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特開2022-187841情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理システム及び梱包材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187841
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理システム及び梱包材
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/00 20120101AFI20221213BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221213BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20221213BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
G06Q50/10
G06Q10/00 400
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096044
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】芝 貴子
(72)【発明者】
【氏名】河面 隆司
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 真弥
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 幸司
(72)【発明者】
【氏名】八木 穂崇
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 歩大
(72)【発明者】
【氏名】小坂 星弥
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】電子商取引で購入された車両部品についてユーザの満足度を向上させる情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理システム及び梱包材を提供する。
【解決手段】電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、
前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、
バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する
情報処理方法。
【請求項2】
前記バッテリ識別データは、製造事業者によって第1梱包材で梱包済みのバッテリを、前記第1梱包材ごと梱包した第2梱包材に付されている
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記バッテリ識別データは、製造事業者によって第1梱包材で梱包済みのバッテリが、販売事業者から発送される際に使用される第2梱包材に付されている
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記バッテリ識別データを含む二次元コードが印刷された印刷媒体が、前記第2梱包材内に前記バッテリと同梱されている
請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記バッテリ識別データに対応付けて、前記バッテリが販売された電子商取引における取引に関するデータを記憶する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記取引に関するデータは、販売事業者の識別データ、及び/又は、前記バッテリの配送事業者を識別する識別データを含む
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記バッテリに液漏れが発生した場合、液漏れの通知を受け付け、
液漏れが発生したバッテリのバッテリ識別データを記憶する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記バッテリ識別データを、ユーザ端末装置から受け付ける
請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記バッテリにバッテリ上がりが発生した場合、バッテリ上がりの通知を受け付け、
バッテリ上がりが発生したバッテリのバッテリ識別データを記憶する
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記バッテリ識別データを、ユーザ端末装置から受け付ける
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
バッテリのバッテリ識別データ又は前記バッテリに関する通知を受け付けた時点が、前記バッテリのバッテリ識別データに対応付けられている購入日又は発送日に基づく保証期間内であるか否かを判断し、
保証期間内であることを条件に、前記バッテリの液漏れ対応又はバッテリ上がり対応の対象とする
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
バッテリが販売事業者から発送される際に使用される第2梱包材が、バッテリの製造事業者からの発送日に基づいて保証期間内にあるか否かを判断する
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
バッテリのバッテリ識別データ又は前記バッテリに関する通知を受け付けた時点が保証期間内であると判断された場合、前記バッテリの保証に関する情報を出力する
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記バッテリの保証のサービスとして、バッテリ上がり発生を受け付けた場合、前記バッテリが装着された車両の運搬サービスの手配通知を出力する
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記バッテリの保証のサービスとして、バッテリの液漏れ発生を受け付けた場合、前記バッテリの代替品の発送通知を出力する
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項16】
電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、
前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、
バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する
処理部を備える情報処理装置。
【請求項17】
コンピュータに、
電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、
前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、
バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項18】
事業者端末装置及び情報処理装置を含み、
前記情報処理装置は、
電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを、ユーザ端末装置又は事業者端末装置から受け付け、
前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、
バッテリ識別データを指定する参照要求を前記事業者端末装置から受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されているデータを、前記事業者端末装置へ送信する
情報処理システム。
【請求項19】
第1梱包材で梱包済みのバッテリを、前記第1梱包材ごと梱包する梱包材であって、
前記バッテリを梱包した第1梱包材の内部での転倒を防止する転倒防止部を備え、
前記バッテリの転倒に伴う液漏れ時の連絡情報、前記バッテリのバッテリ上がり時の連絡情報、及び、前記バッテリを識別するバッテリ識別データが付されている
梱包材。
【請求項20】
前記バッテリ識別データがコンピュータにより読み取られた場合、前記バッテリ識別データと共に前記液漏れ又はバッテリ上がりの通知を、前記液漏れ又はバッテリに対応する事業者の事業者端末装置へ、前記コンピュータに通知させる制御データをエンコードした二次元コードが付されている
