(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187828
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】金属カートカートリッジ及びそれを用いた塗布方法
(51)【国際特許分類】
B65D 83/76 20060101AFI20221213BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20221213BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20221213BHJP
B05D 5/00 20060101ALI20221213BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20221213BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20221213BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20221213BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20221213BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B65D83/76 120
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D5/00 Z
B05D7/24 302Y
B05D7/24 302T
B05D7/24 301V
B05D7/24 303B
B05D7/24 303A
B05D7/24 303C
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D3/00 B
C09K3/10 Z
C09K3/10 G
B65D83/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096027
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(72)【発明者】
【氏名】藤原 寛
【テーマコード(参考)】
3E014
4D075
4F041
4F042
4H017
【Fターム(参考)】
3E014PA03
3E014PB03
3E014PC02
3E014PC17
3E014PD21
3E014PE08
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3E014PE26
3E014PF06
3E014PF10
4D075AC06
4D075AC09
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4D075AC96
4D075BB16X
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4D075EC37
4F041AA02
4F041AA05
4F041AB00
4F041BA04
4F041BA32
4F042AA02
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4F042AB00
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4F042CB03
4F042DH10
4H017AA04
4H017AB03
4H017AB15
4H017AD06
4H017AE05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を塗布するために、圧力をかけて吐出しようとした場合に容器の変形による吐出不良が発生せず、長期保管時に硬化する等の問題が生じないカートリッジ容器を提供する。
【解決手段】円柱状の金属カートリッジであって、金属カートリッジの容器2は、0.4~0.6mm厚みの金属でできており、円柱の底面には、吐出口3を有し、円柱上面と底面の間に、円柱の上面または底面に向かって摺動可能なプランジャー4を有し、プランジャー4と円柱の底面の間に23℃で200PaS~800PaSに調整された湿分硬化型熱伝導樹脂組成物5が充填されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の金属カートリッジであって、
金属カートリッジの容器は、0.4~0.6mm厚みの金属でできており、
円柱の底面には、吐出口を有し、
円柱上面と底面の間に、円柱の上面または底面に向かって摺動可能なプランジャーを有し、
プランジャーと円柱の底面の間に23℃で200PaS~800PaSに調整された湿分硬化型熱伝導樹脂組成物が充填されていることを特徴とする金属カートリッジ。
【請求項2】
前記プランジャーは、円柱底面と平行面が円形をしており、円柱側面に平行に円柱の上面に向かって伸びる折れ曲がり部を有することを特徴とする請求項1に記載の金属カートリッジ。
【請求項3】
金属カートリッジが、アルミニウム製であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属カートリッジ。
