IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本端子株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コネクタの接続構造 図1
  • 特開-コネクタの接続構造 図2
  • 特開-コネクタの接続構造 図3
  • 特開-コネクタの接続構造 図4
  • 特開-コネクタの接続構造 図5
  • 特開-コネクタの接続構造 図6
  • 特開-コネクタの接続構造 図7
  • 特開-コネクタの接続構造 図8
  • 特開-コネクタの接続構造 図9
  • 特開-コネクタの接続構造 図10
  • 特開-コネクタの接続構造 図11
  • 特開-コネクタの接続構造 図12
  • 特開-コネクタの接続構造 図13
  • 特開-コネクタの接続構造 図14
  • 特開-コネクタの接続構造 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187823
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】コネクタの接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20221213BHJP
   H01R 13/73 20060101ALI20221213BHJP
   H01R 13/40 20060101ALI20221213BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/73 A
H01R13/40 Z
H05K1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096022
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000231822
【氏名又は名称】日本端子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 真也
(72)【発明者】
【氏名】西村 紀
【テーマコード(参考)】
5E087
5E223
5E338
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087MM02
5E087MM08
5E087MM14
5E087RR49
5E223AB38
5E223BA06
5E223BA07
5E223CD01
5E223CD25
5E223DA33
5E223DB23
5E223DB32
5E223DB35
5E338AA01
5E338BB02
5E338BB13
5E338BB75
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】電気的な接続が失われ難い回路基板へのコネクタの接続構造を提供する。
【解決手段】ホルダ10に支持された回路基板2の接続部に接続するコネクタ3の接続構造1であって、接続部とコネクタとは抜き差し可能に結合し、ホルダには、コネクタに電気的に接続された回路基板に係合し、回路基板のコネクタから分離する方向の移動を規制する回路基板規制部15と、回路基板に電気的に接続されたコネクタに係合し、コネクタの回路基板から分離する方向の移動を規制するコネクタ規制部17と、が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダに支持された回路基板の接続部に接続するコネクタの接続構造であって、
前記接続部と前記コネクタとは抜き差し可能に結合し、
前記ホルダには、
前記コネクタに電気的に接続された前記回路基板に係合し、前記回路基板の前記コネクタから分離する方向の移動を規制する回路基板規制部と、
前記回路基板に電気的に接続された前記コネクタに係合し、前記コネクタの前記回路基板から分離する方向の移動を規制するコネクタ規制部と、が設けられているコネクタの接続構造。
【請求項2】
前記コネクタには前記コネクタの接続方向に直交する方向に延出する鍔部が設けられ、
前記ホルダには前記回路基板を支持する支持面が設けられ、
前記コネクタ規制部は、前記支持面の前記鍔部の前記回路基板に対する遠位側において突出する突片を含み、
前記コネクタが前記回路基板から分離する方向に移動したときに、前記突片が前記鍔部に当接して前記コネクタの移動を規制する、請求項1に記載のコネクタの接続構造。
【請求項3】
前記鍔部は前記接続方向の遠位側を向く押圧面を備える、請求項2に記載のコネクタの接続構造。
【請求項4】
前記突片には前記支持面に近づくにつれて、前記回路基板の側に傾斜する斜面が設けられている、請求項2又は請求項3に記載のコネクタの接続構造。
【請求項5】
前記鍔部の前記回路基板の側の面は、前記回路基板の前記接続部の側の端面に平行をなす、請求項2~請求項4のいずれか1項に記載のコネクタの接続構造。
【請求項6】
前記回路基板及び前記コネクタの挿入方向における距離が所定の閾値より大きいときに前記鍔部と前記突片は協働して、前記ホルダへの前記回路基板の支持を禁止する、請求項2~5のいずれか1項に記載のコネクタの接続構造。
【請求項7】
前記コネクタは前記回路基板の端子に接触することによって電気的に接続可能な少なくとも一つの端子部材を有し、
前記距離が前記閾値以下であるときには、前記コネクタの全ての前記端子部材が対応する前記回路基板の前記端子に接続する、請求項6に記載のコネクタの接続構造。
【請求項8】
前記コネクタは前記回路基板の端子に接触することによって電気的に接続可能な少なくとも一つの端子部材を有し、
前記端子部材は前記回路基板の前記端子に接触する複数の接点を備え、
前記距離が前記閾値以下であるときには、前記端子部材のそれぞれに含まれる複数の前記接点のうち、少なくとも一つの前記接点が対応する前記回路基板の前記端子に接触する、請求項6に記載のコネクタの接続構造。
【請求項9】
前記コネクタは前記回路基板の端子に接触することによって電気的に接続可能な少なくとも一つの端子部材を有し、
前記端子部材は前記回路基板の前記端子に接触する複数の接点を備え、
前記距離が前記閾値以下であるときには、前記端子部材の全ての前記接点が対応する前記回路基板の前記端子に接触する、請求項6に記載のコネクタの接続構造。
【請求項10】
前記接続部は前記回路基板の表面上において、前記接続方向に延びる導電パターンを含む、請求項2~9のいずれか1項に記載のコネクタの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板へのコネクタの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトの接続不良の発見が容易にできるプリント基板用のコネクタが公知である(例えば、特許文献1)。コネクタは、ハウジングと、複数のコンタクトとを備えている。ハウジングはプリント基板が挿入される開口部を備えている。開口部には横長方向に並ぶ複数の溝が設けられ、コンタクトはそれぞれ溝に収容されている。プリント基板が開口部に挿入されると、コンタクトはそれぞれプリント基板に設けられた回路パターンに接する。
【0003】
