続することができ、施工性が向上する。また、電線管カバー50によって簡易的に防水されることから、信頼性や耐久性が向上するだけでなく、デザイン性も高められる。
【0019】
図6は、下部ケース10に上部ケース20を積層する前の状態を示す略透視斜視図である。
【0020】
図6に示すように、下部ケース10を構成する第1天板12には、Y方向に延在する両短辺に連結部材60が固定されている。連結部材60は、XZ断面がL字型構造を有する金属部品であり、図7及び図8に示すように、XY面を有する水平部61と、YZ面を有する垂直部62を有している。ここで、第2底板23は、Y方向に延在する短辺から第1天板12に向かってZ方向に突出する突出部23aと、突出部23aの先端をX方向における内側に折り返した折り返し部23bとを有しており、一対の連結部材60の内側に突出部23a及び折り返し部23bを嵌合させることにより、上部ケース20が位置決めされる。これにより、連結部材60の水平部61は、第1天板12と折り返し部23bの間に位置し、連結部材60の垂直部62は、突出部23aとX方向に重なる。そして、第1天板12と連結部材60は、第1天板12と水平部61をネジ64によって連結することにより互いに固定され、第2底板23と連結部材60は、突出部23aと垂直部62をネジ63によって連結することにより互いに固定される。また、第1天板12と水平部61は、ネジ64に代えて或いはネジ64に加えて、防水両面テープ65によって固定しても構わない。
【0021】
かかる構成により、下部ケース10と上部ケース20を容易に固定することができるため、バッテリモジュールB1,B2が収容された下部ケース10と、バッテリモジュールB3、制御ボックスH及びコンバータ回路Dが収容された上部ケース20を用意し、両者を積み重ねることによって、蓄電池システム1を設置することが可能となる。しかも、連結部材60を用いて下部ケース10と上部ケース20を連結すると、第1天板12と第2底板23の間には、垂直部62の高さに相当する空間が形成される。このため、主にコンバータ回路Dから発生する熱が下部ケース10に伝達にしにくくなるとともに、X方向に延在する長辺側から空気が流通することから、放熱効果が高められる。
【0022】
図9及び図10は、バッテリモジュールB1,B2を下部ケース10に固定する方法を説明するための図であり、図9はY方向から見た略透視正面図、図10はX方向から見た略透視側面図である。
【0023】
図9に示すように、下部ケース10を構成する第1底面13には、金属などからなる固定部品71,72が固定されている。固定部品71は、XZ断面がL字型構造を有し、Y方向に延在している。固定部品71は、Y方向から見てZ方向に延在する垂直部の一方の端部(下端)が第1底面13に固定され、垂直部の他方の端部(上端)からX方向に延在する水平部は、バッテリモジュールB1,B2に向かって突出している。固定部品72は、Y方向に延在する板状体であり、スペースSに配置されている。固定部品72は、XY面が第1底面13に固定されている。
【0024】
一方、バッテリモジュールB1,B2の一方のYZ側面S3の下部には、金属などからなる固定部品81,82が固定されている。固定部品81は、YZ側面S3の下部に固定されており、XZ断面がL字型構造を有し、Y方向に延在している。固定部品81は、Z方向に延在する垂直部のYZ面がバッテリモジュールB1,B2のYZ側面S3に固定され、垂直部の端部から第1筐体11の一方の側面S1に向かってX方向に突出する水平部が固定部品71と嵌合する。固定部品82は、バッテリモジュールB1,B2の他方のYZ側面S4の下部に固定されており、XZ断面がL字型を有し、Y方向に延在している。固定部品82は、YZ面がバッテリモジュールB1,B2のYZ側面S4に固定され、X方向に突出する部分が固定部品72にネジ止めされ、これにより第1底面13に固定される。固定部品82のネジ止めは、固定部品72及び第1底面13の両方に対して行うことにより、固定部品82と第1底面13を直接的に固定しても構わないし、固定部品72に対して行うことにより、固定部品82と第1底面13を間接的に固定しても構わない。
【0025】