【請求項4】
吐出口及び円柱上面を金属製の蓋で封をしていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【請求項5】
円柱上面の金属製の蓋とプランジャーの間にスペース部を有することを特徴とする請求項4に記載の金属カートリッジ。
【請求項6】
スペース部に窒素が充填されていることを特徴とする請求項5に記載の金属カートリッジ。
【請求項7】
スペース部に湿分吸収剤が封入されていることを特徴とする請求項5または6に記載の金属カートリッジ。
【請求項8】
前記湿分吸収剤が、シリカゲル、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の金属カートリッジ。
【請求項9】
湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物が、湿分硬化型樹脂、熱伝導性フィラーを少なくとも含有する請求項1~8のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【請求項10】
湿分硬化型樹脂が、変性シリコーン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【請求項11】
熱伝導性フィラーがアルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリコーンカーバイト、グラフェン粒子、酸化グラフェン粒子、炭酸カルシウムから選ばれる1種以上の熱伝導性フィラーを含有することを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【請求項12】
請求項4~11のいずれかに記載の金属カートリッジを用いた湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法であって、
円柱上面の蓋を外すか円柱上面の蓋に穴をあける工程、
吐出口に穴をあける工程、を経た後に、金属カートリッジを加圧ホルダー内に設置し、
加圧ホルダー内を気体によって加圧することによってプランジャーを摺動させて、カートリッジ内の湿分硬化型熱伝導樹脂組成物を供給する工程を含む、湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
湿分硬化型熱伝導樹脂組成物が充填されているる金属カートリッジ及びそれを用いた塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、硬化性樹脂組成物を吐出する吐出装置が種々提案されている。特許文献1,2には、粘性液体(硬化性樹脂組成物)を充填したプラスチック容器を加圧タンクに収容し、当該加圧タンク内を圧縮空気で加圧することによって柔軟性を有するプラスチック容器を押し潰して、塗布ノズルから粘性液体を吐出して塗布する塗布装置(吐出装置)が記載されている。
【0003】
また、特許文献3には、液体タンクに充填した湿気硬化型接着剤(硬化性樹脂組成物)を、圧力移動プランジャーによる圧力によってシリンダに充填し、当該シリンダからノズルを介して湿気硬化型接着剤を吐出する液体吐出装置(吐出装置)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-192343号公報(2012年10月11日公開)
【特許文献2】特開2012-223715号公報(2012年11月15日公開)
【特許文献3】特開2014-217795号公報(2014年11月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載されている塗布装置では、吐出されないでプラスチック容器に残留する粘性液体が多くなり、当該粘性液体のロスを招くという問題点を有している。
【0006】
また、特許文献3に記載されている塗布装置では、液体タンクに充填した湿気硬化型接着剤の硬化を抑制することに関しては、何ら考慮がなされていない。また、従来は湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物をプラスチックカートリッジに充填されていた。しかし、湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を塗布するために、吐出装置内部で容器に圧力をかけて吐出しようとした場合に容器が変形し吐出不良が発生したり、長期保管時に硬化する等の問題が発生していた。
【0007】
圧力をかけて吐出しようとした場合に容器の変形による吐出不良が発生しにくく、長期保管時に硬化する等の問題が生じにくいカートリッジ容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討の結果、下記構造で上記課題を解決することを見出した。
本発明は以下の構成をなす。
【0009】
1).円柱状の金属カートリッジであって、
金属カートリッジの容器は、0.4~0.6mm厚みの金属でできており、
円柱の底面には、吐出口を有し、
円柱上面と底面の間に、円柱の上面または底面に向かって摺動可能なプランジャーを有し、
プランジャーと円柱の底面の間に23℃で200PaS~800PaSに調整された湿分硬化型熱伝導樹脂組成物が充填されていることを特徴とする金属カートリッジ。