ハウジングには、更に、その上面から開口部内に至り、挿入されたプリント基板を目視可能とする窓部が設けられている。作業者は、窓部から挿入されたプリント基板を目視することにより、プリント配線板の端面又エッジ部がコンタクトの所定嵌合位置まで挿入されているかどうかを確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-307831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコネクタでは、回路基板(プリント基板)はハウジングに係止されていないため、回路基板がハウジングから分離し、電気的な接続が失われる虞がある。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、電気的な接続が失われ難い回路基板へのコネクタの接続構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、ホルダ(10、202、601、701)に支持された回路基板(2)の接続部に接続するコネクタ(3)の接続構造(1、101、201、301、401、600、700)であって、前記接続部と前記コネクタとは抜き差し可能に結合し、前記ホルダには、前記コネクタに電気的に接続された前記回路基板に係合し、前記回路基板の前記コネクタから分離する方向の移動を規制する回路基板規制部(15)と、前記回路基板に電気的に接続された前記コネクタに係合し、前記コネクタの前記回路基板から分離する方向の移動を規制するコネクタ規制部(17、203、602、702G)と、が設けられている。
【0008】
この態様によれば、回路基板規制部によって、回路基板のコネクタから分離する方向の移動が規制され、コネクタ規制部によって、コネクタの回路基板から分離する方向の移動が規制される。これにより、回路基板及びコネクタが分離し難くなり、電気的な接続が失われ難くなる。
【0009】
上記の態様において、前記コネクタには前記コネクタの接続方向に直交する方向に延出する鍔部が設けられ、前記ホルダには前記回路基板を支持する支持面が設けられ、前記コネクタ規制部は、前記支持面の前記鍔部の前記回路基板に対する遠位側において突出する突片(17、203)を含み、前記コネクタが前記回路基板から分離する方向に移動したときに、前記突片が前記鍔部に当接して前記コネクタの移動を規制するとよい。
【0010】
この態様によれば、鍔部及び突片によって、コネクタの回路基板から分離する方向の移動が規制される。よって、回路基板とコネクタとが分離し難くなり、電気的な接続が失われ難くなる。
【0011】
上記の態様において、前記鍔部は前記接続方向の遠位側を向く押圧面(54)を備えるとよい。
【0012】
この態様によれば、作業者は押圧面を押圧することによって、コネクタを回路基板に近づけるように荷重を加えることができる。これにより、回路基板とコネクタとを電気的に接続することができる。
【0013】
上記の態様において、前記突片には前記支持面に近づくにつれて、前記回路基板の側に傾斜する斜面(107)が設けられているとよい。
【0014】
この態様によれば、回路基板を支持面に保持させるべく、回路基板を支持面に近づけるときに、作業者が鍔部を斜面に沿って移動させると、鍔部は斜面に案内されて回路基板の側に移動する。これにより、コネクタが回路基板により近づくように移動するため、回路基板とコネクタとをより確実に電気的に接続させることができる。
【0015】
上記の態様において、前記鍔部の前記回路基板の側の面は、前記回路基板の前記接続部の側の端面に平行をなすとよい。
【0016】
この態様によれば、作業者は、鍔部の回路基板の側の面と、回路基板の接続部の側の端面との距離によって、回路基板とコネクタとの結合状態を理解することができる。
【0017】
上記の態様において、前記回路基板及び前記コネクタの挿入方向における距離が所定の閾値より大きいときに前記鍔部と前記突片は協働して、前記ホルダへの前記回路基板の支持を禁止する、とよい。
【0018】
この態様によれば、回路基板がホルダに支持されているときに、コネクタの回路基板から分離する方向の移動距離を閾値以下に抑えることができる。これにより、閾値を適切に設定することで、コネクタと回路基板との電気的な接続が失われることや、コネクタと回路基板とが物理的に分離することを防止することができる。
【0019】
上記の態様において、前記コネクタは前記回路基板の端子(8)に接触することによって電気的に接続可能な少なくとも一つの端子部材(23、303、403)を有し、前記距離が前記閾値以下であるときには、前記コネクタの全ての前記端子部材が対応する前記回路基板の前記端子に接続する、とよい。
【0020】
この態様によれば、コネクタと回路基板との電気的な接続が失われた状態で、回路基板がホルダに支持されることが防止できる。
【0021】
上記の態様において、前記コネクタは前記回路基板の端子(8)に接触することによって電気的に接続可能な少なくとも一つの端子部材(23、303、403)を有し、前記端子部材は前記回路基板の前記端子に接触する複数の接点を備え、前記距離が前記閾値以下であるときには、前記端子部材のそれぞれに含まれる複数の前記接点のうち、少なくとも一つの前記接点が対応する前記回路基板の前記端子に接触する、とよい。
【0022】
この態様によれば、コネクタと回路基板との電気的な接続が失われた状態で、回路基板がホルダに支持されることが防止できる。
【0023】
上記の態様において、前記コネクタは前記回路基板の端子(8)に接触することによって電気的に接続可能な少なくとも一つの端子部材(23、303、403)を有し、前記端子部材は前記回路基板の前記端子に接触する複数の接点を備え、前記距離が前記閾値以下であるときには、前記端子部材の全ての前記接点が対応する前記回路基板の前記端子に接触する、とよい。
【0024】
この態様によれば、回路基板がホルダに支持されたときに、全ての接点が回路基板の端子に接触した状態となるため、コネクタと回路基板との電気的な接続が失われ難くなる。
【0025】
上記の態様において、前記接続部は前記回路基板の表面上において、前記接続方向に延びる導電パターンを含む、とよい。
【0026】
この態様によれば、コネクタが回路基板に電気的に接続する距離範囲が接続方向に長くなるため、コネクタ電気的な接続が得られやすくなる。
【発明の効果】
【0027】
以上の態様によれば、電気的な接続が失われ難い回路基板へのコネクタの接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態のコネクタの接続構造に係るコネクタ、回路基板、及び、ホルダの接続状態を示す斜視図
図2】第1実施形態のコネクタの接続構造に係る回路基板、及び、コネクタの分解斜視図
図3】第1実施形態のコネクタの接続構造に係るコネクタの斜視断面図
図4】第1実施形態に係るコネクタの接続構造において、コネクタと回路基板とが接続された状態を示す斜視図
図5】コネクタに回路基板が(A)完全挿入されていないときの正面図、及び、(B)完全に挿入されているときの上面図
図6】コネクタが(A)完全挿入位置にあるとき、(B)完全挿入位置から後方に全接点接触閾値だけ移動したとき、(C)完全挿入位置から後方に有効嵌合長だけ移動したときの回路基板の端子と接点との位置関係を示す上面図
図7】第1実施形態に係るコネクタ構造において、ホルダに回路基板を挿入するときに、コネクタが(A)許容位置にないとき、及び、(B)許容位置にあるときの側断面図
図8】(A)第2実施形態に係るコネクタの接続構造に係るコネクタ、回路基板、及びホルダの組付状態を示す斜視図、及び、(B)ホルダの突片近傍を後方から見たときの斜視図
図9】第2実施形態に係るコネクタの接続構造において、回路基板をホルダに収容する(A)前と、(B)回路基板を下降させてコネクタを斜面に沿って案内しているときと、(C)案内完了時と、(D)回路基板の固定時と、を示す説明図
図10】第3実施形態に係るコネクタの接続構造において、コネクタと回路基板とが接続され、回路基板がホルダに保持された状態を示す斜視図
図11】第4実施形態に係るコネクタの接続構造において、(A)コネクタ、及び、回路基板の斜視図、並びに、(B)コネクタの斜視断面図
図12】第4実施形態に係るコネクタの接続構造において、コネクタと回路基板とが接続され、且つ、回路基板がホルダに保持されている状態を示す上面図