請求項19に記載の梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引で購入されたバッテリ等の車両部品に関する情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理システム及び梱包材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるバッテリ、タイヤ等の車両部品について、ユーザは電子商取引を介して購入可能である。車両部品の中でもバッテリは、保管方法等の取り扱い知識が販売業者にも必要である。しかしながら、電子商取引を含め車両部品の販路が増加するに従い、取り扱い知識に乏しい取引事業者、配送事業者によって管理されたバッテリが、ユーザの手元に届いた時点で液漏れしているといったトラブルが増加している。
【0003】
バッテリ等の蓄電池に対して発生したトラブルについては、蓄電池の経年劣化の特徴を鑑みて、蓄電池の製造年月日、使用開始日等に基づいた保証がなされることが多い。特許文献1には、大規模な蓄電システムにおいて蓄電池のデータを逐次取得し、取得できたデータに基づいて運用開始条件を満たしたと判断された場合、条件を満たした日時を運用開始日として正確に記憶し、運用中に遠隔から参照できるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-149362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子商取引等を介して購入されたバッテリは、ユーザと販売事業者とが地理的に離れているケースが多く、運用開始日が記録されていて保証期間であっても点検やトラブル対応が困難な場合がある。電子商取引を介して購入可能なバッテリ等の車両部品は、製造事業者、販売事業者、購入時の配送事業者、及び車両トラブル対応サービス事業者等と、関係事業者が個々に独立しており、トラブルの原因の特定、ユーザへの保証及び対応が不十分な場合がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情を鑑みてなされたものであり、電子商取引で購入された車両部品についてユーザの満足度を向上させる情報処理方法、情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理システム及び梱包材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態の情報処理方法は、電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】バッテリ情報処理システムの概要図である。
図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】事業者端末装置及びユーザ端末装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】第2梱包材の模式斜視図である。
図5】第2梱包材の他の例の模式斜視図である。
図6】バッテリ情報処理システムにおけるバッテリ識別データの登録受付手順の一例を示すフローチャートである。
図7】ユーザ端末装置で表示される入力画面の内容例を示す図である。
図8】バッテリ情報処理システムにおけるバッテリデータの参照手順の一例を示すフローチャートである。
図9】受付画面の内容例を示す図である。
図10】通知画面の概要図である。
図11】バッテリ情報処理システムにおける発送済みバッテリのデータ登録手順の一例を示すフローチャートである。
図12】販売事業者用の入力画面の内容例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
情報処理方法は、電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する。
【0010】
上記構成により、電子商取引を通じて販売されたバッテリについても、バッテリ識別データに対応付けて、購入日及び/又は発送日を含むトレーサビリティに関するデータが記憶される。
【0011】
電子商取引を通じてバッテリ等の車両部品が販売される場合、販売事業者、配送事業者、トラブル時のレスキューサービス事業者等、関係事業者が多岐に亘る。車両のバッテリは、小売りや電子商取引を介してユーザが購入できるものである一方で、輸送時のトラブル、又は装着時のトラブルを発生するケースがある。各事業者が、取り扱った商品についてのデータベースを持っていたとしても、トラブルが発生した場合に、それらのデータベースを横断して繋げたデータが得られければ、ユーザに十分なサービスや情報の提示ができず、ユーザがバッテリそのものに不満を抱く可能性がある。
【0012】
これに対し、購入日、発送日等を含むバッテリの電子商取引におけるトレーサビリティに関するデータを、バッテリ識別データに対応付けて各事業者から参照可能に記憶しておくことにより、対応可否、トラブルの原因の切り分け等を明確化できる。ユーザは、明確な根拠によって対応の可否、及び責任の所在に応じて対応を受けることができる。
【0013】
トレーサビリティに関するデータは、上述の購入日及び/又は発送日に限られない。バッテリ等の車両部品のトレーサビリティに関するデータは、その車両部品の製造から、ユーザへの配送完了、使用開始後のトラブル、修理を経て、リユース又は廃棄に至るまでの日にち、診断結果等を含むデータである。
【0014】
前記バッテリ識別データは、製造事業者によって第1梱包材で梱包済みのバッテリを、前記第1梱包材ごと梱包した第2梱包材に付されていてもよい。
【0015】
販売事業者が梱包する第2梱包材にバッテリ識別データが付されている。バッテリの製造事業者がバッテリを第1梱包材に梱包して出荷する場合、バッテリ本体あるいは第1梱包材に、バッテリを識別するための識別情報が付されていることが多い。この識別情報には、製造事業者側で、製造年月日及び製造事業者からの発送日等が紐づけられている。これに対し、電子商取引を通じて販売された場合には、第2梱包材が使用される。つまり、電子商取引を介して購入された場合のみに、製造事業者で管理している識別情報に加えてバッテリ識別データが与えられ、量販店等の小売店でユーザが購入した場合と区別ができる。ユーザは、小売店で購入した場合に小売店の保証サービス等が受けられる可能性がある一方で、電子商取引を介した場合に同様のサービスが受けられなかった。上記構成により、電子商取引を介して購入したユーザに対しても、バッテリに関するトラブル対応サービスを提供することが可能になる。
【0016】
製造事業者にてシリアルナンバーが付与されていない場合であっても、電子商取引による取引が成立し、ユーザへそのバッテリが発送される時点でバッテリ識別データを対応付けることができる。
【0017】
バッテリ識別データは、製造事業者によって第1梱包材で梱包済みのバッテリが、販売事業者から発送される際に使用される第2梱包材に付されていてもよい。
【0018】
バッテリ識別データが予め付された状態の第2梱包材が製造事業者から販売事業者へ送付される。つまり、液漏れを防止する構造としてある第2梱包材を使用して発送されたことを条件に、トレーサビリティに関するデータを記憶し、その後のトラブル対応を可能とする。逆に、バッテリ識別データが付されていない第2梱包材を使用せずに梱包して発送した販売事業者から購入されたバッテリについてはトラブル対応が不可能となる可能性がある。これにより、電子商取引によって販売されたバッテリについて、発送に責任を持つ販売事業者のトラブル対応に対する責任を明確にできる。
【0019】
バッテリ識別データは、前記バッテリ識別データを含む二次元コードが印刷された印刷媒体が、前記第2梱包材内に前記バッテリと同梱されていてもよい。
【0020】
二次元コードが印刷された印刷媒体が第2梱包材に同梱されることにより、ユーザは、バッテリを受領した場合に、二次元コードを用いて容易にバッテリ識別データを通知することができる。ユーザにとっての煩雑な操作をできるだけ低減できる。
【0021】
バッテリ識別データに対応付けて、前記バッテリが販売された電子商取引における取引に関するデータを記憶してもよい。
【0022】
トレーサビリティに関するデータは、電子商取引を実現するプラットフォームにおいて取引を識別する取引データを含んでもよい。これにより、バッテリを購入したユーザの受取場所、販売事業者、配送事業者を、後に特定することができる。
【0023】
前記取引に関するデータは、販売事業者の識別データ、及び/又は、前記バッテリの配送事業者を識別する識別データを含んでもよい。
【0024】