【0010】
2).前記プランジャーは、円柱底面と平行面が円形をしており、円柱側面に平行に円柱の上面に向かって伸びる折れ曲がり部を有することを特徴とする1)に記載の金属カートリッジ。
【0011】
3).金属カートリッジが、アルミニウム製であることを特徴とする1)または2)に記載の金属カートリッジ。
【0012】
4).吐出口及び円柱上面を金属製の蓋で封をしていることを特徴とする1)~3)のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【0013】
5).円柱上面の金属製の蓋とプランジャーの間にスペース部を有することを特徴とする4)に記載の金属カートリッジ。
【0014】
6).スペース部に窒素が充填されていることを特徴とする5)に記載の金属カートリッジ。
【0015】
7).スペース部に湿分吸収剤が封入されていることを特徴とする5)または6)に記載の金属カートリッジ。
【0016】
8).前記湿分吸収剤が、シリカゲル、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする7)に記載の金属カートリッジ。
【0017】
9).湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物が、湿分硬化型樹脂、および熱伝導性フィラーを少なくとも含有する1)~8)のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【0018】
10).湿分硬化型樹脂が、変性シリコーン樹脂、シリコーン樹脂、およびウレタン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする1)~9)のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【0019】
11).熱伝導性フィラーがアルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリコーンカーバイト、グラフェン粒子、酸化グラフェン粒子、および炭酸カルシウムから選ばれる1種以上の熱伝導性フィラーを含有することを特徴とする1)~10)のいずれかに記載の金属カートリッジ。
【0020】
12).4)~11)のいずれかに記載の金属カートリッジを用いた湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法であって、
円柱上面の蓋を外すか円柱上面の蓋に穴をあける工程、
吐出口に穴をあける工程、を経た後に、金属カートリッジを加圧ホルダー内に設置し、
加圧ホルダー内を気体によって加圧することによってプランジャーを摺動させて、カートリッジ内の湿分硬化型熱伝導樹脂組成物を供給する工程を含む、湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法。
【発明の効果】
【0021】
本件発明によれば、湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を塗布するために、圧力をかけて吐出しようとした場合に容器の変形による吐出不良が発生せず、長期保管時に硬化する等の問題が生じないカートリッジ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】金属カートリッジの容器への湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の充填方法を示す図である。
【
図3】金属カートリッジの吐出口の開封方法を示す図である。
【
図4】金属カートリッジを用いた湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。尚、本明細書においては特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、「質量」と「重量」は同義語であると見なす。さらに、「加圧」とは1気圧(大気圧)を超えた圧力にする状態を意味し、「脱圧」とは加圧を解除して1気圧(大気圧)に戻す状態を意味する。また、「加圧」と「陽圧」は同義語であると見なす。
【0024】
[金属カートリッジ]
本発明の一実施形態に係る金属カートリッジは、
図1に示すように円柱状の金属カートリッジであって、金属カートリッジ1の容器2は、0.4~0.6mm厚みの金属でできており、円柱の底面には、吐出口3を有し、円柱上面と底面の間に、円柱の上面または底面に向かって摺動可能なプランジャー4を有し、プランジャーと円柱の底面の間に23℃で200PaS~800PaSに調整された湿分硬化型熱伝導樹脂組成物5が充填されている。
【0025】
金属カートリッジ1の容器2は、0.4~0.6mm厚みの金属でできていることにより、湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を塗布するために、圧力をかけて吐出しようとした場合に容器の変形による吐出不良の発生を抑えることができる。0.6mm以上を超える厚みとすることもできるが、容器のコストが上がったり、重くなったりする傾向にある。また金属カートリッジ1の容器2の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、スチール、SUS、鉄、等の種々の金属を用いることができるが、アルミニウム製であることが好ましい。ここで厚みとは、金属層の総厚みを意味する。