図13】第5実施形態に係るコネクタの接続構造であって、(A)コネクタ、及び、回路基板の斜視図、並びに、(B)コネクタの斜視断面図
図14】コネクタの接続構造の第1の変形例の(A)上面図、(B)側面図、及び、第2の変形例の(C)上面図
図15】コネクタの接続構造の(A)第3の変形例を示す斜視図、及び、(B)第4の変形例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明によるコネクタの接続構造の一つの実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るコネクタの接続構造(以下、接続構造1)は、回路基板2とコネクタ3を接続するための構造である。図1に示すように、回路基板2及びコネクタ3は回路基板2の端部がコネクタ3に差し込まれることによって接続する。
【0031】
以下、図1に示すように、回路基板2のコネクタ3への差込方向、すなわち、回路基板2とコネクタ3の接続方向を前方に定めて説明を行う。但し、この方向の定義は説明の便宜上のことであり、これに限定されることはない。
【0032】
回路基板2は板状の基板であって、いわゆるPCB(プリント回路基板)である。回路基板2は前後及び左右に延びる辺を有する長方形の板状をなしている。回路基板2の表面には金属製の配線(不図示)が設けられている。図2に示すように、回路基板2の後部には前方に延びる2つのスリット5が設けられている。本実施形態では、スリット5の左右方向の幅は互いに異なるように設定されているが、本発明はこの態様には限定されない。
【0033】
図2に示すように、回路基板2の両スリット5の間の部分(以下、接続部6)の表面には、回路基板2に設けられた配線に接続する端子8が設けられている。端子8は前後に延在する導電パターンによって構成されている。コネクタ3はその接続部6が後方から抜き差し可能に結合する、いわゆるカードエッジコネクタである。
【0034】
図1に示すように、接続構造1は回路基板2及びコネクタ3に加えて、回路基板2を支持するためのホルダ10を含む。ホルダ10はその上面に水平な面(以下、支持面12)を有している。支持面12には回路基板2の前方への移動を規制するための回路基板規制部15が設けられている。
【0035】
本実施形態では、図2に示すように、回路基板2の適所には更に貫通孔14が設けられ、回路基板規制部15は支持面12から円柱状をなして突出し、貫通孔14に突入する凸部として構成されている。回路基板2は貫通孔14に回路基板規制部15が挿入された状態で、ホルダ10の支持面12に支持されている。図1に示すように、回路基板規制部15の突端は先細りになっているとよい。これにより、作業者は回路基板規制部15を容易に貫通孔14に挿通させることができる。回路基板規制部15には、外周面に回路基板2を支持面12から離れた位置に保持するためのリブ15Aが設けられていてもよい。リブ15Aは回路基板規制部15の下端(基端)から、所定の高さまで延びる突条をなしている。
【0036】
回路基板規制部15によって、回路基板2のホルダ10に対する前後、及び左右方向の移動が規制され、回路基板2は支持面12に対して上方にのみ移動可能となっている。但し、回路基板規制部15の構成はこの態様には限定されない。例えば、回路基板規制部15は、回路基板2の前方への移動を規制し、且つ、支持面12に対して上方に移動可能とする態様であれば、いかなる態様であってもよい。
【0037】
支持面12には突壁17(突片)が立設されている。突壁17は回路基板2を取り囲む壁体をなす。本実施形態では、図1に示すように、支持面12は回路基板2に整合する大きさの方形をなし、突壁17は支持面12の縁部に沿って延在している。突壁17は回路基板2を囲む四角筒状をなしている。これにより、ホルダ10は四角箱型をなし、突壁17の内周面と支持面12とによって、回路基板2を収容する収容空間18が画定されている。
【0038】
突壁17には接続部6の後方において、突壁17の内側と外側とを接続する開口19が設けられている。開口19の上縁は開放されている。コネクタ3が回路基板2に接続されて、回路基板2がホルダ10に支持されているときには、コネクタ3が開口19を通過するように配置される。
【0039】
図2に示すように、コネクタ3は、ハウジング21と、複数の端子部材23とを有する。
【0040】
ハウジング21は絶縁性の樹脂製の部材である。ハウジング21は左右方向に延びる略直方体状をなしている。図3に示すように、ハウジング21の背面には端子孔25が複数設けられている。端子孔25はそれぞれハウジング21の背面において開口し、前方に向かって凹んでいる。端子孔25は左右方向に並んで配置されている。本実施形態では、端子孔25はそれぞれハウジング21の背面上半部からハウジング21の前面上半部にまで延び、前面上半部において開口している。
【0041】
ハウジング21には回路基板挿入孔27が設けられている。回路基板挿入孔27はハウジング21の前面下半部に設けられ、後方に向かって凹んでいる。回路基板挿入孔27はハウジング21の前面下半部において、左右方向に延びる開口を有している。開口は前面視で左右方向に延びる略長方形状をなしている。図1に示すように、回路基板挿入孔27に回路基板2の接続部6が挿入されることによって、コネクタ3と回路基板2とが接続する。
【0042】
図2及び図4に示すように、ハウジング21の左右側面前端にはそれぞれ左右外方に延出する延出部29が設けられている。図5(A)及び(B)に示すように、延出部29の延出量は左右で異なり、スリット5の左右方向の幅に応じて設定されている。そのため、作業者が上下反転した状態で回路基板2を回路基板挿入孔27に挿入することができなくなっている。これにより、作業者が誤って、回路基板2を上下反転した状態で回路基板2を回路基板挿入孔27に挿入することを防止することができる。また、図5(A)に示すように、作業者は延出部29の前端とスリット7の前部とで囲まれる部分Sの面積や有無によって、回路基板2のコネクタ3の挿入状態を視認することができる。
【0043】
図3に示すように、端子孔25にはそれぞれ回路基板挿入孔27に通じる連通孔31が設けられている。連通孔31は端子孔25の前側部分に設けられているとよい。
【0044】
端子孔25の上縁を画定する上壁には、端子部材23を係止するためのランス片33が設けられている。ランス片33はハウジング21の下後縁から前方に延びる片持ち梁状をなしている。ランス片33の遊端には下方に向かって突出する係止突起(不図示)が設けられている。
【0045】
端子部材23はプレス加工された金属板材を折り曲げ加工することによって形成された板金部材である。端子部材23はケーブル接続部35と、ケーブル接続部35の前側に設けられた筐体37と、筐体37に支持されたばね片39とを備えている。
【0046】
ケーブル接続部35はバレル状をなす圧着部41を備えている。圧着部41は前後に延在する円筒状をなしている。ケーブル43の芯線である導体45が圧着部41の内孔に挿通された状態で、圧着部41に圧着されている。これにより、端子部材23はケーブル43の導体45に導通接続されている。
【0047】
筐体37は前部に下側に開口する横断面が溝形の溝形断面形状部47を備えている。溝形断面形状部47は、図2に示すように、接続方向に延びる底壁47Aと、底壁47Aの左右側縁に沿って延在する左壁47B及び右壁とを備えている。
【0048】
底壁47Aは上下方向を向く面を有して、前後に延びる壁体をなしている。底壁47Aには上下方向に貫通する係止孔47Dが設けられ、その係止孔47Dにランス片33の係止突起が突入することによって、図3に示すように、端子部材23はハウジング21に係止されている。
【0049】
左壁47B及び右壁はそれぞれ左右側方を向く面を有して、前後に延びる壁体をなしている。左壁47B及び右壁にはそれぞれ前後方向略中央部において、左右方向に貫通する貫通孔47Eが設けられている。