上記構成により、バッテリの販売事業者、及び/又は、配送事業者を、後に直接的に特定することができる。
【0025】
前記バッテリに液漏れが発生した場合、液漏れの通知を受け付け、液漏れが発生したバッテリのバッテリ識別データを記憶してもよい。バッテリ識別データは、ユーザ端末装置から受け付けてもよい。
【0026】
バッテリの購入日及び/又は発送日のデータ、及び、液漏れの有無若しくは液漏れの発生日が、バッテリの識別データに対応付けて参照可能に記憶される。これにより、液漏れへの対応の可否が、購入日又は発送日の日にちに基づいて明確になる。
【0027】
前記バッテリにバッテリ上がりが発生した場合、バッテリ上がりの通知を受け付け、バッテリ上がりが発生したバッテリのバッテリ識別データを記憶してもよい。バッテリ識別データは、ユーザ端末装置から受け付けてもよい。
【0028】
バッテリの購入日及び/又は発送日のデータ、及び、バッテリ上がりの有無若しくはバッテリ上がりの発生日が、バッテリの識別データに対応付けて参照可能に記憶される。これにより、バッテリ上がりへの対応の可否が、購入日又は発送日の日にちに基づいて明確になる。
【0029】
バッテリのバッテリ識別データ又は前記バッテリに関する通知を受け付けた時点が、前記バッテリのバッテリ識別データに対応付けられている購入日又は発送日に基づく保証期間内であるか否かを判断してもよい。この場合、保証期間内であることを条件に、前記バッテリは、前記バッテリの液漏れ対応又はバッテリ上がり対応の対象となる。
【0030】
購入日又は発送日が記憶されている場合、バッテリの液漏れ又はバッテリ上がりが発生した日にちが、購入日又は発送日から起算される保証期間内であるか否かにより、対応可否が明確である。
【0031】
バッテリが販売事業者から発送される際に使用される第2梱包材が、バッテリの製造事業者からの発送日に基づいて保証期間内にあるか否かが判断されてもよい。
【0032】
バッテリは、製造されてから長期間使用されずに放置されると、保証ができなくなる。製造事業者から販売事業者へ第1梱包材に梱包済みのバッテリの発送と共に第2梱包材が発送される。第2梱包材を使用したバッテリの発送が、第2梱包材の発送から所定期間内であることを条件に、保証期間内にあると判断される。これにより、販売事業者は、ユーザが保証を受けることができるように所定期間を守って発送する。
【0033】
バッテリのバッテリ識別データ又は前記バッテリに関する通知を受け付けた時点が保証期間内であると判断された場合、前記バッテリの保証に関する情報が出力されてもよい。
【0034】
保証期間内である場合、バッテリの保証に関する情報が出力される。ユーザがその情報を取得してもよいし、販売事業者、配送事業者、又はトラブル対応サービスの事業者が取得してもよい。
【0035】
バッテリの保証のサービスとして、バッテリ上がり発生を受け付けた場合、前記バッテリが装着された車両の運搬サービスの手配通知が出力されてもよい。
【0036】
バッテリ識別データに対応付けてトレーサビリティに関するデータが記憶されていることによって、ユーザは、バッテリ上がり時のレスキューサービスの手配まで享受できる。
【0037】
前記バッテリの保証のサービスとして、バッテリの液漏れ発生を受け付けた場合、前記バッテリの代替品の発送通知が出力されてもよい。
【0038】
バッテリ識別データに対応付けてトレーサビリティに関するデータが記憶されていることによって、ユーザは、バッテリの液漏れ発生時の代替品の手配まで享受できる。
【0039】
情報処理装置は、電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する。
【0040】
上記構成の情報処理装置によれば、購入日、発送日等を含むバッテリの電子商取引におけるトレーサビリティに関するデータが、バッテリ識別データに対応付けて各事業者から参照可能に記憶される。これにより、対応可否、トラブルの原因の切り分け等を明確化できる。ユーザは、明確な根拠によって対応の可否、及び責任の所在に応じて対応を受けることができる。
【0041】
コンピュータプログラムは、コンピュータに、電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを受け付け、前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、バッテリ識別データを指定する参照要求を受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されている前記データを要求元へ送信する処理を実行させる。
【0042】
上記構成のコンピュータプログラムによれば、購入日、発送日等を含むバッテリの電子商取引におけるトレーサビリティに関するデータが、バッテリ識別データに対応付けて各事業者から参照可能に記憶される。これにより、対応可否、トラブルの原因の切り分け等を明確化できる。ユーザは、明確な根拠によって対応の可否、及び責任の所在に応じて対応を受けることができる。
【0043】
情報処理システムは、事業者端末装置及び情報処理装置を含み、前記情報処理装置は、電子商取引を通じて販売されるバッテリに対応付けられるバッテリ識別データを、ユーザ端末装置又は事業者端末装置から受け付け、前記バッテリの購入日及び/又は発送日を含むバッテリのトレーサビリティに関するデータを、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶し、バッテリ識別データを指定する参照要求を前記事業者端末装置から受け付けた場合に、前記バッテリ識別データに対応付けて記憶されているデータを、前記事業者端末装置へ送信する。
【0044】
上記構成の情報処理システムによれば、購入日、発送日等を含むバッテリの電子商取引におけるトレーサビリティに関するデータが、バッテリ識別データに対応付けて事業者端末装置から参照可能に記憶される。これにより、対応可否、トラブルの原因の切り分け等を明確化できる。ユーザは、明確な根拠によって対応の可否、及び責任の所在に応じて対応を受けることができる。
【0045】
梱包材は、第1梱包材で梱包済みのバッテリを、前記第1梱包材ごと梱包する梱包材である。梱包材は、前記バッテリを梱包した第1梱包材の内部での転倒を防止する転倒防止部を備え、前記バッテリの転倒に伴う液漏れ時の連絡情報、前記バッテリのバッテリ上がり時の連絡情報、及び、前記バッテリを識別するバッテリ識別データが付されている。
【0046】
上記構成の梱包材の使用は、梱包されるバッテリの内部での転倒防止を可能とする。梱包材には、後に液漏れ、バッテリ上がりが発生した場合に対応サービスを受けることを可能にするバッテリ識別データが付されている。この梱包材が使用されて発送されたバッテリについては電子商取引を介して購入されたものであっても、保証を受けることができ、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0047】
梱包材には、前記バッテリ識別データがコンピュータにより読み取られた場合、前記バッテリ識別データと共に前記液漏れ又はバッテリ上がりの通知を、前記液漏れ又はバッテリに対応する事業者の事業者端末装置へ、前記コンピュータに通知させる制御データをエンコードした二次元コードが付されていてもよい。
【0048】
ユーザは、この梱包材を使用して発送されたバッテリに、液漏れ又はバッテリ上がり等のトラブルが発生した場合でも、ユーザ端末装置を用いた容易な操作で、サービス事業者へ通知できる。
【0049】
本発明をその実施形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0050】
(第1実施形態)
図1は、バッテリ情報処理システム100の概要図である。バッテリ情報処理システム100は、情報処理装置1と、事業者端末装置2と、ユーザ端末装置3とを含む。情報処理装置1、事業者端末装置2、及びユーザ端末装置3は相互に、ネットワークNを介してデータの送受信が可能である。
【0051】
情報処理装置1は、バッテリ4の製造事業者によって管理される。事業者端末装置2は、販売事業者、購入時の配送事業者、及び車両トラブル対応サービス事業者によって管理される。事業者端末装置2は、各事業者に発行されるアカウントに基づくアクセス権限によって、情報処理装置1からデータを参照できる。ユーザ端末装置3は、バッテリ4の購入者であるユーザが用いる端末である。
【0052】