【0026】
金属カートリッジ1の吐出口3は、金属製の蓋7により、密閉されるようになっている。金属製の蓋7は、容器2と同一の金属であり金属カートリッジ1を成型する際に同時に成型されることが好ましく、塗布時には吐出口3より湿分硬化型熱伝導樹脂組成物5が吐出するように、金属製の蓋7に穴をあける必要がある。金属製の蓋7の厚みは、0.2mm~0.5mmであることが好まい。
【0027】
[プランジャー]
プランジャー4は、円柱底面と平行面が円形をしており、容器を封止し、加圧されることによって供給方向側に摺動可能となっている。プランジャーは、外形が円板状であり、加圧時における姿勢を安定させて容器内の湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物5を安定に押し出すことができるように、円柱側面に平行に円柱の上面に向かって伸びる折れ曲がり部6を有している。
【0028】
プランジャーとしては、例えば、長さ約20mm、外径約46mm、厚さ約0.4mmのアルミニウム、スチール若しくはSUS製プランジャーが挙げられる。
【0029】
但し、プランジャーの大きさおよび材質は、容器の大きさおよび材質や充填される湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物の組成等を考慮して、適宜設定すればよい。
【0030】
(金属カートリッジの蓋)
金属カートリッジの蓋(エンド)8は、円柱底面と平行面が円形をしており、外形が円板状であり、円柱と巻締めることができるように外周部が折り曲げ加工できるようにカール状になっており、プランジャー4、乾燥気体9、湿分吸収剤10を封入した後に、巻締め機にてアルミカートリッジと巻締められて接合し密封される。
【0031】
[乾燥気体]
乾燥気体9は-50℃以下の露点を持つ気体であって、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気であることが望ましく、特に窒素、アルゴンが好ましく用いられる。
【0032】
[湿分吸収剤]
湿分吸収剤10は、シリカゲル、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれる材料を含有し通気性のある包装材にて包まれている製品である。
【0033】
<湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物>
本実施の形態で用いられる湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物は、金属カートリッジに充填され、吐出後に塗膜等の硬化物を形成する樹脂組成物であって、硬化性液状樹脂を含有している。上記湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物は、さらに、硬化性液状樹脂を硬化させるための硬化触媒、開始剤、熱老化防止剤、可塑剤、増量剤、チクソ性付与剤、貯蔵安定剤、脱水剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、難燃剤、電磁波吸収剤、充填材、溶剤等の各種添加剤が、用途に応じて適宜添加されていてもよい。
【0034】
そして、上記湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物は、例えば電子機器や基板、発熱体の表面に塗布されて塗膜を形成する用途等に適しており、熱伝導性充填材を含有している。熱伝導性充填材を含有する湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物は、硬化物の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上となる樹脂組成物であることがより好ましく、0.8W/(m・K)以上となる樹脂組成物であることがさらに好ましく、0.9W/(m・K)以上となる樹脂組成物であることが特に好ましい。また、上記湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物は、硬化物の熱伝導率が100W/(m・K)以下となる樹脂組成物であることがより好ましい。これにより、上記湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を電子機器等の表面に塗布して塗膜を形成したときに、当該塗膜によって電子機器等で発生した熱を効率的に逃がすことができる。。
【0035】
(硬化性液状樹脂)
硬化性液状樹脂は、分子内に反応性基を有し、その反応性基の反応によって硬化することが可能な液状樹脂である。上記硬化性液状樹脂の具体例としては、例えば、硬化性アクリル系樹脂、硬化性メタクリル系樹脂、硬化性ポリプロピレンオキサイド系樹脂に代表される硬化性ポリエーテル系樹脂;硬化性ポリイソブチレン系樹脂に代表される硬化性ポリオレフィン系樹脂;シリコーン系樹脂;等が挙げられる。反応性基の具体例としては、例えば、エポキシ基、加水分解性シリル基、ビニル基、アクリロイル基、SiH基、ウレタン基、カルボジイミド基、或いは、無水カルボン酸基とアミノ基との組み合わせ、等の反応性官能基が挙げられる。