【0050】
ばね片39は溝形断面形状部47に収容されている。ばね片39は基端側において、左壁47B、右壁、及び底壁47Aのいずれか一つに接続されることによって、筐体37に支持されている。ばね片39は基端から後方に延び、溝形断面形状部47の開口側に折り返され、更に、前方に向かって延びている。ばね片39の下面には下方に向けて突出する押圧部39Aと接点部39Bとが設けられている。押圧部39A及び接点部39Bはばね片39の下方に突出するようにエンボス加工された部分によって構成されている。押圧部39Aは接点部39Bの後方に位置している。ばね片39は押圧部39Aと接点部39Bとの間において左右外方に突出する張出部39Cを備えている。張出部39Cはそれぞれ左壁47Bの貫通孔47Eと右壁の貫通孔47Eとに突入している。これにより、ばね片39は、下部において、張出部39Cを支点、押圧部39Aを力点、接点部39Bを作用点とする梃子を構成する。
【0051】
端子部材23はそれぞれ端子孔25に挿入されている。ばね片39の下面は連通孔31を通じて回路基板挿入孔27に突入している。回路基板2が回路基板挿入孔27に挿入されていないときには、押圧部39Aはそれぞれ、回路基板挿入孔27の内部に位置している。
【0052】
回路基板2が回路基板挿入孔27に挿入されて、回路基板2が押圧部39Aに接触すると、押圧部39Aは溝形断面形状部47の底壁47A側に移動する。これにより、接点部39Bが回路基板挿入孔27の側へ移動し、接点部39Bが回路基板2へ押し出される。回路基板2が回路基板挿入孔27に完全に挿入されると、図6(A)は、回路基板2が完全に挿入されたときの接点部39B及び押圧部39Aの位置と、回路基板2の端子8との関係を示している。図6(A)に示すように、コネクタ3の全ての端子部材23が接点部39B及び押圧部39Aにおいて、対応する回路基板2の端子8に接触する。これによって、回路基板2の配線と、端子部材23に接続されたケーブル43とがそれぞれ電気的に接続する。換言すれば、接点部39B及び押圧部39Aは端子部材23の接点を構成する。
【0053】
図6(B)及び(C)を参照すると理解できるように、回路基板2が回路基板挿入孔27に完全に挿入されていない場合であっても、挿入深さの不足量が所定の許容範囲内にあるときには、端子部材23は回路基板2に電気的に接続する。ここでいう挿入深さの不足量とは、回路基板2が完全に挿入された位置からのコネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動距離(又は、回路基板2が完全に挿入されるまでに要するコネクタ3の挿入方向の移動距離)に対応する。この許容範囲は、一般に、全ての端子部材23と、対応する回路基板2の端子8との接触が失われることがない(端子部材23が複数の接点を含む場合には、それぞれに含まれる複数の接点のうち、少なくとも一つの接点が対応する端子8に接触する)範囲に相当するものであり、端子部材23の接点や回路基板2の端子8の大きさや位置、形状等に依存する。ここでは、許容範囲の上限値を有効嵌合長(図6(C)のxを参照)とよぶ。
【0054】
しかし、使用環境によっては、挿入深さの不足量が有効嵌合長以下の場合であっても、回路基板2に加わる衝撃や振動、がたつき等によって、回路基板2とコネクタ3の接触状態が劣化する虞がある。そのため、電気的な接続の確実性や信頼性を担保するために、挿入深さの不足量は、使用環境や加工上の公差等を考慮して定められる閾値(以下、許容閾値)以下に制限されることが好ましい。許容閾値は0より大きく、且つ、有効嵌合長以下のいかなる値に設定されていてもよい。許容閾値は、端子部材23の全ての接点が、対応する端子8に接触する挿入深さの不足量の上限値(図6(C)のyを参照)以下の所定の値に設定されることが望ましい。
【0055】
以下では、回路基板2が回路基板挿入孔27の奥まで完全に挿入されているときを完全挿入状態とよび、そのときのコネクタ3の位置を完全挿入位置と記載する。また、回路基板2の挿入深さの不足量が有効嵌合長以下であり、端子部材23の少なくとも一つの接点と、対応する回路基板2の端子8とが接触し、コネクタ3と回路基板2とが電気的に接続しているときのコネクタ3の位置を接触位置と記載する。更に、挿入深さの不足量が有効嵌合長よりも大きく、コネクタ3と回路基板2とが電気的に接続しない状態を非接触状態と記載し、このときのコネクタ3の位置を非接触位置と記載する。回路基板2が完全挿入状態にあるときには接触状態にあり、コネクタ3が完全挿入位置にあるときには接触位置にある。
【0056】
更に、回路基板2の挿入深さの不足量が許容閾値以下であるときを許容状態とよび、そのときのコネクタ3の位置を許容位置とよぶ。回路基板2の挿入深さの不足量が許容閾値より大きいときを非許容状態とよび、そのときのコネクタ3の位置を非許容位置とよぶ。
【0057】
図4に示すように、端子孔25は左右方向に並ぶように設けられている。本実施形態では、端子部材23の挿入深さは左右方向に沿って交互に変化するように構成されている。
【0058】
ハウジング21の左右側面には前後方向略中央部においてそれぞれ左右外方に延出する鍔部50が設けられている。鍔部50は、ハウジング21の左側面に設けられた左鍔部50Aと、ハウジング21の右側面に設けられた右鍔部50Bとを含む。鍔部50はそれぞれ前後方向を向く面を有する板状をなしている。左鍔部50A及び右鍔部50Bの前面は同一面上に位置している。本実施形態では、ハウジング21には、左右の鍔部50の前面それぞれと、対応するハウジング21の左右側面とを繋ぐ鍔部補強片52が設けられている。
【0059】
図4に示すように、鍔部50はそれぞれ、後面に、接続方向の遠位側(すなわち、後側)を向く押圧面54を備えている。押圧面54は作業者によって押圧可能な程度の大きさに設定されている。
【0060】
図5(B)に示すように、コネクタ3が完全挿入位置にあるときには、鍔部50の前面(回路基板2の側の面)は、回路基板2の接続部6以外の後端面に対して平行をなす。ここでいう平行には、図5(B)に示すように、鍔部50の前面と、回路基板2の接続部6以外の後端面とが上面視でそれぞれ互いに平行な直線をなす場合の他、上面視で互いに平行な曲線(例えば、それぞれが半円形)である場合(詳細には、一方の曲線に対して他方の曲線が法線方向に一定距離離れている場合)が含まれる。その他、鍔部50の前部が、回路基板2の接続部6以外の後部であって、接続部6近傍の部分に対応する形状をなし、それらの位置に基づいて作業者が両者の近接具合を理解できる、いかなる態様であってもよい。
【0061】
コネクタ3が完全挿入位置にないときには、コネクタ3が完全挿入位置(図5(B))にあるときに比べて、鍔部50の前面と回路基板2の後縁との距離dが大きい。そのため、作業者は、鍔部50の前面と回路基板2の後縁との距離dに基づいて、回路基板2の挿入状態を容易に理解することができる。
【0062】
図1に示すように、突壁17は開口19の左右両縁近傍において、コネクタ3のハウジング21に後方から対向している。そのため、コネクタ3が後方へ移動すると突壁17に衝突し、その移動が制限される。具体的には、コネクタ3の後方への移動距離が、回路基板2が完全に挿入されたときの、鍔部50と、突壁17の開口19の左右両縁近傍の部分との前後方向(挿入方向)の距離(以下、設定距離)以下に制限される。すなわち、完全挿入位置からのコネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動距離を設定距離以下に抑えることができるため、この設定距離を適切な値に設定することによってコネクタ3と回路基板2との電気的な接続が失われることや、コネクタ3と回路基板2とが物理的に分離することを防止することができる。
【0063】