本開示のバッテリ情報処理システム100において、バッテリ4は、車両の補助電源として用いられる鉛蓄電池である。バッテリ4は、製造事業者から第1梱包材41に梱包されて販売事業者(小売事業者)へ出荷される。製造事業者から販売事業者へ、第1梱包材41に梱包されたバッテリ4をさらに梱包するための第2梱包材42も出荷される。バッテリ情報処理システム100において販売事業者は、ユーザからの注文に応じて第1梱包材41に梱包されたままのバッテリ4と、バッテリ識別データ(シリアルナンバー)を印字した媒体、又はバッテリ識別データを読み取り可能に記憶した媒体とを第2梱包材42内に同梱し、ユーザへ発送する。ユーザは、配送事業者によって配送されたバッテリ4を収容した第2梱包材42を受領する。ユーザは、第2梱包材42に梱包されているバッテリ識別データと、購入日(保証開始日)を特定可能な購入情報を含むデータを、ユーザ端末装置3から情報処理装置1に登録することができる。
【0053】
バッテリ情報処理システム100は、車両の補助電源として用いられる鉛蓄電池であるバッテリ4のバッテリ識別データに対応付けて、購入情報を含むデータを、出荷済みの複数のバッテリ4について収集する。これらのデータは、販売事業者、配送事業者又はトラブル対応サービス事業者が、事業者端末装置2から確認可能である。
【0054】
バッテリ情報処理システム100は、バッテリ4にトラブルが発生した場合、ユーザから、ユーザ端末装置3を介してバッテリ識別データを指定した問い合わせを受け付ける。
【0055】
問い合わせられたトラブル内容に応じて販売事業者、配送事業者又はトラブル対応サービス事業者が、事業者端末装置2を介して受け付けられた問い合わせを確認し、バッテリ識別データに紐づいて確認できる購入情報に基づき、保証の有無等を確認できる。販売事業者、配送事業者又はトラブル対応サービス事業者は、確認された内容に応じてバッテリ4の保証に関する処置を実施する。
【0056】
このようにバッテリ情報処理システム100では、ユーザは、バッテリ識別データに対応付けてデータを登録することによって、電子商取引を介して購入したバッテリ4の製造事業者、販売事業者、配送事業者及びトラブル対応サービス事業者のいずれかから、適切なトラブル対応を受けることができる。
【0057】
以下、バッテリ情報処理システム100の詳細な構成、バッテリ4の出荷から使用開始までの各フェーズにおける処理、具体例を示し、バッテリ情報処理システム100により実現されるトラブル対応を説明する。
【0058】
図2は、情報処理装置1の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、事業者端末装置2及びユーザ端末装置3に対し、インターネット、キャリアネットワーク、又は事業者間のプライベートネットワーク等を含むネットワークNを介してデータの送受信が可能なサーバ装置である。情報処理装置1は、サーバコンピュータ、又は、ラップトップ型若しくはデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。情報処理装置1は、以下の説明においては1台のサーバコンピュータによって構成されるものとして説明するが、複数台のサーバコンピュータをネットワークで通信接続して分散処理させる態様であってもよい。
【0059】
情報処理装置1は、処理部10、記憶部11、及び通信部12を備える。処理部10は、CPU(Central Processing Unit )及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、記憶部11に記憶されている情報処理プログラム1Pに基づき、バッテリ4のバッテリ識別データ及び購入情報の収集、並びに情報提供処理を実行する。
【0060】
記憶部11は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11は、処理部10が参照するデータを記憶する。記憶部11は、情報処理プログラム1Pを記憶する。情報処理プログラム1Pは、記憶媒体9に記憶されている情報処理プログラム9Pを処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。情報処理プログラム1Pは、通信部12を介して他のプログラムサーバ装置からダウンロードして記憶したものであってもよい。
【0061】
記憶部11は、バッテリ4のバッテリ識別データに対応付けて、各バッテリ4の購入情報を含むバッテリデータをバッテリDB111に記憶する。バッテリDB111は、外部記憶装置に記憶され、処理部10が読み書き可能であってもよい。
【0062】
通信部12は、ネットワークNを介した事業者端末装置2及びユーザ端末装置3との通信を実現する。通信部12は具体的には、ネットワークカードである。通信部12は、キャリアネットワークと接続する無線通信モジュールであってもよいし、WiFi用の無線通信モジュールであってもよい。処理部10は、通信部12によって事業者端末装置2及びユーザ端末装置3との間でデータを送受信できる。
【0063】
図3は、事業者端末装置2及びユーザ端末装置3の内部構成を示すブロック図である。事業者端末装置2は通信部及びユーザインタフェースを備える。事業者端末装置2は、例えば、ラップトップ型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。事業者端末装置2は、スマートフォン、又はタブレット端末であってもよい。
【0064】
事業者端末装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22、表示部23、及び操作部24を備える。
【0065】
処理部20は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。処理部20は、記憶部21に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行する。各種アプリケーションプログラムは、事業者端末プログラム2Pを含む。処理部20は、事業者端末プログラム2Pに基づき、情報処理装置1との間でデータを送受信する。事業者端末プログラム2PはWebブラウザプログラムであってもよい。
【0066】
記憶部21は、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21は、処理部20が参照するデータを記憶する。記憶部21は、事業者端末プログラム2Pを含む各種アプリケーションプログラムを記憶する。事業者端末プログラム2Pは、記憶媒体8に記憶されている事業者端末プログラム8Pを処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。事業者端末プログラム2Pは、通信部22を介してプログラムサーバ装置からダウンロードして記憶したものである。
【0067】
通信部22は、ネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する。通信部22は例えば、ネットワークカードである。通信部22は、キャリアネットワークと接続する無線通信デバイスであってもよいし、WiFi用の無線通信デバイスであってもよい。処理部20は、通信部22によって情報処理装置1との間でデータを送受信できる。
【0068】
表示部23は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部23は、各種アプリケーションプログラムのGUI(Graphical User Interface)を表示する。処理部20は表示部23に、事業者端末プログラム2Pに基づき情報処理装置1から提供されるデータを表示する。
【0069】
操作部24は、処理部20との間で入出力が可能なキーボード及びマウス等のユーザインタフェースである。操作部24は、音声入力部であってもよい。処理部20は、操作部24にて、ユーザからの入力を受け付ける。
【0070】
ユーザ端末装置3は、通信部及びユーザインタフェースを備える。ユーザ端末装置3は、スマートフォン、又はタブレット端末である。ユーザ端末装置3は、ラップトップ型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。ユーザ端末装置3は、処理部30、記憶部31、通信部32、表示部33、操作部34及び取得部35を備える。
【0071】
処理部30は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。処理部30は、記憶部31に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行する。各種アプリケーションプログラムは、サービスアプリケーションプログラム3P(以下、サービスアプリという)を含む。サービスアプリ3Pに基づき処理部30は、情報処理装置1との間でデータを送受信する。
【0072】