【0036】
そして、組み合わされた2種類の反応性基の反応、或いは、反応性基と上記硬化触媒との反応、によって硬化する硬化性液状樹脂を得る場合には、2液型組成物として準備した後、例えば電子機器や基板、発熱体に塗布するときに2液を混合して当該硬化性液状樹脂とする。加水分解性シリル基の反応によって硬化する硬化性液状樹脂の場合には、空気中の水分(湿分)との反応によって硬化することから、一液型室温硬化性組成物とすることも可能である。ビニル基とSiH基と白金触媒(硬化触媒)との組み合わせによって硬化する硬化性液状樹脂、アクリロイル基とラジカル開始剤(開始剤)との組み合わせによって硬化する硬化性液状樹脂、等の場合には、一液型硬化性組成物或いは二液型硬化性組成物とした後、架橋温度にまで加熱したり、紫外線や電子線等の架橋エネルギーを付与したりすることによって、硬化させることもできる。一般的に、放熱構造体全体を或る程度加熱することが容易である場合には、加熱硬化型組成物を用いることが好ましく、放熱構造体の加熱が困難である場合には、二液型硬化性組成物を用いるか、湿分硬化型組成物を用いることが好ましいものの、これらに限定されるものではない。
【0037】
硬化性液状樹脂の中でも、シラノール縮合反応型の硬化性液状樹脂がより好ましい。また、硬化性液状樹脂の中でも、低分子量シロキサンによる電子機器内の汚染の問題が少ないこと、耐熱性に優れていること等から、硬化性アクリル系樹脂または硬化性ポリプロピレンオキサイド系樹脂を用いることが好ましい。硬化性アクリル系樹脂としては、公知の様々な反応性アクリル樹脂を用いることができる。この中でも、分子末端に反応性基を有するアクリル系オリゴマーを用いることが好ましい。硬化性アクリル系樹脂としては、リビングラジカル重合、特に原子移動ラジカル重合にて製造された硬化性アクリル系樹脂と、硬化触媒との組み合わせが最も好ましい。このような硬化性アクリル系樹脂の例として、(株)カネカ製のカネカXMAPが知られている。また、硬化性ポリプロピレンオキサイド系樹脂としては、公知の様々な反応性ポリプロピレンオキサイド樹脂を用いることができる。このような反応性ポリプロピレンオキサイド樹脂の例として、(株)カネカ製のカネカMSポリマーが知られている。硬化性液状樹脂は、2種類以上を併用することもできる。
【0038】
(熱伝導性充填材:(導電性フィラー))
湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物(およびその硬化物)に用いられる熱伝導性充填材としては、熱伝導率、入手の容易性、充填性、毒性、および、絶縁性や電磁波吸収性等の電気特性等の種々の観点から、例えば、グラファイト、ダイヤモンド等の炭素化合物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素等の金属炭化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;結晶性シリカ;アクリロニトリル系ポリマー焼成物、フラン樹脂焼成物、クレゾール樹脂焼成物、ポリ塩化ビニル焼成物、砂糖の焼成物、木炭の焼成物等の有機性ポリマー焼成物;Znフェライトとの複合フェライト;Fe-Al-Si系三元合金;アルミニウム等の金属粉末;等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリコーンカーバイト、グラフェン粒子、酸化グラフェン粒子、炭酸カルシウムであることが好ましく、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムが特に好ましい。
【0039】
また、熱伝導性充填材は、硬化性液状樹脂に対する分散性が向上することから、シランカップリング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナートシラン、クロロシラン、アミノシラン等)やチタネートカップリング剤(アルコキシチタネート、アミノチタネート等)、または、脂肪酸(カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸;ソルビン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸等)や樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸、レボピマール酸、ネオアピチン酸、パラストリン酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コルム酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等)等によって、その表面が処理されていることが好ましい。
【0040】