具体的には、設定距離を有効嵌合長とした場合には、完全挿入位置からのコネクタ3の後方への移動量が有効嵌合長以下に抑えられる。これにより、コネクタ3が非接触位置になることが防止できる。よって、コネクタ3と回路基板2との電気的な接続が失われることが防止できる。
【0064】
設定距離を許容閾値とした場合には、完全挿入位置からのコネクタ3の後方への移動量が許容閾値以下に抑えられる。これにより、コネクタ3が非許容位置になることが防止できる。よって、コネクタ3と回路基板2との電気的な接続が失われることが防止でき、更に、回路基板2とコネクタ3との接続状態の劣化が防止できる。
【0065】
端子部材23が複数の接点を有する場合には、設定距離が、完全挿入位置から、一つの接点と回路基板2の端子8との接触が失われる直前のコネクタ3の後方への移動距離(以下、全接点接触閾値。図6(B)のyを参照)となるように設定されていてもよい。全接点接触閾値は、端子部材23の全ての接点が対応する端子8に接触する挿入深さの不足量の上限値に対応する。これにより、端子部材23の全ての接点が回路基板2の端子8に接触した状態となるため、コネクタ3と回路基板2との電気的な接続が失われ難くなる。以下、端子部材23の全ての接点が対応する回路基板2の端子8に接続するコネクタ3の位置を全接点接触位置と記載する。
【0066】
本実施形態では、突壁17は開口19の左右両縁近傍において、鍔部50に対向し、突壁17が鍔部50に衝突することによって、コネクタ3の移動が規制される。但し、この態様には限定されず、突壁17がコネクタ3の鍔部50以外の部分に当接することによって、コネクタ3の移動を規制する態様であってもよい。
【0067】
次に、このように構成したコネクタ3、回路基板2、及びホルダ10の組付けと、接続構造1の効果とについて説明する。
【0068】
作業者が回路基板2の接続部6をコネクタ3の回路基板挿入孔27に挿入して両者を電気的に接続させた後、回路基板2の貫通孔14に回路基板規制部15を挿入させて、回路基板2を支持面12に支持させると、回路基板2がホルダ10に組付けられる。
【0069】
作業者が回路基板2の接続部6をコネクタ3の回路基板挿入孔27に挿入して両者を電気的に接続させた後、回路基板2の貫通孔14に回路基板規制部15を挿入させて、回路基板2を支持面12に支持させると、回路基板2がホルダ10に組付けられる。このとき、回路基板2の貫通孔14に回路基板規制部15が挿入されているため、回路基板規制部15によって回路基板2のコネクタ3から分離する方向の移動(前方の移動)が規制される。
【0070】
また、このとき、突壁17が鍔部50に後方から対向し、コネクタ3の回路基板2及びホルダ10に対する後方への移動が規制される。突壁17は回路基板2に電気的に接続されたコネクタ3に係合し、コネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動を規制する、いわばコネクタ規制部として機能する。
【0071】
回路基板規制部15によって回路基板2のコネクタ3から分離する方向の移動が規制され、突壁17によってコネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動が規制されるため、回路基板2及びコネクタ3が分離し難くなる。よって、コネクタ3に回路基板2の切り欠きや貫通孔に係合する爪等を設けることなく、回路基板2及びコネクタ3の分離を防止することができる。
【0072】
図7(A)の矢印に示すように、完全挿入位置からのコネクタ3の回路基板2からの分離する方向への移動距離が設定距離以下である場合には、回路基板2を支持面12に向けて下方に移動させたときに、突壁17が鍔部50に衝突することがなく、回路基板2のホルダ10への組付けが可能である。一方、図7(B)に示すように、完全挿入位置からのコネクタ3の回路基板2からの分離する方向への移動距離が設定距離より大きくなると、突壁17が鍔部50に衝突する。これにより、回路基板2の支持面12に向かう移動(すなわち、下方への移動)が阻害されて、ホルダ10の支持面12への支持が禁止される。すなわち、コネクタ3の挿入量の不足量が設定距離より大きいときに、ホルダ10に回路基板2を支持させることを禁止することができる。
【0073】
例えば、設定距離が有効嵌合長である場合には、コネクタ3の挿入量の不足量が有効嵌合長より大きいとき、すなわち、コネクタ3が非接触状態であるときに、回路基板2がホルダ10の支持面12に支持されることが禁止できる。これにより、コネクタ3が回路基板2に電気的に接続していないにも関わらず、回路基板2がホルダ10に組付けられて使用されることが防止できる。
【0074】
設定距離が許容閾値である場合には、コネクタ3の挿入量の不足量が許容閾値より大きいとき、すなわち、コネクタ3が非許容状態であるときに、回路基板2がホルダ10の支持面12に支持されることが禁止できる。これにより、使用時にコネクタ3と回路基板2との電気的な接続が失われうるにも関わらず、回路基板2がホルダ10に組付けられて使用されることが防止できる。
【0075】
設定距離が全接点接触閾値である場合には、コネクタ3が全接点接触位置でないときに、回路基板2がホルダ10の支持面12に支持されることが禁止できる。これにより、全ての接点が対応する回路基板2の端子8に接触していないにも関わらず、回路基板2がホルダ10に組付けられて使用されることが防止できる。
【0076】
また、作業者が回路基板2をホルダ10から上方に引き抜き、回路基板挿入孔27から回路基板2を引き抜くと、コネクタ3と回路基板2との電気的な接続が解除されて、コネクタ3と回路基板2とが分離する。作業者が回路基板挿入孔27に回路基板2の接続部6を挿入すると、回路基板2とコネクタ3とが電気的に接続する。このように、回路基板2とコネクタ3とは、抜き差し可能であり、互いに結合・分離が可能である。
【0077】
図4に示すように、鍔部50は接続方向の遠位側、すなわち後側を向く押圧面54を備えている。回路基板2がコネクタ3に完全に挿入されていないときに、作業者は押圧面54を押圧することによって、コネクタ3を回路基板2に近づけるように荷重を加えることができる。これにより、コネクタ3を回路基板2の側に押し出し、回路基板2をコネクタ3に挿入することができる。
【0078】
図5(A)及び(B)に示すように、鍔部50の前面は回路基板2の後縁(すなわち、接続部6の側の縁部)に平行をなしている。そのため、鍔部50の前面と回路基板2の後縁との距離dによって、作業者は回路基板2のコネクタ3への挿入量の不足量を視認することができ、回路基板2とコネクタ3との結合状態を容易に理解することができる。
【0079】
回路基板2の端子8は前後に延びるように設けられている。そのため、コネクタ3が回路基板2に電気的に接続可能な位置範囲が接続方向に延び、コネクタ3と回路基板2との電気的な接続が得られやすくなる。本実施形態では、押圧部39A及び接点部39Bのいずれか一方が回路基板2の端子8に接触することによって、端子部材23と回路基板2の端子8とが電気的に接続するため、コネクタ3と回路基板2との電気的な接続がより得られやすい。
【0080】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る接続構造101は、第1実施形態に係る接続構造1と比べて、ホルダ102の構造が異なり、他の構造は第1実施形態と同様である。よって、他の構造については説明を省略し、以下、ホルダ102の構造について説明する。
【0081】
図8(A)に示すように、ホルダ102には第1実施形態と同様に、上面に水平な支持面12が設けられている。支持面12には第1実施形態と同様に回路基板規制部15が設けられている。回路基板規制部15は支持面12上に支持された回路基板2の前方(本実施形態では、後方及び左右方向も含む)の移動を規制する。本実施形態では、回路基板規制部15は支持面12から突出する円柱状をなしている。回路基板規制部15は回路基板2の貫通孔14に突入し、回路基板2の前方を含む水平方向の移動を規制する。