記憶部31は、ラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部31は、処理部30が参照するデータを記憶する。記憶部31は、サービスアプリ3Pを含む各種アプリケーションプログラムを記憶する。サービスアプリ3Pは、通信部32を介してプログラムサーバ装置からダウンロードして記憶したものである。
【0073】
通信部32は、インターネット又はキャリアネットワークを含むネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する。通信部32は具体的には、キャリアネットワークと接続する無線通信デバイスであってもよいし、WiFi用の無線通信デバイスであってもよい。処理部30は、通信部32によって情報処理装置1との間でデータを送受信できる。
【0074】
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイである。表示部33は、各種アプリケーションプログラムのGUIを表示する。表示部33は、タッチパネル内蔵型ディスプレイである。処理部30は表示部33に、サービスアプリ3Pに基づき情報処理装置1から提供されるバッテリ4のトラブル対応に関する画面を表示する。
【0075】
操作部34は、処理部30との間で入出力が可能なユーザインタフェースであって、表示部33内蔵のタッチパネルである。操作部34は、物理ボタンであってもよい。操作部34は、音声入力部であってもよい。
【0076】
取得部35は、第2梱包材42に同梱される媒体からバッテリ4のバッテリ識別データを取得するためのデバイスである。取得部35は、例えばカメラであって、第2梱包材42に貼付又は同梱されるシール、紙、カード等の印刷媒体に印字されているバッテリ識別データの文字もしくは画像、二次元コードを撮像して取得する。取得部35は、例えば近距離無線通信デバイスであって、第2梱包材42に同梱される記憶媒体からバッテリ識別データを通信によって取得してもよい。
【0077】
このように構成されるバッテリ情報処理システム100におけるバッテリ4の購入、及び、データ登録について、フェーズに分けて説明する。
【0078】
<フェーズ1:出荷・発送>
バッテリ情報処理システム100に参画する販売事業者は、バッテリ4を製造事業者から購入し、在庫として保有できる。バッテリ4の製造事業者は、第1梱包材41に梱包された状態で、バッテリ4を専用の配送事業者によって販売事業者へ出荷する。製造事業者は、出荷したバッテリ4と同数の第2梱包材42を販売事業者へ発送する。第2梱包材42は、販売事業者又は配送事業者がユーザに向けてバッテリ4を配送するために用いる梱包材である。第2梱包材42は、バッテリ専用でない配送事業者でも適切に配送されるため、且つ、ユーザがバッテリ情報処理システム100からのサービスを受けられるようにするために用いられる。
【0079】
図4は、第2梱包材42の模式斜視図である。図4Aは、組み立てて天面を解放した状態の第2梱包材42を示す。図4Bは、組み立てて天面を閉じた状態の第2梱包材42を示す。第2梱包材42は、段ボール製の折り畳み梱包材であり、箱状に組み立てることが可能であり、内部はバッテリ4が横倒しの状態にならないような構造とされている。具体的には、図4に示すように第2梱包材42を組み立てた場合、底面及び天面が明確な、扁平な直方体形状をなす。組み立てた第2梱包材42は、側面が底になるような横倒しにしづらい。第2梱包材42の側板外面には天地を逆にしないように注意書き及び記号等が印字されている。組み立てた第2梱包材42の底面内側には、転倒防止部421を備える。転倒防止部421は、バッテリ4が収容された直方体の第1梱包材41の4つ側面の外周に合致するように形成される支え機構である。第2梱包材42では、転倒防止部421により、第1梱包材41に梱包されたバッテリ4を横倒しに収容できない。第2梱包材42は段ボール製には限定されない。
【0080】
第2梱包材42には、天板内側に、バッテリを識別するバッテリ識別データが印字されたシール媒体422が貼付されている。シール媒体422には、バッテリ識別データ及び登録Webページのリンクデータをエンコードした二次元コード423が印字されている。シール媒体422には、トラブル発生時のトラブル対応サービス事業者の電話番号が印字されている。電話番号は、液漏れ発生時と、他のトラブル発生時とで異なる番号であってもよい。第2梱包材42の梱包を解いたユーザがトラブル発生時に連絡できる電話番号を認識できる。シール媒体422には、カード424が粘着されており、このカード424にバッテリ識別データ、二次元コード及び電話番号が印字されていてもよい。
【0081】
図5は、第2梱包材42の他の例の模式斜視図である。図5A及び図5Bは、組み立てて天面を解放した状態の第2梱包材42の他の例をそれぞれ示す。いずれの例においても第2梱包材42は、箱状に組み立てることが可能であり、内部に転倒防止部421を備える。図5Aに示す第2梱包材42における転倒防止部421は、組み立てられた第2梱包材の内部に、バッテリ4が収容された直方体の第1梱包材41の4つ側面に沿うように立てられた仕切り状の構造を有する。図5Bに示す第2梱包材42における転倒防止部421は、組み立てられた第2梱包材の内部に、バッテリ4が収容された直方体の第1梱包材41を取り囲むように敷き詰められた緩衝材である。転倒防止部421は、予め第2梱包材42に連結しておらず、図5A及び図5Bに示したように、バッテリ4が収容された第1梱包材41と同梱されるものであってもよい。
【0082】
第2梱包材42の蓋部分の外面すなわち組み立てた場合の天面には、二次元コード425が印字されている。二次元コード425は、液漏れ発生時のトラブル対応サービス事業者への通知用の画面をサービスアプリ3Pに表示させる制御データ(例えばブラウザで読み込むページアドレス)をエンコードしたデータを含む。ユーザが二次元コード425を取得部35のカメラで撮影した場合、ユーザ端末装置3は、サービスアプリ3P又はウェブブラウザアプリケーションプログラムを起動させて通知用の画面を表示する。
【0083】
製造事業者は、発送した第2梱包材42に付されているバッテリ識別データに対応付けて、第2梱包材42自体を発送した日時及び発送先の販売事業者を識別する事業者識別データを、情報処理装置1の記憶部11に記憶しておく。バッテリ情報処理システム100は、製造事業者から第2梱包材42自体が発送された日時から所定期間(例えば3か月)以内に、販売事業者がバッテリ4を第2梱包材42に収容して発送することを条件として、トラブル対応の対象とする。バッテリ4が、第2梱包材42が発送されてから所定期間経過後にユーザに届いた場合、情報処理装置1は、後述するように(図6参照)、ユーザからのバッテリ識別データの登録を受け付けない。
【0084】
ユーザが電子商取引を介して販売事業者からバッテリ4を購入すると、販売事業者は、バッテリ4が収容された状態の第1梱包材41を、第2梱包材42に梱包し、ユーザ宛に発送する。
【0085】
<配送完了・登録>
ユーザは、第1梱包材41及び第2梱包材42に梱包された状態でバッテリ4を受領する。バッテリ4の梱包を解いたユーザは、図4に示したシール媒体422を確認する。シール媒体422には上述したように、バッテリ情報処理システム100に参画する事業者からのトラブル対応を受けるための登録作業及び電話番号が記されている。ユーザは、ユーザ端末装置3を用いてサービスアプリ3Pを起動し、バッテリ識別データを登録する操作を実施する。登録操作に応じて、バッテリ情報処理システム100は、登録を受け付ける処理を実行する。
【0086】
図6は、バッテリ情報処理システム100におけるバッテリ識別データの登録受付手順の一例を示すフローチャートである。
【0087】
ユーザ端末装置3の処理部30は、サービスアプリ3Pを起動し(ステップS301)、初回起動である場合、バッテリ識別データを含む登録データの入力画面を表示させる(ステップS302)。ステップS302で表示される入力画面には、バッテリ識別データを入力するための入力欄が含まれる。ユーザが、カメラである取得部35によって図4に示したシール媒体422(又は粘着されていたカード424)を撮影してサービスアプリ3Pが起動した場合、入力欄には、二次元コード423から読み取られたバッテリ識別データが入力済みで表示される。
【0088】
表示された入力画面において処理部30は、少なくとも、バッテリ識別データ、及びバッテリの購入日を含む登録データの入力を受け付ける(ステップS303)。ステップS302にて表示される入力画面に、バッテリ識別データを取得する取得部35を動作させるための操作インタフェースが含まれていてもよい。処理部30はステップS303において、この操作インタフェースが選択された場合、バッテリ識別データを取得部35(カメラ又は近距離無線通信デバイス)によって取得する。