熱伝導性充填材の使用量は、湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物から得られる硬化物の熱伝導率を高くすることができることから、湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物に占める熱伝導性充填材の容積率(容量%)が25容量%以上となる量であることが好ましい。熱伝導性充填材の使用量が25容量%よりも少ない場合には、硬化物の熱伝導性が十分でなくなる傾向がある。より高い熱伝導率を望む場合には、熱伝導性充填材の使用量を、30容量%以上とすることがより好ましく、40容量%以上とすることがさらに好ましく、50容量%以上とすることが特に好ましい。また、熱伝導性充填材の使用量は、90容量%以下であることが好ましい。熱伝導性充填材の使用量が90容量%よりも多い場合には、硬化前の熱伝導性硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることがある。
【0041】
ここで、熱伝導性充填材の容積率(容量%)とは、硬化性液状樹脂分(熱伝導性充填材を除いた硬化性樹脂組成物)および熱伝導性充填材の、それぞれの重量分率と比重とから算出される数値であり、次式(1)によって算出される。尚、式(1)では硬化性液状樹脂分を単に「樹脂分」と記載し、熱伝導性充填材を単に「充填材」と記載した。
【0042】
充填材の容積率(容量%)=(充填材の重量分率/充填材の比重)÷[(樹脂分の重量分率/樹脂分の比重)+(充填材の重量分率/充填材の比重)]×100 …(1)。
【0043】
湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物に対する熱伝導性充填材の容積率を高める一手法としては、粒子径が互いに異なる2種類以上の熱伝導性充填材を併用することが好適である。この場合には、粒子径がより大きい熱伝導性充填材として粒子径が10μmを超える熱伝導性充填材を用い、粒子径がより小さい熱伝導性充填材として粒子径が10μm以下の熱伝導性充填材を用いることが好ましい。
【0044】
また、2種類以上の熱伝導性充填材を併用する場合には、これら熱伝導性充填材は、同一組成の熱伝導性充填材であってもよく、互いに異なる組成の熱伝導性充填材であってもよい。
【0045】
さらに、最大粒子径の小さな熱伝導性充填材を適宜組み合わせることによって硬化物の薄膜性を担保することができる。上記最大粒子径は、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。最大粒子径の小さな熱伝導性充填材を用いることにより、狭い隙間にも湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を流し込むことができる。
【0046】
[金属カートリッジの容器への湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の充填]
湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物は、縦充填機、横充填機、自動充てん機、半自動充填機、手動充填機等の装置の組み合わせにより金属カートリッジの容器に充填することができる。例えば
図2の縦充填機の場合、カートリッジ充填装置20は、充填ノズル30、定量ポンプ31、フレキシブルホース32、原料ドラム33、吐出圧ピストン34、圧縮板35からなる。
【0047】
充填の際は、金属カートリッジ1の容器2にカートリッジ充填装置20の充填ノズル30を差し込み、定量ポンプ31で定量した湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物5を流し込む(
図2(a))。
図2(b)は、
図2(a)のうち、充填ノズル30および容器2の部分を模式的に表した図であり、充填ノズルから湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を吐出しカートリッジに当該樹脂組成物を充填しており、ほぼ充填が完了している状態を示している。その後、プランジャー打栓装置(図示せず)を用いてプランジャー4を打栓用治具36で押し込んで打栓する(
図2(c))。打栓の際には内部の空気を抜くための空気抜き用のピンを差し込んで打栓することが望ましい。プランジャー打栓状態では、
図2(d)のように、湿分硬化樹型熱伝導性樹脂組成物5とプランジャー4の間に空気が残存しないように、十分に圧縮して空気を押し出しておくことが望ましい。その後、
図2(e)に示されたように、湿分吸収剤10をプランジャー上部の空間に設置することが望ましい。また、
図2(f)に示されたように、プランジャー部の空間に窒素、アルゴン、ヘリウム、空気等の気体(乾燥気体)を充填したうえで、
図2(g)のように円柱上部の金属製の蓋8を閉じてカートリッジを封止することが好ましい。
【0048】
[金属カートリッジを用いた湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法]
金属カートリッジを用いた湿分硬化型熱伝導樹脂組成物の塗布方法としては、
図3に記載の通り、金属カートリッジの円柱上面の蓋8や湿分吸収剤10を取り外し、吐出口7に先端が鋭利な円錐形状の穴あけ治具41を吐出口7に方向42の方向に突き刺す工程(
図3(b))、突き刺した穴あけ治具41を方向44の方向に引く抜く工程(
図3(c))を経て、吐出口7に開口部43を形成する。
【0049】
吐出口7に開口部43を形成した金属カートリッジは、