【0082】
支持面12には突壁17が設けられている。突壁17は支持面12から突出する壁体であって、回路基板2を囲むように延在している。突壁17は回路基板2を外囲する筒状をなす周壁103と、周壁103上端に接続された延長壁105とを有している。周壁103及び延長壁105にはそれぞれ回路基板2の接続部6に対応する位置に開口19が設けられている。
【0083】
開口19には回路基板2に接続されたコネクタ3が通されている。このとき、鍔部50は周壁103であって、開口19の左右両縁を画定する部分(以下、開口縁部分103A)に対して前方に位置している。コネクタ3の後方に移動すると、鍔部50が、周壁103の開口縁部分103Aに当接し、コネクタ3の後方への移動が規制される。
【0084】
延長壁105はその前面に後方に向かって斜め上方に傾斜する斜面107を備えている。換言すれば、突壁17には支持面12に近づくにつれて、回路基板2の側に傾斜する斜面107が設けられている。延長壁105の前面であって、開口19に対して左側に位置する部分と右側に位置する部分とは同一面上に位置している。延長壁105は後方に向かって斜め上方に延びる壁体をなしている。
【0085】
図8(B)に示すように、突壁17には開口19の右左両縁の部分から後方に延びる補強壁17Aが設けられているとよい。補強壁17Aの少なくとも一部は、前端において延長壁105に接続されている。本実施形態では、補強壁17Aは前端において、延長壁105の上端から下端までと、周壁103の上端から略中央部までの部分とに接続されている。
【0086】
本実施形態では、延長壁105の上端にはそれぞれ垂直壁109が設けられている。垂直壁109は延長壁105の上端から上方に延びている。垂直壁109の前面は上下方向に延び、後方を向いている。垂直壁109の前面下端は延長壁105の前面上端に接続している。
【0087】
次に、このように構成した接続構造101の効果について説明する。図8(A)及び図9(D)に示すように、回路基板2がホルダ102に組付けられているとき、回路基板規制部15によって、回路基板2のコネクタ3から分離する方向(前方)の移動が規制され、突壁17によって、コネクタ3の回路基板2から分離する方向(後方)の移動が規制される。これにより、回路基板2及びコネクタ3が分離し難くなり、回路基板2とコネクタ3の電気的な接続が失われ難くなる。
【0088】
作業者は回路基板2をホルダ102に組み付けるときには、まず、コネクタ3の回路基板2挿入孔に回路基板2を挿入する。その後、作業者は支持面12に保持させるべく、回路基板2を支持面12に近づけて、回路基板規制部15を貫通孔14に挿入し、回路基板2を支持面12に支持させる。
【0089】
回路基板2の回路基板挿入孔27への挿入が不十分であり、挿入量の不足量が設定距離より大きい場合がある。この場合には、作業者が回路基板2を保持して、支持面12に向けて下方に移動させる(図9(A))と、鍔部50は斜面107に当接し(図9(B))、斜面107によって鍔部50が回路基板2の側に近づくように押し出される。そのため、コネクタ3は前方に押し出されて、回路基板2に近づくように案内されて移動する。これにより、挿入量の不足量が設定距離以下となる(図9(C))。
【0090】
これにより、設定距離が有効嵌合長である場合には、挿入量の不足量が有効嵌合長より大きいときに、コネクタ3を前方に押し出して、挿入量の不足量を有効嵌合長にすることができる。これにより、コネクタ3を接触位置にすることができる。
【0091】
同様に、設定距離が許容閾値である場合には、コネクタ3を許容位置にすることができる。また、設定距離が全接点接触閾値である場合には、コネクタ3を全接点接触位置にすることができる。
【0092】
更に、鍔部50が斜面107に当接したときには、補強壁17Aが上方からの荷重に対抗する。これにより、突壁17にはコネクタ3を案内するための十分な剛性が確保される。
【0093】
また、延長壁105の上端に垂直壁109が設けられている。そのため、作業者が回路基板2を保持して下方に移動させるときに、垂直壁109によって鍔部50の後方への移動が防止されて、鍔部50がより効果的に延長壁105に向けて移動するように案内される。
【0094】
また、回路基板2をホルダ102に組み付けるとき、斜面107から鍔部50に加わる荷重が左右不均一となる場合がある。回路基板2をホルダ102に組み付けるときには、コネクタ3の後部は左右の補強壁17Aの間に位置し、その移動方向が上下方向に規制される。これにより、コネクタ3の回転を防止することができ、コネクタ3を下方に移動するように案内することができる。
【0095】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る接続構造201は、第1実施形態に係る接続構造1に比べて、ホルダ202の構造が異なり、他の構成は第1実施形態と同様である。よって、他の構成については説明を省略し、第2実施形態に係るホルダ202の構造について説明する。
【0096】
第3実施形態に係るホルダ202は、図10に示すように、第1実施形態と同様に、上面に水平な支持面12を備えている。支持面12には、第1実施形態と同様の円柱状の回路基板規制部15が突設されている。回路基板規制部15が貫通孔14に挿通するように、回路基板2は支持面12の上に載置されて、ホルダ202に支持されている。回路基板規制部15が貫通孔14に挿入されることで、回路基板2の、コネクタ3から分離する方向(すなわち前方)を含む、前後左右方向の移動が規制されている。回路基板2の接続部6には、第1実施形態と同様のコネクタ3が接続されている。
【0097】
ホルダ202の上面には、2つの突片203が突設されている。2つの突片203は回路基板2に接続されたコネクタ3を介して左右に対峙している。突片203はそれぞれ鍔部50の後方に位置している。突片203はそれぞれ支持面12から突出する突片主部203Aと、突片主部203Aの外周面と支持面12とを接続する複数の突片補強部203Bとを含む。突片主部203Aは支持面12から突出する略円柱状をなしている。突片主部203Aの突端は上方に向かって細くなっている。これにより、突片主部203Aの上部前面には、上方に向かって後方に傾斜する斜面107が設けられている。突片補強部203Bは突片主部203Aの後面、及び、左右外面にそれぞれ設けられている。突片補強部203Bは上下に延びるリブ状をなし、その下端において支持面12に接続している。
【0098】
コネクタ3が後方に移動したときには、コネクタ3は鍔部50において突片203に当接する。これにより、コネクタ3の後方への移動、すなわち、回路基板2から分離する方向の移動が規制される。換言すれば、突片203はコネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動を規制するコネクタ規制部として機能する。
【0099】
次に、このように構成した接続構造201の効果について説明する。回路基板2がホルダ202に組付けられているとき、回路基板規制部15によって、回路基板2のコネクタ3から分離する方向(前方)の移動が規制され、突片203によって、コネクタ3の回路基板2から分離する方向(後方)の移動が規制される。これにより、回路基板2及びコネクタ3が分離し難くなり、電気的な接続が失われ難くなる。
【0100】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る接続構造301は、第3実施形態に係る接続構造201に比べて、コネクタ3の構造のみが異なり、他の構成は第3実施形態と同様である。よって、他の構成については説明を省略し、第3実施形態に係るコネクタ3の構造について説明する。