【0089】
ステップS303において処理部30は、登録データとしてバッテリ4の品番データの入力を受け付けてもよい。品番データは、第2梱包材42のシール媒体422に印字されていてもよいし、二次元コード423にエンコードされていてもよい。
【0090】
ステップS303において処理部30は、登録データとしてユーザに対してバッテリ情報処理システム100から発行されるユーザを識別するユーザ識別データの入力を受け付けてもよい。ユーザ識別データは、英数字からなる識別データでもよいし、氏名、メッセージアプリのアカウントであってもよい。ユーザ識別データは、ユーザ端末装置3を識別するメールアドレス、電話番号等の端末識別データに代替可能である。
【0091】
ステップS303において処理部30は、登録データとして、ユーザがバッテリ4を購入した際のその取引を識別するための取引識別データの入力を受け付けてもよい。取引識別データは、バッテリ4が購入された際の電子商取引プラットフォームによって発行されるデータである。取引識別データは、いつ購入リクエストがされ、どの販売事業者からどの配送事業者を介していずれの配送車両で配送されたか等を識別することができるように電子商取引プラットフォームで記憶されている。これにより、取引識別データが登録されることにより、バッテリ4を購入した購入日、バッテリ4の販売事業者、バッテリ4の配送事業者を特定可能である。
【0092】
ステップS303において処理部30は、登録データとして、ユーザがバッテリ4を車両に取り付けた取り付け日の入力を受け付けてもよい。後述する対応サービスにおいて取り付け日を参照して利用することが可能である。
【0093】
ステップS303において処理部20は、登録データとして、バッテリ4が梱包されていた第1梱包材41又はバッテリ4本体に付されている識別コードの入力を受け付けてもよい。識別コードは、製造事業者にて付されており、製造年月日、製造事業者からの出荷日等と、販売事業者からの発送時のデータ等との紐づけが可能になる。
【0094】
処理部30は、通信部32により、ステップS303で受け付けたバッテリ識別データ及び購入日を含む登録データを、情報処理装置1へ送信する(ステップS304)。
【0095】
情報処理装置1の処理部10は、バッテリ識別データ、及び購入日を含む登録データを受信する(ステップS101)。処理部10は、登録データに含まれるバッテリ識別データが付された第2梱包材42を製造事業者によって発送されてから、現時点が所定期間以内であるか否かを判断する(ステップS102)。
【0096】
所定期間以内であると判断された場合(S102:YES)、バッテリ識別データに対応付けて、購入日のデータをバッテリDB111に記憶する(ステップS103)。ステップS103において処理部10は、ステップS101で他のデータ(ユーザ識別データ、品番データ又は取引識別データ)を受信している場合、それらのデータも記憶する。
【0097】
ステップS103において処理部10は、登録データに第1梱包材41又はバッテリ4本体に付されている識別コードが含まれている場合、識別コードに対応付けられているバッテリの製造年月日、発送日等のデータを、対応付けて記憶してもよい。
【0098】
処理部10は、登録データのバッテリDB111への記憶の完了通知をユーザ端末装置3へ向けて通信部12から送信する(ステップS104)。
【0099】
以後、対象のバッテリ識別データを付された第2梱包材42に梱包されたバッテリ4は、バッテリ情報処理システム100によって提供されるトラブル対応サービスの対象になる。
【0100】
ユーザ端末装置3の処理部30は、通知を受信し(ステップS305)、通知内容を表示部33に表示させ(ステップS306)、処理を終了する。
【0101】
ステップS102において所定期間以内でないと判断された場合(S102:NO)、処理部10は、エラー通知をユーザ端末装置3へ向けて通信部12から送信する(ステップS105)。
【0102】
ユーザ端末装置3の処理部30は、通知を受信し(S305)、表示部33に通知内容を表示し(S306)、処理を終了する。
【0103】
図7は、ユーザ端末装置3で表示される入力画面331の内容例を示す図である。図7の入力画面331は、ユーザ端末装置3の表示部33に、サービスアプリ3Pが初回起動した場合に表示される。入力画面331は、バッテリ識別データの入力欄332、購入日の入力欄333を含む、入力画面331は、注文番号、品番等、その他の入力欄334が含まれる。図7の入力画面331の入力欄332には、バッテリ識別データ(シリアルナンバー)が入力済みである。
【0104】
入力画面331では、品番データの入力欄333に隣接して、取得部35を起動して二次元コード、又は近距離無線通信によって品番データを読み取るためのボタン335が設けられている。ユーザは、ボタン335を選択すると、例えば第1梱包材41の表面に印刷されている品番データを示す文字列又は品番データの二次元コードを撮影する。これにより取得部35は品番データを取得することができる。
【0105】
入力画面331は、入力欄331-334へ入力された登録データ、又はボタン335を選択することによって取得された登録データを、情報処理装置1へ送信するための登録ボタン336を含む。
【0106】
図7に示した入力画面331に対するユーザの操作によって、情報処理装置1では、バッテリDB111に、バッテリ識別データに対応付けて、少なくとも購入日を含む登録データを記憶することができる。これにより、バッテリ識別データが指定されれば、第2梱包材42にて所定期間内に販売されたバッテリであれば、購入日が特定できる。情報処理装置1は、事業者端末装置2からの参照要求に応じて、購入日を各事業者端末装置2へ応答できる。
【0107】
上述した登録受付手順により、ユーザは、電子商取引で購入したバッテリ4についてトラブル対応を、バッテリ情報処理システム100に参画する事業者から受けることができる。以下、トラブルの内容別にトラブル対応の手順を具体的に説明する。
【0108】
<トラブル:バッテリ上がり>
電子商取引によって購入したバッテリ4を装着した車両を運転しようとするユーザは、バッテリ上がりを認識した場合、第2梱包材42に貼付されていたシール媒体422(又は粘着していたカード424)でバッテリ上がりトラブル時の電話番号を認識する。シール媒体422又は粘着していたカード424は、バッテリ4が装着された車両に収納されて取り出せるようにしてあるとよい。ユーザは、電話番号又はサービスアプリ3Pを介してトラブル対応の事業者に連絡する。
【0109】
トラブル対応の事業者は、ユーザからの連絡を受けると、対象のバッテリ4のバッテリ識別データを聞き取る(問診)。事業者端末装置2を用いて事業者は、バッテリ識別データを指定してバッテリ4の情報の参照請求を情報処理装置1へ送信する。電話等による連絡ではなくユーザ端末装置3がサービスアプリ3P上で、バッテリ識別データ及び不具合内容を受け付けてもよい。サービスアプリ3P上で不具合の連絡を対応サービス事業者へ向けて通知する場合、サービスアプリ3Pによりユーザ端末装置3は、GPS受信機を用いて特定した位置データを対応サービス事業者へ向けて通知してもよい。
【0110】
登録データが記憶されているバッテリ4を使用するユーザに対し、対応サービス事業者は、トラブルの内容と、バッテリ4が対象か否か、を判断してサービスを手配する。図8は、バッテリ情報処理システム100におけるバッテリデータの参照手順の一例を示すフローチャートである。
【0111】
事業者端末装置2の処理部20は、事業者端末プログラム2Pに基づき、参照対象のバッテリ4のバッテリ識別データの受付画面を表示させる(ステップS201)。ステップS201における入力画面の表示は、事業者に発行されるアカウントに基づき情報処理装置1からWebページを取得し、Webブラウザプログラムによって出力することで実現されてもよい。情報処理装置1は、アカウントが対応サービス事業者に対して発行したアカウントである場合、参照要求(バッテリ4の検索要求)を受け付けるための受付画面のWebページを、事業者端末装置2へ送信する。
【0112】
ステップS201で表示される受付画面には、少なくとも、対象のバッテリ4のバッテリ識別データを入力する入力欄が含まれる。受付画面には、問診結果(トラブル内容)の受付画面が含まれてもよい。受付画面はバッテリ4のトラブル内容についての選択項目(例えば「液漏れ」、「バッテリ上がり」等)が含まれてもよい。
【0113】