図4の塗布装置の金属カートリッジを加圧するための加圧ホルダー45に取り付ける。塗布装置は、例えば湿分硬化型熱伝導樹脂組成物を押し出すための圧縮気体を発生させる気体発生装置50、加圧気体51、吐出バルブコントローラー52、金属カートリッジ加圧用気体配管53、バルブコントロール用気体配管54、ロボットコントロール用配線55、吐出コントロール用配線56、吐出バルブ57、吐出ノズル58、塗布基板60、基板用ステージ61、位置コントロール用ロボット62、制御用コンピュータ63を備える。
【0050】
基板上への前記樹脂組成物の塗布は、例えば、以下の方法で行うことができる。
気体発生装置50から発生した加圧気体51が、加圧ホルダー45並びに吐出バルブコンロローラー52に送り込まれる。加圧ホルダー45が加圧されることで内部の金属カートリッジのプランジャー4が摺動する。プランジャー4が摺動することで内部の湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物5が吐出口7より押し出される。
【0051】
吐出口7より押し出された湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物5は、配管を通して吐出バルブ57に送り込まれる。吐出バルブ57は、吐出バルブコントローラー52により吐出制御された加圧気体により開閉コントロールが行われ、吐出バルブ57のバルブが開の場合には、吐出ノズル58を通じて塗布基板60に湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物5が塗布される。バルブが閉の場合には、吐出ノズル58からの吐出が停止される。吐出後の湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物59の塗布パターン形状のコントロールは、制御用コンピュータ63により、ロボットコントロール用配線55により吐出バルブ57の位置をコントロールすることで行われる。ロボットの左右の移動64、基板ステージ61を移動させることで前後の移動を行い位置調整が行われる。吐出コントローラー用配線56により吐出バルブコントローラー52が制御され、吐出バルブ57の吐出開閉をコントロールして塗布量および塗布のタイミングがコントロールされる。ロボットの移動や樹脂の吐出量等すべての制御は制御用コンピュータ63により制御することができる。
【実施例0052】
〔合成例1〕
容量250Lの反応機に、窒素ガス雰囲気下で、CuBr(1.09kg)、アセトニトリル(11.4kg)、アクリル酸ブチル(26.0kg)、および2,5-ジブロモアジピン酸ジエチル(2.28kg)を加え、70~80℃で30分間程度攪拌した。得られた混合液に、ペンタメチルジエチレントリアミンを加え、反応を開始した。反応を開始してから30分間経過した後から、2時間かけて、アクリル酸ブチル(104kg)を連続的に追加した。また、反応の途中でペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、内温(反応液の温度)が70℃~90℃になるようにした。反応に使用したペンタメチルジエチレントリアミンは、総量で220gであった。反応を開始してから4時間経過後、80℃で減圧下、加熱攪拌することによって揮発分を除去した。得られた残留物に、アセトニトリル(45.7kg)、1,7-オクタジエン(14.0kg)、およびペンタメチルジエチレントリアミン(439g)を添加して、8時間攪拌を続けた。その後、得られた混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌することによって揮発分を除去した。
【0053】
得られた濃縮物にトルエンを加え、濃縮物に含まれる重合体を溶解させた後、ろ過助剤としての珪藻土、吸着剤としての珪酸アルミニウムおよびハイドロタルサイトを加え、酸素-窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温(溶液の温度)100℃で加熱攪拌した。溶液中の固形分をろ過して除去し、ろ液を内温100℃で減圧下、加熱攪拌することによって揮発分を除去した。
【0054】
さらに、得られた濃縮物に、吸着剤としての珪酸アルミニウムおよびハイドロタルサイト、並びに熱劣化防止剤を加え、減圧下、加熱攪拌した(平均温度約175℃、減圧度10Torr以下)。その後、吸着剤としての珪酸アルミニウムおよびハイドロタルサイトをさらに追加し、酸化防止剤を加えて、酸素-窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温150℃で加熱攪拌した。
【0055】
得られた濃縮物にトルエンを加え、濃縮物に含まれる重合体を溶解させた後、溶液中の固形分をろ過して除去し、ろ液を減圧下で加熱攪拌して揮発分を除去した。これにより、アルケニル基を有する重合体を得た。
【0056】