そして、下部ケース10の内部にバッテリモジュールB1,B2を収容する際には、バッテリモジュールB1,B2の一方のYZ側面S3が第1筐体11の一方のYZ側面S1と向かい合い、バッテリモジュールB1,B2の他方のYZ側面S4が第1筐体11の他方のYZ側面S2と向かい合うよう収容した後、バッテリモジュールB1,B2をX方向にスライドさせる。これにより、第1底面13と固定部品71の水平部の間に固定部品81の水平部が挿入され、L字型の固定部品81がL字型の固定部品71に嵌合する。その後、スペースSに電動工具90を入れて固定部品72,82をネジ止めする。これにより、バッテリモジュールB1,B2は、下部ケース10の内部に確実に固定される。このように、バッテリモジュールB1,B2の一方のYZ側面については、ネジ止めを行うことなく固定部品71,81の嵌合により位置決めし、バッテリモジュールB1,B2の他方のYZ側面については、ネジ止めによって固定を行っていることから、電動工具90を用いた片側からの作業によってバッテリモジュールB1,B2の固定が完了する。このため、第1筐体11のYZ側面S1とバッテリモジュールB1,B2の側面S3のX方向における距離W1を、第1筐体11のYZ側面S2とバッテリモジュールB1,B2の側面S4のX方向における距離W2よりも十分に狭くすることができ、小型化が図られる。上部ケース20におけるバッテリモジュールB3の固定についても同様に行うことができる。
【0026】
このように、本実施形態においては、バッテリモジュールB1~B3の収容位置をオフセットさせることにより形成されるスペースSを利用してバッテリモジュールB1~B3の固定作業を行うことが可能である。また、メンテナンス時や交換時においても、固定部品72,82のネジ止めを外すことにより、バッテリモジュールB1~B3を容易に取り外すことが可能である。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0028】
例えば、上記実施形態では、下部ケース10に2つのバッテリモジュールB1,B2を収容し、上部ケース20にバッテリモジュールB3、制御ボックスH及びコンバータ回路Dを収容しているが、下部ケース10及び上部ケース20に収容するモジュールの数及び種類については特に限定されない。また、上記実施形態では2つのケース10,20を積み重ねているが、3つ以上のケースを積み重ねることによって蓄電池システムを構成しても構わない。
【符号の説明】
【0029】
1 蓄電池システム
10 下部ケース
11 第1筐体
11a 巻締め部
12 第1天板
12a 開口部
13 第1底面
14 固定金具
20 上部ケース
21 第2筐体
21a 巻締め部
22 第2天板
23 第2底面
23a 突出部
23b 折り返し部
23c 開口部
23d 突出部
31~34 グロメット
41 ヒートシンク
42 熱分離壁
50 電線管カバー
51~53 電線管
60 連結部材
61 水平部
62 垂直部
63,64 ネジ
65 防水両面テープ
71,72,71,81 固定部品
90 電動工具
B1~B3 バッテリモジュール
D コンバータ回路
H 制御ボックス
S スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリケースと、
前記バッテリケースに収容されたバッテリモジュールと、を備える蓄電池システムであって、
前記バッテリケースは、前記バッテリモジュールが載置される底板と、前記底板に対して垂直であり、互いに平行な第1及び第2の側面と、前記底板に固定された第1の固定部品とを有し、
前記バッテリモジュールは、前記バッテリケースの前記第1の側面と向かい合う第3の側面と、前記バッテリケースの前記第2の側面と向かい合う第4の側面と、前記第3の側面に固定され、前記第1の固定部品とネジ止めを行うことなく嵌合する第2の固定部品と、前記第4の側面に固定され、前記底板にネジ止めされる第3の固定部品とを含み、
前記第1の側面と前記第3の側面の距離よりも、前記第2の側面と前記第4の側面の距離の方が広く、前記第2の側面と前記第4の側面の間のスペースは、前記ネジ止めするための電動工具を挿入可能な作業スペースを構成することを特徴とする蓄電池システム。
【請求項2】
前記バッテリケースは、前記第1及び第2の側面を含む筐体を有し、
前記筐体は、一枚の長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項3】
前記第1の固定部品は、前記第1の側面と平行に延在し、一方の端部が前記底板に固定された垂直部と、前記垂直部の他方の端部から前記バッテリモジュールに向かって突出する水平部とを有するL字型構造を有し、
前記第2の固定部品は、前記第3の側面に固定された垂直部と、前記垂直部の端部から前記第1の側面に向かって突出する水平部とを有するL字型構造を有し、
前記第1の固定部品と前記第2の固定部品は、前記底板と前記第1の固定部品の前記水平部の間に前記第2の固定部品の前記水平部が挿入されるよう嵌合することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電池システム。