表示された受付画面において処理部20は、少なくとも、バッテリ識別データの入力を受け付ける(ステップS202)。処理部20は、通信部22により、ステップS202にて受け付けたバッテリ識別データを含む参照要求を、対応サービス事業者の事業者識別データと対応付けて情報処理装置1へ送信する(ステップS203)。ステップS203において処理部20は、問診結果(トラブル内容)を情報処理装置1へ送信してもよい。
【0114】
情報処理装置1の処理部10は、バッテリ識別データを含む参照要求を受信し(ステップS111)、バッテリ識別データを用いてバッテリDB111に記憶されている登録データを読み出す(ステップS112)。ステップS112において処理部10は、少なくとも購入日を読み出す。処理部10は、バッテリ識別データに対応付けて製造年月日及び発送日が対応付けられている場合、これらの情報も読み出す。
【0115】
処理部10は、読み出した登録データに基づいて保証可能であるか否かを判断する(ステップS113)。
【0116】
処理部10は、バッテリ識別データ及び読み出した登録データ及びステップS113の判断結果を事業者端末装置2へ応答する(ステップS114)。
【0117】
事業者端末装置2の処理部20は、参照要求への応答を受信し(ステップS204)、応答された登録データを表示部23に表示させ(ステップS205)、処理を終了する。
【0118】
ステップS205に登録データが表示された画面にて、処理部20が問診結果(トラブル内容)の入力を受け付けてもよい。この場合、処理部20は情報処理装置1へ問診結果を送信する。問診結果を受信した情報処理装置1は、バッテリ識別データと対応付けて問診結果をバッテリDB111に記憶する。
【0119】
サービス事業者のオペレータは、ステップS205で表示された登録データの内容と
問診結果に応じて、レスキューサービスの対応サービス事業者へ、ユーザから聞き取った場所等を通知すると共に、代替品が必要な場合は代替品発送の手配をする。
【0120】
情報処理装置1の処理部10は、保証可能であるか否かの判断(S113)の後、次に実施すべきトラブル対応の内容(マニュアル)及び/又は通知すべき他の対応サービス事業者を特定する処理を実行してもよい。事業者端末装置2の処理部20が、特定処理を実行してもよい。事業者端末装置2は、特定された対応内容を表示部23に表示させる。対応内容は、オペレータがユーザへ応答すべき内容、ユーザから聞き出すべき内容、及び他の対応サービス事業者への通知方法が含まれてもよい。表示部23に、通知すべき他の対応サービス事業者へ通知するためのインタフェースが、表示されてもよい。通知のためのインタフェースが選択されると、事業者端末装置2又は情報処理装置1は、事業者識別データを用いて通知先の事業者端末装置2に対して自動的に、問診結果を送信し、手続きを開始させることもできる。
【0121】
図9は、受付画面231の内容例を示す図である。受付画面231は、事業者端末装置2の表示部23に表示される。図9に示した受付画面231は、バッテリ識別データの入力欄232、受付日の入力欄233、問診内容の入力欄234、及び取引識別データの入力欄235を含む。
【0122】
受付画面231は、入力欄232-235で受け付けられたデータを、情報処理装置1へ参照要求として送信するための参照要求ボタン236を含む。
【0123】
図9に示した受付画面231に対し、対応サービス事業者のオペレータが操作を行なう。情報処理装置1は、バッテリ識別データ及び購入日を含むトレーサビリティに関するデータがバッテリDB111に記憶されているか否かによってトラブル対象のバッテリ4がトラブル対応サービスの対象であるか否かをオペレータに示すことができる。
【0124】
サービス事業者におけるバッテリ識別データ等のデータの入出力は、図9を参照して説明するようなインタフェースを介した方法に限られない。対応サービス事業者にて受け付け、保存したトラブル対応の内容を示す1又は複数のバッテリの識別データを含む参照要求を情報処理装置1へ送信し、これに応じて情報処理装置1からの応答を受信し、情報処理装置1から提供されるバッテリ識別データに対応付けられたデータをリスト状に表示するような態様であってもよい。
【0125】
<トラブル2:液漏れ>
図6及び図7を参照して説明した登録受付は、ユーザ宛に届けられたバッテリ4に、液漏れのトラブルが発生していない場合に実行された。逆に、ユーザがバッテリ4を受領した時点で、液漏れが発生している場合がある。液漏れが発生している場合、図6及び図7に示したユーザによる登録操作の実施へ進まない。ユーザは、液漏れを視認すると図4に示したシール媒体422を確認し、シール媒体422に印字されている液漏れ発生時の対処法を認識することができる。
【0126】
対処法には例えば、電話連絡と、サービスアプリ3P経由の連絡が含まれる。
【0127】
電話番号を認識したユーザは、液漏れ発生対応の事業者に連絡する。液漏れ発生対応の事業者は、ユーザからの電話連絡に応じて、ユーザが購入したバッテリ4の取引識別データ及びバッテリ識別データを聞き出し、図8に示した処理手順によって液漏れしたバッテリ4の配送に用いられた第2梱包材42のバッテリ識別データを記憶させることができる。
【0128】
サービスアプリ3P経由で連絡する場合、ユーザは、ユーザ端末装置3の取得部35のカメラを用い、第2梱包材42の天面に印字されている二次元コード425を撮影する。二次元コード425にエンコードされている制御データにより、ユーザ端末装置3は、対応サービス事業者へ通知又は通知画面を表示部33に表示する。
【0129】
図10は、通知画面337の概要図である。通知画面337は、図10に示すように、液漏れが発生していることを通知した旨のメッセージを含む。また図10の例における通知画面337は、ユーザがサービス事業者のオペレータと通話するための発信ボタン338を含む。ユーザ端末装置3の処理部30は、サービスアプリ3Pにより、二次元コード425から制御データを読み取った場合、通信部32から液漏れ発生の通知メッセージを情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1へ送信される通知メッセージは、ユーザ端末装置3の電話番号を含む。情報処理装置1は、通知メッセージを受信すると、ユーザ端末装置3の電話番号へ発信するためのメッセージを、液漏れ発生時に対応するサービス事業者の事業者端末装置2へ送信してもよい。
【0130】
液漏れ発生対応の対応サービス事業者のオペレータは、通知メッセージに応じて、ユーザ端末装置3に対して通話を試みる。逆に、通知画面337において発信ボタン338が選択された場合、オペレータは、ユーザからの通話を受け付ける。オペレータは、バッテリ識別データを含むバッテリ4のデータを問診により取得する。オペレータは、代替品発送のサービス事業者へ向けて手配を実施する。このときオペレータは、代替品の発送先の指定についてユーザから聞き出し、代替品発送のサービス事業者へ知らせる。オペレータは、事業者端末装置2を用いて通知メッセージに含まれていた電話番号あてに通話を試みてもよい。
【0131】
代替品発送のサービス事業者のオペレータは、ユーザが指定する宛先へ、第1梱包材41に梱包済みの代替品であるバッテリ4を、第2梱包材42に梱包して発送する処置を実施する。液漏れ発生対応のサービス事業者は、液漏れが発生したバッテリ4を回収する処置を実施するとよい。代替品発送に使用した第2梱包材42に再梱包して送り返すようにさせてもよい。
【0132】
液漏れが発生した場合、バッテリ4に対応するバッテリ識別データは情報処理装置1の記憶部11に記憶されない。液漏れ発生対応のサービス事業者が、液漏れが発生したバッテリ4のバッテリ識別データを含む参照要求を事業者端末装置2から情報処理装置1へ向けて実施させてもよい。情報処理装置1は、液漏れが発生したバッテリ4のバッテリ識別データを記憶し、販売事業者の特定は可能である。注文番号をユーザから聞き出せた場合、トラブル対応サービス事業者のオペレータは、事業者端末装置2を用いて、注文番号すなわち取引識別データを情報処理装置1に記憶する。取引識別データにより、液漏れが発生したバッテリ4の配送に関する販売事業者及び配送事業者を特定することができる。
【0133】
このように、電子商取引を介して購入されたバッテリ4の発送に使用される第2梱包材42によって、横倒しのままでの配送等を防止するとともに、第2梱包材42に梱包されているバッテリ4のバッテリ識別データ、液漏れ発生対応の事業者への問い合わせ電話番号等をユーザは容易に認識することができる。これにより、トラブルが発生した場合に、製造事業者、販売事業者、配送事業者のいずれに連絡すべきかを迷わずにすみ、電子商取引によるバッテリ4の購入へのユーザの不安・不満を低減できる。