このアルケニル基を有する重合体に、ジメトキシメチルシラン(アルケニル基に対して2.0モル当量)、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1.0モル当量)、および白金錯体触媒であるビス(1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)のキシレン溶液(重合体1kgに対して白金10mgとなる量)を混合し、窒素ガス雰囲気下、100℃で加熱攪拌して反応させた。そして、アルケニル基が消失したことを確認した後、反応混合物を濃縮して、末端にジメトキシシリル基を有するポリ(アクリル酸-n-ブチル)からなる樹脂(I-1)を得た。得られた重合体の数平均分子量は約26,000、分子量分布は1.3であった。重合体1分子当たりに導入されたシリル基の数を1H-NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
【0057】
〔合成例2〕
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量が25,500の水酸基末端ポリプロピレンオキシドを得た。尚、水酸基末端ポリプロピレンオキシドの数平均分子量は、送液システムとして東ソー(株)製のHLC-8120GPCを用い、カラムとして東ソー(株)製のTSK-GEL Hタイプを用い、溶媒としてTHFを用いて測定した値のポリスチレン換算値である。
【0058】
続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して、1.2倍当量のメトキシナトリウムのメタノール溶液を添加した後、メタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次いで、未反応の塩化アリルを減圧脱揮によって除去した。
【0059】
得られた未精製のアリル基末端ポリプロピレンオキシド100重量部に対して、n-ヘキサン300重量部、および水300重量部を混合して攪拌した後、遠心分離によって水を除去した。得られたヘキサン溶液に水300重量部をさらに混合して攪拌した後、再度、遠心分離によって水を除去した。その後、ヘキサンを減圧脱揮によって除去した。これにより、末端がアリル基である数平均分子量約25,500の2官能ポリプロピレンオキシドを得た。
【0060】
得られた精製後のアリル基末端ポリプロピレンオキシド100重量部に対して、触媒として白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液(白金の含有量は3重量%)150ppmと、トリメトキシシラン0.95重量部とを添加して、90℃で5時間反応させた。これにより、トリメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシドからなる樹脂(I-2)を得た。重合体1分子当たりに導入されたトリメトキシシリル基の数を1H-NMR分析により求めたところ、約1.3個であった。
【0061】
〔熱伝導性硬化性液状樹脂の調製〕
合成例1で得られた樹脂(I-1)50重量部、合成例2で得られた樹脂(I-2)50重量部、可塑剤としてのジ-イソノニル-シクロヘキサン-ジカルボキシレート(DINCH)(BASF社製)100重量部、酸化防止剤(Irganox 1010)1重量部、および熱伝導性充填材としてのアルミナ(DENKA(株)製)1,500重量部を、手動でかき混ぜることによって十分に攪拌混練した。その後、混練物を、5Lバタフライミキサーを用いて加熱混練しながら真空引きを行って脱水した。脱水完了後に混練物を冷却し、脱水剤(A171)5重量部、および硬化触媒であるネオデカン酸スズ4重量部を混合した。これにより、湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を調製した。
【0062】
(実施例1)
容器の材質を0.5mm厚みのアルミニウムを用いて、円柱の底面には、0.4mm厚みの吐出口を有する容量が330mlの金属カートリッジを用いた。
上記湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を
図2の縦充填機を用いて金属カートリッジ内に800g充填した。充填後はプランジャーを打ち込み窒素封入後に乾燥剤としてシリカゲルを配置し蓋を密閉した。充填後に吐出試験装置
図4を用いて1mmΦの吐出ノズルを用いて気体発生装置より発生する加圧気体(乾燥空気)により0.3MPaに加圧し吐出試験を行った。吐出は吐出バルブを開にして連続的に湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物を吐出して充填時の重量をXg、吐出後の重量をYgとして、吐出割合を式1より算出した。
吐出割合(%)=Y÷X×100 ・・・ 式1
本実施例では吐出後の吐出割合は95%であり、吐出後のカートリッジには変形等は見られなかった。
【0063】
(比較例1)
容器の材質を、高密度ポリエチレン層/アルミニウムシート(厚み0.1μm)/クラフト紙/最外層に印刷済みアルミニウム箔(金属総厚み0.1μm)の積層体を用いた他は、実施例1と同様に行った。連続塗布後の吐出割合は52%であり、塗布時に、容器側面が変形し、結果として湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物が40%残存し塗布できなかった。
【0064】
(比較例2)
容器の材質を、容器の材質を0.3mm厚みのアルミニウムを用いた他は、実施例1と同様に行った。連続塗布後の吐出割合は60%であり、塗布時に、容器側面が変形し、結果として湿分硬化型熱伝導性樹脂組成物が40%残存し塗布できなかった。