【0101】
コネクタ3は第1実施形態と同様に、ハウジング21(図11(A)参照)と、複数の端子部材23(図11(B)参照)とを備えている。
【0102】
図11(A)に示すように、ハウジング21は側面視で下方に延び、その後、前方に延びるL字状をなしている。図11(B)に示すように、ハウジング21には前方から後方に凹む第1実施形態と同様の回路基板挿入孔27と、第1実施形態とは形状の異なる複数の端子孔302とが設けられている。端子孔302はハウジング21に設けられた凹部であって、それぞれ第1実施形態とは形状の異なる端子部材303が収容される。
【0103】
端子孔302はそれぞれハウジング21の後部上面から下方に延びる端子孔主部302Aと、端子孔主部302A下端から前方に延びる端子孔前部302Bとを含む。端子孔302の端子孔前部302Bは回路基板挿入孔27の上方に位置し、その下部において、第1実施形態と同様に、それぞれ回路基板挿入孔27に連通している。端子孔主部302Aはそれぞれ左右方向に向く面を有する仕切壁304によって区切られている。端子孔主部302Aはそれぞれ後方に向かって開口している。
【0104】
端子部材303は側面視で下方に延び、その後、前方に延びるL字型をなす。端子部材303は第1実施形態と同様に、ケーブル接続部305と、ケーブル接続部305の前側に設けられ、前後に延びる筐体37と、筐体37に支持されたばね片39とを備えている。筐体37、及び、ばね片39は第1実施形態と同様であって、ケーブル接続部305の構造が第1実施形態と異なっている。
【0105】
ケーブル接続部305は筐体37の後端に接続され、上方に延びている。ケーブル接続部305の上下方向略中央部には、筒形の圧着部41が設けられ、その圧着部41にケーブル43の導体45が圧着されている。これにより、端子部材303はケーブル43の導体45に導通接続される。
【0106】
筐体37及びばね片39は端子孔302の端子孔前部302Bに、ケーブル接続部305は端子孔主部302Aにそれぞれ収容された状態で、端子部材303はハウジング21の端子孔302に収容されて固定されている。ケーブル接続部305に接続されたケーブル43はハウジング21の後部上端から上方に延びている。仕切壁304の後面はケーブル接続部305の後方に位置している。
【0107】
図12に示すように、第3実施形態と同様に、回路基板2の貫通孔14に回路基板規制部15が挿入された状態で、回路基板2はホルダ10に取り付けられている。ホルダ10には、第2実施形態と同様に、左右に並ぶ二つの突片203が設けられている。突片203はそれぞれ、回路基板2に結合し、回路基板2に電気的に接続したコネクタ3の鍔部50後方に位置している。
【0108】
次に、このように構成した接続構造301の効果について説明する。第2実施形態と同様に、回路基板規制部15が回路基板2の貫通孔14に突入することによって、回路基板2の前方への移動が規制される。また、ホルダ10に設けられた突片203がコネクタ3の鍔部50に当接し、コネクタ3の後方への移動が規制される。これにより、回路基板2のコネクタ3から分離する方向の移動と、コネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動とがそれぞれ規制されて、回路基板2とコネクタ3の分離が防止される。
【0109】
回路基板2がコネクタ3に完全に挿入されていないときに、作業者は第1実施形態と同様に、鍔部50の押圧面54を前方に向かって押圧することで、コネクタ3を完全挿入位置に移動させることができる。更に、作業者は仕切壁304の後端面を前方に向かって押圧することによってもまた、コネクタ3を完全挿入位置に移動させることができる。このように、コネクタ3を回路基板2に適切に接続するために押圧する面が、第2実施形態よりも広くなるため、コネクタ3の回路基板2への組付作業性が向上する。
【0110】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る接続構造401は、第4実施形態に係る接続構造301に比べて、コネクタ3の構造のみが異なり、他の構成は第3実施形態と同様である。よって、他の構成については説明を省略し、第3実施形態に係るコネクタ3の構造について説明する。
【0111】
図13(A)に示すように、ハウジング21は側面視で上方に延び、その後、前方に延びるL字状をなしている。図13(B)に示すように、ハウジング21には前方から後方に凹む第1実施形態と同様の回路基板挿入孔27と、第1実施形態とは形状の異なる複数の端子孔402とが設けられている。端子孔402はハウジング21に設けられた凹部であって、それぞれ第1実施形態とは形状の異なる端子部材403が収容される。
【0112】
端子孔402はそれぞれハウジング21の後部下面から上方に延びる端子孔主部402Aと、端子孔主部402A上端から前方に延びる端子孔前部402Bとを含む。端子孔前部402Bは回路基板挿入孔27の上方に位置し、その下部において、第1実施形態と同様に、それぞれ回路基板挿入孔27に連通している。端子孔主部402Aはそれぞれ左右方向に向く面を有する仕切壁404によって区切られている。端子孔主部402Aはそれぞれ後方に向かって開口している。
【0113】
端子部材403は側面視で上方に延び、その後、前方に延びるL字型をなす。端子部材403は第1実施形態、第3実施形態と同様に、ケーブル接続部405と、ケーブル接続部405の前側に設けられ、前後に延びる筐体37と、筐体37に支持されたばね片39とを備えている。筐体37、及び、ばね片39は第1実施形態と同様であって、ケーブル接続部405の構造が他の実施形態と異なっている。
【0114】
ケーブル接続部405は筐体37の後端に接続され、下方に延びている。ケーブル接続部405の上下方向略中央部には、筒形の圧着部41が設けられ、その圧着部41にケーブル43の導体45が圧着されている。これにより、端子部材403はケーブル43の導体45に導通接続される。
【0115】
筐体37及びばね片39は端子孔402の端子孔前部402Bに、ケーブル接続部405は端子孔主部402Aにそれぞれ収容された状態で、端子部材403はハウジング21の端子孔402に収容されて固定されている。ケーブル接続部405に接続されたケーブル43はハウジング21の後部下端から下方に延びている。仕切壁404の後面はケーブル接続部405の後方に位置している。
【0116】
次に、このように構成した接続構造401の効果について説明する。第2実施形態と同様に、回路基板規制部15が回路基板2の貫通孔14に突入することによって、回路基板2の前方への移動が規制される。また、ホルダ10に設けられた突片203がコネクタ3の鍔部50に当接し、コネクタ3の後方への移動が規制される。これにより、回路基板2のコネクタ3から分離する方向の移動と、コネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動とがそれぞれ規制されて、回路基板2とコネクタ3の分離が防止される。
【0117】
回路基板2がコネクタ3に完全に挿入されていないときに、作業者は第1実施形態と同様に、鍔部50の押圧面54を前方に向かって押圧することで、コネクタ3を完全挿入位置に移動させることができる。更に、作業者は仕切壁404の後端面を前方に向かって押圧することによってもまた、コネクタ3を完全挿入位置に移動させることができる。このように、コネクタ3を回路基板2に適切に接続するために押圧する面が、第2実施形態よりも広くなるため、コネクタ3の回路基板2への組付作業性が向上する。
【0118】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
【0119】