【0134】
ユーザ宛に配送が完了した時点で液漏れが発生しなかった場合、又は、液漏れ発生後に製造事業者から代替品が送られた場合、ユーザは、バッテリ4を車両に装着させて用いることができる。無事に装着できたバッテリ4も、装着後の液漏れによって車両損傷トラブルを発生させることがある。このような場合であっても、ユーザは、電子商取引を介して購入されたバッテリ4に使用される第2梱包材42のシール媒体422(又は粘着していたカード424)でトラブル時の電話番号を認識し、液漏れ発生対応の事業者に連絡する。ユーザは、ユーザ端末装置3の取得部35のカメラを用いてバッテリ4の外観を撮影してもよい。ユーザ端末装置3は、サービスアプリ3Pにより、撮影された画像データを、情報処理装置1へバッテリ識別データと対応付けて送信してもよい。事業者端末装置2から取得可能にバッテリDB111に記憶されることで、オペレータの問診が容易になる可能性がある。液漏れ発生対応のサービス事業者は、登録済みのバッテリ識別データにより、図7及び図8に示したように、購入日及び取引識別データを含むトレーサビリティに関する登録データの内容を認識することで保証対応ができるか否かの判断ができ、適切な対応がすることができる。ユーザはトラブル対応サービス事業者から、適切にバッテリ交換又は修理手配等の対応を受けることができ、電子商取引によってバッテリ4を購入した場合のユーザの満足度向上が期待できる。
【0135】
(第2実施形態)
第2実施形態では、情報処理装置1は、販売事業者がバッテリ4の発送時に、発送データを受け付けて記憶する。第2実施形態におけるバッテリ情報処理システム100の構成は、発送データの受付手順及びユーザにおける登録手順以外は、第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態に示す構成のうち、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0136】
販売事業者は、バッテリ4が収容された状態の第1梱包材41を、第2梱包材42に梱包し、ユーザ宛に発送を完了すると、事業者端末装置2を用いて、発送済みのバッテリ4のバッテリ識別データを含む発送データを、情報処理装置1へ登録させる。図11は、バッテリ情報処理システム100における発送済みバッテリ4のデータ登録手順の一例を示すフローチャートである。
【0137】
事業者端末装置2の処理部20は、事業者端末プログラム2Pに基づき、発送データの入力画面を表示させる(ステップS211)。ステップS211における入力画面の表示は、事業者に発行されるアカウントに基づき情報処理装置1からWebページを取得し、Webブラウザプログラムによって出力することで実現されてもよい。情報処理装置1は、アカウントが販売事業者に対して発行したアカウントである場合、発送データを登録するための入力画面のWebページを、事業者端末装置2へ送信する。
【0138】
ステップS211で表示される入力画面には、発送するバッテリ4を梱包する(梱包した)第2梱包材42に付されたバッテリ識別データを入力する入力欄が含まれる。入力画面には、アカウントに対応する事業者を識別する事業者識別データが入力済みであってもよい。ステップS211で表示される入力画面には、ユーザからの電子商取引プラットフォーム上での注文時に発行される取引識別データを入力する入力欄が含まれてもよい。
【0139】
表示された入力画面において処理部20は、少なくとも、バッテリ識別データ及び発送日を含む発送データの入力を受け付ける(ステップS212)。処理部20はステップS212において、発送データとして、バッテリ識別データ及び発送日のみならず、販売事業者の事業者識別データを受け付けるとよい。処理部20はステップS212において、発送データとして、取引識別データの入力を受け付けてもよい。処理部20はステップS212において配送する配送事業者の事業者識別データの入力を受け付けてもよい。
【0140】
処理部20は、通信部22により、ステップS212で受け付けたバッテリ識別データ及び発送日を含む発送データを、販売事業者の事業者識別データと対応付けて情報処理装置1へ送信する(ステップS213)。
【0141】
情報処理装置1の処理部10は、バッテリ識別データ及び発送日を含む発送データを受信する(ステップS121)。処理部10は、発送データに含まれるバッテリ識別データが、そのバッテリ識別データを含むシール媒体422が貼付された第2梱包材42が製造事業者から発送してから、現時点が所定期間以内であるか否かを判断する(ステップS122)。
【0142】
所定期間以内であると判断された場合(S122:YES)、処理部10は、発送データに含まれるバッテリ識別データに対応付けて、発送日のデータをバッテリDB111に記憶する(ステップS123)。処理部10は、発送データの記憶の完了通知をユーザ端末装置3へ向けて通信部12から送信する(ステップS124)。
【0143】
バッテリDB111には、バッテリ識別データに対応付けて発送日が記憶される。これにより、発送日のみが記憶されたバッテリ識別データのバッテリ4に、販売事業者からの発送時点での液漏れが発生していないと、事後的に推測可能になる。
【0144】
事業者端末装置2の処理部20は、通知を受信し(ステップS214)、通知内容を表示部23に表示させ(ステップS215)、処理を終了する。
【0145】
ステップS122において所定期間以内でないと判断された場合(S122:NO)、処理部10は、エラー通知を事業者端末装置2へ向けて通信部12から送信する(ステップS125)。
【0146】
事業者端末装置2の処理部20は、通知を受信し(S214)、通知内容を表示部23に表示させ(S215)、処理を終了する。
【0147】
図12は、販売事業者用の入力画面237の内容例を示す。図12の入力画面237は、販売事業者のオペレータが事業者端末装置2を用い、情報処理装置1で提供されるWebページにアクセスし、アカウントでログインした場合に、表示される。
【0148】
入力画面237は、バッテリ識別データの入力欄238、発送日の入力欄239を含む。入力画面237には、販売事業者の事業者識別データが表示されている。入力画面237は、入力欄239に入力された発送ータを情報処理装置1へ送信するための登録ボタン240を含む。入力画面237は、取引識別データ、又は、発送を実施した発送事業者の識別データを受け付ける欄があってもよい。これにより、事後的に発送事業者の発送に問題があったか否かを対応サービス事業者のオペレータが確認でき、適切な処理を実施することができる。
【0149】
第2実施形態においても、ユーザによるバッテリ識別データの登録手順として、図6に示した処理手順が実行される。第2実施形態では、図6に示した処理手順のうち、ステップS102の判断処理は、登録データに含まれるバッテリ識別データが発送データとしてバッテリDB111に記憶済みであるか否かの判断に代替されてもよい。発送データが図10に示したように販売事業者によって登録されている場合、販売事業者からのバッテリ4の発送が所定期間内であるか否かの判断は実施済みなためである(S122)。
【0150】
第2実施形態においても、電子商取引を介して購入されたバッテリ4のバッテリ上がり、又は液漏れ発生等のトラブルに対し、ユーザからの電話問い合わせを受けるサービス事業者は、購入日及び取引識別データを含む登録データの内容を認識できる。登録データの内容により、サービス事業者は、保証対応ができるか否かの判断ができ、適切な対応がすることができる。ユーザはトラブル対応サービス事業者から、適切にバッテリ交換又は修理手配等の対応を受けることができ、電子商取引によってバッテリ4を購入した場合のユーザの満足度向上が期待できる。
【0151】
上述の第1実施形態及び第2実施形態のバッテリ情報処理システム100では、情報処理装置1にて収集し、閲覧可能とするデータは、電子商取引で購入された補助バッテリのデータであった。しかしながら、その他の車両部品の保証に関するデータであってもよい。
【0152】
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0153】
1 情報処理装置
10 処理部
11 記憶部
111 バッテリDB
1P 情報処理プログラム
2 事業者端末装置
20 処理部
23 表示部
3 ユーザ端末装置
30 処理部
33 表示部
3P サービスアプリ
41 第1梱包材
42 第2梱包材
421 転倒防止部
422 シール媒体
423 二次元コード
424 カード
425 二次元コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12