上記実施形態では、端子部材23はそれぞれ、2つの接点を備えていたが、この態様には限定されない。端子部材23はそれぞれ1以上の接点を備えている態様であれば、いかなる態様であってもよい。
【0120】
上記実施形態では、回路基板規制部15は円柱状をなしていたが、この態様には限定されない。例えば、回路基板規制部15は角柱状であってもよい。また、回路基板規制部15はコネクタ3や回路基板2の形状に合わせた凹型状等、多種多様な形状とすることが可能である。
【0121】
また、上記実施形態では、回路基板規制部15が回路基板2に設けられた貫通孔14に挿入されることによって、回路基板2の前方への移動が規制されていたが、この態様には限定されない。回路基板規制部15は回路基板2のコネクタ3から分離する方向の移動を規制する態様であればいかなる態様であってもよい。例えば、図14(A)及び(B)に示すように、回路基板規制部15は支持面12から突出し、回路基板2の前端面に前方から当接して、回路基板2の前方への移動を規制する壁体501であってもよい。その他、回路基板規制部15は回路基板2をホルダ10、202に固定するいかなる態様のものであってよく、例えば、ネジ止め、リベット止め、他部材での挟み込み、超音波溶着、溶接、接着剤、等によって回路基板2を固定するものであってもよい。
【0122】
上記実施形態では、コネクタ3の鍔部50がホルダ10に設けられた突壁17や突片203に当接することによって、コネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動(後方の移動)が規制されていたが、この態様には限定されない。突壁17や突片203がコネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動を規制する態様であれば、本発明は突壁17や突片203がコネクタ3に当接する場所には限定されない。
【0123】
具体的には、例えば、図14(A)及び(B)に示すように、突壁17は支持面12に突出し、コネクタ3の後端面に当接して、コネクタ3の回路基板2から分離する方向(後方)の移動を規制する壁体502であってもよい。図14(C)に示すように、鍔部50は必須ではなく、コネクタ3の回路基板2から分離する方向の移動が規制される態様であれば、いかなる態様であってもよい。
【0124】
上記実施形態では、ホルダ10は一体の部材によって構成されていたが、この態様には限定されない。ホルダ10は複数の部材によって構成されていてもよい。具体的には、ホルダ10は、支持面12及び回路基板規制部15を備えた部材(第1の部材)と、突壁17や突片203、壁体502の少なくとも一つを含むコネクタ規制部を備えた部材(第2の部材)とが組み合わされることによって構成されていてもよい。回路基板2が第1の部材の支持面12に組付けられた後に、第2の部材が第1の部材に組付けられてもよい。
【0125】
図15(A)には変形例に係る接続構造600が示されている。接続構造600を構成するホルダ10は、平板状の第1の部材601と、第1の部材601の支持面12に結合された第2の部材602とによって構成されていてもよい。図15(A)では、第2の部材602が支持面12に締結され、コネクタ3の鍔部50に当接して、その後方の移動を規制する例が示されているが、これは例示に過ぎず、この態様には限定されない。第2の部材602は、コネクタ3に係合して、その回路基板2から分離する方向の移動を規制する態様であれば、いかなる態様であってもよい。
【0126】
ホルダ10は箱体をなす第1の部材701と、第1の部材701の蓋体をなす第2の部材702とによって構成されていてもよい。図15(B)の例では、第1の部材701は底壁701A、前壁701B、左壁701C、右壁701D、及び、後壁両縁部701Eを有している。支持面12は底壁701Aの上面に設けられている。第2の部材702は上壁702F及び後壁中央部702Gを有している。後壁中央部702Gにはコネクタ3を挿通させるための開口19が設けられている。第1の部材701と第2の部材702とが組み合わされると、内部に回路基板2が収容され、封止される。このときは、後壁中央部702Gはコネクタ3の後方に位置し、コネクタ3の後方への移動を規制する。すなわち、後壁中央部702Gがコネクタ規制部として機能する。但し、図15(B)は例示に過ぎず、第2の部材702が左壁及び右壁を含み、それらが鍔部50に係合して、コネクタ3の後方への移動を規制するものであってもよい。すなわち、第2の部材702は第1の部材701に組み合わされたときに、第2の部材702がコネクタ3に係合して、その回路基板2から分離する方向の移動を規制する態様であってもよい。
【0127】
また、上記実施形態のように、回路基板2をホルダ10に支持させ、仮固定した後、ネジ止め、リペッド止め、他部材での嵌め込み、超音波溶着、溶接、接着剤、等によって、回路基板2及びコネクタ3の少なくとも一方をホルダ10に結合させてもよい。
【0128】
上記実施形態において、鍔部50は平板状をなすように構成されていたが、この態様には限定されない。鍔部50は突壁17や突片203等のコネクタ規制部に係合して、コネクタ3の回路基板2からの分離を防止する機能を奏するものであれば、いかなる形状、構造のものであってもよい。例えば、コネクタ規制部が支持面12から突出する円柱状をなす場合には、鍔部50は対応する形状をなしていてもよい。例えば、鍔部50はコネクタ規制部の外面に対応する円筒状をなしていてもよく、その後面が半円状をなすものであってもよい。また、鍔部50は弾性部材(例えば、ゴム等)や紐、チェーン、ネジ等によってコネクタ規制部に接続される、また、鍔部50は、コネクタ規制部に溶着、溶接、接着等される等により、コネクタ規制部と協働して、コネクタ3の後方への移動を規制する態様であってもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 :第1実施形態に係る接続構造
2 :回路基板
3 :コネクタ
5 :スリット
6 :接続部
8 :端子
10 :ホルダ
12 :支持面
14 :貫通孔
15 :回路基板規制部
17 :突壁(突片、コネクタ規制部)
17A :補強壁
19 :開口
21 :ハウジング
23 :端子部材
25 :端子孔
27 :回路基板挿入孔
29 :延出部
31 :連通孔
33 :ランス片
35 :ケーブル接続部
37 :筐体
39 :ばね片
39A :押圧部
39B :接点部
39C :張出部
41 :圧着部
43 :ケーブル
45 :導体
47 :溝形断面形状部
47A :底壁
47B :左壁
47C :右壁
47D :係止孔
47E :貫通孔
50 :鍔部
50A :左鍔部
50B :右鍔部
52 :鍔部補強片
54 :押圧面
101 :第2実施形態に係る接続構造
103 :周壁
103A :開口縁部分
105 :延長壁
107 :斜面
109 :垂直壁
201 :第3実施形態に係る接続構造
202 :ホルダ
203 :突片(コネクタ規制部)
203A :突片主部
203B :突片補強部
301 :第4実施形態に係る接続構造
302 :端子孔
302A :端子孔主部
302B :端子孔前部
303 :端子部材
304 :仕切壁
305 :ケーブル接続部
401 :第5実施形態に係る接続構造
402 :端子孔
402A :端子孔主部
402B :端子孔前部
403 :端子部材
404 :仕切壁
405 :ケーブル接続部
501 :壁体
502 :壁体
600 :接続構造
601 :第1の部材
602 :第2の部材
701 :第1の部材
701A :底壁
701B :前壁
701C :左壁
701D :右壁
701E :後壁両縁部
702 :第2の部材
702F :上壁
702G :後壁中央部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15